特許第6521549号(P6521549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6521549
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20190520BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   H01F17/00 B
   H01F27/28 104
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-131180(P2018-131180)
(22)【出願日】2018年7月11日
【審査請求日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0167357
(32)【優先日】2017年12月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リュ、ジョウン グル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム セオク
(72)【発明者】
【氏名】ボン、カン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ビョン チョル
【審査官】 森 透
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−151411(JP,U)
【文献】 特開2001−189215(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0170823(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0120952(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00
H01F 27/28
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性物質で充填された貫通孔、及び伝導性物質で充填されたビアホールを含み、絶縁物質を含む支持部材と、前記支持部材の一面上に形成される第1コイル、及び前記一面と向かい合う他面上に形成される第2コイルを含むコイルと、前記支持部材及び前記コイルを封止する磁性物質と、を含む本体と、
前記本体の外部面上に配置され、前記コイルと連結される外部電極と、を含むコイル部品であって、
前記第1コイル及び前記第2コイルはそれぞれ、前記支持部材と接する第1シードパターン及び第2シードパターンを含み、前記第1シードパターンの厚さは、前記第2シードパターンの厚さに比べてより薄く、
前記支持部材は、前記一面を有する第1支持部材と、前記他面を有する第2支持部材と、を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記第1支持部材の反り特性が、前記第2支持部材の反り特性に比べてより大きい、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1支持部材の熱膨張係数(CTE)が、前記第2支持部材の熱膨張係数(CTE)に比べてより大きい、請求項1または2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1支持部材はガラスを含み、前記第2支持部材は前記ガラスを含まない、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記ガラスは、前記支持部材の中央を基準として前記一面に近く配置される、請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記ガラスは、前記支持部材の一面または他面に平行に配置される、請求項4または5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1支持部材の厚さが、前記第2支持部材の厚さと同一である、請求項4から6のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記ガラスはE−ガラスを含む、請求項4から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記ガラスは、NE−ガラス、D−ガラス、T−ガラス、S−ガラスのうち1つ以上を含む、請求項4から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第1シードパターンの厚さが2μm以上5μm以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第2シードパターンの厚さが12μm以上18μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記支持部材の総厚さが35μm以上65μm以下である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第1シードパターン上には第1基本層及び第1めっき層が配置され、前記第2シードパターン上には第2基本層及び第2めっき層が配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記第1基本層は、前記支持部材のビアホールの側面及び下面を囲むように配置される、請求項13に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第1めっき層が前記ビアホールの内部を充填する、請求項13または14に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記第1及び第2めっき層は、Mo、Al、Ti、Ni、及びWのうち1つ以上を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記第1基本層は、前記第2シードパターンと接する、請求項13から16のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記第1及び第2支持部材はエポキシを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関するものであって、具体的に、薄膜型パワーインダクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展に伴い、装置の小型化及び薄膜化が加速化するとともに、小型の薄型素子に対する市場の要求が増加している。
【0003】
下記特許文献1では、かかる技術傾向に適するように、ビアホールを有する基板と、上記基板の両面に配置され、上記基板のビアホールを介して電気的に連結されるコイルと、を含むパワーインダクターを提供することで、均一で且つ高アスペクト比を有するコイルを含むインダクターを提供するための努力が行われた。しかし、製造工程などの限界により、均一で且つ高アスペクト比を有するコイルを形成するには、依然として限界があるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第1999−0066108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、従来のCCLのコアの全厚さを維持して設備施設をそのまま用いながらも、コアを薄膜化することで、コイルの厚さを増加させ、コアの薄膜化にもコアの変形(warpage)を防止することができるコイル部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一例によるコイル部品は、磁性物質で充填された貫通孔、及び伝導性物質で充填されたビアホールを含み、絶縁物質を含む支持部材と、上記支持部材の一面上に形成される第1コイル、及び上記一面と向かい合う他面上に形成される第2コイルを含むコイルと、上記支持部材及び上記コイルを封止する磁性物質と、を含む本体と、上記本体の外部面上に配置され、上記コイルと連結される外部電極と、を含む。上記第1及び第2コイルはそれぞれ、上記支持部材と接する第1シードパターン及び第2シードパターンを含み、上記第1シードパターンの厚さが、上記第2シードパターンの厚さに比べてより薄い。上記支持部材は、上記一面を有する第1支持部材と、上記他面を有する第2支持部材と、を含む。上記第1支持部材の反り特性が、上記第2支持部材の反り特性に比べてより大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な効果の一効果は、限定されたコイル部品の全厚さにおいて、コイル部品の内部に含まれたコイルのアスペクト比を増加させることで、インダクタンス及びRdc特性を改善させるとともに、コアの反り発生などの信頼性の問題を解決したコイル部品を提供することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のコイル部品の概略的な斜視図である。
図2図1のI−I'線に沿って切断した概略的な断面図である。
図3図2のA領域を拡大した拡大図である。
図4図1図3のコイル部品の一変形例によるコイル部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0011】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0012】
以下では、本発明の一例によるコイル部品及びその製造方法について説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0013】
コイル部品
図1は本発明の一例によるコイル部品100の概略的な斜視図であり、図2図1のI−I'線に沿って切断した断面図であり、図3図2のA領域を拡大した拡大図である。
【0014】
図1から図3を参照すると、コイル部品100は本体1及び外部電極2を含む。上記外部電極は、互いに異なる極性と連結される第1及び第2外部電極21、22を含む。
【0015】
上記本体1は、コイル部品の外観を成すものであって、厚さ(T)方向において互いに向かい合う上面及び下面、長さ(L)方向において互いに向かい合う第1端面及び第2端面、幅(W)方向において互いに向かい合う第1側面及び第2側面を含むことで、実質的に六面体形状を有することができる。
【0016】
上記本体1は磁性物質11を含み、上記磁性物質は、磁気特性を有する物質であれば十分であるが、例えば、フェライトまたは金属磁性粒子が樹脂に充填されたものであることができる。上記金属磁性粒子は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される1つ以上を含むことができる。
【0017】
上記磁性物質は、後述の支持部材12及びそれにより支持されるコイル13を封止する。
【0018】
上記支持部材12は、コイルを支持する機能を果たすものであるため、コイルを安定して支持するための適切な剛性を有することが求められる。上記支持部材は、磁性物質で充填された貫通孔Hと、上記貫通孔の周りで上記貫通孔から離隔し、且つ伝導性物質で充填されたビアホールVと、を含む。上記支持部材は、コイル部品のロープロファイル化(Low−Profile)のために、薄膜化される必要がある。支持部材として通常活用されている公知のCCL(Copper Clad Laminate)基板の中心コアは、略60μmの厚さを有する。しかし、近年、さらに薄膜化された基板に対する要求が増大している状況である。ところが、基板が薄くなる場合、コイル部品のロープロファイル化には効果的であるものの、薄膜化された基板が工程時に取り扱いにくくなり、反しや割れなどの変形が発生するおそれが大きくなり得る。また、支持部材の全厚さが薄くなる場合、従来の量産ラインの設備や駆動性の点で変更が要求されるという問題がある。したがって、支持部材を薄膜化しながらも、既存の設備施設の変更を最小化し、薄膜化による取り扱いの問題を最小化する必要がある。
【0019】
そこで、図1から図3の支持部材12は、従来の公知のCCLの中心コアの厚さよりも薄い厚さを有するようにすることで、支持部材の上面上のコイルパターンと下面上のコイルパターンとの間の距離を減少させながらも、コイルパターンの形成時における取り扱いの問題を最小化したものである。上記支持部材の厚さは35μm〜65μmであり、より好ましくは40μmであってもよい。上記支持部材の厚さが35μmより薄い場合には、支持部材を極めて取り扱いにくくなり、高アスペクト比のコイルパターンを支持するための剛性を確保することが困難となる。また、支持部材の厚さが65μmより厚くなると、コイル部品のロープロファイル化に適切に対応することができなくなる。
【0020】
上記支持部材12は、厚さ方向を基準として互いに向かい合う一面12a及び他面12bを有する。上記支持部材は、上記一面を有する第1支持部材121と、上記他面を有する第2支持部材122と、を含み、上記第2支持部材上に上記第1支持部材が順に積層された構造を有する。
【0021】
上記第1及び第2支持部材は、互いに異なる反り特性を有する。既存の設備施設を変更することなく用いるためには、公知のCCL基板の厚さを維持する必要がある。そのために、最終製品から除去されるキャリア箔(Carrier foil)が用いられる。上記キャリア箔は、支持部材と、その一面及び他面に付着される第1及び第2シードパターンの総厚さが公知のCCL基板よりも薄い場合に、その薄い程度を補うための補助構成であるといえる。一方、支持部材の一面及び他面に形成される第1及び第2シードパターンは互いに異なる厚さを有するため、より薄い厚さを有するシードパターンである第1シードパターン上に上記キャリア箔を積層することが好適である。この際、上記キャリア箔は工程中に除去される必要があり、その除去過程中に、支持部材が一方向に反るという問題が発生する。しかし、本発明のコイル部品100の支持部材12は、互いに異なる反り特性を有する第1及び第2支持部材を互いに接合した構造を有するため、キャリア箔の除去工程中に支持部材が一方向に反るという問題を防止することができる。具体的に、第1シードパターンの厚さが第2シードパターンの厚さに比べてより薄いため、第2シードパターンに向かって支持部材が反る可能性があるが、第1シードパターンと接する第1支持部材の反り特性が、第2シードパターンと接する第2支持部材の反り特性に比べてより大きいため、支持部材が厚い第2シードパターンに向かって反ることを防止することができる。
【0022】
この際、反り(Warpage)特性を異ならせる方式の1つとして、それぞれの支持部材中に含まれる絶縁物質のCTE(熱膨張係数)を異ならせる方法が挙げられる。具体的に、図1から図3を参照すると、第1支持部材中に含まれる物質のCTEが、第2支持部材中に含まれる物質のCTEに比べてより大きい。この場合、相対的に低い熱膨張係数を有する第2支持部材に向かって反り(Warpage)が発生することを防止することができる。
【0023】
上記第1及び第2支持部材は基本的にエポキシ樹脂を含み、上記エポキシ樹脂中に、異なるCTEを有する絶縁樹脂であるPTFE、PI、LCP、熱可塑性エポキシ系や熱硬化性エポキシ系を適宜含むことができる。例えば、通常、エポキシ樹脂の熱膨張係数は略50〜80ppm/℃であって、電子製品に用いられる通常の材料(例えば、金属やセラミック素材など)に比べて相対的に大きいCTEを有するため、第2支持部材中には、エポキシ樹脂を基本とする材料に加えて、エポキシ樹脂に比べて相対的に低いCTEを有するエステル若しくはアミドなどの絶縁樹脂をさらに追加することができるが、これに限定されるものではなく、低いCTEを有し、且つ絶縁特性を有する材料であれば制限されずに適用可能である。
【0024】
次に、上記第1及び第2支持部材の厚さは、支持部材12の全厚さを維持する範囲内で適宜選択されることができ、第1及び第2支持部材の厚さが互いに同一であってもよいことは言うまでもない。これは、第1及び第2支持部材のCTE差の程度を考慮して適宜選択することができる。
【0025】
上記支持部材によりコイル13が支持され、上記コイルは、支持部材の一面上に配置される第1コイル13aと、支持部材の他面上に配置される第2コイル13bと、を含む。上記第1及び第2コイルはそれぞれ、第1及び第2シードパターン、第1及び第2基本層、第1及び第2めっき層を含む。
【0026】
上記第1支持部材121上には第1シードパターン131aが配置される。上記第1シードパターンは全体的にコイルパターンの形状に沿って形成される。上記第1シードパターンの厚さは、特に制限されないが、第2シードパターンに比べて薄くする。例えば、第1シードパターンの厚さは2μm以上5μm以下であることが好ましい。これは、上記厚さの範囲内である場合、COレーザーによって第1シードパターンを容易にパターニングすることができるためである。
【0027】
上記第1シードパターンは電気伝導性に優れた材料を含み、例えば、Cu合金を含むことが好ましい。
【0028】
次に、上記第2支持部材122上には第2シードパターン131bが配置される。上記第2シードパターンは、第1シードパターンと同様に全体的にコイル状を有することは言うまでもないが、ビアホールVより下方に配置されることが第1シードパターンと異なる。これについて詳細に説明すると、第1及び第2シードパターンは、支持部材の一面及び他面に配置された状態で複数層からなるコイルの最下層を構成する。この際、第2シードパターンは、支持部材に形成されるビアホールのビアパッドとしても機能する。したがって、上記第2シードパターンの厚さは、ビアパッドとして構成されるのに十分であるように、12μm以上18μm以下であることが好ましい。
【0029】
既存の設備施設をそのまま用いることができるように、上記支持部材12と上記支持部材により支持されて接する第1及び第2シードパターン131a、131bとを合わせた全厚さは、公知のCCL基板(中心コア、及び中心コアの両面に形成された銅張積層の構造を有する)の全厚さと実質的に同一または類似の程度に制御されることが好ましい。例えば、上記全厚さが35μm以上65μm以下の範囲内であることが好ましい。
【0030】
上記第1及び第2シードパターン上にはそれぞれ第1及び第2基本層132a、132bが配置されることができる。上記第1及び第2基本層は、金属薄膜層であって、略1μm以下の厚さを有する。上記第1及び第2金属層の形成方式は特に制限されないが、スパッタリング工程により形成する場合、薄い金属層を均一に形成することが容易である。上記第1及び第2基本層は導電性物質を含み、例えば、Mo、Al、Ti、Ni、及びWのうち1つ以上を用いることができる。
【0031】
上記第1シードパターン上に配置される第1基本層132aは、ビアホールの下面を封止する形状で構成され、ビアホールの下面に配置される第1基本層の下面は第2シードパターンと接する。上記第1基本層は、ビアホールの下面だけでなく、ビアホールの側面上にも形成される。
【0032】
次に、上記第1及び第2基本層上には第1及び第2めっき層133a、133bがそれぞれ配置される。第1及び第2めっき層は、実質的にコイルのアスペクト比を決定する導体層である。第1及び第2めっき層の線幅は、その下に配置される第1及び第2基本層の線幅と実質的に同一である。これは、上記の構造が、第1及び第2基本層を形成した後、絶縁パターンをパターニングしてから、その開口部に第1及び第2めっき層を充填する方式により導出されるためである。
【0033】
上記第1及び第2めっき層は、めっき工程に適した電気伝導性物質を含み、例えば、Cu合金を含むことができる。
【0034】
次に、コイルの表面と磁性物質との絶縁のために絶縁層14が配置されることができる。上記絶縁層は、均一で且つ薄く、加工性及び絶縁性に優れた材料からなることが好ましく、例えば、化学気相蒸着(CVD)工程により形成することができる。
【0035】
図4図1から図3のコイル部品100の一変形例によるコイル部品200の斜視図である。
【0036】
図4に示されたコイル部品200は、第1及び第2支持部材の反り特性を異ならせるために、含まれる絶縁樹脂を変更することと異なって、上記支持部材中におけるガラスの位置を変更したものである。説明の便宜のために、重複される構成についての説明は省略し、支持部材についての説明のみを追加する。
【0037】
図4を参照すると、支持部材212は、ガラスを含む第1支持部材2121と、ガラスを含まない第2支持部材2122と、を含む。支持部材の全体を基準として、上記ガラスは、相対的に支持部材の中央よりも上方に配置される。これは、絶縁樹脂に比べて相対的に低い熱膨張係数を有するガラスを、支持部材において反りが発生する可能性の高い方向とは反対側の方向に配置させることで、支持部材の反りを防止するようにしたものである。上記ガラスは、上記支持部材の一面または他面に平行に分散される構造を有することができ、例えば、上記ガラスの集合体が所定の厚さを有する板状に配置されることができる。この際、絶縁樹脂に対するガラスの含量は、当業者が必要に応じて適宜制御することができる。上記ガラスは、PCB基板用として主に用いられ、強化特性または絶縁特性を有するE−ガラス(alumino−borosilicate glass)であることができる。上記ガラスは、当業者がNE−ガラス、D−ガラス、T−ガラス、S−ガラスなどから必要に応じて適宜選択することができる。この際、当業者は、第1及び第2シードパターンの厚さ差などを考慮して、それによる反りの発生程度に応じて、ガラスの種類及び含量、配置される位置などを適宜選択することができる。
【0038】
上記コイル部品によると、支持部材の厚さを薄型化するとともに、既存の量産設備を変更しないようにCCL基板の全厚さを維持するために、支持部材の一面及び他面に形成される第1及び第2シードパターンの厚さを調節することで、ロープロファイル化に対する要求を満たすコイル部品を提供することができるようになる。その結果、同一サイズのコイル部品において支持部材の厚さを最小化することで、厚さ方向の磁路長を短縮し、磁性物質を充填できる空間を最大化することにより、L値増加、DC−バイアス特性の改善効果を奏することができる。また、上記第1及び第2シードパターンの厚さを調節しながらも、全厚さを維持するために活用されるキャリア箔を除去する際に発生する反り発生の問題を解決すべく、支持部材が、互いに異なる反り特性を有する支持部材を結合した構造を有するようにする。
【0039】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【0040】
一方、本発明で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実施される場合を排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対の説明がされているかその事項と矛盾する説明がされていない限り、他の一例に関連する説明であると解釈することもできる。
【0041】
また、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【符号の説明】
【0042】
100 コイル部品
1 本体
21、22 第1及び第2外部電極
11 磁性物質
12 支持部材
13 コイル
14 絶縁層
【要約】
【課題】従来のCCLのコアの全厚さを維持して設備施設をそのまま用いながらも、コアを薄膜化することで、コイルの厚さを増加させ、コアの薄膜化にもコアの変形を防止することができるコイル部品を提供する。
【解決手段】本発明は、支持部材、コイル、及び磁性物質を含む本体と、上記本体の外部面上に配置される外部電極と、を含むコイル部品に関する。上記コイルは、上記支持部材の一面及び他面によりそれぞれ支持される第1及び第2コイルを含み、上記第1及び第2コイルはそれぞれ第1及び第2シードパターンを含む。上記第1シードパターンの厚さは、上記第2シードパターンの厚さに比べてより薄い。上記第1シードパターンと近い第1支持部材の反り特性は、上記第2シードパターンと近い第2支持部材の反り特性に比べてより大きい。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4