特許第6521718号(P6521718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6521718
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】籾摺装置
(51)【国際特許分類】
   B02B 3/08 20060101AFI20190520BHJP
【FI】
   B02B3/08 101B
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-91953(P2015-91953)
(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公開番号】特開2016-203147(P2016-203147A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】坂上 智昭
(72)【発明者】
【氏名】中澤 康裕
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−054571(JP,A)
【文献】 特開昭54−105048(JP,A)
【文献】 実公昭44−026778(JP,Y1)
【文献】 特公昭51−026351(JP,B1)
【文献】 特公昭33−004530(JP,B1)
【文献】 特開昭59−000340(JP,A)
【文献】 米国特許第04393762(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 − 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から搬入された籾を径方向外方に排出する籾供給部と、
前記籾供給部から排出された籾を受け入れるように前記籾供給部の外周に沿って設けられるとともに、前記籾供給部の中心に位置する回転軸心まわりに回転して、前記籾供給部から排出された籾を径方向外方に案内するインペラ部とを備え、
前記インペラ部は、径方向内方側から径方向外方側に向けて放射状に延びる複数の羽根体と、前記複数の羽根体夫々の径方向外方側箇所に位置して、前記羽根体によって案内された籾を受け取り、衝突によって脱ぷする複数の内側脱ぷ部とを備えており、
前記インペラ部の外周を取り囲むように設けられ、前記インペラ部によって投擲された籾を受け取り、衝突によって脱ぷする外側脱ぷ部を備え、
前記内側脱ぷ部は、前記羽根体の摺動案内面と交差する衝突面を備え、
前記羽根体の摺動案内面と前記衝突面との間に、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように傾斜又は湾曲する姿勢変更面が形成され、
前記衝突面と前記姿勢変更面との間に、前記姿勢変更面に対して凹入する状態で凹入面が形成されている籾摺装置。
【請求項2】
前記内側脱ぷ部に、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように傾斜して、前記衝突面に衝突した後の処理物を前記外側脱ぷ部に向けて投擲する投擲作用面が備えられ、
前記投擲作用面の前記摺動案内面に対する傾斜角は、前記衝突面の前記摺動案内面に対する傾斜角よりも大きく設定されている請求項1に記載の籾摺装置。
【請求項3】
前記内側脱ぷ部の回転方向下手側端部が、その内側脱ぷ部に対して回転方向下手側に隣接する前記羽根体の回転方向上手側端部よりも回転方向下手側に位置している請求項1又は2に記載の籾摺装置。
【請求項4】
前記内側脱ぷ部の径方向外端部に、前記外側脱ぷ部の内周面と略平行に設定された案内面が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の籾摺装置。
【請求項5】
外部から搬入された籾を径方向外方に排出する籾供給部と、
前記籾供給部から排出された籾を受け入れるように前記籾供給部の外周に沿って設けられるとともに、前記籾供給部の中心に位置する回転軸心まわりに回転して、前記籾供給部から排出された籾を径方向外方に案内するインペラ部とを備え、
前記インペラ部は、径方向内方側から径方向外方側に向けて放射状に延びる複数の羽根体と、前記複数の羽根体夫々の径方向外方側箇所に位置して、前記羽根体によって案内された籾を受け取り、衝突によって脱ぷする複数の内側脱ぷ部とを備えており、
前記インペラ部の外周を取り囲むように設けられ、前記インペラ部によって投擲された籾を受け取り、衝突によって脱ぷする外側脱ぷ部を備え、
前記内側脱ぷ部の径方向外端部に、径方向外方に向けて突出するとともに、前記回転軸心方向に延びる突起が形成されている籾摺装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インペラ式の籾摺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インペラ式の籾摺装置は、インペラ部の周囲がケーシングにより覆われ、ケーシングにおけるインペラ部の外周を取り囲むように、例えばウレタン等の軟質材からなる脱ぷ用のライナーが備えられ、インペラ部により案内される籾をライナーに衝突させて、ライナーにより籾を籾殻と玄米に分離する脱ぷ処理を行うようにしている。すなわち、インペラ部が回転することで、籾を羽根体により受け止めて遠心力にて径方向外方に向けて案内して、羽根体の径方向外端部から外方に投擲してライナーに衝突させ、その衝撃により脱ぷ処理を行うように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−19440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、籾が羽根体の径方向外端部から外方に投擲されるとき、細長い形状で且つ長手方向両側端部が先細状となる籾の外形形状に起因して、羽根体の径方向外端部に対する籾の当り具合によっては、放出方向が変化したり、放出速度が変動するおそれがある。その結果、ライナーに衝突するときの速度や角度が脱ぷに適した状態から外れてしまうことがあり、そのようなときは良好に脱ぷすることができない場合がある。つまり、籾の放出方向や放出速度のバラツキが大きくなることから、脱ぷ率が低下するおそれがあった。
【0005】
そこで、インペラ式の籾摺装置における脱ぷ率の向上を図ることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る籾摺装置の特徴構成は、
外部から搬入された籾を径方向外方に排出する籾供給部と、
前記籾供給部から排出された籾を受け入れるように前記籾供給部の外周に沿って設けられるとともに、前記籾供給部の中心に位置する回転軸心まわりに回転して、前記籾供給部から排出された籾を径方向外方に案内するインペラ部とを備え、
前記インペラ部は、径方向内方側から径方向外方側に向けて放射状に延びる複数の羽根体と、前記複数の羽根体夫々の径方向外方側箇所に位置して、前記羽根体によって案内された籾を受け取り、衝突によって脱ぷする複数の内側脱ぷ部とを備えており、
前記インペラ部の外周を取り囲むように設けられ、前記インペラ部によって投擲された籾を受け取り、衝突によって脱ぷする外側脱ぷ部を備え
前記内側脱ぷ部は、前記羽根体の摺動案内面と交差する衝突面を備え、
前記羽根体の摺動案内面と前記衝突面との間に、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように傾斜又は湾曲する姿勢変更面が形成され、
前記衝突面と前記姿勢変更面との間に、前記姿勢変更面に対して凹入する状態で凹入面が形成されている点にある。
【0007】
本発明によれば、インペラ部は、籾供給部により供給された籾を複数の羽根体にて摺動案内しながら、回転に伴う遠心力にて径方向外方に案内する。羽根体にて案内される籾は、羽根体の径方向外方側箇所に備えられた内側脱ぷ部に衝突して脱ぷ処理が行われる。
【0008】
内側脱ぷ部はインペラ部に備えられて羽根体と一体的に回転するので、回転速度が定まると、羽根体にて案内される籾が内側脱ぷ部に衝突するときの速度や角度は、大きく変動することはなく、安定したバラツキの少ない状態になる。その結果、籾が脱ぷ部に衝突するときの速度や角度のバラツキの大きさに起因する脱ぷ率の低下を抑制して、脱ぷ率を向上させることが可能となる。
【0009】
羽根体により案内される籾は、内側脱ぷ部にて脱ぷ作用を受けたのち、遠心力にて径方向外方に向けて投擲され、外側脱ぷ部に衝突して再度、脱ぷ作用を受けることになる。内側脱ぷ部にて脱ぷされなかった籾を外側脱ぷ部に衝突させて脱ぷさせることができる。このように、内側脱ぷ部及び外側脱ぷ部において2段階の脱ぷ作用を受けることにより、さらに脱ぷ率を向上させることが可能となる。
【0010】
従って、本願発明によれば、インペラ式の籾摺装置において脱ぷ率の向上を図ることが可能となった。
【0011】
【0012】
また、本構成によれば、羽根体の摺動案内面にて摺動案内しながら遠心力にて径方向外方に案内された籾は、姿勢変更面により径方向外方側に移動するほど回転方向下手側に向かうように姿勢変更されたのち、摺動案内面と交差する衝突面に衝突して脱ぷ処理が行われる。
【0013】
ところで、籾は、胚芽が存在する先細状の一端部箇所と、それとは反対側に位置して先細状の他端側箇所との間に中膨らみ状の胴体部を備えた細長形状となっている。そして、前記一端部箇所は、それ以外の箇所よりも硬くて割れ難い性質を有している。
【0014】
羽根体として、例えば、平坦な摺動案内面のみによって籾を案内して内側脱ぷ部に衝突する構成にした場合、籾が長手方向を摺動案内方向に沿わせた状態で案内されると、前記一端部箇所が先頭になっている状態で内側脱ぷ部に衝突することがある。このような衝突が繰り返し行われると、籾における硬い箇所が衝突することにより、内側脱ぷ部が短期間の使用で大きく摩耗するおそれがある。
【0015】
本構成によれば、前記一端部箇所が先頭になっている状態で摺動案内面によって案内された場合であっても、籾が姿勢変更面により径方向外方側に移動するほど回転方向下手側に向かうように向き変更しながら案内されるので、衝突面に対して籾の胴体部が衝突することになる。その結果、内側脱ぷ部に対して籾の硬い箇所が衝突するのを回避させ易いものとなる。
【0016】
従って、内側脱ぷ部に対して籾の硬い箇所が繰り返し衝突して短期間の使用で大きく摩耗することを回避して、長期にわたり良好な使用状態を維持することが可能となる。
【0017】
本発明においては、前記内側脱ぷ部に、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように傾斜して、前記衝突面に衝突した後の処理物を前記外側脱ぷ部に向けて投擲する投擲作用面が備えられ、前記投擲作用面の前記摺動案内面に対する傾斜角は、前記衝突面の前記摺動案内面に対する傾斜角よりも大きく設定されていると好適である。
【0018】
本構成によれば、羽根体により案内された籾が内側脱ぷ部の衝突面に衝突して脱ぷ作用を受け、その処理物が投擲作用面により外側脱ぷ部に向けて投擲される。投擲作用面の摺動案内面に対する傾斜角は、衝突面の摺動案内面に対する傾斜角よりも大きいので、処理物は、外側脱ぷ部の接線方向にできるだけ近い角度で外側脱ぷ部に向けて放出される。
【0019】
その結果、放出されて外側脱ぷ部にて衝突するときに、衝撃力は低くなり、衝突時に玄米や籾が損傷を受けて、例えば、玄米や籾が砕けたり、胚芽部分が外れて脱芽状態になること等を回避し易いものとなる。しかも、外側脱ぷ部にて籾が跳ね返る際に、籾が勢いよく跳ね返ることがなく、内側脱ぷ部に再度勢いよく衝突して籾が損傷を受けるおそれも少ないものとなる。
【0020】
本発明においては、前記内側脱ぷ部の回転方向下手側端部が、その内側脱ぷ部に対して回転方向下手側に隣接する前記羽根体の回転方向上手側端部よりも回転方向下手側に位置していると好適である。
【0021】
本構成によれば、内側脱ぷ部と回転方向下手側に隣接する羽根体とが回転方向(周方向)に重複することになる。外側脱ぷ部に衝突したのちに跳ね返った籾が、内側脱ぷ部と回転方向下手側に隣接する羽根体との間の隙間から入り込むのを防止できる。その結果、籾が隙間から入り込んで、羽根体によって摺動案内される籾と干渉して脱ぷ処理が適正に行えなくなる等の不利を回避し易い。
【0022】
本発明においては、前記内側脱ぷ部の径方向外端部に、前記外側脱ぷ部の内周面と略平行に設定された案内面が形成されていると好適である。
【0023】
本構成によれば、外側脱ぷ部に衝突したのちに跳ね返った籾が、内側脱ぷ部の径方向外端部に接当することがあっても、外側脱ぷ部の内周面と略平行に設定された案内面が形成されているから、そのとき強い衝撃を受けて籾が損傷するおそれは少ない。
【0024】
本発明においては、前記内側脱ぷ部の径方向外端部に、径方向外方に向けて突出するとともに、前記回転軸心方向に延びる突起が形成されていると好適である。
【0025】
本構成によれば、インペラ部が回転するに伴って内側脱ぷ部が回転すると、内側脱ぷ部にて脱ぷ作用を受けた籾が、内側脱ぷ部の通過箇所と外側脱ぷ部との間の籾通過領域に投擲されるとき、内側脱ぷ部と一体的に回転する突起によって、既に投擲されて籾通過領域を通過している籾を押し退けるので、籾同士が干渉して脱ぷ処理が適正に行われなくなる不利を回避し易いものになる。
【0026】
インペラ式の籾摺機では、前記籾通過領域を通過する複数の籾はインペラ部における回転軸心方向中央側に偏った状態で集まり易い傾向がある。しかし、本構成によれば、回転軸心方向に幅広の突起が回転することで風が生起され、籾通過領域を通過している複数の籾に対して送風作用して、籾の偏りを解消して回転軸心方向に均すことができる。その結果、外側脱ぷ部の偏摩耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】籾摺装置の側面図である。
図2】籾摺装置の正面図である。
図3】籾摺部の側面図である。
図4】ホッパー及び脱ぷケースの分解斜視図である。
図5】インペラ部の分解斜視図である。
図6】羽根体の取付状態を示す分解斜視図である。
図7】分散案内部の分解斜視図である。
図8】籾摺部の縦断側面図である。
図9】籾摺部の縦断正面図である。
図10】籾案内ブロック体の籾案内状態を示す一部縦断側面図である。
図11】羽根体と籾案内ブロック体の取付状態を示す側面図である。
図12】羽根体と籾案内ブロック体の取付状態を示す縦断正面図である。
図13】籾の分散案内状態を示す側面図である。
図14】籾の分散案内状態を示す縦断正面図である。
図15】別実施形態の籾摺部の側面図である。
図16】別実施形態の籾案内ブロック体の側面図である。
図17】別実施形態の籾案内ブロック体の正面図である。
図18】別実施形態の籾摺部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る籾摺装置の実施形態を図面に基づいて説明する。籾摺装置は、外部から供給される籾の籾摺り処理すなわち、籾を籾殻と玄米に分離する脱ぷ処理を行うものである。
【0029】
本発明に係る籾摺装置は、図1,2に示すように、略箱状の本体ケーシング1の上部に位置して、外方側から投入される籾Mを一時貯留するホッパー2、ホッパー2から下方に排出された籾Mを本体ケーシング1の一側面に向けて斜め下方に流下案内する流下案内部3、本体ケーシング1の一側面の外側に位置して、ホッパー2から排出され且つ流下案内部3により流下案内される籾の籾摺(脱ぷ処理)を行う籾摺部4、本体ケーシング1の内部に位置する駆動用の電動モータ5等を備えている。
【0030】
籾摺部4は、電動モータ5の駆動力により水平方向に沿う軸心Xまわりで高速で回転するインペラ部6と、インペラ部6の径方向内方側箇所に籾を供給する籾供給部7と、それらを覆う脱ぷケース8とを備えている。
【0031】
図1,2,4に示すように、脱ぷケース8は、インペラ部6の外周部を覆うように、側面視で円形状で且つ回転軸心方向に所定幅を有する略円筒状に形成されている。脱ぷケース8におけるインペラ部6の外周部に位置する略円筒状の外周部には、その内面側にインペラ部6の外周部を覆う外側脱ぷ部としてのライナー9が備えられている。ライナー9は、例えば、ウレタン等の軟質材を用いて帯板状に形成されている。脱ぷケース8には、インペラ部6の回転に伴って発生する送風力により、籾摺が行われた後の処理物(玄米、籾殻、未処理の籾等を含む)を外部に搬送する搬送案内部8aが一連に連なる状態で形成されている。脱ぷケース8の横外側部8bは着脱可能な蓋体として形成され、複数の係止保持具8cにより閉じ状態で保持している。
【0032】
籾供給部7は、インペラ部6の回転軸心方向の幅に対応する幅を有し、籾供給部7の外周部に、回転軸心方向の一方側から搬入された籾を他方側へ案内する案内面を備えた円筒状の籾案内体11が、一方側から他方側にわたって備えられている。
【0033】
すなわち、図2,4,5に示すように、籾供給部7は、流下案内部3の案内方向下手側に連なる状態で設けられ、インペラ部6の回転軸心Xを中心として同一軸心上に位置する円筒状の籾案内体11を備えている。籾案内体11は、軸心方向の幅がインペラ部6の回転軸心方向の幅に対応する幅を有している。籾案内体11には、軸心方向一端側に籾入口12が形成され、軸心方向他端側は側壁部10にて閉塞されている。側壁部10は、後述する駆動軸41を回動自在に支持する軸受部を兼用している。籾案内体11の周方向の一部の領域を開口して籾排出部13が形成されている。籾排出部13は、回転軸心方向に沿って幅広で且つ周方向に沿って約90度にわたって開口している(図8参照)。
【0034】
図9に示すように、ホッパー2から流下案内部3を介して流下案内される籾Mが籾入口12を通り、籾案内体11の内部に案内されるように、流下案内部3と連通接続されている。従って、籾案内体11の内面によって、回転軸心方向の一方側から搬入された籾を他方側へ案内する案内面を構成している。
【0035】
図3,8,9に示すように、インペラ部6は、径方向内方側から外方側に向けて放射状に延びる複数の羽根体14と、籾供給部7から排出された籾Mを回転軸心方向に沿って分散させて、隣り合う羽根体同士の間の空間に案内する分散案内部15とを備えている。
【0036】
複数の羽根体14は、籾供給部7により供給された籾Mを径方向に沿って延びる摺動案内面16にて摺動案内しながら、回転に伴う遠心力にて径方向外方に案内する。
【0037】
各羽根体14は、図6,8,10に示すように、板状の金属材にて略U字状に形成された本体部14aを備え、その本体部14aの中央の幅広の面にて摺動案内面16を形成している。摺動案内面16を形成する本体部14aとは別に、摺動案内面16の反対側に裏側案内面17を形成する裏面形成部14bが本体部14aに一体的に連結されている。本体部14aと裏面形成部14bとの間には、径方向外方側ほど周方向に幅広になる開口14cが形成されている。
【0038】
羽根体14の軸心方向両側部には夫々、合成樹脂材からなる円板状の支持プレート18,19が備えられ、図11,12に示すように、各羽根体14の左右両側の側面14dが各支持プレート18,19にボルト連結されている。
【0039】
図5,6,8に示すように、複数の羽根体14夫々の径方向外方側箇所に、羽根体14と一体的に回転する状態で、摺動案内面16に対して交差する衝突面20を有する内側脱ぷ部としての籾案内ブロック体21が備えられている。具体的には、衝突面20は、摺動案内面16に対して径方向外方側ほど回転方向下手側に傾斜している。
【0040】
籾案内ブロック体21は、軟質の合成樹脂であるウレタンからなる軟質材を用いて一体成形にて構成されている。この籾案内ブロック体21の硬度は、ライナー9の硬度よりも低い値に設定されている。硬度が高すぎると、籾が損傷を受けるおそれが大となる。一方、硬度が低すぎると、脱ぷ性能が低下する不利がある。そこで、実験等に基づいて、籾が損傷するおそれが少なく且つ脱ぷ性能が低くならないように籾案内ブロック体21の硬度を適正な値に設定している。籾が衝突面20に衝突するときの速度や角度はライナー9に比べて管理し易いので、硬度を低めに設定しても脱ぷ性能を維持することが可能となる。
【0041】
図6,11,12に示すように、籾案内ブロック体21は、回転軸心方向両側が各支持プレート18,19に2本のボルト22で連結されている。軟質材からなる籾案内ブロック体21を確実にボルト締結するために、各ボルト22の外周部を覆い且つ籾案内ブロック体21の回転軸心方向の全幅にわたって延びる金属製の雌ネジ部材23を備えている。
一対の雌ネジ部材23は、軸心方向一端部同士が連結部24にて一体的に連結されており、籾案内ブロック体21に形成された挿通孔25に対して軸心方向一端部側から差し込み挿入して装着される。
【0042】
図10に示すように、籾案内ブロック体21は、羽根体14の径方向外方側に一連に連なるように、基端部21aが羽根体14の開口14cに入り込む状態で備えられている。
籾案内ブロック体21には、基端部21aから径方向外方側ほど回転方向下手側に向けて延びる延設部21bが設けられている。
【0043】
延設部21bの径方向内方側には、羽根体14の摺動案内面16に対して径方向外方側ほど回転方向下手側に傾斜する衝突面20が形成されている。この衝突面20は、羽根体14の摺動案内面16により摺動案内される籾が衝突して脱ぷ処理が行われる。
【0044】
羽根体14の摺動案内面16と衝突面20との間に、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように湾曲する姿勢変更面26が形成されている。この姿勢変更面26は、摺動案内面16にて径方向外方に案内された籾Mを姿勢変更しながら衝突面20に案内する。
【0045】
姿勢変更面26を形成することで、図10に示すように、羽根体14の摺動案内面16により摺動案内される籾Mの姿勢を変更させて、籾Mにおける最も硬い箇所、すなわち、胚芽が存在する先細状の一端部箇所が衝突面20に衝突することを回避させるようにしている。
【0046】
籾案内ブロック体21における衝突面20の径方向内方側に隣接する箇所には、姿勢変更面26に対して凹入する状態で凹入面27が形成されている。凹入面27と姿勢変更面26の径方向外端部との間には、周方向に段差が形成されており、姿勢変更面26にて案内される籾が、この段差を飛び越えて衝突面20に向けて投擲される状態で案内する構成とすることで、衝突面20に対する衝撃力を高めるようにしている。
【0047】
籾案内ブロック体21には、衝突面20に衝突した後の処理物を外側のライナー9に向けて投擲する投擲作用面28が備えられている。投擲作用面28は、衝突面20に連なる状態で形成されており、衝突面20よりも大きな傾斜角度で、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように傾斜している。
【0048】
投擲作用面28を備えることで、図10に示すように、衝突面20に衝突した後の処理物は、投擲作用面28による投擲作用により、外側のライナー9の接線方向にできるだけ近い角度でライナー9に向けて放出される。その結果、処理物が放出されてライナー9に衝突するときに、衝撃力は低くなり、玄米や籾が砕けたり、胚芽部分が外れて脱芽状態になる等、処理物が損傷するおそれが少ない。
【0049】
図8,10に示すように、籾案内ブロック体21は、回転方向下手側に隣接する羽根体14と回転方向に沿って重複している。具体的には、籾案内ブロック体21における延設部21bの回転方向下手側端部位置L1が、回転方向下手側に隣接する羽根体14における回転方向上手側端部位置L2よりも回転方向下手側に位置している。すなわち、籾案内ブロック体21は、回転方向下手側に隣接する羽根体14に対して回転方向に重複する状態で備えられ、籾案内ブロック体21と羽根体14との間隔が狭く設定されている。さらに、籾案内ブロック体21の径方向外端部に、ライナー9の内周面と略平行に設定された外側案内面29が形成されている。
【0050】
次に、分散案内部15について説明する。
分散案内部15は、回転軸心方向において並列する複数の籾通過部36を備え、籾通過部36は、回転軸心方向に沿って一粒の籾Mの径方向外方への通過を許容する横幅を有し、且つ、周方向全域にわたる状態で設けられている。
【0051】
説明を加えると、図7に示すように、分散案内部15は、回転軸心方向に沿って設定間隔をあけて回転軸心と直交する姿勢で並ぶ複数の区画形成部材30と、周方向に間隔をあけて放射状に並ぶ複数の摺動案内部材31と、回転軸心方向両側にて複数の摺動案内部材31の夫々が連結される連結部材32,33とが備えられ、それらが一体的に組み付けられている。区画形成部材30、摺動案内部材31、連結部材32,33は、金属材にて形成されている。
【0052】
区画形成部材30は、円環状の板体からなり、周方向に間隔をあけて径方向に沿ってスリット34が形成されている。摺動案内部材31は、径方向並びに回転軸心方向に延びる矩形状の板体からなり、複数の区画形成部材30に対してスリット34に差し込み装着され、区画形成部材30と摺動案内部材31とが格子状に組み付けられている。
【0053】
摺動案内部材31の回転軸心方向両側端部には、略L字形に屈曲した取付部35が形成されている。両側の連結部材32,33が複数の摺動案内部材31の取付部35にボルト連結され、複数の区画形成部材30、複数の摺動案内部材31及び一対の連結部材32,33の夫々が一体的に連結固定されている。
【0054】
隣り合う2つの区画形成部材30により囲まれた領域において一つの籾通過部36が形成されている。籾通過部36は、回転軸心方向に沿って一粒の籾の径方向外方への通過を許容する横幅を有し、回転軸心方向に並ぶ状態で複数分割形成されている。具体的には、一つの籾通過部36の横幅は、籾Mの長尺方向の幅よりも狭く、籾Mの短尺方向の幅よりも広く設定されている。籾通過部36は、周方向全域にわたる状態で設けられている。従って、籾通過部36は、複数の摺動案内部材31によって周方向に複数の領域に区画されている。
【0055】
分散案内部15は、複数の籾通過部36の夫々を通過した籾Mを各籾通過部36毎に区分けした状態で径方向外方側に向けて整流状態で案内する整流案内経路Qを備えている。
説明を加えると、区画形成部材30及び摺動案内部材31は夫々、籾供給部7における籾案内体11の外周部に近接する位置から複数の羽根体14の径方向内方側端部に至るまで、径方向に幅広に形成されている。区画形成部材30と摺動案内部材31とにより囲まれた領域は、籾供給部7における籾案内体11の外周部に近接する位置から複数の羽根体14の径方向内方側端部に至るまで長尺状に形成されており、この径方向に長い経路により整流案内経路Qが形成され、籾を各籾通過部36毎に区分けした状態で径方向外方側に向けて整流状態で案内する機能を備える。
【0056】
図13に示すように、分散案内部15における区画形成部材30と摺動案内部材31は、夫々、径方向外側端部が複数の羽根体14の径方向内側端部に近接する状態で備えられている。そして、籾供給部7の径方向外側端部と分散案内部15における摺動案内部材31の径方向内側端部との間に籾導入用の隙間Sが形成されている。籾供給部7の径方向外側端部と区画形成部材30の径方向内側端部との間は近接している。
【0057】
図5,7に示すように、複数の摺動案内部材31同士を連結固定する一対の連結部材32,33のうち、本体ケーシング1とは反対側(外側)に位置する外側連結部材32が、周方向に分散配置された複数のボルト37により、一対の支持プレート18,19のうちの本体ケーシング1とは反対側(外側)に位置する外側支持プレート18に連結されている。複数のボルト37が、外側連結部材32に溶接固定され、外側支持プレート18に形成されたネジ挿通孔38を挿通するとともに、外側支持プレート18の外側に備えられた外部取付板39を挿通して、外方側からナット40で締付固定される。このようにして、分散案内部15が外側支持プレート18に一体的に固定される。
【0058】
図2,9に示すように、本体ケーシング1の内部から流下案内部3及び籾供給部7の中心部を通過して籾摺部4における外側支持プレート18にまで延びる駆動軸41が備えられている。詳述はしないが、駆動軸41は、適宜箇所が軸受により回転自在に支持されるとともに、本体ケーシング1の内部に備えられた電動モータ5に連動連結されている。
【0059】
図5,9に示すように、駆動軸41の本体ケーシング1とは反対側の端部に軸連結部材42が連結されている。軸連結部材42は、外側支持プレート18に形成された挿通孔43に嵌合装着されるボス部44と、ボス部44の回転軸心方向内方側に連結された円板状の取付部45とを備えている。
【0060】
駆動軸41が、ボス部44にトルク伝達可能に嵌合接続され、且つ、ネジで抜け止めされる。そして、取付部45が周方向に分散配置された複数のボルト46により外側支持プレート18に連結されている。複数のボルト46は、軸連結部材42側に溶接固定され、外側支持プレート18に形成されたネジ挿通孔47を挿通するとともに、外側支持プレート18の外側に備えられた外部取付板39を挿通して、外方側からナット48で締付固定される。このようにして、駆動軸41と外側支持プレート18とが連動連結される。
【0061】
以上の説明から明らかなように、複数の羽根体14、複数の籾案内ブロック体21、及び、各支持プレート18,19の夫々が、ボルト連結されて一体的に固定されるとともに、分散案内部15が外側支持プレート18に一体的に固定され、さらに、駆動軸41と外側支持プレート18とが連動連結される。従って、インペラ部6は、上記した各部材が一体的に連結されて、駆動軸41の軸心まわりで回転操作自在に設けられている。
【0062】
籾供給部7における籾排出部13から排出される籾Mは、籾供給部7の径方向外側端部と分散案内部15の径方向内側端部との間に供給される。インペラ部6が回転すると、籾供給部7の径方向外側端部と分散案内部15の径方向内側端部との間に供給される籾Mは、回転している分散案内部15における複数の籾通過部36に分散させた状態で径方向外方に向けて案内される。
【0063】
流下案内部3により籾案内体11に流入案内された籾Mが籾排出部13から外方に排出される。そのとき、1つの籾通過部36には回転軸心方向において1粒ずつの籾Mが順次入り込むことが許容される。このように籾通過部36に対する回転軸心方向に沿う幅が、一粒ずつ入り込みが規制される幅に設けられるので、籾排出部13から排出される籾は、軸心方向に均されて分散された状態で回転軸心方向に並ぶ複数の籾通過部36に案内される。このように回転軸心方向に分散される。しかも、区画形成部材30が回転することで、区画形成部材30と籾Mとの摩擦により、籾Mの長手方向が籾供給部7の径方向に沿う姿勢になるように籾の姿勢を揃えることができる。
【0064】
籾供給部7の径方向外側端部と区画形成部材30の径方向内側端部との間は近接しているから、籾排出部13から外方に排出される際に、回転軸心方向に分散されて1つの籾通過部36に入り込んだのちは、回転軸心方向に隣り合う籾通過部36に移動することが阻止される。
【0065】
籾供給部7の径方向外側端部と摺動案内部材31の径方向内側端部との間には籾導入用の隙間Sが形成されているから、回転軸心方向に分散された籾は、インペラ部6の回転に伴って、籾供給部7と摺動案内部材31との間の隙間Sを通して周方向に分散される。周方向に分散されて1つの籾通過部36内で順次、籾Mが籾通過部36に入り込み案内される。籾通過部36に入り込み案内された籾Mは、放射状に設けられた摺動案内部材31により受け止められて、回転に伴う遠心力により、径方向外方に向けて案内される。
【0066】
図13,14に示すように、区画形成部材30と摺動案内部材31は、夫々、径方向外側端部が羽根体14の径方向内側端部に近接しているから、各籾通過部36の内部を径方向に沿って案内される籾Mは、互いに干渉することなく、そのまま径方向外方側の羽根体14に向けて整流状態で案内される。
【0067】
羽根体14においては、分散案内部15から案内される籾Mを、そのまま受け継いで、摺動案内面16にて受け止めて摺動案内しながら、回転に伴う遠心力にて径方向外方に案内する。図10に示すように、摺動案内面16によって摺動案内される籾は、径方向外端部に形成された姿勢変更面26によって向きを変更しながら、籾案内ブロック体21の衝突面20に向けて案内される。
【0068】
籾Mが衝突面20に衝突すると、その衝撃によって脱ぷ処理が行われ、籾Mが籾殻と玄米とに分離される。但し、一部の籾Mは、脱ぷせずそのまま残る場合もある。籾殻と玄米と未処理籾等を含む処理物は、インペラ部6の回転に伴って、投擲作用面28により外側のライナー9に向けて投擲され、外側のライナー9にて再度、脱ぷ処理が行われる。
【0069】
外側のライナー9に衝突した後の処理物は、高速回転するインペラ部6の回転に伴って発生する送風力により、搬送案内部8aを通して外部の図示しない選別装置に搬送される。選別装置では、籾殻と玄米とを分離するように選別処理が行われる。尚、上記構成の籾摺装置では、脱ぷ率を向上させることができるので、選別装置において、従来の籾摺装置では必要であった玄米と未処理籾とを選別するための特別な選別機構を省略することが可能であり、選別装置の小型化、構成簡素化が可能となる。
【0070】
籾摺処理が繰り返し行われ、籾が衝突することに起因して部材が摩耗すると、摩耗した部材の交換をする必要があるが、上記構成では、大型の部材であるライナー9や羽根体14は早期に摩耗するおそれが少なく、交換の頻度が高いのは籾案内ブロック体21だけであり、低コストで対応できる利点がある。
【0071】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、内側脱ぷ部としての籾案内ブロック体21の径方向外端部には外側案内面29だけが形成されていたが、この構成に代えて、以下に説明するように、内側脱ぷ部の径方向外端部に、径方向外方に向けて突出するとともに、回転軸心方向に幅広の突起が形成される構成としてもよい。
【0072】
図15に示すように、内側脱ぷ部としての籾案内ブロック体21の径方向外端部において、外側脱ぷ部の内周面と略平行に設定された外側案内面29が形成され、外側案内面29の回転方向最上手側箇所から外側案内面29と略直交する方向すなわち、径方向に沿って外方に向けて突出する突起51を形成してもよい。この突起51は、図16,17に示すように、籾案内ブロック体21における回転軸心方向の幅の全域にわたる幅広に形成されている。
【0073】
図18に示すように、籾案内ブロック体21の基端部21aから外側案内面29にまで連なる背部面50が平坦面にて形成され、外側案内面29ではなく、背部面50の外側案内面29側端部箇所から背部面50と略直交する方向に沿って突出する突起51を形成してもよい。この構成では、突起51は、径方向に沿って外方に向かうのではなく、径方向外方に位置するほど、回転方向上手側に位置する傾斜状態で設けられている。
【0074】
図15図18に示すように、突起51を籾案内ブロック体21における回転軸心方向の幅の全域にわたる幅広に形成する構成に限らず、回転軸心方向に所定の幅を有するものであればよく、籾案内ブロック体21における回転軸心方向の幅のうちの一部の領域だけの範囲に設けられるものでもよい。
【0075】
(2)上記実施形態では、衝突面20と姿勢変更面26との間に段差が形成される構成としたが、この構成に代えて、図15,18に示すように、衝突面20と姿勢変更面26とが一連に連なる状態で形成されるものでもよい。
【0076】
(3)上記実施形態では、衝突面20の径方向内方側に姿勢変更面26として湾曲形状の面を備えるものを示したが、この構成に代えて、姿勢変更面として、径方向外方側ほど回転方向下手側に位置するように傾斜する平坦面にて構成するものでもよく、このような姿勢変更面を備えずに、羽根体14が平坦な摺動案内面16を備えるだけの構成としてもよい。
【0077】
(4)上記実施形態では、内側脱ぷ部としての籾案内ブロック体21に、衝突面20に衝突した後の処理物を外側脱ぷ部としてのライナー9に向けて投擲する投擲作用面28を備える構成としたが、この構成に代えて、衝突面20にて投擲するようにして、投擲作用面28を備えない構成としてもよい。
【0078】
(5)上記実施形態では、籾案内ブロック体21が、回転方向下手側に隣接する羽根体14と回転方向に沿って重複する構成としたが、それらが重複しない構成としてもよい。
【0079】
(6)上記実施形態では、籾案内ブロック体21の径方向外端部に、ライナー9の内周面と略平行に設定された外側案内面29が形成される構成としたが、籾案内ブロック体21の外周部の形状はこの構成に限らず、種々変更して実施してもよい。
【0080】
(7)上記実施形態では、内側脱ぷ部としての籾案内ブロック体21が羽根体14の径方向外方側に連なる状態で設けられる構成としたが、内側脱ぷ部は羽根体14に対して径方向に離間した状態で備えられるものでもよい。
【0081】
(8)上記実施形態では、内側脱ぷ部としての籾案内ブロック体21を、軟質の合成樹脂材であるウレタンからなる軟質材を用いて構成したが、籾案内ブロック体21は、例えば、ゴム等の他の種類の軟質材を用いてもよい。
【0082】
(9)上記実施形態では、インペラ部6が、複数の羽根体14と分散案内部15とを備える構成としたが、分散案内部15を備えない構成としてもよい。つまり、籾供給部7から排出される籾がそのまま複数の羽根体14によって案内される構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、インペラ式の籾摺装置に適用できる。
【符号の説明】
【0084】
6 インペラ部
9 外側脱ぷ部
14 羽根体
16 摺動案内面
20 衝突面
21 内側脱ぷ部
26 姿勢変更面
27 凹入面
28 投擲作用面
29 案内面
L1 下手側端部
L2 上手側端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18