(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末と、
前記送信端末から通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信端末と、を備え、
前記受信端末は、
前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定部と、
前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定部と、
前記増加傾向判定部の判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定部の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定部と、
前記妥当性判定部によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定部と、を備える、
可用帯域測定システム。
前記送信端末は、前記第2の試験パケット送信段階から前記第3の試験パケット送信段階に移行する境界で、試験パケットの送信レートを一時的に低下させる第4の試験パケット送信段階をさらに実行する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の可用帯域測定システム。
可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末。
可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末から、通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信部と、
前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定部と、
前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定部と、
前記増加傾向判定部の判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定部の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定部と、
前記妥当性判定部によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定部と、
を備える受信端末。
送信端末が、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信ステップと、
受信端末が、前記送信端末から通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信ステップと、
前記受信端末が、前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定ステップと、
前記受信端末が、前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定ステップと、
前記受信端末が、前記増加傾向判定ステップの判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定ステップの判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定ステップと、
前記受信端末が、前記妥当性判定ステップによって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定ステップと、
を含む測定方法。
可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末から、通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信端末のコンピュータに、
前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定機能と、
前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定機能と、
前記増加傾向判定機能の判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定機能の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定機能と、
前記妥当性判定機能によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定機能と、
を実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来の可用帯域推定技術では、可用帯域の推定精度が悪くなったり、可用帯域の推定のための測定の効率が悪くなったりする場合があった。
【0008】
pathChirp法では、突発的なクロストラヒックの変動などの影響等により、可用帯域の推定精度が大幅に低下する可能性がある。Pathload法では、最終的な可用帯域の推定結果が得られるまで二分探索を繰り返すので、一般に、推定に要する時間が長く、また、推定に使用される試験パケットが多いために通信ネットワークのリソース消費量が多い。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、通信ネットワークの端末間の可用帯域の推定において、推定精度の向上と可用帯域の推定のための測定の効率の向上とを図ることができる可用帯域測定システム、送信端末、受信端末、測定方法、及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一態様は、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末と、前記送信端末から通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信端末と、を備え、前記受信端末は、前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定部と、前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定部と、前記増加傾向判定部の判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定部の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定部と、前記妥当性判定部によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定部と、を備える、可用帯域測定システムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)の可用帯域測定システムにおいて、前記受信端末は、前記
増加傾向判定部の判定の結果と前記妥当性判定部の判定の結果とに基づいて、可用帯域の推定範囲を決定する推定範囲決定部と、前記推定範囲決定部によって決定された可用帯域の推定範囲を示す可用帯域推定範囲情報を前記送信端末へ送信する送信部と、をさらに備える可用帯域測定システムである。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は(2)のいずれかの可用帯域測定システムにおいて、前記送信端末は、前記第2の試験パケット送信段階から前記第3の試験パケット送信段階に移行する境界で、試験パケットの送信レートを一時的に低下させる第4の試験パケット送信段階をさらに実行する、可用帯域測定システムである。
【0011】
(4)本発明の一態様は、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末である。
【0012】
(5)本発明の一態様は、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末から、通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信部と、前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定部と、前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定部と、前記増加傾向判定部の判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定部の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定部と、前記妥当性判定部によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定部と、を備える受信端末である。
【0013】
(6)本発明の一態様は、送信端末が、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信ステップと、受信端末が、前記送信端末から通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信ステップと、前記受信端末が、前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定ステップと、前記受信端末が、前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定ステップと、前記受信端末が、前記増加傾向判定ステップの判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定ステップの判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定ステップと、前記受信端末が、前記妥当性判定ステップによって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定ステップと、を含む測定方法である。
【0014】
(7)本発明の一態様は、送信端末のコンピュータに、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信機能、を実現させるためのコンピュータプログラムである。
【0015】
(8)本発明の一態様は、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第1の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の下限に相当する送信レートから前記推定範囲の上限に相当する送信レートまで送信レートを変えながら複数の試験パケットを送信する第2の試験パケット送信段階、次いで、前記推定範囲の上限に相当する送信レートで複数の試験パケットを送信する第3の試験パケット送信段階、を実行する送信端末から、通信ネットワークを介して試験パケットを受信する受信端末のコンピュータに、前記第2の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて、試験パケットの伝送遅延時間の増加が始まる増加ポイントを判定する増加ポイント判定機能と、前記第1の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定し、また、前記第3の試験パケット送信段階の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無を判定する増加傾向判定機能と、前記増加傾向判定機能の判定の結果に基づいて、前記増加ポイント判定機能の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する妥当性判定機能と、前記妥当性判定機能によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する可用帯域推定機能と、を実現させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信ネットワークの端末間の可用帯域の推定において、推定精度の向上と可用帯域の推定のための測定の効率の向上とを図ることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る可用帯域測定システム1の構成例を示す図である。
図1において、可用帯域測定システム1は、試験パケットの送信端末10と、試験パケットの受信端末20とを備える。送信端末10と受信端末20とは通信ネットワーク2に接続している。送信端末10と受信端末20とは、通信ネットワーク2を介して、相互にパケットを送受する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係る送信端末10の構成例を示すブロック図である。
図2において、送信端末10は、受信部11とパケットトレイン生成部12と送信部13とを備える。受信部11は、通信ネットワーク2を介して、受信端末20からパケットを受信する。受信部11は、受信端末20から受信したパケットに含まれる測定制御情報をパケットトレイン生成部12へ出力する。パケットトレイン生成部12は、パケットトレインを生成する。パケットトレインは、複数の試験パケットから構成される試験パケット群である。パケットトレイン生成部12は、受信端末20から測定制御情報を受信した場合、該受信した測定制御情報をパケットトレインの生成に使用する。送信部13は、パケットトレイン生成部12が生成したパケットトレインを、通信ネットワーク2を介して受信端末20へ送信する。
【0020】
図3は、本発明の一実施形態に係る受信端末20の構成例を示すブロック図である。
図3において、受信端末20は、受信部21と測定部22と可用帯域推定部23と送信部24とを備える。測定部22は、遅延変動算出部31と増加ポイント判定部32と増加傾向判定部33と妥当性判定部34と推定範囲決定部35とを備える。
【0021】
受信部21は、通信ネットワーク2を介して、送信端末10からパケットを受信する。受信部21は、送信端末10から受信した試験パケットを遅延変動算出部31へ出力する。遅延変動算出部31は、受信部11によって送信端末10から受信した試験パケットについて、伝送遅延時間の変動を表すパケット遅延変動値を算出する。増加ポイント判定部32は、遅延変動算出部31によって算出されたパケット遅延変動値に基づいて、パケット遅延(試験パケットの伝送遅延時間)の増加が始まるポイント(以下、単に増加ポイントと称する場合がある)を判定する。増加傾向判定部33は、遅延変動算出部31によって算出されたパケット遅延変動値に基づいて、パケット遅延について増加傾向の有無を判定する。
【0022】
妥当性判定部34は、増加傾向判定部33の判定の結果に基づいて、増加ポイント判定部32の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する。推定範囲決定部35は、増加傾向判定部33の判定の結果と、妥当性判定部34の判定の結果とに基づいて、可用帯域の推定範囲を決定する。推定範囲決定部35は、決定した可用帯域の推定範囲を示す可用帯域推定範囲情報を送信部24へ出力する。送信部24は、測定制御情報を含むパケットを、通信ネットワーク2を介して送信端末10へ送信する。測定制御情報は、可用帯域の推定のための測定についての制御情報である。送信部24は、推定範囲決定部35から入力された可用帯域推定範囲情報を測定制御情報に含める。可用帯域推定部23は、妥当性判定部34によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する。
【0023】
次に
図4から
図6を参照して本実施形態に係るパケットトレインについて説明する。
図4は、本実施形態に係るパケットトレインの構成例の説明図である。
図4に示されるグラフにおいて、横軸はパケットトレインに含まれる試験パケットのパケット識別子(パケットID)を示し、縦軸はパケットトレインに含まれる試験パケットの送信レートを示す。
図4において、パケットトレインは、3つの領域D1、D2及びD3を含む。パケットトレインにおいて、領域D1は送信端末10から最初に送信される試験パケット群であり、領域D2は領域D1の次に送信端末10から送信される試験パケット群であり、領域D3は送信端末10から最後に送信される試験パケット群である。
【0024】
領域D1及びD3は、送信端末10から一定の送信レート(つまり、一定の送信間隔)で送信される複数の試験パケットから構成される。領域D1の送信レートRLは、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートである。領域D3の送信レートRHは、可用帯域の推定範囲の上限に相当する送信レートである。
【0025】
図5は、本実施形態に係る領域D1及びD3の説明図である。
図5において、送信端末10は、パケットトレインにおいて領域D1又はD3の試験パケットを、通信ネットワーク2を介して受信端末20へ送信する。領域D1及びD3の試験パケットの送信レートは一定である(つまり、試験パケットの送信間隔は一定である)。領域D1では送信レートRLである。領域D3では送信レートRHである。受信端末20は、送信端末10から通信ネットワーク2を介して領域D1又はD3の試験パケットを受信する。受信端末20は、受信した領域D1又はD3の試験パケットについて、パケット遅延の増加傾向の有無を判定する。
【0026】
領域D2は、送信端末10から送信される試験パケットの送信レートが送信レートRLから送信レートRHまで徐々に増加する(つまり、送信間隔は徐々に減少する)ように調節される複数の試験パケットから構成される。領域D2において、試験パケットの送信レートは、送信レートRLから送信レートRHまで、線形的に増加させてもよく、又は、指数関数的に増加させてもよい。
【0027】
図6は、本実施形態に係る領域D2の説明図である。
図6において、送信端末10は、パケットトレインにおいて領域D2の試験パケットを、通信ネットワーク2を介して受信端末20へ送信する。領域D2の試験パケットの送信レートは、徐々に増加する(つまり、試験パケットの送信間隔は徐々に減少する)。受信端末20は、送信端末10から通信ネットワーク2を介して領域D2の試験パケットを受信する。受信端末20は、受信した領域D2の試験パケットについて、増加ポイントを判定する。
【0028】
パケットトレインは、3つの領域D1、D2及びD3に加えて、さらに領域D4を含んでもよい。領域D4は、領域D2と領域D3との間に配置される。領域D4は、領域D2から領域D3に移行する境界で、試験パケットの送信レートを一時的に低下させる領域である。領域D4の試験パケットの送信レートと領域D4の期間は、送信端末10から送信された領域D1及びD2の試験パケットに起因して生じたパケット遅延を解消させることを条件として設定される。
【0029】
なお、パケットトレインに、領域D4を含めてもよく、又は、領域D4を含めなくてもよい。また、パケットトレインに領域D4を含めるか否かは、通信ネットワーク2の状況に応じて決定してもよい。例えば、受信端末20の測定部22が、送信端末10から通信ネットワーク2を介して受信した試験パケットのパケット遅延量に基づいてパケットトレインに領域D4を含めるか否かを判断し、この判断結果(領域D4の有無)を送信端末10へ送信する測定制御情報に含めてもよい。送信端末10のパケットトレイン生成部12は、受信端末20から受信した測定制御情報が、領域D4の有りを示す場合にはパケットトレインに領域D4を含め、一方、領域D4のなしを示す場合にはパケットトレインに領域D4を含めない。
【0030】
次に
図7を参照して本実施形態に係る測定方法を説明する。
図7は、本実施形態に係る測定方法のフローチャートである。
【0031】
(ステップS1)送信端末10のパケットトレイン生成部12は、可用帯域の推定範囲の初期設定を行う。可用帯域の推定範囲の初期設定では、可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートRLの初期値と、可用帯域の推定範囲の上限に相当する送信レートRHの初期値とが設定される。送信レートRLの初期値と送信レートRHの初期値とは、デフォルト値として送信端末10に保持されていてもよく、又は、送信端末10に対して任意の値が設定されてもよい。
【0032】
(ステップS2)送信端末10のパケットトレイン生成部12は、可用帯域の推定範囲の設定値「送信レートRL、送信レートRH」を使用してパケットトレインを生成する。パケットトレインは、最初に送信される領域D1と、領域D1の次に送信される領域D2と、最後に送信される領域D3とを含む。最初のパケットトレインに領域D4を含めるか否かは、デフォルト値として送信端末10に設定されていてもよく、又は、送信端末10に対して任意に設定されてもよい。2回目以降のパケットトレインに領域D4を含めるか否かについては、受信端末20からフィードバックされる測定制御情報で領域D4の有無が示されている場合には該領域D4の有無に従い、一方、受信端末20からフィードバックされる測定制御情報で領域D4の有無が示されていない場合には前回のパケットトレインと同じにする。
【0033】
送信端末10の送信部13は、パケットトレイン生成部12によって生成されたパケットトレインを、通信ネットワーク2を介して受信端末20へ送信する。パケットトレインの各領域D1、D2、D3、D4の試験パケットのパケットIDは、送信端末10と受信端末20との間で予め共有される。
【0034】
(ステップS3)受信端末20の遅延変動算出部31は、受信部21によって送信端末10から受信したパケットトレインについて、パケット遅延変動値を算出する。パケット遅延変動値の算出方法を説明する。遅延変動算出部31は、パケットトレインに含まれる各試験パケットの受信時に記録する受信タイムスタンプ「a_j(j=1,2,・・・,N+1)」と、該各試験パケットに含まれる送信タイムスタンプ「s_j(j=1,2,・・・,N+1)」との差分に基づいて、パケット遅延変動値を算出する。但し、jは試験パケットのパケットIDである。各試験パケットのパケット遅延変動値「q_i(i=1,2,・・・,N)」は次式により算出される。但し、iは試験パケットのパケットIDである。
q_i=(a_i−a_1)−(s_i−s_1)
【0035】
(ステップS4)受信端末20の増加ポイント判定部32は、遅延変動算出部31によって算出されたパケット遅延変動値のうち領域D2についてのパケット遅延変動値に基づいて、可用帯域の推定範囲(送信レートRLから送信レートRHまでの範囲に相当)の中から増加ポイントを判定する。増加ポイントの判定方法として、例えばpathChirp法を利用してもよい。pathChirp法では、次の判定条件により増加ポイントを判定する。
【0036】
[pathChirp法の判定条件]
「i+1」番目以降のパケット遅延は、「i+1」番目以降のパケット遅延の最大値の「1/d」倍よりも大きい。但し、dは、1よりも大きい定数であり、予め設定される。pathChirp法では、デフォルト値として「d=1.5」が使用される。
この判定条件によれば、パケット遅延が最大値の「1/d」倍以下に低下するポイントにおいて、パケット遅延の増加傾向は継続していないと判定される。
【0037】
(ステップS5)受信端末20の増加傾向判定部33は、遅延変動算出部31によって算出されたパケット遅延変動値のうち領域D1についてのパケット遅延変動値に基づいて、パケット遅延について増加傾向の有無を判定する。また、増加傾向判定部33は、遅延変動算出部31によって算出されたパケット遅延変動値のうち領域D3についてのパケット遅延変動値に基づいて、パケット遅延について増加傾向の有無を判定する。パケット遅延の増加傾向の有無の判定方法として、例えばPathload法を利用してもよい。Pathload法におけるパケット遅延の増加傾向の有無の判定方法を以下に説明する。
【0038】
[Pathload法におけるパケット遅延の増加傾向の有無の判定方法]
(手順1)パケット遅延変動値{q_1,q_2,・・・,q_M}を「√M」個(=r個、小数点以下は切り捨てる)ずつのグループにグループ分けする。但し、Mは、領域D1又はD3のうちのいずれか判定対象の領域に含まれる試験パケット数である。
【0039】
(手順2)各グループについて、グループ内のパケット遅延変動値の中央値{D
k}を算出する。但し、「k=1,2,・・・,r」である。
【0040】
(手順3)次の式(1)により、値Spctを算出する。
【0042】
但し、式(1)において、「I(D
k>D
k−1)」は、「D
k>D
k−1」が成立する場合には1であり、それ以外の場合には0である。
【0043】
(手順4)値Spctに基づいて、次の判定条件Aにより、パケット遅延の増加傾向の有無を判定する。
[判定条件A]
「Spct>0.55×1.1」である場合には増加傾向有り。
「Spct<0.55×0.9」である場合には増加傾向なし。
「0.55×0.9≦Spct≦0.55×1.1」である場合には判定保留とする。
なお、上記の判定条件Aにおいて、各値「0.55,1.1,0.9」は一例であり、任意に設定可能である。
【0044】
(手順5)次の式(2)により、値Spdtを算出する。
【0046】
(手順6)値Spdtに基づいて、次の判定条件Bにより、パケット遅延の増加傾向の有無を判定する。
[判定条件B]
「Spdt>0.4×1.1」である場合には増加傾向有り。
「Spdt<0.4×0.9」である場合には増加傾向なし。
「0.4×0.9≦Spdt≦0.4×1.1」である場合には判定保留とする。
なお、上記の判定条件Bにおいて、各値「0.4,1.1,0.9」は一例であり、任意に設定可能である。
【0047】
(手順7)上記の手順4の値Spctに基づいた判定結果と、上記の手順6の値Spdtに基づいた判定結果とのうち、いずれか一方の判定結果が増加傾向有りである場合において、もう一方の判定結果が増加傾向有り又は判定保留であるときは、最終の判定結果を増加傾向有りとする。また、上記の手順4の値Spctに基づいた判定結果と、上記の手順6の値Spdtに基づいた判定結果とのうち、いずれか一方の判定結果が増加傾向なしである場合において、もう一方の判定結果が増加傾向なし又は判定保留であるときは、最終の判定結果を増加傾向なしとする。これら以外の場合には、最終的に判定保留とする。
【0048】
以上がPathload法におけるパケット遅延の増加傾向の有無の判定方法の説明である。
【0049】
(ステップS6)受信端末20の妥当性判定部34は、増加傾向判定部33の判定の結果に基づいて、次の判定条件Cにより、増加ポイント判定部32の判定の結果の増加ポイントについて妥当性を判定する。
[判定条件C]
(C−1)領域D1のパケット遅延の増加傾向の有無の判定結果が増加傾向なしであり、且つ、領域D3のパケット遅延の増加傾向の有無の判定結果が増加傾向有りである場合には、増加ポイント判定部32の判定の結果の増加ポイントは妥当であると判定する。
(C−2)上記C−1以外の場合には、増加ポイント判定部32の判定の結果の増加ポイントは妥当でないと判定する。
【0050】
(ステップS7)ステップS6の判定の結果、増加ポイントが妥当である場合にはステップS8に進み、一方、増加ポイントが妥当でない場合にはステップS9に進む。
【0051】
(ステップS8)受信端末20の可用帯域推定部23は、妥当性判定部34によって妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域推定処理を行う。可用帯域推定部23は、可用帯域推定処理の結果の可用帯域推定値を出力する。
【0052】
(ステップS9)測定終了である場合には処理を終了し、測定終了ではない場合にはステップS10に進む。
【0053】
(ステップS10)受信端末20の推定範囲決定部35は、増加傾向判定部33の判定の結果と、妥当性判定部34の判定の結果とに基づいて、可用帯域の推定範囲を決定する。可用帯域の推定範囲の決定方法を以下に説明する。
【0054】
[可用帯域の推定範囲の決定方法]
(手順A)妥当性判定部34の判定の結果として増加ポイントが妥当である場合には、可用帯域の推定範囲を変更しない。したがって、現在の可用帯域の推定範囲の下限(送信レートRLに相当)と上限(送信レートRLに相当)とが引き続き使用される。
【0055】
(手順B)領域D1と領域D3との両方においてパケット遅延の増加傾向の有無の判定結果が増加傾向有りである場合には、実際の可用帯域が現在の推定範囲の下限(送信レートRLに相当)よりも低いと考えられる。このため、領域D1と領域D3との両方においてパケット遅延の増加傾向の有無の判定結果が増加傾向有りである場合には、可用帯域の推定範囲を低く変更する。変更後の可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートをRL_newとし、変更後の可用帯域の推定範囲の上限に相当する送信レートをRH_newとする。手順BにおけるRL_newとRH_newとの各計算式の一例を次式に示す。
RL_new=RL−(RH−RL)/2
RH_new=RH−(RH−RL)/2
但し、RLは変更前の可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートであり、RHは変更前の可用帯域の推定範囲の上限に相当する送信レートである。
【0056】
(手順C)領域D1と領域D3との両方においてパケット遅延の増加傾向の有無の判定結果が増加傾向なしである場合には、実際の可用帯域が現在の推定範囲の上限(送信レートRHに相当)よりも高いと考えられる。このため、領域D1と領域D3との両方においてパケット遅延の増加傾向の有無の判定結果が増加傾向なしである場合には、可用帯域の推定範囲を高く変更する。変更後の可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートをRL_newとし、変更後の可用帯域の推定範囲の上限に相当する送信レートをRH_newとする。手順CにおけるRL_newとRH_newとの各計算式の一例を次式に示す。
RL_new=RL+(RH−RL)/2
RH_new=RH+(RH−RL)/2
但し、RLは変更前の可用帯域の推定範囲の下限に相当する送信レートであり、RHは変更前の可用帯域の推定範囲の上限に相当する送信レートである。
【0057】
(手順D)妥当性判定部34の判定の結果として増加ポイントが妥当でない場合において、上記の手順Bと手順Cとのいずれにも該当しないときは、可用帯域の推定範囲を変更しない。したがって、現在の可用帯域の推定範囲の下限(送信レートRLに相当)と上限(送信レートRLに相当)とが引き続き使用される。
【0058】
なお、上記の手順Bと手順Cとにおいて各々示されるRL_newの計算式とRH_newの計算式とは一例であり、任意に設定可能である。
【0059】
以上が可用帯域の推定範囲の決定方法の説明である。
推定範囲決定部35は、決定した可用帯域の推定範囲を示す可用帯域推定範囲情報を送信部24へ出力する。可用帯域の推定範囲が変更される場合には、可用帯域推定範囲情報は、送信レートRL_newと送信レートRH_newとを示す情報である。可用帯域の推定範囲が変更されない場合には、可用帯域推定範囲情報は、可用帯域の推定範囲の変更なしを示す情報である。なお、可用帯域の推定範囲が変更されない場合には、推定範囲決定部35は、可用帯域推定範囲情報を送信部24へ出力しなくてもよい。
【0060】
送信部24は、推定範囲決定部35から入力された可用帯域推定範囲情報を測定制御情報に含め、該可用帯域推定範囲情報を含む測定制御情報をパケットにより受信端末20へ送信する。受信端末20のパケットトレイン生成部12は、送信端末10から受信した可用帯域推定範囲情報を、次回のパケットトレインの生成に使用する。
【0061】
次いでステップS10の後にステップS2に戻る。
【0062】
なお、上記ステップS8の可用帯域推定処理として、例えば、妥当性判定部34によって妥当であると判定された増加ポイントを統計的に処理し、この統計的処理の結果を可用帯域推定値としてもよい。例えば、妥当性判定部34によって妥当であると判定された増加ポイントが予め設定された個数に達するまで、ステップS2からS10までを繰り返し実行し、これによって得られた複数の妥当な増加ポイントを統計的に処理する。該統計的処理として、例えば、複数の妥当な増加ポイントの平均値を算出してもよく、又は、複数の妥当な増加ポイントの中央値を算出してもよく、又は、複数の妥当な増加ポイントのうち最頻値を求めてもよい。該統計的処理の結果は、可用帯域推定値に使用される。
【0063】
本実施形態によれば、領域D2の試験パケットの伝送遅延時間の変動に基づいて判定された増加ポイントについて、領域D1における試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無の判定結果と領域D3における試験パケットの伝送遅延時間の増加傾向の有無の判定結果とに基づいて、妥当性を判定する。そして、妥当であると判定された増加ポイントを使用して可用帯域を推定する。これにより、領域D2において、突発的なクロストラヒックの変動などの影響等により増加ポイントの判定精度が大幅に低下しても、精度が低下した増加ポイントによって可用帯域が推定されることを防ぐことができる。
【0064】
また、領域D1と領域D3とは、領域D1に係る判定結果の妥当性の検証のための試験パケット群であるので、従来のPathload法のように二分探索を繰り返す必要がない。これにより、従来のPathload法に比して推定に使用される試験パケットの個数を減らすことができる。
【0065】
上述したように本実施形態によれば、通信ネットワークの端末間の可用帯域の推定において、推定精度の向上と可用帯域の推定のための測定の効率の向上とを図ることができるという効果が得られる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0067】
例えば、上述した実施形態では、試験パケットの送信レートを変化させる仕方として、試験パケットの送信間隔を変化させることを例に挙げて説明したが、試験パケットのパケットサイズを変化させる場合、又は、試験パケットの送信間隔とパケットサイズの両方を変化させる場合にも適用可能であり、同様に上述した効果が得られる。なお、試験パケットのパケットサイズは、送信レートを送信間隔で除算することにより、容易に計算できる。
【0068】
また、送信端末10、受信端末20として、スマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯通信端末装置、又は、据置き型の通信端末装置(例えば、据置き型のパーソナルコンピュータ等)であってもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、通信端末間(通信ネットワークのエンドツーエンド)の可用帯域を推定する場合を例に挙げたが、通信中継装置間や、通信端末と通信中継装置間の可用帯域を推定する場合にも同様に適用可能である。
【0070】
また、上述した送信端末又は受信端末の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0071】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。