特許第6521908号(P6521908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6521908
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】工業炉
(51)【国際特許分類】
   F23L 15/00 20060101AFI20190520BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20190520BHJP
   F23J 15/08 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   F23L15/00 A
   F23J15/00 H
   F23J15/08
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-132157(P2016-132157)
(22)【出願日】2016年7月4日
(65)【公開番号】特開2018-4171(P2018-4171A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】川端 健介
(72)【発明者】
【氏名】有松 毅
(72)【発明者】
【氏名】惠上 寿雄
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第7399458(US,B1)
【文献】 米国特許第4225121(US,A)
【文献】 特開平5−26408(JP,A)
【文献】 特開昭62−202908(JP,A)
【文献】 特表2001−520110(JP,A)
【文献】 実開昭59−93629(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L 15/00
F23G 7/06
F23J 15/00
F23J 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させる工業炉において、前記の排気管に、三元触媒を収容させた排ガス処理部を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に、燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第1熱交換手段を設け、さらに前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第2熱交換手段を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に燃料ガスを導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項2】
燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させる工業炉において、前記の排気管に、三元触媒を収容させた排ガス処理部を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に、燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第1熱交換手段を設け、さらに前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第2熱交換手段を設けると共に、前記の排ガス処理部と前記の第2熱交換手段との間に、前記の排ガス処理部から排出された燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項3】
請求項2に記載の工業炉において、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に燃料ガスを導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の工業炉において、前記の第2熱交換手段によって加熱された燃焼用空気を前記の第1熱交換手段に導き、この第1熱交換手段において、第2熱交換手段から導かれた加熱された燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によりさらに加熱させて、前記の燃焼バーナーに供給させ、前記の排ガス処理部に収容させた三元触媒により、燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物を燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスによって還元させることを特徴とする工業炉。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の工業炉において、前記の燃焼バーナーを複数設けたことを特徴とする工業炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させる工業炉に関するものである。特に、前記のように燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給して、燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させるにあたり、燃焼排ガス中に有害な窒素酸化物(以下、NOxという。)が含まれ、またCOガスや炭化水素ガス(HC)等の未燃成分ガスが含まれた状態で、燃焼排ガスが排気管を通して外部に排出されるのを防止すると共に、燃焼排ガスの熱を有効に利用するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、加熱炉や熱処理炉等の工業炉においては、被処理物を加熱処理するにあたり、一般に、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給して、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させるようにしている。
【0003】
ここで、このような工業炉において、前記のように燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給して、燃料ガスを炉内において燃焼させるにあたり、燃焼効率を高めるために、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を多くして燃焼を行うと、燃焼時にNOxが多く発生し、NOxを多く含む燃焼排ガスが炉内から排気管を通して外部に排出されて、環境を大きく害するという問題があった。特に、近年においては、燃焼排ガス中におけるNOxを大幅に低減させることが要望されている。
【0004】
一方、NOxが燃焼排ガスに含まれるのを抑制するために、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくして燃焼を行うと、燃焼効率が低下すると共に、燃焼排ガス中にCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが多く残り、この未燃成分ガスが炉内から排気管を通して外部に排出されて、安全性や環境の点において問題があった。
【0005】
そして、近年においては、特許文献1に示されるように、ラジアントチューブバーナーからの燃焼排ガスを、窒素酸化物還元触媒を用いて浄化し、得られたNOx浄化ガスに空気比μ(実際の空気量/理論空気量)が1.0以上となるように燃焼用空気を添加した後、更に酸化触媒を用いて未燃成分を酸化除去させるようにしたものが提案されている。
【0006】
ここで、特許文献1に示されるものにおいては、窒素酸化物還元触媒を収容させた第1の排ガス処理部と、酸化触媒を収容させた第2の排ガス処理部とを設けると共に、この第1の排ガス処理部と第2の排ガス処理部との間に空気を供給させることが必要になり、装置が複雑になって大型化する等の問題があった。
【0007】
また、排ガス処理の一つとしては、三元触媒によって、安全、環境、人体などに悪影響を与えるCO、HC、NOxを酸化・還元し、H2O、CO2、N2に変化させて浄化するものが知られている。例えば、特許文献2に示されるように、蓄熱層を有する交番燃焼バーナーにおいて、各バーナー部の蓄熱層に三元触媒層を設け、三元触媒層の活性条件に合わせるように、炉内空気比を0.98〜1.02に調整して燃焼させるようにしたものも提案されている。
【0008】
しかし、特許文献2に示されるものは、使用する炉の種類や使用条件が限定されており、様々な炉において様々な条件の下で使用することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−241619号公報
【特許文献2】特開平7−133905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させるようにした工業炉における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明における工業炉においては、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給して、燃料ガスを燃焼バーナーにより炉内において燃焼させた後、燃焼排ガスを炉内から排気管を通して排出させるにあたり、燃焼排ガス中に有害なNOxが含まれ、またCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが含まれた状態で、燃焼排ガスが外部に排出されるのを適切に防止すると共に、燃焼排ガスの熱を有効に利用するようにした点に特徴を有するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る工業炉においては、前記のような課題を解決するため、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させる工業炉において、前記の排気管に、三元触媒を収容させた排ガス処理部を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に、燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第1熱交換手段を設け、さらに前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第2熱交換手段を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に燃料ガスを導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けるようにした。
【0013】
そして、前記の工業炉においては、前記の排ガス処理部に収容させた三元触媒により、燃焼排ガスに含まれるNOxを燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスによって還元させるようにする。この場合、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくして燃焼用空気の空気比μを1.0以下にすると、燃焼時に発生するNOxの量が少なくなって燃焼排ガスに含まれるNOxが減少し、更に燃焼排ガスに含まれるNOxが前記の三元触媒により燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスによって十分に還元されるようになる。
【0014】
また、本発明に係る工業炉においては、排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に設けた第1熱交換手段において、燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によって加熱させると共に、排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に設けた第2熱交換手段において、燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によって加熱させるようにする。このようにすると、第1熱交換手段と第2熱交換手段とにおいて、燃焼バーナーに供給される燃焼用空気が燃焼排ガスの熱により十分に加熱されて、燃焼排ガスの熱が有効に利用されるようになる。
【0015】
ここで、前記の工業炉においては、前記の第2熱交換手段において加熱された燃焼用空気を前記の第1熱交換手段に導き、この第1熱交換手段において、第2熱交換手段から導かれた加熱された燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によりさらに加熱させて、前記の燃焼バーナーに供給させるようにすることができる。
【0016】
また、本発明に係る前記の工業炉においては、前記のように排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に燃料ガスを導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けるようにした
【0017】
そして、前記の制御手段においては、前記の排ガス処理部を通して排出される燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物の量に対応させて、燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御させるようにする。
【0018】
ここで、前記のように燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃焼効率を高めるために、燃料ガスに対する燃焼用空気の量が多くなった状態で、燃料ガスを前記の燃焼バーナーにより燃焼させた結果、燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになった場合には、前記の燃焼排ガスが排気管を通して三元触媒を収容させた排ガス処理部に導かれる前に、前記の制御手段により燃料ガス案内路を通して適当量の燃料ガスを供給させるようにする。このようにすると、NOxが多く含まれる燃焼排ガスと適当量の燃料ガスとが一緒になって排ガス処理部に導かれ、前記の三元触媒の作用によって、燃焼排ガス中におけるNOxが十分に還元されて排出されるようになる。
【0019】
また、本発明に係る他の工業炉においては、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナーにより燃料ガスを炉内において燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスを、炉内から排気管を通して排出させる工業炉において、前記の排気管に、三元触媒を収容させた排ガス処理部を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に、燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第1熱交換手段を設け、さらに前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させる第2熱交換手段を設けると共に、排気管に設けた排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けるようにした。このようにすると、排ガス処理部において処理された燃焼排ガス中に未燃成分ガスが残っていても、この未燃成分ガスが前記の後燃焼装置により燃焼されてCO2やH2Oに酸化され、未燃成分ガスが排出されるのが防止されると共に、このように後燃焼装置により燃焼された燃焼排ガスが前記の第2熱交換手段に導かれ、この第2熱交換手段において、後燃焼装置により燃焼された燃焼排ガスの熱により燃焼バーナーに供給される燃焼用空気がさらに十分に加熱され、燃焼排ガスの熱をさらに効率よく利用できるようになる。
【0020】
ここで、前記の他の工業炉においても、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に燃料ガスを導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けるようにしたり、前記の第2熱交換手段において加熱された燃焼用空気を前記の第1熱交換手段に導き、この第1熱交換手段において、第2熱交換手段から導かれた加熱された燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によりさらに加熱させて、前記の燃焼バーナーに供給させるようにすることができる。
【0021】
また、本発明に係る工業炉においては、前記のような燃焼バーナーを複数設けるようにすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明における工業炉においては、燃焼バーナーに燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、燃料ガスを炉内で燃焼させて、燃焼後の燃焼排ガスを炉内から排気管を通して排出させるにあたり、前記のように排気管に三元触媒を収容させた排ガス処理部を設け、前記の燃焼排ガスを前記の排ガス処理部に導いて、燃焼排ガス中における有害なNOxや、またCOガスや炭化水素(HC)ガス等からなる未燃成分ガスを適切に処理すると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に設けた第1熱交換手段において、排ガス処理部に導かれる燃焼排ガスの熱を利用して、燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を加熱させるようにし、さらに排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に設けた第2熱交換手段において、排ガス処理部から排出された燃焼排ガスの熱を利用して、燃焼バーナーに供給する燃焼用空気や、予備加熱帯における雰囲気ガスを加熱させるようにした。
【0023】
この結果、本発明における工業炉においては、燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて、炉内において燃料ガスを燃焼させた場合に、燃焼排ガス中におけるNOxや未燃成分ガスが排気管に設けた排ガス処理部において適切に処理され、燃焼排ガス中にNOxや未燃成分ガスが含まれない安全な状態で、排気管を通して燃焼排ガスを外部に適切に排出できるようになると共に、第1熱交換手段と第2熱交換手段とにおいて、燃焼排ガスの熱により、燃焼バーナーに供給される燃焼用空気や予備加熱帯における雰囲気ガスが十分に加熱され、燃焼排ガスの熱が有効に利用されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施(参考)形態に係る工業炉において、燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて燃焼バーナーにより燃料ガスを燃焼させた後の燃焼排ガスを、排気管を通して排出させるにあたり、前記の排気管に、燃焼排ガスの排出方向上流側から順番に第1熱交換部と排ガス処理部と第2熱交換部とを設けた状態を示した概略説明図である。
図2】前記の実施(参考)形態に係る工業炉において、前記の排ガス処理部と第2熱交換部との間に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けた状態を示した概略説明図である。
図3】前記の実施(参考)形態に係る工業炉において、燃焼バーナーに供給する燃料ガスの一部を排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けると共に、排ガス処理部と第2熱交換部との間に、排ガス処理部から導かれた燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けた状態を示した概略説明図である。
図4】本発明の実施形態に係る工業炉において、燃焼バーナーを炉に複数設け、各燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を第1熱交換部と第2熱交換部とで加熱させる状態を示した概略説明図である。
図5】本発明の実施(参考)形態に係る他の工業炉において、燃焼バーナーを炉に複数設け、各燃焼バーナーに供給する燃焼用空気を第1熱交換部で加熱させる一方、第2熱交換部において予備加熱帯における雰囲気ガスを加熱させる状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施(参考)形態に係る工業炉を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る工業炉は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0026】
ここで、図1に示す実施(参考)形態に係る工業炉においては、炉10の炉壁11に燃焼バーナー12を設け、この燃焼バーナー12に、燃料ガス供給管21を通して炭化水素(HC)ガス等の燃料ガスを供給すると共に、後述する第1熱交換手段31と第2熱交換手段32とにおいて、燃焼排ガスの熱により加熱された燃焼用空気を、燃焼用空気供給管22を通して供給し、この燃焼バーナー12において、燃料ガスと加熱された燃焼用空気とを混合させて、燃料ガスを炉10内で燃焼させるようにしている。
【0027】
そして、このように燃料ガスを炉10内で燃焼させた後の燃焼排ガスを、炉10内から排出させる排気管13を設け、この排気管13に三元触媒を収容させた排ガス処理部23を設け、炉10内で燃焼させた後の燃焼排ガスを、前記の排気管13を通してこの排ガス処理部23に導き、排ガス処理部23に収容された三元触媒によって燃焼排ガスを処理するようにしている。
【0028】
また、この実施(参考)形態に係る工業炉において、燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によって加熱させる第1熱交換手段31として、排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側における排気管13内に第1熱交換部31を設けると共に、燃焼用空気を燃焼排ガスの熱によって加熱させる第2熱交換手段32として、排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側における排気管13内に第2熱交換部32を設けるようにしている。なお、この実施(参考)形態においては、第1熱交換部31と第2熱交換部32とをそれぞれ排気管13内に設けるようにしたが、第1熱交換部31と第2熱交換部32とを排気管13内から取り出した位置に設けるようにすることもできる。
【0029】
そして、この実施(参考)形態においては、燃焼用空気を、送風装置33により燃焼用空気案内管34を通して前記の第2熱交換部32に導き、この第2熱交換部32において、燃焼用空気を排ガス処理部23から導かれた燃焼排ガスの熱によって加熱させ、燃焼用空気を加熱させた後の燃焼排ガスを、前記のように排気管13を通して排出させるようにしている。
【0030】
また、前記のように第2熱交換部32において加熱された燃焼用空気を、第2熱交換部32から下流側における燃焼用空気案内管34を通して前記の第1熱交換部31に導き、この第1熱交換部31において、前記のように加熱された燃焼用空気を排ガス処理部23に導かれる前の燃焼排ガスの熱によってさらに加熱させ、このように加熱させた燃焼用空気を、前記の燃焼用空気供給管22を通して燃焼バーナー12に供給し、前記のように加熱された燃焼用空気を燃料ガスと混合させて、燃料ガスを燃焼させるようにしている。
【0031】
このようにすると、第1熱交換部31と第2熱交換部32とにおいて、燃焼排ガスの熱により燃焼用空気が十分に加熱され、この状態で、燃焼バーナー12に導かれて燃料ガスが燃焼されるようになり、燃焼排ガスの熱を有効に利用できるようになると共に、前記の第1熱交換部31において燃焼排ガスと燃焼用空気との間で熱交換が行われて、排気管13から前記の排ガス処理部23に導かれる燃焼排ガスの温度が低下し、燃焼排ガスの温度が、排ガス処理部23に収容させた三元触媒機能できる温度領域を超えた温度になるのが防止され、三元触媒によって燃焼排ガスを適切に処理できるようになる。なお、三元触媒が機能できる温度領域は約400℃〜800℃である。
【0032】
ここで、前記の工業炉において、前記の燃料ガス供給管21と燃焼用空気供給管22とを通して燃焼バーナー12に燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃焼時に発生するNOxの量を少なくするためには、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくし、例えば、燃焼用空気の空気比μを1.0以下にして、前記の燃焼バーナー12において燃料ガスを燃焼させるようにする。
【0033】
このように、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくして燃焼させると、燃焼排ガスに含まれるNOxが減少すると共に、この燃焼排ガス中にCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが残るようになる。
【0034】
そして、このようにNOxと未燃成分ガスとが残った燃焼排ガスを、炉10内から前記の排気管13を通して排ガス処理部23に導くと、この排ガス処理部23に収容された三元触媒により、燃焼排ガスに残ったNOxと未燃成分ガスとが反応して、NOxがN2に還元されると共に、未燃成分ガスがCO2やH2Oに酸化された状態で排出されるようになる。
【0035】
また、前記のようにNOxと未燃成分ガスとが残った燃焼排ガスを排ガス処理部23に収容された三元触媒によって処理するにあたり、燃料ガスに対する燃焼用空気の量がさらに少なくなって、燃焼排ガス中における未燃成分ガスが多くなり、排ガス処理部23に収容された三元触媒によって十分に処理されず、排ガス処理部23から未燃成分ガスが残った燃焼排ガスが排出されるおそれがある。
【0036】
このため、本発明の実施形態に係る工業炉において図2に示すように、排気管13に設けた前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に後燃焼装置24を設け、この後燃焼装置24に対して、必要に応じて、後燃焼用燃料ガス供給管24aから後燃焼用燃料ガスと、後燃焼用空気供給管24bから後燃焼用空気とを供給させるようにしている
【0037】
そして、この工業炉においては、排ガス処理部23から排出された燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを前記の後燃焼装置24において燃焼させ、未燃成分ガスをCO2やH2Oに酸化させて排出させるようにする。
【0038】
このため、前記の排ガス処理部23において未燃成分ガスが十分に処理されずに、未燃成分ガスが残った燃焼排ガスが排ガス処理部23から排出されたとしても、この未燃成分ガスが後燃焼装置24において燃焼されて処理されるようになり、未燃成分ガスが排出されるのを確実に防止できるようになる。
【0039】
また、このように後燃焼装置24により燃焼排ガス中における未燃成分ガスを燃焼させると、この後燃焼によって加熱された燃焼排ガスが前記の第2熱交換部32に導かれ、この加熱された燃焼排ガスにより、前記のように第2熱交換部32に導かれた燃焼用空気がさらに加熱されるようになり、後燃焼によって加熱された燃焼排ガスの熱も有効に利用されるようになる。なお、この実施形態においては、燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを火炎によって燃焼させる後燃焼装置24を用いるようにしたが、後燃焼装置24はこのようなものに限定されず、電気加熱等によって燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを燃焼させることもできる。
【0040】
また、前記のように排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に後燃焼装置24を設けた工業炉においては、図3に示すように、燃料ガス供給管21を通して燃焼バーナー12に供給する燃料ガスの一部を、前記の排気管13に設けた排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に導く燃料ガス案内路25と、この燃料ガス案内路25を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置における排気管13に供給する燃料ガスの量を制御する制御弁(制御手段)25aとを設けるようにすることができる。
【0041】
そして、この工業炉においては、前記の燃焼バーナー12において燃焼された後の燃焼排ガスに含まれるNOxの量に対応させて、前記の制御弁25aにより、燃料ガス案内路25を通して案内する燃料ガスの量を制御させるようにする。
【0042】
ここで、前記のように燃料ガス供給管21と燃焼用空気供給管22とを通して燃焼バーナー12に供給する燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃焼用空気の量を多くし、例えば、空気比μが1.0を超えるようにして、燃料ガスを前記の燃焼バーナー12において燃焼させた場合、十分な量の燃焼用空気によって燃料ガスが燃焼され、燃焼排ガス中におけるCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが減少する一方、燃焼時にNOxが多く発生して、燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになる。
【0043】
そして、このように燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになった場合には、前記の制御弁25aにより、前記の燃料ガス案内路25を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に案内する燃料ガスの量を制御して、適当量の燃料ガスを排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に供給し、この燃料ガスを前記のNOxが多く含まれる燃焼排ガスと一緒にして、三元触媒を収容させた排ガス処理部23に導くようにする。このようにすると、燃焼排ガス中におけるNOxが、排ガス処理部23に収容された三元触媒により、前記のように燃料ガス案内路25を通して供給された燃料ガスと反応されてN2に還元されるようになる。
【0044】
なお、このように燃料ガス案内路25を通して燃料ガスを供給するようにした場合において、燃料ガス案内路25を通して排ガス処理部23に導かれる燃料ガスの量が多くなって、排ガス処理部23から未燃成分ガスが残った燃焼排ガスが排出される場合には、前記のように後燃焼装置24により、排ガス処理部23から排出された燃焼排ガス中における未燃成分ガスを燃焼させて、CO2やH2Oに酸化させた状態で排出させるようにすることができる。
【0045】
次に、炉10に複数の燃焼バーナー12を設けた図4に示す工業炉について説明する。
【0046】
ここで、図4に示す工業炉においては、各燃焼バーナー12にそれぞれ燃料ガス供給管21を通して炭化水素(HC)ガス等の燃料ガスを供給すると共に、前記の実施形態における工業炉と同様に、第1熱交換部31と第2熱交換部32とにおいて、燃焼排ガスの熱により加熱された燃焼用空気を、燃焼用空気案内管34を通して各燃焼バーナー12における燃焼用空気供給管22に導き、各燃焼用空気供給管22を通して加熱された燃焼用空気を各燃焼バーナー12に供給して燃料ガスを燃焼させ、このように燃焼させた後の燃焼排ガスを、炉10内から排気管13に導くようにしている。
【0047】
そして、この工業炉においては、燃焼排ガスが導かれる排気管13に径が大きくなった第1径大部13aを設け、この第1径大部13a内に導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる第1熱交換部31を設けている。
【0048】
また、この第1径大部13aと三元触媒を収容させた排ガス処理部23との間における前記の排気管13に、燃料ガスを案内する燃料ガス案内路25を設けると共に、この燃料ガス案内路25を通して排気管13に供給する燃料ガスの量を制御する制御弁25aを設け、前記の各燃焼バーナー12において燃焼された後の燃焼排ガスに含まれるNOxの量に対応させて、前記の制御弁25aにより、燃料ガス案内路25を通して案内する燃料ガスの量を制御するようにしている。
【0049】
そして、燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになった場合には、前記のように燃料ガス案内路25を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に案内する燃料ガスの量を前記の制御弁25aにより制御し、適当量の燃料ガスを排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に供給し、この燃料ガスを前記のNOxが多く含まれる燃焼排ガスと一緒にして三元触媒を収容させた排ガス処理部23に導き、この排ガス処理部23において、燃焼排ガス中におけるNOxを前記の燃料ガスと反応させてN2に還元させるようにしている。
【0050】
また、前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置における排気管13に後燃焼装置24を設け、この後燃焼装置24に対して、必要に応じて、後燃焼用燃料ガス供給管24aから後燃焼用燃料ガスと、後燃焼用空気供給管24bから後燃焼用空気とを供給させるようにしている。
【0051】
そして、前記の排ガス処理部23から排出された燃焼排ガスにCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが残っている場合には、この未燃成分ガスを前記のように後燃焼装置24において燃焼させて、CO2やH2Oに酸化させるようにしている。
【0052】
また、この工業炉においては、前記の後燃焼装置24よりも燃焼排ガスの排出方向下流側における排気管13に径が大きくなった第2径大部13bを設け、この第2径大部13b内に導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる第2熱交換部32を設けている。
【0053】
ここで、この工業炉においては、前記の工業炉と同様に、燃焼用空気を送風装置33により燃焼用空気案内管34を通して前記の第2熱交換部32に導き、この第2熱交換部32において、燃焼用空気を排ガス処理部23から導かれた燃焼排ガスや前記の後燃焼装置24において燃焼させた後の燃焼排ガスの熱によって加熱させ、このように加熱された燃焼用空気を第2熱交換部32から燃焼用空気案内管34を通して前記の第1熱交換部31に導き、この第1熱交換部31において、前記のように加熱された燃焼用空気を排ガス処理部23に導かれる前の燃焼排ガスの熱によってさらに加熱させるようにする。
【0054】
そして、このように第1熱交換部31において加熱させた燃焼用空気を、前記の燃焼用空気案内管34から各燃焼用空気供給管22を通して各燃焼バーナー12に供給し、各燃焼バーナー12において、前記のように加熱された燃焼用空気を燃料ガスと混合させて、燃料ガスを燃焼させるようにしている。
【0055】
一方、前記の第2径大部13bにおける第2熱交換部32において燃焼用空気を加熱させた後の燃焼排ガスは、前記の排気管13を通して煙突14から排出させるようにしている。
【0056】
次に、炉10に複数の燃焼バーナー12を設けた図5に示す他の工業炉について説明する。なお、図5に示す工業炉は、前記の図4に示す工業炉と一致している点が多く存在するため、図4に示す工業炉と相違する点を中心に説明する。
【0057】
ここで、図5に示す工業炉においては、図4に示す工業炉と同様に、炉10内において燃焼された後の燃焼排ガスを導く排気管13に径が大きくなった第1径大部13aを設け、この第1径大部13a内に導かれた燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる第1熱交換部31を設けている。そして、この工業炉においては、この第1熱交換部31に対して、送風装置33により燃焼用空気案内管34を通して燃焼用空気を送り込み、この第1熱交換部31において加熱された燃焼用空気を、燃焼用空気案内管34を通して各燃焼バーナー12における燃焼用空気供給管22に導くようにしている。
【0058】
また、図5に示す工業炉においては、図4に示す工業炉と同様に、第1熱交換部31が設けられた第1径大部13aと三元触媒を収容させた排ガス処理部23との間における前記の排気管13に、燃料ガスを案内する燃料ガス案内路25を設けると共に、この燃料ガス案内路25を通して排気管13に供給する燃料ガスの量を制御する制御弁25aを設け、前記の各燃焼バーナー12において燃焼された後の燃焼排ガスに含まれるNOxの量に対応させて、前記の制御弁25aにより、燃料ガス案内路25を通して案内する燃料ガスの量を制御するようにしている。
【0059】
そして、燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになった場合には、前記のように制御弁25aにより燃料ガス案内路25を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に案内する燃料ガスの量を制御し、適当量の燃料ガスを排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に供給し、この燃料ガスを前記のNOxが多く含まれる燃焼排ガスと一緒にして三元触媒を収容させた排ガス処理部23に導き、この排ガス処理部23において、燃焼排ガス中におけるNOxを前記の燃料ガスと反応させて、N2に還元させるようにしている。
【0060】
また、前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置における排気管13に後燃焼装置24を設け、この後燃焼装置24に対して、必要に応じて、後燃焼用燃料ガス供給管24aから後燃焼用燃料ガスと、後燃焼用空気供給管24bから後燃焼用空気とを供給させ、前記の排ガス処理部23から排出された燃焼排ガスにCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが残っている場合には、この未燃成分ガスを前記のように後燃焼装置24において燃焼させて、CO2やH2Oに酸化させるようしている。
【0061】
ここで、この工業炉においても、図4に示す工業炉と同様に、後燃焼装置24よりも燃焼排ガスの排出方向下流側における排気管13に径が大きくなった第2径大部13bを設け、この第2径大部13b内に第2熱交換部32を設けるようにしている。
【0062】
一方、図5に示す工業炉においては、鋼帯等の長尺状の処理物(図示せず)を連続して処理するために、前記の処理物を予備加熱するため予備加熱帯15を、前記の炉10と案内路16を介して連通するように設けている。
【0063】
そして、この工業炉においては、前記の予備加熱帯15内における雰囲気ガスを、送風装置41により雰囲気ガス循環管42を通して前記の第2熱交換部32に導き、この第2熱交換部32において、前記の第2径大部13bに導かれた排ガス処理部23からの燃焼排ガスの熱や、前記の後燃焼装置24によって後燃焼された後の燃焼排ガスの熱により前記の雰囲気ガスを加熱させ、このように加熱された雰囲気ガスを、雰囲気ガス循環管42を通して予備加熱帯15内に戻すようにし、予備加熱帯15内における雰囲気ガスを、第2熱交換部32において加熱させて循環させると共に、このように第2熱交換部32において雰囲気ガスを加熱させた後の燃焼排ガスを、前記の排気管13を通して煙突(図示せず)から排出させるようにしている。
【0064】
なお、前記の第1及び第2の工業炉1においては、図3に示す工業炉1のように、燃料ガス供給管21を通して燃焼バーナー部12に供給する燃料ガスの一部を、前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に導く燃料ガス案内路25と、この燃料ガス案内路25を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に案内する燃料ガスの量を制御する制御弁25aとを設けると共に、各排ガス処理部23から排出される燃焼排ガスを導く排気管13に後燃焼装置24を設けるようにしたが、必ずしもこれらを設ける必要はない。
【符号の説明】
【0065】
10 :炉
11 :炉壁
12 :燃焼バーナー
13 :排気管
13a :第1径大部
13b :第2径大部
14 :煙突
15 :予備加熱帯
16 :案内路
21 :燃料ガス供給管
22 :燃焼用空気供給管
23 :排ガス処理部
24 :後燃焼装置
24a :後燃焼用燃料ガス供給管
24b :後燃焼用空気供給管
25 :燃料ガス案内路
25a :制御弁(制御手段)
31 :第1熱交換部(第1熱交換手段)
32 :第2熱交換部(第2熱交換手段)
33 :送風装置
34 :燃焼用空気案内管
41 :送風装置
42 :雰囲気ガス循環管
図1
図2
図3
図4
図5