(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6521989
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】使い捨て医療用品を無菌接続する装置
(51)【国際特許分類】
A61M 39/18 20060101AFI20190520BHJP
A61M 39/22 20060101ALI20190520BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
A61M39/18
A61M39/22
A61M39/10 100
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-552297(P2016-552297)
(86)(22)【出願日】2015年2月11日
(65)【公表番号】特表2017-505687(P2017-505687A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】EP2015052855
(87)【国際公開番号】WO2015121296
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2017年8月24日
(31)【優先権主張番号】202014100585.4
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516241809
【氏名又は名称】ハインツ マイゼ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Heinz Meise GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ マイゼ
【審査官】
小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0099552(US,A1)
【文献】
特表2010−518330(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0264450(US,A1)
【文献】
米国特許第06152913(US,A)
【文献】
特開2004−275727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10 − 39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール(6)を備えかつ一方端部が閉鎖されたアウトレットシリンダ(4)を有し、スリーブナット(8)が設けられたアウトレットコネクタ(1)と、
前記アウトレットコネクタ(1)に接続可能であり、その一方端部が閉鎖されたインレットコネクタ(2)と
から成り、
前記アウトレットコネクタ(1)及び前記インレットコネクタ(2)の相互に向き合う端部がそれぞれパーフォレーションシール(9,9’)によって閉鎖されている、
使い捨て医療用品を無菌接続する装置において、
前記アウトレットコネクタ(1)は、前記インレットコネクタ(2)のカップリング部材(25)と協働するカップリング部材(55)を有するアウトレットトルソ(5)を含んでおり、
各カップリング部材(25,55)は、それぞれほぼ三角形状の輪郭を有する突出部(26,57)からなり、前記カップリング部材(25)の突出部(26)の内幅が、前記カップリング部材(55)の突出部(57)の外寸法にほぼ対応しており、
前記スリーブナット(8)に、前記アウトレットトルソ(5)のロック装置(59)に対応する鋸歯状のインタロック部(84)が設けられており、
前記スリーブナット(8)の内側に、該スリーブナット(8)の最終位置で前記アウトレットトルソ(5)のロック装置(59)に係合して、該スリーブナット(8)の回転戻りを防止するガイドノブ(85)が配置されており、
前記ロック装置(59)は、螺旋状の輪郭を有する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記パーフォレーションシール(9,9’)は、組み上がり状態で前記インレットコネクタ(2)及び/又は前記アウトレットトルソ(5)の環状溝(10,10’)に配置されるベースボディ(91,91’)を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パーフォレーションシール(9,9’)は、エラストマーもしくはシリコーンから形成されている、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記パーフォレーションシール(9,9’)は、パーフォレーションエレメント(92,92’)を有する、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記アウトレットコネクタ(1)及び前記インレットコネクタ(2)はその最終位置で係合し、前記パーフォレーションシール(9,9’)は相同となるように重なる、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記インレットコネクタ(2)に破断コネクタ(11)が設けられている、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て医療用品を無菌接続する装置に関する。この装置は、管部材を有するアウトレットコネクタと、収容部を有するインレットコネクタとから成る。管部材にはシールとこれに隣接する放出窓とが設けられており、管部材の一方端部は閉鎖材によって閉鎖されており、収容部にはガイドエレメントが配置されている。
【0002】
ここで考察するタイプの装置は、医療分野において種々に、例えば供血、輸血、透析その他の領域で、チューブ、遠心分離容器などを接続するために適用されている。それぞれの使い捨て製品の接続の確実性のほか、こうした装置の主要な基準は、接続の無菌性にある。こうした装置は、どのような場合においても、使い捨て製品を接続する際に、細菌又は外部物質が接続部に到達して流体とともに各患者の体内に接し、そこで汚染を引き起こすおそれがないことを保証しなければならない。
【0003】
無菌接続を行うために、通常はそのつど、接続すべき装置の滅菌過程が行われる。これは、種々の方式で、例えばオートクレーブ装置での高温蒸気によって、実行可能である。無菌状態でパッケージングされた端部を使用し、利用の直前にはじめて取り出して直ちに接続を行うことも知られている。ただし、公知の手法は、一方では煩雑であり、他方では完全な無菌接続が保証されない。
【0004】
接続すべき部分に対する滅菌過程を回避するために、独国実用新案第202009008274号明細書から、使い捨て医療用品を無菌接続する装置が公知である。この装置では、放出窓を有する管部材がガイドエレメント内に移動可能に配置されている。ガイドエレメントには貫通孔が形成されている。また、管部材上にスリーブが移動可能に配置されており、このスリーブにスリーブナットが設けられている。当該公知の装置は、接続の無菌性に関して課された要求を満たしている。しかし、例えば血液を当該公知の装置に通流させると、この血液が僅かに損傷を受けうることが判明している。つまり、例えば、貫通孔から血液が放出される際に赤血球の外膜の損傷が発生することが観察された。こうした損傷があるとヘモグロビンが遊離してしまいかねず、ひいては血液の品質が低下する。
【0005】
こうした状況では本発明が役立つ。本発明の基礎とする課題は、使い捨て医療用品を無菌接続する装置を提供し、一方で接続の際に要求される無菌性を達成でき、他方で装置を通流する媒体の損傷を回避できるようにすることである。この課題は、本発明の請求項1に記載の特徴により解決される。
【0006】
本発明によれば、使い捨て医療用品を無菌接続する装置であって、一方で接続の際に要求される無菌性を達成でき、他方で装置を通流する媒体の損傷を回避できる装置が提供される。同時に、接続の取り扱いも簡単である。
【0007】
本発明の別の態様及び構成はその他の従属請求項に記載されている。本発明の複数の実施形態を図示し、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】保護キャップを備えたインレットコネクタ及びアウトレットコネクタを示す図である。
【
図2】
図1のD−D線に沿って切断した断面図である。
【
図3】インレットコネクタとアウトレットコネクタとが相互に接続された状態の装置を示す図である。
【
図6】
図3のC−C線に沿って切断した断面図である。
【
図10】
図9のアウトレットトルソを左方から見た側面図である。
【
図11】
図9のアウトレットトルソを示す図である。
【
図13】
図12のスリーブナットを左方から見た側面図である。
【
図15】
図14のインレットコネクタを右方から見た側面図である。
【
図16】パーフォレーションシールの断面図である。
【
図17】別の構成のパーフォレーションシールの断面図である。
【
図19】破断コネクタ及び破断部を備えたインレットコネクタの断面図である。
【
図20】破断コネクタなしの破断部を備えたインレットコネクタの断面図である。
【
図21】別の構成の破断コネクタ及び破断部を備えたインレットコネクタの断面図である。
【0009】
実施形態として選択された使い捨て医療用品を無菌接続する装置は、相互に移動可能にはめ込まれたアウトレットコネクタ1及びインレットコネクタ2から成る。アウトレットコネクタ1及びインレットコネクタ2は、接続部の前方で、それぞれ閉鎖キャップ3によって閉鎖されている。
【0010】
アウトレットコネクタ1は、回転対称に構成されたアウトレットシリンダ4を有する。アウトレットシリンダ4の、インレットコネクタ2とは反対側の端部には、円錐形に構成されたチューブベース41が設けられており、このチューブベース41は各チューブとの接続に用いられる。チューブベース41にはディスク状に構成されたストッパ42が接続されており、このストッパ42に円筒部分43が接続されている。円筒部分43にはラッチ凹部44が設けられており、その接続部内ではアウトレットシリンダ4が自由端部へ向かって円錐状に延在している。当該端部はシールリップ45によって形成されている。
【0011】
アウトレットコネクタ1はさらにアウトレットトルソ5を含み、このアウトレットトルソ5内にアウトレットシリンダ4が移動可能に配置されている。アウトレットシリンダ4の一方端部にはリング51が形成されており、このリング51に小さい直径の部分52が接続されている。部分52の内径は、アウトレットシリンダ4の円筒部分43の外径に対応する。部分52の内側は、組み上がり状態でアウトレットシリンダ4のラッチ凹部44と協働するラッチ凸部53によって画定されている。アウトレットシリンダ4の外側には、この実施形態では、3つのリブ54が設けられている。
【0012】
アウトレットトルソ5の、リング51とは反対側の端部は、カップリング部材55によって形成されている。カップリング部材55は、フランジ56とこれに一体成形された突出部57とから成り、突出部57は、アウトレットトルソ5の長手中央軸線に対して平行に配向されており、かつ、アウトレットトルソ5の端面から突出している。突出部57はほぼ三角形状の輪郭を有する。突出部57の自由端部はラッチ凸部58を有する。リブ54とフランジ56との間には、鋸歯状に構成されたロック装置59が配置されている。アウトレットトルソ5の端面には環状溝10が組み込まれている。
【0013】
組み上がり状態では、アウトレットシリンダ4とアウトレットトルソ5との間にOリングの形状のシール6が配置される。シール6は、一方ではアウトレットシリンダ4の円筒部分43上に載置され、他方ではアウトレットシリンダ5のリング51の脚部に接する。当該シール6はスナップリング7によって保持される。
【0014】
アウトレットコネクタ1には、回転対称に構成されたスリーブナット8が設けられている。当該スリーブナット8は、この実施形態では、一体型に製造されている。スリーブナット8の外側には取り扱いを容易にするための波状部が設けられている。スリーブナット8の一方の端部は蓋81で閉鎖されており、この蓋81は、組み上がり状態でアウトレットシリンダ4の導入に用いられる開口82を中央に有する。当該開口82を取り巻く内側には、組み上がり状態でアウトレットシリンダ4のストッパ42を支持する凹部83が形成されている。スリーブナット8の、蓋81とは反対側の端部は開放されるように構成されている。スリーブナット8の端部領域には、アウトレットトルソ5のロック装置59に対応するインタロック部84が設けられている。インタロック部84に隣接して、スリーブナット8の内側に、径をはさんで向かい合う2つのガイドノブ85が配置されており、これらのガイドノブ85は、スリーブナット8の最終位置で、アウトレットトルソ5のロック装置59に係合する。
【0015】
アウトレットコネクタ1は、インレットコネクタ2に向かう側の端部では、エラストマーもしくはシリコーンから成るパーフォレーションシール9によって閉鎖されている。当該パーフォレーションシール9は、組み上がり状態でアウトレットシリンダ5の環状溝10内に配置されるリング状のベースボディ91を有する。ベースボディ91にはパーフォレーションエレメント92が一体成形されている。パーフォレーションエレメント92は、当該実施形態の変更形態では、2部材射出成形法によってベースボディ91に組み込むこともできる。
【0016】
インレットコネクタ2は、アウトレットコネクタ1とは反対側の端部に、円錐状に形成されたチューブベース21を有しており、このチューブベース21は、各チューブを接続するために用いられる。インレットコネクタ2には貫通孔22が形成されており、この貫通孔22の中央領域に複数の段状部分が設けられている。これによりシールコーン部23が形成され、このシールコーン部23の箇所には、装置の開放状態で、アウトレットシリンダ4のシールリップ45が当接する。
【0017】
インレットコネクタ2のチューブベース21とは反対側の端部の端面にはカップリング部材25が配置されている。カップリング部材25は突出部26から成っており、この突出部26は、インレットコネクタ2の長手中央軸線に対して平行に配向されており、かつ、インレットコネクタ2の端面から突出している。突出部26はほぼ三角形状の輪郭を有する。当該突出部26の内幅は、カップリング部材55の突出部57の外寸法にほぼ対応するので、装置を組み立てる際には突出部57が突出部26内へ入る。インレットコネクタ2の端面には環状溝10’が取り付けられている。
【0018】
インレットコネクタ2の、アウトレットコネクタ1に向かう側の端部は、同様にエラストマーもしくはシリコーンから成るパーフォレーションシール9’によって閉鎖されている。当該パーフォレーションシール9’は、組み上がり状態でインレットコネクタ2の環状溝10’に配置されるリング状のベースボディ91’を有する。ベースボディ91’には、インレットコネクタ2の貫通孔22内を延在するパーフォレーションエレメント92’が一体成形されている。
【0019】
装置が接続されていない状態(
図2)では、アウトレットコネクタ1もインレットコネクタ2もそれぞれ閉鎖キャップ3によって閉鎖されている。閉鎖キャップ3は、平面的に見ると、突出部26,57の形状に対応するほぼ三角形状の輪郭を有する。保護キャップ3の内側にはガイドシリンダ31が設けられており、このガイドシリンダ31の直径は、向かい合うインレットコネクタ2の端面及びアウトレットトルソ5の端面の直径に相当する。外側では、ガイドシリンダ31上で或る程度の範囲に分散された状態で、複数の突起32が配置されている。開放端部の領域では、保護キャップ3が3つのラッチ湾曲部33を有する。
【0020】
閉鎖状態では、ガイドシリンダ31は環状溝24,56に直接に隣接するようにインレットコネクタ2及びアウトレットトルソ5の各端面で支持されており、その際にパーフォレーションシール9,9’への接触は生じない。同時に、突出部26,57は突起32に接している。ラッチ湾曲部33は、この状態では、後ろ側でカップリング部材25又はフランジ56を把持しており、これにより信頼性の高い配置が保証される。
【0021】
アウトレットコネクタ1及びインレットコネクタ2を接続するために、まず閉鎖キャップ3が取り外される。ついで、アウトレットコネクタ1とインレットコネクタ2とが相互にガイドされる。この場合、突出部26と突出部57とが互いに嵌合する。コネクタ1,2は、その最終位置で、アウトレットトルソ5のラッチ凸部53によって係合する。図からわかるように、この位置では、アウトレットコネクタ1及びインレットコネクタ2の各端面が隙間なく互いに接する(
図6)。また、パーフォレーションシール9,9’は相同となるように重なる。コネクタ1,2はこの状態でさらに互いに封止されるので、媒体が一方のコネクタから他方のコネクタに達するおそれはない。
【0022】
通流を可能にするために、スリーブナット8はインレットコネクタ2の方向へ移動される。スリーブナット8の凹部83内に支持されているアウトレットシリンダ4のストッパ42によって、当該スリーブナット8の移動は、アウトレットシリンダ4の軸方向での移動と同時に、インレットコネクタ2の方向へもガイドされる。ここでの移動はスリーブナット8のインタロック部84がロック装置59に接触するまで行われる。ロック装置59は螺旋状の輪郭を有するため、スリーブナット8の回転は、スリーブナット8及びアウトレットシリンダ4のさらなる軸方向移動と同時に、インレットコネクタ2の方向へ生じる。軸方向移動の際にシールリップ45がパーフォレーションシール9,9’に突き当たることにより、各パーフォレーションシール9,9’が裂開し、それぞれ1つずつV字状の裂開部93,93’が生じる。こうして装置での通流が可能となる。スリーブナット8がフランジ56に接すると、最終位置が達成される。同様に、この場合に、シールリップ45がインレットコネクタ2のシールコーン部23に接する。つまり、各媒体の通流は、コネクタ1,2が相互に確実に封止されたときに可能となる。さらに、コネクタ1,2の誤った解離が、インタロック部84の鋸歯状の構成に基づいて、スリーブナット8の回転戻りひいては接続部の開放が有効に阻止されることにより防止されている。
【0023】
上述した装置を補充する形態として、
図19から
図23の実施形態に示されているような、インレットコネクタ2に破断コネクタ11を設ける手段が挙げられる。ここで、
図19,
図20の構成では基本的に、インレットコネクタ2は上述した形態で適用される。ただし付加的に、チューブベース21にタペットの形態の破断部110、すなわち、一種のフィルムヒンジを介してチューブベース21の端面に接続された破断部を成形してもよい(
図20を参照)。この状態では、貫通孔22は破断部110によって閉鎖されている。チューブベース21上には、付加的に、可撓性材料から形成されるチューブアダプタ111がオフセットされた状態で接着されている。チューブアダプタ111は破断部110を完全に包囲している。破断部110の自由端に対して間隔を置いて、チューブアダプタ111内に先細断面112が形成されている。
【0024】
図21から
図23の実施形態では、インレットコネクタ2が変更され、チューブベース21が省略されている。チューブベース21上でなく、貫通孔22を包囲する壁上にチューブアダプタ111がスライドされた状態で接着されている。チューブアダプタ111も同様に先細断面112を有する。破断コネクタ11はこの構成においても破断部110を有する。ただし、当該破断部はインレットコネクタ2にではなく、破断部110とともにチューブアダプタ111によって包囲されているスリーブ113に一体成形されている。
【0025】
本発明の装置は、使い捨て医療用品を無菌接続する手段を提供する。当該手段は、それぞれの使い捨て医療用品が接続されていない状態で、一方では、アウトレットコネクタ1がチューブとは反対側の端部でパーフォレーションシール9によって閉鎖されることにより、保証される。その結果、各液体の通流のために設けられているアウトレットシリンダ4の内部領域が、周囲に対して封止される。このことは、閉鎖キャップ3の引き出し後にも当てはまる。また、保護キャップ3により、シール9を誤って損傷するおそれも防止されている。
【0026】
他方で同様に、インレットコネクタ2の側面の封止も、流体の通流のために設けられているインレットコネクタ2の貫通孔22を特に保護キャップ3の引き出し後に周囲に対して封止するパーフォレーションシール9’によって行われる。また、保護キャップ3により、シール9’を誤って損傷するおそれも防止されている。
【0027】
装置を通した通流は、まずアウトレットシリンダ4をインレットコネクタ2の方向へ移動させ、シールリップ45をコネクタ2へ導入して、シール9,9’を突き合わせることによって可能となる。なお、この状態でカップリング部材25,55が既に嵌合しているので、その点でも周囲との接触は排除されている。続いて、シール9,9’をコネクタ2の貫通孔22に位置決めすることにより、無菌接続が達成される。戻り方向にずらされたシール9,9’の配置に基づいて、保護キャップ3を取り去った後の誤った汚染が防止される。また、多重の係止接続によって、簡単な組み立て及び高度な接続安定性が達成される。
【0028】
さらに、
図19から
図23の実施形態では、破断コネクタ11が操作された後にはじめて通流が可能となる。これは、破断部110のうち、インレットコネクタ2に向かう側の領域においてチューブアダプタ111を単純に湾曲もしくは屈曲させることによって行われる。これにより、破断部110とチューブベース21もしくはスリーブ113との間の接続が解離され、装置を通した通流が可能となる。
【0029】
また、本発明の装置では、媒体が装置を損傷なく通流できるため、通流が保証される。これは、尖ったエッジを有さない、滑らかな管状の通流領域を形成した結果である。つまり、媒体がチューブからインレットコネクタ2へ達すると、この媒体は、シールコーン部23の領域の段状部分の後方で、内側が滑らかに構成されたアウトレットシリンダ4に導入され、そこからアウトレットコネクタ1に接続されたチューブへ達するのである。
【0030】
さらに、カップリング部材25,55のほぼ三角形状の輪郭により、装置のエラーのない操作が保証される。これと同じことが同様に三角形状の保護キャップ3にも当てはまる。全体として、装置の取り扱いがきわめて簡単化され、誤操作が回避される。