【文献】
Plant Mol. Biol.,2011年,Vol.76,pp.357-369
【文献】
endo-1,4,-beta-xylanase B [Thermotoga maritima MSB8],GenBank Accession No.AAD35164,2010年 3月 5日,[2018年9月11日検索]インターネット<URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/4980557?sat=18&satkey=1856132>
【文献】
Beta-xylanase,UniProt Accession No.N4V5T0,2013年 6月26日,[2018年9月11日検索]インターネット<URL:https://www.uniprot.org/uniprot/N4V5T0>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62)若しくはバシロリシン(E.C.3.4.24.28)若しくはアルカリセリンプロテアーゼ(E.C.3.4.21.x)若しくはケラチナーゼ(E.C.3.4.x.x))、並びに/又は、アミラーゼ(α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、G4形成アミラーゼ(E.C.3.2.1.60)、β−アミラーゼ(E.C.3.2.1.2)及びγ−アミラーゼ(E.C.3.2.1.3)を含む)、並びに/又は、フィターゼ(例えば、6−フィ
ターゼ(E.C.3.1.3.26)若しくは3−フィターゼ(E.C.3.1.38))からなる群から選択される、1種類又はそれ以上の酵素を更に含む、請求項15に記載の飼料添加剤組成物又は請求項16に記載のプレミックス。
前記キシラン含有材料が、飼料又は家畜飼料;飼料成分;グレイン系材料;マッシュ;麦汁;麦芽;大麦麦芽;副原料、大麦マッシュ;及び、穀物粉からなる群のうち、1種類又はそれ以上から選択される、請求項19に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0053】
別途記載のない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本開示の属する技術分野の業者により一般に理解される意味と同様の意味を持つ。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,20 ED.,John Wiley and Sons,New York(1994)、及びHale & Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,NY(1991)は、本開示で使用される多くの用語の一般的辞典として当業者に示される。
【0054】
本開示は、本明細書において開示される代表的な方法及び材料に限定されるものではなく、本開示の実施形態を実施又は試験するにあたって、本明細書に開示されるものと類似する又は同等である任意の方法及び材料を使用することができる。数値の範囲は、範囲を画定する数値を包含する。別途記載のない限り、それぞれ、全ての核酸配列は左から右に5’から3’方向に記載され、アミノ酸配列は左から右にアミノからカルボキシ方向に記載される。
【0055】
本明細書で提供される見出しは、本開示の様々な態様又は実施形態を制限するものではなく、総じて本明細書において参照として用いられ得るものである。したがって、以降で定義される用語は、総じて本明細書を参照することでより詳しく定義される。
【0056】
本明細書において、アミノ酸は、アミノ酸名、3文字略記、又は1文字略記により参照される。
【0057】
本明細書で使用するとき、用語「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、及びペプチドを包含する。
【0058】
本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」及び/又は用語「タンパク質」と同義である。一部の例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「ペプチド」と同義である。一部の例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「酵素」と同義である。
【0059】
用語「タンパク質」及び「ポリペプチド」は、本明細書において互換的に使用される。本開示及び特許請求の範囲において、アミノ酸残基に対し一般的な1文字表記及び2文字表記が用いられる場合がある。アミノ酸の3文字表記は、IUPACIUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に準拠して定義される通りのものである。遺伝子暗号の縮重に起因し、ポリペプチドは1種類以上のヌクレオチド配列によりコードされる場合があることも理解されたい。
【0060】
用語についての他の定義は本明細書中で明らかになる場合がある。実施例をより詳細に説明する前に、本開示は記載される具体的な実施形態に制限されるものではなく、言うまでもなく、多岐にわたることは理解される。本明細書で使用される専門用語は、具体的な実施形態を記載するという目的でのみ使用されるものであり、制限を意図するものではなく、したがって、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることも理解されるであろう。
【0061】
値について範囲が提供される場合、文脈上明記されていない限り、下限とする単位の少数第一位までが開示されているものとし、それ以外には、範囲の上限値及び下限値の間の各数値も明確に開示されているものとする。規定の任意の値又は規定の範囲に含まれる値、及びその他の任意の規定の値又は規定の範囲に含まれる値、に挟まれる、より小さな各々の範囲も本開示に包含される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して範囲に包含させることができ、あるいは除外させることができ、かつ各範囲が、記載の範囲内の任意の特定の制限を包含するよう、上限及び下限のいずれかを包含し、又はいずれも包含せず、又はいずれをも包含する、より小さな範囲も本開示に包含させる。規定の範囲が上限又は下限のいずれか又は両方を含有する場合、これらの含有される上限又は下限のいずれか又は両方を除外する範囲も本開示に含まれる。
【0062】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、単数冠詞「a」、「an」、及び「the」には、文脈上明記されない限り複数形も含む。したがって、例えば、「酵素(an enzyme)」には、複数の候補となる剤が包含され、「飼料(the feed)」を参照する場合には、当業者に知られる1種類以上の飼料及びその同等物などが包含される。
【0063】
本明細書で述べる開示は、本開示の出願日よりも先に開示されているという意味合いでのみ提供される。本明細書において、このような刊行物が、本明細書に添付の特許請求の範囲に対する先行技術に相当するものと解釈すると判断される記載は存在しない。
【0064】
動物用飼料中でエネルギー源として、バイオ燃料製造における原材料として、醸造又は麦芽製造における原料として、又は、小麦グルテン−デンプン分離プロセスにおける原材料として伝統的に使用される原材料の価格が上昇した結果、例えば、これらの産業において、出発基質中に低コストの繊維材料を含め、特に動物用飼料中で低コストの繊維副産物を使用することになった。
【0065】
繊維の添加は、いくつかの悪影響の原因となる場合がある。例えば動物用飼料では、繊維の添加は、栄養阻害作用の原因となり得る。動物の腸内に未分解の高分子が存在すると、内容物の粘性が高くなり、その結果、拡散が妨害され栄養素の吸収が低下する。また、高分子は水分保持能が高く、効率的な水の再吸収を妨げ、水分貯留によって腸の内容量が大きくなると、腸管通過時間の短縮につながる(Englyst & Kingman(1993)in Human Nutrition and Dietetics,9th edition(Garrow J.S.,James W.P.T.,eds.)p.53)。
【0066】
家畜飼料では、ヘミセルロース及びセルロース(不溶性アラビノキシランを含む)も、デンプン及びタンパク質などの栄養素を封入(又は捕捉)する物理的障壁を形成し、それによって、これら栄養素を動物が利用する機会を維持する。
【0067】
ヘミセルロース及びセルロース(不溶性アラビノキシラン(AXinsol)を含む)自体も、これらがC5−及びC6−糖類からなることから、潜在的エネルギー源である。モノC6−糖類は動物がエネルギー源として使用できるが、一方、オリゴC5−糖類は、動物の腸内に存在する微生物叢によって短鎖脂肪酸に変換され得(van den Broek et al.,2008 Molecular Nutrition & Food Research,52,146〜63)、この短鎖脂肪酸を動物の腸が吸収して消化できる。
【0068】
物理的障壁の分解の結果としての家畜飼料からの栄養素及び水の遊離は、キシラナーゼによる、不溶性繊維成分(例えば、不溶性アラビノキシラン(arabanoxylans)(AXinsol))の分解能に依存する。
【0069】
本発明は、酵素を提供し、前記酵素は、GH10キシラナーゼ又はそのキシラナーゼ活性を有するフラグメントであり、前記酵素又はそのフラグメントは、親GH10キシラナーゼ酵素と比較して向上した熱安定性を有しており、親GH10キシラナーゼは、7、33、79、217、及び298番目のうち、少なくとも2ヶ所の位置で改変されており、この番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0070】
本発明は更に、酵素を提供し、前記酵素は、GH10キシラナーゼ又はそのキシラナーゼ活性を有するフラグメントであり、前記酵素又はそのフラグメントは、親GH10キシラナーゼ酵素と比較して向上した熱安定性を有しており、親GH10キシラナーゼは、7、33、79、217、及び298番目のうち、少なくとも3ヶ所の位置で改変されており、この番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0071】
本発明は、酵素を提供し、前記酵素は、GH10キシラナーゼ又はそのキシラナーゼ活性を有するフラグメントであり、前記酵素又はそのフラグメントは、親GH10キシラナーゼ酵素と比較して向上した熱安定性を有しており、親GH10キシラナーゼは、少なくとも7、33、79、217、及び298番目の位置で改変されており、この番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0072】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
N7D;
T33V;
K79Y、V、F、I、L又はM;
A217Q、E、P、D又はM;及び、
T298Y、F又はWの改変のうち、少なくとも2つ(好ましくは少なくとも3つ)を含む。
【0073】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
7D;
33V;
79Y、V、F、I、L又はM;
217Q、E、P、D又はM;及び、
298Y、F又はWで示される位置のうち、少なくとも2ヶ所(好ましくは少なくとも3ヶ所)においてこれらのアミノ酸を含む。
【0074】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、
N7D;
T33V;
K79Y、F又はV;
A217Q、E又はP;及び、
T298Y又はFの改変のうち、少なくとも2つ(好ましくは少なくとも3つ)を含む。
【0075】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
7D;
33V;
79Y、F又はV;
217Q、E又はP;及び、
298Y又はFで示される位置のうち、少なくとも2ヶ所(好ましくは少なくとも3ヶ所)においてこれらのアミノ酸を含む。
【0076】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、
N7D;
T33V;
K79Y;
A217Q;及び、
T298Yの改変のうち、少なくとも2つ(好ましくは少なくとも3つ)を含む。
【0077】
一実施形態では、本発明による、キシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
7D;
33V;
79Y;
217Q;及び、
298Yで示される位置のうち、少なくとも2ヶ所(好ましくは少なくとも3ヶ所)においてこれらのアミノ酸を含む。
【0078】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、少なくとも、
N7D;
T33V;
K79Y、V、F、I、L又はM;
A217Q、E、P、D又はM;及び、
T298Y、F又はWの改変を含む。
【0079】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
7D;
33V;
79Y、V、F、I、L又はM;
217Q、E、P、D又はM;及び、
298Y、F又はWで示される位置において、これらのアミノ酸を含む。
【0080】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、少なくとも、
N7D;
T33V;
K79Y、F又はV;
A217Q、E又はP;及び、
T298Y又はFの改変を含む。
【0081】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
7D;
33V;
79Y、F又はV;
217Q、E又はP;及び、
298Y又はFで示される位置において、これらのアミノ酸を含む。
【0082】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、少なくとも、
N7D;
T33V;
K79Y;
A217Q;及び、
T298Yの改変を含む。
【0083】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(改変されたGH10キシラナーゼ酵素など)又はそのフラグメントは、
7D;
33V;
79Y;
217Q;及び、
298Yで示される位置において、これらのアミノ酸を含む。
【0084】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、1ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0085】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、2ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0086】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、3ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0087】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、4ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0088】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、5ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0089】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、7ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0090】
一実施形態では、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変されているのに加え、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち、9ヶ所又はそれ以上の位置において更に改変されていてよい。
【0091】
改変されたキシラナーゼ酵素が25番目の位置において更に改変されるとき、この改変はN25Pであってよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの25番目のアミノ酸残基は、好ましくはPである。
【0092】
改変されたキシラナーゼ酵素が57番目の位置において更に改変されるとき、この改変はS57Q、T又はV(好ましくはQ)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの57番目のアミノ酸残基は、好ましくはQ、T又はV(好ましくはQ)である。
【0093】
改変されたキシラナーゼ酵素が62番目の位置において更に改変されるとき、この改変はN62T又はS(好ましくはT)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの62番目のアミノ酸残基は、好ましくはT又はS(好ましくはT)である。
【0094】
改変されたキシラナーゼ酵素が64番目の位置において更に改変されるとき、この改変はG64T又はS(好ましくはT)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの64番目のアミノ酸残基は、好ましくはT又はS(好ましくはT)である。
【0095】
改変されたキシラナーゼ酵素が89番目の位置において更に改変されるとき、この改変はS89G、N、Q、L又はM(好ましくはG又はQ、より好ましくはG)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの89番目のアミノ酸残基は、好ましくはG、N、Q、L又はM(好ましくはG又はQ、より好ましくはG)である。
【0096】
改変されたキシラナーゼ酵素が103番目の位置において更に改変されるとき、この改変はT103M又はK(好ましくはM)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの103番目のアミノ酸残基は、好ましくはM又はK(好ましくはM)である。
【0097】
改変されたキシラナーゼ酵素が115番目の位置において更に改変されるとき、この改変はV115E又はL(好ましくはL)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの115番目のアミノ酸残基は、好ましくはE又はL(好ましくはL)である。
【0098】
改変されたキシラナーゼ酵素が147番目の位置において更に改変されるとき、この改変はN147Qであってよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの147番目のアミノ酸残基は、好ましくはQである。
【0099】
改変されたキシラナーゼ酵素が181番目の位置において更に改変されるとき、この改変はG181Q、A、D又はP(好ましくはQ)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの181番目のアミノ酸残基は、好ましくはQ、A、D又はP(好ましくはQ)である。
【0100】
改変されたキシラナーゼ酵素が193番目の位置において更に改変されるとき、この改変はS193Y又はN(好ましくはY)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの193番目のアミノ酸残基は、好ましくは193Y又はN(好ましくはY)である。
【0101】
改変されたキシラナーゼ酵素が219番目の位置において更に改変されるとき、この改変はG219D又はP(好ましくはP)から選択されてよい。換言すれば、本発明のGH10キシラナーゼの219番目のアミノ酸残基は、好ましくはD又はP(好ましくはP)である。
【0102】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変を含むことに加え、25及び89(好ましくはN25P及びS89G)番目の残基においてこれらの改変を更に含む。
【0103】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変を含むことに加え、57、62、64及び89(好ましくはS57Q、N62T、G64T及びS89G)番目の残基においてこれらの改変を更に含む。
【0104】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変を含むことに加え、25、57、62、64、103、115、147、181、193及び219(好ましくはN25P、S57Q、N62T、G64T、T103M、V115L、N147Q、G181Q、S193Y及びG219P)番目の残基においてこれらの改変を更に含む。
【0105】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変を含むことに加え、25、57、62、89、103、115、147、181、193及び219(好ましくはN25P、S57Q、N62T、S89G、T103M、V115L、N147Q、G181Q、S193Y、G219P及びT298Y)番目の残基においてこれらの改変を更に含む。
【0106】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素は、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)の位置において改変を含むことに加え、25、89及び64(好ましくはN25P、S89G、G64T)番目の残基においてこれらの改変を更に含む。
【0107】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素(又はGH10キシラナーゼ)は、
a.7D、25P、33V、64T、79Y、89G、217Q及び298Y;
b.7D、25P、33V、79Y、89G、217Q及び298Y;
c.7D、25P、33V、57Q、62T、64T、79Y、103M、115L、147Q、181Q、193Y、217Q、219P及び298Y;
d.7D、25P、33V、57Q、62T、79Y、89G、103M、115L、147Q、181Q、193Y、217Q、219P及び298Y;
e.7D、33V、57Q、62T、64T、79Y、89G、217Q及び298Y;
f.79F_217Q_及び298F;
g.7D、_33V、_217Q_及び298F;
h.7D、_79F及び298F;
i.33V、79F及び_217Q;
j.7D、33V及び_298Y;
k.33V、_217Q_及び298Y;
l.7D、_217Q及び_298F;
m.7D、_33V及び217Q;
n.79F及び298F;
o.7D及び79F;
p.33V_及び79F;
q.33V及び_298Y;
r.7D_及び33V;又は、
s.33V及び_A217Qで示される位置において、これらのアミノ酸を含んでよい。
【0108】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素(又はGH10キシラナーゼ)は、
a.7D、25P、33V、64T、79Y、89G、217Q及び298Y;
b.7D、25P、33V、79Y、89G、217Q及び298Y;
c.7D、25P、33V、57Q、62T、64T、79Y、103M、115L、147Q、181Q、193Y、217Q、219P及び298Y;
d.7D、25P、33V、57Q、62T、79Y、89G、103M、115L、147Q、181Q、193Y、217Q、219P及び298Y;
e.7D、33V、57Q、62T、64T、79Y、89G、217Q及び298Yで示される位置において、これらのアミノ酸を含んでよい。
【0109】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素(又はGH10キシラナーゼ)は、
a.N7D、N25P、T33V、G64T、K79Y、S89G、A217Q及びT298Y;
b.N7D、N25P、T33V、K79Y、S89G、A217Q及びT298Y;
c.N7D、N25P、T33V、S57Q、N62T、G64T、K79Y、T103M、V115L、N147Q、G181Q、S193Y、A217Q、G219P及びT298Y;
d.N7D、N25P、T33V、S57Q、N62T、K79Y、S89G、T103M、V115L、N147Q、G181Q、S193Y、A217Q、G219P及びT298Y;
e.N7D、T33V、S57Q、N62T、G64T、K79Y、S89G、A217Q及びT298Y;
f.K79F_A217Q_T298F;
g.N7D_T33V_A217Q_T298F;
h.N7D_K79F_T298F;
i.T33V_K79F_A217Q;
j.N7D_T33V_T298Y;
k.T33V_A217Q_T298Y;
l.N7D_A217Q_T298F;
m.N7D_T33V_A217Q;
n.K79F_T298F;
o.N7D_K79F;
p.T33V_K79F;
q.T33V_T298Y;
r.N7D_T33V;又は、
s.T33V_A217Qの改変を含んでよい。
【0110】
一実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ酵素(又はGH10キシラナーゼ)は、
a.N7D、N25P、T33V、G64T、K79Y、S89G、A217Q及びT298Y;
b.N7D、N25P、T33V、K79Y、S89G、A217Q及びT298Y;
c.N7D、N25P、T33V、S57Q、N62T、G64T、K79Y、T103M、V115L、N147Q、G181Q、S193Y、A217Q、G219P及びT298Y;
d.N7D、N25P、T33V、S57Q、N62T、K79Y、S89G、T103M、V115L、N147Q、G181Q、S193Y、A217Q、G219P及びT298Y;
e.N7D、T33V、S57Q、N62T、G64T、K79Y、S89G、A217Q及びT298Yの改変を含んでよい。
【0111】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ酵素(例えば、改変されたキシラナーゼ酵素)は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、若しくは配列番号5からなる群から選択されるアミノ酸配列;又は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、若しくは配列番号5と、少なくとも70%の同一性(好適には少なくとも80%、好適には少なくとも90%、好適には少なくとも95%、好適には少なくとも98%、好適には少なくとも99%の同一性)を有するアミノ酸配列;又は、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32若しくは配列番号33として本明細書に示されるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は、配列番号2、配列番号24若しくは配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32若しくは配列番号33と、少なくとも70%の同一性(好適には少なくとも80%、好適には少なくとも90%、好適には少なくとも95%、好適には少なくとも98%、好適には少なくとも99%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされる、アミノ酸配列;又は、高ストリンジェンシー条件下で、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32若しくは配列番号33にハイブリダイズできるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、を含む(又はからなる)骨格アミノ酸配列(改変前)を有する。
【0112】
用語「親」は、本発明の改変された酵素の産生のために変更がなされる、キシラナーゼ、好ましくはGH10キシラナーゼを意味する。一実施形態では、親酵素はGH10キシラナーゼである。好適には、親酵素は、自然発生(野生型)ポリペプチド若しくは変異体、又はこれらのフラグメントであってよい。好ましい実施形態では、親酵素は、自然発生型(野生型ポリペプチド)である。
【0113】
好適には、本発明による改変されたキシラナーゼ又はGH10キシラナーゼは、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは少なくとも5ヶ所全て)の位置における改変以外は、前記親酵素に対し同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含み(又は本質的になり、又はからなり)、このときこの番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0114】
いくつかの実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼ又はGH10キシラナーゼは、7、33、79、217及び298番目のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは少なくとも5ヶ所全て)の位置における、並びに、25、57、62、64、89、103、115、147、181、193、219番目のうち1ヶ所又はそれ以上の位置における改変以外は、前記親酵素に対し同一又は実質的に同一のアミノ酸配列を含み(又は本質的になり、又はからなり)、このときこの番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0115】
改変されたGH10キシラナーゼ、つまり本発明による(例えば請求項1に請求される)GH10キシラナーゼは、好適には、親酵素に対し、少なくとも約90%の配列同一性(好ましくは少なくとも93%、好適には少なくとも97%、好適には少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0116】
用語「骨格」は、本明細書で使用するとき、7D;33V;79Y、V、F、I、L又はM(好ましくは79Y、F又はV、より好ましくはY);217Q、E、P、D又はM(好ましくは217Q、E又はP、より好ましくはQ);及び298Y、F又はW(好ましくはY又はF、より好ましくはY)で示される位置のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)においてこれらのアミノ酸を含むように改変される、GH10キシラナーゼポリペプチドであるポリペプチド配列を意味し、このときこの番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0117】
キシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、本発明のGH10キシラナーゼ酵素(例えば、改変されたGH10キシラナーゼ酵素)は、好ましくは、GH10キシラナーゼ(例えば、親、つまり骨格GH10キシラナーゼ)に対し、少なくとも70%(好適には少なくとも80%、好適には少なくとも90%、好適には少なくとも95%、好適には少なくとも98%、好適には少なくとも99%)の同一性を有するポリペプチドを含み;7D;33V;79Y、V、F、I、L又はM(好ましくは79Y、F又はV、より好ましくはY);217Q、E、P、D又はM(好ましくは217Q、E又はP、より好ましくはQ);及び298Y、F又はW(好ましくはY又はF、より好ましくはY)で示される位置のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)においてこれらのアミノ酸を含み、このときこの番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0118】
キシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、本発明のGH10キシラナーゼ酵素(例えば、改変されたGH10キシラナーゼ酵素)は、GH10キシラナーゼ(例えば、親、つまり骨格GH10キシラナーゼ)に対し、好ましくは少なくとも95%(好適には少なくとも98%、好適には少なくとも99%)の同一性を有するポリペプチドを含み;7D;33V;79Y;217Q);及び298Yで示される位置のうち、2ヶ所又はそれ以上(好ましくは3ヶ所又はそれ以上、より好ましくは全て)においてこれらのアミノ酸を含み、この番号付けは、FveXyn4(配列番号1)のアミノ酸番号に基づくものである。
【0119】
一実施形態では、親、つまり骨格GH10キシラナーゼ(改変前)は、
a.配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、若しくは配列番号5からなる群から選択される、アミノ酸配列を含むキシラナーゼ;又は、
b.配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、若しくは配列番号5と、少なくとも70%の同一性(好適には少なくとも80%、好適には少なくとも90%、好適には少なくとも95%、好適には少なくとも98%、好適には少なくとも99%の同一性)を有するアミノ酸配列を含む、キシラナーゼ酵素;又は、
c.配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、若しくは配列番号33として本明細書に示されるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされるキシラナーゼ酵素;又は、
d.配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、若しくは配列番号33と、少なくとも70%の同一性(好適には少なくとも80%、好適には少なくとも90%、好適には少なくとも95%、好適には少なくとも98%、好適には少なくとも99%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされる、キシラナーゼ酵素;又は、
e.高ストリンジェンシー条件下で、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、若しくは配列番号33にハイブリダイズできるヌクレオチド配列によってコードされる、キシラナーゼ酵素である。
【0120】
一実施形態では、親、つまり骨格アミノ酸配列は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、又は配列番号5と少なくとも80%の同一性を有する。
【0121】
一実施形態では、親、つまり骨格アミノ酸配列は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、又は配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する。
【0122】
一実施形態では、親、つまり骨格アミノ酸配列は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、又は配列番号5と少なくとも95%の同一性を有する。
【0123】
一実施形態では、親、つまり骨格アミノ酸配列は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、又は配列番号5と少なくとも98%の同一性を有する。
【0124】
一実施形態では、親、つまり骨格キシラナーゼ酵素は、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、又は配列番号33と少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされてよい。
【0125】
一実施形態では、親、つまり骨格キシラナーゼ酵素は、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、又は配列番号33と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされてよい。
【0126】
一実施形態では、親、つまり骨格キシラナーゼ酵素は、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、又は配列番号33と少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされてよい。
【0127】
一実施形態では、親、つまり骨格キシラナーゼ酵素は、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32、又は配列番号33と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列によってコードされてよい。
【0128】
好適には、親、つまり骨格GH10キシラナーゼは、フサリウム(Fusarium)菌から得ることができてよい(好適には得られてよい)。
【0129】
好適には、親、つまり骨格キシラナーゼは、エンド−1,4−β−d−キシラナーゼである。
【0130】
改変されたキシラナーゼ、つまり本発明によるGH10キシラナーゼは、好ましくは、エンド−1,4−β−d−キシラナーゼである。
【0131】
好ましい実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、70℃超(好ましくは75℃超)のTm値を有し、このとき、Tm値は、10分間のインキュベーション後、50%の残留活性が得られる温度として測定される。
【0132】
本発明によるキシラナーゼ(例えば、改変されたキシラナーゼ)の熱安定性は、「熱安定性測定法」(下記参照)を用いて測定されてよい。
【0133】
熱安定性測定法
FveXyn4変異体の熱変成特性は、酵素試料を25mMのMES緩衝液(pH6.0)で希釈し、10分間、様々な温度(それぞれ、66、66.7、68.2、70.6、73.5、76、76.5、76.8、79.7、81.9、83.5、84.6、及び85℃)で予備インキュベートし、その後、実施例1に記載するキシラナーゼ活性法によって残留活性を測定することによって、測定した。予備インキュベーションをせずに測定した活性を100%とし、それぞれの変異体のそれぞれの温度における残留活性を相対的に算出した。Tm値は、熱変成特性から、50%の残留活性が得られる温度として算出する。
【0134】
一実施形態では、本発明に従って、酵素が70℃を超えるTm値を有する場合、熱安定であると考えられ、このとき、Tm値は、10分間のインキュベーション後、50%の残留活性が得られる温度である。このTm値は、本明細書に教示されるように、熱安定性測定法に従って測定されてよい。
【0135】
一実施形態では、本発明に従って、酵素が76℃を超えるTm値を有する場合、熱安定であると考えられ、このとき、Tm値は、10分間のインキュベーション後、50%の残留活性が得られる温度である。このTm値は、本明細書に教示されるように、熱安定性測定法に従って測定されてよい。
【0136】
一実施形態では、本発明に従って、酵素が85℃を超えるTm値を有する場合、熱安定であると考えられ、このとき、Tm値は、10分間のインキュベーション後、50%の残留活性が得られる温度である。このTm値は、本明細書に教示されるように、熱安定性測定法に従って測定されてよい。
【0137】
好ましくは、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又はこれらを含む組成物)は、最大約70℃;例えば、最大75℃、例えば、最大76℃、例えば、最大約85℃;例えば、又は最大約95℃の熱処理(例えば、ペレット化プロセス中など)に耐えることができる。熱処理は、最大約1分間;最大約5分間;最大約10分間;最大約30分間;最大約60分間実施してよい。このような熱処理に耐えるとは、特定温度への加熱前に添加剤中に存在した/添加剤中で活性であった酵素のうちの少なくとも約50%が、室温への冷却後も存在する/活性であることを意味する。好ましくは、特定温度への加熱前に添加剤中に存在しかつ活性であった酵素のうちの少なくとも約80%が、室温への冷却後も存在しかつ活性である。
【0138】
用語「熱安定性」は、比較的高温における非可逆的不活性化(通常は変性による)に耐える酵素の性能である。これは、酵素が、特定の温度に一定時間を超えて曝露された後に、特定の酵素活性量を保持していることを意味する。
【0139】
熱安定性を測定するには、多くの方法がある。例として、酵素試料を、基質を含まずに、酵素が長時間(日間)安定である温度と比較して高温で、特定の時間(例えば、10分間又は1〜30分間)インキュベートする場合がある。高温でのインキュベーション後、許容温度、例えば、30℃(あるいは25〜50℃、又は更に最大70℃)において、酵素試料を残留活性について分析する。残留活性は、高温でインキュベートされていない酵素試料に対して算出する。
【0140】
熱安定性も、温度に対する酵素不活性化として測定できる。ここでは、酵素試料を、基質を含まずに、様々な温度で特定の時間(例えば、10分間又は1〜30分間)インキュベートし、インキュベーション後、許容温度、例えば、30℃(あるいは25〜70℃又は更にそれ以上)において、残留活性について分析する。それぞれの温度における残留活性は、高温でインキュベートされていない酵素試料に対して算出する。得られる熱変成特性(温度対残留活性)を用いて、50%の残留活性が得られる温度を算出できる。この値をTm値として定義する。
【0141】
なお更に、熱安定性を、時間に対する酵素不活性化として測定してもよい。ここでは、酵素試料を、基質を含まずに、特定の高温(例えば、76℃)で様々な時間(例えば、10秒〜30分間)インキュベートし、インキュベーション後、許容温度、例えば、30℃(あるいは25〜70℃又は更にそれ以上)において、残留活性について分析する。それぞれの温度における残留活性は、高温でインキュベートされていない酵素試料に対して算出する。得られる不活性化特性(時間対残留活性)を用いて、50%の残留活性が得られる時間を算出できる。これは、通常T1/2として与えられる。
【0142】
これらは、熱安定性の測定方法の例である。熱安定性は、他の方法によっても測定できる。好ましくは、熱安定性は、本明細書で教示されるような「熱安定性測定法」を用いることによって評価される。
【0143】
熱安定性と対照的に、熱活性とは、温度に対する酵素活性である。熱活性を測定するため、酵素試料を、基質の存在下で様々な温度において、アッセイによって定められる時間インキュベート(アッセイ)する場合がある。酵素活性は、インキュベーション中、又はインキュベーション直後に、アッセイによって定めされるように(例えば、形成された反応生成物量を反映するOD値)得られる。最も高い活性が得られる温度が、特定のアッセイ条件における酵素の至適温度である。それぞれの温度で得られた活性を、至適温度で得られた活性と比較して算出できる。これにより、特定のアッセイ条件における酵素の温度特性が得られるだろう。
【0144】
本願では、熱安定性は熱活性と同じではない。
【0145】
好適には、本発明による改変されたキシラナーゼは、4.6〜7、好ましくは約5〜6の範囲内の至適pHを有する。
【0146】
好ましい実施形態では、本発明による改変されたキシラナーゼは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、若しくは配列番号21として本明細書に示されるアミノ酸配列、又はそのキシラナーゼ活性を有するフラグメントのうちの1つを含む。
【0147】
一実施形態では、骨格ポリヌクレオチド配列中の改変は、コードされるアミノ酸配列中に、先に詳述した改変を与えるようなものである。
【0148】
本発明の方法は、ポリヌクレオチド又はアミノ酸配列中に先に教示されるような改変を与えるのに好適である。
【0149】
本発明の宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、糸状菌細胞、及び植物細胞からなる群から選択されてよい。好ましくは、宿主細胞は細菌細胞又は真菌細胞である。
【0150】
1つの好ましい実施形態では、本発明の方法に従って産生された、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは回収される。
【0151】
1つの好ましい実施形態では、本発明の方法に従って産生された、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは単離及び/又は精製される。
【0152】
いくつかの実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、酵素を単離及び/又は精製せずに、発酵物として直接使用できる。
【0153】
いくつかの実施形態では、本発明による飼料添加剤組成物又は本発明によるプレミックスは、プロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62)若しくはバシロリシン(E.C.3.4.24.28)若しくはアルカリセリンプロテアーゼ(E.C.3.4.21.x)若しくはケラチナーゼ(E.C.3.4.x.x))、並びに/又は、アミラーゼ(α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、G4形成アミラーゼ(E.C.3.2.1.60)、β−アミラーゼ(E.C.3.2.1.2)及びγ−アミラーゼ(E.C.3.2.1.3)を含む)からなる群から選択される、1種類又はそれ以上の酵素を更に含む。
【0154】
本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを、キシラン含有材料中のアラビノキシラン含有材料の分解方法において使用してよい。
【0155】
好適には、アラビノキシランは不溶性アラビノキシラン(AXinsol)であってよい。
【0156】
一実施形態では、キシラン含有材料は、飼料又は家畜飼料;飼料成分;グレイン系材料;マッシュ;麦汁;麦芽;大麦麦芽;副原料、大麦マッシュ;及び、穀物粉からなる群のうち、1種類又はそれ以上から選択される。
【0157】
好ましい実施形態では、アラビノキシランは、反応培養液の粘度を増加させずに可溶化される。
【0158】
本発明の一実施形態では、飼料又は家畜飼料又は飼料成分は、トウモロコシ、DDGS(例えばcDDGS)、小麦、小麦ふすま若しくはこれらの組み合わせを含む、又はこれらからなる。
【0159】
1つの好ましい実施形態では、飼料又は家畜飼料はトウモロコシ系家畜飼料である。
【0160】
本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを、プロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62)若しくはバシロリシン(E.C.3.4.24.28)若しくはアルカリセリンプロテアーゼ(E.C.3.4.21.x)若しくはケラチナーゼ(E.C.3.4.x.x))、並びに/又は、アミラーゼ(α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、G4形成アミラーゼ(E.C.3.2.1.60)、β−アミラーゼ(E.C.3.2.1.2)及びγ−アミラーゼ(E.C.3.2.1.3)を含む)からなる群から選択される、1種類又はそれ以上の酵素と組み合わせて使用してよい。
【0161】
一実施形態では、本発明による方法又は使用は、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント、又は、本発明による前記酵素を含む発酵物、又は、本発明による前記キシラナーゼ酵素を含む酵素組成物、又は、本発明による前記キシラナーゼ酵素を含む飼料添加剤組成物、又は、本発明による前記キシラナーゼ酵素を含むプレミックス、又は、本発明による前記キシラナーゼ酵素を含む家畜飼料を、被検体に投与することを含む。
【0162】
一実施形態では、本発明の方法又は使用は、小麦グルテン−デンプン分離プロセス(又はその一部)である。
【0163】
別の実施形態では、本発明の方法又は使用は、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)又はバイオ化学物質(例えば、バイオベースイソプレン)製造プロセス(又はその一部)である。
【0164】
別の実施形態では、本発明の方法又は使用は、麦芽製造又は醸造プロセス(又はその一部)である。
【0165】
好適には、本発明による方法によって製造される発酵飲料、例えばビールは、本発明によるものと認識される。
【0166】
一実施形態では、本発明の親キシラナーゼ酵素は、本明細書でFveXyn4と称する場合がある。
【0167】
本明細書で教示されるポリペプチド配列及び核酸配列の両方は、好ましくは単離される。
【0168】
本発明のキシラナーゼは、好ましくはGH10キシラナーゼである。換言すれば、キシラナーゼは、32〜39kDaの範囲の分子量、及び/又は、8重β/αバレル構造からなるキシラナーゼの触媒ドメイン(Harris et al 1996−Acta.Crystallog.Sec.D52,393〜401に教示される)を有してよい。
【0169】
本発明の一態様では、本発明のキシラナーゼは、グリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリー10のキシラナーゼである。用語「グリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリー10の」は、当該キシラナーゼが、GHファミリー10に分類される、又は分類され得ることを意味する。
【0170】
タンパク質類似性検索(例えば、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?CMD=Web&PAGE_TYPE=BlastHomeのprotein blast)により、未知の配列がGH10キシラナーゼファミリーメンバーに属するかを判定でき、特に、GHファミリーは、主要領域中の配列相同性に基づいて分類できる。加えて、又は別の方法として、未知のタンパク質配列がGH10ファミリーのキシラナーゼタンパク質であるかを判定するため、配列類似性/相同性/同一性だけでなく、3D構造類似性についても評価してよい。GHファミリーの分類は、3Dフォールディングに基づくことが多い。未知のタンパク質配列の3Dフォールディングを予測するソフトウェアは、HHpred(http://toolkit.tuebingen.mpg.de/hhpred)である。このソフトウェアのタンパク質構造予測能は、テンプレートとして使用される既知の構造との相同性配列を特定することに依存する。構造は、一次配列よりもはるかに遅く分化するため、この方法はとてもうまくいく。同じファミリーのタンパク質は、これらの配列が認識できないほど離れているときでも、非常に似た構造を有する場合がある。
【0171】
実際には、未知の配列をFASTAフォーマットでソフトウェア(http://toolkit.tuebingen.mpg.de/hhpred)にペーストすればよい。こうすると、検索をすることができる。検索の結果、既知の3D構造を有する配列リストを示す。未知の配列が実際にGH10キシラナーゼであることを確認するためには、>90の確率を有する相同体リスト内にGH10キシラナーゼがあればよい。相同体として同定される全てのタンパク質がGH10キシラナーゼの特徴を有するとは限らないが、一部はそうである。後者のタンパク質は、既知の構造と、これらをキシラナーゼとして同定する生化学的特徴を有するタンパク質である。前者は、GH10キシラナーゼとしての生化学的特徴を有していない。Soding J.(2005)Protein homology detection by HMM−HMM comparison − Bioinformatics 21,951〜960(doi:10.1093/bioinformatics/bti125)及びSoding J,Biegert A,and Lupas AN.(2005)The HHpred interactive server for protein homology detection and structure prediction − Nucleic Acids Research 33,W244−−W248(Web Server issue)(doi:10.1093/nar/gki40)などのいくつかの文献に、このプロトコルが記載されている。
【0172】
Cazyのサイト(http://www.cazy.org/)によると、ファミリー10のグリコシドヒドロラーゼは、以下のような特徴を有し得る。
既知の活性:エンド−1,4−β−キシラナーゼ(EC 3.2.1.8);エンド−1,3−β−キシラナーゼ(EC 3.2.1.32);トマチナーゼ(EC 3.2.1.−)
機序:保持
クラン:GH−A
触媒性求核剤/塩基:Glu(実験的)
触媒性プロトン供与体:Glu(実験的)
3D構造状態:(β/α)
8
【0173】
本発明のGH10キシラナーゼは、分子量が32〜39kDaの範囲の触媒ドメインを有してよい。本発明のGH10キシラナーゼの触媒ドメインの構造は、8重β/αバレルから構成される(Harris et al 1996−Acta.Crystallog.Sec.D52,393〜401)。
【0174】
多くのGH10酵素ファミリーにおいて三次構造があり、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)キシラナーゼA(Derewenda et al J Biol Chem 1994 Aug 19;269(33)20811〜4)、C.フィミ(C. fimi)エンド−グリカナーゼCex(White et al Biochemistry 1994 Oct 25;33(42)12546〜52)、及びセルビブリオ・ジャポニクス(Cellvibrio japonicus)Xyn10A(以前は、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)亜種キシラナーゼA)(Harris et al Structure 1994 Nov 15;2(11)1107〜16.)について最初に解明された。GHAクランのメンバーとして、これらは典型的な(α/β)
8TIMバレルフォールドを有し、β−ストランド4(酸/塩基型)及び7(求核型)のC末端に位置する2ヶ所の主要活性部位であるグルタミン酸を伴う(Henrissat et al Proc Natl Acad Sci U S A 1995 Jul 18;92(15)7090〜4)。
【0175】
用語「GH10キシラナーゼ」は、本明細書で使用するとき、キシラナーゼ活性を有し、β−ストランド4(酸/塩基型)及び7(求核型)のC末端に位置する2ヶ所の主要活性部位であるグルタミン酸を伴う(α/β)
8 TIMバレルフォールドを有する、ポリペプチドを意味する。
【0176】
本明細書で使用される骨格(又は親)キシラナーゼ酵素は、FveXyn4又はFoxXyn2(これらの用語は活性タンパク質、例えば成熟タンパク質を指す)と称する場合がある。
【0177】
一実施形態では、好ましくは、キシラナーゼは真菌キシラナーゼである。
【0178】
本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、及び/又は、親酵素は、GH10キシラナーゼである。
【0179】
一実施形態では、好ましくは、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(及び/又は親キシラナーゼ)は、真菌GH10キシラナーゼである。
【0180】
一実施形態では、好ましくは、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(及び/又は親キシラナーゼ)は、エンドキシラナーゼ、例えば、エンド−1,4−β−d−キシラナーゼである。エンド−1,4−β−d−キシラナーゼの分類は、E.C. 3.2.1.8である。
【0181】
いくつかの実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、約6の至適pHを有する。
【0182】
好ましくは本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、pH4〜8、好適にはpH4.6〜7で、最大活性の70%超を保持する。
【0183】
いくつかの実施形態では、例えば飼料用途において、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、好ましくは、5.1〜7で最大活性の70%超を保持する。
【0184】
理論に束縛されるものではないが、pHも、酵素の有効性及び効率に重大な影響を及ぼし得る。飼料用途では、具体的には、本発明のキシラナーゼのpH特性は、中性条件下での小腸中の活性に有利である。
【0185】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、キシラン含有材料、特にアラビノキシラン、特に不溶性アラビノキシラン(AXinsol)を分解可能である(又は分解する)。
【0186】
別の実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、AXinsolの分解により生成される、又は、グレイン系材料中に(自然に)存在する可溶性高分子(例えば、オリゴマー)を分解可能である(又は分解する)。
【0187】
更なる実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、キシラン含有材料、特にアラビノキシラン、特にAXinsolと、AXinsolの分解により生成される可溶性高分子(例えば、オリゴマー)の両方を分解可能である(又は分解する)。
【0188】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、小麦キシラナーゼ阻害物質、例えば、小麦中のタンパク質阻害物質、例えば、TAXI様タンパク質阻害物質の影響を受けない。先行技術の真菌キシラナーゼは、小麦タンパク質阻害物質によって、70〜95%も阻害される場合がある。好ましくは、本発明のキシラナーゼは、小麦用途において阻害されるのは最大20〜30%のみである。
【0189】
TAXIは、穀物中に存在するコムギ(Triticum aestivum)キシラナーゼ阻害物質である。
【0190】
用語「から本質的になる」は、本明細書で使用するとき、特許請求される組成物の特徴がこれによって実質的に影響を受けない場合、不特定成分が存在してよいことを意味する。
【0191】
用語「からなる」は、特定の成分の割合が、合計100%になるべきであることを意味する。
【0192】
本明細書で使用される用語「含む」は、いくつかの実施形態では、から本質的になる、又は、からなる(両方とも、「含む」のより限定された意味を有する)を指すように変更されてよい。
【0193】
一実施形態では、不溶性アラビノキシラン含有材料は麦わらではない。
【0194】
用語「そのフラグメント」は、本明細書で使用するとき、活性フラグメントを意味する。換言すれば、フラグメントはキシラナーゼ活性を有するものである。好適には、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長と同じキシラナーゼ活性を有してよい。あるいは、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長と比較して、改変された活性(例えば、特異性の工場、比活性、pH又は温度特性)を有してよい。加えて、フラグメントは、フラグメントである、改変されたGH10キシラナーゼ酵素の熱安定特性を維持していなくてはならない。
【0195】
一実施形態では、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長の少なくとも60%である。
【0196】
一実施形態では、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長の少なくとも75%である。
【0197】
一実施形態では、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長の少なくとも85%である。
【0198】
一実施形態では、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長の少なくとも95%である。
【0199】
一実施形態では、フラグメントは、フラグメントが由来する改変されたGH10キシラナーゼ酵素の全長の少なくとも98%である。
【0200】
一実施形態では、フラグメントは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、又は配列番号21からなる群から選択される配列のうち、1つ又はそれ以上のフラグメントである。
【0201】
一実施形態では、本発明によるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、a)配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、若しくは配列番号21として本明細書に示されるアミノ酸配列のうち1つを含む、又は、b)7、33、79、217及び298番目の位置のアミノ酸が、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、若しくは配列番号21に示されるものと同一である限りは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、若しくは配列番号21として本明細書に示されるアミノ酸配列と、少なくとも96%、好ましくは少なくとも98.5%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0202】
一実施形態では、本発明は、本発明による核酸分子又はこれを含むベクター若しくは構築物を提供し、このときヌクレオチド配列は、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、及び配列番号16からなる群から選択され;又は、成熟タンパク質中、7、33、79、217及び298番目の位置のアミノ酸をコードするコドンが、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15若しくは配列番号16のものと同じである限りは、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15若しくは配列番号16として本明細書に示されるヌクレオチド配列と、少なくとも96%、好ましくは98.5%同一であるヌクレオチド配列である。
【0203】
用語「改変する」は、本明細書で使用するとき、変更する又は変化させることを意味する。具体的には、用語「改変する」は、本明細書で使用するとき、自然発生から変化させることを意味する。換言すれば、酵素を改変するとき、酵素を親骨格酵素から変化させる方法で、酵素を変更する。好ましくは、改変された酵素は、自然界に存在しない。したがって、改変された酵素は、非自然発生酵素である。
【0204】
用語「改変された」は、本明細書で使用するとき、例えば、自然発生型から変化したことを意味する。本発明による改変された酵素は、好ましくは、自然発生酵素又は自然発生変異体ではない。換言すれば、本発明による改変された酵素は、好ましくは、自然界に見られていない改変された酵素である。改変された本発明の酵素は、好ましくは自然に生じていない。
【0205】
いくつかの実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、親酵素又は骨格酵素を改変することによって調製される。しかしながら、別の実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、親酵素又は骨格酵素を改変せずに調製され、例えば、合成的に調製されてよい。用語「改変されたキシラナーゼ」又は「改変されたGH10キシラナーゼ」は、本明細書で使用するとき、キシラナーゼが親酵素の変異によって調製されていることを要求しない。改変されたキシラナーゼは、好適には、その他の手段で、例えば、合成的に調製されていてよい。
【0206】
使用
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、好適には、以下の用途のうち任意の1つにおいて使用できる。
a)動物用飼料中の添加剤;並びに/又は
b)動物飼料用サプリメント;並びに/又は
c)グレイン系材料(例えば、全粒又はグレインの一部であってよい)の破壊。破壊産物(例えば、グルコース)を、任意の発酵プロセス、例えばバイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造、若しくはバイオ化学物質(例えば、バイオベースイソプレン)などのその他の製品の製造における、原材料として用いてよい。したがって、一実施形態では、本発明は、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)の製造、及び、バイオ燃料産業におけるグレイン系材料の改善された利用に関する。並びに/又は
d)穀物(例えば、小麦)グルテン−デンプン分離業。得られる製品は、デンプン(例えば、精製デンプン)及び/若しくはグルテン及び/若しくは繊維及び/若しくは水溶物(例えば、可溶性ペントサン)であってよい。一実施形態では、本発明は、デンプン及び/若しくはグルテンの製造に関する;並びに/又は
e)例えば、グレイン系材料(例えば、大麦麦芽)の破壊による麦芽製造及び醸造の改善、並びに/又は
f)AXsolを分解するため、若しくは、反応混合物中の粘度が増加しないこと、及び/若しくは、低下させることを確実にするAXinsolの破壊産物;
g)例えば、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造プロセスにおいて、グレイン系材料を分解するとき粘度を低下させる。
【0207】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、家畜飼料中で使用される。好ましくは、トウモロコシを含む家畜飼料、又はトウモロコシ系家畜飼料である。
【0208】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、麦芽製造又は醸造において使用される。
【0209】
更なる実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、小麦グルテン−デンプン分離において使用される。
【0210】
なお更なる実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、グレイン系材料の破壊において使用され、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造プロセスの一部であってよい。
【0211】
利点
本明細書で教示される新規キシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、既知のキシラナーゼと比べて多くの利点を有する。
【0212】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、熱安定性である。例えば、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、改変前の親(骨格)キシラナーゼよりも顕著に安定である。好適には、改変されたキシラナーゼは、70℃超(好ましくは75℃超)のTm値を有し、このときTm値が、10分間のインキュベーション後に、50%の残留活性が得られる温度として測定される。
【0213】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントはまた、予想外にペントサンを良好に可溶化する。
【0214】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、予想外にAXinsolを良好に可溶化する。
【0215】
驚くべきことに、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、トウモロコシ、小麦、DDGSなどの広範な基質、具体的には、トウモロコシ及びトウモロコシ系基質、具体的には、小麦(小麦系を含む)製品及びトウモロコシ(トウモロコシ系製品を含む)の両方において、アラビノキシランなどのキシラン含有材料、例えば、AXinsolを特に良好に分解することがわかった。全て商業的に製造され、かつ市販されるキシラナーゼである基準キシラナーゼと比較して、本明細書で教示される新規キシラナーゼは、はるかに効率的な分解能があり、市販されるキシラナーゼと比較して多くの植物系材料(具体的には、トウモロコシ系基質)からペントサンを放出した。これは全く予想外であった。これは、トウモロコシ若しくはトウモロコシ系基質中のAXinsolの可溶化の程度が低いことが多く、又は、小麦及びトウモロコシ系基質の両方に効果がない、既知の酵素とは対照的である。
【0216】
加えて、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、AXinsolの破壊(可溶化)だけではなく、可溶化高分子の効率的な破壊(又は分解)においても特に良好であった。可溶化高分子(AXinsolの可溶化により得られる)を効率的に(素早く)破壊(分解)できることによって、粘度低下が得られる。この後者の効果は、特許請求される用途のいくつかにおいて必須である。
【0217】
典型的には、従来のキシラナーゼはAXinsolを破壊できるが、高分子生成産物の増加につながり、ひいては混合物の粘度増加につながる。この粘度増加は、多くの用途において不都合である。
【0218】
本発明の、及び本明細書に記載されるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、トウモロコシ、小麦、DDGSなど、具体的には、トウモロコシ及びトウモロコシ系基質、具体的には、小麦(小麦系を含む)製品及びトウモロコシ(トウモロコシ系製品)の両方を含む、広範な基質由来の不溶性アラビノキシラン(AXinsol)を破壊(可溶化)するだけではなく、このように可溶化した高分子を効率的に破壊し、粘度が上昇しないこと、及び/又は、粘度を低下させることを確実にすると判明している。
【0219】
本発明の、及び本明細書に記載されるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、AXsol又はAXinsolの破壊産物を分解可能で有り、反応混合物中で粘度が上昇しないこと、及び/又は、粘度を低下させることを確実にする。
【0220】
ペントサンの可溶化のため、家畜飼料中で使用するために市販されている多くのキシラナーゼは、GH11酵素である。当業者は、GH10キシラナーゼは、GH11キシラナーゼと比べて、ペントサン、特にAXinsolの可溶化にそれほど強力ではないと考えている。驚くべきことに、本明細書に開示されるGH10キシラナーゼである新規の改変されたキシラナーゼは、トウモロコシ系基質を含む広範な基質中のAXinsolの可溶化に、特に優れていることがわかっている。驚くべきことに、本願の発明者らは、本発明の(かつ本明細書で教示される)改変されたGH10キシラナーゼが、市販のGH11キシラナーゼより、ペントサンの可溶化能において優れていることを見いだした。
【0221】
本発明の酵素が、トウモロコシ及びトウモロコシ系基質由来のAXinsolを効率的に可溶化するということは、トウモロコシは、例えば、小麦及びライ麦などの他の穀物と比較して、AXを不溶性形態ではるかに多く保持しているため、非常に都合が良い。したがって、AXinsolを破壊できるキシラナーゼのみが、例えば、トウモロコシ−大豆餌を常食する動物に対して、大きな恩恵を示すことができる。
【0222】
GH10キシラナーゼが、穀物中、特にトウモロコシ又はトウモロコシ系基質中のAXinsolの可溶化にそれほど優れていることは、全く予想されなかった。
【0223】
本発明の酵素は、AXinsolの可溶化によって産生される、又は、グレイン系材料中に存在する、高分子及び/又はオリゴマーを効率的に(かつ素早く)分解することができる。これにより、本明細書に教示される改変されたGH10キシラナーゼの、多くの用途、例えば、家畜飼料;醸造及び/若しくは麦芽製造;グルコースのグレイン系生成、例えば、バイオ燃料及び/若しくはバイオ化学物質(例えば、バイオベースイソプレン)への更なる加工;又は、例えば、デンプン製造のための小麦グルテン−デンプン分離業において、粘度を低く保つ、又は、粘度を低下させるために特に優れているという、予想外の利点につながる。
【0224】
加えて、本発明の改変されたGH10キシラナーゼは特に熱安定性である。これにより、一部の用途において顕著な利点をもたらす。具体的には、飼料用途において、酵素を、例えばペレット化プロセス中に熱処理する場合がある。したがって、このような加工後に、酵素がその活性を維持できる必要がある。本発明の改変されたキシラナーゼは、著しくかつ予想外に熱安定性である。
【0225】
更に、改善された熱安定性は、液化中に高温(約85〜95℃)で起こる、デンプンの分解において非常に有利でもある。熱安定であることで、この工程中での酵素の添加が可能である。
【0226】
特に、本明細書において試験したGH10酵素は、GH11酵素と比べて、平均して改変されたキシラナーゼの使用による分解産物が短いことがわかっている。これは、粘度の影響を更に低下させる。
【0227】
加えて、(多くのGH11キシラナーゼと異なり)本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントの更なる利点は、小麦キシラナーゼ阻害物質、例えば、小麦中で生じるTAXI様タンパク質阻害物質による影響を受けないことである。
【0228】
本発明の1つの利点は、小麦グルテン−デンプン分離を改善することである。
【0229】
本発明の酵素は、被検体の性能を高める、若しくは、飼料中原材料の消化能力を改善するのに、及び/又は、被検体での飼料効率を改善するために、特に効率的である。
【0230】
キシラン含有材料
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又は本発明の改変されたキシラナーゼを含む組成物)を用いて、任意のキシラン含有材料を分解できる。
【0231】
一実施形態では、キシラン含有材料は、アラビノキシランを含む任意の植物材料である。
【0232】
一実施形態では、キシラン含有材料は、不溶性アラビノキシラン(AXinsol)を含む任意の植物材料である。
【0233】
一実施形態では、キシラン含有材料は、家畜飼料又は飼料成分である。
【0234】
一実施形態では、キシラン含有材料は、グレイン系材料(全粒又は部分グレイン又は麦芽グレイン、例えば、大麦麦芽を含む)である。方法がバイオ燃料製造(例えば、バイオエタノール製造)に関するとき、好ましくはキシラン含有材料は、グレイン系材料である。
【0235】
別の実施形態では、キシラン含有材料は、大麦麦芽若しくはマッシュ、又は大麦麦芽、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0236】
なお更なる実施形態では、キシラン含有材料は、穀物粉(例えば、小麦、オート麦、ライ麦又は大麦粉)であってよい。方法がグルテン−デンプン分離プロセスに関するとき、好ましくはキシラン含有材料は、穀物粉(例えば、小麦、オート麦、ライ麦又は大麦粉)である。
【0237】
破壊又は分解
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又は酵素を含む組成物)を用いて、AXinsol又はAXsol又はAXinsolの分解産物を破壊(分解)できる。
【0238】
用語「破壊」又は「分解」は、加水分解と同義である。
【0239】
可溶化/分解
本発明は、キシラン含有材料(好ましくはアラビノキシラン含有材料、好ましくは不溶性アラビノキシラン(AXinsol)含有材料)を分解し、可溶性ペントサン(高分子、オリゴマー、又はモノマーであり得る)を生成する方法に関する。
【0240】
この方法は、ペントサンの可溶化、又はアラビノキシランの可溶化、又はAXinsolの可溶化、又はAXinsolの分解として本明細書に記載される場合がある。
【0241】
一実施形態では、本発明は、不溶性アラビノキシラン(AXinsol)の分解(又は破壊)法に関する。これは、不溶性アラビノキシランの可溶化、及び/又は、ペントサンの可溶化と称される場合もある。
【0242】
本発明の更なる実施形態では、方法は、不溶性アラビノキシランの分解に由来する高分子の分解(例えば、破壊)に関する。
【0243】
アラビノキシラン(AX)
用語「アラビノキシラン」(AX)は、本明細書で使用するとき、鎖長全体にわたりキシロース単位に1α→2及び/又は1α→3結合によってランダムに結合されるL−アラビノフラノース(5原子環形態のL−アラビノース)を有する、キシラン骨格(1,4−結合キシロース単位)からなる多糖類を意味する。アラビノキシランは、植物の一次細胞壁及び二次細胞壁の両方にみられるヘミセルロースである。アラビノキシランは、小麦、メイズ(トウモロコシ)、ライ麦、及び大麦などのグレインのふすま中にみられることもある。
【0244】
アラビノキシラン(AX)は、植物の細胞壁と密接に関連して見いだされ、ここでは、植物の細胞壁及び組織の様々な構成要素を結合する接着剤の役割をして、構造強度と剛性の両方を与える。
【0245】
用語「ペントサン」は、本明細書で使用するとき、完全に加水分解するとペントースを生じる任意の種類の炭水化物である。
【0246】
キシロース及びアラビノース(アラビノキシランの構成要素)は両方ともペントースであるため、アラビノキシランは通常ペントサンに分類される。
【0247】
AXは、小麦及びトウモロコシなどの最も重要な飼料の原材料のいくつかにおける、主要な非デンプン多糖類(NSP)画分である。
【0248】
この存在量、植物性材料中の存在場所、及び分子構造によって、AXが飼料の消化能力に深刻な負の影響を与え、これが存在する原材料の栄養価を実際に低下させる原因となる。これがAXを重大な栄養阻害要因にして、動物の生産効率を低下させる。
【0249】
加えて、AXは、例えば、醸造、麦芽製造、バイオ燃料製造などのプロセスにおいて、植物材料の破壊を試みる際に大きな負の影響を有する場合があり、植物原材料中で作用を受けやすい基質の量を実際に低下させる。
【0250】
AXは、相当量の水も保持でき(水分保持能と称する)、これが、可溶性アラビノキシランが(高い)粘度をもたらす原因となり得、多くの用途において不利である。
【0251】
用語「ヘミセルロース」は、本明細書で使用するとき、植物の細胞壁のセルロース以外の多糖類成分を意味する。用語「ヘミセルロース」は、本明細書で使用するとき、希釈アルカリ性溶液によって抽出可能な植物の細胞壁中の多糖類を意味してもよい。ヘミセルロースは、木材植物組織中の炭水化物の約1/3を構成する。ヘミセルロースの化学構造は、様々なペントース、ヘキソース、及びこれらの対応するウロン酸の長鎖からなる。ヘミセルロースは、果実、茎、及びグレイン外皮に見いだされる。キシランは、1β→4結合を有するD−キシロース単位からなるペントサンの例である。
【0252】
非水溶性アラビノキシラン(AXinsol)
水非抽出性アラビノキシラン(WU−AX)としても知られる非水溶性アラビノキシラン(AXinsol)は、植物材料の乾燥物質のうち、かなりの割合を構成する。
【0253】
小麦では、AXinsolは、乾燥物質の6.3%を占める場合がある。小麦ふすま及び小麦DDGSでは、AXinsolは、乾燥物質の約20.8%又は13.4%(w/w)を占める場合がある。
【0254】
ライ麦では、AXinsolは、乾燥物質の5.5%を占める場合がある。
【0255】
トウモロコシでは、AXinsolは、乾燥物質の3.5〜6%(例えば、5.1%)を占める場合がある。トウモロコシDDGSでは、AXinsolは、乾燥物質の10〜20%(例えば、12.6%)を占める場合がある。
【0256】
AXinsolは、飼料中の栄養素捕捉の原因となる。大量のデンプン及びタンパク質などの消化のよい栄養素が、細胞壁物質群に囲い込まれ、又は、AXの側鎖に結合して留まる。これらの捕捉された栄養素は、消化と、それに続く小腸での吸収に利用できないであろう。
【0257】
水溶性アラビノキシラン(AXsol)
水抽出性アラビノキシラン(WE−AX)としても知られる水溶性アラビノキシラン(AXsol)は、AXsolの水結合能による粘度増加を引き起こし得るため、バイオ燃料製造、バイオ化学物質製造、炭水化物加工、及び/又は麦芽製造、及び/又は醸造、及び/又は飼料における問題の原因となり得る。
【0258】
飼料では、AXsolの異常な水結合能によって、腸内容物の粘度を大幅に増加させるため、AXsolは、特に単胃動物において栄養阻害作用を有し得る。粘度の増加は、飼料の消化酵素及び胆汁酸との適度な混合を妨げ得る、並びに/又は、栄養素の利用速度及び吸収速度を低下させる、並びに/又は、後腸での発酵を刺激することから、飼料の消化及び栄養素の利用率に影響を及ぼし得る。
【0259】
小麦では、AXsolは、乾燥物質の1.8%を占める場合がある。小麦ふすま及び小麦DDGSでは、AXsolは、乾燥物質の約1.1%又は4.9%(w/w)を占める場合がある。
【0260】
ライ麦では、AXsolは、乾燥物質の3.4%を占める場合がある。
【0261】
大麦では、AXsolは、乾燥物質の0.4〜0.8%を占める場合がある。
【0262】
トウモロコシでは、AXsolは、乾燥物質の0.1〜0.4%(例えば、0.1%)を占める場合がある。トウモロコシDDGSでは、AXinsolは、乾燥物質の0.3〜2.5%(例えば、0.4%)を占める場合がある。
【0263】
しかしながら、植物材料中に存在するAXsol量に加えて、キシラナーゼが植物材料中のAXinsolを可溶化すると、植物材料のAXsol含量に寄与するペントサン及び/又はオリゴマーを遊離できる。
【0264】
本明細書に開示される改変されたキシラナーゼの1つの重要な利点は、粘度を増加させずにAXinsolを可溶化できる能力を有することである。現在、高分子量生成物は形成されないと考えられる。
【0265】
AXsolの破壊により、粘度を低下することができる。
【0266】
AXsolの破壊により、栄養素を遊離することができる。
【0267】
粘度
粘度を確実に増加させない、及び/又は、AXsolの水結合能が望まれない粘度増加の原因となる任意のプロセスにおいて粘度を低下させるために、本発明を用いることができる。
【0268】
本発明は、粘度を確実に増加させないこと、並びに/又は、AXsolの破壊(分解)による、若しくは、AXinsolの可溶化によって生成される高分子及び/若しくはオリゴマーの破壊(分解)による粘度を低下させることに関する。
【0269】
理論に束縛されるものではないが、AXinsolを溶解して得られる可溶化高分子(例えば、オリゴマー)を効率的に(素早く)破壊(分解)できることによって、望まれない粘度増加を避けることができ、及び/又は、粘度低下を得ることができる。用語「効率的に」は、本明細書で使用するとき、酵素が、AXinsolの可溶化によって形成されている高分子(例えば、オリゴマー)を、AXinsolが分解(又は可溶化)される速度より早く分解できることを意味する。
【0270】
粘度を低下させることは、本明細書で教示されるような多くの用途で利点を有する。
【0271】
ニワトリの小腸環境の模倣を試みたin vitroアッセイは、Bedford & Classen(1993 Poultry Sci.,72,137〜143)によって最初に説明された。このアッセイは、まず低pHでペプシンと、次に中性pHでパンクレアチンとインキュベーションする、飼料の2段階インキュベーションからなる。インキュベーション終了後の上清の粘度は、ブロイラーにおいてin vivoでもたらされる粘度と相関することが、一般に認められている。
【0272】
飼料用途において、本明細書で教示されるように粘度増加がないこと、及び/又は、粘度を低下させることは、キシラナーゼの添加により、実施例1に記載される方法によって測定される粘度が変化しない、又は低下することを意味する。変化しないとは、3回の平均値である測定値が、キシラナーゼを添加していない小麦試料の測定値の2標準偏差の範囲内にあることを意味する。
【0273】
粘度は、Rapid ViscoAnalyzer(RVA)(例えば、バイオエタノール処理)及びHaake VT550 viscometer(Thermofisher)(例えば、小麦−グルテンデンプン加工)などの装置を用いて測定されてよい。両装置とも、燃料エタノール処理及び小麦デンプン分離プロセスの粘度特性をモニターでき、これらの実験条件は、それぞれ実施例6及び7に教示されている。
【0274】
本発明では、粘度低下は、本発明の(又は本明細書で教示される)キシラナーゼを含む1つの試料を、本発明の(又は本明細書で教示される)キシラナーゼを含まない別の比較試料と比較することによって計算できる。
【0275】
本発明のキシラナーゼの粘度低下特性を市販の基準キシラナーゼと比較することによって、酵素性能を実証する。この目的は、市販の基準品と比べて、酵素性能を改善することである。それぞれの用途における基準酵素は、以下の実施例に示される。
【0276】
飼料用途において粘度低下を比較するための基準酵素は、Econase(登録商標)XTであってよい。
【0277】
バイオエタノール産業で用いられるキシラナーゼの例は、Xylathin(商標)である。
【0278】
小麦グルテン−デンプン分離業で用いられるキシラナーゼの例は、Shearzyme(商標)である。
【0279】
熱安定性を確認するための基準酵素は、親(骨格)キシラナーゼ(例えば、改変前)であってよい。
【0280】
本発明の一実施形態では、本明細書で教示されるキシラナーゼは、粘度低下剤である。
【0281】
一般には、小麦(又はその他穀物)は、粉にされる胚乳から、ふすま及び胚芽を分離するため、まず乾式粉砕される。次に、この胚乳粉を、小麦デンプン分離プロセスによって、様々な商品価値のいくつかの製品流に更に分離する。この主目的は、15〜40μmの大きいレンズ状顆粒からなる、精製グレードのA−デンプンを生成するためである。2番手のB−デンプンは、精製デンプン顆粒が少なく、球状かつ小さい(1〜10μm)。(C.C.Maningat,P.A.Seib,S.D.Bassi,K.S.Woo,G.D.Lasater,Chapter 10 from the book「Starch」(2009)441〜451,Wheat starch:production,properties,modification and uses)。単離された小麦デンプンは、食品及び非食品用途の両方における改変されたデンプン製造の出発原料を形成する。活性グルテンは、付加価値のある小麦分離プロセスにおける第3の製品である。単離された小麦グルテンの活性は、パン製造において求められる粘弾性ネットワークを形成する能力によって判定される。活性グルテンは、焼成中にドウ調製物内に発生する二酸化炭素を封入し、それによってパンの体積を増やす。(Anne van der Borght,Hans Goesaert,Wim S.Veraverbeke,Jan A.Delcour,Journal of Cereal Science 41(2005)221〜237,Fractionation of wheat and wheat flour into starch and gluten:overview of the main processes and the factors involved.)したがって、パン製造用粉の強化、パン製品の改善にしばしば用いられる。グルテンのその他の市場としては、ペットフード業界を含む、ベジタリアン用、肉、魚、若しくは家禽製品中で、朝食用シリアル中で、又は醤油中での添加剤が挙げられる。グルテンは、その熱可塑性及び良好なフィルム形成能によって、接着剤として非食品市場でも使用される。(L.Day,M.A.Augustin,I.L.Batey,C.W.Wrigley,Trends in Food Science & Technology 17(2006)82〜90,Wheat−gluten uses and industry needs.)。
【0282】
本明細書で教示される改変されたキシラナーゼを用いて、穀物粉(例えば、小麦、オート麦、ライ麦又は大麦粉)を、デンプン及びグルテン画分に分離するためのプロセスにおいて、粘度を下げる(又は粘度を増加させない)こと、かつ、グルテンの凝集を阻害するオリゴ糖を分解することによって、分離を改善することができる。
【0283】
醸造及び麦芽製造において、麦汁粘度、並びに、大麦マッシュ及び大麦麦芽の粘度は、醸造及び/又は麦芽製造中で非常に不利益になる可能性がある。本発明は、麦汁、大麦マッシュ、大麦麦芽又はこれらの組み合わせの粘度を低下させる(又は粘度を増加させない)ことに関する。
【0284】
飼料又は家畜飼料
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又は本発明の飼料添加剤組成物を、飼料として、又は飼料の製造中に使用してよい。
【0285】
本明細書において、用語「飼料」は、「家畜飼料」と同義に使用される。
【0286】
好ましくは、本発明のアラビノキシラン含有材料は、家畜飼料、又は家畜飼料の構成要素、又は飼料成分である。
【0287】
飼料は、使用及び/又は適用態様及び/又は投与態様に応じ、液体又は固体又は半固体形態であり得る。
【0288】
機能性飼料などの飼料として使用する際、又はその調製に使用する際、本発明の酵素又は組成物は、栄養学的に許容できる担体、栄養学的に許容できる希釈剤、栄養学的に許容できる賦形剤、栄養学的に許容できる補助剤、栄養学的有効成分、のうちの1つ又はそれ以上と組み合わせて使用できる。
【0289】
好ましい実施形態では、本発明の酵素又は飼料添加用組成物を飼料成分と混合して家畜飼料を製造する。
【0290】
本明細書で使用するとき、用語「飼料成分」は、家畜飼料の全て又は一部を意味する。「家畜飼料の一部」は、家畜飼料に含まれる成分のうちの1つ、あるいは家畜飼料に含まれる成分のうちの1つ以上、例えば、2、又は3、又は4を意味し得る。一実施形態では、用語「飼料成分」は、プレミックス又はプレミックス成分を包含する。
【0291】
好ましくは、飼料は、飼い葉又はそれらの混合物、配合飼料又はそれらのプレミックスであり得る。一実施形態では、本発明の飼料添加剤組成物は、配合飼料又は配合飼料成分と混合してよく、あるいは配合飼料のプレミックス、又は飼い葉、飼い葉成分、若しくは飼い葉プレミックスと混合してよい。
【0292】
本明細書で使用するとき、用語「飼い葉」は、動物に提供される(動物がそれを求めて探しまわるというものではない)任意の食物を意味する。飼い葉には、切断済みの植物を包含する。
【0293】
用語「飼い葉」には、貯蔵牧草、圧縮及びペレット化飼料、油及び混合飼料、並びに同様に発芽穀類及びマメ科植物が包含される。
【0294】
飼い葉は次の植物:トウモロコシ(メイズ)、アルファルファ(ルーサン)、大麦、ミヤコグサ、アブラナ属、シャウ・モエラー(Chau moellier)、ケール、菜種(キャノーラ)、ルタバガ(スウェーデンカブ)、カブ、ツメクサ、タチオランダゲンゲ、ムラサキツメクサ、サブタレニアンクローバー、シロツメクサ、ウシノケグサ、スズメノチャヒキ、アワ、オート麦、ソルガム、大豆、樹木(まぐさ用に刈り込まれた枝葉)、小麦、及びマメ科から選択される植物のうち1種類又はそれ以上から得ることができる。
【0295】
用語「配合飼料」は、粉末、ペレット、ナッツ、ケーキ、又はクランブルの形態の市販の飼料を意味する。配合飼料は、各種原材料及び添加剤を配合したものであってよい。これらの配合物は、対象とする動物の求める具体的な必要量に従って配合される。
【0296】
配合飼料は、1日に必要とされる栄養分を全て提供する完全飼料、飼料の一部(タンパク質、エネルギー)を提供する濃厚飼料、又はミネラル及びビタミンなどのその他の微量栄養素のみを提供する栄養補助剤であってよい。
【0297】
配合飼料には、トウモロコシ、小麦、キャノーラミール、菜種ミール、ルピナス、大豆、ソルガム、オート麦、及び大麦などの飼料用穀類が主成分として使用される。
【0298】
本明細書で記載される通りに好適なプレミックスは、ビタミン、ミネラル、化学保存料、抗生物質、発酵産物、及びその他の必須成分などの微量成分からなる組成物であり得る。一般的に、プレミックスは、市販の飼料に配合するのに好適な組成物である。
【0299】
本発明の任意の家畜飼料は、a)小グレイン(例えば、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、ライコムギ及びこれらの組み合わせ)並びに/又は大グレイン(例えば、メイズ若しくはソルガム)などの穀物;b)穀物由来の副産物、例えば、トウモロコシグルテンミール、ウェットケーキ(特にトウモロコシ系ウェットケーキ)、穀粒蒸留粕(DDG)(特にトウモロコシ系穀粒蒸留粕(cDDG))、可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)(特にトウモロコシ系可溶性物質添加穀粒蒸留粕(cDDGS))、小麦ふすま、小麦中ふすま、小麦小ふすま、コメヌカ、もみ殻、オート麦殻、パーム核、及び柑橘パルプ;c)大豆、ヒマワリ、ピーナッツ、ルピナス、エンドウ豆、ソラマメ、綿花、キャノーラ、魚肉、乾燥血漿タンパク質、肉及び骨粉、ジャガイモタンパク質、乳清、コプラ、ゴマなどの供給源から得られるタンパク質;d)植物及び動物源から得られる油脂;e)ミネラル及びビタミン、を含む群から選択される、1種類又はそれ以上の飼料材料を含んでよい。
【0300】
一実施形態では、家畜飼料は、トウモロコシ、DDGS(例えばcDDGS)、小麦、小麦ふすま又はこれらの組み合わせを含む、又はこれらからなる。
【0301】
一実施形態では、飼料成分は、トウモロコシ、DDGS(例えばcDDGS)、小麦、小麦ふすま又はこれらの組み合わせであってよい。
【0302】
一実施形態では、家畜飼料は、トウモロコシ、DDGS(例えばcDDGS)又はこれらの組み合わせを含む、又はこれらからなる。
【0303】
一実施形態では、飼料成分は、トウモロコシ、DDGS(例えばcDDGS)又はこれらの組み合わせであってよい。
【0304】
本発明の家畜飼料は、トウモロコシ及び大豆ミール、又はトウモロコシ及び高脂肪分大豆又は小麦ミール又はヒマワリミールを、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%含有し得る。
【0305】
本発明の家畜飼料は、約5〜約40%のトウモロコシDDGSを含有してよい。家禽用では、家畜飼料は平均して約7〜15%のトウモロコシDDGSを含有してよい。豚(小型豚)用では、家畜飼料は平均して5〜40%のトウモロコシDDGSを含有してよい。
【0306】
本発明の家畜飼料は、トウモロコシを単一の粒として含有してよく、この場合、家畜飼料は約35%〜約80%のトウモロコシを含んでよい。
【0307】
混合グレインを含む、例えば、トウモロコシ及び小麦を含む家畜飼料では、例えば、家畜飼料は少なくとも10%のトウモロコシを含んでよい。
【0308】
これに加え、又はこれに代替して、本発明の家畜飼料には、少なくとも1種類の高繊維飼料材料及び/又は少なくとも1種類の高繊維飼料材料の少なくとも1種類の副産物を含有させて、動物用高繊維飼料を提供することもできる。高繊維飼料材料の例としては、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、穀類由来の副産物、例えば、トウモロコシグルテンミール、トウモロコシグルテン飼料、ウェットケーキ、穀粒蒸留粕(DDG)、可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)、小麦ふすま、小麦中ふすま、小麦小ふすま、コメヌカ、もみ殻、オート麦殻、パーム核、及び柑橘パルプが挙げられる。一部のタンパク質資源:ヒマワリ、ルピナス、ソラマメ、及び綿などの資源から得られたタンパク質も、高繊維であるとみなすことができる。
【0309】
一実施形態では、本発明の家畜飼料は、少なくとも1種類の高繊維材料、並びに/又は、例えば、可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)、特にcDDGS、ウェットケーキ、穀粒蒸留粕(DDG)、特にcDDG、小麦ふすま、及び小麦からなる群から選択される少なくとも1種類の高繊維飼料材料の少なくとも1種類の副産物を含む。
【0310】
一実施形態では、本発明の家畜飼料は、少なくとも1種類の高繊維材料、並びに/又は、例えば、可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)、特にcDDGS、小麦ふすま、及び小麦からなる群から選択される少なくとも1種類の高繊維飼料材料の少なくとも1種類の副産物を含む。
【0311】
本発明では、飼料は、ペレット、ナッツ又は(ウシ用)ケーキなどの配合飼料及びプレミックス;作物又は作物残渣:トウモロコシ、大豆、ソルガム、オート麦、大麦コプラ、わら、切りわら、砂糖ビート粕;魚粉;肉骨粉;糖蜜;油粕;オリゴ糖;貯蔵飼料植物:貯蔵牧草;海藻;種子及び穀粒、全粒又は破砕、粉砕などによる調製物のいずれか;発芽穀類及びマメ科植物;酵母抽出物のうち、1種類又はそれ以上であってよい。
【0312】
本発明では、いくつかの実施形態において用語、「飼料」はペットフードを包含する。ペットフードは、ドッグフード又はキャットフードなど、ペットによる消費が意図された植物性又は動物性物質である。ドッグフード及びキャットフードなどのペットフードは、犬用キブルなどの乾燥形態、又はウェットタイプの缶詰のいずれかであってもよい。キャットフードには、アミノ酸のタウリンを含有させてもよい。
【0313】
本発明では、いくつかの実施形態において用語、「飼料」は魚用飼料を包含する。一般的に、魚用飼料は、飼育している魚の健康を良好に保つのに必要とされる多量栄養素、微量栄養素、及びビタミンを含有している。魚用飼料は、フレーク、顆粒、又はタブレット形態で有り得る。顆粒形態の飼料のうち、一部の迅速に沈降する飼料は、多くの場合、大型の魚又は水槽底部で生活する種に使用される。一部の魚用飼料は、観賞魚の発色を人工的に改良する目的で、βカロテン又は性ホルモンなどの添加剤も含有する。
【0314】
本発明では、いくつかの実施形態において用語、「飼料」は鳥用飼料を包含する。鳥用飼料には、バードフィーダーに用いられるもの及びペットの鳥に給餌するためのものの両方の飼料が包含される。典型的な鳥用サンプルは多様な種子から構成されるが、獣脂(牛脂又は羊脂)を含有させてもよい。
【0315】
本明細書で使用するとき、用語「接触」は、本発明の酵素(又は酵素を含む組成物)が間接的に又は直接的に製品(例えば、飼料)に適用されていることを意味する。使用することのできる本開示の適用例としては、限定するものではないが、飼料添加剤組成物を材料として含む製品を処理する工程、飼料添加剤組成物を製品と混合して直接適用する工程、飼料添加剤組成物を製品表面に噴霧する工程、又は製品を飼料添加剤組成物の調合液に浸漬する工程、が挙げられる。
【0316】
一実施形態では、本発明の飼料添加剤組成物は、好ましくは製品(例えば、家畜飼料)と混合させる。別の方法としては、飼料添加剤組成物は、家畜飼料の乳濁液又は原材料に含有させてもよい。
【0317】
一部の用途に関しては、組成物を作用させる/組成物で処理する製品表面上に又は表面に対して利用可能であるように、組成物を製造することが重要である。これにより、組成物に次の望ましい特性:性能利益のうちの1つ以上を付与する。
【0318】
本発明の改変された酵素(又は改変された酵素を含む組成物)は、前記酵素の量を調整して、製品(例えば、家畜飼料、又は家畜飼料の原材料)に点在、被覆、及び/又は含浸させることができる。
【0319】
特に好ましい実施形態では、本発明の酵素(又は酵素を含む組成物)は均質化され、粉末を調製する。
【0320】
代替的な好ましい実施形態では、本発明の酵素(又は酵素を含む組成物)は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2007/044968号(TPT顆粒と呼ばれる)又は同第1997/016076号又は同第1992/012645号に記載されるように顆粒に配合される。
【0321】
他の好ましい実施形態では、飼料添加剤組成物を顆粒に配合する場合、顆粒は、タンパク質コアを被覆する防水塩を含む。このような塩コーティングには、熱耐性の向上、貯蔵安定性の向上、及びそのままでは酵素に対し悪影響を及ぼすその他の飼料添加物からの保護、という利点がある。
【0322】
好ましくは、塩コーティングに使用される塩は、20℃で、60%超の一定湿度と、0.25超の水分活性を有する。
【0323】
好ましくは、塩コーティングはNa
2SO
4を含む。
【0324】
本発明の酵素(又は酵素を含む組成物)の製造法は、粉末をペレット化する工程も更に含み得る。粉末は、当該技術分野において知られているその他の成分と混合させることもできる。粉末、又は粉末を含む混合物に、ダイを通過させ、得られたストランドを望ましい長さで好適なペレットに切断する。
【0325】
任意に、ペレット化工程は、ペレットの製造前の蒸気処理、又は調整工程を包含し得る。粉末を含む混合物は、調整槽に、例えば、蒸気噴射装置を備えるミキサーに入れることができる。混合物を調整槽内で、規定の温度まで、例えば60〜100℃に加熱する。典型的な加熱温度は、70℃、80℃、85℃、90℃、又は95℃である。滞留時間は、秒単位から分単位、及び更には時間単位で変化させることができる。例えば、5秒、10秒、15秒、30秒、1分、2分、5分、10分、15分、30分、及び1時間など。
【0326】
本発明の酵素(又は酵素を含む組成物)は、任意の適切な飼料材料に添加するのに好適であることは理解されるであろう。
【0327】
異なる動物種は異なる家畜飼料を必要とすること、並びに同種の動物であってさえも、動物の飼育目的に応じ、異なる家畜飼料を必要とする場合があることは、当業者により理解されるであろう。
【0328】
場合により、家畜飼料には、カルシウムなどの追加のミネラル、及び/又は追加のビタミン類を含有させることもできる。
【0329】
好ましくは、家畜飼料は、トウモロコシ/大豆ミール混合物である。
【0330】
一実施形態では、好ましくは、飼料はペットフードではない。
【0331】
他の態様では、家畜飼料の製造方法を提供する。家畜飼料では、典型的には飼料粉砕機中で製造され、この中で最初に原材料を好適な粒経に挽き、次に適切な添加剤と混合する。次に、家畜飼料を水で溶くか、又はペレット化することができる。後者の場合、典型的には、目的とする高さまで温度を上昇させ、次に飼料をダイに通過させて、特定の大きさのペレットを製造する手法を包含する。ペレットを冷却させる。続いて、脂肪及び酵素などの液体添加物を添加してもよい。家畜飼料の製造には、特に、少なくとも蒸気の使用を包含し得る適切な技術により、ペレット化の前に押し出す又は膨張させることを含む、追加工程を包含させてもよい。
【0332】
家畜飼料は、家禽(例えば、ブロイラー、レイヤー、ブロイラー種鶏、七面鳥、アヒル、ガチョウ、水鳥)、及び豚類(全ての年齢種)などの単胃動物、ウシ(例えば、雌牛又は雄牛(仔牛を含む))、ウマ、ヒツジなどの反芻動物、ペット(例えばイヌ、ネコ)又は魚(例えば、無胃魚、有胃魚、サケ、タラ、マス及びコイ(例えば錦鯉)などの淡水魚、シーバスなどの海水魚、エビ、イガイ、及びホタテなどの甲殻類)用の家畜飼料であってよい。好ましくは、家畜飼料は家禽用である。
【0333】
トウモロコシ系家畜飼料
好ましい実施形態では、家畜飼料はトウモロコシ系家畜飼料であってよい。用語「トウモロコシ系家畜飼料」は、本明細書で使用するとき、トウモロコシ(メイズ)又はトウモロコシの副産物を含む、又はこれらからなる家畜飼料を意味する。
【0334】
好ましくは、トウモロコシ系家畜飼料は、トウモロコシ又はトウモロコシの副産物を主要構成成分として含む。例えば、トウモロコシ系家畜飼料は、少なくとも35%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物、例えば少なくとも40%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物、例えば少なくとも50%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物、例えば少なくとも60%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物、例えば少なくとも70%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物、例えば少なくとも80%のトウモロコシの副産物、例えば少なくとも90%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物、例えば100%のトウモロコシ又はトウモロコシの副産物を含んでよい。
【0335】
いくつかの実施形態では、トウモロコシ系家畜飼料は、トウモロコシ又はトウモロコシの副産物を微量構成成分として含んでよく、この場合、家畜飼料にトウモロコシ又はトウモロコシの副産物を補充してよい。ほんの一例として、家畜飼料は、トウモロコシ又はトウモロコシの副産物を補充した、例えば小麦を含んでよい。
【0336】
トウモロコシ又はトウモロコシの副産物が家畜飼料の微量構成成分であるとき、トウモロコシ又はトウモロコシの副産物は、家畜飼料の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%である。
【0337】
誤解を避けるために、用語「トウモロコシ」は、本明細書で使用するとき、メイズ、例えば、ギョクショクショ(Zea mays)と同義である。
【0338】
一実施形態では、トウモロコシの副産物は、トウモロコシ可溶性物質添加穀粒蒸留粕(cDDGS)又はトウモロコシウェットケーキ又はトウモロコシ穀粒蒸留粕(DDG)又はトウモロコシグルテンミール又はトウモロコシグルテン飼料又はこれらの組み合わせであってよい。
【0339】
一実施形態では、好ましくは、本発明のアラビノキシラン含有材料は、トウモロコシ可溶性物質添加穀粒蒸留粕(cDDGS)又はトウモロコシウェットケーキ又はトウモロコシ穀粒蒸留粕(DDG)又はトウモロコシグルテンミール又はトウモロコシグルテン飼料又はこれらの組み合わせなどのトウモロコシの副産物を含む。
【0340】
小麦系家畜飼料
好ましい実施形態では、家畜飼料は小麦系家畜飼料であってよい。用語「小麦系家畜飼料」は、本明細書で使用するとき、小麦又は小麦の副産物を含む、又はこれらからなる家畜飼料を意味する。
【0341】
好ましくは、小麦系家畜飼料は、小麦又は小麦の副産物を主要構成成分として含む。例えば、小麦系家畜飼料は、少なくとも40%の小麦又は小麦の副産物、例えば少なくとも60%の小麦又は小麦の副産物、例えば少なくとも80%の小麦の副産物、例えば少なくとも90%の小麦又は小麦の副産物、例えば100%の小麦又は小麦の副産物を含んでよい。
【0342】
いくつかの実施形態では、小麦系家畜飼料は、小麦又は小麦の副産物を微量構成成分として含んでよく、この場合、家畜飼料に小麦又は小麦の副産物を補充してよい。ほんの一例として、家畜飼料は、小麦又は小麦の副産物を補充した、例えば小麦を含んでよい。
【0343】
小麦又は小麦の副産物が家畜飼料の微量構成成分であるとき、小麦又は小麦の副産物は、家畜飼料の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%である。
【0344】
一実施形態では、小麦の副産物は、例えば小麦ふすま、小麦中ふすま、小麦繊維であってよい。
【0345】
ふすまは、穀粒の硬い外層であり、アリューロン及び果皮の混合物からなる。胚芽と共に、全粒の重要部分であり、精製穀粒製造において粉砕の副産物として製造されることが多い。ふすまを穀粒から除くと、穀粒はその栄養価の一部を失う。ふすまは、米、トウモロコシ(メイズ)、小麦、オート麦、大麦及びキビなどの任意の穀物粒中に存在し、これらから粉砕されてよい。ふすまは、食物繊維及び必須脂肪酸が特に豊富であり、大量のデンプン、タンパク質、ビタミン及び栄養素ミネラルを含有する。
【0346】
小麦中ふすまは、粗粒子及び微粒子である小麦ふすま、微粒子である小麦ショート、小麦胚芽、小麦粉、及び「粉砕機の最後」の残滓である。
【0347】
小麦中ふすまは、ヒト用食品及び動物用飼料の安価な中間副産物である。一実施形態では、好ましくは、本発明のアラビノキシラン含有材料は、小麦ふすま及び/又は小麦中ふすまを含む。
【0348】
ウェットケーキ、穀粒蒸留粕(DDG)及び可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)
ウェットケーキ、穀粒蒸留粕及び可溶性物質添加穀粒蒸留粕は、穀類蒸留業において使用されている方法によって、グレイン又はグレイン混合物の酵母発酵より蒸留によってエチルアルコールを除いた後に得られる産物である。
【0349】
蒸留から得られるアルコール蒸留廃液(例えば、水、グレイン残渣、酵母細胞などを含む)は、「固体」部分と液体部分に分けられる。
【0350】
この固体部分は「ウェットケーキ」と呼ばれ、それ自体を動物用飼料として使用できる。
【0351】
液体部分は、(一部)蒸発され、シロップ(可溶性物質)になる。
【0352】
ウェットケーキを乾燥させると、それが穀粒蒸留粕(DDG)である。
【0353】
ウェットケーキをシロップ(可溶性物質)と共に乾燥させると、それが可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)である。
【0354】
ウェットケーキは、酪農業及び肉牛のフィードロットで使用できる。
【0355】
乾燥させたDDGSは、家畜、例えば、乳牛、肉牛、及び豚類)の飼料、並びに家禽用飼料中で使用できる。
【0356】
トウモロコシDDGSは、乳牛用の非常に良いタンパク質源である。
【0357】
トウモロコシグルテンミール
一態様では、トウモロコシの副産物は、トウモロコシグルテンミール(CGM)であってよい。
【0358】
CGMは、トウモロコシ製粉業の粉状副産物である。CGMは、例えば、動物用飼料において有用である。これは、ペットフード、家畜用飼料、及び家禽用飼料などの飼料の安価なタンパク質源として使用できる。これは、特に良好なアミノ酸システイン源であるが、他のタンパク質によってリシンのバランスと取らなくてはならない。
【0359】
飼料添加剤組成物
本発明の飼料添加剤組成物、及び/又はこれを含む家畜飼料は、任意の好適な形態で使用できる。
【0360】
本発明の飼料添加剤組成物は、固体又は液体製剤の形態で、又はこれらの代替形態で使用できる。固体製剤例としては、粉末、ペースト、巨丸剤、カプセル、ペレット、タブレット、細粉、及び可溶性のもの、噴霧乾燥させたもの、又は凍結乾燥させものであり得る顆粒が挙げられる。液体製剤例としては、限定するものではないが、水溶液、有機溶液、又は有機溶媒水溶液、懸濁液、及び乳濁液が挙げられる。
【0361】
一部の用途では、本発明の飼料添加剤組成物は、飼料と混合してもよく、又は飲用水に投与してもよい。
【0362】
一態様では、本発明は、本明細書で教示されるキシラナーゼを飼料用に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤と混合することと、(任意に)パッケージングすることと、を含む、飼料添加剤組成物の調製法に関する。
【0363】
プレミックス
家畜飼料及び/又は飼料添加剤組成物を、少なくとも1種類のミネラル及び/又は少なくとも1種類のビタミンと混合できる。このようにして得られた組成物を、本明細書でプレミックスと称してよい。
【0364】
麦芽製造及び醸造
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又は酵素を含む組成物)を、麦芽製造及び醸造において使用できる。
【0365】
大麦グレインは、1.7〜4.1%(w/w)の水抽出性成分と、3.6〜6.4%(w/w)の総β−グルカンと、を含有する(Anderson,M.A.,Cook,J.A.,& Stone,B.A.,Journal of the Institute of Brewing,1978,84,233〜239;Henry,J.,Journal of the Science of Food and Agriculture,1985,36,1243)。
【0366】
小麦グレインは、0.1〜0.8%(w/w)の水抽出性成分と、0.6〜1.4%(w/w)の総β−グルカンと、を含有する(Anderson,M.A.et al(1978)同上)。
【0367】
アラビノキシラン(AXsol)及びβ−グルカンの効率的な加水分解は、これらの化合物が、麦汁粘度(Ducroo,P.& Frelon,P.G.,Proceedings of the European Brewery Convention Congress,Zurich,1989,445;Vietor,R.J.& Voragen,A.G.J.,Journal of the Institute of Brewing,1993,99,243)並びに、濾過性及び曇り形成(Coote,N.& Kirsop,B.H.1976.,Journal of the Institute of Brewing,1976,82,34;Izawa,M.,Kano,Y.& Kanimura,M.1991.Proceedings Aviemore Conference on Malting,brewing and Distillling,1990,427)などの製造時の問題に関与し得るため重要である。
【0368】
本発明は、麦芽製造及び醸造中のアラビノキシラン(例えば、AXinsol及びAXsol)の加水分解法を提供し、ここでは、小麦グレイン、大麦グレイン若しくはこれらの組み合わせ、又は小麦及び/若しくは大麦グレインの一部が、本発明の改変されたキシラナーゼと混合される。
【0369】
本発明の一態様では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを含む、ビール及びワインなどの発酵飲料が挙げられるが、これらに限定されない飲料である、食品組成物に関係してもよい。
【0370】
別の態様では、本発明は、本発明による改変されたキシラナーゼを含む、ビール及びワインなどの発酵飲料が挙げられるが、これらに限定されない飲料である、食品組成物に関係してもよい。
【0371】
本発明の文脈において、用語「発酵飲料」は、微生物発酵、例えば、細菌及び/又は酵母発酵などの発酵プロセスを含む方法により生産される、任意の飲料を含むことを意味する。
【0372】
本発明の態様において、発酵飲料はビールである。用語「ビール」は、デンプンを含有する植物材料の発酵/醸造により生産される任意の発酵麦汁を含むことを意味する。多くの場合、ビールは、麦芽若しくは副原料、又は麦芽及びデンプンを含有する植物材料としての副原料の任意の組み合わせから産生される。本明細書で使用するとき、用語「麦芽」は、任意の麦芽入り穀物、麦芽入り大麦又は小麦であると理解される。
【0373】
本明細書で使用するとき、用語「副原料」は、大麦麦芽又は小麦麦芽などの麦芽ではない、任意のデンプン及び/又は糖含有植物材料を指す。副原料の例として、デンプン源として使用できる、一般的なコーングリッツ、精製コーングリッツ、醸造者により粉砕された酵母、米、ソルガム、精製トウモロコシデンプン、大麦、大麦デンプン、脱穀された大麦、小麦、小麦デンプン、炒って加熱処理された穀物、穀物フレーク、ライ麦、オート麦、トウモロコシ(メイズ)、ジャガイモ、タピオカ、キャッサバ及びシロップ、例えばトウモロコシシロップ、サトウキビシロップ、反転型糖シロップ、大麦及び/又は小麦シロップ、並びに同様物などの材料について言及することができる。
【0374】
本明細書で使用するとき、用語「マッシュ」は、任意のデンプン及び/又は糖含有植物材料、例えば、製粉用穀物(例えば、破砕大麦麦芽、破砕大麦、及び/若しくはその他の副原料、又はこれらの組み合わせを含む)などの水性スラリーを指し、このスラリーは、水と混合した後に、麦汁及び粕に分離される。
【0375】
本明細書で使用するとき、用語「麦汁」は、マッシュ中の製粉用穀物の抽出後に放出される未発酵の液体を指す。
【0376】
別の態様では、本発明は、本発明の改変されたキシラナーゼを麦芽又は副原料と混合することを含む、ビールなどの発酵飲料の製造方法に関する。
【0377】
ビールの例には、麦芽のみのビール、「ビール純粋令」下で醸造されたビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第2のビール)、第3のビール、ドライビール、ニア・ビール、ライト・ビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボック・ビール、スタウト、モルト・リカー、ノンアルコールビール、ノンアルコールモルト・リカー、及び同様物が包含されるものの、別の穀草及び麦芽汁飲料、例えば、果実フレーバーの麦芽汁飲料(例えば、シトラスフレーバー、レモン、オレンジ、ライム)、又はベリーフレーバーの麦芽汁飲料、蒸留酒フレーバーの麦芽汁飲料、例えば、ウォッカ、ラム、又はテキーラフレーバーのモルト・リカー、あるいはコーヒーフレーバーの麦芽汁飲料(カフェインフレーバーのモルト・リカー)、及び同様物が包含される。
【0378】
例えばバイオ燃料製造におけるグレイン系材料の破壊
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又は酵素を含む組成物)を用いて、例えば、グレイン系材料からのグレイン加工中においてAXinsol及びAXsolを破壊(分解)できる。グレイン系材料は、全粒(例えば、全粒小麦、大麦、ライ麦、ライコムギ若しくはトウモロコシグレイン、又はこれらの混合物)、又は全粒の一部、又はこれらの混合物であってよい。
【0379】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又は酵素を含む組成物)を用いて、グレイン系材料、つまり全粒中のAXinsol及びAXsolを破壊(分解)できる。
【0380】
誤解を避けるために、全粒は機械的に破壊できる。
【0381】
グレイン系材料を破壊、つまり分解し、グルコースにできる。続いてこのグルコースを、任意の発酵プロセス、例えば、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造及び/又はバイオ化学物質(例えば、バイオベースイソプレン)製造での原材料として使用できる。
【0382】
グレイン系材料は、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造プロセスの原材料であってよい。
【0383】
今日では、ほとんどの燃料エタノールがトウモロコシ(メイズ)グレインから製造されており、これは、粉砕つまり挽かれて、アミラーゼ酵素で処理してデンプンを糖に加水分解し、発酵して、蒸留される。エタノール製造のコストを下げるための実質的な進展はあるものの、相当な問題が残っている。エタノール製造用のバイオ燃料材料のコストを下げるために、技術改善がまだ必要である。例えば、グレイン系エタノール製造では、アラビノキシランを分解すると、デンプンへ到達しやすくなり得る。
【0384】
本発明は、ヘミセルロース、例えばアラビノキシラン、特にAXinsol及びAXsolの破壊に使用するための改変されたキシラナーゼを提供する。
【0385】
ほんの一例として、欧州の燃料アルコール業界では、小麦、大麦及びライ麦などの小グレインが一般的な原材料であり、米国ではトウモロコシが主に使用される。小麦、大麦及びライ麦は、デンプンの次に、セルロース、β−グルカン及びヘミセルロースなどの非デンプン多糖類ポリマー(NSP)を、高濃度に含有する。
【0386】
異なるNSPが存在する割合は、材料によって異なる。以下の表は、いくつかの他の原材料と比較した、小麦、大麦及びライ麦中の異なるNSP量を示す。
【0387】
【表1】
1非セルロース系多糖類:ペントサン、(アラビノ)キシラン及びその他ヘミセルロース
【0388】
NSPは、グレインマッシュに高粘度をもたらす場合がある。高粘度は、マッシュ中に使用できる固体濃度を制限し、プロセスのエネルギー効率を低下させるため、エタノール製造において負の影響を及ぼす。加えて、プロセスを通して存在するヘミセルロース残渣が、熱交換器及び蒸留装置内の汚れの一因となり得るマッシュを発酵温度(32℃)に冷却するとき、高粘度が与える影響が一番大きい。これは、プロセス中の冷却工程前のいずれかにおいて、粘度を下げる必要があることを説明する。
【0389】
本発明の一実施形態では、グレイン系材料の分解方法は、本明細書に開示されるような改変されたキシラナーゼを、好ましくはこのプロセスの最初のグレイン系材料の混合中など、できるだけ早くバイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造プロセスにおいて混合することを含む。本明細書に開示されるような改変されたキシラナーゼをプロセスの早期段階で添加する1つの利点は、酵素が初期粘度を低下させることである。
【0390】
本発明の一実施形態では、グレイン系材料の分解方法は、液化、糖化、発酵、同時糖化発酵前若しくはその最中、発酵後、又はこれらの組み合わせにおいて、本明細書に開示されるような改変されたキシラナーゼを混合することを含む。
【0391】
したがって、一実施形態では、本発明は、例えば、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造プロセスにおいて、グレイン系材料を分解するときに粘度を低下させることに関する。
【0392】
例えば、バイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造プロセスにおいて、グレイン系材料、を分解するときに粘度を低下させるため、本発明の、及び本明細書で教示されるキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを使用する利点は複数ある。
プロセス中でより乾燥したマッシュ物質が使用できる
最終シロップにおいてより高い固体含量が得られる
より良い熱伝導により、エネルギー消費がより少ない
蒸発器の汚れが少ないため、洗浄コストが下がる
最終エタノール収率が上がる
DDGS(副産物)の品質が向上する
アルコール蒸留廃液の分離中(蒸留後)、固体部分と液体部分との分離が更に良好になるより低い粘度により分離効率が上がる。
【0393】
本発明の更に重要な利点は、バイオ燃料製造において、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを使用すると、ウェットケーキ、穀粒蒸留粕(DDG)又は可溶性物質添加穀粒蒸留粕(DDGS)などのプロセスの(副)産物の改良がもたらされ得ることである。したがって、本発明の1つの利点は、ウェットケーキ、DDG及びDDGSがバイオ燃料(例えば、バイオエタノール)製造の(副)産物であるため、本発明の利用により、これら(副)産物の品質を改善できることである。例えば、この(副)産物中のアラビノキシランは、バイオ燃料製造プロセス中で既に溶解され得る。
【0394】
穀物(例えば小麦)グルテン−タンパク質分離
本発明の、又は本明細書に開示されるような、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメント(又は酵素を含む組成物)を用いて、小麦デンプン及びグルテンの分離中にAXinsol及びAXsolを破壊(分解)できる。
【0395】
胚乳から小麦ふすま及び胚芽をまず分離した後、小麦胚乳粉をデンプン及びグルテン画分に分別することは、高品質のA−デンプン及び副産物であるB−デンプン及び活性グルテンを得るために、工業的に大規模に利用されている。
【0396】
本発明では、穀物粉(例えば、小麦粉)の分解産物は、デンプン(高品質のA−デンプン)である。
【0397】
加えて、副産物であるB−デンプン及び活性グルテンも生成される。次に、それぞれの個々の製品を更に加工し、食品製品の特徴を市場のニーズに合わせて補充する、又は改変する。
【0398】
工業的に使用されるいくつかの小麦分離プロセスは、文献に記載されている。これらの工業的プロセスは、分別装置(遠心分離器、液体サイクロン、又はふるい分け)に入れる粉−水混合物の形態、又は、温度及び剪断力の追加などの初期反応条件において、主に異なる(Abdulvahit Sayaslan,Lebensm.−Wiss.U.−Technol 37(2004)499〜515,Wetmilling of wheat flour:industrial processes and small−sacale test methods)。
【0399】
穀物粉(例えば、小麦粉)をデンプン及びグルテン画分に分離する方法では、この方法は、穀物粉(例えば、小麦粉)、水、及び改変されたキシラナーゼを混合することを含む。穀物粉、水及び改変されたキシラナーゼを、同時に又は続けて混合してよい。いくつかの実施形態では、穀物粉(例えば、小麦粉)及び水を、改変されたキシラナーゼを混合する前に混合してよい。
【0400】
一般には、穀物粉(例えば、小麦粉)は、〜20〜45℃の温度において、35〜63%の様々な乾燥固体でドウ又は生地に混合される。続いて、この混合物を、以下のいずれかによって更に加工する。
1)混合物をしばらく(〜30分間)寝かし、ふるい分け、遠心分離器、若しくは液体サイクロンを用いてデンプンを混合物から順次洗い出し、グルテンからデンプン乳を分離する、又は
2)混合物に剪断力を加え、任意に混合物を更に希釈した後、液体サイクロン、若しくは2相若しくは3相デカンタ型遠心分離器によって小麦粉を分離する。
【0401】
用語「乾燥固体」は、本明細書で使用するとき、乾燥重量ベースのスラリー中の総固体量(溶解及び非溶解)(%)を意味する。
【0402】
本発明の一実施形態では、特許請求される方法又は使用は、約20〜約45℃の温度で小麦粉を混合して35〜63%の乾燥固体のドウ又は生地を形成する工程と、デンプンをグルテンから分離する工程と、を含んでよい。
【0403】
本発明の方法は、以下を更に含む。
a)混合物を約30分間寝かし、ふるい分け、遠心分離器、若しくは液体サイクロンを用いてデンプンを混合物から順次洗い出し、グルテンからデンプン乳を分離すること、又は
b)混合物に剪断力を加え、任意に混合物を更に希釈し、液体サイクロン、若しくは2相若しくは3相デカンタ型遠心分離器を用いてグルテンからデンプンを分離すること。
【0404】
本発明は、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを、好適には、小麦デンプン分離に使用される上記様々なプロセスにおいて、粉と水の初期混合工程中に加えることによる、デンプン及びグルテンの改善された分離を提供する。初期混合工程中に改変されたキシラナーゼを加えることにより、粘度が低下、並びに、グルテン粒子を干渉するAXsol及び/又はAXinsolが加水分解され、分離が改善される。これらの多糖類及びオリゴ糖類を分解することによって、グルテンの凝集が促進され、グルテンの収率が改善する。(S.A.Frederix,C.M.Courtin,J.A.Delcour,J.Cereal Sci.40(2004)41〜49,Substrate selectivity and inhibitor sensitivity affect xylanase functionality in wheat flour gluten−starch separation)。
【0405】
本発明の1つの利点は、より高いA−デンプン収率、及び/又は、より品質の良いグルテン(例えば、より品質の良い活性グルテン)が得られることである。
【0406】
本発明の1つの利点は、小麦グルテン−デンプン分離を改善することである。
【0407】
グルテンの品質を評価する方法の1つは、グルテンの凝集の観察によるものである。ドウの捏ね上げ又は生地の混合中に特定の摩擦力が加えられると、グルテン粒子は、「活性グルテン」と呼ばれるポリマーネットワークを形成する、より大きい粒子に凝集する傾向がある。「活性グルテン」を食品製品に加え、ドウ強度、貯蔵寿命、及びパン体積などの焼成製品の特性を改善できる(L.Day,M.A.Augustin,I.L.Batey and C.W.Wrigley;Wheat−gluten uses and industry needs;Trends in Food Science & Technology 17(2006)82〜90)。
【0408】
パン工業では、小麦粉中のグルテンの品質及び量は、Glutomaticを用いるICC標準法No.155(AACC 38−12)によって測定される。この装置内で、少量の2% NaCl溶液(4.2〜4.8mL)と混合した小麦粉(10.0グラム)からドウが形成される。混合工程の20秒後、室温(〜22℃)において、〜70mL/分の流量で混合カップを通って送り出される2% NaCl溶液によって5分間洗浄しながら、ドウを連続して混練する。この洗浄工程中、デンプンを含有する洗浄水は回収され、グルテン粒子は、Glutomaticのふるいホルダー内でグルテンボールを形成する。
【0409】
グルテンの品質を、グルテンの凝集を評価することによって測定する。これは、小さいふるいを備える専用の遠心分離器で、グルテンボールを遠心分離することによってなされる。このふるいを通過するグルテン粒子の重量を測定し(小グルテン)、グルテンの総重量を測定する。グルテン指数は、(総湿潤グルテン−小湿潤グルテン)/総湿潤グルテンによって計算される。グルテンの凝集がより改善されるほど、小グルテン画分が小さくなり、グルテン指数が高くなる。理論的最大値が100%である高グルテン指数は、高品質のグルテンボールを示す。
【0410】
グルテン量の定量化のための別の値は、乾燥グルテン収率(%)である。この値は、総乾燥グルテン(g)を実験に使用した総乾燥粉末量で除することによって計算される。より多くの乾燥グルテンが回収されるほど、分離が良好である。この工業的検査法は、工業的に使用されるドウ分離プロセスをシミュレーションするために現在適応されている。
【0411】
使用量
好ましくは、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、キシラン含有材料(例えば、家畜飼料)中に、約500XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)〜約16,000XU/kg、より好ましくは約750XU/飼料(kg)〜約8000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)、好ましくは約1500XU/飼料(kg)〜約3000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)、好ましくは約2000XU/飼料(kg)〜約2500XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)、及び更により好ましくは約1000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)〜約4000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)の範囲で存在する。
【0412】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、キシラン含有材料(例えば、家畜飼料)中に、約500XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超、好適には約600XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超、好適には約700XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超、好適には約800XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超、好適には約900XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超、好適には約1000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超、好適には約2000XU/kg超、好適には約2500XU/kg超、好適には約3000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)超で存在する。
【0413】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、キシラン含有材料(例えば、家畜飼料)中に、約2000XU/kg〜約2500XU/kgの濃度で存在する。
【0414】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、キシラン含有材料(例えば、家畜飼料)中に、約16,000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)未満、好適には約8000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)未満、好適には約7000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)未満、好適には約6000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)未満、好適には約5000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)未満、好適には約4000XU/キシラン含有材料(例えば、飼料)(kg)未満で存在する。
【0415】
好ましくは、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、飼料添加剤組成物中に、約100XU/組成物(g)〜約320,000XU/g、より好ましくは約300XU/組成物(g)〜約160,000XU/組成物(g)、更により好ましくは約500XU/組成物(g)〜約50,000XU/組成物(g)、及び更により好ましくは約500XU/組成物(g)〜約40,000XU/組成物(g)の範囲で存在してよい。
【0416】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、飼料添加剤組成物中に、約100XU/組成物(g)超、好適には約200XU/組成物(g)超、好適には約300XU/組成物(g)超、好適には約400XU/組成物(g)超、好適には約500XU/組成物(g)超で存在する。
【0417】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、飼料添加剤組成物中に、約320,000XU/組成物(g)未満、好適には約160,000XU/組成物(g)未満、好適には約50,000XU/組成物(g)未満、好適には約40,000XU/組成物(g)未満、好適には約30000XU/組成物(g)未満で存在する。
【0418】
キシラナーゼ活性は、AZCL−アラビノキシラン(アズリン架橋小麦アラビノキシラン、例えば、Xylazymeタブレット、Megazyme)を基質として用い、pH5.0で測定したキシラナーゼ単位(XU)で表すことができる。エンド−(1−4)−β−D−キシラナーゼ(キシラナーゼ)による加水分解は、水溶性染色フラグメントをもたらし、この遊離速度(590nmにおける吸光度の上昇)は、酵素活性と直接的に関係し得る。キシラナーゼ単位(XU)は、McIlvaine緩衝液、pH5.0中、40°℃、反応時間5分間の標準的反応条件において、酵素標準品(Danisco Xylanase、Danisco Animal Nutritionから入手可能)と比較して判定する。
【0419】
標準酵素のキシラナーゼ活性は、pH5.3、50℃における、1分あたりのオート麦−スペルト−キシラン基質からの還元糖末端基の遊離量として測定する。還元糖末端基は3,5−ジニトロサリチル酸と反応し、反応生成物の形成が、540nmにおける吸光度の上昇として測定できる。酵素活性を、キシロース標準曲線(還元糖等価物)に対して定量する。1キシラナーゼ単位(XU)は、pH5.3、50℃において、1分あたり0.5μモルの還元糖等価物を遊離する標準酵素量である。
【0420】
一実施形態では、酵素は好適には上記のE.C.分類法により分類され、かつ1XUを定量するために本明細書において教示されるアッセイにおいて試験した場合に活性を有する酵素は、このE.C.分類法により命名される。
【0421】
好ましくは、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、小麦デンプン分離プロセスの混合工程においてドウ又は生地中に、約10mg/DSドウ又は生地(kg)(0.01kg/MT)〜約600mg/DS(kg)(0.60kg/MT)、より好ましくは約50mg/DS(kg)(0.05kg/MT)〜約45mg/DSドウ又は生地(kg)(0.45kg/MT)、及び更により好ましくは約100mg/DS(kg)(0.10kg/MT)〜約250mg/DSドウ又は生地(kg)(0.25kg/MT)の範囲内で存在する。
【0422】
いくつかの実施形態(特に小麦デンプン分離実施形態)では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、約0.019mg/DS小麦粉(kg)(0.019gタンパク質/DS(MT)に相当)〜約119mg/DS小麦粉(kg)(119gタンパク質/DS(MT)に相当)の範囲内で加えられてよく、このとき、DSは乾燥固体含量を意味し、MTはメートルトンを意味する。
【0423】
いくつかの実施形態(特に小麦デンプン分離実施形態)では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、約1.19mg/DS小麦粉(kg)(約1.19gタンパク質/DS(MT)に相当)で加えられてよく、このとき、DSは乾燥固体含量を意味し、MTはメートルトンを意味する。
【0424】
いくつかの実施形態(特に小麦デンプン分離実施形態)では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、約9〜約120000単位/小麦粉(kg)、好適には約500〜2400単位/小麦粉(kg)、好適には約900〜1200単位/小麦粉(kg)の範囲内で加えられてよい(このとき、1単位は、実施例4のバーチウッドアッセイ条件下で、1分あたり1マイクロモルのキシロース還元糖等価物を生じるのに要する酵素量として定義される)。
【0425】
いくつかの実施形態(特にグレイン系材料の分解)では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、約0.29mg/DS小麦(kg)(0.29g/タンパク質/DS(MT)に相当)〜約290mg/DS小麦(kg)(0290g/タンパク質/DS(MT)に相当)の範囲内で加えられてよい。
【0426】
いくつかの実施形態(特にグレイン系材料の分解)では、キシラナーゼは、2.9mg/DS小麦(kg)(2.9g/タンパク質/DS(MT)に相当)で加えられてよい。
【0427】
いくつかの実施形態(特にグレイン系材料の分解)では、キシラナーゼは、約22〜約285000単位/kg、好適には約1100〜約5700単位/kg、好適には約2200〜約2850単位/kgの範囲内で加えられてよい(このとき、1単位は、実施例4のバーチウッドアッセイ条件下で、1分あたり1マイクロモルのキシロース還元糖等価物を生じるのに要する酵素量として定義される)。
【0428】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、及び/又は、本発明による酵素を含む組成物は、1回投与型として設計されてよく、又は日常的に使用する(例えば給餌する)ために設計されてよい。
【0429】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、及び/又は本発明で使用される酵素を含む組成物の至適量は、処理される製品、及び/又は、製品を組成物と接触させる方法、及び/又は、これらの使用目的によって決まるであろう。
【0430】
組成物中で使用される、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントの量は、効果を示すのに十分な量でなくてはならない。
【0431】
組成物中で使用される、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントの量は、効果を示し、例えば、動物が食べた前記組成物を含有する飼料製品の性能改善の効果が十分に持続するために、十分な量でなくてはならない。このような有効時間の長さは、少なくとも製品(例えば、飼料添加剤組成物、又は飼料添加剤組成物を含有している飼料)が利用される時間だけ延長させるべきである。
【0432】
配合
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、液体、乾燥粉末、又は顆粒として配合されてよい。
【0433】
乾燥粉末又は顆粒は、トップスプレー式流動床コーター、ボトムスプレー式Wursterコーター又はドラム式造粒(例えば、高剪断造粒)、押出、パンコーティング又はマイクロミキサーなど、当業者に既知の手法により製造できる。
【0434】
いくつかの実施形態において、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、コーティング、例えば封入されてよい。
【0435】
一実施形態では、コーティングは熱から改変された酵素を保護し、熱保護材としてみなすことができる。
【0436】
一実施形態では、飼料添加剤組成物は、国際公開第2007/044968号(TPT顆粒と呼ばれる)又は同第1997/016076号又は同第1992/012645号(これらの各々が参照により本案件に組み込まれる)に記載の通り、乾燥粉末又は顆粒中に配合される。
【0437】
一実施形態では、飼料添加剤組成物は、コア、有効成分、及び少なくとも1つのコーティングを含む飼料組成物用の顆粒として配合されてよく、顆粒に含まれる有効成分は、a)飼料のペレット化プロセス、b)蒸気加熱した飼料の前処理プロセス、c)貯蔵、d)ペレット化していない混合物としての材料の貯蔵、及びe)微量ミネラル、有機酸、還元糖、ビタミン、塩化コリン、及び、酸性若しくは塩基性飼料ベースミックス又は飼料プレミックスをもたらす化合物から選択される少なくとも1種類の化合物を含む飼料ベースミックス又は飼料プレミックスとしての成分の貯蔵、のうちの1つ又はそれ以上から選択される条件後に、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%の活性を保持する。
【0438】
顆粒に関しては、少なくとも1つのコーティングは湿分水和材料を含み得る。この材料は顆粒の少なくとも55重量%を構成し、及び/又は少なくとも1つのコーティングには2つのコーティングが含まれ得る。2つのコーティングは、湿分水和コーティング及び防湿コーティングであってもよい。一部の実施形態では、湿分水和コーティングは顆粒の25重量%〜60重量%であってよく、防湿コーティングは顆粒の2重量%〜15重量%であってよい。湿分水和コーティングは、無機塩、スクロース、デンプン、及びマルトデキストリンから選択されてよく、かつ防湿コーティングは、ポリマー、ガム、乳清、及びデンプンから選択されてよい。
【0439】
顆粒は、飼料のペレット化プロセスにより製造してよく、飼料の前処理プロセスは、70℃〜95℃で、例えば85℃〜95℃で最大で数分間実施してよい。
【0440】
一実施形態では、飼料添加剤組成物は、コア、有効成分を含む動物用飼料用の顆粒として配合されてよく、顆粒の有効成分は、貯蔵後、及び蒸気加熱したペレット化プロセスの後に少なくとも80%の活性を保持しており、このとき顆粒は、成分、防湿コーティング、及び顆粒の少なくとも25重量%である湿分水和コーティングであり、顆粒は、蒸気加熱したペレット化プロセス前に0.5未満の水分活性を有する。
【0441】
顆粒はポリマー及びガムから選択される防湿コーティングを有してよく、湿分水和材料は無機塩であってよい。湿分水和コーティングは顆粒の25重量%〜45重量%であってよく、防湿コーティングは顆粒の2重量%〜10重量%であってよい。
【0442】
顆粒は、蒸気加熱したペレット化プロセスにより製造することができ、このペレット化プロセスは85℃〜95℃で最大で数分間実施することができる。
【0443】
いくつかの実施形態では、粉末デンプン又は石灰石などの希釈剤を用いて、酵素を希釈してよい。
【0444】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又は酵素を含む組成物は、消費するのに好適な液体配合物中にあり、好ましくはかかる液体消費物は、緩衝液、塩、ソルビトール及び/又はグリセロールのうち1つ又はそれ以上を含有する。
【0445】
別の実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又は酵素を含む組成物は、例えば挽いた小麦などの担体基質上に酵素を適用、例えば噴霧することによって配合されてよい。
【0446】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又は本発明による酵素を含む組成物は、プレミックスとして配合されてよい。例えば、プレミックスは1種類以上の飼料成分、例えば、1種類以上のミネラル及び/又は1種類以上のビタミンを含み得る。
【0447】
一実施形態では、本発明で使用するためのキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、マルトデキストリン、石灰岩(炭酸カルシウム)、シクロデキストリン、小麦又は小麦成分、スクロース、デンプン、Na
2SO
4、タルク、PVA、ソルビトール、安息香酸塩、ソルビン酸塩、グリセロール、スクロース、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グルコース、パラベン、塩化ナトリウム、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、カルシウム、メタ重亜硫酸塩、ギ酸塩、及びこれらの混合物のうち、少なくとも1つから選択される、少なくとも1つの生理学的に許容できる担体と共に配合される。
【0448】
パッケージ
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、及び/又はこれらを含む組成物(例えば、飼料添加剤組成物)、及び/又は本発明によるプレミックス及び/又は飼料若しくは家畜飼料はパッケージ化される。
【0449】
好ましい一実施形態では、飼料添加剤組成物及び/又はプレミックス及び/又は飼料又は家畜飼料は、袋、例えば紙袋によりパッケージ化される。
【0450】
代替的な実施形態では、飼料添加剤組成物及び/又はプレミックス及び/又は飼料又は家畜飼料は、容器に密閉され得る。任意の好適な容器を使用できる。
【0451】
形態
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又は、本発明の酵素及びその他成分を含む組成物(例えば、飼料添加剤組成物)、並びに/又はこれらを含む家畜飼料は、任意の好適な形態で使用されてよい。
【0452】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又はこれらを含む本発明の組成物(例えば、飼料添加剤組成物)は、固体又は液体製剤の形態、又はこれらの変形で使用されてよい。固体製剤例としては、粉末、ペースト、巨丸剤、カプセル、ペレット、タブレット、丸薬、カプセル、腔坐剤、溶液又は懸濁液、細粉、及び可溶性のもの、噴霧乾燥させたもの、又は凍結乾燥させものであり得る顆粒が挙げられる。液体製剤例としては、限定するものではないが、水溶液、有機溶液、又は有機溶媒水溶液、懸濁液、及び乳濁液が挙げられる。
【0453】
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントを含む組成物は、即時放出型、遅延放出型、放出調節型、持続放出型、パルス状放出型、制御放出型用途において、着香剤又は着色剤を含有してよい。
【0454】
例として、本発明の組成物が固体で、例えば、ペレット状で使用される場合、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム及びグリシンなどの賦形剤;デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、又はタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び特定のケイ酸塩複合体などの崩壊剤;ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン及びアカシアなどの造粒結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル及びタルクなどの潤滑剤のうち、1種類又はそれ以上を含有してもよい。
【0455】
成形の際に使用するにあたって栄養学的に許容できる担体例としては、例えば、水、塩溶液、アルコール、シリコーン、ワックス、ワセリン、植物油、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、リポソーム、糖類、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、界面活性剤、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペトロエトラル脂肪酸エステル(petroethral fatty acid esters)、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0456】
成形に好ましい賦形剤としては、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖、又は高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0457】
水懸濁液及び/又はエリキシル剤の場合には、本発明の組成物は、各種甘味料又は着香料、着色剤又は染料、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに希釈剤(例えば、水、プロピレングリコール及びグリセリン、及びこれらの組み合わせ)と組み合わせることができる。
【0458】
被検体
用語「被検体」は、本明細書で使用するとき、本発明による改変されたキシラナーゼ、又は本発明による飼料添加剤組成物、又は、本発明による前記飼料添加剤組成物を含む家畜飼料を、投与される又は投与されている動物を意味する。
【0459】
用語「被検体」は、本明細書で使用するとき、動物を意味する。
【0460】
一実施形態では、被検体は、例えば、家畜(livestock)、又は家畜(domesticated animal)(例えば、ペット)などの哺乳類、鳥類、魚類、又は甲殻類である。
【0461】
一実施形態では、「被検体」は家畜である。
【0462】
本明細書で使用するとき、用語「家畜」は、任意の飼育動物を指す。好ましくは、家畜は、ウシ(例えば、雌牛又は雄牛(仔牛を含む))などの反芻動物、家禽(ブロイラー、ニワトリ、及び七面鳥を含む)、小型豚(子ブタを含む)などの単胃動物、鳥類、水生動物、例えば魚類、無胃魚、有胃魚、サケ、タラ、マス及びコイ、例えば錦鯉などの淡水魚、シーバスなどの海水魚、並びにエビ、イガイ及びホタテなどの甲殻類)、ウマ(競走馬を含む)、ヒツジ(子ヒツジを含む)のうち、1種類又はそれ以上である。
【0463】
他の実施形態では、「被検体」は家畜又はペット又は動物園などの環境で飼育されている動物である。
【0464】
本明細書で使用するとき、用語「家畜又はペット又は動物園などの環境で飼育されている動物」は、イヌ科の動物(例えば、犬)、ネコ科の動物(例えば、猫)、げっ歯目(例えば、モルモット、ラット、マウス)、鳥類、魚類(淡水魚及び海産魚を含む)、並びに馬などの任意の関係性のある動物を指す。
【0465】
性能
本明細書で使用するとき、「動物性能」は、飼料効率及び/又は動物の体重増加により、並びに/あるいは飼料要求率により、並びに/あるいは飼料に含まれる栄養分の消化能力(例えば、アミノ酸の消化能力)及び/又は飼料に含まれるエネルギー又は代謝エネルギーの消化能力により、並びに/あるいは窒素保持により、並びに/あるいは動物が壊死性腸炎の悪影響を回避する能力により、並びに/あるいは被検体の免疫応答性により、決定することができる。
【0466】
好ましくは「動物性能」は、飼料効率及び/又は動物の体重増加により、並びに/あるいは飼料要求率により決定される。
【0467】
「動物性能の向上」により、本発明の飼料添加剤組成物を飼料に使用した場合に、前記飼料添加剤組成物を含有していない飼料と比較して、飼料効率の向上、及び/又は体重増加の向上、及び/又は飼料要求率の減少、及び/又は飼料に含まれる栄養分若しくはエネルギーの消化能力の向上、及び/又は窒素保持の向上、及び/又は被検体の免疫応答性の向上が得られることを意味する。
【0468】
好ましくは、「動物性能の向上」により、飼料効率の向上及び/又は体重増加の上昇及び/又は飼料要求率の減少が意味される。
【0469】
本明細書で使用するとき、用語「飼料効率」は、一定期間の間、動物に飼料を適宜又は規定量で給与した場合に生じる、飼料単位あたりの体重増加量を指す。
【0470】
「飼料効率の向上」は、本発明による飼料添加剤組成物を飼料に使用することで、飼料取り込み単位あたりの体重増加が、前記飼料添加剤組成物が含まれていないものを動物に給与したときと比較して向上していることを意味する。
【0471】
飼料要求率(FCR)
本明細書で使用するとき、用語「飼料要求率」は、体重を特定量だけ増加させるために動物に給与する飼料量を指す。
【0472】
飼料要求率の向上とは、飼料要求率が低くなることを意味する。
【0473】
「飼料要求率の減少」又は「飼料要求率の向上」は、飼料に飼料添加剤組成物を使用した場合に、動物の体重を特定量だけ増加させるために動物に給餌する必要のある飼料量が、かかる飼料添加剤組成物を含有していない飼料を同量使用した場合と比較して少なくなることを意味する。
【0474】
栄養素消化能力
本明細書で使用するとき、栄養素消化能力は、胃腸管又は胃腸管の特定の分節(例えば、小腸)から消失する栄養素の割合を意味する。栄養素消化能力は、被検体に投与した量と被検体の糞便に分泌された量、又は、被検体に投与した量と胃腸管の特定の分節、例えば回腸において消化物中に残存している量との差として測定することができる。
【0475】
栄養素消化能力は、本明細書で使用するとき、栄養素の摂取量と、一定期間の間排泄物を全て回収することによる排泄された栄養素量との差によって;又は、動物が吸収しない不活性マーカーの使用によって測定でき、胃腸管全体又は胃腸管の分節から消失する栄養素の量の算出が可能である。このような不活性マーカーとしては、二酸化チタン、酸化クロム、又は酸不溶性灰分が挙げられる。消化能は、飼料に含まれる栄養素の割合(%)として、又は飼料に含まれる栄養素の質量単位あたりの可消化栄養素の質量単位として、表すことができる。
【0476】
本明細書で使用するとき、栄養素消化能力は、デンプン消化能力、脂肪消化能力、タンパク質消化能力、及びアミノ酸消化能力を包含する。
【0477】
本明細書で使用するとき、「エネルギー消化率」は、飼料に含まれる総エネルギーから糞便に含まれる総エネルギーを減じるか、あるいは消費された飼料に含まれる総エネルギーから動物の胃腸管の特定の分節、例えば回腸に残存している総エネルギーを減じるかして算出された値を意味する。本明細書で使用するとき、「代謝エネルギー」は、見かけの代謝エネルギーを指し、消費された飼料に含まれる総エネルギーから、糞便、尿、及び消化に由来するガスに含まれる総エネルギーを減じた値を意味する。エネルギー消化率及び代謝エネルギーは、栄養素消化率の測定法と同様の方法を用い、飼料の代謝エネルギーを算出するために窒素排出について適切な補正を行って、摂取総エネルギーと、糞便に分泌された又は胃腸管の特定の分節に存在する消化物に残存する総エネルギーとの差として測定することができる。
【0478】
他の成分との組み合わせ
本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、他の成分と組み合わせて使用してよい。
【0479】
一実施形態では、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)又はそのフラグメントは、プロバイオティクス又は直接給与微生物(DFM)、例えば、直接給与細菌と組み合わせて使用してよい。
【0480】
本発明の組み合わせは、本発明のキシラナーゼ活性を有する酵素、例えば、GH10キシラナーゼ酵素(例えば改変されたGH10キシラナーゼ酵素)若しくはそのフラグメント、又はキシラナーゼを含む組成物、例えば、飼料添加剤組成物と、ヒト又は動物の消費に好適で、消費者に医学的又は生理学的効果をもたらすことが可能な別の成分と、を含む。
【0481】
一実施形態では、「別の成分」は、1種類又はそれ以上の更なる酵素(例えば、更なる飼料用酵素、又は醸造若しくは麦芽製造用酵素、又はグレイン加工用酵素、又は小麦グルテン−デンプン分離用酵素)であってよい。
【0482】
本発明で使用するのに好適な追加の酵素は、エンドグルカナーゼ(E.C.3.2.1.4);セロビオヒドロラーゼ(celliobiohydrolases)(E.C.3.2.1.91)、β−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.21)、セルラーゼ(E.C.3.2.1.74)、リケナーゼ(E.C.3.1.1.73)、リパーゼ(E.C.3.1.1.3)、脂質アシルトランスフェラーゼ(一般に、E.C.2.3.1.xに分類される)、ホスホリパーゼ(E.C.3.1.1.4、E.C.3.1.1.32、又はE.C.3.1.1.5)、フィターゼ(例えば、6−フィターゼ(E.C.3.1.3.26)若しくは3−フィターゼ(E.C.3.1.3.8))、アミラーゼ、α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、他のキシラナーゼ(E.C.3.2.1.8、E.C.3.2.1.32、E.C.3.2.1.37、E.C.3.1.1.72、E.C.3.1.1.73)、グルコアミラーゼ(E.C.3.2.1.3)、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62)若しくはバシロリシン(E.C.3.4.24.28)若しくはアルカリセリンプロテアーゼ(E.C.3.4.21.x)若しくはケラチナーゼ(E.C.3.4.x.x))、脱分枝酵素、クチナーゼ、エステラーゼ、及び/又は、マンナナーゼ(例えば、β−マンナナーゼ(E.C.3.2.1.78))からなる群から選択される、1種類又はそれ以上の酵素であってよい。
【0483】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、アミラーゼ(α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、G4形成アミラーゼ(E.C.3.2.1.60)、β−アミラーゼ(E.C.3.2.1.2)及びγ−アミラーゼ(E.C.3.2.1.3)を含む);並びに/又は、プロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62)若しくはバシロリシン(E.C.3.4.24.28)若しくはアルカリセリンプロテアーゼ(E.C.3.4.21.x)若しくはケラチナーゼ(E.C.3.4.x.x))、並びに/又は、フィターゼ(例えば、6−フィターゼ(E.C.3.1.3.26)若しくは3−フィターゼ(E.C.3.1.38))からなる群から選択される、1種類又はそれ以上の酵素であってよい。
【0484】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、
アミラーゼ(例えば、α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1))及びプロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62))の組み合わせであってよい。
【0485】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、β−グルカナーゼ、例えば、エンド−1,3(4)−β−グルカナーゼ(E.C.3.2.1.6)であってよい。
【0486】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、フィターゼ(例えば、6−フィターゼ(E.C.3.1.3.26)又は3−フィターゼ(E.C.3.1.38)であってよい。
【0487】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、マンナナーゼ(例えば、β−マンナナーゼ(E.C.3.2.1.78))であってよい。
【0488】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、リパーゼ(E.C.3.1.1.3)、脂質アシルトランスフェラーゼ(一般に、E.C.2.3.1.xに分類される)、又はホスホリパーゼ(E.C.3.1.1.4、E.C.3.1.1.32若しくはE.C.3.1.1.5)、好適にはリパーゼ(E.C.3.1.1.3)であってよい。
【0489】
一実施形態(特に飼料用途)では、他の成分は、プロテアーゼ(例えば、スブチリシン(E.C.3.4.21.62)又はバシロリシン(E.C.3.4.24.28)又はアルカリセリンプロテアーゼ(E.C.3.4.21.x)又はケラチナーゼ(E.C.3.4.x.x))であってよい。
【0490】
一実施形態では、追加の成分は、安定化剤又は乳化剤又は結合剤又は担体又は賦形剤又は希釈剤又は崩壊剤であってよい。
【0491】
本明細書で使用するとき、用語、「安定化剤」は、経時変化から製品(例えば、食品)を保護する成分又は成分の組み合わせとして定義される。
【0492】
本明細書で使用するとき、用語「乳化剤」は、エマルションの分離を予防する成分(例えば、食品成分)を指す。エマルションは、2種類の不混和性の物質のうちの他方が液滴形態で存在し、他方に含有されている状態を指す。エマルションは、液滴若しくは分散相が油であり、連続相が水である水中油型、又は、水が分散相になり、連続相が油である油中水型から構成されてよい。液中気体の状態である発泡体、及び液中固体の状態である懸濁液も、乳化剤を使用して安定化させることができる。
【0493】
本明細書で使用するとき、用語「結合剤」は、物理的又は化学的反応により製品を互いに結合させる成分(例えば、飼料成分)を指す。例えば、「ゲル化」中に水が吸収されることで、結合効果が得られる。しかしながら、結合剤は、油などの他の液体を吸収し、製品中に保持する場合もある。典型的には、本発明の文脈において、結合剤は、例えば、焼成製品、ペストリー、ドーナッツ、及びパンなどの、固体又は低湿分製品に使用されることになる。造粒結合剤の例としては:ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、マルトース、ゼラチン、及びアカシアのうちの1種類以上が挙げられる。
【0494】
「担体」は、酵素の投与に好適な材料を意味し、このような材料としては、例えば、当該技術分野で知られている任意の液体、ゲル、溶媒、液体希釈剤、又は可溶化剤などの任意の材料が挙げられる。これらの材料は、非毒性であり、かつ組成物に関係する任意の成分と有害な様式で相互作用しない。
【0495】
本発明は、本発明の酵素を、マルトデキストリン、石灰岩(炭酸カルシウム)、シクロデキストリン、小麦又は小麦成分、スクロース、デンプン、Na
2SO
4、タルク、PVA、ソルビトール、安息香酸塩、ソルビン酸塩、グリセロール、スクロース、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グルコース、パラベン、塩化ナトリウム、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、カルシウム、メタ重亜硫酸塩、ギ酸塩及びこれらの混合物から選択される、少なくとも1種類の生理学的に許容できる担体と混合することを含む、組成物(例えば、飼料添加剤組成物)の調製方法を提供する。
【0496】
「賦形剤」の例として、微結晶セルロース及びその他のセルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、グリシン、デンプン、乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールのうち、1種類又はそれ以上が挙げられる。
【0497】
「崩壊剤」の例として、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び特定のケイ酸塩複合体のうち、1種類又はそれ以上が挙げられる。
【0498】
「希釈剤」の例として、水、エタノール、プロピレングリコール及びグリセリン、並びにこれらの組み合わせのうち、1種類又はそれ以上が挙げられる。
【0499】
他の成分は、本発明のキシラナーゼに、同時に(例えば、これらを一緒に混合した場合、又は更には別の経路により送達した場合でも)、又は連続的に(例えば、これらを別の経路により送達した場合)使用できる。
【0500】
好ましくは、本発明の飼料添加剤組成物を他の成分と混合した場合にもDFMは生存活性を保持する。
【0501】
一実施形態では、好ましくは、本発明の飼料添加剤組成物はクロム又は有機クロムを含まない。
【0502】
一実施形態では、好ましくは、本発明の飼料添加物はグルカナーゼを含有しない。
【0503】
一実施形態では、好ましくは、本発明の飼料添加物はソルビン酸を含有しない。
【0504】
単離
一態様では、好ましくは本発明によるアミノ酸配列、又は核酸、又は酵素は、単離された形態である。用語「単離された」は、配列又は酵素又は核酸が、配列、酵素又は核酸は、天然で当然関連し、天然で観察される少なくとも1つの他の成分を少なくとも実質的に含まないことを意味する。本発明の配列、酵素又は核酸は、本来であればこの物質が関連付けられていたであろう1種類又はそれ以上の汚染物質を実質的に不含の形態で提供され得る。したがって、例えば、混入する可能性のある1種類以上のポリペプチド及び/又は核酸分子を実質的に含まない。
【0505】
精製
一態様では、好ましくは本発明による配列、酵素又は核酸は、精製された形態である。用語「精製」は、ある成分が高濃度で存在していることを意味する。その成分は、組成物中に存在する主成分として望ましいものである。好ましくは、酵素及び/又はDFMは、考慮中の総組成物に対し少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約98%の濃度で存在し、この濃度は、乾燥重量/乾燥重量基準で決定される。
【0506】
ヌクレオチド配列
本発明の範囲は、本明細書に定義される通りの特性を有するタンパク質をコードしているヌクレオチド配列を包含する。
【0507】
用本明細書で使用するとき、用語「ヌクレオチド配列」は、オリゴヌクレオチド配列又はポリヌクレオチド配列、並びに変異体、相同体、フラグメント、及びこれらの誘導体(これらの一部分など)を指す。ヌクレオチド配列は、ゲノム由来、合成由来、又は組み換え由来であってよく、センス鎖又はアンチセンス鎖に関わらず二本鎖又は一本鎖であり得る。
【0508】
本発明に関係する用語「ヌクレオチド配列」としては、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、及びRNAが挙げられる。好ましくはDNAを意味し、より好ましくは本発明をコードしているcDNA配列を意味する。
【0509】
一実施形態では、用語「ヌクレオチド配列」はcDNAを意味する。
【0510】
好ましい実施形態では、ヌクレオチド配列は、本発明の範囲それ自体に関係するとき、及び本発明の範囲それ自体に包含されるとき、天然の状態であるならば、及び同様にその天然の状態である天然に関連付けられる配列と結合しているならば、本発明によるネイティブなヌクレオチド配列を含有しない。参照しやすさのため、出願人らは、この好ましい実施形態のことを「非ネイティブなヌクレオチド配列」と呼ぶことにする。この観点で、用語「ネイティブなヌクレオチド配列」は、ネイティブな状態のヌクレオチド配列全長を意味し、かつ天然に関連付けられる完全なプロモーターに操作可能に連結させてある場合には、このプロモーターもネイティブな状態のものである。しかしながら、本発明の範囲により包含されるアミノ酸配列は、天然生物において、ヌクレオチド配列の発現後に単離及び/又は精製することができる。しかしながら、好ましくは、本発明の範囲内に包含されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列によりそのネイティブな生物において発現させることができるものの、本明細書では、ヌクレオチド配列は、生物内で天然に関連付けられるプロモーターの制御下にはない。
【0511】
典型的には、本発明の範囲内に包含されるヌクレオチド配列は、組み換えDNA技術を用い調製される(すなわち、組み換えDNA)。しかしながら、本発明の代替的な実施形態においては、ヌクレオチド配列は、当該技術分野において周知の化学的手法により、その全体又は一部を合成することができる(Caruthers MH et al.,(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 215〜23及びHorn T et al.,(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 225〜232参照)。
【0512】
ヌクレオチド配列の調製
本明細書に定義される通りの特性を有するタンパク質又は修飾に好適なタンパク質のいずれかをコードしているヌクレオチド配列は、このタンパク質を生産する任意の細胞又は生物から同定及び/又は単離及び/又は精製することができる。当該技術分野ではヌクレオチド配列の同定及び/又は単離及び/又は精製に関し各種手法が広く知られている。例えば、同定及び/又は単離及び/又は精製された好適な配列をより多量に調製するためには、PCRによる増幅法を使用できる。
【0513】
更なる例に関しては、酵素を産生する生物由来の染色体DNA又はメッセンジャーRNAを用い、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリを構築することができる。酵素のアミノ酸配列が既知のものである場合、標識したオリゴヌクレオチドプローブを合成し、これを用い、生物から作成したゲノムライブラリ由来のクローンをコードしている酵素を同定することもできる。別の方法としては、その他の既知の酵素遺伝子と配列相同性である、標識化したオリゴヌクレオチドプローブを使用して、クローンをコードしている酵素を同定することもできる。後者の場合、より低ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件及び洗浄条件が用いられる。
【0514】
別の方法としては、ゲノムDNA断片を、プラスミドなどの発現ベクターに挿入し、これにより得られるゲノムDNAライブラリにより、酵素の発現が陰性の細菌を形質転換させ、この形質転換させた細菌を、酵素用の基質(すなわち、アラビノキシラン)を含有している寒天プレートに播種することにより、酵素を発現しているクローンを同定することもできる。
【0515】
更に別の代替法では、酵素をコードするヌクレオチド配列を、確立された標準的方法、例えば、Beucage S.L.et al.,(1981)Tetrahedron Letters 22,p 1859〜1869に記載されるホスホラミダイト法、又はMatthes et al.,(1984)EMBO J.3,p 801〜805に記載される方法によって、合成的に調製できる。ホスホラミダイト法では、例えば、DNA自動合成装置によりオリゴヌクレオチドが合成され、精製され、アニーリングされ、適切なベクターにライゲーションされ、及びクローン化される。
【0516】
ヌクレオチド配列は、合成起点、ゲノム起点、又はcDNA起点(必要に応じて)の断片を、一般的な手法により連結することで調製される、ゲノム起点と合成起点の混合物、合成起点とcDNA起点の混合物、又はゲノム起点とcDNA起点の混合物、であってよい。ライゲートした各断片は、完全なヌクレオチド配列の各部位に対応する。DNA配列は、特異的なプライマーを用い、例えば、米国特許第4,683,202号又はSaiki R K et al.,(Science(1988)239,pp 487〜491)に記載のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により調製することもできる。
【0517】
アミノ酸配列
本発明の範囲には、本明細書に定義される通りの特性を有する酵素のアミノ酸配列も包含される。
【0518】
本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸配列」は、用語「ポリペプチド」及び/又は用語「タンパク質」と同義である。一部の例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「ペプチド」と同義である。一部の例では、用語「アミノ酸配列」は、用語「酵素」と同義である。
【0519】
アミノ酸配列は、好適な供給源から調製/単離することができ、あるいは合成することができ、あるいは組み換えDNA法により調製することができる。
【0520】
好ましくは、アミノ酸配列は、本発明の範囲それ自体に関係するとき、及び本発明の範囲それ自体に包含されるとき、ネイティブな酵素ではない。この点において、用語「ネイティブな酵素」は、そのネイティブな環境に存在し、かつネイティブなヌクレオチド配列により発現されたものである場合、完全な酵素を意味する。
【0521】
配列同一性又は配列相同性
本発明は、本明細書に定義される特性を有するポリペプチドのアミノ酸配列と、又はこのようなポリペプチドをコードしている任意のヌクレオチド配列と、ある程度の配列同一性又は配列相同性を有する、配列の使用も包含する(本明細書において、以降「相同性配列」として参照する)。本明細書において、用語「相同性」は、参照している配列が、対象とするアミノ酸配列及び対象とするヌクレオチド配列と一定の相同性を有することを意味する。本明細書において、用語「相同性」は、「同一性」と等しい。
【0522】
相同性アミノ酸配列及び/又はヌクレオチド配列は、機能活性を保持し及び/又は酵素活性を増大させるポリペプチドを提供及び/又はコードしなくてはならない。
【0523】
この文脈において、いくつかの実施形態では、相同性配列は、対象とする配列に対し、少なくとも97.7%同一、好ましくは少なくとも98又は99%同一であり得るアミノ酸又はヌクレオチド配列を包含する。
【0524】
いくつかの実施形態では、相同性配列は、対象とする配列に対し、少なくとも85%同一、好ましくは少なくとも90又は95%同一であり得るアミノ酸又はヌクレオチド配列を包含する。
【0525】
典型的には、相同体は、例えば対象とするアミノ酸配列と同様の活性部位などを含み得る。相同性は、類似度(すなわち、アミノ酸残基が類似する化学特性/機能を有する程度)の観点から考慮することもできるものの、本発明の文脈では、配列同一性の観点で相同性を表現するのが好ましい。
【0526】
一実施形態では、相同性配列は、対象とする配列と比較して、1つ又はいくつかの付加、欠失、及び/又は置換を有するアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を包含する。
【0527】
この文脈において、「対象とする配列」は、本発明によるヌクレオチド配列又はポリペプチド/アミノ酸配列に関する。
【0528】
好ましくは、ポリペプチド配列に関する配列同一性%は、対象とする配列として配列番号1を用いて、配列アライメント中で決定される。一実施形態では、ポリペプチドの対象とする配列は、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、又は配列番号5からなる群から選択される。
【0529】
好ましくは、ヌクレオチド配列に関する配列同一性%は、対象とする配列として配列番号2を用いて、配列アライメント中で決定される。一実施形態では、ヌクレオチド配列についての対象とする配列は、配列番号2、配列番号24、配列番号25、配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32又は配列番号33からなる群から選択されてよい。
【0530】
「親核酸」又は「親アミノ酸」は、それぞれ親ポリペプチドをコードしている核酸配列又はアミノ酸配列を意味する。
【0531】
一実施形態では、本発明は、そのアミノ酸配列が本明細書に示されるタンパク質、又は、親タンパク質のアミノ酸配列中のうち1つ若しくはいくつかのアミノ酸、例えば2、3、4、5、6、7、8、9つのアミノ酸、若しくはそれ以上のアミノ酸、例えば10個、若しくは10個を超えるアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加しており、親タンパク質の活性を有する、この(親)タンパク質由来のタンパク質に関する。
【0532】
好適には、アミノ酸配列に対する同一度は、少なくとも20個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも30個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも40個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも50個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも60個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも100個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも200個の連続するアミノ酸にわたって決定される。
【0533】
一実施形態では、本発明は、そのアミノ酸配列が本明細書に示されるタンパク質をコードする、又は、親タンパク質のアミノ酸配列中のうち1つ若しくはいくつかのアミノ酸、例えば2、3、4、5、6、7、8、9つのアミノ酸、若しくはそれ以上のアミノ酸、例えば10個、若しくは10個を超えるアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加しており、親タンパク質の活性を有する、この(親)タンパク質由来のタンパク質をコードする、核酸配列(又は遺伝子)に関する。
【0534】
この文脈において、一実施形態では、相同性配列又は外来配列は、本発明のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列(対象とする配列)と少なくとも97.7%同一である、好ましくは少なくとも98又は99%同一であり得る、ヌクレオチド配列を包含する。
【0535】
別の実施形態では、相同性配列は、本発明のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列(対象とする配列)と少なくとも85%同一である、好ましくは少なくとも90又は95%同一であり得る、ヌクレオチド配列を包含する。
【0536】
一般的には、相同性配列は、対象とする配列の活性部位などをコードする配列と同様の配列を含む。相同性は、類似度(すなわち、アミノ酸残基が類似する化学特性/機能を有する程度)の観点から考慮することもできるものの、本発明の文脈では、配列同一性の観点で相同性を表現するのが好ましい。
【0537】
相同性比較は、目視検査により実施することができ、あるいはより一般的には、容易に入手可能な配列比較プログラムの補助により実施することができる。これらの市販のコンピュータプログラムでは、2つ又はそれ以上の配列間の相同性%又は同一性%を算出することができる。
【0538】
相同性%又は同一性%は、連続する配列間で算出することができ、すなわち1つの配列を他の配列と整列させ、一方の配列に含まれる各アミノ酸を、他方の配列に含まれる対応するアミノ酸と一度に一残基ずつ直接比較することで算出することができる。この手法は「ギャップなし」アラインメントと呼ばれる。通常、このようなギャップなしアライメントは、残基数が比較的少ない場合にのみ実施される。
【0539】
この手法は非常に単純でかつ着実な手法であるものの、例えば、本来であれば同一である配列対において、1箇所に挿入又は欠失が入っている場合を考慮に入れることができず、以降のアミノ酸残基はアラインメントから除外されることになり、したがって、グローバルアラインメントを実施した場合に、相同性%又は同一性%が大幅に低下する可能性がある。これらを踏まえ、ほとんどの配列比較法は、全体的な相同性スコアに対して重すぎるペナルティを設けずに、可能性のある挿入及び欠失を考慮に入れ、最適なアラインメントを生成するよう設計されている。この手法は、配列アラインメント時に「ギャップ」を挿入して、局所的な相同性を最大化させることで実施される。
【0540】
しかしながら、これらのより複雑な手法は各ギャップに対して「ギャップペナルティ」を割り当てるものであり、同数の同一のアミノ酸に関し可能な限りギャップが少なくなる−比較する2つの配列間の関連性がより大きく反映される−ような配列アラインメントは、ギャップを多く含むアラインメントと比較してより高いスコアが付けられるようになる。「アフィンギャップコスト」は、一般的に用いられる手法であり、この手法では、ペナルティは、ギャップの伸長に対して比較的重く設定され、ギャップ中で続く各残基に対しては軽く設定される。この手法は、最も一般的に使用されているギャップスコアリング系である。当然のことながら、ギャップペナルティが高い場合には、ギャップ数がより少なくなるよう最適化されたアラインメントが得られることになる。ほとんどのアラインメントプログラムは、ギャップペナルティを変更することができる。しかしながら、アライメントの際にこのようなソフトウェアを用いる場合、デフォルト値を使用することが好ましい。
【0541】
したがって、最大相同性%又は同一性%を計算するには、第一にギャップペナルティを考慮に入れて最適アラインメントを行うことが必要とされる。このようなアラインメントを実施するのに好適なコンピュータプログラムはVector NTI(Invitrogen Corp.)である。配列比較を実行するソフトウェアの例としては、限定するものではないが、BLASTパッケージ(Ausubel et al 1999 Short Protocols in Molecular Biology,4th Ed−Chapter 18参照)、BLAST 2(FEMS Microbiol Lett 1999 174(2):247〜50;FEMS Microbiol Lett 1999 177(1):187〜8及びtatiana@ncbi.nlm.nih.gov参照)、FASTA(Altschul et al 1990 J.Mol.Biol.403〜410)、及びAlignXが挙げられる。例えば、GenomeQuest検索ツール(www.genomequest.com)などのオフライン及びオンライン検索(Ausubel et al 1999,pages 7−58〜7−60参照)には、少なくともBLAST、BLAST2及びFASTAを利用することができる。
【0542】
最終的な相同性%又は同一性%は、同一性の観点から評価され得るものの、アラインメント方法は、典型的には、全か無かの対比較に基づくものではない。その代わりに、一般的にはスケールを用いた類似性スコアマトリックスが用いられ、各一対比較に対し、科学的類似性又は進化距離に基づきスコアが割り当てられる。一般的に用いられるこのようなマトリックス例としては、BLOSUM62マトリックスが挙げられ、この場合、プログラムにはBLAST向けのデフォルトのマトリックスが適する。ベクターNTIプログラムには、概して、一般的なデフォルト値、又は提供された場合にはカスタムされたシンボル比較表のいずれかが用いられる(更なる詳細については使用者マニュアルを参照されたい)。一部の用途に関しては、ベクターNTIパッケージにはデフォルト値を用いることが好ましい。
【0543】
別の方法としては、相同性(%)は、CLUSTAL(Higgins DG & Sharp PM(1988),Gene 73(1),237〜244)に類似するアルゴリズムに基づき、ベクターNTI(Invitrogen Corp.)における多重配列アラインメントによる特性を用い、算出することができる。
【0544】
ソフトウェアにより最適アラインメントを生成すれば、相同性(%)、好ましくは配列同一性(%)を算出することができる。ソフトウェアは、典型的には、アライメントの一部としてこの算出を行い、計算結果を生成する。
【0545】
配列同一性を決定する場合にはギャップペナルティを用いるべきであり、好ましくは、ペアワイズアラインメントに関し以降のパラメータを用いる:
【0548】
一実施形態では、ギャップペナルティ及びギャップ伸長については上記の通りの設定を用い、CLUSTALを使用することができる。
【0549】
好適には、ヌクレオチド配列又はタンパク質配列に対する同一度は、少なくとも20個の連続するヌクレオチド/アミノ酸、好ましくは少なくとも30個の連続するヌクレオチド/アミノ酸、好ましくは少なくとも40個の連続するヌクレオチド/アミノ酸、好ましくは少なくとも50個の連続するヌクレオチド/アミノ酸、好ましくは少なくとも60個の連続するヌクレオチド/アミノ酸、好ましくは少なくとも100個の連続するヌクレオチド/アミノ酸にわたって決定される。
【0550】
好適には、ヌクレオチド配列に対する同一度は、少なくとも100個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも200個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも300個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも400個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも500個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも600個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも700個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも800個の連続するヌクレオチドにわたって決定される。
【0551】
好適には、ヌクレオチド配列に対する同一度は、本明細書で教示される配列全長にわたって決定することができる。
【0552】
好適には、ヌクレオチド配列に対する同一度は、成熟配列として本明細書で教示される配列全長、例えば、配列番号2又は配列番号24又は配列番号25又は配列番号4、配列番号30、配列番号31、配列番号6、配列番号32又は配列番号33にわたって決定することができる。好適には、ヌクレオチド配列に対する同一度は、配列番号2として本明細書で教示される配列全長にわたって決定することができる。
【0553】
好適には、タンパク質(アミノ酸)配列に対する同一度は、少なくとも100個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも200個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも300個の連続するアミノ酸にわたって決定される。
【0554】
好適には、アミノ酸又はタンパク質配列に対する同一度は、本明細書で教示される配列全長にわたって決定することができる。
【0555】
好適には、アミノ酸又はタンパク質配列に対する同一度は、成熟配列として本明細書で教示される配列全長、例えば、配列番号1、配列番号26、配列番号27、配列番号3、配列番号28、配列番号29、又は配列番号5にわたって決定することができる。好適には、アミノ酸又はタンパク質配列に対する同一度は、配列番号1として本明細書で教示される配列全長にわたって決定することができる。
【0556】
この文脈において、用語「クエリ配列」は、本発明の範囲に含まれるかどうかを確かめるため、対象とする配列と整列される相同性配列又は外来配列を意味する。その結果、かかるクエリ配列は、例えば、先行技術の配列、又は第三者の配列となる場合もある。
【0557】
1つの好ましい実施形態では、グローバルアライメントプログラムによって配列を整列し、配列同一性をプログラムによって同定された完全一致数を対象とする配列の長さで割って割り出すことによって計算する。
【0558】
一実施形態では、クエリ配列と対象とする配列との間の配列同一度は、1)2つの配列を任意の好適なアライメントプログラムによって、デフォルトのスコアマトリックス及びデフォルトのギャップペナルティを用いて整列し、2)完全一致数を割り出し(完全一致とは、アライメントプログラムが、アライメント中の特定の位置において2つの整列した配列中に同一のアミノ酸又はヌクレオチドを同定する場合)、3)完全一致数を対象とする配列の長さで除すことによって決定される。
【0559】
なお更なる好ましい実施形態では、グローバルアライメントプログラムは、CLUSTAL及びBLAST(好ましくはBLAST)からなる群から選択され、配列同一性をプログラムによって同定された完全一致数を対象とする配列の長さで割って割り出すことによって計算する。
【0560】
配列はまた、機能的等価物が得られるようなアミノ酸残基の欠失、挿入又は置換を有してもよい。残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性、及び/又は両親媒性における類似性に基づき、アミノ酸を意図的に置換してもよい。例えば、負に荷電したアミノ酸としてアスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられ;正に荷電したアミノ酸としてリシン及びアルギニンが挙げられ;類似する親水性価を有する非荷電性頭部を持つアミノ酸として、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、及びチロシンが挙げられる。
【0561】
例えば、以下の表に従い、保存的置換がなされてもよい。第2列の同一ブロックのアミノ酸、好ましくは、第3列の同一ラインのアミノ酸は、それぞれ他のものに置換されてもよい:
【0563】
本発明は、起こり得る相同置換(置換及び置き換えは両方とも本明細書で使用され、既存のアミノ酸残基を別の残基に入れ替えることを意味する)、すなわち、同種置換、例えば塩基性と塩基性、酸性と酸性、極性と極性なども包含する。非相同置換、すなわち、ある種類の残基から別の種類への置換も起こり得、あるいは、オルニチン(以降、Xと称する)、ジアミノブチル酸オルニチン(以降、Bと称する)、ノルロイシンオルニチン(以降、Oと称する)、ピリルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニン及びフェニルグリシンなどの非天然アミノ酸も含まれる。
【0564】
置き換えはまた、非天然アミノ酸により行われてもよく、これらには、α
*及びα−ジ置換
*アミノ酸、N−アルキルアミノ酸
*、乳酸
*、天然アミノ酸のハロゲン化誘導体、例えばトリフルオロチロシン
*、p−Cl−フェニルアラニン
*、p−Br−フェニルアラニン
*、p−I−フェニルアラニン
*、L−アリル−グリシン
*、β−アラニン
*、L−α−アミノ酪酸
*、L−γ−アミノ酪酸
*、L−α−アミノイソ酪酸
*、L−ε−アミノカプロン酸
#、7−アミノヘプタン酸
*、L−メチオニンスルホン
*、L−ノルロイシン
*、L−ノルバリン
*、p−ニトロ−L−フェニルアラニン
*、L−ヒドロキシプロリン
#、L−チオプロリン
*、フェニルアラニン(Phe)のメチル誘導体、例えば4−メチル−Phe
*、ペンタメチル−Phe
*、L−Phe(4−アミノ)
#、L−Tyr(メチル)
*、L−Phe(4−イソプロピル)
*、L−Tic(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸)
*、L−ジアミノプロピオン酸及びL−Phe(4−ベンジル)
*が挙げられる。記号
*は、(相同又は非相同置換に関して)上記目的のために使用されており、誘導体の疎水性を示し、一方#を使用して誘導体の親水性を示し、#
*は両親媒性示す。
【0565】
変異体のアミノ酸配列は、アルキル基(例えば、メチル、エチル、又はプロピル基)を含む配列の任意の2つのアミノ酸残基の間で挿入され得る適当なスペーサー基の他にアミノ酸スペーサー残基(例えば、グリシン又はβ−アラニン残基)が含まれ得る。変異体のその他の形態が、ペプトイド形態の1種類以上のアミノ酸残基の存在に関与することは、当業者に十分に理解されるだろう。誤解を避けるため、「ペプトイド形態」により、変異体アミノ酸残基(ここで、α−炭素置換基は、残基のα−炭素ではなくむしろ窒素原子上にある)を指す。ペプトイド形態のペプチドを調製するプロセスは、当該技術分野(例えば、Simon RJet al.,PNAS(1992)89(20),9367〜9371及びHorwell DC,Trends Biotechnol.(1995)13(4),132〜134)において既知である。
【0566】
一実施形態では、本発明で使用するためのキシラナーゼは、少なくとも1つのアミノ酸の保存的置換を有する、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、又は配列番号21で示されるポリペプチド配列を含んでよい。
【0567】
好適には、少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つの保存的置換があってよい。
【0568】
好適には、15個未満の保存的置換、例えば12個未満、10個未満、又は8つ未満、又は5つ未満の保存的置換があってよい。
【0569】
本発明で使用するためのヌクレオチド配列は、その範囲内に、合成ヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドが包含され得る。オリゴヌクレオチドに対する多数の異なる種類の修飾が、当該技術分野において知られている。これらの修飾としては、メチルホスホネート及びホスホロチオエート骨格、及び/又は分子の3’及び/又は5’末端でのアクリジン又はポリリジン鎖の付加が挙げられる。本発明の目的のため、本明細書において記載されるヌクレオチド配列が、当該技術分野で利用可能な任意の方法により修飾されてもよいことは理解されるべきである。かかる修飾は、本発明のヌクレオチド配列のin vivo活性又は寿命を増すために行われてもよい。
【0570】
本発明はまた、本明細書において示される配列に相補的なヌクレオチド配列、又は任意の誘導体、フラグメント又はこれらの誘導体も包含する。配列がこれらの断片に相補的である場合、この配列は、他の生物おいて、類似のコード配列を同定するためのプローブなどとして用いることができる。
【0571】
本発明の配列に対し100%相同ではないものの、本発明の範囲内にあるポリヌクレオチドは、多数の方法で得ることができる。本明細書に記載される配列の他の変異体は、様々な個体(例えば、異なる集団由来の個体)から作成したDNAライブラリを探索することにより、得てもよい。加えて、他の相同体を得てもよく、かかる相同体及びそのフラグメントは一般に、本明細書の配列リストに示される配列に選択的にハイブリダイズ可能であろう。かかる配列は、他の動物種から作成したcDNAライブラリ、又は他の動物種由来のゲノムDNAライブラリを探索することにより、及びかかるライブラリを、添付の配列表の配列のいずれか1つの全長又は一部を比較するプローブを用いて、中程度に厳密な条件から非常に厳密な条件下で探索することにより、得てもよい。同様の考察を、本発明のポリペプチド又はヌクレオチド配列の種相同体及びアレル変異体を得ることに適用する。
【0572】
変異体及び株/種相同体はまた、本発明の配列内の保存アミノ酸配列をコードする変異体及び相同体内の標的配列を標的にするよう設計されたプライマーを用いる縮重PCRを用いて得てもよい。保存配列は、例えば、いくつかの変異体/相同体由来のアミノ酸配列を整列させることにより予測することができる。配列アラインメントは、当該技術分野において既知のコンピューターソフトウエアを用いて行うことができる。例えば、GCG Wisconsin PileUpプログラムが広く用いられる。
【0573】
縮重PCRにおいて用いられるプライマーは1箇所以上に縮重を含有しており、既知の配列に対し単一の配列プライマーを用いて配列をクローニングする際に用いられる条件よりも厳密度の低い条件で用いられるであろう。
【0574】
あるいは、かかるポリヌクレオチドは、特徴付けられる配列を部位特異的変異誘導することにより得てもよい。このような変異誘導は、例えば、ポリヌクレオチド配列を発現している特定の宿主細胞に関し、好ましいコドン最適化を行う際に、サイレントコドン配列変化が必要とされる場合に有用である。他の配列変化が、制限酵素認識部位を導入するため、又はポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの特性又は機能を変えるために所望されている場合もある。
【0575】
本発明のポリヌクレオチド(ヌクレオチド配列)を用いて、プライマー(例えば、PCRプライマー、別の増幅反応のためのプライマー)、プローブ(例えば、放射性又は非放射性標識を用い、従来の手法により示される標識で標識されている)を生成してもよく、又はポリヌクレオチドをベクターにクローニングしてもよい。かかるプライマー、プローブ、及び他の断片は、少なくとも15個、好ましくは、少なくとも20個、例えば、少なくとも25、30又は40個のヌクレオチド長であり、本明細書において用いられる本発明の用語「ポリヌクレオチド」にも包含される。
【0576】
本発明のポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチド)及びプローブは、組み換えにより、合成により、又は当業者に利用可能な任意の手段により作成されてもよい。それらはまた、標準的技術によりクローン化されてもよい。
【0577】
一般に、プライマーは、所望の核酸配列のヌクレオチドを一度に1つずつ合成する段階的製造を包含する合成方法により作成される。自動技術を用いてこれを行う技術は、当該技術分野において容易に利用できる。
【0578】
より長いポリヌクレオチドは、一般的に、組み換え法(例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術)を用いて作成される。増幅させたDNAを適当なクローニングベクターにクローン化することができるように、プライマーは、適当な制限酵素認識部位を含有するよう設計されてもよい。
【0579】
アミノ酸番号
本発明では、本発明で使用されるキシラナーゼ中のアミノ酸残基位置における特定の番号を使用してよい。試料キシラナーゼのアミノ酸配列を、本発明のキシラナーゼ(特に配列番号1)と整列することにより、前記試料キシラナーゼのアミノ酸残基位置に、本発明の配列番号1に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基の位置、つまり番号と対応する番号を割り当てることができる。
【0580】
ハイブリダイゼーション
本発明は、本発明の核酸配列に対する相補的配列、あるいは本発明の配列又は本発明の配列に相補的な配列のいずれかとハイブリダイズし得る配列に対する相補的配列、も包含する。
【0581】
本明細書で使用するとき、用語「ハイブリダイゼーション」には、「核酸鎖が塩基対形成により相補鎖と結合する工程」、並びにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で実施される増幅工程を包含するものとする。
【0582】
本発明は、本明細書において示す配列に相補的な配列に対してハイブリダイズし得るヌクレオチド配列、又は任意のフラグメント、又はこれらの誘導体の使用も包含する。
【0583】
用語「変異体」は、本明細書において示すヌクレオチド配列に対してハイブリダイズし得る配列に相補的な配列も包含する。
【0584】
好ましくは、用語「変異体」は、ストリンジェントな条件下(例えば、50℃かつ0.2×SSC{1×SSC=0.15M NaCl、0.015M Na
3クエン酸塩、pH7.0})で、本明細書に示すヌクレオチド配列とハイブリダイズし得る配列に相補的な配列を包含する。
【0585】
より好ましくは、用語「変異体」は、高ストリンジェンシー条件(例えば、65℃かつ0.1×SSC{1×SSC=0.15M NaCl、0.015M Na
3クエン酸塩、pH7.0})で、本明細書に示すヌクレオチド配列とハイブリダイズし得る配列に相補的な配列を包含する。
【0586】
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列(本明細書に示されるものの相補配列を含む)ハイブリダイズできるヌクレオチド配列の使用に関する。
【0587】
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列(本明細書に示されるものの相補配列を含む)ハイブリダイズできる配列に相補的なヌクレオチド配列の使用に関する。
【0588】
好ましくはハイブリダイゼーションは、本明細書で教示される配列全長にわたって解析される。
【0589】
酵素の発現
本発明で使用するためのヌクレオチド配列は、複製可能な組み換えベクターに組み込むことができる。ベクターを用いて、タンパク質/酵素形態で、及び/又は適合性のある宿主細胞において、ヌクレオチド配列を複製し、発現させることができる。
【0590】
コントロール配列、例えば、制御配列を用いて発現を制御できる。
【0591】
ヌクレオチド配列を発現させることで宿主組み換え細胞により産生されるタンパク質は、用いる配列及び/又はベクターによって、分泌させるか、又は細胞内に含有させることができる。コード配列は、特定の原核生物又は真核生物の細胞膜を介して、基質コード配列の分泌を指示する、シグナル配列を考慮して設計することができる。
【0592】
発現ベクター
用語「発現ベクター」は、in vivo又はin vitroで発現可能な構築物を意味する。
【0593】
好ましくは、発現ベクターは、適当な宿主生物のゲノムに組み込まれる。用語「組み込み」は、好ましくは、ゲノムへの安定的な組み込みを対象とする。
【0594】
本発明のヌクレオチド配列は、ベクター内に存在させてよく、ベクター内では、ヌクレオチド配列は、適当な宿主生物によりヌクレオチド配列を発現させるために提供することができる制御配列に、作動可能に連結されている。
【0595】
本発明において用いるベクターにより、後述の適当な宿主細胞を形質転換させて、本発明のポリペプチドを発現させてもよい。
【0596】
ベクター(例えば、プラスミド、コスミド、又はファージベクター)の選択は、多くの場合、ベクターを導入する宿主細胞によって異なる。
【0597】
本発明において用いるベクターは、1種類又はそれ以上の選択可能なマーカー遺伝子、例えば、抗生物質耐性(例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性)を付与する遺伝子を含有してもよい。あるいは、選択は、同時形質転換(国際公開第91/17243号に記載される)により行われてもよい。
【0598】
ベクターは、例えば、RNAの産生のため、in vitroで用いられてもよく、又は宿主細胞を遺伝子導入、形質転換、形質導入又は感染させるために使用してもよい。
【0599】
したがって、更なる実施形態では、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を複製可能なベクターに導入し、このベクターを適合性のある宿主細胞に導入し、ベクターの複製をもたらす条件下で宿主細胞を増殖させることによる、本発明のヌクレオチド配列を作製する方法を提供する。
【0600】
ベクターには、対象とする宿主細胞中でのベクターの複製を可能にするヌクレオチド配列を更に含有させることもできる。かかる配列例としては、プラスミドpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1及びpIJ702の複製起点が挙げられる。
【0601】
制御配列
一部の用途では、本発明において用いるヌクレオチド配列は、例えば、選択した宿主細胞によりヌクレオチド配列を発現させることのできる制御配列に、作動可能に連結させる。例えば、本発明は、かかる制御配列に作動可能に連結させた本発明のヌクレオチド配列を含むベクターを対象とする(すなわち、ベクターは発現ベクターである)。
【0602】
用語「作動可能に連結させた」は、記載の配列を、この連結により、企図された様式で機能させることができるよう、配列が並置されていることを意味する。コード配列に「作動可能に連結させた」制御配列は、制御配列に適した条件下でコード配列を発現させることのできるような方法でライゲーションさせる。
【0603】
用語「制御配列」は、プロモーター及びエンハンサー並びにその他の発現制御シグナルを含む。
【0604】
用語「プロモーター」は、当該技術分野で一般的な意味、例えば、RNAポリメラーゼ結合部位で用いられる。
【0605】
本発明の酵素をコードしているヌクレオチド配列の発現は、異種制御領域(例えば、プロモーター、分泌リーダー及び終結領域)の選択に応じ増強させることもできる。
【0606】
好ましくは、本発明によるヌクレオチド配列は、少なくともプロモーターに作動可能に連結されている。
【0607】
本発明のポリペプチドの直接発現に、別のプロモーターも使用できる。
【0608】
細菌、真菌、又は酵母宿主におけるヌクレオチド配列の転写を検出するのに適当なプロモーターの例は、当該技術分野において周知である。
【0609】
好適な宿主における発現を確実にするため、又は発現を増やすための特徴部を、プロモーターに追加的に含めてもよい。例えば、特徴部は、プリブノーボックス又はTATAボックスなどの保存領域であってよい。
【0610】
構築物
用語「構築物」(「複合体」、「カセット」及び「ハイブリッド」などの用語と同義である)は、プロモーターに直接的又は間接的に連結している、本発明による使用のためのヌクレオチド配列を含む。
【0611】
間接的な接着の例としては、イントロン配列(例えば、Sh1イントロン又はADHイントロン)を本発明のプロモーター及びヌクレオチド配列間に介在させるなど、適当なスペーサー基を提供することが挙げられる。直接的又は間接的接着を含む、本発明に関連する用語「融合させた」についても同様である。一部の場合では、用語は、天然環境にあるとき、通常であれば野生型遺伝子プロモーターと関連するタンパク質をコードしているヌクレオチド配列の、天然にみられる組み合わせを対象としない。
【0612】
構築物は、更に、遺伝子構築物の選別を可能にするマーカーを含有するか、又は発現するものであってもよい。
【0613】
いくつかの用途において、好ましくは本発明の構築物は、プロモーターに作動可能に連結された少なくとも本発明のヌクレオチド配列を含む。
【0614】
宿主細胞
本発明に関連して用語「宿主細胞」は、上述のヌクレオチド配列又は発現ベクターのいずれかを含み、本明細書に記載される固有の特性を有するタンパク質の組み換え産生において用いられる、任意の細胞を含む。
【0615】
一実施形態では、生物は発現宿主である。
【0616】
したがって、本発明の更なる実施態様は、本発明のタンパク質を発現するヌクレオチド配列により形質転換又は形質移入した宿主細胞を提供する。細胞は、前記ベクターに適合するように選択され、例えば、原核(例えば、細菌)、真菌、又は酵母細胞であってもよい。
【0617】
適当な細菌宿主生物の例は、グラム陽性又はグラム陰性細菌種である。
【0618】
一実施形態では、本明細書で教示されるキシラナーゼは、発現宿主であるトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)において発現される。
【0619】
いくつかの実施形態では、本明細書で教示されるキシラナーゼの発現宿主は、真菌発現宿主であるフサリウム(Fusarium)種(例えばフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum));アスペルギルス(Aspergillus)種(例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、A.オリザエ(A. oryzae)、A.ニデュランス(A. nidulans)、又はA.アワモリ(A. awamori))又はトリコデルマ(Trichoderma)種(例えば、T.リーゼイ(T. reesei))のうち、1種類又はそれ以上であってよい。
【0620】
いくつかの実施形態では、発現宿主は、細菌発現宿主であるストレプトマイセス(Streptomyces)種又はバチルス(Bacillus)種(例えば、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)又はB.リケニフォルミス(B. licheniformis))のうち、1種類又はそれ以上であってよい。
【0621】
好適な宿主細胞(例えば、酵母、及び真菌宿主細胞)を使用することで、本発明の組み換え発現産物に対して最適な生物学的活性を与えるために必要とされ得る、翻訳後修飾(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、トランケーション、脂質化、及びチロシン、セリン又はスレオニンリン酸化)が提供され得る。
【0622】
生物
本発明に関連する用語「生物」は、本発明によるポリペプチド及び/若しくはそれから得られる産物をコードするヌクレオチド配列、並びに/又は、生物中に存在するとき、本発明によるヌクレオチド配列の発現を可能にできるプロモーターを含み得る、任意の生物を包含する。
【0623】
一実施形態では、生物は発現宿主である。
【0624】
適当な生物として、原核生物、真菌、酵母又は植物が挙げてよい。
【0625】
本発明に関連する用語「遺伝子導入生物」は、本発明によるポリペプチド及び/若しくはそれから得られる産物をコードするヌクレオチド配列、並びに/又は、生物内の本発明によるヌクレオチド配列の発現を可能にできるプロモーターを含む、任意の生物を包含する。好ましくは、ヌクレオチド配列は、生物のゲノムに組み込まれる。
【0626】
用語「遺伝子導入生物」は、天然の環境にある天然のプロモーターの制御下であるとき、天然の環境にある天然のヌクレオチドコード配列を対象としない。
【0627】
したがって、本発明の遺伝子導入生物は、本発明によるポリペプチド、本発明による構築物、本発明によるベクター、本発明によるプラスミド、本発明による細胞、本発明による組織、又はこれらの産物をコードするヌクレオチド配列のうち任意の1つ、又はこれらの組み合わせを含む、生物を包含する。
【0628】
例えば、遺伝子導入生物は、異種プロモーターの制御下で、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も含んでよい。
【0629】
宿主細胞/生物の形質転換
先に示されるように、宿主生物は原核生物又は真核生物であり得る。好適な原核生物宿主の例として、E.コライ(E. coli)、ストレプトマイセス(Streptomyces)種、及びバチルス(Bacillus)種、例えば、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)が挙げられる。
【0630】
原核生物宿主の形質転換についての教示は、当該技術分野において十分に説明されている(例えば、Sambrooket al(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd edition,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)参照)。原核生物宿主を用いる際、ヌクレオチド配列は、例えば、イントロンを取り除くなど、形質転換前に適当に改変させることが必要である場合もある。
【0631】
糸状菌細胞は、当該技術分野において既知の種々の方法(例えば、プロトプロストの形成、及びプロトプロストの形質転換、続く、既知の方法での細胞壁の再生成に関与する過程)を用いて、形質転換されてもよい。宿主微生物としてのアスペルギルス(Aspergillus)の使用は、欧州特許第0 238 023号に記載されている。
【0632】
原核細胞、真菌及び酵母の形質転換は一般に、当業者に周知である。
【0633】
宿主生物は、真菌、例えばカビであってよい。かかる宿主の好適な例として、トリコデルマ(Trichoderma)属(例えば、T.リーゼイ(T. reesei))、サーモマイセス(Thermomyces)属、アクレモニウム(Acremonium)属、フサリウム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillium)属、ムコール(Mucor)属、ニューロスポラ(Neurospora)属などに属する任意のメンバーが挙げられる。
【0634】
一実施形態では、宿主生物は真菌であり得る。1つの好ましい実施形態では、宿主生物は、トリコデルマ(Trichoderma)属、例えば、T.リーゼイ(T. reesei))に属する。
【0635】
培養及び産生
本発明のヌクレオチド配列で形質転換させた宿主細胞は、コードしているポリペプチドの産生につながり、かつ細胞及び/又は培養培地からポリペプチドの回収を容易にする条件下で培養されてもよい。
【0636】
細胞を培養するために用いられる培地は、対象とする宿主細胞を増殖し、ポリペプチドを発現させるのに好適な、任意の通常培地であってもよい。
【0637】
組み換え細胞により産生されるタンパク質は、細胞表面に提示されてもよい。
【0638】
タンパク質は、宿主細胞から分泌されてもよく、周知の手法を用いて、培養培地から簡便に回収されてよい。
【0639】
分泌
多くの場合、タンパク質は、発現宿主から培養培地へ分泌され、この培養培地からより容易にタンパク質を回収することができるようなものであることが所望される。本発明によると、分泌リーダー配列は、所望の発現宿主に基づき、選択されてもよい。ハイブリッドシグナル配列はまた、本発明に関連して用いられてもよい。
【0640】
大規模適用
本発明の1つの好ましい実施形態では、大規模適用においてアミノ酸配列が使用される。
【0641】
好ましくは、宿主生物の培養後、1g/リットル〜約100g/リットルの合計細胞培養液量で、アミノ酸配列が産生される。
【0642】
好適には、宿主生物の培養後、30g/リットル〜約90g/リットルの合計細胞培養液量で、アミノ酸配列が産生されてよい。
【0643】
一般的なDNA組み換え技術
本発明は、別途記載のない限り、当業者が可能な範囲である、化学、分子生物学、微生物学、組み換えDNA及び免疫学に関する、従来の技術を採用する。このような技術は文献に説明されている。例えば、J.Sambrook,E.F.Fritsch,and T.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Books 1〜3,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.et al.(1995及び定期的追補;Current Protocols in Molecular Biology,ch.9,13,and 16,John Wiley & Sons,New York,N.Y.);B.Roe,J.Crabtree,and A.Kahn,1996,DNA Isolation and Sequencing:Essential Techniques,John Wiley & Sons;M.J.Gait(Editor),1984,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,Irl Press;並びに、D.M.J.Lilley and J.E.Dahlberg,1992,Methods of Enzymology:DNA Structure Part A:Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology,Academic Pressを参照されたい。これらの一般的なテキストはそれぞれ、参考として本明細書に組み込まれる。
【0644】
ここで本発明を、以下の図及び実施例を参照して、ほんの一例として説明する。
【実施例】
【0645】
(実施例1)
材料及び方法
プラスミド及びライブラリ作成
糸状菌フサリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticilloides)由来のキシラナーゼ4(GH10ファミリー)、FveXyn4のコード領域を含むDNA配列を、attB1及びattB2部位を伴って延びる遺伝子特異的プライマーによって、ゲノムDNAから増幅し、pDonor221ベクター(Invitrogen,USA)へのGateway(登録商標)BP組み換えクローニングを可能にした。供給業者のBaseClear(Netherlands)及びGeneart GmH(Germany)による、
図20に示されるpEntry−FveXyn4プラスミドを、コンビナトリアルライブラリ作成のテンプレートとして用いた。
【0646】
FveXyn4の変異体を、コンビナトリアルライブラリとして、又は、特異的突然変異の導入によって作成し、表1に示される突然変異のうち、様々な数及び組み合わせを含むように設計した。変異体A、B、C、D、及びE及び実施例12の変異体は、全てこれらの変異体に含まれていた。
【0647】
Gateway(登録商標)組み換え法(Invitrogen,USA)とディスティネーションベクターpTTTpyr2(
図21)によって、コンビナトリアル変異体を作成した。異なる変異を有するXyn4を発現する、得られた発現プラスミドpTTTpyr2−FveXyn4_VARを、エシェリキア・コライ(Escherichia coli)DH5a株で増幅し、精製し、配列決定し、96MTPにそれぞれ配置し、詳述のような真菌の形質転換に使用した。発現ベクターは、目的の遺伝子の強力な誘導発現を可能にするT.リーゼイ(T. reesei)cbhIのプロモーター及びターミネーター領域、ウリジン非存在下において、アセトアミドを含む最小培地で形質転換体を増殖させるアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)amdS及びT.リーゼイ(T. reesei)pyr2の選択マーカーを含有している。このプラスミドは、T.リーゼイ(T. reesei)由来のテロメア領域によって、真菌細胞中で自律的に維持される。複製プラスミドを使用すると、形質転換の頻度を増加させ、真菌の組み込み形質転換で観察される部位依存的発現の問題を回避する。
【0648】
フサリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticilloides)キシラナーゼXyn4のゲノム配列中に、de novo遺伝子合成(GeneArt GmbH,Germany)によって特異的突然変異を導入した。次に、Gateway組み換え法(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を用いて、ディスティネーションベクターであるpTTT−pyr2に、供給業者によって合成変異体をクローニングした。
【0649】
真菌株、増殖培地、及び形質転換
PEG−プロトプラスト法を用いて、発現プラスミド(5〜10μL)により、主要なセルラーゼ及びキシラナーゼ2を欠損したT.リーゼイ(T. reesei)株(Δcbh1 Δcbh2 Δegl1 Δegl2 Δegl3 Δegl4 Δegl5 Δegl6 Δbgl1 Δman1 Δxyn2 Prdiv:iRNAxyn1 xyn3:amdS pyr2−)を形質転換させた。更に、xyn1及びxyn3の発現を同時に停止させることと目的とするiRNA干渉カセットを宿主株ゲノム中に導入することにより、バックグラウンドの内因性キシラナーゼ1及び3の追加的下方制御を達成した。全てのハイスループット形質転換は、Biomek robots(Beckman Coulter,USA)を用いて、24ウェルMTP形式にてロボットにより行った。供給業者から、予め定めたレイアウトで配置された96ウェルMTPに変異体を含むプラスミドを受領した。合計量50μLに、約1μgのDNA及び5×10
6個のプロトプラストを含む形質転換混合物を、1倍容量の1.2Mソルビトール/10mM Tris、pH7.5/10mM CaCl
2溶液で希釈した、25% PEG溶液200μLで処理し、ロボットにより24ウェルMTPに再配置し、1Mソルビトール及び10mM NH4Clを含む3%アガロース最小培地1mLと混合した。形質転換体の増殖後、各ウェルから胞子をプールし、選択圧を加えるためにアセトアミドを含むMMを有する新しい24ウェルMTPに再パッチした。胞子形成後、胞子を回収し、産生用培地(37g/Lグルコース、1g/Lソホロース、9g/Lカザミノ酸(casmino acids)、10g/L(NH
4)
2SO
4、5g/L KH
2PO
4、1g/L CaCl
2×2H
2O、1g/L MgSO
4×7H
2O、33g/L1,4−ピペラジンビス(プロパンスルホン酸)、pH5.5、2.5mL/Lの400×T.リーゼイ(T. reesei)微量元素(175g/Lクエン酸、200g/L FeSO4×7H
2O、16g/L ZnSO4×7H
2O、3.2g/L CuSO4×5H
2O、1.4g/L MnSO4×H
2O、0.8g/Lホウ酸))中で、24ウェルMTP形式又は振盪フラスコのいずれかにおける液体培地への接種に使用した。1mLの産生用培地を加え、24ウェルMTPにおいて変異体を産生させた。振盪フラスコでは、容量をスケールアップした。
【0650】
プレートを、28℃及び湿度80%にて、200rpmで撹拌しながら、6日間増殖させた。培養上清を真空濾過によって回収し、これらの性能並びに発現レベルのアッセイに用いた。
【0651】
ラージスケール産生では、6リットルのオートクレーブ可能なContinuers Stirred Reactor内での発酵を行った。振盪フラスコに胞子を接種し、振盪フラスコ用培地(5g/L(NH
4)
2SO
4、4.5g/L KH
2PO
4、1g/L MgSO
4×7H
2O、14.4g/Lクエン酸×1H
2O、1g/L CaCl
2×2H
2O、27.5g/Lグルコース、消泡剤1滴(EROL DF 6000K))中で、28℃にて3日間撹拌しながらインキュベートした。pHをNaOH(2M)で5.5に調整し、培地を122℃で20分間オートクレーブした。冷却後、2.5mL/Lの400×T.リーゼイ(T. reesei)微量元素(175g/Lクエン酸、200g/L FeSO4×7H
2O、16g/L ZnSO4×7H
2O、3.2g/L CuSO4×5H
2O、1.4g/L MnSO4×H
2O、0.8g/Lホウ酸)を加えた。振盪フラスコの細胞を用いて、バイオリアクター用培地(4.7g/L KH
2PO
4、1g/L MgSO
4×7H
2O、4.3g/L(NH
4)
2SO
4、45g/Lグルコース、0.7g/L CaCl
2×2H
2O、0.3g/L消泡剤(EROL DF 6000K)、2.5mL/Lの400×T.リーゼイ(T. reesei)微量元素(175g/Lクエン酸、200g/L FeSO4×7H
2O、16g/L ZnSO4×7H
2O、3.2g/L CuSO4×5H
2O、1.4g/L MnSO4×H
2O、0.8g/Lホウ酸))を含むバイオリアクターに接種した。温度を34℃に制御し、20%水酸化アンモニウムを加えることによって、pHを継続的に制御した。撹拌速度を変化させることによって、溶存酸素を最低40%の飽和度に制御した。オフガスの二酸化炭素及び酸素含量を測定した。最初のグルコースが枯渇したとき、グルコース/ソホロースの一定補給を開始した。同時に、温度を下げて28℃に制御し、pHを4.5にしてその値で制御した。140時間後に発酵を終了した。タンクからブロスを取り出し、濾過によって細胞を除去した。細胞分離後、限外濾過によって濾液を濃縮した。最後に、濃縮液を滅菌濾過し、ペレット化安定性試験に使用した。
【0652】
酵素試料
以下に記載するキシラナーゼ活性測定法を使用して、MTPの培養上清のキシラナーゼ活性を測定した。培養上清を、25mM酢酸ナトリウム、250mM NaCl、pH4.0で、20倍及び130倍に希釈した。25μLの希釈した酵素試料を、150μLの0.5%WE−AX基質、pH5.0と混合し、30°℃で15分間撹拌しながらインキュベートした。インキュベーション後、45.4μLの反応試料を135μLのPAHBAH実用液と混合し、95°℃で5分間インキュベートし、その後20°℃で10秒間冷却した。100μLの試料をマイクロタイタープレートのウェルに移し、プレートを410nmで読み取った。
【0653】
活性を、酵素の代わりに25mM酢酸ナトリウム、250mM NaCl、pH4.0を含むブランクを差し引いて、3回繰り返し実験の平均値として計算した。試料のタンパク質濃度は、精製したFveXyn4(配列番号1)の標準曲線に基づいて計算した。全ての試料を、25mM酢酸ナトリウム、250mM NaCl、pH4.0で50ppmに希釈した。以下に記載するアッセイにおいて、これらの標準化試料を酵素ストック液として使用した。
【0654】
酵素ストック液のタンパク質濃度は、以下に記載するようにHPLCによって測定した。
【0655】
ラージスケール産生から滅菌濾過した濃縮液のキシラナーゼ活性を、以下の活性アッセイによって測定した。0.5gの各濃縮液を100mLのメスフラスコ内で秤量し、McIlvaine緩衝液、pH5.0でメスアップした。試料を、McIlvaine緩衝液、pH5.0を用いて約6XU/mLに希釈した。100μLの希釈飼料を、試験管内の1mLのMcIlvaine緩衝液、pH5.0に加え、40℃で2分間平衡化した。Xylazymeタブレット(100mg)を加えて反応を開始し、試料を40℃で10分間インキュベートして、その後、10mLの2% Tris、pH12.0を加えて反応を停止した。この溶液をボルテックスを用いて混合し、5分間放置し、再度混合した後、3500rpmで10分間遠心分離した。上清の590nmにおける吸光度を測定した。各試料の測定を2回繰り返した。キシラナーゼ活性を、酵素標準品(Danisco Xylanase、Danisco Animal Nutritionから入手)と比較して定量した。
【0656】
基準酵素Econase(登録商標)XTは市販されており、市販の乾燥製剤試料から抽出した。市販のEconase(登録商標)XT乾燥製剤試料のキシラナーゼ成分を、McIlvain緩衝液、pH5.0を用いて、33%(w/w)スラリー中で抽出した。抽出物を、遠心分離(3000RCF、10分間)を用いて澄明にし、PALL Acrodisc PFシリンジフィルター(0.8/0.2μmのSuporメンブレン)を用いて濾過し、続いて70℃で20分間加熱した。遠心分離(38724RCF、15分間)によって沈殿物を除去した後、20mMクエン酸Na、20mM NaCl、pH3.4で平衡化したSephadex G25カラム(PD10、Pharmacia)を通して、緩衝液を交換した。Source 15S樹脂を用いてキシラナーゼ成分を精製し、その後、直線的に増加する塩勾配(NaCl/20mMクエン酸Na緩衝液、pH3.4)で溶出した。
【0657】
Econase XT(登録商標)は、ABVistaから入手可能な、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)RF5427(CBS 114044)株によって産生されるエンド−1,4−β−キシラナーゼ(EC 3.2.1.8)である。
【0658】
タンパク質濃度を、280nmでの吸光度を測定することによって決定した。アミノ酸配列から吸光係数を推定した。Econase XTでは、1mg/mLの280nmでの吸光度は、2.84AUと計算された。
【0659】
HPLCによるタンパク質定量
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)タンパク質測定法には、100μLの酵素ストック液を、約50ppm/ウェルの濃度で含むMTP(Agilent Part no.5042−1385)を使用した。Acuity UPLC BEH 125 SEC(Waters)カラムを備えたAgilent 1260又は1290(Hewlett Packard)HPLCを用いて、残存する汚染物質を分離した。250mM塩化ナトリウムを含む25mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.8を用いて、試料をカラムから溶出した。一体型のChemStationソフトウェア(Agilent Technologies)を用いて220nmでの吸光度を測定し、試料のタンパク質濃度を、配列番号1のアミノ酸配列を有する精製FveXyn4タンパク質/酵素の標準曲線に基づいて決定した。
【0660】
キシラナーゼ活性の測定
酵素試料のキシラナーゼ活性を、加水分解した小麦WE−AX(水抽出性アラビノキシラン)から遊離される還元糖量を測定することによって決定した。還元糖量はPAHBAH法で測定した。簡潔に言うと、熱及びアルカリ条件によって、還元性末端基が無色のPAHBAH(4−パラ−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド)と反応し、これによってPAHBAHが酸化され、410nmでの吸光度が測定される(Lever,1972)。
【0661】
0.25gの可溶性小麦アラビノキシラン(例えば、Megazyme、高粘度〜43cSt、P−WAXYH)を2.5mLの96%エタノールで湿らせ、その後50mLの0.1M酢酸ナトリウム、pH5.0を加えることによって、0.5% WE−AX基質、pH5.0を調製した。規準活性測定をpH5.0で実施した。別のpH値での測定は、50mLの0.1M酢酸ナトリウム、pH5.0を指定の緩衝液で置き換えた。撹拌しながら溶液を沸騰するまで加熱し、撹拌しながらRTまで冷却した。
【0662】
0.5M HCl中5% PAHBAH(4−ヒドロキシベンズヒドラジド、例えば、Sigma−Aldrich H9882)ストック液を0.5M NaOHと1:4(v/v)の比で混合することによって、PAHBAH実用液を調製した。溶液は測定日に調製し、遮光した。
【0663】
測定前に、酵素試料を、指定の緩衝液で1μg/mLの濃度に希釈した。25μLの希釈した酵素試料を、150μLの0.5% WE−AX基質、pH5.0と混合し、30℃で15分間撹拌しながらインキュベートした。インキュベーション後、45.4μLの反応試料を135μLのPAHBAH実用液と混合し、95℃で5分間インキュベートし、その後20℃で10秒間冷却した。100μLの試料をマイクロタイタープレートのウェルに移し、プレートを410nmで読み取った。
【0664】
活性を、酵素の代わりに適当な希釈緩衝液を含むブランクを差し引いて、3回繰り返し実験の平均値として計算した。
【0665】
熱安定性測定法
FveXyn4変異体の熱変成特性は、酵素試料を25mMのMES緩衝液(0.00125% Tween 80−25mM MES緩衝液、pH6.0、0.00125%(V:V)Tween 80)、pH6.0で希釈し、10分間、様々な温度(それぞれ、66、66.7、68.2、70.6、73.5、76.8、79.7、81.9、83.5、84.6、及び85℃)で予備インキュベートし、その後、上記キシラナーゼ活性法によって残留活性を測定することによって、測定した。予備インキュベーションをせずに測定した活性を100%とし、それぞれの変異体のそれぞれの温度における残留活性を相対的に算出した。Tm値は、熱変成特性から、50%の残留活性が得られる温度として算出する。
【0666】
pH特性
FveXyn4変異体のpH特性は、pH4.0、5.0及び6.0における活性を測定することによって調べた。本質的には上記キシラナーゼ活性法に記載されるように、活性を測定した。pH4.0、5.0又は6.0における活性のため、酵素試料を、それぞれ測定前に0.1M酢酸Na、pH4.0、0.1M酢酸Na、pH5.0、0.1% BSA(例えば、Sigma A7906)、又はMcIlvaine緩衝液、pH6.0で希釈した。pH4.0及び6.0の0.5% WE−AX基質は、0.5% WE−AX基質、pH5.0について記載するように調製したが、0.1M酢酸ナトリウム、pH5.0を、0.1M酢酸Na、pH4.0又はMcIlvaine緩衝液、pH6.0にそれぞれ置き換えた。全てのデータを、pH5.0におけるFveXyn4に対して計算する。
【0667】
ペントサン可溶化(AXinsol可溶化)
FveXyn4変異体によるペントサン可溶化測定に使用する基質は、トウモロコシDDGS及び小麦ふすまとした。粒径<212μmのcDDGS又は小麦ふすま100mgを2mLのエッペンドルフチューブに移し、正確な重量を記録した。750μLのインキュベーション緩衝液(200mM HEPES、100mM NaCl、2mM CaCl
2、pH6.0)及び900μLのクロラムフェニコール(インキュベーション緩衝液中40μg/mL)を加えた。酵素量を足して加え、合計量を1.8mLにした。
【0668】
対照試料(酵素なし)と並行して、各試料を2回測定した。試料を40℃で撹拌しながらインキュベートした。18時間のインキュベーション後、上清を、96ウェルのフィルタープレート(Pall Corporation、AcroPrep 96 Filter Plate、1.0μmガラス、NTRL、1mLウェル)を用いて濾過した。濾過後、C5糖、アラビノース及びキシロースの総量について分析するまで、試料を4℃で保管した。
【0669】
C5糖(ペントサン)の定量
溶液中に産生されたペントースの総量を、連続フローインジェクション装置によってRouau and Surget(1994)の方法を用いて測定した。上清を酸で処理し、多糖を単糖に加水分解した。モノペントース及びモノヘキソースとの反応のためにフロログルシノール(1,3,5−トリヒドロキシベンゼン)を加え、着色複合体を形成させた。
【0670】
510nmと比較した550nmでの吸光度の差を測定することによって、標準曲線を用いて溶液中のペントース量を計算した。ペントース−フロログルシノール複合体とは異なり、ヘキソース−フロログルシノール複合体の吸光度はこれらの波長では一定である。グルコースをフロログルシノール溶液に加えて一定のグルコースシグナルをもたらし、更にヘキソース糖による干渉がないようにした。試料中のペントース濃度をキシロース標準曲線を用いて求めた。
【0671】
in vitro動物モデルアッセイにおける粘度低下
Bedford & Classen(1993 Poultry Sci.,72,137〜143)に記載の手順の変法を用いて、小麦での粘度低下を測定した。3.6mLのペプシン溶液(0.1N HCl中2000U/mL)を2.4gの小麦と混合し、次に指定量のキシラナーゼ(FveXyn4変異体)を加え、その後、40℃で45分間インキュベートした。続いて、1.2mLのパンクレアチン溶液(1M MES、pH6.8中8mg/mL)をスラリー中に混合し、最終pHを6.0にした。30及び60分後、この試料を混合しながら40℃で60分間インキュベートさせた。次に、試料を氷上に5分間置いて反応を停止し、3320RCFで10分間遠心分離し、その後、0.45μmのフィルターを通して濾過し、澄明な上清を得た。続いて、CPE−40コーンとプレートを付けたBrookfieldデジタル粘度計(model DV−I+、Brookfield Engineering Laboratories,Stoughton,MA 02172,USA)を用いて、試料粘度を20℃で測定した。3回繰り返した各データ点を平均する。
【0672】
ペレット化安定性
Technological Institute,Kolding,Denmarkにおいて、ペレット化実験を実製造ラインで実施した。滅菌濾過したそれぞれのキシラナーゼ濃縮液を小麦に配合し、トウモロコシ/大豆飼料ミックス(61.1%トウモロコシ、31.52% Hipro Soya 48、4.00%大豆油、0.40%重炭酸ナトリウム、0.25%ビタミン/ミネラルLeghennen、0.20% DL−メチオニン、1.46%リン酸二カルシウム、1.16%石灰岩)に混合した。小麦に配合したキシラナーゼ変異体を10kgのトウモロコシ/大豆飼料ミックスに混ぜ入れ、10分間混合することによってプレミックスを調製した。次に、このプレミックスを120kgの飼料に加え、コンディショニング前に10分間混合した。ペレット化に先立ち、飼料を90及び95℃において30秒間コンディショニングした。マッシュ及び得られた飼料ペレットをPerten実験用ミルを用いて粉砕し(全ての試料を同様に粉砕することが重要である)、その後、小麦由来のアズリン架橋アラビノキシラン(例えば、Xylazymeタブレット、Megazyme,Ireland)を基質として用いて、以下に記載の抽出法又はスラリー法のいずれかで試料中のキシラナーゼ活性を測定した。
【0673】
抽出法:5.0gの粉砕試料を50mLのMcIlvaine緩衝液、pH5.0と混合し、電磁撹拌機で10分間撹拌した。抽出物を、ガラス繊維フィルターを通して濾過し、50mLのMcIlvaine緩衝液、pH5.0で3〜6倍に希釈した。100μLの希釈抽出物を400μLのMcIlvaine緩衝液、pH5.0と混合し、50℃で2分間平衡化した。Xylazymeタブレット(60mg)を加えて反応を開始し、試料を50℃で60分間インキュベートして、その後、5mLの2% Tris、pH12.0を加えて反応を停止した。この溶液をボルテックスを用いて混合し、5分間放置し、再度混合した後、3500rpmで10分間遠心分離した。上清の590nmにおける吸光度を測定した。各試料の測定を2回繰り返した。
【0674】
ブランク(酵素なし)マッシュ及び90℃の飼料にキシラナーゼ変異体をそれぞれ使用することによって作製されたキシラナーゼ標準曲線を用いて、キシラナーゼ活性を定量した。それぞれの小麦配合キシラナーゼをMc Ilvaine緩衝液、pH5.0内で10分間抽出し、160XU/mLの濃度を得た。この抽出物をガラス繊維フィルターを濾過し、その後、0、200、400、600、800、及び1000μLの抽出物を、粉砕したブランクマッシュ及び90℃の飼料である5.0gの試料に加えた。これらの標準試料のキシラナーゼ活性を上記抽出法に記載するように測定した。各標準曲線を1度作製した。
【0675】
スラリー法:1.0gの粉砕試料を50mLのMcIlvaine緩衝液、pH5.0と混合し、50℃の水浴中で電磁撹拌機において2分間撹拌した。Xylazymeタブレット(100mg)を加えて反応を開始し、試料を、50℃で20分間(変異体Bについては30分間)撹拌しながらインキュベートした。インキュベーション後、試料をガラス繊維フィルターを通して濾過し、590nmにおける上清の吸光度を測定した。各試料の測定を2回繰り返した。
【0676】
ブランクマッシュ飼料(酵素なし)に対する各キシラナーゼ変異体について作製したキシラナーゼ標準曲線を用いて、キシラナーゼ活性を定量した。それぞれの小麦配合キシラナーゼをMc Ilvaine緩衝液、pH5.0内で10分間抽出し、30XU/mLの濃度を得た。この抽出物をガラス繊維フィルターを濾過し、その後、0、200、400、600、800、及び1000μLを、粉砕したブランクマッシュ飼料である1.0gの試料に加えた。これらの標準試料のキシラナーゼ活性を上記スラリー法に記載するように測定した。標準曲線を1度作製した。
【0677】
マッシュ飼料における回復率を100%とし、90及び95℃の飼料の残留活性をそれに対して計算した。
【0678】
結果及び考察
骨格キシラナーゼFveXyn4に対する以下の重要な5種類の変異体について、同定を実施した。
【0679】
図11に示されるように、5種類の変異体は全て、基準/親分子であるFveXyn4よりも非常に熱安定性が高かった。
【0680】
例えば飼料用途に使用されるキシラナーゼにとって重要な生物化学的特性及び性能的特性について、変異体の特徴を更に確認し、これらの変異体が、熱安定性であり、かつ良好な性能/生物化学的活性を有するものであると判定した。
【0681】
【表5】
【0682】
図11は、FveXyn4と比較した、5種類の変異体A、B、C、D、及びEのTm値を示す。Tm値は、10分間のインキュベーション後、50%の残留活性が得られる温度として測定する。
【0683】
図12は、pH4.0、5.0及び6.0において測定した5種類の変異体のpH特性を示し、全てのデータはpH5.0での野生型に対するものである。5種類の変異体全てが、例えば、飼料用途での使用に適するpH特性を有している。
【0684】
図13a及び13bは、5種類の変異体による、それぞれトウモロコシDDGS及び小麦ふすまからのペントサン可溶化に対する用量反応曲線を示す。5種類の変異体全てが、DDGS及び小麦ふすまの両方からのアラビノキシラン(ペントサン)の高い可溶化能を示し、全てがwt分子と同程度であった。5種類の変異体全てが、例えば動物用飼料での使用に非常に好適である。
【0685】
図14は、実施例1に教示される「in vitro動物モデルアッセイにおける粘度低下」での粘度低下を示す。5種類の変異体全てが、高い粘度低下能を示し、全てがwt分子と同程度であり、基準としたEconase XTより非常に優れていた。
【0686】
図15は、90及び95℃におけるペレット化後の飼料中キシラナーゼの回復を示す。5種類の変異体全てが高いペレット化後キシラナーゼ回復率を示し、野生型より極めて高かった。
【0687】
(実施例2)
フサリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticillioides)骨格(親)キシラナーゼ(FveXyn4)のクローニング
フサリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticillioides)株から単離されたゲノムDNAを、キシラナーゼ遺伝子の増幅に使用した。クローニングした遺伝子(FveXyn4遺伝子と呼ぶ)の配列を、配列番号2に示す。FveXyn4遺伝子によりコードされる成熟タンパク質を配列番号1に示す。遺伝子FveXyn4のタンパク質産物は、PFAM検索(http://pfam.sanger.ac.uk/)によると、グリコシルヒドロラーゼファミリー10(GH10)に属している。
【0688】
(実施例3)
FveXyn4骨格(親)タンパク質の発現
FveXyn4遺伝子を、フサリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticillioides)のゲノムDNAから、Primer 1 5’−caccATGAAGCTGTCTTCTTTCCTCTA−3’(配列番号22)、及びPrimer 2 5’−TTTTTAGCGGAGAGCGTTGACAACAGC−3’(配列番号23)のプライマーを用いて増幅した。PCR産物をpENTR/D−TOPOベクター(Invitrogen K2400)にクローニングし、FveXyn4 pEntryプラスミドを作製した。発現プラスミドpZZH254をGatewayから入手し、FveXyn4pEntryプラスミドとpTrex3gM発現ベクター(米国特許出願公開第2011/0136197 A1号)において、Gateway(登録商標)LR Clonase(登録商標)II酵素キット(Invitrogen 11791)を用いてクローニング反応させた。プラスミドpZZH254のマップを
図16に示す。FveXyn4遺伝子の配列はDNA塩基配列決定法により確認した(配列番号2)。パーティクル・ガン法(Te’o VS et al.,J Microbiol Methods,51:393〜9,2002)を使用して、プラスミドpZZH254により、4つの遺伝子が欠失したトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)株(国際公開第05/001036号に記載)を形質転換させた。
【0689】
配列確認後、4つの遺伝子が欠失したT.リーゼイ(T. reesei)株(国際公開第05/001036号に記載)のプロトプラストを、PEGプロトプラスト法(Penttila et al,Gene,61:155〜164,1987)を用いて、発現プラスミドpZZH254で形質転換した。プロトプラスト調製物は、トリコデルマ(Trichoderma)最小培地MM(20g/Lグルコース、15g/L KH
2PO
4、pH4.5、5g/L(NH
4)2SO
4、0.6g/L MgSO
4×7H
2O、0.6g/L CaCl
2×2H
2O、1mLの1000×T.リーゼイ(T. reesei)微量減少溶液(175g/L無水クエン酸、200g/L FeSO
4×7H
2O、16g/L ZnSO
4×7H
2O、3.2g/L CuSO
4、1.4g/L MnSO
4×H2O、及び0.8g/Lホウ酸)中で、24℃で約10時間胞子を増殖させた。発芽胞子を遠心分離によって回収し、真菌細胞壁を溶解するため、30℃、100rpmにおいて、30mg/mLのVinoflow FCE(Novozymes,AG Switzerland)溶液で7時間から一晩かけて処理した。プロトプラストを0.6Mソルビトールを含む0.1M Tris HCl緩衝液(pH7)で洗浄し、1.2Mソルビトール及び10mM塩化カルシウムを含む10mM Tris HCl緩衝液(pH7.5)に再懸濁した。PEG形質転換のため、合計200μLの、約1μgのDNA及び1〜5×10
7個のプロトプラストを、2倍容量の1.2Mソルビトール/10mM Tris、pH7.5/10mM CaCl
2溶液で希釈した2mLの25% PEG溶液で処理した。形質転換体を、アセトアミドを唯一の窒素源として含む培地(アセトアミド0.6g/L;塩化セシウム1.68g/L;グルコース20g/L;リン酸二水素カリウム15g/L;硫酸マグネシウム七水和物0.6g/L;塩化カルシウム二水和物0.6g/L;硫酸鉄(II)5mg/L;硫酸亜鉛1.4mg/L;塩化コバルト(II)1mg/L;硫酸マンガン(II)1.6mg/L;寒天20g/L;pH4.25)で選択した。形質転換されたコロニー(約50〜100個)は約1週間で現れた。アセトアミドプレート上で増殖させた後、胞子を回収し、再度アセトアミドプレート上で選択した。5日後、10%グリセロールを用いて胞子を回収し、1×10
8個の胞子を、タンパク質発現用のグルコース/ソホロース合成培地を30mL入れた250mLの振盪フラスコに接種した。タンパク質発現をSDS−PAGEで確認した。胞子懸濁液を、続いて、7Lの発酵槽において、60%グルコース−ソホロース栄養素を含む合成培地中で増殖させた。グルコース/ソホロース合成培地(1リットルあたり)は、(NH
4)2SO
4を5g、PIPPS緩衝液を33g、カザミノ酸を9g、KH
2PO
4を4.5g、CaCl
2(無水)を1g、MgSO
4.7H
2Oを1gを含み、50%NaOHでpHを5.5に調整し、Milli−Q H
2Oで966.5mLにする。滅菌後、26mLの60%グルコース/ソホロース、及び400×T.リーゼイ(T. reesei)用微量金属2.5mLを加えた。
【0690】
7L発酵槽の培地を濃縮した培養液から、2種類のクロマトグラフィーカラムを用いてFveXyn4を精製した。1M硫酸アンモニウムを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0で緩衝化した濃縮培養液を、疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム(Sepharose Phenyl FF,26/10)にかけた。平衡化/洗浄緩衝液から20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.0までの直線勾配を利用して、カラムからタンパク質を溶出した。FveXyn4タンパク質を含む画分をゲル濾過カラム(HiLoad Superdex 75 pg 26/60)にかけ、使用した移動相を、0.15M NaClを含む20mMリン酸ナトリウム、pH7.0とした。精製タンパク質を、3K Amicon Ultra−15装置を用いて濃縮し、濃縮したタンパク質画分を更なる実験に使用した。
【0691】
FveXyn4遺伝子のヌクレオチド配列を配列番号24として示す。シグナル配列を太字(大文字)で示し、予測されるイントロンを太字かつ小文字で示す。
【0692】
FveXyn4タンパク質のアミノ酸配列を配列番号26として示す。SignalP−NNソフトウェアによって予測されたシグナル配列を下線で示す。これは、プレプロタンパク質である。
【0693】
FveXyn4タンパク質の成熟型のアミノ酸配列を配列番号1として示す。これは、酵素の活性型である。配列番号27は、プロタンパク質、すなわち、翻訳後修飾前のものを示す。宿主によって、翻訳後修飾が変わる場合があり、そのため本発明は、配列番号27の成熟型、活性型も包含する。
【0694】
(実施例4)
FveXyn4(親キシラナーゼ)のキシラナーゼ活性
FveXyn4は、グリコシルヒドロラーゼ10ファミリー(GH10、CAZy番号)に属する。FveXyn4のβ1−4キシラナーゼ活性を、1%のバーチウッド由来キシラン(Sigma 95588)又は、1%の小麦粉由来アラビノキシラン(Megazyme P−WAXYM)を基質として用いて測定した。アッセイは、50mMクエン酸ナトリウム、pH5.3、0.005% Tween−80緩衝液中で、50℃にて10分間実施した。
【0695】
3,5−ジニトロサリチル酸との反応と、540nmでの吸光度測定によって、遊離された還元糖を定量した。酵素活性を、キシロース標準曲線に対して定量する。このアッセイでは、1キシラナーゼ単位(U)は、本アッセイ条件下で、1分あたりに1マイクロモルのキシロース還元糖等価物を生成するのに要する酵素量として定義する。
【0696】
(実施例5)
FveXyn4(親キシラナーゼ)の温度特性
50mMクエン酸ナトリウム緩衝液、pH5.3中で、10分間40℃〜75℃の様々な温度におけるキシラナーゼ活性を測定することによって、精製FveXyn4(親酵素)の至適温度を決定した。この活性を、至適温度での活性を100%とした場合の相対活性として報告した。FveXyn4の温度特性を
図17に示す。FveXyn4の至適温度は60℃であることがわかり、45℃〜64℃で最大活性の70%超を維持していることがわかった。
【0697】
(実施例6)
(例えば、バイオ燃料製造における)グレイン系材料中の粘度低下
小麦粘度低下
欧州の燃料アルコール業界では、小麦、大麦及びライ麦などの小グレインが一般的な原材料であり、対して米国では主にトウモロコシが使用される。これらの小グレインは、デンプンの次に、セルロース、β−グルカン及びヘミセルロースなどの非デンプン多糖類ポリマー(NSP)を、高濃度に含有する。
【0698】
異なるNSPが存在する割合は、材料によって異なる。表1は、いくつかの他の原材料と比較した、小麦、大麦及びライ麦中の異なるNSP量を示す。
【0699】
【表6】
1(Bach Knudsen,1997)Carbohydrate and lignin contents of plant materials used in animal feeding.Anim.Feed Sci.Technol.,67(4):319〜338
2Englyst,H.N.,Anderson,V.and Cummings,J.H.,1983.Starch and non−starch polysaccharides in some cereal foods.J.Sci.Food Agric.,34:1434〜1440
3非セルロース系多糖類:ペントサン、(アラビノ)キシラン及びその他ヘミセルロース
【0700】
NSPは、グレインマッシュに高粘度をもたらす。高粘度は、マッシュ中に使用できる固体濃度を制限し、プロセスのエネルギー効率を低下させるため、エタノール製造において負の影響を及ぼす。加えて、プロセスを通して存在するヘミセルロース残渣が、熱交換器及び蒸留装置内の汚れの一因となり得るマッシュを発酵温度(32℃)に冷却するとき、高粘度が与える影響が一番大きい。これは、プロセス中の冷却工程前のいずれかにおいて、粘度を下げる必要があることを説明する。使用する方法に依存して、酵素を、60℃及び/又は85℃で作用させることが必要である。
【0701】
粘度を低下させる酵素を、エタノール製造プロセスのうち、混合及び/又は糖化/発酵の異なる段階で添加できる。好ましくは、初期粘度を下げるために酵素を混合中に添加する。
【0702】
エタノール製造プロセスにおいて粘度低下酵素を使用する利点は複数ある。
プロセス中でより乾燥したマッシュ物質が使用できる
最終シロップにおいてより高い固体含量が得られる
より良い熱伝導により、エネルギー消費がより少ない
蒸発器の汚れが少ないため、洗浄コストが下がる
最終エタノール収率が上がる
DDGSの品質が向上する
【0703】
方法
Perten InstrumentsのRapid Visco Analyzer(RVA 4500)を用いて、小麦マッシュの粘度特性を測定した。この小麦マッシュを以下の手順に従って調製した。
【0704】
60グラムのDS30%(そのままの場合は34.65%)小麦スラリー(2回のRVA同時測定のため)を、以下のように調製する。
−20.80グラムの小麦を秤量する
−100mLのガラスビーカーに、39.20グラムの水道水を秤量し、137μLの4N H
2SO
4を加える
−小麦を水に加え、オーバーヘッド撹拌機を用いて最高速度(約500rpm)で5分間撹拌する
−25.0グラムのスラリーをRVA用カップに移し、50倍に希釈した酵素を加えて、RVA測定を開始する(開始時pHが約5.3であるかどうか確認する)
−RVA測定終了時のpHを確認する(5.6〜5.7)
【0705】
各実験(25グラムのスラリー)においてキシラナーゼは、タンパク質25μg(そのままの小麦8.66gあたり)で加えたが、これは、タンパク質2.9μg/そのままの小麦1gに相当する。SPEZYME(登録商標)CLを150mg/そのままの小麦(kg)(0.15kg/MT)(2.2AAU/そのまま(g)、又は、2.6AAU/DS(g))で加えた。
【0706】
標準的な小麦の液化を、RVA中で模倣した。前処理を60℃で20分間行い、続いて液化工程を85℃で30分間行った。前処理及び液化後、スラリーを32℃まで冷却し、発酵条件における粘度を測定した。液化時のpHは、5.3〜5.7に維持した。
【0707】
この実験では、FveXyn4の性能を変異体A、B、C、D及びEと比較した。
【0708】
【表7】
【0709】
結果を上の表及び
図22に示す。
【0710】
これらのデータは、FveXyn4及び全変異体の非常によく似た性能を示し、ブランク(SPEZYME(登録商標)CLのみ)と比較して、55〜67%の粘度低下を示している。
【0711】
(実施例7)
小麦グルテン−デンプン分離
小麦粉をデンプン及びグルテン画分に分別することは、高品質のA−デンプン及び副産物であるB−デンプン及び活性グルテンを得るために、工業的に大規模に利用されている。キシラナーゼを添加することによって、分離が改善される。
【0712】
7.1材料及び方法
以下のアッセイは、40℃における生地の小麦デンプン分離プロセスをシミュレーションしている。このアッセイでは、業務用小麦粉(Cargill)を予熱した水道水(50℃)に加え、台所用ブレンダー(Braun)で1分間混合して、35%DSのスラリーを作製する。スラリーのpHは、そのままの〜6.1のままである。このスラリー100グラムを、40℃で較正したHaake VT550粘度計に移す。1分間のインキュベーション後、酵素溶液をスラリーに加える。同時に、粘度特性を、酵素添加の前後、計15分間観察する。インキュベーション後、インキュベートしたスラリーの3回分の試料と、t
0スラリーの1回分の試料を回転テスト用に取り出す。各回転テスト用試料の総重量は22.5gであり、6.6〜6.7gの使い捨て遠心管(15mL)に加えられた15.8〜15.9gのスラリー試料を含んでいる。Hermle Z400遠心分離器で、全試料を3500rpmで15分間遠心分離する。遠心分離した試料のシロップからBrix値を測定する。
【0713】
(実施例8)
骨格(親)フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)キシラナーゼFoxXyn2のクローニング
FoxXyn2遺伝子(フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から単離)のヌクレオチド配列を、配列番号30として示す(
図4A)。シグナル配列を太字で示し、予測されるイントロンをイタリックかつ小文字で示す。
【0714】
FoxXyn2タンパク質のアミノ酸配列を配列番号29として示す(
図3A)。シグナル配列をイタリックで示す。
【0715】
FoxXyn2タンパク質の成熟型のアミノ酸配列を配列番号31又は配列番号4として示す(
図3B及び3C)。
【0716】
遺伝子FoxXyn2のタンパク質産物は、グリコシルヒドロラーゼファミリー10に属する。これは、FoxXyn2が分泌型グリコシルヒドロラーゼであることを示唆する。
【0717】
(実施例9)
骨格(親)FoxXyn2タンパク質の発現
FoxXyn2遺伝子を、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)のゲノムDNAから、Primer 1 5’−ccgcggccgcaccATGAAGCTGTCTTCCTTCCTCTACACC−3’(配列番号24)、及びPrimer 2 5’−ccggcgcgcccttaTTAGCGGAGAGCGTTGACAACAG−3’(配列番号25)のプライマーを用いて増幅した。Not I及びAsc Iによる消化後、同じ制限酵素により消化したpTrex3gM発現ベクター(米国特許出願公開第2011/0136197A1号に記載)にPCR産物をクローニングし、得られたプラスミドをpZZH135とラベルした。pZZH135のプラスミドマップを
図18に示す。FoxXyn2遺伝子の配列はDNA塩基配列決定法により確認した。
【0718】
パーティクル・ガン法(Te’o VS et al.,J Microbiol Methods,51:393〜9,2002に教示される)を使用して、プラスミドpZZH135により、4つの遺伝子が欠失したトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)株(国際公開第05/001036号に記載、参照することによって本明細書に組み込まれる)を形質転換させた。濾過後、培養上清から単離されたタンパク質を用いて、酵素発現を確認するため、SDS−PAGE分析及びキシラナーゼ活性アッセイを実施した。
【0719】
発現プラスミドpZZH135由来のFoxXyn2遺伝子のヌクレオチド配列を、配列番号4として示す。FoxXyn2タンパク質の成熟型のアミノ酸配列を配列番号3として示す。
【0720】
FoxXyn2タンパク質を、アフィニティクロマトグラフィー樹脂であるBlue Sepharose,6FFを用いて培養上清から精製し、この試料を、後続の実施例に記載する生物化学的特徴確認に使用した。
【0721】
(実施例10)
骨格(親)FoxXyn2のキシラナーゼ活性
FoxXyn2は、グリコシルヒドロラーゼ10ファミリー(GH10、CAZy番号)に属する。FoxXyn2のβ1−4キシラナーゼ活性を、1%のバーチウッド由来キシラン(Sigma 95588)又は、1%の小麦粉由来アラビノキシラン(Megazyme P−WAXYM)を基質として用いて測定した。アッセイは、50mMクエン酸ナトリウム、pH5.3、0.005% Tween−80緩衝液中で、50℃にて10分間実施した。
【0722】
3,5−ジニトロサリチル酸との反応と、540nmでの吸光度測定によって、遊離された還元糖を定量した。酵素活性を、キシロース標準曲線に対して定量する。このアッセイでは、1キシラナーゼ単位(U)は、本アッセイ条件下で、1分あたりに1マイクロモルのキシロース還元糖等価物を生成するのに要する酵素量として定義する。
【0723】
(実施例11)
FoxXyn2の温度特性
50mMクエン酸ナトリウム緩衝液、pH5.3中で、10分間45℃〜94℃の様々な温度におけるキシラナーゼ活性を測定することによって、精製FoxXyn2の至適温度を決定した。この活性を、至適温度での活性を100%とした場合の相対活性として報告した。FoxXyn2の温度特性を
図19に示す。FoxXyn2の至適温度は60℃であることがわかり、40℃〜65℃で最大活性の50%超を維持していることがわかった。
【0724】
(実施例12)
熱安定性
FveXyn4野生型(wt)及びFveXyn4の変異体の熱安定性を、63°℃にて測定した(表2中のデータ参照)。異なる数(2〜4ヶ所)及び組み合わせの突然変異を示す全ての変異体が、FveXyn4と比較して63°℃での残留活性が高いことがはっきりとわかり、これらの変異体は全て、FveXyn4野生型(例えば、配列番号1又は配列番号27として本明細書に示される)よりも高い熱安定性を有すると結論づけることができる。
【0725】
材料及び方法
実施例1に記載するようにコンビナトリアルライブラリから、又は、特異的突然変異の導入によって、FveXyn4の変異体を得た。FveXyn4変異体の熱安定性を、酵素試料を25mM MES緩衝液(0.00125% Tween 80−25mM MES緩衝液、pH6.0、0.00125%(V:V)Tween 80)、pH6.0で希釈し、10分間、63℃で予備インキュベートすることによって測定した。インキュベーション後、残留活性を実施例1に記載のキシラナーゼ活性法によって測定した。予備インキュベーションをせずに測定した活性を100%とし、それぞれの変異体のそれぞれの温度における残留活性を相対的に算出した。
【0726】
表2は、FveXyn4wtと比較して、熱安定性が顕著に改善されたFveXyn4の14種類のコンビナトリアル変異体を示す。熱安定性は、実施例12の材料及び方法に記載するように、63℃10分間の予備インキュベーション後の残留活性として測定している。
【0727】
【表8】
【0728】
本明細書においてこれまでに言及した全ての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明に記載の方法及び系の各種改変及び変更は、当業者にとって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずとも明らかなものであろう。本発明は、具体的な好ましい実施態様と関連して記載されているが、請求の範囲に記載の発明が、かかる具体的な実施態様により過度に限定されないことは理解されるべきである。加えて、生化学及びバイオテクノロジー又は関連する分野に属する当業者には本発明を実施する際に記載のモデルに関し加えられる各種修正は明白なものであり、このような修正も以降の特許請求の範囲内で意図されるものとする。