【文献】
CMCC,Discussion on Necessity of the Study on RAN Virtualization,3GPP TSG RAN #64 Meeting RP-140705,3GPP,2014年 6月 3日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_64/Docs/RP-140705.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地理的カバレッジ・エリア(100)においてユーザ(USER1、USER2)に通信機能を含む無線リソースを提供する送受信局(20)であって、前記地理的カバレッジ・エリアは複数のセル(CELL1〜CELL12)を含み、前記複数のセルのそれぞれは少なくとも1つのキャリア(C1〜C4)および前記地理的カバレッジ・エリアの少なくとも1つのセクタ(S1〜S3)の異なる組み合わせと関連づけられ、
前記送受信局は、
前記複数のセルの中の第1のサブセットのセルにおいて前記ユーザに第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行するように構成された第1のL1処理回路(2020−1〜2020−3)を含む第1のボード(202−1〜202−3)、および、
前記第1のボードと通信的に結合され、前記複数のセルの中の第2のサブセットのセルにおいて前記ユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行するように構成された第2のL1処理回路(2020−1〜2020−3)を含む第2のボード(202−1〜202−3)を含み、前記第1の組の通信機能は前記第2の組の通信機能とは異なり、
前記複数のセルの中の前記第1のサブセットのセルにおいて前記ユーザに前記第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた前記機能は、
受信したアップリンク制御チャネルを処理して、前記第1のサブセットのセルにおける第1のユーザによるアップリンク送信に関するアップリンク制御チャネル情報を得るステップと、
前記得られたアップリンク制御チャネル情報に基づいて、前記第1のサブセットのセルにおける前記第1のユーザによって送信された第1のデータビット・シーケンスを復元するように、受信された第1のアップリンク・データ・チャネルを処理するステップと、
前記得られたアップリンク制御チャネル情報と前記復元された第1のデータビット・シーケンスとを、さらなる処理のために中央局に出力するステップとを含む、
送受信局(20)。
前記第1のL1処理回路は、さらに、前記第1のサブセットのセルにおける少なくとも第1のキャリアで受信される無線周波数信号ストリームに基づく制御情報を得て、前記得られた制御情報を前記第2のL1処理回路に出力するように構成され、
前記第2のL1処理回路は、さらに、前記第1のL1処理回路からの制御情報に基づいて、前記第2のサブセットのセルにおけるユーザに前記第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行するように構成される、
請求項1に記載の送受信局。
地理的カバレッジ・エリア(100)においてユーザに通信機能を含む無線リソースを提供する方法であって、前記地理的カバレッジ・エリアは複数のセル(CELL1〜CELL12)を含み、前記複数のセルのそれぞれは少なくとも1つのキャリア(C1〜C4)および前記地理的カバレッジ・エリアの少なくとも1つのセクタ(S1〜S3)の異なる組み合わせと関連づけられ、
前記方法は、
前記複数のセルの中の第1のサブセットのセルにおいて前記ユーザに第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行する第1のステップ(S502〜S510、S702〜S706)、および、
前記複数のセルの中の第2のサブセットのセルにおいて前記ユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行する第2のステップを含み、前記第1の組の通信機能は前記第2の組の通信機能とは異なる(S602〜S604、S702〜S706)とともに、
前記第1のステップは、
受信したアップリンク制御チャネルを処理して、前記第1のサブセットのセルにおける第1のユーザによるアップリンク送信に関するアップリンク制御チャネル情報を得るステップと、
前記得られたアップリンク制御チャネル情報に基づいて、前記第1のサブセットのセルにおける前記第1のユーザによって送信された第1のデータビット・シーケンスを復元するように、受信された第1のアップリンク・データ・チャネルを処理するステップと、
前記得られたアップリンク制御チャネル情報と前記復元された第1のデータビット・シーケンスとを、さらなる処理のために中央局に出力するステップとを含む、
無線リソースを提供する方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
少なくともいくつかの実施形態例が、基地局におけるL1処理ボードのためのマルチボード・アーキテクチャ(MBA)を提供する。
【0005】
少なくともいくつかの実施形態例が、NodeBにおけるL1処理ボードの間の通信機能の負荷釣り合わせの方法を提供する。
【0006】
少なくともいくつかの実施形態例によれば、NodeBにおける複数のL1処理ボードが共に1のシステムとしてみられ、それによって、NodeBにおける複数のL1処理ボードの間の、無線周波数(RF)アンテナ・ストリーム、通信機能、および/または通信機能の組の動的な分配を可能にする。本明細書で述べられるように、NodeBは送受信局とみなされてもよい。
【0007】
少なくともいくつかの実施形態例によれば、NodeBにおける複数のL1処理ボードが共に1のシステムとしてみられ、それによって、NodeBにおける処理ボードの間の通信機能の動的な負荷釣り合わせを可能にする。
【0008】
少なくともいくつかの実施形態例によれば、異なるL1ボードが異なるRFアンテナの組に接続され、異なる通信機能が複数のL1ボードの間で分配され、そして各L1処理ボードが無線システム内の異なる通信機能に関連づけられた機能を提供する。異なるボードは、異なる通信機能または通信機能の組を処理するための異なるソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を有してもよい。
【0009】
無線システムは通信機能の組を1つまたは複数含む。各通信機能は特定の状況における特定の目的のために設計される。通信機能の例は、ユーザが単一の周波数帯(またはキャリア)のみを用いる単一キャリア・アップリンク/ダウンリンク機能、より高い通信データ速度に達するようにユーザが複数の周波数帯(またはキャリア)を組み合わせるマルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク機能、干渉除去、ある地理的セクタから別の地理的セクタに移動するユーザのためのコール・ハンドオーバ、ボイス・オーバー(voice over)・第3世代パートナーシップ・プロジェクト・ロング・ターム・エボリューション(3GPP−LTE)、データが送信される必要がない場合にいくつかの送信を止めるユーザ・パワー節約モード、多重入出力(MIMO)、単一入出力(SISO)などである。
【0010】
1つまたは複数の実施形態例によるマルチボード・アーキテクチャは、従来の単一ボード・アーキテクチャにおいて存在する重複した機能を減少させることにより、NodeBにおける不要なリソースの消費を減少させることができる。一例では、L1処理ボードは従来の単一ボード・アーキテクチャと比較して、アンテナ・ストリームの一部分または一部のみを処理するにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
少なくとも1つの実施形態例は、地理的カバレッジ・エリアにおいてユーザに通信機能を含む無線リソースを提供する送受信局を提供し、地理的カバレッジ・エリアは複数のセルを含み、複数のセルのそれぞれは少なくとも1つのキャリアおよび地理的カバレッジ・エリアの少なくとも1つのセクタの異なる組み合わせと関連づけられ、送受信局は、複数のセルの中の第1のサブセットのセルにおいてユーザに第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行するように構成された第1のL1処理回路を含む第1のボード、および、第1のボードと通信的に結合され、複数のセルの中の第2のサブセットのセルにおいてユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行するように構成された第2のL1処理回路を含む第2のボードを含み、第1の組の通信機能は第2の組の通信機能とは異なる。
【0012】
さらに、第1のL1処理回路は、第1の組の通信機能のみを提供することと関連づけられた機能を実行するように構成されてもよい。さらに、第2のL1処理回路は、第2の組の通信機能のみを提供することと関連づけられた機能を実行するように構成されてもよい。
【0013】
第1の、および/または第2の組の通信機能は、送受信局によって提供された通信機能のすべてよりも少ない数を含んでもよい。
【0014】
第1の組の通信機能のうちの各通信機能は、第2の組の通信機能のうちの各通信機能と異なってもよい。
【0015】
第1の、および第2の組の通信機能のうちの通信機能の一部のみが同一であってもよい。
【0016】
さらに、第1のL1処理回路は、第1のサブセットのセルにおける少なくとも第1のキャリアで受信される無線周波数信号ストリームに基づく制御情報を得て、得られた制御情報を第2のL1処理回路に出力するように構成されてもよい。さらに、第2のL1処理回路は、第1のL1処理回路からの制御情報に基づいて、第2のサブセットのセルにおけるユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行するように構成されてもよい。
【0017】
さらに、第1のL1処理回路は、L1インターフェース・メッセージによって、得られた制御情報を第2のL1処理回路に出力するように構成されてもよい。
【0018】
複数のセルの中の第1のサブセットのセルにおいてユーザに第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能は、第1のサブセットのセルにおける第1のユーザによるアップリンク送信に関するアップリンク制御チャネル情報を得るように、受信されたアップリンク制御チャネルを処理するステップ、得られたアップリンク制御チャネル情報に基づいて、第1のサブセットのセルにおける第1のユーザによって送信された第1のデータビット・シーケンスを復元するように、受信された第1のアップリンク・データ・チャネルを処理するステップ、および、得られたアップリンク制御チャネル情報と復元された第1のデータビット・シーケンスとを、さらなる処理のために中央局に出力するステップを含んでもよい。
【0019】
さらに、第1のL1処理回路は、得られたアップリンク制御チャネル情報を第2のL1処理回路に出力するように構成されてもよい。複数のセルの中の第2のサブセットのセルにおいてユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能は、第1のL1処理回路からのアップリンク制御チャネル情報に基づいて、第2のサブセットのセルにおいて第1のユーザによって送信された第2のデータビット・シーケンスを復元するように、受信された第2のアップリンク・データ・チャネルを処理するステップ、および、復元された第2のデータビット・シーケンスを、さらなる処理のために中央局に出力するステップを含んでもよい。
【0020】
複数のセルの中の第1のサブセットのセルにおいてユーザに第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能は、第1のサブセットのセルにおける少なくとも第1のキャリアの第1のユーザへの送信のために無線周波数信号ストリームを生成するように、受信されたダウンリンク・データの組を符号化するステップ、および、第1のユーザへの送信のために生成された無線周波数信号ストリームを出力するステップを含んでもよい。
【0021】
第1のボードは、ユーザに関する第1の組の通信機能のうちの少なくとも1つの通信機能に関する容量過負荷を識別し、第1のボードが第1のボードの少なくとも1つの通信機能に関する容量過負荷を識別した場合、少なくとも1のユーザに少なくとも1つの通信機能を提供することに関連づけられた機能を、第1のボードから第2のボードに転送するように構成されてもよい。
【0022】
第2のボードは、少なくとも1のユーザに少なくとも1つの通信機能を提供するように、転送された機能を実行するように構成されてもよい。
【0023】
少なくとも1つの他の実施形態例は、地理的カバレッジ・エリアにおいてユーザに通信機能を含む無線リソースを提供する方法を提供し、地理的カバレッジ・エリアは複数のセルを含み、複数のセルのそれぞれは少なくとも1つのキャリアおよび地理的カバレッジ・エリアの少なくとも1つのセクタの異なる組み合わせと関連づけられ、方法は、複数のセルの中の第1のサブセットのセルにおいてユーザに第1の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行する第1のステップ、および、複数のセルの中の第2のサブセットのセルにおいてユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行する第2のステップを含み、第1の組の通信機能は第2の組の通信機能とは異なる。
【0024】
実行する第1のステップは、第1の組の通信機能のみをユーザに提供することと関連づけられた機能を実行してもよい。実行する第2のステップは、第2の組の通信機能のみをユーザに提供することと関連づけられた機能を実行してもよい。
【0025】
第1の、および/または第2の組の通信機能は、ユーザに関する通信機能のすべてよりも少ない数を含んでもよい。
【0026】
第1の、および第2の組の通信機能のうちの通信機能の一部のみが同一であってもよい。
【0027】
実行する第1のステップは、第1のL1処理回路において、第1のサブセットのセルにおける少なくとも第1のキャリアで受信される無線周波数信号ストリームに基づいて制御情報を得るステップ、および、得られた制御情報を第1のL1処理回路から第2のL1処理回路に出力するステップを含んでもよい。実行する第2のステップは、第2のL1処理回路において、第1のL1処理回路からの制御情報に基づいて、第2のサブセットのセルにおけるユーザに第2の組の通信機能を提供することと関連づけられた機能を実行してもよい。
【0028】
実行する第1のステップは、第1のサブセットのセルにおける第1のユーザによるアップリンク送信に関するアップリンク制御チャネル情報を得るように、受信されたアップリンク制御チャネルを処理するステップ、得られたアップリンク制御チャネル情報に基づいて、第1のサブセットのセルにおける第1のユーザによって送信された第1のデータビット・シーケンスを復元するように、受信された第1のアップリンク・データ・チャネルを処理するステップ、および、得られたアップリンク制御チャネル情報と復元された第1のデータビット・シーケンスとを、さらなる処理のために中央局に出力するステップを含んでもよい。
【0029】
方法はさらに、得られたアップリンク制御チャネル情報を第1のL1処理回路から第2のL1処理回路に出力するステップを含んでもよい。実行する第2のステップは、第1のL1処理回路からのアップリンク制御チャネル情報に基づいて、第2のサブセットのセルにおいて第1のユーザによって送信された第2のデータビット・シーケンスを復元するように、受信された第2のアップリンク・データ・チャネルを処理するステップ、および、復元された第2のデータビット・シーケンスを、さらなる処理のために中央局に出力するステップを含んでもよい。
【0030】
実行する第1のステップは、第1のサブセットのセルにおける少なくとも第1のキャリアでの第1のユーザへの送信のために無線周波数信号ストリームを生成するように、受信されたダウンリンク・データの組を符号化するステップ、および、第1のユーザへの送信のために生成された無線周波数信号ストリームを出力するステップを含んでもよい。
【0031】
本発明は、本明細書の以下に記載の詳細な説明および添付の図面からより十分に理解されるであろう。そこでは、類似の要素は類似の参照符号によって表され、説明のためにのみ与えられ、したがって本発明を制限するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
これらの図はある実施形態例において用いられる方法、構造および/または材料の一般的な特徴を説明し、以下に提供される記載された説明を補足することを意図したものであることに留意すべきである。これらの図面は、しかしながら、原寸に比例しておらず、いかなる所与の実施形態の正確な構造または実行の特性を正確に反映したものでもなく、実施形態例によって包含される価値または財産の範囲を定義または限定するものと解釈されるべきでもない。様々な図面における同様の、または同一の参照符号の使用は、同様の、または同一の要素または特徴の存在を示すことを意図したものである。
【0034】
いくつかの実施形態例が示される添付の図面を参照して、以下様々な実施形態例がより十分に示される。
【0035】
詳細な説明のための実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示された特定の構造および機能の詳細は、実施形態例を説明する目的の代表であるにすぎない。本発明は、しかしながら、多くの代替の形態において実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0036】
したがって、実施形態例は様々な変形および代替形態が可能であるが、実施形態は図面における例によって示され、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、開示された特定の形態に実施形態例を制限する意図は全くないことを理解されたい。それに反して、実施形態例はこの開示の範囲内に入るすべての変形例、同等例、代替例に及ぶものである。図面の説明を通じて、同様の番号は同様の要素を参照する。
【0037】
第1の、第2の、などの用語が、様々な要素を説明するように本明細書で用いられてよいが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別のものと区別するように用いられているにすぎない。本開示の範囲から外れることなく、例えば、第1の要素が第2の要素と呼ばれることも可能であり、同様に第2の要素が第1の要素と呼ばれることも可能である。本明細書で用いられるように、用語「および/または」は、関連するリストの1つまたは複数の項目からいくつか、およびすべてを組み合わせたものを含む。
【0038】
要素が別の要素と「接続された」または「結合された」と称される場合、その要素はその別の要素と直接接続または結合されることもあり、間に介在する要素が入ることもある。対照的に、要素が別の要素と「直接接続された」または「直接結合された」と称される場合、間に介在する要素はない。要素の間の関係を説明するように用いられる他の言葉も同様に解釈されるべきである(例えば「間に」と「直接間に」、「近傍に」と「直接近傍に」など)。
【0039】
本明細書で用いられる専門用語は特定の実施形態を説明する目的のみのものであり、限定を意図するものではない。本明細書で用いられるように、単数形「a」「an」および「the」は、そうではないことを明示する文脈でない限り、複数形も同様に含むことを意図したものである。さらに、本明細書で用いられるときの用語「備える」「備えている」「含む」および/または「含んでいる」は、述べられた機能、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明確に述べるものであり、1つまたは複数の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組の存在または追加を除外するものではないことを理解されたい。
【0040】
いくつかの代替の実装例において、記載された機能/作用は、図面に記載された順番を外れて起こってもよいこともまた理解されたい。例えば、連続して示された2つの図面は、含まれる機能/作用に従って、実際に実質的に順番に実行されてもよく、時には逆順に実行されてもよい。
【0041】
実施形態例の完全な理解を提供するように、以下の説明において特定の細部が提供される。しかしながら、実施形態例はこれらの特定の細部なしでも実行できることが当業者には理解されるであろう。例えば、不要な細部によって実施形態例を不明瞭にすることがないように、システムがブロック図に示されてもよい。別の例として、よく知られた処理、構造および技法は、実施形態例を不明瞭にすることを避けるように、不要な細部なしで示されてもよい。
【0042】
以下の説明において、例示の実施例は、特定のタスクを実行するか特定の抽象的なデータ型を実装し、例えば既存の基地局、NodeB、eNodeBなどの既存のハードウェアを用いて実装可能な、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造体などを含むプログラム・モジュールまたは機能的処理として実装されてもよい、作用および動作の記号的表現(例えば、流れ図、流れダイヤグラム、データ流れダイヤグラム、構造図、ブロック図などの形式において)を参照して説明される。そのような既存のハードウェアは、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、システム・オン・チップ(SOC)デバイス、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)コンピュータなどを含んでもよい。
【0043】
流れ図は一連の処理として動作を説明することができるが、動作の多くは、並行して、一斉に、または同時に実行されてもよい。加えて、動作の順番は再配置されてもよい。動作が完了したとき処理は終了してもよいが、処理は図面に含まれない追加のステップを有してもよい。処理は方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応してよい。プロセスが関数に対応する場合、その終了は呼び出し関数またはメイン関数への関数のリターンに対応してもよい。
【0044】
本明細書に開示のように、用語「記憶媒体」「コンピュータ読み取り可能記憶媒体」または「非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体」は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気RAM、コア・メモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置、および/または他の、情報を記憶するための具体的な機械読み取り可能媒体を含む、データを記憶する1つまたは複数の装置を表してもよい。用語「コンピュータ読み取り可能媒体」は、持ち運び可能な、または固定された記憶装置、光学記憶装置、および、命令および/またはデータを記憶、含有または保持することが可能な様々な他の媒体を含んでもよいが、これらには限られない。
【0045】
さらに、実施形態例はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコードにおいて実装される場合、必要なタスクを実行するプログラム・コードまたはコード・セグメントは、機械またはコンピュータ読み取り可能記憶媒体などのコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されてもよい。ソフトウェアにおいて実装される場合、プロセッサまたは複数のプロセッサは必要なタスクを実行する。
【0046】
コード・セグメントはプロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、または、命令、データ構造体もしくはプログラム・ステートメントの任意の組み合わせを表してもよい。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータまたはメモリ・コンテンツを通すこと、および/または受信することによって、別のコード・セグメントまたはハードウェア回路に結合されてもよい。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ送信、トークン送信、ネットワーク発信などを含む任意の適切な手段によって送信、転送、または発信されてもよい。
【0047】
本明細書で用いられるように、用語「NodeB」は、Node B、基地局、送受信局、基地送受信局(BTS)などの同義語と考慮されてもよく、以下で時々それらとみなされてもよく、地理的カバレッジ・エリアにおいてユーザと通信し、無線リソースを提供する送受信機を説明する。本明細書で述べられるように、NodeBは、本明細書で述べられた方法を実行する能力および機能に加えて、従来の、よく知られた基地局とすべて機能的に関連づいていてもよい。
【0048】
簡略化のために、用語NodeBは、第3世代広帯域符号分割多元接続(WCDMA)のためのNodeB、第4世代ロング・ターム・エボリューション(LTE)のためのeNodeB、例えば符号分割多元接続(CDMA)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMax)、第5世代システムなどの他の無線システムのための一般的な基地局、および、これらの無線プロトコルの組み合わせのためのNodeBまたは基地局を表すように用いてもよい。
【0049】
本明細書で用いられるように、用語「ユーザ」は、ユーザ機器(「UE」)、クライアント、モバイル・ユニット、モバイル局、モバイル・ユーザ、モバイル、加入者、ユーザ、リモート局、アクセス端末、受信機などの同義語と考慮されてもよく、以下で時々それらとみなされてもよく、無線通信ネットワークにおける無線リソースのリモートなユーザを説明する。
【0050】
本明細書で述べられるように、アップリンク(またはリバース・リンク)送信はユーザからNodeB(またはネットワーク)への送信のことをいい、ダウンリンク(またはフォワード・リンク)送信はNodeB(またはネットワーク)からユーザへの送信のことをいう。
【0051】
本明細書で述べられるように、キャリアはユーザのための周波数帯域幅のことをいう。広帯域符号分割多元接続(WCDMA)ネットワークにおいて、キャリアは5MHz周波数帯域幅である。第3世代パートナーシップ・プロジェクト・ロング・ターム・エボリューション(3GPP LTE)ネットワークにおいて、キャリアは1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、または20MHzであってもよい。
【0052】
本明細書で述べられるように、L1はレイヤー1、L2はレイヤー2、L3はレイヤー3、「ボード」(または「処理ボード」)はL1ベースバンド処理ボードのことをいう。
【0053】
3つのセクタに分割され、セクタごとに4つのキャリアに分割され、全部で12のセルとなった地理的カバレッジ・エリアに関するいくつかの実施形態例が本明細書で述べられる。単一のキャリアで3つのセクタに分割され、全部で3つのセルとなった地理的カバレッジ・エリアに関する他の実施形態例が本明細書で述べられる。しかしながら、任意の数のキャリア、キャリアごとに任意の数のセクタ、任意の数のセル、およびキャリアごとに任意の数のアンテナもまた、実施形態例にあてはまることを理解すべきである。
【0054】
第5世代システムに関する実施形態例が本明細書で述べられるが、実施形態例は、例えばCDMA、WiMAX、LTEなどの他の無線技術およびシステムに適用されてもよい。
【0055】
実施形態例はNodeBにマルチボード・アーキテクチャを提供し、1もしくは複数のユーザに関する、通信機能、通信機能の組、および/または1つもしくは複数の通信機能に関連づけられたタスクは、NodeBにおいて異なるL1処理ボードの間で分配されてもよい。少なくともいくつかの実施形態例において、各L1処理ボードは異なる通信機能、異なる通信機能の組、および/または通信機能に関連づけられた異なるタスクを処理してもよい。本明細書で述べられるように、通信機能はユーザ機能またはユーザ通信機能とみなされてもよい。
【0056】
上記で述べたように、通信機能の例は、ユーザが単一の周波数帯(またはキャリア)のみを用いる単一キャリア・アップリンク/ダウンリンク機能、より高い通信データ速度に達するようにユーザが複数の周波数帯(またはキャリア)を組み合わせるマルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク機能、干渉除去、ある地理的セクタから別の地理的セクタに移動するユーザのためのコール・ハンドオーバ、ボイス・オーバー(voice over)・第3世代パートナーシップ・プロジェクト・ロング・ターム・エボリューション(3GPP−LTE)、データが送信される必要がない場合にいくつかの送信を止めるユーザ・パワー節約モード、多重入出力(MIMO)、単一入出力(SISO)などである。例示の組の通信機能は、本明細書で述べられた1つまたは複数の通信機能を含んでよい。
【0057】
各通信機能は複数の異なる機能またはタスクを含んでもよく、異なる通信機能または通信機能の組は、1つまたは複数のNodeB(例えば、同一のまたは異なるNodeB)において、異なるL1処理ボードの間で分配され、異なるL1処理ボードの間で実行されてもよい。例えば、マルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能を提供することと関連づけられた機能が第1のL1処理ボードで実行されてもよく、単一キャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能を提供することと関連づけられた機能が第2のL1処理ボードなどで実行されてもよい。
【0058】
別の例において、単一キャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能は、NodeBの地理的カバレッジ・エリアにおける複数のセクタのそれぞれに関してタスクに分割されてもよい。この点で、異なるセクタに関する単一キャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能は、セクタごとに、すなわちセクタ・バイ・セクタ(sector−by−sector)で、複数のL1処理ボードの間で分配されてもよい。この例では、異なるセクタでのアップリンクおよびダウンリンク送信に関するL1処理は、NodeBにおける異なるL1処理ボードの間で分配されてもよい。
【0059】
さらに別の例において、第1のサブセットのセルに関するマルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク機能(例えば、第1の通信機能または第1の通信機能の組)は、第1のL1処理ボードにおいて実行されてもよく、一方では、第2のサブセットのセルに関するマルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク機能および干渉除去(例えば、第2の組の通信機能)は、第2のL1処理ボードにおいて実行されてもよい。この場合、第1のサブセットのセル内のセルの数は第2のサブセット内のセルの数よりも大きくてもよく、それによってNodeBにおける通信機能の負荷が分配されて釣り合わされる。
【0060】
いくつかの実施形態例は、マルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能および干渉除去機能に関して説明され、そこでは、異なるセルにおいてこれらの機能と関連づけられた処理がNodeBにおける異なるL1処理ボードの間で分配される。しかしながら、実施形態例は、同一の、または実質的に同一の方法で、異なる通信機能に適用されてもよいことを理解すべきである。
【0061】
図1は、一実施形態例によるマルチボード・アーキテクチャ(MBA)を有するNodeBを含む第5世代(5G)無線ネットワークの一部を例示する。
図1に示される5Gネットワークはネットワーク・セントラル・システムである。
【0062】
図1を参照すると、NodeB20は、通信機能を含む無線リソースをユーザに提供することによって、地理的カバレッジ・エリア100におけるマルチキャリア・ユーザ(マルチキャリア・ユーザUSER1およびUSER2によって表される)にサービスを行う。NodeB20は中央局210と通信的に結合される。中央局210はさらにコア・ネットワークに結合される。
【0063】
中央局210は複数のNodeBにわたる無線周波数(RF)アンテナへの/からの情報を処理する。中央局210は、とりわけ、L2スケジューリング動作を実行する1つまたは複数のL2スケジューラ、および、L3動作を実行する1つまたは複数のL3処理ボードを含む。より詳細には、1つまたは複数のL2スケジューラは、すべてのセルに関するL1処理ボードのそれぞれに対してスケジューリング機能を実行する。
図1に示された特定のマルチキャリア・ユーザ(例えばユーザUSER1および/またはユーザUSER2)に関して、L2スケジューラはユーザが位置しているセクタ内の4つのキャリアに対してスケジュール機能を実行する。L3処理は、接続管理などの無線リソース制御(RRC)、システム情報のブロードキャスト、セキュリティ・モード制御、測定プロシージャ、より高いレイヤーアクセスなどを含む。
【0064】
中央局210のL2スケジューラおよびL3処理ボード/ブロック/回路は共に、例えば、各ユーザに関する、セル構成、リソース割り当て、およびチャネルの追加/削除を実行する。
【0065】
中央局210のL2スケジューラはNodeB20、およびコモン・パブリック・ラジオ・インターフェース(CPRI)リンクを介して各L1処理ボードに、通信的に結合される。
【0066】
さらに
図1を参照すると、NodeB20は複数のL1処理ボード202−1、202−2および202−3を含む。L1処理ボード202−1、202−2および202−3は動作的に(または通信的に)互いに情報を交換するように互いに結合される。L1処理ボード202−1、202−2および202−3は、NodeB20において互いに分離しているが、互いに接続される。この点で、L1処理ボード202−1、202−2および202−3は単一ボード・アーキテクチャ(SBA)よりもむしろ、マルチボード・アーキテクチャ(MBA)を有するように配置される。
【0067】
一例では、L1処理ボード202−1、202−2および202−3はL1インターフェース・メッセージを介して互いに情報を交換する。以下により詳細に述べるように、L1インターフェース・メッセージは、アップリンクおよび/またはダウンリンク制御チャネル情報、ユーザ・データの組などを含んでもよい。
【0068】
NodeBのLi処理ボードにおいて実行中の主要なL1機能(例えば変調および復調)に関する、および、中央局において実行中の主要なL2機能(例えばスケジューリング)に関する実施形態例が本明細書で述べられる。しかしながら、いくつかのL1/L2インターフェース部はL1処理ボードまたは中央局において実装されてもよい。したがって、L1処理ボードは主要でないL2機能を有してもよく、中央局のL2スケジューラは主要でないL1機能を有してもよい。例えば、複数のアンテナからのアップリンク・データの組み合わせは、主要でないL2機能とみなされてもよく、しかしながら、アンテナの組がL1処理ボードに位置する場合はL1処理ボードに実装されてもよい。別の例において、周期的冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)およびペイロード分離は主要でないL1機能とみなされてもよく、しかしながらL2スケジューラに実装されてもよい。
【0069】
図1に示されたL1処理ボード202−1、202−2および202−3は、様々な方法で互いに結合されてもよい。
図2および
図3は、NodeB20などのNodeBにおけるN個のL1処理ボードの間のボード間リンクの構成例を示す。
図1に示された実施形態例ではN=3である。しかしながら、実施形態例はこの例には限定されない。
【0070】
より詳細には、
図2はN個のL1処理ボード202−1、202−2、202−3、・・・、202−Nを接続する星型トポロジを示す。
図2に示される例において、各L1処理ボードは、他のL1処理ボードと情報を交換する単一の直列化回路/非直列化回路(SERDES)I/Oポートを有する。
【0071】
図3は、N個のL1処理ボード202−1、202−2、202−3、・・・、202−Nを互いに接続するリング型トポロジを示す。この例では、各L1処理ボードは、他のL1ボードと情報を交換する2つのSERDES I/Oポートを有する。
【0072】
図2および
図3に示された構成例において、相互接続構成のそれぞれは、シリアルRapidIO(sRIO)工業規格リンクなどの高速SERDES物理的リンクを利用する。しかしながら、実施形態例はそれらの例に限定されるべきではない。
【0073】
リング型および星型のトポロジのみが本明細書で述べられるが、L1処理ボードは任意の適切な相互接続トポロジを用いて相互接続されてもよい。
【0074】
図1に戻ると、L1処理ボードのそれぞれはL1処理回路を含む。より詳細には、L1処理ボード202−1はL1処理回路2020−1を含み、L1処理ボード202−2はL1処理回路2020−2を含み、L1処理ボード202−3はL1処理回路2020−3を含む。
【0075】
実施形態例によれば、L1処理回路はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを実行するハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。L1処理回路がハードウェアの場合、そのようなハードウェアは、1つまたは複数の中央演算装置(CPU)、システム・オン・チップ(SOC)デバイス、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)コンピュータ、または、L1処理回路の機能(例えば、通信機能、通信機能の組、および/または、通信機能もしくは通信機能の組に関連づけられたタスク/機能の実装)を実行する特別な目的の機械として構成された同様のものを含んでもよい。CPU、SOC、DSP、ASICおよびFPGAは、一般にプロセッサおよび/またはマイクロプロセッサとみなされてもよい。
【0076】
本明細書で述べるように、L1処理回路は所与のL1処理ボードに対してローカルまたはリモートとして説明されてもよい。例えば、L1処理回路2020−1はL1処理ボード202−1に対するローカルなL1処理回路とみなされてもよいが、L1処理ボード202−2および202−3に対するリモートなL1処理回路とみなされてもよい。上記のように、L1処理ボード202−1、202−2および202−3は互いに接続される。この点で、各L1処理ボードおよび回路は他のL1処理ボードおよび回路のそれぞれに、動作的に接続されるか通信的に結合される。
【0077】
L1処理ボード202−1、202−2および202−3ならびにそれらの構成要素の動作例は、
図4から
図9に関して以下により詳細に述べられる。
【0078】
上記のように、簡略化と説明の明確性のために、
図4から
図8に示される実施形態例は、3つのセクタ(S1、S2、S3)に分割された地理的カバレッジ・エリア100内の4つのキャリア(C1、C2、C3、C4)、キャリアごとに2つのアンテナ、および全体で12の無線周波数(RF)セル(CELL1〜CELL12)に関して構成されたNodeB20に関して説明される。
【0079】
12のRFセル(CELL1〜CELL12)はセクタおよびキャリアに基づいて3つのグループに分割される。RFセルCELL1〜CELL4はセクタS1に、RFセルCELL5〜CELL8はセクタS2に、RFセルCELL9〜CELL12はセクタS3にある。
【0080】
RFセルCELL1はセクタS1のキャリアC1に対応し、RFセルCELL2はセクタS1のキャリアC2に対応し、RFセルCELL3はセクタS1のキャリアC3に対応し、RFセルCELL4はセクタS1のキャリアC4に対応し、RFセルCELL5はセクタS2のキャリアC1に対応し、RFセルCELL6はセクタS2のキャリアC2に対応し、RFセルCELL7はセクタS2のキャリアC3に対応し、RFセルCELL8はセクタS2のキャリアC4に対応し、RFセルCELL9はセクタS3のキャリアC1に対応し、RFセルCELL10はセクタS3のキャリアC2に対応し、RFセルCELL11はセクタS3のキャリアC3に対応し、RFセルCELL12はセクタS3のキャリアC4に対応する。
【0081】
さらに、実施形態例が3つのセクタ(S1、S2、S3)に関して説明されるにもかかわらず、セクタS1、S2およびS3のそれぞれはサブセットのセクタを意味してもよく、その際は各サブセットは1つまたは複数のセクタを含む。この例では、各サブセットのセクタは異なってもよく、より詳細には、1つのサブセットのセクタのそれぞれは第2のサブセットのセクタと異なってもよい。同様に、実施形態例が4つのキャリア(C1、C2、C3、C4)に関して説明されるにもかかわらず、キャリアC1からC4のそれぞれはサブセットのキャリアを意味してもよく、各サブセットは1つまたは複数のキャリアを含む。この例では、各サブセットのキャリアは異なってもよく、より詳細には、1つのサブセットのキャリアのそれぞれは第2のサブセットのキャリアと異なってもよい。
【0082】
上記のように、
図1に示された例のNodeB20はセルごとに2つのRFアンテナを有する。上で述べられた例のように、キャリアC1およびC2のそれぞれに関する2つのRFアンテナ(すなわち、全部で4つのRFアンテナ)がL1処理ボード202−1に接続される。キャリアC3に関する2つのRFアンテナがL1処理ボード202−2に接続される。キャリアC4に関する2つのRFアンテナがL1処理ボード202−3に接続される。結果として、NodeB20によって提供された12のセルCELL1〜CELL12が3つのL1処理ボード202−1、202−2および202−3の間で分配される。より詳細には、6つのセルCELL1、CELL2、CELL5、CELL6、CELL9、およびCELL10(セクタS1からS3のキャリアC1およびC2としても説明されうる)がL1処理ボード202−1に接続され、3つのセルCELL3、CELL7、およびCELL11(セクタS1からS3のキャリアC3としても説明されうる)がL1処理ボード202−2に接続され、3つのセルCELL4、CELL8、およびCELL12(セクタS1からS3のキャリアC4としても説明されうる)がL1処理ボード202−3に接続される。
【0083】
実施形態例は、本明細書に記載の処理ボードの間のセルの特定の分配に限定されないことを理解すべきである。
【0084】
少なくともいくつかの実施形態例によれば、少なくとも2つのL1処理ボードのそれぞれがユーザに関する異なる組の通信機能と関連づけられてもよい。1つの組の通信機能は1つまたは複数の通信機能を含んでもよい。いくつかの実施形態例において、各組の通信機能内の通信機能は重複してもよく、それに対して、他の実施形態例においては、各組の通信機能内の通信機能は重複しなくてもよく、したがって第1の組の通信機能内の各通信機能は第2の組の通信機能内の各通信機能と異なる。
【0085】
いくつかの実施形態例によれば、NodeBにおける少なくとも2つのL1処理ボードのそれぞれは、異なる組の1つまたは複数のユーザ通信機能と関連づけられた機能を実行する。例えば、L1処理ボード202−1は第1の組の通信機能(例えば、マルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能)と関連づけられた機能を実行してもよく、それに対して、L1処理ボード202−2および202−3は第2の組の通信機能(例えば、マルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能ならびに干渉除去機能。これは干渉除去通信機能を有するマルチキャリア・アップリンク/ダウンリンクとみなされることもできる)と関連づけられた機能を実行してもよい。
【0086】
この例では、マルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能に関して、L1処理ボード202−1がセクタS1からS3のキャリアC1およびC2に関する(すなわち、セルCELL1、CELL2、CELL5、CELL6、CELL9およびCELL10における)この通信機能を提供する機能を実行し、L1処理ボード202−2がセクタS1からS3のキャリアC3に関する(すなわち、セルCELL3、CELL7およびCELL11における)この通信機能を提供する機能を実行し、L1処理ボード202−3がセクタS1からS3のキャリアC4に関する(すなわち、セルCELL4、CELL8およびCELL12における)この通信機能を提供する機能を実行する。
【0087】
加えて、L1処理ボード202−2および202−3はセクタS1からS3のキャリアC3に関する(すなわち、セルCELL3、CELL7およびCELL11における)、およびセクタS1からS3のキャリアC4に関する(すなわち、セルCELL4、CELL8およびCELL12における)、干渉除去機能を提供する機能を実行し、それに対して、L1処理202−1は、セルCELL1、CELL2、CELL5、CELL6、CELL9およびCELL10におけるユーザに、この機能を提供する機能を実行しない。
【0088】
例示の目的で、いくつかの実施形態例がユーザに関するマルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク機能および干渉除去機能の分配に関して説明されてもよい。ユーザUSER1に関して説明される場合、キャリアC1はアンカー・キャリアとして説明され、L1処理ボード202−1はアンカーL1処理ボードとして説明され、L1処理回路2020−1はアンカーL1処理回路として説明され、それに対して、キャリアC2、C3およびC4は二次キャリアとして説明され、L1処理ボード202−2および202−3は二次L1処理ボードとして説明され、L1処理回路2020−2および2020−3は二次L1処理回路として説明される。同様に、セルCELL1はアンカー・セルとして説明されてもよく、それに対して、セルCELL2、CELL3およびCELL4は二次セルとして説明されてもよい。しかしながら、セルCELL1からCELL12のいずれも、あるユーザに関してアンカー・セルでありかつ他のユーザに関して二次セルであるようにサービスを行ってもよく、キャリアC1からC4のいずれも、あるユーザに関してアンカー・キャリアでありかつ他のユーザに関して二次キャリアであってもよく、L1処理ボードのそれぞれも、あるユーザに対してアンカーL1処理ボードでありかつ他ユーザに対して二次L1処理ボードであるようにサービスを行ってもよいことは理解されるべきである。同様に、L1処理回路のそれぞれも、アンカーL1処理回路と二次L1処理回路の両方としてサービスを行ってもよい。少なくともいくつかの実施形態例では、L1処理ボード202−1はキャリアC1に対するアンカーL1処理ボードとして、キャリアC2に対する二次L1処理ボードとして機能してもよい。
【0089】
さらに、例示の目的で、いくつかの実施形態例が
図1のマルチキャリア・ユーザUSER1に関するアップリンク送信に対して説明される。しかしながら、同様の処理が無線通信ネットワーク内の任意の数のユーザに関して実行されてもよいことは理解されるべきである。
【0090】
図5は、アンカーL1処理ボード202−1においてアップリンク通信を処理する方法の実施形態例を示す流れ図である。
図6は、二次L1処理ボード(例えば、202−2および/または202−3)においてアップリンク通信を処理する方法の実施形態例を示す流れ図である。
【0091】
図5および
図6に示された実施形態例は共に、マルチキャリア・ユーザに関するマルチキャリア・アップリンク通信機能に関するマルチキャリア・アップリンク・タスクに関連づけられた機能の例を示す。すなわち、例えば、
図5および
図6に示された方法は、ある実施形態例によるMBAにおけるマルチキャリア・ユーザにマルチキャリア・アップリンク通信機能を提供することと関連づけられた機能を示す。
【0092】
例示の目的で、
図5および
図6に示された方法は、マルチキャリア・ユーザUSER1、および
図1に示された通信ネットワークの一部に関して説明される。
【0093】
図1から
図5を参照すると、ステップS502においてアンカーL1処理回路2020−1は、1つまたは複数のRFアンテナ・ストリームを介して、セクタS1(セルCELL1)におけるアンカー・キャリアC1でユーザUSER1によって送信されたアップリンク物理チャネルを受信する。この例では、アップリンク物理チャネルはアップリンク制御チャネルおよびアップリンク・データ・チャネルを含む。
【0094】
ステップS504において、アンカーL1処理回路2020−1は、アップリンク制御チャネル情報を得るように、受信されたアップリンク制御チャネルのL1処理機能を実行する。より詳細には、ステップS504において、アンカーL1処理回路2020−1は、アップリンク制御チャネル情報を得るように、アップリンク制御チャネルを復調および復号する。一例では、アップリンク制御チャネル情報は、タイミング/同期情報、チャネル品質表示情報(例えば、CQI情報)、受信品質情報(例えば、ユーザUSER1がNodeB20による最後の送信を成功して受信したかどうかを示すAck/Nack)、電源制御ループ情報などを含んでもよい。
【0095】
ユーザUSER1に関するマルチキャリア・アップリンク通信機能において、アンカー・セルCELL1のみがアップリンク制御チャネルを有し、すべての二次セルCELL2からCELL4はアンカー・セル・アップリンク制御チャネルを共有する。したがって、この例では、アンカーL1処理回路2020−1のみが、アンカー・セルCELL1に連動するアップリンク物理チャネルのアップリンク制御チャネル部分を受信する。
【0096】
さらに
図5を参照すると、ステップS506において、アンカーL1処理回路2020−1は二次L1処理回路2020−2および2020−3にアップリンク制御チャネル情報を出力する。より詳細には、ステップS506において、アンカーL1処理回路2020−1はアップリンク制御チャネル情報を含む制御チャネル情報パケットを生成し、L1処理ボード202−1は、二次L1処理ボード202−2および202−3に制御チャネル情報パケットを出力する。
【0097】
一例では、アップリンク制御チャネル情報は、アンカー・セルCELL1および二次セルCELL2からCELL4に関する電源制御ループ情報と同様に、タイミング情報を含む。電源制御ループはL1処理回路に実装されたL1機能であるため、アンカーL1処理ボード202−1は電源制御ループ情報を二次L1処理ボード202−2および202−3に提供する。また、L1処理ボードの間で処理を同期化するように、L1処理ボード202−1はタイミング情報を二次処理ボード202−2および202−3に提供する。アンカーL1処理ボード202−1は、L1インターフェース・メッセージを用いて上で述べられたボード間通信リンクを介して、アップリンク制御チャネル情報を二次L1処理ボード202−2および202−3に提供する。
【0098】
さらに
図1および
図5を参照すると、ステップS508において、アンカーL1処理回路2020−1は受信されたアップリンク・データ・チャネルでL1処理機能を実行する。より詳細には、ステップS508において、アップリンク制御チャネル情報を用いて、アンカーL1処理回路2020−1は、セクタS1(セルCELL1)におけるキャリアC1でユーザUSER1によって送信されたデータ符号を復元するように、1つまたは複数のRFアンテナ・ストリームを介して受信されたアップリンク・データ・チャネルを復調する。L1処理回路2020−1は、ユーザUSER1によって送信されたL1データビット・シーケンス(搬送ブロック、ペイロード・データ、またはデータ・パケットともみなされる)を復元するように、ダイバーシティ・アンテナ符号を組み合わせ、組み合わせられたデータ符号を復号する。
【0099】
ステップS510において、アンカーL1処理回路2020−1はアップリンク制御チャネル情報と、復元されたデータビット・シーケンス(搬送ブロックまたはペイロード・データ)とを、上で述べたCPRIリンクを介して中央局210のL2スケジューラ(図示しない)に出力する。中央局210のL2スケジューラの機能は以下により詳細に説明される。
【0100】
次に
図6を参照すると、ステップS602において、二次L1処理回路2020−2はアンカーL1処理ボード202−1から、アップリンク制御チャネル情報を含む制御チャネル情報パケットを受信する。上で述べたように、アップリンク制御チャネル情報は、例えば、アップリンク電源制御ループ情報およびタイミング情報を含む。二次L1処理回路2020−2は、キャリアC3で受信されたアップリンク送信の処理を、キャリアC1、C2およびC4で受信されたアップリンク送信の処理と同期化するように、タイミング情報を用いる。この点で、二次L1処理回路2020−2は、セクタS1(セルCELL3)におけるキャリアC3で受信されたアップリンク送信の処理を、セクタS1(セルCELL1)におけるアンカー・キャリアC1で受信されたアップリンク送信の処理と同期化するように、タイミング情報を用いてもよい。二次キャリアで受信されたアップリンク送信の処理を、アンカー・キャリアのアップリンク送信の処理と同期化することによって、すべてのキャリアでのアップリンク送信の処理が同期化されてもよい。
【0101】
アンカーL1処理回路によって提供されたアップリンク電力制御ループ情報は、以下の通り利用される。
【0102】
複数のセルにおける複数のキャリアでのダウンリンク送信に関して、ユーザはダウンリンク・チャネル品質情報(CQI)を測定し、異なるセルにおいて受信されたデータに関して周期的冗長検査(CRC、Ack/Nack)を実行する。ユーザはアンカー・セルと二次セルに関するCQIとAck/Nack情報とを組み合わせ、アンカー・セルにおけるアップリンク制御チャネルを介して、組み合わせられた情報をNodeBに送信する。アンカーL1処理回路はCQIおよびAck/Nack情報を復号し、情報をアンカー・セルの組と二次セルの組に分割する。アンカーL1処理回路は、アンカー・セルに関するユーザが報告したチャネル品質情報(CQI)に基づいて、ダウンリンク送信電力を調整する(例えば、増加させるか減少させる)。アンカーL1処理回路は、そして、ユーザが報告した二次セルCQI情報に基づいて、二次セルにおけるダウンリンク送信電力を調整する(例えば、増加させるか減少させる)ように、二次CQIを二次L1処理回路に関する二次L1処理ボードに送信する。
【0103】
さらに
図6を参照すると、ステップS604において、二次L1処理回路2020−2は、セクタS1(二次セルCELL3)における二次キャリアC3でユーザUSER1によって送信されたアップリンク・データ・チャネルでL1処理機能を実行する。より詳細には、ステップS604において、アンカーL1処理ボード202−1からのアップリンク制御チャネル情報を用いて、二次L1処理回路2020−2は、ユーザUSER1によって送信されたデータ符号を復元するように、セクタS1(二次セルCELL3)における二次キャリアC3で送信されたアップリンク・データ・チャネルを復調する。二次L1処理回路2020−2は、二次キャリアC3のユーザUSER1によって送信されたL1データビット・シーケンス(搬送ブロックまたはペイロード・データ)を復元するように、ダイバーシティ・アンテナ符号を組み合わせ、組み合わせられた符号を復号する。
【0104】
ステップS606において、二次L1処理回路2020−2は、復元された送信されたデータビット・シーケンスを、中央局210のL2スケジューラに出力する。二次L1処理回路2020−2は、制御チャネル情報パケットを出力してもよい。二次セルCELL3における制御チャネル情報パケットは制御チャネル情報、例えば、搬送ブロック(復元されたデータビット)がどのように定義されて符号化されるかを示す符号化情報などを含んでもよい。
【0105】
知られているように、所与のセルにおいて複数の制御チャネルがある。そして、異なる制御チャネルが異なる組の制御情報を提供する。一例において、二次L1処理ボードが、アップリンク・データ・チャネルと、データ・チャネル符号化情報を提供する対応するアップリンク制御チャネルとを復号する。少なくともいくつかの実施形態例によれば、各L1処理ボードは、復号されたデータ・パケット(搬送ブロック)および対応する制御メッセージ(搬送ブロックがどのように定義されて符号化されるかを示す)を、さらなる処理のために中央局のL2スケジューラに送る。
【0106】
中央局210のL2スケジューラは、L1処理ボード202−1、202−2および202−3から、アップリンク制御チャネル情報パケットおよび送信されたデータビット・シーケンスを受信する。より詳細には、L2スケジューラは、セクタS1(セルCELL1)におけるアンカー・キャリアC1と、アンカーL1処理ボード202−1からのセクタS1(セルCELL2)における二次キャリアC2とで、ユーザUSER1によって送信された、アップリンク制御チャネル情報パケットおよび復元されたデータビット・シーケンスを受信し、二次L1処理ボード202−2からのセクタS1(セルCELL3)における二次キャリアC3でユーザUSER1によって送信された、アップリンク制御チャネル情報パケットおよび復元されたデータビット・シーケンスを受信し、二次L1処理ボード202−3からのセクタS1(セルCELL4)における二次キャリアC4でユーザUSER1によって送信された、アップリンク制御チャネル情報パケットおよび復元されたデータビット・シーケンスを受信する。中央局210のより高いレイヤー(例えばL3)情報処理のために、そしてコア・ネットワークを介したさらなる送信のために、アップリンク制御チャネル情報を用いて、L2スケジューラはL1処理ボード202−1、202−2および202−3からの復元されたデータビット・シーケンスを組み合わせる。
【0107】
一実施形態例によるMBAを有するNodeBにおいて実装される、マルチキャリア・アップリンク/ダウンリンク通信機能のダウンリンク部分を、次に詳細に説明する。
【0108】
ダウンリンクにおいて、L2スケジューラはダウンリンク・ユーザ・データを複数のデータの組に分割または分離する。複数のデータの組の各々は、セクタS1(セルCELL1)におけるキャリアC1、セクタS1(セルCELL2)におけるキャリアC2、セクタS1(セルCELL3)におけるキャリアC3、セクタS1(セルCELL4)におけるキャリアC4のうち1つでユーザUSER1に送信されるデータを含む。L2スケジューラは、そして、キャリアごとにL1処理ボード202−1、202−2および202−3へのデータの組を出力する。一例では、ユーザUSER1にマルチキャリア・ダウンリンク通信機能を提供する機能がNodeB20のL1処理ボードの間で分配されるように、L2スケジューラはキャリアごとにL1処理ボード202−1、202−2および202−3の間でデータの組を分配してもよい。
【0109】
例えば、L2スケジューラはセクタS1(セルCELL1)におけるキャリアC1でユーザUSER1への送信のためにL1処理ボード202−1に第1の複数のデータの組を送り、L2スケジューラはセクタS1(セルCELL2)におけるキャリアC2でユーザUSER1への送信のためにL1処理ボード202−1に第2の複数のデータの組を送り、L2スケジューラはセクタS1(セルCELL3)におけるキャリアC3でユーザUSER1への送信のためにL1処理ボード202−2に第3の複数のデータの組を送り、L2スケジューラはセクタS1(セルCELL4)におけるキャリアC4でユーザUSER1への送信のためにL1処理ボード202−3に第4の複数のデータの組を送る。
【0110】
L2スケジューラはまた、ダウンリンク制御チャネル情報を複数のダウンリンク制御チャネル情報パケットに分割する。複数のダウンリンク制御チャネル情報パケットの各々は、セクタS1(それぞれ、セルCELL1、CELL2、CELL3およびCELL4)における、キャリアC1、C2、C3およびC4のうち1つで、ユーザUSER1に送信されるデータに関するダウンリンク制御チャネル情報を含む。一例では、ダウンリンク制御チャネル情報パケットは、セル配置情報、タイミング情報、キャリアに関するダウンリンク・チャネル配置情報、電力設定情報などを含んでもよい。アンカー・セルCELL1および二次セルCELL2に関するダウンリンク制御チャネル情報パケットはL1処理ボード202−1に送られ、二次セルCELL3に関するダウンリンク制御チャネル情報パケットはL1処理ボード202−2に送られ、二次セルCELL4に関するダウンリンク制御チャネル情報パケットはL1処理ボード202−3に送られる。
【0111】
図7はNodeB20におけるダウンリンク通信を処理する方法の実施形態例を示す流れ図である。
図7に示される実施形態例は、マルチキャリア・ユーザに関するマルチキャリア・ダウンリンク通信機能と関連づけられた、マルチキャリア・ダウンリンク・タスクと関連づけられた機能の例を示す。すなわち、例えば、
図7で示される方法は、一実施形態例による、MBAにおけるマルチキャリア・ユーザに関するマルチキャリア・ダウンリンク通信機能を提供することと関連づけられた機能を例示する。
【0112】
図7を参照すると、ステップS702において、各L1処理ボードは中央局210から、1つまたは複数のダウンリンク制御チャネル情報パケットと、セクタS1(セルCELL1、CELL2、CELL3およびCELL4)における、キャリアC1、C2、C3およびC4のうち対応する1つで、ユーザUSER1に送信するためのダウンリンク・データの組とを受信する。
【0113】
より詳細な例では、ステップS702において、L1処理ボード202−1はセクタS1(セルCELL1)におけるキャリアC1でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報パケットおよび第1のダウンリンク・データの組を受信し、L1処理ボード202−1はセクタS1(セルCELL2)におけるキャリアC2でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報パケットおよび第2のダウンリンク・データの組を受信し、L1処理ボード202−2はセクタS1(セルCELL3)におけるキャリアC3でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報パケットおよび第3のダウンリンク・データの組を受信し、L1処理ボード202−3はセクタS1(セルCELL4)におけるキャリアC4でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報パケットおよび第4のダウンリンク・データの組を受信する。
【0114】
少なくとも1つの実施形態例において、各キャリアからのダウンリンク制御チャネル情報およびデータの組の中から、L1処理ボード202−1(ならびにL1処理回路2020−1)はセクタS1(セルCELL1およびCELL2)におけるキャリアC1およびC2でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報およびダウンリンク・データの組のみを受信し、L1処理ボード202−2(ならびにL1処理回路2020−2)はセクタS1(セルCELL3)におけるキャリアC3でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報およびダウンリンク・データの組のみを受信し、L1処理ボード202−3(ならびにL1処理回路2020−3)はセクタS1(セルCELL4)におけるキャリアC4でユーザUSER1に送信されるダウンリンク制御チャネル情報およびダウンリンク・データの組のみを受信する。
【0115】
図7に戻ると、ステップS704において、各L1処理回路は、それぞれ受信されたデータの組のダウンリンク・データビット・シーケンスを、ダウンリンク制御チャネル情報を用いて、セクタS1(それぞれ、セルCELL1、CELL2、CELL3およびCELL4)における、キャリアC1、C2、C3およびC4のうち対応する1つで、ユーザUSER1に送信するために、無線周波数(RF)信号ストリームに符号化する。
【0116】
より詳細には、L1処理ボード202−1は受信された第1のデータの組のダウンリンク・データビット・シーケンスを、セクタS1(セルCELL1)におけるキャリアC1でユーザUSER1に送信するために、無線周波数(RF)信号ストリームに符号化し、L1処理ボード202−1は受信された第2のデータの組のダウンリンク・データビット・シーケンスを、セクタS1(セルCELL2)におけるキャリアC2でユーザUSER1に送信するために、RF信号ストリームに符号化し、L1処理ボード202−2は受信された第3のデータの組のダウンリンク・データビット・シーケンスを、セクタS1(セルCELL3)におけるキャリアC3でユーザUSER1に送信するために、RF信号ストリームに符号化し、L1処理ボード202−3は受信された第4のデータの組のダウンリンク・データビット・シーケンスを、セクタS1(セルCELL4)におけるキャリアC4でユーザUSER1に送信するために、RF信号ストリームに符号化する。
【0117】
ステップS706において、L1処理ボード202−1、202−2および202−3のそれぞれは、所与のセルにおける所与のキャリアまたは複数のキャリアでユーザUSER1に送信するために、生成されたRF信号ストリームを、対応する1つまたは複数のRFアンテナに出力する。
【0118】
そして、RF信号ストリームは、対応するRFアンテナを介してユーザに送信される。
【0119】
少なくともいくつかの実施形態例によれば、L1処理ボードは、L1処理ボードごとに3つのセクタにおいて1つまたは複数のキャリアに区切られる。任意の単一のマルチキャリア(例えば4キャリア)ユーザに関して、4つのキャリアはNodeBの3つのL1処理ボードの中で分配される。中央局のL2スケジューラは、3つのL1ボードにわたるキャリア集合に基づくスケジューリング機能を実行する。4つのキャリアがシステムとしてグループ化されるため、3つのL1処理ボードは互いに情報を交換する。これは、各ボードがすべての情報によってすべての通信機能を実装するためボード間通信が用いられない、従来のSBAアーキテクチャとは異なる。
【0120】
1つまたは複数の実施形態例によるマルチボード・アーキテクチャは、従来の単一ボード・アーキテクチャにおいてみられる重複した機能を減らすことにより、NodeBにおける不要なリソースの消費を減らすことができる。一例では、L1処理ボードは、従来の単一ボード・アーキテクチャと比較して、アンテナ・ストリームの一部または部分のみを処理する。
【0121】
実施形態例はまた、既存のボードのライフサイクルを延長し、既存のボードに追加の特徴を追加する可能性を提供してもよい。
【0122】
上で述べたように、NodeB20におけるL1処理ボードのそれぞれによって提供される通信機能または通信機能の組は、異なってもよい。一例では、L1処理ボード202−2および202−3は、セクタS1からS3(セルCELL3、CELL7およびCELL11)におけるキャリアC3、および、セクタS1からS3(セルCELL4、CELL8およびCELL12)におけるキャリアC4でユーザに干渉除去を提供してもよい。
【0123】
図8は、
図1に示されたL1処理ボード202−2および202−3の1つにおける干渉除去ユニットの実施形態例を示すブロック図である。例示の目的で、ブロック図は
図1に示されたL1処理回路202−2におけるキャリアC3でユーザUSER1およびUSER2の間の干渉を除去することに関して説明される。
【0124】
実施形態例によれば、干渉除去ユニット(および/またはその1つまたは複数の構成要素)はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを実行するハードウェア、またはそれらの組み合わせであってもよい。L1処理回路がハードウェアである場合、そのようなハードウェアは、1つまたは複数の中央演算装置(CPU)、システム・オン・チップ(SOC)デバイス、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)コンピュータ、または、干渉除去ユニット(および/またはその1つまたは複数の構成要素)の機能を実行する特別な目的の機械として構成された同様のものを含んでもよい。CPU、SOC、DSP、ASICおよびFPGAは、一般にプロセッサおよび/またはマイクロプロセッサとみなされてもよい。
【0125】
図8を参照すると、L1処理ボード202−2において受信されたRF信号ストリームは、互いに混合されたか組み合わされた、ユーザUSER1からの送信(RF信号ストリーム部分)およびユーザUSER2からの送信(RF信号ストリーム部分)を含む。ユーザUSER1受信機に関して、ユーザUSER2によって送信されたRF信号ストリーム部分は干渉である。
図8に記載の干渉除去ブロックは、干渉するRF信号ストリーム(この場合は、ユーザUSER2によって送信されたRF信号ストリーム部分)を検出、復号および再構成し、受信されたRF信号ストリームから干渉を除去する。このようにして、ユーザUSER1に関する受信機入力はよりクリアなものとなり、データ復元はより容易となりエラーを起こしにくくなる。
【0126】
図8において、全体のまたは組み合わせられた信号(X
USER1+X
USER2)は、ユーザUSER1によって送信されたRF信号ストリーム(RF信号ともみなされる)X
USER1およびユーザUSER2によって送信されたRF信号X
USER2の組み合わせである。
【0127】
復号ユニット804は組み合わせられたRF信号X
USER1+X
USER2を、キャリアC3でユーザUSER2によって送信されたデータビット・シーケンスUSER2_INFOを得るように復号する。復号ユニット804はデータビット・シーケンスUSER2_INFOを再構成ユニット806に出力する。
【0128】
再構成ユニット806は、再構成されたRF信号ストリームRECON_X
USER2を得るように、USER2によって送信された、送信されたRF信号ストリーム部分X
USER2を再構成または再編する。理論的には(実装エラーを無視すれば)、再構成されたRF信号ストリームRECON_X
USER2は、ユーザUSER2によって送信された、組み合わせられたRF信号ストリーム(X
USER1+X
USER2)の部分(すなわち、この例ではX
USER2)と等しいか実質的に等しいはずである。再構成ユニット806は、減算ユニット808に再構成された信号RECON_X
USER2を出力する。
【0129】
さらに
図8を参照すると、ユーザUSER2によって送信されるRF信号ストリームが復号および再構成されている間、組み合わせられた信号(X
USER1+X
USER2)は遅延バッファ802によってバッファされる。バッファの後、遅延バッファ802は組み合わせられた信号(X
USER1+X
USER2)を減算ユニット808に出力する。
【0130】
減算ユニット808は、再構成された信号RECON_X
USER2を組み合わせられたRF信号(X
USER1+X
USER2)から減算することによって、ユーザUSER2によって送信された、組み合わせられたRF信号(X
USER1+X
USER2)の部分を除去し、それによって、キャリアC3でユーザUSER1によって送信されるRF信号ストリームX
USER1を得る。RF信号ストリームX
USER1は、L1処理ボード202−2におけるさらなる処理(例えばL1処理)のためにユーザUSER1に関する受信機に出力される。
【0131】
上で述べたようなものなどの干渉除去機能は、余分な復号および/または遅延バッファのための、比較的著しいハードウェア・リソースを必要とすることがある。したがって、NodeBにおけるL1処理ボードの負荷は、より少ない数のセルを処理するL1処理ボード(例えば、3つのセルのみを処理する必要がある、例えばL1処理ボード202−2および202−3)の干渉除去機能を提供することによって釣り合いをとる。
【0132】
ボード・リソースの使用を改善するように、望ましい負荷釣り合わせが、複数のL1処理ボードにわたるタスク分割および分配の動的な管理によって達成されてもよい。いくつかの実施形態例は、L1処理ボードの間の通信機能処理の負荷釣り合わせの方法を提供する。いくつかの実施形態例はまた、システムとしてL1処理ボードが機能するように構成されたマルチボード・アーキテクチャを有するNodeBを提供し、それによってNodeBにおける通信機能処理の動的な負荷釣り合わせを可能にする。
【0133】
負荷釣り合わせの方法の実施形態例が、干渉除去機能に関して本明細書に説明される。しかしながら、実施形態例は他のユーザ機能に適用されてもよいことは理解すべきである。
【0134】
一般に、マルチボード負荷釣り合わせは1つまたは複数のNodeB(例えば単一のNodeB)で複数のボードにわたるリソースの使用を改善してもよい。L1ボード・リソースは、例えば、ハードウェア処理電力、有効なメモリサイズ、および各ユーザに対する時間割り当てを含む。1つのボードが過負荷であり別のボードが過負荷でない場合、ボード間の負荷を釣り合わせるように、いくつかの処理タスクが過負荷のボードから過負荷でないボードに転送されてもよい。少なくともいくつかの実施形態例によるMBAにおいて、負荷釣り合わせは、中央局からNodeBに送られる制御パケットを介して、中央局のL2/L3ボードによって動的に制御されてもよい。
【0135】
図4は、
図1に示されたNodeB20における干渉除去機能のための負荷釣り合わせの方法の実施形態例を示すブロック図である。例示の目的で、
図4は、2つのキャリアで、キャリアごとに3つのセクタで、2つのL1処理ボードの間の、ユーザに関する負荷釣り合わせを含む3GPP LTEキャリア集合の例を示す。
【0136】
LTE通信ネットワークにおいて、高速フーリエ変換(FFT)は複数のユーザのフロント・エンド処理の部分である。一例において、1つのFFTポイントは15kHzの周波数帯域を表す。1024のFFTは、複数のユーザによって共有される1024*15kHzまたは15.360MHzの周波数帯域を表す。
【0137】
この例において、以下を前提とする。
i.L1処理ボード202−1は干渉除去機能と関連づけられた機能を実行しないため、L1処理ボード202−1におけるFFTは45の非ICユーザを含む。
ii.L1処理ボード202−2におけるFFTは40のユーザを含み、うち2ユーザは干渉除去(IC)ユーザであり、残りの38ユーザは非ICユーザである。
iii.L1処理ボード202−3におけるFFTは50のユーザを含み、うち10ユーザは干渉除去(IC)ユーザであり、残りの40ユーザは非ICユーザである。
iv.ICユーザは非ICユーザよりも多くのリソースを消費する。
v.L1処理ボード202−2および202−3のそれぞれは、6のICユーザおよび50の非ICユーザを処理する能力を有する。
【0138】
この例は、6のICユーザおよび50の非ICユーザを処理する能力を有する各L1処理ボード202−2および202−3に関して述べられるが、実施形態例はこの例に限定されるべきではない。それどころか、この特定の能力はこの例のためにのみ提供される。
【0139】
従来のSBAを用いると、FFTを実行した後にすべてのユーザがローカルのL1処理ボードで処理される。この例において、ローカルなL1処理ボード202−3は10のICユーザを有し、L1処理ボードの最大能力(6のICユーザ)を超過する。
【0140】
実施形態例によるMBAを利用することにより、L1処理ボードはボードにおける通信機能の能力過負荷を識別し、能力過負荷の識別に応答して、あるL1処理ボードから別のL1処理ボードに、少なくとも1のユーザに通信機能を提供することと関連づけられた機能を転送することができる。
【0141】
より具体的な例では、実施形態例によるMBAを利用することにより、IC負荷がNodeB20におけるL1処理ボード202−2および202−3の間で分配されて釣り合わせられるように、ICユーザは、ユーザにこの通信機能を提供することと関連づけられた機能と同様に、あるL1処理ボードから別の処理ボードへ転送されてもよい。
【0142】
1のICユーザに関して、ローカルなL1処理ボードは、FFT処理に関して複数のユーザによって混合されるアンテナ・ストリームを受信する。FFT出力は複数のデータの組に分割され、各データの組は複数のユーザのうちの対応する1つをマッピングする。ユーザ・データの組はさらに、タイミングおよび周波数オフセット補償処理回路によって処理される。オフセット補償の後に、ユーザ・データの組はIC処理回路に送られる。したがって、オフセット補償の後に、ユーザ・データの組はIC処理回路への入力であり、L1インターフェース・メッセージを介してリモートなL1処理ボードに転送される情報としてサービスを行う。
【0143】
図4に戻って参照すると、この例では、L1処理ボード202−2および202−3は干渉除去機能に関して1のシステム(MBA)として機能し、L1処理ボード202−2は2のICユーザのみを有するため、L1処理ボード202−3はさらなる処理のために4のICユーザ(FFT後)をL1処理ボード202−2に転送する。これはユーザに関するMBA負荷釣り合わせとみなされてもよい。
【0144】
図4に示された例において、負荷釣り合わせの後、L1処理ボード202−2は6のICユーザを有し、L1処理ボード202−3は6のICユーザを有する。したがって、L1処理ボード202−2および202−3のそれぞれは6のICユーザという処理能力以下である。L1処理ボードは、L1インターフェース交換メッセージを用いて、ユーザと、この通信機能(例えば、干渉除去)を提供することに関連づけられた機能とを転送してもよい。
【0145】
図9は、NodeBにおけるボードの間の通信機能の負荷釣り合わせの方法の一実施形態例を示すブロック図である。例示の目的で、単一キャリアC1で、3つのセクタS1、S2,S3を有し、2つのL1処理ボードの間の、ユーザに関する負荷釣り合わせを含むLTEキャリア集合の例が説明される。
【0146】
図4に示された実施形態例と同様に、
図9に示された例において、以下を前提とする。
vi.L1処理ボード202−1は干渉除去機能と関連づけられた機能を実行しないため、L1処理ボード202−1におけるFFTは45の非ICユーザを含む。
vii.L1処理ボード202−2におけるFFTは40のユーザを含み、うち2ユーザは干渉除去(IC)ユーザであり、残りの38ユーザは非ICユーザである。
viii.L1処理ボード202−3におけるFFTは50のユーザを含み、うち10ユーザは干渉除去(IC)ユーザであり、残りの40ユーザは非ICユーザである。
ix.ICユーザは非ICユーザよりも多くのリソースを消費する。
x.L1処理ボード202−2および202−3のそれぞれは、6のICユーザおよび50の非ICユーザを処理する能力を有する。
【0147】
図4と同様に、
図9に示された例は、6のICユーザおよび50の非ICユーザを処理する能力を有する各L1処理ボード202−2および202−3に関して述べられるが、実施形態例はこの例に限定されるべきではない。それどころか、この特定の能力はこの例のためにのみ提供される。
【0148】
実施形態例によるMBAを利用することにより、IC負荷がNodeB20におけるL1処理ボード202−2および202−3の間で分配されて釣り合わせられるように、ICユーザは、ユーザにこの通信機能を提供することと関連づけられた機能と同様に、あるL1処理ボードから別の処理ボードへ転送されてもよい。
【0149】
図9に示された例に関して、より詳細には、L1処理ボード202−2および202−3は干渉除去機能に関して1のシステム(MBA)として機能し、L1処理ボード202−2は2のICユーザのみを有するため、L1処理ボード202−3はさらなる処理のために4のICユーザ(FFT後)と、ユーザにこの通信機能を提供することと関連づけられた機能とをL1処理ボード202−2に転送する。これはユーザに関するMBA負荷釣り合わせとみなされてもよい。
【0150】
図9に示された例において、負荷釣り合わせの後に、L1処理ボード202−2は6のICユーザを有し、L1処理ボード202−3は6のICユーザを有する。したがって、L1処理ボード202−2および202−3のそれぞれは6のICユーザという処理能力以下である。L1処理ボードは、L1インターフェース交換メッセージを用いて、ユーザを転送してもよい。
【0151】
先述の実施形態例の説明は、例示および説明の目的のみのために提供された。それは包括的なものや、開示を限定することを意図したものではない。特定の実施形態例の個々の要素または機能は、一般にその特定の実施形態に限定されるものではなく、適用可能であれば、置き換え可能であり、具体的に示されるか説明されなくとも、選択された実施形態で使用されることができる。同じものが多くの形に変化することもある。そのような変化は開示から離れたものとみなされるべきではなく、すべてのそのような変形例は開示の範囲内に含まれるものと意図される。