特許第6522106号(P6522106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6522106第1のドローン基地局、第2のドローン基地局、制御装置、および第1のドローン基地局を第2のドローン基地局と置換する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522106
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】第1のドローン基地局、第2のドローン基地局、制御装置、および第1のドローン基地局を第2のドローン基地局と置換する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20190520BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20190520BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20190520BHJP
【FI】
   H04W36/08
   H04W88/08
   H04W84/06
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-503483(P2017-503483)
(86)(22)【出願日】2015年7月21日
(65)【公表番号】特表2017-521962(P2017-521962A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】EP2015066621
(87)【国際公開番号】WO2016012437
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2017年3月9日
(31)【優先権主張番号】14290212.1
(32)【優先日】2014年7月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】アイディン,オスマン
(72)【発明者】
【氏名】マランチーニ,イラリア
(72)【発明者】
【氏名】ゲーベルト,イェンス
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/188629(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第2166735(EP,A1)
【文献】 特開2011−23955(JP,A)
【文献】 特表2010−536272(JP,A)
【文献】 特開2004−80466(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/096685(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のドローン基地局を第2のドローン基地局と置換する方法であって、
前記第1のドローン基地局により、セル識別子を示す第1のパイロット信号を送信するステップと、
前記第1のドローン基地局により、前記第2のドローン基地局が前記第1のドローン基地局の近くにあるという情報を受信するステップと、
前記第2のドローン基地局により、前記第1のドローン基地局と同じセル識別子を示す第2のパイロット信号を送信するステップと、
前記第1のドローン基地局により前記第2のドローン基地局から第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を受信するステップと、
前記第1のドローン基地局により前記第2のドローン基地局から第1のパイロット信号を送信することを中止する前記表示を受信することに応じて、前記第1のドローン基地局により、第1のパイロット信号の前記送信するステップを中止するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のドローン基地局により、前記第2のドローン基地局が近くにあるという情報を前記受信するステップのすぐ後に、前記第1のドローン基地局から前記第2のドローン基地局へと、ユーザ端末との前記第1のドローン基地局の接続についてのユーザ・コンテキスト情報を転送するステップと、
前記第1のドローン基地局から、前記第1のドローン基地局と前記第2のドローン基地局との両方へと、前記複数のユーザ端末とのアップリンク・ユーザ・データ接続を切り替え、次いで、前記複数のユーザ端末との前記アップリンク・ユーザ・データ接続を前記第2のドローン基地局へと切り替えるが前記第1のドローン基地局へは切り替えないステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のユーザ端末との前記アップリンク・ユーザ・データ接続を前記第2のドローン基地局へと切り替えるが前記第1のドローン基地局へは切り替えない前記ステップは、前記第2のドローン基地局が、アップリンク受信を停止させる命令を前記第1のドローン基地局に対して送信するステップと、前記第1のドローン基地局が肯定応答を送信するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記肯定応答は、前記第1のドローン基地局により受信されバックホール・ノードに転送されたアップリンク・ユーザ・データのユーザ・コンテキスト・データと一緒に送信される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
IPアドレスを使用して前記の第1のドローン基地局と第2のドローン基地局との間で区別することにより、前記第1のドローン基地局を経由することから前記第2のドローン基地局を経由することへとダウンリンク・ユーザ・データの経路を切り替えるステップをさらに含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ダウンリンク・ユーザ・データの経路を前記切り替えるステップは、前記第2のドローン基地局が、ダウンリンク・ユーザ・データの経路を切り替えるための要求を送信するステップによってトリガされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のドローン基地局は、前記第1の基地局と同じ無線周波数バンドを使用する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2のドローン基地局によって置換されるように構成された第1のドローン基地局であって、
セル識別子を示す第1のパイロット信号を送信するように構成された送信ロジックと、
前記第2のドローン基地局が前記第1のドローン基地局の近くにあるという情報を受信するように構成された受信ロジックであって、前記第2の基地局は、前記第1のドローン基地局と同じセル識別子を示す第2のパイロット信号を送信するように構成されている、受信ロジックと、
前記第2のドローン基地局から、第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を受信するように構成された表示受信ロジックと、
第1のパイロット信号を送信することを中止する前記表示を前記第2のドローン基地局から受信することに応じて、第1のパイロット信号の前記送信することを中止するように構成された中止ロジックと
を備えている第1のドローン基地局。
【請求項9】
前記第2のドローン基地局が近くにあることを通知されると、ユーザ端末との接続についてのユーザ・コンテキスト情報を前記第2のドローン基地局に向かって送信するように構成されたユーザ・コンテキスト情報送信ロジックと、
アップリンク受信を停止させる命令を受信するように構成された受信ロジックと、
それに応答して、前記第1のドローン基地局に対する前記複数のユーザ端末とのアップリンク・ユーザ・データ接続を停止させるように構成された停止ロジックと、
前記命令の肯定応答を前記第2の基地局に向かって送信するように構成された肯定応答ロジックと
をさらに備えている、請求項8に記載の第1のドローン基地局。
【請求項10】
前記第1のドローン基地局により受信され、バックホール・ノードに対して転送されたアップリンク・ユーザ・データのユーザ・コンテキスト・データを前記肯定応答と一緒に送信するように構成されたユーザ・コンテキスト・データ送信ロジックを備えている、請求項9に記載の第1のドローン基地局。
【請求項11】
セル識別子を示す第1のパイロット信号を送信するように構成されている第1のドローン基地局を置換するように構成された第2のドローン基地局であって、
前記第1のドローン基地局の近くにある所与のロケーションへと飛行させるコマンドを受信するように構成された受信ロジックと、
飛行した先の前記ロケーションを示す信号を伝送するように構成された伝送ロジックと、
前記第2のドローン基地局から、前記第1のドローン基地局と同じセル識別子を示す第2のパイロット信号を送信するように構成された送信ロジックと、
前記第1のドローン基地局に向かって、第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を送信するように構成された表示送信ロジックと
を備えている第2のドローン基地局。
【請求項12】
前記第1のドローン基地局から複数のユーザ端末との接続についてのユーザ・コンテキスト情報を受信するように構成された受信ロジックと、
アップリンク受信を引き受けるように構成された引き受けロジックと、
前記複数のユーザ端末とのアップリンク・ユーザ・データ接続を前記第2のドローン基地局とは有するが前記第1のドローン基地局とは有さないようにするために、アップリンク受信を停止させる命令を前記第1のドローン基地局に向かって送信するように構成された命令送信ロジックと、
前記第1の基地局から前記命令の肯定応答を受信するように構成された肯定応答受信ロジックと
をさらに備えている、請求項11に記載の第2のドローン基地局。
【請求項13】
IPアドレスを使用して前記の第1の基地局と第2の基地局との間で区別することにより、前記第1のドローン基地局を経由することから前記第2のドローン基地局を経由することへとダウンリンク・ユーザ・データの経路を切り替える命令をバックホール・ノードに向かって送信するように構成されたロジック
をさらに備えている、請求項11または12に記載の第2のドローン基地局。
【請求項14】
ドローン基地局置換を制御するための制御装置であって、
セル識別子を示す第1のパイロット信号を送信する第1のドローン基地局が置換されるべきことを示すメッセージを受信するように構成された受信ロジックと、
前記第1のドローン基地局の近くにある所与のロケーションへと飛行させるコマンドを第2のドローン基地局に向かって送信するように構成された送信ロジックと、
前記第2のドローン基地局が前記所与のロケーションに到着したことを示す表示を前記第2のドローン基地局から受信するように構成された表示受信ロジックと、
前記第2のドローン基地局に、第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を前記第1のドローン基地局に対して送信させるためのトリガとして、前記第2のドローン基地局が現在は前記第1のドローン基地局の近くにあることを示す表示を前記第1の基地局に向かって送信するように構成された表示送信ロジックと、
前記第1のドローン基地局に遠くに飛行させるように命令するように構成された命令ロジックと
を備えている制御装置。
【請求項15】
IPアドレスを使用して前記の第1の基地局と第2の基地局との間で区別することにより、前記第1のドローン基地局の代わりに前記第2のドローン基地局に対してダウンリンク・ユーザ・データが送信されるための要求を前記第2のドローン基地局から受信するように構成された受信ロジックと、
前記要求を受信することに応じて、前記第2のドローン基地局を経由して前記ダウンリンク・ユーザ・データを送信することに切り替えるように構成された切り替えロジックと
を備えている、請求項14に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信に関し、詳細には、ワイヤレス電気通信に関する。
【背景技術】
【0002】
数年のうちに、ワイヤレス・セルラー方式電気通信のネットワークのオペレータは、トラフィックの大幅な増大に直面する。スモール・セル基地局は、これに対処するのに有用であり、したがってオペレータは、スモール・セル基地局をどこに配置するべきか、およびエネルギー効率のよいやり方で、例えばターン・オン/ターン・オフ制御でスモール・セル基地局をどのようにしてインテリジェントに管理すべきかに関する方法を考慮している。スモール・セル基地局は通常、多くのトラフィックがマクロセル基地局からオフロードされることを可能にする適切なロケーションに配置されるべきであるので、オペレータは、スモール・セルがどこに展開されるかが重要であることを理解している。
【0003】
スモール・セル基地局は、多くの場合、単にスモール・セルと称される。
【0004】
どこにスモール・セルを配置すべきか、およびどのようにスモール・セルを配置すべきかに関する重要な進展は、ドローンの上に取り付けられたスモール・セルを使用することである。ドローンは、多くの場合に、無人の空中乗り物(UAV:unmanned aerial vehicle)と称される、小型のパイロットのいない無線制御された航空機である。結果として生じる「フライング・スモール・セル」は、特定の期間にわたって、オペレータが、フライング・スモール・セルがそこに行くように望む所望のロケーションに行くようにオペレータによって向けられる可能性がある。それに応じて、フライング・スモール・セルは、トラフィック要求における変更に応じて、配置され、また周囲を移動させられる可能性がある。
【0005】
フライング・スモール・セルは、多くの場合に、ドローン基地局(時として、ドローンBSまたはDBSと示される)として知られており、また2つのやり方のうちの一方または両方において、トラフィック要求に対処するのに役立ち得る。これらは、以下のように順に説明されるように、カバレッジ拡張と容量拡大とである。
【0006】
カバレッジ拡張は、例えば、セルラー方式カバレッジが使用可能でない場合のシナリオにおいて行われ、したがってドローン基地局は、ネットワークによってカバーされる地理的エリアを拡張するように、カバレッジが必要なロケーションに向けられる。この必要性は、万一地上波基地局が故障する場合、または例えば、救急隊員が接続性を必要とする場合の人口の希薄なエリアにおいて破局的な状況が起こる場合に生じる可能性がある。
【0007】
容量拡大は、ドローン基地局が、一時的に高いトラフィック要求のロケーションへと飛行して、追加のトラフィック容量を提供する場合に行われる。例えば、スポーツイベントまたはコンサート中に、ドローン基地局は、そのイベントのロケーションへと飛行して、トラフィックの一部を取り扱う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
添付の独立請求項を参照されたい。いくつかの好ましい特徴が、従属請求項の中に説明されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一例は、第1のドローン基地局を第2のドローン基地局と置換する方法であって、
第1のドローン基地局により、セル識別子を示す第1のパイロット信号を送信するステップと、
第1のドローン基地局により、第2のドローン基地局が第1のドローン基地局の近くにあるという情報を受信するステップと、
第2のドローン基地局により、第1のドローン基地局と同じセル識別子を示す第2のパイロット信号を送信するステップと、
第1のドローン基地局により、第2のドローン基地局から第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を受信するステップと、
第1のドローン基地局により、第2のドローン基地局から第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を受信することに応じて、第1のドローン基地局により、第1のパイロット信号の送信するステップを中止するステップと
を含む、方法である。
【0010】
いくつかの好ましい実施形態は、ユーザ端末には見えないワイヤレス・ドローン基地局置換プロシージャを提供している。
【0011】
いくつかの好ましい実施形態は、そのサービスを停止させる必要がある第1のドローン基地局を置換する方法を提供しており、この方法においては、その置換ドローン基地局は、第1のドローン基地局と同じ無線周波数バンドとセル識別子とを使用する。これは、接続されたユーザ端末には見えないシームレスな置換を提供するためのものである。このプロセスは、ユーザ端末には見えない。個々のユーザ端末の伝統的なハンドオーバは、使用されない。ユーザ端末は、セル識別子、すなわち、セルIDにおける変更を見ない。ユーザ端末はまた、C−RNTI(無線ネットワーク一時的識別子)における変更を見ない。
【0012】
ドローン置換に起因した中断が、ネットワークが第1のドローン基地局を経由したものから第2のドローン基地局を経由したものへとダウンリンク・データ経路を切り替えるためにかかる時間だけに限定されるので、好ましい実施形態は、良好な性能を提供している。この時間は、多くの場合に、伝統的なハンドオーバを使用した知られているネットワークにおいて行われる中断よりも短い。伝統的なハンドオーバは、エア・インターフェースの上のユーザ端末によって実行されるセル交換を伴う。
【0013】
いくつかの好ましい実施形態は、簡単で迅速なドローン置換プロシージャの利点を有しており、モバイル・ネットワークにおける品質サービスと増大された容量とを可能にしている。また、カバレッジは、例えば、地上波基地局が適さないアクセスできない地域において、特に増大させられる可能性もある。
【0014】
本発明の例はまた、対応する第1のドローン基地局と、対応する第2のドローン基地局と、ドローン基地局置換の制御装置とに関する。例えば、本発明はまた、第2のドローン基地局によって置換されるように構成された第1のドローン基地局であって、
セル識別子を示す第1のパイロット信号を送信する手段と、
第2のドローン基地局が、第1のドローン基地局の近くにあるという情報を受信する手段と、
第2のドローン基地局から第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を受信する手段と、
第2のドローン基地局から第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を受信することに応じて、第1のパイロット信号の送信するステップを中止する手段と
を備えている第1のドローン基地局に関する。
【0015】
送信する手段は、トランスミッタを備えており、受信する手段は、1つまたは複数のレシーバを備えており、また中止する手段は、トランスミッタ制御装置を備えていることが、好ましい。
【0016】
第1のドローン基地局は、
第2のドローン基地局が近くにあることを知らされると、第2のドローン基地局に向かってユーザ端末との接続についてのユーザ・コンテキスト情報を送信する手段と、
アップリンク受信を停止させる命令を受信する手段と、
それに応答して、第1のドローン基地局に対する複数のユーザ端末とのアップリンク・ユーザ・データ接続を停止させる手段と、
第2の基地局に向かって命令についての肯定応答を送信する手段と
をさらに備えていることが好ましい。
【0017】
第1のドローン基地局は、肯定応答と一緒に、第1のドローン基地局によって受信され、またバックホール・ノードに対して転送されてきているアップリンク・ユーザ・データのユーザ・コンテキスト・データを送信する手段を備えていることが好ましい。
【0018】
本発明の別の例は、セル識別子を示している第1のパイロット信号を送信するように構成されている第1のドローン基地局を置換するように構成された第2のドローン基地局であって、
第1のドローン基地局の近くにおける所与のロケーションへと飛行させるコマンドを受信する手段と、
飛行した先のロケーションを示す信号を伝送する手段と、
第2のドローン基地局から、第1のドローン基地局と同じセル識別子を示している第2のパイロット信号を送信する手段と、
第1のドローン基地局に向かって、第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を送信する手段と
を備えている第2のドローン基地局に関する。
【0019】
受信する手段は、レシーバを備えており、伝送する手段は、トランスミッタを備えており、また送信する手段は、1つまたは複数のトランスミッタを備えていることが好ましい。
【0020】
第2のドローン基地局は、
第1のドローン基地局から複数のユーザ端末との接続についてのユーザ・コンテキスト情報を受信する手段と、
アップリンク受信を引き受ける手段と、
第2のドローン基地局を用いて、ただし第1のドローン基地局を用いないで、複数のユーザ端末とのアップリンク・ユーザ・データ接続を有するようにするために、アップリンク受信を停止させる命令を第1のドローン基地局に向かって送信する手段と、
第1の基地局から命令についての肯定応答を受信する手段と
をさらに備えていることが好ましい。
【0021】
第2のドローン基地局は、
IPアドレスを使用して第1の基地局と第2の基地局との間で区別することにより、第1のドローン基地局を経由することから第2のドローン基地局を経由することへと、ダウンリンク・ユーザ・データの経路を切り替える命令をバックホール・ノードに向かって送信する手段
をさらに備えていることが好ましい。
【0022】
本発明の別の例は、ドローン基地局置換の制御装置であって、
セル識別子を示している第1のパイロット信号を送信する第1のドローン基地局が置換されるべきであることを示すメッセージを受信する手段と、
第1のドローン基地局の近くにおける所与のロケーションへと飛行させるコマンドを第2のドローン基地局に向かって送信する手段と、
第2のドローン基地局が所与のロケーションに到着したことを示す表示を第2のドローン基地局から受信する手段と、
第2のドローン基地局が現在は第1のドローン基地局の近くにあることを示す表示を第1の基地局に向かって送信する手段であって、その表示は、第1のドローン基地局と同じセル識別子を示す第2のパイロット信号を送信すると、第1のパイロット信号を送信することを中止する表示を第2のドローン基地局が、第1のドローン基地局に対して送信するためのトリガである、送信する手段と、
遠くに飛行させるように第1のドローン基地局に命令する手段と
を備えている制御装置に関する。
【0023】
受信する手段は、1つまたは複数のレシーバを備えており、送信する手段は、1つまたは複数のトランスミッタを備えており、また命令する手段は、プロセッサを備えていることが、好ましい。
【0024】
制御装置は、IPアドレスを使用して第1の基地局と第2の基地局との間で区別することにより、第1のドローン基地局の代わりに、第2のドローン基地局へとダウンリンク・ユーザ・データが送信されるべき要求を第2のドローン基地局から受信する手段と、
その要求を受信することに応じて、第2のドローン基地局を経由してダウンリンク・ユーザ・データを送信するステップへと切り替える手段と
を備えていることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施形態は、次に、例として、また図面を参照して説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】知られているハンドオーバ・プロシージャ(先行技術)を示す図である。
図2】知られているドローン基地局ハンドオーバ・プロシージャ(先行技術)を示す図である。
図3】ドローンBS−Aが、ある種のユーザにサービスしている場合の第1の時刻における、本発明の第1の実施形態によるネットワークを示す図である。
図4図3に示されるが、ただしドローンBS−Bが、ハンドオーバされることに備えて、ターゲット・ロケーションへと飛行するときの、後の時刻におけるネットワークを示す図である。
図5図4に示されるが、ただしドローンBS−Bが、ハンドオーバされてきており、そのようにしてワイヤレス・サービスを提供することを引き継いできている、後の時刻におけるネットワークを示す図である。
図6図3から5に示されるネットワークにおけるドローン・ハンドオーバ・プロシージャを示すメッセージ・シーケンス図である。
図7】どのようにして2つのドローン基地局が、インターネット・プロトコル識別番号を使用して、ダウンリンク・ユーザ・データ送信のためにバックホール・ノードによって区別されるかを示す図である。
図8図3から5に示されるネットワークにおけるX2インターフェース・ルーティングを示す図である。
図9】代替的なネットワーク(図示せず)における代替的なX2インターフェース・ルーティングを示す図である。
図10図3から5に示されるネットワークにおける、単一RF周波数バンドの使用を示す図である。
図11図3から5に示されるネットワークにおけるドローン基地局を示す図である。
図12】代替的なネットワーク(図示せず)における代替的なドローン基地局を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
セルラー方式基地局の間のハンドオーバについての知られている技法が、図1の中で示されている。その技法は、基地局の間の接続の無線ハンドオーバと、基地局の間のX2バックホール・インターフェースの上のユーザ端末(UE)コンテキスト・データの転送と、コア・ネットワークを経由したユーザ端末のインターネット・プロトコル(IP:Internet Protocol)データと、ユーザ・データとについてのS1AP経路ルーティングをアップデートすることとを必要とする。ハンドオーバについての3つの知られているオプション、すなわち、「ブレイク・ビフォア・メイク(Break before Make)」と、「メイク・ビフォア・ブレイク(Make before Break)」と、2重接続性とが、存在している。すべてのこれらのプロシージャにおいては、接続される基地局を識別するセル識別情報(セルID)は、変更される必要がある。またユーザ端末の無線ネットワーク一時的識別子(RNTL:Radio Network Temporary Identifier)は、RNTIが、共通の、または共用されたチャネルがデータ送信のために使用される特定のセルにおける特定のユーザについての情報を識別するので、ハンドオーバに起因して変更される。
【0028】
ユーザ端末に提供されるサービスの観点からシームレスに見えるやり方で、ドローン基地局の置換を考慮すると、知られている技法が、図2の中に示される。その技法は、以下のステップから構成される。セルId1を有するサービング・ドローン基地局(ドローン−BS−A)は、置換の必要について、バックホール・ノードを経由して接続されるドローン管理モジュールに通知する。その結果、ドローン管理モジュールは、ドローン−BS−Bをドローン−BS−Aのロケーションに向かわせる。構成データは、ドローン−BS−Aからドローン−BS−Bへと転送される。次いで、ドローン−BS−Bは、そのセル・カバレッジ(セルId2)をアクティブにする。次いで、ドローン−BS−Aは、そのパイロット電力を低減させて、ハンドオーバをトリガする。次いで、現在接続されているユーザ端末は、ドローン−BS−Aからドローン−BS−Bへハンドオーバされる。これは、ユーザ端末が、知られているようにして、隣接するセルのパイロット信号の測定結果を提供すること、特定のユーザ端末のためにドローン−BS−Aによるハンドオーバ要求メッセージをトリガすることを必要とする。異なる周波数バンドにおいて動作したセルID2(すなわち、ドローン−BS−B)は、ハンドオーバについてのターゲット・セルとなる予定であり、またハンドオーバは、セルID2を有するセルに対して達成されることが、識別される。ひとたびこれらのハンドオーバが、完了した後に、ドローン−BS−Aは、ワイヤレス・サービスを提供することを中止し、また遠くに飛行するように指示される。
【0029】
本発明者らは、この知られているアプローチが、複雑であり、また低速であり、また改善された性能を与えるアプローチが、以下で説明されるように提供される可能性があることに気がついた。
【0030】
例示のネットワークが、最初に、構造的な観点から説明されることになり、次いで、ドローン置換の観点からの例示のオペレーションが、説明されるであろう。
【0031】
ネットワーク
図3から5に示されるように、セルラー方式ワイヤレス電気通信のためのネットワーク32は、地上波基地局34と、バックホール・ノード36と、ドローン管理ステージ38と、セルラー方式通信コア・ネットワーク40とを含む。バックホール・ノードは、ドローン−BS−Aと、ドローン−BS−Bとで示される、2つのドローン基地局42にワイヤレスに接続される。
【0032】
バックホール・ノード36と、地上波基地局34とは、ドローン管理ステージ38と、コア・ネットワーク40とに接続される。いくつかのユーザ端末が、地上波基地局34に接続される。図3から5の中には、2つのこれらのユーザ端末が、簡略化のために示されており、UE3とUE4とで示される。
【0033】
地上波基地局34は、固定されたロケーションに取り付けられる基地局である。この例においては、地上波基地局34は、マクロセル基地局である。別のその他の場合の類似した例(図示せず)においては、地上波基地局34は、スモール・セル基地局である。
【0034】
ドローン基地局42は、それぞれ、ドローンの上に取り付けられたスモール・セル基地局から構成され、ここで、ドローンは、小型のパイロットのいない無線制御された航空機であり、またバックホール・ノード36に対する無線リンクを有している。ドローン基地局42は、スモール・セル・カバレッジ・エリアを提供して、ユーザ端末に対してサービスを提供する。UE1およびUE2と示されるドローン接続された2つのユーザ端末が、図3から5に簡略化のために示される。
【0035】
この例においては、各ドローン基地局42からバックホール・ノード36への無線リンクは、ユーザ端末UE1、UE2に対する接続と同じ無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)と、同じ周波数バンドと、同じアンテナ・タイプとについてのものである。しかしながら、いくつかの他の、そうでない場合には類似した、例(図示されず)においては、異なるRAT、周波数バンド、および/またはアンテナ・タイプが、使用される。
【0036】
バックホール・ノード6は、ドローン基地局42からネットワーク32へとデータを伝送するように動作する。ドローン管理ステージ38は、説明を容易にするために別個のユニットとして示される。実際には、ドローン管理ステージは、ネットワーク・ノードの、例えば、地上波基地局、コア・ネットワーク、またはバックホール・ノードのうちのどれかに一体化される。
【0037】
ドローン基地局置換の前
図3に示されるように、第1のフェーズにおいて、ドローン−BS−Aは、ユーザ端末UE1、UE2にサービスする。
【0038】
ドローン基地局置換
ドローン基地局置換のための例示のメカニズムは、次に、図3から6を参照して説明されるであろう。ここで使用されるようなステップの番号付けは、図6において番号付けされるようなステップの番号付けである。もちろん、他のメカニズムも可能である。
【0039】
図6には、モバイル管理エンティティ(MME:mobile management entity)と、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN GW:Packet Data Network Gateway)とが、示される。これらは、コア・ネットワーク40の一部分である。
【0040】
置換の必要性の検出:
ステップ1: ドローン−BS−Aは、この例においては、そのバッテリが、空になりつつあるので、置換される必要を検出する。ドローン−BS−Aは、ドローン管理ステージ38に対してバックホール・ノード36を経由してメッセージを送信することにより、ネットワーク32に通知する。メッセージは、置換のための原因と、ドローン−BS−Aによって測定される基地局についての測定レポートと、ドローン基地局についての、同様に、使用可能な場合に、ユーザ端末によって測定され、またドローン−BS−Aに対して送信されるような、地上波基地局についての、測定レポートとについての情報を含んでいる。
【0041】
ロケーションへの置換ドローン−BSの送信:
ステップ2: ドローン管理ステージ38は、別のドローンが、ドローン−BS−Aを置換すべきことを決定する。そのドローン管理ステージは、これのためにドローン−BS−Bを選択し、またドローン−BS−Aのロケーションへと飛行するようにドローン−BS−Bに命令する(図4を参照)。安全上の理由で、ドローン−BS−Bは、常にドローン−BS−Aから少なくとも最小の距離に保持されることに注意されたい。
【0042】
ドローン−BS−Aの近くにドローン−BS−Bが到着:
ステップ3: ひとたびドローン−BS−Bが、所与の地理的位置に到達した後に、ドローン−BS−Bは、それが、そのターゲット位置に到達したことをドローン管理ステージ38に通知する。
【0043】
ステップ4: ドローン管理ステージ38は、置換ドローン、すなわち、ドローン−BS−Bが、現在使用可能であることをドローン−BS−Aに通知する。(そうでない場合に類似した代替的な実施形態(図示されず)においては、ドローン−BS−Bが、ドローン−BS−Aに対して直接に使用可能性についてのこの情報を送信する)。
【0044】
ドローン−BS−Bによるワイヤレス・サービスの引き継ぎ(図5を参照):
ステップ5: ドローン−BS−Bは、次いで、ワイヤレス・サービスを引き継ぐように構成されている。これは、ドローン−BS−Aに関する構成データについてのドローン−BS−Bに対する転送と、現在のユーザのコンテキストの転送とを含む。
【0045】
ステップ6: ドローン−BS−Bは、(ドローン−BS−Aが、依然としてやはり行っている間に)アップリンク・ユーザ・データを受信することを開始する。この時に、ドローン−BS−Aだけが、アップリンク・ユーザ・データをバックホール・ノード36に対して転送する。
【0046】
ステップ7: ドローン−BS−Bが、それ自体(ドローン−BS−B)が適切にアップリンク・データを受信しており、またそのデータをバックホール・ノード36に対して転送していることを識別するときに、ドローン−BS−Bは、ドローン−BS−Aにアップリンク受信を停止するように指示する。
【0047】
ステップ8: ドローン−BS−Aは、アップリンク受信を停止することに肯定応答し、またドローン−BS−Aが、バックホール・ノード36を経由して既に転送してきていることを示すアップリンク・ユーザ・データについてのコンテキスト情報をドローン−BS−Bに対して報告する。
【0048】
ステップ9: ドローン−BS−Bは、バックホール・ノード36を経由して(ドローン−BS−Aとバックホール・ノード36とを経由して既に送信されるデータについてのコンテキスト情報を使用して)アップリンク・データを送信することを開始する。
【0049】
ステップ10: ドローン−BS−Bは、(ドローン−BS−Aによって使用されるものと同じセル−id、すなわち、セルID1と、同じ無線周波数バンドf1とを使用して)パイロット信号を送信することを開始する。
【0050】
ステップ11: ドローン−BS−Aは、パイロット信号を送信することを停止する。
【0051】
この例においては、ステップ10と、11とは、ドローン−BS−Aが、ドローン−BS−Bからのパイロット信号を検出すること(図示されず)によって同期させられる。他のオプションも可能である。例えば、いくつかの他の実施形態(図示されず)においては、ドローン−BS−Bが、パイロット信号を送信することを開始してきており、またドローン−BS−Aが、パイロット信号を停止すべきであることを示すメッセージが、ドローン−BS−Bからドローン−BS−Aへと送信される。
【0052】
ステップ12: ドローン−BS−Bは、ダウンリンク・ユーザ・データの経路を切り替えるようにバックホール・ノード36に直接に通知し、その結果、ダウンリンク・ユーザ・データは、もはやドローン−BS−Aに対しては送信されないが、ドローン−BS−Bに対して送信される。代替的な一実施形態(図示せず)においては、ドローン−BS−Aは、バックホール・ノードに通知する。別の代替的な実施形態(図示されず)においては、バックホール・ノード36は、バックホール・ノードを直接に経由してではなくて、ドローン管理ステージを経由して通知される。図7に示されるように、バックホール・ノード36と、ドローン管理ステージ38とは、この目的のための2つのドローン基地局の間で、それらの固有のインターネット・プロトコル識別子を使用して、区別する。この例においては、これらの識別子は、ドローン−BS−AについてのIP1と、ドローン−BS−BについてのIP2とである。識別子IP1およびIP2は、コア・ネットワークの一部分であるオペレーション管理センタOMC(Operation and Management Centre)によって提供される。ドローン基地局は、この例においては両方のドローン基地局について同じであるECGI(機能強化セル・グローバル識別子(Enhanced Cell Global Identifier))も有する。ドローン基地局は、さらなる識別子PCI_1も共有する。
【0053】
ステップ13: ドローン−BS−Bは、ダウンリンク・ユーザ・データを伝送することを開始する。
【0054】
ステップ14: ドローン−BS−Aは、ダウンリンク・ユーザ・データを伝送することを停止し、またドローン−BS−Bは、そのプロシージャが、完了している(ドローン−BS−Bが現在、すべてのワイヤレス・サービスを引き継いできている)ことをドローン管理ステージ38に通知する。
【0055】
ステップ15: ドローン管理ステージ38は、異なるロケーションへと飛行するように、ドローン BS−Aに指示する。
【0056】
ドローン−BS−Aが遠くに飛行:
ステップ16: ドローン−BS−Aは、遠くに、例えば、そのベース・ロケーションまたは別のロケーションへと飛行し、ここで、例えば、バッテリは、充電され、または置換される可能性がある。
【0057】
何らかのさらなる詳細
このドローン置換プロシージャは、ドローン置換の前にドローン−BS−Aに接続されていたユーザ端末に対してトランスペアレントであることに注意すべきである。それらのユーザ・データ送信は、ユーザ端末に対する接続が、置換ドローン−BS−Bに対してシームレスにハンドオーバされるので、継続する。
【0058】
これらのシームレスなハンドオーバにおいては、セル識別情報(この例におけるセルID1)は、変更されない。ユーザ端末の観点から、ハンドオーバは、見られない。また、C−RNTI(制御プレーン−無線ネットワーク一時的識別子)は、ドローン・ハンドオーバによって不変に保持される。
【0059】
また、モバイル管理エンティティは、不変のセル識別子セルID1を見ており、そのようにしてS1AP経路スイッチは、ドローン−BS−BをMMEにアタッチするために必要とはされない。S1は、スモール・セル基地局と、ゲートウェイ(図3から6の中に示されず)との間のインターフェースを示す。APは、アクセス・ポイントを示す。また、新しいS1インターフェースは、必要とされない。
【0060】
ドローン管理ステージ38に関しては、これは、両方のドローンを、言い換えれば、2つのスモール・セルを見ており、両方が、同じセル識別子、セルID1を有している。ドローン管理ステージは、適切な制御信号を経由して、ドローンに対するハンドオーバを協調させる。
【0061】
X2ルーティング
ドローン置換プロシージャの一部分として、セル・コンテキストと、ユーザ端末コンテキスト(UEコンテキストと示される)との両方は、X2インターフェースを使用して、ドローン−BS−Aからドローン−BS−Bへと転送される。X2インターフェースは、それら2つのドローンの間の論理的直接リンクである。
【0062】
図8に示されるように、この例(図3から6を参照して上記で説明される例)においては、物理的に言えば、X2インターフェースは、バックホール・ノード36を経由して通過する。その結果、UEコンテキストは、バックホール・ノード36を経由してルーティングされる。このアプローチは、ドローン−BS−Aと、ドローン−BS−Bとが、異なる機器製造業者からのものである場合に、インターオペラビリティのレイヤを提供し、また保証する際に利点を有する。
【0063】
図7に戻って参照すると、ドローン基地局は、情報メッセージの中のアドレスとして、それらのIP識別子、IP1およびIP2を使用して、X2インターフェースの上で情報を交換する。
【0064】
図9に示されるように、代わりに、それ以外の場合に類似した例示のネットワーク(図示せず)において、X2インターフェースは、ドローンからドローンへと直接に物理的に通過する。X2メッセージは、それらのドローンの間で、ワイヤレス・インターフェースの上で直接に通過し、ここでワイヤレス・インターフェースは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を、例えば、ロング・ターム・エボリューションのデバイス・ツー・デバイス(LTE−D2D:Long Term Evolution Device−to−Device)技術、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)、またはマイクロ波を使用する。UEコンテキストは、それらのドローンの間で直接に伝送される。これは、バックホール・ノードなどの中間ノードが必要とされないので、UEコンテキスト転送が、より高速であるという利点を有する。いくつかの代替的な例においては、直接の物理的インターフェースは、ドローン基地局と、その接続されたユーザ端末との間で使用されるものとは異なる無線アクセス技術と、無線周波数バンドとを使用する。他の利点は、UEコンテキスト転送に起因した、バックホール・ノードの上には負荷が存在しておらず、また地上波基地局に対して、例えば、基礎となるマクロセルラー方式ネットワークにおけるマクロセル基地局に対して、無線干渉があまり存在しないことである。もちろん、それらのドローンが、異なる製造業者からのものである場合には、物理的インターフェースのプロトコルは、規格化される必要がある可能性がある。
【0065】
図8および9に示される例においては、たとえドローンの間のインターフェースが、物理的に異なるとしても、関連のある制御信号プロシージャは、それらが、それらのドローンの間のX2インターフェースによって論理的に規定されるものと同じであることに留意されたい。
【0066】
周波数バンドの使用
図10に示されるように、図3から8を参照して説明される例においては、ドローン−BS−Aと、ドローン−BS−Bとの両方は、同じ周波数バンドを使用する。ドローン−BS−Aと、ドローン−BS−Bとは、同期させられ、その結果、ドローン−BS−Bが、パイロット信号を送信することを開始するときに、ドローン−BS−は、パイロット信号を送信することを停止させる。同様に、ドローン−BS−Aが、ユーザ・データ・ダウンリンクを(ユーザ端末に対して)伝送することを停止させるときに、ドローン−BS−Bは、ユーザ・データ・ダウンリンクの送信を引き継ぐ。
【0067】
代わりに、そうでない場合の類似した例(図示されず)においては、周波数バンドは、2つのサブバンドへと分割され、また2つのドローン基地局のうちのそれぞれは、異なるサブバンドを使用する。これは、同期化の要件を低減させる。また2つのドローン基地局の間のかなりの干渉のリスクが、あまり存在していない。このアプローチをとると、UEコンテキスト転送中に、ドローン−BS−Aは、セルの中のいくつかのユーザ端末にサービスする第1のサブバンドを占有する。その一方で、ドローン−BS−Bは、他のサブバンドを使用して、セルの中の他のユーザ端末と、ドローン−BS−BがUEコンテキストを受信してきているドローン−BS−Aに接続されるユーザ端末との両方と接続する。
【0068】
基地トランシーバ・ユニット
図11および12に示されるように、基地トランシーバ・ユニット45と無線ヘッド47とを含むような基地局43を考慮すると、図3から7および9を参照して上記で説明される例においては、基地局43は、ドローン41の上に取り付けられて、ドローン基地局42を形成する。
【0069】
代わりに、図13および14に示されるように、無線ヘッド47’が、ドローン41’に取り付けられるが、基地トランシーバ・ユニット45’は、ネットワークの中のどこにでも、例えば、バックホール・ノードにアタッチされた地上に、配置される。無線ヘッド47’は、そのときには多くの場合に、リモート無線ヘッド(RRH:remote radio head)と称されることもある。このアプローチを使用して、ドローンが取り付けられた基地局43’が、削減されることが、考慮される可能性がある。より少ない処理が、ドローン41’の上で、例えば、UEコンテキスト転送について、引き受けられる。ドローン−BS−Aと、ドローン−BS−Bとの両方が、同じ基地トランシーバ・ユニットによってサービスされるので、また同期化要件は、あまり厳しくはない。しかしながら、基地トランシーバ・ユニットが、ドローンが取り付けられた場合に比べて、より多くの制御データが、バックホール・ノードとのバックホール・リンクを経由して送信される。
【0070】
本発明は、その本質的な特徴を逸脱することなく、他の特定の形態で実施される可能性がある。説明された実施形態は、すべての点で、例示的としてのみ、また限定的ではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、それゆえに、上記の説明によってではなくて、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に含まれるすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0071】
当業者なら、様々な上記で説明された方法のステップが、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることを簡単に認識するであろう。いくつかの実施形態は、プログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体に関するものであり、このプログラム・ストレージ・デバイスは、マシン読み取り可能、またはコンピュータ読み取り可能であり、また命令のマシン実行可能なプログラム、またはコンピュータ実行可能なプログラムを符号化しており、そこでは、前記命令は、前記の上記で説明された方法のステップのうちのいくつかまたはすべてを実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、または光学的に読み取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。いくつかの実施形態は、上記で説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされるコンピュータを必要とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14