【文献】
MOLANDER, G. A. et al. ,Reduction of Vinyloxiranes with Samarium Diiodide. An Efficient Route to Functionalized Chiral, Nonracemic(E)-Allylic Alcohols,J. Org. Chem.,(1986), Vol.51,p.5259-5264
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
付香組成物又は付香された物品の香気特性を付与、強化、改善又は修正する方法であって、前記組成物又は物品に有効量の請求項1から3までのいずれか1項に規定された組成物を付加することを含む、前記方法。
香水、コロン、アフターシェーブローション、液体又は固体洗剤、布地用柔軟剤、ファブリックリフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、シャンプー、着色調製物、ヘアスプレー、バニシングクリーム、脱臭剤又は制汗剤、付香石鹸、シャワー用の若しくはバス用のムース、オイル若しくはジェル、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末エアフレッシュナー、ワイプ、食器用洗剤又は硬質表面洗剤であることを特徴とする、請求項7に記載の付香消費者製品。
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、香料の分野に関する。更に詳細には、本発明は、85%w/w以上の(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールと15%w/w以下の(E)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールを含む組成物に関する。前記組成物は、有用な香料成分であり、従って、本発明は、付香組成物の一部又は付香消費者製品の一部として本発明の化合物を含む。
【0002】
従来技術
本発明者らの知る限り、本発明の組成物は新規である。
【0003】
しかしながら、米国特許第2838576号の文献では、本発明の組成物を包含する一般式が報告されており、これは「ベルガモット−ラベンダー」の香調を付与するための香料成分として有用な化合物を記載している。前記文献には、二重結合の配置に関する特定の要件についての記載がなく、2,4,8−トリメチルノナ−2,7−ジエン−4−オール異性体の定義されていない組成物のみ記載されているが、該組成物は、本発明の組成物と比較して顕著に異なる香気特性を有する。
【0004】
発明の詳細な説明
本発明者らは、ここで驚くことに、組成物の全重量に対して、
− 85%w/w以上の(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オール;及び
− 15%w/w以下の(E)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オール
を含む組成物を、例えば、フローラル、グリーンタイプの香調を付与するための、付香成分として使用できることを見出した。
【0005】
本発明の組成物の各化合物は、そのエナンチオマー又はそれらの混合物のいずれか1つの形であり得る。特定の実施形態によれば、組成物はラセミ体の形である。
【0006】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して
− 90%w/w以上の(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オール;及び
− 10%w/w以下の(E)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オール
を含む。
【0007】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、実質的に(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールからなる、即ち、シス異性体は、95%w/w以上、又は更に98%w/w以上若しくは99%w/w以上を占める。この化合物は、上品なフローラルとグリーンのノートの二重性を有する。フローラルノートは、ホワイトフローラルの方向であるが、顕著で且つ評価されるスミレのようなツイストを有する一方、グリーンノートは、シス−3−ヘキセノール、セージ及びスミレ葉の様相を有するスパークリングで且つフレッシュなノートである。この化合物の香気は、シトラス−ベルガモットのノートを全く又は顕著に示さない。この化合物は、特に、そのフローラル及びグリーンの二重性と付香組成物に顕著な立ち上がりとボリュームを付与/維持するその能力とについて当業者によって評価されている。
【0008】
本発明の組成物の香気特性は、従来技術の観点から非常に驚くべきものである。実際に、本発明の組成物の香気を従来技術の組成物の香気と比較した場合、又は2,4,8−トリメチルノナ−2,7−ジエン−4−オールの香気と比較した場合、その違いは顕著であり、本明細書において以下の表1のように記載することができる。
【0009】
本発明の組成物は、スパークリングなフローラル/グリーンの二重性を付与することにより、調香師のパレットの穴を埋めるものと当業者に見なされている。
【表1】
【0010】
5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールの(E)異性体は、(Z)異性体と比較して著しく異なる興味のわかない官能プロファイルを有する。従って、(E)が少量である時、5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールのセージの特性のみ知覚可能であるが、そうでなければ、(E)の化学的特性が嗅覚プロファイルを支配する。更に一層驚くべきことに、(Z)異性体も(E)異性体も、米国特許第2838576号に報告された「ベルガモット・ラベンダー」香調を付与する。この違いは、本発明の組成物及び従来技術の組成物が、それぞれ様々な用途に適切であることにつながる、即ち、異なる官能的印象を与えることにつながる。
【0011】
上記のように、本発明は、本発明の組成物の付香成分としての使用に関する。換言すれば、本発明は、付香組成物又は付香された物品の香気特性を付与、強化、改善又は修正する方法であって、前記組成物又は物品に有効量の本発明の組成物を付加することを含む前記方法に関する。
【0012】
本発明の特定の実施形態によれば、前記使用又は方法は、フローラルタイプ、グリーンタイプの香調を付与するためのものである。
【0013】
「本発明の組成物の使用」とは、本明細書では、香料産業で有利に使用され得る本発明の組成物を含有する任意の付香組成物の使用であると理解されるべきである。
【0014】
実際に、付香成分として有利に利用され得る前記付香組成物も、本発明の対象である。
【0015】
従って、本発明の別の対象は、
i)付香成分としての、上記で定義された本発明の組成物;
ii)香料担体及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分;並びに、
iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む、付香組成物である。
【0016】
「香料担体」とは、本明細書では香料の観点から実質的に中性である材料、即ち、付香成分の官能特性を大幅に変化させない材料を意味する。前記担体は液体又は固体であってもよい。
【0017】
液体担体として、非限定的な例としては、乳化系、即ち、溶剤及び界面活性剤系、又は香料において通常使用される溶剤が挙げられ得る。香料において通常使用される溶剤の性質及び種類の詳細な説明は、やり尽くすことができない。しかしながら、非限定的な例としては、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾアート、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノール又はエチルシトレートなどの溶剤を挙げることができ、これらは最もよく使用されている。香料担体及び香料ベースの両方を含む組成物の場合、既に特定されたもの以外の他の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン又は他のテルペン、イソパラフィン、例えば、商標Isopar(登録商標)(製造元:エクソンケミカル(Exxon Chemical))の下で知られているもの又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば、商標Dowanol(登録商標)(製造元:ダウケミカルカンパニー(Dow Chemical Company))の下で知られているものであってもよい。
【0018】
固体担体として、非限定的な例としては、吸収ゴム若しくはポリマー、又は更に封入材料が挙げられ得る。かかる材料の例は、壁形成及び可塑化材料、例えば、単糖類、二糖類、三糖類、天然若しくは化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質若しくはペクチン、又は更に参考文献、例えば、H. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996に挙げられた材料を含み得る。カプセル化は、当業者によく知られている方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集又は更に押出成形などの技術を用いて実施され得るか;又はコアセルベーション及び複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化で構成されている。
【0019】
「香料ベース」とは、本明細書では少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物を意味する。
【0020】
前記付香補助成分は、本発明の組成物ではない。更に、「付香補助成分」は、本明細書では、快楽効果を付与する付香調製物又は組成物において使用される化合物を意味する。換言すれば、付香性のあるものと考えられるべきこのような補助成分は、単に香りを有しているものとしてではなく、組成物の香りを肯定的な又は心地良いように付与又は変更することが可能なものとして当業者によって認識されなければならない。
【0021】
前記ベース中に存在する付香補助成分の性質及び種類は、本明細書においてより詳細な説明は行わないが、そのような説明はいずれにせよすべて余すことなく完全に行われるものではなく、当業者は、自身の一般的な知識に基づいて、そして意図する使用又は用途及び所望の感覚刺激効果に応じて、それらを選択することができる。一般的に、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素又は硫黄複素環式化合物及び精油などの化学クラスに属し、且つ前記付香補助成分は天然又は合成由来であり得る。これらの補助成分の多くは、いずれの場合も参考テキスト、例えば、S. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969年(米国、ニュージャージー州、モントクレア)又はその最新版によって、又は同様の性質の他の論文に、並びに香料分野の豊富な特許文献に列記されている。また、前記補助成分が、制御された方法で様々な種類の付香化合物を放出することが知られた化合物であってもよいことも理解されている。
【0022】
「香料補助剤」とは、本明細書では、付加的に追加される利益、例えば、色、特に耐光性、化学的安定性等を付与することが可能な成分を意味する。香料ベースに一般に使用される補助剤の性質及び種類は、すべて余すことなく詳細に説明できるものではないが、前記成分が当業者によく知られていることを述べておきたい。
【0023】
本発明の組成物及び少なくとも1つの香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態並びに本発明の組成物、少なくとも1つの香料担体、少なくとも1つの香料ベース、及び任意に少なくとも1つの香料補助剤を含む付香組成物である。
【0024】
明確にするために、化学合成から直接得られる任意の混合物、例えば、本発明の組成物が出発、中間又は最終生成物として含まれる、適切に精製されていない反応媒体は、前記混合物が香料にとって適切な形で本発明の組成物を提供しない限り、本発明による付香組成物とみなすことができないことも理解されている。従って、未精製の反応混合物は、一般に、特に断りのない限り、本発明から除外される。
【0025】
更に、本発明の組成物は、前記本発明の組成物が添加される消費者製品の香気を肯定的に付与又は変更するために、現代香料の全ての分野、即ち、香水又は機能香料においても有利に使用され得る。その結果、本発明の別の対象は、上記で規定されるように、本発明の組成物を、付香成分として含む付香消費者製品である。
【0026】
本発明の組成物は、そのまま又は本発明の付香組成物の一部として添加することができる。
【0027】
明確にするために、「付香消費者製品」とは、それが適用される表面(例えば、皮膚、毛髪、テキスタイル、又は家屋内の表面)に少なくとも心地よい付香効果を提供することが期待される消費者製品を意味することが言及されなければならない。換言すれば、本発明による付香消費者製品は、機能的配合物、並びに所望の消費者製品、例えば、洗剤又はエアフレッシュナーに対応する任意のさらなる有用な薬剤、及び嗅覚的に有効量の少なくとも1つの本発明の組成物を含む付香された消費者製品である。
【0028】
付香消費者製品の成分の性質及び種類は、本明細書においてより詳細な説明は行わないが、そのような説明はいずれにせよすべて余すことなく完全に行われるものではなく、当業者は、自身の一般的な知識に基づいて、及び前記製品の性質及び所望の効果に応じて、それらを選択することができる。
【0029】
適切な付香消費者製品の非限定的な例は、香料、例えば、香水、コロン又はアフターシェーブローション;ファブリックケア製品、例えば、液体又は固体洗剤、布地用柔軟剤、ファブリックリフレッシャー、アイロン水、紙、又は漂白剤;ボディケア製品、例えば、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、着色調製物又はヘアスプレー)、化粧品(例えば、バニシングクリーム又は脱臭剤又は制汗剤)、又はスキンケア製品(例えば、付香石鹸、シャワー用若しくはバス用のムース、オイル若しくはジェル、又は衛生製品);空気ケア製品、例えば、エアフレッシュナー又は「すぐに使用できる」粉末エアフレッシュナー、又はホームケア製品、例えば、ワイプ、食器用洗剤又は硬質表面洗剤であり得る。
【0030】
上記の消費者製品の幾つかは、本発明の組成物に対する攻撃的な媒体であり得るので、例えば、カプセル化によって、又はこれを、酵素、光、熱又はpHの変化などの適切な外部刺激時に本発明の成分を放出するのに適した別の化学物質に化学的に結合させることによって、これを早期分解から保護する必要があり得る。
【0031】
本発明による組成物を様々な上記物品又は組成物中に組み込むことができる割合は、広範囲の値内で変化する。これらの値は、付香されるべき物品の性質及び所望の感覚刺激効果、並びに本発明による組成物が付香補助成分、溶剤又は当該技術分野で通常使用されている添加剤と混合される時の所与のベース中の補助成分の性質に依存する。
【0032】
例えば、付香組成物の場合、典型的な濃度は、それらが組み込まれる組成物の重量を基準として、本発明の組成物の、0.5重量%〜40重量%、又はそれを上回る水準である。これらを下回る濃度、例えば、物品の重量に対して、0.01重量%〜4.0重量%の水準の濃度は、本発明の組成物が付香された物品に組み込まれる時に使用することができる。
【0033】
本発明の組成物、及び実質的に純粋な(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールは、複数の方法に従って調製することができる。実験の部に報告されているように、1つの可能性は、ブタ−1−イン−1−イルグリニャール、例えば、ブタ−1−イン−1−イルマグネシウムクロリドの6−メチル−5−ヘプテン−2−オンへの添加である。得られた5,9−ジメチルデカ−8−エン−3−イン−5−オールの三重結合は、次に、(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールを選択的に提供するために、適切な条件下で還元される(例えば、リンドラー触媒)。同じ中間体は、また、独国特許第2228333号に記載されるように塩基性条件下でブタ−1−インを6−メチル−5−ヘプテン−2−オンに添加することによって合成され得る。上記のように同じ出発材料から出発する別のアプローチは、アセチレンの添加を通して、3,7−ジメチルオクタ−6−エン−1−イン−3−オールを提供し、次いで三重結合をエチル化し、そして最終的に、上記のように、三重結合の立体選択的水素化(例えば、リンドラー触媒)により(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールをもたらす。
【0034】
実施例
本発明はここで以下の実施例によりさらに詳細に説明され、その際、略語は、当該技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示され;NMRスペクトルデータは、
1H及び
13Cの場合には360MHz又は400MHz機を用いてCDCl
3(特段記載されない限り)で記録され、化学シフトδは標準としてTMSに関してppmで示され、結合定数JはHzで表される。
【0035】
実施例1
本発明の組成物の合成
98%以上の(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オールを含む組成物の調製
a)5,9−ジメチルデカ−8−エン−3−イン−5−オール
50mlのメチルテトラヒドロフランをブチンで飽和させた。100mlの3Mのメチルマグネシウムクロリドを次に23℃で50分かけて滴下し、得られた懸濁液を更に20分撹拌した。36.6gのメチルヘプテノンを、ブチンの雰囲気を維持しながら、2時間かけて反応混合物に添加した。反応混合物を更に2時間撹拌し、クエン酸の希薄水溶液を、冷却しながら迅速に滴下した。得られた水相を除去し、有機相を希水性クエン酸ナトリウムで中性になるまで洗浄した。濃度及び真空蒸留により18.4gの99%純粋なプロパルギルアルコール(8ミリバールでの沸点:103℃)が得られた。
【表2】
【0036】
b)(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オール
18.8gの5,9−ジメチルデカ−8−エン−3−イン−5−オールを、1気圧の水素下にて25℃で15時間30分にわたり71mgのリンドラー触媒で処理した。反応混合物を次いでエーテルで希釈し、濾過した。粗生成物を濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘプタン/MTBE混合物で溶出)により精製した。所望の画分の濃縮及び蒸留により5.5gの99%純粋な(0.3/99.7のE/Z比)(Z)−5,9−ジメチルデカ−3,8−ジエン−5−オール(0.3ミリバールでの沸点41℃)が得られた。
【表3】
【0037】
実施例2
付香組成物の調製
カモミールタイプのシャンプー用の付香組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
【表4】
*ジプロピレングリコール中
1) 3−メチル−2−ヘキセニルアセテート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
2) 7−プロピル−2H,4H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
3) ペンタデカノリド;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
4) メチルジヒドロジャスモネート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
5) 3−(3,3−/1,1−ジメチル−5−インダニル)プロパナール;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
6) メチルイオノン異性体の混合物;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
7) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール;製造元:ジボダンSA、バーニア、スイス
8) 4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
9) 3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
10) プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
a)配合された特製品;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
【0038】
実施例1に記載された3000重量部の本発明の組成物を上記の付香組成物に添加することにより、フレッシュなフローラル、グリーンの様相が付与され、これは元の組成物のカモミールノートを強化した。
【0039】
本発明の組成物の代わりに、同量の従来技術の(E)−4,8−ジメチル−2,7−ノナジエン−4−オールを添加した場合、新たな香りは、はっきりとラベンダー/ベルガモットであり、カモミールはほとんどなかった。
【0040】
本発明の組成物の代わりに同量の従来技術の2,4,8−トリメチルノナ−2,7−ジエン−4−オールを添加した場合、新たな香りは、はっきりとシトラス/ベルガモットであり、あまりスパークリングではなかった。
【0041】
本発明の組成物の代わりに同量のリナロールを添加した場合、新たな香りは、わずかにフローラルであり(しかしながら、本発明の組成物よりも少ない)、カモミール及びラベンダーもあまりはっきりとしなかった。
【0042】
実施例3
付香組成物の調製
柑橘類グレープフルーツタイプの付香組成物を、以下の成分を混合することにより調製した:
【表5】
*ジプロピレングリコール中
1) 2−ペンチル−シクロペンタノン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
2) テトラヒドロ−4−メチル−2−フェニル−2H−ピラン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
3) メチルシス−ジヒドロジャスモネート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
4) 3−(3,3/1,1−ジメチル−5−インダニル)プロパナール;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
5) 1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:ジボダンSA、バーニア、スイス
6) 1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
7) (2Z)−2−フェニル−2−ヘキセンニトリル;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
8) プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノエート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
【0043】
3500部の実施例1に記載された本発明の組成物を上記の付香組成物に添加することによりはっきりとした緑茶のコノテーションが付与された。
【0044】
本発明の組成物を添加する代わりに同量のリナロールを添加した場合、新たな香りは、茶の様相ではない、遙かにはっきりとしたホワイトフラワーの様相であった。
【0045】
本発明の組成物の代わりに同量の従来技術の(E)−4,8−ジメチル−2,7−ノナジエン−4−オールを添加した場合、新たな香りは、ラベンダー及びあまりはっきりしないグレープフルーツとなった。