(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計器は、前記表面を検査するためのセンサプローブを備え、少なくとも前記第2のリンク機構は、前記計器を前記表面に対して少なくとも実質的に垂直とさせるために、前記表面と接触している、請求項1に記載の装置。
前記伝達装置は、前記モータの駆動シャフトに連結されたウォームによって形成されるウォーム駆動部と、前記第1のリンク機構に結合されたウォームギヤシャフトに連結されたウォームギヤとを備え、前記ウォームギヤシャフトの回転が前記第1の経路に従う前記計器の移動へと変換される、請求項7に記載の装置。
前記第1の4節リンク機構は、前記計器が展開されて前記表面と接触するとき、前記計器が、少なくともピッチ方向で、自動的に少なくとも実質的に正常化されるように、前記計器が直線に沿ってではなく湾曲した経路(前記第1の経路)に沿って移動するように構成される、請求項1に記載の装置。
前記第2の4節リンク機構は前記第1の4節リンク機構の下に配置され、前記計器を、前記表面に対して、ロール方向で少なくとも実質的に正常化するように構成される、請求項1に記載の装置。
前記第2の4節リンク機構は、前記第1の4節リンク機構、および前記計器を保持する筐体に旋回可能に取り付けられた第1のリンクと、前記第1の4節リンク機構、および前記計器を保持する前記筐体に旋回可能に取り付けられた第2のリンクと、前記第1の4節リンク機構、および前記計器を保持する前記筐体に旋回可能に取り付けられた第3のリンクと、前記第1の4節リンク機構、および前記計器を保持する前記筐体に旋回可能に取り付けられた第4のリンクとを備え、前記第1のリンクおよび前記第2のリンクは、X字の形を有するように配置され、前記筐体の前部に沿って配置され、前記第3のリンクおよび前記第4のリンクは、X字の形を有するように配置され、前記筐体の後部に沿って配置される、請求項3に記載の装置。
前記第1の4節リンク機構および前記第2の4節リンク機構は、前記計器を、前記表面への接触時に、自動的に前記表面に対して少なくとも実質的に垂直とさせるように構成される、請求項21に記載の装置。
前記第1の4節リンク機構を前記第1の方向で前記第1の経路に沿って移動することで、前記計器も前記第1の方向で前記第1の経路に沿って移動するための、前記第1のリンク機構に動作可能に結合されたアクチュエータをさらに含む、請求項21に記載の装置。
前記アクチュエータと前記第1の4節リンク機構との間で動作可能に結合され、前記アクチュエータの回転を、前記第1の方向で前記第1の経路に沿った前記第1の4節リンク機構の移動へと伝達するように構成された伝達装置をさらに備える、請求項24に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、概して、外部デバイス10と装置(機構)100とを示しており、装置100は、外部デバイス10に解除可能に結合されるように構成されると共に、プローブセンサが、パイプまたは貯蔵タンクの表面などの表面11に対して降下または展開され、装置100の少なくとも一部と表面との間の接触において、表面11に対して自動的に垂直となり得るように、センサを保持するように構成される。本明細書で記載しているように、外部デバイス10が表面との接触を行う必要が必ずしもないが、装置100の1つまたは複数の部分が接触し得ることは、理解されるものである。
【0013】
外部デバイス10は、検査車両(本明細書で示しているようなロボットなど)、手持ち式運搬装置、ロボットアーム把持部、PIG、または、パイプ内検査のためのスクラッパなどの形態であり得る。別の言い方をすると、装置100は、具体的な用途に依存して、任意の数の異なる部品に結合され得る。例えば、装置100は、本明細書で記載しているように、手持ち式運搬装置に結合されてもよく、装置100の設計は、装置100を、他の手持ち式運搬装置ができない螺旋のパターンに追従させることができる。ロボットアーム把持部への装置100の結合は、鋳造所または工場でのパイプ、梁、金属板または鋳鉄の部品の自動化された選択の検査を可能にする。図示の目的だけのために、装置100は、検査車両10に取り付けられるとして記載および図示されているが、前述したように、装置100は、機器の他の外部部品に取り付けられてもよいことは、理解されるものである。したがって、検査車両10に取り付けられた装置100の記載および図示は、本発明の範囲の限定ではない。
【0014】
検査車両10は、表面11にわたって制御可能に駆動できる任意の数の異なる車両であり得る。例えば、検査車両10は、検査車両10の動作を制御するために、制御命令を検査車両10へと送信できる使用者によって制御できるロボットデバイスであり得る。この手法では、使用者は、ロボット検査車両10を表面にわたって効果的に駆動でき、車両10を停止および操縦することもできる。後で記載しているように、装置100によって捕捉および記録される情報は、有線通信と無線通信(無線アンテナ15)との両方を含む適切な通信プロトコルを用いて、使用者に通信され得る。したがって、ロボット検査車両10は、ロボット検査車両10を表面11にわたって駆動させることができる2つ以上のホイール12を有する車両であり得る。ホイール12は、ロボット検査車両10を、金属パイプまたは金属貯蔵タンクなどの金属表面11に付着させ、その表面にわたって移動可能とさせることができるように、磁気材料から形成されてもよい。ロボット検査車両10は、ホイールの回転を制御するためのモータと、操縦機構とをさらに備え、車両10を動作させるためにユーザー命令を生成するように構成され、センサから受信される情報を受信および記録するようにも構成された処理装置もさらに備える。
【0015】
装置100の詳細は、
図2〜
図6を考慮して最良に理解される。装置100は、装置100を形成するために一体に嵌まり合う異なる部分組立体であるとして考えることができるいくつかの構成部品を含む(組立の後、装置100は
図2に示した単一の構造の形態となる)。具体的には、装置100は、駆動組立体101(駆動構成部品)と、第1のリンク機構102と、第2のリンク機構103と、センサプローブ構造104とを含むと考えることができる。本明細書で記載しているように、検査車両10が、表面11の1つまたは複数の領域の検査のために表面11にわたって装置100を移動するための手段を提供するため、装置100は、検査車両10に取り外し可能に結合されるように構成される。
【0016】
装置100の駆動構成部品101は、本明細書に記載しているような第1のリンク機構102の制御された移動のために、第1のリンク機構102において動作するように意図されているアクチュエータを備える。図示した実施形態では、駆動構成部品101は、モータ110と、モータ110および第1のリンク機構102に動作可能に連結された伝達装置150とを備える。モータ110は、本出願での使用に適する任意の数の異なる種類のモータであり得る。例えば、モータ110は、ユーザーインターフェース(車両から遠隔に位置され、使用者によって制御される主制御装置など)を用いて制御できるブラシレスDCモータであり得る。モータ110は、回転可能な駆動シャフト112を有し、電池パックなどの動力源に連結される。モータ110は、モータ110(図示しているような細長い形を有し得る)を受け入れるための開口を備え、平坦な表面であり得る搭載面131を有するモータ搭載部130に、しっかりと取り付けられもする。
【0017】
モータ110の駆動シャフト112の回転は、伝達装置150を用いて、第1のリンク機構101の移動へと変換される。一実施形態によれば、伝達装置150は、一種の歯車配置として知られているウォーム駆動部組立体の形態である。より具体的には、ウォーム駆動部組立体は、ウォームギヤ154(平歯車同様の外観であり、ウォームホイールとも呼ばれる)と噛み合うウォーム152(ネジの形態の歯車である)を備える。ウォーム152は、モータ110の起動(動作)が駆動シャフト112およびウォーム152の回転を引き起こすように、駆動シャフト112に固定的に結合される、または、駆動シャフト112の一体部品である。したがって、駆動シャフト112およびウォーム152は同軸であり、第1の軸の周りで回転する。駆動構成部品101は、エンドキャップ155と、ウォーム152を回転可能に支持する軸受157なども備え得る。
【0018】
ウォームギヤ154は、第1の軸に対して直角である第2の軸に沿って延びるウォームギヤシャフト159に固定的に結合される。後で詳細に記載しているように、ウォームギヤ154およびシャフト159は、ウォーム152と噛み合いの関係にあるウォームギヤ154を位置決めするように、第1のリンク機構102に結合される。ウォーム152の回転はウォームギヤ154の回転へと変換される。シャフト159は、その第1の端において、ウォームギヤ154に固定的に取り付けられる。
【0019】
第1のリンク機構102は、リンク機構を形成し、装置100を検査車両10に取り付けるための手段を提供し、駆動構成部品101を支持するための手段も提供するいくつかの部品から成る。第1のリンク機構102は、第1のリンク機構プレート160と、第1のリンク機構プレート160から離された第2のリンク機構プレート180と、第1の連結アーム190と、第2の連結アーム200とを備える。一実施形態では、第1および第2の連結アーム190、200は異なる長さを有し得る。この特徴は、
図12A〜
図12Cを参照して後に記載されている。
【0020】
第1のリンク機構プレート160は、第1の端(上端)162と、反対の第2の端(下端)164とを有する平面上の構造であり得る。第1のリンク機構プレート160は、第1の端162における拡大された第1の区域(斜め区域)163と、第2の端164における拡大された第2の区域(水平区域)165とを有し、第1の区域163と第2の区域165との間に、狭い中間区域(鉛直区域)166が形成されている。図示された第1および第2の区域163、165は、大まかには矩形の形を有しており、第1の区域163が第2の区域165に対して斜めに形成されている。狭い中間区域166は、第1の区域163を第2の区域165から離すように機能し、第2の区域165に対して直角に配向されている。
【0021】
第1の区域163は、搭載部130の搭載面131と合致する大きさおよび形とされている。第1の区域163は、第1の区域163を搭載部130の搭載面131に取り付けるための留め具169を受け入れる複数の貫通孔167を備える。この手法では、駆動構成部品101を形成するモータ110、ウォーム152、および搭載部130は、第1のリンク機構プレート160によって固定的に取り付けられて支持されている。
【0022】
狭い中間区域166は、第1の貫通孔170と、第2の貫通孔172と、第3の貫通孔174とを備える。貫通孔170、172、174は線形の手法で形成されており、第1の貫通孔170は最も上の孔であり、第2の貫通孔172は中間の孔であり、第3の貫通孔174は最も下の孔である。シャフト159は、第1の貫通孔170を貫いて延び、第1の貫通孔170の中で自由に回転する。
【0023】
第2の区域165は、第1の端面175と、反対の第2の端面177とを備える。
【0024】
第2のリンク機構プレート180は、第1の端(上端)182と、反対の第2の端(下端)184とを有する。第2のリンク機構プレート180は、第1の端182において途切れる第1の鉛直区域183と、第2の端184における第2の水平区域185とを備える。第1の鉛直区域183および第2の水平区域185は、狭い中間区域166と第2の区域165との相補となるような大きさおよび形とされている。より具体的には、第2の水平区域185は第2の区域165と同一であり得る。第1の鉛直区域183は、そこに形成された3つの貫通孔、すなわち、第1の貫通孔186、第2の貫通孔187、および第3の貫通孔188を備えている。貫通孔186、187、188は、第1のリンク機構プレート160に形成された貫通孔170、172、174とそれぞれ軸方向で並ぶように形成されている。
【0025】
第2の水平区域185は、第1の端面181と、反対の第2の端面189とを備える。
【0026】
シャフト159は、貫通孔170および貫通孔186を通過し、第1のリンク機構プレート160および第2のリンク機構プレート180に対して自由に回転可能になっている。
【0027】
図示しているように、第1および第2のリンク機構プレート160、180は、互いから離間されている平行な平面で位置決めされている。より具体的には、第1のリンク機構プレート160および第2のリンク機構プレート180は、固定された離れた関係を維持するために、および、それらの間の移動を防止するために、互いと固定的に連結されている。第1および第2のリンク機構プレート160、180は、細長い形を有し、一端において第1のリンク機構プレート160に(留め具によって)、および、その反対の端において第2のリンク機構プレート180に(留め具によって)、固定的に連結されたロッドの形態であり得る連結体135によって連結され得る。連結体135の2つの端は孔172、187へと挿入され得る。
【0028】
第1および第2のリンク機構プレート160、180は、第1のリンク機構102の第1のリンクを形成している。
【0029】
第1の連結アーム190および第2の連結アーム200は、第1のリンク(第1および第2のリンク機構プレート160、180)と検査車両10との両方に各々旋回可能に連結された構造の形態になっている。図に示しているように、第1の連結アーム190は第2の連結アーム200の上方に位置付けられている。第1の連結アーム190は、基礎部191(例えば、水平棒)と、基礎部191の反対の端同士において基礎部191から外向きに延びる第1の対のアーム(フランジ)192とを有する。第1の対のアーム192は、基礎部191に対して直角に配向され、基礎部191との組み合わせで、第1のU字形の構造が形成されるように、平行な平面で配置されている。アーム192の自由端は、アーム192を検査車両10の本体に旋回可能に取り付けるための留め具193を受け入れる。これは、第1の連結アーム190を検査車両10の本体の周りで旋回させることができる。
【0030】
第1の連結アーム190は、基礎部191で、基礎部191の2つの端の中間の場所から内向きに延びる複数のアームも備える。図に示しているように、第1の内側アーム194が基礎部191の一端に接近して形成されており、第2および第3の内側アーム195、196が基礎部191の他方の端に接近して形成されている。第2および第3の内側アーム195、196は、それらの間に空間またはスロット197を画定するように、互いに接近して形成されている。第1、第2、および第3の内側アーム194、195、196は、基礎部191に対して直角に形成されており、平行な平面で位置付けられている。第1の対のアーム192およびアーム194、195、196を含む平面同士は、互いに平行であり得る。
【0031】
内側アーム194、195、196の自由端は、シャフト159を受け入れる貫通孔を備える。シャフト159は、これらのアーム194、195、196に対して自由に回転し、前述したように、第1のリンク機構プレート160および第2のリンク機構プレート180に対して自由に回転もする。
【0032】
第1の連結アーム190が第1および第2のリンク機構プレート160、180に組み込まれるとき、第2のリンク機構プレート180の第1の鉛直区域183は、アーム195、196の間に第1の鉛直区域183を位置決めするように、スロット197内に受け入れられる。第1のリンク機構プレート160の狭い中間区域166は、アーム194に隣接してアーム194の内部に位置決めされる。ここでも、これらの部品を貫いて延びるシャフト159は、すべての部品を一体に結合するが、シャフト159が自由に回転する手法で作用する。
【0033】
ウォームギヤと反対のシャフト159の端は、アーム196の外面に沿って形成された凹所内に受け入れられる軸受部材または同様のもの161で受け入れられ得る。軸受部材161は円形を有し得る。また、エンドキャップまたは留め具137が、シャフト159の横方向の移動を防止するために使用され得る。具体的には、ボルト137は、軸受部材161に隣接してシャフト159の自由端にネジ留めでき、それによってシャフト159の横方向の移動を抑制する。
【0034】
図4および
図8で最良に示した一実施形態によれば、シャフト159は、第1の付勢部材210によって、第1の連結アーム190に結合されてもよい。より具体的には、シャフト159は、第1の付勢部材210の一端が取り付けられた搭載構造212を、第1の付勢部材210の反対の第2の端が第1の連結アーム190に取り付けられた状態で備えてもよい。第1の付勢部材210は、シャフトの長さの周りに巻かれた(らせん状に巻かれた)捩じりバネの形態とできる。搭載構造212は、第1のリンク機構プレート160の内面に隣接する場所でシャフト159に固定的に連結された円板の形態であり得る。捩じりバネ210の一端は円板212(シャフト159と調和して回転する)に固定的に取り付けでき、捩じりバネ210の他端は第1の連結アーム190のアーム195(移動しない)に取り付けできる。この構成の結果として、駆動構成部品101がシャフト159を一方の方向に回転させるとき、バネ210は巻き上げられ、エネルギーを蓄え始めることになる。後に記載しているように、捩じりバネ159は、モータ回転を装置100の持ち上げおよび降下へと伝達する。
【0035】
代替で、
図7に示しているように、固定ピン215は、シャフト159の回転(モータの作動の結果として)を装置100の所望の持ち上げおよび降下へと変換するように、シャフト159を第1の連結アーム190へと結合するために使用され得る。
【0036】
円板212が2つのリンク機構プレート160、180の間に最初に配置され、シャフト159が、プレート160における孔170を通し、次に円板212における中心孔を通して送り込まれてから、第2のリンク機構プレート180およびアーム195、196に形成されたそれぞれの孔を通過され得ることは、理解されるものである。いくつかの技術が、留め具、スナップフィット機構などの使用を含め、円板212をシャフト160に固定的に取り付けるために使用され得る。したがって、円板212と捩じりバネ210との両方が、第1のリンク機構プレート160とアーム195との間に配置される。
【0037】
第2の連結アーム200は、第1の連結アーム190と同様であり、基礎部201(例えば、水平棒)と、基礎部201の反対の端同士において基礎部201から外向きに延びる第1の対のアーム(フランジ)202とを備える。第1の対のアーム202は、基礎部201に対して直角に配向され、基礎部201との組み合わせで、第1のU字形の構造が形成されるように、平行な平面で配置されている。アーム202の自由端は、アーム202を検査車両10の本体に旋回可能に取り付けるための留め具205を受け入れる。これは、第2の連結アーム200を検査車両10の本体の周りで旋回させることができる。
【0038】
第2の連結アーム200は、基礎部201で、基礎部201の2つの端の中間の場所から内向きに延びる複数のアームも備える。図に示しているように、1対の内側アーム204が、基礎部201の端同士の間に形成されている。1対の内側アーム204は、基礎部201に対して直角に形成されており、平行な平面で位置付けられている。第1の対のアーム202および1対の内側アーム204を含む平面同士は、互いに平行であり得る。
【0039】
1対の内側アーム204の自由端は、横断シャフト207を受け入れる貫通孔を備える。シャフト207は、第1および第2のリンク機構プレート160、180にそれぞれ形成された孔174、188も通過する。
【0040】
シャフト207は、内側アーム204に対して自由に回転し、第2の連結アーム200が旋回できる旋回軸を形成する。留め具209が、シャフト207を内側アーム204に結合し、シャフト207の横方向の移動を抑制するために使用できる。これらの留め具209はボルトであり得る。
【0041】
第1の連結アーム190および第2の連結アーム200の各々が単一の一体構造として形成され得ることは、理解されるものである。
【0042】
第1の連結アーム190は第1のリンク機構102の第2のリンクを形成し、第2の連結アーム200は第1のリンク機構102の第3のリンクを形成する。第1のリンク機構102の第4のリンクは、本明細書で記載しているように、検査車両10自体によって形成される。したがって、第1のリンク機構102は4節リンク機構として特徴付けることができる。第1のリンク機構102の動作に関する追加の詳細は、後で述べられている。
【0043】
第2のリンク機構103は、センサプローブ構造104を第1のリンク機構102に結合し、装置100を異なる自由度(第1のリンク機構102の持ち上げおよび降下の動き以外)で移動させることができるように機能する。
【0044】
センサプローブ構造104は、センサ310を保持するためのケーシングまたは筐体300から成る。筐体300は、開放した上部と開放した下部とを有する箱状の構造の形態であり得る。筐体300は正方形または長方形を有し得る。したがって、筐体300は、1対の相対する側壁(前壁および後ろ壁)302と、1対の相対する端壁304とによって形成される。エンドキャップ305が端304を閉じるために使用され得る。中空の内部空間が壁302、304の間に画定される。センサ310は、センサ310が端壁304/エンドキャップ305の間で延びる車軸301の周りで回転するホイールの形態で、中空の内部空間内に回転可能に配置される。センサ310は、センサプローブ(ホイール)310が車軸301に回転可能に結合されるとき、センサプローブ310の一部が筐体300の上縁の上方と、筐体300の下縁の下方との両方へと延びるような直径を有する。
【0045】
車軸301は、表面11の検査を可能にするために、さらに装置を表面11にわたって転がして操縦させることができる1つまたは複数の、好ましくは2つのホイール(ローラー)320も支持する。図示した実施形態では、センサプローブ(ホイール)310は、1対のホイール320の間に配置される。検査車両10の一部であるホイールと同様に、ホイール320は、金属パイプまたは金属貯蔵タンクなどの金属表面11に装置100を付着させるために、および、検査車両10の駆動に応じて表面11にわたって移動可能であるために、好ましくは磁気材料から形成される。
【0046】
第2のリンク機構103は、装置100を、具体的には、装置100のセンサプローブ110を、本明細書に記載しているような加えられる力に応じて移動させるように構成された4節リンク機構である点において、第1のリンク機構101と同様である。第2のリンク機構103は、2対のクロスリンク部材から形成され、より具体的には、第2のリンク機構103は、第1の対を形成する第1および第2のリンク400、410と、第2の対を形成する第3および第4のリンク420、430とから形成される。
【0047】
第1および第2のリンク400、410は、第1のリンク400の第1の端が、第1の旋回軸401において第1のリンク機構プレート160の第2の区域165の第1の端面175に旋回可能に取り付けられ、第1のリンク400の第2の端が第2の旋回軸403において筐体300の側壁302に旋回可能に取り付けられる点において、X字形に配置される。同様に、第2のリンク410は、第3の旋回軸405において第2のリンク機構プレート180の第2の水平区域185の第1の端面181に旋回可能に取り付けられ、第2のリンク410の第2の端は、第4の旋回軸407において筐体300の側壁302に旋回可能に取り付けられる。
【0048】
図示しているように、第1および第2のリンク400、410は互いに物理的に連結されない。
【0049】
同様に、第3および第4のリンク420、430は、第4のリンク430の第1の端が、第1の旋回軸421において第1のリンク機構プレート160の第2の区域165の第2の端面177に旋回可能に取り付けられ、第4のリンク430の第2の端が第2の旋回軸423において筐体300の他方の側壁302に旋回可能に取り付けられる点において、X字形に配置される。同様に、第3のリンク420は、第3の旋回軸425において第2のリンク機構プレート180の第2の水平区域185の第2の端面189に旋回可能に取り付けられ、第3のリンク420の第2の端は、第4の旋回軸427において筐体300の他方の側壁302に旋回可能に取り付けられる。
【0050】
図示しているように、第3および第4のリンク420、430は互いに物理的に連結されない。
【0051】
本発明によれば、センサプローブ構造104を伴う第1および第2のリンク機構は、センサ310が表面11に対して降下または展開され、装置100の少なくとも一部と表面11との間の接触において、表面11に対して自動的に垂直となり得るように構成される(例えば、一部の実施形態では、センサ310自体が表面11と接触できるが、これは、表面11と接触するときに自動的に正常化するための装置100についての要件ではない)。第1のリンク機構102は、減衰されたウォームギヤ伝達装置を含む駆動構成部品101を介して作動され、第2のリンク機構103は、本明細書で記載しているように、表面11に対するセンサプローブ310の受動的な正常化を可能にする。本発明によって提供されるこの機構は、検査される表面から適切な読取を得るために、内部の変換器部品をその表面に対して常に垂直としておく必要があるドライ結合プローブなど、感知方向性のセンサにとって特に有用である。
【0052】
組み立てられるとき、ホイールおよびセンサホイールを受け入れるために、一部において、第1および第2のリンク機構プレート160、180と筐体300との間に空間がある。
【0053】
第1のリンク機構の動作
第1のリンク機構102は、命令で、装置100を表面11に対して上昇および降下させることができる持ち上げ機構として作用するように構成される。したがって、第1のリンク機構102と駆動構成部品101との間の相互作用は、鉛直方向において1つの自由度を持ち上げ機構に加え、それによって、センサプローブ310を、必要とされる場所および時間に、持ち上げるおよび降ろすことができる。この自由度は、横向きの動作が実施される場合、センサプローブ310を引き摺ることを防止することで、センサプローブ310の完全性を良好な形で維持する。さらに、駆動構成部品101は、適切なデータ取得のために、センサプローブ310に、検査される表面11への十分な押し付け力を提供する。
【0054】
第1のリンク機構102は次のように動作する。センサプローブ410を表面11に対して展開することが望まれるとき、使用者は、命令(指示)を駆動構成部品101へと送信し、駆動構成部品101の作動を引き起こす。より具体的には、モータ110は、(センサプローブを降下させるために)第1の動作のモードで動作され、駆動シャフト112およびウォーム152を第1の方向で回転させる。ウォーム152の回転はウォームギヤ154の回転へと変換される。横断シャフト159がウォームギヤ154に固定的に連結されているため、シャフト159も回転する。シャフト159の回転は、シャフト159に固定的に結合された円板212の回転をもたらす。第1の付勢部材(捩じりバネ)210が第1の連結アーム190の円板212とアーム195との両方に取り付けられ、そのため、円板212(およびシャフト159)の回転が、シャフト159の長さに沿った捩じりバネ210の巻き上げをもたらし、それによってエネルギーが蓄えられる。
【0055】
捩じりバネ210の巻き上げと、第1の連結アーム190への捩じりバネ210の連結とは、上向きの力を第1の連結アーム190に加えさせる。第1の連結アーム190が、検査車両10と第1、第2のリンク機構プレート160、180との両方に旋回可能に取り付けられ、第1の連結アーム190は上向き方向で旋回する。センサプローブ310は、センサプローブ310が(第2のリンク機構103を用いて)第1のリンク機構102に連結されている筐体300自体によって保持されるため、表面11から持ち上げられる。筐体300の上向きの移動は、センサプローブ310を表面11から持ち上げさせる。
【0056】
センサプローブ310を降下させるために、動作が反転され、モータ110は、駆動シャフト112およびウォーム152を、第1の方向と反対の第2の方向で回転させるために、第2の動作のモードで動作される。捩じりバネ210はシャフト159に沿って巻き上げが解放され、これは、第1の連結アーム190の下向き方向への移動をもたらし、それによって筐体300およびセンサプローブ310を降下させ、その結果、図示した実施形態では、センサプローブ310を表面11と接触させる。
【0057】
したがって、この捩じりバネ210は、モータ110の回転を伝達する線形コイルとして作用し、第1のリンク機構102に作用する捩じりバネとして使用される。コイル(バネ210)は、センサプローブ310と表面11との間に減衰効果を作り出す。したがって、粗面または起伏面においてセンサプローブ310を移動するとき、捩じりバネ210は、センサへの圧力によって引き起こされる損傷および外乱を最小限とした。別の言い方をすれば、センサプローブ310を若干起伏のある面で移動するとき、センサプローブ310は、装置100の動作を妨げることなく接触を維持する。バネ210の減衰効果は、
図7に示した固定ピン設計に対して、固定ピン設計がモータ110の回転動作を第1のリンク機構102を介して鉛直な線形の動作/力へと変換し、固定ピン設計が減衰効果を欠いている点において、利点を提供する。
【0058】
図に示したものを超える他の技術が、モータ110の回転動作が第1のリンク機構102を介して装置100の鉛直な線形の動作/力へと変換されるような方法で、シャフト159を第1の連結アーム190へと結合するために使用され得ることは、理解されるものである。
【0059】
また、装置自体が、表面11に対する装置100の動作の間、表面11との接触を維持するために構成されてもよいことは、理解されるものである。別の言い方をすれば、装置100によって保持される物体が、表面と接触し得ないが、代わりに、装置100の一部(第2のリンク機構など)が、表面11との接触において正常化するように作用し、装置100が表面11に沿って移動するとき、表面11とのこのような接触を維持する。
【0060】
異なる長さの連結アーム
一実施形態では、第1および第2の連結アーム190、200は異なる長さを有し得る。
図12A〜
図12Cを参照すると、外部デバイス10(例えば、検査車両)の本体および外部デバイス10の骨格に対する装置100の特定の配置を考えると、プローブ310は、表面11の湾曲に依存して、異なる高さにおいて表面11と接触する。その結果、第1の段(第1のリンク機構)が直線的な経路の代わりに湾曲した経路に沿ってプローブ310を移動するように構成されるため、プローブ310と表面11との間の接触角度(ピッチ方向において)は、ほとんど完璧に垂直となるように最適化され得る。別の言い方をすれば、長さにおけるこの差は、装置100の第1の段が、直線的な動作のために構成されるか、湾曲した経路に沿う動作のために構成されるかを決定することになる。本明細書で記載しているように、アクチュエータ(駆動モータ)は、湾曲した経路に沿って移動するように構成され、駆動モータは、2つの目的、すなわち、プローブの持ち上げ/降下の目的と、ピッチ方向においての表面に対するプローブの正常化の目的とを有する。
【0061】
図12Aは、表面11が平坦な表面であることを示しており、コネクタアーム190、200を含む装置100が、検査車両10と共に示されている。
図12Aでは、プローブ310と表面11との間の角度が約89.6°であること(つまり、ピッチ方向における正常化がほとんど完璧であること)がわかる。
【0062】
図12Bは、表面11が8インチのパイプの形態であることを示しており、コネクタアーム190、200を含む装置100の相対位置が、検査車両10と共に示されている。
図12Bでは、プローブ310と表面11との間の角度が約180.1°であること(つまり、ピッチ方向における正常化がほとんど完璧であること)がわかる。
【0063】
図12Cは、表面11が平坦な表面(
図12A)、8インチのパイプ(
図12B)、および13インチのパイプであるとして示されている、表面11の構造についての3つの例を示している。
図12Cでは、プローブ310と表面11との間の角度が、13インチのパイプの場合に、約181.9°であること(つまり、ピッチ方向における正常化がほとんど完璧であること)がわかる。
【0064】
本明細書で記載しているように、装置100は、プローブが装置の垂直な使用の間、自動化された手法で少なくとも実質的に正常化されるように好ましくは構成される。本明細書で用いられているように、実質的に正常化されるという用語は、プローブが、表面に対する完璧な正常化の少なくとも5度以内に位置決めされ、好ましくは、完璧な正常化の少なくとも3度以内に位置決めされ、より好ましくは、完璧な正常化の少なくとも2度以内に位置決めされ、一部の実施形態では、完璧な正常化の少なくとも1度以内に位置決めされること(
図12Aおよび
図12B参照)を意味する。
【0065】
第2のリンク機構の動作
第2のリンク機構103は、センサプローブ310のロール配置を制御するように設計され、したがって、装置100への受動的な結合を与えることで得られる第2の自由度を、装置に提供する。
図9Aおよび
図9Bは、一実施形態による受動的な結合を示しており、
図10Aおよび
図10Bは、他の実施形態による受動的な結合を示している。
図10Aおよび
図10Bに示されている受動的な結合は、T字形の結合(振り子)であるとして考えることができる。力が筐体300(センサプローブ310を保持している)に加えられるとき、筐体300は、単一の旋回点の周りで旋回して、筐体300およびセンサプローブ310の変位を引き起こす。
【0066】
本発明によれば、
図9Aおよび
図9Bを含む図に示されているように、第2のリンク機構103は、センサ軸の回転の移動中心を、表面11(金属表面)にできるだけ近くで低く設定するように利用および設計されるX字形の4節リンク機構の形態である。
図9Aおよび
図9Bは、力(F)が加えられていることに応答しての筐体300およびセンサプローブ310の移動と、
図9Aと
図9B(X字形)との間の比較とを示し、
図10Aおよび
図10B(T字形)は、回転の中心が、T字形における単一の旋回の場所と比較して、複数の旋回の場所へのX字形の設計において、より低いことを示している。
図2を参照すると、X字形リンク機構103を用いるときのセンサプローブ310の水平方向の変位が、より高い回転の中心のもの(
図10Aおよび
図10Bの実施形態を参照)を伴う通常の自由度を用いるときに得られる変位より著しく小さい。
図9Aおよび
図9B(X字形)の実施形態を
図10Aおよび
図10Bの実施形態と比較するとき、X字形の設計の水平方向の変位は、T字形のリンクの設計の水平方向の変位の約半分(1/2)である。
【0067】
さらに
図11Aおよび
図11Bを参照すると、X字形リンク機構(第2のリンク機構103)は、2つの受動的な結合のため、筐体300(およびセンサプローブ310)の回転と共に下向きに移動するセンサプローブ310の接触点についての軌道を生成し、一方、
図10Aおよび
図10Bに示したT字形の結合の場合、接触点は上向きに移動する。動作におけるこの違いは、
図11Aおよび
図11Bにおいて提示されたグラフにおいてはっきりと見られ、より具体的には、
図11Aおよび
図11Bにおいて、T字形リンクに関する軌跡は
図11Aに示されており、X字形リンクに関する軌跡は
図11Bに示されている。軌跡におけるこの違いは、X字形リンク機構が、金属表面11に向かってセンサプローブ310を押し付けることでより安定した接触点を作り出す傾向がある一方、T字形の結合の場合、センサプローブ310は、接触点から逸脱し、最終的に接触点を失う点において、X字形リンクを用いることの利点を示している。この特徴は、パイプにわたって移動するとき、具体的には、螺旋状の軌道に追従するとき、特に有用である。
【0068】
本発明によれば、X字形のリンク機構(第2のリンク機構103)は、検査される表面11の垂直軸にセンサプローブ310を厳密に並べるときに重要な役割を演じる。2つのローラ(ホイール320)を備えることは、センサプローブ310の各々の側における1つのホイール320で、正常化を向上させる。適切な力が機構に発揮されるとき、2つのローラ(ホイール320)は、最終的に表面11に接触し、センサプローブ310のための支持体として作用し、これは、表面11においてセンサプローブ310をさらに正常化する。
【0069】
本発明の一応用例では、壁厚(例えば、パイプ壁または貯蔵壁の厚さ)を測定するために超音波検査を実施するために、センサプローブ310は、対象物上にカプラントを載せることを回避するために、ドライ結合プローブ(DCP)の形態である。本明細書で言及したように、垂直な接触は、放射された超音波を受信するために、および、ノイズのない厚さ信号を取得するために(この場合、センサプローブ310が表面11と接触するときであり、他の実施形態では、垂直な接触は、センサを保持するフレーム(例えば、第2の機構)と、表面との間である)、パイプ表面とセンサプローブ310との間で達成される必要がある。この正常化を達成するために、本発明の装置100は、2自由度を伴う2段機構を提供する。第1の段は、
図3に示しているような側から見たとき、平面の自由度を有する第1のリンク機構102を備える。この第1の段は、2つの規則を演じることができ、つまり、センサプローブ310が表面11に対して押されることを確保するために、バネ荷重によって、センサプローブ310を、目標となる異なるパイプの湾曲に対して降下および上昇させることができる。これは、損傷を回避するために、センサプローブ310を表面11から離すように持ち上げもする。本明細書に記載した減衰効果は、センサプローブ310が若干起伏のある表面において進んでいるとき、検査車両10(ロボット)の動作を妨げることなく、センサに接触を維持させることができる。DCPセンサプローブ(ホイール)310は、検査の間、センサプローブ310のための所望の圧力を考慮することで、支持ローラ320の内径の中で受動的な減衰動作を有するように構成され得る。
【0070】
また、センサ310がゴムホイールセンサプローブの形態であるとき、本出願者は、プローブゴムの剛性が、最適な性能に向けた持ち上げ機構の設計において最も考慮される必要があることに気付いた。この剛性は、プローブセンサ310の側におけるローラ軸受の直径、および/または、接触ローラ320に対するセンサプローブの配置などの設計パラメータを導き出す。例えば、ローラ320の直径、および、プローブ310に対するローラ320の配置は、好ましくは、2つのローラ320が表面11と接触するときまでに、プローブ310が約1〜2Kgsの圧力の下にあることを確保するために最適化される。代替で、センサプローブ310の周りのローラ320は磁化されてもよい。磁気ローラ320は、表面11とのローラ320の完璧な接触を確保することで、プローブ310の正常化を支援する。ローラ320は、好ましくは、ローラ320が表面11に向けての大き過ぎる誘引力を生成しないように構築され、そうでない場合、機構(第1のリンク機構102)は、検査が完了された後、センサプローブ310を持ち上げるのが難しくなる可能性がある。また、ローラは、センサプローブ310に対してより細い輪郭を有するように作られてもよく、バネ荷重が、起伏のある表面において移動する間に減衰効果を取り入れるために、ローラ320とセンサプローブ310との間に加えられてもよい。
【0071】
したがって、本発明によれば、支持ローラ320の直径は、プローブ材料の剛性と、検査の間のプローブについての所望の圧力とを考慮することで選択される。補正が、プローブ材料の剛性と、検査の間のプローブについての所望の圧力とを考慮することで、センサプローブホイール310の軸と支持ローラ320との間に導入されてもよい。
【0072】
他の実施形態では、ローラ320は表面11と接触する。
【0073】
第2のリンク機構103から作られる第2の段は、
図4に示したように後ろに向かって見たとき、第2の自由度を提供する。これは、検査車両10が、周囲方向または長手方向の代わりに、螺旋経路で駆動しているとき、センサプローブ310をパイプ傾斜に順応させることができる。本明細書で詳述したように、この自由度は受動的である。センサプローブ310の両側に位置している2つのローラ320は、センサプローブを支持し、センサプローブ310が表面11と接触するとき、機構を正常化させる。
【0074】
本発明が、センサを保持し、本明細書で記載している動作を実施するための少なくとも2つの自由度を含む装置を網羅することは、理解されるものである。1つの自由度は、センサを上昇および降下(鉛直移動)させるように構成された能動的な機構(能動的なリンク機構)と関連付けられ、別の自由度は、センサを正常化する受動的な機構と関連付けられる。
【0075】
本発明のセンサを保持する装置100は、従来の競合する製品には見られなかったいくつかの利点を提供しており、先行技術と関連付けられる欠陥を克服する。より具体的には、以下の利点が本発明の装置で得られる。
・横方向の引摺りによるプローブの損傷:先行技術の以前のデバイスは、DCPホイールと表面との間に圧力を一定に加えるように設計されており、デバイス全体を表面から取り除く以外に表面からプローブを持ち上げる方法がない。本装置の第1の4節リンク機構(リンク機構102)は、プローブを表面から持ち上げることができるウォームギヤ付きモータに取り付けられる。これは、ロボットが横へと操縦する必要があり、DCPホイールプローブが表面において横へと引き摺られると損傷されるため、検査ロボットにとって特に重要である。
・2つではなく1つだけのアクチュエータを介したピッチ正常化およびプローブ展開:先行技術は、表面に向けた、および、表面から離す、直線的な経路に沿ってプローブを典型的に動かすプローブを展開するために、4節リンク機構の全般的な使用を開示している。しかしながら、先行技術は、このリンク機構が正常化のためのプローブ搭載に追加的な自由度を加えるために、第2のアクチュエータの必要性を暗に導入していることから、「ピッチ」方向におけるプローブの適切な正常化に対処し損ねている。それにも拘らず、提案した発明は、プローブが真っ直ぐな線に沿ってではなく湾曲した経路に沿って移動し、それによって、第2のアクチュエータを必要とすることなくプローブが展開されるにつれて(少なくとも「ピッチ」方向において)、プローブが自動的に正常化されるように、第1の4節リンク機構の構成部品のためにカスタマイズされた設計を導入しているという意味において、先行技術から区別される。しかしながら、先に詳述したように、本明細書で開示した機構が、アクチュエータの使用なしで展開でき、代わりに、プローブが表面に対して常に展開されることを確保する付勢要素などを用いることは、理解されるものである。
・表面に対する信頼できる一定の圧力:先行技術は、十分な力が表面に対するプローブに発揮されていることを確実にするために、走査ヘッドの手動の取り扱いを必要とする。捩じりバネに取り付けられた本装置における4節リンク機構は、プローブを降下させ、湾曲/平坦な表面に対して押し付けることができる。プローブの側における支持ローラは、信頼できる一定の圧力がプローブに加えられることを可能にする。
・「ロール」方向位おけるプローブの正常化:適切なプローブ正常化を伴うパイプに沿っての螺旋状の駆動は、先行技術では対処されていない。上部における4節リンク機構からの圧力によって支持されるX字形リンク機構(第1のリンク機構102)は、プローブが湾曲した表面の垂直軸に近付くための1つの自由度を許容する。十分な圧力と共に、優れたUT読み取りが取得される。
【0076】
そのため、本装置が、計器またはプローブを保持し、それを任意選択で表面に対して展開するように構成され得ることは、理解されるものである。本装置は、湾曲した表面に対して展開され、および/または、最終的に回収される必要がある任意の種類の物体を、その物体が表面を真っ直ぐに指すことを確実にしつつ保持する上で、非常に効果的である。これは、単一のアクチュエータで達成され得る。
【0077】
本装置はプローブを保持するために使用されるとして記載されているが、これは、本装置についての単なる1つの例示の用途であり、限定されることはないが、レーザー、赤外線センサなどの他の種類のセンサ、カメラなどを含む他の物体を保持できる。例えば、装置は、透明なPVCパイプまたは湾曲したガラスパネルの上を走行するように構成されたレーザーまたは赤外線センサを保持できる。装置は、透明なパイプに沿って駆動または移動でき、測定された信号に見出される特徴にマッチすることで、装置は、どの製品がパイプ内で流れているかを計算できる。製品は、液体または気体など、任意の数の異なる形態であってもよい。例えば、製品は、原油、または、異なる種類のガスであり得る。同様に、本装置がカメラまたは他の撮像機器を保持する場合、装置は、少なくともいくつかの異なる方法で使用できる。最初に、カメラまたは他の撮像機器は、前述のような透明の材料に使用でき、何であっても透明な表面の内側において進んでいるものの1つまたは一連の画像(近寄った写真など)を撮ることができ、次に、撮像デバイス(カメラ)が90度回転される場合、表面に対して垂直ではないがほとんど正接を指すことになり、これは、デバイスにあらゆる材料の非常に良好な近寄った視覚検査を実施させることができる。
【0078】
本発明は、特定の実施形態を用いて先に記載されてきたが、多くの変形および改良があることは、当業者には明らかである。そのようにして、記載した実施形態は、すべての点において、限定ではなく、例示として考慮されるものである。そのため、本発明の範囲は、前述の記載によってというよりも、添付の特許請求の範囲によって指示される。特許請求の範囲の等価の意味および範囲内となるすべての変更は、特許請求の範囲内に包含されることになる。