(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの蓄電エレメントが、前記少なくとも1つの蓄電エレメントに対する損害を抑制するように、熱を吸収する相変化材料により覆われている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜
図3は、飲料用の容器(例えば、マグなど)100及びアクティブ温度制御モジュール200の一実施例を示している。有利には、温度制御モジュール200は、容器100に取り付けられた状態で、容器100内の液体の温度を上昇又は低下させるか、あるいは維持するように、少なくとも一定の時間の間(例えば、所定の時間の間)に亘って作動する。したがって、本明細書において使用する「アクティブ(積極的な)」という用語は、温度制御モジュール200が容器100に取り付けられている間における温度制御モジュール200の連続的な動作に限定されない。本明細書で使用するように、伝熱は、加熱プロセス及び冷却プロセスを包含する。したがって、本明細書で使用する「伝熱エレメント」は、加熱プロセス又は冷却プロセスを行うエレメントを意味する。
【0013】
図示する実施例では、容器100は、開放した上端部10と、底面22を有するベースすなわち閉鎖された(例えば平坦な)下端部20と、周壁40及びベース20により画成されたキャビティすなわちチャンバ30と、を有しており、一般的なセラミック製のマグのように見える。任意選択的に、容器100は取手部(ハンドル)27を有する。
【0014】
好ましくは、マグ100のベース20及び周壁40は、金属(例えば、ステンレス鋼)などの熱伝導性材料から形成されている。一実施例では、マグ100の周壁は二重構造となっている。この二重構造では、周壁40は、内壁40
Aと、内壁40
Aから間隔を隔てた外壁40
Bと、によって画定され、内壁40
Aと外壁40
Bとの間にチャンバ42が画定されている。ベース20は、単一壁構造をなしており、一実施例では、約0.2mm〜約13mmの厚さを有している。他の実施例では、ベース20は、約0.3mmの厚さを有する。
【0015】
マグ100の外壁40
Bをセラミック材料でコーティングしてもよい。このコーティングによってマグ100が従来のセラミック製マグのように見える。セラミック材料により、従来のマグと同様に、マグ100をテキスト及び/又はロゴでコーティングすることができる。
【0016】
一実施例では、チャンバ42を絶縁材料によって充填してもよい。絶縁材料は、有利には、周壁40からの熱損失を抑制することにより、マグ100の温度特性を向上させる。さらに、絶縁材料は、マグ100(例えば、セラミックでコーティングされたマグ)の金属音を低減又は抑制し、これにより、マグ100の音が従来のセラミック製マグと同様の音となる。
【0017】
続けて
図1〜
図3を参照すると、モジュール200(例えば、加熱モジュール、冷却モジュール、加熱/冷却モジュール)は、任意選択的に、一つ又は複数の伝熱エレメント210(例えば、熱電素子又はペルティエ素子などの加熱エレメント、冷却エレメント又は加熱/冷却エレメント)、一つ又は複数の蓄電エレメント60、及び/又は制御回路80を含む。モジュール200は、一つ又は複数の伝熱エレメント210が容器100の下端部20(例えば、底面22)と接触するように、容器100の底部に取り外し可能に取り付けられる。図示の実施例では、電子機器(例えば、バッテリ、センサ、加熱/冷却エレメント)は容器100内に設けられておらず、全ての電子機器及び一つ又は複数の伝熱エレメント210はモジュール200に設けられている。有利には、上記構成により、容器100をモジュール200から取り外したときに、電子機器に対する損害を気にすることなく、容器100を容易に洗浄(例えば、手洗い又は食器洗い機で)することができる。
【0018】
他の実施例では、一つ又は複数の伝熱エレメントは、容器100内、例えば、(他の実施例として記載するように)容器100のベース20内に内蔵されている。容器100と温度制御モジュール200との間における一つ又は複数の電気接点を介して、一つ又は複数の伝熱エレメントに温度制御モジュール200から電力が供給される。
【0019】
図4A及び
図4Bは、モジュール200Aの一実施例を示している。モジュール200Aは、以下の点を除き、前述した温度制御モジュール200と同様である。モジュール200Aは、一つ又は複数のマグネット6992を有する。マグネット6992は、容器100の下端部20(例えば、底面22)に磁気的に吸着(例えば、底面22に設けられた一つ又は複数のマグネット6994に吸着)して、モジュール200Aを容器100に取り付ける。これにより、一つ又は複数の伝熱エレメント210Aが、容器100の下端部20(例えば、底面22)と接触する。ユーザが(例えば、容器100内の液体を加熱又は冷却するために)モジュール200Aを使用した後、ユーザは、(例えば、容器100を洗浄するため)モジュール200Aを容器100から取り外すことができる。
【0020】
図5A及び
図5Bは、モジュール200Bの一実施例を示している。モジュール200Bは、以下の点を除き、前述した温度制御モジュール200と同様である。モジュール200Bは、一つ又は複数の伝熱エレメント210Bが容器100の下端部20(例えば、底面22)と接触するように、下端部20に取り外し可能に取り付けられる。モジュール200Bは、ねじ山7092を有する。ねじ山7092は、容器100の下端部20に設けられたねじ山7094と螺合して、モジュール200Bを容器100に取り付ける。ユーザが(例えば、容器100内の液体を加熱するために)モジュール200Bを使用した後、ユーザは、(例えば、容器100を洗浄するため)モジュール200Bを容器100から取り外すことができる。
【0021】
図6A及び
図6Bは、モジュール200Cの一実施例を示している。モジュール200Cは、以下の点を除き、前述した温度制御モジュール200と同様である。モジュール200Cは、一つ又は複数の伝熱エレメントが容器100の下端部20(底面22)と接触するように、(例えば、一つ又は複数のマグネット等を用いて、圧入などにより)下端部20に取り外し可能に取り付けられる。他の実施例では、一つ又は複数の伝熱エレメント(例えば、抵抗加熱器などの加熱エレメント)が容器100に内蔵されている。当該伝熱エレメントへの電力は、容器100に設けられた一つ又は複数の電気接点7192を介してモジュール200Cから供給される。さらに、モジュール200Cに設けられた電気接点7196を介して、容器100に設けられた一つ又は複数のセンサ(例えば、温度センサ、静電容量センサ、傾斜センサなど)に電力が供給される。モジュール200C側の電気接点7196は、モジュール200Cが容器100に取り付けられたときに、容器100に設けられた電気接点7198と接触する。このような実施例では、容器100の下端部20(例えば、底面22)は絶縁面となり、一つ又は複数の伝熱エレメント及び一つ又は複数のセンサは、容器100において水封性を有している。一実施例では、一つ又は複数の電気接点7192,7194,7196,7198は、ポゴピン、接点ばね又は他の適切な電気コネクタとし得る。有利には、モジュール200Cが容器100の下端部20から外されても、一つ又は複数の伝熱エレメントが容器100内に配置されているため、ユーザは伝熱エレメントに接触することができない。したがって、作動中にモジュール200Cが容器100から取り外された場合であっても、ユーザが損傷(例えば、火傷)を負うことがない。
【0022】
図7A及び
図7Bは、モジュール200Dの一実施例を示している。モジュール200Dは、以下の点を除き、前述した温度制御モジュール200と同様である。モジュール200Dは、ピン7292を有する。ピン7292は、容器100の下端部20に形成されたノッチつまり凹部7294と嵌合し、モジュール200Dがツイストロック式に容器100に取り付けられる(例えば、モジュール200Dを下端部20に挿入して、モジュール200Dを4分の1周回転させて、モジュール200Dを容器100に固定する)。これにより、一つ又は複数の伝熱エレメント210Dが下端部20(底面22)に接触する。ユーザが(例えば、容器100内の液体を加熱するために)モジュール200Dを使用した後、ユーザは、(例えば、容器100を洗浄するため)モジュール200Dを容器100から取り外すことができる。
【0023】
一実施例では、一つ又は複数の伝熱エレメント(例えば、伝熱エレメント210〜210D)の作動は、モジュール200〜200Dを容器100に取り付けたときに自動的に開始される。例えば、一つ又は複数のセンサは、モジュール200〜200Dが容器100に取り付けられたことを検知して、モジュール200〜200Dに設けられた制御回路80に信号を送信する。これにより、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dに電力が供給されて、容器100内の内容物が加熱又は冷却される。一方、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dの作動は、モジュール200〜200Dを容器100から取り外したときに(例えば、モジュール200〜200Dが容器100に取り付けられていないという一つ又は複数のセンサによる検出情報に基づいて)自動的に停止する。このような一つ又は複数のセンサは、圧力センサ、接触センサ、静電容量センサ又は光センサ、あるいは容器100に対するモジュール200〜200Dの取付状態又は分離状態を検出する任意の適切な他の形式のセンサを含む。
【0024】
制御回路80は、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dの動作を制御し、これにより、容器100のチャンバ内の液体に供給されるエネルギー量を制御して、この液体の温度を維持、上昇又は低下させる。任意選択的に、制御回路80は、液体の品質パラメータ(例えば、温度、体積、水位、酸性、pHなど)を検出する一つ又は複数のセンサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dへの電力の供給を制御する。一つ又は複数のセンサは、モジュール200〜200D及び容器100の一方又は双方の表面上に配置され得る。例えば、そのようなセンサは、容器100の底面22及び/又はモジュール200〜200Dの上面に設けられ得る。
【0025】
制御回路80は、(例えば、タブレット又はスマートフォンのアプリを介して無線により、有線接続により、又は工場でモジュール200〜200Dの製造中に)一つ又は複数のアルゴリズムを記録又は受信するメモリを含む。上記アルゴリズムは、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dの動作を制御し、かつ/あるいは、検出された情報に基づいて液体のパラメータを決定するように、制御回路80により実行される。一実施例では、このようなアルゴリズムは、液体の他のパラメータについて検出された情報に基づいて、容器100内の液体の一つ又は複数のパラメータを決定するように用いられる。一実施例では、容器100は一つ又は複数のセンサを有する。一つ又は複数のセンサは、内部に液体を保持するチャンバ30と連通している(例えば、周壁40又はベース20と接触している)。上記センサにより検出された情報は、容器100内の液体の温度を提供する。アルゴリズムは、上記センサにより検出された情報に基づいてチャンバ内の液体の容量を計算する。例えば、伝熱エレメント210〜210Dによって液体の温度が変化するまでの時間を検出することにより、アルゴリズムは、チャンバ内における液体の概算の容量を計算する(例えば、容器100が液体で満たされている場合、検出した温度が変化するのにX秒かかるが、容器100が液体で半分満たされている場合、検出した温度が変化するのにY秒かかる)。上記アルゴリズムを容器100に関連させて説明しているが、当業者であれば、このようなアルゴリズムは、本明細書に記載した他の飲料用容器、食器及びサーバウェアの制御回路80によって実装又は使用され得ることを理解されるであろう。
【0026】
検出された温度は制御回路80に送られ、この検出された温度に基づいて、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dに供給する電力量が調整される(例えば、制御回路は、所望の液体温度に近づいたときに一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dへの電力量を減少させる)。さらに、制御回路80は、予め選択された温度(例えば、モジュール200〜200Dに設けられたユーザインタフェースを介してユーザによって直接設定された設定温度、又はユーザによりタブレット又はスマートフォンアプリを介して無線で設定された設定温度)に基づいて、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dの動作を制御する。あるいは、制御回路80は、予め決定された温度設定点(例えば、タブレット又はスマートフォンアプリなどを介してユーザにより又は製造中に工場において制御回路80のメモリに記録された温度設定点)に基づいて、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dの動作を制御する。有利には、制御回路80は、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dに供給される電力量を制御して、液体の温度が予め選択された温度又は予め決定された温度よりも高くなることを防止する。例えば、一実施例では、制御回路80は温度感応スイッチを含む。この温度感応スイッチは、容器100内の液体の検出温度が温度設定点よりも高くなると開となり、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dに供給される電力を遮断する。
【0027】
図8は、モジュール200を充電するための充電アセンブリ400を示している。充電アセンブリ400は、一つ又は複数の部分(例えば、凹部)420を含む充電プレート410を有する。この充電プレート410上(例えば、充電プレート内)にモジュール200〜200Dの下端部が設置され、これにより、モジュール200の充電ベース部396に設けられた対応する電気接点が充電プレート410の電気接点430と接触する。一実施例では、電気接点430は円形であるが、他の形状としてもよい。一実施例では、電気接点430は、金めっきが施されている。図示の実施例では、充電プレート410は、2つの別個のモジュール200〜200Dを同時に充電するため、2つの部分(例えば、凹部)420と、2つの電気接点430と、を有している。しかし、他の実施例では、充電プレート410は、1つの部分(凹部)420と、1つの電気接点430と、を有していてもよい。充電プレート410は、電気コード440を介して電気コネクタ450に接続されている。図示の実施例では、電気コネクタ450は、AC電源に接続するためのウォールコネクタである。他の実施例では、電気コネクタ450は、車内充電器などのDC電源に接続するためのコネクタである。さらに他の実施例では、電気コネクタ450は、USBコネクタである。このUSBコネクタは、コンピュータ又はポータブルバッテリに電気コードを接続するか、あるいは壁コンセントに接続するための他のウォールコネクタ(例えば、iPhone(登録商標)用の充電器に類似したコネクタ)に電気コードを接続する。
図9に示すように、モジュール200〜200Dは電気接点298を有する。この電気接点298は、環状すなわちドーナツ状をなして、ベース面299を取り囲んでいる。
【0028】
図10A〜10Bに示すように、モジュール200〜200Dは、ビジュアルインジケータスクリーン395を有する。ビジュアルインジケータスクリーン395は、(例えば、モジュール200〜200Dの動作に関する)一つ又は複数のロゴやメッセージを表示する。
【0029】
図11に示すように、モジュール200〜200Dは、任意選択的に、一つ又は複数のボタン390を含み得る。ユーザは、一つ又は複数のボタン390を押すことにより、モジュール200〜200Dと容器100との間の取付状態を解除することができる。例えば、ボタン390を押すことにより、任意選択的に、モジュール200〜200Dの制御回路80を作動させて一つ又は複数の磁石の極性を変えて、容器100に対して、吸着力に代えて反発力を生じさせる。他の実施例では、ボタン390を押すことにより、モジュール200〜200Dに設けられた磁石が容器100の底壁から機械的に取り外される。
【0030】
図12A及び
図12Bは、モジュール200〜200Dとともに使用される蓄電ユニット500の一実施例を示している。蓄電ユニット500は蓄電エレメント510を含む。この蓄電エレメント510は、相変化材料(PCM)530で満たされたチャンバ520によって囲まれている。相変化材料530は、好ましくは、約50°F〜約100°Fの間の遷移温度を有し、他の実施例では、約70°Fの遷移温度を有する。有利には、相変化材料530は、相変化材料530が蓄電エレメント510を高温の温度スイングから保護することを許容する遷移温度を有する。例えば、容器100を洗浄するときに(容器100と共に)モジュール200〜200Dが誤って食器洗浄機に設置された場合、相変化材料530は、食器洗浄機の動作中に温度スイングの結果生じる熱を有利に吸収して、蓄電エレメント510へのダメージを回避する。
図12A及び
図12Bは、相変化材料530に囲まれた1つの蓄電エレメント510を示しているが、当業者であれば、複数の蓄電エレメント510を相変化材料530で囲んでもよいことを理解されるであろう。一実施例では、相変化材料(PCM)は、蓄電エレメント510だけでなく、モジュール200〜200D内の全ての電子機器を取り囲んでいる。
【0031】
図13は、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dと、モジュール200〜200Dの表面202上に配置された一つ又は複数のセンサ550と、を概略的に示している。モジュール200〜200Dの表面202は、容器100の下端部20(例えば、底面22)と熱的に接続するように設けられている。一実施例では、一つ又は複数のセンサ550は、温度センサ550を含む。温度センサ550は、容器100のベース
20を介してチャンバ30内の液体の温度を検出する。一実施例では、温度センサ550は、検出情報(例えば、容器
100の底面22の検出温度)を制御回路80に送信し、制御回路80は、(例えば、容器
100の下端部20の熱伝導率を考慮するなど、底面22の検出温度と容器
100内の液体の温度とを相関させるアルゴリズムを使用することにより)容器
100内の液体の検出温度を決定する。一つ又は複数のセンサ550は、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dから少なくとも約10mmだけ離間して配置されている。これは、一つ又は複数のセンサ550が一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dに対してより近接して配置されることによって、一つ又は複数のセンサ550により検出された情報に影響が及ぶことを回避するためである。しかし、一つ又は複数のセンサ550と一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dとの離間距離を他の適切な距離(例えば、少なくとも約5mm)としてもよい。一実施例では、一つ又は複数のセンサ550と一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dとの間の距離は、全ての方向において実質的に均一である。例えば、一つ又は複数のセンサ550が一つの温度センサ550を含む場合、温度センサ550による検出温度が一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dのエネルギー出力によって影響を受けないようにするため、温度センサ550は、一つ又は複数の伝熱エレメント210〜210Dから少なくとも約10mm離間して配置される。
【0032】
図14は、容器100の周壁40の高さに沿って配置された一つ又は複数のセンサ570を有する容器100を概略的に示している。一つ又は複数のセンサ570は、容器のチャンバ30内の液体のパラメータを検出又は測定する。一実施例では、一つ又は複数のセンサ570は、細長い片であるストリップ580として、容器100の周壁40の高さの少なくとも一部に沿って配置された複数のセンサ570である。図示の実施例では、容器100は、モジュール200〜200Dに取り外し可能に取り付けられている。モジュール200〜200Dは、一つ又は複数のセンサ570と相互に作用する(
図6Aにおける電気接点7192のような)電気接点を有する。モジュール200〜200Dにおける制御回路80と一つ又は複数のセンサ570とを電気的に接続するために、モジュール200〜200Dが容器100に取り付けられたときに、上記電気接点と一つ又は複数のセンサ570とが相互に作用する。一実施例では、一つ又は複数のセンサ570は、静電容量センサ又は温度センサである。一つ又は複数のセンサ570が温度センサ又は静電容量センサである場合、一つ又は複数のセンサ570により検出された情報は、容器100内の液位を推定するために使用される。例えば、容器100内の液位は、1つのセンサにより検出された(例えば、温度、静電容量の)読取値を隣接するセンサの読取値と比較することにより(例えば、制御回路80によって)推定される(例えば、隣接する2つの温度センサからの温度の読取値が一定量以上異なることで、液位が2つの隣接する温度センサの間にあると推定される)。他の実施例では、一つ又は複数のセンサ570は、本明細書において開示する他の適切な形式のセンサとし得る。
【0033】
図15は、本明細書に開示した容器における任意のモジュール200〜200Dのための通信システムのブロック図を示している。図示の実施例では、制御回路80を含む電子モジュールEM(例えば、本明細書に開示したモジュール200〜200Dのための電子モジュール)は、一つ又は複数のセンサS1〜Sn(例えば、液位センサ、液量センサ、温度センサ、充電センサ、静電容量センサ、傾斜センサ、ジャイロスコープ)から検出情報を受ける。一つ又は複数のセンサS1〜Snには、一つ又は複数のセンサ550,570が含まれ得る。さらに、電子モジュールEMは、(例えば、加熱モードにおける各々の加熱エレメントを作動させるため、オン又はオフ状態とするため、あるいは出力電力を変更するために)エレメント210〜210Dなどの一つ又は複数の加熱エレメント(又は冷却エレメント又は加熱/冷却エレメント)HCへと情報(例えば、指示)を送信するとともに、加熱エレメント等から情報を受ける。任意選択として、電子モジュールEMは、(例えば、バッテリを充電するため、あるいはバッテリから一つ又は複数の加熱エレメント又は冷却エレメントに供給される電力を管理するために)蓄電エレメント60(例えば、バッテリ)等の一つ又は複数の蓄電装置PSへと情報(例えば、指示)を送信する。また、任意選択的に、電子モジュールEMは、モジュール200〜200Dに設けられたワイヤレス給電トランスミッタWPT(例えば、誘導電力トランスミッタ)と通信を行ってもよい。また、電子モジュールEMは、モジュール200〜200D(例えば、モジュール200〜200Dの本体)に設けられたユーザインタフェースUI1と通信を行ってもよい(例えば、温度設定点などのユーザによる指示などの情報を送信し、このような情報を受ける)。また、電子モジュールEMは、クラウドCLを介して又はBluetooth(登録商標)BTなどのワイヤレス通信システムを介して、電子機器ED(例えば、携帯電話、PDA,タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電子時計などのモバイル電子機器又はデスクトップコンピュータ)と通信を行ってもよい。電子機器EDは、ユーザインタフェースUI2を有していてもよい。ユーザインタフェースUI2は、(本明細書に記載したように)モジュール200〜200Dの作動状態に関する情報を表示するとともに、ユーザから情報(例えば、ユーザにより選択された容器における液体の選択温度などの指示)を受信し、当該情報を(本明細書に記載したように)モジュール200〜200Dへと送信する。
【0034】
「電子モジュール」という用語は、一般的に電子機器を指すものとする。さらに、「電子モジュール」という用語は、全ての電子機器が1つの物理的な場所に位置すること、あるいは、電子機器が1つのプリント回路基板(PCB)に接続されていることを必要とするものと解釈されるべきではない。当業者であれば、本明細書に開示された電子モジュール又は電子機器は、一つ又は複数(例えば複数の)(一つ又は複数のPCBに接続された)別個の部品に設けられてもよく、かつ/あるいは、本明細書に開示するように、モジュール200〜200Dの異なる物理的な位置に配置されてもよいことを理解されたい。すなわち、電子モジュール又は電子機器は、異なるフォームファクタを有し得る。
【0035】
(センサ)
前述した任意の容器に対して、一つ又は複数のセンサS1〜Snが設けられている。一実施例では、一つ又は複数のセンサS1〜Snのうち少なくとも1つのセンサS2が容器100のチャンバ30における液位(又は液位を示す情報)を検出する。
【0036】
一実施例では、センサS2は、(モジュール200〜200Dに設けられ)容器100の重量を検出するロードセルである。容器100の電子モジュールEMは、検出された重量情報を受信し、この受信した重量情報と基準重量データ(例えば、容器が空であるときに予め検出したデータ及び/又は電子モジュールEMのメモリに記録されているデータ)を比較し、容器100内の液体の容量又は液位を計算する(例えば、検出された重量情報を、アルゴリズムを用いて液体の容量又は液位測定値に変換する)。
【0037】
他の実施例では、センサS2は、容器100のチャンバ30の一部分に設けられた圧力センサである。このセンサは、チャンバ30内の液体の静水圧を検出する。電子モジュールEMは、センサS2が検出した圧力情報に少なくとも部分的に基づいて、液体の容量又は液位を計算する。
【0038】
他の実施例では、センサS2は、容器100の側壁の全高の少なくとも一部に沿って設けられた静電容量センサ(例えば、静電容量検出ストリップ)である。センサS2は、液面の上方における空気の静電容量に対して、容器100内の液体の静電容量を検出し、この検出した情報を電子モジュールEMに送信する。電子モジュールEMは、検出された情報に基づいた容器100内の液体の容量又は液位の測定値を提供する。別の実施例では、センサS2は、センサに近接した液体又は空気の伝導率を検出する。電子モジュールEMは、検出された情報に少なくとも部分的に基づいた液体の容量又は液位の測定値を提供する。
【0039】
他の実施例では、センサS2は、容器100の側壁に設けられた超音波センサである。センサS2は、パルスエコー又は壁共振(例えば、容器100の側壁の共振)を用いて、容器における液位を示す情報を検出する。例えば、センサS2は、センサS2から容器100のチャンバ30に放出されたパルスがセンサに戻る(例えば、液面で跳ね返る)までの時間を検出する。センサS2は、検出した情報を電子モジュールEMに送信する。電子モジュールEMは、検出した情報に基づいた容器内の液体容量又は液位の測定値を提供する。
【0040】
他の実施例では、センサS2は、加速度計又は傾斜センサ(例えば、ジャイロスコープ)である。センサS2は、容器100の姿勢(又は姿勢の変化)を検出し、検出した姿勢の情報を電子モジュールEMに伝達する。電子モジュールEMは、検知された姿勢の情報に基づいて(例えば、傾斜角を液位に相関させるアルゴリズムを用いて)容器100内の液位を推定する。例えば、ユーザが容器100を唇に当てたときに、センサS2により容器100の姿勢が第1の閾値未満(例えば、垂直位置から30°未満)であると検出された場合(例えば、容器のリップ部又は蓋に設けられた接触センサ、温度センサなどのセンサを介して検出された場合)、電子モジュールは液位が略最大(ほぼ満杯)であると推定する。また、例えば、ユーザが容器100を唇に当てたときに、センサS2により容器100の姿勢が第2の閾値を超えている(例えば、垂直位置から90°を超えている)と検出された場合(例えば、容器のリップ部又は蓋に設けられた接触センサ、温度センサなどのセンサを介して検出された場合)、電子モジュールは液位が略最小(ほぼ空)であると推定する。次いで、電子モジュールEMは、2つの閾値を補間するためにアルゴリズムを用いて、容器の中間液位(例えば、半分、四分の一など)を推定する。
【0041】
他の実施例では、センサS2は、液体を通る光減衰を検出し、検出した情報を電子モジュールEMに送る光センサである。電子モジュールEMは、検出された情報に基づいて(例えば、光減衰を液体の容量又は液位と相関させるためにアルゴリズムを用いて)容器における液体の容量又は液位の測定値を提供する。
【0042】
別の実施例では、容器100の液位は、一つ又は複数の(例えば、複数の)温度センサS3により検出された温度に基づいて検出される。一実施例では、一つ又は複数のセンサS3は、容器100のチャンバ30が液体で満たされているときに、基準温度値(例えば、1°F又は1℃)だけ温度を上昇させるのに要する時間を検出し、第1の基準時間を提供する。第1の基準時間は、メモリ(例えば、電子モジュールEMのメモリ)に記憶されている。任意選択的に、容器100のチャンバ
30における液体の容量が満杯以外(例えば、半分、3/4)のときに、一つ又は複数のセンサS3により付加的な基準時間が提供される。この基準時間はメモリに記録されている。容器の作動中、一つ又は複数のセンサS3は、チャンバ内の温度が上記基準温度値だけ変化する時間を測定し、測定した時間の情報を電子モジュールEMに送る。電子モジュールEMは、測定された時間の情報に基づいて、(例えば、時間と液体の容量又は液位とを相関させるアルゴリズムに基づいて、)容器における液体の容量又は液位の測定値を提供する。一実施例では、検出された時間の情報は、一つ又は複数の基準時間と、基準時間に対応する液体容量又は液位の値が補間された液体容量又は液位と、比較される。任意選択的に、アルゴリズム用いて、(例えば、センサS4により)検出した周囲温度に少なくとも部分的に基づいて液体容量又は液位を計算し、(例えば、高高度、低高度、冬季、夏期などにおける)周囲温度に応じて温度が上記基準温度値だけ上昇する時間の変化を把握するようにしてもよい。したがって、一つ又は複数のセンサS3を使用することにより、液位を測定する別個のセンサを要することなく、1つのセンサで容器の液位及び温度を測定することができるため有益である。これにより、システムを簡略化することができるとともに、コストを削減することができる。他の実施例では、モジュール200〜200Dは、容器100の長さに沿って設けられた複数の温度センサS3を有し、容器100のチャンバ30における液位は、複数の温度センサS3により検出された温度の読取値を比較することによって電子モジュールEMにより決定される(例えば、隣接する2つの温度センサからの温度の読取値が一定量以上異なることで、液位が2つの隣接する温度センサの間にあると推定される)。
【0043】
図16は、カフェ又はレストランなどの商業施設において複数の温度制御モジュール200〜200Dを使用するための方法800を概略的に示している。方法800は、顧客が望む提供時の液体の温度を最初に特定するステップ810を含む。例えば、カフェの案内係、レジ係やウェイターは、顧客が望む提供時のコーヒーや紅茶の温度を把握する。その後、本明細書で説明した容器100などの容器(例えば、マグ)に飲料を注いだ後、飲料を要求温度に維持するために、モジュール200〜200Dを容器100に取り付けて電源が入れる。一実施例では、方法800は、カフェの案内係、レジ係やウェイターが充電ベースに配置された一セットのモジュール200〜200Dから1つのモジュール200〜200Dを(例えば、コンベヤベルトなどから)取り出すステップ815を含む。方法800は、前記1つのモジュール200〜200Dの追跡を行うことができるように、案内係、レジ係やウェイターが、例えば、近距離無線通信を用いて、容器100に顧客をタグ付けするステップ820を含む。一実施例では、モジュール200〜200Dは、モジュール200〜200Dが容器100から取り外されたときに作動するように取り付けられたアラーム830を有する。これにより、ユーザが認識されずにモジュール200〜200Dを取り外すことが抑制される。他の実施例では、モジュール200〜200Dと容器100との間の近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)による通信)は、容器100が基準位置(例えば、カウンター)から所定の距離以上離れた場合に切断され、オペレータ(例えば、案内係)に(視覚的又は音声により)警報が送られる。さらに別の実施例では、近距離無線通信が切断され、モジュール200〜200Dの作動が停止したときに、制御回路80が通知を受信する。一実施例では、カフェ、レストラン又は他の施設は、モジュール200〜200Dが出口を通過したことを検出するセンサを出口付近に有する。これにより、モジュール200〜200Dの盗難を防止する。
【0044】
図17は、他の実施例に係る温度制御モジュール200Eの概略断面図である。この温度制御モジュール200Eは、以下に記載する点を除いて、前述した温度制御モジュール200〜200Dと類似している。モジュール200Eは、ユーザが所有している食器やサーバウェア(例えば、既存の皿、ボウル、大皿、スープ用深皿など)とともに使用され得る。図示した実施例では、食器は、底面の下方にリムを有する皿910である。このリムにより、皿910の底面が支持面(例えば、テーブル、カウンター)からずれないようになる。しかし、当業者であれば、温度制御モジュール200Eが、底面にリムや凸部を有していない皿などの任意の種類の皿とともに使用し得ることを理解されるであろう。例えば、モジュール200Eは、平坦な底面を有し、テーブルやカウンターなどの表面と接触する皿とともに使用し得る。すなわち、モジュール200Eは、食器やサーバウェアの形状を問わず、既存の食器やサーバウェアとともに使用し得る。
【0045】
モジュール200Eは、上記モジュール200〜200Dに設けられたものと同様の構成要素、例えば、制御回路80、一つ又は複数の蓄電エレメント60及び一つ又は複数の伝熱エレメント210Eを有する。さらに、モジュール200Eは伝熱パック900を有する。伝熱パック900は、モジュール200Eの上面から突出し、一つ又は複数の伝熱エレメント210Eと熱的に接続されている。一実施例では、伝熱パック900は、熱伝導性ジェル又は熱ギャップパッド材などの熱伝導性材料920を有する。熱伝導性材料は、食器がモジュール200Eに配置されたときに食器の底面と接触する。一実施例では、伝熱パック900は、柔軟性を有している。例えば、底面にリム又は凸部を有する皿910とともに使用された時に、伝熱パック900は、皿910のリムと底面との間のスペースを埋めるとともに、任意選択的に、皿の底面のリム又は凸部の外側に位置する皿910の底面部分と接触する。これにより、一つ又は複数の伝熱エレメント210Eと皿910の底面との間の伝熱が可能となる。前述したように、モジュール200Eは、食器やサーバウェアの形状を問わず、既存の食器やサーバウェアとともに使用し得る。したがって、平坦な底面を有する(すなわち底面にリムや凸部を有していない)皿とともに使用したときに、伝熱パック900は、少なくとも皿の平坦な底面と接触する。
【0046】
有利には、モジュール200〜200Dが取り外し可能であるため、複数の別個の容器100とともにモジュールを使用することができる。したがって、1つのモジュール200〜200Dを用いて複数の別個の容器100を加熱することができるため、ユーザは、別個の電子機器及びアクティブ温度制御モジュール200〜200Dをそれぞれ有する複数の容器を購入する必要はない。
【0047】
図18及び
図19は、アクティブ温度制御モジュール200’を含む飲料用容器(例えば、マグ)100’の他の実施例を示している。飲料用容器100’は、コースター型の充電アセンブリ400’上に配置される。飲料用容器100’及び充電アセンブリ(充電コースター)400’は、従来の通常のマグ及びコースターのように見えるため有益である。飲料用容器100’は、マグ100’の底部にビジュアルインジケータ395’を有する。
図18及び
図19に示すように、飲料用容器100’が充電アセンブリ(充電コースター)400’に配置されたときに、ビジュアルインジケータは充電アセンブリ400’の垂直方向上方に位置するため、視認され得る。以下に説明するように、ビジュアルインジケータ395’は、種々の異なる色で発光するLEDライトとし得る。一実施例では、ビジュアルインジケータ395’は、単一のLEDライト(例えば、光るまで存在を隠しているLEDライト(hidden till lit LED light))である。
【0048】
図20及び
図21は、飲料用容器(例えば、マグ)100’の組み立て状態及び分解状態の側方断面図である。飲料用容器100’は、開放上端部10’と、底面(ベース面)22’を有するベースすなわち閉鎖された下端部20’と、周壁40’及びベース20’により画成されたキャビティつまりチャンバ30’と、を備えている。任意選択的に、飲料用容器(例えば、マグ)100’は、取手部27’を有していてもよい。一実施例では、取手部27’は、取り外し可能である(例えば、取手部を周壁40’に取り付ける希土類磁石を有する)。取手部27’は、ユーザが自分の飲料用容器(例えば、マグ)100’を他人の容器と区別して容易に特定することができるようにカスタマイズ可能な特徴部を有していてもよい。例えば、飲料用容器(例えば、マグ)100’の特定を容易にするように、異なるデザインを有する複数の取手部27’を同一のマグ100’の周壁40’に取り付けてもよい。他の実施例では、特定を容易にするために、取手部
27’にカラーリングが取り付けられる。一実施例(図示せず)では、飲料用容器(例えば、マグ)100’が使用されていないとき、あるいはオフィスや自宅において移動する際に、飲料用容器(例えば、マグ)100’内の液体温度を維持するために開放上端部10’を覆う蓋が用いられる。
【0049】
飲料用容器100のベース20’及び周壁40’は、金属(例えば、ステンレス鋼)などの熱伝導性材料から形成されている。これにより、飲料用容器が容易に破損しない耐久性のあるものとなる。飲料用容器(例えば、マグ)100’は、二重壁構造となっている。周壁40’は、内壁40A’と、内壁40A’から離間した外壁40B’と、によって画定され、内壁40A’と外壁40B’との間に環状のチャンネルつまりチャンバ42’が画定される。内壁40A’は、飲料用容器(例えば、マグ)100’の近接端部12’において外壁40B’と結合されている。近接端部12’は、リム12A’(例えば、飲み縁)を画定する。環状のチャンネル42’は、内壁40A’と外壁40B’との間に亘って近接端部12’まで延在している。したがって、ベース20’は、外壁40B’から吊り下げられている(例えば、横断方向において外壁40B’に取り付けられていない)。一実施例では、ベース20’は、単一壁構造を有しており、約0.2mm〜約13mmの厚さを有している。他の実施例では、ベース20’は、約0.3mmの厚さを有している。内壁40A’及び外壁40B’を有する周壁40’は、ステンレス鋼からなる深絞り構造を有している。外壁40B’はセラミック材料でコーティングされている。このため、飲料用容器(例えば、マグ)100’は、一般的なセラミック製のマグのように見える。
【0050】
飲料用容器(例えば、マグ)100’の外壁40B’は、セラミック材料でコーティングされているため、飲料用容器(例えば、マグ)100’は、通常のセラミック製のマグのように見える。セラミック材料は、従来のマグと同様に、飲料用容器(例えば、マグ)100’をテキスト及び/又はロゴでコーティングすることができるため有益である。一実施例では、飲料用容器(例えば、マグ)100’の外壁40B’には、レーザーエッチングにより図柄が形成される。
【0051】
一実施例では、チャンバ42’は空である(例えば、空気で満たされている)。他の実施例では、任意選択的に、チャンバ42’は、絶縁材料(例えば、ポリウレタンフォーム)で満たされている。絶縁材料は、周壁40’からの熱損失を抑制することにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’の温度特性を向上させるため有益である。さらに、絶縁材料は、飲料用容器(例えば、マグ)100’(例えば、セラミックコーティングされたマグ)の金属音を減少又は抑制する。これにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’が従来のセラミック製マグと同様の音を発するようになる。さらに他の実施例では、チャンバ42’は真空下にある。また別の実施例では、環状のチャンネルつまりチャンバ42’は、相変化材料(PCM)で満たされている。相変化材料(PCM)は、PCMの転移温度より高い温度を有するチャンバ30’に注がれた液体の温度を低下させる。
【0052】
続けて
図20及び
図21を参照すると、温度制御モジュール200’は、ベース20’の下方に画成されたキャビティ50’に収容されている。より具体的には、キャビティ50’は、外壁40B’により囲まれ、面22’の下方に少なくとも部分的に画成されている。前述したように、ベース20’は、外壁40B'から吊り下げられている。任意選択的に、キャビティ50’は、
図21において矢印FCで示すように、環状のチャンネル42’と連通していてもよい。
【0053】
さらに続けて
図20及び
図21を参照すると、飲料用容器100’は、ロッキングリング52’を有している。ロッキングリング52’は、ベース20’の下方において、外壁40B’の内面に取り付けられている。ロッキングリング52’は、ベース20’に対して断熱部材70’を保持する。ロッキングリング52’は、金属(例えば、ステンレス鋼)から形成され、複数の係合部材(例えば、フック、歯部)52a’を有する。一実施例では、ロッキングリング52’は、外壁40B’の内面に取り付けられている(例えば、溶接されている)。任意選択的に、断熱部材70’は、キャビティ50’と環状のチャンネル42’との間にバリアを画成するように、キャビティ50’の内側の幅に亘って延在していてもよい。
【0054】
加熱エレメント210’は、ベース20’と断熱部材70’との間に位置し、ベース20’と熱的に接続される(例えば、ベース20’に直接接触するか、あるいはベース20’に隣接して配置される)。一実施例では、加熱エレメント210’は、接着剤によりベース20’の面23’に取り付けられる。一実施例では、加熱エレメント210’は、ヒーターフレックス(heter flex)である。加熱エレメント210’は、以下においてさらに説明するように、制御回路80’(例えば、プリント基板PCB)と接触する。
【0055】
内壁40A’と加熱エレメント210’との間において、内壁40A’の外面に、銅によるコーティングなどの熱伝導性コーティング又はテープ205’が、任意選択的に設けられ得る(例えば、面23’及び側面24’の少なくとも一部に取り付けられ得る)。有利には、熱伝導性コーティング又はテープ205’は、加熱エレメント210’からの熱を、断熱
部材70’でなく内壁40A’の側面24’へと導く。これにより、一つ又は複数の蓄電エレメント60’から熱拡散部74’によって導かれる熱であって断熱
部材70’へと導かれる熱の量が減少する。有利には、
図24に示すように、熱伝導性コーティング又はテープ205’は、センサ216A’,216B’及び延長部210C’を含む加熱エレメント210’の領域あるいは温度センサ216D’又はセンサ216C’を含む加熱エレメント210’の領域を覆っていない。これにより、熱が延長部210C’及びセンサ216D’,216C’に導かれずに、内壁40A'の側面24’へと導かれる。一実施例では、熱伝導性コーティング又はテープ205’は、内壁40A'に取り付けられている。他の実施例では、(例えば、延長部210C’及びセンサ216A’216B’が配置される箇所に対応する)面23’、24’が熱伝導性コーティングによりコーティングされるのを防ぐようにマスキングされた状態で、内壁40A'が熱伝導性コーティング材料(銅製コーティング材料)に浸漬される。
【0056】
また、キャビティ50’には、一つ又は複数の蓄電エレメント(例えば、バッテリ)60’が配置されている。一実施例では、一つ又は複数の蓄電エレメント60’は、2つのバッテリ(例えば、再充電可能なバッテリ)である。
図30Aに示すように、熱拡散部74’は、一つ又は複数の蓄電エレメント(例えば、バッテリ)60’に沿って配設されており、キャビティ50’(例えば、断熱部材70’)からの熱の拡散を促進する。一実施例では、以下においてさらに説明するように、熱拡散部74’は、外壁40B’の内面に接触して、キャビティ50’から外壁40B’へと熱を拡散させる。例えば、
図30Bに示すように、一実施例では、熱拡散部74’は、(例えば、アルミニウム、銅、グラファイトから形成された)フォイルラップラミネート層74a’を有する。フォイルラップラミネート層74a’は、外壁40B’まで延在しており、外壁40B’に作用するように接触している。熱拡散部74’は、外壁40B’の内面に接触することにより、温度を付加的に15〜20℃降下させる(例えば、61℃から45℃までの約16℃の降下など)。(例えば、
図30Aに図示した構造のように)上記層74a’を備えていない場合、熱拡散部74’は、温度を約6℃(例えば、約61℃から約56℃まで)降下させることができる。
【0057】
続けて
図20及び
図21を参照すると、エンドキャップ220’がロッキングリング52’に取り付けられている。例えば、エンドキャップ220’は、複数の係合エレメント(例えば、凹部やスロット)220a’を有する。係合エレメント220a’は、ロッキングリング52’の係合部材(例えば、フックや歯部)52a’と係合する。エンドキャップ220’がロッキングリング52’に取り付けられると、エンドキャップ220’の外面が外壁40B’と連続するようになるため、組み立て後の飲料用容器(例えば、マグ)100’が実質的にシームレスな構造となるため有益である。
【0058】
任意選択的に、キャビティ50’を画定する外壁40B’の内面とエンドキャップ220’の外面との間に、環状の圧縮成形ガスケット72’を配置してもよい。有利には、圧縮成形ガスケット72’は、外壁40B’に対してエンドキャップ220’をシールして、キャビティ50’への液体の流入を抑制する(例えば、防止する)。エンドキャップ220’は、ロッキングリング52’と係合する。これにより、ベース20’とエンドキャップ220’との間においてキャビティ50’に電子機器が配置された状態で、エンドキャップ220’が飲料用容器(例えば、マグ)100’の周壁40’に取り付けられ、完全な組み立て状態となる。したがって、エンドキャップ220’は、外壁40B'に取り付けられると、飲料用容器100’の下端部を画定する。例えば、ベース20’とエンドキャップ220’との間には、構成要素、すなわち、加熱エレメント210’、断熱部材70’、熱拡散部74’、一つ又は複数の蓄電エレメント60’及び制御回路(PCB)80’が上記の順で配置されている。エンドキャップ220’はプラスチックから形成されている。これにより、有利には、制御回路80’上のトランスミッタ、レシーバ及び/又はトランシーバ(例えば、Bluetoothトランスミッタ)が、飲料用容器(例えば、マグ)100’の外部へと情報を送信し、かつ/あるいは外部から情報を受信することができる。一実施例では、トランスミッタ、レシーバ及び/又はトランシーバは、取手部27’内に収容され、取手部27’の導管を介して制御回路80’と通信する。
【0059】
エンドキャップ220’は、エンドキャップ220’の底面222’(例えば、実質的に底面222’の中央)に移動可能に設けられたボタン225’を有する。ボタン225’は、制御回路80’上のスイッチを移動可能に係合して、一つ又は複数の機能を実現する。例えば、ボタン225’を押すことにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’の電子機器がオン状態又はオフ状態、例えば、加熱エレメント210’がオン状態又はオフ状態となる。また、ボタン225’を押すことにより、加熱エレメント210’が作動する温度範囲又は一つ又は複数の温度設定点(制御回路80’のメモリに記憶されている)を切り替えること、飲料用容器(例えば、マグ)100’における電子機器の一つ又は複数の作動パラメータをリセットすること、飲料用容器100’において一つ又は複数のテスト機能や診断機能を開始すること、飲料用容器(例えば、マグ)100’と遠隔制御装置(例えば、モバイル電子機器)とをペアリングすること、及び/又は、ビジュアルインジケータ395’が表示する一つ又は複数の色を切り替えること、が行われる。例えば、ユーザは、ボタン225’を一度押すことにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’がオン状態となり、ボタン225’を所定の時間(例えば、2秒又は3秒)の間押し続けることにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’がオフ状態となる。任意選択的に、ユーザが、飲料用容器(例えば、マグ)100’をオフ状態にするときと同様に、ボタン225’を所定の時間(例えば、4秒又は5秒)の間押し続けることにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’と遠隔制御装置とをペアリングすることができる。その後、ユーザは、モバイル電子機器にダウンロードされたアプリを介して、ビジュアルインジケータ395’が表示する色を選択することができる。ユーザが飲料用容器(例えば、マグ)100’と遠隔制御装置とをペアリングしない場合、ビジュアルインジケータ395’は初期設定時の色を表示する。ユーザは、任意選択的に、ボタン225’を所定の時間(例えば、7秒又は8秒など)の間押し続けることにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’における電子機器をリセットすることができる。ユーザは、任意選択的に、ボタン225’を所定の時間(例えば、14秒又は15秒など)の間押し続けることにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’における電子機器を出荷時の設定へと戻すことができる。一実施例では、飲料用容器(例えば、マグ)100’は、配送モードを有する(例えば、配送前に工場においてマグ100’のテストを実行する)。このとき、飲料用容器(例えば、マグ)100’を移動させたとしても、マグ100’はオン状態にならない。しかし、ボタン225’を押した後、マグ100’を移動させると、配送モードが機能しなくなる。
【0060】
前述したように、一実施例では、ユーザはボタン225’を押
すことにより、飲料用容器(例えば、マグ)100’が作動する温度設定点を異なる温度設定点に切り替えることができる。一実施例では、そのような異なる温度設定点は、ビジュアルインジケータ395’により発光される色によって示される(例えば、赤は相対的に高温であり、ピンクは、赤よりも温度が低く、青は相対的に低温であるなど)。例えば、任意選択的に、ユーザは、ボタン225’を押したまま、所定の時間の間に亘ってホールドすると、切り替え機能が起動する。切り替え機能が起動すると(例えば、ビジュアルインジケータ395’が点滅することによりその状態を示す)、ユーザがボタン
225’を押すか、あるいは軽くたたく(タップする)ことにより、選択された温度又は温度範囲が切り替わる。
【0061】
他の実施例では、エンドキャップ220’は、静電容量タッチセンサを含む。この実施例では、ユーザは、エンドキャップ220’の面に沿って指をスライドさせることにより、ビジュアルインジケータ395’に示すように、飲料用容器(例えば、マグ)100’の作動温度又は温度範囲を選択することができる。
【0062】
さらに他の実施例では、取手部27’は、温度制御部(例えば、静電容量センサ、スライダ、ボタン、回転リング)を有する。温度制御部により、ユーザが飲料用容器(例えば、マグ)100’の作動温度又は温度範囲(例えば、高温、暖かい温度)を選択することができる。
【0063】
またさらに別の実施例では、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’は、リムに温度制御部(例えば、タッチセンサ、ボタン)を有する。この温度制御部により、飲料用容器(例えば、マグ)100’が充電コースター400’上に置かれているときに、ユーザが飲料用容器(例えば、マグ)100’の作動温度又は温度範囲を選択することができる。一実施例では、温度制御部は、タッチセンサ式のLEDカラーバーである。LEDカラーバーは、ユーザが指をスライドさせることによりチャンバ30’内の液体の温度を選択することを可能にする。LEDカラーバーにより、ユーザはバーに沿って指をスライドさせることによってチャンバ30’内の液体の温度設定点を(例えば、相対的に高い温度と、相対的により低い温度との間に亘って)調節することができる。
【0064】
さらに他の実施例では、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’は、飲料用容器(例えば、マグ)100’が充電コースター400’上に配置されているときに、マグ100’の回転を検出するホール効果センサを有する。ユーザは、飲料用容器(例えば、マグ)100’を回転させて、温度設定点を調節することができる。充電アセンブリは、マグ100’の角度位置の変化を検出し、この角度位置の変化と温度設定点の変化とを相関させる。次いで、充電アセンブリは、(例えば、LEDカラーバーを介して、ビジュアルインジケータ395’による色の変化を介して、マグ100’の角度位置に応じて色が変化する充電コースター400’における一つ又は複数のビジュアルライトを介して、)角度位置の変化をユーザに知らせるとともに、温度設定点の変化について、温度設定点の変化を実現する加熱エレメント210’を制御する制御回路80’と通信を行う。
【0065】
図22〜
図26は、ベース20’(例えば、内壁40A’の外面41A')に取り付けられた加熱エレメント210’を示している。
図22は、エンドキャップ220’及び電子機器が取り除かれた状態の飲料用容器(例えば、マグ)100’の底部を示すとともに、ベース20’に取り付けられた加熱エレメント210’を示している。
図23は、簡略化のために外壁40B'を取り除いた状態で、ベース20’に取り付けられた加熱エレメント210’を示している。
図24は、面22’の反対側となるベース20’の面23’に取り付けられた熱伝導性コーティング又はテープ205’を示している。ベース20’の下方に加熱エレメント210’が配設されている。以下においてさらに説明するように、加熱エレメント210’は、三日月形を有する加熱領域HAを画定する。すなわち、加熱エレメント210’は、底面22’全体を加熱するものでない(換言すると、加熱領域は円形ではない)。
図25は、簡略化のために内壁40A'を取り除いた状態で、一つ又は複数の蓄電エレメント60’の上方に配置された加熱エレメント210’及び加熱エレメント210’の延長部210A’を示している。延長部210A’は、エンドキャップ220’内において蓄電エレメント60’の下方に設けられた制御回路80’に接続されている。
【0066】
図26は、加熱エレメント210’を概略的に示している。加熱エレメント210’は、一つ又は複数のヒータ212’(例えば、ヒータワイヤ)を有する。図示した実施例では、加熱エレメント210’は、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’を有する。第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’は、加熱エレメント210’の略平坦な領域210B’の一部(全てではない)に沿って延在している。第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’は、「パックマン(登録商標)」のような形状、つまり三日月形又はC字形をなしている加熱エレメント210’の一部分に亘って、波状に延在している(例えば、円形の領域をカバーするのではなく、非対称の領域をカバーしている)。他の実施例では、
図31に示すように、少なくとも1つのヒータ212’は、略U字形状をなしている(例えば、円形の領域をカバーするのではなく、非対称の領域をカバーしている)。加熱エレメント210’は、延長部210A’の端部にコネクタ214’を有している。このコネクタ214’は、略平坦な領域210B’から延びている。任意選択的に、コネクタ214’は、制御回路(例えば、PCB)80’に接続される10ピンコネクタとし得る。しかし、他の適切なコネクタを用いてもよい。第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’は、任意選択的に、別々に作動されてもよいし(例えば、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’の一方だけを作動させる)、同時に作動されてもよい(例えば、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’の双方を同時に作動させる)。
【0067】
有利には、チャンバ30’内の液体は、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’の一方により加熱される。一実施例では、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’は、同一の作動パラメータを有する。他の実施例では、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’は、異なる作動パラメータを有する。例えば、第1のヒータ212A’は、約19V、約1.39アンペア及び約12.3オームで作動し、第2のヒータ212B’は、約3.6V、約5.6アンペア及び約0.65オームで作動する。制御回路80’により一つ又は複数のヒータ212’へと電力が供給され、チャンバ30’内の液体の温度が略温度設定点(例えば、ユーザが設定した温度設定点、初期設定時の温度設定点など)に維持される。一実施例では、任意選択的に、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’の双方は、飲料用容器100’が充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’上に配置された時に同時に作動し、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’により飲料用容器100’に電力が供給される。この点については、以下においてさらに説明する。任意選択的に、飲料用容器100’が充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’上に配置されていないとき、第1のヒータ212A’及び第2のヒータ212B’の一方だけが作動し、一つ又は複数の蓄電エレメント60’により加熱エレメント210’に電力が供給される。
【0068】
続けて
図26を参照すると、加熱エレメント210’は、複数のセンサ216’を有し得る。例えば、加熱エレメント210’は、2つのセンサ216A’,216B’を有する。2つのセンサ216A’,216B’は、略平坦な領域210B’から延在した延長部210C’に設けられている。延長部210C’は、ベース20’の上方において内壁40A’の高さに沿って所定の距離(例えば、10cm、20cm)に亘って延びており、チャンバ30’における液位を測定する。この点については、以下においてさらに説明する。加熱エレメント210’は、略平坦な領域210B’に配設された第3のセンサ216C’を有する。第1のセンサ216A’及び第2のセンサ216B’が第3のセンサ216C’により検出された情報に影響を及ぼす(例えば、バイアスをかける)のを抑制(防止)するように、第3のセンサ216C’は第1のセンサ216A’及び第2のセンサ216B’から(例えば、20mm程度)離間している。複数のセンサ216’は、コネクタ214’を介して制御回路80’に接続されている。一つ又は複数のヒータ212’(例えば、第1のヒータ212A’、第2のヒータ212B’)は、コネクタ214’を介して制御回路80’ に接続されている。一実施例では、複数のセンサ216’は、負の温度係数(NTC)サーミスタである。温度センサ216D’は、任意選択的にシリコン温度センサとし得る。この温度センサ216D’は、センサ216C’に近接して配置される一方、加熱エレメント210’の略平坦な領域210B’上に位置する一つ又は複数のヒータ212’からは離間している。温度センサ216D’は、コネクタ214’を介して制御回路80’に接続されている。
【0069】
延長部210C’は、内壁40A’の遠位側部分に沿って延在し、チャンバ30’内の液位を示す情報又は液位に対応する情報を検出する。特に、延長部210C’におけるセンサ216A’,216B’は、チャンバ30’における液位が閾値よりも低い場合にこれを検出し、そのような信号を制御回路80’へと送信して、例えば、相対的に低いチャンバ30’の液位に過度の熱を伝えることにより温度のオーバシュートが生じるのを回避するように、加熱エレメント210’の作動を調節する(例えば、一つ又は複数のヒータ212’への電力の供給を減少させるか停止する)。センサ216D’は、表面23’の温度を検出し、この検出した温度をチャンバ30’内の液体の温度又はこれに対応する温度を示す指標として制御回路80’に伝達する。一つ又は複数のヒータ212’は、チャンバ30’内の液体を約120°F〜約145°Fに加熱する。一実施例では、飲料用容器100’は、(例えば、後述するように、モバイル電子機器におけるアプリを介して)ユーザにより変更されない限り、130°Fである初期設定時の温度設定点を有する。一実施例では、一つ又は複数のセンサ216’は、チャンバ30’内の液体が検出されると、制御回路80’を自動的にオンにする。別の実施例では、チャンバ30’の液位がほぼ空であるか、あるいは空であることが検出されたときに、センサ216A’,216B’などの一つ又は複数のセンサ216’は、制御回路80’を自動的に停止して、一つ又は複数のヒータ212’への電力の供給を停止する。
【0070】
有利には、延長部210C’におけるセンサ216A’、216B’により液位が低いことが検出されたとき(例えば、マグ100’が空である場合)などに、制御回路80’は、チャンバ30’内の温度(例えば、底面22’の温度)が所定の値(例えば、約150°F)よりも低くなるように、一つ又は複数のヒータ212’への電力を制限して、ユーザの傷害を防止する。一実施例では、制御回路80’は、一つ又は複数のヒータ212’への電力を制限して、チャンバ30’内の液体を加熱するためのチャンバ30’(例えば、ベース20’)の温度を所定値(例えば、約100℃)よりも低く保つ。特に、ファームウェアが誤動作した場合、ハードワイヤード回路は、一つ又は複数のヒータ212’への電力を制限し、マグ100’が空であるときなどに、ユーザの傷害を防止するように、所定の温度(例えば、約100℃)以下でヒータ212’が作動するようにする。
【0071】
一実施例では、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’がオフの間、一つ又は複数の蓄電エレメント60’は、一つ又は複数のヒータ212’が少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間に亘って作動することを許容する。一実施例では、充電アセンブリ400’上に配置されていないときに、完全に充電された一つ又は複数の蓄電エレメント60’は、一つ又は複数のヒータ212’に約1時間の間、電力を供給する。他の実施例として、充電アセンブリ400’上に配置されているとき、一つ又は複数のヒータ212’は一日中(例えば、約8時間、約10時間、約12時間、約15時間、約24時間)作動することができる。
【0072】
一実施例では、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’は、0.5cの充電レートで約90分間、1.0cの充電レートで約60分間、一つ又は複数の蓄電エレメント60’を充電する(例えば、急速充電時)。一実施例では、モバイル電子機器(例えば、スマートフォン)が飲料用容器(例えば、マグなど)100’とペアリングされると、ユーザは、モバイル電子機器上のアプリを介して、一つ又は複数の蓄電エレメント60’の急速充電を作動させることができる。一実施例では、一つ又は複数の蓄電エレメント60’の寿命に影響を与えないように、ユーザが急速充電オプションを選択する回数がアプリによって制限される。例えば、アプリは、ユーザが急速充電オプションを選択する回数を1回(例えば、毎月1回、数ヶ月に1回、1回だけなど)に制限する。
【0073】
制御回路80’は、飲料用容器100’の動きを検出する加速度計(例えば、三軸加速度計)を含む。一実施例では、制御回路80’は、飲料用容器(例えば、マグなど)100’が動かされていない状態(例えば、待機状態)が所定の時間に亘って継続した後、(加速度計により)動きが検出されたときに起動する。一実施例では、飲料用容器(例えば、マグ)100’の動きが検出されると、ビジュアルインジケータ395’は、任意選択的に、予め選択された色(例えば、ユーザのマグを特定するために、モバイル電子機器内のアプリを介してユーザにより選択された色)を発光する。さらに、待機状態後に飲料用容器100’が動くことにより、以前にマグ100’とペアリングされていたユーザのモバイル電子装置内のアプリに飲料用容器(例えば、マグ)100’が自動的に接続される。さらに、待機状態後に飲料用容器(例えば、マグなど)100’が動くことにより、制御回路80’は、飲料用容器(例えば、マグなど)100’内の液体を(例えば、センサ216’を介して)検出する。所定の時間(例えば、1分、3分、5分、10分など)後に液体が検出されなかった場合、制御回路80’は、飲料用容器(例えば、マグ)100’を待機状態に戻すように切り替える。例えば、センサ216A’,216B’により、チャンバ30’がほぼ空であること又は空であることが検出された場合、制御回路80’は待機状態に入る。飲料用容器(例えば、マグ)は、動かされるか、あるいはボタン225’を介して停止されるまで、待機状態を維持する。ボタン225’を介して停止されると、飲料用容器(例えば、マグ)100’が動かされても、制御回路80’は起動しない。さらに、上述したように、制御回路80’は、一つ又は複数の傾斜センサ(例えば、ジャイロスコープ)を有してもよい。このセンサにより、飲料用容器(例えば、マグ)100が逆さにされていることが検出されると(例えば、マグの洗浄中)、制御回路80’は、待機状態に入る。
【0074】
ビジュアルインジケータ395’は、飲料用容器(例えば、マグなど)100’の識別情報を提供することに加えて、作動パラメータの表示を提供する。例えば、一つ又は複数の蓄電エレメント60’の電力レベルが所定量を下回っている(例えば、低電力である)場合、ビジュアルインジケータ395’は赤色に点灯する。また、ビジュアルインジケータ395’は、異なる色(例えば、赤色の点滅)で充電状態を示し、異なる色(例えば、白)で蓄電エレメント60’が完全に充電されたことを示す。
【0075】
図27は、飲料用容器100’の斜視底面図を示している。飲料用容器(例えば、マグ)100’は、エンドキャップ220’の底面222’に一対の電気接点298’を有する。電気接点298’は、一対の環状の電気接点とし得る。一実施例では、電気接点298’は、金めっきが施されており、ボタン225’を中心として底面222’に設けられている。電気接点298’は、
図28に示すように、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’に設けられた対応する電気接点430’(例えば、一対のポゴピン電気接点)と接触する。充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’は、凹部402’を有する。電気接点298’が対応する電気接点430’と接触するように、凹部402’は、飲料用容器(例えば、マグ)100’の少なくとも一部(例えば、エンドキャップ220’の少なくとも一部)を受ける大きさを有している。凹部402’は、(例えば、異なる大きさの充電アセンブリ400’を用いることなく)異なる大きさの飲料用容器(例えば、マグ)100’を受けるような大きさを有していてもよい。このような大きさを有する凹部402’であっても、飲料用容器(例えば、マグ)100’における電気接点と充電アセンブリ400’における電気接点との間の接続が実現し、飲料用容器(例えば、マグ)100’に電力が効果的に供給される。
【0076】
充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’は、コネクタ412’を介して接続されたケーブル410’を有する。ケーブル410’は、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400に電力を供給するため、電源コネクタ(図示せず)まで延びている。電源コネクタは、壁コンセント、USBコネクタ、マイクロUSBコネクタなどである。任意選択的に、ケーブル410’は、コネクタ412’を介して充電コースター400’に取り外し可能に接続することができる。これにより、充電コースター400’は、ケーブル410’を備えずに(例えば、飲料用容器100’を支持する一般的なコースターとして)使用される。別の実施例では、充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’は、携帯可能であり(例えば、ケーブル410’を介して電源に接続されていない)、飲料用容器(例えば、マグ)100’が充電コースター400’上に置かれたときに飲料用容器100’を充電する一つ又は複数のバッテリを収容している。
【0077】
図15を参照して前述したように、制御回路80’は、飲料用容器(例えば、マグなど)100’のモバイル電子機器(例えば、スマートフォン)との通信を可能にするトランスミッタ、レシーバ及び/又はトランシーバを有する。モバイル電子機器は、一つ又は複数の温度設定点、バッテリ充電レベル、液位、マグ100 ’が転倒したことを示す警告信号などの情報を飲料用容器(例えば、マグ)100’から受信する。飲料用容器(例えば、マグなど)100’は、モバイル電子機器から情報、指示又は設定を受ける。上記情報、指示又は設定には、マグ100’内の液体を加熱するための一つ又は複数の温度設定点と、ユーザによるマグ100’の特定を促進するように、マグ100’を特定する(ユーザが使用中の他のマグ100’から自分のマグ100’を特定する)ためのビジュアルインジケータ395’が表示する選択された色と、が含まれる。
【0078】
一実施例では、制御回路80’は、飲料用容器(例えば、マグなど)100’の動作の音声制御を提供する。例えば、制御回路80’は、ユーザから音声コマンドを受信するマイクロホンを有する。別の実施例では、ユーザは、飲料用容器(例えば、マグ)100’とペアリングされているユーザのモバイル電子機器上のインテリジェントアシスタント(例えばSiri(登録商標))を介して、飲料用容器(例えば、マグ)100’に音声コマンドを提供する。
【0079】
他の実施例では、飲料用容器(例えば、マグ)100’は、ユーザに通知するための内蔵スピーカを有する。この内蔵スピーカは、チャンバ30’内の液体の温度がユーザにより選択された温度に達したことをユーザに通知する。例えば、制御回路80’は、ユーザに提供される(液体が飲める状態であることを示す)「ドリンクレディ」通知を含む。
【0080】
さらに別の実施例では、温度制御モジュール200’は、セラミック製マグに温度を提供するために、電子機器を備えていない従来のマグの周りに配置されたリング(図示せず)であってもよい。温度制御モジュール200’への電力は、セラミック製マグが充電アセンブリ(例えば、充電コースター)400’上に置かれたとき誘導結合によって供給され得る。
【0081】
他の実施例では、飲料用容器(例えば、マグ)100’は、ユーザが望む飲料の種類を表示する表示画面を有する。飲料の種類は、例えば、飲料用容器(例えば、マグなど)100’とペアリングされたモバイル電子機器のアプリによって追跡される履歴に基づいている。アプリは、一日の異なる時間帯にユーザが消費した飲料の種類を追跡し、その時間に飲料の一種をマグ100’に表示する。ユーザは(表示画面上の異なる選択をスワイプすることにより)上記の表示を変更することができる。次いで、ユーザは、飲み物用容器(例えば、マグ)100’をコーヒーショップの従業員に渡し、コーヒーショップの従業員は、表示画面上の飲料の種類を読み取って、オーダーを完了する。
【0082】
上記特徴をマグなどの容器100に関連して説明してきたが、当業者であれば、本実施例で説明した全ての特徴が飲料用容器、食器、サーバウェア、貯蔵容器(例えば、カップ、トラベルマグ、哺乳瓶、シッピーカップ、魔法瓶、再利用可能なボトル、カラフ、スープ容器、ボウル、プレート、プラッター、タッパーウェア(登録商標)などの食品貯蔵容器、弁当箱)に適用し得ることを理解されるであろう。
【0083】
本発明の特定の実施例について説明してきたが、これらの実施例は単なる例示として提示したものであり、本開示の範囲を限定するものではない。実際に、本明細書に記載の新規の方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。例えば、本明細書に開示した特徴は飲料用容器に関するものであるが、当該特徴は、飲料用容器でない容器(例えば、プレート、ボウル、サーバウェア、食品貯蔵容器)に適用可能であり、本発明はこのような他の容器にまで及ぶものであると理解されたい。さらに、本明細書に記載のシステム及び方法における様々な省略、置換及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができる。以下の特許請求の範囲及びこれに均等したものは、本開示の範囲及び精神に含まれる上記の形態又は修正を包含することを意図している。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲を参照することによってのみ確定されるものである。
【0084】
特定の態様、実施例又は具体例に関連して開示した特徴、材料、特性、又は群は、このセクション又は本明細書の他の箇所に開示した他の態様、実施例又は例示に適用可能であるものと理解されたい。本明細書(以下の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された全ての特徴、及び/あるいは開示した方法又はプロセスにおける任意のステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが互いに排他的である組み合せを除いて、任意の組み合わせにより組み合わせることができる。本発明の保護は前記実施例の細部によって限定されない。本発明の保護は、本明細書(以下の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示した新規な特徴又は特徴の新規な組み合わせに及ぶか、あるいは本明細書に開示した任意の方法又はプロセスにおける新規なステップ又はステップの新規な組み合わせに及ぶ。
【0085】
さらに、本開示において別個の実施形態として開示した特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせてもよい。これとは反対に、単一の実施形態において説明した様々な特徴を、複数の実施形態において個別に導入してもよいし、あるいは任意の適切な下位の(サブ)コンビネーションとして導入してもよい。さらに、前記特徴は、特定の組み合わせにより作用するものとして説明したものもあるが、クレームされた組み合わせの一つ又は複数の特徴は、場合により、当該組み合わせから除かれてもよく、上記組み合わせは、下位の組み合せとして、又は下位のコンビネーションのバリエーションとしてクレームされてもよい。
【0086】
さらに、動作は特定の順序で明細書に記載、図示されているが、このような動作は、開示した特定の順序又は順番で実行される必要はなく、所望とする結果を実現するように適宜動作を実行してもよい。図示又は記載していない他の動作は、例示の方法及びプロセスに組み込まれ得る。例えば、開示した動作の前、後、同時にあるいは動作の間に、一つ又は複数の付加的な動作を実行してもよい。さらに、動作は、他の実施形態において、順序を異ならせてもよいし、順番を変えてもよい。当業者であれば、いくつかの実施例において、図示及び/又は開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップが、図面に示されたプロセスと異なる場合があることを理解されたい。実施例に応じて、前述したステップのいくつかを削除してもよいし、他のステップを追加してもよい。さらに、前述した特定の実施例における特徴及び特性は、本開示の範囲に含まれる付加的な実施例を形成するために異なる方法で組み合わされてもよい。また、前述した実施例における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実施例においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載された構成要素及びシステムは、一般に、単一の製品に統合されるか、あるいは複数の製品としてパッケージ化されるものと理解されたい。
【0087】
開示することを目的として、特定の態様、利点、及び新規の特徴を本明細書に開示した。上記利点の全てが特定の実施例により実現されるとは限らない。したがって、例えば、当業者であれば、本明細書に教示又は示唆したような他の利点を必ずしも実現することなく、本明細書に教示した1つの利点又は利点群を実現するように、本開示が具体化又は実行され得ることを認識されるであろう。
【0088】
特に言及しない限り、又は使用している文脈により他の意味に解釈されない限り、「can」、「could」、「might」又は「may」などの条件付きの用語は、一般に、特定の実施例が特定の特徴、要素及び/又はステップを含み、他の実施例が特定の特徴、要素及び/又はステップを含まないということを意味することを意図している。したがって、一般的に、そのような条件付きの用語は、特徴、要素及び/又はステップが一つ又は複数の実施例に要求されることを暗に示すことを意図していない。また、そのような条件付きの用語は、ユーザの入力又はプロンプトを伴って又は伴わずに、上記特徴、要素及び/又はステップが特定の実施例に含まれているかあるいは特定の実施例において実行されるか否かを判断するためのロジックを一つ又は複数の実施例が必ず含むことを暗に示すことを意図していない。
【0089】
特に言及しない限り、「X、Y及びZの少なくとも1つ」というフレーズなどの接続的な用語は、項目、用語などがX、Y又はZであることを意味する一般的に用いられる文脈により理解される。したがって、そのような接続的な用語は、一般に、特定の実施例が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY及び少なくとも1つのZの存在を必要とすることを暗に示すことを意図していない。
【0090】
「約」、「略」、「一般的に」及び「実質的に」などの本明細書で使用する程度を示す用語は、所望の機能を実行し、又は所望の結果を実現する開示した値、量又は特性に近似した値、量又は特性を示している。例えば、「約」、「略」、「一般的に」及び「実質的に」という用語は、開示した量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満及び0.01%未満である値を示し得る。他の例として、特定の実施例では、「一般的に平行」及び「実質的に平行」という用語は、15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、又は0.1度以下の値だけ完全な平行から逸脱した値、量、又は特性を示し得る。
【0091】
本開示の範囲は、本セクション又は本明細書の他の箇所における好ましい実施例の特定の開示によって限定されることを意図したものではなく、本セクション又は本明細書の他の箇所において提示したようにあるいは将来的に提示されるように特許請求の範囲によって確定され得る。特許請求の範囲における用語は、特許請求の範囲で使用されている用語に基づいて本願の審査時に広く解釈されるべきであって、本明細書に開示した非排他的な例に限定されるものではない。
【0092】
前述した特徴及び思想は、食品又は飲料を積極的に加熱又は冷却することに関するが、上記の実施例は、冷凍装置、クーラーボックス、冷却器、ポータブル冷却器、ホットボックス、保温引き出し、加熱チャンバ、あるいはキャビティ又はチャンバ内の空気の加熱又は冷却から恩恵を受ける他の任意の装置などにおいて空気を加熱又は冷却するために用いられ得る。
【0093】
「電子モジュール」という用語は、一般的に電子機器を指すものとする。さらに、「電子モジュール」という用語は、電子機器が全て1つの物理的な場所にあるか、又は1つのプリント回路基板(PCB)に接続されることを要すると解釈されるべきではない。当業者であれば、本明細書において開示した電子モジュール又は電子機器が、(一つ又は複数のPCBに接続された)一つ又は複数の(例えば複数の)別個の部品に設けられてもよく、かつ/あるいは、本明細書に開示したような容器の本体の物理的な異なる位置に設けられてもよいことを理解されるであろう。すなわち、電子モジュール又は電子機器は、異なる形状因子を有することができる。
【0094】
当然ながら、上記の説明は、本発明の特定の特徴、態様及び利点を説明するものであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱しない範囲で、様々な変更及び修正が行われ得る。さらに、加熱又は冷却された飲料用容器は、上述した目的、利点、特徴及び態様の全てを特徴とする必要はない。したがって、例えば、本発明が、本明細書において教示又は示唆した他の目的又は利点を必ずしも実現することなく、本明細書において教示した利点又は利点群を実現又は最適化する方法で具現化されるかあるいは実施されることを、当業者であれば認識されるであろう。さらに、本発明の多くの変形例が図示され詳細に説明されているが、本発明の範囲内にある他の変形例及び使用方法が本開示に基づいて当業者に容易に明らかになるであろう。実施例における特定の特徴及び特性の様々な組み合わせ又は下位の組み合わせが、本発明の範囲内に含まれるように形成され得ることを理解されたい。したがって、開示した実施例の様々な特徴及び特性は、前述した容器の種々のモードを形成するために、互いに組み合わされ、あるいは、置き換えられ得ることを理解されたい。