(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522230
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】圧力解放掛け金
(51)【国際特許分類】
B64C 1/00 20060101AFI20190520BHJP
B64D 29/06 20060101ALI20190520BHJP
B64C 1/14 20060101ALI20190520BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
B64C1/00 A
B64D29/06
B64C1/14
F16C11/04 A
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-505690(P2018-505690)
(86)(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公表番号】特表2018-526262(P2018-526262A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】US2016044811
(87)【国際公開番号】WO2017023788
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2018年2月5日
(31)【優先権主張番号】62/200,971
(32)【優先日】2015年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】アーコニック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドー,タイ
【審査官】
長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0043350(US,A1)
【文献】
米国特許第09169678(US,B2)
【文献】
米国特許第06513841(US,B1)
【文献】
米国特許第08919829(US,B2)
【文献】
特表2011−510865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/00
B64C 1/14
B64D 29/06
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部と、前記第一端部の反対側の第二端部と、第一および第二側面部材であって、前記第一および第二側面部材の各々が、外面と、内面と、前記外面から前記内面に延在し、前記第一および前記第二端部の間に設けられる細長い溝とを含んでおり、前記第一および第二側面部材はそれら内面の間に空間を形成する、第一および第二側面部材と、前記第二端部に配置されており、第一および第二凹型曲面を含む基礎部分であって、前記第一および第二凹型曲面の各々が、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置されており、前記基礎部分は、前記第一および第二凹型曲面の中間に設置されて、前記空間に延在する第一溝を含む、基礎部分と、前記第一端部に配置されており、第二溝を含み、前記空間に延在する取り付け部分と、を有する筐体と、
前記第一端部に近接して前記筐体に回転自在に取り付けられており、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置されるボルトであって、前記ボルトは、曲線部分と、前記曲線部分上に設置された第一端部と、直線部分と、前記直線部分に設置された第二端部とを含んでおり、前記ボルトは、前記ボルトの前記直線部分が前記空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部が前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する第一位置と、前記ボルトの前記曲線部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出し、前記直線部分が前記第二溝の外に配置される第二位置との間で回転自在に移動可能である、ボルトと、
前記筐体に回転自在に取り付けられる引き金であって、前記引き金は、前記筐体の前記基礎部分の前記第一溝から突出する第一端部と、第二端部と、前記引き金の前記第二端部の中に形成される引き金溝とを含む、引き金と、
第一および第二圧縮バネであって、その一方は前記筐体の前記第一凹型曲面の中に配置され、その他方は前記筐体の前記第二凹型曲面の中に配置され、前記第一および第二圧縮バネのそれぞれは端部キャップを含む、第一および第二圧縮バネと、
前記第一および第二圧縮バネの前記端部キャップおよび前記引き金の前記引き金溝の中を延在するピンおよびローラーであって、前記ピンおよびローラーは、前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置される、ピンおよびローラーと、
を備えており、
前記引き金は、前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーは前記ボルトに係合される第一位置と、前記ピンおよびローラーは前記ボルトとの係合が解除される第二位置との間で移動可能である、
掛け金。
【請求項2】
前記ボルトは、その直線部分に形成され、前記曲線部分の一方の端部に隣接した刻み目を含み、前記ボルトの刻み目は、前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーを受け止めるように構成される、請求項1の掛け金。
【請求項3】
前記ボルトは、リベットによって前記筐体に回転自在に取り付けられる、請求項2の掛け金。
【請求項4】
前記ボルトは、前記ボルトの前記第一端部の中に形成される溝、および前記リベット上かつ前記ボルトの前記溝の中に配置されるねじりバネを含む、請求項3の掛け金。
【請求項5】
前記引き金は、リベットによって前記筐体に取り付けられる、請求項4の掛け金。
【請求項6】
前記掛け金は、その第一位置からその第二位置に引き金を回転させるように前記引き金の前記第一端部に力を印加し、これによって、前記ボルトの前記ボルト刻み目から前記ピンおよびローラーの係合を解除することで、手動で開けられるように構成される、請求項5の掛け金。
【請求項7】
前記ボルトは、前記ねじりバネによってその第二位置に保持される、請求項6の掛け金。
【請求項8】
前記ボルトは、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項7の掛け金。
【請求項9】
前記ボルトは、前記ボルトが前記筐体の前記側面部材の細長い溝に前記ピンおよびローラーを押し、前記圧縮バネによって負荷が掛かるように、規定負荷が前記ボルトの第一端部に掛かった時にその第一位置からその第二位置に回転されるように構成される、請求項4の掛け金。
【請求項10】
前記ボルトは、前記ねじりバネによってその第二位置に保持される、請求項9の掛け金。
【請求項11】
前記ボルトは、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項10の掛け金。
【請求項12】
第一端部と、前記第一端部の反対側の第二端部と、第一および第二側面部材であって、前記第一および第二側面部材の各々が、外面と、内面と、前記外面から前記内面に延在し、前記第一および前記第二端部の間に設けられる細長い溝とを含んでおり、前記第一および第二側面部材はそれら内面の間に空間を形成する、第一および第二側面部材と、前記第二端部に配置されており、第一および第二凹型曲面を含む基礎部分であって、前記第一および第二凹型曲面の各々が、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置されており、前記基礎部分は、前記第一および第二凹型曲面の中間に設置されて、前記空間に延在する第一溝を含む、基礎部分と、前記第一端部に配置されており、第二溝を含み、前記空間に延在する取り付け部分と、を有する筐体と、
前記第一端部に近接して前記筐体に回転自在に取り付けられており、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置されるボルトであって、前記ボルトは、曲線部分と、前記曲線部分上に設置された第一端部と、直線部分と、前記直線部分に設置された第二端部とを含んでおり、前記ボルトは、前記ボルトの前記直線部分が前記空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部が前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する第一位置と、前記ボルトの前記曲線部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出し、前記直線部分が前記第二溝の外に配置される第二位置との間で回転自在に移動可能である、ボルトと、
前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置される、ピンおよびローラーと、
を備えており、
前記ボルトは、その直線部分に形成され、前記曲線部分の一方の端部に隣接した刻み目を含み、前記ボルトの刻み目は前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーを受け止めるように構成されており、
前記ボルトは、リベットによって前記筐体に回転自在に取り付けられており、
前記ボルトは、前記ボルトの前記第一端部の中に形成される溝、および前記リベット上かつ前記ボルトの前記溝の中に配置されるねじりバネを含む、掛け金。
【請求項13】
前記ボルトは、前記ねじりバネによってその第二位置に保持される、請求項12の掛け金。
【請求項14】
第一および第二圧縮バネをさらに含んでおり、その圧縮バネの1つが前記筐体の前記第一凹型曲面の中に配置され、その圧縮バネの他方が前記筐体の前記第二凹型曲面の中に配置され、前記第一および第二圧縮バネのそれぞれは端部キャップを含む、請求項13の掛け金。
【請求項15】
前記ボルトは、前記ボルトが前記筐体の前記側面部材の細長い溝に前記ピンおよびローラーを押し、前記圧縮バネによって負荷が掛かるように、規定負荷が前記ボルトの第一端部に掛かった時にその第一位置からその第二位置に回転されるように構成される、請求項14の掛け金。
【請求項16】
前記ボルトは、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項15の掛け金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、「PRESSURE RELIEF LATCH(圧力解放掛け金)」という名称の2015年8月4日出願の共同所有、同時係属仮出願第62/200,971号に関し、その恩恵を主張し、その全開示内容が引用により援用される。
【0002】
本発明は掛け金に関し、より詳しくは圧力解放掛け金に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ハッチ、ドア、アクセスパネル、エンジンカウリング、およびレードームといった航空宇宙機体の外面に設置される取り外し可能かつ移動可能な要素は掛け金を使用する。望ましくは、手動で開閉でき、規定負荷に達した時に自動的に開くことができる掛け金である。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、掛け金は以下を含む:第一端部、前記第一端部の反対側の第二端部、第一および第二側面部材(これらのそれぞれは、外面、内面、および前記外面から前記内面に延在し、前記内面間の細長い溝を含み、前記第一および第二側面部材はその内面の間に空間を形成する)、前記第二端部に配置され、第一および第二凹型曲面(これらのそれぞれは、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置される)を含む基礎部分(前記基礎部分は前記第一および第二凹型曲面の中間に設置される第一溝を含み、前記空間に延在する)、および前記第一端部に配置され、前記空間に延在する第二溝を含む取り付け部分を有する筐体;その前記第一端部に近接し、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置された前記筐体に回転自在に取り付けられるボルト、ここで前記ボルトは曲線部分、前記曲線部分に位置する第一端部、直線部分、および前記直線部分に設置される第二端部を含み、前記ボルトは第一位置(この位置で、前記ボルト前記直線部分が前記空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部は前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する)と第二位置(この位置で、前記ボルトの曲面を成す部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出する、前記直線部分は前記第二溝の外に配置される)の間で回転自在に移動できるようになっている;前記筐体に回転自在に取り付けられる引き金、ここで前記引き金は前記筐体の前記基礎部分の前記第一溝から突出する第一端部、第二端部、および引き金の前記第二端部の中に形成される引き金溝を含む;第一および第二圧縮バネ、ここでその1つは前記筐体の前記第一凹型曲面の中に配置され、その他方は前記筐体の前記第二凹型曲面の中に配置され、前記第一および第二圧縮バネのそれぞれは端部キャップを含む;前記第一および第二圧縮バネの前記端部キャップおよび前記引き金の前記引き金溝の中を延在するピンおよびローラー、ここで、前記ピンおよび前記ローラーは前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置されている。前記引き金は第一位置(この位置で、前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーは前記ボルトと係合する)と第二位置(この位置で、前記ピンおよびローラーは前記ボルトとの係合が解除される)の間で移動可能である。
【0005】
一実施形態では、前記ボルトはその直線部分に形成され、前記曲面を成す部分の一方の端部に隣接した刻み目を含み、ここで、前記ボルトの刻み目は前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーを受け止めるように構成される。一実施形態では、前記ボルトはリベットによって前記筐体に回転自在に取り付けられる。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトの前記第一端部の中に形成される溝、および前記リベット上かつ前記ボルトの前記溝の中に配置されるねじりバネを含む。一実施形態では、前記引き金はリベットによって前記筐体に取り付けられる。一実施形態では、前記掛け金は、その第一位置からその第二位置に引き金を回転させるように前記引き金の前記第一端部に力を印加し、これによって、前記ボルトの前記ボルト刻み目から前記ピンおよびローラーの係合を解除することで、手動で開けられるように構成される。一実施形態では、前記ボルトは前記ねじりバネによってその第二位置に保持される。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトの前記第
二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転するように構成される。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトが前記筐体の前記側面部材の細長い溝に前記ピンおよびローラーを押し、前記圧縮バネによって負荷が掛かるように、規定負荷が前記ボルトの第一端部に掛かった時にその第一位置からその第二位置に回転するように構成される。一実施形態では、前記ボルトは前記ねじりバネによってその第二位置に保持される。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトの前記第
二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される。
【0006】
別の実施形態では、掛け金は以下を含む:第一端部、前記第一端部の反対側の第二端部、第一および第二側面部材(これらのそれぞれは、外面、内面、および前記外面から前記内面に延在し、前記内面間の細長い溝を含み、前記第一および第二側面部材はその内面の間に空間を形成する)、前記第二端部に配置され、第一および第二凹型曲面(これらのそれぞれは、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置される)を含む基礎部分(前記基礎部分は前記第一および第二凹型曲面の中間に設置される第一溝を含み、前記空間に延在する)、および前記第一端部に配置され、前記空間に延在する第二溝を含む取り付け部分を有する筐体;その前記第一端部に近接し、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置され前記筐体に回転自在に取り付けられるボルト、ここで前記ボルトは曲線部分、前記曲線部分に設置される第一端部、直線部分、および前記直線部分に設置される第二端部を含み、前記ボルトは第一位置(この位置で、前記ボルト前記直線部分が前記空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部は前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する)と第二位置(この位置で、前記ボルトの曲面を成す部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出する前記直線部分は前記第二溝の外に配置される)の間で回転自在に移動できるようになっている;および前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置されるピンおよびローラー。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、閉鎖位置で示された圧力解放掛け金の一実施形態の上面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された前記圧力解放掛け金の底面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された前記圧力解放掛け金の側面断面図である。
【
図4】
図4は、その閉鎖位置から前記掛け金を開くための領域を示す、
図1に示された前記圧力解放掛け金の上面斜視図である。
【
図5】
図5は、前記掛け金が開放位置で示された、
図1から3に示された前記圧力解放掛け金の上面斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された前記圧力解放掛け金の側面断面図である。
【
図7】
図7は、圧下位置で示された前記掛け金によって利用される引き金と共に、
図2に示された前記圧力解放掛け金の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から3に示した通り、一実施形態では、圧力解放掛け金10は、第一端部14および前記第一端部14の反対側の第二端部16を有する筐体12を含む。前記筐体12は第一および第二側面部材18、20を含み、そのそれぞれは前記第一端部14から前記第二端部16に延在し、外面21、前記外面21の反対側の内面23、前記外面21から前記内面23に延在し、前記第一および第二端部14、16の中間の細長い溝22を含む。前記側面部材18、20のそれぞれは、前記外面21から前記内面23に延在する第一穴26および前記第一端部14に近接して設置され、前記外面21から前記内面23に延在する第二穴28を有するタブ24をさらに含む。空間30は前記第一および第二側面部材18、20の前記内面23の間に形成される。一実施形態では、前記筐体12はその第二端部16に形成された基礎部分32をさらに含む。前記基礎部分32は第一および第二凹型曲面34、36を含み、そのそれぞれが前記第一および第二側面部材18、20のうちの対応する1つの前記外面21の隣接に配置される。前記基礎部分32は、前記凹型曲面34、36の中間に設置され、前記基礎部分32の上面39から前記空間30に延在する溝38をさらに含む。一実施形態では、前記溝38の形は実質的に長方形をしている。前記筐体12は、前記取り付け部分40の上面43から前記空間30に延在する溝42を有する取り付け部分40および複数の取り付け穴44をさらに含む。一実施形態では、前記溝42の形は実質的に長方形をしている。
【0009】
一実施形態では、前記圧力解放掛け金10はボルト46を含む。一実施形態では、前記ボルト46はJ字形である。別の実施形態では、前記ボルト46はU字形またはその他の適切な形状を有してもよい。一実施形態では、前記ボルト46は弓状/曲線部分50に設置された第一端部48および直線部分54に設置された第二端部52を含む。一実施形態では、前記ボルト46は、直線部分54の中で、前記曲線部分50の一方の端部の隣接に形成されたボルト刻み目56を含む。溝58は、前記ボルト46の前記第一端部48の中に形成される。一実施形態では、前記穴28に中に挿入されるリベット60によって前記ボルト46の前記第一端部48が前記筐体12の前記第一端部14に取り付けられるように、前記ボルト46は前記筐体12に回転自在に取り付けられる。一実施形態では、前記ボルト46が第一位置にある時に前記ボルト46の前記直線部分54は前記空間30の中を延在し、前記ボルト46がその第一位置にある時に前記46の前記第二端部52は取り付け部分40の前記溝42の中を延在し、そこから突出する。ねじりバネ62は、リベット60a上および前記ボルト46の前記溝58の中に配置される。
【0010】
一実施形態では、前記圧力解放掛け金10は引き金64を含む。一実施形態では、前記引き金64の形は実質的に「Z」字形をしている。別の実施形態では、前記引き金64はその他の適切な形状および大きさを含む。一実施形態では、前記引き金64は第一端部66および第二端部68を含む。前記引き金64の前記第二端部68は引き金溝70および穴72を含む(
図3を参照)。一実施形態では、前記引き金64は、前記穴72の中を延在する別のリベット60bおよび前記引き金穴70および前記側面部材18、20の前記細長い溝22の中を延在して取り付けられるローラー76を有するピン74によって前記引き金64の前記第二端部68を前記筐体12の前記タブ24の前記穴26に取り付けられるように、前記筐体12に回転自在に取り付けられる。前記引き金64の前記第一端部66は、前記基礎部分32の前記溝38の中を延在し、そこから突出する。一実施形態では、前記ピン74および前記ローラー76の組み合わせにより、前記掛け金10がその閉鎖位置にある時に前記ボルト46の前記ボルト刻み目56に係合する大きさおよび形状が構成される。
【0011】
一実施形態では、前記圧力解放掛け金10は前記第一および第二圧縮バネ78、80を含み、そのそれぞれは前記筐体12の前記基礎部分32の凹型曲面34、36のうちの対応する1つの中に配置される。前記バネ78、80のそれぞれの一方の端部は前記基礎部分32の凹型曲面34、36のうちの対応する1つの後部内側部分81に対して配置される一方で、前記バネ78、80のそれぞれの他方の端部はそこに取り付けられた対応する側面キャップ82を含み、これは前記ピン74および前記ローラー76の組み合わせを受け止める。
【0012】
図4は、開くことができる前記掛け金10の領域を示す。すなわち、前記掛け金10は前記引き金64の前記第一端部66を人の指(または他の手段)によって押すことにより手動で開くことができ、あるいは前記ボルト46の前記第一端部48に対する負荷が規定負荷に到達すると自動的に開くことができる。
【0013】
図5および6に示した通り、一実施形態では、前記掛け金10は規定負荷時にその第一閉鎖位置からその第二開放位置に開くことができる。「規定負荷」の例として、エンジン室内部に圧力が蓄積し、規定圧力に到達すると、前記掛け金10は圧力を解放するためにエンジン室ドアを開くように押す。規定負荷に到達すると、前記ボルト46は時計回りに回転し、前記筐体12の前記側面部材18、20の細長い溝22の中の前記ピン74によって前記筐体12の前記第二端部18、20に向けて導かれ、前記ボルト46が前記ボルト刻み目56との係合が解除され、停止するまで、前記圧縮バネ78、80によって負荷が掛けられる前記ローラー76を押す。前記ボルト46は、それに作用している前記ねじりバネ62の負荷が掛かっている時にその開放位置に保持される。この関連で、前記引き金溝70は前記ピン74および前記ローラー76が一方向のみに移動させる。この方向は、前記ボルト46から離れ、前記筐体12の前記第二端部16に向かう方向である。
【0014】
図7に示した通り、一実施形態では、前記掛け金10をその第一閉鎖位置からその第二開放位置に手動で開くことができる。前記リベット60bの周囲を旋回し、反時計回りに回転する前記引き金64の前記第一端部66に指で圧力を掛けることで、その閉鎖位置から、前記掛け金10を開くことができる。この関連で、前記引き金64は前記ボルト46の前記ボルト刻み目56から前記ピン74および前記76をお互いの係合が解除されるまで引き離し、これによって、前記ねじりバネ62の負荷が掛かっている状態で前記ボルト46が時計回りに自動的に回転できるようになり、開放位置に保持される。
【0015】
一実施形態では、指による手動で、前記リベット60aの周囲を旋回する前記ボルト46の前記第二端部52に圧力を掛けて、反時計回りに回転させることで前記掛け金10をその開放位置から閉じることができる。この関連で、前記ボルト46が前記ローラー76と接触する時、前記ボルト46は、前記ローラー76が前記ボルト46の前記ボルト刻み目56に係合するまで前記ピン74およびローラー76を押す。その後、前記ボルト46は閉鎖位置に保持される。
【0016】
本願明細書で述べられる実施形態は単に典型的な事例にすぎず、当業者は本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および改変を施すことができる。そのような変更および改変のすべてが、添付請求項で定義されるように、本発明の範囲内に含まれることを意図している。