(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、抵抗やインピーダンスが増加したり、ノイズによって不都合が発生したりすることを防止できる電子モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電子モジュールは、
基板と、
前記基板の他方側に設けられた他方側電子部品と、
前記基板の一方側に設けられた一方側電子部品と、
前記基板の他方側で前記基板の周縁外方まで延びる他方側延在部と、前記基板の一方側で前記基板の周縁外方まで延びる一方側延在部と、前記基板の周縁外方で前記他方側延在部と前記一方側延在部とを接続する接続部とを有し、前記他方側電子部品と前記一方側電子部品とを電気的に接続する接続端子と、
を備えてもよい。
【0006】
本発明による電子モジュールにおいて、
前記基板は、第一基板と、前記基板の一方側に設けられた第二基板とを有し、
前記他方側電子部品は、前記第二基板の他方側に設けられた他方側第二電子部品を有し、
前記一方側電子部品は、前記第二基板の一方側に設けられた一方側第二電子部品を有し、
前記接続端子は、前記第二基板の他方側で前記第二基板の周縁外方まで延びる他方側第二延在部と、前記第二基板の一方側で前記第二基板の周縁外方まで延びる一方側第二延在部と、前記第二基板の周縁外方で前記他方側第二延在部と前記一方側第二延在部とを接続する第二接続部とを有し、前記他方側第二電子部品と前記一方側第二電子部品とを電気的に接続する第二接続端子を有してもよい。
【0007】
本発明による電子モジュールは、
前記第一基板の一方側に設けられた第一電子部品と、
前記第一基板側に設けられ、前記第一電子部品に電気的に接続される第一端子部と、
をさらに備え、
前記第一端子部は、前記第一基板の面方向に沿って延びた第一面方向延在部と、前記第一面方向延在部の端部に設けられ、一方側又は他方側に延びた第一法線方向延在部と、を有してもよい。
【0008】
本発明による電子モジュールにおいて、
前記第一法線方向延在部は、前記第二接続部よりも周縁外方で一方側に延在してもよい。
【0009】
本発明による電子モジュールにおいて、
前記基板は、第一基板と、前記基板の一方側に設けられた第二基板とを有し、
前記他方側電子部品は、前記第一基板の他方側に設けられた他方側第一電子部品を有し、
前記一方側電子部品は、前記第一基板の一方側に設けられた一方側第一電子部品を有し、
前記接続端子は、前記第一基板の他方側で前記第一基板の周縁外方まで延びる他方側第一延在部と、前記第一基板の一方側で前記第一基板の周縁外方まで延びる一方側第一延在部と、前記第一基板の周縁外方で前記他方側第一延在部と前記一方側第一延在部とを接続する第一接続部とを有し、前記他方側第一電子部品と前記一方側第一電子部品とを電気的に接続する第一接続端子を有してもよい。
【0010】
本発明による電子モジュールにおいて、
前記基板は、第一基板と、前記基板の一方側に設けられた第二基板とを有し、
電子モジュールは、前記第二基板側に設けられ、前記第二電子部品に電気的に接続される第二端子部をさらに備え、
前記第二端子部は、前記第二基板の面方向に沿って延びた第二面方向延在部と、前記第二面方向延在部の端部に設けられ、一方側又は他方側に延びた第二法線方向延在部と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の接続端子を利用することで、基板の一方側の面と他方側の面の両方を用いて電子部品を配置することができる。また、これらの電子部品を接続端子で接続できることから、電子部品の間の距離を短くすることができ、抵抗やインピーダンスが増加したり、ノイズによって不都合が発生したりすることを防止できる。また、第二基板の一方側と他方側とをつなぐためのスルーホールのような穴を第二基板に設ける必要がなく、製造工程を容易にすることを期待できる点で有益である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の実施の形態
《構成》
本実施の形態において、「一方側」は
図1の上方側を意味し、「他方側」は
図1の下方側を意味する。
図1の上下方向を「第一方向」と呼び、左右方向を「第二方向」と呼び、紙面の表裏方向を「第三方向」と呼ぶ。第二方向及び第三方向を含む面内方向を「面方向」といい、一方側から見た場合には「平面視」という。
【0014】
本実施の形態及び後述する他の実施の形態で示されるように、電子部品は、基板11,21の他方側に設けられた他方側電子部品18,23と、基板11,21の一方側に設けられた一方側電子部品13,28と、を有してもよい。このような態様を採用する場合には、基板11,21の他方側で基板11,21の周縁外方まで延びる他方側延在部119a,129aと、基板11,21の一方側で基板11,21の周縁外方まで延びる一方側延在部119b,129bと、基板11,21の周縁外方で他方側延在部119a,129aと一方側延在部119b,129bとを接続する接続部118,128とを有し、他方側電子部品18,23と一方側電子部品13,28とを電気的に接続する接続端子115,125が設けられてもよい。他方側延在部119a,129aと一方側延在部119b,129bは面方向で完全に重複するように配置されてもよいし、他方側延在部119a,129aと一方側延在部119b,129bは面方向で部分的に重複するように配置されてもよい。
【0015】
後述する封止部90内に封止される電子部品13,23はスイッチング素子等のパワー素子であり、封止部90によって封止されない電子部品18,28は制御素子であってもよい。これに限られることはなく、封止部90内に封止される電子部品13,23は制御素子であり、封止部90によって封止されない電子部品18,28はスイッチング素子等のパワー素子であってもよい。また、電子部品13,18,23,23は、コンデンサ、抵抗、コイル等であってもよい(
図12も参照)。なお、電子部品13,23にスイッチング素子が含まれ、スイッチング素子のスイッチング周波数が高周波になる場合には、ノイズを抑える観点から言うと電子部品13,18,23,23にコイルが含まれることが有益であり、電子部品13,18,23,23によってトランスが構成されてもよい。
【0016】
以下で説明する本実施の形態の電子モジュールは、第一電子ユニットと、第二電子ユニットとを有してもよい。
【0017】
図1に示すように、第一電子ユニットは、第一基板11と、第一基板11の一方側に設けられた複数の一方側第一導体層12と、一方側第一導体層12の一方側に設けられた一方側第一電子部品13と、を有してもよい。一方側第一電子部品13はスイッチング素子であってもよいし、制御素子であってもよい。一方側第一電子部品13がスイッチング素子である場合には、一方側第一電子部品13はMOSFETやIGBT等であってもよい。一方側第一電子部品13、後述する他方側第一電子部品18、他方側第二電子部品23、一方側第二電子部品28の各々は半導体素子から構成されてもよく、半導体材料としてはシリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム等であってもよい。一方側第一電子部品13の他方側の面は一方側第一導体層12とはんだ等の導電性接着剤(図示せず)を介して接続されてもよい。
【0018】
一方側第一電子部品13の一方側には第一接続体60が設けられてもよい。第一接続体60は一方側第一電子部品13の一方側の面とはんだ等の導電性接着剤を介して接続されてもよい。
【0019】
図1に示すように、第一接続体60の一方側には第二電子ユニットが設けられてもよい。第二電子ユニットは、第一接続体60の一方側に設けられた他方側第二電子部品23を有してもよい。また、第二電子ユニットは、第二基板21と、第二基板21の他方側に設けられた他方側第二導体層22を有してもよい。他方側第二導体層22の他方側には第二接続体70が設けられてもよい。第二接続体70は他方側第二電子部品23の一方側の面及び他方側第二導体層22の他方側の面とはんだ等の導電性接着剤を介して接続されてもよい。
【0020】
他方側第二電子部品23はスイッチング素子であってもよいし、制御素子であってもよい。他方側第二電子部品23がスイッチング素子である場合には、他方側第二電子部品23はMOSFETやIGBT等であってもよい。
【0021】
第二基板21の一方側には一方側第二導体層27が設けられてもよい。この一方側第二導体層27には一方側第二電子部品28が設けられてもよい。
【0022】
第一接続体60は、第一ヘッド部61と、第一ヘッド部61から他方側に延びた第一柱部62を有してもよい。第二接続体70は、第二ヘッド部71と、第二ヘッド部71から他方側に延びた第二柱部72を有してもよい。第一接続体60は断面が略T字形状となり、第二接続体70も断面が略T字形状となってもよい。
【0023】
第一基板11及び第二基板21としては、セラミック基板11,21、絶縁樹脂層等を採用することができる。導電性接着剤としては、はんだの他、AgやCuを主成分とする材料を用いることもできる。第一接続体60及び第二接続体70の材料としてはCu等の金属を用いることができる。なお、基板11,21としては例えば回路パターニングを施した金属基板を用いることもでき、この場合には、基板11,21が導体層12,22を兼ねることになる。
【0024】
電子モジュールは、前述した、一方側第一電子部品13、他方側第二電子部品23、第一接続体60、第二接続体70、一方側第一導体層12、他方側第二導体層22等を封止する封止樹脂等から構成される封止部90を有してもよい。
【0025】
本実施の形態では、一例として、第二基板21側に第二接続端子125が設けられ、第一基板11側には接続端子(後述する第一接続端子115)が設けられていない態様を用いて説明する。但し、これに限られることはなく、後述するように第一基板11側に第一接続端子115が設けられてもよく、この場合には、第二基板21側に接続端子が設けられていなくてもよい。
【0026】
本実施の形態では、他方側電子部品が第二基板21の他方側に設けられた他方側第二電子部品23を有し、一方側電子部品が第二基板21の一方側に設けられた一方側第二電子部品28を有している。前述した第二接続端子125は、第二基板21の他方側で第二基板21の周縁外方まで延びる他方側第二延在部129aと、第二基板21の一方側で第二基板21の周縁外方まで延びる一方側第二延在部129bと、第二基板21の周縁外方で他方側第二延在部129aと一方側第二延在部129bとを接続する第二接続部128とを有している。第二接続端子125は、他方側第二電子部品23と一方側第二電子部品28とを電気的に接続するようになっている。
図1に示す態様では、第二接続端子125の一方側第二延在部129bが一方側第二導体層27に接続される態様となっているが、これに限られることはなく、第二接続端子125の一方側第二延在部129bが一方側第二電子部品28に直接接続されるようになってもよい。図示していないが、一方側第二電子部品28と一方側第二導体層27の間には導電性接着剤が設けられてもよく、一方側第二延在部129bと一方側第二導体層27の間には導電性接着剤が設けられてもよい。
【0027】
図2に示すように、第二基板21側には、他方側第二電子部品23に電気的に接続される第二端子部120が設けられてもよい。第二端子部120は、第二基板21の面方向に沿って延びた第二面方向延在部124と、第二面方向延在部124の端部に設けられ、一方側に延びた第二法線方向延在部123と、を有してもよい。
【0028】
第一基板11側には、一方側第一電子部品13に電気的に接続される第一端子部110が設けられてもよい。第一端子部110は、第一基板11の面方向に沿って延びた第一面方向延在部114と、第一面方向延在部114の端部に設けられ、一方側に延びた第一法線方向延在部113と、を有してもよい。
【0029】
第一法線方向延在部113は第二接続部128及び第二法線方向延在部123よりも周縁外方で一方側に延在してもよい。この場合には、第一面方向延在部114は他方側第二延在部129a及び第二面方向延在部124よりも周縁外方まで延びることになる。第二方向に沿って(
図1及び
図2の右側から)見たときに、第二接続部128及び第二法線方向延在部123と第一法線方向延在部113は、全部又は一部で重複してもよい。このような態様に限られることはなく、第二方向に沿って見たときに、第二接続部128及び第二法線方向延在部123と第一法線方向延在部113は、全く重複しないようになってもよい。
【0030】
前述した第一端子部110、第二端子部120、第一接続端子115及び後述する第二接続端子125は、本実施の形態の端子部100に含まれる。
【0031】
第一法線方向延在部113の一方側端部と、第二法線方向延在部123の一方側端部は略同一の位置まで延びてもよい。「略同一の位置まで延びる」とは、両者の間には第一法線方向延在部113及び第二法線方向延在部123のうち長さの短い法線方向延在部(本実施の形態では第二法線方向延在部123)の全体長さの5%以内の差しか存在しないことを意味する。
【0032】
複数の第一端子部110が設けられてもよい。同様に、複数の第二端子部120が設けられてもよい。また、第一端子部110の数と、第二端子部120及び第二接続端子125の合計数が同数であってもよい。このように第一端子部110の数と第二端子部120及び第二接続端子125の合計数が同数である場合には、各第一面方向延在部114の一方側に第二面方向延在部124又は他方側第二延在部129aが設けられてもよい(
図5参照)。
【0033】
図1に示すように、第一端子部110は、一方側第一導体層12に接続される第一端子基端部111と、前述した第一面方向延在部114と、第一端子基端部111と第一面方向延在部114との間に設けられ、第一端子基端部111側で他方側に曲げられた第一屈曲部112と、を有してもよい。第一端子基端部111は導電性接着剤を介して一方側第一導体層12の一方側の面に接続されてもよい。
【0034】
図2に示すように、第二端子部120は、他方側第二導体層22に接続される第二端子基端部121と、前述した第二面方向延在部124と、第二端子基端部121と第二面方向延在部124との間に設けられ、第二端子基端部121側で一方側に曲げられた第二屈曲部122と、を有してもよい。第二端子基端部121は導電性接着剤を介して他方側第二導体層22の他方側の面に接続されてもよい。
【0035】
図1に示すように、第二接続端子125は、他方側第二導体層22に接続される第二接続端子基端部126と、前述した他方側第二延在部129aと、第二接続端子基端部126と他方側第二延在部129aとの間に設けられ、第二接続端子基端部126側で一方側に曲げられた第二屈曲部127と、を有してもよい。第二接続端子基端部126は導電性接着剤を介して他方側第二導体層22の他方側の面に接続されてもよい。
【0036】
封止部90の外方において、第一面方向延在部114と第二面方向延在部124及び他方側第二延在部129aとは第一方向において閾値以上の距離だけ離れてもよい。閾値は安全規格に基づいて決定される数値であってもよい。例えば電子部品が600Vの電圧を用いる場合には、第一面方向延在部114と第二面方向延在部124及び他方側第二延在部129aとは3.6mm以上の距離だけ離れる必要がある。この場合には、閾値は3.6mmとなる。
【0037】
図3に示すように、第一ヘッド部61の一方側の面には第一溝部64が設けられてもよい。第一溝部64は、平面視(面方向)において、第一柱部62の周縁外方に設けられているが、周縁外方の一部に設けられてもよいし、第一柱部62の周縁外方の全部に設けられてもよい。第一ヘッド部61の一方側の面であって、第一溝部64の周縁内方にははんだ等の導電性接着剤が設けられてもよく、導電性接着剤を介して他方側第二電子部品23が設けられてもよい。
【0038】
図1に示すように、他方側第二電子部品23の後述する第二ゲート端子23g等の端子に接続される接続子85が用いられてもよい。このような態様に限られることはなく、
図4に示すような第三接続体80が利用されてもよい。第三接続体80は、第三ヘッド部81と、第三ヘッド部81から他方側に延びた第三柱部82を有してもよい。第三接続体80は、はんだ等の導電性接着剤を介して他方側第二導体層22の他方側の面及び他方側第二電子部品23の一方側の面に接続されてもよい。
【0039】
図3に示す一方側第一電子部品13は、一方側の面に第一ゲート端子13gと第一ソース端子13sを有するスイッチング素子であり、
図3に示す他方側第二電子部品23は、一方側の面に第二ゲート端子23gと第二ソース端子23sを有するスイッチング素子である。この場合、第二接続体70が他方側第二電子部品23の第二ソース端子23sに導電性接着剤を介して接続され、接続子85が他方側第二電子部品23の第二ゲート端子23gに導電性接着剤を介して接続されてもよい。また、第一接続体60は一方側第一電子部品13の第一ソース端子13sと他方側第二電子部品23の他方側に設けられた第二ドレイン端子とを導電性接着剤を介して接続してもよい。一方側第一電子部品13の他方側に設けられた第一ドレイン端子は導電性接着剤を介して一方側第一導体層12に接続されてもよい。一方側第一電子部品13の第一ゲート端子13gは導電性接着剤を介して接続子95(
図1参照)に接続され、当該接続子95は導電性接着剤を介して一方側第一導体層12に接続されてもよい。
【0040】
一方側第一電子部品13及び他方側第二電子部品23のいずれか一方だけがスイッチング素子の場合には、第一接続体60に載置される他方側第二電子部品23を発熱性の低い制御素子とし、一方側第一電子部品13をスイッチング素子にすることも考えられる。逆に、第一接続体60に載置される他方側第二電子部品23をスイッチング素子とし、一方側第一電子部品13を発熱性の低い制御素子にすることも考えられる。
【0041】
端子部100と導体層12,22との接合は、はんだ等の導電性接着剤を利用する態様だけではなく、レーザ溶接を利用してもよいし、超音波接合を利用してもよい。
【0042】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果の一例について説明する。なお、「作用・効果」で説明するあらゆる態様を、上記構成で採用することができる。
【0043】
図1に示すように、第二接続端子125が、第二基板21の他方側で第二基板21の周縁外方まで延びる他方側第二延在部129aと、第二基板21の一方側で第二基板21の周縁外方まで延びる一方側第二延在部129bと、第二基板21の周縁外方で他方側第二延在部129aと一方側第二延在部129bとを接続する第二接続部128とを有し、他方側第二電子部品23と一方側第二電子部品28とを電気的に接続する態様を採用した場合には、第二基板21の一方側の面と他方側の面の両方を用いて電子部品を配置することができる。また、これらの電子部品を第二接続端子125で接続できることから、電子部品の間の距離を短くすることができ、抵抗やインピーダンスが増加したり、ノイズによって不都合が発生したりすることを防止できる。また、本実施の形態によれば、第二基板21の一方側と他方側とをつなぐためのスルーホールのような穴を第二基板21に設ける必要がなく、製造工程を容易にすることを期待できる点で有益である。
【0044】
なお、他方側第二電子部品23はスイッチング素子のようなパワー素子を含む場合には、一方側第二電子部品28は当該パワー素子を制御するための制御素子を含んでもよい。また、複数の他方側第二電子部品23が設けられている場合には、他方側第二電子部品23の全てがパワー素子であってもよい。この場合には、複数の一方側第二電子部品28が設けられ、一方側第二電子部品28の全てが制御素子であってもよい。なお、このような態様に限られることはなく、複数設けられた他方側第二電子部品23の一部がパワー素子であり、残部が制御素子やその他の電子部品(抵抗、コンデンサ、コイル等)であってもよい。また、複数設けられた一方側第二電子部品28の一部が制御素子であり、残部がパワー素子やその他の電子部品(抵抗、コンデンサ、コイル等)であってもよい。なお、封止部90内にスイッチング素子を配置することで、スイッチング素子によるノイズの影響を低減できる点で有益である。一方側第二電子部品28又は他方側第二電子部品23にパワー素子及び制御素子が含まれる場合には、制御素子でパワー素子の制御を行うことができるので、本実施の形態の電子モジュールは制御基板に接続されなくてもよいこともある。
【0045】
図2に示すように、第二基板21に他方側第二電子部品23に電気的に接続される第二端子部120が設けられ、第二端子部120が、第二基板21の面方向に沿って延びた第二面方向延在部124と、第二面方向延在部124の端部に設けられ、一方側に延びた第二法線方向延在部123と、を有する態様を採用した場合には、第二端子部120を用いて制御基板のような外部装置と接続可能となる点で有益である。なお、制御基板は電子モジュールを制御するために利用されるものである。
【0046】
図1及び
図2に示すように、第一基板11に一方側第一電子部品13に電気的に接続される第一端子部110が設けられ、第一端子部110が、第一基板11の面方向に沿って延びた第一面方向延在部114と、第一面方向延在部114の端部に設けられ、一方側に延びた第一法線方向延在部113と、を有する態様を採用した場合には、第一端子部110を用いて制御基板のような外部装置と接続可能となる点で有益である。
【0047】
第一法線方向延在部113が第二接続部128よりも周縁外方で一方側に延在する態様を採用した場合には、第二接続部128と第一端子部110とが互いに接触することを確実に防止でき、また第二接続部128及び第一端子部110を第三方向に沿った場所の制約なく利用でき、設計の自由度を高めることができる点で有益である。
【0048】
第一法線方向延在部113が第二法線方向延在部123よりも周縁外方で一方側に延在する態様を採用した場合には、第二端子部120と第一端子部110とが互いに接触することを確実に防止でき、また第二端子部120及び第一端子部110を第三方向に沿った場所の制約なく利用でき、設計の自由度を高めることができる点で有益である。
【0049】
第一法線方向延在部113と第二法線方向延在部123が同じ方向、
図1に示す態様では一方側に延びている態様を採用した場合には、第一端子部110及び第二端子部120を同じ外部装置に接続できる点で有益である。
【0050】
第一法線方向延在部113の一方側端部と第二法線方向延在部123の一方側端部が略同一の位置まで延びる態様を採用することで、第一端子部110及び第二端子部120を制御基板等の同じ外部装置により容易に接続させることができるようになる点で有益である。
【0051】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0052】
第1の実施の形態では、第二基板21の両面に電子部品が設けられる態様であったが、本実施の形態では、第一基板11の両面に電子部品が設けられる態様となっている。より具体的には、
図6に示すように、他方側電子部品が第一基板11の他方側に設けられた他方側第一電子部品18を有し、一方側電子部品が第二基板21の一方側に設けられた一方側第一電子部品13を有している。また、接続端子は第一接続端子115を有している。第一接続端子115は、第一基板11の他方側で第一基板11の周縁外方まで延びる他方側第一延在部119aと、第一基板11の一方側で第一基板11の周縁外方まで延びる一方側第一延在部119bと、第一基板11の周縁外方で他方側第一延在部119aと一方側第一延在部119bとを接続する第一接続部118とを有している。第一接続端子115は、他方側第一電子部品18と一方側第一電子部品13とを電気的に接続するようになっている。
図6に示す態様では、第一接続端子115の他方側第一延在部119aが他方側第一導体層17に接続される態様となっているが、これに限られることはなく、第一接続端子115の他方側第一延在部119aが他方側第二電子部品18に直接接続されるようになってもよい。図示していないが、他方側第二電子部品18と他方側第一導体層17の間には導電性接着剤が設けられてもよく、他方側第一延在部119aと他方側第一導体層17の間には導電性接着剤が設けられてもよい。本実施の形態では、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0053】
本実施の形態によれば、第一基板11側でも前述した第二基板21側で果たせた機能を果たすことができる。このため、必要に応じて、第1の実施の形態の態様ではなく、本実施の形態の態様を採用することもできる。
【0054】
本実施の形態では、
図7に示すように、第一端子部110の第一法線方向延在部113が他方側に延びてもよい。また、第二端子部120の第二法線方向延在部123も他方側に延びてもよい。このような態様を採用した場合には、第一端子部110及び第二端子部120によって第一基板11の他方側に設けられた制御基板のような外部装置に接続可能となる。
【0055】
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0056】
本実施の形態では、
図8及び
図10に示すように、第一接続端子115及び第二接続端子125の両方が設けられている。また、本実施の形態では、
図9及び
図10に示すように、第一端子部110の第一法線方向延在部113が他方側に延び、第二端子部120の第二法線方向延在部123が一方側に延びる態様となっている。本実施の形態でも、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0057】
本実施の形態では、第一基板11及び第二基板21の両方において、接続端子115,125を設けることができる。また、第一端子部110によって他方側に配置された制御基板等の外部装置に接続することができ、また第二端子部120によって一方側に配置された制御基板等の外部装置に接続することができる。
【0058】
また、本実施の形態では、
図10(b)に示すように、第一方向及び第三方向を含む面内において、接続端子115,125及び端子部110,120が重複しない。このため、端子部110,120のいずれか一方を周縁外方まで延ばす必要がなくなり、その結果として第二方向に沿った長さを短くすることができ、ひいては、面方向における大きさが大きくなることを抑制できる。
【0059】
第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0060】
本実施の形態では、
図11に示すように、第二基板21側に第二接続端子125が設けられているものの、第二端子部120が設けられていない態様となっている。同様に、第一基板11側に第一接続端子115が設けられているものの、第一端子部110が設けられていない態様となっている。本実施の形態でも、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0061】
本実施の形態によれば、第一端子部110及び第二端子部120が設けられていないことから、第一方向(厚み方向)における電子モジュールの大きさを小さくすることができる。この態様を採用する場合には、第一基板11の他方側に配置される他方側第一電子部品18が制御素子を含み、第一基板11の一方側に配置され、封止部90によって封止される一方側第一電子部品13がスイッチング素子等のパワー素子を含んでもよい。また、第二基板21の他方側に配置され、封止部90によって封止される他方側第一電子部品18がスイッチング素子等のパワー素子を含み、第二基板21の一方側に配置される一方側第二電子部品28が制御素子を含んでもよい。
【0062】
なお、本実施の形態のように、基板11、12にパワー素子と当該パワー素子を制御する制御素子の両方が設けられ、電子モジュールだけでパワー素子の制御を行うことができ、制御基板のような外部装置に接続されない場合には、制御基板を利用していた従来の構成と比較すると装置の大きさを格段に小さくできる点で有益である。
【0063】
第5の実施の形態
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0064】
上記各実施の形態では、電子モジュールの1つの側面から第一端子部110及び第二端子部120が封止部90から外方に露出する態様となっており、いわゆるSIP(Single Inline Package)型の構造となっていた。本実施の形態では、
図12及び
図13に示すように、電子モジュールの対向する2つの側面から第一端子部110及び第二端子部120が封止部90から外方に露出する態様となっており、いわゆるDIP(Dual Inline Package)型の構造となっている。本実施の形態では、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0065】
本実施の形態によれば、2つの側面を利用して端子部100を封止部90の外方に露出させることから、端子部100の数を増やしたり、端子部100の幅方向の長さを大きくしたりすることができる点で有益である。電流の大きさが大きくなる場合には、端子部100の幅方向の長さを大きくする必要があることもある。本実施の形態を採用することで、このような要求にも応えることができる点で有益である。
【0066】
図12に示す態様では、
図12(b)の紙面下方側に設けられた端子部100のうち第三方向の両端及び中央の3つの端子部100が第二接続端子125となり、これらの間に第二端子部120が設けられている。また、
図12(b)の紙面上方側に設けられた端子部100のうち第三方向の両端に第二端子部120が設けられ、この第二端子部120の間に5つの第二接続端子125が設けられている。
【0067】
また、本実施の形態では、
図13に示すように、第一端子部110の一方側端部と第二端子部120の一方側端部は略同一の位置には位置づけられておらず、第二端子部120の一方側端部は第一端子部110の一方側端部よりも一方側に位置づけられている。
【0068】
第6の実施の形態
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
【0069】
上記各実施の形態では、断面が略T字形状の第一接続体60が用いられていたが、本実施の形態の第一接続体60は、
図14に示すように、第一ヘッド部61から他方側に延びた4つの支持部65(65a−65d)を有している。支持体65は、一方側第一導体層12又は第一基板11に当接するようになっている。本実施の形態でも、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0070】
本実施の形態では4つの支持部65が利用されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、1、2、3又は5つ以上の支持部65が用いられてもよい。
【0071】
本実施の形態のように第一ヘッド部61から延びた支持部65が設けられている場合には、他方側第二電子部品23の実装時又は他方側第二電子部品23を実装した後で他方側第二電子部品23の重みによって第一接続体60が傾いてしまうことを防止できる。また、このように支持部65が第一基板11又は一方側第一導体層12に当接することで、放熱性を高めることができる。特に支持部65が一方側第一導体層12に当接する場合には、放熱効果をより高めることができる点で有益である。
【0072】
また、本実施の形態のように複数の支持部65が設けられている場合には、第一接続体60をより安定に設けることができ、かつより高い放熱効果を実現できる点で有益である。
【0073】
第7の実施の形態
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。
【0074】
上記各実施の形態では第二柱部72を有する断面が略T字形状からなる第二接続体70を用いて説明したが、本実施の形態では、
図15に示すように、第二接続体70は、第二ヘッド部71から他方側に延びる延在部75(75a,75b)を有している。本実施の形態でも、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0075】
本実施の形態では2つの延在部75が利用されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、1つ又は3つ以上の延在部75が用いられてもよい。
【0076】
本実施の形態によれば、延在部75が設けられていることから、他方側第二電子部品23からの熱を効率よく放熱することができ、第二接続体70によっても高い放熱効果を実現できる。
【0077】
また、本実施の形態のように複数の延在部75が設けられている場合には、より高い放熱効果を実現できる点で有益である。
【0078】
第8の実施の形態
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。
【0079】
上記各実施の形態では、第一接続体60及び第二接続体70が用いられている態様を用いて説明したが、このような態様には限られない。
図16に示すように、第一接続体60及び第二接続体70が設けられていなくてもよい。本実施の形態でも、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0080】
本実施の形態でも、接続端子115,125について説明した効果を含み前述した効果を得ることができる。
【0081】
また、2つ以上の基板が用いられる必要はなく、
図17に示すように1つの基板(
図17に示す態様では第二基板21)だけが設けられてもよい。
【0082】
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。
電子モジュールは、基板11,21と、前記基板11,21の他方側に設けられた他方側電子部品18,23と、前記基板11,21の一方側に設けられた一方側電子部品13,28と、前記基板11,21の他方側で前記基板11,21の周縁外方まで延びる他方側延在部119a,129aと、前記基板11,21の一方側で前記基板11,21の周縁外方まで延びる一方側延在部119b,129bと、前記基板11,21の周縁外方で前記他方側延在部119a,129aと前記一方側延在部119b,129bとを接続する接続部118,128とを有する接続端子115,125と、を備える。