(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記折返片と前記表示部の間に設けられた前記折罫線上に、スリットが開口して設けられ、前記表示部の前記側縁部は前記スリットの周縁部に連続し、前記スリットの周縁部に位置する前記側縁部は前記表示部を外すときの前記摘み部となる請求項1記載の包装用箱。
前記包装用箱の底部は、互いに平行な一対の側面に各々連接して設けられている底蓋片と、前記底蓋片が設けられた前記側面と略90°に位置する一対の側面に各々連接して設けられているフラップで形成され、隣接する前記底蓋片と前記フラップが糊付けされ、組立工程で各側面を筒状に引き起こす時に前記底部がワンタッチで形成され、前記表示部が設けられた前記側面には、前記フラップの一方が連接して設けられている請求項1記載の包装用箱。
前記包装用箱の側面両端の上部と底部は、内蓋片と外蓋片により封止されるシールエンド型に形成され、上部側の内蓋片の端部に差込片が延設され、前記外蓋片が設けられた前記側面には、前記外蓋片を分離する開封用破断線が設けられ、前記開封用破断線を破って開封後、前記差込片により再封可能に設けられている請求項1記載の包装用箱。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を収容して保管や陳列を行う包装用箱は、一般に箱体表面に収容物の名称や特性についての情報等が印刷されており、箱体表面に印刷された情報を利用するため、包装用箱の一部を情報が印刷された部分を囲んで切断して表示部として利用するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている包装用箱は、連接された複数の側面から成り、そのうちの一面には破断線で囲まれた表示部が備えられ、表示部の表面には収容物についての情報を示す表示事項が印刷されている。この包装用箱は、開封して収容物を取り出した後に、破断線を切断して表示部を包装用箱から取り外して在庫の管理等に利用することができる。
【0004】
特許文献2に開示されている包装用箱は、連接された複数の側面から成り、連接された側面の一方の端部には反対側の端部に位置する側面の表面に糊付けされる糊付片が設けられ、糊付片の一部には破断線で囲まれた表示部が備えられている。表示部の表面には収容物についての情報を示す表示事項が印刷されている。この包装用箱は、破断線を切断して表示部を包装用箱から取り外すことができ、表示部を取り外した後は糊付けされた側面が露出し、またこの側面と糊付片の糊付けされた状態が維持され、箱体が崩れたり大きく穴があいたりすることがなく、外観に違和感がなく、収容物を継続して包装することができる。
【0005】
特許文献3に開示されている包装用箱は、連接された複数の側面から成り、連接された側面の一方の端部には反対側の端部に位置する側面に重ねられる外側片が設けられ、外側片の端部には折罫線を介して折返片が連結されている。折返片には接着剤が配されており、折返片を折罫線で折って接着剤を内側の側面側に向ける。この状態で外側片と側面を貼り合わせると、外側片と側面との間に介在する折返片が、側面の表面に貼り合わされる。これにより、外側片と側面による二重構造が完成する。外側片の一部には破断線で囲まれた表示部が備えられ、表示部の表面には収容物についての情報を示す表示事項が印刷されている。この包装用箱は、破断線を切断して表示部を包装用箱から取り外すことができ、表示部を取り外した後は糊付けされた側面が露出し、またこの側面と折返片の糊付けされた状態が維持され、箱体が崩れたり大きく穴があいたりすることがなく、外観に違和感がなく、収容物を継続して包装することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記背景技術の場合、特許文献1は表示部を側面から取り外した後に大きく穴が開くため、収容物を継続して包装することができなかった。一方、特許文献2、特許文献3は表示部を取り外した後に糊付けされた側面が露出し、箱体が崩れたり大きく穴があいたりすることがなく、収容物を継続して包装することができる。しかし、表示部の裏側に二重構造とするために、箱体を形成する4個の側面と、表示部を有する大きい糊付片または外側面が必要であり、組立工程が面倒なものである。さらに、二重構造を持たない通常の箱体の組立工程では製造することができず、製造ラインを変更する必要があり、手間がかかるものである。また、ワンタッチで組み立てられる底構造を有する箱体には利用できないものである。
【0008】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で簡単な組立工程で作ることができ、収容物を説明する表示事項が設けられた表示部を容易に取り外して在庫の管理等に利用することができ、表示部を取り外した後も継続して収容物を包装することができる
包装用箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片からなり、前記箱体形成片には、互いに平行に連接され筒体に組み立てられる側面と、前記側面の一つに連接され反対側の端部の裏面に重ねて糊付けされる糊付片と、前記糊付片とは反対側の端部に位置する前記側面の内側に設けられ破断線で囲まれて前記側面のその他の部分と区切られて切り取り可能な表示部と、前記表示部が設けられた前記側面の連接方向の端部に折罫線で区切られて設けられた折返片が設けられている包装用箱である。前記表示部の側縁部は前記折罫線に接し、前記表示部を囲む破断線の一部は前記折罫線上に位置し、前記折罫線に一致する側縁部は前記表示部を外すときの摘み部となる。前記折返片は、前記折罫線で、前記表示部が設けられた前記側面に折り返され、前記表示部以外の部分に対向する位置に糊が塗布されて糊付けされ、前記糊付片に前記折返片が糊付けされて箱体となるものである。
【0010】
前記表示部には、分割用の破断線が設けられているものでも良い。また、前記折返片と前記表示部の間に設けられた前記折罫線上に、スリットが開口して設けられ、前記表示部の前記側縁部は前記スリットの周縁部に連続し、前記スリットの周縁部に位置する前記側縁部は前記表示部を外すときの
前記摘み部となる。
【0011】
前記包装用箱の底部は、互いに平行な一対の側面に各々連接して設けられている底蓋片と、前記底蓋片が設けられた前記側面と略90°に位置する一対の側面に各々連接して設けられているフラップで形成され、隣接する前記底蓋片と前記フラップが糊付けされ、組立工程で各側面を筒状に引き起こす時に前記底部がワンタッチで形成されるものである。前記表示部が設けられた前記側面には、前記フラップの一方が連接して設けられている。
【0012】
前記包装用箱の側面両端の上部と底部は、内蓋片と外蓋片により封止されるシールエンド型に形成され、上部側の内蓋片の端部に差込片が延設され、前記
外蓋片が設けられた前記側面には、前記
外蓋片を分離する開封用破断線が設けられ、前記開封用破断線を破って開封後、前記差込片により再封可能に設けられているものでも良い。
【0013】
本発明
の包装用箱は、前記折返片に糊を塗布して、前記折返片を前記表示部が設けられた前記側面の裏面に折り返して糊付けし、前記糊付片に糊を塗布して前記箱体形成片を三つ折りして、前記糊付片を、前記表示部が設けられた前記側面の裏面に糊付けされた前記折返片に糊付け
して組み立てる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の
包装用箱は、簡単な構造で簡単な組立工程で作ることができ、収容物を説明する表示事項が設けられた表示部を設けることができ、表示部を簡単に取り外して、在庫の管理等に利用することができる。表示部の裏側は二重構造であり、表示部を取り外した後は箱体が崩れたり大きく穴があいたりすることがなく収容物を継続して包装することができる。また、二重構造を持たない通常の箱体と同じ組立方法で組み立てられ、ワンタッチで組み立てられる底構造を有する箱体にも利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜
図4はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の包装用箱10は、紙製等の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された箱体形成片12を組み立てて設けられている。
【0017】
図3は、箱体形成片12を表面から見た展開図であり、箱体形成片12は、側面14,16,18,20が、互いに平行に連接して形成されている。側面14,16,18,20は、連接方向と直交する幅方向の長さは同じ長さであり、それと直交する連接方向の長さは、側面14,18が長くて互いに等しく、側面16,20が短くて互いにほぼ等しい。側面14の側縁部には、包装用箱10の組立状態で後述する折返片32の表面に糊付けされる糊付片22が設けられている。そして、糊付片22、側面14,16,18,20は、各々折罫線24,26,28,30で区切られている。
【0018】
側面20の、側面18と反対側の側縁部には、折返片32が折罫線34で区切られて設けられている。折返片32は、側面20よりも僅かに小さい矩形である。折罫線34の中心付近には、折罫線34に沿ってスリット36が設けられている。
【0019】
側面20内には、表示部38が設けられている。表示部38は、側面20の中心付近に設けられ、折罫線30,34に接する矩形であり、折罫線30,折罫線34に対して直角に交差する一対のジッパー線40と、折罫線30上に位置し一対のジッパー線40の間に設けられた破断線42と、折罫線34上に位置するスリット36で囲まれて、側面20のその他の部分と区切られている。表示部38の、折罫線34に一致する側縁部38bは、スリット36の周縁部に連続し、表示部38を外すときの摘み部となるものである。側縁部38bは、一対のジッパー線40に交差する部分がV字状に切り欠かれている。表示部38の中心には、一対のジッパー線40に対して平行な破断線44が設けられ、破断線44は一対のジッパー線40の中心に位置し、表示部38の側縁部38bと、反対側の側縁部38aに達して、表示部38を同じ大きさの2個に区切っている。表示部38には、収容物について説明する表示事項46が印刷されている。表示事項46は、文字や記号等で形成され、破断線44で区切られた2個の表示部38に、各々必要な表示事項46が印刷されている。
【0020】
側面14の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の一対の端部には、矩形の蓋片48が折罫線50で区切られて設けられ、蓋片48の折罫線50と反対側の端部には、さらに差込片52が折罫線54で区切られて設けられている。側面14の、折罫線50と反対側の端部には、第一底蓋片56が折罫線58で区切られて設けられている。第一底蓋片56の折罫線58から折罫線58に対して平行な端部56aまでの長さは、端部56aが包装用箱10の組立状態で底面の中心線付近に位置する長さ、つまり側面16,20の半分の幅に設けられている。そして、端部56aの中心から折罫線24側の部分は、端部56aよりも外側に幅広に形成された差込片60となる。また、第一底蓋片56の側面16に近い部分には、略三角形の糊付片62が折罫線64で区切られて設けられ、折罫線64は折罫線58に対して鋭角で交差する方向に設けられている。
【0021】
側面16の、側面14の折罫線50に隣接する端部には、台形状のフラップ66が折罫線68で区切られて設けられている。また側面16の、折罫線68と反対側の端部には、略三角形状のフラップ70が折罫線72で区切られて設けられている。
【0022】
側面18の、側面16の折罫線68に隣接する端部18aは、他の部材が設けられていない。側面18の、端部18aと反対側の端部には、第二底蓋片74が折罫線76で区切られて設けられている。第二底蓋片74の折罫線76から折罫線76に対して平行な端部74aまでの長さは、端部74aが包装用箱10の組立状態で底面の中心線付近に位置する長さ、つまり側面16,20の半分の幅に設けられている。そして、端部74aの中心から折罫線28側の部分は、端部74aよりも外側に幅広に形成された差込片78となる。また、第二底蓋片74の側面20に近い部分には、略三角形の糊付片80が折罫線82で区切られて設けられ、折罫線82は折罫線76に対して鋭角で交差する方向に設けられている。
【0023】
側面20の、側面18の端部18aに隣接する端部には、台形状のフラップ84が折罫線86で区切られて設けられている。また側面20の、折罫線86と反対側の端部には、略三角形状のフラップ88が折罫線90で区切られて設けられている。
【0024】
次にこの実施形態の包装用箱10の組み立て方法について説明する。なお、ここでは
図3が包装用箱10の箱体形成片12の表面側を見たものであり、箱体形成片12の表面側が凸になる折り方を正折り、そして裏面側が凸になる折り方を逆折りとする。
【0025】
まず、折返片32の裏面に、4隅付近に糊92を各々塗布する。そして折罫線34を正折りして、折返片32を側面20の裏面に糊付けして、
図4に示す状態となる。この時、糊92は側面20の表示部38以外の部分に糊付けされる。
【0026】
そして、折罫線58,72,76,90を正折りし、さらに糊付片62の折罫線64と糊付片80の折罫線82をそれぞれ逆折りする。そして、糊付片80の裏面に糊94を塗布し、折罫線30を正折りする。これにより、糊付片80の裏面がフラップ88の表面に糊付けされる。次に、糊付片62の裏面に糊96を塗布し、糊付片22の表面に糊98を塗布し、折罫線26を正折りする。これにより、糊付片62の裏面はフラップ70の表面に糊付けされ、糊付片22の表面は側面20に折り返された折返片32の表面に糊付けされる。このようにして箱体形成片12は折り畳み状態となり、この折り畳んだ状態で出荷される。
【0027】
次に、商品を包装する工場等において立体的形状に組み立てる。まず、折罫線24,28を各々90度に正折し、糊付片22、側面14,16,18,20を四角形の筒状態にする。すると、第一底蓋片56は側面14からフラップ70とともに引き起こされて折罫線58で直角に正折りされ、同時に第二底蓋片74は側面18からフラップ88とともに引き起こされて折罫線76で直角に正折りされる。さらに第一底蓋片56の差込片60が第二底蓋片74の端部74aの裏面側に差し込まれ、第二底蓋片74の差込片78が第一底蓋片56の端部56aの裏面側に差し込まれ、互いに確実に係止されて底板を形成する。
【0028】
この状態で、商品を中に入れる。そして、折罫線68,86でフラップ66,84を90°に正折りし、その後、折罫線50で蓋片48を90°に正折し、差込片52を折罫線54で正折りし、差込片52を側面18の端部18aから側面18の裏面に差し込んで係止して、
図1に示すように包装用箱10を閉鎖する。
【0029】
次に、包装用箱10の使用方法について説明する。包装用箱10に入れられた薬剤等の商品を棚等に置いて在庫等の管理をする場合、商品である収容物の内容を表示するために、表示部38を切り離して、例えば棚のフレーム材の所定位置に差し入れる。切り離す方法は、まず、表示部38の側縁部38bに指をかけ、一対のジッパー線40を切断しながら表示部38を側面20から引き起こし、側縁部38aを破断線42で切断し、
図2に示すように表示部38が側面20から切り離される。表示部38は、破断線44で2個に区分され、表示部38を切り離してからさらに破断線44を切断して、2個にして各々異なる場所に置いて管理を行ってもよい。また表示部38を、ジッパー線40、破断線42,44で囲まれた2分の1個のみを外し、残りの半分の表示部38を側面20に残して後で使用してもよい。表示部38を切り離した後は、側面20に開口部39が形成され、開口部39に折返片32の裏面が露出して開口部39を閉鎖し、収容されている商品を継続して包装する。
【0030】
包装用箱10を開封するときは、例えば端部18aから指を入れて差込片52を引き上げて蓋片48を開く。または蓋片48の差込片52が設けられていない側縁部を持ち上げて蓋片48を開いてもよい。
【0031】
この実施形態の包装用箱10によれば、簡単な構造で簡単な組立工程で作ることができ、収容物を説明する表示事項46が設けられた表示部38を一体に設けることができる。表示部38は一対のジッパー線40と破断線42とスリット36で囲まれて側面20と区切られ、ジッパー線40と破断線42を切断して簡単に取り外し、商品棚等に貼り付けて、在庫や商品内容の管理等を行うことができる。これにより、商品管理のミスを防ぎ、特に薬剤等の商品の使用の安全性を高めることができる。表示部38は破断線44で2分割することができ、2個にして各々異なる場所に置いて管理を行ったり、2分の1個のみを外し残りの半分の表示部38を側面20に残して後で使用したりすることができ、便利である。
【0032】
その他、側面20の裏面には折返片32が糊付けされて二重構造となり、折返片32は糊付片22に糊付けされているため、表示部38を外した後に開口する開口部39に折返片32が露出して閉鎖し、大きく穴が開いたりすることがなく、また折返片32が糊付片22に糊付けされた状態が維持され、箱体が壊れたり外観に違和感が生じたりすることがなく、表示部38を外した後も収容物を継続して包装することができる。組立工程の最初に折返片32を側面20の裏面に折り返して糊付けするため、二重構造を持たない通常の箱体の箱体形成片と同じ形状となり、製造ラインの変更等の面倒な作業が不要で通常の組立方法で作ることができる。立体形状に組み立てられる時にワンタッチで底部が形成される構成を有するワンタッチ式の箱体でも、通常のワンタッチ式以外の箱体の組立方法でも作ることができる。
【0033】
表示部38の側縁部38bはスリット36の周縁部に連続し、またジッパー線40に交差する部分がV字状に切り欠かれているため摘みやすく、側面14と側面20で形成される角部に位置し、簡単に摘まんで引き起こすことができ、表示部38を簡単に取り外すことができる。表示部38は、折返片32や糊付片22と糊付けされていないため、小さい力で外すことができる。側面20の、表示部38の両脇が折返片32に糊付けされているため、折返片32が糊付けされなくて表示部38と折返片32の間に隙間が生じても安定し、他の部材に不用意に引っ掛かることがない。
【0034】
次に、この発明の第二実施形態について
図5に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱100は、紙製等の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された箱体形成片102を組み立てて設けられている。
図5は、箱体形成片102を表面から見た展開図であり、箱体形成片102は側面14,16,18,20が、互いに平行に連接して形成されている。
【0035】
側面20内には、表示部104が設けられている。表示部104は側面20の中心付近に設けられ、一方の側縁部104bが折罫線34に接し、他方の側縁部104aが折罫線30に達しない大きさの矩形であり、折罫線34に対して直角に交差する一対のジッパー線106と、一対のジッパー線106の折罫線30側の先端に連続し折罫線30に対して平行な破断線108で囲まれて、側面20のその他の部分と区切られている。表示部104の、折罫線34に一致する側縁部104bは、スリット36の周縁部に連続し、表示部104を外すときの摘み部となるものである。表示部104の中心には、一対のジッパー線106に対して平行な破断線110が設けられ、破断線110は表示部104の側縁部104bと、反対側の側縁部104aに達して、表示部104を同じ大きさの2個に区切っている。表示部104には、収容物について説明する表示事項112が印刷されている。表示事項112は、文字や記号等で形成され、破断線110で区切られた2個の表示部104に、各々必要な表示事項112が印刷されている。
【0036】
この実施形態の包装用箱100の組立方法及び使用方法は、上記実施形態と同様であり、同様の機能を有し、同様の作用効果を有する。さらに、表示部104が、側面20の幅よりも狭く形成され、表示部104を取り外した後の開口部は折返片32が露出して完全に閉鎖するため、穴が形成されることがない。上記実施形態の包装用箱10は、表示部38を取り外した開口部の折罫線30付近は折返片32の端部32aが位置してわずかに隙間が生じるが、この実施形態の包装用箱100は表示部104が折罫線30に達しない小形であるため、隙間がなく、完全に閉鎖されるものである。
【0037】
次に、この発明の第三実施形態について
図6に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱114は、紙製等の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された箱体形成片116を組み立てて設けられている。
図6は、箱体形成片116を表面から見た展開図であり、箱体形成片116は側面14,16,18,20が、互いに平行に連接して形成されている。
【0038】
側面20内には、表示部118が設けられている。表示部118は側面20のフラップ88に隣接する部分に設けられ、折罫線30,34に接する矩形であり、フラップ88との間の折罫線90上に設けられているジッパー線122と、ジッパー線122に連続し折罫線30上に位置する破断線124と、折罫線34上に位置する破断線126と、破断線124,126に対して直角に連続して側面20を横断するジッパー線120とで囲まれて、側面20のその他の部分と区切られている。ジッパー線122と破断線126が交差する部分は、面取りされるように直線の切断線128で連結され、切断線128は表示部118を外すときに押して手がかりとし、表示部118の切断線128付近の側縁部118aは摘み部となる。表示部118の中心には、一対のジッパー線120,122に対して平行な破断線130が設けられ、表示部118を同じ大きさの2個に区切っている。表示部118には、収容物について説明する表示事項132が印刷されている。表示事項132は、文字や記号等で形成され、破断線130で区切られた2個の表示部118に、各々必要な表示事項132が印刷されている。
【0039】
包装用箱114の箱体形成片116の組み立て方法について説明する。折返片32の裏面に、隣接する側面20bの折罫線90よりも折罫線86に近い約半分の面積に糊134を塗布する。糊134は、折罫線34に対して平行な2本の直線状に塗布され、糊134の折罫線90に近い端部は、側面20の表示部118よりも折罫線86に近い位置にする。そして折罫線34を正折りして折返片32を側面20の裏面に糊付けする。このとき、糊134は側面20の表示部118以外の部分に糊付けされる。これ以降の組立方法は、上記各実施形態と同様である。
【0040】
この実施形態の包装用箱114の使用方法は上記各実施形態と同様であり、同様の機能を有し、同様の作用効果を有する。さらに、表示部118の側縁部118bに切断線128が設けられているため、表示部118を取り外す時に側縁部118bの角部が摘みやすくなり、簡単に摘まんで引き起こして表示部118を簡単に取り外すことができる。表示部118は、側面20の折罫線90に隣接して設けられているため、側面20の広い部分で長く塗布された糊134により折返片32に糊付けされているため、表示部118を取り外した後に箱体が壊れたり大きく穴が開いたりすることがなく、収容物を継続して包装することができる。
【0041】
次に、この発明の第四実施形態について
図7〜
図9に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の包装用箱136は、再封可能なシールエンドカートン型の包装用箱であり、紙製等の一枚のブランクシートを打ち抜いて形成された箱体形成片138を組み立てて設けられている。
図9は、箱体形成片138を表面から見た展開図であり、箱体形成片138は、側面14,16,18,20が、互いに平行に連接して形成されている。
【0042】
側面20内には、第二実施形態の包装用箱100と同様に、表示部104が設けられている。表示部104は側面20の中心付近に設けられ、一方の側縁部104bが折罫線34に接し、他方の側縁部104aが折罫線30に達しない大きさの矩形であり、折罫線34に対して直角に交差する一対のジッパー線106と、一対のジッパー線106の折罫線30側の先端に連続し折罫線30に対して平行な破断線108で囲まれて、側面20のその他の部分と区切られている。表示部104の、折罫線34に一致する側縁部104bは、スリット36の周縁部に連続し、表示部104を外すときの摘み部となるものである。表示部104の中心には、一対のジッパー線106に対して平行な破断線110が設けられ、破断線110は表示部104の側縁部104bと、反対側の側縁部104aに達して、表示部104を同じ大きさの2個に区切っている。表示部104には、収容物について説明する表示事項112が印刷されている。表示事項112は、文字や記号等で形成され、破断線110で区切られた2個の表示部104に、各々必要な表示事項112が印刷されている。
【0043】
側面14の、側面同士の連接方向に対して直角な方向の一方の端部には、矩形の内上蓋片140が折罫線142で区切られて設けられ、内上蓋片140の折罫線142と反対側の端部には、さらに差込片144が折罫線146で区切られて設けられている。側面20の、折罫線142と反対側の端部には、矩形の内底蓋片148が折罫線150で区切られて設けられている。
【0044】
側面16の、側面14の折罫線142に隣接する端部には、矩形のフラップ152が折罫線154で区切られて設けられている。側面16の、折罫線154と反対側の端部には、矩形のフラップ156が折罫線158で区切られて設けられている。
【0045】
側面18の、側面16の折罫線154に隣接する端部には、内上蓋片140よりも少し小さい台形の外上蓋片160が折罫線162で区切られて設けられている。折罫線162には開封用破断線164が設けられ、開封用破断線164は折罫線28,30に隣接する両側部分は折罫線162に一致し、中心部分は側面18の中心に向ってコの字形に膨出して折罫線162から離れて設けられている。側面18の、折罫線162と反対側の端部には、台形状の外底蓋片166が折罫線168で区切られて設けられている。
【0046】
側面20の、側面18の折罫線162に隣接する端部には、矩形のフラップ170が折罫線172で区切られて設けられている。側面20の、折罫線172と反対側の端部には、矩形のフラップ174が折罫線176で区切られて設けられている。なお、折罫線30,176には、廃棄用の破断線が設けられている。
【0047】
次に、この実施形態の包装用箱136の組み立て方法の一例について説明する。なお、ここでは
図9が包装用箱136の箱体形成片138の表面を見たものであり、箱体形成片138の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0048】
まず、折返片32の裏面に、側面同士の連接方向に対して直角な方向の両端部付近に糊178を各々塗布する。そして、折罫線34を正折りして、折返片32を側面20の裏面に糊付けする。この時、糊178は側面20の表示部104以外の部分に糊付けされる。そして、糊付片22の表面に糊180を塗布し、折罫線26を正折りし、折罫線30を正折りする。これにより、糊付片22の表面は側面20に折り返された折返片32の表面に糊付けされ、箱体形成片138は折り畳み状態となり、この折り畳んだ状態で出荷される。
【0049】
次に、商品を包装する工場等において立体的形状に組み立てる。まず、折罫線24,26,28,30を各々90°に正折りして四角形の箱体にする。箱体の一方の端部の折罫線158,176でフラップ156,174を90°に正折りし、折罫線150で内底蓋片148を90°に正折りする。その後、外底蓋片166の裏面に糊182を塗布し、糊182は、外底蓋片166の折罫線168と反対側の端部に沿って直線状に塗布する。そして、折罫線168を90°に正折りする。これにより外底蓋片166の裏面は内底蓋片148の表面に糊付けされ、底板を形成する。
【0050】
この状態で、商品を中に入れる。そして、折罫線154,172でフラップ152,170を90°に正折りし、折罫線142で内上蓋片140を90°に正折りし、さらに差込片144を折罫線146で正折りして側面18の裏面に差し込んで係止する。その後、外上蓋片160の裏面に糊184を塗布し、糊184は、外上蓋片160の折罫線162と反対側の端部に沿って直線状に塗布する。そして、折罫線162を90°に正折りする。これにより外上蓋片160の裏面は内上蓋片140の表面に糊付けされ、蓋部を形成し、
図7に示すように包装用箱136を閉鎖する。
【0051】
次に、包装用箱136の開封方法について説明する。包装用箱136を開封する時は、側面18の開封用破断線164の内側を押し、側面18と外上蓋片160を切断する。そして側面18から分割された外上蓋片160を上に持ちあげる。開封用破断線164の内側を押す時、側面18の裏面に差し込まれている差込片144も押し込まれて側面18との係合が解除され、外上蓋片160を持ち上げる時外上蓋片160に糊付けされた内上蓋片140も持ち上がり、
図8に示すように開封され、中の商品を取り出すことができる。商品の一部を使用した後に、残りの商品を再び包装用箱136に入れて保管するときは、折罫線142で内上蓋片140を90°に正折りし、さらに差込片144を折罫線146で正折りして側面18の裏面に差し込んで係止し、再封することができる。
【0052】
この実施形態の包装用箱136の使用方法は上記各実施形態と同様であり、同様の機能を有し、同様の作用効果を有し、
図8に示すように表示部104を切り離して使用することができる。さらに、確実に開口部を封止することができ、開封する時は簡単に開けることができる。また再封機能を有し、商品の一部を再び保管することができ便利である。
【0053】
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、各側面や表示部の、大きさや形状など自由に変更可能であり、箱体の底部の構造等も自由に変更可能でありワンタッチ式以外の底部の箱体にも使用することができる。側面の内側の、表示部の位置は自由に変更可能であり、折返片のスリットはあってもなくてもよい。表示部を囲む各ジッパー線は、ミシン目状の破断線や、ブランクシートの厚みの半分を切断した半切り線等でもよく、円滑に切断できるものであればよい。折返片と側面の間の折罫線は、半切り線でもよい。折返片に塗布する糊の形状は自由に変更可能であり、折り返したときに表示部に付かないものであればよい。また、表示部は分割できるものでも、出来ないものでもよく、表示部を切り取った後に見える面に、必要な印刷が入ったものでもよい。