(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャリアフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)及びポリエチレン(PE;polyethylene)のうちの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々な相異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付けるようにする。
【0028】
また、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたところに限定されるものではない。
【0029】
図面で様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分の“直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合をも含む。
【0030】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”というとき、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書全体で、“〜上に”というのは対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0031】
以下、
図1乃至
図5を参照して本発明の一実施形態による表示装置を説明する。
図1は本発明の一実施形態による表示装置の断面図であり、
図2は本発明の一実施形態による保護フィルムの断面図であり、
図3は本発明の一実施形態によるキャリアフィルム及び粘着剤層の斜視図であり、
図4は本発明の一実施形態による表示装置の回路図であり、
図5は本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
【0032】
まず、
図1を参照すれば、表示装置は画像を表示する表示パネル100、例えば有機発光表示パネル、そして表示パネル100の下に付着されている下部保護フィルム10を含む。
【0033】
図1及び
図2を参照すれば、保護フィルム10はキャリア(carrier)フィルム11と、粘着剤層12及び離型フィルム(liner)14を含む。
【0034】
キャリアフィルム11はポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;polyethylene naphthalate)、ポリエチレンスルフィド(PES;polyethylene sulfide)、ポリエチレン(PE;polyethylene)のうちの少なくともいずれか一つの物質を含んでもよい。
【0035】
キャリアフィルム11は25マイクロメートル(μm)乃至300マイクロメートル(μm)の厚さを有してもよい。キャリアフィルム11の厚さが25μmより小さい場合には、薄すぎて有機発光表示装置の下部を保護する下部保護フィルムの役割を果たしにくく、キャリアフィルム11の厚さが300μmより大きい場合には、表示装置用下部保護フィルムが有機発光表示装置に付着される場合に有機発光表示装置の厚さが不必要に増加することがある。
【0036】
キャリアフィルム11は所定の処理によってフィルムの一面が疎水性領域と親水性領域とを含むようにしてもよい。本明細書ではキャリアフィルム11の一面が疎水性と親水性とを有するためにプラズマ処理される構成のみを図示及び叙述したが、これに制限されず、他の適切な方法を用いてもよい。また、本発明の一例として、キャリアフィルム11は親水性領域及び疎水性領域にのみ分離しているが、別個の領域に区分できる他の物性を用いて2個以上の領域に区分されてもよい。
【0037】
粘着剤層12が位置するキャリアフィルム11の一面は疎水性及び親水性の性質の双方を有し、後述する粘着剤層12は疎水性と親水性のうちのいずれか一つに該当する領域に配置してもよい。キャリアフィルム11の一面は表示パネル100と対向する面である。
【0038】
粘着剤層12は、表示パネルに付着される工程を行う間、付着性が維持されなければならず、セルカッティング工程が完了すると剥がされるので、粘着剤層12の粘着力については、上限及び下限の範囲がある。
【0039】
具体的に、下部保護フィルム10は表示基板に永久的に付着されていなければならないので、粘着剤層12は強い粘着力を有する。つまり、製造工程を行う間に下部保護フィルム10が剥がれたり、取れてしまってはならないので、粘着剤層12はアクリル(Acryl)系列の強粘着フィルムであってもよく、粘着剤層12の粘着力は被着材がステンレス鋼(steel use stainless、SUS)である場合に500gf/inch以上であってもよい。
【0040】
粘着剤層12はステンレス鋼(SUS;steel use stainless)が被着剤である場合、1乃至500gf/inchの粘着力を有してもよい。粘着剤層12が工程を行う間に付着性を維持するために、少なくとも1gf/inchの粘着力を有する。粘着力が500gf/inchを超過する場合、工程進行中に保護フィルム10が剥がれる現象、外郭部が取れる現象が生じたり、また、保護フィルム10の除去時に薄膜封止層40が損傷(表面剥離など)したりするかもしれない。
【0041】
一方、粘着剤層12はポリエチレンテレフタレート(PET;polyethylene terephthalate)が被着剤である場合に3.7乃至8.4gf/inchの粘着力を有してもよい。
【0042】
粘着剤層12の反発抵抗(Repulsion Resistance)を向上させて、下部保護フィルム10が曲がる条件でも有機発光表示パネル100の表示基板20と下部保護フィルム10が互いに分離されないようにしてもよい。
【0043】
本発明の一実施形態による粘着剤層12は非連続的な形態でキャリアフィルム11の上に配置してもよい。具体的に、
図2及び
図3に示されているように、粘着剤層は相互に離隔した複数の粘着剤を含んでもよい。
【0044】
複数の粘着剤は一例として断面が円形であってもよく、全体的な粘着剤層12の断面や平面はエンボス形状であってもよい。複数の粘着剤が離隔しながら凹凸形状を有する場合、単一面を有する粘着剤に比べて可撓性が優れるためである。しかし、複数の粘着剤の形状はこれに制限されず、相互に離隔しながらキャリアフィルムと離型フィルムの間に位置する複数の粘着剤は、いかなる形状であってもよい。
【0045】
複数の粘着剤のうちの隣接した粘着剤は同一又は類似の間隔を有して離隔しており、同一又は類似の厚さや形状などを有してもよい。しかし、複数の粘着剤はそれぞれ相異なる大きさ及び相異なる間隔を有してもよい。複数の粘着剤の間の間隔及び相対的な大きさなどは、表示装置が可撓性を有するように、保護フィルム10が必要な物性を有するように調節してもよい。
【0046】
一方、複数の粘着剤によって離隔した空間は大きさ及び間隔が相互に同一又は類似しており、例えば複数の粘着剤は同一又は類似な間隔で離隔されてもよい。このような離隔した空間を通じてキャリアフィルム11に加えられる衝撃が吸収される。比較例として、離隔した空間がなかった保護フィルム10によればキャリアフィルム11などに衝撃が加えられる場合、衝撃が粘着剤層12にもそのまま伝達され、これは再び表示パネル100にまで衝撃を伝達する。
【0047】
しかし、本発明の実施形態によれば、保護フィルムは離隔された空間を含み、キャリアフィルム11などに衝撃が伝達されるとしても、離隔された空間が衝撃を吸収し、弱めることができるので、表示パネル100に衝撃を伝達することが防止できる。
【0048】
粘着剤は
図1乃至
図3に示された形状を有するのに適したいずれの方法で形成してもよく、一例として粘着剤層12はキャリアフィルム11の疎水性を有するように処理された領域及び親水性を有するように処理された領域のうちのいずれか一つに配置してもよい。特に、一例として親水性を有するように処理された領域に配置してもよい。このように親水性または疎水性を有する一つの領域にのみ位置するようにする場合、
図3に示されているように、離隔した複数の粘着剤を形成してもよい。疎水性や親水性などの物性を有する複数の領域を通じて複数の粘着剤はいずれか一つの領域にのみ配置してもよい。
【0049】
または、粘着剤層12が前述のような形状を有するために粘着剤を塗布する噴射ユニットの種類を変更してもよい。後述する
図7に示された非連続的な噴射ノズルを通じて粘着剤を塗布する場合、表面処理をせずに離隔した複数の粘着剤を形成してもよい。このように噴射ユニットを用いて粘着剤層12を離隔した形状に形成する場合にもキャリアフィルム11の表面処理が不必要なこともある。
【0050】
キャリアフィルム11の上に全般的に位置する粘着剤層の代わりに、本発明の一実施形態のように非連続的に離隔していながら円形を有する粘着剤層12を含む保護フィルム10によれば、保護フィルム10に付着された表示装置の可撓性が向上する。したがって、多様な曲率半径を有する表示装置の提供が可能である。
【0051】
さらに、保護フィルム10による保護強度が向上し、表示パネル100に及ぼす衝撃を減少させることができる。キャリアフィルム11の他面で衝撃が加わる場合、離隔した粘着剤の間に衝撃が吸収され、表示パネル100自体に加わる衝撃を減少させることができる。
【0052】
離型フィルム14は粘着剤層12の汚染及び外部接触を防止するための保護層である。離型フィルム14は保護フィルム10が表示パネルに付着される前には粘着剤層12の上に位置し、その後表示パネル100に保護フィルム10が付着されるために除去され、粘着剤層12が表示パネルに付着されてもよい。
【0053】
このような下部保護フィルム10は、離型フィルム14が脱去された後、有機発光表示パネル100の表示基板20の下に付着され、具体的には下部保護フィルム10の粘着剤層12が表示基板20と付着される。
【0054】
このように、表示基板20の下に下部保護フィルム10を付着することによって表示基板20が外部と直接的な物理的接触をすることができないので表示基板20の物理的損傷を防止することができ、有機発光表示装置のハンドリング(handling)もより容易になる。
【0055】
次に、
図1を参照すれば、有機発光表示パネル100は表示基板20、表示基板の上に形成されている有機発光素子30、有機発光素子を覆っている薄膜封止層40及び薄膜封止層の上に付着されている上部保護フィルム50を含む。
【0056】
表示基板20は透明な基板であって高分子フィルムのようなフレキシブル(flexible)基板であってもよい。
【0057】
有機発光素子30は複数の信号線121、171、172とこれらに接続されている画素(pixel)PXを含む。
図4を参照すれば、画素PXは赤色画素R、緑色画素G及び青色画素Bのうちのいずれか一つであってもよい。信号線はゲート信号(または走査信号)を伝達する走査信号線(scanning signal line)121、データ信号を伝達するデータ線(data line)171、駆動電圧を伝達する駆動電圧線(driving voltage line)172などを含む。走査信号線121はほぼ行方向に伸びており互いがほぼ平行し、データ線171はほぼ列方向に伸びており互いがほぼ平行する。駆動電圧線172はほぼ列方向に伸びているものと示されているが、行方向または列方向に伸びるか網状に形成してもよい。
【0058】
一画素PXはスイッチングトランジスタ(switching transistor)Qs及び駆動トランジスタ(driving transistor)Qdを含む薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタ(storage capacitor)Cst及び有機発光素子(organic light emitting element)LDを含む。
【0059】
スイッチングトランジスタQsは制御端子(control terminal)N1、入力端子(input terminal)N2及び出力端子(output terminal)N5を有し、制御端子N1は走査信号線121に接続されており、入力端子N2はデータ線171に接続されており、N3は駆動トランジスタQdに接続されている。スイッチングトランジスタQsは走査信号線121から受けた走査信号に応答してデータ線171から受けたデータ信号を駆動トランジスタQdに伝達する。
【0060】
駆動トランジスタQdも制御端子N3、入力端子N4及び出力端子N5を有し、制御端子N3はスイッチングトランジスタQsに接続されており、入力端子N4は駆動電圧線172に接続されており、出力端子N5は有機発光素子LDに接続されている。駆動トランジスタQdは制御端子N3と出力端子N5の間にかかる電圧によってその大きさが変わる出力電流I
LDを流す。
【0061】
キャパシタCstは駆動トランジスタQdの制御端子N3と入力端子N4の間に接続されている。このキャパシタCstは駆動トランジスタQdの制御端子N3に印加されるデータ信号を充電しスイッチングトランジスタQsがターンオフ(turn−off)された後にもこれを維持する。
【0062】
有機発光素子LDは例えば、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)であって、駆動トランジスタQdの出力端子N5に接続されているアノード(anode)と共通電圧Vssに接続されているカソード(cathode)を有する。有機発光素子LDは駆動トランジスタQdの出力電流I
LDによって強さを異にして発光することによって映像を表示する。有機発光素子LDは赤色、緑色、青色の三原色など基本色(primary color)のうちのいずれか一つまたは一つ以上の光を固有に出す有機物質を含んでもよく、有機発光表示装置はこれら色の空間的な合成で所望の映像を表示する。
【0063】
スイッチングトランジスタQs及び駆動トランジスタQdはn−チャンネル電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)であってもよいが、これらのうちの少なくとも一つがp−チャンネル電界効果トランジスタであってもよい。また、トランジスタQs、Qd、キャパシタCst及び有機発光素子LDの接続関係は様々に変更してもよい。
【0064】
薄膜封止層40は表示基板20と対向し、外部から酸素及び水分が流入することを防止して有機発光素子30を保護する。
【0065】
薄膜封止層40は薄い厚さの薄膜であって、外部の傷や工程進行中に発生する異物によって押されたり、またはスクラッチ(scratch)されたりすることで、損傷が発生しやすい。これはディスプレイ上の暗点などの欠陥として示される。
【0066】
薄膜封止層40の上に位置する上部保護フィルム50は偏光フィルムのような機能性フィルムであってもよい。偏光フィルムは偏光フィルムが有する偏光軸と同一の軸方向の光は通過させ、異なる軸方向の光は吸収する。つまり、偏光フィルムを通過した光は線偏光される。偏光フイルムとしては多様な種類の偏光フィルムを用いることができる。一例として、TAC(tri−acetate cellulose)及びポリビニルアルコール(poly vinyl alcohol)などを含む偏光フィルムであってもよい。一方、薄膜封止層40の損傷を防止するために、薄膜封止層40の上に上部保護フィルム50を付着する。この時、上部保護フィルム50は、前述の偏光フィルムとは異なり、下部保護フィルム10と同様に、キャリアフィルム、粘着剤層及び離型フィルムを含んでもよい。
【0067】
このように、製造工程進行中に上部保護フィルム50は薄膜封止層40を保護するため製造工程進行上の制約を無くすことができる。しかし、上部保護フィルム50による保護は製造工程進行中における保護に限られるものではない。
【0068】
図5を参照すれば、本発明の一実施形態による表示装置の概略図が示されている。保護フィルム100は離型フィルム14が除去された後、粘着剤層12を通じて表示パネルと付着されている。この時、可撓的な表示パネル及び保護フィルム100は
図5に示されているように一体型に構成される粘着剤層を含む場合に比べて大きい曲率半径で曲げられてもよい。したがって使用者または製造会社の要求によって適切な曲率半径を有する表示装置を提供することが可能である。
【0069】
以下、本発明の一実施形態による保護フィルムの製造方法を
図6乃至
図8を参照して詳細に説明する。
図6は本発明の一実施形態による保護フィルムの製造工程に対する概略図であり、
図7乃至
図8は本発明の一実施形態による噴射ユニットの断面図である。
【0070】
まず、キャリアフィルム11を準備する。キャリアフィルム11はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、ポリエチレンスルフィド(polyethylene sulfide、PES)、ポリエチレン(polyethylene、PE)の中で選択された少なくともいずれか一つの物質を含んでもよい。
【0071】
このようなキャリアフィルム11の厚さは25μm乃至300μmであってもよい。キャリアフィルム11の厚さが25μmより小さい場合には薄すぎて有機発光表示装置の下部を保護する下部保護フィルムの役割を果たしにくく、キャリアフィルム11の厚さが300μmより大きい場合に表示装置用下部保護フィルムが有機発光表示装置に付着される場合、有機発光表示装置が可撓性を有しにくくなる。
【0072】
キャリアフィルムを準備する段階では、
図6に示されているようにキャリアフィルムの一面を親水処理された領域と疎水処理された領域とに処理する表面処理ユニット210を通じて処理する段階を含んでもよい。これは粘着剤層12を形成する粘着剤がキャリアフィルム11上に選択的に位置するようにするためである。本明細書は表面処理を通じて親水性領域と疎水性領域とに区分する実施形態のみを説明したが、これに制限されず、望まれる物性によって別個の領域に分けるいかなる実施形態を用いてもよい。
【0073】
一例として粘着剤が親水性である場合、キャリアフィルム11上に粘着剤が位置する領域を親水処理し、粘着剤が位置しない領域は疎水処理する。これとは反対に、粘着剤が疎水性である場合、キャリアフィルム11上に粘着剤が位置する領域を疎水処理し、粘着剤が位置しない領域は親水処理する。
【0074】
このようにキャリアフィルム11の一部は親水処理し他の一部は疎水処理するために公知のいかなる方法も用いてもよく、一例として
図6に示されているようにマスクを使用するプラズマ表面処理ユニット210を用いてもよい。
【0075】
次に、キャリアフィルム11の一面に噴射ユニット220を用いて粘着剤を塗布する。この時、粘着剤が親水性である場合にはキャリアフィルム11の親水処理された領域にのみ位置してもよく、粘着剤が疎水性である場合にはキャリアフィルム11の疎水処理された領域にのみ位置してもよい。したがって、粘着剤はキャリアフィルム11の一面の中でも部分的(非連続的)に位置する。
【0076】
本発明の一例として
図6は粘着剤が部分的に位置する粘着剤層12を形成するためにキャリアフィルム11の一面をプラズマ処理する方法のみを示したが、これに制限されずキャリアフィルム11の一面を特別な処理せず、所望の形態に粘着剤を塗布する方法を含んでもよい。
【0077】
図7及び
図8を参照すれば、
図7はプラズマ処理などによってキャリアフィルム11の一面を表面処理する場合に使用する粘着剤の噴射ユニット220である。
図7に示された噴射ユニット220は部分的又は非連続的な粘着剤の噴射が不可能なノズル221を含み、この場合にはキャリアフィルム11の表面処理を通じて粘着剤が部分的に位置させる。
【0078】
反面、
図8に示された噴射ユニット220は粘着剤を部分的又は非連続的に噴射できるノズル222を含み、特別な表面処理をしなくても
図2や
図3に示された非連続的な形状を有する粘着剤を塗布することが可能である。つまり、噴射ユニット220の適切な選択を通じて所望の形状の粘着剤層12を形成することが可能である。
【0079】
整理すると、エンボス形状でありながら非連続的に位置する粘着剤層12を形成するためにはキャリアフィルム11の表面処理または粘着剤塗布方法自体の調整などによることができるが、叙述された方法に制限されずいかなる適切な方法を使用してもよい。
【0080】
次に、塗布された粘着剤層を硬化ユニット230を通じて硬化させ、前記硬化された粘着剤層の上に離型フィルム14を形成する付着ユニット240を通じて離型フィルム14を含む保護フィルムを形成してもよい。
【0081】
以下、前述の保護フィルム10を含む有機発光表示装置の製造方法を説明する。
【0082】
まず、支持部材(図示せず)の上に有機発光表示パネル100を形成する。支持部材(図示せず)は有機発光表示パネル100を取り扱いが容易なように支持するためのものである。有機発光表示パネル100は基板20、基板上に形成されている有機発光素子30、有機発光素子30を覆っている薄膜封止層40及び薄膜封止層40の上に付着されている上部保護フィルム50を含む。
【0083】
薄膜封止層40の上に位置する上部保護フィルム50は偏光フィルムのような機能性フィルムであってもよい。しかし、これに制限されず、前述の偏光フィルムとは異なり、下部保護フィルム10と同様に、キャリアフィルム、粘着剤層及び離型フィルムを含んでもよい。
【0084】
次に、有機発光表示パネル100から支持部材(図示せず)を脱去する。この時、有機発光表示パネル100と支持部材(図示せず)との間の摩擦によって有機発光表示パネル100に静電気が発生することがある。
【0085】
次に、本発明の一実施形態による下部保護フィルム10を準備する。下部保護フィルム10はキャリアフィルム11、キャリアフィルム11の上に形成されている粘着剤層12、粘着剤層12の上に付着されており粘着剤層12の固着化を防止する離型フィルム14を含む。
【0086】
離型フィルム14は粘着剤層12の汚染及び外部接触を防止するための保護層であって、下部保護フィルム10が有機発光表示パネル100の基板20の下に付着される前に除去され、粘着剤層12が基板20の下に容易に付着されるようにする。
【0087】
強粘着フィルムである粘着剤層12によって離型フィルム14の脱去時に離型フィルム14は物理的な力によって損傷することがある。それゆえ、離型フィルム14の内側面にシリコン(Silicone)を0.1μm乃至2μmの厚さで例えばグラビア(Gravure)コーティング方法を用いてコーティングし離型フィルム14の脱去工程を容易に行ってもよい。
【0088】
次に、下部保護フィルム10から離型フィルム14を脱去し、有機発光表示パネル100の下に下部保護フィルム10を付着する。このような下部保護フィルム10は有機発光表示パネル100の基板20の下に付着される。
【0089】
次に、カッターを用いて有機発光表示パネル100及び下部保護フィルム10をカッティングして複数の有機発光装置に分離する。
【0090】
このように完成された有機発光装置は非連続的に形成された粘着剤層を含み、このような粘着剤層は有機発光装置の可撓性を向上させ、適切な曲率半径を有するようにすることができる。
【0091】
以上で本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態をも本発明の権利範囲に属する。