特許第6522320号(P6522320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522320
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】方向切換弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/07 20060101AFI20190520BHJP
   F15B 11/00 20060101ALI20190520BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   F16K11/07 Z
   F15B11/00 D
   F16K27/00 D
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-229228(P2014-229228)
(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公開番号】特開2016-90033(P2016-90033A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 仁
(72)【発明者】
【氏名】阿部 明紀
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−042803(JP,A)
【文献】 特開2006−308073(JP,A)
【文献】 特表2007−501914(JP,A)
【文献】 特開2004−138170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00 − 11/22
F16K 11/00 − 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁本体に形成されたスプール孔と、
前記スプール孔に開口し、第1ポンプに接続される第1アンロード通路と、
前記スプール孔に開口し、第2ポンプに接続される第2アンロード通路と、
タンクに接続されるタンク通路と、
アクチュエータに接続されるアクチュエータ通路と、
前記第1アンロード通路に前記弁本体の外部または内部で接続され、前記第1ポンプが吐出する流体を前記アクチュエータに供給する第1供給通路と、
前記第2アンロード通路に前記弁本体の外部または内部で接続され、前記第2ポンプが吐出する流体を前記アクチュエータに供給する第2供給通路と、
前記第1供給通路及び前記第2供給通路に接続されるとともに、前記アクチュエータ通路に接続され、前記第1ポンプ及び前記第2ポンプが吐出する流体を前記アクチュエータに供給する第3供給通路と、
前記スプール孔に挿入され、前記第1供給通路または前記第2供給通路と前記アクチュエータ通路との前記第3供給通路を介した接続を切り換え、前記タンク通路と前記アクチュエータ通路との接続を切り換えるスプールと、
を備え、
前記第1アンロード通路と前記第2アンロード通路とは、前記スプールの軸方向に隣り合うように配置される、
ことを特徴とする方向切換弁。
【請求項2】
前記第1アンロード通路は、前記スプール孔よりも上流側に位置する上流側第1アンロード通路と、前記スプール孔よりも下流側に位置する下流側第1アンロード通路と、を備え、
前記第2アンロード通路は、前記スプール孔よりも上流側に位置する上流側第2アンロード通路と、前記スプール孔よりも下流側に位置する下流側第2アンロード通路と、を備え、
前記上流側第1アンロード通路と、前記上流側第2アンロード通路とが、前記スプールの軸方向に隣り合うように配置される、請求項1に記載の方向切換弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、従来の方向切換弁が記載されている。同文献の段落[0002]には次の記載がある(同文献の図3図4参照)。「切換バルブは、バルブボディ(100)に形成されたスプール孔(2)に、スプール(3)が摺動自在に組み込まれている」。「このスプール(3)を、図中、左あるいは右に移動させ、後で説明する通路を切り換える構成にしている」。また、同文献の段落[0003]には次の記載がある。「バルブボディ(100)には、・・・複数の通路が形成されている」。「上記アクチュエータポート(8,9)と連通するアクチュエータ通路(10,11)、タンクに接続されたタンク通路(12)、油圧ポンプに接続されたポンプ通路(13)、・・・が、バルブボディ(100)に形成されている」。なお、同文献に記載の符号には括弧を付した(特許文献2についても同様)。
【0003】
特許文献2(同文献の図1参照)には、油圧回路が記載されている。この油圧回路は、ポンプ(5)からアクチュエータ(2、3、4)に油を供給し、アクチュエータ(2、3、4)から排出された油をタンク(14)に戻すように構成される。この油圧回路には、アンロード通路(アンロード通路(13)、上流側アンロード通路(23)、下流側アンロード通路(24))がある。アンロード通路(13、23、24)は、例えば、ポンプ(5)が吐出した油のうち、アクチュエータ(2、3、4)に供給されない油をタンク(14)に戻すための通路である。同文献の図3に記載のように、アンロード通路(13、23、24)は、方向切換弁(11)に設けられる(同文献の段落[0012]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−238291号公報
【特許文献2】特開2004−138170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2の図1に記載の油圧回路では、1つのポンプ(5)に、1本のアンロード通路(13、23、24)が接続されている。一方、異なるポンプそれぞれに、アンロード通路(合計2本)が接続される場合がある。この場合、方向切換弁のアンロード通路を適切に配置しなければ、方向切換弁の弁本体が大型化するおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、異なるポンプに接続される2本のアンロード通路を備える構成であっても、スプールの軸方向に弁本体が長くなることを抑制できる、方向切換弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の方向切換弁は、弁本体に形成されたスプール孔と、第1アンロード通路と、第2アンロード通路と、タンク通路と、第1供給通路と、第2供給通路と、アクチュエータ通路と、スプールと、を備える。前記タンク通路は、タンクに接続される。前記第1アンロード通路は、前記スプール孔に開口し、第1ポンプに接続される。前記第2アンロード通路は、前記スプール孔に開口し、第2ポンプに接続される。前記第1供給通路は、前記第1アンロード通路に接続される。前記第2供給通路は、前記第2アンロード通路に接続される。前記アクチュエータ通路は、アクチュエータに接続される。前記スプールは、前記スプール孔に挿入され、前記第1供給通路または前記第2供給通路と前記アクチュエータ通路との接続を切り換え、前記タンク通路と前記アクチュエータ通路との接続を切り換える。前記第1アンロード通路と前記第2アンロード通路とは、前記スプールの軸方向に隣り合うように配置される。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、異なるポンプに接続される2本のアンロード通路を備える構成であっても、スプールの軸方向に弁本体が長くなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】方向切換弁30を備える建設機械用油圧回路1の油圧回路図である。
図2図1に示す中立位置30aが選択されているときの方向切換弁30の断面図である。
図3図2に示すスプール80などを示す図である。
図4図1に示す第1作動位置30bが選択されているときの図2相当図である。
図5図1に示す第2作動位置30cが選択されているときの図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図5を参照して、方向切換弁30を備える建設機械用油圧回路1(図1参照)について説明する。
【0011】
建設機械用油圧回路1は、建設機械(図示なし)に用いられる油圧回路である。この建設機械は、建設作業を行うための機械である。建設機械は、例えば油圧ショベルである。図1に示すように、建設機械用油圧回路1は、ポンプ(11・12)と、タンク15と、アクチュエータ20と、方向切換弁30と、を備える。
【0012】
ポンプ(11・12)は、油(圧油、作動油)を吐出する油圧ポンプである。ポンプ(11・12)は、容量可変型である。ポンプ(11・12)では、斜板の傾転角が変わることで容量が変わり、容量が変わると吐出量(入力軸1回転あたりの油の吐出量)が変わる。ポンプ(11・12)は、2つのポンプで構成される。ポンプ(11・12)は、第1ポンプ11と、第2ポンプ12と、を備える。ポンプ(11・12)は、例えばスプリットポンプである。スプリットポンプは、1つの入力軸により、複数のポンプ(第1ポンプ11および第2ポンプ12)が駆動されるポンプである。スプリットポンプでは、第1ポンプ11と第2ポンプ12とが一体的に構成される。スプリットポンプでは、第1ポンプ11の吐出量と第2ポンプ12の吐出量とが等しい。なお、ポンプ(11・12)は、スプリットポンプでなくてもよい。第1ポンプ11と第2ポンプ12とは、別体でもよい。第1ポンプ11の入力軸と第2ポンプ12の入力軸とは、共通でもよく、共通でなくてもよい。第1ポンプ11の吐出量と第2ポンプ12の吐出量とは、同一でもよく、相違してもよい。
【0013】
タンク15は、油を貯留する。タンク15は、ポンプ(11・12)に油を供給する。タンク15には、ポンプ(11・12)から吐出され、アクチュエータ20を通った油が戻される。タンク15には、ポンプ(11・12)から吐出され、アクチュエータ20を通らない油が戻される。
【0014】
アクチュエータ20は、建設機械を作動させる。アクチュエータ20は、ポンプ(11・12)から油が供給されることにより駆動する、油圧アクチュエータである。アクチュエータ20は、第1ポンプ11および第2ポンプ12の少なくとも一方から油が供給されることで駆動する。ポンプ(11・12)の種類には、油圧モータ(図示なし)と、油圧シリンダと、がある。建設機械が油圧ショベルの場合、アクチュエータ20の用途には、走行用、旋回用、バケット回動用、アーム起伏用、およびブーム起伏用などがある。アクチュエータ20の具体例は次の通りである。[例1]アクチュエータ20は、建設機械を走行させるための油圧モータ(走行用モータ)である。アクチュエータ20は、建設機械が備える下部走行体のクローラ(右側または左側のクローラ)を駆動するための、右走行用モータまたは左走行用モータである。[例2]アクチュエータ20は、下部走行体に対して上部旋回体を旋回させるための油圧モータ(旋回用モータ)である。[例3]アクチュエータ20は、アームに対してバケットを回動させるための油圧シリンダ(バケット用シリンダ)である。[例4]アクチュエータ20は、ブームに対してアームを起伏(上げ下げ、回動)させるための油圧シリンダ(アーム用シリンダ)である。[例5]アクチュエータ20は、上部旋回体に対してブームを起伏(上げ下げ、回動)させるための油圧シリンダ(ブーム用シリンダ)である。なお、アクチュエータ20は、上記[例1]〜[例5]以外のもの(例えばドーザ作動用の油圧シリンダなど)であってもよい。アクチュエータ20は、第1ポート21と、第2ポート22と、を備える。
【0015】
第1ポート21および第2ポート22それぞれは、アクチュエータ20に対する油の供排口(供給口および排出口)である。第1ポート21に油が供給され、かつ、第2ポート22から油が排出されることにより、アクチュエータ20は一方側に作動する。具体的には例えば、油圧シリンダが伸びる、また例えば、油圧モータ(図示なし)が一方側に回転する。第2ポート22に油が供給され、かつ、第1ポート21から油が排出されることにより、アクチュエータ20は他方側(上記「一方側」とは逆側)に作動する。具体的には例えば、油圧シリンダが縮む、また例えば、油圧モータが他方側に回転する。
【0016】
方向切換弁30は、アクチュエータ20の動作を制御するための弁である。方向切換弁30は、アクチュエータ20に対して油を供排(供給および排出)する弁である。方向切換弁30は、ポンプ(11・12)の吐出油をアクチュエータ20に供給する。方向切換弁30は、アクチュエータ20が排出した油をタンク15に排出する(戻す)。方向切換弁30は、ポンプ(11・12)からアクチュエータ20に供給される油の流量および方向を変える(流量を調整する、方向を切り換える)。方向切換弁30は、第1ポンプ11、第2ポンプ12、アクチュエータ20、およびタンク15に接続される。方向切換弁30は、第1ポンプ11とアクチュエータ20との間(間の油路、以下同様)に配置され、第2ポンプ12とアクチュエータ20との間に配置される。第1ポンプ11および第2ポンプ12(2つのポンプ)から、1つのアクチュエータ20に油を供給するために、方向切換弁30は、1つで足りる(2以上の方向切換弁30は不要である)。方向切換弁30は、建設機械用油圧回路1に複数設けられてもよい(図示なし)。方向切換弁30が複数設けられる場合、複数の方向切換弁30は、例えば一体的に構成され、例えばブロック状(略直方体状)に構成される。複数の方向切換弁30全体として「方向切換弁」と称される場合もある。
【0017】
この方向切換弁30は、図2に示すように、スプール弁である。スプール弁は、スプール孔33(下記)に対するスプール80(下記)の位置(ストローク位置)に応じて、油の流量および方向を変える弁である。方向切換弁30は、スプール80のストローク位置に応じて、切換位置を切り換える。図1に示すように、方向切換弁30の切換位置には、中立位置30a(図2参照)と、第1作動位置30b(図4参照)と、第2作動位置30c(図5参照)と、がある。図2に示すように、方向切換弁30は、弁本体31と、スプール孔33と、通路(41〜62)と、チェック弁(71・72)と、スプール80と、を備える。
【0018】
弁本体31は、スプール孔33、および、通路(41〜62)が形成される部分である。弁本体31は、ブロック状(塊状)である。
【0019】
スプール孔33は、弁本体31(の内部)に形成される。スプール孔33は、スプール80を差し込み可能な孔である。
【0020】
通路(41〜62)は、油が流れる流路(油路、配管)である。通路(41〜62)は、弁本体31(の内部)に形成される。通路(41〜62)は、複数設けられる。複数の通路(41〜62)それぞれは、スプール孔33に開口する。通路(41〜62)のスプール孔33への開口は、例えばスプール孔33の周方向に延びる。通路(41〜62)は、弁本体31の外部と連通するように、弁本体31の表面に開口する(図示なし)。通路(41〜62)は、アンロード通路(41・42)と、タンク通路45と、供給通路(51〜53)と、アクチュエータ通路(61・62)と、を備える。
【0021】
アンロード通路(41・42)は、図1に示すポンプ(11・12)の吐出油を、アクチュエータ20に供給せずに、タンク15に戻すための通路(バイパス通路)である。但し、例えばアンロード通路(41・42)と他の通路とが合流する場合(図示なし)は、アクチュエータ20から排出された油が、アンロード通路(41・42)を流れてもよい。また、例えばアンロード通路(41・42)から他の通路が分岐する場合(図示なし)は、アンロード通路(41・42)からアクチュエータ20に油が供給されてもよい。アンロード通路(41・42)は、2本設けられる(いわばデュアルバイパスである)。アンロード通路(41・42)は、第1アンロード通路41と、第2アンロード通路42と、を備える。
【0022】
第1アンロード通路41は、第1ポンプ11に接続される。第1アンロード通路41は、タンク15に接続される。第1アンロード通路41は、上流側第1アンロード通路41aと、下流側第2アンロード通路42bと、を備える。上流側第1アンロード通路41aは、第1アンロード通路41のうち、スプール孔33(図2参照)よりも上流側(第1ポンプ11側)の通路である。下流側第1アンロード通路41bは、第1アンロード通路41のうち、スプール孔33(図2参照)よりも下流側(タンク15側)の通路である。
【0023】
第2アンロード通路42は、第2ポンプ12に接続される。第2アンロード通路42は、タンク15に接続される。第2アンロード通路42は、上流側第2アンロード通路42aと、下流側第2アンロード通路42bと、を備える。上流側第2アンロード通路42aは、第2アンロード通路42のうち、スプール孔33(図2参照)よりも上流側(第2ポンプ12側)の通路である。下流側第2アンロード通路42bは、第2アンロード通路42のうち、スプール孔33(図2参照)よりも下流側(タンク15側)の通路である。
【0024】
タンク通路45は、タンク15に接続される。タンク通路45は、アクチュエータ20から排出された油をタンク15に戻すための通路である。
【0025】
供給通路(51〜53)は、ポンプ(11・12)の吐出油を、アクチュエータ20に供給するための通路である。供給通路(51〜53)は、第1供給通路51と、第2供給通路52と、第3供給通路53と、を備える。
【0026】
第1供給通路51は、第1ポンプ11の吐出油を、アクチュエータ20に供給するための通路である(但し、第3供給通路53は第1供給通路51に含まれない)。第1供給通路51は、第1ポンプ11に接続される。第1供給通路51は、第1アンロード通路41(上流側第1アンロード通路41a)に接続される。第1供給通路51の第1アンロード通路41への接続は、方向切換弁30の外部で行われる(方向切換弁30の内部で行われてもよい)。
【0027】
第2供給通路52は、第2ポンプ12の吐出油を、アクチュエータ20に供給するための通路である(但し、第3供給通路53は第2供給通路52に含まれない)。第2供給通路52は、第2ポンプ12に接続される。第2供給通路52は、第2アンロード通路42(上流側第2アンロード通路42a)に接続される。第2供給通路52の第2アンロード通路42への接続は、方向切換弁30の外部で行われる(方向切換弁30の内部で行われてもよい)。
【0028】
第3供給通路53は、ポンプ(11・12)の(第1ポンプ11および第2ポンプ12の少なくとも一方の)吐出油を、アクチュエータ20に供給するための通路である。以下では、第1ポンプ11および第2ポンプ12の少なくとも一方を、「ポンプ(11・12)」という。第3供給通路53は、第1供給通路51および第2供給通路52に接続される(連通する)。第3供給通路53には、第1供給通路51を流れる油と第2供給通路52を流れる油とが合流した油が流れる。または、第3供給通路53には、第1供給通路51および第2供給通路52のうち一方を流れる油のみが流れる。図2に示すように、第3供給通路53は、第1ブリッジ通路53aと、第2ブリッジ通路53bと、を備える。第1ブリッジ通路53aは、ポンプ(11・12)(図1参照)の吐出油を、第1アクチュエータ通路61(下記)に供給するための通路である。第2ブリッジ通路53bは、ポンプ(11・12)(図1参照)の吐出油を、第2アクチュエータ通路62(下記)に供給するための通路である。
【0029】
アクチュエータ通路(61・62)は、図1に示すように、第3供給通路53を流れる油を、アクチュエータ20に供給するための通路である。アクチュエータ通路(61・62)は、アクチュエータ20に接続される。アクチュエータ通路(61・62)は、第1アクチュエータ通路61と、第2アクチュエータ通路62と、を備える。第1アクチュエータ通路61は、第1ポート21に接続される。第2アクチュエータ通路62は、第2ポート22に接続される。
【0030】
チェック弁(71・72)は、逆流を防ぐ弁である。チェック弁(71・72)は、第1チェック弁71と、第2チェック弁72と、を備える。第1チェック弁71は、第1供給通路51に配置され、第3供給通路53から第1供給通路51への油の逆流を防ぐ。第2チェック弁72は、第2供給通路52に配置され、第3供給通路53から第2供給通路52への油の逆流を防ぐ。なお、図2図4、および図5では、チェック弁(71・72)が開いた状態を実線で示した。図2では、チェック弁(71・72)が閉じた状態を二点鎖線で示した。
【0031】
スプール80は、図2に示すように、スプール孔33に挿入される。スプール80は、略円柱状である。スプール80の軸方向(略円柱の中心軸の方向)を、スプール軸方向Aとする。スプール軸方向Aにおける一方側を一方側A1、他方側を他方側A2とする。スプール80は、スプール孔33に対してスプール軸方向Aにスライド(ストローク)自在である。図4には、スプール80のストローク位置(スプール孔33に対するスプール80の位置)が、他方側A2の端の位置である状態(スプール80が最も他方側A2にストロークした状態)を示す。図5には、スプール80のストローク位置が、一方側A1の端の位置である状態を示す。
【0032】
このスプール80は、図2に示す複数の通路(41〜62)の接続を切り換える(接続の切り換えについては下記)。スプール80は、第3供給通路53(第1供給通路51または第2供給通路52)と、アクチュエータ通路(61・62)と、の接続を切り換える。スプール80は、アクチュエータ通路(61・62)と、タンク通路45と、の接続を切り換える。スプール80は、上流側第1アンロード通路41aと、下流側第1アンロード通路41bと、の接続を切り換える。スプール80は、上流側第2アンロード通路42aと、下流側第2アンロード通路42bと、の接続を切り換える。
【0033】
このスプール80は、通路(41〜62)どうしの接続の有無、および、接続の開度(弁開度)を切り換える。さらに詳しくは、スプール80は、通路(41〜62)を「遮断状態」ならびに「接続状態」(「全開状態」および「絞り状態」)のいずれかの状態にする。
「遮断状態」は、通路(41〜62)どうしが接続されていない状態(遮断された状態)である。
「接続状態」は、通路(41〜62)どうしが接続された状態(連通された状態)である。この「接続状態」には、「全開状態」と「絞り状態」とがある。
「全開状態」は、通路(41〜62)どうしの流路の開度が最大の状態(スプール80を一方側A1の端から他方側A2の端までストロークさせたときに開度が様々に変化するところ、この開度が最大の状態)である。例えば、「全開状態」は、通路(41〜62)どうしの流路が絞られていない状態である。
「絞り状態」は、通路(41〜62)どうしの流路が、上記「全開状態」よりも絞られた状態(遮断状態を除く)である。
【0034】
このスプール80は、図3に示すように、切欠き部81と、ランド部83と、を備える。切欠き部81とランド部83とは、スプール軸方向Aに交互に配置される(形成される)。
【0035】
切欠き部81は、図2に示す通路(41〜62)どうし(通路間)を接続させる。切欠き部81(図3参照)は、通路(41〜62)のスプール孔33への開口どうしを接続させる。以下、スプール孔33への開口を、「開口」という。切欠き部81は、通路(41〜62)どうしを、スプール孔33を介して接続させる。図3に示すように、切欠き部81は、ランド部83に対して、スプール80の径方向内側に凹む部分である。切欠き部81は、複数設けられ、例えば4か所設けられる(2か所、3か所、または5か所以上設けられてもよい)。切欠き部81は、第1アンロード通路用切欠き部81aと、第2アンロード通路用切欠き部81bと、を備える。第1アンロード通路用切欠き部81aは、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを接続させる。第2アンロード通路用切欠き部81bは、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを接続させる。
【0036】
ランド部83は、図2に示す通路(41〜62)どうしが接続されない状態(遮断状態)にする。ランド部83(図3参照)は、切欠き部81(図3参照)による通路(41〜62)どうしの接続が行われないようにする。ランド部83は、スプール孔33(の内面)に接触する。ランド部83は、通路(41〜62)の開口を塞ぐ。または、ランド部83は、異なる通路(41〜62)間のスプール孔33を塞ぐ。ランド部83は、通路(41〜62)どうしを絞り状態にする。ランド部83は、通路(41〜62)の開口を、全開状態よりも狭くする。図3に示すように、ランド部83は、複数設けられ、例えば5か所設けられる(4か所以下、または6か所以上設けられてもよい)。ランド部83は、アンロード通路用ランド部(83a〜83c)を備える。
【0037】
アンロード通路用ランド部(83a〜83c)は、アンロード通路(41・42)を遮断可能である(遮断状態にすることが可能である)。アンロード通路用ランド部(83a〜83c)は、第1アンロード通路用ランド部83aと、第2アンロード通路用ランド部83bと、第3アンロード通路用ランド部83cと、を備える。第1アンロード通路用ランド部83aは、図4に示す第1作動位置30bのときに、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。図2に示す第2アンロード通路用ランド部83bは、図5に示す第2作動位置30cのときに、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。
【0038】
第3アンロード通路用ランド部83cは、第1アンロード通路41を遮断可能(図5参照)、かつ、第2アンロード通路42を遮断可能(図4参照)である(2つの用途に使われる、共通化できる)。第3アンロード通路用ランド部83cは、図4に示す第1作動位置30bのときに、第2アンロード通路42を遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。第3アンロード通路用ランド部83cは、図5に示す第2作動位置30cのときに、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。
【0039】
(通路(41〜62)の配置)
図2に示す通路(41〜62)の開口(スプール孔33への開口)は、スプール軸方向Aの一方側A1から他方側A2の順に、例えば次の順に並ぶ。一方側A1のタンク通路45、第1アクチュエータ通路61、第1ブリッジ通路53a(一方側A1の第3供給通路53)、アンロード通路(41・42)、第2ブリッジ通路53b(他方側A2の第3供給通路53)、第2アクチュエータ通路62、他方側A2のタンク通路45。一方側A1のタンク通路45の開口と、他方側A2のタンク通路45の開口とは、弁本体31の内部で連通する(弁本体31の内部で連通しなくてもよい)。
【0040】
(アンロード通路(41・42)の配置)
図3に示すアンロード通路(41・42)は、次のように配置される。アンロード通路(41・42)は、スプール軸方向Aにおけるスプール孔33(図2参照)の寸法(スプール80の寸法)が大きくなりすぎることを抑制できるように配置される。具体的には次の通りである。
【0041】
(アンロード通路(41・42)の配置順)
アンロード通路(41・42)は、第3アンロード通路用ランド部83cの共通化(上記)ができるように配置される。具体的には、第1アンロード通路41と第2アンロード通路42とは、隣り合う(スプール軸方向Aに隣り合う、以下同様)ように配置される(「隣り合う」については下記)。例えば、上流側第1アンロード通路41aと上流側第2アンロード通路42aとは、隣り合うように配置される。例えば、下流側第1アンロード通路41bと上流側第1アンロード通路41aとは、隣り合うように配置される。例えば、上流側第2アンロードと下流側第2アンロードとは、隣り合うように配置される。
【0042】
ここで、通路αと通路βとが「隣り合う」とは、次の[配置例1]または[配置例2]のように配置されることである。[配置例1]通路αと通路βとの間に、他の通路(通路αおよび通路β以外の通路)が配置されない。スプール孔33(図2参照)では、通路αの開口(スプール孔33への開口)と、通路βの開口と、の間に他の通路の開口が配置されない。[配置例2]通路αと通路βとがスプール軸方向Aに順番に配置される。さらに詳しくは、スプール軸方向Aの一方側A1から他方側A2の順に、通路αの次に通路βが配置される(または、通路βの次に通路αが配置される)。スプール孔33(図2参照)では、通路αの開口と通路βの開口とがスプール軸方向Aに順番に配置される。
【0043】
(アンロード通路(41・42)などの寸法)
アンロード通路(41・42)は、アンロード通路(41・42)の幅(スプール軸方向Aにおける幅)が広くなりすぎないように配置される。具体的には、第1アンロード通路41と第2アンロード通路42とは、近傍(スプール軸方向Aに近い位置、以下同様)に配置される(「近傍」の具体例については下記)。下流側第1アンロード通路41bと上流側第1アンロード通路41aとは、近傍に配置される。上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとは、近傍に配置される。
【0044】
ここで、幅および間隔(スプール軸方向Aにおける幅および間隔、以下同様)を次のように規定する。
幅L1b:下流側第1アンロード通路41bの幅
間隔L1i:下流側第1アンロード通路41bと上流側第1アンロード通路41aとの間隔
幅L1u:上流側第1アンロード通路41aの幅
幅L1:第1アンロード通路41の幅
幅L1=幅L1b+幅L1u+間隔L1i
幅L2u:上流側第2アンロード通路42aの幅
間隔L1i:下流側第1アンロード通路41bと上流側第1アンロード通路41aとの間隔
幅L2b:下流側第2アンロード通路42bの幅
幅L2:第2アンロード通路42の幅
幅L2=幅L2b+幅L2u+間隔L2i
間隔L5:第1アンロード通路41と第2アンロード通路42との間隔(例えば、上流側第1アンロード通路41aと上流側第2アンロード通路42aとの間隔)
L10:複数のランド部83全体の幅(複数のランド部83のうち一方側A1の端に配置されたランド部83の一方側A1端部から、他方側A2の端に配置されたランド部83の他方側A2端部までの幅)
【0045】
間隔L5の例は次の通りである。間隔L5は、幅L1以下である(幅L1未満でもよい)(下記の、間隔や幅に関する「以下」は「未満」と読み替えてもよい)。間隔L5は、幅L1の、9/10以下であり、8/10以下であり、7/10以下である。間隔L5は、幅L2以下である。間隔L5は、幅L2の、9/10以下であり、8/10以下であり、7/10以下である。間隔L5は、幅L10の、2/10以下であり、1/10以下である。
間隔L1iの例は次の通りである。間隔L1iは、幅L1以下である。間隔L1iは、幅L1の、1/2以下であり、3/10以下である。
間隔L2iの例は次の通りである。間隔L2iは、幅L2以下である。間隔L2iは、1/2以下であり、3/10以下である。
【0046】
(作動)
図1に示す建設機械用油圧回路1は、次のように作動する。方向切換弁30は、方向切換弁30の操作(建設機械の操縦者による操作、例えばレバー操作)に応じて作動する。この操作に応じて、方向切換弁30は、中立位置30aと、第1作動位置30bと、第2作動位置30cと、を切り換える。この操作に応じて、図2に示すスプール80は、ストローク位置を変える。その結果、スプール80は、通路(41〜62)どうしの接続の有無、および、接続の開度(弁開度)を切り換える。その結果、図1に示す方向切換弁30は、アクチュエータ20への油の供排の有無、および、アクチュエータ20に対して供排する油の流量を調整する。
【0047】
(中立位置30a)
切換位置が中立位置30aのときの方向切換弁30は、アクチュエータ20に対する油の供排をしない。方向切換弁30の切換位置が中立位置30aのとき、方向切換弁30などは、次のように作動する。[作動1a]図2に示すように、方向切換弁30は、第1アンロード通路41を全開状態にする。具体的には、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを、第1アンロード通路用切欠き部81a(図3参照)を介して、全開状態にする。[作動1b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を全開状態にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを、第2アンロード通路用切欠き部81b(図3参照)を介して、全開状態にする。[作動1c]方向切換弁30は、第3供給通路53(第1ブリッジ通路53aおよび第2ブリッジ通路53b)を遮断状態にする。[作動1d]方向切換弁30は、アクチュエータ通路(61・62)を遮断状態にする。[作動1e]方向切換弁30は、タンク通路45を遮断状態にする。[作動1f]その結果、図1に示すポンプ(11・12)の吐出油は、方向切換弁30からアクチュエータ20に供給されない。ポンプ(11・12)の吐出油は、アンロード通路(41・42)を通り、タンク15(図1参照)に戻される。
【0048】
(第1作動位置30b)
切換位置が第1作動位置30bのときの方向切換弁30は、アクチュエータ20に対する油の供排をする。方向切換弁30の切換位置が第1作動位置30bのとき、方向切換弁30などは、次のように作動する。[作動2a]図4に示すように、方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを、第1アンロード通路用ランド部83a(図2参照)により、遮断状態または絞り状態にする。[作動2b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを、第3アンロード通路用ランド部83c(図2参照)により、遮断状態または絞り状態にする。[作動2c]方向切換弁30は、第1ブリッジ通路53a(第3供給通路53)と、第1アクチュエータ通路61と、を接続状態にする。[作動2d]方向切換弁30は、第2ブリッジ通路53bを遮断状態にする。[作動2e]方向切換弁30は、第2アクチュエータ通路62とタンク通路45とを接続状態にする。[作動2f]その結果、第1供給通路51および第2供給通路52を流れる油は、第3供給通路53で合流する。[作動2g]第3供給通路53を流れる油は、第1アクチュエータ通路61を介して、図1に示すアクチュエータ20(第1ポート21)に供給される。アクチュエータ20(第2ポート22)から排出された油は、図4に示す第2アクチュエータ通路62を介して、タンク通路45を流れ、図1に示すタンク15に戻る。[作動2h]その結果、アクチュエータ20が一方側に作動する。
【0049】
(第2作動位置30c)
切換位置が第2作動位置30cのときの方向切換弁30は、アクチュエータ20に対する油の供排をする。このとき、方向切換弁30は、切換位置が第1作動位置30bのときとは逆側(他方側)にアクチュエータ20が作動するように、アクチュエータ20に対する油の供排をする。方向切換弁30の切換位置が第2作動位置30cのとき、方向切換弁30などは、次のように作動する。[作動3a]図5に示すように、方向切換弁30は、第1アンロード通路41を、遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第1アンロード通路41aと下流側第1アンロード通路41bとを、第3アンロード通路用ランド部83c(図2参照)により、遮断状態または絞り状態にする。[作動3b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を、遮断状態または絞り状態(図示なし)にする。具体的には、方向切換弁30は、上流側第2アンロード通路42aと下流側第2アンロード通路42bとを、第2アンロード通路用ランド部83b(図2参照)により、遮断状態または絞り状態にする。[作動3c]方向切換弁30は、第1ブリッジ通路53aを遮断状態にする。[作動3d]方向切換弁30は、第2ブリッジ通路53b(第3供給通路53)と、第2アクチュエータ通路62と、を接続状態にする。[作動3e]方向切換弁30は、第1アクチュエータ通路61とタンク通路45とを接続状態にする。[作動3f]その結果、第1供給通路51および第2供給通路52を流れる油は、第3供給通路53に合流する。[作動3g]第3供給通路53を流れる油は、第2アクチュエータ通路62を介して、図1に示すアクチュエータ20(第2ポート22)に供給される。アクチュエータ20(第1ポート21)から排出された油は、図5に示す第1アクチュエータ通路61を介して、タンク通路45を流れ、図1に示すタンク15に戻る。[作動3h]その結果、アクチュエータ20が他方側に作動する。
【0050】
(変形例)
なお、上記の作動および構成を次のように変形してもよい。上記[作動2f]および[作動3f]などでは、第1供給通路51および第2供給通路52の両方から、アクチュエータ20に油が供給された。しかし、第1供給通路51および第2供給通路52のうち一方のみから、アクチュエータ20に油が供給されるように変形してもよい。例えば、第1供給通路51のみからアクチュエータ20に油が供給される場合は、方向切換弁30などは次のように作動する。[作動4a]図4に示す方向切換弁30は、第1アンロード通路41を遮断状態または絞り状態(図示なし)とする。[作動4b]方向切換弁30は、第2アンロード通路42を全開状態とする(図2参照)。[作動4f]その結果、図1に示す第2ポンプ12の吐出油は、第2供給通路52を流れずに、全開状態の第2アンロード通路42を流れる。その結果、図4に示す第1供給通路51を流れる油は第3供給通路53に流れ、第2供給通路52を流れる油は第3供給通路53に流れない。[作動4g]その結果、第1供給通路51および第2供給通路52のうち、第1供給通路51のみから、アクチュエータ20(図1参照)に油が供給される。
【0051】
(効果1)
図2に示す方向切換弁30による効果を説明する。方向切換弁30は、弁本体31と、スプール孔33と、第1アンロード通路41と、第2アンロード通路42と、タンク通路45と、第1供給通路51と、第2供給通路52と、アクチュエータ通路(61・62)と、スプール80と、を備える。スプール孔33は、弁本体31に形成される。
[構成1−1]第1アンロード通路41は、スプール孔33に開口し、第1ポンプ11(図1参照)に接続される。
[構成1−2]第2アンロード通路42は、スプール孔33に開口し、第2ポンプ12(図1参照)に接続される。
[構成1−3]タンク通路45は、タンク15(図1参照)に接続される。図1に示すように、第1供給通路51は、第1アンロード通路41に接続される。第2供給通路52は、第2アンロード通路42に接続される。アクチュエータ通路(61・62)は、アクチュエータ20に接続される。図2に示すように、スプール80は、スプール孔33に挿入される。スプール80は、第1供給通路51または第2供給通路52と、アクチュエータ通路(61・62)と、の接続を切り換える。スプール80は、タンク通路45と、アクチュエータ通路(61・62)と、の接続を切り換える。
[構成1−4]第1アンロード通路41と第2アンロード通路42とは、スプール軸方向A(スプール80の軸方向)に隣り合うように配置される。
【0052】
上記[構成1−1]および[構成1−2]のように、方向切換弁30は、異なるポンプ(11・12)(図1参照)に接続される、2本のアンロード通路(41・42)を備える。そのため、方向切換弁30にアンロード通路が1本のみ設けられる場合に比べ、弁本体31がスプール軸方向Aに長くなるおそれがある。しかし、方向切換弁30は、上記[構成1−4]を備える。よって、異なるポンプ(11・12)(図1参照)に接続される、2本のアンロード通路(41・42)を備える構成であっても、弁本体31がスプール軸方向Aに長くなることを抑制できる。
【0053】
(他の効果)
[構成2]図3に示すように、スプール80は、第3アンロード通路用ランド部83cを備える。第3アンロード通路用ランド部83cは、第1アンロード通路41を遮断可能(図5参照)、かつ、第2アンロード通路42を遮断可能(図4参照)に構成される。
【0054】
方向切換弁30は、上記[構成2]を備える。よって、第1アンロード通路41を遮断するための第3アンロード通路用ランド部83cと、第2アンロード通路42を遮断するための第3アンロード通路用ランド部83cと、を共通化できる。よって、スプール軸方向Aにおけるスプール80の長さを短くできる。よって、スプール軸方向Aにおけるスプール孔33を短くできる。よって、弁本体31がスプール軸方向Aに長くなることを抑制できる。
【符号の説明】
【0055】
11 第1ポンプ
12 第2ポンプ
15 タンク
20 アクチュエータ
30 方向切換弁
31 弁本体
33 スプール孔
41 第1アンロード通路
42 第2アンロード通路
45 タンク通路
51 第1供給通路
52 第2供給通路
61 第1アクチュエータ通路(アクチュエータ通路)
62 第2アクチュエータ通路(アクチュエータ通路)
80 スプール
A スプール軸方向(スプール80の軸方向)
図1
図2
図3
図4
図5