(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522338
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】注射器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20190520BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
A61M5/31
A61M5/20
【請求項の数】21
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-529072(P2014-529072)
(86)(22)【出願日】2012年9月11日
(65)【公表番号】特表2014-526296(P2014-526296A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】GB2012052236
(87)【国際公開番号】WO2013038166
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年9月2日
【審判番号】不服2017-15580(P2017-15580/J1)
【審判請求日】2017年10月20日
(31)【優先権主張番号】1115650.2
(32)【優先日】2011年9月12日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】61/562,012
(32)【優先日】2011年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501410160
【氏名又は名称】オウエン マンフォード リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ビックネル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ディックス
【合議体】
【審判長】
内藤 真徳
【審判官】
関谷 一夫
【審判官】
瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/072661(WO,A1)
【文献】
特開2008−73530(JP,A)
【文献】
実公昭39−27572(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続構成を有する本体(102)であって、針を有するシリンジと作動時に前記針を通じて薬物を放出するための駆動機構とを有する本体(102)と、
使用時にキャップ(104)を前記本体の前記第1の接続構成と解放可能に接続するための、第2の接続構成を有する前記キャップと、を備える、注射器アセンブリ(100)であって、
前記第1の接続構成又は前記第2の接続構成の何れか1つ(120)は、前記本体又は前記キャップの外面の切り抜きを備え、前記切り抜きは、位置決め部分(124)に通じるオープンネック部分(122)を備え、前記位置決め部分の少なくとも一部分は、前記オープンネック部分の最大幅(120B)よりも大きい最大幅(120A)を有し、
前記第1の接続構成又は前記第2の接続構成の別の1つ(108)は、前記本体又は前記キャップの外面から隆起している突起を備え、前記突起は、前記オープンネック部分の前記最大幅よりも大きい最大幅(108A)を有するヘッド部分(109)を備え、その結果、前記キャップが前記本体に接続されたとき、前記ヘッド部分(109)が前記位置決め部分(124)内に含まれ、前記第1の接続構成と前記第2の接続構成とが視認可能な噛み合いを行い、前記キャップが前記本体の端部分(106)を覆う、注射器アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の注射器アセンブリ(100)であって、使用時に、前記ヘッド部分(109)が第1の方向に押し付けられて、前記オープンネック部分(122)を通って前記位置決め部分(124)に押し込まれることにより、接続した配置が提供され、前記接続した配置において、前記ヘッド部分と前記オープンネック部分のエッジとが接触することにより、反対方向に力を加えない状態で前記ヘッド部分が外れることが防止される、注射器アセンブリ。
【請求項3】
前記位置決め部分(124)の前記最大幅(120A)は前記ヘッド部分(109)の前記最大幅(108A)に対応する、請求項1又は2に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記第1の接続構成(108)の輪郭は、前記第2の接続構成(120)に対応する、請求項1〜3の何れか一項に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記ヘッド部分(109)は球根状の輪郭を有し、前記位置決め部分(124)は対応する球根状の輪郭を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記ヘッド部分(109)と前記位置決め部分(124)との前記球根状の輪郭の端が、前記本体(102)の主軸線と平行する方向にある、請求項5に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項7】
前記ヘッド部分(109)の前記球根状の輪郭及び前記位置決め部分(124)の前記球根状の輪郭は馬蹄形である、請求項5に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記ヘッド部分(109)の前記球根状の輪郭及び前記位置決め部分(124)の前記球根状の輪郭は、曲線状の先端(110)及び先細形状をなすサイドエッジ(112)を有する、請求項5に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記本体(102)には、1を超える数の前記第1の接続構成(108)が設けられ、前記キャップ(104)には、1を超える数の対応する前記第2の接続構成(120)が設けられる、請求項1〜8の何れか一項に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項10】
前記本体(102)には、一対の前記第1の接続構成(108)が設けられ、前記キャップ(145)には、対応する一対の前記第2の接続構成(120、120’)が設けられる、請求項9に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項11】
対をなす前記第1(108)及び前記第2(120、120’)の対応する接続構成の各々は、正反対の位置にある、請求項10に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項12】
前記オープンネック部分(122)は前記キャップの下側エッジに配置され、前記ヘッド部分(109)は前記本体(102)に配置される、請求項1〜11の何れか一項に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項13】
前記ヘッド部分(109)が前記本体(102)の前記端(106)から内側寄りに配置され、使用時は、前記本体(102)の端部分(106)が前記ヘッド部分(109)を超えて、前記キャップの内部では前記キャップの下側エッジから前記キャップの遠位端部に向けて延びるように、前記内側に被せて前記キャップ(104)が装着され、前記端部分(106)は前記本体(102)の最も小さい外側の直径を有する、請求項12に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項14】
前記ヘッド部分(109)は、前記本体(102)の端部分(106)の隣接した外面より上に隆起している、請求項13に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項15】
使用時に、前記接続構成が接続した配置にあるとき、前記キャップ(104)の下側エッジと、前記ヘッド部分(109)に隣接する前記本体(102)の隆起したエッジとが境を接する、請求項14に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項16】
前記第1の接続構成(120)は、前記キャップ(104)の外面の中の切り抜きとして形成される、請求項12〜15の何れか一項に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項17】
前記第1の方向は前記本体(102)の主軸線に対して平行である、請求項2に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項18】
前記ヘッド部分(109)の前記最大幅(108A)は、前記オープンネック部分(122)の前記最大幅(120A)より1mm大きい、請求項1〜17の何れか一項に記載の注射器アセンブリ(100)。
【請求項19】
第1の接続構成を有する本体(102)であって、針を有するシリンジと作動時に前記針を通じて薬物を放出するための駆動機器とを有する前記本体(102)と、
使用時にキャップ(104)を前記本体の前記第1の接続構成と解放可能に接続するための、第2の接続構成を有する前記キャップと、を備える、注射器アセンブリ(100)であって、
前記第1の接続構成又は前記第2の接続構成の何れか1つ(120)は、第1のネック部分(122)を有する、前記本体又は前記キャップの外面の切り抜き部分を備え、前記第1のネック部分は、より幅広の第1のヘッド部分(124)に通じており、
前記第1の接続構成又は前記第2の接続構成の別の1つ(108)は、第2のネック部分(114)を有する、前記本体又は前記キャップの外面から隆起している突起を備え、前記第2のネック部分は、より幅広の第2のヘッド部分(109)に通じており、前記第2のネック部分及び第2の前記ヘッド部分の寸法は、前記第1のネック部分及び前記第1のヘッド部分の寸法に対応しており、その結果、使用時に、前記第1の接続部分及び前記第2の接続部分は解放可能に互いに噛み合い、前記キャップが前記本体に接続されたとき、前記第2のヘッド部分(109)が前記第1のヘッド部分(124)内に含まれ、前記第1の接続構成と前記第2の接続構成とが視認可能な噛み合いを行い、前記キャップが前記本体の端部分を覆う、注射器アセンブリ。
【請求項20】
第1の接続構成を有する本体(102)であって、針を有するシリンジと作動時に前記針を通じて薬物を放出するための駆動機構とを有する本体(102)と、
使用時にキャップ(104)を前記本体の前記第1の接続構成と解放可能に接続するための、第2の接続構成を有する前記キャップと、を備える、注射器アセンブリ(100)であって、
前記第1の接続構成又は前記第2の接続構成の何れか1つは、電球形状の、前記本体又は前記キャップの外面から隆起している突起(108)を備え、前記第1の接続構成又は前記第2の接続構成の別の1つは、使用時に前記電球形状の突起を受け入れるための電球形状の、前記本体又は前記キャップの外面の切り抜き(120)を備え、その結果、前記電球形状の突起(108)が、前記電球形状の切り抜き(120)に受けられたとき、前記第1の接続構成と前記第2の接続構成とが視認可能な噛み合いを行い、前記キャップは前記本体の端部分を覆う、注射器アセンブリ。
【請求項21】
前記第1のネック部分(122)は、前記キャップの下側エッジに配置され、前記第1のヘッド部分(124)は、前記キャップの遠位端に向かって延び、
前記第2のネック部分(114)と前記第2のヘッド部分(109)は、前記本体(102)の端部分に配置され、
前記キャップが、前記本体と噛み合ったとき、前記本体の端部分は、前記キャップの内部で、前記キャップの下側エッジから前記キャップの遠位端に向かって、前記第2のヘッド部分(109)を超えて延び、前記本体(102)の前記端部分は、前記本体(102)の最も小さい外側の直径を有し、
前記第2のヘッド部分(109)は、前記本体(102)の端部分の隣接した外面より上に隆起していて、
前記本体に噛み合わされた前記キャップと共に、前記キャップ(104)の下側エッジと、前記第2のヘッド部分に隣接する前記本体(102)の隆起したエッジが、当接する、
請求項19に記載の注射器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は注射装置に関するものであり、特に自動注射器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
自動注射器等の注射装置は、通常、安全上の理由で、注射装置から針が伸びる場所である注射装置端部に被せて装着されるキャップが設けられる。従来、このようなキャップは、本体の対応する凹みに形状が適合する、キャップ内面の複数ディンプルのセットを用いることにより、自動注射器の本体に解放可能に接続される。しかし、このような従来構成は、特に強力な接続を提供しない。すなわち、キャップが偶発的に外れることが比較的容易に発生し得る。また、ディンプルは、キャップの内面にあるため視認できない。すなわち、使用者は、ディンプルが正しく凹みと噛み合っているかどうかを認識できない。このような形成物は、汚れや細菌を捕捉して、衛生上の危険を招くこともあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、上述の問題の少なくとも一部に対処することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、一態様において、本発明は、第1の接続構成を有する本体と、使用時にキャップを本体の第1の接続構成と解放可能に接続するための、第2の接続構成を有するキャップと、を備える、注射器アセンブリであって、第1の接続構成又は第2の接続構成は、位置決め部分に通じるオープンネック部分を含み、位置決め部分の少なくとも一部分は、オープンネック部分の最大幅よりも大きい最大幅を有し、第2の接続構成又は第1の接続構成は、それぞれ、オープンネック部分の最大幅よりも大きい最大幅を有するヘッド部分を備える、注射器アセンブリを提供する。
【0005】
使用時に、ヘッド部分(109)を第1の方向に押し付けて、オープンネック部分を通って位置決め部分へと押し込むことができ、これにより接続した配置が得られ、この接続した配置において、ヘッド部分とオープンネック部分のエッジとが接触することにより、反対方向に力を加えない状態でヘッド部分が外れることが防止される。
【0006】
位置決め部分の最大幅は、ヘッド部分の最大幅と対応していてよい。第1の接続構成の輪郭は、第2の接続構成の輪郭と概ね対応していてよい。ヘッド部分は球根状の輪郭を有してよく、位置決め部分は、対応する球根状の輪郭を有してよい。これらの球根状部分の端は、本体(又はキャップ)の主軸線と平行する方向に置かれていてよい。ヘッド(及び位置決め)部分の輪郭は、概ね馬蹄形であってよい。ヘッド(及び位置決め)部分の輪郭は、曲線状又は逆U字型の先端を有してよく、ヘッド部分のサイドエッジは先細形状をなす直線又は曲線であってよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、本体に1を超える数の上記第1の接続構成を設けてよく、キャップに1を超える数の上記第2の接続構成を設けてよい。いくつかの実施形態では、本体に一対の上記第1の接続構成を設けてよく、キャップに一対の対応する上記第2の接続構成を設けてよい。対をなす上記第1(及び上記第2)の対応する接続構成の各々は、正反対に位置して(diametrically opposed)よい。
【0008】
第1の接続構成がキャップに設けられ、キャップの下側エッジにオープンネック部分が配置されてよい。
【0009】
第2の接続構成が本体の端部分から内側寄りに配置されてよく、使用時は、この内側に被せてキャップが装着される。第2の接続構成は、本体の端部分の外面に形成されてよく、又は本体の端部分の外面から隆起していてよい。本体の端部分の外面は、実質的に円柱状であってよい。使用時に、接続構成が接続した配置にあるとき、キャップのエッジと、第1及び第2の接続構成に隣接する本体とが、境を接してよい。
【0010】
第1の接続構成は、キャップ外面の切り抜きとして形成されてよい。キャップの外面は、実質的に円柱状であってよい。
【0011】
第1の方向は、通常、本体の主軸線と平行している。
【0012】
別の態様では、本発明は、第1の接続構成を有する本体と、使用時にキャップを本体の第1の接続構成と解放可能に接続するための、第2の接続構成を有するキャップと、を備える、注射器アセンブリであって、第1の接続構成又は第2の接続構成の何れか1つは、より幅広のヘッド部分に通じるネック部分を有する切り抜き部分を含み、第1の接続又は第2の接続構成の別の1つは、より幅広のヘッド部分に通じるネック部分を有する突起を含み、このネック部分とヘッド部分の寸法は、最初に記載されているネック部分と最初に記載されているヘッド部分の寸法に対応しており、その結果、使用時に、第1の接続部分と第2の接続部分とは解放可能に互いに噛み合う、注射器アセンブリを提供する。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は、第1の接続構成を有する本体と、使用時にキャップを本体の第1の接続構成に解放可能に接続するための、第2の接続構成を有するキャップと、を備える、注射器アセンブリであって、第1の接続構成又は第2の接続構成の何れか1つは電球形状の突起を含み、第1の接続構成又は第2の接続構成の別の1つは、使用時に電球形状の突起を受け入れるための電球形状の切り抜きを備える、注射器アセンブリを提供する。
【0014】
上記で本発明を説明したが、本発明は、上記又は下記の説明若しくは請求項に記載されている新規特徴の独創的な組み合わせ又は部分的組み合わせに及ぶ。
【0015】
本発明は様々な方法で実施でき、以下、単なる例として、下記の添付図面を参照して、様々な修正を有する本発明の一実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】自動注射器アセンブリの一例の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
図1を参照すると、自動注射器アセンブリの一例100は、本体102と、キャップ104と、を備える。本体は、自動注射器の公知の構成要素、例えば、引き込み式の針を有するシリンジ又はカートリッジや、作動時に針を通じて薬物を放出するための駆動機構を格納する。このような構成要素は当業者に対して周知であり、本明細書に詳述する必要はない。適切な構成要素を有する自動注射器の例として、英国オックスフォード、ウッドストックのオーウェン・マンフォード・リミテッドが製造する自動注射器が挙げられる。また、本明細書に記載の構成が、他の種類の注射装置にも使用可能であることが理解されるであろう。自動注射器の構成要素は、通常、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、アセトール等の、ある程度の弾性を有する硬質プラスチックで形成される。
【0018】
本体102の一方の端部分106は、直径が本体の残り部分より小さく、保護キャップ104に覆われるように設計される。端部分106の針格納端より内側寄りに、電球形状の接続構成108がある。この電球形状の接続構成は、端部分106より内側寄りの端位置に隆起面として形成され、この端部分の外面より約0.5mm〜1mm高く盛り上がっている。この接続構成は、任意の適切な方法で形成してよい。例えば、本体外面の不可欠な部分として製造時に射出成形により形成してもよく、或いは、外面に固定される別個の構成要素として形成してもよい。電球形状の接続構成は、矢印108Aで示される最大幅を有するヘッド部分109を有する。このヘッド部分は、曲線状(又は逆U字型)の先端110を有し、この先端から、サイドエッジ112が先細状に垂下してウエスト部分114を形成する。このウエスト部分114は、矢印108Bで示される最大幅を有する。ヘッド部分の大まかな輪郭を、馬蹄形又はジグソーピースのコネクタ様形状に例えることもできる。電球形状の接続構成108の曲線状の先端110及び反対側にある端は、本体の主軸線と平行する位置にある。幅108Aと幅108Bの寸法例は、それぞれ約5.15mmと約4.0mmである。
【0019】
キャップ104は接続構成120を含み、この接続構成120は、電球形状の接続構成108の輪郭と形状が概ね対応する輪郭を有する。キャップの接続構成は、キャップの下側端の切り抜きとして形成される。キャップの接続構成は、矢印120Bで示される最大幅を有するオープンネック部分122を含み、このオープンネック部分122は、矢印120Aで示される最大幅を有する位置決め部分124に通じている。幅120Aと幅120Bの寸法例は、それぞれ約5.2mmと約4.2mmである。概して、これらの最大幅は、本体の接続構成の対応する最大幅108A及び108Bより約(±0.2mm)1mm大きい。この実施例では、切り抜きがキャップの外壁まで貫通しているが、別の実施形態では、キャップ面の部分的な切り抜きでもよいことが理解されるであろう。
【0020】
図から分かるように、接続構成108と正反対の位置に、第2の電球形状の切り抜き120’もキャップに設けられている。本体102にも、対応する第2の電球形状の接続構成(非表示)が設けられている。概して、本体とキャップの両方に、1を超える数の接続構成を設けてよい。構成が数個存在する場合には、キャップ及び本体の外面の周囲に、対応する間隔を空けて配置される。
【0021】
使用時、本体102とキャップ104は、
図1に示すように両方の接続構成が実質的に一直線上に並ぶようにして一緒にされる。本体の接続構成108のヘッド部分109と、キャップの接続構成のオープンネック部分122のエッジが接した後、使用者は、手で加える力を増加させる。これにより、ヘッド部分がネック部分のエッジを押し開き、ヘッド部分が位置決め部分124に滑り込むことが可能になる。ヘッド部分の最も幅広の部分が通過した後、ネック部分のエッジが跳ね返り、ヘッド部分の底部と境を接した状態になる。ヘッド部分の寸法と位置決め部分の寸法は概ね対応しているので、(より広い)ヘッド部分と(より狭い)ネック部分のエッジとが接触することにより、キャップの外れが防止される。キャップが外れるのは、使用者がキャップと本体を引き離すとき、ヘッド部分がネック部分のエッジを押し開き、ヘッド部分が後退して滑り出されるように、充分な力を加える場合のみである。
【0022】
上記実施例の多くのバリエーションが可能であることが理解されるであろう。例えば、キャップ104が切り抜き形態の接続構成を有する代わりに、対応形状の突起をキャップに形成し、この突起を受け入れるための切り抜きを本体102に設けることも可能である。また、最大直径を有する部分の上下のサイドエッジが曲線状/先細状の接続構成を有することは、ヘッド部分のオープンネック部分への押し込み及びオープンネック部分からの引き出しに役立つが、必ずしもそうである必要はない。例えば、接続構成は、矢印状、マッシュルーム状の形状等の突起及び切り抜きを含んでいてもよい。キャップと本体の両方に1を超える数の接続構成を設ける場合には、全ての接続構成のサイズ/形状が同一である必要はない。
【0023】
本明細書に記載の、自動注射器のキャップ及び本体の実施形態は、構成要素間の視認可能且つ確実な接続を提供する。これらの接続構成は別個の可動構成要素を持たないので、信頼性があり、製造が容易である。