(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記インターリービングコンバータのスイッチング素子が、ターンオン及びターンオフされた後、前記スイッチング素子に流れる電流または電圧がゼロクロッシングとなるとき、前記スイッチング素子を再びターンオンさせる、請求項1に記載の太陽光モジュール。
前記制御部は、前記スイッチング周期が増加した場合、前記少なくとも3つのインターリービングコンバータ間の動作区間に対する位相差が、前記スイッチング周期が増加する前の、前記少なくとも3つのインターリービングコンバータ間の動作区間に対する位相差よりも小さくなるように、前記少なくとも3つのインターリービングコンバータ間の動作区間に対する位相差を可変する、請求項1に記載の太陽光モジュール。
前記制御部は、前記スイッチング周期の可変後、前記少なくとも3つのインターリービングコンバータ間の動作区間に対する位相差が、順次に、基準位相差に近接するように、前記少なくとも3つのインターリービングコンバータ間の動作区間に対する位相差を可変する、請求項1に記載の太陽光モジュール。
前記制御部は、前記インターリービングコンバータのスイッチング素子がターンオン及びターンオフされた後、前記スイッチング素子に流れる電流または前記スイッチング素子の両端の電圧がゼロクロッシングであるか否かに基づいて、前記スイッチング周期を可変する、請求項14に記載の太陽光モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0016】
以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞、「モジュール」及び「部」は、単純に本明細書作成の容易さのみを考慮して付与するもので、それ自体で特別に重要な意味又は役割を付与するものではない。したがって、前記「モジュール」及び「部」は互いに混用して使用してもよい。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る太陽光システムの構成図の一例である。
【0018】
図面を参照すると、
図1の太陽光システム10は、複数の太陽光モジュール50a,50b,...,50nを備えることができる。
【0019】
各太陽光モジュール50a,50b,...,50nは、複数の太陽電池を備え、直流電源を生成する各太陽電池モジュール100a,100b,...,100nと、各太陽電池モジュール100a,100b,...,100nの背面に付着され、各太陽電池モジュール100a,100b,...,100nからの直流電源を交流電源に変換して出力するジャンクションボックス200a,200b,...,200nとを備えることができる。
【0020】
このとき、ジャンクションボックス200a,200b,...,200nは、各太陽電池モジュール100a,100b,...,100nからの直流電源を交流電源に変換して出力する電力変換モジュール(
図6の700)を備えることができる。
【0021】
電力変換モジュール(
図6の700)は、1つの回路基板上に、バイパスダイオードDa,Db,Dc、コンバータ部(
図6の530)、及びインバータ部(
図6の540)を備えることができる。このような電力変換モジュール(
図6の700)をマイクロインバータと呼ぶこともできる。
【0022】
一方、本発明の実施例における複数の太陽光モジュール50a,50b,...,50nは、各太陽電池モジュール100a,100b,...,100n及びジャンクションボックス200a,200b,...,200nを介して直ちに交流電源を出力できるので、これを太陽光ACモジュールと呼ぶこともできる。
【0023】
一方、このような構成によれば、各太陽電池モジュール100a,100b,...,100nに、交流電源を出力するマイクロインバータを付着することによって、太陽電池モジュールのいずれか1つの出力が低くなっても、複数の太陽光モジュール50a,50b,...,50nが互いに並列接続されているので、系統(グリッド)に生成された交流電源を供給できるようになる。
【0024】
また、複数の太陽光モジュール50a,50b,...,50nが互いに直列接続されるストリング方式とは異なり、互いに独立して交流電源を生成して出力し、並列接続されるので、他の太陽光モジュールの交流電源出力と関係なく安定的に、交流電源を系統に出力することができる。
【0025】
一方、本発明の実施例では、約290W〜330Wの交流電源の出力が可能なように、コンバータ部(
図6の530)は複数のインターリービングコンバータを備えることができる。特に、少なくとも3つのコンバータがインターリービング動作を行うことが好ましい。
【0026】
特に、コンバータ部(
図6の530)で使用されるインダクタ、トランスフォーマなどの体積が大きいので、インダクタとトランスフォーマなどの大きさを減少させる場合、容量が小さくなるため、所望の電力を出力できないことがある。
【0027】
例えば、2つのインターリービングコンバータを用いる場合、上述した290W〜330Wの交流電源の出力のために、かなりの大きさのインダクタとトランスフォーマなどが要求される。インダクタとトランスフォーマなどの大きさが大きくなるほど、ジャンクションボックスの厚さを厚くしなければならず、ジャンクションボックスの厚さが太陽電池モジュール20のフレームの厚さよりも大きくなることがある。
【0028】
このような点を解決するために、本発明の実施例では、3つ以上のインターリービングコンバータを用いるものとする。これによれば、上述した290W〜330Wの交流電源の出力のために、より小さい大きさのインダクタとトランスフォーマなどを使用することができ、これによって、ジャンクションボックスの厚さが太陽電池モジュールのフレーム105の厚さより小さくなり得る。これについては、
図6以下を参照して詳細に記述する。
【0029】
図2は、本発明の実施例に係る太陽光モジュールの正面図であり、
図3は、
図2の太陽光モジュールの背面図であり、
図4は、
図2の太陽電池モジュールの分解斜視図である。
【0030】
図2乃至
図4を参照すると、本発明の実施例に係る太陽光モジュール50は、太陽電池モジュール100と、太陽電池モジュール100の一面に位置するジャンクションボックス200とを含む。また、太陽光モジュール50は、太陽電池モジュール100とジャンクションボックス200との間に配置される放熱部材(図示せず)をさらに含むことができる。
【0031】
まず、太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池130を含むことができる。その他に、複数の太陽電池130の下面と上面にそれぞれ位置する第1密封材120と第2密封材150、第1密封材120の下面に位置する後面基板110、及び第2密封材150の上面に位置する前面基板160をさらに含むことができる。
【0032】
まず、太陽電池130は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する半導体素子であって、シリコン太陽電池(silicon solar cell)、化合物半導体太陽電池(compound semiconductor solar cell)、積層型太陽電池(tandem solar cell)、染料感応型またはCdTe、CIGS型太陽電池などであってもよい。
【0033】
太陽電池130は、太陽光が入射する受光面、及び受光面の反対側である裏面を有する。例えば、太陽電池130は、第1導電型のシリコン基板と、シリコン基板上に形成され、第1導電型と反対の導電型を有する第2導電型半導体層と、第2導電型半導体層の一部の面を露出させる少なくとも1つ以上の開口部を含み、第2導電型半導体層上に形成される反射防止膜と、少なくとも1つ以上の開口部を介して露出された第2導電型半導体層の一部の面に接触する前面電極と、前記シリコン基板の後面に形成された後面電極とを含むことができる。
【0034】
各太陽電池130は、電気的に直列、並列または直並列に接続されてもよい。具体的に、複数の太陽電池130は、リボン133によって電気的に接続可能である。リボン133は、太陽電池130の受光面上に形成された前面電極と、隣接する他の太陽電池130の裏面上に形成された後面電極集電電極とに接合可能である。
【0035】
図では、リボン133が2列に形成され、このリボン133によって、太陽電池130が一列に連結されて、太陽電池ストリング140が形成されることを例示する。これによって、6個のストリング140a,140b,140c,140d,140e,140fが形成され、各ストリングは10個の太陽電池を備えることを例示する。図とは異なり、様々な変形が可能である。
【0036】
一方、各太陽電池ストリングは、バスリボンにより電気的に接続されてもよい。
図2は、太陽電池モジュール100の下部に配置されるバスリボン145a,145c,145eによって、それぞれ、第1太陽電池ストリング140aと第2太陽電池ストリング140bとが、第3太陽電池ストリング140cと第4太陽電池ストリング140dとが、第5太陽電池ストリング140eと第6太陽電池ストリング140fとが電気的に接続されることを例示する。また、
図2は、太陽電池モジュール100の上部に配置されるバスリボン145b,145dによって、それぞれ、第2太陽電池ストリング140bと第3太陽電池ストリング140cとが、第4太陽電池ストリング140dと第5太陽電池ストリング140eとが電気的に接続されることを例示する。
【0037】
一方、第1ストリングに接続されたリボン、バスリボン145b,145d、及び第6ストリングに接続されたリボンは、それぞれ第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dに電気的に接続され、第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dは、太陽電池モジュール100の背面に配置されるジャンクションボックス200内のバイパスダイオード(
図6のDa,Db,Dc)と接続される。図では、第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dが、太陽電池モジュール100上に形成された開口部を通して、太陽電池モジュール100の背面に延びることを例示する。
【0038】
一方、ジャンクションボックス200は、太陽電池モジュール100の両端部のうち導電性ラインが延びる端部にさらに隣接して配置されることが好ましい。
【0039】
図2及び
図3では、第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dが、太陽電池モジュール100の上部から太陽電池モジュール100の背面に延びるので、ジャンクションボックス200が、太陽電池モジュール100の背面において上部に位置する場合を例示する。これによって、導電性ラインの長さを短縮することができるので、電力損失を低減することができる。
【0040】
後面基板110は、バックシートであって、防水、絶縁及び紫外線遮断機能を果たし、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプであってもよいが、これに限定するものではない。また、
図4では、後面基板110が矩形状に図示されているが、太陽電池モジュール100が設置される環境によって、円形、半円形などの様々な形状に製造することができる。
【0041】
一方、後面基板110上には、第1密封材120が後面基板110と同じ大きさで付着されて形成されてもよく、第1密封材120上には、複数の太陽電池130が数個の列をなすように互いに隣接して位置することができる。
【0042】
第2密封材150は、太陽電池130上に位置し、第1密封材120とラミネーション(Lamination)により接合することができる。
【0043】
ここで、第1密封材120及び第2密封材150は、太陽電池の各要素が化学的に結合できるようにする。このような第1密封材120及び第2密封材150は、エチレン酢酸ビニル樹脂(Ethylene Vinyl Acetate;EVA)フィルムなどの様々な例が可能である。
【0044】
一方、前面基板160は、太陽光を透過するように第2密封材150上に位置し、外部の衝撃などから太陽電池130を保護するために強化ガラスであることが好ましい。また、太陽光の反射を防止し、太陽光の透過率を高めるために、鉄分が少なく含有された低鉄分強化ガラスであることがより好ましい。
【0045】
ジャンクションボックス200は、太陽電池モジュール100の背面上に付着され、太陽電池モジュール100から供給される直流電源を用いて電力変換を行うことができる。具体的に、ジャンクションボックス200は、直流電源を交流電源に変換して出力する電力変換モジュール700を備えることができる。
【0046】
電力変換モジュール700は、1つの回路基板上に、バイパスダイオードDa,Db,Dc、コンバータ部(
図6の530)、及びインバータ部(
図6の540)を備えることができる。このような電力変換モジュール700をマイクロインバータと呼ぶこともできる。
【0047】
一方、ジャンクションボックス200内の回路素子への水分浸透を防止するために、ジャンクションボックスの内部は、シリコンなどを用いて水分浸透防止用コーティングを行うことができる。
【0048】
一方、ジャンクションボックス200には開口(図示せず)が形成されて、上述した第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dがジャンクションボックス内のバイパスダイオード(
図6のDa,Db,Dc)と接続されるようにすることができる。
【0049】
一方、ジャンクションボックス200の一側面には、電力変換された交流電源を外部に出力するための交流出力ケーブル38が連結されてもよい。
【0050】
一方、太陽光モジュール50は、太陽電池モジュール100の外郭部を固定するためのフレーム105を含むことができる。一方、ジャンクションボックス200が背面から突出しないように、ジャンクションボックス200の厚さがフレーム105の厚さよりも小さいことが好ましい。
【0051】
図5は、
図2の太陽光モジュールのバイパスダイオードの構成の一例である。
【0052】
図面を参照して説明すると、6個の太陽電池ストリング140a,140b,140c,140d,140e,140fに対応してバイパスダイオードDa,Db,Dcが接続されてもよい。具体的に、第1バイパスダイオードDaは、第1太陽電池ストリングと第1バスリボン145aとの間に接続されて、第1太陽電池ストリング140aまたは第2太陽電池ストリング140bでの逆電圧の発生時に、第1太陽電池ストリング140a及び第2太陽電池ストリング140bをバイパス(bypass)させる。
【0053】
例えば、正常な太陽電池で発生する約0.6Vの電圧が発生する場合、第1バイパスダイオードDaのアノード電極の電位に比べて、カソード電極の電位が約12V(=0.6V*20)程度さらに高くなる。すなわち、第1バイパスダイオードDaは、バイパスではなく正常な動作を行うことになる。
【0054】
一方、第1太陽電池ストリング140a内のある太陽電池において、陰影が発生したり、異物が付着したりしてホットスポット(hot spot)が発生する場合、ある一つの太陽電池で発生する電圧は、約0.6Vの電圧ではなく、逆電圧(約−15V)が発生することになる。これによって、第1バイパスダイオードDaのアノード電極の電位がカソード電極に比べて約15V程度さらに高くなり、第1バイパスダイオードDaはバイパス動作を行うことになる。したがって、第1太陽電池ストリング140a及び第2太陽電池ストリング140b内の太陽電池で発生する電圧がジャンクションボックス200に供給されない。このように、一部の太陽電池で逆電圧が発生する場合、バイパスさせることによって、当該太陽電池などの破壊を防止できるようになる。また、ホットスポット(hot spot)領域を除いて、生成された直流電源を供給できるようになる。
【0055】
次に、第2バイパスダイオードDbは、第1バスリボン145aと第2バスリボン145bとの間に接続されて、第3太陽電池ストリング140cまたは第4太陽電池ストリング140dでの逆電圧の発生時に、第3太陽電池ストリング140c及び第4太陽電池ストリング140dをバイパス(bypass)させる。
【0056】
次に、第3バイパスダイオードDcは、第6太陽電池ストリング140fと第2バスリボン145bとの間に接続されて、第5太陽電池ストリング140eまたは第6太陽電池ストリング140fでの逆電圧の発生時に、第5太陽電池ストリング140e及び第6太陽電池ストリング140fをバイパス(bypass)させる。
【0057】
一方、
図5とは異なり、6個の太陽電池ストリングに対応して6個のバイパスダイオードを接続させることも可能であり、その他の様々な変形が可能である。
【0058】
図6は、
図2のジャンクションボックスの内部の電力変換モジュールのブロック図の一例である。
【0059】
図面を参照すると、ジャンクションボックスの内部の電力変換モジュール700は、バイパスダイオード部510、コンバータ部530、キャパシタC1、インバータ部540、及び制御部550を含むことができる。
【0060】
バイパスダイオード部510は、太陽電池モジュール100の第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135d同士の間にそれぞれ配置されるバイパスダイオードDa,Db,Dcを備えることができる。このとき、バイパスダイオードの個数は、1つ以上であり、導電性ラインの個数より1つさらに小さいことが好ましい。
【0061】
バイパスダイオードDa,Db,Dcには、太陽電池モジュール50から、特に、太陽電池モジュール50内の第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dから太陽光直流電源が入力される。そして、バイパスダイオードDa,Db,Dcは、第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dのうち少なくとも1つからの直流電源において逆電圧が発生する場合、バイパスさせることができる。
【0062】
一方、バイパスダイオード部510を経た入力電源Vpvは、コンバータ部530に入力される。
【0063】
コンバータ部530は、バイパスダイオード部510から出力された入力電源Vpvを変換する。一方、コンバータ部530は、第1電力変換部と呼ぶことができる。
【0064】
例えば、コンバータ部530は、
図8Aのように、直流入力電源Vpvを擬似直流電源(pseudo dc voltage)に変換することができる。これによって、キャパシタC1には擬似直流電源が格納され得る。一方、dc端キャパシタC1の両端はdc端ということができ、キャパシタC1はdc端キャパシタと呼ぶこともできる。
【0065】
他の例として、コンバータ部530は、
図8Aのように、直流入力電源Vpvを昇圧して直流電源に変換することができる。これによって、dc端キャパシタC1には昇圧された直流電源が格納され得る。
【0066】
インバータ部540は、dc端キャパシタC1に格納された直流電源を交流電源に変換することができる。一方、インバータ部540は、第2電力変換部と呼ぶことができる。
【0067】
例えば、インバータ部540は、コンバータ部530で変換された擬似直流電源(pseudo dc voltage)を交流電源に変換することができる。
【0068】
他の例として、インバータ部540は、コンバータ部530で昇圧された直流電源を交流電源に変換することができる。
【0069】
一方、コンバータ部530は、擬似直流電源(pseudo dc voltage)変換または昇圧直流電源変換のために、複数のインターリービングコンバータを備えることが好ましい。
【0070】
特に、本発明の実施例では、コンバータ部530が、3つ以上のインターリービングコンバータを備えるものとする。
【0071】
図では、n個のコンバータ610a,610b,...610nが互いに並列接続されることを例示する。n個のコンバータ610a,610b,...610nのエネルギー変換容量は同一であってもよい。
【0072】
直流入力電源Vpvによる電流が、n個のコンバータ610a,610b,...610nにおいて1/Nに小さくなり、n個のコンバータ610a,610b,...610nの出力端において、各コンバータの出力電流が一つに合わせられる。
【0073】
一方、n個のコンバータ610a,610b,...610nは、インターリービング動作を行い、各n個のコンバータ610a,610b,...610nの電流位相は、基準相と比較して+(360°/N)、−(360°/N)、またはそれと近接する位相遅延を維持しながら動作する。
【0074】
このように、n個のコンバータをインターリービング動作させる場合、コンバータ部530の入力電流及び出力電流のリップル(ripple)が低減され、したがって、電力変換モジュール700内の回路素子の容量及び大きさが小さくなるという利点がある。
【0075】
一方、上述したように、2つのインターリービングコンバータを用いる場合、上述した290W〜330Wの交流電源の出力のために、かなりの大きさのインダクタとトランスフォーマなどが要求される。インダクタとトランスフォーマなどの大きさが大きくなるほど、ジャンクションボックスの厚さを厚くしなければならず、ジャンクションボックスの厚さが太陽電池モジュール20のフレームの厚さよりも大きくなることがある。
【0076】
このような点を解決するために、本発明の実施例では、3つ以上のインターリービングコンバータを用いるものとする。これによれば、上述した290W〜330Wの交流電源の出力のために、より小さい大きさのインダクタとトランスフォーマなどを使用することができ、これによって、ジャンクションボックスの厚さが太陽電池モジュールのフレーム105の厚さより小さくなり得る。
【0077】
一方、インターリービングコンバータは、タップインダクタコンバータ、フライバックコンバータなどを用いることができる。
【0078】
図7Aは、
図6の電力変換モジュールの内部回路図の一例である。
【0079】
図面を参照すると、電力変換モジュール700は、バイパスダイオード部510、コンバータ部530、dc端キャパシタC1、インバータ部540、制御部550、及びフィルタ部560を含むことができる。
【0080】
図7Aは、インターリービングコンバータとしてタップインダクタコンバータを例示する。図では、コンバータ部530が、第1タップインダクタコンバータ〜第3タップインダクタコンバータ611a,611b,611cを備える場合を例示する。
【0081】
バイパスダイオード部510は、第1〜第4導電性ライン135a,135b,135c,135dにそれぞれ対応するaノード、bノード、cノード、dノードのそれぞれの間に配置される第1〜第3バイパスダイオードDa,Db,Dcを含む。
【0082】
コンバータ部530は、バイパスダイオード部510から出力される直流電源Vpvを用いて電力変換を行うことができる。
【0083】
特に、第1タップインダクタコンバータ〜第3タップインダクタコンバータ611a,611b,611cは、インターリービング動作によって、それぞれ変換された直流電源をdc端キャパシタC1に出力する。
【0084】
そのうち第1タップインダクタコンバータ611aは、タップインダクタT1、タップインダクタT1と接地端との間に接続されるスイッチング素子S1、及びタップインダクタの出力端に接続されて一方向導通を行うダイオードD1を含む。一方、ダイオードD1の出力端、すなわち、カソード(cathode)と接地端との間に、dc端キャパシタC1が接続される。
【0085】
具体的に、スイッチング素子S1は、タップインダクタT1のタップと接地端との間に接続可能である。そして、タップインダクタT1の出力端(2次側)はダイオードD1のアノード(anode)に接続され、ダイオードD1のカソード(cathode)と接地端との間にdc端キャパシタC1が接続される。
【0086】
一方、タップインダクタT1の1次側と2次側は反対の極性を有する。一方、タップインダクタT1は、スイッチングトランスフォーマ(transformer)と呼ぶこともできる。
【0087】
一方、タップインダクタT1の1次側と2次側は、図示のように互いに接続される。これによって、タップインダクタコンバータは非絶縁タイプのコンバータであり得る。
【0088】
一方、3つのタップインダクタコンバータ611a,611b,611cを、図示のように互いに並列接続させてインターリービング(interleaving)方式で駆動する場合、入力電流成分が並列に分岐するので、各タップインダクタコンバータ611a,611b,611cを介して出力される電流成分のリップル(ripple)が減少する。
【0089】
一方、各タップインダクタコンバータ611a,611b,611cは、出力される交流電源の電力必要値に対応して適応的に動作することが可能である。
【0090】
例えば、電力必要値が約90W〜130Wである場合、第1コンバータ611aのみ動作したり、電力必要値が約190W〜230Wである場合、第1及び第2コンバータ611a,611bのみ動作したり、電力必要値が約290W〜330Wである場合、第1〜第3インターリービングコンバータ611a,611b,611cが全て動作したりすることができる。すなわち、各タップインダクタコンバータ611a,611b,611cが選択的に動作することができる。このような選択的動作は、制御部550によって制御可能である。
【0091】
インバータ部540は、コンバータ部530でレベル変換された直流電源を交流電源に変換する。図では、フルブリッジインバータ(full−bridge inverter)を例示する。すなわち、それぞれ互いに直列接続される上アームスイッチング素子Sa,Sb及び下アームスイッチング素子S’a,S’bが一対をなし、総2対の上、下アームスイッチング素子が互いに並列(Sa&S’a,Sb&S’b)に接続される。各スイッチング素子Sa,S’a,Sb,S’bにはダイオードが逆並列に接続される。
【0092】
インバータ部540内のスイッチング素子は、制御部550からのインバータスイッチング信号に基づいて、ターンオン/オフ動作を行う。これによって、所定の周波数を有する交流電源が出力される。好ましくは、グリッド(grid)の交流周波数と同じ周波数(約60Hz又は50Hz)を有することが好ましい。
【0093】
フィルタ部560は、インバータ部540から出力される交流電源を滑らかにするために、ローパスフィルタリング(lowpass filtering)を行う。そのために、図では、インダクタLf1,Lf2を例示しているが、様々な例が可能である。
【0094】
一方、コンバータ入力電流感知部Aは、コンバータ部530に入力される入力電流ic1を感知し、コンバータ入力電圧感知部Bは、コンバータ部530に入力される入力電圧vc1を感知する。感知された入力電流ic1及び入力電圧vc1は制御部550に入力可能である。
【0095】
一方、コンバータ出力電流感知部Cは、コンバータ部530から出力される出力電流ic2、すなわち、dc端電流を感知し、コンバータ出力電圧感知部Dは、コンバータ部530から出力される出力電圧vc2、すなわち、dc端電圧を感知する。感知された出力電流ic2及び出力電圧vc2は制御部550に入力可能である。
【0096】
一方、インバータ出力電流感知部Eは、インバータ部540から出力される電流ic3を感知し、インバータ出力電圧感知部Fは、インバータ部540から出力される電圧vc3を感知する。感知された電流ic3及び電圧vc3は制御部550に入力される。
【0097】
一方、制御部550は、
図7のコンバータ部530のスイッチング素子S1を制御する制御信号を出力することができる。特に、制御部550は、感知された入力電流ic1、入力電圧vc1、出力電流ic2、出力電圧vc2、出力電流ic3、または出力電圧vc3のうち少なくとも1つに基づいて、コンバータ部530内のスイッチング素子S1のターンオンタイミング信号を出力することができる。
【0098】
一方、制御部550は、インバータ部540の各スイッチング素子Sa,S’a,Sb,S’bを制御するインバータ制御信号を出力することもできる。特に、制御部550は、感知された入力電流ic1、入力電圧vc1、出力電流ic2、出力電圧vc2、出力電流ic3、または出力電圧vc3のうち少なくとも1つに基づいて、インバータ部540の各スイッチング素子Sa,S’a,Sb,S’bのターンオンタイミング信号を出力することができる。
【0099】
一方、制御部550は、太陽電池モジュール100に対する最大電力地点を演算し、それによって、最大電力に該当する直流電源を出力するようにコンバータ部530を制御することができる。
【0100】
図7Bは、
図6の電力変換モジュールの内部回路図の他の例である。
【0101】
図7Bの電力変換モジュール700は、
図7Aの電力変換モジュール700と同様に、バイパスダイオード部510、コンバータ部530、dc端キャパシタC1、インバータ部540、制御部550、及びフィルタ部560を含むことができる。
【0102】
ただし、
図7Bは、コンバータ部530内のインターリービングコンバータとしてフライバックコンバータを例示する。図では、コンバータ部530が、第1フライバックコンバータ〜第3フライバックコンバータ612a,612b,612cを備える場合を例示する。
【0103】
特に、第1フライバックコンバータ〜第3フライバックコンバータ612a,612b,612cは、非絶縁タイプのタップインダクタコンバータとは異なり、絶縁タイプであって、インターリービング動作によって、それぞれ変換された直流電源をdc端キャパシタC1に出力する。
【0104】
そのうち第1フライバックコンバータ612aは、トランスフォーマT11、トランスフォーマT11の1次側と接地端との間に接続されるスイッチング素子S11、及びトランスフォーマT11の2次側に接続されて一方向導通を行うダイオードD11を含む。一方、ダイオードD11の出力端、すなわち、カソード(cathode)と接地端との間に、dc端キャパシタC1が接続される。一方、トランスフォーマT11の1次側と2次側は反対の極性を有する。
【0105】
図8A及び
図8Bは、
図6の電力変換モジュールの動作方法を説明する図である。
【0106】
まず、
図8Aを参照すると、本発明の実施例に係る電力変換モジュール700のコンバータ部530は、太陽電池モジュール100からの直流電源を擬似直流電源(pseudo dc voltage)に変換することができる。
【0107】
図7Aのようにコンバータ部530がタップインダクタコンバータであるか、または
図7Bのようにコンバータ部530がフライバックコンバータである場合、スイッチング素子(S1又はS11)のスイッチングオン/オフによって、全波整流された直流電源のような包絡線を有する擬似直流電源(pseudo dc voltage)に変換することができる。これによって、キャパシタC1には擬似直流電源が格納され得る。
【0108】
一方、インバータ540は、擬似直流電源(pseudo dc voltage)の入力を受け、スイッチング動作を行って交流電源として出力する。具体的に、全波整流された直流電源のような包絡線を有する擬似直流電源(pseudo dc voltage)を用いて、+と−を有する交流電源に変換して出力することができる。特に、系統周波数に対応する交流電源に変換して出力することができる。
【0109】
次に、
図8Bを参照すると、本発明の実施例に係る電力変換モジュール700のコンバータ部530は、太陽電池モジュール100からの直流電源をレベル変換して、具体的に、昇圧して、昇圧された直流電源に変換することができる。
【0110】
図7Aのようにコンバータ部530がタップインダクタコンバータであるか、または
図7Bのようにコンバータ部530がフライバックコンバータである場合、スイッチング素子(S1又はS11)のスイッチングオン/オフによって、直流電源Vpを昇圧された直流電源に変換することができる。これによって、キャパシタC1には昇圧された直流電源が格納され得る。
【0111】
インバータ540は、昇圧された直流電源の入力を受け、スイッチング動作を行って交流電源として出力する。特に、系統周波数に対応する交流電源に変換して出力することができる。
【0112】
図9A及び
図9Bは、
図7Aのタップインダクタコンバータの動作を説明するために参照される図である。
【0113】
第1タップインダクタコンバータ611aの動作を簡略に説明すると、スイッチング素子S1がターンオン(on)される場合、
図9Aのように、入力電圧Vpv、タップインダクタT1の1次側、及びスイッチング素子S1による閉ループ(closed loop)が形成され、第1電流I1が閉ループ上に流れることになる。このとき、タップインダクタT1の2次側は、1次側と反対の極性を有するので、ダイオードD1は導通せず、オフ(off)される。これによって、入力電圧VpvによるエネルギーがタップインダクタT1の1次側に格納される。
【0114】
次に、スイッチング素子S1がターンオフ(off)される場合、
図9Bのように、入力電圧Vpv、タップインダクタT1の1次側、2次側、ダイオードD1、及びキャパシタC1による閉ループ(closed loop)が形成され、第2電流I2が閉ループ上に流れることになる。すなわち、タップインダクタT1の2次側は、1次側と反対の極性を有するので、ダイオードD1は導通する。これによって、入力電圧Vpv、タップインダクタT1の1次側及び2次側に格納されたエネルギーが、ダイオードD1を経てキャパシタC1に格納され得る。
【0115】
このように、コンバータ部530は、入力電圧Vpv、タップインダクタT1の1次側及び2次側に格納されたエネルギーを用いることによって、擬似直流電源、または高効率且つ高電圧の直流電源を出力することができる。
【0116】
図10A及び
図10Bは、
図6のコンバータ部で入力電源を用いて擬似直流電源を出力することを説明するために参照される図である。
【0117】
図6及び
図10Aを参照すると、コンバータ部530内の第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cは、直流である入力電源Vpvを用いて、擬似直流電源を出力する。
【0118】
具体的に、コンバータ部530は、太陽電池モジュール100から約32V〜36Vの直流電源を用いて、ピーク値が約330Vである擬似直流電源を出力する。
【0119】
そのために、制御部550は、検出される入力電源Vpv及び検出される出力電源Vdcに基づいて、第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cのスイッチング素子のデューティを決定する。
【0120】
特に、入力電圧Vpvが低いほど、第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cのスイッチング素子のデューティが大きくなり、入力電圧Vpvが高いほど、スイッチング素子のデューティが小さくなる。
【0121】
一方、目標出力電源Vdcが低いほど、第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cのスイッチング素子のデューティが小さくなり、目標出力電源Vdcが高いほど、スイッチング素子のデューティが大きくなる。例えば、目標出力電源Vdcがピーク値である約330Vである場合、スイッチング素子のデューティが最も大きくなり得る。
【0122】
図10Aでは、このようなデューティ可変によって出力される擬似直流電源波形Vslvを例示し、このような擬似直流電源波形は、目標サイン波形Vsinに追従することを例示する。
【0123】
一方、本発明では、擬似直流電源波形Vslvがより正確に全波整流波形Vsinに追従するようにするために、コンバータ部530のスイッチング周波数を可変するものとする。
【0124】
図10Bのように、コンバータ部530のスイッチング周波数を固定とする場合の擬似直流電源波形Vslfと目標サイン波形Vsinとの誤差(ΔE2)が、
図10Aのコンバータ部530のスイッチング周波数を可変する場合の擬似直流電源波形Vslvと目標サイン波形Vsinとの誤差(ΔE1)よりもさらに大きくなる。
【0125】
本発明では、このような誤差を低減するために、コンバータ部530のスイッチング周波数を可変する。すなわち、第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cのスイッチング素子のスイッチング周波数を可変する。
【0126】
制御部550は、目標サイン波形Vsinの変化率が大きくなるほど、コンバータ部530のスイッチング周波数が大きくなるように、すなわち、スイッチング周期が小さくなるように設定し、目標サイン波形Vsinの変化率が小さくなるほど、コンバータ部530のスイッチング周波数が小さくなるように、すなわち、スイッチング周期が大きくなるように制御することができる。
【0127】
図10Aでは、目標サイン波形Vsinの上昇区間に、スイッチング周期がTaに設定され、目標サイン波形Vsinのピーク区間に、スイッチング周期がTaよりも大きいTbに設定される場合を例示する。すなわち、スイッチング周期Taに該当するスイッチング周波数が、スイッチング周期Tbに該当するスイッチング周波数よりも高いことを例示する。これによって、擬似直流電源波形Vslvと目標サイン波形Vsinとの誤差(ΔE1)を低減することができる。
【0128】
一方、
図10Aのスイッチング周波数の可変に対して、スイッチング素子のスイッチングモード技法で説明することも可能である。これについては、
図11及び
図12を参照する。
【0129】
図11及び
図12は、スイッチング素子のスイッチングモードによるスイッチング周波数の可変を説明するために参照される図である。
【0130】
まず、
図11の(a)は、インターリービングコンバータのスイッチング素子のデューティ波形図の一例を例示する。図面を参照すると、第1スイッチング周期Tf1内の第1デューティduty1の間、スイッチング素子がターンオンされ、その後にターンオフされ、第2スイッチング周期Tf2内の第2デューティduty2の間、スイッチング素子がターンオンされ、その後にターンオフされる。図では、第1デューティduty1が第2デューティduty2よりも大きい場合を例示する。
【0131】
一方、
図11の(a)は、インターリービングコンバータのスイッチング周期が固定であり、スイッチングモードとしてDCM(Discontinuous Conduction Mode)が適用される場合を例示する。
【0132】
インターリービングコンバータのスイッチング周期が固定であり、スイッチングモードとしてdcmが適用される場合、
図11の(b)のようなスイッチング素子に流れる電流波形Idcmが例示され得る。スイッチング素子のターンオンによって、スイッチング素子に流れる電流が増加し、スイッチング素子のターンオフによって、電流が減少することになる。
【0133】
図11の(c)は、dcmによるインターリービングコンバータのスイッチング素子に流れる実際の電流波形を例示し、
図11の(d)は、dcmによるインターリービングコンバータのスイッチング素子の両端のスイッチング電圧を例示する。
【0134】
一方、スイッチング素子のターンオフの後、次のスイッチング周期が行われる前に、インターリービングコンバータ内の共振区間1105が発生し得る。このとき、dcmによりスイッチング素子を動作させると、スイッチング素子の両端のスイッチング電圧が0にならない区間1107が発生する。したがって、スイッチング素子に対する零電圧スイッチング(zero voltage switching;ZVS)が行われないことで、インターリービングコンバータの効率が低下する。
【0135】
本発明では、このような点を解決するために、スイッチングモードとして、dcmの代わりに、CRM(critical conduction mode)モードを使用する。CRMは、BCM(boundary conduction mode)モードまたはTM(transition mode)モードとも言える。
【0136】
CRMは、インターリービングコンバータのスイッチング素子がターンオフされた後、スイッチング素子に流れる電流が0になるたびにスイッチング周期が始まるモードを意味する。これによって、CRMは、スイッチング周期のデューティに応じて、スイッチング周期を可変することができる。
【0137】
図12の(a)は、インターリービングコンバータのスイッチング素子のデューティ波形図の一例を例示する。図面を参照すると、第1スイッチング周期Tfa内の第1デューティduty1の間、スイッチング素子がターンオンされ、その後にターンオフされ、第2スイッチング周期Tfb内の第2デューティduty2の間、スイッチング素子がターンオンされ、その後にターンオフされる。図では、第1デューティduty1が第2デューティduty2よりも大きい場合を例示する。
【0138】
一方、
図12の(a)は、デューティの可変に応じてインターリービングコンバータのスイッチング周期が可変されることから、スイッチングモードとして、スイッチング周波数が可変するCRMが適用される場合を例示している。
【0139】
スイッチングモードとして、スイッチング周波数が可変するCRMが適用される場合、
図12の(b)のようなスイッチング素子に流れる電流波形Icrmが例示され得る。スイッチング素子のターンオンによって、スイッチング素子に流れる電流が増加し、スイッチング素子のターンオフによって、電流が減少することになる。そして、スイッチング素子に流れる電流が0になると、すなわち、ゼロクロッシング(zero crossing)となると、新しいスイッチング周期が始まる。
【0140】
図12の(c)は、crmによるインターリービングコンバータのスイッチング素子に流れる実際の電流波形を例示し、
図12の(d)は、crmによるインターリービングコンバータのスイッチング素子の両端のスイッチング電圧を例示する。
【0141】
一方、スイッチング素子のターンオフの後、インターリービングコンバータ内の共振区間1105が発生し得る。このとき、crmによりスイッチング素子を動作させると、共振区間1105の発生にもかかわらず、スイッチング素子の電流が0になる時点を決定し、すなわち、ゼロクロッシング(zero crossing)となる時点に、スイッチング素子をターンオンすることができる。すなわち、新しいスイッチング周期を始めることができる。これによって、スイッチング素子に対する零電圧スイッチング(zero voltage switching;ZVS)を行うことができ、インターリービングコンバータの効率を向上させることができる。
【0142】
これによって、本発明では、crmをベースとして、インターリービングコンバータのスイッチング素子のスイッチング周波数を可変する。
【0143】
一方、
図6のように、3つのインターリービングコンバータ610a,610b,610cが用いられる場合、第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cが、それぞれ位相差をもって動作することになる。
【0144】
このとき、スイッチング周波数可変が適用された状態で、第1〜第3インターリービングコンバータ610a,610b,610cの動作区間に対して一定の位相差、例えば、120°に設定する場合、スイッチング周期が長くなる場合に出力パワーが低下するという問題が発生することがある。これについては、
図13及び
図14を参照して記述する。
【0145】
図13は、3つのインターリービングコンバータ610a,610b,610cにおいて、スイッチング周波数可変、及び位相差を固定する場合を例示する。
【0146】
図面を参照すると、時点0から9Tvまではスイッチング周期が3Tvで固定であり、3つのインターリービングコンバータ610a,610b,610cの位相(phase a、phase b、phase c)の位相差は、Tvであることがわかる。
【0147】
次に、時点9Tvにおいて、スイッチング周期が可変されて、スイッチング周期が9Tvに3倍増加する場合が例示される。このような場合、第1インターリービングコンバータは、以前のスイッチング周期と対比して、3Tvの後に、3Tv区間の間動作するが、第2インターリービングコンバータは、第1インターリービングコンバータの可変されたデューティ(3Tv)を考慮して、以前のスイッチング周期と対比して、5Tvの後に、3Tv区間の間動作する。第3インターリービングコンバータも、第2インターリービングコンバータの可変されたデューティ(3Tv)を考慮して、以前のスイッチング周期と対比して、7Tvの後に、3Tv区間の間動作する。
【0148】
このときの第1インターリービングコンバータないし第3インターリービングコンバータの位相差は、スイッチング周期の可変にもかかわらず、それぞれ120度に固定される。すなわち、第1インターリービングコンバータが動作した後、それぞれ3Tv区間の後、6Tv区間の後に、第2インターリービングコンバータと第3インターリービングコンバータが動作する。
【0149】
このようなスイッチング周期可変区間1310,1320では、第1インターリービングコンバータに比べて、第2インターリービングコンバータと第3インターリービングコンバータによって出力されるパワーが減少する。したがって、コンバータ部530の出力電流または出力電圧が瞬間的に低下する。
【0150】
このような点を解決するために、本発明の実施例では、複数のインターリービングコンバータにおいて、スイッチング周期の可変時に、インターリービングコンバータ間の出力不平衡を解消するために、複数のインターリービングコンバータの動作区間に対する位相を可変する。これについては、
図14を参照して記述する。
【0151】
図14は、3つのインターリービングコンバータ610a,610b,610cにおいて、スイッチング周波数可変、及び位相差を可変する場合を例示する。
【0152】
図面を参照すると、時点0から9Tvまではスイッチング周期が3Tvで固定であり、3つのインターリービングコンバータ610a,610b,610cの位相(phase a、phase b、phase c)の位相差は、Tvであることがわかる。
【0153】
次に、時点9Tvにおいて、スイッチング周期が可変されて、スイッチング周期が9Tvに3倍増加する場合が例示される。このような場合、第1インターリービングコンバータは、以前のスイッチング周期と対比して、3Tvの後に、3Tv区間の間動作し、スイッチング周期可変区間1410において、第2インターリービングコンバータは、スイッチング周期可変時点である9Tvより3Tvの後に、3Tv区間の間動作し、第3インターリービングコンバータは、スイッチング周期可変時点である9Tvより6Tvの後に、3Tv区間の間動作することができる。
【0154】
すなわち、
図13とは異なり、制御部550は、可変された周期に対応して、第1インターリービングコンバータないし第3インターリービングコンバータの位相差を可変する。図によれば、第1インターリービングコンバータと第2インターリービングコンバータとの位相差、及び第2インターリービングコンバータと第3インターリービングコンバータとの位相差が、120度から40度に可変される。
【0155】
制御部550は、スイッチング周期が増加する場合、各インターリービングコンバータ間の位相差が減少するように位相を可変することができる。これと同様に、スイッチング周期が減少する場合、各インターリービングコンバータ間の位相差が増加するように、例えば、120度から130度などに増加するように位相を可変することができる。
【0156】
一方、制御部550は、スイッチング周期が増加する場合、各インターリービングコンバータ間の動作区間の位相が重なる領域が発生するように、特に増加するように、位相を可変することができる。図では、約2Tv区間の間、第1インターリービングコンバータと第2インターリービングコンバータとの動作区間が重なることを例示する。
【0157】
一方、スイッチング周期の可変後、時点18Tvにおいて、第1インターリービングコンバータは、以前のスイッチング周期と対比して、9Tvの後に、3Tv区間の間動作するが、第2インターリービングコンバータは、以前のスイッチング周期と対比して、9.1Tvの後に、3Tv区間の間動作し、第3インターリービングコンバータも、以前のスイッチング周期と対比して、9.1Tvの後に、3Tv区間の間動作することができる。
【0158】
制御部550は、可変された周期後に、順次に、各コンバータ内の位相差が基準位相差に近接するように位相差を可変することができる。図によれば、時点18Tvの後に、第1インターリービングコンバータと第2インターリービングコンバータとの位相差、及び第2インターリービングコンバータと第3インターリービングコンバータとの位相差が、40度から約41度に増加することがわかる。
【0159】
このように、順次に位相差を再び元の基準位相差である120度に近接するようにすることによって、電流歪みを防止することができ、上述した第2インターリービングコンバータと第3インターリービングコンバータの出力低下も防止することができる。
【0160】
一方、このような位相可変は、少なくとも3つのインターリービングコンバータが用いられる場合にのみ有効であり、2つのインターリービングコンバータが用いられる場合には、
図12のように、固定された位相180度を有することが好ましい。
【0161】
一方、
図10A乃至
図14でのスイッチング周波数可変及び位相可変は、コンバータ部530に適用可能であり、特に、
図7Aのように、コンバータ部530がタップインダクタコンバータであるか、または
図7Bのように、コンバータ部530がフライバックコンバータである場合に適用可能である。
【0162】
本発明に係る太陽光モジュールは、上記のように説明された実施例の構成と方法が限定されて適用されるものではなく、上記実施例は、様々な変形が可能なように各実施例の全部又は一部が選択的に組み合わされて構成されてもよい。
【0163】
また、以上では本発明の好ましい実施例について図示し、説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱せずに当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって様々な変形実施が可能なことは言うまでもなく、このような変形実施は、本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。