特許第6522402号(P6522402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522402
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20190520BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20190520BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   H01L23/50 K
   H01L25/04 C
【請求項の数】21
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-84132(P2015-84132)
(22)【出願日】2015年4月16日
(65)【公開番号】特開2016-207714(P2016-207714A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】松原 弘招
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 泰正
【審査官】 秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−008229(JP,A)
【文献】 特開2013−051547(JP,A)
【文献】 特開平04−242966(JP,A)
【文献】 特開2005−167013(JP,A)
【文献】 特開2002−164494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
H01L 25/07
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
前記半導体素子を搭載するダイパッド、第1方向に沿って配列された複数の第1端子、前記第1方向に沿って配列され、かつ前記第1方向に対して直角である第2方向において、前記半導体素子を挟んで前記複数の第1端子の反対側に位置する複数の第2端子および前記ダイパッドに連結された支持端子を含む導電支持部材と、
前記複数の第1端子、前記複数の第2端子および前記支持端子のそれぞれ一部ずつと、前記半導体素子および前記ダイパッドとを覆う封止樹脂と、を備える半導体装置であって、
前記導電支持部材は、前記複数の第1端子を含む第1導電支持部材と、前記複数の第2端子を含む第2導電支持部材と、を含み、
前記第2方向において、前記第1導電支持部材および前記第2導電支持部材は互いに離間して配置され、
前記半導体素子は、制御素子と、前記制御素子よりも高い電圧を必要とする駆動素子と、を含み、
前記ダイパッドは、前記第1導電支持部材に含まれる第1ダイパッドと、前記第2導電支持部材に含まれる第2ダイパッドと、を含み、
前記第1ダイパッドに前記制御素子が搭載され、前記第2ダイパッドに前記駆動素子が搭載され、
前記制御素子および前記駆動素子と導通する絶縁素子をさらに備え、
前記絶縁素子には、インダクタが形成され、前記第2方向において前記絶縁素子は、前記制御素子と前記駆動素子との間に位置し、
前記支持端子は、前記第1導電支持部材に含まれ、かつ前記第1ダイパッドの前記第1方向の両端に連結された一対の第1支持端子と、前記第2導電支持部材に含まれ、かつ前記第2ダイパッドの前記第1方向の両端に連結された一対の第2支持端子と、を含み、
前記第1導電支持部材には、貫通孔が形成され、
前記第1導電支持部材において、前記一対の第1支持端子および前記貫通孔は、前記第1方向に沿った直線上に配置され、
前記封止樹脂は、前記第2方向に離間した一対の樹脂第1側面と、前記第1方向に離間した一対の樹脂第2側面と、を有し、
前記複数の第1端子前記複数の第2端子、前記一対の第1支持端子、および前記一対の第2支持端子が、前記一対の樹脂第1側面から露出し、
前記導電支持部材が、前記一対の樹脂第2側面から露出していないことを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記制御素子は、前記複数の第1端子の少なくともいずれかに導通し、
前記駆動素子は、前記複数の第2端子の少なくともいずれかに導通している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記制御素子は、前記一対の第1支持端子の少なくともいずれかに導通し、
前記駆動素子は、前記一対の第2支持端子の少なくともいずれかに導通している、請求項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記制御素子、前記駆動素子および前記絶縁素子の平面視形状は、いずれも前記第1方向を長辺とする長矩形である、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1ダイパッドの面積は、前記第2ダイパッドの面積の面積よりも広く、かつ前記第1ダイパッドに前記絶縁素子が搭載されている、請求項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の第1端子、および前記一対の第1支持端子は、前記一対の樹脂第1側面の一方から露出している、請求項4または5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記一対の第1支持端子は、前記複数の第1端子の前記第1方向の両側に配置されている、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記複数の第2端子、および前記一対の第2支持端子は、前記一対の樹脂第1側面の他方から露出している、請求項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記一対の第2端子の各々は、前記第1方向において前記複数の第2端子に挟まれている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記一対の第2支持端子の前記第1方向の外側に位置する前記複数の第2端子の少なくともいずれかには、前記第1方向において隣に位置する前記一対の第2支持端子のいずれかに向けて突出した突起部が形成されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記制御素子および前記駆動素子のいずれかにボンディングされた複数のボンディングワイヤをさらに備え、
前記複数のボンディングワイヤの一部は、前記複数の第1端子、および前記複数の第2端子のいずれかにボンディングされている、請求項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記複数のボンディングワイヤの一部は、前記一対の第1支持端子、および前記一対の第2支持端子のいずれかにボンディングされている、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記複数のボンディングワイヤの一部は、前記絶縁素子にボンディングされている、請求項11または12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記絶縁素子にボンディングされた前記複数のボンディングワイヤは、前記第2方向に延びている、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記絶縁素子にボンディングされた前記複数のボンディングワイヤのすべてには、前記絶縁素子にボンディングされた第1ボンディング部が形成されている、請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記導電支持部材は、Cuを含む合金からなる、請求項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記封止樹脂は、電気絶縁性を有するエポキシ樹脂からなる、請求項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記複数の第1端子と、前記複数の第2端子と、前記一対の第1支持端子と、前記一対の第2支持端子と、に形成された部位を有する内装めっき層をさらに備える、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記内装めっき層は、Agからなる、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記一対の樹脂第1側面から露出した前記複数の第1端子、前記複数の第2端子、前記一対の第1支持端子、および前記一対の第2支持端子の各々の部分に形成された外装めっき層をさらに備える、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項21】
前記外装めっき層は、Snを含む合金からなる、請求項20に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のうち、特に一つのパッケージ内に搭載された複数の半導体素子間において、絶縁素子を用いて信号伝達を行う半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車、もしくはハイブリッド自動車、または家電機器などに使用されているインバータ装置には、絶縁素子を搭載した半導体装置が使用されている。電気自動車、またはハイブリッド自動車のインバータ装置は、たとえば前記半導体装置と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのパワー半導体とを備えている。前記半導体装置は、制御素子、絶縁素子および駆動素子を有する。前記インバータ装置においては、ECU(Engine Control Unit)から出力された制御信号が、前記半導体装置の前記制御素子に入力される。前記制御素子は、前記制御信号をPWM(Pulse Width Modulation)制御信号に変換し、前記絶縁素子を介して前記駆動素子に伝送する。前記駆動素子は、前記PWM制御信号に基づき、たとえば6つのIGBTを所望のタイミングでスイッチング動作させる。前記6つのIGBTが所望のタイミングでスイッチング動作をすることで、車載用バッテリの直流電力からモータ駆動用の三相交流電力が生成される。
【0003】
前記半導体装置において、前記制御素子に供給される電源電圧は低電圧(約5V)であることに対し、前記駆動素子に供給される電源電圧は高電圧(約600V以上)である。そのため、前記制御素子から前記駆動素子への前記PWM制御信号(電気信号)の伝送にあたっては、前記絶縁素子を介する必要がある。前記絶縁素子には、従来、フォトカプラが用いられてきた。フォトカプラは、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子と、フォトトランジスタなどの受光素子とを有する。前記フォトカプラに入力された電気信号は、前記発光素子によって光信号に変換され、前記受光素子によって前記光信号を受光した後、再度電気信号に変換されることで、絶縁状態による電気信号の伝送が行われる。前記絶縁素子としてフォトカプラと、前記制御素子および前記駆動素子とを一つのパッケージ内に搭載した半導体装置は、該装置が大型化になる傾向がある。また、フォトカプラは、電気信号の周波数が高くなるにつれて、電気信号から光信号への相互変換に遅延が生じるため、IGBTの高速スイッチング動作には不向きである。
【0004】
そこで、前記絶縁素子として、インダクタ結合型絶縁素子が普及しつつある。インダクタ結合型絶縁素子は、2つのインダクタ(コイル)を誘導結合させることで、絶縁状態による電気信号の伝送を行う。すなわち、一方のコイルを用いて電気信号を磁気に変換し、他方のコイルを用いて前記磁気を電気信号に変換することで、絶縁状態による電気信号の伝送が行われる。インダクタ結合型絶縁素子は、フォトカプラと異なり、半導体装置の小型化に寄与するとともに、高周波数の電気信号であっても、その伝送にほとんど遅延が生じないため、IGBTの高速スイッチング動作への対応が可能であるという利点を有する。たとえば特許文献1に、送信回路を備えた半導体素子と、インダクタ結合型絶縁素子と、受信回路を備えた駆動素子(ゲートドライバIC)とを、一つのパッケージ内に搭載した半導体装置が開示されている。
【0005】
前記制御素子および前記駆動素子のように、供給される電源電圧に著しい電位差がある半導体素子を一つのパッケージ内に搭載した半導体装置は、前記絶縁素子を搭載することに加え、さらなる絶縁耐圧の向上が求められる。前記半導体装置のパッケージとしてSOP(Small Outline Package)とした場合、一方の封止樹脂の側面から露出した複数の端子と、前記駆動素子などの素子を挟んで反対側に位置する他方の前記封止樹脂の側面から露出した複数の端子とは、十分な離間距離が確保された状態でそれぞれ配列されていることが、さらなる絶縁耐圧の向上の点で好ましい。また、前記複数の端子以外のリードフレームの部位が前記封止樹脂から露出していないことが、さらなる絶縁耐圧の向上の点で好ましい。インバータ装置の制御対象となるモータに供給される電源電圧が高くなるほど、さらなる絶縁耐圧の向上の要請がより強くなる。
【0006】
たとえば特許文献2に、従来のSOPの半導体装置の構造が開示されている。該装置の製造過程において、アイランドサポートと呼ばれる支持部材が、半導体素子などが搭載されるアイランド部(ダイパッド)を支持している。前記アイランドサポートは、複数の端子が延出する方向に対して直角方向に延出し、その両端のうち一方は前記アイランド部に連結され、他方はリードフレームの外枠にそれぞれ連結されている。封止樹脂の形成を経た後は、前記アイランド部は前記封止樹脂により支持されるため、前記アイランドサポートは不要となり、該装置が前記リードフレームから切断される際、前記アイランドサポートもあわせて切断される。このとき、前記封止樹脂の側面から、前記アイランドサポートの切断面が露出する。前記切断面は前記リードフレームの一部分につき、該装置の構造はさらなる絶縁耐圧の向上といった要請に応えることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−51547号公報
【特許文献2】特開2000−68437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、さらなる絶縁耐圧の向上を図った半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によって提供される半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子を搭載するダイパッド、第1方向に沿って配列された複数の第1端子、前記第1方向に沿って配列され、かつ前記第1方向に対して直角である第2方向において、前記半導体素子を挟んで前記複数の第1端子の反対側に位置する複数の第2端子および前記ダイパッドに連結された支持端子を含む導電支持部材と、前記複数の第1端子、前記複数の第2端子および前記支持端子のそれぞれ一部ずつと、前記半導体素子および前記ダイパッドとを覆う封止樹脂と、を備える半導体装置であって、前記封止樹脂は、前記第2方向に離間して形成された一対の樹脂第1側面と、前記第1方向に離間して形成された一対の樹脂第2側面と、を有し、前記複数の第1端子および前記複数の第2端子が、前記一対の樹脂第1側面からそれぞれ露出し、前記導電支持部材が、前記一対の樹脂第2側面から露出していないことを特徴としている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ダイパッドは、第1ダイパッドおよび第2ダイパッドを含み、前記第2方向において、前記第1ダイパッドおよび前記第2ダイパッドは互いに離間して配置されている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記支持端子は、前記第1方向に離間して配置された一対の支持端子を含み、前記第1方向において、前記一対の支持端子は前記ダイパッドの両端に連結されている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記一対の支持端子は、前記第1ダイパッドに連結された一対の第1支持端子と、前記第2ダイパッドに連結された一対の第2支持端子と、を含み、前記一対の第1支持端子および前記一対の第2支持端子は、前記一対の樹脂第1側面からそれぞれ露出している。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記半導体素子は、制御素子と、前記制御素子よりも高い電圧を必要とする駆動素子と、を含み、前記第1ダイパッドに前記制御素子が搭載され、前記第2ダイパッドに前記駆動素子が搭載されている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御素子は、少なくとも一つ以上の前記第1端子と導通し、前記駆動素子は、少なくとも一つ以上の前記第2端子と導通している。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御素子は、少なくとも一つ以上の前記第1支持端子と導通し、前記駆動素子は、少なくとも一つ以上の前記第2支持端子と導通している。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御素子および前記駆動素子と導通する絶縁素子をさらに備え、前記第2方向において、前記絶縁素子は前記制御素子と前記駆動素子との間に位置する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記絶縁素子に、インダクタが形成されている。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御素子、前記駆動素子および前記絶縁素子の平面視形状は、いずれも前記第1方向を長辺とする長矩形である。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1ダイパッドの面積は、前記第2ダイパッドの面積よりも広く、かつ前記第1ダイパッドに前記絶縁素子が搭載されている。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1ダイパッドに貫通孔が形成されている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1ダイパッドにおいて、前記一対の第1支持端子および前記貫通孔は、前記第1方向に沿った直線上に配置されている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1ダイパッドおよび前記第2ダイパッドの平面視形状は、いずれも前記第1方向を長辺とする長矩形である。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の第1端子および前記一対の第1支持端子は、一方の前記樹脂第1側面からそれぞれ露出している。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1方向において、前記一対の第1支持端子は前記複数の第1端子の両側に配置されている。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の第2端子および前記一対の第2支持端子は、他方の樹脂第1側面からそれぞれ露出している。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1方向において、前記一対の第2支持端子のそれぞれの両側に、前記第2端子が配置されている。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1方向において、前記一対の第2支持端子のそれぞれの外側に配置された前記第2端子に、前記第2支持端子に向かって突出した突起部が形成されている。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御素子、または前記駆動素子にボンディングされた複数のボンディングワイヤをさらに備え、前記複数のボンディングワイヤの一部は、少なくとも一つ以上の前記第1端子、または前記第2端子にボンディングされている。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数のボンディングワイヤの一部は、少なくとも一つ以上の前記第1支持端子、または前記第2支持端子にボンディングされている。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数のボンディングワイヤの一部は、前記絶縁素子にボンディングされている。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記絶縁素子にボンディングされた前記複数のボンディングワイヤは、前記第2方向に沿って配置されている。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記絶縁素子にボンディングされた前記複数のボンディングワイヤのすべてに、前記絶縁素子にボンディングされた第1ボンディング部が形成されている。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記導電支持部材は、Cuを含む合金からなる。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記封止樹脂は、電気絶縁性を有するエポキシ樹脂からなる。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の第1端子と、前記複数の第2端子と、前記支持端子と、に形成された部位を有する内装めっき層をさらに備える。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記内装めっき層は、Agからなる。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の第1端子および前記一対の第1支持端子と、前記複数の第2端子および前記一対の第2支持端子と、がそれぞれ前記一対の樹脂第1側面から露出した部分に形成された外装めっき層をさらに備える。
【0038】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記外装めっき層は、Snを含む合金からなる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、前記複数の第1端子および前記複数の第2端子は、前記一対の樹脂第1側面からそれぞれ露出している。また、前記半導体装置を構成する前記ダイパッド、前記複数の第1端子、前記複数の第2端子および前記支持端子は、いずれも前記導電支持部材の各構成部材である。そして、前記一対の樹脂第2側面から、アイランドサポートなどの前記導電支持部材が露出していない。このような構成とすることで、前記複数の第1端子よりも高電圧が印加される前記複数の第2端子の近傍に、前記封止樹脂から露出した導前記電支持部材の金属部が存在しなくなる。したがって、前記半導体装置のさらなる絶縁耐圧の向上を図ることが可能となる。
【0040】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の第1実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である。
図2図1の半導体装置を示す平面図である(封止樹脂を省略)。
図3図1の半導体装置を示す左側面図である。
図4図1の半導体装置を示す右側面図である。
図5図1の半導体装置を示す正面図である。
図6図1の半導体装置を示す背面図である。
図7図2のVII−VII線に沿う断面図である。
図8図2のVIII−VIII線に沿う断面図である。
図9図1の半導体装置のリードフレームを示す平面図である。
図10図1の半導体装置のボンディングワイヤの製造工程を示す要部断面図である。
図11図1の半導体装置のボンディングワイヤの製造工程を示す要部断面図である。
図12図1の半導体装置のボンディングワイヤの製造工程を示す要部断面図である。
図13図1の半導体装置のボンディングワイヤの製造工程を示す要部断面図である。
図14図1の半導体装置のボンディングワイヤの製造工程を示す要部断面図である。
図15】本発明の第2実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である(封止樹脂を省略)。
図16図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
図17】本発明の第3実施形態にかかる半導体装置を示す平面図である(封止樹脂を省略)。
図18図17における右上の領域の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明にかかる半導体装置の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0043】
〔第1実施形態〕
図1図12に基づき、本発明の第1実施形態にかかる半導体装置A1について説明する。説明の便宜上、平面図の上下方向を第1方向X、第1方向Xに対して直角である平面図の左右方向を第2方向Yとそれぞれ定義する。第1方向Xおよび第2方向Yは、ともに半導体装置A1の厚さ方向に対して直角である。
【0044】
図1は、半導体装置A1を示す平面図である。図2は、理解の便宜上、図1から後述する封止樹脂6を省略した平面図である。図3は、半導体装置A1を示す左側面図である。図4は、半導体装置A1を示す右側面図である。図5は、半導体装置A1を示す正面図である。図6は、半導体装置A1を示す背面図である。図7は、図2のVII−VII線(一点鎖線)に沿う断面図である。図8は、図2のVIII−VIII線に沿う断面図である。なお、図2においては、封止樹脂6を想像線(二点鎖線)により図示している。図7および図8においては、封止樹脂6を省略せず図示している。
【0045】
これらの図に示す半導体装置A1は、たとえば電気自動車、またはハイブリッド自動車などのインバータ装置の回路基板に表面実装されるものであり、パッケージ形式がSOPである。本実施形態の半導体装置A1は、半導体素子11、絶縁素子12、導電支持部材80、封止樹脂6、ボンディングワイヤ71、内装めっき層72および外装めっき層73を備えている。本実施形態においては、半導体装置A1は、平面視矩形状である。
【0046】
半導体素子11および絶縁素子12は、半導体装置A1を機能させるための素子である。半導体素子11は、制御素子111および駆動素子112を含む。制御素子111は、ECUから入力された制御信号をPWM制御信号に変換する回路と、前記PWM制御信号を駆動素子112へ伝送するための送信回路と、駆動素子112からの電気信号を受ける受信回路とを有する。駆動素子112は、前記PWM制御信号を受信する受信回路と、前記PWM信号に基づきIGBTなどのパワー半導体素子のスイッチング動作を行う回路(ゲートドライバ)と、電気信号を制御素子111へ伝送するための送信回路とを有する。前記電気信号は、たとえばモータ近傍に設置された温度センサからの出力信号が挙げられる。
【0047】
絶縁素子12は、前記PWM制御信号や他の電気信号を、絶縁状態で伝送するための素子である。駆動素子112は、制御素子111よりも高い電圧を必要とするため、制御素子111と駆動素子112との間に著しい電位差が生じることから、絶縁素子12が必要となる。具体的には、たとえば電気自動車、またはハイブリッド自動車のインバータ装置においては、制御素子111に供給される電源電圧が約5Vであることに対し、駆動素子112に供給される電源電圧は約600V以上である。本実施形態においては、絶縁素子12は、インダクタ結合型絶縁素子である。インダクタ結合型絶縁素子は、2つのインダクタ(コイル)を誘導結合させることで、絶縁状態による電気信号の伝送を行う。絶縁素子12は、Siからなる基板を有する。前記基板上に、Cuからなるインダクタが形成されている。前記インダクタは、送信側インダクタおよび受信側インダクタを含み、これらのインダクタは絶縁素子12の厚さ方向において互いに積層されている。前記送信側インダクタと前記受信側インダクタとの間には、SiO2などからなる誘電体層が介装されている。前記誘電体層により、前記送信側インダクタと前記受信側インダクタとは、電気的に絶縁されている。
【0048】
図2に示すように、第2方向Yにおいて、絶縁素子12は制御素子111と駆動素子112との間に位置している。本実施形態においては、制御素子111、駆動素子112および絶縁素子12の平面視形状は、いずれも第1方向Xを長辺とする長矩形である。制御素子111および絶縁素子12は、後述するダイパッド2の第1ダイパッド21上に搭載されている。また、駆動素子112は、後述するダイパッド2の第2ダイパッド22上に搭載されている。制御素子111の上面(図7に示す制御素子111の上面)には、複数のパッド111aが形成されている。同様に、駆動素子112の上面(図7に示す駆動素子112の上面)には複数のパッド112aが、絶縁素子12の上面(図7に示す絶縁素子12の上面)には複数のパッド12aが、それぞれ形成されている。
【0049】
導電支持部材80は、半導体装置A1において、半導体素子11および絶縁素子12を搭載し、かつ半導体素子11および絶縁素子12とインバータ装置の回路基板との導電経路を構成する部材である。導電支持部材80は、たとえばCuを含む合金からなる。導電支持部材80は、後述するリードフレーム81から形成される。導電支持部材80は、ダイパッド2、複数の第1端子3、複数の第2端子4および支持端子5を含む。
【0050】
ダイパッド2は、半導体素子11および絶縁素子12を搭載する部材である。ダイパッド2は、第1ダイパッド21および第2ダイパッド22を含む。図2に示すように、第2方向Yにおいて、第1ダイパッド21および第2ダイパッド22は互いに離間して配置されている。本実施形態においては、第1ダイパッド21の面積は、第2ダイパッド22の面積よりも広い。また、本実施形態においては、第1ダイパッド21および第2ダイパッド22の平面視形状は、いずれも第1方向Xを長辺とする長矩形である。図7および図8に示すように、第1ダイパッド21および第2ダイパッド22は、ともに平たんである。
【0051】
図7および図8に示すように、第1ダイパッド21は、第1ダイパッド上面211および第1ダイパッド下面212を有する。第1ダイパッド上面211および第1ダイパッド下面212は、互いに反対側を向いている。本実施形態においては、第1ダイパッド上面211に内装めっき層72が形成されている。第1ダイパッド上面211に形成された内装めっき層72上に、制御素子111および絶縁素子12が、接合層(図示略)を介したダイボンディングにより、それぞれ搭載されている。また、第1ダイパッド下面212は、全面にわたって封止樹脂6に接している。
【0052】
図7に示すように、第2ダイパッド22は、第2ダイパッド上面221および第2ダイパッド下面222を有する。第2ダイパッド上面221および第2ダイパッド下面222は、互いに反対側を向いている。本実施形態においては、第2ダイパッド上面221に内装めっき層72が形成されている。第2ダイパッド上面221に形成された内装めっき層72上に、駆動素子112が、接合層(図示略)を介したダイボンディングにより搭載されている。また、第2ダイパッド下面222は、全面にわたって封止樹脂6に接している。
【0053】
図2および図7に示すように、第2方向Yにおいて、第1ダイパッド21と第2ダイパッド22との間に、封止樹脂6が介在している。本実施形態においては、後述のとおり封止樹脂6は、たとえば電気絶縁性を有する黒色のエポキシ樹脂からなる。したがって、第1ダイパッド21と第2ダイパッド22とは、絶縁素子12および封止樹脂6により電気的に絶縁されている。
【0054】
複数の第1端子3は、インバータ装置の回路基板に接合されることで、半導体装置A1と前記回路基板との導電経路を構成する部材である。図1および図3に示すように、複数の第1端子3は、第1方向Xに沿って配列されている。また、複数の第1端子3は、後述する封止樹脂6の一方の樹脂第1側面63から、それぞれ第2方向Yに延出するように露出している。複数の第1端子3は、複数の第1中間端子31および一対の第1側端子32を含む。
【0055】
図2および図3に示すように、第1方向Xにおいて、複数の第1中間端子31は一対の第1側端子32に挟まれて配列されている。複数の第1中間端子31はそれぞれ、リード部311およびパッド部312を有する。
【0056】
リード部311は、第2方向Yに沿って延びた長矩形状の部位で、図5および図6に示すように、前記一方の樹脂第1側面63から露出した部分はガルウィング状に曲げ加工が施されている。また、図7に示すように、該露出した部分を外装めっき層73が覆うように形成されている。リード部311のうち、外装めっき層73が形成されていない部分は、封止樹脂6に覆われている。パッド部312は、リード部311につながり、かつ第1方向Xにおいてリード部311よりも幅広矩形状の部位である。図7に示すように、本実施形態においては、パッド部312の上面に内装めっき層72が形成されている。パッド部312は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。また、パッド部312は平たんである。
【0057】
図2および図3に示すように、第1方向Xにおいて、一対の第1側端子32は複数の第1中間端子31の両側に配置されている。一対の第1側端子32はそれぞれ、リード部321およびパッド部322を有する。
【0058】
リード部321は、第2方向Yに沿って延びた長矩形状の部位で、図5および図6に示すように、前記一方の樹脂第1側面63から露出した部分はガルウィング状に曲げ加工が施されている。また、第1中間端子31のリード部311と同様に、該露出した部分を外装めっき層73が覆うように形成されている。リード部321のうち、外装めっき層73が形成されていない部分は、封止樹脂6に覆われている。パッド部322は、リード部321につながり、かつ第1方向Xにおいてリード部321よりも幅広の部位である。本実施形態においては、第1中間端子31のパッド部312と同様に、パッド部322の上面(図7において第1ダイパッド上面211が向く方向と同一方向を向く面)に内装めっき層72が形成されている。パッド部322は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。また、パッド部322は平たんである。
【0059】
複数の第2端子4は、複数の第1端子3と同様に、インバータ装置の回路基板に接合されることで、半導体装置A1と前記回路基板との導電経路を構成する部材である。図1および図4に示すように、複数の第2端子4は、第1方向Xに沿って配列されている。また、図2に示すように、複数の第2端子4は、第2方向Yにおいて半導体素子11を挟んで複数の第1端子3の反対側に位置している。複数の第2端子4は、後述する封止樹脂6の他方の樹脂第1側面63から、それぞれ第2方向Yに延出するように露出している。複数の第2端子4は、複数の第2中間端子41および一対の第2側端子42を含む。
【0060】
図2および図4に示すように、第1方向Xにおいて、複数の第2中間端子41は一対の第2側端子42に挟まれて配列されている。さらに、第1方向Xにおいて、複数の第2中間端子41は後述する支持端子5の一対の第2支持端子52に挟まれて配列されている。複数の第2中間端子41はそれぞれ、リード部411およびパッド部412を有する。
【0061】
リード部411は、第2方向Yに沿って延びた長矩形状の部位で、図5および図6に示すように、前記他方の樹脂第1側面63から露出した部分はガルウィング状に曲げ加工が施されている。また、図7に示すように、該露出した部分を外装めっき層73が覆うように形成されている。リード部411のうち、外装めっき層73が形成されていない部分は、封止樹脂6に覆われている。パッド部412は、リード部411につながり、かつ第1方向Xにおいてリード部411よりも幅広矩形状の部位である。図7に示すように、本実施形態においては、パッド部412の上面(図7に示すパッド部412の上面)に内装めっき層72が形成されている。パッド部412は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。また、パッド部412は平たんである。なお、本実施形態においては、第2端子4の形状は、第1端子3の形状と同一である。
【0062】
図2および図4に示すように、第1方向Xにおいて、一対の第2側端子42は複数の第2側端子42の両側に配置されている。一対の第2側端子42はそれぞれ、リード部421およびパッド部422を有する。
【0063】
リード部421は、第2方向Yに沿って延びた長矩形状の部位で、図5および図6に示すように、前記他方の樹脂第1側面63から露出した部分はガルウィング状に曲げ加工が施されている。また、第2中間端子41のリード部411と同様に、該露出した部分を外装めっき層73が覆うように形成されている。リード部421のうち、外装めっき層73が形成されていない部分は、封止樹脂6に覆われている。また、封止樹脂6に覆われているリード部421の部分の長さは、第2中間端子41のリード部411の該部分の長さよりも長い。パッド部422は、リード部421につながり、かつ第1方向Xに延出した部位である。図2に示すように、パッド部422の端部は、第2ダイパッド22から離間している。本実施形態においては、第2中間端子41のパッド部412と同様に、パッド部422の上面(図7において第2ダイパッド上面221が向く方向と同一方向を向く面)に内装めっき層72が形成されている。パッド部422は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。また、パッド部422は平たんである。
【0064】
支持端子5は、ダイパッド2に連結されている。支持端子5は、ダイパッド2を支持するとともに、複数の第1端子3および複数の第2端子4と同様に、インバータ装置の回路基板に接合されることで、半導体装置A1と前記回路基板との導電経路を構成する部材である。支持端子5は、一対の部材から構成されたものを含み、さらに一対の第1支持端子51および一対の第2支持端子52を含む。図2に示すように、一対の第1支持端子51は、第1方向Xに離間して配置され、第1ダイパッド21の両端に連結されている。また、一対の第2支持端子52は、第1方向X方向に離間して配置され、第2ダイパッド22の両端に連結されている。
【0065】
図2および図3に示すように、第1方向Xにおいて、一対の第1支持端子51は複数の第1端子3の両側に配置されている。また、一対の第1支持端子51は、複数の第1端子3が露出している前記一方の樹脂第1側面63から、それぞれ第2方向Yに延出するように露出している。一対の第1支持端子51はそれぞれ、リード部511およびパッド部512を有する。
【0066】
リード部511は、第2方向Yに沿って延びた長矩形状の部位で、図5および図6に示すように、前記一方の樹脂第1側面63から露出した部分はガルウィング状に曲げ加工が施されている。また、第1中間端子31のリード部311と同様に、該露出した部分を外装めっき層73が覆うように形成されている。リード部511のうち、外装めっき層73が形成されていない部分は、封止樹脂6に覆われている。また、封止樹脂6に覆われているリード部511の部分の長さは、第1中間端子31のリード部311、または第1側端子32のリード部311の該部分の長さよりも長い。パッド部512は、リード部511につながり、かつ第1方向Xに延出した部位である。図2に示すように、パッド部512の端部が第1ダイパッド21に連結されている。図8に示すように、本実施形態においては、第1中間端子31のパッド部312と同様に、パッド部512の上面に内装めっき層72が形成されている。パッド部512は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。また、パッド部512は平たんである。
【0067】
図2および図4に示すように、第1方向Xにおいて、一対の第2支持端子52の内側に、複数の第2中間端子41が配列されている。また、第1方向Xにおいて、一対の第2支持端子52の外側に、第2側端子42がそれぞれ配置されている。したがって、一対の第2支持端子52のそれぞれの両側に、第2端子4が配置されている。一対の第2支持端子52は、複数の第2端子4が露出している前記他方の樹脂第1側面63から、それぞれ第2方向Yに延出するようにそれぞれ露出している。一対の第2支持端子52はそれぞれ、リード部521、パッド部522および連結部524を有する。
【0068】
リード部521は、第2方向Yに沿って延びた長矩形状の部位で、図5および図6に示すように、前記他方の樹脂第1側面63から露出した部分はガルウィング状に曲げ加工が施されている。また、第2中間端子41のリード部411と同様に、該露出した部分を外装めっき層73が覆うように形成されている。リード部521のうち、外装めっき層73が形成されていない部分は、封止樹脂6に覆われている。パッド部522は、リード部521につながり、かつ第1方向Xにおいてリード部521よりも幅広の部位である。パッド部522は、第2方向Yに延出している。本実施形態においては、第2中間端子41のパッド部412と同様に、パッド部522の上面(図7において第2ダイパッド上面221が向く方向と同一方向を向く面)に内装めっき層72が形成されている。パッド部522は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。また、パッド部522は平たんである。連結部524は、パッド部522につながり、かつ第1方向Xに延出した部位である。図2に示すように、連結部524の端部が第2ダイパッド22に連結されている。本実施形態においては、パッド部522と同様に、連結部524の上面(パッド部522の上面が向く方向と同一方向を向く面)に内装めっき層72が形成されている。連結部524は、全面にわたって封止樹脂6に覆われている。
【0069】
図9は、半導体装置A1のリードフレーム81を示す平面図である。図9において、封止樹脂6が形成される領域を想像線(二点鎖線)で示す。また、内装めっき層72が形成される領域を斜線部で示す。
【0070】
先述した導電支持部材80は、リードフレーム81から形成される。半導体装置A1の製造過程において、ダイパッド2、複数の第1端子3、複数の第2端子4および支持端子5は、いずれも同一のリードフレーム81から形成される。リードフレーム81は、たとえばCuを含む合金からなる。リードフレーム81は、外枠811、アイランド部812、複数の第1リード813、複数の第2リード814、支持リード815およびダムバー816を有する。このうち、外枠811およびダムバー816は、半導体装置A1を構成しない。以下、リードフレーム81について図9に基づき説明する。
【0071】
外枠811は、アイランド部812、複数の第1リード813、複数の第2リード814、支持リード815およびダムバー816を囲むように形成された部材である。外枠811の第1方向Xに沿って、複数の第1リード813、複数の第2リード814および支持リード815がそれぞれ連結されている。また、外枠811の第2方向Yに沿って、ダムバー816が連結されている。
【0072】
アイランド部812は、平面視において第1方向Xを長辺とする長矩形状の部材である。アイランド部812が、ダイパッド2に相当する。アイランド部812は、支持リード815を介して外枠811に支持されている。アイランド部812は、第1アイランド部812aおよび第2アイランド部812bを含む。第1アイランド部812aが第1ダイパッド21に、第2アイランド部812bが第2ダイパッド22にそれぞれ相当する。第1アイランド部812aおよび第2アイランド部812bは、互いに離間して配置されている。
【0073】
複数の第1リード813は、第1方向Xに沿って配列され、かつそれぞれが第2方向Yに延出した部材である。複数の第1リード813が、複数の第1端子3に相当する。それぞれの第1リード813の一端が、外枠811に連結されている。複数の第1リード813は、複数の第1中間リード813aおよび一対の第1側リード813bを含む。第1中間リード813aが第1中間端子31に、第1側リード813bが第1側端子32にそれぞれ相当する。
【0074】
複数の第2リード814は、第1方向Xに沿って配列され、かつそれぞれが第2方向Yに延出した部材である。また、複数の第2リード814は、第2方向Yにおいて、アイランド部812を挟んで反対側に位置している。複数の第2リード814が、複数の第2端子4に相当する。それぞれの第2リード814の一端が、外枠811に連結されている。複数の第2リード814は、複数の第2中間リード814aおよび一対の第2側リード814bを含む。第2中間リード814aが第2中間端子41に、第2側リード814bが第2側端子42にそれぞれ相当する。
【0075】
支持リード815は、第2方向Yに延出し、かつ一端が外枠811に連結され、他端がアイランド部812に連結された部材である。支持リード815が、支持端子5に相当する。支持リード815は、一対の第1支持リード815aおよび一対の第2支持リード815bを含む。第1支持リード815aが第1支持端子51に、第2支持リード815bが第2支持端子52にそれぞれ相当する。一対の第1支持リード815aは、第1方向Xに離間して配置され、かつ第1アイランド部812aの両端に連結されている。また、一対の第2支持リード815bは、第1方向Xに離間して配置され、かつ第2アイランド部812bの両端に連結されている。
【0076】
ダムバー816は、第1方向Xに延出し、かつ両端が外枠811に連結された一対の部材である。ダムバー816は、複数の第1リード813、複数の第2リード814および支持リード815をそれぞれ第1方向Xにおいて支持するとともに、封止樹脂6の形成過程において、溶融された合成樹脂を堰き止める機能を果たす。一方のダムバー816は、複数の第1中間リード813a、一対の第1側リード813bおよび一対の第1支持リード815aに連結されている。また、他方のダムバー816は、複数の第2中間リード814a、一対の第2側リード814bおよび一対の第2支持リード815bに連結されている。
【0077】
封止樹脂6は、たとえば電気絶縁性を有する黒色のエポキシ樹脂からなる。封止樹脂6は、複数の第1端子3、複数の第2端子4および支持端子5のそれぞれ一部ずつと、半導体素子11、絶縁素子12、ダイパッド2、ボンディングワイヤ71および内装めっき層72とを覆っている。封止樹脂6は、金型を用いたトランスファ成形により形成される。封止樹脂6は、樹脂上面61、樹脂下面62、一対の樹脂第1側面63および一対の樹脂第2側面64を有する。
【0078】
図3図6に示すように、樹脂上面61は、上方を向く面である。また、樹脂下面62は、下方を向く面である。樹脂上面61および樹脂下面62は、互いに反対側を向いている。樹脂上面61および樹脂下面62は、ともに平たんである。
【0079】
図1および図2に示すように、一対の樹脂第1側面63は、第2方向Yに離間して形成されている。一対の樹脂第1側面63は、互いに反対側を向いている。本実施形態においては、一方の樹脂第1側面63から、複数の第1端子3および一対の第1支持端子51がそれぞれ露出している。また、他方の樹脂第1側面63から、複数の第2端子4および一対の第2支持端子52がそれぞれ露出している。一対の樹脂第1側面63はそれぞれ、樹脂第1側面上部631、樹脂第1側面中央部632および樹脂第1側面下部633を有する。
【0080】
図3図6に示すように、樹脂第1側面上部631は、上端が樹脂上面61につながり、下端が樹脂第1側面中央部632につながっている部分である。樹脂第1側面上部631は、その上端が半導体装置A1の内部側に位置するように傾斜している。
【0081】
図3図6に示すように、樹脂第1側面中央部632は、上端が樹脂第1側面上部631につながり、下端が樹脂第1側面下部633につながっている部分である。樹脂第1側面中央部632は、樹脂上面61および樹脂下面62に対して垂直である。一方の樹脂第1側面中央部632から、複数の第1端子3および一対の第1支持端子51がそれぞれ露出している。他方の樹脂第1側面中央部632から、複数の第2端子4および一対の第2支持端子52がそれぞれ露出している。
【0082】
図3図6に示すように、樹脂第1側面下部633は、上端が樹脂第1側面中央部632につながり、下端が樹脂下面62につながっている部分である。樹脂第1側面下部633は、その下端が半導体装置A1の内部側に位置するように傾斜している。
【0083】
図1および図2に示すように、一対の樹脂第2側面64は、第1方向Xに離間して形成されている。一対の樹脂第2側面64は、互いに反対側を向いている。図2図5および図6に示すように、本実施形態においては、一対の樹脂第2側面64から導電支持部材80が露出していない。一対の樹脂第2側面64はそれぞれ、樹脂第2側面上部641、樹脂第2側面中央部642および樹脂第2側面下部643を有する。
【0084】
図3図6に示すように、樹脂第2側面上部641は、上端が樹脂上面61につながり、下端が樹脂第2側面中央部642につながっている部分である。樹脂第2側面上部641は、その上端が半導体装置A1の内部側に位置するように傾斜している。
【0085】
図3図6に示すように、樹脂第2側面中央部642は、上端が樹脂第2側面上部641につながり、下端が樹脂第2側面下部643につながっている部分である。樹脂第2側面中央部642は、樹脂上面61および樹脂下面62に対して垂直であり、かつ樹脂第1側面中央部632と直交している。本実施形態においては、半導体装置A1の厚さ方向において、樹脂第2側面中央部642の高さと、樹脂第1側面中央部632の高さとは、略同一である。
【0086】
図3図6に示すように、樹脂第2側面下部643は、上端が樹脂第2側面中央部642につながり、下端が樹脂下面62につながっている部分である。樹脂第2側面下部643は、その下端が半導体装置A1の内部側に位置するように傾斜している。
【0087】
複数のボンディングワイヤ71は、半導体装置A1の内部において、先述した複数の第1端子3、複数の第2端子4および支持端子5とともに、半導体素子11および絶縁素子12が所定の機能を果たすための導電経路を構成している。複数のボンディングワイヤ71は、複数の第1ボンディングワイヤ711、複数の第2ボンディングワイヤ712、複数の第3ボンディングワイヤ713、複数の第4ボンディングワイヤ714を含む。
【0088】
図2に示すように、複数の第1ボンディングワイヤ711は、制御素子111と、複数の第1端子3および一対の第1支持端子51との導電経路を構成している。複数の第1ボンディングワイヤ711によって、制御素子111は、少なくとも一つ以上の第1端子3および第1支持端子51と導通している。複数の第1ボンディングワイヤ711はそれぞれ、制御素子111のパッド111aと、第1中間端子31のパッド部312、第1側端子32のパッド部322または第1支持端子51のパッド部512とにボンディングされている。
【0089】
図2に示すように、複数の第2ボンディングワイヤ712は、絶縁素子12と制御素子111との導電経路を構成している。複数の第2ボンディングワイヤ712によって、絶縁素子12および制御素子111は互いに導通している。複数の第2ボンディングワイヤ712はそれぞれ、絶縁素子12のパッド12aおよび制御素子111のパッド111aにボンディングされている。本実施形態においては、複数の第2ボンディングワイヤ712は、第2方向Yに沿って配置されている。
【0090】
図2に示すように、複数の第3ボンディングワイヤ713は、絶縁素子12と駆動素子112との導電経路を構成している。複数の第3ボンディングワイヤ713によって、絶縁素子12および駆動素子112は互いに導通している。複数の第3ボンディングワイヤ713はそれぞれ、絶縁素子12のパッド12aおよび駆動素子112のパッド112aにボンディングされている。本実施形態においては、複数の第3ボンディングワイヤ713は、第2方向Yに沿って配置されている。
【0091】
図2に示すように、複数の第4ボンディングワイヤ714は、駆動素子112と、複数の第2端子4および一対の第2支持端子52との導電経路を構成している。複数の第4ボンディングワイヤ714によって、駆動素子112は、少なくとも一つ以上の第2端子4および第2支持端子52と導通している。複数の第4ボンディングワイヤ714はそれぞれ、駆動素子112のパッド112aと、第2中間端子41のパッド部412、第2側端子42のパッド部422または第2支持端子52のパッド部522とにボンディングされている。
【0092】
図10図14は、半導体装置A1のボンディングワイヤ71のワイヤボンディングを示す要部断面図である。
【0093】
絶縁素子12にボンディングされた複数の第2ボンディングワイヤ712および第3ボンディングワイヤ713のすべてに、絶縁素子12にボンディングされた第1ボンディング部712aおよび第1ボンディング部713aが形成されている。図10図14に基づき、第2ボンディングワイヤ712および第3ボンディングワイヤ713のワイヤボンディングの過程について説明する。
【0094】
図10に示すように、キャピラリ88を絶縁素子12に向かって下降させ、ワイヤ871の先端を絶縁素子12のパッド12aに押しつける。このとき、キャピラリ88の自重およびキャピラリ88から発振される超音波などの作用によって、ワイヤ871の先端がパッド12aに圧着される。キャピラリ88は、貫通孔を有する筒状であり、その先端が緩やかな曲面によって構成されている。キャピラリ88から、ボンディングワイヤ71となるワイヤ871が進退自在に送り出される。次いで、図11に示すように、ワイヤ871を送り出しながらキャピラリ88を上昇させることで、パッド12a上に第2ボンディングワイヤ712の第1ボンディング部712aが形成される。第3ボンディングワイヤ713の第1ボンディング部713aも同様に形成される。
【0095】
次いで、図12に示すように、制御素子111のパッド111aの直上にキャピラリ88を移動させ、さらにキャピラリ88を下降させることにより、キャピラリ88の先端をパッド111aに押しつける。このとき、ワイヤ871がキャピラリ88の先端とパッド111aとに挟まれるとともに、ワイヤ871の一部がキャピラリ88の先端に付着する。次いで、図13に示すように、キャピラリ88を上昇させることで、ワイヤ871が切断され、パッド111a上に第2ボンディングワイヤ712の第2ボンディング部712bが形成される。以上の過程により、絶縁素子12と制御素子111とにボンディングされた第2ボンディングワイヤ712が形成される。
【0096】
図14に示すように、第3ボンディングワイヤ713の第2ボンディング部713bの形成にあたっては、キャピラリ88の先端を駆動素子112のパッド112aに押しつける。このとき、ワイヤ871がキャピラリ88の先端とパッド112aとに挟まれる。該先端は、第2ボンディングワイヤ712を形成したときのキャピラリ88の先端に対して、ワイヤ871を挟んで反対側に位置する。このようなワイヤボンディングの過程をとることで、ワイヤボンディングの阻害要因となるキャピラリ88の先端に付着するワイヤ871の偏りを抑制することができる。
【0097】
内装めっき層72は、複数の第1端子3と、複数の第2端子4と、支持端子5とに形成された部位を有する。具体的な該部位は、先述した複数の第1端子3、複数の第2端子4および支持端子5についての説明において示している。本実施形態においては、内装めっき層72は、第1ダイパッド21の第1ダイパッド上面211および第2ダイパッド22の第2ダイパッド上面221にも形成されている。図9に示すように、内装めっき層72は、リードフレーム81において斜線部で示された領域に形成される。内装めっき層72は、ワイヤボンディング時の衝撃からリードフレーム81を保護する機能を果たす。内装めっき層72は、たとえばAgからなる。
【0098】
外装めっき層73は、複数の第1端子3および一対の第1支持端子51と、複数の第2端子4および一対の第2支持端子52とが、それぞれ一対の樹脂第1側面63より露出した部分に形成されている。外装めっき層73は、ハンダ接合によって半導体装置A1をインバータ装置の回路基板に表面実装させる際に、前記露出した部分へのハンダの付着を良好なものにしつつ、ハンダ接合に起因した前記露出した部分の侵食を防止する機能を果たす。外装めっき層73は、たとえばハンダなどのSnを含む合金からなる。
【0099】
次に、半導体装置A1の作用効果について説明する。
【0100】
本実施形態によれば、複数の第1端子3および複数の第2端子4は、一対の樹脂第1側面63からそれぞれ露出している。また、半導体装置A1を構成するダイパッド2、複数の第1端子3、複数の第2端子4および支持端子5は、いずれも導電支持部材80の各構成部材である。そして、一対の樹脂第2側面64から、アイランドサポートなどの導電支持部材80が露出していない。このような構成とすることで、複数の第1端子3よりも高電圧が印加される複数の第2端子4の近傍に、封止樹脂6から露出した導電支持部材80の金属部が存在しなくなる。したがって、半導体装置A1のさらなる絶縁耐圧の向上を図ることが可能となる。
【0101】
絶縁素子12にボンディングされた複数の第2ボンディングワイヤ712および第3ボンディングワイヤ713は、第2方向Yに沿って配置されている。たとえば、半導体装置A1を電気自動車、またはハイブリッド自動車のインバータ装置に搭載した場合、複数の第2ボンディングワイヤ712に印加される電圧は約5Vであることに対し、複数の第3ボンディングワイヤ713に印加される電圧は約600V以上である。したがって、このような複数の第2ボンディングワイヤ712および第3ボンディングワイヤ713の配置は、半導体装置A1のさらなる絶縁耐圧の向上の観点から好ましい。
【0102】
半導体装置A1のさらなる絶縁耐圧の向上を図るため、複数の第1端子3と複数の第2端子4との離間距離は長くなる傾向となる。そこで、半導体素子11、絶縁素子12およびダイパッド2の平面視形状を、いずれも第1方向Xを長辺とすることで、半導体装置A1の大型化を回避することができる。
【0103】
第1ダイパッド21および第2ダイパッド22は、ともに第2方向Yの略中央の位置において、一対の第1支持端子51および第2支持端子52によってそれぞれ両端支持されている。封止樹脂6の形成において、金型内に注入された溶融樹脂がダイパッド2に接触し、ダイパッド2に半導体装置A1の厚さ方向の変位が生じる。したがって、このような構成とすることで、該変位を抑制し、半導体装置A1の不具合を回避することができる。
【0104】
封止樹脂6の形成にあたっては、一般的にリードフレーム81の隅から金型内に溶融樹脂を注入する。本実施形態によれば、一対の樹脂第2側面64からアイランドサポートなどの導電支持部材80が露出していない。このような構成とすることで、第2方向Yの中央から前記溶融樹脂を注入することができるため、封止樹脂6に空隙が発生することを抑制できる。
【0105】
図15図18は、本発明の他の実施の形態を示している。なお、これらの図において、先述した半導体装置A1と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0106】
〔第2実施形態〕
図15および図16に基づき、本発明の第2実施形態にかかる半導体装置A2について説明する。
【0107】
図15は、理解の便宜上、封止樹脂6を省略した半導体装置A2を示す平面図である。図16は、図15のXVI−XVI線(一点鎖線)に沿う断面図である。なお、図15においては、封止樹脂6を想像線(二点鎖線)により図示している。図16においては、封止樹脂6を省略せず図示している。本実施形態においては、半導体装置A2は、平面視矩形状である。
【0108】
本実施形態の半導体装置A2は、第1ダイパッド21の形状が、先述した半導体装置A1と異なる。図15および図16に示すように、第1ダイパッド21に貫通孔213が形成されている。本実施形態においては、貫通孔213は、第1ダイパッド21において制御素子111および絶縁素子12との間に位置する領域に、3箇所形成されている。貫通孔213はそれぞれ、第1方向Xに延びた長孔である。なお、貫通孔213の個数および平面視形状は、自由に設定することが可能である。図15に示すように、第1ダイパッド21において、一対の第1支持端子51および貫通孔213は、第1方向Xに沿った直線N(一点鎖線)上に配置されている。
【0109】
本実施形態によっても、半導体装置A2のさらなる絶縁耐圧の向上を図ることが可能となる。また、本実施形態によれば、第1ダイパッド21に貫通孔213が形成されている。第1ダイパッド21の面積は、第2ダイパッド22の面積よりも広いため、封止樹脂6の形成にあたって、第1ダイパッド21の近傍に位置する封止樹脂6の部分に空隙が発生しやすい。そこで、第1ダイパッド21に貫通孔213が形成されることで、封止樹脂6の形成にあたって金型内に注入された溶融樹脂が十分に充填され、封止樹脂6に空隙が発生することをより抑制できる。
【0110】
〔第3実施形態〕
図17および図18に基づき、本発明の第3実施形態にかかる半導体装置A3について説明する。
【0111】
図17は、理解の便宜上、封止樹脂6を省略した半導体装置A3を示す平面図である。図18は、図17における右上の領域の部分拡大図である。なお、図17および図18においては、封止樹脂6を想像線(二点鎖線)により図示している。また、図18においては、第2支持端子52に第2方向Yの引抜力が作用し、第2ダイパッド22が封止樹脂6から抜け出そうとしたときの状態を想像線(二点鎖線)により図示している。本実施形態においては、半導体装置A3は、平面視矩形状である。
【0112】
本実施形態の半導体装置A3は、複数の第2端子4のうち、一対の第2側端子42の形状と、一対の第1支持端子51の形状とが、先述した半導体装置A1およびA2と異なる。図17および図18に示すように、第1方向Xにおいて、一対の第2支持端子52のそれぞれの外側に配置された第2端子4、すなわち一対の第2側端子42に、第2支持端子52に向かって突出した突起部423がそれぞれ形成されている。本実施形態においては、突起部423の平面視形状は、台形である。なお、突起部423の平面視形状は、矩形などいかなる形状をもとることができる。リードフレーム81の加工の性質上、同様に、一対の第1支持端子51にも、第1側端子32に向かって突出した突起部513がそれぞれ形成されている。
【0113】
本実施形態によっても、半導体装置A3のさらなる絶縁耐圧の向上を図ることが可能となる。また、本実施形態によれば、一対の第2側端子42に突起部423がそれぞれ形成されている。第2ダイパッド22の面積は、第1ダイパッド21の面積よりも狭いため、第2ダイパッド22と封止樹脂6との接合力は、第1ダイパッド21と封止樹脂6との接合力よりも小さくなる。そのため、封止樹脂6を形成した後、個片とするためリードフレーム81を切断する際、第2支持端子52に作用する第2方向Yの引抜力によって、第2ダイパッド22が封止樹脂6から抜け出すおそれがある。図18に示すように、一対の第2支持端子52に作用する前記引抜力の方向(第2方向Y)に対して直角である方向(第1方向X)に、突起部423が突出している。このため、第2支持端子52に前記引抜力が作用し、第2ダイパッド22が封止樹脂6から抜け出そうとすると、第2支持端子52が突起部423から反作用を受ける状態となる。これにより、第2ダイパッド22が封止樹脂6から抜け出すことを防止することができる。
【0114】
本発明にかかる半導体装置は、先述した実施の形態に限定されるものではない。本発明にかかる半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0115】
A1,A2,A3:半導体装置
11:半導体素子
111:制御素子
111a:パッド
112:駆動素子
112a:パッド
12:絶縁素子
12a:パッド
2:ダイパッド
21:第1ダイパッド
211:第1ダイパッド上面
212:第1ダイパッド下面
213:貫通孔
22:第2ダイパッド
221:第2ダイパッド上面
222:第2ダイパッド下面
3:第1端子
31:第1中間端子
311:リード部
312:パッド部
32:第1側端子
321:リード部
322:パッド部
4:第2端子
41:第2中間端子
411:リード部
412:パッド部
42:第2側端子
421:リード部
422:パッド部
423:突起部
5:支持端子
51:第1支持端子
511:リード部
512:パッド部
513:突起部
52:第2支持端子
521:リード部
522:パッド部
524:連結部
6:封止樹脂
61:樹脂上面
62:樹脂下面
63:樹脂第1側面
631:樹脂第1側面上部
632:樹脂第1側面中央部
633:樹脂第1側面下部
64:樹脂第2側面
641:樹脂第2側面上部
642:樹脂第2側面中央部
643:樹脂第2側面下部
71:ボンディングワイヤ
711:第1ボンディングワイヤ
712:第2ボンディングワイヤ
712a:第1ボンディング部
712b:第2ボンディング部
713:第3ボンディングワイヤ
713a:第1ボンディング部
713b:第2ボンディング部
714:第4ボンディングワイヤ
72:内装めっき層
73:外装めっき層
80:導電支持部材
81:リードフレーム
811:外枠
812:アイランド部
812a:第1アイランド部
812b:第2アイランド部
813:第1リード
813a:第1中間リード
813b:第1側リード
814:第2リード
814a:第2中間リード
814b:第2側リード
815:支持リード
815a:第1支持リード
815b:第2支持リード
816:ダムバー
871:ワイヤ
88:キャピラリ
X:第1方向
Y:第2方向
N:直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18