(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記振分け手段は、振分けコンベアを有し、前記振分けコンベアは、水平の搬送姿勢で被計量物を前記搬送経路に振分け、傾斜した搬送姿勢で前記不良の被計量物を前記搬送経路外へ振分ける、
請求項1または2に記載の計量装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる組合せ計量装置では、複数の物品供給路及び複数の計量コンベアからなる複数の計量ラインを構成しても、組合せ演算を行うために、複数の計量コンベアで計量された被計量物の組合せの中から選択された一つの最適組合せの被計量物しか搬出することができず、1台の組合せ計量装置における計量処理能力は低くならざるを得ないものであった。
【0007】
上記の成型ポテトチップスといったスナック菓子等の被計量物の製造ラインでは、フライヤー装置によるフライ調理や味付け装置による味付けが行われるのであるが、フライ調理の不良や味付け不良といった不良の被計量物が生じる場合がある。かかる場合には、作業者は、不良の被計量物が計量されて包装されることのないように、計量装置の運転を停止して、製造ライン上に存在する不良の被計量物を手作業で除去しなければならず、手間がかかり、効率の悪いものであった。
【0008】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、一定形状に成型された被計量物を高い計量処理能力で効率よく計量することができると共に、不良の被計量物が搬入されるような場合に、効率的に対応できる計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る計量装置は、少なくとも一つの製造ラインを搬送される一定形状に成型された被計量物が、整列状態で搬入されると共に、搬入される前記被計量物を計量する計量装置であって、
搬入される前記被計量物を整列状態で供給する供給手段と、前記供給手段によって供給される前記被計量物を搬送すると共に、前記被計量物の重量を計量する計量コンベアと、該計量コンベアによって計量された被計量物を振分ける振分け手段とを有する計量ラインを、前記製造ラインに対応して少なくとも一つ備えると共に、前記供給手段、前記計量コンベア及び前記振分け手段を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記計量コンベアによって計量される前記被計量物の重量に基づいて、前記供給手段による前記計量コンベアへの被計量物の供給を停止させて前記計量コンベアへの被計量物の供給量を制御すると共に、前記供給手段による前記計量コンベアへの被計量物の供給を停止させた後に、前記計量コンベアによって計量される前記供給量に応じた被計量物の重量に基づいて、前記振分け手段による振分けを制御するものであり、
前記振分け手段は、前記被計量物を搬送経路と搬送経路外とに振分け可能であり、
前記制御手段は、搬入される前記被計量物が不良の被計量物であるときには、前記振分け手段を制御して、不良の被計量物を、前記搬送経路外へ振分けるものである。
【0011】
本発明によると、供給手段による計量コンベアへの整列状態の被計量物の供給を、計量コンベアによって計量される被計量物の重量に基づいて、停止させるので、計量コンベアに一定量の被計量物を供給することができ、供給された一定量の被計量物を、供給手段による供給を停止させて計量コンベアへの被計量物の移載が完了した状態で、計量コンベアによって計量し、計量した被計量物の重量に基づいて、振分け手段を制御するので、一定量の被計量物が、適量であるか否か等に応じて振分け手段で振分けることができる。
【0012】
したがって、供給手段、計量コンベア及び振分け手段を有する単一の計量ライン毎に、適量な被計量物を搬出することが可能となり、簡素でコンパクトな構成でありながら、従来例に比べて計量処理能力を高めることができる。
【0013】
また、製造ラインを搬送されて、当該計量装置に搬入される被計量物が、不良の被計量物であるような場合には、制御手段は、振分け手段を制御して、不良の被計量物を、搬送経路外へ振分けるので、例えば、計量装置の運転を停止させて、作業者が、計量装置よりも被計量物の搬送方向上手側の製造ライン上、及び、計量装置の計量ライン上に存在する不良の被計量物を手作業で除去する場合に比べて、計量装置を停止させることなく、効率的に不良の被計量物を除去することが可能となる。
【0014】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記不良の被計量物を、前記搬送経路外へ振分けるために操作される設定操作部を備え、前記制御手段は、前記設定操作部の操作に基づいて、前記振分け手段を制御して、前記不良の被計量物を、前記搬送経路外へ振分ける。
【0015】
この実施態様によると、不良の被計量物が製造ラインを搬送されていることを、作業者が認識し、設定操作部を操作すると、制御手段は、設定操作部の操作に基づいて、振分け手段を制御して、被計量物を搬送経路外へ振分けるので、作業者が、不良の被計量物が当該計量装置に搬入される前の適切なタイミングで、設定操作部を操作することによって、不良の被計量物が、当該計量装置で計量されて次段の包装工程等へ搬送されるのを防止することができる。
【0016】
(3)本発明の他の実施態様では、前記振分け手段は、振分けコンベアを有し、前記振分けコンベアは、水平の搬送姿勢で被計量物を前記搬送経路に振分け、傾斜した搬送姿勢で前記不良の被計量物を前記搬送経路外へ振分ける。
【0017】
この実施態様によると、振分けコンベヤの搬送姿勢を、水平姿勢と傾斜姿勢とに切換えることによって、被計量物を、搬送経路と搬送経路外とに容易に振分けることができる。
【0018】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記製造ライン、及び、前記製造ラインに対応する前記計量ラインをそれぞれ複数備え、前記制御手段は、前記不良の被計量物が、前記複数の計量ラインの内の少なくとも一つの計量ラインに搬入されるときには、前記不良の被計量物が搬入される計量ラインの振分け手段を制御して、前記不良の被計量物が搬入される計量ラインの前記不良の被計量物を、前記搬送経路外へ振分ける。
【0019】
この実施態様によると、複数の製造ラインの少なくとも一つの製造ライン、例えば、複数の製造ラインの一つの製造ラインによって搬送される不良の被計量物が、当該計量装置に搬入される場合には、その一つの製造ラインに対応する一つの計量ラインの振分け手段によって、不良の被計量物を搬送経路外に振分ける一方、残余の計量ラインでは、不良でない被計量物の計量を継続して搬送経路に振分けることができる。
【0020】
(5)本発明の他の実施態様では、前記製造ラインの前記被計量物の搬送方向の上手側には、前記被計量物の製造装置が配置され、前記制御手段は、前記製造装置の異常を示す異常信号に基づいて、前記製造ラインに対応する前記計量ラインの前記振分け手段を制御して、前記対応する計量ラインの前記被計量物を、不良の被計量物であるとして、前記搬送経路外へ振分ける。
【0021】
この実施態様によると、被計量物を製造する製造装置の異常を示す異常信号が、例えば、製造装置から当該計量装置に与えられると、当該計量装置は、異常を示す製造装置によって不良の被計量物が製造されて当該計量装置に搬入されるとして、その製造ラインに対応する計量ラインの振分け手段を制御して、搬送経路外へ振分けることができる。これによって、製造装置の異常によって製造される不良の被計量物を、自動的に搬送経路外へ排除することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一定形状に成型された被計量物を、高い計量処理能力で効率よく計量することができると共に、製造ラインによって搬送される被計量物が不良の被計量物であって、当該計量装置に搬入されるような場合には、振分け手段によって、不良の被計量物を搬送経路外へ振分けて排除することができるので、例えば、計量装置の運転を停止させて、作業者が、計量装置よりも被計量物の搬送方向上手側の製造ライン上、及び、計量装置の計量ライン上に存在する不良の被計量物を手作業で除去する場合に比べて、計量装置を停止させることなく、効率的に不良の被計量物を除去することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る計量装置40を備える製造ラインの概略構成図であり、この実施形態の計量装置40では、被計量物として、例えば、成型ポテトチップスを計量する。
【0026】
計量装置40よりも被計量物の搬送方向の上手側(
図1の左側)のフライヤー装置41において、製造原料に水などを加えて混合して得られたドウ生地を、薄いシート状に圧延して一定形状に成型してフライ調理する。このフライヤー装置41でフライ調理された成型ポテトチップスは、複数の製造ライン42に分配されて製造ライン42毎の各味付け装置43において、調味料などをまぶすなどして味付けされ、各製造ライン42を搬送されて計量装置40に搬入される。
【0027】
図2は、
図1の計量装置40の側面図であり、
図3は、その平面図であり、
図4は、その概略基本構成を示す側面図である。
【0028】
この実施形態の計量装置は、例えば、
図6に示すような湾曲した平面視楕円形状の成型ポテトチップスを被計量物pとするものであって、
図3の平面図に示すように、
図1の各製造ライン42にそれぞれ対応する複数(この例では18)の各計量ラインが並列配備され、計量ライン毎に独立してそれぞれ計量を行うように構成されている。
【0029】
複数の各計量ラインには、被計量物pの搬送方向の上手側において、上記のようにフライヤー装置41でフライ調理され、複数の製造ライン42に分配されて製造ライン42毎に各味付け装置42でそれぞれ味付けされた成型ポテトチップスの被計量物pが、製造ライン42を搬送されて整列状態で搬入される。
【0030】
各計量ラインは同一仕様に構成されており、以下にその構造を説明する。なお、説明の便宜上、被計量物pの搬送方向の上手側(
図2〜
図4の左側)を前方、搬送方向の下手側(
図2〜
図4の右側)を後方と呼称する。
【0031】
計量装置40の計量ラインは、床置き設置される基台1の上に、フィーダ2、送込みコンベア3、計量コンベア4、及び、振分け手段としての振分けコンベア5を、この順に前後一列状に配置搭載した構造となっている。フィーダ2及び各コンベア3〜5は、後述の制御装置によって制御される。一定形状に成型された被計量物pを、フィーダ2と送込みコンベア3とによって、整列状態で計量コンベア4に供給する供給手段が構成される。
【0032】
計量ライン毎に、フィーダ2、送込みコンベア3、計量コンベア4、及び、振分けコンベア5によって、被計量物pを計量して振分ける計量機がそれぞれ構成される。
【0033】
フィーダ2は、基台1上に搭載した駆動ケース6の上に、断面形状が上向きコの字形の搬送トレー7を前後水平に装備している。この搬送トレー7を、駆動ケース6に内装した加振機構8よって振動駆動して、搬送トレー7に載置された被計量物pを、前後に整列させながら後方に振動搬送するように構成されている。
図1に示される各味付け装置43の被計量物pの搬送方向下手側の各製造ライン42から送られてきた被計量物pが、搬送トレー7の前端に供給されるようになっている。
【0034】
また、このフィーダ2は、加振機構8による振動の振幅を「強」、「弱」の2段階に切り換えることができ、通常は、「強」で動作しており、後述のように、送込みコンベア3が停止しているとき、送込みコンベア3から計量コンベア4へ被計量物pの少量を追加供給するとき、及び、被計量物pの前後方向での整列密度を低くする、すなわち、被計量物pの前後方向の間隔があまり詰まっていない疎な部分を形成するために、一定期間に亘って「弱」に切り換えられる。
【0035】
被計量物pの整列密度が低い疎な部分を形成するために、フィーダ2の振動の振幅を「弱」に切換える時点は、送込みコンベア3から計量コンベア4へ被計量物pの供給が開始されて設定時間が経過した時点であり、被計量物pが或る程度計量コンベア4に供給された時点である。この時点から一定時間に亘って、「弱」に切換え、フィーダ2から送込みコンベア3への単位時間当たりの被計量物pの移載量を少なくして、被計量物pの整列密度が低い疎な部分を形成する。
【0036】
この疎な部分は、送込みコンベア3から計量コンベア4へ被計量物pが一定量供給されて送込みコンベア3の動作が、停止される部分に対応するように形成される。すなわち、送込みコンベア3から計量コンベア4には、一定量の被計量物pが供給されて送込みコンベア3の動作が停止されるのであるが、この送込みコンベア3の動作が停止される部分は、被計量物pの整列密度が低い疎な部分に対応する。
【0037】
送込みコンベア3は、基台1上方に支柱9を介してコンベアフレーム10を固定設置し、このコンベアフレーム10に前後水平に巻き掛け張設した搬送ベルト11をモータ12で回転駆動するように構成されている。また、ベルト走行径路の横脇には、ベルト上の被計量物pを両側から摺接案内する側板13が固定配備されている。
【0038】
また、送込みコンベア3は、モータ12の回転制御によって、その搬送速度を「高速」と「低速」の2段階に切り換えることができるようになっている。
【0039】
送込みコンベア3は、計量コンベア4上の被計量物pが振分けコンベア5に搬出されて、計量コンベア4上に被計量物pが存在しない状態で、計量コンベア4への被計量物pの供給を、搬送速度を「高速」にして開始する。計量コンベア4によって被計量物pを搬送しながら計量される被計量物pの動的重量値が、目標重量値未満の所定の重量値である目標前重量値に近づくと、送込みコンベア3の搬送速度が「低速」に切換えられ、前記動的重量値が、目標前重量値に達すると、一定量の被計量物pが計量コンベア4に供給されたとして、送込みコンベア3の動作が停止される。
【0040】
送込みコンベア3は、被計量物pを計量コンベア4に追加供給する場合を除いて、計量コンベア4上の被計量物pが、振分けコンベア5に搬出された後、再び、搬送速度を「高速」にして動作を再開し、被計量物pを計量コンベア4に供給する。
【0041】
計量コンベア4は、基台1上に固定設置された計量ケース15にコンベアフレーム16を支持し、このコンベアフレーム16に前後水平に巻き掛け張設した搬送ベルト17をモータ18で回転駆動するように構成されている。また、
図7に示すように、ベルト走行径路の横脇には、整列搬送される被計量物pを両側から摺接案内する側板19が固定配備されている。そして、計量コンベア4全体の重量が、計量ケース15に内装した重量センサ20で検出されるようになっている。
【0042】
また、コンベアフレーム16における後端部近くの上方に連結した箱形の支持ケース21に、アーム状の計量ストッパ22が横向きの支点aを中心として上下に揺動開閉自在に配備されている。この計量ストッパ22は、支持ケース21の内部に配備したロータリエアーシリンダ23によって駆動揺動されるようになっている。アーム状の計量ストッパ22が、下方揺動した閉じ位置では、搬送ベルト17に載置されて搬送されてくる被計量物pを受け止め、上方に大きく揺動した開放位置では、被計量物pの後方への通過を許容するようになっている。
【0043】
この計量ストッパ22は、計量コンベア4が動作中は、下方揺動した閉じ位置にあって、被計量物pが不所望に振分けコンベア5へ搬出されるのを防止し、計量コンベア4の動作を停止させて被計量物pの静的重量値を取得するとき、及び、静的重量値を取得した被計量物pを、計量ストッパ22の位置に集合させたときには、上方に揺動した開放位置となる。
【0044】
また、計量コンベア4も、モータ18の回転制御によって、その搬送速度を「高速」と「低速」の2段階に切り換えることができるようになっている。
【0045】
計量コンベア4は、送込みコンベア3から供給される被計量物pの重量を、被計量物pを「高速」で搬送しながら計量し、得られた動的重量値が、目標前重量値に近づくと、精確な動的重量値を取得するために、送込みコンベア3と同様に、搬送速度が「低速」に切換えられる。計量コンベア4は、前記動的重量値が、目標前重量値に達し、上記のように送込みコンベア3の動作が停止された後も一定期間「低速」で動作して、送込みコンベア3上の被計量物pと計量コンベア4上の被計量物pとを完全に分離した状態で、動作を停止する。
【0046】
計量コンベア4は、動作を停止した状態で、計量ストッパ22を開放位置に上方揺動して被計量物pの静的重量値を取得する。
【0047】
取得した静的重量値に基づいて、「適量」、「過量」、「軽量」のいずれであるかが判定される。「適量」又は「過量」と判定されたときには、計量コンベア4は、「高速」で動作を開始して、閉じ位置に下方揺動された計量ストッパ22の位置に、計量した被計量物pを集合させて詰めた整列状態とする。整列された被計量物pは、振分けコンベア5に被計量物pが存在していないことを条件に、振分けコンベア5へ搬出される。なお、静的重量値の計量を完了して「高速」での動作を開始して一定期間経過したときに、計量ストッパ22の位置に、被計量物pの集合が完了したと判断する。
【0048】
取得した静的重量値に基づいて、「軽量」であると判定されたときには、計量ストッパ22を閉じ位置にした状態で、送込みコンベア3及び計量コンベア4を僅かな時間動作させて被計量物pを計量コンベア4へ追加供給し、送込みコンベア3を停止させる。その後、計量コンベア4を停止させると共に、計量ストッパ2を、被計量物pに接触しないように、上方揺動させて開放位置にした後、被計量物pの重量を再計量して静的重量値を取得し、「適量」、「過量」、「軽量」のいずれであるかを判定する。
【0049】
「適量」または「過量」と判定されたときには、上記のように閉じ位置に下方揺動された計量ストッパ22の位置に被計量物pを集合させて詰めた整列状態とした後に、振分けコンベア5へ搬出し、「軽量」であるときには、再度、被計量物pの追加供給を行って静的重量値を取得するという上記動作を行う。
【0050】
送込みコンベア3から計量コンベア4へ供給される被計量物pの重量が、目標前重量値に達して、送込みコンベア3を停止させる時点は、上記のようにフィーダ2の振動の振幅を「強」から「弱」に一定期間切換えることによって形成した被計量物pの整列密度が低い疎な部分が、送込みコンベア3と計量コンベア4との境界部分に到来する時点である。
【0051】
したがって、計量コンベア4への被計量物pの供給が停止される部分は、被計量物pの整列状態が、前後方向であまり詰まっていない整列密度が低い疎な部分であるので、被計量物pが前後方向に詰った整列密度の高い密な部分に比べて、単位時間当りに計量コンベア4へ移載される被計量物pの移載量は少なく、移載量のバラツキを抑制することができる。
【0052】
また、計量コンベア4に供給した被計量物pの静的重量値が、軽量と判定されたときには、送込みコンベア3及び計量コンベア4を短時間「低速」で動作させて被計量物pを計量コンベア4へ追加供給するのであるが、この追加供給も被計量物pの整列密度が低い疎な部分で行われることになるので、計量コンベア4へ追加供給する被計量物pの移載量、すなわち、移載する成型ポテトチップスの枚数を少なくして少量の重量の調整が可能である。
【0053】
振分け手段としての振分けコンベア5は、基台1上方に支柱25を介してコンベアフレーム26を設置し、このコンベアフレーム26に前後水平に巻き掛け張設した搬送ベルト27をモータ28で回転駆動するように構成されている。また、ベルト走行径路の横脇には、ベルト上の被計量物pを摺接案内する側板29が固定配備されている。振分けコンベア5は、常時動作しており、被計量物pは、上下に駆動移動される搬出ストッパ31によって、次段への搬出が制限される。
【0054】
コンベアフレーム26の前部は、ベルト駆動軸心と同心の横向きの支点bを中心として上下揺動可能に支柱25の上部に支持されると共に、エアーシリンダ30の伸縮作動によって、振分けコンベア5を通常の水平搬送姿勢と後ろ下がり傾斜した払出し搬送姿勢とに切換え可能に構成されている。
【0055】
計量コンベア4によって計量された静的重量値に基づいて、適量と判定された被計量物pは、振分けコンベア5によって水平搬送姿勢で次段の搬送経路に搬送され、過量と判定された被計量物pは、振分けコンベア5によって傾斜した払出し搬送姿勢で搬送経路外の図示しない回収容器に排出される。
【0056】
更に、この実施形態では、上記
図1のフライヤー装置41によるフライ調理の不良や味付け装置43による味付け不良などの不良の被計量物が生じた場合に、後述のようにして、不良の被計量物を、振分けコンベア5によって搬送経路外へ振分けて排出するようにしている。
【0057】
また、コンベアフレーム26の後端には、上記のように上下に駆動移動される搬出ストッパ31が配備されており、エアーシリンダ32の伸縮作動によって、搬送ベルト27の上方に突出して搬送されてきた被計量物pを受け止めるストッパ作用位置と、搬送ベルト27より下方に没入して被計量物pの通過を許容する退避位置とに切換え可能に構成されている。
【0058】
なお、送込みコンベア3と計量コンベア4との突合せ箇所の下方、及び、計量コンベア4と振分けコンベア5との突合せ箇所の下方には、被計量物pの破損片を収容する収容箱33がそれぞれ配備されている。
【0059】
図5は、この実施形態の制御構成を示すブロックであり、一つの計量ラインについて代表的に示しているが、制御装置34は、複数の全ての計量ラインの各計量機を制御する。
【0060】
マイクロコンピュータ等によって構成される制御装置34には、各計量ラインの重量センサ20からの荷重信号が与えられ、制御装置34は、この荷重信号をA/D変換、増幅及びフィルタ演算処理等を行って、計量コンベア4に供給される被計量物pの動的重量値や静的重量値を取得し、静的重量値に基づいて、「適量」、「過量」、「軽量」の判定を行う。この制御装置34は、計量ライン毎に、フィーダ2の加振機構8、送込みコンベア3を駆動するモータ12、計量コンベア4を駆動するモータ18、計量ストッパ駆動用のロータリエアーシリンダ23、振分けコンベア5を駆動するモータ28、振分けコンベア5の姿勢切換え用のエアーシリンダ30、搬出ストッパ駆動用のエアーシリンダ32等の各部を制御する。
【0061】
この制御装置34には、タッチパネル方式の操作表示器35が接続されている。この操作表示器35によって、目標重量値、目標前重量値、許容重量範囲、設定時間等の各種の設定操作や後述の不良の被計量物を排除するための操作が行われる一方、操作表示器35には、計量値等の各種情報が表示される。
【0062】
以上のような構成を有する本実施形態の計量装置40の動作の概要を
図8、
図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
起動指令に応じて、フィーダ2、送込みコンベア3、計量コンベア4、及び、振分けコンベア5が起動されると共に、計量コンベア4による計量が開始される(ステップS01)。
【0064】
フィーダ2の搬送トレー7に供給された被計量物pは、振幅「強」で振動駆動されて前後に重なるように整列されながら後方に搬送され、搬送トレー7の後端から送込みコンベア3の搬送ベルト11上に移載されてゆく。
【0065】
送込みコンベア3は、「高速」で駆動されており、フィーダ2から移載された被計量物pは、整列された状態のまま後方に搬送されて計量コンベア4の搬送ベルト17上に移載されてゆく。
【0066】
この時、計量コンベア4も「高速」で駆動されており、送込みコンベア3から移載された被計量物pは、整列密度が高い密な整列状態で後方に搬送されながらその重量が動的に計量される。また、この時、計量ストッパ22は、閉じ位置に下方揺動されている。
【0067】
計量コンベア4によって搬送されながら計量される動的重量値w(d)が、目標重量値より少ない所定の重量値である目標前重量値W1に近づくと(ステップS02)、精確な動的重量値を取得するために、送込みコンベア3及び計量コンベア4の搬送速度が「低速」に切換えられる(ステップS03)。そして、計量された動的重量値w(d)が、目標前重量値W1に達すると、送込みコンベア3が停止され(ステップS04,S05)、その一定時間後に、計量コンベア4が停止されると共に、計量ストッパ22を開放位置に揺動させる(ステップS06)。なお、送込みコンベア3の停止と共に、フィーダ2の振動の振幅が、「強」から「弱」に切換えられる。
【0068】
また、
図8には示されていないが、動的重量値w(d)が、目標前重量値W1に近づく前に、フィーダ2の振動の振幅が、「強」から「弱」に切換えられ、一定時間後に「強」に戻される。これによって、上記のように、フィーダ2から送込みコンベア3に移載される部分が、整列密度が低い「疎」の部分となる。この「疎」の部分が、送込みコンベア3から計量コンベア4へ被計量物pを一定量供給して送込みコンベア3の動作が停止される部分に対応する。すなわち、送込みコンベア3から計量コンベア4には、一定量の被計量物pが供給されて送込みコンベア3の動作が停止されるが、この送込みコンベア3の動作が停止される部分は、被計量物pの整列密度が低い疎な部分である。
【0069】
これによって、動的重量値w(d)が目標前重量値W1に達して送込みコンベア3を停止する際に、送込みコンベア3から計量コンベア4に単位時間当たりの被計量物pの移載量が少なくなり、移載量のバラツキを抑制して計量精度を高めることができる。
【0070】
ここで、設定される目標重量値の大小によって、目標前重量値W1の大小も変わり、計量コンベア4に供給される被計量物pの前後方向長さが変ることになる。従って、目標重量値が大きい場合には、目標前重量値W1も大きくなり、搬送方向先頭の被計量物pが、閉じ位置の計量ストッパ22に当接支持された状態になる。また、目標重量値W0が小さい場合には、目標前重量値W1も小さくなり、搬送方向先頭の被計量物pが、閉じ位置の計量ストッパ22に当接しない状態で送込みコンベア3が停止されることになる。
【0071】
上記ステップS06で、計量コンベア4が停止されると共に、計量ストッパ22が開放されると、計量コンベア4における搬送ベルト17に載置支持されただけの静止状態にある被計量物pの重量が静的に計量される(ステップS07)。
【0072】
その後、計量ストッパ22を閉じ位置にすると共に、計量コンベア4を計量終了時点から設定時間だけ「高速」で動作させて、計量された被計量物pを閉じ位置にある計量ストッパ22に向けて搬送し、詰めた整列状態とする(ステップS08)。
【0073】
次に、
図9に示すように、上記ステップS07で取得した静的重量値w(s)に基づいて、「適量」又は「過量」であるか否かが判定される(ステップS09)。
【0074】
そして、「適量」又は「過量」であると判定されると、振分けコンベア5の被計量物pが排出されていることを条件に、計量ストッパ22を開放位置にすると共に、計量コンベア4を動作させ、計量済みの被計量物pを振分けコンベア5に向けて搬送する(ステップS10)。
【0075】
そして、振分けコンベア5に送り込まれた被計量物pが「適量」であった場合には、搬出ストッパ31の位置に集合させ、その後、図示しない次段の包装工程の装置からの開放指令によって搬出ストッパ31が下方に開放され、被計量物pは、次段の搬送手段に搬出されて包装工程に至る(ステップS15,S16)。
【0076】
また、振分けコンベア5に送り込まれた被計量物pが「過量」である場合には、振分けコンベア5が下方に揺動されると共に、搬出ストッパ31が開放され、「過量」の被計量物pは、搬送経路外の図示しない回収容器に回収される(ステップS15,S17)。
【0077】
上記ステップS09で、適量又は過量でない、すなわち、軽量と判定されると、計量ストッパ22を閉じた状態のままで、停止していた送込みコンベア3を所定の極短時間だけ「低速」で動作させると共に、停止していた計量コンベア4を「低速」で設定時間だけ動作させ、送込みコンベア3上の被計量物pを少量だけ計量コンベア4に追加供給する(ステップS11)。追加供給が終了して計量コンベア4が停止すると、計量ストッパ22を開放して再び静的計量を行う(ステップS12,S13)。
【0078】
その後、取得した静的重量値w(s)に基づいて、「適量」または「過量」であるか否かを判定し(ステップS14)、「適量」または「過量」であるときには、ステップS10に移り、軽量であるときには、ステップS11に戻って追加供給を行う。
【0079】
以上のようにして、並列された複数の計量ラインのそれぞれにおいて、上記の計量動作を順次繰り返すことで、「適量」の被計量物pを計量ライン毎に間欠的に搬出して次段の包装工程に移行することができる。
【0080】
このように本実施形態によれば、フィーダ2、送込みコンベア3、計量コンベア4及び振分けコンベア5を有する単一の計量ライン毎に、適量な被計量物を搬出することが可能となり、簡素でコンパクトな構成でありながら、特許文献1の従来例に比べて計量処理能力を高めることができる。
【0081】
更に、この実施形態では、計量装置40よりも被計量物pの搬送方向の上手側のフライヤー装置41、あるいは、複数の味付け装置43に異常が発生し、計量装置40に、フライ調理不良や味付け不良等の不良の被計量物pが搬入される場合に、効率的に対応できるようにしている。
【0082】
フライヤー装置41の異常による被計量物pの不良としては、例えば、フライ調理の不良、すなわち、焼き具合の不良、あるいは、成型の不良による形状不良などである。焼き具合が不良であるか否かは、フライ調理された成型ポテトチップスの色によって判定することができる。したがって、例えば、作業者による目視の監視、あるいは、フライ調理後の成型ポテトチップスを撮像する画像処理装置の撮像信号に基づいて、検出することができる。成型ポテトチップスの成型不良による形状不良も作業者による目視の監視等によって検出することができる。
【0083】
フライヤー装置41の異常によって被計量物pの不良が生じた場合には、作業者は、フライヤー装置41の運転を停止し、再調整して正常な状態に復帰させる。
【0084】
フライヤー装置41の異常によって被計量物pの不良が生じると、
図1に示されるように、不良の被計量物pは、全ての製造ライン42を介して全ての味付け装置43に搬送され、更に、全ての製造ライン42を介して計量装置40に搬入されることになる。
【0085】
一方、複数の各製造ライン42にそれぞれ設置されている各味付け装置43の異常による被計量物pの不良としては、例えば、調味料やフレーバー(香料)を、被計量物pに散布する散布装置の目詰まりによる味付け不良などがある。散布装置の目詰まりは、散布量等を検出するセンサによって検出することが可能である。また、味付け不良は、作業者が味付けされた成型ポテトチップスを、定期的に味見してチェックすることができる。
【0086】
味付け装置43の異常によって被計量物pの不良が生じた場合には、作業者は、異常が生じた味付け装置43の運転を停止し、再調整して正常な状態に復帰させる。
【0087】
味付け装置43の異常によって被計量物pの不良が生じると、
図1に示されるように、不良の被計量物pは、異常が生じた味付け装置43よりも被計量物pの搬送方向下手側の製造ライン42を介して計量装置40に搬入されることになる。すなわち、不良の被計量物pは、異常が生じた味付け装置43の製造ライン42に対応する計量ラインのみに搬入されることになる。
【0088】
この実施形態では、フライ調理不良や味付け不良等の被計量物の不良が生じた場合には、不良の被計量物pが、計量装置40で計量されて次段の包装工程へ搬送されないように、不良の被計量物pが搬入される計量ラインの計量機を制御して、振分けコンベヤ5を、傾斜した払出し搬送姿勢にすると共に、搬出ストッパ31を退避位置に退避させて開放し、不良の被計量物を、搬送経路外へ排出するようにしている。
【0089】
以下、フライヤー装置41の異常によって、不良の被計量物pが生じた場合と、味付け装置43の異常によって、不良の被計量物pが生じた場合とについてそれぞれ説明する。
【0090】
先ず、フライヤー装置41の異常によって不良の被計量物pが生じた場合には、不良の被計量物pが、計量装置40よりも被計量物pの搬送方向下手側へ搬送されることがないように、例えば、目視によって不良の被計量物pが生じたことを認識した作業者は、設定操作部としての操作表示器35を操作する。この操作は、計量装置40の全ての計量ラインに搬入される不良の被計量物pを搬送経路外へ排除するための排除運転を開始させるための操作である。この操作に応答して、計量装置40の制御装置34は、全ての計量ラインの計量機を制御して、不良の被計量物pを搬送経路外へ排出するための排除運転を開始させる。
【0091】
この排除運転では、全ての計量ラインの全ての計量機の各振分けコンベア5を傾斜した払出し搬送姿勢に制御すると共に、搬出ストッパ31を退避位置に制御する。更に、フィーダ2の振動の振幅を、「強」に制御すると共に、送込みコンベヤ3及び計量コンベヤ5を「高速」に制御する。これによって、全ての計量ラインに搬入される不良の被計量物pを一定の搬送速度で搬送して、払出し搬送姿勢の振分けコンベア5によって、搬送経路外に排出する。
【0092】
このようにして、少なくとも不良の被計量物pが、被計量物pの搬送方向上手側の製造ライン42から各計量ラインに搬入されている期間は、不良の被計量物pを全て排除する。不良の被計量物pが全て排除された後、作業者は、操作表示器35を操作して全ての計量ラインの計量機の排出動作を終了させるための操作を行う。
【0093】
これによって、計量装置40の制御装置34は、全ての計量ラインの計量機の各振分けコンベア5を通常の水平搬送姿勢に戻して停止させると共に、搬出ストッパ31を、被計量物pを受け止めるストッパ作用位置に戻し、更に、フィーダ2、送込みコンベヤ3及び計量コンベヤ5を停止させる、すなわち、排除運転を停止する。
【0094】
フライヤー装置41の再調整が終了して、フライヤー装置41が、正常な状態に復帰し、正常にフライ調理された不良でない被計量物p、すなわち、正常な被計量物pが、計量ラインに搬入されるときには、作業者は、全ての計量ラインの計量機を起動するために、操作表示器35を操作し、これによって、制御装置34は、全ての計量ラインの計量機を起動し、排除運転ではない通常の運転を開始する。
【0095】
また、複数の製造ライン42毎に設けられている複数の味付け装置43のいずれかの味付け装置43の異常によって不良の被計量物pが生じた場合には、不良の被計量物pが、計量装置40よりも被計量物pの搬送方向下手側へ搬送されることがないように、例えば、味見によって不良の被計量物pが生じたことを認識した作業者は、操作表示器35を操作する。この操作は、異常が生じた味付け装置43の製造ライン42に対応する計量ラインに搬入される不良の被計量物pを搬送経路外へ排除するために、対応する計量ラインを指定して排除運転を開始させるための操作である。
【0096】
この操作に応答して、制御装置34は、指定された計量ラインの計量機を制御して、不良の被計量物を、搬送経路外へ排出するための排除運転を開始させる。
【0097】
この排除運転では、指定された計量ラインの計量機の振分けコンベア5を傾斜した払出し搬送姿勢に制御すると共に、搬出ストッパ31を退避位置に制御する。更に、フィーダ2の振動の振幅を、「強」に制御すると共に、送込みコンベヤ3及び計量コンベヤ5を「高速」に制御する。これによって、指定された計量ラインに搬入される不良の被計量物pを一定の搬送速度で搬送して、払出し搬送姿勢の振分けコンベア5によって、搬送経路外に排出する。
【0098】
このようにして、少なくとも不良の被計量物pが、被計量物pの搬送方向上手側の製造ライン42から指定された計量ラインに搬入されている期間は、不良の被計量物pを全て排除する。不良の被計量物pが全て排除された後、作業者は、操作表示器35を操作して指定された計量ラインの計量機の排除運転を終了させるための操作を行う。
【0099】
これによって、計量装置40の制御装置34は、指定された計量ラインの計量機の振分けコンベア5を通常の水平搬送姿勢に戻して停止させると共に、搬出ストッパ31を、被計量物pを受け止めるストッパ作用位置に戻し、更に、フィーダ2、送込みコンベヤ3及び計量コンベヤ5を停止させる、すなわち、排除運転を停止する。
【0100】
なお、異常でない正常の味付け装置43に対応する計量ラインの計量機、すなわち、指定されなかった計量ラインの計量機は、正常な被計量物pが搬入されるので、排除運転を行うことなく、通常の運転を継続する。
【0101】
異常の味付け装置43の再調整が終了して正常な状態に復帰した後、正常に味付けされた被計量物pが、指定された計量ラインに搬入されるときには、作業者は、操作表示器35を操作して指定した計量ラインの計量機を起動し、指定した計量ラインの運転を開始する。
【0102】
このように本実施形態によれば、計量装置40よりも被計量物pの搬送方向上手側の製造ライン42のフライヤー装置41や味付け装置43に異常が生じて、フライ調理不良や味付け不良などの不良の被計量物pが生じたような場合には、不良の被計量物pが生じたことを認識した作業者が、操作表示器35を操作することによって、不良の被計量物pが搬入される計量装置40の計量ラインでは、不良の被計量物pを搬送経路外に効率的に排除することができるので、計量装置を停止させて、作業者が、製造ラインや計量ラインに存在する不良の被計量物を、取り除くといった面倒な作業が不要となる。しかも、味付け不良のように、全ての計量ラインではなく、いくつかの計量ラインに不良の被計量物pが搬入される場合には、その不良の被計量物pが搬入される計量ラインの計量機のみ排除運転を行って不良の被計量物pを排除する一方、正常に被計量物pが搬入される計量ラインは、通常の運転を継続することができる。
【0103】
上記実施形態では、作業者が、操作表示器35を操作して、計量装置40によって不良の被計量物pを排除したけれども、本発明の他の実施形態として、
図1の仮想線で示すように、計量装置40と、フライヤー装置41及び各味付け装置43とを通信可能にそれぞれ接続し、フライヤー装置41及び各味付け装置43と連係しながら不良の被計量物pを排除するようにしてもよい。
【0104】
図10は、この場合の処理の概要を示すフローチャートである。
【0105】
運転モードでは、先ず、フライヤー装置41が正常であるか否かを判定する(ステップS101)。計量装置40では、フライヤー装置41との通信によってフライヤー装置41が正常であるか否かを判定することができる。フライヤー装置41は、例えば、上記の画像処理装置からの撮像信号に基づいて、フライヤー装置41によるフライ調理が正常であるか否か、すなわち、フライヤー装置41が正常であるか否かを判定することができる。
【0106】
ステップS101で、フライヤー装置41が正常であると判定されたときには、フライヤー装置41は停止中であるか否かを判定し(ステップS102)、停止中であるときには、フライヤー装置41の運転を起動し(ステップS103)、ステップS104に移る。
【0107】
上記ステップS101で、フライヤー装置41が正常でないと判定したとき、すなわち、フライヤー装置41から異常を示す異常信号が与えられているときには、フライヤー装置41の運転を停止し(ステップS110)、フライヤー装置41が異常であることを示す異常警報を発し(ステップS111)、フライヤー装置41よりも被計量物pの搬送方向下手側の味付け装置43及び製造ライン42上の被計量物p、並びに、計量装置40の計量ライン上の被計量物pを、不良の被計量物pであるとして排除するために、計量装置40は、被計量物pの排除運転を開始し(ステップS112)、ステップS104に移る。
【0108】
ステップS111における異常警報は、例えば、適宜の箇所に設置された警告灯を点滅することなどによって行う。この異常警報によって、フライヤー装置41に異常が生じたことを知った作業者は、異常の原因を特定し、正常な状態に復帰させるために、フライヤー装置41の再調整を行う。
【0109】
通常、フライヤー装置41は、徐々に異常に至るので、フライヤー装置41の異常警報が発せられたときには、フライヤー装置41よりも被計量物pの搬送方向下手側の被計量物pは、不良の被計量物pであるとして、計量装置40で全ての被計量物を排除するようにしている。
【0110】
なお、フライヤー装置41の異常警報が発せられたときから一定時間が経過するまでは、フライヤー装置41が異常になる前の正常な状態でフライ調理された正常な被計量物が、計量装置40に搬入されているとして、前記一定時間が経過したときから被計量物pの排除運転を開始するようにしてもよい。
【0111】
この計量装置40による被計量物pの排除運転は、上記ステップS110でフライヤー装置41の運転が停止される迄に製造された不良の被計量物pが、計量装置40の各計量ラインの各計量機にそれぞれ搬入されなくなるまで継続される。不良の被計量物が計量装置40に搬入されなくなると、不良の被計量物pが無くなったとして排除運転は、停止される。すなわち、排除運転を停止して、次に正常な被計量物pが搬入される迄待機する。
【0112】
なお、不良の被計量物pが搬入されなくなったか否かは、例えば、計量コンベヤ4によって、被計量物pに対応する荷重が、一定期間以上に亘って検出されなくなったことによって、あるいは、被計量物pを検出する光電センサ等の検出センサを、計量ラインの被計量物の搬送方向上手側に設置して被計量物pが、一定期間以上に亘って検出されなくなったことによって判定することができる。
【0113】
ステップS104では、複数の味付け装置43の総数nを初期値iとし、複数の味付け装置43の内、i番目の味付け装置43は、正常であるか否かを判定する(ステップS105)。計量装置40では、味付け装置43との通信によって味付け装置43が正常であるか否かを判定することができる。味付け装置43は、例えば、上記の散布装置の目詰まりを検出するセンサの検出出力に基づいて、味付け装置43による味付けが正常に行われているか否か、すなわち、味付け装置43が正常であるか否かを判定することができる。
【0114】
ステップS105で、i番目の味付け装置43が、正常であるときには、i番目の味付け装置43は停止中であるか否かを判定し(ステップS106)、停止中であるときには、i番目の味付け装置43の運転を起動し(ステップS107)、ステップS108に移る。
【0115】
ステップS108では、iをデクリメントとし、i=0であるか否かを判定し(ステップS108)、i=0でないときには、ステップS105に戻り、次の味付け装置43について同様の処理を行い、i=0であるときには、ステップS101に戻る。
【0116】
ステップS105で、i番目の味付け装置43が正常でないと判定したとき、すなわち、i番目の味付け装置43から異常を示す異常信号が与えられているときには、i番目の味付け装置43の運転を停止し(ステップS113)、i番目の味付け装置43が異常であることを示す異常警報を発し(ステップS114)、ステップS115に移る。
【0117】
ステップS114における異常警報は、例えば、適宜の箇所に設置されたi番目に対応する警告灯を点滅することなどによって行う。この異常警報によって、i番目の味付け装置43に異常が生じたことを知った作業者は、異常の原因を特定し、正常な状態に復帰させるために、i番目の味付け装置43の再調整を行う。
【0118】
ステップS115では、異常が生じたi番目の味付け装置43よりも被計量物pの搬送方向下手側の製造ライン42、及び、i番目に対応する計量ラインの被計量物pを、不良の被計量物pであるとして排除するために、計量装置40は、i番目に対応する計量ラインの計量機による被計量物pの排除運転を開始し、ステップS108に移る。
【0119】
この排除運転は、上記ステップS112と同様に、一定期間以上に亘って不良の被計量物pが、i番目に対応する計量ラインの計量機に搬入されないときに、不良の被計量物pが無くなったとして、停止される。
【0120】
なお、フライヤー装置41の再調整によって、正常な状態に復帰し、正常な被計量物pが、計量装置40に搬入されるときには、不良の被計量物pの排除運転を終了して待機状態の各計量ラインの各計量機が通常の運転を開始する。また、i番目の味付け装置43の再調整によって、正常な状態に復帰し、正常な被計量物pが、計量装置40に搬入されるときには、i番目に対応する計量ラインの不良の被計量物pの排除運転を終了して待機状態の計量機が通常の運転を開始する。
【0121】
正常な被計量物pの搬入による通常の運転の開始は、例えば、被計量物pを検出する光電センサ等の検出センサを、計量ラインの被計量物の搬送方向上手側に設置し、正常な被計量物pが検出されることによって、行うようにしてもよい。
【0122】
このように本実施形態では、計量装置40よりも被計量物pの搬送方向上手側の製造装置であるフライヤー装置41や味付け装置43の異常によって不良の被計量物pが生じた場合には、計量装置40では、不良の被計量物pが搬入される計量ラインの計量機を制御して、不良の被計量物pを搬送経路外へ排出するので、計量装置を停止させて、作業者が、製造ラインや計量ラインに存在する不良の被計量物を、取り除くといった面倒な作業が不要となる。
【0123】
しかも、計量装置40は、フライヤー装置41や味付け装置43との通信によって、フライヤー装置41や味付け装置43に異常が生じたときには、不良の被計量物pが搬入されるものとして、自動的に不良の被計量物pを排除する排除運転を開始するので、作業者が、不良の被計量物pの排除運転を開始させるための操作を行う必要がない。
【0124】
したがって、作業者が、例えば、製造ラインから離れた位置に居て、異常警報に気づかなかったような場合であっても、不良の被計量物pが、計量装置40で計量されて次段の包装工程で包装されてしまうといった事態を防止することができる。
【0125】
なお、フライヤー装置41や味付け装置43の異常によって生じる不良の被計量物pの排除運転の開始は、上記のように自動的に行い、排除運転の停止や正常な被計量物pの搬入よる通常の運転の開始は、作業者が、操作表示器35を操作して行うようにしてもよい。
【0126】
また、計量装置40では、不良の被計量物pの排除運転を開始した後は、運転を停止させることなく、正常な被計量物pが搬入されるまで排除運転を継続し、正常な被計量物pが搬入されたとき、排除運転を停止して通常の運転を開始してもよい。
【0127】
[他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0128】
(1)振分け手段は、振分けコンベヤ5に限らず、アーム(フリッパ)式やその他の方式であってもよい。
【0129】
(2)上記実施形態では、過量の被計量物pと不良の被計量物pを、同一の搬送経路外へ排出したけれども、例えば、振分けコンベヤ5の傾斜角度を異ならせて、過量の被計量物pと不良の被計量物pとを、異なる搬送経路外へ排出するようにしてもよい。
【0130】
(3)上記実施形態は、複数の計量ラインを並列配置した形態のものを例示したが、単一の計量ラインだけを備えた形態で実施することもできる。
【0131】
(4)上記実施形態では、振動駆動型のフィーダ2とベルト式の送込みコンベア3とによって、被計量物pを整列状態で、かつ、その整列密度を変えて計量コンベア4に搬入することができる供給手段が構成されているが、フィーダ2を速度変更可能なベルト式コンベアに変更して同様な機能を発揮させることも可能である。
【0132】
(5)上記実施形態では、計量コンベア4に一定量の被計量物pが供給されて送込みコンベア3を停止させた後、計量コンベア4を停止させて静的重量値を取得して適量か否かといった判定を行ったけれども、本発明の他の実施形態として、計量コンベア4を停止させることなく、動的重量値を取得し、動的重量値に基づいて、適量か否かといった判定を行うようにしてもよい。