(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522658
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】電子製品を製造するための方法およびシステムならびに該製品を備える電子システム
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20190520BHJP
G09F 13/20 20060101ALI20190520BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20190520BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20190520BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
H01L33/62
G09F13/20 H
G02B6/42
H01L33/60
H05B33/14 A
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-565247(P2016-565247)
(86)(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公表番号】特表2017-516304(P2017-516304A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】FI2015050261
(87)【国際公開番号】WO2015166135
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年3月16日
(31)【優先権主張番号】14/264,273
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516089669
【氏名又は名称】タクトテク オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ケラーネン,アンティ
(72)【発明者】
【氏名】サースキー,ヤルモ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイッキラ,トゥオマス
(72)【発明者】
【氏名】ニスカラ,パーヴォ
(72)【発明者】
【氏名】セヴェリンカンガス,カリ
(72)【発明者】
【氏名】トルヴィネン,サミ
【審査官】
大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−507730(JP,A)
【文献】
特表2009−545015(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0240260(US,A1)
【文献】
特表2008−503034(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0296792(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0232171(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0296389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シートを得るステップと、
前記基材シート上に複数の電気導体を追加のプリンテッドエレクトロニクス技術のプロセスにより、印刷するステップと、
光放射部品を含む複数の電子部品を前記基材シート上に印刷または配置するステップであって、前記印刷された導体の少なくとも一部が前記電子部品に電流を供給するように構成されている、ステップと、
多層構造を構築するように、可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートを前記基材シートへ取り付けるステップであって、前記光放射部品によって放射された光が、光導波路シートに受けられ、前記光導波路シート内部で伝搬し、前記基材シートを通って少なくとも一部が周囲に放射される、ステップとを含む、電子製品を製造するための方法であって、
前記光放射部品によって放射された光が、外部結合要素を介する外部結合により少なくとも一部が周囲に放射されるまで、全内部反射によって前記光導波路シート内に完全に含まれ、
前記外部結合要素が接着剤を含む、方法。
【請求項2】
前記多層構造を所望の実質的に三次元の形状に熱成形することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取り付けるステップの前に、1つ以上の前記基材シートおよび前記光導波路シートを所望の実質的に三次元の形状に熱成形することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記取り付けるステップが、前記基材シートと光導波路シートとの間の接着層、接着領域または接着ドットの利用を含み、前記利用される接着剤が光学的に実質的に透明または少なくとも半透明である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記複数の光放射部品が少なくとも1つの側面発光ダイオード(LED)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記光導波路シートに、前記光放射部品の1つまたは複数を収容するために複数の凹部またはスルーホールが設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記基材シートまたは光導波路シートに、放射される光を制御し、前記光によって照明される、目に見える視覚的に識別可能なフィーチャが設けられている、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記基材シートまたは光導波路シートに、放射される光を制御し、前記光によって照明される、目に見える視覚的に識別可能なフィーチャが設けられ、
鋳型ラベル付けまたは装飾が、前記目に見える視覚的に識別可能なフィーチャを前記基材シート上の成型された材料の外側表面の真下に生成するために利用される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
反射要素が、前記光導波路シートから漏れる光を前記光導波路シートの方に反射して戻すために前記光導波路シートに実質的に隣接して設けられている、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
反射要素が前記光導波路シートから漏れる光を前記光導波路シートの方に反射して戻すために前記光導波路シートに実質的に隣接して設けられ、
前記反射要素が実質的に、入射光の鏡面反射を引き起こすミラーである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
反射要素が前記光導波路シートから漏れる光を前記光導波路シートの方に反射して戻すために前記光導波路シートに実質的に隣接して設けられ、
前記反射要素が実質的に、入射光を散乱させる拡散体である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
接着層、領域またはドットが、実質的に前記接着層、領域またはドットに隣接する光導波路シート位置で前記光導波路シートからの光の放射を制御または促進するように構成されている、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記基材シートが、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、グリコール化ポリエチレンテレフタレート(PETG)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびアクリルポリマーから構成されるグループから選択された少なくとも1つの材料を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記光導波路シートが、プラスチック、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアミド(PA)、シクロオレフィン共重合体(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリ塩化ビニル(PVC)から構成されるグループから選択された少なくとも1つの材料を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記基材シートの厚さが、1ミリメートル以下である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記光導波路シートの厚さが、0.5mm未満である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記取り付けるステップが、接着剤、圧力および/または熱による積層化を含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記取り付けるステップが、射出成型を含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
導電性のインクが前記印刷するステップにおいて使用される、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
所定の回路図に従って複数の電気導体を可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シート上に、追加のプリンテッドエレクトロニクス技術のプロセスを用いて、印刷することと、
前記所定の回路図に従って光放射部品を含む複数の電子部品を前記基材シート上に設けることであって、前記印刷された導体の少なくとも一部が前記電子部品に電流を供給するように構成される、ことと、
機能的な多層積層構造を構築するように可撓性の、光学的に実質的に透明な、予め調製された、光導波路シートを前記基材シートに取り付けることであって、ここで、前記光放射部品によって放射された光が、前記光導波路シートに受けられ、前記光導波路シート内部を伝搬し、次いで前記光放射部品が設けられた前記基材シートを通って少なくとも一部が周囲に放射される、ことと、を行うように構成されている器具を備え、
前記光放射部品によって放射された光が、外部結合要素を介する外部結合により少なくとも一部が周囲に放射されるまで、全内部反射によって前記光導波路シート内に完全に含まれ、
前記外部結合要素が接着剤を含む、電子製品またはデバイスのための製造システム。
【請求項21】
複数の印刷された電気導体が設けられた、可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シートと、
前記基材シート上に配置された光放射部品を含む複数の電子部品であって、前記印刷された導体の少なくとも一部が前記電子部品に電流を供給するように構成されている、複数の電子部品と、
前記光放射部品によって放射された光が、光導波路シートに受けられ、前記光導波路シート内部を伝搬し、前記光放射部品が設けられた前記基材シートを通って少なくとも一部が周囲に放射されるように構成された、前記基材シートに取り付けられた可撓性の、光学的に実質的に透明な、予め調製された、前記光導波路シートと、を組み込む光学的に機能的な多層構造とを備え、
前記光放射部品によって放射された光が、外部結合要素を介する外部結合により少なくとも一部が周囲に放射されるまで、全内部反射によって前記光導波路シート内に完全に含まれ、
前記外部結合要素が接着剤を含む、電子システム。
【請求項22】
前記光導波路シートが、単層の予め調製された導波路シートである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の電子部品が、前記熱成形前に前記基材シート上に印刷または配置されている、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、電子製品の文脈における製造プロセスおよび関連する製品に関する。詳細には、限定することなく、本発明は、
プリンテッドエレクトロニクスおよび光電子部品を含む製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
小型化は、電子製品の製造において一般的な傾向である。加えて、製造コストは、最小に維持されるべきであり、このことは、とりわけ、プロセスの段数および材料の無駄を低減させた比較的簡単な高歩留まりプロセスを意味する。
【0003】
より伝統的な電子要素、例えば、PCB(プリント回路板)、導体、SMD(surface−mount device:表面実装デバイス)のような部品などは、サイズおよび重量が低減したが、それらの多くは、
プリンテッドエレクトロニクスと比較して、いまだに比較的かさばり、堅く/可撓性がない。
プリンテッドエレクトロニクスは、概して、薄く、軽く、可撓性があり/曲げることができ、素早く製造する構造への道筋を示した。
【0004】
現状の光学または光電子ソリューションは、全体的に前述の傾向を辿っている。光放射、送信、結合などの制御は、モバイルエレクトロニクスおよびデジタルエンターテインメントからデジタルサイネージおよび自動車産業に至る、様々な異なる用途でますます必要となってきている。従来、光透過の制御には、比較的複雑な結合およびフィルタリング構造を使用することが必要とされ、この構造は、良好な歩留まりで製造するのに扱いにくいだけでなく、場所をとり、脆弱で、損失があり、高価であった。
【0005】
したがって、多くの場合、所望の特性、歩留まりおよびコストを有する製品を得るために、
プリンテッドエレクトロニクスによって提供される機会を利用する、または
プリンテッドエレクトロニクスを含むいくつかの製造技術を組み合わせることが賢明な場合がある。多くの現代の光学用途では、サイズ、コスト、および信頼性の要件は、例えば、スマートフォン、タブレット、およびファブレットなどの各種装置に埋め込まれた小型の民生用エレクトロニクスグレードのタッチパネルの製造をかなり厳密に考慮している。そのような用途における光制御を十分なレベルでリードする物理学および光学の分野の理論が今まで何年もの間よく知られているが、多くの製造ソリューションは、複雑さおよび脆弱性などのいくつかの前述の落とし穴にはまっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態の目的は、可撓性基材、導体および光電子部品を組み込む電子製品の製造の文脈において、従来技術の装置において明らかな前述の欠点の1つまたは複数を少なくとも軽減することである。
【0007】
本目的は、製造の方法、およびこの方法を用いて得られる電子製品によって全体的に実現される。
【0008】
本発明は、以下を提供する。
[1]可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シートを得るステップと、
所定の回路図に従って上記基材シート上にいくつかの電気導体を印刷するステップと、
光電子光放射部品、好ましくはLED(発光ダイオード)を含むいくつかの電子部品を上記回路図に従って上記基材シート上に印刷または配置するステップであって、上記印刷された導体の少なくとも一部が上記電子部品に電流を供給するように構成されている、ステップと、
機能的な多層構造を構築するように、可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートを上記基材へ取り付けるステップであって、上記光放射部品によって放射された光が、光導波路に内部結合され、上記光導波路内部で伝搬し、上記基材シートを通って少なくとも一部が周囲に外部結合される、ステップと
を含む、電子製品を製造するための方法。
[2]上記多層構造が所望の形状に熱成形される、上記[1]に記載の方法。
[3]基材シートまたは光導波路シート、あるいはそれら両方が上記取り付けるステップの前に所望の形状に熱成形される、上記[1]に記載の方法。
[4]上記取り付けるステップが、上記基材シートと光導波路シートとの間の接着層、接着領域または接着ドットの利用を組み込み、上記利用される接着剤が好ましくは光学的に実質的に透明または少なくとも半透明である、上記[1]に記載の方法。
[5]上記いくつかの光電子光放射部品が少なくとも1つの側面発光LEDを含む、上記[1]に記載の方法。
[6]上記光導波路シートに、上記光電子部品の1つまたは複数を収容するためにいくつかの凹部またはスルーホール、任意選択で1つの部品当たり1つの凹部またはスルーホールが設けられている、上記[1]に記載の方法。
[7]上記基材または光導波路に、光の外部結合を制御し、上記光によって照明される、目に見える視覚的に識別可能なフィーチャ、任意選択でグラフィカルなロゴなどの図形が設けられている、上記[1]に記載の方法。
[8]上記基材または光導波路に、光の外部結合を制御し、上記光によって照明される、目に見える視覚的に識別可能なフィーチャ、任意選択でグラフィカルなロゴなどの図形が設けられ、さらに鋳型ラベル付けまたは装飾が、上記目に見える視覚的に識別可能なフィーチャを上記基材上の成型された材料の外側表面の真下に生成するために利用される、上記[6]に記載の方法。
[9]反射バックプレートなどの反射要素が、上記光導波路から漏れる光を上記光導波路の方に反射して戻すために上記光導波路に実質的に隣接して設けられている、上記[1]に記載の方法。
[10]反射バックプレートなどの反射要素が、上記光導波路から漏れる光を上記光導波路の方に反射して戻すために上記光導波路に実質的に隣接して設けられ、さらに上記反射要素が入射光の鏡面反射を引き起こす実質的にミラーである、上記[1]に記載の方法。
[11]反射バックプレートなどの反射要素が上記光導波路から漏れる光を上記光導波路の方に反射して戻すために上記光導波路に実質的に隣接して設けられ、さらに上記反射要素が入射光を散乱させる実質的に拡散体である、上記[1]に記載の方法。
[12]接着層、領域またはドットが、実質的に上記接着層、領域またはドットに隣接する光導波路位置で上記光導波路からの光の外部結合を制御または促進するように構成されている、上記[1]に記載の方法。
[13]上記基材シートが、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、グリコール化ポリエチレンテレフタレート(PETG)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびアクリルポリマーから構成されるグループから選択された少なくとも1つの材料を含む、上記[1]に記載の方法。
[14]上記光導波路シートが、プラスチック、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアミド(PA)、シクロオレフィン共重合体(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリ塩化ビニル(PVC)から構成されるグループから選択された少なくとも1つの材料を含む、上記[1]に記載の方法。
[15]上記基材シートの厚さが数10分の1ミリメートル以下の大きさのオーダである、上記[1]に記載の方法。
[16]上記光導波路シートの厚さが、約0.5mm未満、好ましくは約0.3mm未満、最も好ましくは約0.2mm未満である、上記[1]に記載の方法。
[17]上記取り付けるステップが、接着剤、圧力および/または熱による積層化を含む、上記[1]に記載の方法。
[18]上記取り付けるステップが、鋳型成型、任意選択で射出成型を含む、上記[1]に記載の方法。
[19]印刷するために、導電性インク、任意選択で非接着性インクが利用される、上記[1]に記載の方法。
[20]所定の回路図に従っていくつかの電気導体を可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シート上に印刷することと、
上記回路図に従って光電子光放射部品、任意選択でLEDを含むいくつかの電子部品を上記基材シート上に設けることであって、上記印刷された導体の少なくとも一部が上記電子部品に電流を供給するように構成される、設けることと、
機能的な多層積層構造を構築するように可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートを上記基材に取り付けることであって、使用において、上記光放射部品によって放射された上記光が、上記光導波路に内部結合され、上記光導波路内部で伝搬し、上記基材シートを通って少なくとも一部が上記周囲に外部結合される、取り付けることと、
を行うように構成されている器具を備える、電子製品またはデバイスのための製造装置。
[21]いくつかの印刷された電気導体が設けられた、可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シートと、
上記基材シート上に配置された光電子光放射部品、任意選択でLEDを含むいくつかの電子部品であって、上記印刷された導体の少なくとも一部が上記電子部品に電流を供給するように構成されている、いくつかの電子部品と、
使用において、上記光放射部品によって放射された上記光が、上記光導波路に内部結合され、上記光導波路内部で伝搬し、上記基材シートを通って少なくとも一部が上記周囲に外部結合されるように構成された、好ましくは接着層または接着ドットを介して上記基材に取り付けられた可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートと、
を組み込む光学的に機能的な多層構造を備える電子デバイス。
一態様において、電子製品を製造するための方法は、
可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シートを得るステップと、
所定の回路図に従って基材シート上にいくつかの電気導体を印刷するステップと、
回路図に従って光電子光放射部品、任意選択でLEDを含むいくつかの電子部品を基材シート上に印刷し、または配置するステップであって、印刷された導体の少なくとも一部が電子部品に電流を供給するように構成されている、ステップと、
機能的な多層積層構造を構築するように可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートを基材に取り付けるステップであって、使用において、光放射部品によって放射された光が、光導波路に内部結合され、光導波路内部で伝搬し、基材シートを通って少なくとも一部が周囲に外部結合される、ステップと、を含む。
【0009】
任意選択で、光導波路シートには、裁断または穿孔器具を使用して、例えば、光電子部品の少なくとも一部を収容し埋め込むためのいくつかの凹部、ひだ、溝、ベベル、および/またはスルーホールなどの孔が設けられることがある。
【0010】
別の態様において、電子製品またはデバイスのための製造装置は、
所定の回路図に従っていくつかの電気導体を可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シート上に印刷することと、
回路図に従って光電子光放射部品、任意選択でLEDを含むいくつかの電子部品を基材シート上に設けることであって、印刷された導体の少なくとも一部が電子部品に電流を供給するように構成される、設けることと、
機能的な多層積層構造を構築するように可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートを基材に取り付けることであって、使用において、光放射部品によって放射された光が、光導波路に内部結合され、光導波路内部で伝搬し、基材シートを通って少なくとも一部が周囲に外部結合される、取り付けることと、
を行うように構成されている器具を備える。
【0011】
任意選択で、装置の印刷器具は、基材上に導体を、すなわち導電性インクの導電性トレースを印刷するためのスクリーン印刷またはインクジェット装置などの印刷装置を備える。
【0012】
ある実施形態では、LEDのような光電子部品を含む部品の少なくとも一部は、導体を印刷するために使用されるのと同一のまたは追加の印刷道具を利用して印刷されてもよい。代わりにまたは加えて、実装器具、任意選択で、ピックアンドプレイス機械が基材上の前述の光電子部品を含む表面実装可能な電子部品を配置し配列するために利用されてもよい。
【0013】
装置の取付け器具は、例えば、光導波路シートを基材に固定するために接着層または接着ドット(複数可)を設けるための接着剤供出装置を含んでもよい。接着剤は、基材シートおよび/または光導波路シート上に最初に設けられてもよい。任意選択で、光導波路シートは、例えば、取付け器具に含まれる成型装置によって取り付けることによって構築されてもよい。例えば、部品が設けられる基材シートは、成型材料、好ましくはプラスチック中に部品を少なくとも部分的に閉じ込めるように過剰成型されてもよい。
【0014】
さらに、装置は、乾燥/加熱/硬化器具、カッター、彫刻または穿孔器具などのいくつかの追加の要素を備えてもよい。装置の1つまたは複数の要素は、任意選択で互いに一体化されてもよい。例えば、印刷器具または実装器具が接着剤を提供するように構成されることがあってもよい。極端な場合、装置は、単一の装置と考えられてもよい器具によって実施される。
【0015】
さらなる態様において、電子製品またはデバイスは、
いくつかの印刷された電気導体が設けられた、可撓性の、光学的に実質的に透明または半透明の基材シートと、
基材シート上に配置された光電子光放射部品、任意選択でLEDを含むいくつかの電子部品であって、印刷された導体の少なくとも一部が電子部品に電流を供給するように構成されている、いくつかの電子部品と、
使用において、光放射部品によって放射された光が、光導波路に内部結合され、光導波路内部で伝搬し、基材シートを通って少なくとも一部が周囲に外部結合されるように構成された、好ましくは接着層または接着ドットを介して基材に取り付けられた可撓性の、光学的に実質的に透明な光導波路シートと、
を組み込む光学的に機能的な多層構造を備える。
【0016】
一部の実施形態では、電子デバイスは、スマートフォン、タブレット、ファブレットなどのモバイル通信機器、ゲームコントローラなどのゲーム付属品、UI(ユーザインタフェース)装置、コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、産業用設備、ディスプレイ装置、照明装置、電動工具、自動車、車両、自動車のディスプレイ装置、ウェアラブル電子機器、腕時計型機器、またはスマートゴーグルもしくは他のスマート(デジタル)帽子の少なくとも一部であってもよく、あるいはそれらを構成してもよい。
【0017】
デバイスは、実質的に平面であっても、三次元であってもよい。後者の場合、最初に、任意選択で平面の基材膜に部品が設けられ、光導波路シートを実現する前に、実現するときに、または実現した後に目標とする3d形状に曲げられてもよい。
【0018】
本明細書で開示された方法の様々な実施形態は、当業者によって容易に理解されるように、装置および製品に必要な変更を加えて、および加えずに柔軟に適用され得る。
【0019】
本発明の実施形態の有用性は、複数の異なる問題に起因する。得られる電子製品は、堅牢で、小型で、薄く、ならびに好ましくは、可撓性があり、もしくは曲げることが可能であり、ここでLEDなどの光源と目標位置または領域との間の光伝送が照明および/または審美的な目的に必要とされる様々な意図された使用シナリオに役立つように光学的に、少なくとも十分に効率的である。製造コストは、相変わらず低いままであり、使用される材料、部品、および器具、ならびに関連する部分品は、容易に入手可能である。本方法は、比較的標準的な器具を使用して実施され得、試作から大量生産まで拡張可能である。
【0020】
さらに、異なる有益な、および/または審美的な視覚的表示、例えば、積層構造に埋め込んだ図形は、提案された光源によって照明され、または視覚的に識別可能に表現され得、一方で表示それ自体は、光導波路内部からの光を外部結合するために巧みに活用され得る。
【0021】
表現「いくつかの」は、本明細書では1から始まる任意の正整数を指すことができる。
【0022】
表現「複数の」は、2から始まる任意の正整数をそれぞれ指すことができる。
【0023】
本発明の異なる実施形態は、開示された添付の従属クレームである。
【0024】
次に、本発明の実施形態について、添付図を参照してより綿密に吟味する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による方法の実施形態を開示する流れ図である。
【
図2】本発明の実施形態による本発明の全体的な概念である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、本発明による電子製品またはデバイスを製造するための1つの実現可能な実施形態の流れ図が示されている。
【0027】
102で、開始フェーズを参照すると、必要な準備活動、例えば、材料、素子、およびツールの一般的な選択、取得、構成、ならびに材料前処理が行われ得る。回路レイアウトは、製品仕様書および他の制約条件に照らして規定されてもよい。プロセスパラメータは、テストされ、微調整され、最適化されてもよい。
【0028】
例えば、用いるインク(複数可)は、例えば、異なる印刷技術が、用いるインクにより異なるレオロジー特性を必要とするため、好ましくは利用可能な印刷/配置技法および基板材料に関連して選択される。さらに、異なる印刷技術は、タイムユニット当たり様々な量のインクを提供し、このことは、しばしば達成可能な導電度指数に影響する。
【0029】
104で、基材シートが得られ、任意選択で前処理される。所定の所望の寸法を有するシートは、より大きな1枚から裁断されてもよい。あるいは、例えば、ロールツーロール処理が適用されてもよい。
【0030】
シートは、好ましくはプラスチックを含み、またはプラスチックから構成される。シートは、例えば、可撓性プラスチックフィルムであってもよい。少なくとも最初は、シートは、実質的に平らでもよい。基材は、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(acrylonitrile-butadiene-styrene:ABS)、グリコール化ポリエチレンテレフタレート(Glycolized polyethylene terephthalate:PETG)、耐衝撃性ポリスチレン(high impact polystyrene:HIPS)、高密度ポリエチレン(high-density polyethylene:HDPE)、およびアクリルポリマーから構成されるグループから選択された少なくとも1つの材料を含むことができる。
【0031】
任意選択で、アイテム108によって示すように、基材シートには、光結合(内部および/または外部結合)あるいは送信を制御するためのフィーチャが設けられてもよい。例えば、フィーチャは、型押し、または打ち抜きによって製造することができる表面の浮彫を含んでもよい。フィーチャは、印刷された図形、例えば、基材の外から見ることができるロゴ(複数可)を含んでもよい。任意選択で、鋳型装飾またはラベル付けは、そのようなものを生成するために利用されてもよい。
【0032】
基材の厚さは、材料の強度、可撓性、弾性、(例えば、ヘイズおよび視感透過率によって測定される)透明度などの膜で必要とされる特性、ならびに/または最終製品で必要とされるサイズにより変わることがある。基材の厚さは、実施形態に応じて選択されてもよい。基材の厚さは、例えば、わずか10分の1または数10分の1ミリメートル、あるいはより大きい数ミリメートルであってもよい。
【0033】
106Aでは、電気配線または導体が基材上に設けられる。導体は、印刷されるエレクトロニクスのカテゴリーに入る印刷方法によって印刷されるのが好ましい。例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷(法)、グラビア印刷、輪転印刷、タンポ印刷、またはオフセット印刷が利用されてもよい。
【0034】
106Aで、または開始中102に行われてもよい印刷器具の準備は、様々なフェーズを組み込むことができる。スクリーン印刷に関連して、例えば、第1のいくつかのポジフィルムが、製造される所望の回路レイアウトに従って生成されてもよい。次いで、適切な露光手順などを使用して、スクリーン(複数可)にフィルム画像(複数可)が提供され、その後、固化させたスクリーン(複数可)がプリント機械または「印刷機」に提供される。
【0035】
電力/電流、および例えば、データ信号を、基材上の部品へまたはその部品から、あるいはその部品間で送るための、所定の回路図(すなわち、回路に関するレイアウト/プラン/構成図、回路の位置決め、および接続)に従う導体は、1つまたは複数の導電性インクの導電性トレースを組み込み、あるいはその導電性トレースから実質的に形成されてもよい。インク(複数可)は、非接着性または接着性であってもよい。接着性は、インクには必要でない場合があり、接着性は、典型的には耐久性と制御容易性の点から問題をもたらすため、一部の実施形態では、まったく望ましくないことがある。
【0036】
導体または導体と考えられるトレースに加えて、表面実装可能な部品などの電子部品のコンタクト(リード、ピン、パッドなど)のための導電性コンタクト領域、または「コンタクトパッド」が基材上に形成されてもよい。この領域は、導体と一体であってもよい。同様に、この領域は、印刷によって導電性インクによって形成されてもよい。
【0037】
導体領域および部品コンタクト領域、または、「パッド」は、インク組成、インク層厚さ、寸法などの点で互いに任意に異なってもよい。しかしながら、所定の(回路図に従う)コンタクト領域は、例えば、形状または用いるインクに関して必ずしも導体領域と異なる必要はなく、これらの2つは、基材上で少なくとも局所的には実質的に同じに、すなわち、均一または均質に見えてもよいことに留意されたい。
【0038】
通常利用可能な導電性インクの例には、例えば、DuPont 5000(登録商標)およびAsahi SW1600C(登録商標)が含まれる。一部の実施形態では、用いるインクは、例えば、多くの導電性接着剤とは対照的に不活性であって、放出または絞りだし中に、すなわちインクの供出/印刷中に十分に流動させることができるが、後でインクが隣接する材料および構造へ容易に広がりすぎるのを防ぐレオロジー特性、例えば、粘度または表面張力があることが好まれる場合がある。さらに、乾燥特性を最適化することができる。印刷されたインクの好ましい面積抵抗は、(約10μmの印刷厚さで)約80ミリオーム/平方以下、例えば、より有利には、約50ミリオーム/平方以下であってもよい。
【0039】
導電性インクは、ストレッチングのような必要な引張り量に耐えるように選択され、それによって、生成されたトレースがそれらの導電率および潜在的な他の望ましい特性を応力の下で保持するのが好ましい。基材は、(例えば、(基材の)成形を考慮する)電子製品の製作プロセス中に、またはその後の使用中に応力にさらされることがある。
【0040】
導電性インクは、導電性粒子(ナノ粒子)を含有していてもよい。微粒子は、金属ナノ粒子などの金属粒子であってもよいが、代わりにまたは加えて、導電性ポリマーインクが利用されてもよい。
【0041】
インクは、導電性材料として、例えば、銀、金、銅または炭素を含んでもよい。透明インクは、例えば、基材/部品(複数可)上に成型された材料が透明または半透明で、下にある導電性トレースがはっきりと目に見えるべきでない用途において使用されてもよい。
【0042】
さらなる例として、膜上に所望の回路設計を(スクリーン)印刷するために、銀を主成分とするPTF(Polymer Thick Film:ポリマー厚膜)などのPTFペーストタイプのインクを利用してもよい。また、例えば、銅または炭素を主成分とするPTFペーストを使用してもよい。
【0043】
任意選択で、複数の導電性インクが利用されてもよい。例えば、1つまたは複数のインクは、すべてまたは選択された導体を印刷するために利用されてもよいが、1つまたは複数の他のインクが、導電性の実装位置(コンタクト領域)の少なくとも一部を印刷するために利用されてもよい。
【0044】
106Bで、例えば、少なくとも1つの光電子光(すなわち、好ましくは、利用シナリオに応じて、目に見えるが、加えてまたは代わりに目に見えない電磁放射線)放射部品、好ましくはLED(発光ダイオード)などのいくつかの電子部品が基材上に配置される。部品は、表面実装可能で、例えば、表面実装可能なIC(集積回路)であり、および/または導体を設けるために使用されるものと同一のまたは他の印刷器具を使用して印刷されてもよい。また、例えば、表面実装されたフリップチップを考慮して、ハイブリッド部品が実現可能である。
【0045】
LED(複数可)は、例えばOLED(有機LED)(複数可)であってもよい。
【0046】
LED(複数可)は、例えば、側面放射または「側面発射(side shooting)」(側面LEDとも呼ばれる)であってもよい。
【0047】
さらに、LED(複数可)は、SMD(表面実装デバイス)パッケージとして、および/またはリードベースとして提供されてもよい。
【0048】
LEDパッケージは、所定の色であってもよい。したがって、発生した光を伝達する、および放射する樹脂は、無色/透明であっても、または色がついていてもよい。したがって、樹脂は、光学的に実質的に透明または拡散性であってもよい。
【0049】
提供される部品(複数可)の電気コンタクトは、所望の電気的接続を構築するように基材上の所定のコンタクト領域に接触する。
【0050】
さらに、基材と部品(複数可)との間の物理的な結合は、接着剤の使用によって強化され、または達成されてもよい。接着剤は、例えば、一液型表面実装エポキシであってもよい。代わりにまたは加えて、多成分接着剤が利用されてもよい。利用される導電性インクは、上記のように接着性があってもよい。
【0051】
任意選択で、部品の少なくともいくつかおよび/または一部は、基材内部に、すなわち、基材の表面の下に埋め込まれてもよい。
【0052】
110で、光導波路シートが得られる。シートは、より大きな1枚から裁断されてもよく、または例えば、ロールツーロール法が適用されてもよい。光導波路シートは、プラスチック、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアミド(polyamide:PA)、シクロオレフィン共重合体(cyclo olefin copolymer:COC)、シクロオレフィンポリマー(cyclo olefin polymer:COP)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)およびポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride:PVC)から構成されるグループから選択された少なくとも1つの材料を含むことができる。光導波路シートの厚さは、例えば、数10分の1ミリメートルであってもよい。
【0053】
光導波路シートは、光学的に実質的に透明の、または少なくとも半透明の材料であるのが好ましい。様々な材料のヘイズおよび視感透過率は、所望の光学特性を有する光導波路材料を選択するためのガイドラインとして利用されてもよい。
【0054】
光導波路シートには、前述の光電子部品などの少なくとも1つまたは複数の部品の一部を収容するためのいくつかの凹部、溝、または孔、任意選択でスルーホールが設けられてもよい。機械的な押抜き、穿孔、または例えば、精密なレーザ穿孔がこの目的のために利用されてもよい。あるいは、光導波路シートは、所望の凹部または孔を含むように成型されてもよい。
【0055】
任意選択で、アイテム108によって示すように、光導波路シートには、光結合(内部および/または外部結合)あるいは伝送を制御するためのフィーチャが特に設けられてもよい。例えば、フィーチャは、型押し、または打ち抜きによって製造することができる表面の浮彫を含んでもよい。フィーチャには、印刷された図形、例えば、製品の外から見ることができるロゴ(複数可)が含まれてもよい。任意選択で、鋳型装飾またはラベル付けがそのようなものを作るために利用されてもよい。
【0056】
112で、光導波路シートは、適切に置かれるように基材シート上に配置される。例えば、もしある場合は、シートの孔は、部品が孔にうまく合うように、光放射部品の位置と一致し、使用時には、孔から放射された光が、所望の効率で、例えば、入射角で光導波路に結合される。
【0057】
接着層またはドットが基材シートと光導波路シートとの間に設けられてもよい。接着剤は、はじめに、選択された部分(例えば、エッジ部分および/または光放射部品の近くの領域)でシートのどちらかまたは両方に供出されてもよく、その結果シートは、埋め込まれた部品および導体を有する多層積層構造を形成するように一緒にされる。接着剤に加えて、結合を促進するための適切な温度および/または圧力が利用されてもよい。
【0058】
代替のシナリオでは、光導波路は、この段落で関連付けられた材料を基材上に成型することによって、形成され、取り付けられてもよい。
【0059】
任意選択で、孔は、適用可能な光学的、固化、接着、および/または保護特性を有する樹脂/接着剤などの適切な材料で充填される。
【0060】
多層構造には、基材と反対方向に面する光導波路の側面を介して光が漏れるのを防ぐために反射シートなどの追加の要素が設けられてもよい。あるいは、そのような要素は、基材に取り付けられる前に光導波路シートに設けられてもよい。
【0061】
一部の実施形態では、多層構造は、例えば、所望の三次元形状を呈するために熱成形によって成形にかけられてもよい。
【0062】
得られる構造は、例えば、ホスト機器のための照射装置を構築するために使用されてもよい。代わりに、得られる構造は、UIまたは一般に、検知構造を構築するように、および発光体(複数可)に加えて、外部で受信され、または内部で伝搬する光を捕らえるための検出器(複数可)も備えるように構成されてもよい。
【0063】
114で、方法の実行が終了する。方法アイテムの可能性のある反復特性が点線のループバック矢印によって図に示されている。
【0064】
120で、本方法を実行するための装置の実施形態の高レベルのブロック図が示されている。
【0065】
少なくとも1つの自動印刷機またはインクジェットプリンタなどの印刷器具122は、導体(「ワイヤ」)および/または(O)LED部品などの印刷のために利用される。例えば、ピックアンドプレイス機械を含む実装器具124は、基材および任意選択で光導波路上に集積回路などの電子部品、SMD LED、リードベースのLEDなどのSMDを設けるために利用されてもよい。実装器具124の代わりに、または実装器具124に加えて、印刷器具122またはさらなる印刷器具が基材上におよび任意選択で光導波路上に部品を直接印刷するために活用されてもよい。
【0066】
取付け器具128は、基材と光導波路シートを一体化する。取付け器具128は、例えば、接着剤供出、積層化、および/または成型機械(複数可)を含んでもよい。
【0067】
アイテム126は、実施形態に応じて装置において見出され得る可能性のあるさらなる要素を指す。穿孔機、切断機、ラベリング機器、硬化装置(例えば、リフローオーブン)などを適用することができる。
【0068】
図2では、本発明の全体的な概念が、その実施形態によってさらに吟味される。
【0069】
202で、単層のまたは多層の基材であってもよい基材シート210が基材シート210上に設けられた導体211とともに示されている。さらに、コンタクト領域または「パッド」211aが、基材上に設けられたSMD/ICまたは個別部品などの回路部品のコンタクト要素を受けるために基材上に設けられてもよい。
【0070】
一部の実施形態では、基材210(および任意選択で光導波路212a、212b)は、熱成形可能であってもよく、したがって、基材210内に所望の形状を生成するために(一体化の前に、または一体化のときに/後で)任意選択で熱成形されてもよい。
【0071】
204で、基材210は、基材210上に配置された、および/または印刷されたLEDのような光電子部品などの部品218をさらに備える。部品218の電気コンタクトパッドまたは他の対応するフィーチャは、上で説明したように導体211によって任意選択で形成された、基材210上のターゲットのコンタクト領域と一致する。
【0072】
配置された部品に関して、表面実装接着剤などの接着剤が、少なくとも1つの部品を基材に物理的に固定するために施されてもよい。さらに、コーティングまたはポッティングなどのグロップトッピングまたは一般的に異なる適切なパッケージ技術が部品を保護するおよび/または固定するために選択的に活用されてもよい。
【0073】
基材と部品との間の電気的および/または物理的な結合は、例えば、リフローオーブンなどの、目的に適したオーブンを使用して、乾燥、加熱、および/または硬化することによって固定されてもよい。
【0074】
206で、光導波路シートの2つの実施形態212a、212bが示されている。
【0075】
第1の実施形態212aは、基材に適切に取り付けられたとき、部品218を覆うように、実際には取り囲むように寸法が調整された光導波路を備える。部品218を収容するために、部品のレイアウトと一致するスルーホールまたは凹部などの孔220が、上で論じたように、例えば、適切な穿孔手段を使用して、光導波路材料内に構築されてもよい。
【0076】
第2の実施形態212bは、部品218のレイアウト、または「部品218の輪」/「LEDの輪」内部に実質的にぴったりと合わさる、すなわち、基材の中央領域の部品に隣接しているが、それらの部品を覆わないように寸法調整された光導波路シートを備え、それによって関連付けられたLED218などを埋め込むためにそれらの部品に孔を設ける必要がなくなる。
【0077】
208aでは、一体化された基材210および光導波路212aシートに関する一実施形態がA−Aの線に沿った断面スケッチによって示されている。接着剤219は、シート210、212aを取り付けるために使用される。LEDなどの光電子部品218によって放射された光218aは、光導波路212aに内部結合され、基材210を通り抜けた後に基材210に面する表面を介して周囲に向かって外部結合するまで、好ましくは実質的に全内部反射によって光導波路212a中を伝播する。外部結合は、例えば、接着性のおよび/または他の外部結合に影響する要素、例えば、基材/光導波路インタフェース上のもしくは層212a、210内部の所望の位置に、鋳型ラベル付けまたは装飾によって得られる可能性のある印刷された図形216を配置することによって、任意に制御され、または促進され得る。
【0078】
図形216は、それらの視覚的装飾および/または情報伝達機能の他に、このように好ましく利用され、光結合を制御するために利用される。図形の材料は、例えば、光の外部結合が所望の位置および角度で行われるように、光導波路212bおよび/または基材210材料に対して選択された屈折率を有することができる。したがって、図形216、例えば、図形216の輪郭および/または内部が照明されてもよく、こうして、例えば、図形をよりよく視認できる視覚的効果が生成され得る。
【0079】
一般に、設けられるインクなどの図形216は、実質的に、光学的に透明、半透明、または不透明であってもよい。
【0080】
任意選択で、拡散体または(鏡面反射)ミラーなどの反射要素214は、光導波路212aの反対側の、または「底部」の表面を通って過度に光が漏れるのを防ぐために設けられてもよい。要素214は、光導波路212aと積層されてもよい。
【0081】
208bでは、光導波路212bを組み込む別の実施形態が対応して表わされている。光導波路212bは、部品218が周辺に張り巡らされた領域、すなわち、「LEDの輪」内部にぴったりと合わさるため、光導波路212bには部品218(LED)の凹部/孔がない。例えば、光導波路212bもしくは基材210の中央部分の部品219に接続する/隣接する、または部品219から遠隔に位置する接着領域219は、部品218から光導波路212bへの内部結合ならびに/または基材210を介して光導波路212bから周囲および潜在ユーザ(複数可)に向けた外部結合などの光結合を制御するために利用されてもよい。
【0082】
明瞭にするために明示的に示されていないが、反射要素214も208bの実施形態に存在してもよい。さらに、208aの実施形態は、固定/取付けの目的に加えて光結合を制御するために利用される接着部分を含むことができる。
【0083】
上記の実施形態に基づいて明白なように、接着層219は、光導波路212a、212bまたは基材210エッジ近くのLED218などの部品を実質的に取り囲む接着性の枠を画成することができる。接着剤219は、光導波路シート212a、212bに対する光の内部結合、伝送、および/または出力結合を促進または全体的に制御するために、選択された場所に配置されてもよい。
【0084】
基材210および光導波路212a、212bなどの要素の形状および寸法は、実施形態ベースで決定されてもよい。一部の実施形態では、光導波路212a、212bおよび基材シート210は、形状が例えば、矩形、正方形、または円形であってもよい。
【0085】
本発明の範囲は、本発明の均等物とともに添付の特許請求の範囲によって決定される。当業者は、開示された実施形態が例示のためにのみ構成されており、本明細書で吟味された革新的な要点は、本発明のそれぞれの特定の使用事例により適したさらなる実施形態、実施形態の組合せ、変形形態、および均等物を包含するという事実を再度認識されるであろう。
【符号の説明】
【0086】
210 基材、基材シート
211 導体
211a コンタクト領域
212a 光導波路
212b 光導波路
216 図形
218 部品
218a 光
219 接着剤、接着層、接着領域
220 孔