特許第6522690号(P6522690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6522690薬物内包微小球の形成が可能なn−末端で官能基化されたアミノ酸誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522690
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】薬物内包微小球の形成が可能なn−末端で官能基化されたアミノ酸誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 241/08 20060101AFI20190520BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20190520BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20190520BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   C07D241/08CSP
   A61K47/22
   A61K31/713
   A61K48/00
【請求項の数】27
【全頁数】216
(21)【出願番号】特願2017-103768(P2017-103768)
(22)【出願日】2017年5月25日
(62)【分割の表示】特願2014-539071(P2014-539071)の分割
【原出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2017-222642(P2017-222642A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年6月23日
(31)【優先権主張番号】61/552,423
(32)【優先日】2011年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】イージョウ・ドン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・トーマス・ラブ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エス・ランガー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・グリフィス・アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】デライ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】イー・チェン
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥロ・ホセ・ベガス
(72)【発明者】
【氏名】アキンレイ・アラビ
(72)【発明者】
【氏名】ユンロン・ジャン
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−506818(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/078373(WO,A1)
【文献】 特表2008−510824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 241/00
A61K 31/00
A61K 47/00
A61K 48/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III):
【化1】
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(式中:
pは、1であり;
Qは、Oであり;
は各場合について、
式:
【化2】
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の基であり;
各Lは、独立して、1つ以上の=Oで置換されていてもよいC1〜10アルキレンであり;
の各々は、独立して、水素、または、式(iii):
【化3】
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の基であり;
およびRの各々は、独立して、水素、または、式(iii)の基であり;
ただし、RおよびRの少なくとも1つは、式(iii)の基であり;
各Rは、独立して、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよいC6〜20アルキルまたは1つ以上のハロゲンで置換されていてもよいC6〜20アルケニルであり;
各C1〜10アルキルは、独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐飽和炭化水素基であり;
1〜10アルキレンは、二価のC1〜10アルキル基であり;
6〜20アルキルは、6〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐飽和炭化水素基であり;
6〜20アルケニルは、6〜20個の炭素原子および1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基であり;
6〜14アリールは、6〜14個の炭素原子および0個の環ヘテロ原子を有する6〜14員の芳香族環系であり;
3〜10カルボシクリルは、3〜10個の環炭素原子および0個の環ヘテロ原子を有する非芳香族環系である)
の化合物またはその塩。
【請求項2】
前記化合物が、式:
【化4】
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の化合物またはその塩である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
Lの少なくとも1つが非置換のC1〜10アルキレンである、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
Lの少なくとも1つが非置換の非分岐のC1〜10アルキレンである、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
各Rが、式:
【化5】
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の基である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
式:
【化6】
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の化合物またはその塩である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
少なくとも1つのRが、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよいC6〜20アルキルである、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
少なくとも1つのRが水素である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
各Rが水素である、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
式:
【化7】
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の化合物またはその塩である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物またはその塩と、薬剤とを含む、医薬組成物であって、
前記薬剤が、有機小分子、有機大分子、無機小分子、無機大分子、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、標的指向化剤、同位体標識化化学化合物、ワクチン、免疫賦活剤、免疫調節剤または、バイオプロセスにおいて有用な薬剤であり、ここで、
有機小分子は、800g/mol以下の分子量を有する有機分子であり;
有機大分子は、800g/molを超える分子量を有する有機分子であり;
無機小分子は、800g/mol以下の分子量を有する無機分子であり;
無機大分子は、800g/molを超える分子量を有する無機分子であり;
標的指向化剤は、特定の細胞を標的とする薬剤であり、抗体、抗体のフラグメント、低密度リポタンパク質、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質、ヒト免疫不全ウイルスのgp120エンベロープタンパク質、炭化水素、受容体リガンド、シアル酸およびアプタマーからなる群から選択され;
免疫調節剤は、癌および/または自己免疫性疾患の処置に有用な薬剤であり;
バイオプロセスにおいて有用な薬剤は、細胞の健康および/または増殖の維持、および/または商業的に有用な化学製品または燃料の細胞によるバイオプロセシングに有用な薬剤である、
医薬組成物。
【請求項12】
増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫性疾患、疼痛状態、肝疾患および家族性アミロイド神経障害からなる群から選択される疾病、障害または状態の処置に使用するための、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物がコレステロールをさらに含む、請求項11または12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記組成物がPEG化脂質をさらに含む、請求項11〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記組成物がリン脂質をさらに含む、請求項11〜14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記組成物がアポリタンパク質をさらに含む、請求項11〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記薬剤がポリヌクレオチドである、請求項11〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記ポリヌクレオチドがRNAである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記RNAが、dsRNA、siRNA、shRNA、miRNAまたはアンチセンスRNAである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記ポリヌクレオチドが蛋白質またはペプチドをコードする、請求項17〜19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項22】
請求項11〜21のいずれかに記載の医薬組成物を含む、対象が罹患する疾病、障害または状態を処置するための、医薬。
【請求項23】
前記疾病、障害または状態が、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫性疾患、疼痛状態、肝疾患および家族性アミロイド神経障害からなる群から選択される、請求項22に記載の医薬。
【請求項24】
対象が罹患する疾病、障害または状態の処置用の医薬を製造するための、請求項11〜21のいずれか記載の医薬組成物の使用。
【請求項25】
前記疾病、障害または状態が、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫性疾患、疼痛状態、肝疾患および家族性アミロイド神経障害からなる群から選択される、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
ポリヌクレオチドを細胞に送達するための、請求項17〜20のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記ポリヌクレオチドがRNAであり、前記細胞への前記RNAの送達に際して、前記RNAが、前記生体細胞における特定の遺伝子の発現に干渉可能である、請求項26に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書において参照により援用される、2011年10月27日に出願された米国仮特許出願第61/552,423号明細書に対する米国特許法119条(e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
政府の支援
本発明は、国立衛生研究所により付与された認可番号R37 EB000244の下に政府による援助を受けてなされたものである。政府は、本発明に一定の権利を有している。
【背景技術】
【0003】
RNA干渉(RNAi)による遺伝子の発現抑制能がMelloおよびFireによって1998年に報告されている。Fire et al.,Nature(1998)391:806−811を参照のこと。それ以降、標的化された遺伝子ノックダウンによりもたらされるきわめて大きい治療上の可能性を活用するために科学者達が我を争っていた。これは、前記現象がCaenorhabditis elegansに記載されたわずか12年後に、ヒトにおけるRNAiを介した低分子干渉RNA(siRNA)の最初の報告がなされていることによって明らかである。Davis et al.,Nature (2010)464:1067−1070を参照のこと。インビボで核酸を効果的に送達させることができないことで遺伝子薬の開発が遅れていることが十分に理解されている。未保護の場合、血流に注入された遺伝物質はDNAアーゼおよびRNAアーゼによって分解されてしまうか、分解されない場合でも、遺伝物質が免疫応答を刺激してしまう可能性がある。例えば、Whitehead et al.,Nature Reviews Drug Discovery(2009)8:129−138;Robbins et al.,Oligonucleotides(2009)19:89−102を参照のこと。次いで、無処置のsiRNAが細胞質ゾルに進入しなければならないが、ここでアンチセンス鎖がRNA−誘導型サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれる(前述のWhitehead)。RISCは補完的なmRNA配列に会合および分解し、これにより、標的mRNAのタンパク質への翻訳を防止(すなわち、遺伝子を「サイレンシング」)する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
送達に係る困難性を回避するために、ヌクレオチドが、ポリマー、脂質、無機ナノ粒子およびウイルスを含む広く多様な送達系と複合化されてきている。例えば、Peer et al.Nature Nanotechnology,(2007)2:751−760を参照のこと。しかしながら、呼吸器多核体ウイルスおよび肝臓癌の処置にかかる進行中の臨床治験からもたらされる有望なデータにもかかわらず(例えば、Zamora et al.,Am.J.Respir.Crit.Care Med.(2011)183:531−538を参照のこと)、siRNAの臨床的使用により、より安全で効果的な送達系の開発が継続して求められている。この目的のために、ポリβ−アミノエステルおよびアミノアルコール脂質を含む多数の脂質様分子が開発されてきている。例えば、国際公開第2002/031025号パンフレット;国際公開第2004/106411号パンフレット;国際公開第2008/011561号パンフレット;国際公開第2007/143659号パンフレット;国際公開第2006/138380号パンフレット;および、国際公開第2010/053572号パンフレットを参照のこと。アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド脂質(APPL)もまた、薬物療法薬、生体界面活性剤およびヌクレオチド送達系としての使用を含む、多様な用途のために研究されてきている。例えば、Giuliani et al.,Cellular and Molecular Life Sciences(2011)68:2255−2266;Ikeda et al.,Current Medicinal Chemistry(2007)14:111263−1275;Sen,Advances in Experimental Medicine and Biology(2010)672:316−323;および、Damen et al.,Journal of Controlled Release(2010)145:33−39を参照のこと。しかしながら、新規のおよび向上したAPPLヌクレオチド送達系などの向上した特性を有する新規のAPPL系を研究し、開発する必要性がいまだ継続して存在している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の化合物がもたらされる、親油基などの種々の基と、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチド、直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体(本明細書において「APPL」と総称される)のアミノもしくはアミド基との共役により特定の実施形態において特徴付けられる本発明の化合物および組成物が本明細書に記載されている。このようなAPPLは、例えば、向上したヌクレオチドの送達などの多様な用途に有用であると考えられている。
【0006】
例示的なAPPLとしては、これらに限定されないが、本明細書に記載のとおり、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物、ならびに、その塩が挙げられ、
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
式中、m、n、p、R’、R、R、R、R、R、R、Z、W、YおよびZは本明細書において定義されているとおりであるが、ただし、APPLは式(i)、(ii)もしくは(iii)の少なくとも1つを含む。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーである。)
【0007】
特定の実施形態において、式(i)の基は式(i−a)の基または式(i−b)の基を表す。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0008】
特定の実施形態において、式(i−a)の基は式(i−a1)の基または式(i−a2)の基を表す。
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0009】
特定の実施形態において、式(i−b)の基は式(i−b1)の基または式(i−b2)の基である。
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0010】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、式中、Lは、任意により置換されたアルキレン、任意により置換されたアルケニレン、任意により置換されたアルキニレン、任意により置換されたヘテロアルキレン、任意により置換されたヘテロアルケニレン、任意により置換されたヘテロアルキニレン、任意により置換されたカルボシクリレン、任意により置換されたヘテロシクリレン、任意により置換されたアリーレン、または、任意により置換されたヘテロアリーレンであり、ならびに、
およびRは、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、および、窒素保護基からなる群から選択されるが;
ただし、RおよびRの少なくとも1つは、式:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーである。
【0011】
特定の実施形態において、R’は各場合について水素である。
【0012】
特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。
【0013】
特定の実施形態において、式(iv)の基は、式:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、qは1〜50の整数(両端を含む)である)
で表されるものである。
【0014】
特定の実施形態において、Rは各場合について、式(iv)の基である。
【0015】
本発明の例示的なAPPLは、化合物(cKK−E12):
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0016】
他の態様においては、APPLもしくはその塩を含む組成物が提供される。
【0017】
例えば、特定の実施形態においては、APPLもしくはその塩、および、任意により、賦形剤を含む組成物が提供されており、ここで、APPLは、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチド、直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体であり、ここで、APPLのアミノもしくはアミド基は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基と共役している。特定の実施形態において、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基は、APPL骨格に存在するアミノ基に結合している。特定の実施形態において、この組成物は、医薬組成物、化粧品組成物、栄養補助組成物、または、医学的用途を有さない組成物である。特定の実施形態において、医学的用途を有さない組成物は、食物成分として、消火に、表面の殺菌に、または、油のクリーンアップに有用であるエマルジョンもしくは乳化剤である。
【0018】
特定の実施形態において、組成物は、薬剤をさらに含む。特定の実施形態において、薬剤は、有機分子、無機分子、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、標的指向化剤、同位体標識化化学化合物、ワクチン、免疫学的薬剤、または、例えばタンパク質の細胞内生産におけるバイオプロセスに有用な薬剤である。特定の実施形態において、薬剤はポリヌクレオチドであり、ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAである。特定の実施形態において、RNAは、RNAi、dsRNA、siRNA、shRNA、miRNAまたはアンチセンスRNAである。特定の実施形態において、薬剤およびAPPLは共有結合されておらず、例えば、薬剤およびAPPLは相互に非共有結合的に複合化されている。しかしながら、特定の実施形態において、薬剤およびAPPLは共有結合されている。
【0019】
特定の実施形態において、組成物は粒子の形態である。特定の実施形態において、粒子は、ナノ粒子またはミクロ粒子である。特定の実施形態において、粒子は、ミセル、リポソームまたはリポプレックスである。特定の実施形態において、粒子は、例えば、送達されるべき薬剤といった薬剤を内包している。
【0020】
他の態様においては、APPLもしくはその塩およびポリヌクレオチドを含む組成物を提供するステップ、および、生体細胞の内部へのポリヌクレオチドの送達を促進するのに十分な条件下で、組成物を生体細胞に露出させるステップを含むポリヌクレオチドを生体細胞に送達する方法が提供されており;ここで、APPLは、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチドまたは直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体であり、ここで、APPLのアミノもしくはアミド基は式(i)、(ii)もしくは(iii)の基に共役している。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAである。特定の実施形態において、RNAは、RNAi、dsRNA、siRNA、shRNA、miRNAまたはアンチセンスRNAである。特定の実施形態において、RNAの細胞への送達では、RNAは、生体細胞における特定の遺伝子の発現に干渉することが可能である。
【0021】
さらに他の態様においては、スクリーニング方法が提供される。例えば、一実施形態においては、化合物ライブラリをスクリーニングする方法が提供されており、この方法は、複数の異なるAPPLもしくはその塩を提供するステップ、および、化合物ライブラリで少なくとも1回のアッセイを行って所望の特性の在否を判定するステップを含み;ここで、APPLは、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチドまたは直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体であり、ここで、APPLのアミノもしくはアミド基は式(i)、(ii)もしくは(iii)の基に共役している。特定の実施形態において、所望の特性は、水中への溶解度、異なるpHでの溶解度、ポリヌクレオチドへの結合能、ヘパリンへの結合能、小分子への結合能、タンパク質への結合能、ミクロ粒子の形成能、トランスフェクション効率の向上能、細胞増殖を支持する能力、細胞結合を指示する能力、組織の増殖を支持する能力、ならびに/または、バイオプロセスを補助するためのAPPLおよび/またはこれに複合化もしくは結合された薬剤の細胞内送達である。
【0022】
さらに他の態様においては、種々の疾病、障害もしくは状態を処置するための本発明のAPPLの使用方法が提供される。例えば、特定の実施形態においては、必要とする対象に有効量のAPPLもしくはその塩を投与するステップを含む、対象が患う疾病、障害もしくは状態の処置方法が提供されており、ここで、APPLは、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチドまたは直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体であり、ここで、APPLのアミノもしくはアミド基は式(i)、(ii)もしくは(iii)の基に共役している。
【0023】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が本明細書に記載されている。本発明の他の特徴、目的および利点は、詳細な説明、図面、実施例および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0024】
定義
化学的定義
特定の官能基および化学的用語の定義を以下により詳細に記載する。化学的要素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙に従って特定されており、特定の官能基は全体として、ここに記載されているとおりに定義されている。また、有機化学、ならびに、特定の官能性部分および反応性の一般原則は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;and Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0025】
本明細書に記載の化合物は1つ以上の不斉中心を含んでいることが可能であり、それ故、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーといった種々の異性形態で存在することが可能である。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体の形態であることが可能であり、または、ラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が富化された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であることが可能である。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびに、キラル塩の形成および結晶化を含む当業者に公知の方法により混合物から単離されることが可能であり;または、好ましい異性体は、不斉合成により調製されることが可能である。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);および、Wilen,S.H.Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照のこと。本発明はまた、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、あるいは、種々の異性体の混合物として化合物を包含する。
【0026】
値の範囲が列挙されている場合、各値およびその範囲内の下位の範囲が含まれることが意図されている。例えば「C1〜6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5およびC5〜6アルキルを包含することを意図している。
【0027】
本明細書において用いられるところ、「アルキル」は、1〜50個の炭素原子を有する直鎖または分岐飽和炭化水素基のラジカル(「C1〜50アルキル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜40個の炭素原子を有する(「C1〜40アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜30個の炭素原子を有する(「C1〜30アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜20個の炭素原子を有する(「C1〜20アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜10個の炭素原子を有する(「C1〜10アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜9個の炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜7個の炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例としては、メチル(C)、エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、t−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、イソ−ブチル(C)、n−ペンチル(C)、3−ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3−メチル−2−ブタニル(C)、第3級アミル(C)およびn−ヘキシル(C)が挙げられる。アルキル基の追加の例としては、n−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)等が挙げられる。別段の規定がある場合を除き、アルキル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換アルキル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換アルキル」)。特定の実施形態において、アルキル基は無置換C1〜50アルキルである。特定の実施形態において、アルキル基は置換C1〜50アルキルである。
【0028】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアルキル」は、親鎖の1つ以上の末端位置中(すなわち、その隣接する炭素原子の間に挿入された)、および/または、親鎖の1つ以上の末端位置に位置された、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば1、2、3または4個といった、例えば1〜25個のヘテロ原子)をさらに含む、本明細書において定義されているアルキル基を指す。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜50個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基を指す(「ヘテロC1〜50アルキル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜40個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基を指す(「ヘテロC1〜40アルキル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜30個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基を指す(「ヘテロC1〜30アルキル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜20個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基を指す(「ヘテロC1〜20アルキル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜10個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基を指す(「ヘテロC1〜10アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜9個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜9アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜8個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜8アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜7個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜7アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜6個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜6アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜5個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜5アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜4個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜4アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜3個の炭素原子および1個のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜3アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1〜2個の炭素原子および1個のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC1〜2アルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロCアルキル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、2〜6個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する飽和基である(「ヘテロC2〜6アルキル」)。別段の規定がある場合を除き、ヘテロアルキル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアルキル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は無置換ヘテロC1〜50アルキルである。特定の実施形態において、ヘテロアルキル基は置換ヘテロC1〜50アルキルである。
【0029】
本明細書において用いられるところ、「アルケニル」は、2〜50個の炭素原子および1つ以上の炭素−炭素二重結合(例えば、1、2、3または4個の二重結合)を有する直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜50アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜40個の炭素原子を有する(「C2〜40アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜30個の炭素原子を有する(「C2〜30アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜20個の炭素原子を有する(「C2〜20アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つ以上の炭素−炭素二重結合は、内部にあることも(2−ブテニルなど)、末端にあることも(1−ブテニルなど)可能である。C2〜4アルケニル基の例としては、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)等が挙げられる。C2〜6アルケニル基の例としては、前述のC2〜4アルケニル基、ならびに、ペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)等が挙げられる。アルケニルの追加の例としては、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)等が挙げられる。別段の規定がある場合を除き、アルケニル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換アルケニル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。特定の実施形態において、アルケニル基は無置換C2〜50アルケニルである。特定の実施形態において、アルケニル基は置換C2〜50アルケニルである。
【0030】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアルケニル」は、親鎖の1つ以上の末端位置中(すなわち、その隣接する炭素原子の間に挿入された)、および/または、親鎖の1つ以上の末端位置に位置された、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば1、2、3または4個といった、例えば1〜25個のヘテロ原子)をさらに含む、本明細書において定義されているアルケニル基を指す。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜50個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜50アルケニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜40個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜40アルケニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜30個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜30アルケニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜20個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜20アルケニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜10個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜10アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜9個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜9アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜8個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜8アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜7個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜7アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜5個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜5アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜4個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜4アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜3個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜3アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合および1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜6アルケニル」)。別段の規定がある場合を除き、ヘテロアルケニル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアルケニル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルケニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は無置換ヘテロC2〜50アルケニルである。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は置換ヘテロC2〜50アルケニルである。
【0031】
本明細書において用いられるところ、「アルキニル」は、2〜50個の炭素原子、および、1つ以上の炭素−炭素三重結合(例えば、1、2、3または4個の三重結合)、および、任意により、1つ以上の二重結合(例えば、1、2、3または4個の二重結合)を有する直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜50アルキニル」)。1つ以上の三重結合および1つ以上の二重結合を有するアルキニル基はまた、「エン−イン」とも称される。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜40個の炭素原子を有する(「C2〜40アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜30個の炭素原子を有する(「C2〜30アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜20個の炭素原子を有する(「C2〜20アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つ以上の炭素−炭素三重結合は、内部にあることも(2−ブチニルなど)、末端にあることも(1−ブチニルなど)可能である。C2〜4アルキニル基の例としては、とくに限定されないが、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)等が挙げられる。C2〜6アルケニル基の例としては、前述のC2〜4アルキニル基、ならびに、ペンチニル(C)、ヘキシニル(C)等が挙げられる。アルキニルの追加の例としては、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)等が挙げられる。別段の規定がある場合を除き、アルキニル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換アルキニル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。特定の実施形態において、アルキニル基は無置換C2〜50アルキニルである。特定の実施形態において、アルキニル基は置換C2〜50アルキニルである。
【0032】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアルキニル」は、親鎖の1つ以上の末端位置中(すなわち、その隣接する炭素原子の間に挿入された)、および/または、親鎖の1つ以上の末端位置に位置された、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば1、2、3または4個といった、例えば1〜25個のヘテロ原子)をさらに含む、本明細書において定義されているアルキニル基を指す。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜50個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜50アルキニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜40個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜40アルキニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜30個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜30アルキニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜20個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜20アルキニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜10個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2〜10アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜9個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜9アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜8個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜8アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜7個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜7アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個以上のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜6アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜5個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜5アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜4個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜4アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜3個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜3アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および、1または2個のヘテロ原子を親鎖中に有する(「ヘテロC2〜6アルキニル」)。別段の規定がある場合を除き、ヘテロアルキニル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアルキニル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は無置換ヘテロC2〜50アルキニルである。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は置換ヘテロC2〜50アルキニルである。
【0033】
本明細書において用いられるところ、「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3〜10個の環炭素原子(「C3〜10カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は3〜7個の環炭素原子を有する(「C3〜7カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は4〜6個の環炭素原子を有する(「C4〜6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は5〜6個の環炭素原子を有する(「C5〜6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基としては、特に限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)等が挙げられる。例示的なC3〜8カルボシクリル基としては、特に限定されないが、前述のC3〜6カルボシクリル基、ならびに、シクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)等が挙げられる。例示的なC3〜10カルボシクリル基としては、特に限定されないが、前述のC3〜8カルボシクリル基、ならびに、シクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)等が挙げられる。前述の例が示すとおり、特定の実施形態において、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例えば、二環系(「二環式カルボシクリル」)または三環系(「三環式カルボシクリル」)などの縮合環系、架橋環系またはスピロ環系を含有する)の一方であり、また、飽和であることも可能であり、または、1つ以上の炭素−炭素二重結合もしくは三重結合を含有していることも可能である。「カルボシクリル」はまた、上記に定義されているカルボシクリル環が1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、結合点がカルボシクリル環上にある環系を含み、このような場合においては、炭素の数はなお炭素環系における炭素の数を示す。別段の規定がある場合を除き、カルボシクリル基は各場合について独立して、無置換であるか(「無置換カルボシクリル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。特定の実施形態において、カルボシクリル基は無置換C3〜10カルボシクリルである。特定の実施形態において、カルボシクリル基は置換C3〜10カルボシクリルである。
【0034】
いくつかの実施形態において、「カルボシクリル」または「炭素環式」は、「シクロアルキル」、すなわち、3〜10個の環炭素原子を有する単環式、飽和カルボシクリル基(「C3〜10シクロアルキル」)と称される。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基はシクロアルキル基個の環炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基はシクロアルキル基個の環炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基はシクロアルキル基個の環炭素原子を有する(「C4〜6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基はシクロアルキル基個の環炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基はシクロアルキル基個の環炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が挙げられる。C3〜6シクロアルキル基の例としては、前述のC5〜6シクロアルキル基、ならびに、シクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)が挙げられる。C3〜8シクロアルキル基の例としては、前述のC3〜6シクロアルキル基、ならびに、シクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)が挙げられる。別段の規定がある場合を除き、シクロアルキル基は各場合について、独立して、無置換であるか(「無置換シクロアルキル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。特定の実施形態において、シクロアルキル基は無置換C3〜10シクロアルキルである。特定の実施形態において、シクロアルキル基は置換C3〜10シクロアルキルである。
【0035】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する3員〜14員非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される(「3員〜14員ヘテロシクリル」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、原子価が許容する限り、炭素または窒素原子であることが可能である。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または多環式(例えば、二環系(「二環式ヘテロシクリル」)または三環系(「三環式ヘテロシクリル」)などの縮合環系、架橋環系またはスピロ環系)の一方であることが可能であり、また、飽和であることも可能であり、または、1つ以上の炭素−炭素二重結合もしくは三重結合を含有していることも可能である。ヘテロシクリル多環系は、一方または両方の環に1個以上のヘテロ原子を含んでいることが可能である。「ヘテロシクリル」はまた、上記に定義されているヘテロシクリル環が1つ以上のカルボシクリル基と縮合しており、結合点がカルボシクリル環もしくはヘテロシクリル環上にある環系を含むか、または、上記に定義されているヘテロシクリル環が1つ以上のアリール基もしくはヘテロアリール基と縮合しており、結合点がヘテロシクリル環上にある環系を含み、このような場合においては、環員の数はなおヘテロシクリル環系における環員の数を示す。別段の規定がある場合を除き、ヘテロシクリルのは各場合について、独立して無置換であるか(「無置換ヘテロシクリル」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は無置換3員〜14員ヘテロシクリルである。特定の実施形態において、ヘテロシクリル基は置換3員〜14員ヘテロシクリルである。
【0036】
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する5員〜10員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する5員〜8員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する5員〜6員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5員〜6員ヘテロシクリルは、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される1個以上(例えば、1、2または3個)の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5員〜6員ヘテロシクリルは、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される1または2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5員〜6員ヘテロシクリルは、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0037】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、アジリジニル、オキシラニル、チオレニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピローリル−2,5−ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、トリアジナニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが挙げられる。例示的な二環式ヘテロシクリル基としては、特に限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−b]ピローリル、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピローリル、6,7−ジヒドロ−5H−フロ[3,2−b]ピラニル、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3,2−c]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニル等が挙げられる。
【0038】
本明細書において用いられるところ、「アリール」は、芳香族環系に存在する6〜14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香族環系のラジカル(例えば、環式アレイにおいて共有された6、10または14個のπ電子を有する)を指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの実施形態において、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」はまた、上記に定義されているアリール環が1つ以上のカルボシクリル基もしくはヘテロシクリル基と縮合しており、ラジカルまたは結合点がアリール環上にある環系を含み、このような場合においては、炭素原子の数はなおアリール環系における炭素原子の数を示す。別段の規定がある場合を除き、アリール基は各場合について独立して、無置換であるか、(「無置換アリール」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。特定の実施形態において、アリール基は無置換C6〜14アリールである。特定の実施形態において、アリール基は置換C6〜14アリールである。
【0039】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアリール」は、芳香族環系に存在する環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3、または4環ヘテロ原子)の環ヘテロ原子を有する、5員〜14員の単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香族環系のラジカル(例えば、環式アレイにおいて共有された6、10または14個のπ電子を有する)を指し、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜14員ヘテロアリール」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、原子価が許容する限り、炭素または窒素原子であることが可能である。ヘテロアリール多環系は、一方または両方の環に1個以上のヘテロ原子を含んでいることが可能である。「ヘテロアリール」は、上記に定義されているヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、結合点がヘテロアリール環上にある環系を含み、このような場合においては、環員の数はなおヘテロアリール環系における環員の数を示す。「ヘテロアリール」はまた、上記に定義されているヘテロアリール環が1つ以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール環またはヘテロアリール環上にある環系を含み、このような場合においては、環員の数は縮合多環系(アリール/ヘテロアリール)における環員の数を示す。1つの環がヘテロ原子を含有しない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)では、結合点は、いずれかの環の上、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環(例えば、5−インドリル)のいずれかの上にあることが可能である。
【0040】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に存在する環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する5員〜10員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に存在する環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する5員〜8員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系に存在する環炭素原子および1個以上(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子を有する5員〜6員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから独立して選択される(「5員〜6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5員〜6員ヘテロアリールは、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される1個以上(例えば、1、2または3個)の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5員〜6員ヘテロアリールは、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される1または2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5員〜6員ヘテロアリールは、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素またはリンから選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別段の規定がある場合を除き、ヘテロアリール基は各場合について独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアリール」)、または、1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は無置換5員〜14員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は置換5員〜14員ヘテロアリールである。
【0041】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、ピローリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられる。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが挙げられる。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルが挙げられる。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、キノキサリニル、フタルアジニルおよびキナゾリニルが挙げられる。例示的な三環式ヘテロアリール基としては、特に限定されないが、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびフェナジニルが挙げられる。
【0042】
本明細書において用いられるところ、「部分飽和」という用語は、少なくとも1つの二重結合もしくは三重結合を含む環部分を指す。この「部分飽和」という用語は、本明細書において定義されているとおり、複数の飽和されていない部位を有するが、芳香族基(例えば、アリールまたはヘテロアリール部分)を含むことは意図されていない環を包含することが意図されている。
【0043】
本明細書において用いられるところ、「飽和」という用語は、二重結合もしくは三重結合を含有しない環部分を指し、すなわち、環が含有する結合はすべて単結合である。
【0044】
ある基に接尾辞「−エン」が付随していることはその基が二価部分であることを示し、例えば、アルキレンはアルキルの二価部分であり、アルケニレンはアルケニルの二価部分であり、アルキニレンはアルキニルの二価部分であり、ヘテロアルキレンはヘテロアルキルの二価部分であり、ヘテロアルケニレンはヘテロアルケニルの二価部分であり、ヘテロアルキニレンはヘテロアルキニルの二価部分であり、カルボシクリレンはカルボシクリルの二価部分であり、ヘテロシクリレンはヘテロシクリルの二価部分であり、アリーレンはアリールの二価部分であり、および、ヘテロアリーレンはヘテロアリールの二価部分である。
【0045】
上記から理解されるとおり、本明細書において定義されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、特定の実施形態において、任意により置換されている。任意により置換されている、とは、ある基が置換されていても無置換であってもよいことを指す(例えば、「置換」もしくは「無置換」アルキル、「置換」もしくは「無置換」アルケニル、「置換」もしくは「無置換」アルキニル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロアルキル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロアルケニル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロアルキニル、「置換」もしくは「無置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「無置換」アリールまたは「置換」もしくは「無置換」ヘテロアリール基)。普通、「置換されている」という用語は、ある基に存在する少なくとも1個の水素が許容される置換基で置き換えられることを意味し、この置換基は、例えば置換により安定な化合物(例えば転位、環化、脱離または他の反応などによって自発的な変換を起こさない化合物)をもたらすものである。別段の定めがある場合を除き、「置換されている」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、いずれかの所与の構造における2つ以上の位置が置換されている場合、この置換基は各位置において同一であるか、または、異なる。「置換されている」という用語は、すべての許容可能な有機化合物の置換基であって、安定な化合物が形成される本明細書に記載の置換基のいずれかとの置換を含むことが想定される。本発明は、安定な化合物を得るためのこのような組み合わせのいずれかおよびそのすべてを想定する。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子中のヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす水素置換基および/または本明細書に記載のいずれかの好適な置換基を有し得、これにより、安定な部分が形成されている。
【0046】
例示的な炭素原子置換基としては、これらに限定されないが、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb、−N(ORcc)Rbb、−SeH、−SeRaa、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)aa、−OP(=O)aa、−P(=O)(Raa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、−OP(=O)N(Rbb、−P(=O)(NRbb、−OP(=O)(NRbb、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(NRbb、−P(Rcc、−P(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜14カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリールが挙げられ、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されているか;
または、炭素原子上の2個のジェミナル水素が、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbもしくは=NORccで置換されており;
aaは各場合について独立して、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRaa基が結合されて3員〜14員ヘテロシクリルもしくは5員〜14員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されており;
bbは各場合について独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2個のRbb基が結合されて3員〜14員ヘテロシクリルもしくは5員〜14員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されており;
ccは各場合について独立して、水素、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2個のRcc基が結合されて3員〜14員ヘテロシクリルもしくは5員〜14員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されており;
ddは各場合について独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)ee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5員〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されるか、または、2つのジェミナルRdd置換基が結合してOもしくは=Sを形成していることが可能であり;
eeは各場合について、独立して、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3員〜10員ヘテロシクリルおよび3員〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されており;
ffは各場合について、独立して、水素、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリールおよび5員〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または、2個のRff基が結合されて3員〜14員ヘテロシクリルもしくは5員〜14員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されており;ならびに
ggは各場合について、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜50アルキル、−ON(C1〜50アルキル)、−N(C1〜50アルキル)、−N(C1〜50アルキル)、−NH(C1〜50アルキル)、−NH(C1〜50アルキル)、−NH、−N(OC1〜50アルキル)(C1〜50アルキル)、−N(OH)(C1〜50アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜50アルキル、−SS(C1〜50アルキル)、−C(=O)(C1〜50アルキル)、−COH、−CO(C1〜50アルキル)、−OC(=O)(C1〜50アルキル)、−OCO(C1〜50アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜50アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜50アルキル)、−NHC(=O)(C1〜50アルキル)、−N(C1〜50アルキル)C(=O)(C1〜50アルキル)、−NHCO(C1〜50アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜50アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜50アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜50アルキル)、−OC(=NH)(C1〜50アルキル)、−OC(=NH)OC1〜50アルキル、−C(=NH)N(C1〜50アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜50アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜50アルキル)、−OC(NH)NH(C1〜50アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1〜50アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜50アルキル)、−SON(C1〜50アルキル)、−SONH(C1〜50アルキル)、−SONH、−SO1〜50アルキル、−SOOC1〜50アルキル、−OSO1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜50アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)−C(=S)N(C1〜50アルキル)、C(=S)NH(C1〜50アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(C1〜50アルキル)、−P(=O)(C1〜50アルキル)、−OP(=O)(C1〜50アルキル)、−OP(=O)(OC1〜50アルキル)、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3員〜10員ヘテロシクリル、5員〜10員ヘテロアリールであるか;または、2つのジェミナルRgg置換基が結合してOもしくは=Sを形成していることが可能であり;
ここで、Xは対イオンである。
【0047】
本明細書において用いられるところ、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
【0048】
本明細書において用いられるところ、「対イオン」は、電気的中性を維持するために、正に荷電された第4級アミンに付随する負に荷電された基である。例示的な対イオンとしては、ハライドイオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO、ClO、OH、HPO、HSO、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−樟脳スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸等)およびカルボキシレートイオン(例えば、アセテート、エタノエート、プロパノエート、安息香酸塩、グリセレート、乳酸、酒石酸、グリコール酸イオン等)が挙げられる。
【0049】
窒素原子は原子価が許容する限り置換されていることも無置換であることも可能であり、第1級、第2級、第3級および第4級窒素原子を含むことが可能である。例示的な窒素原子置換基としては、これらに限定されないが、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1〜50アルキル、C2〜50アルケニル、C2〜50アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリールが挙げられるか、または、N原子に結合した2個のRcc基が一緒になって3員〜14員ヘテロシクリルもしくは5員〜14員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されており、また、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは上記に定義されているとおりである。
【0050】
窒素原子は原子価が許容する限り置換されていることも無置換であることも可能であり、第1級、第2級、第3級および第4級窒素原子を含むことが可能である。例示的な窒素原子置換基としては、これらに限定されないが、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1〜10アルキル、C1〜10パーハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリールが挙げられ、または、窒素原子に結合した2個のRcc基が一緒になって3員〜14員ヘテロシクリルもしくは5員〜14員ヘテロアリール環を形成しており、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されており、また、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは上記に定義されているとおりである。
【0051】
特定の実施形態において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(アミノ保護基とも称される)である。窒素保護基としては、これらに限定されないが、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3員〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリールおよび5員〜14員ヘテロアリール基が挙げられ、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されており、また、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは本明細書において定義されているとおりである。窒素保護基は技術分野において周知であり、参照により本明細書において援用されている、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999において詳述されているものが含まれる。
【0052】
例えば、アミド基(例えば、−C(=O)Raa)などの窒素保護基としては、これらに限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセタミド、トリフルオロアセタミド、フェニルアセタミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセタミド、o−ニトロフェノキシアセタミド、アセトアセタミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミドおよびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられる。
【0053】
カルバメート基(例えば、−C(=O)ORaa)などの窒素保護基としては、これらに限定されないが、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキシアミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、カルバミン酸ベンジル(Cbz)、p−メトキシカルバミン酸ベンジル(Moz)、p−ニトロカルバミン酸ベンジル、p−ブロモカルバミン酸ベンジル、p−クロロカルバミン酸ベンジル、2,4−ジクロロカルバミン酸ベンジル、4−メチルスルフィニルカルバミン酸ベンジル(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシカルバミン酸ベンジル、p−(ジヒドロキシボリル)カルバミン酸ベンジル、5−ベンズイソキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシカルバミン酸ベンジル、o−カルバミン酸ニトロベンジル、3,4−ジメトキシ−6−カルバミン酸ニトロベンジル、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノカルバミン酸ベンジル、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシカルバミン酸ベンジル、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)カルバミン酸ベンジル、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボリニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)カルバミン酸ベンジル、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)カルバミン酸ベンジル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)カルバミン酸ベンジルおよび2,4,6−トリメチルカルバミン酸ベンジルが挙げられる。
【0054】
スルホンアミド基(例えば、−S(=O)aa)などの窒素保護基としては、これらに限定されないが、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
【0055】
他の窒素保護基としては、これらに限定されないが、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、第4級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミン(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシルジエンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロミウム−またはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミドおよび3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が挙げられる。
【0056】
特定の実施形態において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基(ヒドロキシル保護基とも称される)である。酸素保護基としては、これらに限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbbおよび−P(=O)(NRbbが挙げられ、ここで、Raa、RbbおよびRccは本明細書において定義されているとおりである。酸素保護基は技術分野において周知であり、参照により本明細書において援用されている、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999において詳述されているものが含まれる。
【0057】
例示的な酸素保護基としては、これらに限定されないが、メチル、メチルオキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコルメチル(ガム)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ギ酸、ベンゾイルギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオン酸、4−オキソ吉草酸(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタル)、ピバル酸、アダマントエート、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネートアルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨード安息香酸、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)安息香酸、2−ホルミルベンゼンスルホン酸、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシアシル)安息香酸塩、α−ナフトエート、硝酸、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホン酸およびトシレート(Ts)が挙げられる。
【0058】
特定の実施形態において、硫黄原子上に存在する置換基は硫黄保護基(チオール保護基とも称される)である。硫黄保護基としては、これらに限定されないが、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbbおよび−P(=O)(NRbbが挙げられ、ここで、Raa、RbbおよびRccは本明細書において定義されているとおりである。硫黄保護基は、技術分野において周知であり、参照により本明細書において援用されているProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳述されているものを含む。
【0059】
本明細書において用いる、「脱離基」は、ヘテロリティック結合開裂において一対の電子を伴って脱離する分子画分を指す技術分野において理解される用語であり、ここで、分子画分はアニオンまたは中性の分子である。例えば、Smith,March Advanced Organic Chemistry 6th ed.(501−502)を参照のこと。例示的な脱離基としては、これらに限定されないが、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)およびスルホニル置換ヒドロキシル基(例えば、トシル、メシル、ベシル)が挙げられる。
【0060】
これらおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、実施例、図面および特許請求の範囲においてより詳細に記載されている。本発明は、上記の例示的な置換基の列挙によって如何様にも限定されることは意図していない。
【0061】
他の定義
本明細書において用いる、「少なくとも1つの場合」という句の使用は、1つの場合を指すが、例えば、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の場合、および、100以下の場合といった2つ以上の場合をも包含する。
【0062】
「アミノ酸」は、天然および非天然のD/Lα−アミノ酸、ならびに、天然および非天然のβ−およびγ−アミノ酸を指す。「ペプチド」は、ペプチド結合によって結合された2つのアミノ酸を指す。「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって結合された3つ以上のアミノ酸を指す。「アミノ酸側鎖」は、α炭素(αアミノ酸の場合)、αおよびβ炭素(βアミノ酸の場合)、または、α、βおよびγ炭素(γアミノ酸の場合)に側鎖として結合する基を指す。例示的なアミノ酸側鎖が本明細書において記載されている;例えば、実施例の表1を参照のこと。
【0063】
本明細書において用いる、「ポリマー」は、少なくとも3つ(例えば、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100等)の反復的に共有結合した構造単位を含む化合物を指す。
【0064】
「共役」および「結合」は基の共有結合を指し、本明細書において同義的に用いられている。
【0065】
本明細書において用いる、「親油性」は、ある基の、脂肪、油、脂質およびヘキサンまたはトルエンなどの親油性非極性溶剤中への溶解能を指す。普通、親油基は、例えば、6〜40、6〜30、6〜20、8〜20、8〜19、8〜18、8〜17、8〜16または8〜15個の炭素原子といった、6〜50個の炭素原子を有する無置換n−アルキルまたは無置換n−アルケニル基を指す。
【0066】
「構造異性体」、「有機分子」および「無機分子」という用語の使用は、技術分野において公知である各用語の一般的な意味を含むことが意味されている。
【0067】
本明細書において用いられるところ、「有機小分子」または「小分子」は、800g/mol以下の分子量を有する有機分子を指す(例えば、700g/mol未満、600g/mol未満、500g/mol未満、400g/mol未満、300g/mol未満、200g/mol未満、100g/mol未満、50〜800g/mol(両端を含む)、100〜800g/mol(両端を含む)または100〜500g/mol(両端を含む))。特定の実施形態において、有機小分子は、薬物などの治療的に有効な薬剤である(例えば、連邦規則集(CFR)に定めるとおり米国食品医薬品局により認可された有機小分子)。有機小分子は金属と錯化されていてもよい。この場合においては、有機小分子は、「有機金属小分子」とも称される。
【0068】
本明細書において用いられるところ、「有機大分子」または「大分子」は、800g/molを超える分子量を有する有機化合物を指す(例えば、800g/mol超、900g/mol超、1000g/mol超、2000g/mol超、801〜2000g/mol(両端を含む)、900〜2000g/mol(両端を含む)、1000〜2000g/mol(両端を含む)または801〜1000g/mol(両端を含む))。特定の実施形態において、有機大分子は、薬物などの治療的に有効な薬剤である(例えば、連邦規則集(CFR)に定めるとおり米国食品医薬品局により認可された有機大分子)。有機大分子は金属と錯化されていてもよい。この場合においては、有機大分子は、「有機金属大化合物」とも称される。
【0069】
本明細書において用いられるところ、「無機小分子」は、800g/mol以下の分子量を有する無機化合物を指す(例えば、700g/mol未満、600g/mol未満、500g/mol未満、400g/mol未満、300g/mol未満、200g/mol未満、100g/mol未満、50〜800g/mol(両端を含む)、100〜800g/mol(両端を含む)または100〜500g/mol(両端を含む))。特定の実施形態において、無機小分子は、薬物などの治療的に有効な薬剤である(例えば、連邦規則集(CFR)に定めるとおり米国食品医薬品局により認可された無機小分子)。
【0070】
本明細書において用いられるところ、「無機大分子」は、800g/molを超える分子量を有する無機化合物を指す(例えば、800g/mol超、900g/mol超、1000g/mol超、2000g/mol超、801〜2000g/mol(両端を含む)、900〜2000g/mol(両端を含む)、1000〜2000g/mol(両端を含む)または801〜1000g/mol(両端を含む))。特定の実施形態において、無機大分子は、薬物などの治療的に有効な薬剤である(例えば、連邦規則集(CFR)に定めるとおり米国食品医薬品局により認可された無機大分子)。
【0071】
本明細書において用いられるところ、「塩」または「薬学的に許容可能な塩」という用語は、確実な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激作用、アレルギー性応答等を伴うことなくヒトおよび下等動物の組織との接触使用に好適である塩を指し、適切なリスク・ベネフィット比を伴うふさわしいものである。薬学的に許容可能な塩は技術分野において周知である。例えば、S.M.Berge et al.によって、J.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1−19において薬学的に許容可能な塩が詳述されている。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、好適な無機酸および有機酸、および、無機塩基および有機塩基から誘導されたものを含む。薬学的に許容可能な無毒の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と、または、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と形成されたアミノ基の塩、または、イオン交換などの技術分野において用いられる他の方法を用いて形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマレート、グルコヘプトネート、グリセロスフェート、グルコネート、ヘミ硫酸塩、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオネート、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、りんご酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチネート、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。さらなる薬学的に許容可能な塩としては、適切な場合、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、硫酸、リン酸、硝酸、スルホン酸およびアリールスルホン酸などの対イオンを用いて形成される無毒性のアンモニウム、第4級アンモニウムおよびアミンカチオンが挙げられる。さらなる薬学的に許容可能な塩としては、例えばハロゲン化アルキルといった適切な求電子剤を用いる、4級化アルキル化アミノ塩が形成されるアミンの4級化から形成される塩が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1図1は、マウスにおけるインビボでの評価による構造設計および最適化を示す。単一アミノ酸系脂質誘導体をマウスにおいて1mg/kgの投与量でテストし、これにより、リシンが好ましいアミノ酸であることが示された。次いで、リシン系ペプチドおよびポリペプチド−脂質誘導体を同一の投与量で調べた。ヒット率が1.7%から23%に向上した(粒子の不安定性またはsiRNAが捕捉されなかったことによりスクリーニングされていない化合物を含む)。最高のヒットおよびその類似体をより少ない0.1mg/kgの投与量で調査したところ、cKK−E12がリード化合物として選出された。K−E12;K:リシンの略記、E:エポキシド、A:アルデヒド、O:アクリレート、12:炭素末端長。cKK−E12;c:環式;対照、リン酸緩衝生理食塩水。
図2図2は、1時間および24時間の時点における、マウス中の遊離Cy5.5−標識化siRNAおよびCy5.5−標識化siRNA−cKK−E12配合物の生体内分布を示す。
図3図3は、HeLa細胞におけるcKK−E12に対するアポリタンパク質のサイレンシング効果を示す。アポリタンパク質は、ApoA−I(組み換え型ヒトApoA−Iタンパク質)、ApoA−II(天然ヒトApoA−IIタンパク質)、ApoB(天然ヒトApoBタンパク質)、ApoC−I(天然ヒトApoC−Iタンパク質)、ApoC−II(天然ヒトApoC−IIタンパク質)、ApoC−III(天然ヒトApoC−IIIタンパク質)、ApoE(天然ヒトApoEタンパク質)、ApoE2(組み換え型ヒトApoE2タンパク質)、ApoE3(組み換え型ヒトApoE3タンパク質)、ApoE4(組み換え型ヒトApoE4タンパク質)、ApoH(天然ヒトApoHタンパク質)を含む。
図4図4は、遺伝子サイレンシングおよび細胞取り込みに対するApoEの効果を示す。A).インビトロでのcKK−E12、cKK−A12、およびcKK−O12に対するApoEのサイレンシング効果(siRNA:50ng/ウェル)。ApoEに追加して、サイレンシング効果の順番はcKK−E12>cKK−A12>cKK−O12であり、インビボ活性とよく相関していた。B).3時間のインキュベーション後のAlex−647標識化siRNAによるcKK−E12の細胞内移行がHT自動共焦点顕微鏡により示される。ApoEは、cKK−E12の細胞取り込みおよびエンドソーム排出を促進させた;スケールバー:20μm。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明の化合物および組成物が本明細書に記載されており、その特定の実施形態は、本明細書において「APPL」と総称される、本発明の化合物を提供するアミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチド、直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体のアミノもしくはアミド基に対する親油基などの種々の基の共役を含む。このようなAPPLは、例えば向上したヌクレオチドの送達などの多様な用途に有用であると考えられている。
【0074】
例示的なAPPLとしては、これらに限定されないが、本明細書に記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物、ならびに、その塩が挙げられ、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
式中、m、n、p、R、R、R、R、R、R、Z、W、YおよびZは本明細書において定義されているとおりである。
【0075】
例えば親油基といった種々のR基は、アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチド前駆体、または、これらの構造異性体の第1級もしくは第2級アミノ基もしくはアミドの、式(i−x)のエポキシド、チイランもしくはアジリジンとの共役、式(ii−x)のα,β−不飽和エステル、チオエステルもしくはアミドへのマイケル付加、または、式(iii−x)のアルデヒドへの還元性アミノ化(スキーム1)を介してAPPLに結合され得る。
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0076】
それ故、広範な態様において、本発明はAPPLを提供し、特定の実施形態において、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物を提供し、これらに結合される基の少なくとも1つの場合について、以下の式
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
(式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたC1〜50ヘテロアルキル、任意により置換されたC2〜50ヘテロアルケニル、任意により置換されたC2〜50ヘテロアルキニル、または、ポリマーである。)
で表されるものを含む。
【0077】
式(i)、(ii)および(iii)、ならびに、可変要素R、R、XおよびYの種々の実施形態は本明細書においてより詳細に記載されている。
【0078】
式(I)の化合物
式(I)の化合物はアミノ酸、直鎖ペプチドおよび直鎖ポリペプチドを含み、これは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基の例えば末端アミノ基、アミノ置換基、および/または、イミノ窒素への1つ以上の共役部位を含む。
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0079】
それ故、一態様においては、式(I)の化合物:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供されており、
式中:
nは0であるか、または、1〜100,000の整数(両端を含む)であり;
mは各場合について、独立して、1、2または3であり;
Zは各場合について、独立して、O、SまたはNRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;
は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1または−SRA1であり;式中、RA1は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2つのRA1基が結合して任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環を形成しており;
は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;
または、RおよびR基は結合して任意により置換された5員〜6員複素環を形成しており;
は、−ORA4、−N(RA4または−SRA4であり;式中、RA4は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2つのRA4基が結合して任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環を形成しており;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;ならびに
式(i)、(ii)および(iii)は:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーである。
【0080】
特定の実施形態において、nが10より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが9より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが8より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが7より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが6より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが5より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが4より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが3より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが2より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、nが1より大きい場合、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。特定の実施形態において、RもしくはRのいずれも式(iii)の基ではない。
【0081】
特定の実施形態において、nが0であり、および、ZがOである場合、以下の化合物:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
およびその塩の1つ以上が排除され;ここで、Rは式(i)の基であり、RおよびRは独立して水素または式(i)の基であり、ならびに、YはOである。
【0082】
上記に一般的に定義されているとおり、nは0であるか、または、1〜100,000の整数(両端を含む)である。それ故、式(I)は、脂質基に共役したアミノ酸、ならびに、脂質基に共役した直鎖ペプチドおよび直鎖ポリペプチドを有することが理解される。
【0083】
特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜90,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜80,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜70,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜50,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜40,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜30,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜20,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜10,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜9,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜8,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜7,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜6,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜5,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜4,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜3,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜2,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜1,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜900の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜800の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜700の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜600の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜500の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、100〜80,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、200〜80,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、300〜80,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、400〜80,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、500〜80,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、500〜40,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、500〜30,000の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜400の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜300の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜200の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜100の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜75の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜50の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜25の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜15の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0であるか、または、1〜10の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
【0084】
例えば、nが0である場合、式(I)の化合物は式(I−a)の化合物:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0085】
特定の実施形態において、nが1である場合、式(I)の化合物は式(I−b)の化合物:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0086】
特定の実施形態において、nが2である場合、式(I)の化合物は式(I−c)の化合物:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0087】
特定の実施形態において、nが3である場合、式(I)の化合物は式(I−d)の化合物:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0088】
特定の実施形態において、nが4である場合、式(I)の化合物は式(I−e)の化合物:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0089】
上記に一般的に定義されているとおり、mは各場合、独立して、1、2または3である。特定の実施形態において、mの少なくとも1つは1である。特定の実施形態において、mは各場合について1である。特定の実施形態において、mの少なくとも1つは2である。特定の実施形態において、mの少なくとも1つは3である。
【0090】
上記に一般的に定義されているとおり、R’は各場合について、独立して水素または任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは水素である。特定の実施形態において、各場合についてR’は水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、例えばメチルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは任意により置換されたアルキル、例えばメチルである。特定の実施形態において、R’の1つは任意により置換されたアルキルであり、および、残りは水素である。
【0091】
上記に一般的に定義されているとおり、Zは各場合について独立して、O、SまたはNRであり、ここで、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Zの少なくとも1つはOである。特定の実施形態において、Zは各場合についてOである。特定の実施形態において、Zの少なくとも1つはSである。特定の実施形態において、Zは各場合について、Sである。特定の実施形態において、Zの少なくとも1つはNRである。特定の実施形態において、Zは各場合について、NRである。特定の実施形態において、Rのは各場合について、独立して、水素、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0092】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは各場合について独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1、または、−SRA1である。
【0093】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、または、任意により置換されたヘテロアリールである。
【0094】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0095】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルケニル、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0096】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキニル、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0097】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたカルボシクリル、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0098】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロシクリル、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0099】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアリール、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0100】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロアリール、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0101】
上記の実施形態のいずれかにおいて、Rアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基は、例えば、任意により置換されたアミノ基(例えば−NR)、任意により置換されたヒドロキシル基(例えば−OR)、任意により置換されたチオール基(例えば−SR)、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基で置換されていてもよく、ここで、RおよびRは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素原子に結合している場合窒素保護基、酸素原子に結合している場合酸素保護基および硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0102】
例えば、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式−N(R)(R)のアミノ基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基である。この場合においては、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、式中:
Lは、任意により置換されたアルキレン、任意により置換されたアルケニレン、任意により置換されたアルキニレン、任意により置換されたヘテロアルキレン、任意により置換されたヘテロアルケニレン、任意により置換されたヘテロアルキニレン、任意により置換されたカルボシクリレン、任意により置換されたヘテロシクリレン、任意により置換されたアリーレン、または、任意により置換されたヘテロアリーレン、または、これらの組み合わせであり、ならびに
およびRは、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、および、窒素保護基からなる群から選択されるが;
ただし、RおよびRの少なくとも1つは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基で:
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
あり、式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0103】
特定の実施形態において、Rの少なくとも2つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも3つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも4つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも5つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。
【0104】
特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンであり;例えば、任意により置換されたC1〜50アルキレン、任意により置換されたC1〜40アルキレン、任意により置換されたC1〜30アルキレン、任意により置換されたC1〜20アルキレン、任意により置換されたC4〜20アルキレン、任意により置換されたC6〜20アルキレン、任意により置換されたC8〜20アルキレン、任意により置換されたC10〜20アルキレン、任意により置換されたC1〜6アルキレン、任意により置換されたC2〜6アルキレン、任意により置換されたC3〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキレンである。
【0105】
特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルケニレン、任意により置換されたC2〜40アルケニレン、任意により置換されたC2〜30アルケニレン、任意により置換されたC2〜20アルケニレン、任意により置換されたC4〜20アルケニレン、任意により置換されたC6〜20アルケニレン、任意により置換されたC8〜20アルケニレン、任意により置換されたC10〜20アルケニレン、任意により置換されたC2〜6アルケニレン、任意により置換されたC3〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルケニレンである。
【0106】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルキニレン、任意により置換されたC2〜40アルキニレン、任意により置換されたC2〜30アルキニレン、任意により置換されたC2〜20アルキニレン、任意により置換されたC4〜20アルキニレン、任意により置換されたC6〜20アルキニレン、任意により置換されたC8〜20アルキニレン、任意により置換されたC10〜20アルキニレン、任意により置換されたC2〜6アルキニレン、任意により置換されたC3〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキニレンである。
【0107】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルキレンであり;例えば、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜40アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜30アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキレンである。
【0108】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルケニレンである。
【0109】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキニレン、任意により置換されたC3〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキニレンである。
【0110】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたカルボシクリレンであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜8カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜6カルボシクリレン、任意により置換されたCカルボシクリレン、または、任意により置換されたCカルボシクリレンである。
【0111】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロシクリレンであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリレン、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員ヘテロシクリレン、または、任意により置換された6員ヘテロシクリレンである。
【0112】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアリーレンであり、例えば、任意により置換されたフェニレンである。
【0113】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアリーレンであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員ヘテロアリーレン、または、任意により置換された6員ヘテロアリーレンである。
【0114】
例えば、Lが任意により置換されたアルキレン基である特定の実施形態において、式(iv)の基は、式:
【化24】
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(式中、qは1〜50の整数(両端を含む)である)
の基である。
【0115】
特定の実施形態において、qは1〜40の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜30の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは4〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは6〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは8〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1である。特定の実施形態において、qは2である。特定の実施形態において、qは3である。特定の実施形態において、qは4である。特定の実施形態において、qは5である。特定の実施形態において、qは6である。特定の実施形態において、qは7である。特定の実施形態において、qは8である。特定の実施形態において、qは9である。特定の実施形態において、qは10である。
【0116】
特定の実施形態において、RおよびRは共に水素である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(ii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基から選択される同一の基である。
【0117】
は、実施例の表1に例示されているものなどのアミノ酸側鎖を含むことが理解される。特定の実施形態において、Rは、本明細書中に列挙されているアミノ酸側鎖基のいずれかの1つから選択される基である。
【0118】
特定の実施形態において、Rは各場合について同一である。特定の実施形態において、少なくとも1つのR基は異なる。特定の実施形態において、各R基は異なる。
【0119】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0120】
特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0121】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;任意により、ここで、RおよびR基は結合されて任意により置換された5員〜6員複素環を形成している。
【0122】
特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアルキルであり;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0123】
特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアルケニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0124】
特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアルキニル、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0125】
特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたカルボシクリル、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0126】
特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたヘテロシクリル、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0127】
特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアリール、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0128】
特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたヘテロアリール、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0129】
特定の実施形態において、Rは窒素保護基である。
【0130】
特定の実施形態において、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0131】
特定の実施形態において、Rおよび隣接するR基は、結合されて、任意により置換された5員〜6員複素環、例えば、5員複素環、例えば、任意により置換されたピロリジニル環を形成する。
【0132】
特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(ii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基から選択される同一の基である。
【0133】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、−ORA4、−N(RA4または−SRA4であり;ここで、RA4は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2個のRA4基が結合されて、任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環が形成されている。
【0134】
特定の実施形態において、Rは−ORA4であり、ここで、RA4は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、酸素保護基である。特定の実施形態において、RA4は水素であり、または、任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、RA4は水素である。
【0135】
特定の実施形態において、Rは−N(RA4であり、ここで、RA4は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2個のRA4基が結合されて、任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環が形成されている。特定の実施形態において、RA4の少なくとも1つは水素または任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、RA4の少なくとも1つは水素である。
【0136】
特定の実施形態において、Rは−SRA4であり、ここで、RA4は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、硫黄保護基である。特定の実施形態において、RA4は水素または任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、RA4は水素である。
【0137】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは水素である。特定の実施形態において、Rは各場合について、水素である。
【0138】
式(I)の上記の実施形態の種々の組み合わせが本明細書において考察されている。
【0139】
例えば、mが各場合に1であり、および、Zが各場合にOである特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−f)の化合物:
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0140】
例えば、Rが、各場合について、式(iv)である式(I−f)の特定の実施形態においては、式(I−f1)の化合物:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0141】
が式(i)の基である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f2):
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0142】
例えば、Rが各場合について式(iv)の基である、式(I−f2)の特定の実施形態においては、式(I−f3)の化合物:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0143】
およびRの各々が独立して式(i)の基である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f4):
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0144】
例えば、R各場合について式(iv)の基である式(I−f4)の特定の実施形態においては、式(I−f5)の化合物:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0145】
が式(ii)の基である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f6):
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0146】
例えば、Rが各場合について式(iv)の基である式(I−f6)の特定の実施形態においては、式(I−f7)の化合物:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0147】
およびRが独立して式(ii)の基である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f8):
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0148】
例えば、Rが各場合について式(iv)の基である式(I−f8)の特定の実施形態においては、式(I−f9)の化合物:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0149】
が式(iii)の基である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f10):
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0150】
例えば、Rが各場合について式(iv)の基である式(I−f10)の特定の実施形態においては、式(I−f11)の化合物:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0151】
およびRが独立して式(iii)の基である式(I−f)の特定の実施形態において、化合物は、式(I−f12):
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは−ORA4である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。
【0152】
例えば、Rが各場合について式(iv)の基である式(I−f12)の特定の実施形態においては、式(I−f13)の化合物:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0153】
式(II)の化合物
式(II)の化合物は、アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドの第1級または第2級アミンまたはアミドと、式(i−x)のエポキシド、チイランまたはアジリジンとの付加生成物の内部環化を介して調製され得る(スキーム2)。
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
式(II)の化合物は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基に対する追加の共役部位(第2級アミノ基、アミノ置換基および/またはイミノ窒素に結合した基に付加された、例えば第2級アミノ基)を含んでいてもよい。
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
それ故、第2の態様においては、式(II)の化合物:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供されており;
式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1または−SRA1であり;式中、RA1は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2つのRA1基が結合して任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環を形成しており;
は、水素、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基、または、式(v)の基:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
式中、Z、R、R、R、mおよびnは式(I)について定義されているとおりであり;
または、RおよびR基は結合して任意により置換された5員〜6員複素環を形成しており;
Wは各場合について、独立して、O、SまたはNRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;および
Yは各場合について、独立して、O、SまたはNRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
式(i)、(ii)および(iii)は:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
式中:
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーである。
【0156】
YがOであり、および、WがOである特定の実施形態において、以下の化合物およびこれらの塩が特定的に排除される。
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、RおよびRは、独立して、水素または式(i)の基である)。
【0157】
特定の実施形態において、R、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0158】
上記に一般的に定義されているとおり、R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは水素である。特定の実施形態において、R’は各場合について水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは任意により置換されたアルキル、例えば、メチルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは、任意により置換されたアルキルであり、例えば、メチルである。特定の実施形態において、R’の1つは任意により置換されたアルキルであり、かつ、残りは水素である。
【0159】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1、または、−SRA1である。
【0160】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、または、任意により置換されたヘテロアリールである。
【0161】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0162】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルケニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0163】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0164】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたカルボシクリルであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0165】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロシクリルであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0166】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアリールであり、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0167】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロアリールであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0168】
上記の実施形態のいずれかにおいて、Rアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基は、例えば、任意により置換されたアミノ基(例えば−NR)、任意により置換されたヒドロキシル基(例えば−OR)、任意により置換されたチオール基(例えば−SR)、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基で置換されていてもよく、ここで、RおよびRは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素原子に結合している場合窒素保護基、酸素原子に結合している場合酸素保護基、および、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0169】
例えば、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式−N(R)(R)のアミノ基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基である。この場合、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式:
【化46】
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の基であり、
式中:
Lは、任意により置換されたアルキレン、任意により置換されたアルケニレン、任意により置換されたアルキニレン、任意により置換されたヘテロアルキレン、任意により置換されたヘテロアルケニレン、任意により置換されたヘテロアルキニレン、任意により置換されたカルボシクリレン、任意により置換されたヘテロシクリレン、任意により置換されたアリーレン、または、任意により置換されたヘテロアリーレン、または、これらの組み合わせであり、ならびに
およびRは、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、および、窒素保護基からなる群から選択されるが;
ただし、RおよびRの少なくとも1つは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり:
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0170】
特定の実施形態において、Rの少なくとも2つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも3つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも4つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも5つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。
【0171】
特定の実施形態において、基−C(=W)−Y−に対するRαは式(iv)の基である。
【0172】
特定の実施形態において、基RにおいてもたらされるRの少なくとも1つは、式(iv)の基である。特定の実施形態において、基RにおいてもたらされるRの少なくとも2つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、基RにおいてもたらされるRの少なくとも3つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、基RにおいてもたらされるRの少なくとも4つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、基RにおいてもたらされるRの少なくとも5つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、基RにおいてもたらされるRは、各場合について式(iv)の基である。
【0173】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキレンであり;例えば、任意により置換されたC1〜50アルキレン、任意により置換されたC1〜40アルキレン、任意により置換されたC1〜30アルキレン、任意により置換されたC1〜20アルキレン、任意により置換されたC4〜20アルキレン、任意により置換されたC6〜20アルキレン、任意により置換されたC8〜20アルキレン、任意により置換されたC10〜20アルキレン、任意により置換されたC1〜6アルキレン、任意により置換されたC2〜6アルキレン、任意により置換されたC3〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキレンである。
【0174】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルケニレン、任意により置換されたC2〜40アルケニレン、任意により置換されたC2〜30アルケニレン、任意により置換されたC2〜20アルケニレン、任意により置換されたC4〜20アルケニレン、任意により置換されたC6〜20アルケニレン、任意により置換されたC8〜20アルケニレン、任意により置換されたC10〜20アルケニレン、任意により置換されたC2〜6アルケニレン、任意により置換されたC3〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルケニレンである。
【0175】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルキニレン、任意により置換されたC2〜40アルキニレン、任意により置換されたC2〜30アルキニレン、任意により置換されたC2〜20アルキニレン、任意により置換されたC4〜20アルキニレン、任意により置換されたC6〜20アルキニレン、任意により置換されたC8〜20アルキニレン、任意により置換されたC10〜20アルキニレン、任意により置換されたC2〜6アルキニレン、任意により置換されたC3〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキニレンである。
【0176】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルキレンであり;例えば、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜40アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜30アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキレンである。
【0177】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルケニレンである。
【0178】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキニレン、任意により置換されたC3〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキニレンである。
【0179】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたカルボシクリレンであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜8カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜6カルボシクリレン、任意により置換されたCカルボシクリレン、または、任意により置換されたCカルボシクリレンである。
【0180】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロシクリレンであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリレン、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員ヘテロシクリレン、または、任意により置換された6員ヘテロシクリレンである。
【0181】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアリーレンであり、例えば、任意により置換されたフェニレンである。
【0182】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアリーレンであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員ヘテロアリーレン、または、任意により置換された6員ヘテロアリーレンである。
【0183】
例えば、Lが任意により置換されたアルキレン基である特定の実施形態において、式(iv)の基は、式:
【化48】
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の基である。
【0184】
特定の実施形態において、qは1〜40の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜30の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは4〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは6〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは8〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1である。特定の実施形態において、qは2である。特定の実施形態において、qは3である。特定の実施形態において、qは4である。特定の実施形態において、qは5である。特定の実施形態において、qは6である。特定の実施形態において、qは7である。特定の実施形態において、qは8である。特定の実施形態において、qは9である。特定の実施形態において、qは10である。
【0185】
特定の実施形態において、RおよびRは共に水素である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(ii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基から選択される同一の基である。
【0186】
は、実施例の表1に例示されているものなどのアミノ酸側鎖を含むことが理解される。特定の実施形態において、Rは、本明細書中に列挙されているアミノ酸側鎖基のいずれかの1つから選択される基である。
【0187】
特定の実施形態において、Rはそれぞれ同一である。特定の実施形態において、少なくとも1つのR基は異なる。特定の実施形態において、各R基は異なる。
【0188】
上記に一般的に定義されているとおり、Wは各場合について、独立して、O、SまたはNRであり、ここで、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、WはOである。特定の実施形態において、WはSである。特定の実施形態において、WはNRである。特定の実施形態において、Rは、水素または式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0189】
上記に一般的に定義されているとおり、Yは各場合について、独立して、O、SまたはNRであり、ここで、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基である。特定の実施形態において、YはOである。特定の実施形態において、YはそれぞれSである。特定の実施形態において、YはNRである。特定の実施形態において、Rは水素または窒素保護基である。
【0190】
特定の実施形態において、WはOであり、および、YはOである。特定の実施形態において、WはOであり、および、YはSである。特定の実施形態において、WはOであり、および、YはNRである。特定の実施形態において、WはSであり、および、YはOである。特定の実施形態において、WはSであり、および、YはSである。特定の実施形態において、WはSであり、および、YはNRである。特定の実施形態において、WはNRであり、および、YはOである。特定の実施形態において、WはNRであり、および、YはSである。特定の実施形態において、WはNRであり、および、YはNRである。
【0191】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、水素、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であるか、または、式(v):
【化49】
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の基であり、式中、R、R、R、Z、mおよびnは式(I)において定義されているとおりであるが、ただし、各場合について、R、R、R、R、R、RまたはRの少なくとも1つは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0192】
特定の実施形態において、Rは水素である。
【0193】
特定の実施形態において、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0194】
特定の実施形態において、Rは式(v)の基である。特定の実施形態において、Rは、式(v)の基であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは、式(v)の基であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0195】
特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは、式(iv)の基であり、および、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0196】
あるいは、特定の実施形態において、Rおよび隣接するR基は結合して、任意により置換された5員〜6員複素環、例えば、5員複素環、例えば、任意により置換されたピロリジニル環を形成する。
【0197】
式(II)の上記の実施形態の種々の組み合わせが本明細書において想定されている。
【0198】
例えば、R’は各場合について水素であり、WがOであり、および、YがOである特定の実施形態において、式(II)の化合物は、式(II−a)の化合物:
【化50】
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またはその塩である。特定の実施形態において、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(v)の基であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(v)であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0199】
基−C(=O)−O−に対するRαが式(iv)の基である式(II−a)の特定の実施形態においては、式(II−b)の化合物:
【化51】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0200】
が式(v)の基である式(II−a)の特定の実施形態においては、式(II−c)の化合物:
【化52】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、ZはOである。特定の実施形態において、nは0である。特定の実施形態において、nは1である。特定の実施形態において、nは2である。特定の実施形態において、nは3である。特定の実施形態において、nは4である。特定の実施形態において、nは5である。特定の実施形態において、mは1である。
【0201】
基−C(=O)−O−に対するRαが式(iv)の基である式(II−c)の特定の実施形態においては、式(II−c1)の化合物:
【化53】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0202】
基Rにおいて設けられたRが、各場合について式(iv)の基である式(II−c)の特定の実施形態においては、式(II−c2)の化合物:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0203】
が各場合について式(iv)の基である式(II−c)の特定の実施形態においては、式(II−c3)の化合物:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0204】
が式(i)の基である式(II−a)の特定の実施形態においては、式(II−d)の化合物:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0205】
基−C(=O)−O−に対するRαが式(iv)の基である式(II−d)の特定の実施形態においては、式(II−d1)の化合物:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0206】
が式(ii)の基である式(II−a)の特定の実施形態においては、式(II−e)の化合物:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0207】
基−C(=O)−O−に対するRαが式(iv)の基である式(II−e)の特定の実施形態においては、式(II−e1)の化合物:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0208】
が式(iii)の基である式(II−a)の特定の実施形態においては、式(II−f)の化合物:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、Rは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iv)の基であり、および、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0209】
基−C(=O)−O−に対するRαが式(iv)の基である式(II−f)の特定の実施形態においては、式(II−f1)の化合物:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0210】
およびRが結合して任意により置換された5員〜6員複素環を形成している式(II−a)の特定の実施形態においては、式(II−g)の化合物:
【化62】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。
【0211】
式(III)の化合物
式(III)の化合物は、同一もしくは異なる2、3、4、5、6、7、8、9または10のアミノ酸の環式縮合物であって、例えば、式(i)の基、(iii)または(iii)の内部アミド窒素、アミノ置換基および/またはイミノ窒素に対する1つ以上の共役部位をさらに含む。このような基は、環化前に(すなわち環化生成物のアミノ酸前駆体に)共役され得るか、または、環化後に共役され得る。
【化63】
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【0212】
それ故、第3の態様においては、式(III)の化合物:
【化64】
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またはその塩が提供されており;
式中:
pは、1〜9の整数(端点を含む)であり;
Qは各場合について、独立して、O、SもしくはNRであり、ここで、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基または式(i)、(ii)、(iii)の基であり;
は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1または−SRA1であり;式中、RA1は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2つのRA1基が結合して任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環を形成しており;および
は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;ならびに
式(i)、(ii)および(iii)は:
【化65】
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であり式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーであるが;
ただし、R、R、RまたはRの少なくとも1つは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0213】
上記に一般的に定義されているとおり、pは1〜9の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。特定の実施形態において、pは4である。特定の実施形態において、pは5である。特定の実施形態において、pは6である。特定の実施形態において、pは7である。特定の実施形態において、pは8である。特定の実施形態において、pは9である。
【0214】
例えば、特定のpが1である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−a)の化合物:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0215】
特定のpが2である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−b)の化合物:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0216】
特定のpが3である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−c)の化合物:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0217】
特定のpが4である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−d)の化合物:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0218】
特定のpが5である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−e)の化合物:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0219】
特定のpが6である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−f)の化合物:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0220】
特定のpが7である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−g)の化合物:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0221】
特定のpが8である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−h)の化合物:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0222】
特定のpが9である実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−i)の化合物:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。
【0223】
上記に一般的に定義されているとおり、R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは水素である。特定の実施形態において、R’は各場合について水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり、例えば、メチルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは、任意により置換されたアルキルであり、例えば、メチルである。特定の実施形態において、R’の1つは任意により置換されたアルキルであり、および、残りは水素である。
【0224】
上記に一般的に定義されているとおり、Qは各場合について、独立して、O、SもしくはNRであり、ここで、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Qの少なくとも1つはOである。特定の実施形態において、Qは各場合についてOである。特定の実施形態において、Qの少なくとも1つはSである。特定の実施形態において、Qは各場合についてSである。特定の実施形態において、Qの少なくとも1つはNRである。特定の実施形態において、Qは各場合についてNRである。特定の実施形態において、Rは各場合について、独立して、水素、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0225】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1、または、−SRA1である。
【0226】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、または、任意により置換されたヘテロアリールである。
【0227】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0228】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルケニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0229】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0230】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたカルボシクリルであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0231】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロシクリルであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0232】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアリールであり、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0233】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロアリールであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0234】
上記の実施形態のいずれかにおいて、Rアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基は、例えば、任意により置換されたアミノ基(例えば−NR)、任意により置換されたヒドロキシル基(例えば−OR)、任意により置換されたチオール基(例えば−SR)、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基で置換されていてもよく、ここで、RおよびRは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素原子に結合している場合窒素保護基、酸素原子に結合している場合酸素保護基、および、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0235】
例えば、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式−N(R)(R)のアミノ基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基である。この場合、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
の基であり、
式中:
Lは、任意により置換されたアルキレン、任意により置換されたアルケニレン、任意により置換されたアルキニレン、任意により置換されたヘテロアルキレン、任意により置換されたヘテロアルケニレン、任意により置換されたヘテロアルキニレン、任意により置換されたカルボシクリレン、任意により置換されたヘテロシクリレン、任意により置換されたアリーレン、または、任意により置換されたヘテロアリーレン、または、これらの組み合わせであり、ならびに
およびRは、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、および、窒素保護基からなる群から選択されるが;
ただし、RおよびRの少なくとも1つは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0236】
特定の実施形態において、Rの少なくとも2つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも3つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも4つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも5つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも6つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも7つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも8つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも9つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。
【0237】
特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンであり;例えば、任意により置換されたC1〜50アルキレン、任意により置換されたC1〜40アルキレン、任意により置換されたC1〜30アルキレン、任意により置換されたC1〜20アルキレン、任意により置換されたC4〜20アルキレン、任意により置換されたC6〜20アルキレン、任意により置換されたC8〜20アルキレン、任意により置換されたC10〜20アルキレン、任意により置換されたC1〜6アルキレン、任意により置換されたC2〜6アルキレン、任意により置換されたC3〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキレンである。
【0238】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルケニレン、任意により置換されたC2〜40アルケニレン、任意により置換されたC2〜30アルケニレン、任意により置換されたC2〜20アルケニレン、任意により置換されたC4〜20アルケニレン、任意により置換されたC6〜20アルケニレン、任意により置換されたC8〜20アルケニレン、任意により置換されたC10〜20アルケニレン、任意により置換されたC2〜6アルケニレン、任意により置換されたC3〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルケニレンである。
【0239】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルキニレン、任意により置換されたC2〜40アルキニレン、任意により置換されたC2〜30アルキニレン、任意により置換されたC2〜20アルキニレン、任意により置換されたC4〜20アルキニレン、任意により置換されたC6〜20アルキニレン、任意により置換されたC8〜20アルキニレン、任意により置換されたC10〜20アルキニレン、任意により置換されたC2〜6アルキニレン、任意により置換されたC3〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキニレンである。
【0240】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルキレンであり;例えば、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜40アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜30アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキレンである。
【0241】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルケニレンである。
【0242】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキニレンである。
【0243】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたカルボシクリレンであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜8カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜6カルボシクリレン、任意により置換されたCカルボシクリレン、または、任意により置換されたCカルボシクリレンである。
【0244】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロシクリレンであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリレン、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員ヘテロシクリレン、または、任意により置換された6員ヘテロシクリレンである。
【0245】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアリーレンであり、例えば、任意により置換されたフェニレンである。
【0246】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアリーレンであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員ヘテロアリーレン、または、任意により置換された6員ヘテロアリーレンである。
【0247】
例えば、Lが任意により置換されたアルキレン基である特定の実施形態において、式(iv)の基は、式:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、qは1〜50の整数(両端を含む)である)
の基である。
【0248】
特定の実施形態において、qは1〜40の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜30の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは4〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは6〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは8〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1である。特定の実施形態において、qは2である。特定の実施形態において、qは3である。特定の実施形態において、qは4である。特定の実施形態において、qは5である。特定の実施形態において、qは6である。特定の実施形態において、qは7である。特定の実施形態において、qは8である。特定の実施形態において、qは9である。特定の実施形態において、qは10である。
【0249】
特定の実施形態において、RおよびRは共に水素である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(ii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基から選択される同一の基である。
【0250】
は、実施例の表1に例示されているものなどのアミノ酸側鎖を含むことが理解される。特定の実施形態において、Rは、本明細書中に列挙されているアミノ酸側鎖基のいずれかの1つから選択される基である。
【0251】
特定の実施形態において、Rは各場合について同一である。特定の実施形態において、少なくとも1つのR基は異なる。特定の実施形態において、各R基は異なる。
【0252】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0253】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0254】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルケニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0255】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0256】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたカルボシクリルであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0257】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロシクリルであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0258】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアリールであり、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0259】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロアリールであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0260】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは窒素保護基である。
【0261】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。
【0262】
特定の実施形態において、Rは各場合について式(i)、(ii)もしくは(iii)以外の基であり;この場合、少なくとも1つのRは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり、または、少なくとも1つのRは式(iv)の基であり、および、Rに含まれるRまたはRの少なくとも一方は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であるとされる。例えば、特定の実施形態において、Rの両方は水素であり、それ故、少なくとも1つのRは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり、または、少なくとも1つのRは、式(iv)の基であり、および、Rに含まれるRまたはRの少なくとも一方は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0263】
式(III)の上記の実施形態の種々の組み合わせが本明細書において想定されている。
【0264】
例えば、Qが各場合についてOである特定の実施形態において、式(III)の化合物は、式(III−a)の化合物:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩である。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。
【0265】
少なくとも1つのRが式(iv)の基である式(III−a)の特定の実施形態においては、式(III−b)の化合物:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは水素である。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0266】
は各場合について式(iv)の基である式(III−a)の特定の実施形態においては、式(III−c)の化合物:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0267】
pが1である式(III−c)の特定の実施形態においては、式(III−c1)の化合物:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0268】
が各場合について水素である式(III−c1)の特定の実施形態においては、式(III−c2)の化合物:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0269】
Lが任意により置換されたアルキレンである式(III−c1)の特定の実施形態においては、式(III−c3)の化合物:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供されており、式中、qは1〜10の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0270】
の少なくとも1つが式(i)の基であり、および、R’が各場合について水素である式(III−a)の特定の実施形態においては、式(III−d)の化合物:
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。
【0271】
の少なくとも1つのが式(ii)の基であり、および、R’が各場合について水素である式(III−a)の特定の実施形態においては、式(III−e)の化合物:
【化86】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。
【0272】
の少なくとも1つが式(iii)の基である式(III−a)の特定の実施形態においては、式(III−f)の化合物:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、少なくとも1つのRは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について水素である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、pは1である。特定の実施形態において、pは2である。特定の実施形態において、pは3である。
【0273】
式(IV)、(V)および(VI)の化合物
アミノ酸出発材料から構築されていないが、式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、同一の分子式および環式モチーフを共有しており、それ故、式(III−a)の化合物の構造異性体である。本発明は、本発明の例示的なAPPL構造異性体として各々を包含する。
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0274】
それ故、さらに他の態様においては、式(IV)、(V)または(VI)の化合物:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供されており;
式中:
Qは各場合について、独立して、O、SもしくはNRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)、(iii)の基であり;
は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1または−SRA1であり;式中、RA1は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、窒素原子に結合している場合窒素保護基であるか、または、2つのRA1基が結合して任意により置換された複素環もしくは任意により置換されたヘテロアリール環を形成しており;
は各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり;ならびに
式(i)、(ii)および(iii)は:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーであるが;
ただし、R、R、RまたはRの少なくとも1つは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0275】
上記に一般的に定義されているとおり、Qは各場合について、独立して、O、SもしくはNRであり、ここで、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Qの少なくとも1つはOである。特定の実施形態において、Qは各場合についてOである。特定の実施形態において、Qの少なくとも1つはSである。特定の実施形態において、Qは各場合についてSである。特定の実施形態において、Qの少なくとも1つはNRである。特定の実施形態において、Qは各場合についてNRである。特定の実施形態において、Rは各場合について、独立して、水素、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0276】
上記に一般的に定義されているとおり、R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは水素である。特定の実施形態において、R’は各場合について水素である。特定の実施形態において、R’の少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり、例えば、メチルである。特定の実施形態において、R’の少なくとも2つは、任意により置換されたアルキルであり、例えば、メチルである。特定の実施形態において、R’の1つは任意により置換されたアルキルであり、および、残りは水素である。
【0277】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、ハロゲン、−ORA1、−N(RA1、または、−SRA1である。
【0278】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、または、任意により置換されたヘテロアリールである。
【0279】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0280】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルケニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0281】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0282】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたカルボシクリルであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0283】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロシクリルであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0284】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアリールであり、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0285】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロアリールであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0286】
上記の実施形態のいずれかにおいて、Rアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基は、例えば、任意により置換されたアミノ基(例えば−NR)、任意により置換されたヒドロキシル基(例えば−OR)、任意により置換されたチオール基(例えば−SR)、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基で置換されていてもよく、ここで、RおよびRは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素原子に結合している場合窒素保護基、酸素原子に結合している場合酸素保護基、および、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0287】
例えば、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式−N(R)(R)のアミノ基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基である。この場合、特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、式:
【化91】
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の基であり、
式中:
Lは、任意により置換されたアルキレン、任意により置換されたアルケニレン、任意により置換されたアルキニレン、任意により置換されたヘテロアルキレン、任意により置換されたヘテロアルケニレン、任意により置換されたヘテロアルキニレン、任意により置換されたカルボシクリレン、任意により置換されたヘテロシクリレン、任意により置換されたアリーレン、または、任意により置換されたヘテロアリーレン、または、これらの組み合わせであり、ならびに
およびRは、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、および、窒素保護基からなる群から選択されるが;
ただし、RおよびRの少なくとも1つは、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基:
【化92】
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であり、式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0288】
特定の実施形態において、Rの両方は式(iv)の基である。
【0289】
特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンであり;例えば、任意により置換されたC1〜50アルキレン、任意により置換されたC1〜40アルキレン、任意により置換されたC1〜30アルキレン、任意により置換されたC1〜20アルキレン、任意により置換されたC4〜20アルキレン、任意により置換されたC6〜20アルキレン、任意により置換されたC8〜20アルキレン、任意により置換されたC10〜20アルキレン、任意により置換されたC1〜6アルキレン、任意により置換されたC2〜6アルキレン、任意により置換されたC3〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜6アルキレン、任意により置換されたC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキレンである。
【0290】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルケニレン、任意により置換されたC2〜40アルケニレン、任意により置換されたC2〜30アルケニレン、任意により置換されたC2〜20アルケニレン、任意により置換されたC4〜20アルケニレン、任意により置換されたC6〜20アルケニレン、任意により置換されたC8〜20アルケニレン、任意により置換されたC10〜20アルケニレン、任意により置換されたC2〜6アルケニレン、任意により置換されたC3〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜6アルケニレン、任意により置換されたC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルケニレンである。
【0291】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたC2〜50アルキニレン、任意により置換されたC2〜40アルキニレン、任意により置換されたC2〜30アルキニレン、任意により置換されたC2〜20アルキニレン、任意により置換されたC4〜20アルキニレン、任意により置換されたC6〜20アルキニレン、任意により置換されたC8〜20アルキニレン、任意により置換されたC10〜20アルキニレン、任意により置換されたC2〜6アルキニレン、任意により置換されたC3〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜6アルキニレン、任意により置換されたC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたC3〜4アルキニレンである。
【0292】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルキレンであり;例えば、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜40アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜30アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキレン、任意により置換されたヘテロC1〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキレンである。
【0293】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルケニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルケニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルケニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルケニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルケニレンである。
【0294】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアルキニレンであり、例えば、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜40アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜30アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC6〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC8〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC10〜20アルキニレン、任意により置換されたヘテロC2〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC3〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜6アルキニレン、任意により置換されたヘテロC4〜5アルキニレン、または、任意により置換されたヘテロC3〜4アルキニレンである。
【0295】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたカルボシクリレンであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜8カルボシクリレン、任意により置換されたC5〜6カルボシクリレン、任意により置換されたCカルボシクリレン、または、任意により置換されたCカルボシクリレンである。
【0296】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロシクリレンであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリレン、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリレン、任意により置換された5員ヘテロシクリレン、または、任意により置換された6員ヘテロシクリレンである。
【0297】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたアリーレンであり、例えば、任意により置換されたフェニレンである。
【0298】
特定の実施形態において、Lは、任意により置換されたヘテロアリーレンであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリーレン、任意により置換された5員ヘテロアリーレン、または、任意により置換された6員ヘテロアリーレンである。
【0299】
例えば、Lが任意により置換されたアルキレン基である特定の実施形態において、式(iv)の基は、式:
【化93】
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(式中、qは1〜50の整数(両端を含む)である)
の基である。
【0300】
特定の実施形態において、qは1〜40の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜30の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは4〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは6〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは8〜20の整数(両端を含む)である。特定の実施形態において、qは1である。特定の実施形態において、qは2である。特定の実施形態において、qは3である。特定の実施形態において、qは4である。特定の実施形態において、qは5である。特定の実施形態において、qは6である。特定の実施形態において、qは7である。特定の実施形態において、qは8である。特定の実施形態において、qは9である。特定の実施形態において、qは10である。
【0301】
特定の実施形態において、RおよびRは共に水素である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは水素であり、および、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(ii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基から選択される同一の基である。
【0302】
は、実施例の表1に例示されているものなどのアミノ酸側鎖を含むことが理解される。特定の実施形態において、Rは、本明細書中に列挙されているアミノ酸側鎖基のいずれかの1つから選択される基である。
【0303】
特定の実施形態において、Rは各場合について同一である。特定の実施形態において、少なくとも1つのR基は異なる。特定の実施形態において、各R基は異なる。
【0304】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは各場合について、独立して、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、窒素保護基、または、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基:
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、R’、X、Y、RおよびRは本明細書において定義されているとおりである。
【0305】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキルであり;例えば、任意により置換されたC1〜6アルキル、任意により置換されたC2〜6アルキル、任意により置換されたC3〜6アルキル、任意により置換されたC4〜6アルキル、任意により置換されたC4〜5アルキル、または、任意により置換されたC3〜4アルキルである。
【0306】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルケニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルケニル、任意により置換されたC3〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜6アルケニル、任意により置換されたC4〜5アルケニル、または、任意により置換されたC3〜4アルケニルである。
【0307】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキニルであり、例えば、任意により置換されたC2〜6アルキニル、任意により置換されたC3〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜6アルキニル、任意により置換されたC4〜5アルキニル、または、任意により置換されたC3〜4アルキニルである。
【0308】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたカルボシクリルであり、例えば、任意により置換されたC3〜10カルボシクリル、任意により置換されたC5〜8カルボシクリル、任意により置換されたC5〜6カルボシクリル、任意により置換されたCカルボシクリル、または、任意により置換されたCカルボシクリルである。
【0309】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロシクリルであり、例えば、任意により置換された3員〜14員ヘテロシクリル、任意により置換された3員〜10員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜8員ヘテロシクリル、任意により置換された5員〜6員ヘテロシクリル、任意により置換された5員ヘテロシクリル、または、任意により置換された6員ヘテロシクリルである。
【0310】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアリールであり、例えば、任意により置換されたフェニルである。
【0311】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたヘテロアリールであり、例えば、任意により置換された5員〜14員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜10員ヘテロアリール、任意により置換された5員〜6員ヘテロアリール、任意により置換された5員ヘテロアリール、または、任意により置換された6員ヘテロアリールである。
【0312】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは窒素保護基である。
【0313】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。
【0314】
特定の実施形態において、Rは各場合について、式(i)、(ii)もしくは(iii)以外の基であり;この場合、少なくとも1つのRは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり、または、少なくとも1つのRは式(iv)の基であり、および、Rに含まれるRまたはRの少なくとも一方は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であるとされる。例えば、特定の実施形態において、Rの両方は水素であり、それ故、少なくとも1つのRは式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であるか、または、少なくとも1つのRは式(iv)の基であり、および、Rに含まれるRまたはRの少なくとも一方は、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0315】
式(IV)、(V)および(VI)の上記の実施形態の種々の組み合わせが本明細書において想定されている。例えば、Qが各場合についてOである特定の実施形態において、式(IV)、(V)または(VI)の化合物は、式(IV−a)、(V−a)または(VI−a)の化合物:
【化95】
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またはその塩である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、または、任意により置換されたアルキニルである。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。
【0316】
少なくとも1つのRが式(iv)の基である式(IV−a)、(V−a)または(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−b)、(V−b)または(VI−b)の化合物:
【化96】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、または、任意により置換されたアルキニルである。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0317】
両方のR基が式(iv)の基である式(IV−b)、(V−b)または(VI−b)の特定の実施形態においては、式(IV−c)、(V−c)または(VI−c)の化合物:
【化97】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、または、任意により置換されたアルキニルである。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Lは任意により置換されたアルキレンである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。特定の実施形態において、RおよびRは共に、独立して、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基である。
【0318】
の少なくとも1つが式(i)の基であり、および、R’が各場合について水素である式(IV−a)、(V−a)および(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−d)、(V−d)および(VI−d)の化合物:
【化98】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、または、任意により置換されたアルキニルである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0319】
の両方が式(i)の基であり、および、R’が各場合について水素である式(IV−a)、(V−a)および(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−e)、(V−e)および(VI−e)の化合物:
【化99】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。
【0320】
の少なくとも1つが式(ii)の基であり、および、R’が各場合について水素である式(IV−a)、(V−a)および(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−f)、(V−f)および(VI−f)の化合物:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、または、任意により置換されたアルキニルである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0321】
の両方が式(ii)の基であり、および、R’が各場合について水素である式(IV−a)、(V−a)および(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−g)、(V−g)および(VI−g)の化合物:
【化101】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。
【0322】
の少なくとも1つが式(iii)の基である式(IV−a)、(V−a)および(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−h)、(V−h)および(VI−h)の化合物:
【化102】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、または、任意により置換されたアルキニルである。特定の実施形態において、Rは式(i)の基である。特定の実施形態において、Rは式(ii)の基である。特定の実施形態において、Rは式(iii)の基である。
【0323】
の両方が式(iii)の基である式(IV−a)、(V−a)および(VI−a)の特定の実施形態においては、式(IV−e)、(V−e)および(VI−e)の化合物:
【化103】
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またはその塩が提供される。特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは式(iv)の基である。特定の実施形態において、Rは各場合について式(iv)の基である。
【0324】
式(i)、(ii)および(iii)の基
上記の考察から理解されるとおり、APPL、特に式(I)、(III)、(IV)、(V)および(VI)のAPPL化合物の各々は、式(i)、(ii)もしくは(iii):
【化104】
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の基の少なくとも1つを含み、式中:
R’は各場合について、独立して、水素または任意により置換されたアルキルであり;
Xは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
Yは、O、S、NRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基であり;
は、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基であり;および
は、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたヘテロC1〜50アルキル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニル、任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニル、または、ポリマーである。
【0325】
式(II)において、式(i)の基の少なくとも1つは、例えば、化合物(i−x)のモノ付加、これに続く、内部環化により骨格の一部として組み込まれる。例えば、スキーム2を参照のこと。
【0326】
特定の実施形態において、APPL、特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物は、これに結合する式(i):
【化105】
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の基の少なくとも1つを含む。
【0327】
式(i)の特定の実施形態において、YはOである。式(i)の特定の実施形態において、YはSである。式(i)の特定の実施形態において、Yは、NR(式中、Rは水素である)であり、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基である。式(i)の特定の実施形態において、Yは、NR(式中、Rは水素である)であり、任意により置換されたアルキル、または、窒素保護基である。式(i)の特定の実施形態において、R’は各場合について水素である。
【0328】
本明細書において用いられるところ、例えば、式(i)の基の炭素−炭素結合を等分するよう基R示されている場合、Rは、いずれかの炭素で置換され得ることが理解される。式(i−x)のエポキシド、チイランまたはアジリジンの最も立体障害が小さい炭素におけるアミノもしくはアミド基の求核攻撃では、式(i−a1)、(i−a2)または(i−a3)の基(経路a)がもたらされ、一方で、式(i−x)のエポキシド、チイランまたはアジリジンの立体障害が大きい炭素での求核攻撃では、(i−b1)、(i−b2)または(i−b3)の基(経路b)がもたらされ、ここで、Rは水素である(スキーム6)。本発明の化合物は、これに結合した生成物の混合物であって、付加形態に係る好ましさまたは好ましさの欠如に応じて、経路(a)および経路(b)からもたらされるものを含み得ることが理解される。式中に示されている等分する基Rが想定されるすべての付加形態を含むことが求められている。
【化106】
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【0329】
得られるヒドロキシル、チオールまたはアミノ基−YR(式中、Rは水素である)は、任意により、置換基(式中、Rは水素以外の基であり、すなわち、式中、Rは、独立して、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、酸素原子に結合している場合酸素保護基、硫黄原子に結合している場合硫黄保護基、または、窒素原子に結合している場合窒素保護基から選択される)に従来の方法を用いて変換され得る。ヒドロキシル、チオールまたはアミノ部分のアルキル化、アシル化および/または保護が技術分野において周知の方法である;例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;およびCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987を参照のこと。例えば、一定の非限定的な実施形態において、ヒドロキシル、チオールまたはアミノ部分−YR(式中、Rは水素である)は、式R−X(式中、Rは水素以外の基であり、および、Xは脱離基である)の求電子剤と反応されて式(i)に係る置換ヒドロキシル、チオールおよびアミノ基がもたらされ得る。
【0330】
式(i)の特定の実施形態において、Rは水素である。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたアルキルである。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたアルケニルである。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたアルキニルである。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたカルボシクリルである。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロシクリルである。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたアリールである。式(i)の特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロアリールである。式(i)の特定の実施形態において、Rは酸素原子に結合している場合酸素保護基である。式(i)の特定の実施形態において、Rは硫黄原子に結合している場合硫黄保護基である。式(i)の特定の実施形態において、Rは窒素原子に結合している場合窒素保護基である。
【0331】
式(i)の基は式(i−a)の基または式(i−b)の基を表すことが本開示から理解される。
【化107】
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【0332】
特定の実施形態において、反応混合物は、式(i−b)よりも多くの式(i−a)の基に共役したAPPLを含むAPPLの混合物を提供し、例えば、反応混合物は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、または、約99%〜約100%の式(i−a)に結合したAPPLを含む。
【0333】
特定の実施形態において、式(i−x)のエポキシド、チイランまたはアジリジンはキラルであり、すなわち、(R)または(S)立体化学を有する。キラルエポキシド、チイランおよびアジリジンは、有機合成の当業者にはよく知られている多様なソースから入手可能である。いくつかの実施形態において、キラルエポキシド、チイランまたはアジリジンは商業的に入手される。いくつかの実施形態において、キラルエポキシド、チイランまたはアジリジンは、特にこれらに限定されないが、2,3−エポキシアルコールへの第1級および第2級アリルアルコールのシャープレスエポキシ化などの当業者に公知の方法に従って合成される(例えば、Katsuki et al.,J.Am.Chem.Soc.1980,102,5974;Hill et al.,Org.Syn.,Coll.Vol.7,p.461(1990);Vol.63,p.66(1985);Katsuki et al.,Org.React.1996,48,1−300を参照のこと)。いくつかの実施形態において、キラルエポキシド、チイランまたはアジリジンは、エポキシド、チイランまたはアジリジンの混合物(例えば、ラセミ混合物)の分割から入手される。いくつかの実施形態において、キラルエポキシド、チイランまたはアジリジンは、キラルクロマトグラフィを用いたエナンチオマーまたはジアステレオ異性体の分離により入手される。キラリティーは多様な方法で特徴付けられることが可能であり、例えば、結合している重い原子を含有する化合物の結晶構造を得る方法、化合物の旋光性を得る方法、および/または、光学的に活性な化合物をキラル誘導体化試薬で化学的変性した後のNMR分析が、キラリティーを評価する上でいくつかの有用な方法である。
【化108】
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【0334】
式(i−x1)のエポキシド、チイランまたはアジリジンがキラルである特定の実施形態において、共役反応はレジオ選択的であり、反応は、式(i−b1)よりも多くの式(i−a1)の基に共役したAPPLを含むAPPLのキラル混合物をもたらし、例えば、反応混合物は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、または、約99%〜約100%の式(i−a1)に結合したAPPLを含む。
【0335】
式(i−x2)のエポキシド、チイランまたはアジリジンがキラルである他の実施形態において、共役反応はレジオ選択的であり、反応は、式(i−b2)よりも多くの式(i−a2)の基に共役したAPPLを含むAPPLのキラル混合物をもたらし、例えば、反応混合物は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約90%〜約100%、約95%〜約100%、または、約99%〜約100%の式(i−a2)に結合したAPPLを含む。
【0336】
特定の実施形態において、APPL、特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物は、これに結合した式(ii)の基の少なくとも1つを含む。
【化109】
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【0337】
式(ii)の特定の実施形態において、XはOである。式(ii)の特定の実施形態において、XはSである。式(ii)の特定の実施形態において、XはNRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、任意により置換されたアルケニル、任意により置換されたアルキニル、任意により置換されたカルボシクリル、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたヘテロアリール、または、窒素保護基である。式(ii)の特定の実施形態において、XはNRであり、式中、Rは、水素、任意により置換されたアルキル、または、窒素保護基である。式(i)の特定の実施形態において、R’は各場合について水素である。
【0338】
特定の実施形態において、APPL、特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物は、これに結合した式(ii)の基の少なくとも1つを含む。
【化110】
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【0339】
上記に一般的に定義されているとおり、Rは、任意により置換されたC1〜50アルキル、任意により置換されたC2〜50アルケニル、任意により置換されたC2〜50アルキニル、任意により置換されたC1〜50ヘテロアルキル、任意により置換されたC2〜50ヘテロアルケニル、任意により置換されたC2〜50ヘテロアルキニル、または、ポリマーである。基Rが親油性、疎水性および/または非極性基を含むことが求められているが、このような用語はRの範囲に限定されないべきである。
【0340】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは任意により置換されたC1〜50アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜50アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜40アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜30アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜20アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC8〜20アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたCアルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたCアルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC10アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC11アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC12アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC13アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC14アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC15アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC16アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC17アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC18アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC19アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC20アルキルである。上記の実施形態のいずれかにおいて、基Rは無置換アルキル基である。
【0341】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは無置換アルキルである。例示的な無置換アルキル基としては、これらに限定されないが、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19、−C1021、−C1123、−C1225、−C1327、−C1429、−C1531、−C1633、−C1735、−C1837、−C1939、−C2041、−C2143、−C2245、−C2347、−C2449および−C2551が挙げられる。
【0342】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは置換アルキルである。例えば、一定の実施形態において、Rの少なくとも1つは、1つ以上のフッ素置換基で置換されたアルキルである。例示的なフッ素化アルキル基としては、これらに限定されないが以下が挙げられる。
【化111】
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【0343】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは任意により置換されたC2〜50アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜50アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜40アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜30アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜20アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC8〜20アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたCアルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたCアルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC10アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC11アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC12アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC13アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC14アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC15アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC16アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC17アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC18アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC19アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC20アルケニルである。上記の実施形態のいずれかにおいて、基Rは無置換アルケニル基である。
【0344】
例示的な無置換アルケニル基としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる。
【0345】
【表1】
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【0346】
がC6〜50アルキルまたはC6〜50アルケニル基として定義される実施形態において、このような基は、親油基(「脂質末端部」とも称される)を含むことが意味されている。親油基は、脂肪、ワックス、油、脂肪酸等を含む一群の分子を含む。これらの脂質基に存在する脂質末端部は、脂質末端部が二重結合を含むかどうかに応じて飽和および不飽和であることが可能である。脂質末端部はまた異なる長さであることが可能であり、度々、中度(すなわち、7〜12個の炭素の末端部を有する、例えば、C7〜12アルキルまたはC7〜12アルケニル)、長い(すなわち、12個超の炭素〜22個以下の炭素の末端部を有する、例えば、C13〜22アルキルまたはC13〜22アルケニル)、または、極めて長い(すなわち、22個超の炭素の末端部を有する、例えば、C23〜30アルキルまたはC23〜30アルケニル)に分類される。
【0347】
特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC2〜50アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜50アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜40アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜30アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC6〜20アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC8〜20アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたCアルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたCアルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC10アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC11アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC12アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC13アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC14アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC15アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC16アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC17アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC18アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC19アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたC20アルキニルである。上記の実施形態のいずれかにおいて、基Rは無置換アルキニル基である。
【0348】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは任意により置換されたヘテロC1〜50アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜50アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜40アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜30アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜20アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC10〜20アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロCアルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロCアルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC10アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC11アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC12アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC13アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC14アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC15アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC16アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC17アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC18アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC19アルキルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC20アルキルである。上記の実施形態のいずれかにおいて、基Rは無置換ヘテロアルキル基である。
【0349】
例示的な無置換ヘテロアルキル基としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる。
【化112】
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【0350】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つは任意により置換されたヘテロC2〜50アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜50アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜40アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜30アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜20アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC8〜20アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロCアルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロCアルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC10アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC11アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC12アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC13アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC14アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC15アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC16アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC17アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC18アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC19アルケニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC20アルケニルである。上記の実施形態のいずれかにおいて、基Rは無置換ヘテロアルケニル基である。
【0351】
特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC2〜50アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜50アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜40アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜30アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC6〜20アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC8〜20アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロCアルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロCアルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC10アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC11アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC12アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC13アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC14アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC15アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC16アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC17アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC18アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC19アルキニルである。特定の実施形態において、Rは任意により置換されたヘテロC20アルキニルである。上記の実施形態のいずれかにおいて、基Rは無置換ヘテロアルキニル基である。
【0352】
特定の実施形態において、Rの少なくとも1つはポリマーである。本明細書において用いられるところ、「ポリマー」は、少なくとも3つ(例えば、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100等)の反復的に共有結合した構造単位を含む化合物を指す。ポリマーは、特定の実施形態において、生体適合性(すなわち、無毒性)である。例示的なポリマーとしては、これらに限定されないが、セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))、デキストランポリマー、ポリマレイン酸ポリマー、ポリ(アクリル酸)ポリマー、ポリ(ビニルアルコール)ポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)ポリマーおよびポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、ならびに、これらの組み合わせが挙げられる。
【0353】
追加の調製方法
本明細書に記載されているとおり、本発明の化合物を提供するために、例えば式(i−x)のエポキシド、チイランもしくはアジリジン、式(ii−x)のα,β−不飽和エステル、チオエステルもしくはアミド、または、式(iii−x)のアルデヒドから選択される1種以上の共役剤がAPPL前駆体で処理されてAPPLがもたらされる。
【化113】
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【0354】
例えば、一態様においては、式(i−x)の1種以上の共役剤と一緒に前駆体を有機溶剤(例えばEtOH)中で加熱して所望のAPPLを得るステップを含む、式(i)の基で官能基化されたAPPLの調製方法が提供される。特定の実施形態において、混合物は、約100〜約200℃(両端を含む)、例えば約150℃で加熱される。
【0355】
他の態様においては、式(ii−x)の1種以上の共役剤と一緒に前駆体を有機溶剤(例えば、EtOH)中で加熱して所望のAPPLを得るステップを含む、式(ii)の基で官能基化されたAPPLの調製方法が提供される。特定の実施形態において、混合物は、約50〜約100℃(両端を含む)、例えば約90℃で加熱される。
【0356】
他の態様においては、有機溶剤(例えばTHF)中で前駆体と、式(iii−x)の1種以上の共役剤および還元剤(例えば、NaBH(OAc))とを混合して所望のAPPLを得るステップを含む式(iii)の基で官能基化されたAPPLの調製方法が提供される。特定の実施形態において、反応混合物の温度は室温混合物である。
【0357】
1種の共役剤のみが用いられている特定の実施形態において、各場合について、RはAPPLにおいて同一である。例えば、特定の実施形態において、各場合についてRは同一であり、ここで、Rは、任意により置換されたアルキルである。特定の実施形態において、各場合についてRは同一であり、ここで、Rは無置換アルキルである。特定の実施形態において、各場合についてRは同一であり、ここで、Rは、−CH、−C、−C、−C、−C11、−C13、−C15、−C17、−C19、−C1021、−C1123、−C1225、−C1327、−C1429、−C1531、−C1633、−C1735、−C1837、−C1939、および、−C2041からなる群から選択される。特定の実施形態において、各場合についてRは同一であり、ここで、Rは、−C17、−C19、−C1021、−C1123、−C1225、−C1327、−C1429、−C1531、および、−C1633から選択されるn−アルキル基である。
【0358】
あるいは、共役反応において2種以上の共役剤(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10の異なる共役剤)が用いられている特定の実施形態において、APPLは、これに結合した2種以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の異なる式(i)、(ii)および/または(iii)の基を含み得る。
【0359】
例えば、特定の実施形態において、2種の異なるエポキシドが共役反応において用いられる。この場合、特定の実施形態において、APPLは2種の異なるR基を含む。例えば、特定の実施形態において、APPLは2種の異なるR基の混合物を含み、ここで、第1のR基は任意により置換されたアルキルであり、および、第2のR基はポリマーである。
【0360】
当業者によって認識されるであろうとおり、共役の程度は、合成において用いられる反応条件(例えば、温度、出発材料、濃度、溶剤等)によって制御され得る。合成されたAPPLは、特にこれらに限定されないが、析出、結晶化、クロマトグラフィ、蒸留等を含む技術分野において公知であるいずれかの技術によって精製され得る。
【0361】
特定の実施形態において、APPLは塩として単離される。例えば、特定の実施形態において、APPLは酸(例えば、有機酸または無機酸)と反応されて対応する塩が形成される。他の実施形態においては、第3級アミンがアルキル化されてAPPLの第4級アンモニウム塩が形成される。第3級アミンは、任意のアルキル化剤でアルキル化され得、例えばヨウ化メチルなどのハロゲン化アルキルが用いられて第4級アミノ基が形成され得る。第4級アミンに付随するアニオンは、任意の有機または無機アニオンであり得る。特定の実施形態において、アニオンは薬学的に許容可能なアニオンである。
【0362】
本発明はまた、本発明の方法により調製したAPPLのライブラリを提供する。例えば、特定の実施形態においては、化合物ライブラリをスクリーニングする方法が提供されており、この方法は、複数の異なるAPPLもしくはその塩を提供するステップ;および、化合物ライブラリで少なくとも1回のアッセイを行って所望の特性の在否を判定するステップを含む。これらのAPPLは、液体ハンドラ、ロボット、マイクロタイタープレート、コンピュータ等を含む高スループット技術を用いて調製および/またはスクリーニングされ得る。特定の実施形態において、APPLは、ポリヌクレオチドまたは他の薬剤(例えば、タンパク質、ペプチド、小分子)の細胞への形質移入能についてスクリーニングされる。例えば、一実施形態においては、化合物ライブラリをスクリーニングする方法が提供されており、この方法は、複数の2種以上の異なるAPPLを提供するステップ、および、化合物ライブラリを所望の特性についてスクリーニングするステップを含む。
【0363】
一実施形態においては、異なるAPPLのライブラリは平行して調製される。異なる前駆体および/または共役剤を、ライブラリの調製に用いられる、一組のバイアルにおけるバイアルの各々に、または、マルチウェルプレートのウェルの各々に加える。反応混合物のアレイを、APPLを形成するために十分な温度および時間インキュベートする。次いで、APPLを単離し、技術分野において公知である技術を用いて精製し得る。次いで、APPLを高スループット技術を用いてスクリーニングして所望の特性を有するAPPLを同定し得、例えば、ここで、所望の特性は、例えば、タンパク質を生成する目的のため、水中への溶解度、異なるpHでの溶解度、ポリヌクレオチドへの結合能、ヘパリンへの結合能、小分子への結合能、タンパク質への結合能、ミクロ粒子の形成能、トランスフェクション効率の向上能、細胞増殖を支持する能力、細胞結合を指示する能力、組織の増殖を支持する能力、ならびに/または、バイオプロセスを補助するためのAPPLおよび/またはこれに複合化もしくは結合された薬剤の細胞内送達である。特定の実施形態において、APPLは、医学デバイスまたはインプラントのフィルムもしくは多層フィルムによるコーティングなどの生物工学および生物医学的用途におけるコーティング、添加剤、材料および賦形物として、生物付着防止剤、パターニング剤および細胞カプセル化剤としての有用な特性または特徴についてスクリーニングされ得る。特定の実施形態において、APPLは、遺伝子治療(例えば、ポリヌクレオチドへの結合能および/または形質移入効率の増加)、バイオプロセシング(例えば、タンパク質の細胞内生産の補助)、または、治療薬(例えば、ポリヌクレオチド、小分子、抗原、薬物、タンパク質、ペプチド等)の対象、組織、器官もしくは細胞への投与および/もしくは送達に係る有用な特性または特徴についてスクリーニングされ得る。
【0364】
例示的な本発明の化合物
一定の本発明の化合物が本明細書において特定的に想定されている。例えば、8、9、10、11、12、13および14個の炭素原子を含有する無置換n−アルキルR基を含む化合物が特定的に想定されている。特定の実施形態において、このような化合物のRは実施例の表1に定義されているとおりアミノ酸側鎖である。
【0365】
例示的な式(I)のアミノ酸、ペプチドおよびポリペプチド化合物としては、これらに限定されないが:
【化114】
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【化115】
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【化116】
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【化117】
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ならびに、その塩が挙げられる。
【0366】
例示的な式(II)の環化化合物としては、これらに限定されないが:
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
ならびに、その塩が挙げられる。
【0367】
例示的な式(III)の環式ジペプチドおよび環式ポリペプチド化合物としては、これらに限定されないが:
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【化121】
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特に、式:
【化122】
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【化123】
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【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【化125】
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【化126】
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【化127】
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【化128】
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【化129】
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の環式−KKおよび多環式リシンAPPL、ならびに、これらの塩が挙げられる。
【0368】
組成物
本発明は、組成物の成分としてのAPPLを想定する。例えば、特定の実施形態においては、APPLもしくはその塩、および、賦形剤を含む組成物が提供されており、ここで、APPLは、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチドまたは直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体であり、また、ここで、APPLのアミノもしくはアミド基は式(i)、(ii)もしくは(iii)の基に共役している。特定の実施形態において、式(i)、(ii)もしくは(iii)の基は、APPL骨格に存在するアミノ基に結合している。
【0369】
APPLおよびいく種かの賦形剤を含む本明細書に記載の組成物は、多様な医学的および非医学的用途において有用であり得る。例えば、APPLおよび賦形剤を含む医薬組成物は、必要とする対象に対する有効量の薬剤の送達に有用であり得る。APPLおよび賦形剤を含む栄養補助組成物は、例えば栄養補助食品(dietary supplement)といった栄養補助剤(nutraceutical)を必要とする対象に有効量で送達するのに有用であり得る。APPLおよび賦形剤を含む化粧品組成物は、クリーム、軟膏剤、香油、ペースト、フィルムまたは液体等として配合され得、メークアップ、毛髪用製品および個人衛生に有用な材料等の用途に有用であり得る。APPLおよび賦形剤を含む組成物は、例えばエマルジョンまたは乳化剤などの非医学的用途に有用であり得、例えば、食物成分として、消火用、表面の殺菌用、油のクリーンアップ等に有用であり得る。
【0370】
ペプチドは、内因性の細胞内シグナル伝達および輸送経路に大きく関与し、また、ペプチド部分が組み込まれた系の送達効率を促進させる相互作用の増大においてかなりの潜在性をもたらす。それ故、APPLおよび賦形剤を含む組成物はさらに、商業的に有用な化学製品または燃料の細胞によるバイオプロセシングなどのバイオプロセシングに有用であり得る。例えば、APPLまたはこれに複合化した薬剤の細胞内送達は、細胞の健康および/または増殖を維持することにより、例えば、タンパク質の生産といった、バイオプロセシングにおいて有用であり得る。
【0371】
組成物は、1種のAPPLを含み得るが、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種以上の異なる種類のAPPLといった、任意の数の異なる種類のAPPLを含んでいてもよい。
【0372】
特定の実施形態において、組成物は、本明細書に記載の薬剤をさらに含む。例えば、特定の実施形態において、薬剤は、小分子、有機金属化合物、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、金属、標的指向化剤、同位体標識化化学化合物、薬物、ワクチン、免疫学的薬剤、または、バイオプロセスにおいて有用な薬剤である。特定の実施形態において、薬剤はポリヌクレオチドである。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAである。特定の実施形態において、RNAは、RNAi、dsRNA、siRNA、shRNA、miRNAまたはアンチセンスRNAである。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドおよび1種以上のAPPLは共有結合されていない。
【0373】
特定の実施形態において、1種以上のAPPLは粒子の形態である。特定の実施形態において、粒子はナノ粒子またはミクロ粒子である。特定の実施形態において、1種以上のAPPLはリポソームまたはミセルの形態である。特定の実施形態において、これらのAPPLは自己組織化して、粒子、ミセルまたはリポソームをもたらすことが理解される。特定の実施形態において、粒子、ミセル、またはリポソームは薬剤を内包する。粒子、ミセル、またはリポソームによって送達される薬剤は、気体、液体または固体の形態であり得る。APPLは、ポリマー(合成または天然)、界面活性剤、コレステロール、炭水化素、タンパク質、脂質等と組み合わされて粒子を形成してもよい。これらの粒子は、賦形剤とさらに組み合わされて組成物を形成し得る。
【0374】
「賦形物」は、所望される特定の剤形に適するとおり、溶剤、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散または懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘または乳化剤、防腐剤、固体バインダ、潤滑剤等のいずれかおよびすべてを含む。配合および/または製造における一般的な見地は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)、および、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition(Lippincott Williams & Wilkins,2005)に見出すことが可能である。
【0375】
例示的な賦形物としては、これらに限定されないが、いずれかの無毒性で不活性の固体、半固体または液体充填材、希釈剤、内包材またはいずれかの種の配合助剤が挙げられる。賦形物とされることが可能である材料のいくつかの例としては、これらに限定されないが、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖質;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガントゴム;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび座薬ワックスなどの賦形物;ピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;Tween 80などの洗剤;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;無菌水;等張生理食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;ならびに、リン酸緩衝溶液が挙げられ、また、配合者の判断に従って、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒性の相溶性潤滑剤、ならびに、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および賦香剤、防腐剤および酸化防止剤もまた組成物中に存在していることが可能である。当業者によって認識されるであろうとおり、賦形物は、組成物が有用であるべき対象に基づいて選択され得る。例えば、医薬組成物または化粧品組成物では、賦形剤の選択は、投与経路、送達される薬剤、薬剤の送達に係る時間経過等に応じることとなり、ヒトおよび/または動物に対して、経口的、直腸的、非経口的、大槽内、膣内、鼻腔内、腹腔内、局所的(粉末、クリーム、軟膏剤または滴剤による)、口腔内に、または、経口または経鼻噴霧として投与されることが可能である。
【0376】
例示的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉末糖質等、および、これらの組み合わせが挙げられる。
【0377】
例示的な造粒および/または分散剤としては、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアーガム、柑橘類パルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶性デンプン、不水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第4級アンモニウム化合物等、および、これらの組み合わせが挙げられる。
【0378】
例示的な表面活性剤および/または乳化剤としては、天然乳化剤(例えばアカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガントゴム、コンドラックス、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状クレイ(例えばベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、およびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラゲナン、セルロース系誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミテート[Span 40]、ソルビタンモノステアレート[Span 60]、ソルビタントリステアレート[Span 65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えばポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、および、Solutol)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばCremophor)、ポリオキシエチレンエーテル、(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウム等、および/または、これらの組み合わせが挙げられる。
【0379】
例示的な結合剤としては、デンプン(例えばコーンスターチおよびデンプンペースト)、ゼラチン、糖質(例えばスクロース、グルコース、ブドウ糖、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール等)、天然および合成ガム(例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、トチャカの抽出物、パンワーガム、ガッチガム、イサポールハスク(isapol husk)の粘漿剤、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、および、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan))、アルギン酸塩、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール等、および/または、これらの組み合わせが挙げられる。
【0380】
例示的な防腐剤としては、酸化防止剤、キレート化剤、抗菌性防腐剤、抗真菌性防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤および他の防腐剤が挙げられる。
【0381】
例示的な酸化防止剤としては、αトコフェロール、アスコルビン酸、アコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0382】
例示的なキレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ならびに、その塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、および酒石酸ならびにその塩および水和物が挙げられる。例示的な抗菌性防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコールおよびチメロサールが挙げられる。
【0383】
例示的な抗真菌性防腐剤としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、カリウム安息香酸塩、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよびソルビン酸が挙げられる。
【0384】
例示的なアルコール防腐剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエートおよびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
【0385】
例示的な酸性防腐剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸およびフィチン酸が挙げられる。
【0386】
他の防腐剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロキシムメシレート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、KathonおよびEuxylが挙げられる。特定の実施形態において、防腐剤は抗酸化剤である。他の実施形態において、防腐剤はキレート化剤である。
【0387】
例示的な緩衝剤としては、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプチン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、無菌水、等張生理食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール等、および、これらの組み合わせが挙げられる。
【0388】
例示的な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等、および、これらの組み合わせが挙げられる。
【0389】
例示的な天然油としては、アーモンド、アンズ穀粒、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカラント種子、ルリジサ、カデ、カミツレ、カノーラ、キャラウェー、カルナウバ、トウゴマ、シナモン、カカオバター、ココナツ、タラ肝臓、コーヒー、コーン、綿実、エミュー、ユーカリ属、マツヨイグサ、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ヒョウタン、ブドウ種子、ハシバミ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカダミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ニクズク、オリーヴ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、モモ核、ピーナッツ、ケシ種子、カボチャ種子、ナタネ、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、白檀、サスクアナ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、チャノキ、アザミ、椿、ベチベルソウ、クルミおよび麦芽油が挙げられる。例示的な合成油としては、これらに限定されないが、ブチルステアレート、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーンオイルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0390】
また、組成物は、リン脂質を含み得る。例示的なリン脂質としては、これらに限定されないが、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパリミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、および、ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジラウロイルホスファチジルコリン、DLPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジミリストイルホスファチジルコリン、DMPC)、1,2−ジペンタデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、DPDPC)、1,2−ジパリミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ジパリミトイルホスファチジルコリン、DPPC)、1−ミリストイル−2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(1−ミリストイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、MPPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(1−グリセロール)](DMPG)、および1,2−ジミリストイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパンが挙げられる。
【0391】
また、組成物は、ポリマーをさらに含み得る。本明細書において想定される例示的なポリマーとしては、これらに限定されないが、例えば、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)および例えばナトリウム塩を含むその種々の塩、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース(HECMC)およびその種々の塩、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)およびその種々の塩などのセルロースエーテル、デンプン、デキストラン、デキストラン誘導体、キトサン、および、アルギン酸およびその種々の塩、カラギーナンなどのカラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、アラビアゴム、ガムカラヤ、ガッチガム、コンニャクおよびトラガカントゴムを含む種々のガム、ヒアルロン酸およびその塩などのグリコサミノグリカンおよびプロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、アルブミンおよび線維素などのタンパク質といったセルロース系ポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリイル(ラクチド−コ−グリコリド)およびポリ(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)−などのポリヒドロキシ酸、カルボキシビニルポリマーおよびこれらの塩(例えば、カルボマー)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸およびその塩、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸/アクリルアミドコポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)およびプルロニックポリマーなどのポリアルキレンオキシド、ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリ酸無水物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンアミンおよびポリピリジン、PEG化脂質(例えば、PEG−ステアレート、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−1000]、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]、および1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000])などのポリエチレングリコール(PEG)ポリマーといった他のポリマー、そのコポリマーおよび塩が挙げられる。
【0392】
また、組成物は、乳化剤をさらに含み得る。例示的な乳化剤としては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドンおよびこれらのコポリマー、ポロクサマーノニオン性界面活性剤、中性水溶性多糖類(例えば、デキストラン、フィコール、セルロース)、非カチオン性ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸などの非カチオン性ポリアクリレート、および、そのエステルアミドおよびヒドロキシアルキルアミド、天然乳化剤(例えばアカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガントゴム、コンドラックス、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状クレイ(例えばベントナイト[ケイ酸アルミニウム]およびVeegum[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、およびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラゲナン、セルロース系誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミテート[Span 40]、ソルビタンモノステアレート[Span 60]、ソルビタントリステアレート[Span 65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えばポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSolutol)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばCremophor)、ポリオキシエチレンエーテル、(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F 68、Poloxamer188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウム等、および/または、これらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、乳化剤はコレステロールである。
【0393】
また、組成物は、アポリタンパク質をさらに含み得る。過去の研究では、アポリタンパク質E(ApoE)が、一定の種類の材料について細胞取り込みおよび遺伝子サイレンシングを促進可能であったことが報告されている。例えば、Akinc,A.,et al.,Targeted delivery of RNAi therapeutics with endogenous and exogenous ligand−based mechanisms.Mol Ther.18(7):p.1357−64を参照のこと。特定の実施形態において、アポリタンパク質は、ApoA、ApoB、ApoC、ApoEもしくはApoH、または、これらのアイソフォームである。
【0394】
液体組成物としては、エマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。APPLに追加して、液体組成物は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジル安息香酸塩、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、コーン、胚芽、オリーヴ、トウゴマおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールおよび脂肪酸エステル、および、これらの混合物などの、例えば、水または他の溶剤、可溶化剤および乳化剤などの技術分野において通例用いられる不活性希釈剤を含有し得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、ならびに、賦香剤などの補助剤を含むことも可能である。
【0395】
例えば、水性または油性注射懸濁液といった注射組成物は、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知の技術分野に準拠して配合され得る。無菌注射調製物はまた、無毒の非経口的に許容可能な希釈剤または溶剤中の、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として、注射溶液、懸濁液またはエマルジョンであり得る。薬学または化粧品組成物用に許容可能なビヒクルおよび溶剤のうち、水、リンゲル溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液が採用され得る。加えて、無菌の不揮発性油が、溶剤または懸濁媒として簡便に採用される。合成モノ−またはジグリセリドを含む任意のブランドの不揮発性油を利用することが可能である。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射液の調製において用いられる。特定の実施形態において、粒子は、1%(w/v)カルボキシルメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)Tween 80を含むキャリア液中に懸濁される。注射組成物は、例えば、細菌保持フィルタを通したろ過により、または、無菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込み、使用前に滅菌水または他の無菌注射媒体中に溶解または分散可能とすることにより、滅菌可能である。
【0396】
直腸投与または膣内投与用組成物は、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、従って、直腸または膣腔内で溶融して粒子を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは座薬ワックスなどの好適な非刺激性の賦形物またはキャリアと、粒子とを混合することにより調製可能である座薬の形態であり得る。
【0397】
固体組成物としては、カプセル、錠剤、丸剤、粉末および顆粒が挙げられる。このような固体組成物において、粒子は、少なくとも1種の賦形剤、および/または、a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填材または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなどのバインダ、c)グリセロールなどの湿潤剤、d)寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収加速剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収材、ならびに、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、ならびに、これらの混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤をも含み得る。同様のタイプの固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖質ならびに高分子量ポリエチレングリコール等をこのような賦形物として用いられて、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおいて充填材として採用され得る。
【0398】
錠剤、糖衣剤、カプセル、丸剤および顆粒は、腸溶性コーティングおよび薬学配合技術分野において周知である他のコーティングなどのコーティングおよびシェルと共に調製可能である。これらは、任意により、不透明剤を含有していてもよく、また、任意により持続的に、腸管の一定の部分においてのみ、または、腸管の一定の部分に優先的に有効成分を放出する組成物であることも可能である。用いられることが可能である埋包用組成物の例としては、高分子物質およびワックスが挙げられる。
【0399】
同様のタイプの固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖質ならびに高分子量ポリエチレングリコール等をこのような賦形物として用いて、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおいて充填材として採用され得る。
【0400】
局部投与または経皮投与用組成物としては、軟膏剤、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、噴霧剤、吸入剤またはパッチが挙げられる。APPLは、賦形剤、および、必要に応じて要求されるいずれかの防腐剤または緩衝剤と混合される。点眼配合物、点耳薬および点眼液もまた本発明の範囲内であるとして想定される。
【0401】
APPLに追加して、軟膏剤、ペースト、クリームおよびゲルは、動物および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガントゴム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、または、これらの混合物などの賦形物を含有し得る。
【0402】
APPLに追加して、粉末および噴霧剤は、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、または、これらの物質の混合物などの賦形物を含有することが可能である。噴霧剤は、クロロフルオロ炭化水素などの通例の噴射剤を追加して含有することが可能である。
【0403】
経皮パッチは、身体への化合物の制御された送達をもたらすという追加的な利点を有する。このような剤形は、適切な媒体中にミクロ粒子またはナノ粒子を溶解または分散させることにより形成可能である。吸収エンハンサもまた、皮膚を通過する化合物の量を増加させるために用いられることが可能である。割合は、流量制御膜を設けることにより、または、粒子をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることにより制御されることが可能である。
【0404】
薬剤
本明細書に記載の系によって送達されるべき薬剤は、治療的、診断上または予防剤であり得る」。対象に投与されるべきいずれかの化学化合物は、本明細書に記載の複合体、ピコ粒子、ナノ粒子、ミクロ粒子、ミセルまたはリポソームを用いて送達され得る。薬剤は、有機分子(例えば、治療薬、薬物)、無機分子、核酸、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、標的指向化剤、同位体標識化有機または無機分子、ワクチン、免疫学的薬剤等であり得る。
【0405】
特定の実施形態において、薬剤は、例えば薬物といった、薬学的活性を有する有機分子である。特定の実施形態において、薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔薬、ステロイド剤、抗炎症剤、抗悪性腫瘍剤、抗癌剤、抗原、ワクチン、抗体、うっ血除去薬、降圧剤、鎮痛薬、受胎調節薬剤、プロゲステロン作用薬、抗コリン薬、鎮痛薬、抗うつ剤、抗精神病剤、β−アドレナリン遮断剤、利尿剤、心血管作用薬、血管作用薬、非ステロイド性抗炎症剤、栄養剤等である。
【0406】
本発明の特定の実施形態において、送達されるべき薬剤は薬剤の混合物であり得る。
【0407】
診断薬としては、ガス;金属;陽電子断層撮影法(PET)、コンピュータ連動断層撮影法(CAT)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法、X線、蛍光透視法および磁気共鳴映像法(MRI)において用いられる市販されている撮像剤;ならびに、造影剤が挙げられる。MRIにおいて造影剤として好適に用いられる物質の例としては、ガドリニウムキレート、ならびに、鉄、マグネシウム、マンガン、銅およびクロムが挙げられる。CATおよびX線造影に有用な物質としては、ヨウ素系物質が挙げられる。
【0408】
治療薬および予防薬としては、これらに限定されないが、抗生物質、栄養補助剤およびワクチンが挙げられる。ワクチンは、単離されたタンパク質またはペプチド、不活化生体およびウイルス、死亡した生体およびウイルス、遺伝子改変された生体またはウイルス、ならびに、細胞抽出物を含み得る。治療薬および予防薬は、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、および、コレラ毒素、ミョウバン、フロイントアジュバントなどの補助剤等と併用され得る。予防剤としては、肺炎レンサ球菌(Streptococccus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyrogenes)、コリネバクテリウムジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、リステリアモノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)、シュードモナスエルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、レジオネラ菌(Legionella pneumophila)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、らい菌(Mycobacterium leprae)、トレポネーマパリズム(Treponema pallidum)、レプトスピロシスインテロガンス(Leptospirosis interrogans)、ボッレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、カンピロバクタージェジュニ(Camphylobacter jejuni)等などの細菌性生物の抗原;ポックスウイルス、A型インフルエンザおよびB型インフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、HIVウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex)1型および2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピロマーウイルス、ポリオウイルス、ムンプスウイルス、狂犬病ウイルス、風疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎ウイルス(equine encephalitis)、日本脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、A、B、C、DおよびE型肝炎ウイルス等などのウイルスの抗原;クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマカプスラツム(Histoplasma capsulatum)、カンジダアルビカンス(Candida albicans)、カンジダトロピカリス(Candida tropicalis)、ノカルジアアステロイデス(Nocardia asteroides)、リケットシアリケットシイ(Rickettsia ricketsii)、チケットシアチフィ(Rickettsia typhi)、マイコプラズマニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、クラミジアシッタシ(Chlamydial psittaci)、クラミジアトラコマチス(Chlamydial trachomatis)、プラスモディウムファルシパルム(Plasmodium falciparum)、ブルーストリパノソーマ(Trypanosoma brucei)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、トキソプラズマゴンジイ(Toxoplasma gondii)、トリコモナスバギナリス(Trichomonas vaginalis)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)等などの真菌性生物、原生動物および寄生性生物の抗原が挙げられる。これらの抗原は、完全な死亡した生体、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、炭水化素またはこれらの組み合わせの形態であり得る。
【0409】
標的指向化剤
度々、特定の細胞、細胞の採集または組織を標的とすることが望ましいため、APPL、および、これから調製される複合体、リポソーム、ミセル、ミクロ粒子、ピコ粒子およびナノ粒子は、標的指向化剤または標的指向化領域を含むよう修飾され得る。例えば、APPL骨格は標的指向化領域を含み得る。特定の細胞を標的とする多様な薬剤または領域が技術分野において公知である。例えば、Cotten et al.,Methods Enzym.217:618,1993を参照のこと。標的指向化剤は、粒子全体に含まれていても、または、表面上のみに存在していてもよい。標的指向化剤は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、糖タンパク質、脂質、小分子、核酸等であり得る。標的指向化剤は、特定の細胞もしくは組織を標的とするために用いられ得、または、粒子のエンドサイトーシスもしくは食作用を促進するために用いられ得る。標的指向化剤の例としては、これらに限定されないが、抗体、抗体のフラグメント、低密度リポタンパク質(LDL)、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質、ヒト免疫不全ウイルス(HIVウイルス)のgp120エンベロープタンパク質、炭水化素、受容体リガンド、シアル酸、アプタマー等が挙げられる。標的指向化剤が粒子全体に含まれている場合、標的指向化剤は粒子の形成に用いられる混合物に含まれ得る。標的指向化剤が表面上のみに存在する場合、標的指向化剤は、標準的な化学技術を用いて、形成された粒子に会合(すなわち、共有結合、疎水性、水素結合、ファンデルワールスまたは他の相互作用によって)され得る。
【0410】
ポリヌクレオチド複合体
本発明においては、APPLがポリヌクレオチドの投与において特に有用であると考えられている。例えば、APPLは第2級または第3級アミンを含み、これらのアミンは束縛されているが、これらは、ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、DNAおよび/またはRNAの合成類似体、DNA/RNA水酸化物等)との非共有結合的な相互作用には利用可能である。ポリヌクレオチドまたはその誘導体は、ポリヌクレオチド/APPL非共有結合複合体の形成に好適な条件下でAPPLと接触させられる。APPLとポリヌクレオチドとの相互作用は、ポリヌクレオチドの分解を少なくとも部分的に防止すると考えられている。ポリヌクレオチドの主鎖の電荷が中性化されることによる、中性またはわずかに正電荷の複合体もまた、より容易に細胞の疎水性膜(例えば、細胞質、リソソーム、エンドソーム、核)を通過可能である。特定の実施形態において、複合体はわずかに正に荷電されている。特定の実施形態において、複合体は正のζ−電位を有する。特定の実施形態において、ζ−電位は0〜+30である。
【0411】
一態様においては、APPLもしくはその塩およびポリヌクレオチドを含む組成物を提供するステップ;ならびに、生体細胞の内部へのポリヌクレオチドの送達を促進するのに十分な条件下で、組成物を生体細胞に露出させるステップを含むポリヌクレオチドを生体細胞に送達する方法が提供されており;ここで、APPLは、アミノ酸、直鎖もしくは環式ペプチドまたは直鎖もしくは環式ポリペプチド、または、これらの構造異性体であり、ここで、APPLのアミノもしくはアミド基は式(i)、(ii)もしくは(iii)の基に共役している。特定の実施形態において、この方法は、インビボ法である。特定の実施形態において、この方法はインビトロ法である。
【0412】
APPLは、少なくとも部分的に、負電荷ポリヌクレオチドと複合体を形成するよう、塩(例えば、プロトン化)として提供され得る。特定の実施形態において、ポリヌクレオチド/APPL複合体は、細胞へのポリヌクレオチドの送達に有用である粒子を形成する。特定の実施形態において、2種以上のAPPLはポリヌクレオチド分子と会合していてもよい。例えば、複合体は、ポリヌクレオチド分子に会合した1〜100のAPPL、1〜1000のAPPL、10〜1000のAPPLまたは100〜10,000のAPPLを含み得る。
【0413】
窒素:リン酸比の増加は、核酸結合を高めることにより遺伝物質の送達に好ましい影響をもたらすと共に、毒性を高めることにより送達に好ましくない影響をもたらすことが示されている。例えば、Incani et al.,Soft Matter(2010)6:2124−2138を参照のこと。特定の実施形態において、窒素:リン酸比(すなわち、APPL中に存在するアミノ基と、ポリヌクレオチド中に存在するリン酸基との比)は、約10:1〜約50:1(両端を含む)である。特定の実施形態において、窒素リン酸比は、約10:1〜約45:1、約15:1〜約45:1、または、約20:1〜約40:1(両端を含む)である。特定の実施形態において、APPL:ポリヌクレオチド質量比は、約10:1〜約20:1(両端を含む)である。特定の実施形態において、APPL:ポリヌクレオチド質量比は約15:1である。特定の実施形態において、APPL:ポリヌクレオチドモル比は約10:1〜約400:1(両端を含む)である。特定の実施形態において、APPL:ポリヌクレオチドモル比は約10:1〜約350:1、約15:1〜約300:1、または、約20:1〜約250:1(両端を含む)である。
【0414】
特定の実施形態において、複合体は、粒子を形成し得る。特定の実施形態において、粒子の直径は、10〜500マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、10〜1200マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、50〜150マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は10〜500nmの範囲であり、特定の実施形態において、粒子の直径は、10〜1200nmの範囲であり、特定の実施形態においては、50〜150nmの範囲である。粒子は、以下に記載のとおり、標的指向化剤と会合し得る。特定の実施形態において、粒子の直径は、10〜500pmの範囲であり、特定の実施形態において、粒の直径は、10〜1200pmの範囲であり、特定の実施形態においては、50〜150pmの範囲である。粒子は、以下に記載のとおり、標的指向化剤と会合し得る。フィルムの構築は性格に設計され、1nmの精度で1〜150000nmの範囲に、および、その分子組成に係る明確な知識を伴って制御可能である。
【0415】
ポリヌクレオチドは、複合化され、APPLによって内包されるか、または、APPLを含む組成物中に含まれ得る。ポリヌクレオチドは、特にこれらに限定されないが、RNAおよびDNAを含む任意の核酸であり得る。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはDNAである。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはRNAである。特定の実施形態において、RNAの細胞への送達に際して、RNAは、生体細胞における特定の遺伝子の発現に干渉可能である。
【0416】
特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、RNA干渉(RNAi)を行うRNAである。RNAiの現象は、例えば、以下の文献においてより詳細に検討されている:Elbashir et al.,2001,Genes Dev.,15:188;Fire et al.,1998,Nature,391:806;Tabara et al.,1999,Cell,99:123;Hammond et al.,Nature,2000,404:293;Zamore et al.,2000,Cell,101:25;Chakraborty,2007,Curr.Drug Targets,8:469;および、Morris and Rossi,2006,Gene Ther.,13:553。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはdsRNA(二重鎖RNA)である。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、siRNA(短干渉RNA)である。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、shRNA(低分子ヘアピン型RNA)である。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、miRNA(ミクロRNA)である。ミクロRNA(miRNAs)は、ゲノム的にコードされた、特に発生中に遺伝子発現の調節を助ける約21〜23ヌクレオチド長の非翻訳RNAである。例えば、Bartel,2004,Cell,116:281;Novina and Sharp,2004,Nature,430:161;および、米国特許出願公開第2005/0059005号明細書を参照のこと;また、Wang and Li,2007,Front.Biosci.,12:3975;および、Zhao,2007,Trends Biochem.Sci.,32:189においてもレビューされている。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはアンチセンスRNAである。
【0417】
特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、アンチセンス薬剤またはRNA干渉(RNAi)として提供され得る。例えば、Fire et al.,Nature 391:806−811,1998を参照のこと。アンチセンス治療は、例えば、転写および/または翻訳を阻害することによりコード化タンパク質の発現を阻害するよう、細胞mRNAおよび/もしくはゲノムDNA、または、その変異体と特異的にハイブリダイズする、例えば、細胞条件下で、結合する単鎖もしくは二重鎖オリゴヌクレオチドもしくはそれらの誘導体の投与またはインサイツでの提供を例えば含むことが意味されている。例えば、Crooke “Molecular mechanisms of action of antisense drugs”Biochim.Biophys.Acta 1489(1):31−44,1999;Crooke “Evaluating the mechanism of action of antiproliferative antisense drugs”Antisense Nucleic Acid Drug Dev.10(2):123−126,discussion 127,2000;Methods in Enzymology volumes 313−314,1999を参照のこと。結合は、従来の塩基対相補性によってなされ得、または、例えば、DNA二本鎖体への結合の場合には、二重螺旋の主溝における特定の相互作用(すなわち、三重螺旋の形成)が介してなされ得る。例えば、Chan et al.,J.Mol.Med.75(4):267−282,1997を参照のこと。
【0418】
いくつかの実施形態において、dsRNA、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNAおよび/またはRNAiは、多数の利用可能なアルゴリズムの1つ以上を用いて設計および/または予測可能である。いくつかの例を挙げると、以下のリソースを利用してポリヌクレオチドを設計および/または予測することが可能である:Alnylum Online,Dharmacon Online,OligoEngine Online,Molecula Online,Ambion Online,BioPredsi Online,RNAi Web Online,Chang Bioscience Online,Invitrogen Online,LentiWeb Online GenScript Online,Protocol Online;Reynolds et al.,2004,Nat.Biotechnol.,22:326;Naito et al.,2006,Nucleic Acids Res.,34:W448;Li et al.,2007,RNA,13:1765;Yiu et al.,2005,Bioinformatics,21:144;ならびに、Jia et al.,2006,BMC Bioinformatics,7:271において見出されたアルゴリズム。
【0419】
ポリヌクレオチドは任意のサイズまたは配列であり得、単鎖または二重鎖のものであり得る。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは100塩基対超の長さである。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは1000塩基対超の長さであり、10,000塩基対超の長さであり得る。ポリヌクレオチドは、任意により精製され、実質的に純粋である。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは純度が50%超であり、特定の実施形態において、純度は75%超であり、特定の実施形態においては、純度は95%超である。ポリヌクレオチドは、技術分野において公知であるいずれかの手段により提供され得る。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは組み換え型技術を用いて操作される。例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,Inc.,New York,1999);Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,ed.by Sambrook,Fritsch,and Maniatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989)を参照のこと。ポリヌクレオチドはまた、天然のソースから入手され、自然界において通常見られる汚染成分から精製されてもよい。ポリヌクレオチドはまた、実験質において化学的に合成されてもよい。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは標準的な固体相化学を用いて合成される。
【0420】
ポリヌクレオチドは、化学的または生物学的手段により修飾され得る。特定の実施形態において、これらの修飾により、ポリヌクレオチドの安定性が高められる。修飾は、メチル化、リン酸化、末端封止等を含む。
【0421】
ポリヌクレオチドの誘導体もまた本発明において用いられ得る。これらの誘導体としては、塩基、糖質および/またはポリヌクレオチドのリン酸結合における修飾が挙げられる。修飾塩基としては、これらに限定されないが、以下のヌクレオシド類似体において見出されるものが挙げられる:2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、5−メチルシチジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−プロピニル−ウリジン、C5−プロピニル−シチジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン。変性糖質としては、これらに限定されないが、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、アラビノース(リボースの2’−エピマー)、環式糖質およびヘキソースが挙げられる。ヌクレオシドは、天然DNAおよびRNAにおいて見出されるホスホジエステル結合以外の結合によって一緒につながっていてもよい。修飾された結合としては、これらに限定されないが、ホスホロチオエートおよび5’−N−ホスホルアミダイト結合が挙げられる。種々の修飾の組み合わせが単一のポリヌクレオチドに用いられてもよい。これらの修飾ポリヌクレオチドは技術分野において公知であるいずれかの手段によって提供され得;しかしながら、当業者によって認識されるであろうとおり、修飾ポリヌクレオチドは、インビトロで合成化学を用いて調製され得る。
【0422】
送達されるべきポリヌクレオチドはいかなる形態であってもよい。例えば、ポリヌクレオチドは、環状プラスミド、線状化プラスミド、コスミド、ウイルスゲノム、修飾ウイルスゲノム、人工染色体等であり得る。
【0423】
ポリヌクレオチドは如何なる配列であってもよい。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドはタンパク質またはペプチドをコードする。コードされたタンパク質は、酵素、構造タンパク質、受容体、可溶性受容体、イオンチャネル、薬学的に活性なタンパク質、サイトカイン、インターロイキン、抗体、抗体フラグメント、抗原、凝固因子、アルブミン、増殖因子、ホルモン、インスリン等であり得る。ポリヌクレオチドはまた、遺伝子の発現を制御する調節領域を含み得る。これらの調節領域としては、これらに限定されないが、プロモータ、エンハンサエレメント、リプレッサエレメント、TATAボックス、リボソーム結合部位、転写の終結部位等が挙げられ得る。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドは、タンパク質をコードすることは意図されていない。例えば、ポリヌクレオチドは、形質移入される細胞のゲノムにおけるエラーの固定に用いられ得る。
【0424】
特定の実施形態において、送達されるべきポリヌクレオチドは、抗原ペプチドまたは抗原タンパク質をコードする配列を含む。これらのポリヌクレオチドを含有するナノ粒子は、個体に送達されて、その後の感染症に対する可能性を低減させ、および/または、このような感染症に伴う症状を軽減させるのに十分な免疫反応を誘起させることが可能である。これらのワクチンのポリヌクレオチドは、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、および、コレラ毒素、ミョウバン、フロイントアジュバントなどの補助剤等と併用され得る。多数のアジュバント化合物が公知であり;このような化合物の多くの有用な概要は国立衛生研究所によって用意されている。例えば、Allison Dev.Biol.Stand.92:3−11,1998;Unkeless et al.,Annu.Rev.Immunol.6:251−281,1998;および、Phillips et al.,Vaccine 10:151−158,1992を参照のこと。
【0425】
ポリヌクレオチドによりコードされる抗原タンパク質または抗原ペプチドは、肺炎レンサ球菌(Streptococccus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyrogenes)、コリネバクテリウムジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、リステリアモノシトゲネス(Listeria monocytogenes)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)、シュードモナスエルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、レジオネラ菌(Legionella pneumophila)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、らい菌(Mycobacterium leprae)、トレポネーマパリズム(Treponema pallidum)、レプトスピロシスインテロガンス(Leptospirosis interrogans)、ボッレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、カンピロバクタージェジュニ(Camphylobacter jejuni)等などの細菌性生物;ポックスウイルス、A型インフルエンザおよびB型インフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、HIVウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella−zoster)、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex)1型および2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピロマーウイルス、ポリオウイルス、ムンプスウイルス、狂犬病ウイルス、風疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎ウイルス(equine encephalitis)、日本脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、A、B、C、DおよびE型肝炎ウイルス等などのウイルス;ならびに、クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマカプスラツム(Histoplasma capsulatum)、カンジダアルビカンス(Candida albicans)、カンジダトロピカリス(Candida tropicalis)、ノカルジアアステロイデス(Nocardia asteroides)、リケットシアリケットシイ(Rickettsia ricketsii)、チケットシアチフィ(Rickettsia typhi)、マイコプラズマニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、クラミジアシッタシ(Chlamydial psittaci)、クラミジアトラコマチス(Chlamydial trachomatis)、プラスモディウムファルシパルム(Plasmodium falciparum)、ブルーストリパノソーマ(Trypanosoma brucei)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、トキソプラズマゴンジイ(Toxoplasma gondii)、トリコモナスバギナリス(Trichomonas vaginalis)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)等などの真菌性生物、原生動物および寄生性生物に由来するものであり得る。
【0426】
粒子
本発明においてはまた、APPLが送達系として有用であると考えられている。APPLは:1)APPLの易動性薬剤を複合化および「保護」する能力;2)エンドソームにおけるpHを緩衝する能力;3)「プロトンスポンジ」として作用し、エンドソーム破壊を生じさせる能力;ならびに、4)負電荷薬剤における電荷を中性化する能力を含む数々の特性を有しており、送達のために特に好適である。
【0427】
特定の実施形態において、APPLは、送達されるべき薬剤を含有する粒子の形成に用いられる。APPLは、特にこれらに限定されないが、有機分子(例えば、コレステロール、薬物)、無機分子、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、標的指向化剤、同位体標識化有機もしくは無機分子、ワクチン、免疫学的薬剤等を含む薬剤をカプセル化するために用いられ得る。他の例示的な薬剤が本明細書においてより詳細に記載されている。これらの粒子は、ポリマー(例えば、合成ポリマー(例えば、PEG、PLGA)、天然ポリマー(例えば、リン脂質))などの他の材料を含み得る。特定の実施形態において、APPLは、1種以上の薬剤(例えば、コレステロール)および/または1種以上の他の材料(例えば、ポリマー)と混合される。
【0428】
特定の実施形態において、粒子の直径は、1マイクロメートル〜1,000マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、10マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、100マイクロメートル〜1,000マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子は、1〜5マイクロメートルの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1nm〜1,000nmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1nm〜100nmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1nm〜10nmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、10nm〜100nmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、100nm〜1,000nmの範囲である。特定の実施形態において、粒子は1〜5nmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1pm〜1,000pmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1pm〜100pmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、1pm〜10pmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、10pm〜100pmの範囲である。特定の実施形態において、粒子の直径は、100pm〜1,000pmの範囲である。特定の実施形態において、粒子は1〜5pmの範囲である。
【0429】
粒子は、本技術分野において公知である任意の方法を用いて調製され得る。これらとしては、これらに限定されないが、噴霧乾燥、一重および二重乳化溶媒蒸発法、溶剤抽出、相分離、単純および複合コアセルベーション、ならびに、他の当業者に周知の方法が挙げられる。特定の実施形態において、粒子の調製方法は、二重乳化プロセスおよび噴霧乾燥である。粒子の調製において用いられる条件は、所望の径または特性(例えば、疎水性、親水性、外的形態、「粘着性」、形状等)を有する粒子を得るために変更され得る。粒子の調製方法および用いられる条件(例えば、溶剤、温度、濃度、空気流速等)はまた、内包される薬剤および/またはマトリックスの組成に応じ得る。
【0430】
内包された薬剤を送達するための粒子を形成するために開発された方法は文献に記載されている。例えば、Doubrow,M.,Ed.,“Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy,”CRC Press,Boca Raton,1992;Mathiowitz and Langer,J.Controlled Release 5:13−22,1987;Mathiowitz et al.,Reactive Polymers 6:275−283,1987;Mathiowitz et al.,J.Appl.Polymer Sci.35:755−774,1988を参照のこと。
【0431】
上記の方法のいずれかによって調製された粒子が所望される範囲から外れた径範囲を有する場合、粒子は、例えばふるいを用いて整粒可能である。粒子はコートされていてもよい。特定の実施形態において、粒子は、標的指向化剤でコートされている。他の実施形態において、粒子は、望ましい表面特性(例えば、特定の電荷)を達成するためにコートされている。
【0432】
ミセルおよびリポソーム
本発明は、ミセルまたはリポソームの調製におけるAPPLの使用をさらに想定している。任意の薬剤がミセルまたはリポソームにさらに含まれていても良い。ミセルおよびリポソームは、疎水性小分子などの疎水性薬剤の送達に特に有用である。ミセルまたはリポソームがポリヌクレオチドと複合化(例えば、内包または覆う)される場合、これは、「リポプレックス」とも称される。ミセルおよびリポソームを調製するための多くの技術が技術分野において公知であり、このような方法のいずれもミセルおよびリポソームを形成するためにAPPLと共に用いられ得る。
【0433】
特定の実施形態において、リポソームは、自発的なアセンブリを通して形成される。他の実施形態において、リポソームは、薄い脂質膜または脂質ケーキを水和し、脂質結晶性二重層のスタックを流体化および膨潤させて形成される。水和された脂質シートは撹拌中に分離して、自閉して大型多重膜ベシクル(LMV)が形成される。これにより、縁部での水と二重層の炭化水素核との相互作用が防止される。これらの粒子が一旦形成されると、粒子サイズの縮小は、音エネルギー(超音波処理)または機械的エネルギー(押出し成形)を入力した場合に変更可能である。例えば、各々が本明細書において援用されている、Walde,P.“Preparation of Vesicles(Liposomes)”In Encylopedia of Nanoscience and Nanotechnology;Nalwa,H.S.Ed.American Scientific Publishers:Los Angeles,2004;Vol.9,pp.43−79;Szoka et al.,“Comparative Properties and Methods of Preparation of Lipid Vesicles(Liposomes)”Ann.Rev.Biophys.Bioeng.9:467−508,1980を参照のこと。リポソームの調製には、水和のためにAPPLを調製するステップ、APPLを撹拌しながら水和するステップ、および、リポソームを均質に分布させるためにベシクルを整粒するステップが含まれる。先ず、APPLを、APPLを確実に均質に混合するために有機溶剤中に溶解させる。次いで、溶剤を除去して、ポリマー由来のフィルムを形成する。バイアルまたはフラスコを減圧ポンプに一晩かけることにより、このポリマー−由来フィルムを完全に乾燥させて残存する有機溶剤を除去する。水性媒体を加え、混合物を撹拌することによりポリマー−由来フィルムが水和される。音エネルギーを用いるLMV懸濁液の破砕により、15〜50nmの範囲内の直径を有する小型単層リポソーム(SUV)が典型的に生成される。脂質押出し成形は、脂質/ポリマー懸濁液を規定の孔径を有するポリカーボネートフィルタに強制的に通して、用いたフィルタの孔径に近似する直径を有する粒子を得る技術である。100nmの孔を有するフィルタを通した押出し成形では、120〜140nmの平均直径を有する大型炭層ポリマー−由来ベシクル(LUV)が典型的に得られる。特定の実施形態において、リポソーム中のAPPLの量は、30〜80mol%、特定の実施形態においては40〜70mol%、および、特定の実施形態においては60〜70mol%の範囲である。特定の実施形態において、利用されるAPPLは、DNAおよびRNAなどの薬剤をさらに複合化する。このような実施形態においては、リポソームの適用はポリヌクレオチドの送達である。
【0434】
以下の学術論文にリポソームおよびミセルを調製する他の方法が記載されている:Narang et al.,“Cationic Lipids with Increased DNA Binding Affinity for Nonviral Gene Transfer in Dividing and Nondividing Cells”Bioconjugate Chem.16:156−68,2005;Hofland et al.,“Formation of stable cationic lipid/DNA complexes for gene transfer”Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7305−7309,July 1996;Byk et al.,“Synthesis,Activity,and Structure−Activity Relationship Studies of Novel Cationic Lipids for DNA Transfer”J.Med.Chem.41(2):224−235,1998;Wu et al.,“Cationic Lipid Polymerization as a Novel Approach for Constructing New DNA Delivery Agents”Bioconjugate Chem.12:251−57,2001;Lukyanov et al.,“Micelles from lipid derivatives of water−soluble polymers as delivery systems for poorly soluble drugs”Advanced Drug Delivery Reviews 56:1273−1289,2004;Tranchant et al.,“Physicochemical optimisation of plasmid delivery by cationic lipids”J.Gene Med.6:S24−S35,2004;van Balen et al.,“Liposome/Water Lipophilicity:Methods,Information Content,and Pharmaceutical Applications”Medicinal Research Rev.24(3):299−324,2004。
【0435】
処置方法
10,000を超えるヒト疾患が遺伝子または染色体における異常である遺伝性疾患により引き起こされると推定されている。例えば、McClellan,J.and M.C.King,Genetic heterogeneity in human disease.Cell.141(2):p.210−7;Leachman,S.A.,et al.,Therapeutic siRNAs for dominant genetic skin disorders including pachyonychia congenita.J Dermatol Sci,2008.51(3):p.151−7を参照のこと。癌、重篤な高コレステロール血症および家族性アミロイド神経障害などのこれらの疾病の多くは致死性である。例えば、Frank−Kamenetsky,M.,et al.,Therapeutic RNAi targeting PCSK9 acutely lowers plasma cholesterol in rodents and LDL cholesterol in nonhuman primates.Proc Natl Acad Sci U S A,2008.105(33):p.11915−20;Coelho,T.,Familial amyloid polyneuropathy:new developments in genetics and treatment.Curr Opin Neurol,1996.9(5):p.355−9を参照のこと。FireおよびMello(Fire,A.,et al.,Potent and specific genetic interference by double−stranded RNA in Caenorhabditis elegans.Nature,1998.391(6669):p.806−11)によるRNA干渉(RNAi)を介した遺伝子発現サイレンシングの発見以来、ヒトにおけるRNAiのための治療用途の開発に向けて広範な試みがなされている。例えば、Davis,M.E.,The first targeted delivery of siRNA in humans via a self−assembling,cyclodextrin polymer−based nanoparticle:from concept to clinic.Mol Pharm,2009.6(3):p.659−68;Whitehead,K.A.,R.Langer,and D.G.Anderson,Knocking down barriers:advances in siRNA delivery.Nat.Rev.Drug Discovery,2009.8(2):p.129−138;Tan,S.J.,et al.,Engineering Nanocarriers for siRNA Delivery.Small.7(7):p.841−56;Castanotto,D.and J.J.Rossi,The promises and pitfalls of RNA−interference−based therapeutics.Nature,2009.457(7228):p.426−33;Chen,Y.and L.Huang,Tumor−targeted delivery of siRNA by non−viral vector:safe and effective cancer therapy.Expert Opin Drug Deliv,2008.5(12):p.1301−11;Weinstein,S.and D.Peer,RNAi nanomedicines:challenges and opportunities within the immune system.Nanotechnology.21(23):p.232001;Fenske,D.B.and P.R.Cullis,Liposomal nanomedicines.Expert Opin Drug Deliv,2008.5(1):p.25−44;および、Thiel,K.W.and P.H.Giangrande,Therapeutic applications of DNA and RNA aptamers.Oligonucleotides,2009.19(3):p.209−22を参照のこと。現在、siRNA薬物療法学に関連する20を超える臨床治験が進行中であるか完了しており、種々の疾病の処置に対して有望な結果が示されている。例えば、Burnett,J.C.,J.J.Rossi,and K.Tiemann,Current progress of siRNA/shRNA therapeutics in clinical trials.Biotechnol J.6(9):p.1130−46を参照のこと。しかしながら、siRNAの効率的で安全な送達はいまだにsiRNA薬物療法学の開発における重要な課題である。例えば、Juliano,R.,et al.,Biological barriers to therapy with antisense and siRNA oligonucleotides.Mol Pharm,2009.6(3):p.686−95を参照のこと。
【0436】
それ故、他の態様においては、例えば、対象が患う疾病、障害もしくは状態の処置のためにAPPLを用いる方法が提供される。APPLは、多様な疾病、障害もしくは状態の処置において、特に、特定の疾病、障害もしくは状態の処置における有用な薬剤を送達するための系において有用であろうことが想定される。「疾病」、「障害」および「状態」は、本明細書において同義的に用いられる。特定の実施形態において、対象が患う疾病、障害もしくは状態は、対象の遺伝子または染色体における異常により引き起こされる。
【0437】
例えば、一実施形態においては、必要とする対象にAPPLを含む組成物もしくはその塩を有効量で投与するステップを含む対象が患う疾病、障害もしくは状態の処置方法が提供される。想定される例示的な疾病、障害もしくは状態としては、これらに限定されないが、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫性疾患、疼痛状態、肝疾患およびアミロイド神経障害が挙げられる。
【0438】
本明細書において用いられるところ、「有効成分」は、所望の生物学的応答を惹起するいずれかの薬剤である。例えば、APPLは、組成物中の有効成分であり得る。例えば、本明細書に記載の治療薬といった他の薬剤はまた、有効成分として分類され得る。特定の実施形態において、組成物は、APPLに追加して、疾病、障害もしくは状態の処置に有用な治療薬をさらに含む。特定の実施形態において、APPLは、他の(治療的)薬剤を内包する。特定の実施形態において、APPLおよび他の(治療的)薬剤は、粒子(例えば、ナノ粒子、ミクロ粒子、ミセル、リポソーム、リポプレックス)を形成する。
【0439】
特定の実施形態において、状態は増殖性疾患であり、特定の実施形態において、組成物は、抗癌剤をさらに含む。例示的な増殖性疾患としては、これらに限定されないが、腫瘍、良性新生物、前悪性新生物(インサイツ癌腫)および悪性新生物(癌)が挙げられる。
【0440】
例示的な癌としては、これらに限定されないが、聴神経腫、腺癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管内皮腫)、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆道癌(例えば、胆管癌)、膀胱癌、乳癌(breast cancer)(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌腫、乳癌(mammary cancer)、乳房の髄様癌)、脳癌(例えば、髄膜腫;神経膠腫、例えば、星細胞腫、乏突起膠腫;髄芽腫)、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頚癌(例えば、子宮頚部腺癌)、絨毛癌、脊索腫、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌(例えば、大腸癌、直腸癌、結腸直腸癌)、上皮性癌、脳室上皮腫、内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫)、子宮内膜癌(例えば、子宮癌、子宮肉腫)、食道癌(例えば、食道腺癌、バレット腺癌)、ユーイング肉腫、眼癌(例えば、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫)、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌(例えば、胃腺癌)、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌(例えば、頭頚部扁平上皮癌、口腔癌(例えば、口腔扁平上皮癌(OSCC)、咽頭癌(throat cancer)(例えば、喉頭癌、咽頭癌(pharyngeal cancer)、上咽頭癌、中咽頭癌))、造血器癌(例えば、急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)などの白血病;ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞性リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、近縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫などのB細胞NHL)、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、「ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症」)、有毛細胞白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫および原発性中枢神経系リンパ腫(CNS)などのリンパ腫;ならびに、前駆T−リンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉腫、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫)などのT細胞NHL;上記の白血病/リンパ腫の1種以上の混合;および、多発性骨髄腫(MM))、重鎖病(例えば、α鎖病、γ鎖病、μ鎖病)、血管芽腫、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、免疫球性アミロイド症、腎臓癌(例えば、腎芽細胞腫 別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性肝細胞腫)、肺癌(例えば、気管支原性癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌)、平滑筋肉腫(LMS)、肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症)、骨髄異形成症候群(MDS)、中皮腫、骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、原因不明骨髄様化生(AMM) 別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES))、神経芽細胞腫、神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1型または2型、シュワマトーシス)、神経内分泌癌(例えば、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍)、骨肉腫、卵巣癌(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌腫、卵巣腺癌)、乳頭状腺癌、膵癌(例えば、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、島細胞腫瘍)、陰茎癌(例えば、陰茎および陰嚢のパジェット病)、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNT)、前立腺癌(例えば、前立腺腺癌)、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、メラノーマ、基底細胞癌(BCC))、小腸癌(例えば、虫垂癌)、軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球種(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)、脂腺癌、汗腺癌、滑膜腫、精巣癌(例えば、精上皮腫、精巣胎芽性癌)、甲状腺癌(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様癌)、尿道癌、膣癌および外陰癌(例えば、外陰部のパジェット病)が挙げられる。
【0441】
抗癌剤は、バイオ療法抗癌剤、ならびに、化学療法薬を含む。
【0442】
例示的なバイオ療法抗癌剤としては、これらに限定されないが、インターフェロン、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロンγ)、ワクチン、造血因子、モノクローナル血清療法、免疫賦活剤および/または免疫調節剤(例えば、IL−1、2、4、6または12)、免疫細胞成長因子(例えば、GM−CSF)および抗体(例えばHERCEPTIN(トラツズマブ)、T−DM1、AVASTIN(ベバシズマブ)、ERBITUX(セツキシマブ)、VECTIBIX(パニツムマブ)、RITUXAN(リツキシマブ)、BEXXAR(トシツモマブ))が挙げられる。
【0443】
例示的な化学療法薬としては、これらに限定されないが、抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、ラロキシフェンおよびメゲストロール)、LHRHアゴニスト(例えばゴスクルクリン(goscrclin)およびリュープロリド)、抗アンドロゲン薬(例えばフルタミドおよびビカルタミド)、光線力学療法(例えばベルトポルフィン(vertoporfin)(BPD−MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4およびデモトキシヒポクレリンA(2BA−2−DMHA))、ナイトロジェンマスタード(例えばシクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチンおよびメルファラン)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU))、スルホン酸アルキル(例えばブスルファンおよびトレオスルファン)、トリアゼン(例えばダカルバジン、テモゾロミド)、白金含有化合物(例えばシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、ビンカアルカロイド(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビン)、タキソイド(例えば、パクリタキセル、または、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA−パクリタキセル、Taxoprexin)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG−パクリタキセル、パクリタキセルポリグルメクス、CT−2103、XYOTAX)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)ANG1005(3つの分子のパクリタキセルに結合したAngiopep−2)、パクリタキセル−EC−1(erbB2−識別ペプチドEC−1に結合したパクリタキセル)、および、グルコース−共役パクリタキセルなどのパクリタキセル均等物、例えば、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルコハク酸塩;ドセタキセル、タキソール)、エピポドフィリン(例えばエトポシド、エトポシドリン酸、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、イリノテカン、クリスナトール、ミトマイシンC)、代謝拮抗剤、DHFR抑制剤(例えばメトトレキサート、ジクロロメトトレキセート、トリメトレキセート、エダトレキセート)、IMP脱水素酵素抑制剤(例えばミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリンおよびEICAR)、リボヌクレオチドレダクターゼ抑制剤(例えばヒドロキシウレアおよびデフェロキサミン)、ウラシル類似体(例えば5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラチロレキシド、テガフール−ウラシル、カペシタビン)、シトシン類似体(例えばシタラビン(ara C)、シトシンアラビノシドおよびフルダラビン)、プリン類似体(例えばメルカプトプリンおよびチオグアニン)、ビタミンD3類似体(例えばEB1089、CB1093およびKH1060)、イソプレニル化抑制剤(例えばロバスタチン)、ドーパミン作動性ニューロトキシン(例えば1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオン)、細胞周期阻害剤(例えばスタウロスポリン)、アクチノマイシン(例えばアクチノマイシンD、ダクチノマイシン)、ブレオマイシン(例えばブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、PEG化リポソームドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン)、MDR抑制剤(例えばベラパミル)、Ca2+ATPアーゼ抑制剤(例えばタプシガルジン)、イマチニブ、サリドマイド、レナリドマイド、チロシンキナーゼ抑制剤(例えば、アキシニチブ(AG013736)、ボスニチブ(SKI−606)、セジラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダスチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS−354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI−571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP−701)、ネラチニブ(HKI−272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマクサニブ(セマキシニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ENMD−2076、PCI−32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR−258)、BIBW2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF−04217903、PF−02341066、PF−299804、BMS−777607、ABT−869、MP470、BIBF1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ−26483327、MGCD265、DCC−2036、BMS−690154、CEP−11981、チボザニブ(AV−951)、OSI−930、MM−121、XL−184、XL−647および/またはXL228)、ポロテアソーム抑制剤(例えば、ボルテゾミブ(VELCADE))、mTOR抑制剤(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD−001)、リダホロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF−4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)およびOSI−027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルビジン(procarbizine)、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンパテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルミノマイシン、アミノプテリンおよびヘキサメチルメラミンが挙げられる。
【0444】
特定の実施形態において、状態は炎症性疾患であり、特定の実施形態において、組成物は抗炎症剤をさらに含む。「炎症性疾患」という用語は、疼痛(有害物質の生成および神経刺激による疼痛)、熱(血管拡張による発熱)、発赤(血管拡張および血流の増加による発赤)、腫脹(体液の過剰な流入または流出の制限による腫瘍)、および/または、機能の喪失(部分的または完全、一時的または持続的であることが可能である機能喪失)の徴候により特徴付けられる疾病、障害または状態を指す。炎症は多くの形態をとり、特に限定されないが、急性、癒着性、萎縮性、カタル性、慢性、硬変性、びまん性、散在性、滲出性、線維素性、線維化性、限局性、肉芽腫性、過形成性、肥厚性、間質性、転移性、壊死性、閉塞性、実質性、塑性、増殖性、繁殖性、偽膜性、膿性、硬化性、血清塑性(seroplastic)、漿液性、単純性、特異性、亜急性、化膿性、有毒性、外傷性、および/または、潰瘍性炎症が挙げられる。
【0445】
例示的な炎症性疾患としては、これらに限定されないが、ざ瘡、貧血(例えば、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血)、喘息、動脈炎(例えば、多発動脈炎、側頭動脈炎、結節性動脈周囲炎、高安動脈炎)、関節炎(例えば、結晶性関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、痛風関節炎、反応性関節炎、関節リウマチおよびライテル関節炎(Reiter’s arthritis))、強直性脊椎炎、穀粉肺症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫疾患、アレルギーまたはアレルギー性反応、アテローム性動脈硬化、気管支炎、滑液包炎、慢性前立腺炎、結膜炎、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、皮膚筋炎(cermatomyositis)、憩室炎、糖尿病(例えば、I型糖尿病、II型糖尿病)、皮膚症状(例えば、乾癬、湿疹、火傷、皮膚炎、そう痒症(かゆみ))、子宮内膜症、ギランバレー症候群、感染症、虚血性心疾患、川崎病、糸球体腎炎、歯肉炎、過敏症、頭痛(例えば、片頭痛、緊張性頭痛)、イレウス(例えば、術後イレウスおよび敗血症中のイレウス)、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎(膀胱痛症候群)、消化器疾患(例えば、消化性潰瘍、局部性腸炎、憩室炎、胃腸出血、好酸球性消化管疾患(例えば、好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流症(GORDまたはその同義語GERD)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、便流変更性大腸炎、ベーチェット病、炎症性腸疾患)および炎症性腸症候群(IBS)から選択される)、狼瘡、多発性硬化症、限局性強皮症、重症筋無力症、心筋虚血、ネフローゼ症候群、尋常性天疱瘡、悪性貧血、消化性潰瘍、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、脳障害に付随する神経炎症(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病およびアルツハイマー病)、前立腺炎、頭部放射線傷害に付随する慢性炎症、骨盤腹膜炎、再灌流障害、局部性腸炎、リューマチ熱、全身性エリテマトーデス、強皮症、サイエロドーマ(scierodoma)、サルコイドーシス、脊椎関節症、シェーグレン症候群、甲状腺炎、移植拒絶反応、腱炎、トラウマまたは外傷(例えば、凍傷、化学刺激物、毒素、瘢痕、火傷、物理的外傷)、脈管炎、白皮およびウェゲナー肉芽腫症に付随する炎症が挙げられる。
【0446】
特定の実施形態において、炎症性疾患は、増殖性疾患に付随する炎症、例えば、癌に付随する炎症である。
【0447】
特定の実施形態において、状態は自己免疫性疾患であり、特定の実施形態において、組成物は、免疫調節性剤をさらに含む。例示的な自己免疫性疾患としては、これらに限定されないが、関節炎(関節リウマチ、脊椎関節症、痛風関節炎、骨関節炎などの変性関節疾患、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、未分化脊椎炎、ベーチェット病、自己免疫性溶血性貧血、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、穀粉肺症、急性肩痛、乾癬性および若年性関節炎を含む)、喘息、アテローム性動脈硬化、骨粗鬆症、気管支炎、腱炎、滑液包炎、皮膚症状(例えば、乾癬、湿疹、火傷、皮膚炎、そう痒症(かゆみ))、遺尿症、好酸球性疾患、消化器疾患(例えば、消化性潰瘍、局部性腸炎、憩室炎、胃腸出血、好酸球性消化管疾患(例えば、好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流症(GORDまたはその同義語GERD)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、便流変更性大腸炎、ベーチェット病、炎症性腸疾患)および炎症性腸症候群(IBS)から選択される)、ならびに、胃消化管運動改善薬によって寛解される障害(例えば、イレウス、術後イレウスおよび敗血症中のイレウス;胃食道逆流症(GORDまたはその同義語GERD);好酸球性食道炎、糖尿病性胃不全麻痺などの胃不全麻痺;食物不耐性および食物アレルギー、ならびに、非潰瘍性消化不良(NUD)および非心臓性胸痛(NCCP、肋軟骨炎を含む)などの他の機能性腸管症候群)が挙げられる。
【0448】
特定の実施形態において、状態は疼痛状態であり、特定の実施形態において、組成物は鎮痛薬をさらに含む。「疼痛状態」としては、特に限定されないが、神経障害性疼痛(例えば、抹消神経障害性疼痛)、中枢性疼痛、求心路遮断痛、慢性疼痛(例えば、慢性侵害受容性疼痛、および、例えば股関節置換、膝置換といった術後痛または他の置換手術後に生じる疼痛などの他の形態の慢性疼痛)、術前痛、侵害受容体の刺激(侵害受容性疼痛)、急性疼痛(例えば、幻想性および一過性急性疼痛)、非炎症性疼痛、炎症性疼痛、癌に付随する疼痛、外傷痛、熱傷痛、術後痛、医学的手法に付随する疼痛、そう痒症からもたらされる疼痛、膀胱痛症候群、月経前不快気分障害および/または月経前症候群に付随する疼痛、慢性疲労症候群に付随する疼痛、早産に付随する疼痛、薬物依存症からの禁断症状に付随する疼痛、関節痛、関節炎痛(例えば、結晶性関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、痛風関節炎、反応性関節炎、関節リウマチまたはライテル関節炎に付随する疼痛)、仙腰痛、筋骨格痛、頭痛、偏頭痛、筋痛、腰痛、頸部痛、歯痛、歯/顎顔面痛、内臓痛等が挙げられる。本明細書において想定される1つ以上の疼痛状態は、種々のタイプの上記の疼痛および本明細書における疼痛(例えば侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛等)が混ざったものを含んでいることが可能である。いくつかの実施形態において、特定の疼痛が支配的であることが可能である。他の実施形態において、疼痛状態は、同程度の2つ以上のタイプの疼痛を含む。当業者としての臨床医は、疼痛状態に基づいて、特定の対象に対して治療的有効量を達成するための投与量を判定することが可能である。
【0449】
特定の実施形態において、疼痛状態は炎症性疼痛である。特定の実施形態において、疼痛状態(例えば、炎症性疼痛)は炎症性疾患および/または自己免疫性疾患に付随している。
【0450】
特定の実施形態において、状態は肝疾患であり、特定の実施形態において、組成物は、肝疾患の処置に有用な薬剤をさらに含む。例示的な肝疾患としては、これらに限定されないが、薬物性肝障害(例えば、アセトアミノフェン誘発肝障害)、肝炎(例えば、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール誘発肝炎、自己免疫性肝炎、脂肪性肝炎)、非アルコール性脂肪性肝疾患、アルコール誘発肝疾患(例えば、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変)、高コレステロール血症(例えば、重篤な高コレステロール血症)、トランスチレチン性遺伝性アミロイド症、肝硬変、肝臓癌、原発性胆汁性肝硬変、胆汁鬱滞、肝嚢胞性疾患および原発性硬化性胆管炎が挙げられる。特定の実施形態において、肝疾患には炎症が付随する。
【0451】
特定の実施形態において、状態は家族性アミロイドニューロパシーであり、特定の実施形態において、組成物は、家族性アミロイドニューロパシーにおいて有用な薬剤をさらに含む。
【0452】
投与が想定される「対象」としては、特に限定されないが、ヒト(すなわち、例えば、小児科の対象(例えば、乳児、小児、若者)または成年対象(例えば、若年成人、中年成人または老人)といった任意の年齢群の男または女)、ならびに/または、他の非ヒト動物、例えば哺乳動物[例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);ならびに、マウス、ラット、ハムスター、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌなどの商業的に重要な哺乳動物]およびトリ(例えば、ニワトリ、カモ、ガチョウおよび/またはシチメンチョウなどの商業的に重要なトリ)が挙げられる。特定の実施形態において、対象は非ヒト動物である。非ヒト動物はオスまたはメスであってもよく、成長段階のいずれにあってもよい。非ヒト動物は遺伝子組換え動物であってもよい。
【0453】
本明細書において用いられるところ、および、別段の規定がある場合を除き、「処置(treat)」、「処置する(treating)」および「処置(treatment)」という用語は、対象が特定の疾病、障害もしくは状態を患う間に生じる作用であって、疾病、障害もしくは状態の重症度を低減させるか、または、疾病、障害もしくは状態の進行を遅延させるかもしくは遅くする作用(「治療的処置」)が意図され、また、対象が特定の疾病、障害もしくは状態を患い始める前に生じる作用が意図される(「予防的処置」)。
【0454】
普通、有効成分の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起するのに十分な量を指す。当業者によって認識されるであろうとおり、本発明の化合物の有効量は、所望される生物学的エンドポイント、有効成分の薬物動態学、処置される疾病、投与形態、ならびに、対象の年齢、健康状態、および、状態などの要因に応じて様々であり得る。有効量は、治療的処置および予防的処置を包含する。
【0455】
本明細書において用いられるところ、および、別段の規定がある場合を除き、有効成分の「治療的有効量」は、疾病、障害もしくは状態の処置において治療的有益性をもたらすために十分な量、または、疾病、障害もしくは状態に付随する1つ以上の症状を遅延もしくは最低限とするために十分な量である。有効成分の治療的有効量は、単独で、または、他の薬剤もしくは治療との組み合わせで、疾病、障害もしくは状態の処置における治療的有益性をもたらす有効成分の量を意味する。「治療的有効量」という用語は、治療全体を改善し、疾病もしくは状態の症候もしくは原因を低減もしくは回避させ、または、他の治療薬の治療的効力を促進させる量を含むことが可能である。
【0456】
本明細書において用いられるところ、および、別段の規定がある場合を除き、有効成分の「予防的有効量」は、疾病、障害もしくは状態または疾病、障害もしくは状態に付随する1つ以上の症状を予防するか、または、その再発を予防するのに十分な量である。有効成分の予防的有効量は、有効成分、単独で、または、他の薬剤もしくは治療との組み合わせで、疾病、障害もしくは状態の予防に予防的有益性をもたらす量を意味する。「予防的有効量」という用語は、予防全体を改善するか、または、他の予防剤の予防的効力を促進する量を含むことが可能である。
【0457】
有効成分は、所望の結果を達成するために必要であると考えられるような量、時間および経路で投与され得る。有効成分の正確な量は、対象の種、年齢および全体的な状態、感染症の重症度、特定の有効成分、その投与形態、その活性形態等に応じて対象によって様々となる。APPL自体、または、薬剤と組み合わされたAPPLである有効成分は、投与の容易性および投与量の一様性のために投与量単位形態で配合されることが好ましい。しかしながら、有効成分の一日の合計使用量は担当医師によって確実な医学的判断の範囲内で決定されることとなることが理解されるであろう。いずれかの特定の対象に係る特定の治療的に有効な投与量レベルは、処置される障害および障害の重症度;利用される有効成分の活性;利用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および規定食;利用される特定の有効成分の投与時間、投与経路および排出速度;治療期間;利用される特定の有効成分と組み合わせされて、または、同時に用いられる薬物;ならびに、医学的技術分野において周知である同様の要因を含む多様な要因に応じることとなる。
【0458】
有効成分は任意の経路で投与され得る。いくつかの実施形態において、有効成分は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、髄腔内、皮下、心室内、経皮的、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局部的(粉末、軟膏剤、クリームおよび/または滴剤による)、粘液性、経鼻、口腔内、経腸的、舌下を含む多様な経路を介して;気管内滴注、気管支滴注および/または吸入により;ならびに/または、経口噴霧、経鼻噴霧および/またはエアロゾルとして投与される。普通、最も適切な投与経路は、有効成分の性質(例えば、胃腸管の環境におけるその安定性)、対象の状態(例えば、対象が経口投与に耐えることが可能であるかどうか)等を含む多様な要因に応じることとなる。
【0459】
治療的有効量または予防的有効量を達成するために必要とされる有効成分の正確な量は、対象の種、年齢および全体的な状態、副作用または障害の重症度、特定の化合物のアイデンティティ、投与形態等に応じて対象によって様々となる。例えば、子または青年に投与される量は医師または当業者により判定可能であり、成体に投与される量より少ないか、または、同じであることが可能である。
【実施例】
【0460】
本明細書に記載の本発明がより完全に理解され得るよう、実施例が以下に記載されている。これらの実施例は単なる例示を目的とするものであり、如何様にも本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0461】
薬物送達用アミノ酸−、ペプチド−およびポリペプチド−脂質(APPL)
生物学的薬剤の送達効率、特異性および毒性に関連する試みを解決するために、本発明者らは、新規アミノ酸系脂質誘導体の合理的な設計および最適化を通して、広範な治療範囲を有する効力を有すると共に選択的なsiRNA送達系を開発した。
【0462】
過去において、本発明者らによるグループは、siRNAを送達するための新規カチオン性脂質(リピドイド)を開発するために、組み合わせによる合成アプローチを探求してきた。例えば、Akinc,A.,et al.,A combinatorial library of lipid−like materials for delivery of RNAi therapeutics.Nat Biotechnol,2008.26(5):p.561−9;Love Kevin,T.,et al.,Lipid−like materials for low−dose,in vivo gene silencing.Proc Natl Acad Sci U S A.107(5):p.1864−9;Siegwart,D.J.,et al.,Combinatorial synthesis of chemically diverse core−shell nanoparticles for intracellular delivery.Proc Natl Acad Sci U S A.108(32):p.12996−3001を参照のこと。これらの化合物の多くが、顕著なサイレンシング効果をインビボで示した。例えば、Leuschner,F.,et al.,Therapeutic siRNA silencing in inflammatory monocytes in mice.Nat Biotechnol.29(11):p.1005−10を参照のこと。今までの研究では、新規材料の開発に係る重要な化学的および構造的特徴および配合方法が特定されてきた。例えば、Akinc,A.,et al.,Development of lipidoid−siRNA formulations for systemic delivery to the liver.Mol Ther,2009.17(5):p.872−9;Akinc,A.,et al.,Targeted delivery of RNAi therapeutics with endogenous and exogenous ligand−based mechanisms.Mol Ther.18(7):p.1357−64;Semple,S.C.,et al.,Rational design of cationic lipids for siRNA delivery.Nat Biotechnol.28(2):p.172−6を参照のこと。例えば、有効な化合物は、末端部長および複数の末端部に12個以上の炭素を有する。例えば、Love Kevin,T.,et al.,Lipid−like materials for low−dose,in vivo gene silencing.Proc Natl Acad Sci U S A.107(5):p.1864−9を参照のこと。効力、組織および細胞種の選択性、ならびに、忍容性を向上させるために、新規の化学骨格の設計および研究が必要である。
【0463】
アミノ酸は、性質的にペプチドおよびタンパク質の天然の基本単位である。アミノ酸誘導体はヒトの身体によって代謝されることが可能であり;従って、これらの材料は、薬物療法として十分に耐用性が示されると共に安全である可能性が高い。また、ペプチドは、膜輸送、内因性の細胞内シグナル伝達および輸送経路に大きく関与し、また、ペプチド部分が組み込まれた系の送達効率を促進させる相互作用の増大においてかなりの潜在性をもたらす。ヒトにおける顕著な生理学的機能および安全性有するために、インスリンおよびトラツズマブなどのアミノ酸系材料は、多様な疾病に係る臨床において栄養補助剤および治療製剤として幅広く適用されてきている。研究では、遺伝子送達またはsiRNA送達のためのアミノ酸−誘導体の適用が好ましいことが示されている。例えば、Prata,C.A.,et al.,Lipophilic peptides for gene delivery.Bioconjug Chem,2008.19(2):p.418−20;Adami,R.C.,et al.,An amino acid−based amphoteric liposomal delivery system for systemic administration of siRNA.Mol Ther.19(6):p.1141−51;Margus,H.,K.Padari,and M.Pooga,Cell−penetrating peptides as versatile vehicles for oligonucleotide delivery.Mol Ther.20(3):p.525−33を参照のこと。アミノ酸の天然特性およびリピドイドの構造的特徴の両方の利点を組み合わせることにより、本発明者らは、反復的なスクリーニングプロセスおよび合理的に設計した一連のアミノ酸系脂質誘導体を通して、構造最適化ストラテジーを適用した。この一連の新規アミノ酸系脂質誘導体の設計、合成および生物学的評価が本発明者らにより報告されている。この効率的で合理的なストラテジーにより、リード物質cKK−E12が得られた。本発明者らは、その送達効率、組織および細胞種選択性、忍容性、ならびに、作用メカニズムを体系的に究明した。本結果は、この送達系が、種々の疾病の処置に対して大きい潜在性を示す、siRNAの効率的で、選択的で、かつ、安全な送達のための新規な構築基盤であることを実証する。
【0464】
一般的な方法
方法1.式(I)〜(III)の化合物の調製。式(i)への共役。
EtOH中のアミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドおよび共役剤(エポキシド、チイランまたはアジリジン)の混合物(1.5:1〜3:1の共役剤対アミンの比)を、150℃のマイクロ波オーブン中で5時間照射に供した。反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドが塩形態である場合には、この溶液にトリエチルアミンを添加し、照射に先立って、室温で30分間撹拌した。
【化130】
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【化131】
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【0465】
方法2.式(I)〜(III)の化合物の調製。式(ii)への共役。
アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドおよび共役剤(アクリレートまたはアクリルアミド)(1.5:1〜3:1のアクリレートまたは共役剤対アミン比)のエタノール(EtOH)、イソプロパノール(iPrOH)またはアセトニトリル中の混合物を90℃に加熱し、2時間〜2日間撹拌した。反応溶液をシリカゲルで濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
【化132】
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【化133】
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【化134】
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【0466】
方法3.式(I)〜(III)の化合物の調製。式(iii)への共役。
アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドおよび共役剤(アルデヒド)(1.5:1〜3:1のアルデヒド対アミン比)のTHFの溶液に、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(NaBH(OAc))を室温で添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応溶液をシリカゲルで濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
【化135】
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【化136】
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【0467】
方法4.式(IV)の化合物の調製
式(IV)の化合物は、環化生成物が得られる、Xが例えば、ブロモ、クロロまたはヨードといった脱離基である活性化シュウ酸による1,2−ジアミンの縮合を介して調製され得る。式(i)、(ii)もしくは(iii)の基は、例えば、Rのアミノ側鎖置換基またはイミノ窒素族Rへの付加を介して環化後に導入され得る。例えばR基といった骨格上の他の基は環化の前に係る導入され得る。例えば、Rは、環化前に導入される式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり得る。
【化137】
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【0468】
方法5.式(V)の化合物の調製
式(V)および(VI)の化合物は、環化生成物が得られる、Xが例えば、ブロモ、クロロまたはヨードといった脱離基である活性化マロン酸による1,1−ジアミンの縮合を介して調製され得る。式(i)、(ii)もしくは(iii)の基は、例えば、Rのアミノ側鎖置換基またはイミノ窒素族Rへの付加を介して、環化後に導入され得る。例えばR基といった骨格上の他の基は環化の前に係る導入され得る。例えば、Rは、環化前に導入される式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり得る。
【化138】
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【0469】
方法6.式(VI)の化合物の調製
式(VI)の化合物は、環化生成物が得られる、Xが例えば、ブロモ、クロロまたはヨードといった脱離基である活性化コハク酸によるヒドラジンの縮合を介して調製され得る。式(i)、(ii)もしくは(iii)の基は、例えば、Rのアミノ側鎖置換基またはイミノ窒素族Rへの付加を介して、環化後に導入され得る。例えばR基といった骨格上の他の基は環化の前に係る導入され得る。例えば、Rは、環化前に導入される式(i)、(ii)もしくは(iii)の基であり得る。
【化139】
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【0470】
【表2】
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【0471】
【表3】
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【0472】
【表4】
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【0473】
【表5】
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【0474】
【表6】
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【0475】
【表7】
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【0476】
【表8】
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【0477】
【表9】
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【0478】
【表10】
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【0479】
【表11】
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【0480】
【表12】
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【0481】
【表13】
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【0482】
【表14】
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【0483】
【表15】
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【0484】
合成手法
実施例1.APPLの合成
スキームA〜Rに、本発明の式(I)〜(VI)のAPPLへの一般的な合成経路が示されている。これらの方法を適用することで、表4および表5に示されている多様なAPPLが生成される。
【0485】
化合物は、アミノ酸、アルデヒド(A)、アクリレート(O)、アミド(N)またはエポキシド(E)の略記、および、炭素鎖の長さの組み合わせにより命名した。例えば、K−E12は、リシンと1,2−エポキシドデカンとの反応を表す。
【0486】
【表16】
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【0487】
【表17】
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【0488】
【表18】
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【0489】
【表19】
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【0490】
【表20】
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【0491】
【表21】
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【0492】
【表22】
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【0493】
【表23】
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【0494】
【表24】
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【0495】
【表25】
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【0496】
【表26】
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【0497】
【表27】
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【0498】
【表28】
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【0499】
【表29】
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【0500】
【表30】
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【0501】
【表31】
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【0502】
【表32】
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【0503】
【表33】
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【0504】
【表34】
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【0505】
【表35】
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【0506】
【表36】
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【0507】
【表37】
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【0508】
【表38】
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【0509】
【表39】
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【0510】
【表40】
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【0511】
【表41】
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【0512】
【表42】
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【0513】
【表43】
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【0514】
【表44】
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【0515】
【表45】
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【0516】
【表46】
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【0517】
【表47】
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【0518】
【表48】
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【0519】
【表49】
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【0520】
【表50】
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【0521】
【表51】
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【0522】
【表52】
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【0523】
【表53】
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【0524】
【表54】
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【0525】
表5の化合物の例示:
【化140】
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【化141】
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【化142】
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【化143】
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【化144】
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【化145】
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【化146】
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【化147】
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【化148】
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【0526】
実施例2.化合物23の代替的な合成(cKK−E12)
【化149】
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化合物Bの合成。化合物A(487mg、1.02mmol)を10mlフラスコに仕込み、トリフルオロ酢酸(TFA、1.3mL)を0℃で滴下した。反応混合物を室温に温め、30分間撹拌した。溶剤を減圧下で蒸発させ、DMF中のTFA塩(3.5mL)を0℃でピリジン(100mL)に滴下した。反応混合物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌した。溶剤を減圧下で蒸発させ、白色の固体をEtOAcで洗浄して純粋なBを69%の収率で得た。MS:m/z 525(M+H);H NMR(500MHz,DMSO,ppm):δ1.29−1.40(m,8H,CHCH),1.61−1.68(m,4H,CH),2.97(dd,J=6.0,12.5Hz,4H,NCH),3.79(br,2H,COCH),7.22(t,J=5.5Hz,2H,aromatic),7.33−7.37(m,8H,aromatic),8.10(s,2H,NH)。
【0527】
化合物Cの合成。50%酢酸/CHCl(6mL)中の化合物Bの混濁した溶液(95mg、0.18mmol)に、パラジウム炭素(10重量%、36.5mg)を加えた。黒色の懸濁液を5分間脱気し、水素ガスを導入した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、セライト層を通してろ過し、これを数回MeOHで洗浄した。組み合わせた濾液を濃縮して黄色の粘性の油を得、EtOAcを添加することによりこれを固化させた。固体を酢酸エチルにより洗浄して化合物Cを90%の収率で得た。MS:m/z 257(M+H);H NMR(500MHz,DO,ppm):δ1.39−1.52(m,4H,CH),1.67−1.71(m,4H,CH),1.84−1.88(m,4H,CH),2.99(t,J=7.5Hz,4H,NCH),4.14(t,J=5.0Hz,2H,COCH)。
【0528】
化合物23(cKK−E12)の合成。化合物C(169.2mg、0.45mmol)および1,2−エポキシドデカン(523mg、2.7mmol)のEtOH中の混合物をトリエチルアミン(182mg、1.8mmol)に添加し、これを室温で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を、150℃のマイクロ波オーブン中で5時間照射に供した。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物23(52%の収率)を明るい黄色の油として得た。MS:m/z 993(M+H);H NMR(500MHz,DMSO,ppm):δ0.87(t,J=7.0Hz,12H,CH),1.21−1.39(m,80H,CH),1.64−1.67(m,4H,CH),2.25−2.44(m,12H,NCH),3.44(br,4H,CHOH),3.79(br,2H,COCH),4.21(d,J=3.0Hz,2H,CHOH),4.27(d,J=3.0Hz,2H,CHOH),8.11(br,2H,CONH)。
【0529】
実施例3.化合物Dの合成
化合物Dは、乾燥トルエン中における23とローソン試薬との反応により合成可能であると考えられる。
【化150】
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【0530】
実施例4.化合物Eの合成
化合物Eは、メタノール中における23と塩酸ヒドロキシルアミンまたは他の置換アミンとの反応により合成可能であると考えられる。
【化151】
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【0531】
生物学的方法
siRNA配合物
配合物A
APPL、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロールおよびmPEG2000−DMGを、50:10:38.5:1.5のモル比で90%エタノール中に可溶化した。siRNA(対ホタルルシフェラーゼまたはfVII)を、10mMクエン酸、pH3緩衝剤中に、0.4mg/mLの濃度で可溶化させた。エタノール性脂質溶液および水性siRNA溶液をシリンジポンプによりマイクロ流体混合チャンバに送出して、siRNA−含有脂質ナノ粒子を自発的に形成させた。7:1(wt:wt)の全脂質対siRNA比で、脂質をsiRNAと組み合わせた。これらの配合物をPBSに対して透析してエタノールを除去し、緩衝剤を交換した。
【0532】
配合物B
マイクロ流体系混合デバイスを介して、コレステロール(Sigma−Aldrich)、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン,Avanti)、mPEG2000−DMG(Alnylamにより合成)、および、siRNAでAPPLを配合した。例えば、Chen,D.,et al.,Rapid Discovery of Potent siRNA−Containing Lipid Nanoparticles Enabled by Controlled Microfluidic Formulation.J Am Chem Socを参照のこと。次いで、配合物を、3,500MWCO透析カセット(Pierce)において一晩かけてPBSに対して透析した。粒子を、平均粒径に係るsiRNA捕捉および動的光散乱(ZetaPALS、Brookhaven Instruments)について、改良型Ribogreenアッセイ(Invitrogen)で特徴付けた。cKK−E12配合物を、50:10:38.5:1.5のモル比で同様の方法を用いて、コレステロール、DSPCおよびmPEG2000−DMGから形成した。この配合物では、60〜70nmの粒径と、およそ65%siRNA捕捉が得られた。
【0533】
インビトロルシフェラーゼ遺伝子サイレンシング
ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼを安定して発現するHeLa細胞を、不透明で白色の96−ウェルプレート(Corning−Costar)の各ウェルに播種(14,000個の細胞/ウェル)し、一晩増殖培地に付着させた。増殖培地は、90%フェノールレッド−フリーDMEM、10%FBS、100ユニット/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシン(Invitrogen)で組成した。配合した粒子の増殖培地への追加により抗ルシフェラーゼsiRNAで配合されたLNPを細胞に形質移入した。形質移入は4回反復して行った。細胞を37℃、5%CO2で1日間増殖させ、次いで、ルシフェラーゼ発現について分析した。対照例をベンダー(Invitrogen)により記載されているとおり、リポフェクタミン2000で行った。ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼ発現は、Dual−Gloアッセイキット(Promega)を用いて分析した。発光はVictor3ルミノメータ(Perkin Elmer)を用いて計測した。
【0534】
マウスにおけるインビボ第VII因子遺伝子サイレンシング
C57BL/6マウス(Charles River Labs)をsiRNAサイレンシング実験に用いた。注入に先立って、各マウスに0.01mL/g体重の投与量で投与されるよう、配合物を、siRNA濃度でPBS中に希釈した(配列番号1(siFVIIセンス):5’−GGAucAucucAAGucuuAcT*T−3’;配列番号2(アンチセンス):5’−GuAAGAcuuGAGAuGAuccT*T−3’)。配合物を尾静脈注射を介して静脈内に投与した。48時間または72時間後、体重の増加/低減を計測し、後眼窩眼採血により血液サンプルを採取するためにイソフルオラン吸入によってマウスに麻酔をかけた。血清分離チューブ(Falcon tube,Becton Dickinson)で血清を単離し、第VII因子タンパク質レベルを色素生産性アッセイ(Biophen FVII,Aniara Corporation)により分析した。検量線をPBS−注入マウスからのサンプルを用いて作成し、相対的な第VII因子発現を、処置した群と未処置のPBS対照とを比較することにより判定した。
【0535】
マウスにおける生体内分布Cy5.5−標識化siRNA−cKK−E12配合物。
上記のマウスに、1mg/kgの全siRNAの投与量で配合したCy5.5−標識化siRNAを全身注入した。注射から1時間または24時間後にマウスを屠殺し;次いで、膵臓、脾臓、肝臓、腎臓、卵巣、子宮、心臓、肺および胸腺、ならびに、脂肪組織および筋肉組織の一部を取り出し、撮影した。器官を、675nmの励起波長および720nmの発光波長を用いてCaliper製のIvis imaging systemで試験した。データを、Caliper製のLiving Imageソフトウェアを用いて処理した。個々の器官のシグナル強度をすべての器官の総シグナル強度に対して規準化した。
【0536】
インビトロsiRNA形質移入アッセイおよび顕微鏡法。
既に報告したとおり、HeLa細胞におけるインビトロsiRNA形質移入アッセイにより、アポリタンパク質の効果を評価した。ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼを安定して発現するHeLa細胞を不透明で白色の96−ウェルプレート(Corning−Costar)に一晩播種した。50ngのホタル特異的siLucと共に配合したcKK−E12により細胞に形質移入し、これを4回反復した。アポリタンパク質(Fitzgerald Industries)を、細胞に加える前に、cKK−E12配合物と共に5分間インキュベートした。37℃、5%COで24時間インキュベーションした後、細胞を、Dual−Gloアッセイキット(Promega)を用いてルシフェラーゼ発現について分析した。細胞取り込みを可視化するために、cKK−E12をAlexa−Fluor 647−標識化siRNAと共に配合し、Hela細胞と共に3時間インキュベートした。次いで、細胞を4%パラホルムアルデヒドに固定し、0.1%サポニンで透過処理し、Hoeschtで着色した。Opera spinning disc confocal system(Perkin Elmer)を用いてすべてのイメージを撮像し、Acapellaソフトウェア(Perkin Elmer)を用いてデータを分析した。
【0537】
考察
単一アミノ酸をアルデヒド、アクリレートおよびエポキシドと反応させてAPPLを生成した。新しく合成した単一アミノ酸系脂質誘導体を、マウスにおける肝臓遺伝子のサイレンシング能について評価した。有効遺伝子標的である第VII因子(血液凝固因子)を、サイレンシングマーカーとして選択した。例えば、Akinc,A.,et al.,A combinatorial library of lipid−like materials for delivery of RNAi therapeutics.Nat Biotechnol,2008.26(5):p.561−9を参照のこと。新しい脂質誘導体を、コレステロール、DSPC、PEG−脂質およびsiRNAと共に、マイクロ流体系混合技術により配合した。例えば、Chen,D.,et al.,Rapid Discovery of Potent siRNA−Containing Lipid Nanoparticles Enabled by Controlled Microfluidic Formulation.J Am Chem Soc.を参照のこと。溶液中において不安定であるか、または、siRNAが捕捉されなかった配合物はスクリーニングを行わなかった。安定な配合物を、1mg/kgの投与量で全身投与によりマウスに注射した(図1)。この初期スクリーニングから、本発明者らは、K−E12が他のものよりも効力があることを確認した。ヒット率(50%超サイレンシング)は、60種の化合物中のものであった(すなわち、1.7%、粒子の不安定性またはsiRNAが捕捉されていないことによりスクリーニングしていない化合物も含む)。
【0538】
K−E12の促進された効力により、本発明者らは、第2の組のリシン系ペプチドおよびポリペプチド−脂質誘導体を設計した。リシン系ジペプチドをエポキシドと反応させてジケトピペラジンAPPLを得た。マイクロ波照射を利用してこれらの骨格を生成したところ、これにより、反応時間が3日間から5時間に劇的に短縮された。加えて、化学構造をさらに確認し、および、大規模合成に際する化学的入手可能性を改善するために、cKK−E12の合成に対する代替的な合成経路を開発した(実施例2)。ジアミン5を、既に報告されている方法に従って合成し(Bergeron,R.J.,et al.,Macromolecular Self−Assembly of Diketopiperazine Tetrapeptides.J.Am.Chem.Soc.,1994.116(19):p.8479−84;Kaur,N.,et al.,A Delineation of Diketopiperazine Self−Assembly Processes:Understanding the Molecular Events Involved in N−(Fumaroyl)diketopiperazine of L−Lys(FDKP)Interactions.Mol.Pharmaceutics,2008.5(2):p.294−315)、これを、1,2−エポキシドデカンと反応させてcKK−E12を得た。化合物(C)を還元性アミノ化、または、ドデカナルもしくはドデシルアクリレートとのマイケル付加反応に供して、cKK−A12およびcKK−O12を得た。リシン−リシンとポリ−L−リシン(500〜70000g/molの分子量)との反応、および、アルデヒドとアクリレートとの反応は、単一アミノ酸のものと同様であった。
【0539】
次に、サイレンシング効果を評価した。43種の化合物中10種が1mg/kgの投与量で約50%のサイレンシングを示した。第2の組の化合物のヒット率は23%であり、これは、第1の組の材料と比して10倍を超える効率であった。結果から、本発明者らによる反復的なスクリーニングプロセスは、リード化合物を同定するための効率的なストラテジーであることが示唆された。第2の組からの結果から、エポキシド誘導体は、アルデヒドおよびアクリレート誘導体よりも効力を有していたことも示された(cKK−E12対cKK−A12&cKK−O12など)。ヒット材料を、0.1mg/kgのより少ない投与量でさらにテストした。末端部長がサイレンシングに顕著に影響を及ぼし、12〜14個の炭素末端部長が好ましいように思われた(cKK−E10、−E12、−E14および−E16)。cKK−E12は最も効力を有する材料であり、さらなる調査のために選択した。
【0540】
生体内分布の研究
生体内分布の研究を、裸のCy5.5で標識化したsiRNAおよび配合したcKK−E12で行った。cKK−E12配合物中の遊離siRNAによる寄与を差し引くことにより、1時間の時点で粒子の80%超が肝臓にて見出され、最も残存性のsiRNAは24時間後に腎臓を介して排出されていた(図2)。
【0541】
細胞取り込みおよび遺伝子サイレンシングに対するアポリタンパク質の効果
過去の研究によれば、アポリタンパク質E(ApoE)は一定のタイプの材料について細胞取り込みおよび遺伝子サイレンシングを促進させることが可能であることが報告されている。Akinc,A.,et al.,Targeted delivery of RNAi therapeutics with endogenous and exogenous ligand−based mechanisms.Mol Ther.18(7):p.1357−64。細胞取り込みおよび遺伝子サイレンシングに対する多様なアポリタンパク質の影響をテストするために、ならびに、作用メカニズムを調べるために、cKK−E12と、ApoA、ApoB、ApoC、ApoEおよびApoHの11種のアイソフォームとで実験を行った。Hela細胞における結果によれば、ApoBを除き、ほとんどのアポリタンパク質は細胞バイアビリティに影響を与えていないことが示された。ApoA、ApoCおよびApoHは、遊離cKK−E12と比して、サイレンシングに対する顕著な影響を示さなかった(図3)。しかしながら、4種の異なるApoEアイソフォームは、ルシフェラーゼサイレンシングを顕著に向上させた。
【0542】
cKK−E12、cKK−A12およびcKK−O12の活性を、apoE3(apoE3はヒトにおける優性なアイソフォームである。図4A)の添加を伴って、および、伴わずに比較した。ApoE3を添加しない場合、cKK−A12はcKK−E12およびcKK−O12よりも効力を有していた。しかしながら、ApoE3を添加すると、サイレンシング効果の順番はcKK−E12>cKK−A12>cKK−O12であり、これは、インビボ活性とよく相関していた。結果により、肝細胞サイレンシングに係る予備的スクリーニングについては、ApoEの添加を伴う細胞アッセイが実践的で効果的なモデルであり得ることが示唆された。加えて、Alexa−Fluor 647標識化siRNAと共に配合されたcKK−E12の細胞取り込みを、自動共焦点顕微鏡を用いて可視化した(図4B)。
【0543】
他の実施形態
特許請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、別段の定めがある場合、または、文脈から明白である場合を除き、1つもしくは2つ以上を意味し得る。1つの群における1つ以上の構成要素の間に「または・もしくは」を含む特許請求の範囲または記載は、別段の定めがある場合、または、文脈から明白である場合を除き、所与の生成物もしくはプロセスにおいて、前記群の構成要素の1つ、2つ以上もしくはすべてが、存在し、採用され、または、関連している場合に充足されると考えられる。本発明は、所与の生成物もしくはプロセスにおいて、前記群における正確に1つの構成要素が存在し、採用され、または、関連している実施形態を含む。本発明は、所与の生成物またはプロセスにおいて、前記群の構成要素の2つ以上もしくはすべてが存在し、採用され、または、関連している実施形態を含む。
【0544】
しかも、本発明は、列挙された請求項の1つ以上に由来する1つ以上の限定、要素、文節および記述用語が他の請求項に導入されることによるすべての変更、組み合わせおよび置き換えを包含する。例えば、他の請求項に従属するいずれかの請求項は、同一の基礎となる請求項に従属するいずれかの他の請求項において見出される1つ以上の限定を包含して修正されることが可能である。例えばマーカッシュ群の形式で要素が列挙して提示されている場合、要素の下位群の各々もまた開示されており、要素のいずれかをこの群から外すことが可能である。一般的に、本発明または本発明の態様が特定の要素および/または特徴を含むと言及される場合、本発明の特定の実施形態または本発明の態様は、このような要素および/または特徴から構成されるか、または、基本的に構成されると理解されるべきである。簡潔性のために、これらの実施形態は、本明細書においてこのようには特に記載されていない。「を含む」および「を含有する」という用語は、排他的ではなく、追加の要素またはステップの包含を許容することが意図されていることにも注目されたい。範囲が記載されている場合には、両方の端点が含まれる。さらに、別段の定めがある場合、または、文脈および技術分野における当業者の理解に基づいて明白である場合を除き、範囲として表記されている値においては、文脈により別段の指示が明らかでない限り、本発明の異なる実施形態に記載されている範囲内において、いずれかの特定の値または下位の範囲を前記範囲の下限の単位の10分の1まで仮定することが可能である。
【0545】
本出願は、すべてが参照により本明細書において援用されている、種々の発行された特許、公開された特許出願、学術記事、書籍、マニュアルおよび他の刊行物を参照する。援用された文献のいずれかと、本明細書との間に齟齬が存在する場合、本明細書が優先されるべきである。加えて、従来技術に属する本発明の特定の実施形態のいずれかは、いずれかの1つ以上の請求項からは明示的に除外され得る。このような実施形態は技術分野における当業者に公知であるとみなされるため、これらは、本明細書において明示的に除外されていない場合においても除外され得る。本発明の特定の実施形態のいずれかは、従来技術の存在に関連しているかに関係なく、いかなる理由によってもいずれかの請求項から除外可能である。
【0546】
当業者は、多くのルーチン的な実験を行うことなく、本明細書に記載の特定の実施形態の均等物を認識または確認可能である。本明細書に記載の本実施形態の範囲が上記の記載に限定されることは意図されておらず、添付の特許請求の範囲に記載されているとおりであることが意図されている。当業者は、以下の特許請求の範囲において定義されているとおり、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく、本記載に対する種々の変更および修正が可能であり得ることを認めるであろう。
図1
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図2
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図3
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図4
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