(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522761
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】無人航空機及びその距離測定フィルター装置、方法及び当該方法に基づいた距離測定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 15/08 20060101AFI20190520BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20190520BHJP
B64D 45/00 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
G01S15/08
B64C39/02
B64D45/00 A
【請求項の数】24
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-535766(P2017-535766)
(86)(22)【出願日】2016年10月20日
(65)【公表番号】特表2018-511778(P2018-511778A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】CN2016102726
(87)【国際公開番号】WO2017067478
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2017年8月25日
(31)【優先権主張番号】201510698196.0
(32)【優先日】2015年10月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517175530
【氏名又は名称】コアンチョウ・エックスエアークラフト・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ヨウション
【審査官】
▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103365295(CN,A)
【文献】
特開2015−024705(JP,A)
【文献】
特開平05−027031(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0067351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52 − G01S 7/64
G01S 15/00 − G01S 15/96
G05D 1/00 − G05D 1/12
B64C 39/02
B64D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機の底部に設けられたソナーセンサーに基づいて測定された連続的なN個の距離を取得し、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定し、そのうち、Nは2より大きい整数であり、前記距離は前記無人航空機の地面に対する距離であるステップと、
初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて、現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項2】
ソナーセンサーを用いて所定時間内で測定された連続的なN個の距離の導関数を求め、前記無人航空機のN−1個の移動速度を取得するステップS11と、
前記N−1個の移動速度の分散を求めるステップS12と、
前記分散が第1の所定値以下であるか否かを判断するステップS13と、
はいである場合、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成するステップS14と、により、
無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項3】
初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するステップは、
前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて前記S11〜S12を実行するステップS21と、
現在求められた移動速度の分散が第2の所定値以下であるか否かを判断するステップS22と、
はいである場合、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS23と、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項4】
前記ステップS22の後に、さらに、
前記現在求められた移動速度の分散が第2の所定値より大きい場合、前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて前記S11及びS12を実行し、取得された速度分散が第2の所定値以下であるか否かを判断するステップS24と、
取得された速度分散が第2の所定値以下である場合、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS25と、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項5】
前記ステップS24の後に、さらに、
取得された速度分散が前記第2の所定値より大きい場合、前記現在測定された距離を新しいバッファキューに加え、前記新しいバッファキューがN個の距離に達した時、前記新しいバッファキューの導関数を求め、対応するN−1個の移動速度の分散を求め、前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値以下である場合、前記新しいバッファキューで前記初期距離バッファキューを取り替え、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS26を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項6】
前記ステップS26の後に、さらに、
前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値より大きい場合、前記現在測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて前記無人航空機の現在位置の推定値を取得し、前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS27を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項7】
ソナーセンサーを用いて距離を連続的に測定して失敗した回数が所定回数より大きい、又は連続的に測定して取得したノイズの個数が所定個数より大きい場合、前記初期距離バッファキューをクリアし、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項8】
前記第1の所定値は前記無人航空機の最大加速度というパラメーターにより特定される、
ことを特徴とする請求項3に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項9】
前記第2の所定値は前記第1の所定値の2倍である、
ことを特徴とする請求項8に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項10】
前記ステップS11の前に、さらに、
ソナーセンサーを用いて連続的なM個の距離を測定して取得し、そのうち、前記Mは前記Nより大きいステップと、
前記M個の距離からN個の最大距離を抽出し、前記N個の最大距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項11】
前記ステップS13の後に、さらに、
前記分散が前記第1の所定値より大きい場合、前記分散が前記第1の所定値以下となるまで、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、最新の測定された距離を前記初期距離バッファキューに移す、
ことを特徴とする請求項請求項2に記載の無人航空機の距離測定フィルター方法。
【請求項12】
無人航空機の距離測定フィルター装置であって、前記無人航空機は前記無人航空機の底部に設けられたソナーセンサーを用いて前記無人航空機の地面に対する距離を測定し、前記距離測定フィルター装置は、
ソナーセンサーに基づいて測定された連続的なN個の距離を取得し、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定し、そのうち、Nは2より大きい整数である測定モジュールと、
初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて、現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するフィルターモジュールと、を含む、
ことを特徴とする無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項13】
前記測定モジュールは、具体的に、前記ソナーセンサーが所定時間内で測定した連続的なN個の距離の導関数を求め、前記無人航空機のN−1個の移動速度を取得し、前記N−1個の移動速度の分散を求め、また前記分散が第1の所定値以下であるか否かを判断し、前記分散が第1の所定値以下である場合に、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成する、
ことを特徴とする請求項12に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項14】
前記フィルターモジュールは、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得する場合に、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離の導関数を求め、N−1個の移動速度を取得し、また前記N−1個の移動速度の第1の分散を求め、前記第1の分散が第2の所定値以下であるか否かを判断し、また前記第1の分散が第2の所定値以下である場合に、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする、
ことを特徴とする請求項13に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項15】
前記フィルターモジュールは、さらに、前記第1の分散が第2の所定値より大きい場合に、前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて移動速度の第2の分散を求め、前記第2の分散が前記第2の所定値以下である場合に、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする、
ことを特徴とする請求項14に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項16】
前記フィルターモジュールは、さらに、前記第2の分散が前記第2の所定値より大きい場合に、前記現在測定された距離を新しいバッファキューに加え、前記新しいバッファキューがN個の距離に達した場合に、前記新しいバッファキューの導関数を求め、対応するN−1個の移動速度の分散を取得し、また前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値以下である場合に、前記新しいバッファキューで前記初期距離バッファキューを取り替え、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする、
ことを特徴とする請求項15に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項17】
前記フィルターモジュールは、さらに、前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値より大きい場合に、前記現在測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて前記無人航空機の現在位置の推定値を取得し、前記無人航空機の実際飛行距離とする、
ことを特徴とする請求項16に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項18】
前記測定モジュールは、さらに、前記ソナーセンサーが距離を連続的に測定して失敗した回数が所定回数より大きい、又は連続的に測定して取得したノイズの個数が所定個数より大きい場合に、前記初期距離バッファキューをクリアし、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項19】
前記第1の所定値は前記無人航空機の最大加速度というパラメーターにより特定される、
ことを特徴とする請求項14に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項20】
前記第2の所定値は前記第1の所定値の2倍である、
ことを特徴とする請求項19に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項21】
前記測定モジュールは、さらに、前記ソナーセンサーにより連続的なM個の距離を測定して取得し、そのうち、前記Mは前記Nより大きく、また前記M個の距離からN個の最大距離を抽出し、前記N個の最大距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する、
ことを特徴とする請求項13に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項22】
前記フィルターモジュールは、さらに、前記測定モジュールが取得した前記分散が前記第1の所定値より大きい場合に、前記分散が前記第1の所定値以下となるまで、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、最新の測定された距離を前記初期距離バッファキューに移す、
ことを特徴とする請求項13に記載の無人航空機の距離測定フィルター装置。
【請求項23】
請求項12〜22のいずれかに記載の無人航空機の距離測定フィルター装置を含む、
ことを特徴とする無人航空機。
【請求項24】
請求項1〜11のいずれかに記載の無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法であって、
前記無人航空機のソナーセンサーにより所定時間内で連続的なM個の距離を取得し、前記M個の距離からN個の最大距離を抽出し、そのうち、前記Mは前記Nより大きいステップと、
前記連続的なN個の距離に基づいて前記無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップと、
前記初期距離バッファキュー及び初期速度に基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする距離測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機技術分野に関し、特に無人航空機、無人航空機の距離測定フィルター方法及び当該方法に基づいた距離測定方法、無人航空機の距離測定フィルター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機の低空、特に地面に近い自律飛行を実現するには、無人航空機の現在の標高を知る必要があるほかに、無人航空機の地面に対する高さをも知る必要がある。無人航空機の標高に関する情報は、一般的に気圧計、GPSなどにより測定し得る。無人航空機の地面に対する高さは、ソナー距離測定、レーザー距離測定、マイクロ波レーダー距離測定及びマシンビジョン測定方法などの方式で取得することが出来る。
【0003】
レーザー距離測定方法は、光線の影響を受けやす
い。マシンビジョン距離測定方法はアルゴリズムが比較的に複雑であるうえに、光線の影響をも受けやすい。ソナー距離測定は、光線の影響を受けなく、一日中使用することができるうえに
、システムの複雑性が低い。ソナー距離測定が応用される従来の環境は、無人航空機での使用環境とまったく異なり、例えば、移動するロボットに取付られる、又は固定された空間内などに取付られる。こういう環境においてソナーセンサーが測定したデータ自体は比較的に正確であ
る。
【0004】
無人航空機の環境は、その他の環境とまったく異なる特徴がある。例えば、無人航空機のプロペラの高速回転による機体の高周波数の振動、プロペラの回転による気流の乱れ、無人航空機の飛行過程における姿勢の急速的な傾斜変化の繰り返し、プロペラの高速回転過程において引き起こした電源の不安定、無人航空機の地面に対する距離を測定する場合に、地面の環境が比較的に複雑であるなどが挙げられる。これらの複雑な状況は、いずれも無人航空機搭載のソナー距離測定に比較的深刻なノイズを与え、ひいては距離測定が失敗することになるため、無人航空機自体の特徴に対し、無人航空機の環境応用に適する距離測定フィルタールゴリズムを設計しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1側面の実施例は、ソナー
センサーに基づいて測定された連続的なN個の距離を取得し、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定し、そのうち、Nは2より大きい整数であるステップと、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するステップと、を含む無人航空機の距離測定フィルター方法を提供する。
【0006】
そのうち、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する前記ステップは、前記連続的なN個の距離に基づいてN−1個の移動速度を取得し、前記N−1個の移動速度の相違度値を求めるステップと、前記N−1個の移動速度の相違度値に基づいて、取得された各距離が有効であるか否かを判断するステップと、有効であると、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成するステップと、を含む。
【0007】
本発明の一つの実施例によると、前記相違度値が分散である場合に、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップS1は、具体的に、ソナー
センサーを用いて所定時間内で測定された連続的なN個の距離の導関数を求め、前記無人航空機のN−1個の移動速度を取得するステップS11と、前記N−1個の移動速度の分散を求めるステップS12と、前記分散が第1の所定値以下であるか否かを判断するステップS13と、はいであると、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成するステップS14と、を含む。
【0008】
初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するステップS2は、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて前記S11〜S12を実行するステップS21と、現在求められた分散が第2の所定値以下であるか否かを判断するステップS22と、はいであると、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS23と、を含む。
【0009】
本発明の実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法は、まずソナーセンサーが測定した初期距離を特定し、初期距離の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、連続的な移動速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより現在測定された距離が有効であるか否かを特定し、現在測定された距離が条件を満たしていると、現在測定された距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新する。現在測定された距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して新しい現在測定された距離とし、初期距離データーを更新しない。本方法は、無人航空機環境におけるソナーセンサーの測定ノイズをフィルターして取り除くことができ、フィルター効果がよく、且つ位相の遅延がなく、ソナーセンサーのデータ測定の正確性及び安定性を高める。
【0010】
また、本発明の上記実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法は、以下の付加的な技術特徴をさらに有する。
【0011】
一部の例において、前記ステップS22の後に、さらに、前記現在求められた分散が第2の所定値より大きい場合、前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて前記S11及びS12を実行し、取得された速度分散が第2の所定値以下であるか否かを判断するステップS24と、取得された速度分散が第2の所定値以下であると、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS25と、を含む。
【0012】
一部の例において、前記ステップS24の後に、さらに、取得された速度分散が前記第2の所定値より大きい場合、前記現在測定された距離を新しいバッファキューに加え、前記新しいバッファキューがN個の距離に達した場合に、前記新しいバッファキューの導関数を求め、対応するN−1個の移動速度の分散を取得し、前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値以下であると、前記新しいバッファキューで前記初期距離バッファキューを取り替え、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS26を、含む。
【0013】
一部の例において、前記ステップS26の後に、さらに、前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値より大きいと、前記現在測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて前記無人航空機の現在位置の推定値を取得し、前記無人航空機の実際飛行距離とするステップS27を、含
む。
【0014】
一部の例において、ソナー
センサーで距離を連続的に測定して失敗した回数が所定回数より大きい、又は連続的に測定して取得したノイズの個数が所定個数より大きい場合、前記初期距離バッファキューをクリアし、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定する
。
【0015】
一部の例において、前記第2の所定値は前記第1の所定値の2倍である。
【0016】
一部の例において、前記S11の前に、さらに、ソナー
センサーで連続的なM個の距離を測定して取得し、そのうち、前記Mは前記Nより大きいステップと、前記M個の距離からN個の最大距離を抽出し、前記N個の最大距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップと、を含む。
【0017】
一部の例において、前記S13の後に、さらに、前記分散が前記第1の所定値より大きい場合、前記分散が前記第1の所定値以下となるまで、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、最新の測定された距離を前記初期距離バッファキューに移すステップを、含む。
【0018】
本発明の第2側面の実施例は、無人航空機の距離測定フィルター装置をさらに提供する。前記無人航空機はソナーセンサーを用いて距離を測定し、前記距離測定フィルター装置は、ソナー
センサーに基づいて測定された連続的なN個の距離を取得し、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定し、そのうち、Nは2より大きい整数である測定モジュールと、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するフィルターモジュールと、を含む。
【0019】
そのうち、前記測定モジュールは、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する場合に、前記連続的なN個の距離に基づいてN−1個の移動速度を取得し、前記N−1個の移動速度の相違度値を求め、また前記N−1個の移動速度の相違度値に基づいて、取得された各距離が有効であると判断した場合に、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成する。
【0020】
本発明の一つの実施例によると、前記相違度値が分散である場合に、前記測定モジュールは、具体的に、ソナーセンサーが所定時間内で測定した連続的なN個の距離の導関数を求め、前記無人航空機のN−1個の移動速度を取得し、前記N−1個の移動速度の分散を求め、また前記分散が第1の所定値以下であるか否かを判断し、前記分散が第1の所定値以下である場合に、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成する。
【0021】
前記フィルターモジュールは、初期距離バッファキュー及び初期速度に基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得する場合に、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離の導関数を求め、N−1個の移動速度を取得し、また前記N−1個の移動速度の第1の分散を求め、前記第1の分散が第2の所定値以下であるか否かを判断し、また前記第1の分散が第2の所定値以下である場合に、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする。
【0022】
本発明の実施例は、無人航空機の距離測定フィルター装置を含む無人航空機をさらに提供する。
【0023】
本発明の実施例に係る無人航空機及その距離測定フィルター装置によると、まずソナーセンサーが測定した初期距離を特定し、初期距離の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、連続的な移動速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより現在測定された距離が有効であるか否かを特定し、現在測定された距離が条件を満たしていると、現在測定された距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新し、現在測定された距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して新しい現在測定された距離とし、初期距離データーを更新しない。本方法は、無人航空機環境におけるソナーセンサーの測定ノイズをフィルターして取り除くことができ、フィルター効果がよく、且つ位相の遅延がなく、ソナーセンサーのデータ測定の正確性及び安定性を高める。
【0024】
また、本発明の上記実施例に係る無人航空機及その距離測定フィルター装置は、以下の付加的な技術特徴をさらに有する。
【0025】
一部の例において、前記フィルターモジュールは、さらに、前記第1の分散が第2の所定値より大きい場合に、前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて第2の分散を求め、前記第2の分散が第2の所定値以下である場合に、前記現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離を取り替え、前記初期距離バッファキューを更新し、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする。
【0026】
一部の例において、前記フィルターモジュールは、さらに、前記第2の分散が前記第2の所定値より大きい場合に、前記現在測定された距離を新しいバッファキューに加え、前記新しいバッファキューがN個の距離に達した場合に、前記新しいバッファキューの導関数を求め、対応するN−1個の移動速度の分散を取得し、また前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値以下である場合に、前記新しいバッファキューで前記初期距離バッファキューを取り替え、前記現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする。
【0027】
一部の例において、前記フィルターモジュールは、さらに、前記新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値より大きい場合に、前記現在測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて前記無人航空機の現在位置の推定値を取得し、前記無人航空機の実際飛行距離と
する。
【0028】
一部の例において、前記測定モジュールは、さらに、ソナー
センサーで距離を連続的に測定して失敗した回数が所定回数より大きい、又は連続的に測定して取得したノイズの個数が所定個数より大きい場合に、前記初期距離バッファキューをクリアし、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定する。
【0029】
一部の例において、前記第1の所定値は前記無人航空機の最大加速度というパラメーターにより特定され
る。
【0030】
一部の例において、前記第2の所定値は前記第1の所定値の2倍である。
【0031】
一部の例において、前記測定モジュールは、さらに、ソナー
センサーで連続的なM個の距離を測定して取得し、そのうち、前記Mは前記Nより大きく、また前記M個の距離からN個の最大距離を抽出し、前記N個の最大距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する。
【0032】
一部の例において、前記フィルターモジュールは、さらに、前記測定モジュールが取得した前記分散が前記第1の所定値より大きい場合に、前記分散が前記第1の所定値以下となるまで、前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、最新の測定された距離を前記初期距離バッファキューに移す。
【0033】
本発明の第3側面の実施例は、無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法をさらに提供し、前記距離測定方法は、前記無人航空機のソナーセンサーにより所定時間内で連続的なM個の距離を取得し、前記M個の距離からN個の最大距離を抽出し、そのうち、前記Mは前記Nより大きいステップと、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップと、初期距離バッファキュー及び初期速度に基づいて現在測定された距離をフィルターし、前記無人航空機の実際飛行距離を取得するステップと、を含む。
【0034】
本発明の実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法は、まずソナーセンサーが測定した初期距離を特定し、初期距離の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、連続的な移動速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより現在測定された距離が有効であるか否かを特定し、現在測定された距離が条件を満たしていると、現在測定された距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新し、現在測定された距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して新しい現在測定された距離とし、初期距離データーを更新しない。本方法は、無人航空機環境におけるソナーセンサーの測定ノイズをフィルターして取り除くことができ、フィルター効果がよく、且つ位相の遅延がなく、ソナーセンサーのデータ測定の正確性及び安定性を高める。
【0035】
本発明の第4側面の実施例は、無人航空機を提供し、前記無人航空機は本発明の第2側面に係る無人航空機の距離測定フィルタ−装置を含む。
【0036】
本発明の上記及び/又は付加的な特徴及び利点は、以下の図面に合わせて行う実施例に対する説明により、明らかになり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一つの実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法の全体のフローチャートである
【
図2】本発明の一つの実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法の詳細のフローチャートである。
【
図3】本発明の一つの具体的な実施例に係る初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する方法の概略図である。
【
図4】本発明の一つの実施例に係る無人航空機の地面に対する距離を示す概略図である。
【
図5】本発明の一つの具体的な実施例に係る現在測定された距離をフィルター処理する方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の一つの実施例に係る無人航空機の構成ブロック図である。
【
図7】本発明の一つの実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例における例が図面に示されるが、そのうち、同一または類似する符号は、常に同一又は類似する部品、又は同一又は類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0039】
以下に、図面に合わせて本発明の実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法の距離測定方法、無人航空機及び無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法を説明する。
【0040】
図1は本発明の一つの実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法の全体のフローチャートである。
図1に示すように、本発明の方法は、主に無人航空機の移動過程において速度が連続的に変化する(例えば、無人航空機の上昇、降下又は水平移動過程において速度が連続的に変化する)という特徴に基づいて、ソナーセンサーが測定した距離情報の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、また連続的速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより、現在測定された距離が有効であるか否かを決定する。当該方法の全体的な枠組みは以下のとおりである。まず初期測定された距離を特定し、次に特定された初期距離を用いて新しく測定して取得した距離を判断し、新しく測定して取得した距離が条件を満たしていると、新しく測定して取得した距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新し、新しく測定して取得した距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して今回の距離とし、初期距離データーを更新しない。連続的な複数の測定が失敗した場合又は測定して取得したデーターがいずれも条件を満たさない場合、初期距離を再特定する。なお、本発明で説明された距離測定とは、いずれもソナーセンサーは無人航空機の底部に設けられ、無人航空機の地面に対する距離を測定することを指すが、本発明の実施例の方法は地面に対する距離を測定することに限定されなく、無人航空機でソナーにより距離を測定することであれば、本発明の実施例の方法はいずれも適用する。
【0041】
図2は、本発明の一つの実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法の詳細のフローチャートである。
図2に示すように、当該方法は、具体的に、下記のステップS1を含む。
【0042】
ステップS1において、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する。
【0043】
一つの実施例において、前記連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップは、前記連続的なN個の距離に基づいてN−1個の移動速度を取得し、前記N−1個の移動速度の相違度値を求めるステップと、前記N−1個の移動速度の相違度値に基づいて、取得された各距離が有効であるか否かを判断するステップと、有効である場合、前記N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、前記N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成するステップと、を含む。
【0044】
本発明の一つの実施例において、前記相違度値が分散である場合に、ステップS1は
、ソナー
センサーで所定時間内において測定された連続的なN個の距離の導関数を求め、無人航空機のN−1個の移動速度を得るステップS11と、N−1個の移動速度の分散を求めるステップS12と、当該分散が第1の所定値以下であるか否かを判断するステップS13と、はいである場合、N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成するステップS14と、を含む。
【0045】
本発明の一つの実施例において、ステップS13の後に、さらに、分散が第1の所定値より大きい場合、分散が第1の所定値以下となるまで、初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、最新の測定された距離を初期距離バッファキューに移すステップを、含む。
【0046】
具体的な実施例として、以下に、
図3に合わせて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する過程を、さらに説明する。
【0047】
実施例1
図3に示すように、本実施例において、例えば、Nが5であるとする。即ち、まず測定された時間順次の連続的な5回の距離データーを一つのキューとして構成し、そのうち、5回の測定のうち測定の失敗があると、測定が失敗したデーターを無視し、所定時間内において5回の測定距離データ−を累計する。所定時間内に5回の測定距離データ−を累計できなかった場合、5回の測定データ−を累計することができるようになるまで時間の早いデーターを消去する。次に、5回の測定データ−の導関数を求め、対応する4つの移動速度を取得し、この四つの移動速度の分散を求める。無人航空機の移動過程において速度は常に連続的に変化しており、即ち、
本発明の発明者は、無人航空機の移動速度には段階的な急変がないため、無人航空機の短時間内における速度の分散はゼロに近いに間違いない
と判断する。求められた4回の移動速度の分散が一つの第1の所定値T1以下であると、現在の5回の測定にノイズがないと判断し、現在の五つの距離を後にフィルターされる初期距離バッファキューとし、現在の四つの速度を後にフィルターされる初期移動速度バッファキューとする。求められた4回の移動速度の分散が一つの第1の所定値T1より大きいと、現在の5回の測定にノイズがあると判断し、初期距離バッファキューから時間の最も早い(一番先に測定して取得した)一つのデーターを削除し、一つの新しく測定されたデーターを初期距離バッファキューに加えて新しく構成された距離バッファキューを取得する。新しく構成された距離バッファキューにおける五つの距離データーの導関数を求めて四つの速度を取得し、取得された速度の分散がT1以下であるまで、この四つの速度の分散と第1の所定値T1を判断する。
【0048】
さらに、本発明の一つの実施例において、ステップS11の前に、さらに、ソナー
センサーで連続的なM個の距離を測定して取得し、そのうち、MはNより大きいステップと、M個の距離からN個の最大距離を抽出し、N個の最大距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップと、を含む。以下に、
図3に合わせて具体的な実施例で当該過程を詳しく説明する。
【0049】
実施例2
本発明の一つの実施例において、ソナー距離測定の原理は、発射端が一束の特定周波数の波を発射し、発射波は障害物に接触して受信端に反射し、受信端は、発射してから反射波を受信するまでの時間差を計算することにより、距離情報を算出する。測定過程においてノイズが戻り波の前に現れ、且つノイズの周波数が発射波の周波数と同じであると、今回の測定データーがノイズである可能性がある。ノイズが戻り波の後に現れ、且つ受信端が本物の戻り波を受信すると、ノイズは測定の邪魔にならない。ノイズが戻り波と重なり合い、又は相互に重ね合せると、戻り波の周波数と発射波の周波数とが異なり、測定が失敗してしまうことになる。また、距離が遠すぎ、無人航空機の傾斜角度が大きすぎ、又は反射面が発射波を吸収することは、いずれも受信端が戻り波を受信することができず、測定が失敗してしまう原因になる。実際の応用過程において、ノイズは多数の場合に戻り波の前に現れるため、測定された距離は多数の場合に実際の距離より小さくなる。測定過程において受信された本物の戻り波がなく、発射波と同じ周波数であり、且つ数が大体同じのノイズしか存在しないと、測定された距離は、実際の距離より大きく、または小さくなる可能性もあるが、こういう状況は、実際の応用過程において現れることが少ない。以上によると、ソナーがデーターを測定する実際の過程において、一般的にノイズが実際の距離より小さいが、ノイズが大きめにしろ小さめにしろ、測定されたデーターにノイズが混じっているかぎり、その速度の分散はいずれも大きい。上記分析及び実際のテストの状況に基づいて、ノイズが多数の場合に実際の距離より小さいため、初期距離を特定する時に、測定して取得した連続的な10回(即ちM)の距離データーにおいて、実施例1に説明された方法を用いていずれも初期距離及び速度を特定することができないと、連続的な10回の測定の中に連続的な五つの正確的な距離データーがないことが証明され、10個のデーターの中から五つの最大データーを選出し、選出された五つ(即ちN)の最大データーに対して実施例1に説明された方法と同じ処理を行って、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する。
【0050】
以上によると、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する方法は二つあり、それぞれが実施例1と実施例2で説明された二種類の方法である。そのうち、二種類の方法の主な区別は、以下のとおりである。実施例1に説明された方法は、連続的な五回測定された距離データーを分析し、且つ五つの距離データーにノイズが混じってはいけなく、そうすると、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定することができる。実施例2に説明された方法は、10回の距離データーから五つの最大距離データーを抽出し分析し、五つの最大距離データーにノイズが存在しないと、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定することができ、この五つのデーターの連続性に対する要求はない。この二種類の方法を同時に使用し、そのうち一種類の方法さえ条件を満たせば、初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定することができる。実際の応用から見れば、実施例1で説明された方法は主に距離の短い環境の測定に適用され、実施例2で説明された方法は主に距離の遠い環境の測定に適用される。これは、距離が近い場合に、測定して取得したノイズが少なく、データーの連続性が良好であり、且つ測定が失敗する確率が小さく、距離が遠い場合に、測定して取得したノイズが大きく、データーの連続性が悪く、且つ連続的なノイズ又は測定が失敗する場合が出るおそれがあるからである。
【0051】
初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューに基づいて現在測定された距離をフィルターするステップS2は、具体的に、初期距離バッファキューにおける一番先に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいてステップS11〜ステップS12を実行するステップS21と、現在求められた分散が第2の所定値以下であるか否かを判断するステップS22と、はいであると、即ち、現在求められた分散が第2の所定値以下であると、現在測定された距離で前記初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離を取り替え、初期距離バッファキューを更新し、現在測定された距離を無人航空機の実際飛行距離とするステップS23と、を含む。
【0052】
そのうち、本発明の一つの実施例において、ステップS22の後に、さらに、現在求められた分散が第2の所定値より大きいと、初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいてステップS11及びステップS12を実行し、取得された速度の分散が第2の所定値以下であるか否かを判断するステップS24と、ステップS24において取得された速度分散が第2の所定値以下であると、現在測定された距離で初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離を取り替え、初期距離バッファキューを更新し、現在測定された距離を無人航空機の実際飛行距離とするステップS25と、を含む。
【0053】
さらに、ステップS24の後に、例えば、さらに、取得された速度の分散が第2の所定値より大きいと、現在測定された距離を新しいバッファキューに加え、新しいバッファキューがN個の距離に達した場合に、新しいバッファキューの導関数を求め、対応するN−1個の移動速度の分散を求め、新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値以下であると、新しいバッファキューで初期距離バッファキューを取り替え、現在測定された距離を無人航空機の実際飛行距離とするステップS26と、を含む。
【0054】
ステップS26の後に、例えば、さらに、新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が第2の所定値より大きいと、現在測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて無人航空機の現在位置の推定値を取得し、当該現在位置の推定値を無人航空機の実際飛行距離とするステップS27を、含む。一部の実施例において、以下の式により無人航空機の現在位置の推定値を計算する。
d
_new=d
_pre+v
_pre*t
ただし、d
_newは無人航空機の現在位置の推定値であり、d
_preは前回測定された距離であり、v
_preは前回測定された速度であり、tは時間である。
【0055】
本発明を便利に理解するために、以下に
図4及び
図5に合わせて、具体的な実施例で本発明の上記実施例の現在測定された距離をフィルターする過程をさらに詳しく説明する。
【0056】
実施例3
具体的には、
図5に示すように、実施例1及び実施例2において初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューが既に特定されている。仮に初期距離バッファキューをDとして特定したとすると、Dは時間の順に並んでいる五つの過去測定距離D(1)・・・D(5)により構成される。毎回に一つの距離dを新しく測定して取得した後、最初距離バッファキューにおけるD(1)、即ち一番先に測定して取得したバファーデーター(距離)をキューから削除し、新しく測定して取得したdをキューに移して新しいキューを構成する。新しいキューにおける五つのデーターの導関数を求め、対応する四つの速度を算出した後、四つの速度の分散を計算する。分散が第2の所定値T2以下であると、現在の新しく測定して取得したdが有効であると判断し、dは無人航空機の現在の距離となり、またバッファキューDを更新する。
本発明の発明者は、四つの速度の分散が第2の所定値T2より大きいと、以下の三つの可能性が存在する
ことを発現した。
【0057】
1.現在の距離は本当の距離であり、前回測定された距離はノイズである可能性があり、且つこのノイズは本当の距離に非常に近いから、算出された速度の分散は第2の所定値T2よりやや小さく、今回算出された速度の分散は第2の所定値T2よりやや大きい。
【0058】
2.無人航空機が測定して取得した距離には段階的な急変が実際に存在しており、例えば
図4に示すように、初期距離バッファキューにおける距離と現在の距離自体とには、比較的に大きな差が存在しているため、算出された速度の分散は第2の所定値T2より大きいに違いない。
【0059】
3.現在測定して取得した距離はノイズであり、算出された速度の分散は第2の所定値T2より大きい。
【0060】
上記三つの異なる場合に応じて異なる処理をする。第1の場合に、前回測定されたデーターはノイズである可能性があり、即ち初期距離バッファキューにおけるD(5)がノイズである可能性があるため、初期距離バッファキューにおけるD(5)をキューから削除し、バファーデーターD(1)と、D(2)と、D(3)と、D(4)と現在の距離dとにより新しいキューを構成し、このキューの速度の分散を計算する。算出された速度の分散が第2の所定値T2より小さい場合に、初期距離バッファキューにおいて現在の距離dでバファーD(5)の値を取り替えて初期距離バッファキューを更新し、無人航空機の現在の距離はdである。算出された速度の分散が依然として第2の所定値T2より大きい場合に、第2の場合である可能性がある。例えば
図4に示すように、無人航空機は、
図4における位置Aから位置Bに移動し、又は位置Bから位置Aに移動した場合に、実際の距離の急変がするため、新しく測定して取得したdを初期距離バッファキューDに加えて算出された速度の分散は常に第2の所定値T2より大きい。従って、この時測定して取得したデーターdを一つの新しいバッファキューLに加え、前回測定された距離及び前回の速度によって一つの新しい位置を推定して無人航空機の今回の位置値とする。その具体的な計算式は以下のとおりである。
d
_new=d
_pre+v
_pre*t (1)、
ただし、d
_newは無人航空機の今回の位置値であり、d
_preは前回の距離であり、v
_preは前回の速度であり、tは時間である。
【0061】
一つの実施例において、新しいバッファキューLにおけるデーターが五つに達すると、新しいバッファキューLにおけるデーターの導関数を求め、対応する速度分散を算出する。分散が第2の所定値T2より小さいと、新しいバッファキューLにおけるデーターを原初期距離バッファキューDにコピ−し、今回測定された距離を無人航空機の現在の距離として受ける。新しいバッファキューLにおけるデーターにより算出された速度の分散及び原初期距離バッファキューDにおいて算出された速度の分散が、いずれも第2の所定値T2より大きいと、第三の場合になり、即ち、現在測定された距離データーはノイズであり、今回測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて一つの新しい距離を推定して今回の距離とし、例えば、上記式(1)に示すとおりである。原初期距離バッファキューDにおけるデーターは更新しなく、新しいバッファキューにおけるL(1)をキューから削除し、現在測定されたデーターdをキューに移し、この時の新しいバッファキューは初期位置を再特定する過程に相当する。一旦データーが原初期距離バッファキューDに加わり、算出された速度の分散が第2の所定値T2より小さいと、新しいバッファキューLをクリアする。具体的なアルゴリズムのフローチャートは、
図5に示すとおりである。
【0062】
本発明の一つの実施例において、当該方法は、例えば、ソナー
センサーで距離を連続的測定して失敗した回数が所定回数より大きい場合に、又は連続的に測定して取得したノイズの個数が所定個数より大きい場合に、初期距離バッファキューをクリアし、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定するステップを、さらに含む。
図5に示すように、所定回数は、例えば20回であるが、20回に限定されない。即ち、ソナーセンサは20回連続的に測定していずれも失敗してしまった場合、又は連続的に測定されたノイズの個数が所定個数を超えた場合に、原初期距離バッファキューDのデーターをクリアし、この場合に実施例1及び実施例2で説明された方法により初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定する必要がある。
【0063】
本発明の上記実施例において、二つの速度の分散の閾値T1及びT2が関わっている。そのうち、第1の所定値T1は初期位置及び初期移動速度を特定する速度の分散閾値であり、第2の所定値T2は初期距離に基づいて現在測定された距離をフィルターする際に用いられた閾値である。本方法において初期位置及び初期移動速度を特定することは後のフィルター処理にとって非常に重要であるため、初期位置及び速度の特定が正確である場合に限り、後のフィルター処理のアルゴリズムが有効となるので適切な第1の所定値T1を選出することは非常に重要である。実際の飛行過程において、無人航空機の高さは頻繁に変化する恐れがあり、又は地面が凹凸することから、無人航空機の短時間内における速度の分散が変化することになるが、この変化は一定の範囲内にある。本発明の一つの実施例において、例えば、第1の所定値は無人航空機の最大加速度というパラメーターにより特定される。
一つの計算式として、T1<(a*t)
2である。だたし、T1は第1の所定値であり、aは無人航空機の最大加速度であり、tは前記所定時間である。
【0064】
さらに、第2の所定値T2は、例えば第1の所定値T1の2倍である。
【0065】
以上によると、本発明の実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法は、まずソナーセンサーが測定した初期距離を特定し、初期距離の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、連続的な移動速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより現在測定された距離が有効であるか否かを特定する。現在測定された距離が条件を満たしていると、現在測定された距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新する。現在測定された距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して新しい現在測定された距離とし、初期距離データーを更新しない。本方法は、無人航空機の環境におけるソナーセンサーの測定ノイズをフィルターして取り除くことができ、フィルター効果がよく、且つ位相の遅延がなく、ソナーセンサーのデータ測定の正確性及び安定性を高める。
【0066】
本発明の一つの実施例は、無人航空機をさらに提供する。
【0067】
図6は、本発明の一つの実施例に係る無人航空機の構成ブロック図である。
図6に示すように、当該無人航空機100は、ソナーセンサー110と、測定モジュール120と、フィルターモジュール130と、を含む。
【0068】
そのうち、ソナーセンサー110は無人航空機に設けられ、距離測定に用いられる。
【0069】
測定モジュール120は、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する。
一つの実施例において、測定モジュール120は、ソナーセンサーが所定時間内で測定した連続的なN個の距離の導関数を求め、無人航空機のN−1個の移動速度を取得し、N−1個の移動速度の分散を求め、分散が第1の所定値以下であるか否かを判断することと、分散が第1の所定値以下である場合に、N個の距離を初期距離バッファキューとして構成し、N−1個の移動速度を初期移動速度バッファキューとして構成することと、を含む。
【0070】
本発明の一つの実施例において、測定モジュール120は、さらに、ソナーセンサー110が距離を連続的に測定して失敗した回数が所定回数より大きい、又は連続的に測定して取得したノイズの個数が所定個数より大きい場合に、初期距離バッファキューをクリアし、無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを再特定する。
【0071】
さらに、一部の例において、測定モジュール120は、例えば、さらに、ソナーセンサー110により連続的なM個の距離を測定して取得し、そのうち、MはNより大きく、またM個の距離からN個の最大距離を抽出し、N個の最大距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定する。
【0072】
フィルターモジュール130は、初期距離バッファキュー及び初期速度に基づいて現在測定された距離をフィルターし、無人航空機の実際飛行距離を取得する。
本発明の一つの実施例において、フィルターモジュール130は、初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離の導関数を求め、N−1個の移動速度を取得し、また前記N−1個の移動速度の第1の分散を求め、第1の分散が第2の所定値以下であるか否かを判断し、また第1の分散が第2の所定値以下である場合に、現在測定された距離で初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離を取り替え、初期距離バッファキューを更新し、現在測定された距離を前記無人航空機の実際飛行距離とする。
【0073】
本発明の一つの実施例において、フィルターモジュール130は、さらに、第1の分散が第2の所定値より大きい場合に、初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離をキューから削除し、残ったN−1個の距離及び現在測定された距離に基づいて第2の分散を求め、第2の分散が第2の所定値以下である場合に、現在測定された距離で初期距離バッファキューにおけるN個目に測定して取得した距離を取り替え、初期距離バッファキューを更新し、現在測定された距離を無人航空機の実際飛行距離とする。
【0074】
本発明の一つの実施例において、フィルターモジュール130は、例えば、さらに、第2の分散が第2の所定値より大きい場合に、現在測定された距離を新しいバッファキューに加え、新しいバッファキューがN個の距離に達した場合に、新しいバッファキューの導関数を求め、対応するN−1個の移動速度の分散を取得し、また新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が第2の所定値以下である場合に、新しいバッファキューで初期距離バッファキューを取り替え、現在測定された距離を無人航空機の実際飛行距離とする。
【0075】
本発明の一つの実施例において、フィルターモジュール130は、例えば、さらに、新しいバッファキューに対応するN−1個の移動速度の分散が前記第2の所定値より大きい場合に、現在測定された距離を無視し、前回測定された距離及び速度を用いて無人航空機の現在位置の推定値を取得し、無人航空機の実際飛行距離とする。そのうち、無人航空機の現在位置の推定値は、以下の式により計算する。
d
_new=d
_pre+v
_pre*t、
ただし、d
_newは無人航空機の現在位置の推定値であり、d
_preは前回測定された距離であり、v
_preは前回測定された速度であり、tは時間である。
【0076】
本発明の一つの実施例において、フィルターモジュール130は、さらに、測定モジュール120が取得した分散が第1の所定値より大きい場合に、分散が第1の所定値以下となるまで、初期距離バッファキューにおける一番目に測定して取得した距離をキューから削除し、最新の測定された距離を初期距離バッファキューに移す。
【0077】
本発明の一つの実施例において、上記第1の所定値は、例えば無人航空機の最大加速度というパラメーターにより特定される。具体的に、
T1<(a*t)
2である。
だたし、T1は第1の所定値であり、aは無人航空機の最大加速度であり、tは所定時間である。
【0078】
さらに、第2の所定値は、例えば第1の所定値の2倍である。
【0079】
なお、本発明の実施例における無人航空機の具体的な実現形態は本発明の実施例における無人航空機の距離測定フィルター方法の具体的な実現形態と類似しており、具体的には方法部分に関する説明を参照されたい。過剰な説明を減らすために、ここでは説明しない。
【0080】
以上をまとめると、本発明の実施例に係る無人航空機は、まずソナーセンサーが測定した初期距離を特定し、初期距離の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、連続的な移動速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより現在測定された距離が有効であるか否かを特定し、現在測定された距離が条件を満たしていると、現在測定された距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新し、現在測定された距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して新しい現在測定された距離とし、初期距離データーを更新しない。本発明は、無人航空機環境におけるソナーセンサーの測定ノイズをフィルターして取り除くことができ、フィルター効果がよく、且つ位相の遅延がなく、ソナーセンサーのデータ測定の正確性及び安定性を高める。
【0081】
本発明の更なる実施例は、本発明の上記実施例で説明された無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法をさらに提供する。
【0082】
図7は本発明の一つの実施例に係る無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法のフローチャートである。
図7に示すように、前記方法は、無人航空機のソナーセンサーにより所定時間内で連続的なM個の距離を取得し、M個の距離からN個の最大距離を抽出し、そのうち、MはNより大きいステップS101と、連続的なN個の距離に基づいて無人航空機の初期距離バッファキュー及び初期移動速度バッファキューを特定するステップS102と、初期距離バッファキュー及び初期速度に基づいて現在測定された距離をフィルターし、無人航空機の実際飛行距離を取得するステップS103と、を含む。
【0083】
なお、本発明の実施例における無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法は、本発明の上記実施例における無人航空機の距離測定フィルター方法の距離測定方法に基づいて実現されるのである。従って、当該無人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法の具体的な実現形態は、本発明の実施例における無人航空機の距離測定フィルター方法の具体的な実現形態と類似しており、具体的には、無人航空機の距離測定フィルター方法部分に関する説明を参照されたい。過剰な説明を減らすために、ここでは説明しない。
【0084】
以上をまとめると、本発明の実施例に係る人航空機の距離測定フィルター方法に基づいた距離測定方法は、まずソナーセンサーが測定した初期距離を特定し、初期距離の導関数を求め、無人航空機の現在の移動速度を取得し、連続的な移動速度の分散を求め、分散の大きさを判断することにより現在測定された距離が有効であるか否かを特定し、現在測定された距離が条件を満たしていると、現在測定された距離が有効であると判断し、初期距離データーを更新し、現在測定された距離が条件を満たさないと、一つの距離を予測して新しい現在測定された距離とし、初期距離データーを更新しない。本発明は、無人航空機環境におけるソナーセンサーの測定ノイズをフィルターして取り除くことができ、フィルター効果がよく、且つ位相の遅延がなく、ソナーセンサーのデータ測定の正確性及び安定性を高める。
【0085】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づいて、本発明を便利にまたは簡潔に説明するためだけに用いられるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構成・操作されると特定又は示唆するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0086】
なお、「第1」、「第2」の用語が説明の目的だけに用いられるものであり、相対的な重要性を特定又は示唆すること、又は示された技術的特徴の数を黙示的に特定すると理解してはいけない。そこで、「第1」、「第2」が限定されている特徴は一つ又はより多くの当該特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、特別な説明がない限り、「複数」とは、少なくとも二つ、例えば二つ、三つなどを意味する。
【0087】
本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」などの用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、又は一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続でも可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの部品の内部が連通することや、又は二つの部品の間に相互の作用関係があることも可能である。当業者であれば、具体的な場合によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0088】
本発明において、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでも良いし、第1特徴と第2特徴とが直接に接触することではなく、それらの間にあるほかの中間媒介を介して接触することを含んでも良い。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることであっても良いし、又は単に第1特徴の水平の高さが第2特徴より高いことだけを表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることであっても良いし、又は単に第1特徴の水平の高さが第2特徴より低いことだけを表すことであってもよい。
【0089】
本明細書の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「一部の例」などの用語を参考した説明とは、当該実施例又は例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料、又は特徴が本発明の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料、又は特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、お互い矛盾しない場合に、当業者は、本明細書で説明された異なる実施例又は例の特徴を結合及び組合せすることができる。
【0090】
以上、本発明の実施例がすでに示されて説明されたが、なお、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものと理解してはいけない。普通の当業者は本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、切り替え及び変形を行うことができる。