特許第6522767号(P6522767)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6522767ワイヤレス通信デバイス間の距離を推定するための技法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522767
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信デバイス間の距離を推定するための技法
(51)【国際特許分類】
   G01S 11/04 20060101AFI20190520BHJP
   G01S 11/06 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   G01S11/04
   G01S11/06
【請求項の数】16
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-540603(P2017-540603)
(86)(22)【出願日】2016年1月11日
(65)【公表番号】特表2018-510328(P2018-510328A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】US2016012841
(87)【国際公開番号】WO2016126378
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2018年5月7日
(31)【優先権主張番号】14/612,270
(32)【優先日】2015年2月2日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】サンデロビッチ、アミチャイ
(72)【発明者】
【氏名】アルパート、ルーベン
【審査官】 藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−147099(JP,A)
【文献】 特開2010−087933(JP,A)
【文献】 特開2014−169890(JP,A)
【文献】 特開平01−196588(JP,A)
【文献】 特表2005−536735(JP,A)
【文献】 特表2005−501472(JP,A)
【文献】 特開2011−153997(JP,A)
【文献】 特開平04−324386(JP,A)
【文献】 特開2008−131209(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0028246(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0183689(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/084030(WO,A1)
【文献】 米国特許第03939476(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00− 5/14
G01S 11/00−11/16
G01S 19/00−19/55
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信のための第1の装置であって、
第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得するためのインタフェースと、ここで、前記複数のトレーニング信号は、ビームフォーミング(BF)トレーニングのために前記第2の装置から、異なる方向に送信され、各トレーニング信号は、隣接するトレーニング信号から、予め定められた角度分隔てられている、
前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、
を備え、前記推定は、前記複数のトレーニング信号うちの第1および第2のトレーニング信号の受信電力に基づいて、前記距離を推定することを備え、
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向から得られ、前記複数のトレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向からずれた第2の方向から得られ、
前記処理システムは、
記第2の装置から前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定される距離と、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度とに基づき、前記距離を推定する第1の処理、
を行うように構成される、第1の装置。
【請求項2】
前記処理システムは、前記第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の差に基づいて、前記距離を推定する第2の処理を行うようにさらに構成される、請求項1に記載の第1の装置。
【請求項3】
前記第2の処理は、前記第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の前記差を、既知の距離で取得された第3および第4のトレーニング信号の以前に測定された受信電力の差と比較することによって、前記距離を推定することを備える、請求項に記載の第1の装置。
【請求項4】
前記複数のトレーニング信号が受信される少なくとも1つのアンテナをさらに備え、前記第1の装置は、ワイヤレス局として構成される、請求項1に記載の第1の装置。
【請求項5】
ワイヤレス通信のための第1の装置であって、
送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力するための第1のインタフェースと、ここで、前記複数のトレーニング信号は、ビームフォーミング(BF)トレーニングのために前記第2の装置へ、異なる方向に送信され、各トレーニング信号は、隣接するトレーニング信号から、予め定められた角度分隔てられている、
前記第2の装置から、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを取得するための第2のインタフェースと、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、
を備え、前記パラメータは、前記複数のトレーニング信号のうちの第1および第2のトレーニング信号の受信電力を備え、
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向への送信のために出力され、前記複数のトレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向からずれた第2の方向への送信のために出力され、
前記処理システムは、前記第1の装置から前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定される距離と、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度とに基づき、前記距離を推定する第1の処理を行うように構成される、第1の装置。
【請求項6】
前記処理システムは、前記第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の差に基づいて、前記距離を推定する第2の処理を行うようにさらに構成される、
請求項に記載の第1の装置。
【請求項7】
前記第2の処理は、第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の前記差を、既知の距離で取得された第3および第4のトレーニング信号の以前に測定された受信電力の差と比較することによって、前記距離を推定することを備える、請求項に記載の第1の装置。
【請求項8】
送信のために、前記複数のトレーニング信号を出力することは、異なるアンテナ構成を使用して、送信のために前記複数のトレーニング信号を出力することを備える、請求項に記載の第1の装置。
【請求項9】
前記複数のトレーニング信号が送信される少なくとも1つのアンテナをさらに備え、前記第1の装置は、ワイヤレス局として構成される、請求項に記載の第1の装置。
【請求項10】
第1の装置によるワイヤレス通信のための方法であって、
第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得することと、ここで、前記複数のトレーニング信号は、ビームフォーミング(BF)トレーニングのために前記第2の装置から、異なる方向に送信され、各トレーニング信号は、隣接するトレーニング信号から、予め定められた角度分隔てられている、
前記複数のトレーニング信号に基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定することと、
を備え、前記推定は、前記複数のトレーニング信号のうちの第1および第2のトレーニング信号の受信電力に基づいて、前記距離を推定することを備え、
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向から得られ、前記複数のトレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向からずれた第2の方向から得られ、
前記推定することは、前記第2の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定される距離と、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度とに基づき、前記距離を推定する第1の処理を行うことを備える、方法。
【請求項11】
前記推定することは、前記第1および第2のトレーニング信号の受信電力の差に基づいて、前記距離を推定する第2の処理を行うことをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の処理は、前記第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の前記差を、既知の距離で取得された第3および第4のトレーニング信号の以前に測定された受信電力の差と比較することによって、前記距離を推定することを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の装置によるワイヤレス通信のための方法であって、
送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力することと、ここで、前記複数のトレーニング信号は、ビームフォーミング(BF)トレーニングのために前記第2の装置へ、異なる方向に送信され、各トレーニング信号は、隣接するトレーニング信号から、予め定められた角度分隔てられている、
前記第2の装置から、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを取得することと、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定することと、
を備え、前記パラメータは、前記複数のトレーニング信号のうちの第1および第2のトレーニング信号の受信電力を備え、
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向への送信のために出力され、前記複数のトレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向からずれた第2の方向への送信のために出力され、
前記推定することは、前記第1の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定される距離と、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度とに基づき、前記距離を推定する第1の処理を行うことを備える、方法。
【請求項14】
前記推定することは、前記第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の差に基づいて、前記距離を推定する第2の処理を行うことをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の処理は、第1および第2のトレーニング信号の前記受信電力の前記差を、既知の距離で取得された第3および第4のトレーニング信号の以前に測定された受信電力の差と比較することによって、前記距離を推定することを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
送信のために、前記複数のトレーニング信号を出力することは、異なるアンテナ構成を使用して、送信のために前記複数のトレーニング信号を出力することを備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、本発明の譲受人に譲渡される、かつ本明細書によって本明細書に参照により明確に組み込まれる、2015年2月2日に出願された米国出願番号第14/612,270号に基づく優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は概して、ミリ波無線周波数(RF)システムに関し、より具体的には、トレーニング信号を使用して、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 60GHz帯域は、大量の帯域幅および広範な(large)世界規模オーバーラップを特徴とする無認可帯域である。広範な帯域幅は、非常に大量の情報がワイヤレスに送信され得ることを意味する。結果として、各々が大量のデータの送信を要求する複数のアプリケーションが、60GHz帯域周辺のワイヤレス通信を可能にするために開発され得る。こうしたアプリケーションに関する例は、ゲームコントローラ、モバイル対話型デバイス、ワイヤレス高精細度TV(HDTV)、ワイヤレスドッキング局、ワイヤレスギガビットイーサネット(登録商標)、および多くの他のものを含むが、それらに限定されない。
【0004】
[0004] こうしたアプリケーションを容易にするために、60GHz周波数範囲において動作するアクティブアンテナ、無線周波数(RF)アナログ回路、ミキサ、および増幅器のような集積回路(IC)を開発する必要がある。RFシステムは通常、アクティブおよびパッシブモジュールを備える。アクティブモジュール(たとえば、フェーズドアレイアンテナ)は、それらの動作のために制御および電力信号を要求し、これらはパッシブモジュール(たとえば、フィルタ)によっては要求されない。様々なモジュールが、プリント回路基板(PCB)上に組み立てられ得る無線周波数集積回路(RFIC)として製造(fabricated)およびパッケージ化される。RFICパッケージのサイズは、数平方ミリメートルから数百平方ミリメートルにまで及び得る。
【0005】
[0005] 消費者電子機器市場では、電子デバイスの設計と、それにより、そこに統合されたRFモジュールの設計とは、最小のコスト、サイズ、電力消費、および重さの制約を満たすべきである。RFモジュールの設計はまた、ミリ波信号の効率的な送信および受信を可能とするために、電子デバイス、ならびに特に、ラップトップおよびタブレットコンピュータのようなハンドヘルドデバイスの流通しているアセンブル構成(current assembled configuration)も考慮に入れるべきである。さらにRFモジュールの設計は、受信および送信RF信号の最小の電力損失、ならびに最大の無線カバレッジを考慮する(account for)べきである。
【0006】
[0006] 60GHz帯域における動作は、より低い周波数と比較して、より小さいアンテナの使用を可能にする。しかしながら、より低い周波数において動作することと比較して、60GHz帯域周辺の電波は、高い大気減衰を有し、大気中のガス、雨、物体(objects)等によるより高いレベルの吸収を受けやすく、結果としてより高い自由空間損失(free space loss)をもたらす。より高い自由空間損失は、たとえば、フェーズドアレイ中に配列された多くの小さいアンテナを使用することによって補償され得る。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本開示のある特定の態様は、ワイヤレス通信のための第1の装置を提供する。当該第1の装置は概して、第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得するためのインタフェースを含む。当該第1の装置はまた、当該複数のトレーニング信号に基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムを含み得る。
【0008】
[0008] 本開示のある特定の態様は、ワイヤレス通信のための第1の装置を提供する。当該第1の装置は概して、送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力するための第1のインタフェースと、当該第2の装置から、当該第2の装置で受信されたときの当該トレーニング信号に対応するパラメータを取得するための第2のインタフェースと、当該パラメータに基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、を含む。
【0009】
[0009] 本開示のある特定の態様は、第1の装置によるワイヤレス通信のための方法を提供する。当該方法は概して、第2の装置から、複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得することと、当該複数のトレーニング信号に基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定することと、を含む。
【0010】
[0010] 本開示のある特定の態様は、第1の装置によるワイヤレス通信のための方法を提供する。当該方法は概して、送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力することと、当該第2の装置から、当該第2の装置で受信されたときの当該トレーニング信号に対応するパラメータを取得することと、当該パラメータに基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定することと、を含む。
【0011】
[0011] 本開示のある特定の態様は、ワイヤレス通信のための第1の装置を提供する。当該第1の装置は概して、第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得するための手段と、当該複数のトレーニング信号に基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定するための手段と、を含む。
【0012】
[0012] 本開示のある特定の態様は、ワイヤレス通信のための第1の装置を提供する。当該第1の装置は概して、送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力するための手段と、当該第2の装置から、当該第2の装置で受信されたときの当該トレーニング信号に対応するパラメータを取得するための手段と、当該パラメータに基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定するための手段と、を含む。
【0013】
[0013] 本開示のある特定の態様は、第1の装置に、第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得することと、当該複数のトレーニング信号に基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定することと、を行わせる命令を記憶した、ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体を提供する。
【0014】
[0014] 本開示のある特定の態様は、第1の装置に、送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力することと、当該第2の装置から、当該第2の装置で受信されたときの当該トレーニング信号に対応するパラメータを取得することと、当該パラメータに基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定することと、を行わせるための命令を記憶した、ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体を提供する。
【0015】
[0015] 本開示のある特定の態様は、ワイヤレス局を提供する。当該第ワイヤレス局は概して、少なくとも1つの受信アンテナと、当該少なくとも1つの受信アンテナを介して、第2の装置から、複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を受信するための受信機と、当該複数のトレーニング信号に基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、を含む。
【0016】
[0016] 本開示のある特定の態様は、ワイヤレス局を提供する。当該第ワイヤレス局は概して、少なくとも1つの受信アンテナと、当該少なくとも1つの受信アンテナを介して、第2の装置から、複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を受信するための受信機と、当該複数のトレーニング信号に基づいて、当該第1の装置と当該第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示のある特定の態様に従った、実例的なワイヤレス通信ネットワークの図を例示する。
図2】本開示のある特定の態様に従った、実例的なアクセスポイントおよびユーザ端末のブロック図を例示する。
図3】本開示のある特定の態様に従った、実例的なワイヤレスデバイスのブロック図を例示する。
図4】本開示のある特定の態様に従った、ビームトレーニングフェーズを例示する実例的な呼フロー(call flow)である。
図5】本開示のある特定の態様に従った、ビームフォーミング動作中のセクタレベルのスイープ(sector level sweep)を例示する。
図6】本開示のある特定の態様に従った、別のデバイスまでの距離を決定するためにワイヤレスデバイスによって実行され得る実例的な動作を例示する。
図6A図6で図示される動作を実行する能力を有する実例的なコンポーネントを例示する。
図7】本開示のある特定の態様に従った、ビームフォーミング動作中の実例的な信号伝搬および反射を例示する。
図8】本開示のある特定の態様に従った、距離の関数としてのトレーニング信号の受信電力間の標準偏差のグラフである。
図9】本開示のある特定の態様に従った、別のデバイスまでの距離を決定するためにワイヤレスデバイスによって実行され得る実例的な動作を例示する。
図9A図9で図示される動作を実行する能力を有する実例的なコンポーネントを例示する。
【詳細な説明】
【0018】
[0028] 本開示の態様は、トレーニング信号に基づいて、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定するための技法を提供する。トレーニング信号は、種々のアンテナ構成を使用して、複数の方向に第2の装置によって送信され得る。第1の装置は、第2の装置によって送信されたトレーニング信号のうちの少なくとも1つを受信し、当該少なくとも1つの受信トレーニング信号を使用して、第2の装置までの距離を推定し得る。
【0019】
[0029] 本開示の様々な態様が、添付の図面を参照して以下でより十分に説明される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化され得、本開示全体を通して提示されるあらゆる具体的な構造または機能に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が徹底的かつ完全になり、当業者に本開示の範囲を十分に伝えることになるように提供される。本明細書における教示に基づいて、本開示のあらゆる他の態様から独立して実装されようと、本開示のあらゆる他の態様と組み合わせて実装されようと、本開示の範囲が本明細書で開示される開示のいずれの態様もカバーするように意図されることを、当業者は認識するべきである。たとえば、本明細書で述べられる任意の数の態様を使用して、装置が実装され得る、または方法が実施され得る。加えて本開示の範囲は、本明細書で述べられる本開示の様々な態様の他に、または様々な態様に加えて他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそうした装置または方法をカバーするように意図される。本明細書で開示される開示のいずれの態様も請求項のうちの1つまたは複数の要素によって具現化され得ることは理解されるべきである。
【0020】
[0030] 特定の態様が本明細書で説明されるものの、これらの態様の多くのバリエーションおよび置換が、本開示の範囲内に収まる(fall within)。好まれる態様のいくつかの利益および利点が言及されるものの、本開示の範囲は、特定の利益、使用、または目的に限定されるように意図されない。むしろ、本開示の態様は、種々のワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および送信プロトコルに広く適用可能であるように意図され、それらのうちのいくつかは、好まれる態様の以下の説明において、および図において、例として例示される。詳細な説明および図面は、限定しているのではなく本開示を単に例示しており、本開示の範囲は、付随の請求項およびそれらの同等物によって定義される。
【0021】
[実例的なワイヤレス通信システム]
[0031] 本明細書で説明される技術は、直交多重化スキームに基づく通信システムを含む、様々なブロードバンドワイヤレス通信システムのために使用され得る。こうした通信システムの例は、空間分割多元接続(SDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム等を含む。SDMAシステムは、複数のユーザ端末に属するデータを同時に送信するために、十分に異なる方向を利用し得る。TDMAシステムは、複数のユーザ端末が、送信信号を異なる時間スロットに分割することによって同じ周波数チャネルを共有することを可能にし得、各時間スロットは異なるユーザ端末に割り当てられる。OFDMAシステムは、全システム帯域幅を複数の直交サブキャリアに区分化する変調技法である直交周波数分割多重化(OFDM)を利用する。これらのサブキャリアは、トーン、ビン等とも呼ばれ得る。OFDMでは、各サブキャリアは、データで独立して変調され得る。SC−FDMAシステムは、システム帯域幅にわたって分散されるサブキャリア上で送信するためにインターリーブされたFDMA(IFDMA)を、隣接するサブキャリアのブロック上で送信するために局所化された(localized)FDMA(LFDMA)を、または、隣接するサブキャリアの複数のブロック上で送信するために強化された(enhanced)FDMA(EFDMA)を利用し得る。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数ドメインにおいて、およびSC−FDMAでは時間ドメインにおいて送られる。
【0022】
[0032] 本明細書における教示は、様々な有線またはワイヤレス装置(たとえば、ノード)に組み込まれ得る(たとえば、様々な有線またはワイヤレス装置内で実装され得る、または様々な有線またはワイヤレス装置によって実行され得る)。いくつかの態様では、本明細書における教示に従って実装されるワイヤレスノードは、アクセスポイントまたはアクセス端末を備え得る。
【0023】
[0033] アクセスポイント(「AP」)は、ノードB、無線ネットワークコントローラ(「RNC」)、進化型ノードB(eNB)、基地局コントローラ(「BSC」)、基地トランシーバ局(「BTS」)、基地局(「BS」)、トランシーバ機能(「TF」)、無線ルータ、無線トランシーバ、ベーシックサービスセット(「BSS」)、拡張サービスセット(「ESS」)、無線基地局(「RBS」)、または何らかの他の専門用語を備え得る、これらとして実装され得る、またはこれらとして知られ得る。
【0024】
[0034] アクセス端末(「AT」)は、加入者局、加入者ユニット、モバイル局(MS)、遠隔局、遠隔端末、ユーザ端末(UT)、ユーザエージェント、ユーザデバイス、ユーザ機器(UE)、ユーザ局、または何らかの他の専門用語を備え得る、これらとして実装され得る、またはこれらとして知られ得る。いくつかの実装では、アクセス端末は、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(「SIP」)電話、ワイヤレスローカルループ(「WLL」)局、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、局(「STA」)、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の適した処理デバイスを備え得る。従って、本明細書で教示される1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラ電話またはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、タブレット、ポータブル通信デバイス、ポータブルコンピューティングデバイス(たとえば、パーソナルデータアシスタント)、エンターテイメントデバイス(たとえば、音楽もしくはビデオデバイス、または衛星ラジオ)、全地球測位システム(GPS)デバイス、あるいはワイヤレスまたは有線媒体を介して通信するように構成されるあらゆる他の適したデバイスに組み込まれ得る。いくつかの態様では、ノードはワイヤレスノードである。そうしたワイヤレスノードは、たとえば、有線またはワイヤレス通信リンクを介した、ネットワーク(たとえば、セルラネットワークまたはインターネットのような広域ネットワーク)のための接続、またはネットワークへの接続を提供し得る。
【0025】
[0035] 図1は、本開示の態様が実施され得る、アクセスポイントおよびユーザ端末を持つ多元接続多入力多出力(MIMO)システム100を例示する。
【0026】
[0036] たとえば、アクセスポイント110またはユーザ端末120は、本明細書で説明される技法を利用してデバイスの相対的なローテーション(rotation)を決定し得る。いくつかのケースでは、ユーザ端末は、ゲームコントローラまたは同様のものであり得、当該技法は、(アクセスポイントとして機能する)ゲーム局に対するゲームコントローラの相対的なローテーションを決定するために適用され得る。
【0027】
[0037] 分かりやすくするために(for simplicity)、1つのアクセスポイント110のみが図1で図示される。APは一般に、ユーザ端末と通信する固定局であり、基地局または何らかの他の専門用語とも称され得る。ユーザ端末は、固定または可動であり得、モバイル局、ワイヤレスデバイス、または何らかの他の専門用語とも称され得る。アクセスポイント110は、ダウンリンクおよびアップリンク上であらゆる所与の瞬間に1つまたは複数のユーザ端末120と通信し得る。ダウンリンク(すなわち、順方向リンク)は、アクセスポイントからユーザ端末への通信リンクであり、アップリンク(すなわち、逆方向リンク)は、ユーザ端末からアクセスポイントへの通信リンクである。ユーザ端末はまた、別のユーザ端末とピアツーピアでも通信し得る。システムコントローラ130は、アクセスポイントに結合し、アクセスポイントのための調整および制御を提供する。
【0028】
[0038] 以下の開示の複数の部分が、空間分割多元接続(SDMA)を介して通信する能力を有するユーザ端末120を説明することになるけれども、ある特定の態様では、ユーザ端末120はまた、SDMAをサポートしないいくつかのユーザ端末も含み得る。従って、こうした態様では、AP110は、SDMAユーザ端末と非SDMAユーザ端末の両方と通信するように構成され得る。このアプローチは好都合に、より古いバージョンのユーザ端末(「レガシ」局)が企業で依然として展開されたままでいることを可能にし得、それらの有効寿命を延ばす一方で、より新しいSDMAユーザ端末が、適切であると判断された場合、導入されることを可能にする。
【0029】
[0039] システム100は、ダウンリンクおよびアップリンク上でのデータ送信のために複数の送信アンテナおよび複数の受信アンテナを採用する。アクセスポイント110は、Nap個のアンテナを装備しており、ダウンリンク送信について多入力(MI)、およびアップリンク送信について多出力(MO)を表す。K個の選択されたユーザ端末120のセットは集合的に、ダウンリンク送信について多出力、およびアップリンク送信について多入力を表す。純粋なSDMAでは、K個のユーザ端末についてのデータシンボルストリームが、何らかの手段によって、コード、周波数、または時間において多重化されない場合、Nap≧K≧1を有することが望まれる。TDMA技法、CDMAを用いる異なるコードチャネル、OFDMを用いるサブバンドの互いに素なセット等を使用して、データシンボルストリームが多重化され得る場合、Kは、Napよりも大きくあり得る。各選択されたユーザ端末は、アクセスポイントにユーザ固有のデータを送信する、および/またはアクセスポイントからユーザ固有のデータを受信する。一般に、各選択されたユーザ端末は、1つまたは複数のアンテナ(すなわち、Nut≧1)を装備し得る。K個の選択されたユーザ端末は、同一のまたは異なる数のアンテナを有し得る。
【0030】
[0040] SDMAシステムは、時分割複信(TDD)システムまたは周波数分割複信(FDD)システムであり得る。TDDシステムでは、ダウンリンクおよびアップリンクは、同じ周波数帯域を共有する。FDDシステムでは、ダウンリンクおよびアップリンクは、異なる周波数帯域を使用する。MIMOシステム100はまた、送信のために単一キャリアまたは複数キャリアも利用し得る。各ユーザ端末は、(たとえば、コストを抑えるために)単一のアンテナまたは(たとえば、さらなるコストがサポートされ得る場合)複数のアンテナを装備し得る。ユーザ端末120が、異なる時間スロットであって、各時間スロットが異なるユーザ端末120に割り当てられる、異なる時間スロットに送信/受信を分割することによって同じ周波数チャネルを共有する場合、システム100は、TDMAシステムでもあり得る。
【0031】
[0041] 図2は、本開示の態様が実施され得るMIMOシステム100におけるアクセスポイント110と2つのユーザ端末120mおよび120xとのブロック図を例示する。上で論じられたように、本明細書で論じられるローテーション決定技法は、アクセスポイント110またはユーザ端末120によって実施され得る。
【0032】
[0042] アクセスポイント110は、Nt個のアンテナ224a〜224tを装備している。ユーザ端末120mは、Nut,m個のアンテナ252ma〜252muを装備しており、ユーザ端末120xは、Nut,x個のアンテナ252xa〜252xuを装備している。アクセスポイント110は、ダウンリンクでは送信エンティティ(transmitting entity)であり、アップリンクでは受信エンティティ(receiving entity)である。各ユーザ端末120は、アップリンクでは送信エンティティであり、ダウンリンクでは受信エンティティである。本明細書で使用される場合「送信エンティティ」は、ワイヤレスチャネルを介してデータを送信する能力を有する、独立して動作する装置またはデバイスであり、「受信エンティティ」は、ワイヤレスチャネルを介してデータを受信する能力を有する、独立して動作する装置またはデバイスである。以下の説明では、下付き文字「dn」はダウンリンクを表示し、下付き文字「up」はアップリンクを表示し、Nup個のユーザ端末は、アップリンク上での同時送信のために選択され、Ndn個のユーザ端末は、ダウンリンク上での同時送信のために選択され、Nupは、Ndnと等しいかまたは等しくなく、NupおよびNdnは、静的な値であるか、または、各スケジューリング間隔に対して変化し得る。ビームステアリングまたは何らかの他の空間処理技法が、アクセスポイントおよびユーザ端末で使用され得る。
【0033】
[0043] アップリンク上では、アップリンク送信のために選択された各ユーザ端末120で、送信(TX)データプロセッサ288が、データソース286からトラフィックデータを、コントローラ280から制御データを受信する。TXデータプロセッサ288は、当該ユーザ端末のために選択されたレートに関連付けられたコーディングおよび変調スキームに基づいて、当該ユーザ端末に関するトラフィックデータを処理(たとえば、符号化、インターリーブ、および変調)し、データシンボルストリームを提供する。TX空間プロセッサ290は、当該データシンボルストリームに対して空間処理を実行し、Nut,m個のアンテナに対するNut,m個の送信シンボルストリームを提供する。各送信機ユニット(TMTR)254は、アップリンク信号を生成するために、それぞれの送信シンボルストリームを受信および処理(たとえば、アナログにコンバート、増幅、フィルタリング、および周波数アップコンバート)する。Nut,m個の送信機ユニット254は、Nut,m個のアンテナ252からアクセスポイントへの送信のために、Nut,m個のアップリンク信号を提供する。
【0034】
[0044] Nup個のユーザ端末は、アップリンク上での同時送信のためにスケジューリングされ得る。これらのユーザ機器の各々は、そのデータシンボルストリームに対して空間処理を実行し、その送信シンボルストリームのセットを、アップリンク上でアクセスポイントに送信する。
【0035】
[0045] アクセスポイント110で、Nap個のアンテナ224a〜224apは、アップリンク上で送信する全てのNup個のユーザ端末からアップリンク信号を受信する。各アンテナ224は、それぞれの受信機ユニット(RCVR)222に受信信号を提供する。各受信機ユニット222は、送信機ユニット254によって実行されるものと相補的な処理を実行し、受信されたシンボルストリームを提供する。RX空間プロセッサ240は、Nap個の受信機ユニット222からのNap個の受信されたシンボルストリームに対して受信機空間処理を実行し、Nup個の復元されたアップリンクデータシンボルストリームを提供する。受信機空間処理は、チャネル相関マトリクス反転(CCMI:channel correlation matrix inversion)、最小平均二乗誤差(MMSE)、ソフト干渉除去(SIC)、または何らかの他の技法に従って実行される。各復元されたアップリンクデータシンボルストリームは、それぞれのユーザ端末によって送信されたデータシンボルストリームの推定値である。RXデータプロセッサ242は、復号されたデータを取得するために、各復元されたアップリンクデータシンボルストリームを、そのストリームのために使用されるレートに従って、処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)する。各ユーザ端末に関する復号されたデータは、記憶のためにデータシンク244に、および/またはさらなる処理のためにコントローラ230に、提供され得る。
【0036】
[0046] ダウンリンク上では、アクセスポイント110で、TXデータプロセッサ210は、ダウンリンク送信のためにスケジューリングされたNdn個のユーザ端末のためにデータソース208からトラフィックデータを、コントローラ230から制御データを、および場合によってはスケジューラ234から他のデータを、受信する。様々なタイプのデータが、異なるトランスポートチャネル上で送られ得る。TXデータプロセッサ210は、各ユーザ端末のためのトラフィックデータを、そのユーザ端末のために選択されたレートに基づいて、処理(たとえば、符号化、インターリーブ、および変調)する。TXデータプロセッサ210は、Ndn個のユーザ端末のためのNdn個のダウンリンクデータシンボルストリームを提供する。TX空間プロセッサ220は、Ndn個のダウンリンクデータシンボルストリームに対して(本開示で説明されるような、プリコーディングまたはビームフォーミングのような)空間処理を実行し、Nap個のアンテナに対するNap個の送信シンボルストリームを提供する。各送信機ユニット222は、ダウンリンク信号を生成するために、それぞれの送信シンボルストリームを受信および処理する。Nap個の送信機ユニット222は、Nap個のアンテナ224からユーザ端末への送信のために、Nap個のダウンリンク信号を提供する。
【0037】
[0047] 各ユーザ端末120で、Nut,m個のアンテナ252は、アクセスポイント110からNap個のダウンリンク信号を受信する。各受信機ユニット254は、関連付けられたアンテナ252からの受信信号を処理し、受信されたシンボルストリームを提供する。RX空間プロセッサ260は、Nut,m個の受信機ユニット254からのNut,m個の受信されたシンボルストリームに対して受信機空間処理を実行し、ユーザ端末のための復元されたダウンリンクデータシンボルストリームを提供する。受信機空間処理は、CCMI、MMSE、または何らかの他の技法に従って実行される。RXデータプロセッサ270は、ユーザ端末のための復号されたデータを取得するために、復元されたダウンリンクデータシンボルストリームを処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)する。
【0038】
[0048] 各ユーザ端末120で、チャネル推定器278は、ダウンリンクチャネル応答を推定し、チャネル利得推定値、SNR推定値、雑音分散等を含み得るダウンリンクチャネル推定値を提供する。同様に、チャネル推定器228は、アップリンクチャネル応答を推定し、アップリンクチャネル推定値を提供する。各ユーザ端末のためのコントローラ280は通常、当該ユーザ端末のための空間フィルタマトリクスを、そのユーザ端末のためのダウンリンクチャネル応答マトリクスHdn,mに基づいて導出する。コントローラ230は、アクセスポイントのための空間フィルタマトリクスを、実効アップリンクチャネル応答マトリクスHup,effに基づいて導出する。各ユーザ端末のためのコントローラ280は、アクセスポイントにフィードバック情報(たとえば、ダウンリンクおよび/またはアップリンク固有ベクトル、固有値、SNR推定値等)を送り得る。コントローラ230および280はまた、それぞれアクセスポイント110およびユーザ端末120において、様々な処理ユニットの動作を制御する。
【0039】
[0049] 本開示のある特定の態様に従うと、図2で図示される様々なプロセッサが、トレーニング信号に基づいて相対的なローテーションを決定するために本明細書で説明される様々な技法、および/または、本明細書で説明される技法に関する他のプロセスを実行するように、AP110および/もしくはユーザ端末120それぞれにおいて、動作を指示し得る。
【0040】
[0050] 図3は、MIMOシステム100内で採用され得る、かつ本開示の態様が実施され得るワイヤレスデバイス302において利用され得る、様々なコンポーネントを例示する。ワイヤレスデバイス302は、本明細書で説明される様々な方法を実行するように構成され得るデバイスの例である。ワイヤレスデバイス302は、アクセスポイント110またはユーザ端末120であり得る。
【0041】
[0051] ワイヤレスデバイス302は、ワイヤレスデバイス302の動作を制御するプロセッサ304を含み得る。プロセッサ304は、中央処理ユニット(CPU)とも称され得る。読取専用メモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)との両方を含み得るメモリ306は、プロセッサ304に命令およびデータを提供する。メモリ306の一部分はまた、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)も含み得る。プロセッサ304は通常、メモリ306内に記憶されたプログラム命令に基づいて、論理および算術演算を実行する。メモリ306における命令は、本明細書で説明される方法を実行するように実行可能であり得る。プロセッサ304は、たとえば、相対的なローテーションを決定するための図6における動作600および/または本明細書で説明される技法に関する他のプロセスを実行または指示し得る。
【0042】
[0052] ワイヤレスデバイス302はまた、ワイヤレスデバイス302と遠隔ロケーションとの間のデータの送信および受信を可能にするために送信機310および受信機312を含み得るハウジング308を含み得る。送信機310および受信機312は、組み合わされてトランシーバ314になり得る。単一のまたは複数の送信アンテナ316は、ハウジング308に取り付けられ、トランシーバ314に電気的に結合され得る。ワイヤレスデバイス302はまた、複数の送信機、複数の受信機、および複数のトランシーバを含み得る(図示せず)。
【0043】
[0053] ワイヤレスデバイス302はまた、トランシーバ314によって受信された信号のレベルを検出および定量化しようとして使用され得る信号検出器318も含み得る。信号検出器318は、総エネルギー、シンボルあたりのサブキャリア毎のエネルギー、電力スペクトル密度、および他の信号のような信号を検出し得る。ワイヤレスデバイス302はまた、信号を処理する際に使用するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)320も含み得る。
【0044】
[0054] ワイヤレスデバイス302の様々なコンポーネントが、データバスに加えて、電力バス、制御信号バス、およびステータス信号バスを含み得るバスシステム322によって互いに結合され得る。
【0045】
[トレーニング信号を使用して距離を推定すること]
[0055] 上で着目されたように、本開示の態様は概して、2つのデバイス間で送信および受信されたトレーニング信号を使用して、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定することを対象にする。いくつかのケースでは、トレーニング信号は、ビームフォーミング(BF)トレーニングプロセス中に交換され得、それにより、信号を交換するためのさらなるオーバヘッドが必須でないことがある。
【0046】
[0056] いずれのケースでも、2つの装置間の距離の推定は、アクセスポイントアソシエーションまたはキュー(queue)制御(たとえば、アクセスポイントは、キュー中の局と関連付けること(associating)を、それらの相対的な距離に基づいて優先順位をつける)、デバイスの較正、およびデバイス間の送信の様々な最適化のようなアプリケーションに役立ち得る。
【0047】
[0057] 様々な技法が、デバイス間の距離を推定するために使用され得る。たとえば、1つの技法は、受信機で測定された信号レベルに基づいて、受信機と送信機との間の距離を推定し得る(米国特許出願公開第2013/0028246号明細書の段落0021−0023)。より具体的には、この技法は、送信機−受信機距離の二乗に比例し得る信号のパスロスに依存する。しかしながら、このアプローチを使用して取得された結果は、たとえば、温度変化または送信電力制御が引き起こす変化に起因する送信機および受信機の利得の変化に対する高い感度に起因して、悪くなり得る(suffer)。結果として、この技法を使用して受信信号の電力に基づいて距離を決定するためにワイヤレスシステムを較正することは困難であり得る。
【0048】
[0058] 加えて、信号の送信電力もまた、この距離を決定するために受信機で使用され得る。しかしながら、たとえば、受信機局および送信機局が同じベンダから提供されているか、または異なるベンダが、送信電力を通信するためのある規格に合意している場合、でなければ、受信機は、送信電力を知らないことがある。しかしながら、すべてのベンダがこの特徴をサポートし得ない、または、確な送信電力を維持することは絶え間ない較正を伴い得るので、すべてのベンダが正確な送信電力を維持し得ない
【0049】
[0059] 別の技法は、送信機と受信機との間のフライト時間(time-of-flight)を測定することを伴う。しかしながら、この技法は、送信機と受信機との間の密接な連携(tight cooperation)を伴い得る。たとえば、高度に較正された送信および受信チェーンが、送信機および受信機デバイスが(送信とともに送られたるイムスタンプと比較して、当該送信がいつ送られたかを決定するために)受信および送信チェーンの各要素内の遅延を知るために使用され得る。加えて、デバイス間の距離は、両方のデバイスに接続されたAPを使用して推定され得る(米国特許出願公開第2013/0028246号明細書の段落0024)。しかしながら、このアプローチは、アクセスポイント間の連携(cooperation)を要求する。
【0050】
[0060] 従って、必要とされるのは、前述の欠点のうちのいくつかに対処する送信機局と受信機局との間の距離を決定するための技法である。たとえば、こうした技法がデバイス間の比較的少量の較正および連携を要求することが、望ましい。
【0051】
[0061] 本開示のある特定の態様は、第1の装置と第2の装置との間の距離を決定するために、たとえば、フェーズドアレイアンテナによって送信および受信される(たとえば、BFトレーニングプロセス中の)トレーニング信号を使用する。フェーズドアレイアンテナは、ともに信号を特定の方向に向けることができる複数のアンテナを備える。これは、信号が特定の方向に放射されるように、アンテナのアレイ中の各アンテナによって送信された信号の相対的な位相またはアンテナ構成を変化させることによって達成され得る。ある特定の態様では、アンテナは、ミリ波フェーズドアレイアンテナであり得る。ミリ波信号は、高指向性であり、従ってビームフォーミングに適している。
【0052】
[0062] いくつかのケースでは、トレーニング信号は、たとえば、IEEE802.11ad規格に従って、ビームフォーミング(BF)トレーニングプロセスの一部として送信され得る。実例的なBFトレーニングプロセスは、図4で例示される。BFプロセスは通常、一ペアの局、たとえば、受信機および送信機、によって使用され得る。局の各ペアリングは、それらのネットワークデバイス間の後続の通信のための必要なリンクバジェットを獲得する。このように、BFトレーニングは、セクタスイープ(sector sweep)を使用する、BFトレーニングフレーム送信の双方向シーケンスであり、各局が送信と受信との両方のための適切なアンテナシステム設定を決定することを可能にするために必要な信号を提供する。BFトレーニングの成功裏の完了後、通信リンクが確立される。
【0053】
[0063] 図2で図示されるように、多数のアンテナが、通信範囲を拡張するためにビームフォーミング利得を利用するよう、各トランシーバに配置され得る。すなわち、同じ信号が、わずかに異なる時間においてであるが、アレイにおける各アンテナから送られる。
【0054】
[0064] 図4における実例的なBFトレーニングプロセスで図示されるように、BFプロセスは、セクタレベルスイープ(SLS)フェーズおよびビーム微調整(beam refinement)ステージを含み得る。SLSフェーズでは、STAのうちの1つが、イニシエータセクタスイープを行うことによって、イニシエータとして機能し、イニシエータセクタスイープの後に応答局(responding station)による送信セクタスイープ(ここで、応答局は、レスポンダセクタスイープ(responder sector sweep)を行う)が続く。セクタは、セクタIDに対応する送信アンテナパターンまたは受信アンテナパターンのいずれかである。局は、アンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ)における1つまたは複数のアクティブアンテナを含むトランシーバであり得る。
【0055】
[0065] SLSフェーズは通常、開始局(initiating station)がセクタスイープフィードバックを受信し、セクタアクノレッジ(ACK)を送った後に終了し、それによって(thereby)BFを確立する。イニシエータ局および応答局の各トランシーバは、異なるセクタを介したセクタスイープ(SSW)フレームの受信機セクタスイープ(RXSS)受信を行うために構成され、ここにおいて、1スイープ(a sweep)が、異なるセクタを介した複数の指向性マルチギガビット(DMG:directional Multi-gigabit)ビーコンフレームまたは複数のセクタスイープ(SSW)の送信(TXSS)と連続した受信との間で実行され、ここにおいて、1スイープが、連続した送信の間で実行される。
【0056】
[0066] ビーム微調整フェーズ中、各局は、ショートビームフォーミングフレーム間空間(SBIFS:short beamforming interframe space)インターバル分、隔てられている送信のシーケンスをスイープし得、ここにおいて、送信機または受信機におけるアンテナ構成は、複数の送信の間に変化させられ得る。言い換えると、ビーム微調整は、局が、送信および受信の両方のために、そのアンテナ構成(またはアンテナ重みベクトル)を向上させ得るプロセスである。すなわち、各アンテナは、アンテナ重みベクトル(AWV)を含み、アンテナ重みベクトル(AWV)がさらに、アンテナアレイの各素子についての関する励振(excitation)(振幅および位相)を記述する重みのベクトルを含む。
【0057】
[0067] 図5は、様々な方向にトレーニング信号(たとえば、トレーニング信号506)を送信する送信側(TX)局502を例示する。これらのトレーニング信号は、TX局502と受信側(RX)局504との間の距離dを推定するために使用され得る。上で述べたたように、いくつかのケースでは、トレーニング信号506は、2つのデバイス間の通信を最適化するのを助けるためにトレーニングプロシージャの一部として送信され得る。
【0058】
[0068] たとえば、送信信号の方向を変化させることによって、TX局502は、RX局504と通信するために、信号対雑音比を向上させ、干渉を最小限にし得る。このトレーニングフェーズ中、TX局502およびRX局504は、非常に短い時間期間内に、いくつかの方向に、およびいくつかの方向から受信および送信し得る。従って、温度、送信電力、および利得は、各トレーニング信号に対して一定であり得る一方で、送信信号のビームパターンは、最善の方向に収束するために変化する。
【0059】
[0069] 加えて、各トレーニング信号は、隣接するトレーニング信号から、方向の観点で、ある特定の角度分、隔てられ得る。たとえば、隣接するトレーニング信号は、10°分、隔てられ得る。トレーニング信号は、RX局504によって受信され得る。上で示されたように、SLSフェーズは通常、開始局TX502がRX局504からセクタスイープフィードバックを受信し、セクタアクノレッジ(ACK)を送った後に終了し、それによってBFを確立する。たとえば、RX局504からのフィードバックは、TX局502から送信された信号のうちのいずれが最も高い受信電力で受信されたかを示し得、これは、デバイス間のLOS(line of sight)に対応する方向を示すのを助け得る。例示される例では、信号L2が、複数のトレーニング信号506中で最も高い受信電力でRX局504によって受信されると示され得る。L2が送信された方向はその後、TX局502とRX局504との間の後続の通信で使用され得る。例示されるように、トレーニング信号506は、以下でより詳細に論じられることになるように、壁508Aおよび508Bのような、(たとえば、トレーニング信号506の信号パス中にある)障害物から反射し得る。
【0060】
[0070] 本明細書で説明される技法は、BFプロセス中にTX局502およびRX局504によって送信および受信され得るもののようなトレーニング信号を、TX局とRX局との間の距離を決定するために使用する。たとえば、デバイス間の距離は、以下で論じられることになるように、RX局504によって測定されたトレーニング信号のパラメータに基づいて決定され得る。
【0061】
[0071] 図6は、本開示の態様に従った、第1の装置(たとえば、TX局502)と第2の装置(たとえば、RX局504)との間の距離を推定するための実例的な動作600を例示する。動作600は、たとえば、RX局504のような第1の装置によって実行され得る。
【0062】
[0072] 動作600は、602で、第2の装置(たとえば、TX局502)から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得することによって始まる。たとえば、RX局504は、トレーニング信号L1、L2、およびL3を含み得る図5のトレーニング信号506を受信し得る。604で、RX局504は、複数のトレーニング信号に基づいて、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定し得る。
【0063】
[0073] いくつかの技法は、トレーニング信号に基づいて、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定するために使用され得る。幾何学ベースの技法では、デバイス間の距離は、トレーニング信号がTX局を出発するときのトレーニング信号の方向、およびRX局504に到達するためにこれらのトレーニング信号が伝わるパス、の知識(knowledge)に基づいて、推定され得る。
【0064】
[0074] たとえば、RX局504は、トレーニング信号506から選択された少なくとも第1および第2のトレーニング信号の受信電力に基づいて、TX局502とRX局504との間の距離を推定し得る。たとえば、図5に関して上で説明されたように、RX局504は、トレーニング信号506のうちのいずれが、最も高い受信電力でTX局502から受信されたかを決定し得る。すなわち、信号L2は、複数のトレーニング信号506の中で、RX局504によって測定された最も高い受信電力を有し得、複数のトレーニング信号506は、デバイス間のLOS(line of sight)方向を示し得る。RX局504はまた、距離推定で使用すべき1つまたは複数の他のトレーニング信号、例えば、L2からの既知の角度ずれた方向(a direction with aknown angular offset from L2)においてTX局502から送信されるトレーニング信号L1および/またはL3、を選択し得る。
【0065】
[0075] 環境の、ある特定の特徴の知識を使用して、RX局504は、トレーニング信号L2、L1、および/またはL3の特性に基づいて、距離dを推定し得る。たとえば、図7で例示されるように、RX局504およびTX局502は、壁508Aのような障害物からある特定の距離r離れ得る。このシナリオでは、ある特定のトレーニング信号(たとえば、トレーニング信号506の信号L1)が、壁508Aに反射し得る。従って、信号L1は、壁508Aに対するその反射に起因してRX局504の方へ向けられ得る。
【0066】
[0076] 信号L1を受信する際、RX局504は、距離r、および(最も高い受信電力を有する)信号L2と比較した、反射された信号L1が受信された角度に基づいて、距離dを推定するために幾何学的/三角法原理を適用し得る。たとえば、距離dは、以下の式に従って推定され得る:
【数1】
[0077] ここで、θは、L1とL2との間の隔たり角度(separation angle)であり、rは、RX局504またはTX局502から壁508Aまでの距離であり、dは、TX局502とRX局504との間の距離である。角度θおよび距離rは、TX局502またはRX局504によって推定され得るか、または知られ得る。
【0067】
[0078] この簡略化された例は、図7で例示されるように、RX局504が第1の障害物508Aからある特定の距離rにあり、第2の障害物508Bから同等の距離rにあるような、ある特定の前提に基づく。このシナリオでは、RX局504は、トレーニング信号(たとえば、信号L1)であって、別のトレーニング信号(たとえば、信号L3)の受信電力とおおよそ等しい受信電力を有する、トレーニング信号(たとえば、信号L1)を決定し得る。従って、L1の受信電力対(最も高い受信電力を有する)L2の受信電力の比は、L3の受信電力対L2の受信機電力の比と等しくなり得る。すなわち、L1およびL3は、以下の基準に基づいて、RX局によって選択され得る:
【数2】
ここで、L1は、信号L1の受信電力であり、L2は、信号L2の受信電力であり、L3は、信号L3の受信電力である。この基準に基づいて、L1およびL3を選択することによって、L1およびL3は、TX局502とRX局504との間のおおよそ半分の距離にあるロケーションで、壁508に反射し得る。従って、図7で例示されるように、TX局502およびRX局504からの距離dは、以下の式によって推定され得る:
【数3】
ここで、rは、RX局504またはTX局502から壁508までの距離であり、dは、TX局502とRX局504との間の距離である。ある特定の態様では、RX局504は、信号L1とL3の両方が、等しい隔たりの角度だけ、信号L2からオフセットされているように、信号L1およびL3を選択し得る。たとえば、例示されるように、L1とL2との間の隔たりの角度は、L2とL3との間の隔たりの角度と等しくなり得る。
【0068】
[0079] 図7で例示される例は、理解を容易にするためにある特定の前提に基づいているけれども、当業者は、さらなる処理があれば、それらの前提が緩和され得ることを認識するであろう。たとえば、(図7におけるL1およびL3を用いるケースのような)同様のパスを伝わる対応するビームが無い場合であっても、さらなる処理があれば、受信側デバイスは、ビームの方向を決定でき得るので、デバイスが各壁から等距離にあることは必要でないことがある。さらなる処理があれば、比較的正確な距離推定値が、より複雑な幾何学的シナリオにおいて取得され得る。
【0069】
[0080] 本開示のある特定の態様に従うと、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定することは、トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力(たとえば、L1およびL2の受信電力)の差に基づき得る。たとえば、1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定される受信電力の差は、既知の距離で取得される当該1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の差と比較され得る。
【0070】
[0081] たとえば、図8は、距離の関数としての、2つのトレーニング信号(たとえば、信号L1およびL2)の受信電力間の標準偏差のグラフ800である。例示されるように、L1の受信電力とL2の受信電力間の8デシベル(dB)の標準偏差は、TX局502とRX局504との間のおおよそ100cmの距離に対応する。(以前に測定された)距離の関数としてのトレーニング信号間の既知の偏差に基づいて、第1の装置と第2の装置との間の距離は、RX局504によって決定され得る。すなわち、第1の装置と第2の装置との間の距離は、1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された当該1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、推定され得る。
【0071】
[0082] 例示されるように、反比例関係(inverse relationship)が、信号L1の受信電力対信号L2の受信電力の偏差と距離(d)との間に存在し得る。ある特定の態様では、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定することは、トレーニング信号の既知のビーム幅に基づき得る。
【0072】
[0083] ある特定の態様に従うと、ルックアップテーブルが、図8に関して提示された標準偏差と、第1の装置と第2の装置との間の距離と、の間の関係性に基づいて生成され得る。従って、RX局は、2つの受信トレーニング信号の間の標準偏差を決定し、ルックアップテーブルから距離dの推定値に対する対応する値を検索し得る。
【0073】
[0084] 距離dを推定するために使用される技法に関わらず、RX局は、(たとえば、通信を最適化する、TX局と関連付けるかどうかを決定する、等のために)当該値を使用し得、いくつかのケースでは、(たとえば、フレームにおいて)当該推定された距離値をTX局に、その使用のために返送し得る。
【0074】
[0085] 本開示のある特定の態様に従うと、RX局は距離dを推定するというよりは、RX局は、受信トレーニング信号の測定を行い、距離dを推定する際に使用するためにTX局(または任意の他のデバイス)にパラメータを返送し得る。当該他のデバイス(the other device)が、上で提示されたものと同様の方法でTX局とRX局との間の距離を推定し得る。
【0075】
[0086] たとえば、距離が、異なるトレーニング信号の受信電力間の偏差に基づいて推定される、上で説明された技法では、TX局は、上で説明されたものと同様のルックアップテーブルを取得し得る。RX局は、異なるトレーニング信号の受信電力(またはそれ自体の差)に関する情報をフィードバックし得、TX局がルックアップテーブルから距離dの推定値をルックアップする(検索する(look up))ことを可能にする。RX局によって測定されたパラメータ、または2つの受信トレーニング信号の間の標準偏差は、TX局に送られ得、TX局は、第1の装置と第2の装置との間の距離を決定するためにルックアップテーブルを使用し得る。
【0076】
[0087] 図9は、本開示の態様に従った、第1の装置(たとえば、TX局502)と第2の装置(たとえば、RX局504)との間の距離を推定するための実例的な動作900を例示する。動作600は、たとえば、TX局502のような第1の装置によって実行され得る。
【0077】
[0088] 動作900は、902で、送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力することによって始まる。904で、TX局502は、第2の装置から、第2の装置で受信されたときのトレーニング信号に対応するパラメータを取得し得る。906で、TX局502は、パラメータに基づいて、第1の装置と第2の装置との間の距離を推定し得る。
【0078】
[0089] 上で説明された方法の様々な動作は、対応する機能を実行する能力を有するあらゆる適した手段によって実行され得る。手段は、回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはプロセッサを含むがそれらに限定されない、様々なハードウェアならびに/あるいはソフトウェアコンポーネント(複数を含む)および/またはモジュール(複数を含む)を含み得る。概して、図で例示される動作がある場合、それらの動作は、同様の参照番号を持つ対応する同等の(counterpart)ミーンズプラスファンクションコンポーネントを有し得る。たとえば、図6で例示された動作600および図9で例示された動作900は、それぞれ、図6Aで例示された手段600Aおよび図9Aで例示された手段900Aに対応する。
【0079】
[0090] たとえば、受信するための手段は、図2で例示された受信機(たとえば、受信機ユニット222、254)および/またはアンテナ(複数を含む)224、254、あるいは図3で描かれた受信機312および/またはアンテナ(複数を含む)316を備え得る。送信するための手段は、図2で例示されたアクセスポイント110の送信機(たとえば、送信機ユニット222)および/またはアンテナ(複数を含む)224、あるいは図3で描かれた受信機312および/またはアンテナ(複数を含む)316を備え得る。処理するための手段、決定するための手段、推定するための手段、取得するための手段、出力するための手段、または計算するための手段は、処理システムを備え得、この処理システムは、図2で例示されたRXデータプロセッサ242、270、TXデータプロセッサ210、288、および/またはコントローラ230、280、あるいは図3で描写されたプロセッサ304および/またはDSP320のような、1つまたは複数のプロセッサを含み得る。
【0080】
[0091] いくつかのケースでは、フレームを実際に送信するのではなく、デバイスは、送信用にフレームを出力するためのインタフェースを有し得る。たとえば、プロセッサは、バスインタフェースを介して、送信のために無線周波数(RF)フロントエンドにフレームを出力し得る。同様に、フレームを実際に受信するのではなく、デバイスは、別のデバイスから受信されたフレームを取得するためのインタフェースを有し得る。たとえば、プロセッサは、バスインタフェースを介して、受信のためにRFフロントエンドからフレームを取得(または受信)し得る。
【0081】
[0092] ある特定の態様に従うと、こうした手段は、ローテーションを決定するための上で説明された様々なアルゴリズムを(たとえば、ハードウェアにおいて、またはソフトウェア命令を実行することによって)実行することによって、対応する機能を実行するように構成された処理システムによって実装され得る。
【0082】
[0093] 本明細書で使用される場合、「決定する」という用語は、幅広い種類のアクションを包含する。たとえば、「決定する」は、計算する、コンピューティングする、処理する、導出する、調査する、ルックアップする(たとえば、テーブル、データベース、または別のデータ構造においてルックアップする)、確定する等を含み得る。また、「決定する」は、受信する(たとえば、情報を受信する)、アクセスする(たとえば、メモリにおけるデータにアクセスする)等を含み得る。また、「決定する」は、解消する、選択する、選ぶ、確立する等を含み得る。
【0083】
[0094] 本明細書で使用される場合、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指すフレーズは、単一のメンバを含む、それらの項目のいずれの組合せも指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a−b、a−c、b−c、およびa−b−c、ならびに同一の要素の重複を持ついずれの組合せ(たとえば、a−a、a−a−a、a−a−b、a−a−c、a−b−b、a−c−c、b−b、b−b−b、b−b−c、c−c、およびc−c−c、またはa、b、およびcのあらゆる他の順序)もカバーするように意図される。
【0084】
[0095] 本開示に関係して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理回路、ディスクリートハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書で説明された機能を実行するように設計された、それらのあらゆる組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、その代わりに、プロセッサは、あらゆる商業的に利用可能なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはあらゆる他のそうした構成、としても実装され得る。
【0085】
[0096] 本開示に関係して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはその2つの組合せにおいて、具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、当技術分野で知られているあらゆる形態の記憶媒体に存在し得る。使用され得る記憶媒体のいくつかの例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM等を含む。ソフトウェアモジュールは、単一の命令または多くの命令を備え得、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、および複数の記憶媒体間で、分散され得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込み得るように、プロセッサに結合され得る。代わりとして、記憶媒体は、プロセッサに不可欠であり得る。
【0086】
[0097] 本明細書で開示された方法は、説明された方法を達成するための1つまたは複数のステップまたはアクションを備える。方法のステップおよび/またはアクションは、請求項の範囲から逸脱することなく、互いに置き換えられ得る。言い換えると、ステップまたはアクションの具体的な順序が指定されない限り、具体的なステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、請求項の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0087】
[0098] 説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらのあらゆる組合せにおいて実行され得る。ハードウェアにおいて実装される場合、実例的なハードウェア構成は、ワイヤレスノードにおける処理システムを備え得る。処理システムは、バスアーキテクチャを用いて実装され得る。バスは、処理システムの具体的なアプリケーションおよび全体の設計制約に依存して、いずれの数の相互接続するバスおよびブリッジも含み得る。バスは、プロセッサ、機械可読媒体、およびバスインタフェースを含む様々な回路を互いにリンクさせ得る。バスインタフェースは、とりわけ、ネットワークアダプタをバスを介して処理システムに接続するために使用され得る。ネットワークアダプタは、PHYレイヤの信号処理機能を実行するために使用され得る。ユーザ端末120(図1を参照)のケースでは、ユーザインタフェース(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティック等)もまた、バスに接続され得る。バスはまた、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、電力管理回路等のような様々な他の回路もリンクさせ得、これらは、当該技術分野において周知であり、従ってこれ以上説明されない。
【0088】
[0099] プロセッサは、バスを管理すること、および機械可読媒体上で記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担い得る。プロセッサは、1つまたは複数の汎用および/または専用プロセッサを用いて実装され得る。例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、およびソフトウェアを実行し得る他の回路を含む。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または違った形のうちのいずれで称されるかに関わらず、命令、データ、またはそれらのあらゆる組合せを意味するように広く解釈されるものとする。機械可読媒体は、例として、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取専用メモリ)、PROM(プログラマブル読取専用メモリ)、EPROM(消去可能なプログラマブル読取専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光学ディスク、ハードドライブ、またはあらゆる他の適した記憶媒体、あるいはそれらのあらゆる組合せを含み得る。機械可読媒体は、コンピュータプログラム製品で具現化され得る。コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料を備え得る。
[0100] ハードウェア実装では、機械可読媒体は、プロセッサとは別個の処理システムの一部であり得る。しかしながら、当業者が容易に認識することになるように、機械可読媒体、またはそのいずれの一部も、処理システムの外部にあり得る。例として、機械可読媒体は、伝送回線、データによって変調された搬送波(carrier wave)、および/またはワイヤレスノードとは別個のコンピュータ製品を含み、その全てはバスインタフェースを通じてプロセッサによってアクセスされ得る。代わりとして、または加えて、機械可読媒体、またはそのいずれの一部も、キャッシュ、および/または一般的なレジスタファイルを伴うような場合(such as the case may be)、プロセッサに一体化され得る。
【0089】
[0100] 処理システムは、全てが外部バスアーキテクチャを通じて他のサポート回路とともにリンクされた、プロセッサ機能を提供する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、および機械可読媒体の少なくとも一部分を提供する外部メモリを持つ汎用処理システムとして構成され得る。代わりとして、処理システムは、プロセッサ、バスインタフェース、アクセス端末のケースでは)ユーザインタフェース、サポート回路、および単一のチップに一体化された機械可読媒体の少なくとも一部分を持つASIC(特定用途向け集積回路)を用いて、あるいは1つまたは複数のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(プログラマブル論理デバイス)、コントローラ、ステートマシン、ゲート論理回路、ディスクリートハードウェアコンポーネント、もしくはあらゆる他の適した回路、または本開示全体を通して説明された様々な機能を実行し得る回路のあらゆる組合せを用いて実装され得る。当業者は、全体のシステムに課された全体の設計制約および特定のアプリケーションに依存して処理システムに関する説明された機能をどのように実行することが最善であるかを明確に認めるだろう。
【0090】
[0101] 機械可読媒体は、ある数のソフトウェアモジュールを備え得る。ソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行されるときに、処理システムに様々な機能を実行させる命令を含む。ソフトウェアモジュールは、送信モジュールおよび受信側モジュールを含み得る。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶デバイスに存在し得る、または複数の記憶デバイス間で分散され得る。例として、ソフトウェアモジュールは、トリガイベントが生じるときに、ハードドライブからRAMにロードされ得る。ソフトウェアモジュールの実行中に、プロセッサは、アクセススピードを増加させるために、命令のうちのいくつかをキャッシュにロードし得る。1つまたは複数のキャッシュラインがその後、プロセッサによる実行のために汎用レジスタファイルにロードされ得る。以下でソフトウェアモジュールの機能を指すとき、そうした機能がそのソフトウェアモジュールからの命令を実行するときにプロセッサによって実行されることが理解されるであろう。
【0091】
[0102] ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上で1つまたは複数の命令またはコードとして、記憶または送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にするあらゆる媒体を含む通信媒体およびコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得るあらゆる利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そうしたコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは、データ構造または命令の形態で所望のプログラムコードを記憶または搬送するために使用され得る、かつコンピュータによってアクセスされ得るあらゆる他の媒体を備え得る。また、いずれの接続手段もコンピュータ可読媒体と適切に名付けられる。たとえば、ソフトウェアが、ウェブサイトから、サーバから、あるいは同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線(IR)、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用する他の遠隔ソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD:compact disc)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光学ディスク(optical disc)、デジタルバーサタイルディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) disc)を含み、ここで、ディスク(disc)がレーザーを用いて光学的にデータを再生する一方で、ディスク(disk)は大抵磁気的にデータを再生する。従って、いくつかの態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、有体媒体)を備え得る。加えて、他の態様では、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(たとえば、信号)を備え得る。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0092】
[0103] 従って、ある特定の態様は、本明細書で提示された動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を備え得る。たとえば、こうしたコンピュータプログラム製品は、命令が記憶(および/または符号化)されたコンピュータ可読媒体を備え得、命令は、本明細書で説明された動作を実行するように1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である。ある特定の態様では、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料を含み得る。
【0093】
[0104] さらに、本明細書で説明された方法および技法を実行するためのモジュールおよび/または他の適切な手段が、ダウンロードされ得る、ならびに/または適用可能である場合、ユーザ端末および/もしくは基地局によって違った形で取得され得ることは認識されるべきである。たとえば、そうしたデバイスは、本明細書で説明された方法を実行するための手段の転送を容易にするように、サーバに結合され得る。代わりとして、本明細書で説明された様々な方法は、記憶手段(たとえば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクのような物理記憶媒体等)を介して、ユーザ端末および/または基地局が、デバイスに記憶手段を結合または提供する際に様々な方法を取得し得るように、提供され得る。さらに、本明細書で説明された方法および技法をデバイスに提供するためのあらゆる他の適した技法が、利用され得る。
【0094】
[0105] 請求項が、上で例示された精確な構成およびコンポーネントに限定されないことは理解されることとなる。請求項の範囲から逸脱することなく、上で説明された方法および装置の配列、動作、および詳細において、様々な修正、変化、およびバリエーションがなされ得る。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ワイヤレス通信のための第1の装置であって、
第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得するためのインタフェースと、
前記複数のトレーニング信号に基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、
を備える第1の装置。
[C2]
前記推定は、前記複数のトレーニング信号のうちの第1のトレーニング信号と第2のトレーニング信号の受信電力の比に基づいて、前記距離を推定することを備える、C1に記載の第1の装置。
[C3]
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向から受信され、前記トレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向から既知の角度ずれた第2の方向から受信される、
C2に記載の第1の装置。
[C4]
前記処理システムは、前記第2の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定される距離に基づいて、前記距離を推定するようにさらに構成される、C2に記載の第1の装置。
[C5]
前記処理システムは、前記トレーニング信号の既知のビーム幅に基づいて、前記距離を推定するようにさらに構成される、C1に記載の第1の装置。
[C6]
前記処理システムは、前記トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力の少なくとも1つの差に基づいて、前記距離を推定するようにさらに構成される、C1に記載の第1の装置。
[C7]
前記処理システムは、1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、前記距離を推定するように構成される、C6に記載の第1の装置。
[C8]
ワイヤレス通信のための第1の装置であって、
送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力するための第1のインタフェースと、
前記第2の装置から、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを取得するための第2のインタフェースと、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、
を備える第1の装置。
[C9]
前記パラメータは、第1および第2のトレーニング信号の受信電力を備え、
前記推定は、前記第1のトレーニング信号および前記第2のトレーニング信号の前記受信電力の比に基づいて、前記距離を推定することを備える、
C8に記載の第1の装置。
[C10]
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向に送信され、前記トレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向から既知の角度ずれた第2の方向に送信される、
C9に記載の第1の装置。
[C11]
前記処理システムは、前記第1の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定された距離に基づいて、前記距離を推定するように構成される、C9に記載の第1の装置。
[C12]
前記処理システムは、前記トレーニング信号の既知のビーム幅に基づいて、前記距離を推定するようにさらに構成される、C8に記載の第1の装置。
[C13]
前記パラメータは、前記トレーニング信号のうちの複数についての受信電力を備え、
前記処理システムは、前記トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力の少なくとも1つの差に基づいて、前記距離を推定するように構成される、
C8に記載の第1の装置。
[C14]
前記処理システムは、前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、前記距離を推定するように構成される、C13に記載の第1の装置。
[C15]
送信のために、前記複数のトレーニング信号を出力することは、異なるアンテナ構成を使用して、送信のために前記複数のトレーニング信号を出力することを備える、C8に記載の第1の装置。
[C16]
第1の装置によるワイヤレス通信のための方法であって、
第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得することと、
前記複数のトレーニング信号に基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定することと、
を備える方法。
[C17]
前記推定することは、前記複数のトレーニング信号のうちの第1のトレーニング信号と第2のトレーニング信号の受信電力の比に基づいて、前記距離を推定することを備える、C16に記載の方法。
[C18]
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向から受信され、前記トレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向から既知の角度ずれた第2の方向から受信される、
C17に記載の方法。
[C19]
前記推定することは、前記第2の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定された距離に基づいて、前記距離を推定することを備える、C17に記載の方法。
[C20]
前記推定することは、前記トレーニング信号の既知のビーム幅に基づいて、前記距離を推定することを備える、C16に記載の方法。
[C21]
前記推定することは、前記トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力の少なくとも1つの差に基づいて、前記距離を推定することを備える、C16に記載の方法。
[C22]
前記推定することは、1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、前記距離を推定することを備える、C21に記載の方法。
[C23]
第1の装置によるワイヤレス通信のための方法であって、
送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力することと、
前記第2の装置から、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを取得することと、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定することと、
を備える方法。
[C24]
前記パラメータは、第1および第2のトレーニング信号の受信電力を備え、
前記推定は、前記第1のトレーニング信号および前記第2のトレーニング信号の前記受信電力の比に基づいて、前記距離を推定することを備える、
C23に記載の方法。
[C25]
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向に送信され、前記トレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向から既知の角度ずれた第2の方向に送信される、
C24に記載の方法。
[C26]
前記推定することは、前記第1の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定された距離に基づいて、前記距離を推定することを備える、C24に記載の方法。
[C27]
前記推定することは、前記トレーニング信号の既知のビーム幅に基づいて、前記距離を推定することを備える、C23に記載の方法。
[C28]
前記パラメータは、前記トレーニング信号のうちの複数についての受信電力を備え、
前記推定することは、前記トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力の少なくとも1つの差に基づいて、前記距離を推定することを備える、C23に記載の方法。
[C29]
前記推定することは、前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、前記距離を推定することを備える、C28に記載の方法。
[C30]
送信のために、前記複数のトレーニング信号を出力することは、異なるアンテナ構成を使用して、送信のために前記複数のトレーニング信号を出力することを備える、C23に記載の方法。
[C31]
ワイヤレス通信のための第1の装置であって、
第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得するための手段と、
前記複数のトレーニング信号に基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するための手段と、
を備える第1の装置。
[C32]
前記推定するための手段は、前記複数のトレーニング信号のうちの第1のトレーニング信号と第2のトレーニング信号の受信電力の比に基づいて、前記距離を推定する、C31に記載の第1の装置。
[C33]
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向から受信され、前記トレーニング信号のうちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向から既知の角度ずれた第2の方向から受信される、
C32に記載の第1の装置。
[C34]
前記推定するための手段は、前記第2の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定される距離に基づいて、前記距離を推定する、C32に記載の第1の装置。
[C35]
前記推定するための手段は、前記トレーニング信号の既知のビーム幅に基づいて、前記距離を推定する、C31に記載の第1の装置。
[C36]
前記推定するための手段は、前記トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力の少なくとも1つの差に基づいて、前記距離を推定する、C31に記載の第1の装置。
[C37]
前記推定するための手段は、1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、前記距離を推定する、C36に記載の第1の装置。
[C38]
ワイヤレス通信のための第1の装置であって、
送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力するための手段と、
前記第2の装置から、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを取得するための手段と、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するための手段と、
を備える第1の装置。
[C39]
前記パラメータは、第1および第2のトレーニング信号の受信電力を備え、
前記推定するための手段は、前記第1のトレーニング信号および前記第2のトレーニング信号の前記受信電力の比に基づいて、前記距離を推定する、
C38に記載の第1の装置。
[C40]
前記第1のトレーニング信号は、第1の方向に送信され、前記トレーニング信号うちで最も高い受信電力を有し、
前記第2のトレーニング信号は、前記第1の方向から既知の角度ずれた第2の方向に送信される、
C39に記載の第1の装置。
[C41]
前記推定するための手段は、前記第1の装置から、前記第2のトレーニング信号の信号パス中の障害物までの既知のまたは推定された距離に基づいて、前記距離を推定する、C39に記載の第1の装置。
[C42]
前記推定するための手段は、前記トレーニング信号の既知のビーム幅に基づいて、前記距離を推定する、C38に記載の第1の装置。
[C43]
前記パラメータは、前記トレーニング信号のうちの複数について受信電力を備え、
前記推定するための手段は、前記トレーニング信号の1つまたは複数のペアについて測定された受信電力の少なくとも1つの差に基づいて、前記距離を推定する、C38に記載の第1の装置。
[C44]
前記推定するための手段は、前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について測定された受信電力の少なくとも1つの差を、既知の距離で取得された前記1つまたは複数のペアのトレーニング信号について以前に測定された受信電力の少なくとも1つの差と比較することによって、前記距離を推定する、C43に記載の第1の装置。
[C45]
送信のために、前記複数のトレーニング信号を出力するための手段は、異なるアンテナ構成を使用して、送信のために前記複数のトレーニング信号を出力することを備える、C38に記載の第1の装置。
[C46]
ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体であって、第1の装置に
第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を取得することと、
前記複数のトレーニング信号に基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定することと、
を行わせるための命令を記憶したコンピュータ可読媒体。
[C47]
ワイヤレス通信のためのコンピュータ可読媒体であって、第1の装置に
送信のために、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を出力することと、
前記第2の装置から、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを取得することと、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定することと、
を行わせるための命令を記憶したコンピュータ可読媒体。
[C48]
ワイヤレス局であって、
少なくとも1つの受信アンテナと、
前記少なくとも1つの受信アンテナを介して、第2の装置から複数の方向で受信された複数のトレーニング信号を受信するための受信機と、
前記複数のトレーニング信号に基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、
を備えるワイヤレス局。
[C49]
ワイヤレス局であって、
少なくとも1つの送信アンテナと、
前記少なくとも1つの送信アンテナを介して、第2の装置に複数の方向で複数のトレーニング信号を送信するための送信機と、
少なくとも1つの受信アンテナと、
前記少なくとも1つの受信アンテナを介して、前記第2の装置で受信されたときの前記トレーニング信号に対応するパラメータを受信するための受信機と、
前記パラメータに基づいて、前記第1の装置と前記第2の装置との間の距離を推定するように構成された処理システムと、
を備えるワイヤレス局。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
図9A