特許第6522802号(P6522802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6522802シリコーンの製造で得られた処理排ガスの連続的洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6522802
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】シリコーンの製造で得られた処理排ガスの連続的洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/70 20060101AFI20190520BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20190520BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20190520BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20190520BHJP
   B01D 71/42 20060101ALI20190520BHJP
   B01D 71/48 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   B01D71/70
   B01D53/22
   B01D69/10
   B01D69/12
   B01D71/42
   B01D71/48
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-566381(P2017-566381)
(86)(22)【出願日】2016年7月11日
(65)【公表番号】特表2018-519994(P2018-519994A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】EP2016066398
(87)【国際公開番号】WO2017009276
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2017年12月21日
(31)【優先権主張番号】102015213252.8
(32)【優先日】2015年7月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ、フュルスト
(72)【発明者】
【氏名】ニルス、ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】ディーター、ドゥシュル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン、シュスター
【審査官】 高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−532294(JP,A)
【文献】 特表2004−538336(JP,A)
【文献】 特表2003−517073(JP,A)
【文献】 特表2006−512946(JP,A)
【文献】 特開昭59−222204(JP,A)
【文献】 特表平08−502543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
61/00 − 71/82
C02F 1/44
C08G 77/00 − 77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜分離装置を用いて、2〜18個のSi原子を有する直鎖状、環式および分岐状シロキサン、トリオルガノシラノールおよびそれらの混合物からなる群から選択されるオルガノシリコン化合物を、窒素および酸素を含有している処理排気流から分離することにより、
シリコーンの製造において得られ、オルガノシリコン化合物を含有する処理排気流を精製するための連続的方法であって、
前記膜分離装置は、シリコーン系の半透膜として、ポリアクリロニトリル/ポリエステル不織布(POMS)から成る多孔質支持構造及び該多孔質支持構造上に形成されたポリオクチルメチルシロキサン膜を備える複合膜を含有し、
該複合膜が、窒素に比べて、オルガノシリコン化合物及び酸素を選択的に通過させるものであり、
オルガノシリコン化合物を、窒素および酸素を含有する前記処理排気流が、前記膜分離装置の入り口で連続的に導入され、前記複合膜に接触することによって、残余ガス副流と、浸透ガス副流とに分離され、
前記残余ガス副流は、オルガノシリコン化合物が枯渇しており、膜分離装置から放出され、
前記浸透ガス流は、オルガノシリコン化合物に富んでおり、膜分離装置から放出され、
前記処理排気流中のオルガノシリコン化合物の濃度が、合計0.3g/m〜1000g/mであり、
かつ前記処理排気流中に存在しているオルガノシリコン化合物の負荷が、合計10g/h〜10000g/hである、連続的方法。
【請求項2】
前記オルガノシリコン化合物が、下式の直鎖状シロキサン:
【化1】
[式中、
基Rは、同一または異なっていて、各々1〜12個の炭素原子であり、かつ、
nは、0または1〜16の整数である。]、
下式の環式シロキサン
【化2】
[式中、
Rは、同一または異なっていて、各々1〜12個の炭素原子であり、かつ、
xは、3〜18の整数である。]、
下式のトリオルガノシラノール
【化3】
[式中、
Rは、同一または異なっていて、各々1〜12個の炭素原子である。]
およびそれらの混合物の中から選択された化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記浸透ガス副流中の圧力が、0.15bar以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
処理排気流の透過ガス副流に対する圧力比が、7〜50の範囲にあることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記残余ガス副流が、シリコーン製造のための生産処理に連続的に再循環されるか、または環境内へ連続的に放出されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記透過ガス副流中により高い濃度で存在している前記オルガノシリコン化合物が、凝縮によって透過ガス副流から連続的に分離され、結果として得られる処理排気ガス流が、膜分離装置外へ連続的に放出されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
複数の膜分離装置が直列に接続されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本方法は、オルガノシリコン化合物を含有し、かつシリコーンを製造する製造方法において得られる処理排ガスを精製するための連続的方法に関する。
【背景技術】
【0002】
US4,941,893には、半導体シリコン金属の製造におけるガスの除去方法であって、水素および塩化水素が、ガス混合物中のクロロシランから半透膜で選択的に分離される除去方法が開示されている。選択的な膜として、スルホン化ポリスルホンでコーティングしたポリスルホン複合膜を使用することが好ましい。
【0003】
M. Ajkar、M.Travesset、S.YuceおよびT.Melinは、Siloxan removal from landfill and digester gas - A technology overview", Bioresource Technology 101, 2913-2923 (2010)において、膜による方法を含む様々な技術による、埋立地ガスからの揮発性シロキサンの分離について記載している。
【0004】
Hochschule Aachen (2011)の「Membran-based Removal of Volatile Methylsiloxanes from Biogas」という題名の論文の68−104ページで、Marc Ajharは、生物起源ガスの揮発性メチルシロキサンを除去するためのポリジメチルシロキサン(PDMS)膜の使用を記載し、この揮発性メチルシロキサンは、メタン/二酸化炭素混合物から分離され、かつ約0.15g/mの範囲で少量存在しているものである。
【0005】
本発明の目的は、オルガノシリコン化合物を含有し、かつシリコーンの製造において形成される処理排ガスを精製するための連続的方法であって、オルガノシリコン化合物、特にシロキサンが、窒素/酸素ガス合剤から比較的大量でも選択的に取り除くことができる連続的方法を提供することである。
この目的は本発明によって達成される。
【0006】
本発明は、シリコーン系の半透膜を含有する膜分離装置によって、2〜18個のSi原子を有する直鎖状、環式および分岐状シロキサン、トリオルガノシラノールおよびそれらの混合物からなる群から選択されるオルガノシリコン化合物を、窒素および酸素を含有している処理排気流から分離することによって、オルガノシリコン化合物を含有し、かつシリコーンを製造する製造方法において得られる処理排気を精製するための連続的方法であって、当該膜が、オルガノシリコン化合物および窒素に相対する酸素および分離されかつオルガノシリコン化合物を含有する供給ガス流に選択的に透過性であり、窒素および酸素が、膜分離装置の入り口で連続的に導入され、かつ膜に接触することによって、オルガノシリコン化合物中で消費され、かつ膜分離装置から放出される残余ガス副流およびオルガノシリコン化合物に富化し、かつ膜分離装置から放出される浸透ガス副流内へ連続的に分離される、連続的方法を提供する。
【0007】
シリコーンを製造するための生産方法としては、シリコーンゴム、例えばHTV、RTVおよびLSRシリコーンゴムの製造、またはシリコーンポリマーの製造がある。ここで形成された処理排気は、2〜18個のSi原子を有する直鎖状、環式および分岐状シロキサン、トリオルガノシラノールおよびそれらの混合物からなる群から選択されたオルガノシリコン化合物を含有している。
【0008】
この処理排気は本発明による半透膜上に供給ガスとして搬送される。
【0009】
好ましくは、供給ガス中に存在するオルガノシリコン化合物は、下式の直鎖状シロキサン:
【化1】
[式中、
基Rは、同一または異なっていて、各々1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する一価炭化水素基、より好ましくはメチルまたはビニル基であり、かつ、
nは、0または1〜16の整数である。]、
下式の環式シロキサン
【化2】
[式中、
Rは、上に定義された通りであり、かつ、
xは、3〜18、好ましくは3〜6の整数である。]、
下式のトリオルガノシラノール
【化3】
[式中、
Rは、上に定義された通りである。]
およびそれらの混合物からなる群から選択された化合物である。
【0010】
本発明による排気精製の重要成分は、半透膜である。シリコーンの生産で得られた処理排気流は、半透膜を有する膜分離装置の入口に供給ガス流として搬送され、膜分離装置の膜と接触する。この膜は、好ましくはポリオクチルメチルシロキサン複合膜、好ましくはポリアクリロニトリル/ポリエステル不織布(POMS)から成る多孔質支持構造上のポリオクチルメチルシロキサン複合膜である。そのような膜は、ドイツ、21502 Geesthacht、Max-Planck-Straβe 1のHelmholtz-Zentrum Geesthacht, Zentrum fuer Material- und Kuestenforschung GmbHより取得可能である。
【0011】
膜材料は、供給ガス中に存在するオルガノシリコン化合物を溶解することができる。膜材料中に溶解した化合物を移動させるための推進力を提供するために、好ましくは、膜の透過側、即ち、供給ガスが膜と接触する側とは反対の膜の側、の真空ポンプによって大気より低い圧力が加えられる。
【0012】
供給ガスは、好ましくは窒素を95容積%以上の量含有し、好ましくは酸素を5容積%以下の量含有している。
【0013】
好ましくは真空ポンプによって膜の透過側に大気より低い圧力が加えられる。
透過ガス副流中の圧力は、好ましくは0.15bar以下であり、これには酸素を有する分離したオルガノシリコン化合物の点火を防止するという利点がある。圧力は0.02〜0.07barが好ましい。
この圧力は、好ましくは液体リングポンプによって達成することができる。また、著しく低い圧力も、適切な真空装置の選択によって達成することができる。
【0014】
供給ガス中の圧力は、好ましくは少なくとも1barおよび16bar以下であり、1.0〜1.5barの圧力が好ましい。
【0015】
供給ガス中および本発明の方法における温度は、好ましくは100℃以下、好ましくは少なくとも5℃、より好ましくは30℃〜40℃である。
【0016】
膜の除去性能は、供給ガス流の浸透ガス流に対する圧力比によって変えることができる。ここで、供給側および透過側の両方に対する圧力は、適切に選択することができる。供給ガス流の浸透ガス流に対する圧力比は、好ましくは少なくとも7であって最大1600万であってもよく、7〜50の圧力比が好ましく、15〜20の圧力比が特に好ましい。
【0017】
結果として生じる残余ガス流は、オルガノシリコン化合物中で対応して消費される。残余ガス流は、不活性ガスとして処理へ再循環されるか、または環境へ連続的に放出させることができる。
【0018】
好ましくは、残余ガス流は、供給ガス流より高い含有量の窒素および低い含有量の酸素を含有する。したがって、残余ガス流は、好ましくは窒素を95〜98容積%の量含有し、好ましくは酸素を2〜5容積%の量含有する。
【0019】
結果として生じる透過ガス流は、対応してオルガノシリコン化合物に富化している。これらは、好ましくは凝縮によって、例えば、シェルアンドチューブ熱交換器または平板熱交換器または連続洗浄可能な表面(例えば、スクラッチクーラー)を有する熱交換器での凝縮によって、対応する方法による透過ガス流から連続的に凝縮し出すことができる。好ましくは、得られた凝縮液を回収し利用する。構造に従い、対応する処理排ガス流は、残余ガス流と伴にまたは環境へと単独で連続的に放出される。
【0020】
膜分離装置は、有効な膜面積のサイズを自由な選択を可能とする構造を有している。結果として、供給ガス中での非常に大きな濃度範囲、特に揮発性オルガノシリコン化合物の大きな負荷を補填することができる。この負荷は、わずかなppm重量から最大キログラム数/hの合計までの範囲に及ぶことがある。
【0021】
供給ガス中に存在するオルガノシリコン化合物の負荷[g/h]は、容積流量[m/h]と濃度[g/m]との積から得られる。
【0022】
Marc Ajharの論文によれば、埋立地ガス中の揮発性メチルシロキサンの濃度は低く、具体的には合計0.15g/m未満であり、かつほんの少しの負荷の揮発性メチルシロキサンが埋立地ガスから除去される。それとは対照的に、本発明の方法によれば、高い濃度と負荷のオルガノシリコン化合物が処理排気から除去される、即ち、工業的処理からの処理排気は本発明の方法によって精製することができる。
【0023】
供給ガス中のオルガノシリコン化合物の合計濃度は、好ましくは0.3g/m〜1000g/m、好ましくは1g/m〜100g/mである。
【0024】
供給ガスの容積流量は、乾燥標準状態(標準状態: 圧力1.01325bar、温度273.15 Kおよび、絶対大気湿度0%)に基づき、好ましくは10m/h〜2000m/h 、好ましくは30m/h〜500m/hである。
【0025】
供給ガス中に存在しているオルガノシリコン化合物の負荷[g/h]は、好ましくは合計で10g/h〜10000g/h、 より好ましくは合計で1000g/h〜5000g/hである。
【0026】
膜分離装置中の膜との接触後、この供給ガス流は、消費された残余ガス流と富化された透過ガス流に分割され、処理排気ガス流は、好適な方法、例えば凝縮による、オルガノシリコン化合物の透過ガス流からの分離によって得られるものである。
【0027】
各場合において、オルガノシリコン化合物の個々のタイプまたはオルガノシリコン化合物の合計に基づき、供給ガス中の負荷[g/h]は、容積流量[m/h]と供給ガスの濃度[g/m]との積から計算することができる。同様に、残余ガス中のオルガノシリコン化合物の負荷[g/h]は、残余ガスの測定した容積流量[m/h]および測定した濃度[g/m]から計算することができる。オルガノシリコン化合物に関する膜の透過率、それ故、残余ガス中のオルガノシリコン化合物の負荷の消費の程度は、ひいては以下の通り決定することができる。
【数1】
【0028】
オルガノシリコン化合物に関する透過率は、好ましくは30%〜100%、好ましくは50%〜100%、特に好ましくは60%〜90%である。
【0029】
供給ガスからのオルガノシリコン化合物に関する除去性能は、直列に複数の膜分離装置を接続することで、より一層最適化することができる。ここで、残余透過ガス流は、さらなる直列に接続した膜分離装置に連続的に供給される。そこで、透過と残余への新たな分離が行われる。
【0030】
例示を目的として本方法を図1において描写する。
シリコーンの生産において得られた処理排気は、供給ガス1として半透膜6を有する膜分離装置の入口に供給される。供給ガスは、オルガノシリコン化合物中で消費される残余ガス2およびオルガノシリコン化合物が富化した透過ガス3へと膜6上で分離される。残余ガス2は、不活性ガスとして処理へと再循環させるか、または環境へ放出させることができる。好ましくは、膜材料中に溶解した化合物の移動のための推進力を示す大気より低い圧力を、膜の透過側に、真空ポンプ7によって加える。好ましくは、コンデンサー8による凝縮によって、より高い濃度で透過ガス3中に存在しているオルガノシリコン化合物を分離することができる。好ましくは、凝縮液4を回収し利用する。発生する処理排気ガス5は、環境の中へ単独でまたは残余ガスと一緒に放出される。
【0031】
容積流量の決定:
Prandtl管を使用する差圧測定は、DIN EN 15259に従い決定した。
検出限界:1m/s
精度:およそ±10%
【0032】
オルガノシリコン化合物の決定:
真空ガス回収容器による毛細管を介した排気ガス流からの積分サンプリング、DIN EN 13464に基づく方法によるGC−FIDを使用した定性的決定および定量的決定。検出限界:オルガノシリコン化合物のタイプに従い、<2mg/m
精度:およそ±10%
【実施例】
【0033】
実施例1:
高温架橋シリコーンゴムの生産で連続的に形成された処理排気を、供給ガス流1として、温度40℃および絶対圧1080mbarで、膜6へと50m/hで供給した。この供給ガス流を、膜で、40m/hの残余ガス流2と10m/hの透過ガス流3とに分離した。透過側に対する圧力は、絶対圧60mbarである。これは圧力比17.5に相当する。コンデンサー8は−10℃の保冷剤を使用して操作した。
【0034】
処理排気の重要な構成物質の濃度は、表1に示されるように、正規のランダムなサンプルで測定した。対応する負荷は、測定した容積流量を使用してそこから計算することができる。供給ガス流1は、膜への進入前に取り除き、処理排気ガス5は、スクラッチクーラー8の下流で測定し、残余2は、膜の下流で決定した。
結果を表1にまとめた。
【0035】
供給ガス:
:≧95容積%
:≦5容積%

残余:
:95〜98容積%
:2〜5容積%

オルガノシリコン化合物:
Si2:ヘキサメチルジシロキサン
M3SiOH:トリメチルシラノール
D3:ヘキサメチルシクロトリシロキサン
D4:オクタメチルシクロテトラシロキサン
D5:デカメチルシクロペンタシロキサン
D6:ウンデカメチルシクロヘキサシロキサン
【0036】
【表1】
【0037】
オルガノシリコン化合物に関する透過率は以下の通り計算した。
【数2】
【0038】
実施例2:
高温架橋シリコーンゴムの生産で連続的に形成された処理排気を、供給ガス流1として、温度40℃および絶対圧1080mbarで、膜6へと50m/hで供給した。この供給ガス流を、膜で、40m/hの残余ガス流2と10m/hの透過ガス流3とに分離した。透過側に対する圧力は、絶対圧60mbarである。これは圧力比17.5に相当する。コンデンサー8は−10℃の保冷剤を使用して操作した。
【0039】
処理排気の重要な構成物質の濃度は、表2に示されるように、正規のランダムなサンプルで測定した。対応する負荷は、測定した容積流量を使用してそこから計算することができる。供給ガス流1は、膜への進入前に取り除き、処理排気ガス5は、スクラッチクーラー8の下流で測定し、残余2は、膜の下流で決定した。
結果を表2にまとめた。
【0040】
供給ガス:
:≧95容積%
:≦5容積%

残余:
:95〜98容積%
:2〜5容積%

オルガノシリコン化合物:実施例1を参照のこと。
【0041】
【表2】
【0042】
オルガノシリコン化合物に関する透過率は以下の通り計算した。
【数3】
図1