(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6523310
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】手動による組立てのためのボール紙シート材料製トレイ及びそのようなトレイを製作するためのブランク
(51)【国際特許分類】
B65D 5/18 20060101AFI20190520BHJP
B65D 5/44 20060101ALI20190520BHJP
B65D 21/032 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
B65D5/18 C
B65D5/44 E
B65D21/032
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-549721(P2016-549721)
(86)(22)【出願日】2015年2月2日
(65)【公表番号】特表2017-507857(P2017-507857A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】FR2015050232
(87)【国際公開番号】WO2015114277
(87)【国際公開日】20150806
【審査請求日】2017年11月20日
(31)【優先権主張番号】1400297
(32)【優先日】2014年2月3日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591046799
【氏名又は名称】ディーエス・スミス・パッケージング・フランス
【氏名又は名称原語表記】DS SMITH PACKAGING FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブルダン,オリヴィエ
【審査官】
西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02277785(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01746034(EP,A1)
【文献】
特開2013−133109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D5/00−5/76
B65D21/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール紙シート材料から作られたトレイ(1)であって、
上面(29)を有する矩形の底部(2)と、4つの側方の壁(4、5、6、7)で形成された帯状体(3)と、を含み、
前記4つの側方の壁が、第1の壁として記載される2つの対向する側方の第1の壁(5、7)と、後側方の第2の壁(6)及び前側方の第2の壁(4)である2つの第2の壁(4、6)と、を含み、
前記第1の壁が、前記トレイの横軸(8)に対して対称であり、各々に柱を形成する少なくとも1つの補強部材(9)がそれぞれ設けられ、
前記前側方の第2の壁(4)が、前記第1の壁(5、7)及び前記後側方の第2の壁(6)よりも低い高さを有し、
前記側方の壁の各々が、外側フラップ(14、15、16、17)上に内側フラップ(10、11、12、13)を縁折りすることによって得られる二重のパネルによって形成され、
前記後側方の第2の壁(6)の前記外側フラップ(16)が、第1の折り線(18)によって前記底部に接続され、前記第1の折り線(18)に対して直角をなす第2の折り線(19、20)によって、前記2つの第1の壁(5、7)の前記外側フラップ(14、15)に接続され、
前記第1の壁(5、7)の前記内側フラップ(10、11)が、二重の第3の折り線(21、22)によって、前記外側フラップ(14、15)にそれぞれ接続され、
前記第2の壁(4、6)の前記内側フラップ(12、13)が、二重の第4の折り線(23、24)によって、対応する前記外側フラップ(16、17)に接続され、
それぞれの前記内側フラップ(10、11、12、13)が、それぞれの前記外側フラップ(14、15、16、17)と同じ寸法か又は略同じ寸法を有し、
前記二重の第3及び第4の折り線(21、22、23、24)に対向するそれらの自由周縁(25、26、27、28)には、突起(30、31;32、33;34、35;36、37、38)が与えられ、前記突起を、前記トレイの前記底部(2)内の対応する凹部(39、40;41、42)にはめ込むことによって、及び/又は、前記上面(29)の摩擦によって、前記上面(29)とともに抑止され、
前記第1の壁(5、7)の前記内側フラップ(10、11)が、矩形の中央のパネル(43、44)を各々含み、
前記中央のパネル(43、44)が、その側端(45、46)の一つにおいて、第5の折り線(47、48)によって、柱を形成する補強部材(9)に接続され、第1の折り返し片(49、50)として記載される端部の折り返し片が設けられ、
前記中央のパネル(43、44)が、前記後側方の第2の壁(6)の前記内側フラップ(12)と前記補強部材(9)との間で定義され、底部(2)の幅Lよりも短い、長さlを有し、
前記幅Lが、前記後側方の第2の壁(6)の前記外側フラップ(16)と前記前側方の第2の壁(4)の前記外側フラップ(17)との間で定義され、
前記第1の折り返し片が、前記前側方の第2の壁(4)の前記外側フラップ(17)の内面(51)と協働し、
前記補強部材(9)が、前記第2の折り線(19、20)に対向する辺の上に位置する二重の第6の折り線(54、55)によって前記第1の壁(5、7)の前記外側フラップ(14、15)に接続された第2の折り返し片(52、53)として記載される側方の折り返し片によって、前記中央のパネル(43、44)に対して折り返されて抑止される
ことを特徴とする、トレイ。
【請求項2】
前記補強部材(9)が、前記第1の壁(5、7)の前記内側フラップ(10、11)と第1の折り返し片(49、50)との間に含まれ、第7の折り線(62)によって互いに接続された、3つの隣接する舌片(56、57、58;59、60、61)によって形成され、2つの第1の前記舌片(56、57;59、60)が、前記柱(9)を形成し、
端部の第3の前記舌片(58、61)が、対応する側方の前記第2の折り返し片(52、53)により重ねられ、
前記対応する側方の前記第2の折り返し片(52、53)と一体成型された抑止突起が、対向する前記第7の折り線(62)に沿って、凹部(65、66)内にはめ込むことによって抑止される
ことを特徴とする、請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記第6の折り線(54、55)を含む前記第1の壁(5、7)の前記外側フラップの前記辺(67)が、前記第6の折り線に沿って、その上部で前記第2の折り線(19、20)に対して傾斜し、その下部に、対応する前記第1の折り返し片(49、50)の内面と協働するように設計された第3の折り返し片(68)を含み、
前記前側方の第2の壁(4)の前記第4の折り線(24)が、二重である
ことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載のトレイ。
【請求項4】
第1の壁(5、7)の各外側フラップ(14、15)が、前記第3の折り線(21、22)に対向する辺の上に、第8の折り線(69、70)によって接続され、前記トレイの前記底部(2)の前記上面に向かって折り返されて、前記トレイの二重の底部の半分を形成する、下側フラップ(71、72)を含む
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトレイ。
【請求項5】
二重の底部の半分を形成する前記2つの下側フラップが、互いを繋止するための手段(73、74)を含む
ことを特徴とする、請求項4に記載のトレイ。
【請求項6】
前記第1の壁(5、7)の前記第3の折り線(21、22)及び前記後側方の第2の壁(6)の第4の折り線(23)が、前記第3及び第4の折り線から切り出され、対応する前記内側フラップに対して突出するほぞを含み、
前記トレイの前記底部(2)が、前記ほぞと同レベルに配置された相補的な形状を有する、下方の前記トレイの前記ほぞを組み込むための凹部を含む
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトレイ。
【請求項7】
トレイ(1)の構築のためのブランク(F)であって、
矩形の底部(2)と、4つの側方の壁で形成された帯状体(3)と、を含み、
前記4つの側方の壁が、第1の壁として記載される2つの対向する側方の第1の壁(5、7)と、後側方の第2の壁(6)及び前側方の第2の壁(4)である2つの第2の壁(4、6)と、を含み、
前記第1の壁が、前記トレイの横軸(8)に対して対称であり、
前記前側方の第2の壁(4)が、前記第1の壁(5、7)及び前記後側方の第2の壁(6)よりも低い高さを有し、
前記壁の各々が、内側フラップ(10、11、12、13)及び外側フラップ(14、15、16、17)によって形成され、
前記後側方の第2の壁(6)の前記外側フラップ(16)が、第1の折り線(18)によって前記底部に接続され、前記第1の折り線(18)に対して直角をなす第2の折り線(19、20)によって、前記2つの第1の壁(5、7)の前記外側フラップ(14、15)に接続され、
前記第1の壁(5、7)の前記内側フラップ(10、11)が、二重の第3の折り線(21、22)によって、前記外側フラップ(14、15)にそれぞれ接続され、
前記第2の壁(4、6)の前記内側フラップ(12、13)が、二重の第4の折り線(23、24)によって、対応する前記外側フラップ(16、17)に接続され、
それぞれの前記内側フラップ(10、11、12、13)が、それぞれの前記外側フラップ(14、15、16、17)と同じ寸法か又は略同じ寸法を有し、
前記第1の壁(5、7)の前記内側フラップ(10、11)が、その中に、矩形の中央のパネル(43、44)を各々含み、
前記中央のパネル(43、44)が、その側端(45、46)の一つにおいて、第5の折り線(47、48)によって、トレイが形成されたときの柱を形成する補強部材(9)に接続され、第1の折り返し片(49、50)として記載される端部の折り返し片が設けられ、
前記中央のパネル(43、44)が、前記後側方の第2の壁(6)の前記内側フラップ(12)と前記補強部材(9)との間で定義され、底部(2)の幅Lよりも短い、長さlを有し、
前記幅Lが、前記後側方の第2の壁(6)の前記外側フラップ(16)と前記前側方の第2の壁(4)の前記外側フラップ(17)との間で定義され、
前記第1の折り返し片が、前記トレイが形成されたときの前記前側方の第2の壁(4)の前記外側フラップ(17)の内面(51)と協働するように設計され、
前記補強部材(9)が、前記第2の折り線(19、20)に対向する辺の上に位置する二重の第6の折り線(54、55)によって前記第1の壁(5、7)の前記外側フラップ(14、15)に接続された第2の折り返し片(52、53)として記載される側方の折り返し片によって、前記中央のパネル(43、44)に対して折り返されて抑止されるように設計される
ことを特徴とする、ブランク。
【請求項8】
前記補強部材(9)が、前記第1の壁(5、7)の前記内側フラップ(10、11)と第1の折り返し片(49、50)との間に含まれ、第7の折り線(62)によって互いに接続された、3つの隣接する舌片(56、57、58)によって形成され、
2つの第1の前記舌片(56、57;59、60)が、前記柱を形成し、
端部の第3の前記舌片が、側方の前記第2の折り返し片(52、53)と一体成型された抑止突起(63、64)を、対向したときに前記第7の折り線に沿って凹部にはめ込むことによって抑止されるように設計される
ことを特徴とする、請求項7に記載のブランク。
【請求項9】
第1の壁(5、7)の各外側フラップ(14、15)が、前記第3の折り線に対向する辺の上に、第8の折り線(69、70)によって接続され、前記トレイの前記底部(2)の上面に向かって折り返されて、前記トレイの二重の底部の半分を形成するように設計された下側フラップ(71、72)を含む
ことを特徴とする、請求項7及び8のいずれかに記載のブランク。
【請求項10】
前記第6の折り線(54、55)を含む前記第1の壁(5、7)の前記外側フラップの前記辺(67)が、前記第6の折り線に沿って、その上部で前記第2の折り線(19、20)に対して傾斜し、その下部に、対応する前記第1の折り返し片(49、50)の内面と協働するように設計された第3の折り返し片(68)を含み、
前記前側方の第2の壁(4)の前記第4の折り線(24)が、二重である
ことを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1項に記載のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形の底部と、壁の折り曲げ部によって形成された柱によって補強された側
方の壁の
帯状体とを含むボール紙シート材料から作られたトレイに関し、トレイは、手動によって組み立てられるように設計される。
【0002】
さらに、このタイプのトレイの製作のためのブランクに関する。
【背景技術】
【0003】
全てのタイプ(硬質又は軟質)の包装製品の保管及び輸送のためのトレイの分野において、特に有利であるが排他的ではない用途を有し、その使用は、輸送(良好な剛性及び良好な耐圧縮性を要する)に限定されず、棚上での製品の収納及び展示にも適切である。
【0004】
このタイプのトレイは、モジュール式であり、そのため、これらを複数の異なる製品の配送及び/又は同時販促に好適とする併用を可能にする。
【0005】
これらを蓋とともに用いる場合、これらは容易に開けられる。これらが側面で開く場合には、それによって製品を見ることが可能になり、かつ消費者が直接アクセスすることも可能になる。
【0006】
段ボールトレイは周知であり(仏国特許第2747643号)、これには、端部フラップの折り曲げによって得られる隅柱が設けられている。
【0007】
そのようなトレイは、良好な耐圧縮性を有するが、製品を側面側で展示することを可能にしていない。
【0008】
また、モジュール式トレイが周知であり(仏国特許第2036827号)、これには、折り曲げによって得られる側柱によって、上方からトレイに接続されることができる支持部材が設けられている。
【0009】
このタイプの包装は、接合ロッドの存在を必要とし、そのため実施が複雑である。
【0010】
これらのトレイはすべて、折り曲げられて接着されるが、機械的に組み立てられるように設計されている。
【0011】
したがって、これらは、高価な機械への投資を必要とし、このことは、要求される量があまり大量でない場合には、必ずしも妥当ではない。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、シート状ボール紙で作られたトレイ及びブランクを提供することであり、従来周知のものと比して、特に機械によって機械的に組み立てられるトレイと同じ見た目及び剛性の利点を得ると同時に、それらの費用を回避し、ボール紙の表面積を、既存のトレイと比較して約20%のレベルまで低減させることを可能にする点において、要件に実際により良好に適合する。
【0013】
本発明は、均質かつ直線的な見た目によって、ポイントオブセールスプロモーションのために、又はパレット上で、全てのサイズの製品とともに用いるために好適であり、販売スペースを最適化すると同時に、製品へのアクセスを容易にし、かつブランドの優れた識別性を可能にする。
【0014】
本発明によって、トレイがモジュール式の性質である結果として、またそれらが要望に応じて、かつ接着することなく手動によって組み立てられる結果として柔軟性が高いため、多額の包装コストが低減され、これによって単一のパレット上に異なる製品を保管することが可能になる。
【0015】
また、座屈に対するより良好な耐性を可能にする二重の底部を有するトレイの構造を提供し、トレイの側面及び後ろに二重の縦畝を組み込むことが可能になり、それによって積荷のより良好な耐圧縮性及びより高い安定性を確実にすることができる。
【0016】
このように、全体的に再利用されることができるボール紙によって、耐性/表面積/重量の最適化された比率が得られ、それによってCO
2の排出が低減される。
【0017】
最終的に、このタイプのトレイは、列に並べるための動作数を制限すると同時に、棚上に置く間に、カッター及び/又は予めカッティングする必要を除去することを可能にする。
【0018】
この目的のために、本発明は、特にボール紙シート材料から作られたトレイを提案し、矩形の底部と、側
方の壁、すなわち第1の壁として記載され、トレイの横軸
に対して対称であり、各々に柱を形成する少なくとも1つの補強部材がそれぞれ設けられた2つの対向する側
方の第1の壁と
、2つの第2の壁、すなわち
後側方の第2
の壁及び
その他の壁よりも低い高さを有する前側方の第2
の壁であって、壁の各々は、外側フラップ上に内側フラップを縁折りすることによって得られる二重のパネルによって形成される、第2の壁との
帯状体とを含み、
後側方の第2
の壁の外側フラップは、第1の折り線によって底部に接続され、第1の折り線に対して直角をなす第2の折り線によって、2つの第1の壁の外側フラップに接続され、第1の壁の内側フラップは、
二重の第3
の折り線によって、外側フラップにそれぞれ接続され、第2の壁の内側フラップは、
二重の第4
の折り線によって、対応する外側フラップに接続され、それぞれの内側フラップは、それぞれの外側フラップと同じ寸法か又は略同じ寸法を有し、
二重の第4
の折り線に対向するそれらの自由周縁は、摩擦によって、及び/又は突起を上面とともに、及び/又は対応する凹部とともに、トレイの底部にはめ込むことによって
抑止され、第1の壁の内側フラップは、底部の幅Lよりも短い長さlを有する矩形の中央
のパネルを各々含み、パネルは、その側端において、第5の折り線によって、端部
の折り返し片が設けられた柱を形成する補強部材に接続され、
前側方の第2
の壁の外側フラップの内面と協働する第1の折り返し片は、補強部材が側方
の折り返し片によって中央
のパネル
に対して折り返されて
抑止されることを助け、第2の折り返し片は、第2の折り線に対向する辺
の上に位置する
二重の第6
の折り線によって、第1の壁の外側フラップに接続されることを特徴とする。
【0019】
付加的に及び/又はさらには、有利な実施形態では、以下の構成の1つ及び/又はその他を手段として用いる。
−補強部材は、第7の折り線によって互いに接続された3つの縦
の舌片によって形成され、2つの第1の
舌片は、柱を形成し
、端部
の第3の舌片は、側方
の第2の折り返し片と一体成型された
抑止突起を、対向する第7の折り線に沿って、凹部内にはめ込むことによって
抑止される。
−第6の折り線を含む第1の壁の外側フラップの辺は、その上部で、第6の
折り線に沿った
前記第2の折り線に対して傾斜し、その下部に、対応する第1の折り返し片の内面と協働するように設計された第3の折り返し片を含み、
前側方の第2
の壁の第4の折り線は、二重である。
−第3の折り線に対向し、かつ第8の折り線によって接続された辺
の上において、第1の壁の各外側フラップは、トレイの底部の上面に向かって折り返されて、トレイ上に二重の底部の半分を形成する、下側フラップを含む。
−二重の底部の半分を形成する2つの下側フラップは、互いを繋止するための手段を含む。
−
後側方の第2
の壁の第3の折り線及び第4の折り線は、第3及び第4の
折り線から切り出され、対応する内側フラップ
に対して突出するほぞを含み、トレイの底部は、ほぞと同レベルに配置された相補的な形状を有する、下方のトレイのほぞを組み込むための凹部を含む。
【0020】
本発明は、前述のようなトレイを得ることを可能にするブランクをさらに提案する。
【0021】
したがって、本発明は、トレイの構築のためのブランクを提案し、矩形の底部と、側
方の壁、すなわち第1の壁として記載され、トレイの横軸
に対して対称である2つ
の対向する側
方の第1の壁と
、2つの第2の壁、すなわち
後側方の第2
の壁及び
その他の壁よりも低い高さを有する前側方の第2
の壁であって、壁の各々は、内側フラップ及び外側フラップによって形成された、第2の壁との
帯状体と、を含み、
後側方の第2
の壁の外側フラップは、第1の折り線によって底部に接続され、第1の折り線に対して直角をなす第2の折り線によって、2つの第1の壁の外側フラップに接続され、第1の壁の内側フラップは、
二重の第3
の折り線によって、外側フラップにそれぞれ接続され、第2の壁の内側フラップは、
二重の第4
の折り線によって、対応する外側フラップに接続され、それぞれの内側フラップは、それぞれの外側フラップと同じ寸法か又は略同じ寸法を有し、第1の壁の内側フラップは、底部の幅Lよりも短い長さを有する矩形の中央
のパネルを各々含み、パネルは、その側端の一つにおいて、第5の折り線によって、トレイが形成されたときに柱を形成し、かつ第1の折り返し片として記載され、トレイが形成されたときに
前側方の第2
の壁の外側フラップの内面と協働するように設計された端部
の折り返し片が設けられた補強部材に接続され、補強部材は、第2の折り返し片として記載され、第2の折り線に対向する辺上に位置する
二重の第6
の折り線によって、第1の壁の外側フラップに接続された側方の折り返し片によって、中央
のパネル
に対して折り返されて
抑止されることを特徴とする。
【0022】
有利な実施形態によれば、第1の壁の各外側フラップは、第3の折り線に対向する辺の上に、第8の折り線によって接続され、トレイの底部の上面に向かって折り返されて、トレイの二重の底部の半分を形成するように設計された下側フラップを含む。
【0023】
有利には、2つの下側フラップは、(たとえば、ほぞ/ほぞ穴によって)互いに繋止するための手段を含む二重の底部を形成する。
【0024】
本発明は、本明細書に記載された、以下に続く非限定的な例による実施形態の記載を読むことによって、よりよく理解されよう。当該記載は、添付の図面に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態によるトレイの斜視図である。
【
図2】
図1に示されたタイプのトレイを得ることを可能にするブランクの平面図である。
【
図3】
図1の本実施形態による複数のトレイの、パレット上でのスタッキングの斜視図である。
【
図4】
図1の本実施形態による複数のトレイの、パレット上でのスタッキングの斜視図である。
【
図5A】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5B】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5C】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5D】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5E】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5F】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5G】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5H】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5I】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【
図5J】
図2のタイプのブランクから、
図1のトレイを手動で組み立てる工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、たとえば厚さ3mmである段ボールシート材料で作られたトレイ1を示し、矩形の底部2と、矩形又は略矩形の壁、すなわち2つの対向する第1の壁5、7、及び2つの対向する第2の壁4、6の
帯状体3とを含む。
【0027】
第2の壁4、6は、
前側方の壁4及び
後側方の壁6をそれぞれ形成する。
【0028】
ここでより特定的に記載された実施形態では、側
方の第1の壁5、7は、軸8に従ったトレイの横平面
に対して対称である。
【0029】
第1の壁5、7の各々は、柱を形成する補強部材9を付加的に含む。
【0030】
柱は、対応する壁に含まれる略矩形の底部断面を有し、トレイ内部に突出する縦稜9’を有する。
【0031】
柱は、トレイの全長、すなわち側
方の壁5、7の高さに沿って延伸するか、又はわずかに高く、10分の数ミリメートル(たとえば0.5mm乃至2.5mmの間)だけ、頂部から延伸する。
【0032】
各々の柱9は、
前側方の壁4から引っ込んで、すなわち後者から側
方の壁5、7の当該長さの5%乃至40%の間の距離に位置付けられる。
【0033】
前側方の壁4は、略同じ高さを有する他の3つの
側方の壁5、7及び
後側方の壁6よりも短い。
【0034】
前側方の壁4の高さは、たとえばトレイの全高(すなわち、その他の壁)の1/10乃至1/5の間であり、たとえば高さ15cmに対して3cmである。
【0035】
これによって、トレイ1の内容物が、非常にアクセスされやすくなる。
【0036】
各々の壁4、5、6、及び7は、縁を折り曲げることによって形成され、すなわち1つのボール紙フラップを、同じ寸法又は略同じ寸法を有する別のフラップ上に折り返し、これら2つを二重の折り線によって互いに接続し、それによって二重のパネル壁(すなわち、フラップ)を形成する。
【0037】
より具体的には、
図2を参照すると、トレイは、ブランクFを折り曲げることによって形成される。後者は、内側フラップ10、11、12、及び13を含み、言い換えれば、これらは、トレイの内側に面する面を有し、これらの上には、対応する内側フラップに対して同一又は略同一の形状を有する、折り返された外側フラップ14、15、16、及び17がある。
【0038】
外側フラップ16は、一側で第1の折り線18(たとえば二重である)によって底部フラップ2に接続され、第2の折り線19、20によって、2つの第1の壁5、7の外側フラップ14、15に接続される。
【0039】
第2の折り線19、20は、第1の折り線18に対して直角をなす。
【0040】
第1の壁5、7は、内側フラップ10、11をさらに含み、これらは、最初に
二重の第3の折り線21、22によって外側フラップ14、15に、そして次に(プレカット状で)内側フラップ12に接続される。
【0041】
第3の折り線21、22は、前記第3の
折り線から切り取られ、対応する内側フラップ
に対して突出するほぞTrを含み、トレイの底部は、凹部Erを含み、これは相補的な形状を有し、トレイのほぞを下方に組み込むために前記ほぞと同レベルに配置される。
【0042】
外側フラップ16は、底部に対向する側で、
二重の第4
の折り線23によって内側フラップ12に接続され、それ自体の上に内側フラップ12を折り返すことによって、
後側方の壁6を形成する。
【0043】
第2の壁4の内側フラップ13は、それに関する限り、
二重の第4
の折り線24によって、対応する外側フラップ17に接続される。
【0044】
また、
後側方の第2
の壁の第4の折り線23は、本ケースでは、下方のトレイのほぞを組み込むための、ほぞと同じレベルに配置された相補的な形状を有する1以上の凹部Erを含む、トレイの底部でもある対応する内側フラップ
に対して突出する少なくとも1つの切り出されたほぞTrを含む。
【0045】
各内側フラップ10、11、12、及び13は、対応する外側フラップ14、15、16、及び17と同じ寸法又は略同じ寸法を有する。
【0046】
内側フラップ10、11、12、及び13は、それらに関する限り、前記
二重の第4
の折り線21、22、23、24に対向する、それら
に対して突出する突起30及び31、32及び33、34及び35、36、37、及び38が設けられた自由周縁25、26、27、及び28を各々含む。
【0047】
これらの突起は、摩擦力によって、及び/又は底部2の上面29にはめ込むことによって
抑止され、及び/又はトレイの底部2における対応する小さな矩形の凹部39及び40、及び41及び42に組み込まれる。
【0048】
第1の壁5及び7の内側フラップ10及び11は、底部2の幅Lよりも短い長さ
lを有する矩形のパネル43及び44を各々含む。
【0049】
長さ
lは、320mm乃至450mmの間の幅L、たとえば380に対して、たとえば200mm乃至380mmの間である。
【0050】
内側フラップ12に対向する辺では、内側フラップ10及び11は、一連の
舌片及び/又は折り返し片をそれぞれ含む。言い換えると、パネル43、44は、それらの側端45、46の一方で、第5の折り線47及び48によって、第1の折り返し片49、50として記載された端部
の折り返し片が設けられた柱を形成する補強部材9にそれぞれ接続される。
【0051】
第1の折り返し片49、50は、たとえば80mm×30mm乃至160mm×110mmの矩形である。
【0052】
第1の折り返し片49、50は、
前側方の第2
の壁4の外側フラップ17の内面51と協働する。
【0053】
補強部材9は、それに関する限り、第2の折り返し片52、53として記載された台形の側方
の折り返し片によって、前記中央
のパネル43、44
に対して折り返されて
抑止される。
【0054】
後者は、第2の折り線19、20に対向する辺
の上に位置する
二重の第6
の折り線54、55によって、第1の壁5、7の外側フラップ14、15に接続される。
【0055】
柱は、内側フラップ10及び11の間に包含される一連の3つの隣接する縦
の舌片56、57、及び58、59、60及び61と、第1の折り返し片49、50とで構成される一続きによって形成される。
【0056】
2つ
の縦の第1の舌片56、57、及び59、60は矩形であり、第3の
舌片58、61は、矩形上に支持された三角形及び/又は不等辺四辺形によって構成される。
【0057】
3つの縦
の舌片は、内側フラップ12のものと等しいか又はそれよりもごくわずかに高い高さを有し、第7の折り線62によって互いに接続される。
【0058】
2つの第1の
舌片56、57、及び59、60は、柱9を形成し
、端部の
、第3の舌片58、61は、対応す
る側方
の第2の折り返し片52、53と一体化された
抑止突起63、64を、対向する第7の折り線62に沿った凹部65、66にはめ込むことによって
抑止される。
【0059】
第2の折り返し片は、第1の壁5、7の辺67を形成し、その上部に、前記第6の線に沿った
前記第2の折り線に対して傾斜する第6の折り線54、55を含み、その下部に、対応する第1の折り返し片49、50の内面と協働するように設計され
た矩形の
第3の折り返し片68を含み、
前側方の第2
の壁4の第4の折り線24は、ボール紙シートの2種の厚さに対応する厚さを有する。
【0060】
本明細書でより特定的に記載された実施形態では、底部が補強されている。
【0061】
第1の壁5、7の各々の外側フラップ14、15は、第3の折り線21、22に対向する辺
の上に、第8の折り線69、70によって接続された下側フラップ71、72を含み、これらは、トレイの底部2の上面上に折り返されて、トレイ上に二重の底部の半分を形成する。
【0062】
下側フラップ71、72は、たとえば320mm×320mm乃至460mm×460mmの略矩形形状を有する。
【0063】
これらは、たとえば、互いに対して繋止するための手段73、74を除いて、軸8に従った平面
に対して略対称であり、それによってトレイの二重の底部の半分を各々形成する。
【0064】
繋止手段73、74は、下側フラップ71、72の一方の自由縁上に略台形のほぞを含み、これは、他方における溝と、蟻継状の接続で協働するように設計される。
【0065】
いったんトレイ1が形成されると、これらは、
図3及び4に示されるように積み重ねられることができる。
【0066】
それらの構造が良好な耐圧縮性を有するため、それらの寸法は、トレイの積み重ねを保持するためのさらなる手段なしに、パレットPの4分の1(
図3)か、又は4分の1のパレット全体(
図4)を占めるように適合されることができる。
【0067】
トレイを重ね合わせている間、下方のトレイのほぞTrは、対応する壁5、7から延伸し、上方のトレイに開口を形成する相補的な凹部Er内にはめ込まれることによって、ほぞ穴タイプの接続を形成する。
【0068】
別の実施形態では、ブランクは、第8の折り線上の補強柱の折り返し片に対して相補的な形状を有し、前記柱の超過した高さと協働するように設計された開口をさらに含む。
【0069】
ここで、
図5A乃至5Jを参照して、本発明の実施形態による、ブランクからのトレイの手動による組立てをより具体的に説明する。
【0070】
図5Aは、トレイの組立ての第1の工程を示し、平らで折り曲げられていないブランクFを供給することからなる。
【0071】
第2の工程では(
図5B)、作業者は、内側フラップ10、11、及び12を、それらの折り線22、23を中心として折り返し、外側フラップ上に内側フラップの縁の折り曲げを形成する。
【0072】
折り曲げは180°で行われ、それによって、フラップの面が接触するようにされる。
【0073】
そして、作業者は、補強柱9の稜を突出させ(矢印81)(工程3、
図5C)、二面角を形成する。この目的のために、作業者は、ブランクの平面上に力を加え、矢印81によって表されるように、ブランクの内側方向に強く押す。
【0074】
この作業は、たとえばフラップ10、58、及び11、61上の縦
の舌片56、57、及び59、60の両辺に手を置くことによって行われる。
【0075】
作業者は、縦
の舌片56、57、及び59、60を圧迫し、必要とされるよりも小さい対応するブランク上に、底部を有するピラミッド形の補強9を保持する。
【0076】
言い換えると、作業者は、ピラミッドを、頂部において最終的な角度、すなわち安定角度よりも小さい角度で保持する。
【0077】
そして、自由縁82は、ブランクの平面上で縦
の舌片5
7、60に対して傾斜し、第6の折り線54、55に略対応する。
【0078】
そして、第3の折り返し片68は、第1の折り返し片49、50を越えて延伸する。(対向して延伸する)第2の折り返し片52、53も同様である。
【0079】
図5Dを参照すると
、略矩形の
第2の折り返し片52、53はその後、予め折り返された(矢印82)縦
の舌片58、61上の斜め
の第6の折り線
54、55に従って、180°で折り返される。
【0080】
そして、作業者は、補強9上への圧力を解放し、ボール紙のばね作用によって、及び/又は作業者による、補強の構築に対するものとは反対の方向(矢印83)への引っ張りによって、底部を補強9から浮かせる(工程5、
図5E)。
【0081】
作業者は、突起63、64をしっかりと保持し、及び/又は案内し、それらが対向したときに第
6の折り線54、55に沿っ
て側方
の第2の折り返し片52、53とともにそれぞれの凹部65、66にはめ込んで一体的に組み込むことによって、それらを
抑止する。
【0082】
そして、作業者は、下側フラップ71、72を、第8の折り線69
、70に従って、ブランクの残りの部分
に対して90°の角度で折り返す(矢印84)(工程6、
図5F)。
【0083】
そして、第2の折り線19、20を中心として、約90°の角度で折り曲げる(矢印85)ことによって、作業者は、下側フラップ71、72を互いに引き寄せ、繋止手段(73、74)を
抑止位置に持っていき、トレイ上に二重の底部を形成する(工程7、
図5G)。
【0084】
そして、ほぞ73が溝74内に挿入されて、燕尾状の接続を形成する。
【0085】
そして、作業者は、組立品を、第1の折り線に従って底部2上で90°折り曲げることによって旋回させ(矢印86)、トレイ1の補強された底部87を形成する(工程8、
図5H)。
【0086】
そして、第1及び第3の折り返し片49、68、及び50、68は全て、第9の折り線89に従ってトレイの内側に向かって90°折り返される(矢印88)(工程9、
図5I)。
【0087】
作業者は、
前側方の壁4の縁を折り曲げることによって、すなわち
二重の第4
の折り線24に従って、外
側フラップ17上に向かって内
側フラップ13を180°折り返すことによって(矢印90)、及び組立品を90°折り返して前面を形成することによって、トレイの組み立てを完了する(工程10、
図5J)。
【0088】
組立品は、摩擦によって、及び/又は
突起30、31、32、33、34、及び35等を、底部及び/又は対応する凹部とともにクリッピングすることによって、一体にされる。
【0089】
上記の説明からわかるように、かつそれから明らかであるように、本発明は、より特定的に記載された実施形態に限定されない。
【0090】
それどころか、すべての変形、特に折り線が二重であるもの、及び/又は2つの折り線の間にボール紙の
舌片を含むものを組み込む。