【実施例】
【0047】
本発明は、以下の実施例を参照することでさらに理解されよう。
【0048】
実施例1
3-{4-[2-{5-クロロ-1-(ジフェニルメチル)-2-[2-({[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]-1H-インドール-3-イル}エチル]スルホニル}フェニル}プロパン酸の製造
式Iの化合物は、その内容が参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第2006/128142号に記載のように製造することができる。以下の工程を行う。
【0049】
工程1
2-ブロモ-4-クロロアニリン(1.0当量)をCH
2Cl
2(0.25M)に溶解させた後、トリエチルアミンおよび無水トリフルオロ酢酸(各1.1当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をCH
2Cl
2を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーで精製して、アミドを収率97%で得た。m/z(M-H)
- 300.0
【0050】
工程2
密封容器中、N
2下にてN-(2-ブロモ-4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(工程1、1.0当量)と3-ブチン-1-オール(2.0当量)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.5当量%)、トリエチルアミン(3.0当量)、CuI(5当量%)とをDMF(0.2M)中で混合し、120℃に4時間加熱した。次に反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。2% MeOH/CH
2Cl
2を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製してアルキンを収率67%で得た。m/z(M-H)
- 194.09
【0051】
工程3
2-(5-クロロ-1H-インドール-2-イル)エタノール(工程2、1.0当量)およびイミダゾール(2.0当量)をDMF(0.3M)に攪拌下、室温で溶解させた後、tert-ブチルクロロジフェニルシラン(1.2当量)を加えた。得られた混合物を室温で終夜攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。CH
2Cl
2を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーで精製してシリルエーテルを褐色ゴム状物として収率90%超で得た。m/z(M-H)
- 433.0
【0052】
工程4
2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール(工程3、1.0当量)をエーテル(0.4M)に溶解させ、溶液を0℃に冷却した。塩化オキサリル(1.2当量)を上記冷溶液に激しく攪拌しながら加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した後、EtOH、続いてNEt
3を加えた。次に得られた混合物をさらなるEtOHで希釈した後、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮してケトエステルを黄色固体として収率70%で得た。m/z(M-H)
- 533.0
【0053】
工程5
エチル [2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル](オキソ)アセテート(工程4、1当量)、Ph
2CHBr(1.5当量)、およびCs
2CO
3(1.5当量)を乾燥アセトニトリル(0.1M)中で混合した。混合物を還流温度に2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を濃縮し、CH
2Cl
2を溶離液とするクロマトグラフィーに残渣を供して、N-ベンズヒドリルインドールを橙色ゴム状物として収率45%で得た。m/z(M+H)
+ 701.3
【0054】
工程6
エチル [1-ベンズヒドリル-2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル](オキソ)アセテート(工程5、1当量)のTHF(0.1M)溶液にBH
3.Me
2S(THF中2M)(2当量)を加えた。得られた混合物をN
2下で還流温度に終夜加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、1N NaOHでゆっくりと反応停止させ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄した。濃縮してアルコールを収率65%で得た。m/z(M+H)
+ 645.0
【0055】
工程7
2-[1-ベンズヒドリル-2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]エタノール(工程6、1当量)のCH2CI2(0.08M)溶液に1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)-プロパン(DPPP、0.75当量)を加えた。溶液をN
2下で0℃に冷却した後、CBr
4(1.25当量)を加えた。反応温度を2時間かけて室温に戻した。溶媒を蒸発させ、残渣を、CH
2Cl
2を溶離液としてショートシリカゲルカラムを使用して精製して臭化物を定量的収率で得た。m/z(M+H)
+ 708.0
【0056】
工程8
1-ベンズヒドリル-3-(2-ブロモエチル)-2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール(工程7、1当量)とメチル-3-(4-メルカプトフェニル)プロピオネート(1.5当量)およびK
2CO
3(1.5当量)とをDMF(0.1M)中で混合した。得られた混合物をN
2下、室温で2時間攪拌した後、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2を溶離液とする)で精製してチオエーテルを帯褐色ゴム状物として収率80%で得た。m/z(M+H)823.0
【0057】
工程9
メチル 3-[4-({2-[1-ベンズヒドリル-2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]エチル}スルファニル)フェニル]プロパノエート(工程8、1当量)をアセトニトリル(0.1M)に溶解させた後、モレキュラーシーブ(粉末、4A)および4-メチルモルホリンN-オキシド(NMO)(4当量)をN
2下で加えた。5分後、n-Pr
4NRuO
4(TPAP)(5当量%)を加えた。得られた混合物を40℃で1.5時間加熱した。混合物を濃縮し、残渣をCH
2Cl
2、次に1% EtOAc/CH
2Cl
2を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーで精製して、スルホンを白色泡状物として収率44%で得た。m/z(M+H)
+855.1
【0058】
工程10
メチル 3-(4-{2-[1-ベンズヒドリル-2-({[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]エトキシ}フェニル)プロパノエート(工程9、1当量)をTHF(0.1M)に溶解させ、0℃に冷却した後、nBu
4NF(THF中1M)(1.2当量)で処理した。得られた混合物を0℃で5分間攪拌した後、室温に昇温させ、30分間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc/CH
2Cl
2(1:9〜1:4)を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーで精製して、アルコールを白色泡状物として収率90%で得た。m/z(M+H)
+ 616.20
【0059】
工程11
メチル 3-[4-{2-[1-ベンズヒドリル-5-クロロ-2-(ヒドロキシエチル)-1H-インドール-3-イル]エチル}-スルホニル)フェニル]プロパノエート(工程10、1当量)のCH
2Cl
2(0.02M)溶液を0℃にてMeSO
2Cl(2.0当量)およびEt
3N(2.5当量)で処理し、1時間攪拌した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で1時間攪拌した後、CH
2Cl
2で希釈し、NaH
2PO
4、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を蒸発させてメシレートを定量的収率で得た。m/z(M+H)
+ 695.0
【0060】
工程12
メチル 3-(4-{[2-(1-ベンズヒドリル-5-クロロ-2-{2-[(メチルスルホニル)オキシ]エチル}-1H-インドール-3-イル)エチル]スルホニル}フェニル)プロパノエート(工程11、1.0当量)をDMF(0.03M)に溶解させ、NaN3(3.0当量)で処理した。得られた混合物を60℃に加熱し、2時間攪拌した後、室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を蒸発させてアジドを定量的収率で得た。m/z (M+H)
+ 641.1
【0061】
工程13
メチル 3-[4-({2-[2-(2-アジドエチル)-1-ベンズヒドリル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]エチル}スルホニル)フェニル]プロパノエート(工程12、1当量)をTHF(0.1M)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(1.1当量)で処理した。2日後、水を加え、混合物を終夜攪拌し、濃縮し、4% MeOH:CH
2Cl
2を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーで精製して、アミンを収率71%で得た。m/z(M+H)
+ 615.2
【0062】
工程14
(2-トリフルオロメチルフェニル)メタンスルホン酸(20.3g、84mmol)のTHF(1.9L)およびDMF(5.0mL)懸濁液に塩化オキサリル(44.7mL、0.5mol)を-20℃で1時間かけてゆっくりと滴下した。浴温を0℃未満に4時間維持し、その時点で反応液を約250mLまで蒸発させ、酢酸エチル500mLで希釈した。この溶液を分液漏斗中にてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。次に溶液を蒸発させて褐色油状物にした。この油状物を石油エーテル(30〜50°)500mL中に取り込み、油状物が溶液になるまでヒートガンで加熱した。次に溶液をドライアイスアセトン浴に入れて冷却することで白色結晶性材料が形成された。この材料を濾取し、乾燥させて(2-トリフルオロメチルフェニル)メタンスルホニルクロリド19g(85%)を白色固体として得た。
【0063】
工程15
エチル 3-[4-({2-[2-(2-アミノエチル)-1-ベンズヒドリル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル]エチル}スルホニル)フェニル]プロパノエート(工程14、200mg、0.32mmol)および飽和NaHCO
3(0.14M)のCH
2Cl
2(0.07M)溶液に(2-トリフルオロメチルフェニル)メタンスルホニルクロリド(工程14、110mg、0.42mmol)を加えた。16時間後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウムに注ぎ、CH2Cl2で抽出した。一緒にした有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、カラムクロマトグラフィーで精製して淡黄色泡状物であるスルホンアミド250mgを収率93%で得た。
【0064】
工程16
得られたスルホンアミドエステル(220mg、0.26mmol)を、1N NaOH(5当量)のTHF(0.07M)溶液、および透明溶液を生成するために十分なMeOHと共に攪拌することで加水分解した。出発原料の消失について反応をTLC(10% MeOH-CH
2Cl
2)でモニタリングした。反応が完了した時点で、混合物を濃縮し、H
2Oで希釈し、1M HClを使用してpH 2〜4に酸性化した。水相をEtOAcで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、白色泡状物である3-{4-[2-{5-クロロ-1-(ジフェニルメチル)-2-[2-({[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]-1H-インドール-3-イル}エチル]スルホニル}フェニル}プロパン酸200mg(92%)を得た。
【0065】
実施例2
「概念実証」インビトロ薬物透過および浸透実験
一般に、インビトロ皮膚透過実験は、インサイチューで皮膚の生理学的および解剖学的条件を模倣するように設計された拡散セルの使用を包含する。この実験において使用するモデルはフランツ拡散セルとした(参照により本明細書に組み入れられるFinnin et al. Topical and Transdermal Drug Delivery 2012: 85-100, Benson and Watkinson (Eds))。下記のように調製した皮膚をセルの両半分の間に配置し、ドナー区画に面する角質層に薬物適用が可能になるようにした。本研究の目的は、異なる製剤/溶媒系から適用される際の、デルマトーム採取ヒト皮膚中にかつその全体にわたって透過する薬物濃度を比較することにあった。可能な場合はOECD 428ガイドラインに従って方法を実行した。
【0066】
皮膚の調製
美容縮小手術からのヒト皮膚を使用した。皮下脂肪を機械的に除去し、皮膚をNouvagカッターを使用して厚さ400±100μmまでデルマトーム採取した。
【0067】
小規模皮膚透過調査
実現可能性実験を以下のように行った。
【0068】
フランツセルの調製
(i) 平均表面積約0.6cm
2および容積約2.0mLを有するフランツ拡散セルを使用した。
(ii) 皮膚(上記のように調製)をドナー区画とレシーバ区画との間に載せ、セルをParafilmおよびクリップを使用して一緒に密封した。
(iii) 皮膚の完全性を点検するために、ドナーチャンバおよびレシーバチャンバをPBS溶液(1個のPBS錠を水100mLに溶解させることで調製)で満たし、小さな磁気フォロワーをレシーバ区画に置いた。
(iv) セルを水浴中で平衡化することで膜温度32℃を30分間確保した(水浴温37℃)。
(v) 各フランツセル内の皮膚の抵抗をLCR 6401 Databridgeを使用して測定した。
(vi) 電極をサンプリングアームおよびドナーチャンバを通じてレシーバ区画に置いた。
(vii) LCRを100Hzに設定し、抵抗について「R」に設定した。
(viii) 許容限界未満の抵抗を示すセルを廃棄し、再装着した。許容限界は、慎重に侵襲されたデルマトーム採取皮膚に関する対照の測定に従って規定される。対照の2倍を超える抵抗(KΩ)を示すセルを、許容されるものと見なし、フランツセル透過実験向けに選択した。
(ix) 皮膚完全性試験の後、許容されるセルのレシーバ区画をレシーバ液で満たした。次に各セルを平衡化することで表面温度32℃(皮膚外面温度)を投与前の少なくとも30分間確保した(水浴37℃)。
(x) さらなる1個のフランツセル(皮膚ドナー当たり)も装着したが、試料定量化との干渉を評価するために投与はしなかった(これによりブランクの役割を果たす)。
【0069】
試験溶媒系の投与および試料採取手順
2つの溶媒系を小規模インビトロ薬物透過試験用に選択し、下記のように投与した。
(i) セルを上記のように構築した。
(ii) 9個のセルを構築した。実現可能性実験中に2つの溶媒系(n=3)、各プラセボ溶媒系(n=1)、およびブランクセル(n=1)を評価した。
(iii) 選択された溶媒系(6mg)を容積式ピペットで皮膚の表面に直接適用した(用量は約10mg/cm
2となった)。用量の再現可能性を確保するために、投与前にピペットの分注量を確認した。分注量の確認は、6個の複製物をガラスバイアル中に秤量することで行った。(用量6mgを確保するために)適用された重量および容積を記録した。
(iv) レシーバ液(200μL)を以下の時点で除去した: t=0、1、2、4、6、24、30、および48時間。各試料を2個のLCMSバイアルに分け(バイアル当たり100μL)、ここで一方のバイアルに内部標準(1:1)を添加し、LC-MS/MSを使用して分析した。第2のバイアルをバックアップとして-20℃で保管した。
(v) 予め昇温させた新鮮なレシーバ液(200μL)を使用して、各時点で除去されたレシーバ液を置き換えた。
(vi) 48時間時点の後、化合物Iを下記のようにフランツセルから回収した。
【0070】
浸透調査
透過実験の完了後、皮膚表面、角質層、表皮、および真皮の一部上の、ドナーチャンバからの残留化合物Iの定量化を、以下の手順を使用して行った。
【0071】
ドナーチャンバからの回収
(i) 3本の綿棒を使用してドナーチャンバから化合物Iを回収した。
(ii) フランツセルを取り外した後、1本の乾燥脱脂綿棒を使用してドナーチャンバのすべての内面からすべての残留溶媒を除去し、この綿棒を7mLバイアルに入れた。
(iii) 次に第2の綿棒を抽出液に浸した後、フランツセルの内面を拭き取るために使用し、次にこの綿棒を、第1の綿棒を収容するバイアルに入れた。
(iv) 最後の綿棒を乾燥させて使用してフランツセルの内側を拭き取り、次に2本の他の綿棒を収容するガラスバイアルに入れた。
(v) ピペットを使用して、綿棒を収容するガラスバイアルに抽出液2mLを加えた。
(vi) バイアルをオービタルシェーカー上にて周囲温度で16〜20時間振盪した。
(vii) 抽出手順後、抽出溶媒系をバイアルから除去し、Heraeus Labofuge pico遠心分離機を使用して13,000RPM(16,060g-遠心力)で10分間遠心分離して未溶解の材料および粒子状物質を除去した。
(viii) 上澄み液を2つのアリコートに分け(100μLをバイアル1に、残りを第2のバイアルに)、ここでバイアル1に内部標準(1:1)を添加し、LC-MS/MSを使用して分析した。第2のバイアルをバックアップとして-20℃で保管した。
【0072】
皮膚の上面からの回収
(i) 3本の綿棒を使用して皮膚の表面から化合物Iを回収した。
(ii) フランツセルからドナーチャンバを取り外した後、1本の乾燥脱脂綿棒を使用して皮膚の表面からすべての残留溶媒を除去し、この綿棒を7mLバイアルに入れた。
(iii) 次に第2の綿棒を抽出溶媒に浸して、皮膚の表面を拭き取るために使用し、次にこの綿棒を、洗浄溶媒および第1の綿棒を収容するバイアルに入れた。
(iv) 最後の綿棒を乾燥させて使用して皮膚の表面を拭き取り、次に2本の他の綿棒を収容するガラスバイアルに入れた。
(v) 皮膚の表面からの最初のテープストリップも段階(iv)の脱脂綿棒と共に入れた。
(vi) ドナーチャンバからの回収用の方法の段階(v)〜(viii)を行うことで、皮膚の表面からの化合物Iの回収を完了した。
【0073】
角質層からの回収
(i) 最大5つのテープストリップを皮膚の表面から除去することで角質層を表皮から分離し、7mLバイアルに入れた。
(ii) ドナーチャンバからの回収用の方法の段階(v)〜(viii)を行うことで、角質層からの化合物Iの回収を完了した。
【0074】
表皮膜および真皮の一部からの分離および回収用の方法
残りの表皮および真皮の一部は以下のように処理した。
(i) 表皮および真皮をインキュベーターに60℃で2分間入れた。
(ii) 次に表皮および真皮をインキュベーターから取り除き、手袋をつけた手を使用して手動で分離した。
(iii) 表皮層および真皮層をそれぞれのPrecellys 24ホモジナイザーバイアルに入れ、抽出溶媒1mLを加えた。
(iv) 段階(iii)のPrecellysバイアルをPrecellys 24に入れ、内容物を5,800RPMにて2〜8℃で2x20秒間均質化した。
(v) 段階(iv)のPrecellysバイアルの内容物を7mLガラスバイアルに移した。
(vi) 段階(v)の空のPrecellysバイアルに抽出希釈液(1mL)を加え、バイアルを約30秒間ボルテックス混合した後、内容物を段階(v)のガラスバイアルに移した。
(vii) ドナーチャンバからの回収用の方法の段階(vi)〜(viii)を行うことで、表皮および真皮からの化合物Iの回収を完了した。
【0075】
フルスケール透過および浸透試験
フルスケールインビトロ薬物透過および浸透実験を、以下の修正を加えて小規模実験に関して記載のように行った。
(i) 化合物Iが飽和に近い2つの溶媒系を調査した。1つは浸透促進剤を有し(活性n=4、プラセボn=1)、1つは浸透促進剤を有さなかった(活性n=4、プラセボn=1)。
(ii) 3名のドナーからの皮膚、すなわち合計33個のセルを使用した(活性当たりのセルn=12、製剤当たりプラセボ当たりのセルn=3、および皮膚ドナー当たりのブランクとしてのセルn=3)。
【0076】
データ解析
インビトロ皮膚透過実験中に生じた試料のデータ解析および統計比較を以下のように行った。
(i) 各試料中で検出された化合物Iの濃度(ng/mL)を、LC-MS/MS上で同時に分析された較正標準から定量化した。
(ii) 試料採取量当たりの化合物Iの総量(ng)を計算した(総量/試料採取量=ng/mL×試料採取量)。
(iii) 次に、各時点で回収された化合物Iの総量(ng)を計算した(総量=ng/mL×各フランツセルの総容積)。
(iv) 化合物Iの累積量(ng)を、以前の各時点から取り出された総量(ng)(段階(ii))と共に各時点での総量(ng、段階(iii))を加えることで計算した。
(v) 化合物Iの単位面積当たりの累積量(ng/cm2)を、累積量(ng、段階(iv))を拡散面積で割ることで計算した(ng/cm2=累積量(ng)/拡散面積)。
(vi) あらゆる異常値を内部手順に従って除いたが、すべてのデータが報告された。
(vii) 流量(可能であれば)および浸透量を、レシーバ液中で経時的に測定された化合物I濃度、および真皮から回収された濃度からそれぞれ計算した。
【0077】
異常値の同定
透過/浸透実験において疑わしい異常値を確定し、それらの透過データが以下によって規定される限界を超える場合、さらなるデータ解析から除外した。
平均値+(2
*標準偏差)<異常値<平均値−(2
*標準偏差)
【0078】
統計分析
ドナー、表面、角質層、表皮、真皮、およびレシーバ液からの透過データおよび回収データの統計分析を、SPSSを使用して行った。ルビーン検定を使用して回収データを解析することで、各群の分散が等分散であるか否かを確認した。データが等分散であった場合、決定されるp値はp>0.05であり、データが不等分散であった場合、決定されるp値はp≦0.05である。続いて、独立T検定を使用して等分散(すなわちp>0.05)または不等分散(すなわちp<0.05)を推定し、皮膚マトリックスから回収された化合物Iの量について統計比較を行った。同じ製剤での角質層、表皮、および真皮からの化合物Iの回収の間の比較を、シャピロ-ウィルク検定を使用して正規性分析することで、データがパラメトリックであるか非パラメトリックであるかを決定し、ここで、決定されたp値はそれぞれp>0.05またはp≦0.05であった。データがパラメトリックであった場合(すなわち正規分布、シャピロ-ウィルク検定を使用してp>0.05と決定)、一元配置分散分析をチューキーのHSDと共に使用して統計比較を行った。しかし、データが非パラメトリックであると決定された場合(すなわちシャピロ-ウィルク検定を使用して不等分散p≦0.05と決定)、一元配置分散分析をPost Hoc Tamhane法と共に使用してデータの統計分析を行った。
【0079】
結果
小規模透過/浸透実験
小規模透過実験を、以下の手順を使用して行った。
・1名のドナーからの皮膚(デルマトーム採取ヒト皮膚)を使用して、PEG-400中化合物I(SS1)ならびにPEG-400(75% w/w)およびTranscutol P(25% w/w)中化合物I(SS2)を評価した(溶媒系当たりのセルn=3)。
・投与量: 約6mg(すなわち10mg/cm
2)
・水中EtOH(20% v/v)をレシーバ液として使用した。
・レシーバ液試料をt=0、1、2、4、6、24、30、および48時間の時点で採取した。潜在的レシーバ液中での化合物Iの溶解度が低いことから、2つの試料量200μLおよび1.5mLを調査した。
・最終時点の後、組織均質化および溶媒抽出(希釈液: 90:10、EtOH:水)を使用して化合物Iをドナー区画、表面、角質層、表皮、および真皮から回収した。
【0080】
小規模実験を使用してフルスケール透過/浸透実験のプロトコールを確認した。試料量に関係なく、48時間実験の期間にわたって化合物Iはレシーバ液中で検出されなかった。
【0081】
溶媒系SS1およびSS2の適用後の化合物Iの回収に関する値を
図1に示し、表面から回収された量を
図2ではデータ解釈を容易にするために除外する。適用された各溶媒系について、化合物Iの総回収率は、適用された用量の90.00〜109.72%の範囲であった。化合物Iの最高量は、表面上に残留する溶媒系から回収された。また、化合物Iは角質層、表皮、および真皮から同様の量で回収された。
【0082】
フルスケールインビトロ透過および浸透実験
2つの溶媒系からの化合物Iの透過および浸透を、3名の皮膚ドナーからの腹部皮膚を使用して評価した。デルマトーム採取皮膚を通じた溶媒系の適用後に透過した化合物Iの平均累積量(ng/cm
2)を時間(時)に対してプロットした。溶媒系は、PEG-400中化合物I(FSS1)、ならびにPEG-400(60% w/w)、Arlasolve DMI(15% w/w)、およびTranscutol P(25% w/w)中化合物I(FSS2)とした。ドナー、表面、角質層、表皮、真皮、およびレシーバ液からの化合物Iの量(ng、平均+SEM)を全3名の皮膚ドナーから提示した。
【0083】
3名のドナーからのデルマトーム採取腹部皮膚全体にわたる48時間の実験期間にかけての2つの溶媒系(FSS1およびFSS2)からの化合物Iのインビトロ透過を
図3に示す。24時間の実験期間にかけての両溶媒系からの化合物Iの透過は低レベルで観察され、化合物Iは溶媒系(FSS1およびFSS2)の適用の1時間後にレシーバ液中で最初に検出された。両溶媒系での化合物Iの透過プロファイルは同様の傾向をたどり、t=1時間の時点でレシーバ液中に存在する化合物Iの後にプラトーが続き、プロファイルの終わりにかけての減少は誤差の範囲内であって、定量化される化合物Iのレベルの低さおよびドナー毎の変動性の結果であると考えられた。レシーバ液中で検出された化合物Iのレベルが低かったにもかかわらず、FSS1の適用後の化合物Iの透過は、FSS2の適用後の化合物Iの透過よりも有意に大きいと観察された(p<0.05)。3名のドナーからのデルマトーム採取腹部皮膚全体にわたる、溶媒系(FSS1およびFSS2)からの化合物Iのインビトロ浸透を
図4および
図5に示す。最終時点後の化合物Iの回収率は、溶媒系FSS1およびFSS2についてそれぞれ適用量の101.47%および87.39%であると観察された。FSS1およびFSS2の適用後、化合物Iが皮膚の表面から最高量で回収され、適用量の約82%(FFS2)〜約97%(FSS1)が回収された。
【0084】
データ解釈を容易にするために、
図5では、表面から回収された化合物Iの量を、溶媒系(FSS1およびFSS2)の間で角質層、表皮、真皮、およびレシーバ液からの化合物Iの回収量を強調するために除外した。FSS1の適用後に回収された化合物Iの量は表皮(3281±1435ng)>角質層(1976±729ng)>真皮(1593±609ng)>レシーバ液(4.67±0.58ng)の順で多かった(平均量に基づく)。FSS2の適用後に皮膚層およびレシーバ液から回収された化合物Iの量はFSS1の適用後に回収された量よりも少なかった(しかし、皮膚層間の有意差は観察されず(p>0.05)、レシーバ液から回収された化合物Iのレシーバ量は有意に少なかった(p<0.05))。皮膚マトリックスから回収された化合物Iの順位はFSS1で観察された順位と異なっており、化合物Iの回収量(平均量に基づく)は真皮(1126±543ng)>角質層(931±310ng)>表皮(352±113ng)>レシーバ液(0.89±0.27ng)の順で多かった。しかし、角質層、表皮、および真皮中で回収されたレベルに各溶媒系で有意差がなかったことから(p>0.05)、順位の差は問題であるとは考えられなかった。
【0085】
表皮および真皮中の化合物Iの概算濃度を、以下の手順を使用して計算した。
a. 表皮および真皮の一部の厚さはそれぞれ30〜130μmおよび250〜350μmと推定された(表皮中で検出される化合物Iのレベルに関する最善のおよび最悪のシナリオを示す皮膚の厚さの範囲を使用した)。
b. 使用した皮膚の面積は約0.6cm
2であり、したがって表皮および真皮の一部の体積はそれぞれ0.0018〜0.0078cm
3および0.015〜0.021cm
3であった。
c. 皮膚の密度を1と仮定し、1cm
3=1gと仮定すると、表皮および真皮の一部の重量はそれぞれ0.0018〜0.0078gおよび0.015〜0.021gとなる。
d. 次に、表皮および真皮の一部から回収された化合物Iの総量を質量で割ることで、化合物Iの回収量(ng/g)を取得および概算した。
e. 続いて回収量(ng/g)を分子量(823.34Da)で割って、表皮および真皮から回収された化合物Iのナノモル/g単位の濃度を得て、続いてこれをマイクロモル/kg(マイクロモル濃度)(皮膚の密度が1g/cm
3であると仮定する場合のマイクロモル濃度(μmol/L; μM)と等価である)に変換した。
【0086】
計算の結果を表2に要約する。化合物Iは、細胞アッセイおよび酵素アッセイにおけるcPLA2α活性の低ナノモル以下の阻害剤である。表皮および真皮中で検出された濃度は、該濃度がこれらの部位においてcPLA2α生物活性を有意に阻害するために十分であることを示している。
【0087】
(表2)FSS1およびFSS2の適用後48時間の時点での表皮および真皮中の化合物Iの濃度範囲(μM)(平均量および皮膚厚さ範囲に基づく)。値は、皮膚厚さおよび平均回収量に基づく範囲を表す(n=9〜10)。
【0088】
実施例3
マウスにおけるPMA誘発性炎症に対する作用
ホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)は、前臨床炎症モデルとしての実験動物の皮膚の炎症および浮腫を誘発するために一般的に使用される。
【0089】
本実施例では、PMAを10%エタノール溶液に最終濃度0.4μg/μlまで溶解させた。0.3%または3% w/wでの10%エタノール溶液中3-{4-[2-{5-クロロ-1-(ジフェニルメチル)-2-[2-({[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]-1H-インドール-3-イル}エチル]スルホニル}フェニル}プロパン酸(化合物I)の局所適用の1時間後に、10μlをBalb/C実験用マウスの耳に適用した。負の対照として、有効化合物のないビヒクルを適用した。正の対照はインドメタシン(非ステロイド性抗炎症薬)およびCAY10650(公知のcPLA
2α阻害剤)とした。
【0090】
浮腫のレベルを、1、3、6、および24時間の間隔でのキャリパーによる耳の厚さの測定によってモニタリングした。
【0091】
図6は、3-{4-[2-{5-クロロ-1-(ジフェニルメチル)-2-[2-({[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]-1H-インドール-3-イル}エチル]スルホニル}フェニル}プロパン酸(化合物Iと呼ぶ)の異なる用量での経時的な(PMA適用後の1時間単位での)耳の厚さの変化を示す。
【0092】
図7は、3-{4-[2-{5-クロロ-1-(ジフェニルメチル)-2-[2-({[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]-1H-インドール-3-イル}エチル]スルホニル}フェニル}プロパン酸(化合物Iと呼ぶ)と他の化合物との比較を示す。
【0093】
局所適用される3-{4-[2-{5-クロロ-1-(ジフェニルメチル)-2-[2-({[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]-1H-インドール-3-イル}エチル]スルホニル}フェニル}プロパン酸は、経口投与されるインドメタシンと同等の有効性でPMA媒介性皮膚浮腫の用量依存的減少を示すことがわかった。
【0094】
このことは、本薬物が局所投与される際にインビボで有効であることを示している。
【0095】
実施例4
PEGベース軟膏剤の調製
表3に記載のいくつかの軟膏剤を、以下の手順に従って調製した。
(i) PEG-400を好適なサイズのガラス容器中に秤量した。
(ii) 化合物Iを秤量皿に秤量し(適切であれば)、次に工程(i)の系に移し、溶解完了が観察されるまで攪拌した。
(iii) 以下の賦形剤(適切であれば)、すなわちプロピレングリコール、エタノール、水、およびグリセロールを工程(ii)の容器中に順次秤量し、磁気フォロワーを挿入し、溶液が視覚的に均一であると観察されるまで内容物を攪拌した。
(iv) PEG 400を別の好適なサイズのガラス容器中に秤量し、65℃で既に較正された水浴中で加熱した。
(v) 透明融解物が観察されるまでPEG 400を攪拌し、その時点で融解物を61℃に加熱された溶媒系(工程(iii))に加えた。
(vi) 製剤(工程(iv))を視覚的に混合されるまで攪拌し、次に水浴から取り外した。
(vii) 製剤を周囲温度に到達するまで混合した。
【0096】
(表3)軟膏製剤の組成(% w/w)
【0097】
実施例5
クリーム製剤およびローション製剤の調製
表4、表5、および表6に記載のクリーム製剤およびローション製剤を下記のように調製した。
(i) PEG-400を好適なサイズのガラス容器中に秤量した。
(ii) 化合物Iを秤量皿に秤量し(適切であれば)、次に工程(i)の系に移し、終夜攪拌した。
(iii) 残りの水相賦形剤を工程(ii)の容器中に秤量し、内容物を攪拌した。
(iv) ゲル化剤(適切であれば)を工程(iii)のバイアルに加え、30秒間またはゲル化剤の分散完了が観察されるまで均質化した。
(v) 油相賦形剤を別の好適なサイズのガラス容器中に秤量し、油相を65℃で既に較正された水浴中で加熱した。
(vi) 透明融解物が観察されるまで油相を攪拌した。
(vii) 工程(iii)の油相の透明融解物が観察された時点で、工程(v)の水相を61℃で既に較正された水浴中で最大5分間予熱した。
(viii) 油相を水相にゆっくりと移し、工程(vii)の製剤を最大速度設定(10,000RPM)で2分間均質化した。製剤を均質化する前にホモジナイザーヘッドを予め昇温させた。
(ix) 次に製剤を室温に冷却されるまで手動で攪拌した。
【0098】
(表4)例示的Tween/Spanクリーム剤
【0099】
(表5)クリーム(セトマクロゴール)製剤の例
【0100】
(表6)例示的ローション製剤
【0101】
実施例6
ゲル製剤の調製
表7に記載のいくつかのゲル製剤を以下のように調製した。
【0102】
ゲル製剤
(i) PEG-400を好適なサイズのガラス容器中に秤量した。
(ii) 化合物Iを秤量皿に秤量し(適切であれば)、次に工程(i)の系に移し、溶解完了が観察されるまで攪拌した。
(iii) 以下の賦形剤(エタノール、水、プロピレングリコール、Transcutol P、Arlasolve DMI、ベンジルアルコール、およびフェノキシエタノール、適切であれば)を工程(ii)のガラスバイアル中に順次秤量した。
(iv) 磁気フォロワーを工程(iii)のバイアルに挿入し、バイアルの内容物を視覚的に均一になるまで攪拌した。
(v) ゲル化剤(HPC/Carbopol 980)を秤量皿に秤量し、常に攪拌しながら工程(iv)のバイアルにゆっくりと移した(ゲル化剤の凝集の危険性を軽減)。
(vi) Carbopolベースゲル剤について、pH調整が不要となるpH約6に間違いなくpHがなるようにpHを点検した。
(vii) ゲル化剤の水和完了が観察されるまで製剤を攪拌した。
【0103】
乳化ゲル製剤
(i) PEG-400を好適なサイズのガラス容器中に秤量した。
(ii) 化合物Iを秤量皿に秤量し(適切であれば)、次に工程(i)の系に移し、溶解完了が観察されるまで攪拌した。
(iii) 以下の賦形剤(エタノール、水、プロピレングリコール、Transcutol P、Arlasolve DMI、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、およびポロキサマー407、適切であれば)を工程(ii)のガラスバイアル中に順次秤量した。
(iv) 磁気フォロワーを工程(iii)のバイアルに挿入し、バイアルの内容物を視覚的に均一になるまで攪拌した。
(v) ゲル化剤(Carbopol 980)を秤量皿に秤量し、常に攪拌しながら工程(iv)のバイアルにゆっくりと移した(凝集形成の危険性を軽減)。
(vi) pH調整が不要となるpH約6に間違いなくpHがなるようにpHを点検した。
(vii) シクロメチコンを工程(v)のガラスバイアル中に秤量し、シクロメチコンの分散完了が観察されるまで系を10,000RPMで2分間均質化した。
(viii) 続いて、ゲル化剤の水和完了が観察されるまで製剤を攪拌した。
【0104】
(表7)例示的ゲル製剤
【0105】
本発明を詳細にかつその具体的態様を参照して説明してきたが、当業者には、本発明の真意および範囲を逸脱することなく様々な変更および修正を本発明において行うことができることは明らかであろう。さらに、本明細書に記載のすべての態様は、広く適用可能であり、かつあらゆる他の矛盾のない態様と適宜組み合わせ可能であると考えられる。