【実施例】
【0033】
実施例1
パート1:5wt%TiN被覆cBNグレード2
ゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された5wt%の窒化チタンを含有する粉末混合物を作製した。
a)-cBN粉末の分散
立方晶窒化ホウ素粉末(95g)を1.2LのARエタノールに懸濁させ、BDC2000 Branson超音波処理器を用いて15分間35〜45%の振幅で超音波プルーブして凝集体を排除した。サイクルの最後に、溶液を放置して室温に冷まし、せん断ミキサー下に置いた。
b)-チタニアによるcBNのゾルゲル被覆
チタン前駆体であるチタン(IV)イソプロポキシド(22.94g)をきれいな乾燥分液漏斗に正確に量り入れ、無水エタノールで4倍に希釈した。漏斗を閉じ、振盪させて前駆体をエタノールに溶かした。次に漏斗を約60°の角度でレトルトスタンド上に固定した。脱イオン水(14.56g、水のモル数がチタン(IV)イソプロポキシドのモル数の10倍になるような量)を、総体積が希釈前駆体の総体積と同じになるような量のARエタノールに溶かし、別の分液漏斗に移した。この漏斗をもレトルトスタンド上に固定した。そのような訳で調製した2つの溶液を同時に2滴/秒の速度で約2時間せん断混合グリット懸濁液中に供給した。試薬の添加後、懸濁液を同条件下で1.5時間混合し続けるままにした。混合物をスターラープレート上に移し、カバーを掛けて400rpmで一晩撹拌した。次に混合物をロータリーエバポレーターで乾燥させてからオーブンで80℃にて24時間乾燥させた。
c)-被覆粉末の熱処理
被覆粉末を212μmの篩を用いて選別し、マッフル炉を用いて静大気内でか焼するためにアルミナボートに移した。サンプルを450℃、5℃/分で5時間か焼した。か焼後、チューブ炉内で1100℃にて5時間100%のアンモニアガス(4l/分)を用いてサンプルを窒化(制御雰囲気内で熱処理)した。加熱速度を10℃/分に設定した。その結果5wt%TiN被覆cBNを得た。
【0034】
パート2:プレミックスの調製
a)-前反応
Ti(C
0.5N
0.5)
0.8(135g)及びアルミニウム(15g)粉末を250mlのプラスチック容器に8×8mmのWCボールと一緒に入れ、ターブラ(turbula)ミキサーを用いて1時間予混合した(Ti(C
0.5N
0.5)
0.8対アルミニウムの質量比90:10)。WCボール除去後の混合粉末をチタンカップに入れて圧縮し;次に真空炉内で1025℃にて30分間前反応させた。前反応スラグを次に乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、結果として生じた材料を212μmの篩を用いて選別した。
【0035】
パート3:TiN被覆cBNとバインダーの摩擦粉砕及び混合
前反応粉末(21.18g)、WCボール(3mm径、160ml)、n-ヘキサン(31ml)及びルブリゾール(Lubrizol)(0.64ml)を250mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1500rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するため、粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。4時間の粉砕後、TiN被覆cBN(26.15g)、n-ヘキサン(36ml)及びルブリゾール(0.78ml)を粉砕ポットに加えてさらに30分間粉砕した。スラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させてから、該コンポジット粉末を真空オーブン内で一晩貯蔵した。このコンポジット粉末は60vol%のcBNを有した。
【0036】
パート4:プレコンポジットの調製及び高圧高温焼結
混合乾燥粉末(TiNのナノ被膜及び粉砕サーメット材料と共に60vol%のcBN)を加圧して金属を内包させた。約5.0gの粉末を約18mm径の各カップに量り入れてから半自動の水圧/圧縮空気プレス機で8トンの荷重下でプレスした。この金属内包粉末(「プレコンポジット」と呼ぶ)を次に真空炉内で750℃にて20分間熱処理して、粉末からいずれの吸着種をも除去した。次にシールドプレコンポジットを約6.8GPa及び1350℃で20分間焼結した。
【0037】
パート5:焼結成形体の加工及び適用試験
平円形をむき出しにするため焼結固形コンポジットを加工(表面及び外径(OD)の研削後に粗研磨)し、10×10mmにカットした。各バリアントの小片をSEM解析用に精密研磨した。 3.2mm厚の切削工具(カット10×10mm)をSNMN090308S02020の工具規格にエッジ調製し、表面回転連続操作(face turning continuous operation)(H05)及び穿孔適度中断操作(drilled moderate interrupt operation)(H15)において浸炭鋼の機械加工で試験した(ワークピース-SAE 8620)。試験条件は以下の通りであった:速度:150m/分;送り:0.15mm;カット深さ:0.2mm。
この材料の性能は、H15適用の業界ベンチマークより33%良かった(
図4に示す)。
焼結材料の透過型電子顕微鏡解析は(
図5に示すように)、cBN結晶粒周囲の微細な(50nm未満)窒化チタン粒子の存在を示した。この顕微鏡写真は、大きな蒼白色のcBN結晶粒と、cBN結晶粒間の境界のさらに小さい粒子(矢印で図示)を示している。
【0038】
実施例2
ゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された5wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。実施例1に記載の実験プロトコルに従った。コンポジット粉末(ナノTiN被膜及び粉砕サーメット材料と共に60vol%のcBN)を6.8GPa及び約1450℃で20分間焼結した。加工材料をXRD及びSEM解析を用いて分析し、材料のナノ構造及び均一性を確認した。
実施例1に記載のように、切削工具をも調製し、H15適用で試験した。この材料の性能は、H15の業界ベンチマークより38%良かった(
図4に示す)。
【0039】
実施例3:
パート1:15wt%TiN被覆cBNグレード2
ゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含有する粉末混合物を作製した。
a)-cBN粉末の分散
立方晶窒化ホウ素粉末(85g)を1.2LのARエタノールに懸濁させ、BDC2000 Branson超音波処理器を15分間35〜45%の振幅で用いて超音波プローブして凝集体を排除した。サイクルの最後に、溶液を放置して室温に冷まし、せん断ミキサー下に置いた。
b)-チタニアによるcBNのゾルゲル被覆
チタン前駆体であるチタン(IV)イソプロポキシド(68.90g)をきれいな乾燥分液漏斗に量り入れ、無水エタノールで4倍に希釈した。漏斗を閉じ、振盪させて前駆体をエタノールに溶かした。次に漏斗を約60°の角度でレトルトスタンド上に固定した。脱イオン水(43.67g)を、総体積が希釈前駆体の総体積と同じになるような量のARエタノールに溶かし、別の分液漏斗に移した。この漏斗をもレトルトスタンド上に固定した。そのような訳で調製した2つの溶液を同時に2滴/秒の速度で約2時間せん断混合グリット懸濁液中に供給した。試薬の添加後、懸濁液を同条件下で1.5時間混合し続けるままにした。混合物をスターラープレート上に移し、カバーを掛けて400rpmで一晩撹拌した。次に混合物をロータリーエバポレーターで乾燥させてからオーブンで80℃にて24時間乾燥させた。
c)-被覆粉末の熱処理
被覆粉末を212μmの篩を用いて選別し、マッフル炉を用いて静大気内でか焼するためにアルミナボートに移した。サンプルを450℃、5℃/分で5時間か焼した。か焼後、チューブ炉内で1100℃にて5時間100%のアンモニアガス(4l/分)を用いてサンプルを窒化(制御雰囲気内で熱処理)した。加熱速度を10℃/分に設定した。その結果5wt%TiN被覆cBNを得た。
【0040】
パート2:プレミックスの調製
a)-前反応
Ti(C
0.5N
0.5)
0.8(135g)及びアルミニウム(15g)粉末を250mlのプラスチック容器に8×8mmのWCボールと一緒に入れ、ターブラミキサーを用いて1時間予混合した。WCボール除去後の混合粉末をチタンカップに入れて圧縮し;次に真空炉内で1025℃にて30分間前反応させた。前反応スラグを次に乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、結果として生じた材料を212μmの篩を用いて選別した。
【0041】
パート3:TiN被覆cBNとバインダーの摩擦粉砕及び混合
前反応粉末(18.56g)、WCボール(3mm径、160ml)、n-ヘキサン(27ml)及びルブリゾール(0.56ml)を250mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1500rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するため、粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。4時間の粉砕後、TiN被覆cBN(29.22g)、n-ヘキサン(39ml)及びルブリゾール(0.88ml)を粉砕ポットに加えてさらに30分間粉砕した。スラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させてから、コンポジット粉末を真空オーブン内で一晩貯蔵した。このコンポジット粉末は60vol%のcBNを有した。
【0042】
パート4:プレコンポジットの調製及び高圧高温焼結
混合乾燥粉末を加圧して金属を内包させた。約5.0gの粉末を約18mm径の各カップに量り入れてから半自動の水圧/圧縮空気プレス機で8トンの荷重下でプレスした。この金属内包プレコンポジットを次に真空炉内で750℃にて20分間熱処理して、粉末からいずれの吸着種をも除去した。次にシールドプレコンポジットを約6.8GPa及び1350℃で20分間焼結した。
【0043】
パート5:焼結成形体の加工及び適用試験
平円形をむき出しにするため焼結固形コンポジットを加工(表面及びODの研削後に粗研磨)し、10×10mmにカットした。各バリアントの小片をSEM解析用に精密研磨した。
3.2mm厚の切削工具(カット10×10mm)をエッジ調製し、表面回転連続操作(H05)及び穿孔適度中断操作(H15)において浸炭鋼の機械加工で試験した(ワークピース-SAE 8620)。試験条件は以下の通りであった:速度:200m/分;送り:0.1mm;カット深さ:0.15mm。
実施例1に記載のように、切削工具をも調製してH15適用で試験した。この材料の性能は、H15適用の業界ベンチマークより25%良かった(
図4に示す)。
【0044】
実施例4
ゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。実施例3に記載の実験プロトコルに従った。コンポジット粉末(60vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダー)を6.8GPa及び約1450℃で20分間焼結した。
加工材料をXRD及びSEM解析を用いて分析し、cBN、TiN、TiC
0.7N
0.3及びTiB
2の存在を確認した。
図6及び7は、実施例4の焼結材料のマトリックス中のナノセラミック粒子の微細構造を示す。これらの画像では、かなりの割合の「超ナノTiN」粒子(50nm未満)を見ることができる。
図6中、cBN粒子は、蒼白色マトリックス中の大きい暗色粒子である。矢印は、cBN粒子とマトリックスとの境界の近くにある超ナノTiN粒子の領域を示す。
図7のマトリックス中には非常に微細なTiN粒子を見ることができる。
実施例1に記載のように、切削工具をも調製してH15適用で試験した。この材料の性能は、H15の業界ベンチマークより54%良かった(
図4に示す)。
【0045】
実施例5
実施例3に記載のゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。60vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダーのコンポジット粉末を作製するため実施例3に記載の実験プロトコルに従った。粉末系を5.5GPa及び約1450℃で20分間焼結した。加工材料をXRD及びSEM解析を用いて分析し、cBN、TiN、TiC
0.7N
0.3及びTiB
2の存在を確認した。
【0046】
実施例6
実施例3に記載のゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。45vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダーを含有するコンポジットを作製するため、前反応粉末(27.85g)、WCボール(3mm径、160ml)、n-ヘキサン(41ml)及びルブリゾール(0.84ml)を250mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1500rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するために粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。4時間の粉砕後、TiN被覆cBN(21.92g)、n-ヘキサン(26ml)及びルブリゾール(0.66ml)を粉砕ポットに添加してさらに30分間粉砕した。スラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させ、適当な状態にしてから真空オーブン内で貯蔵した。粉末系を6.8GPa及び約1450℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析し、cBN、TiN、TiC
0.7N
0.3及びTiB
2の存在を確認した。
【0047】
実施例7
実施例3に記載のゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。45vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダーのコンポジット粉末を作製するため、実施例6に記載の実験プロトコルに従った。粉末系を5.5GPa及び約1450℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析し、cBN、TiN、TiC
0.7N
0.3及びTiB
2の存在を確認した(
図8に示すように)。
この材料を加工して工具を作製し、連続表面削り操作でSAE8620鋼に対して試験した。切削条件は以下:200m/分の切削速度、送り量:0.1mm/回転及びカット深さ:0.15mmの通りであり、試験は簡略化して5回通過について行なった(約700mmの滑り距離)。
フランク摩耗及びクレータ摩耗を測定して45vol%cBN基準材料と比較した。PCBN材料の化学的摩耗と関係があるクレータ摩耗は、最大クレータ摩耗深さK
Tとして与えられ、22ミクロンである基準材料と比較して、この材料では20ミクロンであると測定された(
図9に示す)。また、Alicona 3D画像技術を用いて体積減少(クレータにおける)を決定し、比較すると基準材料より21%低かった(
図10に示す)。
【0048】
実施例8
実施例3に記載のゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。炭窒化チタン(Ti(C
0.5N
0.5)
0.8)及びアルミナから成るプレミックスを実施例の記載通りに調製した。次に前反応粉末を摩擦粉砕した。
前反応粉末(117.07g)、WCボール(3mm径、460ml)、n-ヘキサン(171.29ml)及びルブリゾール(3.51ml)を750mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1000rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するため、粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。粉砕後、次にスラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させてバインダーを形成した。
15wt%TiN被覆cBNとバインダーの混合は超音波処理によって達成した。バインダー粉末(69.63g)、ルブリゾール(2ml)及びn-ヘキサン(200ml)を800mlのビーカーに入れ、BDC2000 Branson超音波処理器を用いて10分間40%の振幅で超音波処理し;次に15wt%TiN被覆cBN(54.79g)を混合物に加えてさらに5分間超音波処理した。超音波処理プロセス中は冷浴内で懸濁液を冷却した。超音波処理後、ロータリーエバポレーターを用いて混合物を乾燥させ、適当な状態にし(粉末の酸化を制御し)、窒素キャビネット内で貯蔵した。
混合粉末を5.5GPa及び約1450℃で20分間焼結した。
XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析し、cBN、TiN、TiC
0.7N
0.3及びTiB
2の存在を確認した。
実施例7に記載の簡略化篩い分け適用試験をこの材料を用いて行なった。この材料についてのK
Tは、基準材料の測定値22ミクロンに比べて、19.4ミクロンであると測定された(
図9に示す)。また、Alicona 3D画像技術を用いて体積減少(クレータにおける)を決定し、基準材料より25%低いと測定された。
【0049】
実施例9
実施例3に記載のゾルゲル経路によって立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を作製した。45vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダーのコンポジット粉末を生成するため実施例8に記載の実験プロトコルに従った。混合粉末を5.5GPa及び約1450℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析し、cBN、TiN、TiC
0.7N
0.3、AlN(微量)、TiB
2及び微量のAl
2O
3の存在を確認した(
図11に示すように)。
この材料を用いて実施例7に記載の簡略化篩い分け適用試験を行なった。この材料についてのK
Tは、基準材料の測定値22ミクロンに比べて、18.9ミクロンであると測定された(
図9に示す)。また、Alicona 3D画像技術を用いて体積減少(クレータにおける)を決定し、比較すると基準材料より28%低かった(
図10に示す)。
次に同一の切削条件を利用して、欠損までのH05連続切削操作(「工具寿命」)で工具を試験した。この材料の工具寿命を測定すると、この適用における基準材料(同様のcBN含量)より30%高く、ナノTiN被膜の存在の結果としてのcBNの化学的保護の強力な指標を与えている(
図12に示す)。
【0050】
実施例10
パート1:1.2ミクロンのcBN上に被覆された30wt%TiN
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)に被覆された15wt%の窒化チタンを有する粉末混合物をゾルゲル経路により作製した。
a)-cBN粉末の分散
85グラムの立方晶窒化ホウ素粉末を1.2LのARエタノールに懸濁させ、BDC2000 Branson超音波処理器を15分間35〜45%の振幅で用いて超音波プルーブして凝集体を排除した。サイクルの最後に、溶液を放置して室温に冷まし、せん断ミキサー下に置いた。
b)-チタニアによるcBNのゾルゲル被覆
チタン前駆体であるチタン(IV)イソプロポキシド(22.94g)をきれいな乾燥分液漏斗に量り入れ、無水エタノールで4倍に希釈した。漏斗を閉じ、振盪させて前駆体をエタノールに溶かした。次に漏斗を約60°の角度でレトルトスタンド上に固定した。脱イオン水(87.34g)を、総体積が希釈前駆体の総体積と同じになるような量のARエタノールに溶かし、別の分液漏斗に移した。この漏斗をもレトルトスタンド上に固定した。そのような訳で調製した2つの溶液を同時に2滴/秒の速度で約2時間せん断混合グリット懸濁液に供給した。試薬の添加後、懸濁液を同条件下で1.5時間混合し続けるままにした。混合物をスターラープレート上に移し、カバーを掛けて400rpmで一晩撹拌した。次に混合物をロータリーエバポレーターで乾燥させてからオーブンで80℃にて24時間乾燥させた。
c)-被覆粉末の熱処理
被覆粉末を212μmの篩を用いて選別し、マッフル炉を用いて静大気内でか焼するためにアルミナボートに移した。サンプルを450℃、5℃/分で5時間か焼した。か焼後、チューブ炉内で1100℃にて5時間100%のアンモニアガス(4l/分)を用いてサンプルを窒化(制御雰囲気内で熱処理)した。加熱速度を10℃/分に設定した。その結果5wt%TiN被覆cBNを得た。
【0051】
パート2:プレミックスの調製
a)-前反応
Ti(C
0.5N
0.5)
0.8(135g)及びアルミニウム(15g)粉末を250mlのプラスチック容器に8×8mmのWCボールと一緒に入れ、ターブラミキサーを用いて1時間予混合した。WCボール除去後の混合粉末をチタンカップに入れて圧縮し;次に真空炉内で1025℃にて前反応させた。前反応スラグを次に乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、結果として生じた材料を212μmの篩を用いて選別した。
【0052】
パート3:TiN被覆cBNとバインダーの摩擦粉砕及び混合
前反応粉末(13.21g)、WCボール(3mm径、160ml)、n-ヘキサン(20ml)及びルブリゾール(0.40ml)を250mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1500rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するため、粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。4時間の粉砕後、TiN被覆cBN(35.49g)、n-ヘキサン(48ml)及びルブリゾール(1.1ml)を粉砕ポットに加えてさらに30分間粉砕した。スラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させ、適当な状態にし、真空オーブン内で一晩貯蔵した。このコンポジット粉末は60vol%のcBNを有した。
【0053】
パート4:プレコンポジットの調製及び高圧高温焼結
コンポジット粉末を加圧して金属を内包させた。約5.0gの粉末を約18mm径の各カップに量り入れてから半自動の水圧/圧縮空気プレス機で8トンの荷重下でプレスした。該プレコンポジットを次に真空炉内で750℃にて20分間熱処理して、粉末からいずれの吸着種をも除去した。次にシールドプレコンポジットを約5.5GPa及び1350℃で20分間焼結した。
【0054】
パート5:焼結成形体の加工
平円形をむき出しにするため焼結固形コンポジットを加工(表面及び外径(OD)の研削後に粗研磨)し、10×10mmにカットした。各バリアントの小片をSEM解析用に精密研磨した。
XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析してcBN、TiN、TiC
0.7N
0.3及びTiB
2の存在を確認した。
【0055】
実施例11
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された30wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例10に記載のゾルゲル経路により作製した。実施例10に記載の実験プロトコルに従い、60vol%のcBN及びTi(C
0.5N
0.5)
0.8/Alマトリックス材料を作製した。粉末系を6.8GPa及び約1450℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析し、材料のナノ構造及び均一性を確認した。
【0056】
実施例12
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された30wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例10に記載のゾルゲル経路により作製した。45vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダーを含有するコンポジットを作製するため、前反応粉末(23.84g)、WCボール(3mm径、160ml)、n-ヘキサン(35ml)及びルブリゾール(0.74ml)を250mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1500rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するため粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。4時間の粉砕後、TiN被覆cBN(26.61g)、n-ヘキサン(32ml)及びルブリゾール(0.80ml)を粉砕ポットに加えてさらに30分間粉砕した。スラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させ、適当な状態にしてから真空オーブン内で一晩貯蔵した。粉末系を5.5GPa及び約1350℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析して、材料のナノ構造及び均一性を確認した。
【0057】
実施例13
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された30wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例10に記載のゾルゲル経路により作製した。ナノTiN被覆45vol%cBN及びTi(C
0.5N
0.5)
0.8/Al粉砕材料のコンポジット粉末を作製するため、実施例12に記載の実験プロトコルに従った。粉末系を6.8GPa及び約1450℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析して、材料のナノ構造及び均一性を確認した。
【0058】
実施例14
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された30wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例10に記載のゾルゲル経路により作製した。30vol%TiN被覆cBN+Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alバインダーを含有するコンポジットを作製するため、前反応粉末(34.48g)、WCボール(3mm径、160ml)、n-ヘキサン(51ml)及びルブリゾール(1.0ml)を250mlのポリアミドポットに入れ、Dispermat摩擦ミルを1500rpmの速度で用いて4時間摩擦粉砕した。スラリー粘度をできる限り一定に維持するため粉砕プロセス中に種々の時間間隔でヘキサンを添加した。4時間の粉砕後、TiN被覆cBN(17.74g)、n-ヘキサン(16ml)及びルブリゾール(0.53ml)を粉砕ポットに加えてさらに30分間粉砕した。スラリーをボールから分離し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させ、適当な状態にしてから真空オーブン内で一晩貯蔵した。粉末系を5.5GPa及び約1350℃で30分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析して、材料のナノ構造及び均一性を確認した。
【0059】
実施例15
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された30wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例10に記載のゾルゲル経路により作製した。ナノTiN被覆30vol%cBN及びTi(C
0.5N
0.5)
0.8/Al粉砕材料のコンポジット粉末を作製するため、実施例14に記載の実験プロトコルに従った。粉末系を5.5GPa及び約1400℃で30分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析して、材料のナノ構造及び均一性を確認した。
【0060】
実施例16
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例3に記載のゾルゲル経路により作製した。実施例8に記載の実験プロトコルに従った。粉砕セラミック粉末の量を77.38gに調整し、TiN被覆cBNの量を48.71gに調整して、ナノTiN及びTi(C
0.5N
0.5)
0.8/Alのマトリックスと共に40vol%cBNのコンポジット粉末を作製した。粉末系を5.5GPa及び約1350℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析した。
【0061】
実施例17
立方晶窒化ホウ素(平均結晶粒サイズ1.2μm)上に被覆された15wt%の窒化チタンを含む粉末混合物を実施例3に記載のゾルゲル経路により作製した。実施例8に記載の実験プロトコルに従った。バインダーの量を54.14gに調整し、TiN被覆cBNの量を66.97gに調整して、粉砕Ti(C
0.5N
0.5)
0.8/Alマトリックス材料と共にナノTiN被覆40vol%cBNのコンポジット粉末を作製した。粉末系を5.5GPa及び約1350℃で20分間焼結した。XRD及びSEM解析を用いて加工材料を分析した。
【0062】
基準材料
例示材料を基準と比較するため、TiNで被覆されていないcBN粒子を含有する基準材料を調製した。
H15機械加工適用の場合の基準材料(基準1)は、平均粒子サイズ1.5ミクロンの55vol%cBN材料とサブミクロン及びナノTiC
0.5N
0.5/AlN(摩擦粉砕粉末加工経路により作製)であった。
H05適用の場合の基準材料(基準2)は、平均粒子サイズ1.5ミクロンの45vol%cBNとサブミクロン及びナノTiC
0.5N
0.5/AlN(摩擦粉砕粉末加工経路により作製)であった。
参照しやすいように、上記例示材料の要約を表2に与える。2列目は、被膜として適用されたときのcBN粒子の一部としてのTiN被膜の質量パーセントを示す。6列目は、最終組成物中の被膜由来のナノTiNの総体積パーセントを示す。バインダー前駆体材料から形成されたマトリックス中に追加のナノTiN粒子が存在することもある。
【0063】
表2
【0064】
粒子サイズ
結果として生じた焼結材料を特徴づけるため、粒子サイズ分析を行なった。材料の主要長さに沿って各材料の3つの画像に線を引き、直線切片法を利用して、cBN結晶粒間のマトリックス中の全粒子の粒子サイズを推定した。これは、実施例ごとに600〜1000個の粒子の測定をもたらした。
次に50nm未満、75nm未満及び100nm未満の粒子の度数分布と数の割合に関して線形粒子サイズをプロットした。結果を表3に提供する。
【0065】
表3
【0066】
結晶粒サイズ分布を実施例についてプロットした。例として、
図13は、実施例13の材料について結晶粒サイズの度数分布を示す。
次に粒子サイズを概算粒径に換算し、cBN粒子は球であると仮定して、個々の粒子の面積を計算した。
全ての個々の粒子面積の総和によってマトリックス材料の総面積を計算し、異なる粒子サイズのいわゆる「面積」分率を計算した。例えば、直径が100nm未満の粒子の総面積は、面積の総和による計算値であり、総マトリックス面積分率として計算した。マトリックス中の粒子の面積分率を表4に提供する。
【0067】
表4
【0068】
放電機械加工
製品及び工具製造の視点から、レーザー機械加工と比較して放電機械加工(EDM)を用いると、工具刃のコストと品質が改善される。これは、レーザー機械加工は切削工具の刃に損傷を与える恐れがあるからである。従ってEDMが好ましい。その原形のパーコレーション理論(Broadbent, S.R., Hammersley, J.M., Proc. Camb. Philos. Soc., vol. 53, 1957, p. 629, Kirkpatrick,S., Modern Phys., vol. 45, 1973, p. 574)は、活性結合又は「流体保有チャネル(fluid-carrying channels)」が、ある一定の非ゼロ数を超えない限り、流体の流れは起こらないことを示した。この数は、「パーコレーション閾値」として知られる(Kirkpatrick,S., Rev. Modern Phys., vol. 45, 1973, p. 574)。これは無秩序系の標準モデルであり、1971 Shante and Kirkpatrick (Shante, V.K.S., Kirkpatrick, S., Adv. Phys., vol. 20, 1971, p. 325)では、この理論を用いて一部の無秩序固体系における導体-半導体転移を説明できることが示唆された。
このモデルによれば、高電気抵抗粒子(例えばcBN)間で相互連絡するTiN等の低電気抵抗相の連続経路(Weimer, A.W., Carbide, Nitride and Boride Material Synthesis and Processing, Chapman and Hall, London 1997)は、パーコレーション閾値を超えるという条件で伝導経路を与え得る。固体系については、これは材料全体の5〜30vol%であり得る。
Kawanoらは、ナノ窒化チタンで被覆され、放電プラズマ焼結(Kawano et al., Journal of European Ceramic Society, vol. 24, 2004, pp 309 - 312)によって焼結されたSi
3N
4の例を与え、この場合、複合材料の電気抵抗は、0vol%TiNでの10^8ΩcmからナノTiNの17.5vol%超添加での10^-3Ωcmまで低減した。10^-3Ωcmの抵抗レベルでは、材料のEDM快削性(cuttability)は実行可能と考えられる。
上記焼結材料を用いて工具を作るとき、cBNの粒子間のマトリックス中の非相TiN粒子の存在は、機械加工操作中にcBN粒子に化学的バリアを与えることに加えて、EDMを用いて焼結材料を所望の工具形態に機械加工することをも可能にする。材料を通る連続伝達経路をTiN粒子が形成するという条件で、マトリックス中の少なくとも約5〜15vol%のTiNの存在が、EDMを可能にするのに十分なはずである。
【0069】
定義
本明細書で使用する場合、「超硬材料」は、少なくとも約28GPaのビッカース硬度を有する材料である。ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(cBN)材料が超硬材料の例である。 本明細書で使用する場合、PCBN(多結晶性立方晶窒化ホウ素)材料は、金属又はセラミックを含むマトリックス中に分散した立方晶窒化ホウ素(cBN)の結晶粒を含むタイプの超硬材料を指す。PCBNは超硬材料の例である。
本明細書で使用する場合、「PCBN構造」は、PCBN材料の本体を含む。
「バインダー材料」は、多結晶性構造内の細孔、間隙又は割れ目領域を全体的又は部分的に満たす材料を意味するものと理解される。
結晶粒塊のマルチモーダルなサイズ分布は、結晶粒が1つより多くのピークを有し、各ピークがそれぞれの「モード」に対応するサイズ分布を有することを意味するものと理解する。1種より多くの起源の複数結晶粒を準備し、各起源は実質的に異なる平均サイズを有する結晶粒を含み、該起源由来の結晶粒又は粒子を一緒にブレンドすることによってマルチモーダルな多結晶体を作ることができる。一実施形態では、PCBN構造は、マルチモーダルな分布を有するCBN結晶粒を含み得る。
本明細書で使用する場合、「超ナノ」粒子は、50nm以下のサイズを有する粒子である。
【0070】
実施形態を参照して本発明を詳細に示し、説明したが、当業者には当然のことながら、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱することなく、形態及び詳細に種々の変更を加えることができる。例えば、全ての実施例は超硬相としてcBNを使用するが、当然のことながら、同技術をダイヤモンド等の他のタイプの超硬材料に使用することができる。
さらに、上記例は、超硬粒子への化学的バリアとして作用し、超硬粒子を化学的摩耗から保護するTiN被膜を提供することを示す。他のタイプの被膜を使用してもよい。例えば、実質的に正方晶のジルコニアの被膜を添加できるであろう。これは、正方晶ジルコニアが単斜相に変化する場合に相転移による強靭化機構をもたらすというさらなる利点を有する。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕多結晶研磨材構築物の製造方法であって、下記工程:
第1のマトリックス前駆体材料で被覆された超硬材料の複数の粒子を準備する工程;
2ミクロン未満の平均径を有し、液相焼結助剤を含む複数の第2のマトリックス前駆体粒子を準備する工程;
前記超硬材料の複数の粒子を前記第2のマトリックス前駆体材料の粒子と一緒に混合する工程;
前記超硬材料の複数の粒子及び前記マトリックス前駆体材料の粒子を2.5GPa〜8GPaの圧力及び600℃〜1800℃の温度で圧密化及び焼結する工程
を含む、前記方法。
〔2〕前記超硬材料の複数の粒子を前記第2のマトリックス前駆体材料の粒子と一緒に混合する前に、該第2のマトリックス前駆体粒子を、真空中で500℃〜1100℃の温度で前反応させる工程をさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記超硬材料の複数の粒子を前記第1のマトリックス前駆体材料でゾルゲルプロセスを用いて被覆する工程をさらに含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記第1のマトリックス前駆体材料を窒化する工程をさらに含む、前記〔3〕に記載の方法。
〔5〕前記超硬材料の複数の粒子を前記第2のマトリックス前駆体材料の粒子と一緒に、摩擦粉砕及び超音波処理のいずれかによって混合する工程をさらに含む、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記超硬材料が、立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドから選択される、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7〕前記第1のマトリックス材料が、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン及びハフニウムのいずれかの炭化物、窒化物、ホウ化物及び酸化物のいずれかから選択される、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8〕前記第1のマトリックス前駆体材料が窒化チタンを含む、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記第1のマトリックス前駆体材料が、ジルコニア、シリカ及びアルミナのいずれかを含む、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕前記第1のマトリックス前駆体材料が、ジルコニアと窒化チタンの組合せ、及び窒化チタンと窒化タンタルの組合せのいずれかを含む、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11〕前記第2のマトリックス前駆体材料が、チタン及びアルミニウムのいずれかの化合物を含む、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12〕前記第2のマトリックス前駆体材料が、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウムのいずれかを含む、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記超硬材料の複数の粒子及び前記マトリックス前駆体材料の粒子を4GPa〜8GPaの圧力及び1100℃〜1600℃の温度で圧密化及び焼結する工程をさらに含む、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕前記超硬材料の複数の粒子及び前記マトリックス前駆体材料の粒子を4GPa〜6GPaの圧力及び1100℃〜1350℃の温度で圧密化及び焼結する工程をさらに含む、前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔15〕前記第1の被覆材料が、前記超硬材料の5〜50wt%の量で供給される、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔16〕前記多結晶研磨材構築物が、20〜79体積%の前記超硬材料を含む、前記〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の方法。
〔17〕下記:
マトリックス材料中に分散した超硬材料の複数の粒子であって、前記マトリックス材料が液相焼結助剤由来の材料を含む、前記超硬材料の複数の粒子;
前記マトリックス中に分散した100nm未満の平均粒子径を有する複数の化学的バリア粒子であって、該化学的バリア粒子の50%より多くが、実質的に前記超硬粒子と前記マトリックスとの間の境界に位置する、前記複数の化学的バリア粒子
を含む、多結晶研磨材構築物。
〔18〕前記超硬材料が、立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドから選択される、前記〔17〕に記載の多結晶研磨材構築物。
〔19〕前記化学的バリア粒子が、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、タングステン及びハフニウムのいずれかの炭化物、窒化物、ホウ化物及び酸化物のいずれかから選択される材料を含む、前記〔17〕又は〔18〕に記載の多結晶研磨材構築物。
〔20〕前記化学的バリア粒子が窒化チタンを含む、前記〔17〕、〔18〕又は〔19〕に記載の多結晶研磨材構築物。
〔21〕前記マトリックスが、チタン及びアルミニウムのいずれかの化合物を含む、前記〔17〕〜〔20〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔22〕前記マトリックスが、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウムのいずれかを含む、前記〔17〕〜〔21〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔23〕前記マトリックスが少なくとも5体積%の窒化チタンを含んで、前記多結晶研磨材構築物を放電機械加工可能にしている、前記〔17〕〜〔22〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔24〕前記化学的バリア粒子を含む前記マトリックスを構成する粒子の5〜100%が、100nm未満の範囲の面積径(size by area)を有する、前記〔17〕〜〔23〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔25〕前記化学的バリア粒子を含む前記マトリックスを構成する粒子の10〜80%が、100nm未満の範囲の面積径(size by area)を有する、前記〔17〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔26〕前記化学的バリア粒子を含む前記マトリックスを構成する粒子の15〜80%が、100nm未満の範囲の面積径(size by area)を有する、前記〔17〕〜〔25〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔27〕前記化学的バリア粒子を含む前記マトリックスを構成する粒子の5〜30%が、50nm未満の範囲の面積径(size by area)を有する、前記〔17〕〜〔26〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔28〕20〜79体積%の前記超硬材料を含む、前記〔17〕〜〔27〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔29〕マトリックス材料中に分散した超硬材料の複数の粒子を含む多結晶研磨材構築物であって、前記マトリックス材料が、液相焼結助剤由来の材料を含み、かつ該マトリックス中の粒子の95%より多くが、100nm未満の範囲の面積粒子径(particle size by area)を有する、前記多結晶研磨材構築物。
〔30〕前記超硬材料が、立方晶窒化ホウ素及びダイヤモンドから選択される、前記〔29〕に記載の多結晶研磨材構築物。
〔31〕前記マトリックスが、チタン及びアルミニウムのいずれかの化合物を含む粒子を含む、前記〔29〕又は〔30〕に記載の多結晶研磨材構築物。
〔32〕前記マトリックスが、炭窒化チタン、炭化チタン、窒化チタン、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウムのいずれかを含む粒子を含む、前記〔29〕、〔30〕又は〔31〕に記載の多結晶研磨材構築物。
〔33〕前記構築物が、少なくとも5体積%の窒化チタンを含んで、前記多結晶研磨材構築物を放電機械加工可能にしている、前記〔29〕〜〔32〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物。
〔34〕前記〔17〕〜〔33〕のいずれか1項に記載の多結晶研磨材構築物を含む機械加工工具。