特許第6523488号(P6523488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソリスティックの特許一覧

<>
  • 特許6523488-物品を袋に仕分けする機器 図000002
  • 特許6523488-物品を袋に仕分けする機器 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6523488
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】物品を袋に仕分けする機器
(51)【国際特許分類】
   B07C 3/02 20060101AFI20190527BHJP
【FI】
   B07C3/02
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-562639(P2017-562639)
(86)(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公表番号】特表2018-519991(P2018-519991A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】FR2016051179
(87)【国際公開番号】WO2016193565
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2018年2月1日
(31)【優先権主張番号】1555086
(32)【優先日】2015年6月4日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514135362
【氏名又は名称】ソリスティック
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】リュック・シロル
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・ミエット
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−508246(JP,A)
【文献】 特開昭56−037918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 3/02
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放した容器(6)内に物品を仕分けする、物品(3)を仕分けする機器であって、
前記機器が、独立して移動するのに適したシャトルカートおよび台車アセンブリ(2)を含み、前記シャトルカートおよび台車アセンブリ(2)の各々が、積載ポイント(4)から容器まで物品を搬送することと、
シャトルカートおよび台車アセンブリの各々が、容器の上部の開口を覆うのに適した、物品を運搬する運搬デッキ(10)を備えることと、
保持手段(16)を容器の開口の上側に備え、前記保持手段は、運搬デッキが前記保持手段と容器の開口との間を通過することを許容する空間(18)を残し、かつ、シャトルカートおよび台車アセンブリが、物品が容器内に重力によって落下するようにして、容器から移動して離れるときに、運搬デッキに積載された物品を容器の開口の上側に保持することと
により特徴づけられる、物品(3)を仕分けする機器。
【請求項2】
容器が一列に並んでおり、前記シャトルカートおよび台車アセンブリの運搬デッキが容器を次々と覆うようにして、各シャトルカートおよび台車アセンブリが容器の列に沿って移動するように制御されることにより特徴づけられる、請求項1に記載の、物品(3)を仕分けする機器。
【請求項3】
前記容器は、フレーム(17)から吊り下げられた袋であり、前記シャトルカートおよび台車アセンブリの各々は、その側部においてU字の形をしており、U字の形のうちの下側ブランチは、吊り下げられた袋の下を通るように適合され、U字の形のうちの上側ブランチは、袋の開口を覆うように適合されることにより特徴づけられる、請求項1または2に記載の、物品(3)を仕分けする機器。
【請求項4】
前記保持手段(16)は、前記袋の上側にて吊り下げられたパドルによって構成されることにより特徴づけられる、請求項に記載の、物品(3)を仕分けする機器。
【請求項5】
前記物品は郵便物であることにより特徴づけられる、請求項1〜4のうちのいずれか一に記載の、物品(3)を仕分けする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を仕分けする分野に関連し、特に、小包などの郵便物を、袋などの、上部が開放した容器に仕分けする、郵便仕分け機器に関連する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、仕分けセンタにおいて、低処理速度での郵便小包の仕分けは、ほとんど自動化されていない。
【0003】
そのような「低」処理速度とは、3000個/時までの速度のことである。
【0004】
一般的に、このタイプの仕分けは、取り出しポイントから小包を一つずつ取り出す専門オペレータによって手作業で行われ、当該専門オペレータは、取り出した小包の宛先を視覚的に認識して、その後、特定の仕分けプランに応じて、当該小包を投入すべき仕分け袋を決定する。
【0005】
その後、仕分け袋は、配達の巡回または「郵便配達員の歩行」にて配達するために回収され得、または、新しい仕分け経路にて小包を仕分けするために空にされ得る。
【0006】
したがって、そのような仕分けセンタで小包が仕分けされる仕分け速度は、そこで働くオペレータの数、及び、仕分けプランに応じて、小包を袋に仕分けする彼らの技能に本質的に依存する。
【0007】
また、仕分け経路ごとに変化する仕分けプランは一部のオペレータに相当な集中力を要求し、仕分けの間違いを引き起こし得ると考えられる。
【0008】
完全に自動化され、「シューラインソータ(shoe line sorters)」と称される、特定の郵便物を仕分けするために使用される、仕分け装置が存在する。
【0009】
しかしながら、それらの装置は、コストが過大であり、かつ、それらが占める床の領域すなわち「設置面積」が過大であるため、低処理速度での郵便仕分けには適していない。
【0010】
また、国際公開第2014/057182号の文献に記載されているように、上部が開放した容器に物品を仕分けする仕分け機器が存在する。その機器は、独立して移動する、自走式のシャトルカートおよび台車アセンブリを含む。シャトルカートおよび台車アセンブリの各々は、物品を、積載ポイントから容器まで搬送する。シャトルカートおよび台車アセンブリの各々は、物品を運搬する運搬デッキまたはラックを備える。当該デッキは、容器の上部の開口を覆うのに適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2014/057182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、小包が良好な仕分け速度で仕分けされることを保証しつつ、郵便小包の仕分けにおけるオペレータによる介入を制限するソリューションを提供することである。
【0013】
また、本発明の目的は、低処理速度で小包を取り扱うための、信頼することができて費用対効果が高い、自動化されたソリューション、ならびに、いくつかの仕分け経路を動的に管理するように適合された自動化されたソリューションを提案することでもある。
【0014】
本発明の基本的な考え方は、シャトルカートおよび台車アセンブリ上の小包または他の郵便物を、小包が積載される積載ポイントから袋まで移動することであり、袋およびシャトルカートおよび台車アセンブリは、台車から袋内への小包の荷下ろしが重力のみで生じるように適合される。
【0015】
この目標に対して、本発明は、上部が開放した容器内に物品を仕分けする、物品を仕分けする機器を提供し、前記機器は、
前記機器が、独立して移動するのに適したシャトルカートおよび台車アセンブリを含み、シャトルカートおよび台車アセンブリの各々が、積載ポイントから容器まで物品を搬送することと、
シャトルカートおよび台車アセンブリの各々が、容器の上部の開口を覆うのに適した、物品を運搬する運搬デッキを備えることと、
保持手段を容器の開口の上側に備え、当該保持手段は、運搬デッキが、保持手段と容器の開口との間を通過することを許容する空間を残し、かつ、物品が容器内に重力によって落下するようにして、シャトルカートおよび台車アセンブリが、容器から移動して離れるときに、容器の開口の上側において、運搬デッキ上に積載された物品を保持することと
により特徴づけられる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の仕分け装置は、以下の特徴を有利に有してもよい。
・容器が一列に並んでおり、各シャトルカートおよび台車アセンブリは、シャトルカートおよび台車アセンブリの運搬デッキが容器を次々と覆うようにして、容器の列に沿って移動するように制御される。
・容器はフレームから吊り下げられた袋であり、シャトルカートおよび台車アセンブリの各々は、その側部においてU字の形をしており、U字の形のうちの下側ブランチは、吊り下げられた袋の下を通るように適合され、U字の形のうちの上側ブランチは、袋の開口を覆うように適合される。
・保持手段は、袋の上側にて吊り下げられた固定パドルによって構成される。
【0017】
本発明は、非限定的な実施例として、添付の図面を参照して与えられる実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解することができて、他の利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の仕分け機器を横側から見た概略図である。
図2図2は、本発明の仕分け機器を上側から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の仕分け機器は、物品を、より具体的には小包タイプの、機械で仕分けすることができない郵便物を、低処理速度で仕分けするように設計される。
【0020】
図1および図2を参照すると、本発明の仕分け機器1は、シャトルカートおよび台車アセンブリ2を含む。シャトルカートおよび台車アセンブリ2の各々は、小包3を運搬する台車2A、および台車2A上に配置された小包3を移動するシャトルカート2Bから成る。
【0021】
台車2Aおよびシャトルカート2Bは、取り外し可能な方法で互いに結合されるように設計されてもよい。
【0022】
各シャトルカート2Bは、小包3が積載される、図2に示す積載ポイント4から、小包が荷下ろしされて容器6が配置される荷下ろしポイント5まで、移動することができる独立自走式のシャトルカートである。容器の各々は、その上部に開口を備え、この実施例において、当該容器は、吊り下げられた袋である。
【0023】
容器は、トレイ、ボックスパレットなどのボックス、または類似のコンテナであってもよい。
【0024】
図1にて見ることができるように、各台車2Aは、車輪8の上側に在る下側ブランチ7、および水平運搬デッキ10が固定された上側ブランチ9と一体となって、その側部にてU字の形をしている。
【0025】
図1に示すように、U字の形のうちのブランチ9上のデッキ10は、U字の形のうちの下側ブランチ7が袋6の下にあるときに、袋6の上部に在る開口を覆うようになるのに適している。
【0026】
図2において、袋6の上部の開口11を見ることができ、袋は一つまたはそれ以上の長手方向の列に並んでいる。図2には、袋の一つの列のみを示している。
【0027】
列内の袋6は、特定の仕分けプランに従って小包に関して行われる郵便仕分け処理のための仕分け口を構成し、当該袋6は、一つまたはそれ以上の仕分け経路に構成される。
【0028】
異なるサイズの容器6を、仕分け口に応じて、小包で充填する異なる速度に適合させることが可能である。
【0029】
図2は、シャトルカート及び台車アセンブリ2を監視して制御する監視制御システム13を極めて概略的に示している。この実施例において、当該システム13は、いくらかの高さに設置されたカメラ15を備える自動アドレス認識システム14を含み、このことにより、システム13は、カメラの下を通過するシャトルカートおよび台車アセンブリ2の運搬デッキ10上に配置された各小包6の上面を監視することができる。
【0030】
シャトルカートおよび台車アセンブリ2は、システム13からの地理的位置によって無線方式で遠隔制御されることを理解すべきである。
【0031】
自動アドレス認識システム14は、カメラ15によって撮影されて宛先アドレスを含む小包のデジタル画像にもとづいて、小包上の宛先アドレスを認識するように適合された光学式文字認識(OCR)を用いる、従来のシステムであってもよい。
【0032】
システム14は、小包上のバーコードを読むのに適したバーコードリーダであってもよいことを理解すべきである。
【0033】
図2にて見ることができるように、シャトルカートおよび台車アセンブリ2は、セグメントD1、D2、D3、D4、およびD5から成る経路に従うように、システム13によって制御される。
【0034】
セグメントD1は、例えばストレージ区域(図示せず)から到着するシャトルカートおよび台車アセンブリのデッキ上に小包が積載される積載ポイント4から開始する。
【0035】
この実施例において、セグメントD1は、アドレス認識システム14が位置する場所にて終了する。
【0036】
セグメントD2は、セグメントD1を延長して、セグメントD1と90°の角度を成して、袋または他の容器の列の一つの端部に到達する。
【0037】
セグメントD2の端部において、シャトルカートおよび台車アセンブリ2は、袋6と連係し、シャトルカートおよび台車アセンブリのシャトルカート2Aは、長手方向の経路D3に従うことによって、袋のこの列の縁に沿って進むことができる。
【0038】
その後、小包3は、袋の一連の開口11の上側に移動する。
【0039】
図1に示すように、容器の各開口11の上部にわたって保持手段16が備わる。当該保持手段16は、運搬デッキが保持手段と容器の開口との間を通過することを許容する空間を残す。さらに、当該保持手段16は、この実施例においてはセグメントD3に対して垂直であるセグメントD4に従うことによって、シャトルカートおよび台車アセンブリ2が容器から移動して離れる間、容器の開口の上側において、運搬デッキ上に積載された物品3を保持する。
【0040】
シャトルカートおよび台車アセンブリ2の運搬デッキ10を、セグメントD4に沿って袋6から移動させて離すことにより、小包3は、図2に示す袋6内に重力によって落下する。
【0041】
保持手段16は、パドルの形状をしていてもよい。当該パドルは、袋6が吊り下げられている吊り下げフレーム17の落ち込んだ縁により形成される。パドルは、吊り下げフレーム17と袋の開口の縁との間に貫通スロットを開けたままにする。
【0042】
袋6の列の全長にわたって延在する大きいパドルを、保持手段として有することも可能である。
【0043】
セグメントD4は、当該D4と直角を成して積載ポイント4に戻る、最後のセグメントD5によって延長される。
【0044】
シャトルカートおよび台車アセンブリのデッキ10は、当該デッキ10上に小包3を有したまま、袋6を次々と覆うのに適しており、それぞれの仕分け口5に対応する袋の上側に到着すると、シャトルカートおよび台車アセンブリは、セグメントD4に沿って反転し、小包3は、パドル16によって保持されたまま、重力のみによって、仕分け口を構成する袋6内に落下するに至ることを理解することができる。
【0045】
この配置により、一人のオペレータの存在だけで済むことが可能となり、当該オペレータは、積載ポイント4において、一台ずつ到着するシャトルカートおよび台車アセンブリ2上に小包を積載し、その後、仕分けは、システム13の制御にもとづいて自動的に行われる。
【0046】
本発明によれば、シャトルカートおよび台車アセンブリ2上に小包3を積載するための複数の積載ポイント4を備えることも可能である。
【0047】
仕分けが複数の仕分け経路を含む場合に、オペレータにより、袋6は、吊り下げフレーム17から取り除かれて、空の袋に取り替えられることが可能である。一杯になった袋は、新しい小包仕分け経路のためにポイント4に順番に投入される。
図1
図2