(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コア部材は、前記連結部材と接する第1絶縁層と、前記連結部材と接し、前記第1絶縁層に埋め込まれた第1配線層と、前記第1絶縁層の前記第1配線層が埋め込まれた側の反対側上に配置された第2配線層と、を含み、
前記第1及び第2配線層はそれぞれ、前記接続パッドと電気的に連結されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
前記コア部材は、前記第1絶縁層上に配置され、前記第1配線層を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に配置された第3配線層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記第2配線層を覆う第3絶縁層と、前記第3絶縁層上に配置された第4配線層と、をさらに含み、
前記第3配線層及び第4配線層はそれぞれ、前記接続パッドと電気的に連結されている、請求項11に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
前記コア部材は、前記連結部材と向かい合い、前記コア部材の下面の外側に沿って形成された周囲溝部をさらに含む、請求項15に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
前記コア部材の前記貫通孔は、平面方向を基準に、前記連結部材と向かい合う前記コア部材の下側における下部領域が前記コア部材の前記下側の反対側の上側における上部領域よりも小さい、請求項15または16に記載のファン−アウト半導体パッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかしながら、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップ、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ、アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることはいうまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることはいうまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0017】
図2は電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器において様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部はチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ100は、例えば、そのうちアプリケーションプロセッサであることができるが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0019】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的又は化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0020】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0021】
このようなパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)とに区分されることができる。
【0022】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0023】
(ファン−イン半導体パッケージ)
図3はファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図である。
【0024】
図4はファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
【0025】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜又は窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、回路幅の差が大きい電子機器のメインボードなどはもちろん、回路幅の差がメインボードよりは小さい中間レベルの印刷回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0026】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、再配線層2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0027】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0028】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔まで拡大することができるわけではないためである。
【0029】
図5はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0030】
図6はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0031】
図面を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200においては、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がインターポーザ基板2301によりさらに再配線され、最終的には、インターポーザ基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装可能となる。この際、半田ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側はモールディング材2290などで覆うことができる。又は、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよい。その場合、インターポーザ基板2302内に内蔵された状態の半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子が、インターポーザ基板2302によりさらに再配線されるため、最終的に電子機器のメインボード2500に実装可能となる。
【0032】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、又はインターポーザ基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0033】
(ファン−アウト半導体パッケージ)
図7はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
【0034】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結部材2140上にはパッシベーション層2150をさらに形成することができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160をさらに形成することができる。アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170をさらに形成することができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0035】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、上記のような別のインターポーザ基板を用いることなく、電子機器のメインボード上に半導体チップを実装することができる。
【0036】
図8はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0037】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は半田ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装することができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板などがなくても、半導体チップ2120を電子機器のメインボード2500に実装することができる。
【0038】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても電子機器のメインボードに実装することができるため、インターポーザ基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べて厚さがより小さいパッケージ寸法を実現することができ、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、印刷回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0039】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものである。他方、ファン−イン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板などの印刷回路基板(PCB)を用いる実装方式は、ファン−アウト半導体パッケージに基づく実装方式とはスケール、用途などが異なる実装方式である。
【0040】
以下では、図面を参照して、半導体チップを封止する領域に、パッケージを支持することができ、必要に応じて、配線を設計することができるコア部材を含み、それにもかかわらず、封止材のボイドの問題がほとんど発生しない新しい構造のファン−アウト半導体パッケージについて説明する。
【0041】
図9はファン−アウト半導体パッケージの一例を概略的に示した断面図である。
【0042】
図10は
図9のファン−アウト半導体パッケージをI−I'線に沿って切って見た場合の概略的な平面図である。
【0043】
図面を参照すると、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、貫通孔110Hを有するコア部材110と、コア部材110の貫通孔110Hに配置され、接続パッド122が配置された活性面、及び活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップ120と、コア部材110及び半導体チップ120の少なくとも一部を封止し、貫通孔110Hの少なくとも一部を充填する封止材130と、コア部材110及び半導体チップ120の活性面上に配置され、接続パッド122と電気的に連結された再配線層142を含む連結部材140と、連結部材140上に配置されたパッシベーション層150と、パッシベーション層150の開口部151上に配置されたアンダーバンプ金属層160と、パッシベーション層150上に配置され、アンダーバンプ金属層160と連結された電気接続構造体170と、を含む。
【0044】
一方、通常の半導体パッケージは、半導体チップを単に封止材で封止し、封止された半導体チップの活性面上に再配線層を形成する方式で製造している。但し、この場合、パッケージの反りを制御することが難しく、且つ様々な配線設計に限界がある。これを解決するための方法として、半導体チップの封止領域に貫通孔を有するコア部材を配置することが考えられる。この場合、コア部材によってパッケージの反りが制御されることができ、さらにコア部材に配線を設計することで、様々な形態の配線設計が可能となることができる。但し、コア部材を導入する場合には、コア部材の貫通孔に半導体チップを配置した後、封止材で封止する過程で貫通孔の壁面と封止材の間、半導体チップの側面と封止材の間、及び/又は封止材と再配線層の形成のための絶縁層の間にボイドが発生する可能性があり、かかるボイドが原因でデラミネーションなどの問題が発生するおそれがある。
【0045】
これに対し、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aでは、コア部材110の下側に1つ以上の溝部GA1を形成する。溝部GA1は、貫通孔110Hの壁面からコア部材110の外側面までを貫通する。このような形態の溝部GA1は、エア通路の役割を果たすことができ、これにより、封止材130でコア部材110及び半導体チップ120を封止する際にボイドが発生することを防止することができる。より具体的には、封止材130でコア部材110及び半導体チップ120を封止する際に、溝部GA1によりコア部材110の外側部のソーイングライン(Sawing Line)まで封止材130が充填されることができ、その結果、ボイドが発生することを防止することができる。一部が充填されないことを防止するためには、封止材130の積層後に加圧オーブンを用いて、充填されていない領域を補償することができる。かかる圧力による充填方式を適用する場合、ボイドフリー(Void Free)を大まかに達成することもできる。
【0046】
以下、一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0047】
コア部材110は、具体的な材料に応じてパッケージ100Aの剛性をより向上させることができ、封止材130の厚さの均一性を確保するなどの役割を果たすことができる。コア部材110に配線層やビアなどを形成する場合には、ファン−アウト半導体パッケージ100Aがパッケージオンパッケージ(Package on Package、POP)タイプのパッケージとして活用されることもできる。コア部材110は貫通孔110Hを有する。貫通孔110H内には、半導体チップ120が、コア部材110と所定距離離隔されるように配置される。半導体チップ120の側面周囲はコア部材110によって囲まれることができる。但し、これは一例に過ぎず、他の形態で多様に変形することができ、その形態に応じて他の機能を担うことができる。
【0048】
コア部材110は絶縁層111を含む。絶縁層111の材料としては、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと混合されるか、又は無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。ガラス繊維などを含むプリプレグのような剛性の高い材料を用いると、コア部材110を、パッケージ100Aの反りを制御するための支持部材として活用することもできる。
【0049】
コア部材110の下側には複数の溝部GA1が存在する。例えば、コア部材110の下側の四隅にそれぞれ溝部GA1が存在することができる。それぞれの溝部GA1は、貫通孔110Hの壁面からコア部材110の外側面までを貫通する。このような形態の溝部GA1は、エア通路の役割を果たすことができ、これにより、上述のとおり、封止材130でコア部材110及び半導体チップ120を封止する際にボイドが発生することを防止することができる。コア部材110の外側部の下側には、コア部材110の枠に沿ってコア部材110の下側を貫通する溝部GA2がさらに存在することができる。それぞれの溝部GA1は、かかる溝部GA2と連結されることができ、その結果、封止材130の形成過程におけるボイドの発生をより効果的に防止することができる。
【0050】
コア部材110の貫通孔110Hはテーパー状を有することができる。より具体的には、コア部材110の壁面は、一定の角度θを有するように傾くことができる。テーパー状は、貫通孔110Hの上部開口領域の幅が下部開口領域の幅よりも大きければよい。すなわち、ほぼ逆台形状であることができる。コア部材110の貫通孔110Hがこのようにテーパー状を有する場合には、封止材130がより容易に形成されることができ、その結果、ボイドの発生がさらに低減されることができる。
【0051】
一方、説明の便宜上、
図9の断面図には、コア部材110の下側が溝部GA1、GA2の両方を貫通するように示されているが、
図10の平面図に示すように、溝部GA1はコア部材110の下側の特定領域に形成されたものであり、複数の溝部GA1が設計に応じて多様に形成されることができる。
【0052】
半導体チップ120は、数百〜数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(Integrated Circuit:IC)であることができる。この際、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのプロセッサチップ、具体的には、アプリケーションプロセッサチップであることができるが、これに限定されるものではなく、アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップであるか、又は揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップであることができる。また、これらが互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0053】
半導体チップ120は、活性ウェハーをベースとして形成されるものであればよく、この場合、本体121をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体121には様々な回路が形成されていることができる。接続パッド122は、半導体チップ120を他の構成要素と電気的に連結させるためのものであって、その形成物質としては、特に限定せずにアルミニウム(Al)などの導電性物質を用いることができる。本体121上には接続パッド122を露出させるパッシベーション膜123が形成されることができる。パッシベーション膜123は、酸化膜又は窒化膜などであってもよく、又は酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。パッシベーション膜123により、接続パッド122の下面は封止材130の下面と段差を有することができ、その結果、封止材130は、パッシベーション膜123と連結部材140との間の空間の少なくとも一部を充填することができる。この場合、封止材130が接続パッド122の下面へブリードされることをある程度防止することができる。その他の必要な位置に、絶縁膜(不図示)などがさらに配置されてもよい。半導体チップ120は、ベアダイ(bare die)であってもよいが、必要に応じて、半導体チップ120の活性面上に再配線層(不図示)がさらに形成されることができ、バンプ(不図示)などが接続パッド122と連結された形態を有することもできる。
【0054】
封止材130は、コア部材110や半導体チップ120などを保護することができる。封止形態は、特に制限されず、コア部材110や半導体チップ120などの少なくとも一部を包み込む形であればよい。例えば、封止材130は、コア部材110及び半導体チップ120の非活性面を覆うことができ、貫通孔110Hの壁面と半導体チップ120の側面との間の空間を充填することができる。また、封止材130は、半導体チップ120のパッシベーション膜123と連結部材140との間の空間の少なくとも一部を充填することもできる。封止材130が貫通孔110Hを充填することにより、具体的な物質に応じて接着剤の役割を果たすとともに、バックリングを減少させることができる。特に、封止材130は、溝部GA1、GA2の少なくとも一部を充填することができる。すなわち、封止材130が封止過程で溝部GA1、GA2を介して抜け出ることによりボイド不良を防止することができる。
【0055】
封止材130の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと混合されるか、又は無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。必要に応じては、感光性絶縁(Photo Imageable Encapsulant:PIE)樹脂を用いることもできる。
【0056】
連結部材140は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線することができる。連結部材140を介して様々な機能を有する数十、数百の半導体チップ120の接続パッド122が再配線されることができ、電気接続構造体170を介してその機能に合わせて外部と物理的及び/又は電気的に連結されることができる。連結部材140は、コア部材110及び半導体チップ120の活性面上に配置された絶縁層141と、絶縁層141上に配置された再配線層142と、絶縁層141を貫通し、接続パッド122と再配線層142とを連結するビア143と、を含む。図面には、連結部材140が、それぞれ一つの絶縁層、再配線層、及びビア層で構成されるように示されているが、設計に応じてこれより多くの絶縁層、再配線層、及びビア層で構成できることはいうまでもない。
【0057】
絶縁層141の物質としては絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁物質としては、上述のような絶縁物質の他にも、PID樹脂などの感光性絶縁物質を用いることもできる。すなわち、絶縁層141は、それぞれ感光性絶縁層であってもよい。絶縁層141が感光性の性質を有する場合には、絶縁層141をより薄く形成することができ、より容易にビア143のファインピッチを達成することができる。絶縁層141は、それぞれ絶縁樹脂及び無機フィラーを含む感光性絶縁層であってもよい。絶縁層141が多層である場合には、これらの物質が互いに同一であってもよく、必要に応じて、互いに異なってもよい。また、絶縁層141が多層である場合には、これらは工程に応じて一体化されて、これら自体では境界が不明確であってもよい。
【0058】
再配線層142は、実質的に接続パッド122を再配線する役割を果たすことができ、形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。再配線層142は、該当層の設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グラウンド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッドパターン、電気接続構造体パッドパターンなどを含むことができる。それぞれの再配線層142は、厚さが約0.5μm〜15μm程度であることができる。
【0059】
ビア143は、互いに異なる層に形成された再配線層142や接続パッド122などを電気的に連結させ、その結果、パッケージ100A内に電気的経路を形成させる。ビア143の形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。ビア143は、導電性物質で完全に充填されたものであってもよく、又は導電性物質がビアの壁に沿って形成されたものであってもよい。また、形状がテーパー状、円筒状など、当該技術分野に公知の全ての形状が適用されることができる。
【0060】
パッシベーション層150は、連結部材140を外部からの物理的又は化学的損傷などから保護することができる。パッシベーション層150は、連結部材140の再配線層142の少なくとも一部を露出させる開口部151を有することができる。かかる開口部151は、パッシベーション層150に数十〜数千個が形成されることができる。パッシベーション層150の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと混合されるか、又は無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。又は、半田レジスト(Solder Resist)が用いられることもできる。
【0061】
アンダーバンプ金属層160は、電気接続構造体170の接続信頼性を向上させることでパッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善させる。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151を介して露出する連結部材140の再配線層142と連結される。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151に、公知の導電性物質、すなわち、金属を用いることで公知のメタル化(Metallization)の方法で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0062】
電気接続構造体170は、ファン−アウト半導体パッケージ100Aを外部と物理的及び/又は電気的に連結させる。例えば、ファン−アウト半導体パッケージ100Aは、電気接続構造体170を介して電子機器のメインボードに実装されることができる。電気接続構造体170は、導電性物質、例えば、半田(solder)などで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材料が特にこれに限定されるものではない。電気接続構造体170は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであることができる。電気接続構造体170は、多重層又は単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、錫−銀半田又は銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0063】
電気接続構造体170の数、間隔、配置形態などは特に限定されず、通常の技術者が設計事項に応じて十分に変形可能である。例えば、電気接続構造体170の数は、接続パッド122の数に応じて数十〜数千個であってもよく、それ以上又はそれ以下の数を有することもできる。電気接続構造体170が半田ボールである場合、電気接続構造体170は、パッシベーション層150の一面上に延長されて形成されたアンダーバンプ金属層160の側面を覆うことができ、接続信頼性にさらに優れることができる。
【0064】
電気接続構造体170の少なくとも一つはファン−アウト(fan−out)領域に配置される。ファン−アウト領域とは、半導体チップ120が配置されている領域を超える領域のことである。ファン−アウト(fan−out)パッケージは、ファン−イン(fan−in)パッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージなどに比べて、パッケージの厚さを薄く製造することができ、価格競争力に優れる。
【0065】
一方、図面には図示していないが、必要に応じて、貫通孔110Hの壁面に放熱及び/又は電磁波遮蔽を目的に金属薄膜を形成することができる。また、必要に応じて、貫通孔110H内に、互いに同一又は異なる機能を担う複数の半導体チップ120を配置することもできる。また、必要に応じては、貫通孔110H内に別の受動部品、例えば、インダクタやキャパシタなどを配置することもできる。また、必要に応じては、パッシベーション層150の表面上に受動部品、例えば、インダクタやキャパシタなどを含む表面実装(SMT)部品を配置することもできる。
【0066】
図11は
図9のファン−アウト半導体パッケージの封止過程を概略的に示した工程図である。
【0067】
図面を参照すると、先ず、テープ210上に貫通孔110Hを有するコア部材110を取り付ける。コア部材110には、レーザー工程を用いて事前に溝部GA1、GA2を形成する。また、テープ210の貫通孔110Hを介して露出している領域上に半導体チップ120を取り付ける。次に、封止材130をテープ210上にラミネートする方法で封止工程を行う。ここで、溝部GA1、GA2を介して封止材130を充填する際には圧力が増加する可能性があるが、かかる溝部GA1、GA2がエアベント(Air Bent)の役割を果たすことができる。これにより、封止材130でコア部材110及び半導体チップ120を封止する際にボイドが発生することを防止することができる。より具体的には、封止材130でコア部材110及び半導体チップ120を封止する際に、溝部GA1、GA2を介してコア部材110の外側部のソーイングライン(Sawing Line)まで封止材130が充填されることができ、その結果、ボイドが発生することを防止することができる。一部が充填されないことを防止するためには、封止材130の積層後に加圧オーブンを用いて、充填されていない領域を補償することができる。かかる圧力による充填方式を適用する場合、ボイドフリー(Void Free)を大まかに達成することもできる。ソーイングラインに充填されたダミー封止材は、パッケージのソーイング時に除去され、それぞれのパッケージ100Aには、封止材130により少なくとも一部が充填されたコーナー領域の溝部GA2及び内部のデザインされた領域の溝部GA1が残るようになる。
【0068】
図12はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0069】
図13は
図12のファン−アウト半導体パッケージをII−II'線に沿って切って見た場合の概略的な平面図である。
【0070】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Bは、コア部材110が連結部材140と接する第1絶縁層111aと、連結部材140と接し、第1絶縁層111aに埋め込まれた第1配線層112aと、第1絶縁層111aの第1配線層112aが埋め込まれた側の反対側上に配置された第2配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第2配線層112bを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3配線層112cと、を含む。第1〜第3配線層112a、112b、112cは、接続パッド122と電気的に連結される。第1配線層112aと第2配線層112b、及び第2配線層112bと第3配線層112cはそれぞれ、第1及び第2絶縁層111a、111bを貫通する第1及び第2ビア113a、113bを介して電気的に連結される。
【0071】
第1絶縁層111aの下側には、上述した溝部GA1、GA2が形成され、そのため、上述のとおり、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Bも、封止材130の形成過程におけるボイドの発生を防止することができる。一方、
図12では、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Bの特徴をより容易に説明するために、溝部GA1、GA2が見えない部分を断面図として設定したが、実際には
図13に示すように、溝部GA1、GA2が形成され、その断面形状は、
図9に示したものと類似しており、封止材130により少なくとも一部が満たされる。
【0072】
第1配線層112aを第1絶縁層111a内に埋め込む場合、第1配線層112aの厚さが原因で発生する段差を最小限に抑えるため、連結部材140の絶縁距離が一定になる。すなわち、連結部材140の再配線層142から第1絶縁層111aの下面までの距離と、連結部材140の再配線層142から半導体チップ120の接続パッド122までの距離との差は、第1配線層112aの厚さよりも小さければよい。これにより、連結部材140の高密度配線設計が容易となることができる。
【0073】
コア部材110の第1配線層112aの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面よりも上側に位置することができる。また、連結部材140の再配線層142とコア部材110の第1配線層112aとの間の距離は、連結部材140の再配線層142と半導体チップ120の接続パッド122との間の距離よりも大きければよい。これは、第1配線層112aが絶縁層111の内部にリセスされることができるためである。このように、第1配線層112aが第1絶縁層の内部にリセスされて、第1絶縁層111aの下面と第1配線層112aの下面とが段差を有する場合には、封止材130の形成物質がブリードされて第1配線層112aを汚染させることを防止することもできる。コア部材110の第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。コア部材110は、半導体チップ120の厚さに対応する厚さに形成することができ、これにより、コア部材110の内部に形成された第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0074】
コア部材110の配線層112a、112b、112cの厚さは、連結部材140の再配線層142の厚さよりも厚ければよい。コア部材110は、半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、配線層112a、112b、112cも、そのスケールに合わせて、より大きいサイズに形成することができる。一方、連結部材140の再配線層142は、薄型化のために、配線層112a、112b、112cよりも相対的に小さいサイズに形成することができる。
【0075】
絶縁層111a、111bの材料は、特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと混合されるか、又は無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。必要に応じては、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂を用いることもできる。
【0076】
配線層112a、112b、112cは、半導体チップ120の接続パッド122を再配線する役割を果たすことができる。配線層112a、112b、112cの形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。配線層112a、112b、112cは、該当層の設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グラウンド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、ワイヤーパッド、電気接続構造体パッドなどを含むことができる。
【0077】
ビア113a、113bは、互いに異なる層に形成された配線層112a、112b、112cを電気的に連結させ、その結果、コア部材110内に電気的経路を形成させる。ビア113a、113bも、形成物質としては、導電性物質を用いることができる。ビア113a、113bは、導電性物質で完全に充電されたものであってもよく、又は導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、テーパー状だけでなく、円筒状など公知の全ての形状が適用されることができる。第1ビア113aのためのホールを形成する際に、第1配線層112aのパッドの一部がストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、第1ビア113aは、上面の幅が下面の幅よりも大きいテーパー状であることが工程上有利であることができる。この場合、第1ビア113aは、第2配線層112bのパッドパターンと一体化されることができる。また、第2ビア113bのためのホールを形成する際に、第2配線層112bのパッドの一部がストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、第2ビア113bは、上面の幅が下面の幅よりも大きいテーパー状であることが工程上有利であることができる。この場合、第2ビア113bは、第3配線層112cのパッドパターンと一体化されることができる。
【0078】
その他の構成又は封止過程は、上述したファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0079】
図14はファン−アウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示した断面図である。
【0080】
図15は
図14のファン−アウト半導体パッケージをIII−III'線に沿って切って見た場合の概略的な平面図である。
【0081】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Cは、コア部材110が、第1絶縁層111aと、第1絶縁層111aの両面に配置された第1配線層112a及び第2配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第1配線層112aを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層112cと、第1絶縁層111a上に配置され、第2配線層112bを覆う第3絶縁層111cと、第3絶縁層111c上に配置された第4配線層112dと、を含む。第1〜第4配線層112a、112b、112c、112dは、接続パッド122と電気的に連結される。コア部材110が、より多くの数の配線層112a、112b、112c、112dを含むため、連結部材140をさらに簡素化することができる。これにより、連結部材140の形成過程で発生する不良による歩留まりの低下を改善することができる。一方、第1〜第4配線層112a、112b、112c、112dは、第1〜第3絶縁層111a、111b、111cをそれぞれ貫通する第1〜第3ビア113a、113b、113cを介して電気的に連結されることができる。
【0082】
第2絶縁層111bの下側には、上述した溝部GA1、GA2が形成され、そのため、上述のとおり、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Cも、封止材130の形成過程におけるボイドの発生を防止することができる。一方、
図14では、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージ100Cの特徴をより容易に説明するために、溝部GA1、GA2が見えない部分を断面図として設定したが、実際には
図15に示すように、溝部GA1、GA2が形成され、その断面形状は、
図9に示したものと類似しており、封止材130により少なくとも一部が満たされる。
【0083】
第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cより厚さが厚ければよい。第1絶縁層111aは、基本的に剛性を維持するために比較的厚くてもよく、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、より多くの配線層112c、112dを形成するために導入されたものであってもよい。第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cと異なる絶縁物質を含むことができる。例えば、第1絶縁層111aは、芯材、フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであってもよく、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、フィラー及び絶縁樹脂を含むABFフィルム又はPIDフィルムであってもよいが、これに限定されるものではない。同様の観点から、第1絶縁層111aを貫通する第1ビア113aは、第2及び第3絶縁層111b、111cを貫通する第2及び第3ビア113b、113cよりも直径が大きければよい。
【0084】
コア部材110の第3配線層112cの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面よりも下側に位置することができる。また、連結部材140の再配線層142とコア部材110の第3配線層112cとの間の距離は、連結部材140の再配線層142と半導体チップ120の接続パッド122との間の距離よりも小さければよい。これは、第3配線層112cが第2絶縁層111b上に突出した形で配置されることができ、その結果、連結部材140と接することができるためである。コア部材110の第1配線層112a及び第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。コア部材110は、半導体チップ120の厚さに対応して形成することができるため、コア部材110の内部に形成された第1配線層112a及び第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0085】
コア部材110の配線層112a、112b、112c、112dの厚さは、連結部材140の再配線層142の厚さよりも厚ければよい。コア部材110は、半導体チップ120以上の厚さを有することができるため、配線層112a、112b、112c、112dもより大きいサイズに形成することができる。一方、連結部材140の再配線層142は、薄型化のために、より相対的に小さいサイズに形成することができる。
【0086】
その他の構成又は封止過程は、上述したファン−アウト半導体パッケージ100Aなどについての説明と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
本発明において、「下部、下側、下面」などとは、添付の図面の断面を基準にファン−アウト半導体パッケージの実装面に向かう方向を意味し、「上側、上部、上面」などとはその反対方向を意味する。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したもので、特許請求の範囲がこれらに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0088】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0089】
本発明で用いられた「一例」又は「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0090】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。