(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記他プレイヤ情報の少なくとも一部が示すキャラクタまたは当該キャラクタとは異なる前記特定のゲームキャラクタが前記ビデオゲームにおける対戦キャラクタとして登場するように前記ビデオゲームの進行を制御する
請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理装置。
前記制御手段は、前記対戦キャラクタ情報が複数のキャラクタに関する情報を含む場合、前記ビデオゲームのプレイヤに選択されたキャラクタが対戦キャラクタとして登場するように前記ビデオゲームの進行を制御する
請求項1から請求項5のうち何れかに記載のビデオゲーム処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、プレイヤ操作受付部15、および通信部16を含む。
【0014】
ゲームプログラム読取部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読取部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、本実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、RPGに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。ただし、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体に記憶されるビデオゲームプログラムが属するジャンルはRPGに限定されず、通信により他のプレイヤが操作するビデオゲーム処理装置(他装置)から情報を受信して自身(ビデオゲーム処理装置100。自装置。)が制御するビデオゲームに利用するものであればよい。
【0015】
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0016】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0017】
本例においては、記憶部12は、プレイヤ情報記憶部12aと、対戦キャラクタ情報記憶部12bと、対戦キャラクタ配置盤情報記憶部12cとを含む。
【0018】
プレイヤ情報記憶部12aは、ビデオゲーム処理装置100を操作してビデオゲームをプレイするプレイヤP1に関する情報であるプレイヤ情報を記憶する記憶媒体である。
【0019】
図2は、プレイヤ情報記憶部12aに記憶されたプレイヤ情報の格納状態の例を示す説明図である。
図2に示すように、プレイヤ情報は、プレイヤ名、プレイヤID、端末種別ID、端末識別ID、ソフトウェア識別ID、およびプレイヤキャラクタデータを含む。
【0020】
ここで、「プレイヤキャラクタデータ」とは、プレイヤP1が操作可能なキャラクタ(プレイヤキャラクタ)に関する各種データを意味する。本例においては、キャラクタデータは、キャラクタ名、攻撃力、体力、および防御力を含む。なお、プレイヤ情報の構成はこれに限定されず、例えば、通信履歴やゲームのプレイ時間、ゲームの進捗状況などを示す各種情報が含まれるものとする。
【0021】
対戦キャラクタ情報記憶部12bは、プレイヤキャラクタが参加する対戦に参加するキャラクタ(対戦キャラクタ)に関する情報を記憶する記憶媒体である。なお、本例においては、プレイヤキャラクタが参加する対戦には、プレイヤによるコントローラの操作が要求される対戦(通常対戦:例えば、ターン制の対戦など。)と、通常対戦に比べてプレイヤに要求されるコントローラ操作が少ないか、または要求されない対戦(簡易対戦:例えば、データの比較と所定数の操作指示により勝敗を決定する対戦や、データの比較のみで勝敗を決定する対戦など。)が含まれるものとする。
【0022】
なお、プレイヤキャラクタが参加する対戦の種類はこれに限定されず、例えば、プレイヤキャラクタが他のキャラクタと1対1で戦闘を行うものが含まれていてもよいし、プレイヤキャラクタが仲間のキャラクタと組んで、敵となる他のキャラクタとの戦闘を行うものが含まれていてもよい。すなわち、「対戦キャラクタ」とは、プレイヤキャラクタの敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)に限定されず、プレイヤキャラクタの味方として対戦に参加するキャラクタ(味方キャラクタ)も含まれるものとする。ただし、以下では、対戦キャラクタが全て敵キャラクタである場合を例にして説明を行なう。
【0023】
図3は、対戦キャラクタ情報記憶部12bに記憶された対戦キャラクタ情報の格納状態の例を示す説明図である。
図3に示すように、対戦キャラクタ情報は、他プレイヤ名、他プレイヤID、対戦キャラクタデータ、および登録日時を含む。
【0024】
ここで、「他プレイヤ名」とは、対戦キャラクタの操作者として登録されたプレイヤの名前である。また、「他プレイヤID」とは、対戦キャラクタの操作者として登録されたIDである。また、「対戦キャラクタデータ」とは、対戦キャラクタに関する各種データを意味する。本例においては、対戦キャラクタデータは、キャラクタ名、攻撃力、体力、および防御力を含む。
【0025】
また、「登録日時」とは、各対戦キャラクタデータ等が対戦キャラクタ情報記憶部12bに登録された日時を意味する。ここで、本例においては、各対戦キャラクタデータ等は、後述する通信処理(
図5、
図6参照)にて対戦キャラクタ情報が更新されることにより登録される。なお、対戦キャラクタ情報の構成はこれに限定されず、例えば、プレイヤP1との通信履歴や戦績などを示す各種情報が含まれる構成としてもよい。また、対戦キャラクタ情報記憶部12bに記憶される対戦キャラクタ(または、対戦プレイヤ)の数には、ビデオゲーム処理装置100の性能に応じて上限が設けられていてもよい。
【0026】
対戦キャラクタ配置盤情報記憶部12cは、対戦キャラクタが配置されるマスが複数並べられた対戦キャラクタ配置盤に関する情報である対戦キャラクタ配置盤情報を記憶する記憶媒体である。具体的には、対戦キャラクタ配置盤情報は、対戦キャラクタ配置盤の構成と、対戦キャラクタが配置されている位置とを示す情報である。なお、対戦キャラクタ配置盤情報記憶部12cには、複数の対戦キャラクタ配置盤を示す複数の対戦キャラクタ配置盤情報が記憶されている構成としてもよい。この場合、制御部11が、例えば簡易対戦開始時に対戦キャラクタ情報記憶部12bに記憶された対戦キャラクタ情報が示す対戦キャラクタの数に応じて対戦キャラクタ配置盤を選択する構成としてもよいし、プレイヤP1による選択を受け付ける構成としてもよい。
【0027】
図4は、対戦キャラクタ配置盤情報記憶部12cに記憶された対戦キャラクタ配置盤情報の格納状態の例を示す説明図である。
図4に示すように、対戦キャラクタ配置盤情報は、対戦キャラクタ配置盤を構成するマスに割り当てられた対戦キャラクタのプレイヤ名とキャラクタ名とを含む。なお、対戦キャラクタをマスに配置する規則としては、例えば、登録順や攻撃力順など、種々の方法が考えられる。このような配置規則は、プレイヤが任意に設定可能な構成としてもよい。また、図示しないが、対戦キャラクタ配置情報は、対戦キャラクタ配置盤の形態を示す形態情報など、表示画面に対戦キャラクタ配置盤を表示するために必要な情報を含む。
【0028】
表示部13は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0029】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。
【0030】
プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、プレイヤ操作受付部15は、ビデオゲーム処理装置100に設けられたタッチパネルとキーパッドとから操作信号を受け付ける。
【0031】
通信部16は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、各種情報を送受信する。また、通信部16は、例えば所定の通信ユニットを介して、他のビデオゲーム処理装置と無線接続する。したがって、通信部16を備えるビデオゲーム処理装置100は、通信端末としての機能を有する。
【0032】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
【0033】
図5および
図6は、本例のビデオゲーム処理装置100が実行する通信処理の例を示すフローチャートである。通信処理では、プレイヤP1により操作されるビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲーム処理装置100の近隣所定範囲内に存在する他のプレイヤが使用するビデオゲーム処理装置との間で、通信に関する親機と子機との関係を自動的に切り替えて通信相手を探索し、通信相手が見つかった場合は自動的に接続してデータ(情報)交換を行った後に接続を切断する近距離無線通信(例えば、すれ違い通信(登録商標))による通信が行われた場合であれば、取得したゲーム情報を蓄積するための処理が行われる。
【0034】
具体的には、本例のビデオゲーム処理装置100では、例えば、ビデオゲーム処理装置100の近隣所定範囲内で通信相手となるビデオゲーム処理装置が見つかり、通信処理が実行された際に、各端末の種別を示す端末種別ID、各端末を識別するための端末識別ID、および各端末に備えられているソフトウェアを識別するためのソフトウェア識別ID、タイムスタンプなどを参照して、例えば「同一種類の端末であるか?」、「同一のソフトウェアを有する端末であるか?」、「所定期間内に通信を行った端末であるか?」などを判定し、判定結果に応じてゲーム情報としてプレイヤ情報を交換して各プレイヤが利用することができるようになるという形態が採用されている。なお、交換および蓄積されたゲーム情報としてのプレイヤ情報(以下、受信したプレイヤ情報を適宜「他プレイヤ情報」という。)は、後述する簡易対戦処理にて利用される。簡易対戦処理については、後で説明する(
図7参照)。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0035】
通信処理は、例えば、ゲーム画面のトップメニューなどから、近距離無線通信の設定に関する操作入力が行われたときに開始される。
【0036】
通信処理において、制御部11は、各種情報の送受信が可能となるように通信機能をオン状態にする(ステップS101)。
【0037】
通信機能オンにすると、制御部11は、近隣所定範囲内に存在する他のビデオゲーム処理装置から送信される端末種別ID送信要求を受信したか否かを判定する(ステップS102)。なお、このとき、制御部11は、端末種別ID送信要求を配信する。
【0038】
ここで、端末種別ID送信要求を受信したと判定すると(ステップS102のY)、制御部11は、ビデオゲーム処理装置100の端末種別ID(
図2参照)を、受信した端末種別ID送信要求を配信した他のビデオゲーム処理装置(以下「ビデオゲーム処理装置101」という。)に対して送信する(ステップS103)。
【0039】
端末種別IDを送信すると、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101からの端末種別IDを受信する(ステップS104)。
【0040】
端末種別IDを受信すると、制御部11は、受信した端末種別IDとビデオゲーム処理装置100の端末種別IDとを比較して、ビデオゲーム処理装置101とビデオゲーム処理装置100が同一種別の端末であるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、同一種別の端末でないと判定すると(ステップS105のN)、制御部11は、後述するステップS121の処理に移行する。
【0041】
一方、同一種別の端末であると判定すると(ステップS105のY)、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101との間に一対一の無線通信による接続を確立し(ステップS106)、端末を個別に識別するための端末識別IDをビデオゲーム処理装置101に対して無線通信により送信する(ステップS107)。
【0042】
端末識別IDを送信すると、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101からの端末識別IDを無線通信により受信する(ステップS108)。
【0043】
端末識別IDを受信すると、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101が所定期間(例えば、1時間)内にビデオゲーム処理装置100と通信を行った端末であるか否かを判定する(ステップS109)。本例においては、制御部11は、受信した端末識別IDが、記憶部12に既に記憶されている通信履歴情報により表される端末識別IDと同一であるかなどを判断し、また、この通信履歴情報により表されるタイムスタンプを参照することにより、ビデオゲーム処理装置101が所定期間内に通信を行った端末であるか否かを判定する。
【0044】
ここで、所定期間内に通信を行った端末であると判定すると(ステップS109のY)、制御部11は、後述するステップS121の処理に移行する。
【0045】
一方、所定期間内に通信を行った端末でないと判定すると(ステップS109のN)、制御部11は、記憶部12に対して無線通信による通信履歴を示す通信履歴情報の記録を開始する(ステップS110)。
【0046】
通信履歴情報の記録を開始すると、制御部11は、ビデオゲーム処理装置100が使用している(備えている)ビデオゲームのソフトウェアを識別するためのソフトウェア識別IDをビデオゲーム処理装置101に対して送信する(ステップS111)。
【0047】
ソフトウェア識別IDを送信すると、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101が使用している(備えている)ビデオゲームのソフトウェアのソフトウェア識別IDをビデオゲーム処理装置101から受信する(ステップS112)。
【0048】
ソフトウェア識別IDを受信すると、制御部11は、受信したソフトウェア識別IDとビデオゲーム処理装置100のソフトウェア識別ID(本例においては、プレイヤ情報記憶部12aに記憶されたプレイヤ情報が示すソフトウェア識別ID。
図2参照。)を比較して、ソフトウェアの種類が同一であるか否かを判定する(ステップS113。以下、
図6参照。)。ここで、ソフトウェアの種類が同一でないと判定すると(ステップS113のN)、制御部11は、後述するステップS118の処理に移行する。
【0049】
一方、ソフトウェアの種類が同一であると判定すると(ステップS113のY)、制御部11は、ソフトウェアに関して交換可能な交換可情報として、プレイヤ情報記憶部12aに記憶されたプレイヤ情報をビデオゲーム処理装置101に対して送信する(ステップS114)。なお、送信する情報はプレイヤ情報に限定されず、例えば、プレイヤ情報の一部や、ビデオゲームに関連する他の情報などであってもよい。
【0050】
プレイヤ情報を送信すると、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101からの交換可情報を他プレイヤ情報として受信する(ステップS115)。ここで、本例においては、制御部11は、他プレイヤ情報として、ビデオゲーム処理装置101から端末間における近距離無線通信によって配信されたプレイヤ情報(ビデオゲーム処理装置101に記憶されたプレイヤ情報)を、記憶部12に記憶されるプレイヤ情報とは異なる情報として受信する。
【0051】
他プレイヤ情報を受信すると、制御部11は、受信したゲーム情報に基づいて、対戦キャラクタ情報を更新する(ステップS116)。本例においては、制御部11は、他プレイヤ情報が示すキャラクタが対戦キャラクタに含まれるように対戦キャラクタ情報を更新する。すなわち、制御部11は、例えば、受信した他プレイヤ情報が示すプレイヤ名、プレイヤID、およびキャラクタデータを、他プレイヤ名、他プレイヤID、および対戦キャラクタデータとして対戦キャラクタ情報記憶部12bに登録する。また、制御部11は、新たに登録した他プレイヤ名などと、登録した日時(または、他プレイヤ情報を受信した日時)を対応付ける。
【0052】
対戦キャラクタ情報を更新すると、制御部11は、通信処理におけるステップS106(
図5参照)にて接続を確立した回数をカウントし(ステップS117)、記憶部12への無線通信による通信履歴を示す通信履歴情報の記録を終了する(ステップS118)。
【0053】
通信履歴記録を終了すると、制御部11は、記憶部12などに既に通信履歴情報がある場合は記録を終了した通信履歴情報を上書き保存する(ステップS119)。
【0054】
そして、制御部11は、ビデオゲーム処理装置101との間に確立した一対一の無線通信による接続を切断し(ステップS120)、カウントした接続確立の回数が、あらかじめ定められている規定数(例えば、10回)に達したか否かを判定する(ステップS121)。ここで、規定数に達したと判定すると(ステップS121のY)、制御部11は、通信機能をオフ状態にして(ステップS122)、ここでの処理を終了する。
【0055】
一方、規定数に達していないと判定すると(ステップS121のN)、制御部11は、ビデオゲーム処理装置100の電源電圧などを計測することにより、電池残量があるか否かを判定する(ステップS123)。ここで、電池残量があると判定すると(ステップS123のY)、制御部11は、通信処理におけるステップS102の処理に移行する。
【0056】
一方、電池残量がないと判定すると(ステップS123のN)、制御部11は、通信機能をオフ状態にして(ステップS122)、ここでの処理を終了する。
【0057】
このような通信処理にて他のビデオゲーム処理装置(例えば、ビデオゲーム処理装置101)との間で通信された交換可情報(プレイヤ情報、他プレイヤ情報)や通信履歴情報は、制御部11によって、ビデオゲーム処理装置100のソフトウェアにて使用可能な使用可情報へと変換されて利用される。したがって、無線通信によるゲーム情報の交換に際して装置間で通信される各種の情報を積極的に利用することで、通信機能の有効活用を図りつつゲームプレイの趣向性を向上させることができる。
【0058】
また、通信処理にて保存された交換可情報や上書き保存された通信履歴情報、あるいは端末識別IDや通信時間などを示す情報は、ゲーム情報や通信結果情報として蓄積され、ゲームプレイに用いられる。以下、通信処理にて蓄積されたゲーム情報(他プレイヤ情報)を利用する処理の例について説明する。
【0059】
図7は、ビデオゲーム処理装置100が実行する簡易対戦処理の例を示すフローチャートである。簡易対戦処理では、対戦するキャラクタ同士のキャラクタデータを比較することにより勝敗が決定される対戦である簡易対戦を実行するための処理が行われる。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0060】
簡易対戦処理は、例えば制御部11が、簡易対戦の開始条件として予め定められた条件である簡易対戦開始条件に従って、対戦キャラクタとプレイヤキャラクタとが参加する簡易対戦を開始すると判定したことにより開始される。なお、簡易対戦開始条件としては、例えば、対戦キャラクタが所定数まで達したことや、プレイヤによる所定操作を受け付けたことなど、種々の条件が考えられる。簡易対戦開始条件に関する情報は、記憶部12に記憶されているものとする。
【0061】
例えば、プレイヤP1による所定操作を受け付けたことにより簡易対戦処理を開始すると、制御部11は、表示部13の表示画面に簡易対戦開始画面を表示する(ステップS201)。
【0062】
図8は、簡易対戦開始画面の例を示す説明図である。
図8に示すように、簡易対戦開始画面には、所定の文字列を表示する文字列表示領域101と、所定の画像を表示する所定画像表示領域102とが設けられる。なお、所定文字列表示領域101に表示される文字列は、例えば対戦キャラクタの人数やレベル等に応じて変更される構成としてもよい。また、所定画像表示領域102には、例えば複数の対戦キャラクタそれぞれの外観や所定項目のデータ等を示す画像が表示される構成としてもよい。
【0063】
簡易対戦開始画面を表示すると、制御部11は、所定の配置規則に従って、対戦キャラクタを対戦キャラクタ配置盤に配置する(ステップS202)。すなわち、制御部11は、対戦キャラクタ情報記憶部12bに記憶された対戦キャラクタ情報と、所定の配置規則に従って、対戦キャラクタ配置盤情報を更新する。
【0064】
対戦キャラクタを対戦キャラクタ配置盤に配置すると、制御部11は、対戦キャラクタ配置盤を用いてプレイヤP1に対戦キャラクタを報知するための画面である対戦キャラクタ配置盤画面を表示する(ステップS203)。
【0065】
図9は、対戦キャラクタ配置盤画面の例を示す説明図である。
図9に示すように、対戦キャラクタ配置盤画面には、プレイヤキャラクタの外観画像201と、対戦キャラクタの外観画像の一部が配置されたマスMがマトリクス状に複数配置された対戦キャラクタ配置盤202とが表示される。なお、本例においては、各キャラクタの外観画像として、ビデオゲームにおいて設定され使用される各プレイヤのアバターが用いられる。
【0066】
対戦キャラクタ配置盤画面を表示すると、制御部11は、プレイヤキャラクタが勝利した対戦キャラクタ(勝利キャラクタ)を決定する(ステップS204)。ここで、本例においては、制御部11は、プレイヤ情報が含むキャラクタデータ(プレイヤキャラクタデータ)と、対戦キャラクタデータが含むキャラクタデータ(対戦キャラクタデータ)とを用いて、勝利キャラクタを決定する。具体的には、制御部11は、簡易対戦における勝敗を決定する規則としてあらかじめ定めされた規則(勝敗決定規則)に従って各キャラクタデータを比較することにより、勝利キャラクタを決定する。本例においては、勝敗決定規則として、攻撃力が高いキャラクタが勝利することが定められている場合を例にして説明を行なう。なお、勝敗決定規則はこれに限定されず、例えば各キャラクタデータが示す防御力や体力の比較など、プレイヤによる操作指示を要求することなく対戦結果を決定することができる内容であればよい。なお、制御部11が、勝敗規則に従って引き分けと判定する場合があってもよい。
【0067】
勝利キャラクタを決定すると、制御部11は、対戦キャラクタ配置盤202における勝利キャラクタの位置が、所定のボーナス付与条件を満たすか否かを判定する(ステップS205)。所定のボーナス付与条件は、簡易対戦による対戦結果に関わるものであればよく、例えば、プレイヤキャラクタの勝利回数や、敗北または引き分けの回数、勝利した対戦キャラクタのレベルの高さなど、種々の条件が考えられる。また、ボーナス付与条件は複数設定されている構成であってもよい。本例においては、ボーナス付与条件に「隣接する複数のマスに配置された対戦キャラクタにプレイヤキャラクタが勝利すること」が含まれる場合について説明する。
【0068】
ここで、所定のボーナス付与条件を満たさないと判定すると(ステップS205のN)、制御部11は、後述するステップS207の処理に移行する。一方、所定のボーナス付与条件を満たすと判定すると(ステップS205のY)、制御部11は、満たされたボーナス付与条件に応じてプレイヤP1に付与するボーナスを決定する(ステップS206)。なお、ボーナスとしては、特定のゲーム内アイテム、経験値、ゲーム内貨幣、仲間キャラクタなど、種々の内容が考えられる。
【0069】
ボーナスを決定すると、制御部11は、表示部13の表示画面に、簡易対戦結果画面を表示する(ステップS207)。
【0070】
図10は、簡易対戦結果画面の例を示す説明図である。
図10に示すように、簡易対戦結果画面では、対戦キャラクタ配置盤202を構成するマスMのうち、勝利キャラクタが配置されたマス上に、勝利マークWが表示される。
【0071】
図11は、簡易対戦結果画面の他の例を示す説明図である。
図11に示すように、「隣接する複数のマスに配置された対戦キャラクタにプレイヤキャラクタが勝利すること」が満たされている場合、すなわち、隣接する3つのマスに勝利マークW1,W2,W3が表示されることとなる場合、対戦キャラクタ配置盤202上には、ボーナス付与条件が満たされていることを示すラインLが表示される。
【0072】
なお、簡易対戦結果画面の構成はこれらに限定されず、例えば、対戦キャラクタに関する情報や、簡易対戦によって得られるボーナス等の情報を表示する領域などが設けられていてもよい。
【0073】
簡易対戦結果画面を表示すると、制御部11は、簡易対戦の結果が反映されるようにプレイヤ情報を更新する(ステップS208)。具体的には、制御部11は、プレイヤP1に対して決定したボーナスを付与する。すなわち、例えばボーナスとして特定のゲーム内アイテムをプレイヤP1に対して付与する場合、制御部11は、プレイヤ情報が示すプレイヤの所持品に、特定のゲーム内アイテムを追加する。
【0074】
プレイヤ情報を更新すると、制御部11は、簡易対戦に参加した対戦キャラクタを消去して(ステップS209)、ここでの処理を終了する。
【0075】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置(例えば、表示部13)の表示画面にゲーム画面を表示してビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲーム処理装置100を操作してビデオゲームをプレイするプレイヤP1に関する情報であって、プレイヤP1が操作可能なキャラクタであるプレイヤキャラクタに関する各種データを示すキャラクタデータ(例えば、プレイヤキャラクタデータ)を含むプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶部12aと、プレイヤキャラクタが参加する対戦に参加するキャラクタである対戦キャラクタに関する情報であって、対戦キャラクタの各種データを示すキャラクタデータ(例えば、対戦キャラクタデータ)を含む対戦キャラクタ情報を記憶する対戦キャラクタ情報記憶部12bとを備え、自装置(すなわち、ビデオゲーム処理装置100)の近隣所定範囲内に存在する通信相手となる他装置(例えば、ビデオゲーム処理装置101)を探索して自動的に無線接続し、該他装置から端末間における近距離無線通信によって配信された当該他装置に記憶されたプレイヤ情報である他プレイヤ情報を受信し、受信した他プレイヤ情報が示すキャラクタが対戦キャラクタに含まれるように対戦キャラクタ情報を更新し、対戦するキャラクタ同士のキャラクタデータを比較することにより勝敗が簡易に決定される対戦(例えば、ターン制の対戦などと比べて勝敗が決定されるまでの時間や処理数が少ない対戦)である簡易対戦の開始条件として予め定められた条件である簡易対戦開始条件に従って、対戦キャラクタとプレイヤキャラクタとが参加する簡易対戦を開始するか否かを判定し、簡易対戦を開始すると判定したことに応じて、所定の勝敗決定規則と、プレイヤ情報が含むキャラクタデータと、対戦キャラクタ情報が含むキャラクタデータとに基づいて、当該簡易対戦の結果を決定し、決定した結果に応じてプレイヤ情報を更新する(例えば、ボーナスを付与する)構成としているので、通信によって取得可能なゲーム情報の利用制限を緩和させ、通信機能をより有効に利用できるビデオゲームを提供することができるようになる。
【0076】
すなわち、通信によって取得したゲーム情報(特に、他プレイヤ情報)が示すキャラクタと、自己のキャラクタとの対戦結果を、特別な操作入力を行うことなく得られるようになるため、時間的制限などにより生じるゲーム情報の利用制限を緩和させることができるようになり、通信機能をより有効に利用できるビデオゲームを提供することができるようになる。
【0077】
また、簡易対戦により、対戦キャラクタ情報記憶部12bに溜まった他のプレイヤデータ(例えば、対戦キャラクタデータ。
図3参照。)を一括して利用できるようになるため、通信機能により取得可能な他プレイヤのゲーム情報をより有効に利用することができるようになる。なお、ビデオゲーム処理装置100は、対戦キャラクタ情報が複数のキャラクタに関する情報を含む場合に、プレイヤによる対戦キャラクタ(または、各キャラクタに対応するプレイヤ)の選択を受け付ける構成としてもよい。このような構成とすることにより、例えば、プレイヤが親しいプレイヤとは、通信接続を確立して簡易対戦よりも時間のかかる通常対戦を行い、よく知らないプレイヤとは簡易対戦を行うというように、ゲーム情報の利用方法に選択肢を設けることができるようになるため、ゲーム情報の利便性を向上させることができるようになる。
【0078】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、決定した結果に基づいて、プレイヤP1に対して所定ボーナスを付与するか否かを判定し、所定ボーナスを付与すると判定した場合に、付与するボーナスに応じてプレイヤ情報を更新する構成としているので、通信機能を使用する動機をプレイヤに与えることができるようになる。
【0079】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、対戦キャラクタが配置されるマスMが複数並べられた対戦キャラクタ配置盤202を示す対戦キャラクタ配置盤情報を記憶する対戦キャラクタ配置盤情報記憶部12cを備え、対戦キャラクタ配置盤202を構成する複数のマスMそれぞれに対戦キャラクタ情報が示す対戦キャラクタを配置し、簡易対戦の結果が決定されたときの対戦キャラクタの位置が所定のボーナス付与条件を満たしている場合に、所定ボーナスを付与すると判定する構成としているので、簡易対戦の趣向性を高めることができるようになる。すなわち、プレイヤキャラクタよりもステータスの高い対戦キャラクタが、対戦キャラクタ配置盤のどこに配置されるかによってボーナス付与条件を満たせるか否かが決まってくるので、運に関連する要素をボーナスの決定方法に関連付けることができるようになり、ゲームの興趣を高めることができるようになる。
【0080】
また、上述した実施の形態では、対戦キャラクタ配置盤202は、複数の対戦キャラクタが配置される構成とされており(すなわち、複数のマスMを備え)、ビデオゲーム処理装置100が、対戦キャラクタ配置盤202に配置された複数の対戦キャラクタそれぞれと、プレイヤキャラクタとの勝敗を決定し、プレイヤキャラクタが勝利した対戦キャラクタ(例えば、勝利キャラクタ)の配置が所定形状(例えば、一列。
図11参照。)になった場合に、プレイヤP1に対して所定ボーナス(例えば、ゲーム内アイテム)を付与すると判定する構成としているので、プレイヤが直感的にボーナスの有無を判断することができるようになる。
【0081】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、他プレイヤ情報を受信した位置を示す受信位置情報を作成し、対戦キャラクタ情報を更新することにより他プレイヤ情報が示すキャラクタと受信位置情報とを対応付け、受信位置情報と配置優先度とが関連付けされた特定の配置規則に従って、対戦キャラクタ配置盤に対戦キャラクタを配置する構成とされていてもよい。このような構成とすることにより、対戦キャラクタの配置方法を複雑化することができるようになり、付与されるボーナスを予測することの困難性を高め、ゲームの興趣を高めることができるようになる。なお、受信位置情報と配置優先度とを関連付ける方法としては、例えば、北側の位置で受信した他プレイヤ情報ほど、優先して対戦キャラクタ配置盤における上側に配置されるように設定する方法や、プレイヤの現在位置に近い位置で受信した他プレイヤ情報ほど、優先して対戦キャラクタ配置盤における中央側に配置されるように設定する方法など、種々の方法が考えられる。
【0082】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタが、隣接する複数のマスに配置された複数の対戦キャラクタに勝利した場合に、前記プレイヤに対して所定ボーナスを付与すると判定する構成としているので、同じ対戦キャラクタとの対戦であっても、配置位置によって簡易対戦の結果プレイヤに提供されるボーナスを異ならせることができるようになる。
【0083】
また、上述した実施の形態では、複数のマスMはマトリクス状に配置されており(例えば、4行3列のマトリクス。
図9参照。)、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤキャラクタが、縦、横、斜めの何れかの方向に所定数連ねられたマスに配置された対戦キャラクタ全てに勝利した場合に(例えば、
図11参照)、プレイヤP1に対して所定ボーナスを付与すると判定する構成としているので、プレイヤに対して、ボーナスを得られるか否かを直感的に判断させることができるようになる。
【0084】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、プレイヤの歩数を計測し(例えば、ビデオゲーム処理装置100が備える歩数計により歩数を計測し)、他プレイヤ情報を所定期間(例えば、5時間)以上受信していないか否かを判定し、所定期間以上受信していないと判定したことに応じて、計測した歩数に応じたキャラクタ情報(例えば、あらかじめプレイヤの歩数「100歩」に対応付けされたキャラクタを示すキャラクタ情報)を所定の記憶領域から読み出し、読み出したキャラクタ情報が示すキャラクタが対戦キャラクタに含まれるように対戦キャラクタ情報を更新する構成としてもよい。このような構成とすることにより、一定期間他装置との通信が行われていない場合に、プレイヤが移動している場合と移動していない場合とで読み出されるキャラクタに差異を設けることができるようになる。そのため、例えば歩数が多いほどレアなキャラクタを読み出し、歩数が所定数以下の場合には対応するキャラクタを設けないという設定を行うことができるようになり、プレイヤに対して、積極的に移動する動機を与えることができるようになる。
【0085】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100は、通信処理(
図5、
図6参照)を、通常プレイ中や、他のゲーム起動時にもバックグランド処理で実行する構成としてもよい。この場合、例えばゲーム画面に専用のアイコンを表示して、通信状況などをリアルタイムでプレイヤに報知する構成としてもよい。なお、ここでのリアルタイムには多少の時間差が発生しても問題ないため、ビデオゲーム処理装置100が、通常プレイなどを優先して処理する構成とすることが好ましい。
【0086】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が送受信するプレイヤ情報と他プレイヤ情報が、それぞれ1体のキャラクタを示すデータ(キャラクタデータ)を含む場合を例にして説明したが、プレイヤ情報や他プレイヤ情報の構成はこれに限定されない。すなわち、例えば、プレイヤ情報が、ビデオゲーム内でプレイヤが仲間にした複数のキャラクタを示すデータ(パーティデータ)を含む構成とされていてもよい。この場合、例えば、個々に簡易対戦処理を行わずに所定数(または、全部の)キャラクタデータを用いて簡易対戦処理を行う構成としてもよい。
【0087】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、対戦キャラクタの中に、特定確率または特定条件で、特定のゲームキャラクタ(例えば、ビデオゲームのストーリーに関わるキャラクタ)を対戦キャラクタとして登場させる構成としてもよい。このような構成とすることにより、対戦相手のバリエーションを増やすことができるようになるため、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0088】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、対戦キャラクタとして登録されている複数のキャラクタのキャラクタデータを比較して、特定の配置規則に従って、1体の対戦キャラクタを複数のマスに配置する構成としてもよい。このような構成とすることにより、すなわち、例えば、レベルの高いキャラクタを2つのマスに配置することにより、対戦キャラクタに重み付けをすることができるようになり、簡易対戦の趣向性を向上させることができるようになる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、簡易対戦を行うときに、対戦キャラクタ配置盤に対戦キャラクタが配置されていないマスが含まれていても良い。また、その場合、ビデオゲーム処理装置100が、例えば所定確率で、プレイヤキャラクタのレベル等に応じた対戦キャラクタを空いているマスに配置する構成としてもよい。
【0090】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、簡易対戦とし、対戦キャラクタ配置盤に配置された対戦キャラクタの対戦キャラクタデータが示す各種数値について、それぞれ平均値を算出し、算出した平均値と、プレイヤキャラクタデータと、勝敗決定規則とに従って、簡易対戦の結果を決定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、通信により蓄積された対戦キャラクタデータと手早く対戦を行えるようにすることができるようになる。この場合、例えば、ビデオゲーム処理装置100が、簡易対戦では通常対戦で得られる経験値などをプレイヤに付与せず、例えば簡易対戦による勝利回数に応じて特定のボーナスのみを付与する構成としてもよい。
【0091】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ビデオゲーム処理装置100が、インターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0092】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。