【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、第1のラッパー及び第2のラッパーによって取り巻かれたマウスピースを含む喫煙物品が提供される。第1のラッパー及び第2のラッパーは実質的に空気不透過性であり、低換気構成と高換気構成の間で相対的に移動可能である。マウスピースは、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する第1の空気流路と、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する第2の空気流路とを含む。低換気構成では、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が制限され、第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流は実質的に制限されない。高換気構成では、第1の空気流路及び第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が実質的に制限されない。
【0017】
本発明による喫煙物品は、タバコカットフィラー又はその他の喫煙可能材料を燃焼させるフィルタシガレット又はその他の喫煙物品の形をとることができる。本発明は、タバコ材料又は別のエアロゾル発生基材を燃焼させるのではなく加熱する喫煙物品と、燃焼又は加熱を伴わずに、タバコ材料、タバコ抽出物、或いは別のニコチン源又は別のエアロゾル発生基材からエアロゾル、具体的にはニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品とをさらに含む。
【0018】
以下の説明では、フィルタシガレットなどの可燃性喫煙物品、及び上述したタイプの加熱式及び非加熱式喫煙物品などの不燃性喫煙物品により生成される主流煙及びエアロゾルを表すために「主流煙」という用語を使用する。
【0019】
本明細書で使用する「実質的に空気不透過性の」という用語は、ISO 2965:2009に従って測定した時に、約100コレスタ単位未満の空気透過性を有するラッパーを表すために使用するものである。
【0020】
本明細書で使用する「高換気」及び「低換気」という用語は、喫煙中に喫煙物品のマウスピースに入り込む空気のレベル、及び結果として得られる主流煙の空気希釈を表すために使用するものである。換気レベルが高いほど、喫煙中に喫煙物品のマウスピースに入り込む空気のレベル及び結果として得られる主流煙の空気希釈も高くなる。
【0021】
本明細書で使用する「空気流路」という用語は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する1又はそれ以上の穴、スリット、スロット又はその他の開口部を表すために使用するものである。
【0022】
本明細書で使用する「制限される」という用語は、第1の空気通路が部分的又は完全に閉塞して、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が妨げられ又は防がれるようになることを示すために使用するものである。
【0023】
高換気構成における第1の空気流路及び第2の空気流路を通じた実質的に制限されていない空気流では、比較的高いレベルの換気が可能である。低換気構成における第1の空気流路を通じた制限された空気流及び第2の空気流路を通じた実質的に制限されていない空気流では、比較的低いレベルの換気が可能である。
【0024】
本発明による喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーは、第1の空気流路及び第2の空気流路が完全に閉塞して第1の空気流路及び第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が防がれるようになる構成に、又はこの構成を経由して相対的に移動することはできない。換言すれば、本発明による喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーは、上述した既知の機構と異なり、「完全に閉鎖した」位置に、又はこの位置を経由して相対的に移動することはできない。
【0025】
その代わり、第1のラッパーと第2のラッパーの低換気構成と高換気構成の間における相対的な移動中には、第1の空気流路及び第2の空気流路の一方又は両方を通じた本発明による喫煙物品のマウスピース内への空気流によって少なくとも最小レベル又は「ベースライン」レベルの換気がもたらされる。
【0026】
高換気構成においてもたらされる換気レベルは最大レベルの換気である。
【0027】
低換気構成においてもたらされる換気レベルは、最小レベル又は「ベースライン」レベルの換気であることが好ましい。すなわち、第1のラッパーと第2のラッパーの低換気構成と高換気構成の間における相対的な移動中に、第1の空気流路及び第2の空気流路を通じた本発明による喫煙物品のマウスピース内への空気流によってもたらされる換気レベルは、低換気構成における第1の空気流路及び第2の空気流路を通じた空気流によりもたらされる換気レベルと同等又はそれ以上であることが好ましい。
【0028】
使用時には、低換気構成における第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が、本発明による喫煙物品の可変換気機構にわたる圧力降下を抑える。これにより、第2の空気流路以外を通じてマウスピース内に空気が流れ込む傾向が抑えられるので、喫煙物品毎の低換気構成におけるベースラインレベルの換気の一貫性が高まるという利点が得られる。
【0029】
喫煙物品毎のベースラインレベルの換気の一貫性が高まることにより、本発明による喫煙物品の製造中における廃棄が減少するという利点が得られる。
【0030】
低換気構成では、第1の空気流路を通じた本発明による喫煙物品のマウスピース内への空気流が第1の換気レベルをもたらし、高換気構成では、第1の空気流路を通じた本発明による喫煙物品のマウスピース内への空気流が、第1の換気レベルよりも高い第2の換気レベルをもたらす。低換気構成において第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流によってもたらされる第1の換気レベルは、実質的にゼロとすることができる。
【0031】
低換気構成では、第2の空気流路を通じた本発明による喫煙物品のマウスピース内への空気流が第3の換気レベルをもたらし、高換気構成では、第2の空気流路を通じた本発明による喫煙物品のマウスピース内への空気流が第4の換気レベルをもたらす。第3の換気レベル及び第4の換気レベルは同じものであっても、又は異なるものであってもよい。第3の換気レベルと第4の換気レベルは実質的に同じものであることが好ましい。
【0032】
本発明による可変換気部を有する喫煙物品では、第1のラッパーと第2のラッパーが、第2の空気流路を通じた空気流によって換気がもたらされる低換気構成と、第1の空気流路及び第2の空気流路の両方を通じた空気流によって換気がもたらされる高換気構成との間で相対的に移動可能であることが好ましい。これにより第1のラッパーと第2のラッパーの低換気構成と高換気構成の間における相対的な移動が、最低レベル又は「ベースライン」レベルと最大レベルの間で換気レベルを変化させるようになる。
【0033】
使用時には、消費者が、本発明による可燃性喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーを相対的に移動させることにより、喫煙中にもたらされる換気レベル、従ってニコチンを除いた総乾燥粒子状物質(NFDPM)又は「タール」の送出を変更することができる。具体的には、消費者が、本発明による喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーを低構成から高構成に相対的に移動させることにより換気レベルを高め、これにより喫煙中にもたらされるタールの送出を減少させることができる。
【0034】
本発明による喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーは、低換気構成から高換気構成に相対的に移動可能である。本発明による喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーは、高換気構成から低換気構成にも相対的に移動可能である。消費者は、本発明による可燃性喫煙物品の第1のラッパーと第2のラッパーを高構成から低構成に相対的に移動させることにより換気レベルを減少させ、これにより喫煙中にもたらされるタールの送出を増加させることができる。
【0035】
本発明による喫煙物品の換気レベルは、消費者が喫煙前に変更することができる。これとは別に、又はこれに加えて、本発明による喫煙物品の換気レベルは、消費者が喫煙中に変更することもできる。
【0036】
第1の空気流路は、第1のラッパーを貫通して設けることができ、第2の空気流路は、第2のラッパーを貫通して設けることができる。
【0037】
或いは、第1の空気流路及び第2の空気流路の両方を、第1のラッパーを貫通して設けることもできる。
【0038】
第2の空気流路は、第1の空気流路の上流又は下流に位置することができる。本明細書で使用する「上流」及び「下流」という用語は、使用中に本発明による喫煙物品を通じて吸い込まれる主流煙の方向に対する喫煙物品の部分又は構成要素の相対的位置を表すために使用するものである。
【0039】
或いは、第1の空気流路及び第2の空気流路の両方を第1のラッパーを貫通して設ける場合、第1の空気流路及び第2の空気流路を円周方向に整列させることもできる。本明細書で使用する「円周方向に整列した」という用語は、第1の空気流路及び第2の空気流路が実質的にマウスピースの円周の周囲で整列することを示すために使用するものである。すなわち、喫煙物品の長手方向軸に沿った第1の空気流路及び第2の空気流路の位置は実質的に同じである。
【0040】
第1の空気流路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する単一の穴、スリット、スロット又はその他の開口部を含むことができる。或いは、第1の空気流路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する2又はそれ以上の穴、スリット、スロット又はその他の開口部を含むこともできる。例えば、第1の空気通路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する複数の円周方向に整列した穴、スリット、スロット又はその他の開口部を含むことができる。
【0041】
第2の空気流路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する単一の穴、スリット、スロット又はその他の開口部を含むことができる。或いは、第2の空気流路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する2又はそれ以上の穴、スリット、スロット又はその他の開口部を含むこともできる。例えば、第2の空気流路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する複数の円周方向に整列した穴、スリット、スロット又はその他の開口部を含むことができる。
【0042】
第1の空気流路及び第2の空気流路は、第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する同じ数又は異なる数の開口部を含むことができる。
【0043】
第1のラッパーと第2のラッパーは、喫煙物品の長手方向軸を中心に低換気構成と高換気構成の間で相対的に回転可能とすることができる。
【0044】
或いは、第1のラッパーと第2のラッパーは、喫煙物品の長手方向軸に沿って低換気構成と高換気構成の間で相対的に移動可能とすることもできる。
【0045】
第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸に沿って低換気構成と高換気構成の間で相対的に移動可能な場合、高換気構成における喫煙物品の長さを低換気構成における喫煙物品の長さより長くすることができる。或いは、高換気構成における喫煙物品の長さを低換気構成における喫煙物品の長さより短くすることもできる。
【0046】
本明細書で使用する「長さ」という用語は、本発明による喫煙物品の長手方向軸方向の寸法を示す。
【0047】
第1のラッパーと第2のラッパーは、低換気構成及び高換気構成の一方又は両方において互いに当接することができる。例えば、第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸を中心に低換気構成と高換気構成の間で相対的に回転可能な場合、この第1のラッパーと第2のラッパーは、低換気構成及び高換気構成において互いに当接することができる。
【0048】
或いは、第1のラッパーと第2のラッパーは、低換気構成及び高換気構成の一方又は両方において互いに長手方向に離間することもできる。例えば、第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸に沿って低換気構成と高換気構成の間で相対的に移動可能な場合、この第1のラッパーと第2のラッパーは、低換気構成において互いに当接し、高換気構成において互いに長手方向に離間することができる。
【0049】
或いは、低換気構成及び高換気構成の一方又は両方において、第2のラッパーが少なくとも部分的に第1のラッパーの上又は下に重なることもできる。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明による喫煙物品のマウスピースが第3の空気流路をさらに含むことができ、低換気構成では、第1の空気流路と第3の空気流路が実質的に整列せずに、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が制限され、高換気構成では、第1の空気流路と第3の空気流路が実質的に整列して、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が制限されない。第3の空気流路は、第1の空気流路が設けられた第1のラッパー又は第2のラッパーの下にある実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して設けることができる。
【0051】
使用時には、第1のラッパーと第2のラッパーの低換気構成と高換気構成の間における相対的な移動により、第1の空気流路と第3の空気流路の一致の度合いが変化するようになる。
【0052】
このような実施形態では、マウスピースが第4の空気流路をさらに含むこともでき、低換気構成及び高換気構成では、第2の空気流路及び第4の空気流路が実質的に整列して、第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が実質的に制限されない。
【0053】
或いは、マウスピースが第4の空気流路をさらに含むことができ、低換気構成では、第2の空気流路及び第4の空気流路が実質的に整列して、第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が実質的に制限されず、高換気構成では、第2の空気流路及び第3の空気流路が実質的に整列して、第2の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が実質的に制限されない。本発明の1つのこのような実施形態では、第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸に沿って低換気構成と高換気構成の間で相対的に回転可能であり、第1の空気流路及び第2の空気流路が、いずれも第1のラッパーを貫通して設けられ、円周方向に整列する。
【0054】
第4の空気流路は、第2の空気流路が設けられた第1のラッパー又は第2のラッパーの下にある実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して設けることができる。
【0055】
マウスピースが第3の空気流路及び第4の空気流路を含む場合、この第3の空気流路及び第4の空気流路は、単一の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して設けることができる。或いは、第1の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して第3の空気流路を設け、第2の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して第4の空気流路を設けることもできる。
【0056】
他の実施形態では、低換気構成において第1の空気流路が覆われて、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が制限され、高換気構成において第1の空気流路が覆われずに、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が実質的に制限されない。使用時には、第1のラッパーと第2のラッパーの低換気構成と高換気構成の間における相対的な移動により、第1の空気流路の露出の度合いが変化するようになる。
【0057】
このような実施形態では、マウスピースが、第1の空気流路が設けられた第1のラッパー又は第2のラッパーの下にある実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通する第3の空気流路をさらに含むことができ、低換気構成及び高換気構成において第1の空気流路と第3の空気流路が実質的に整列する。
【0058】
これとは別に、又はこれに加えて、マウスピースは、第2の空気流路が設けられた第1のラッパー又は第2のラッパーの下にある実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通する第4の空気流路をさらに含むこともでき、低換気構成及び高換気構成において第2の空気流路及び第4の空気流路が実質的に整列する。
【0059】
本発明の1つの実施形態では、第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸に沿って低換気構成と高換気構成の間で相対的に移動可能であり、第1のラッパーを貫通して第1の空気流路が設けられる。低換気構成では、第2のラッパーが第1の空気流路の上に重なって、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が制限され、高換気構成では、第2のラッパーが第1の空気流路の上に重ならずに、第1の空気流路を通じたマウスピース内への空気流が実質的に制限されない。
【0060】
マウスピースが第3の空気流路及び第4の空気流路を含む場合、この第3の空気流路及び第4の空気流路は、単一の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して設けることができる。或いは、第1の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して第3の空気流路を設け、第2の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通して第4の空気流路を設けることもできる。
【0061】
第1のラッパー及び第2のラッパーは、同じ材料又は異なる材料から形成することができる。当業では、第1のラッパー及び第2のラッパーを形成できる好適な材料が知られており、以下に限定されるわけではないが、実質的に空気不透過性の紙及び実質的に空気不透過性の高分子フィルムが挙げられる。第1のラッパー及び第2のラッパーは、実質的に空気不透過性のチップペーパーで形成されることが好ましい。
【0062】
第1のラッパー及び第2のラッパーの空気透過性は、同じものであっても、又は異なるものであってもよい。第1のラッパー及び第2のラッパーは、ISO 2965:2009に従って測定した時に約100コレスタ単位未満の空気透過性を有することが好ましく、この空気透過性は、約50コレスタ単位未満であることがより好ましく、約10コレスタ単位未満であることが最も好ましい。
【0063】
コレスタ単位の空気透過性とは、1キロパスカルの一定の圧力差において1平方センチメートルのラッパーを1分間に通過する空気量を立方センチメートルで表したものである(すなわち、1コレスタ単位は、1kPaの圧力差における1cm3/分.cm2の空気透過性に相当する)。
【0064】
本発明による喫煙物品が、実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通する第3の空気流路を含むマウスピースを含む場合、この実質的に空気不透過性の内側ラッパーは、以下に限定されるわけではないが、実質的に空気不透過性の紙及び実質的に空気不透過性の高分子フィルムを含む当業で周知の好適な材料から形成することができる。実質的に空気不透過性の内側ラッパーは、実質的に空気不透過性のフィルタプラグラップで形成されることが好ましい。
【0065】
本発明による喫煙物品のマウスピースが、実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通する第4の空気流路を含む場合、この実質的に空気不透過性の内側ラッパーは、以下に限定されるわけではないが、実質的に空気不透過性の紙及び実質的に空気不透過性の高分子フィルムを含む当業で周知の好適な材料から形成することができる。実質的に空気不透過性の内側ラッパーは、実質的に空気不透過性のフィルタプラグラップで形成されることが好ましい。
【0066】
本発明による喫煙物品が、第1の実質的に空気不透過性のラッパーを貫通する第3の空気流路及び第2の実質的に空気不透過性の内側ラッパーを貫通する第4の空気流路を含むマウスピースを含む場合、第1の実質的に空気不透過性ラッパー及び第2の実質的に空気不透過性の内側ラッパーは、同じ材料又は異なる材料で形成することができる。
【0067】
第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通して第2の空気流路を形成する1又はそれ以上の開口部の数及びサイズの一方又は両方を変更することにより、低換気構成における最小レベルの換気が異なる本発明による喫煙物品を製造することができる。
【0068】
低換気構成における換気レベルを測定するには、第1のラッパーと第2のラッパーを相対的に移動させて低換気構成にした後で、ISO 9512:2002に従って低換気構成における換気レベルを測定する。
【0069】
低換気構成における換気レベルは、ISO 9512:2002に従って測定した時に少なくとも約10%であることが好ましく、少なくとも約20%であることがより好ましい。
【0070】
低換気構成における換気レベルは、ISO 9512:2002に従って測定した時に約60%未満であることが好ましく、約50%未満であることがより好ましい。
【0071】
低換気構成における換気レベルは、ISO 9512:2002に従って測定した時に約10%〜約60%であることが好ましく、約20%〜約50%であることがより好ましい。
【0072】
第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通して第1の空気流路を形成する1又はそれ以上の開口部の数及びサイズの一方又は両方を変更することにより、高換気構成における最大レベルの換気が異なる本発明による喫煙物品を製造することができる。
【0073】
高換気構成における換気レベルを測定するには、第1のラッパーと第2のラッパーを相対的に移動させて高換気構成にした後で、ISO 9512:2002に従って高換気構成における換気レベルを測定する。
【0074】
高換気構成における換気レベルは、ISO 9512:2002に従って測定した時に少なくとも約50%であることが好ましく、少なくとも約60%であることがより好ましい。
【0075】
高換気構成における換気レベルは、ISO 9512:2002に従って測定した時に約90%未満であることが好ましく、約80%未満であることがより好ましい。
【0076】
高換気構成における換気レベルは、ISO 9512:2002に従って測定した時に約50%〜約90%であることが好ましく、約60%〜約80%であることがより好ましい。
【0077】
高換気構成における換気レベルと低換気構成における換気レベルとの差は、少なくとも約15%であることが好ましく、少なくとも約30%であることがより好ましい。例えば、高換気構成における換気レベルを約50%とし、低換気構成における換気レベルを約35%として、高換気構成における換気レベルと低換気構成における換気レベルとの差が約15%(すなわち約50%−約35%)になるようにすることができる。
【0078】
第2の空気流路を通じた空気流によってもたらされる換気のパーセンテージV
1は、少なくとも約15%であることが好ましく、少なくとも約25%であることがより好ましく、少なくとも約35%であることが最も好ましい。
V
1=低換気構成における換気レベル/高換気構成における換気レベル×100
【0079】
本発明による喫煙物品は、マウスピースの長さに応じてマウスピースの長手方向軸に沿った異なる位置に配置された第1の空気流路及び第2の空気流路を含むことができる。
【0080】
第1の空気流路は、高換気構成においてマウスピースの下流端から少なくとも約12mmに位置することが好ましい。第1の空気流路は、高換気構成においてマウスピースの下流端から少なくとも約15mmに位置することがより好ましい。
【0081】
第1の空気流路は、低換気構成及び高換気構成においてマウスピースの下流端から約50mm未満に位置することが好ましい。
【0082】
第2の空気流路は、低換気構成及び高換気構成においてマウスピースの下流端から少なくとも約12mmに位置することが好ましい。第2の空気流路は、低換気構成及び高換気構成においてマウスピースの下流端から少なくとも15mmに位置することがより好ましい。
【0083】
第2の空気流路は、低換気構成及び高換気構成においてマウスピースの下流端から約50mm未満に位置することが好ましい。
【0084】
本発明による喫煙物品は、濾過効率が高い、中程度の、又は低いマウスピースを含むことができる。
【0085】
本発明による喫煙物品は、単一セグメントマウスピースを含むことができる。
【0086】
或いは、本発明による喫煙物品は、2又はそれ以上のセグメントを含む多重セグメントマウスピースを含むこともできる。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明による喫煙物品が、第1の位置と第2の位置の間で相対的に移動可能な第1のセグメントと第2のセグメントを含む多重セグメントマウスピースを含むことができる。このような実施形態では、第1のラッパーを第1のセグメントに固定し、第2のラッパーを第2のセグメントに固定して、第1のセグメントと第2のセグメントが第1の位置と第2の位置の間で相対的に移動した時に、第1のラッパーと第2のラッパーが低構成と高構成の間で相対的に移動できるようにすることができる。
【0088】
本発明による喫煙物品は、セルロースアセテートトウ、紙、或いはその他の繊維性又は非繊維性濾過材の1又はそれ以上のセグメントを含むマウスピースを含むことができる。
【0089】
これとは別に、又はこれに加えて、本発明による喫煙物品は、例えば唇側端部キャビティなどのマウスピース内のキャビティを形成する中空管を含む1又はそれ以上のセグメントを含むマウスピースを含むことができる。
【0090】
本発明による喫煙物品は、吸着剤(例えば、活性炭又はシリカゲル)、植物性材料(例えば、タバコ葉身)、香味料、その他の煙変性剤及びこれらの組み合わせを含む1又はそれ以上のセグメントを含むマウスピースを含むことができる。
【0091】
本発明による喫煙物品は、例えば、約5mm〜約8.5mmの外径を有するマウスピースを含むことができる。
【0092】
本発明による喫煙物品は、例えば、約20mm〜約50mmの長さを有するマウスピースを含むことができる。高換気構成におけるマウスピースの長さが低換気構成におけるマウスピースの長さと異なる実施形態では、これらの例示的な長さが、マウスピースの最も長い構成における長さを示す。
【0093】
本発明による喫煙物品は、第1のラッパーと第2のラッパーの相対的な移動を制限するための停止手段を含むことができる。例えば、第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸を中心に低換気構成と高換気構成の間で相対的に回転可能である場合、本発明による喫煙物品は、第1のラッパーと第2のラッパーの相対的回転を所望の回転範囲に制限するための、米国特許第4,700,725号に記載されているタイプの停止手段をさらに含むことができる。
【0094】
本発明による喫煙物品は、換気レベルを示すための指示手段を含むことができる。この指示手段は、換気レベルの視覚的指示及び触覚的指示の一方又は両方を消費者に提供することができる。例えば、第1のラッパーと第2のラッパーが、喫煙物品の長手方向軸を中心に低換気構成と高換気構成の間で相対的に回転可能である場合、本発明による喫煙物品は、換気レベルを消費者に示すための、米国特許第4,699,158号又は国際公開第2011/119676号に記載されているタイプの指示手段をさらに含むことができる。
【0095】
本発明による喫煙物品は、マウスピースに接続された喫煙可能材料の巻きロッドをさらに含むことができる。
【0096】
本発明による喫煙物品では、様々な異なるタイプを製造することができる。例えば、本発明による喫煙物品は、喫煙中に燃焼するタバコカットフィラー又はその他の喫煙可能材料の巻きロッドを含むフィルタシガレットなどの可燃性喫煙物品であってもよい。このような実施形態では、喫煙可能材料の巻きロッドを、第1のラッパー又は第2のラッパーによってマウスピースに結合することができる。
【0097】
或いは、本発明による喫煙物品は、材料を加熱してエアロゾルを発生させる上述したタイプの不燃性の加熱式喫煙物品であってもよい。例えば、本発明による喫煙物品は、国際公開第2009/022232号に開示されているような、可燃性熱源と、可燃性熱源の下流のエアロゾル発生基材とを含む加熱式喫煙物品とすることができる。本発明による喫煙物品は、例えば化学的熱源又は電気的熱源などの不燃性熱源を含む加熱式喫煙物品であってもよい。
【0098】
或いは、本発明による喫煙物品は、国際公開第2008/121610号及び国際公開第2010/107613号に開示されているような、燃焼又は加熱を伴わずにエアロゾル発生基材からエアロゾルを発生させる上述したタイプの不燃性の非加熱式喫煙物品であってもよい。
【0099】
本発明による喫煙物品は、例えば約60mm〜約128mmの全長を有することができる。高換気構成における喫煙物品の長さが低換気構成における喫煙物品の長さと異なる実施形態では、これらの例示的な長さが、喫煙物品の最も長い構成における長さを示す。
【0100】
本発明による喫煙物品は、スリムサイズの可燃性喫煙物品では例えば約5mm〜約8.5mmの、例えば約5mm〜約7.1mmの外径を有し、或いはレギュラーサイズの可燃性喫煙物品では約7.1mm〜約8.5mmの外径を有することができる。
【0101】
本発明による喫煙物品は、可変空気希釈機構を有する既知の喫煙物品を製造するための方法及び機械を用いて製造することができる。例えば、第1のラッパーと第2のラッパーが喫煙物品の長手方向軸を中心に低換気構成と高換気構成の間で相対的に回転可能な本発明による喫煙物品は、米国特許第4,570,649号、米国特許第4,638,818号、米国特許第4,699,158号及び米国特許第4,700,725号に開示されている方法及び機械を用いて製造することができる。
【0102】
本発明による喫煙物品のマウスピースの第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する第1の空気流路、及びマウスピースの第1のラッパー又は第2のラッパーを貫通する第2の空気流路は、可燃性喫煙物品及び不燃性喫煙物品のフィルタ又はマウスピースに換気部を設けるための既知の好適な手段を用いて形成することができる。例えば、第1の空気流路及び第2の空気流路は、レーザー穿孔手段、又はピン穿孔手段などの機械的穿孔手段を用いて形成することができる。
【0103】
添付図面を参照しながら、本発明をほんの一例としてさらに説明する。