特許第6523964号(P6523964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6523964血管内フィルタの搬送のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6523964
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】血管内フィルタの搬送のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 29/00 20060101AFI20190527BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20190527BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20190527BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   A61M29/00
   A61B8/12
   A61B17/00
   A61M25/09
【請求項の数】23
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-549406(P2015-549406)
(86)(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公表番号】特表2016-502878(P2016-502878A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】US2013071264
(87)【国際公開番号】WO2014099247
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年7月21日
【審判番号】不服2018-760(P2018-760/J1)
【審判請求日】2018年1月19日
(31)【優先権主張番号】61/739,070
(32)【優先日】2012年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512240408
【氏名又は名称】マフィン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MUFFIN INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マキニス,ピーター・エス
(72)【発明者】
【氏名】フィアノット,ニール・イー
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 高木 彰
【審判官】 二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6440077(US,B1)
【文献】 国際公開第2012/003369(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0262506(US,A1)
【文献】 特表2008−519653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 29/00
A61B 8/12
A61B 17/00
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体の血管内に血管内フィルタを導入するための搬送装置であって、
管腔を規定する環状壁を有するシースと、
前記管腔内に位置決めされる血管内フィルタとを備え、前記血管内フィルタは、前記身体の血管内に二段階配備されるように協働的に配置された複数のプライマリストラットと複数のセカンダリストラットとを有し、前記セカンダリストラットは先に配備されるように構成および配置され、前記プライマリストラットは後に配備されるように構成および配置され、前記搬送装置はさらに、
前記管腔内に位置決めされる搬送デバイスを備え、前記プライマリストラットの各々は、共通のハブに固定される一端と、前記血管内フィルタの前記二段階配備のために前記搬送デバイス内に捕捉される反対側の自由端とを有し、前記セカンダリストラットの各々は、前記共通のハブに固定される一端と、反対側の自由端とを有し、前記搬送装置はさらに、
前記シースに受け入れられ、前記血管内フィルタのアプリケーション側に位置決めされる超音波トランスデューサを備え、前記血管内フィルタの前記身体の血管への導入は、前記血管内フィルタの配備の第2段階として前記プライマリストラットの前記自由端を前記搬送デバイス内から解放することを含み、
前記超音波トランスデューサは、前記血管内フィルタの配備と同時に使用される、搬送装置。
【請求項2】
前記管腔を通って延び、アプリケーション側端部を含むガイドワイヤカニューレを含む、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送装置のアプリケーション側端部に位置する拡張器を含む、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサは、3Dスキャン機能を提供するために構成され、配置される、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
患者の身体の血管内に血管内フィルタを導入するための搬送装置であって、前記搬送装置は、
管腔を規定する環状壁を有するシースと、
前記管腔内に位置決めされる血管内フィルタとを備え、前記血管内フィルタは、前記身体の血管内に二段階配備されるように協働的に配置された複数のプライマリストラットと複数のセカンダリストラットとを有し、前記セカンダリストラットは先に配備されるように構成および配置され、前記プライマリストラットは後に配備されるように構成および配置され、前記搬送装置はさらに、
前記管腔内に位置決めされる搬送デバイスを備え、前記プライマリストラットの各々は、共通のハブに固定される一端と、前記血管内フィルタの前記二段階配備のために前記搬送デバイス内に捕捉される反対側の自由端とを有し、前記セカンダリストラットの各々は、前記共通のハブに固定される一端と、反対側の自由端とを有し、前記セカンダリストラットは前記搬送デバイス内に保持されておらず、前記搬送装置はさらに、
前記シースに受け入れられ、前記血管内フィルタのアプリケーション側に位置決めされる超音波トランスデューサを備え、前記血管内フィルタの前記身体の血管への導入は、前記血管内フィルタの配備の第2段階として前記プライマリストラットの前記自由端を前記搬送デバイス内から解放することを含み、前記超音波トランスデューサは、前記血管内フィルタの配備と同時に使用され、前記搬送装置はさらに、
前記管腔を通って延び、アプリケーション側端部を含むガイドワイヤカニューレと、
前記搬送装置のアプリケーション側端部に位置する拡張器とを備え、前記拡張器は前記ガイドワイヤカニューレのアプリケーション側端部を受ける、搬送装置。
【請求項6】
前記プライマリストラットは前記搬送デバイス内に押し込まれ保持される、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記血管内フィルタは、取り外しフックとをさらに含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記取り外しフックは、前記ハブのアプリケーション側面を越えて延びるように構成され配置される、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記ハブは前記ガイドワイヤカニューレの傾斜部に隣接する、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記超音波トランスデューサの制御側部は、前記シースの管腔内に初期的に受けられる、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記ガイドワイヤカニューレは、アプリケーション側部と、制御側部と、前記アプリケーション側部と前記制御側部との間に配置される傾斜部とを含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記シースは、前記超音波トランスデューサと独立して制御側方向に移動可能に構成され配置される、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記血管内フィルタは、前記超音波トランスデューサと独立してアプリケーション側方向に移動可能に構成され配置される、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項14】
前記シースと前記血管内フィルタとは、前記シースの回転が前記血管内フィルタの回転を引き起こすよう、それぞれ協働して構成され配置される、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項15】
患者の下大静脈(IVC)内IVCフィルタの配置のための搬送装置であって、前記搬送装置は
管腔を規定する環状壁を有するシースと、
前記管腔内に位置決めされるIVCフィルタとを備え、前記IVCフィルタは、前記IVC内に二段階配備されるように協働的に配置された複数のプライマリストラットと複数のセカンダリストラットとを有し、前記セカンダリストラットは先に配備されるように構成および配置され、前記プライマリストラットは後に配備されるように構成および配置され、前記搬送装置はさらに、
前記管腔内に位置決めされる搬送デバイスを備え、前記プライマリストラットの各々は、共通のハブに固定される一端と、前記IVCフィルタの前記二段階配備のために前記搬送デバイス内に捕捉される反対側の自由端とを有し、前記セカンダリストラットの各々は、前記共通のハブに固定される一端と、反対側の自由端とを有し、前記搬送デバイスはアプリケーション側端部を有し、前記搬送装置はさらに、
前記シースに受け入れられ、前記IVCフィルタのアプリケーション側に位置決めされるIVUSトランスデューサを備え、前記IVCフィルタの前記IVCへの導入は、前記IVCフィルタの配備の第2段階として前記自由端を前記搬送デバイス内から解放することを含み、前記IVCフィルタの前記複数のプライマリストラットおよびセカンダリストラットは、前記搬送デバイスの前記アプリケーション側端部と前記IVUSトランスデューサとの間に位置決めされ、前記IVUSトランスデューサは、前記IVCフィルタの配備と同時に使用され、前記搬送装置はさらに、
前記管腔を通って延び、前記IVUSトランスデューサのアプリケーション側で終端するガイドワイヤカニューレと、
前記ガイドワイヤカニューレに組み付けられる拡張器と、を備え、前記IVUSトランスデューサは前記拡張器と前記IVCフィルタとの間に配置される、搬送装置。
【請求項16】
前記IVCフィルタは、複数のストラットと除去フックとを含む、請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
前記ガイドワイヤカニューレは、アプリケーション側部と、制御側部と、前記アプリケーション側部と前記制御側部との間に位置する傾斜部と、を含む、請求項15に記載の搬送装置。
【請求項18】
前記IVCフィルタは、前記IVUSトランスデューサと独立して移動可能に構成され配置される、請求項15に記載の搬送装置。
【請求項19】
前記シースと前記IVCフィルタとは、前記シースの回転が前記IVCフィルタを回転させるように、それぞれ協働的に構成され配置される、請求項15に記載の搬送装置。
【請求項20】
シースと、複数のプライマリストラットおよび複数のセカンダリストラットを含む血管内フィルタと、前記血管内フィルタの配備のための搬送デバイスと、前記シースに受け入れられた超音波トランスデューサと、ガイドワイヤカニューレと、拡張器とを含む搬送装置を用いて患者(ヒトを除く)の体内の血管内に血管内フィルタを導入する方法であって、前記プライマリストラットの各々は、共通のハブに固定される一端と、前記搬送デバイス内に捕捉される反対側の自由端とを有し、前記セカンダリストラットの各々は、前記共通のハブに固定される一端と、反対側の自由端とを有し、前記超音波トランスデューサは撮像面を有し、前記方法は、
前記搬送装置を提供するステップと、
前記搬送装置を患者の身体の血管内に挿入するステップと、
前記撮像面が患者内の選択した場所と一致するように前記搬送装置を位置決めするステップと、
前記血管内フィルタの配備と同時に前記超音波トランスデューサを使用するステップと、
前記セカンダリストラットを先に配備し、続いて前記プライマリストラットの前記自由端を前記搬送デバイス内から解放して配備することによって前記血管内フィルタを二段階で配備するステップと、
前記搬送装置を前記身体の血管内に残される前記血管内フィルタなしに引き抜くステップと、を含む方法。
【請求項21】
前記血管内フィルタは除去フックを含み、前記撮像面に前記除去フックを位置決めする操作ステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記血管内フィルタが所望の配向を達成するために、前記血管内フィルタを配向させるため前記シースを回転させるステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記超音波トランスデューサが引き抜かれる際に前記血管内フィルタの配置を撮像するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる2012年12月19日出願の米国仮出願第61/739070の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
血管内フィルタの搬送に使用するための装置が開示される。また、血管内フィルタの搬送に開示された装置を使用する方法が開示される。
【0003】
血管内のフィルタは、塞栓を捕捉するための循環系での使用のために構成され、配置される。本明細書で使用する「塞栓」という用語は、血流を通って移動し、血管に詰まると、血管を通ずる流れのある程度の閉塞を生み得るような構造、形状を有するものをいう。塞栓の例には、分離された血栓、血液凝固の大きな断片、細菌の塊、狭窄物質、より一般的に障害物を作成するリスクをもたらす可能性のあるものを含む。血栓が静脈の壁から除去され、肺に移動して肺動脈の血流をブロックすると肺塞栓症が発生する。このような血栓は、病気、けが、術後によって固定された患者に可能性が高くなる。肺塞栓症は、重症患者の傷害または死を引き起こす可能性があるので、本明細書に記載の種類の血管内のフィルタが必要とされている。具体的には、安全かつ有効な下大静脈(IVC)フィルタを持つ必要がある。
【0004】
IVCフィルタのような血管内フィルタの設計の焦点は、心臓および肺に到達するのを防止するように、これらの塞栓を捕捉することが可能な構造を提供することにある。安全で有効な治療を得るために、血管内フィルタの設計および構成だけでなく、搬送装置の設計および構成が重要ある。血管内フィルタの配置および位置決めのための搬送装置の使用方法も重要である。
【0005】
開示された装置および方法の具体的な焦点は、図示および説明した実施形態で例示されるように、下大静脈(IVC)に血管内フィルタを搬送することに向けられている。IVCは、下半身から心臓に血を返す腹部内の大静脈である。このように、IVCは、除去された血栓や脚や骨盤の静脈に発症し得る血栓の大きな断片のような塞栓を補足し、トラップし、保持するための血管内フィルタの好ましい位置を表す。脚や骨盤の静脈に発症する血栓は、深部静脈血栓症(DVT)と呼ばれる状態であり、時折破壊して血栓の大きな断片が心臓や肺に移動し得る。心臓および肺への流路は、IVCを通る通路を含む。これは、本明細書に開示されるIVCフィルタのような血管内フィルタのキャプチャのための配置および位置決めのためIVCを適切な場所にする。
【0006】
先行技術は、恒久的に取り付けられている装置として構成して配置されたIVCフィルターが含まれている。しかし、代わりにIVCフィルターを残すことに関連する長期的なリスクが生じる可能性もある。そのため、より最近の設計努力は、仮置きとその後の回収および除去のためのIVCフィルタの設計と設計に向けられている。離脱した血栓(血栓または塞栓または他の大きな断片)などの移動する塞栓の危険が経過したときに、患者からIVCフィルタの除去を行ってもよい。心臓や肺に到達する移動する塞栓のリスクが軽減されると、IVCフィルタの除去を考慮することができる。
【0007】
定置された、移植された、または患者に何らかの形で搬送されている任意の装置または器具と同様に、搬送を容易にすることが重要である。装置の適切な配置および位置決めを確実にすることができることも重要である。特定の装置では、装置の初期の位置決めが許容パラメータの範囲内でない場合、装置が取得され、除去される必要があり、手順が繰り返される。そのため、装置のためのガイダンスの方法と、手順の信頼性と、手順の再現性とは重要な態様である。ある時点で患者から除去されるべきいずれの装置または器具でも、回収および除去を可能にし容易にするような装置の設計を持つことが重要である。
【0008】
搬送プロセスの別の態様は、実行可能な方法および手順を実行するために必要な環境である。先行技術の手順は、現在、透視下で行われる。経皮搬送セットと蛍光透視スイート(特別室)は、従来技術の手順を実行するために必要とされる。また、蛍光透視スイートに対する患者の輸送が必要とされ、特に、外傷患者のために、困難で時間がかかる可能性がある。本発明による手順は、代わりに視覚的なガイダンスのために血管内超音波(IVUS)トランスデューサを使用している。重要なことは、本発明によれば、超音波の全体手順は、IVCフィルタが実質的に完全に定置されるまでIVUSトランスデューサを除去することなく、実行可能であることである。静脈からのIVUSトランスデューサの除去は、IVCフィルタの最終的な位置決めおよび定置を確認することを、臨床医を可能にする。これは、拡張、シースの配置、フィルタ搬送および配置の確認の際により安全な手順によって行うことができることを意味する。臨床医は、超音波イメージングに基づいて何が起こっているのかを「見る」ことができるので、さらなる利点として、臨床医は、手順においてより高い信頼性を有する。記載のIVUSの手順は、ベッドサイドで行うことができ、コストを削減し、安全性を向上させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
患者の身体の血管内に血管内フィルタを導入するための搬送装置は管腔を規定するシースと、管腔内に配置された血管内フィルタと、血管内フィルタのアプリケーション側に位置する超音波トランスデューサと、ガイドワイヤーカニューレと、ガイドワイヤカニューレの端部に隣接する搬送装置のアプリケーション端に位置する先端と、を含む。
【0010】
患者の下大静脈内にIVCフィルターを配置するための搬送装置であって、搬送装置は、管腔を規定するシースと、管腔内に配置されたIVCフィルタと、IVCフィルタのアプリケーション側に配置されたIVUSトランスデューサと、ガイドワイヤカニューレに組み付けられたガイドワイヤカニューレと拡張器とを含み、IVUSトランスデューサは拡張器およびIVCフィルタの間に位置決めされる。
【0011】
本明細書に開示された搬送装置を用いて患者の体内の血管内に血管内フィルタを導入する方法は、適切な搬送装置を提供するステップと、患者の身体の血管内にその搬送装置を挿入するステップと、超音波トランスデューサの撮像面内で搬送装置を位置決めするステップと、トランスデューサの撮像面へ血管内フィルタの一部を移動させるように搬送装置を操作するステップと、身体の血管内に残る血管内フィルタなしに搬送装置を引き抜くステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示による血管内フィルタのための搬送装置の部分断面における概略図および側面図である。
図2図1の搬送装置の要素の1つを含む拡張器の完全断面における側面図である。
図2A図2の拡張器の完全な形態における端面図である。
図3図1の搬送装置の構成要素のうちの1つを含む、超音波トランスデューサの断片的な側面図である。
図3A図3の超音波トランスデューサの端面図である。
図4図1の搬送装置の構成要素のうちの1つを含む、ガイドワイヤカニューレの側面図である。
図4A図4のガイドワイヤカニューレの端面図である。
図5図1の搬送装置の要素の1つを含む外側シースを含む完全断面における側面図である。
図5A図5の外部シースの完全な形態における端面図である。
図6図1の搬送装置および図1の搬送装置により搬送される、開始要素の1つを含む血管内フィルタの概略斜視図である。
図7図1の搬送装置の使用に関連する定置ステップの1つの概略図である。
図8図1の搬送装置の使用に関連する定置ステップの別の概略図である。
図9図1の搬送装置の使用に関連する定置ステップの別の概略図である。
図10図1の搬送装置の使用に関連する定置ステップの別の概略図である。
図11】本開示による代替のトランスデューサ先端とワイヤガイド装置の部分的な概略側面図である。
図12】本開示による代替のトランスデューサ先端とワイヤガイド装置の部分的な概略側面図である。
図13】本開示による代替のトランスデューサ先端の構成の、部分的な概略図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
選択された実施形態の説明
本発明の原理の理解を促進する目的で、図面を参照して図示された実施形態について説明し、特定の用語が等価物を記述するために使用される。しかし、本発明の範囲を限定することを意図されないことが理解されるであろう。実施の形態における任意の変更およびさらなる修正および、本明細書に記載される本発明の原理のさらなる応用は、本発明に関係する当業者にとって通常起こるであろうものとして考えられる。本発明の一実施形態が詳細に示されるが、当業者には明らかであるように、本発明に関連しないいくつかの特徴は、明確さのために示されない場合がある。
【0014】
図1を参照して、血管内フィルタ22のための搬送装置20が示されている。例示的な実施形態では、フィルタ22は、下大静脈(IVC)23おけるその配置によって規定されるようなIVCフィルタである。IVCフィルタ22は初期的に搬送装置20内にパッケージ化され、および本明細書で使用されるように、搬送装置20は、IVC23に供給されるIVCフィルタ22を含むものとして規定される。しかしながら、これは搬送装置であるので、搬送される部品はIVCフィルタ22と理解されるべきである。患者に一旦配備されて適切に位置決めされると(すなわち、定置されると)、搬送装置20は、IVCフィルタ22なしに患者から除去される。向きの理解と搬送装置20の相対的な位置決めおよび大きさの見方を支援するためIVC23の断面は、図1に示されている。IVCフィルタ22に加えて、搬送装置20は、外側シース24と、ガイドワイヤカニューレ26と、超音波トランスデューサ28と、例示的な実施形態では拡張器30である先端部と、を含んでいる。図1に示すように、文字Aは、本明細書で言及されるようにアプリケーション側、端または方向を表し、文字Cは、本明細書で言及されるように制御側、端または方向を示す。
【0015】
搬送装置20の端部および構成部品の端部または側の向きと、動作または走行の方向の観点から、「アプリケーション側」(A)と「制御側」(C)の規則が採用され、本明細書中で使用される。これらの表現が示すように、装置20のまたは任意の部品のいずれかのアプリケーション側は、任意の治療、装置の配置などが発生する場所の方向またはより近くにある側または端部である。同様に、制御側は、医師が位置する場所の方向またはより近くにある装置20または任意の構成部品のいずれかの側または端部であり、制御機能またはアクションが実行される場所を表す。
【0016】
「近位」および「遠位」を使用した場合、基準の異なるフレームが存在し得るので、この採択の理由の1つは、明確さを追加するためである。医療分野では、「近位」は、典型的には、心臓により近いことを意味するが、これは、患者へのカテーテルなどの装置のエントリのポイントに基づいて変更し得る。論理的には、医療分野では、「遠位」は、典型的には、心臓から遠いことを意味する。他の分野では、「近位」は、典型的には、オペレータまたはユーザに近いことを意味し、「遠位」は、典型的には、オペレータまたはユーザから遠いことを意味する。「アプリケーション側」と「制御側」の規則を採用することにより、任意の近位と遠位あいまいさが排除されるべきである。
【0017】
搬送装置20の一部であるさらなる部品は、フィルタ搬送装置25と、制御ワイヤ27と、カテーテル29とを含む。典型的な実施形態では、カテーテル29は3つの(3)管腔カテーテルである。1つの管腔はガイドワイヤカニューレ26を受け、別の管腔は、超音波トランスデューサ28に接続するワイヤのために使用される。フィルタ22およびフィルタ搬送装置25は、カテーテル29専用の管腔の内部にはない。カテーテル29は搬送装置25の制御側端より短く、フィルタ22と搬送装置25は、シース管腔62の内側に位置する。明瞭に描画する目的のため、超音波トランスデューサに接続配線は、図示されていない。搬送装置25は、IVCフィルタ22の初期配備と位置決めの一部として初期に4つ(4)の長ストラット69を補足する。
【0018】
搬送装置20は、ガイドワイヤカニューレ26を通って延びているワイヤガイド21によって、IVC23に導入される。ワイヤガイド21は、本明細書に記載の搬送手順の間、位置決めされたままであってもよく、または搬送装置20が図1に示すように正常に配置されると、除去されることができる。ワイヤガイド21は、搬送装置20の初期導入において重要であるが、ワイヤガイド21は、搬送装置20の適切な除去のために必要ではない。ワイヤガイド21の前進および位置決めは、既存の技術または方法のいずれかを使用して実行される。ワイヤガイド21に適した選択肢の中には、強化されたサポートを提供する固定芯ワイヤ、形状記憶と操縦性をを提供する「ニチノール」ワイヤ、低い摩擦係数のための潤滑性コーティングを有する親水性のワイヤを含む。
【0019】
IVCフィルタ22は、塞栓、たとえば、IVCを通って血流を移動している分離した血栓または血栓のより大きな断片の捕捉において使用するために構成され、配置されている。この用途に適したIVCフィルタの一例は、インディアナ州ブルーミントンのクックメディカルが提供するCELECT(登録商標)大静脈フィルターである。また導入シースと呼ばれる外側シース24は、管腔62を規定し形成する管状壁60で構成され、配置されている。好ましくは、本明細書に開示される使用のために、搬送セットの全体の長さ、すなわち、搬送装置20は、約65センチメートルある。「FR」のスケールを使用してゲージは、約8.5Frであるか、または外径約2.83ミリメートルである。ガイドワイヤーカニューレ26は、ほぼ環状で、横断面がほぼ円形状の管状形状で構成され、配置されている。ガイドワイヤーカニューレ26とワイヤガイド21とカテーテル29との間の関係は、それらのそれぞれのサイズ、形状および材料を含めて、所望の支持および剛性を提供し、適切な許容可能なレベルまでIVCフィルタ22上の負荷を減少させる。
【0020】
超音波トランスデューサ28は、IVC23内IVCフィルタ22の配備と位置決めとを視覚化する際に使用するために構成され配置されている超音波トランスデューサ28の血管内の位置決めおよび使用を考慮し、IVUSという略語は、超音波トランスデューサ28、すなわちIVUSトランスデューサ28の省略形として適用可能であり、本明細書で使用される。この略語はまた、IVCフィルタ22の配置および位置決めをガイドする方法を参照し説明するために使用される。拡張器30は、静脈に入る搬送装置20のの先端としてテーパ端部32を用いて構成され、配置される。ここでの焦点は、搬送装置20の導入およびIVCフィルタ22の定置のための大腿静脈アプローチを使用することにある。
【0021】
例示的な実施形態では、IVUSトランスデューサ28は、セラミックスリーブに包まれたステンレス鋼の管状コアを含む。セラミックスリーブに巻き付けられているのは、フレキシブルなプリント回路基板である。IVUSトランスデューサ「構造」は、複数の素子から構成されたアレイを含む。多素子フェーズのアレイに必要なワイヤの数は、サイズによって定められる。スキャンオプションは、固定トランスデューサを備えたモータ駆動回転トランスデューサ、または代替としてモータ駆動鏡などを含む。サイズの考慮事項により、モータは、患者の外部にあり、回転ケーブルによって、トランスデューサの回転要素またはミラーのいずれかと接続する。代替的に、モータは、マイクロサイズであり、カテーテルのアプリケーション端部に組み込むことができる。
【0022】
装置20は血管内装置であるため、その大きさ、形状、材料の選択は、たとえば、静脈内に適合し、移動する必要があるすべての装置および器具と一致している。搬送装置20の使用方法または方法における重要な検討事項の1つは、正しい位置にIVCフィルタ22をガイドする方法である。「ガイド」は、搬送装置20をトラッキングすることおよび定置のための搬送装置20からIVCフィルタ22を配備することの両方を伴う。「ガイド」はまた、最終的な配置のチェックを行い、IVCフィルター22を位置決めする。IVCフィルタの「ガイド」の1つのオプションは、透視ガイダンスを使用することである。しかしながら、IVCフィルタ22の位置を監視するための血管内超音波(IVUS)を使用することは、必要な設備と実行されるステップの構成の観点とから透視より向上すると考えられる。搬送装置20の設計および構成は、搬送装置20に直接IVUSトランスデューサ28を統合することにより、改善されたレベルへのIVUSトランスデューサ28の使用を行う。
【0023】
図2−6を参照して、搬送装置20の一部である部品の選択された1つがより詳細に示されている。拡張器30の詳細は、図2および2Aに示されている。IVUSトランスデューサ28の詳細のいくつかは、図3および3Aに示されている。ガイドワイヤカニューレ26の詳細が図4および4Aに示されている。外側シース24の詳細は、図5および5Aに示されている。IVCフィルタ22の詳細は、図6に示されている。
【0024】
図2および図2Aを参照して、拡張器30は、制御側端部40からアプリケーション側端32へ収束するテーパ状の側壁38を有するほぼ円錐台の本体36を含む。本体36は、ガイドワイヤカニューレ26を受ける同軸中心ボア44を規定する。カウンタボア44aはボア44と同軸であり、IVUSトランスデューサ28のアプリケーション側ハブ部を受けるような大きさ、形状とされる。ガイドワイヤカニューレ26は、ワイヤガイド21と協働してIVC23におけるIVCフィルタ22の配備のために搬送装置20の位置決めに使用され、支援される。配備の後の搬送装置20の(IVCフィルタなしの)除去は、ワイヤガイド21の継続的な使用を必要としない。適切にこれらの統合された機能を実行するために、ガイドワイヤカニューレ26のアプリケーション側端部48は、確実に中央ボア44内に固定される。固定の関係は、好ましくは、中央ボア44およびアプリケーション側端部48の適合する大きさおよび形状を含む。拡張器30は、搬送装置20のアプリケーションの側端部に配置されガイドワイヤカニューレ26のアプリケーション側の端部を受ける。
【0025】
図3および3Aを参照して、IVUSトランスデューサ28は、本体45およびそのほぼ円筒形の外壁47によって規定されるほぼ円筒形の形状を有する。アライメントと位置決めのために、第1の同軸のハブ28aおよび第2の同軸のハブ28bが含まれる。ハブ28aはカウンタボア44a内に収まる。本体45を通って延びるステンレス鋼コア41は、ほぼ円筒形、管状の形状を有し、中央ボア49を規定する。コア41は、同軸ハブ28aおよび28bを提供する。管状コア41を包むのは、ほぼ円筒状のセラミックスリーブ43である。フレキシブルなプリント回路基板(図示せず)は、セラミックスリーブ43の周りに巻かれている。プリント基板面の部品は、追加の保護を提供するために、内側向きである。中心ボア49は、ガイドワイヤカニューレ26の一部を通して受け入れるように構成され配置されている。IVUSトランスデューサ28の制御側端部は、管腔62のアプリケーション側内で初期的に受けられる(図1参照)。
【0026】
図1〜3Aはの例示的な実施形態によって表される構成は、ガイドワイヤカニューレ26と、ガイドワイヤ21と、IVUSトランスデューサ28と、拡張器30(すなわち、搬送装置20の先端)との間の特定の配置および関係を提供する。別の実施形態は、図11−13に示されており、これらの各々は、以下により詳細に記載される。加えて、IVUSトランスデューサの選択、形式、構成および動作は、例示的な実施形態のために開示されているものから変えることができることに留意されたい。1つの(1)変形例が図11−13に開示されているが、さらに、3Dスキャン機能が選択されたIVUSトランスデューサに統合され得ることが企図される。3Dスキャン機能は、2つ(2)の異なる機械的軸へとモータ駆動するように構成され配置された単一要素のトランスデューサを含むことができる。この3次元スキャン機能を提供するための別のオプションは、直線アレイトランスデューサーを使用して、回転運動を用いてそれを駆動することである。この3次元スキャン機能を提供するための別のオプションは、完全な2次元の線形アレイを使用することである。このオプションでは行−列アドレス指定スキームは、異なる送信イベントの別の要素にアクセスするために使用される。
【0027】
図4および図4Aを参照して、ガイドワイヤカニューレ26は、中空内部57を規定する側壁55を有する環状、管状の形状を有している。中空内部57の大きさは、0.035−0.040インチのサイズ範囲内のワイヤガイドを受けて収容する。ガイドワイヤーカニューレ26は、ほぼ管状の形状を有するものとして説明されているが、ガイドワイヤカニューレ26は、好ましくは、実質的に均一な側壁の厚さを有するほぼ円筒形の形状を有するであろう。このように、カニューレ26の全体は、横断面でほぼ円形の形状を持っているだろうし、中空内部57は、図4Aを参照して、好ましくは、横断面でほぼ円形の形状を有する。。ガイドワイヤーカニューレ26は、アプリケーション側端部または先端48と、制御側部分50と、傾斜部分52を規定する離間した2つの屈曲部51および53と、を含む。先端部48は、拡張器30内に位置し、IVUSトランスデューサ28通って延びているか渡される。部分50は、カテーテル29の管腔のの1つを通って延びる断面を表す。2つの屈曲部51および53は、オフセット傾斜部52を作成する。傾斜部52は、図1に示される初期の位置決めにおいてIVCフィルタ22のハブ72に隣接して位置決めされている。このオフセット傾斜部52は、エッジ位置から実質的に軸上の中心位置への位置合わせのシフトを生む。
【0028】
図5および5Aを参照して、外側シース24は、中空内部または管腔62を規定する外筒壁60を有する環状の可撓性スリーブである。外側シース24の機能と使用とを考慮すると、適切な材料は、ポリエチレンまたは他の半可撓性プラスチックが含まれる。これらの材料は、容易に形成されるか、または、ほぼ円筒形の管またはスリーブの所望の開始形状に押し出すことができる耐久性のあるが柔軟性のある、生体適合性材料を表す。外壁60の厚さは、選択された材料に部分的に依存するが、一般的に0.015−0.020インチの範囲である。論理的には、耐久性が低く硬い材料ほど僅かに厚い壁を必要とするであろう。外側シース24は、半径方向に最も外側のコンポーネントを表しているので、その内部寸法は、拡張器30とガイドワイヤカニューレ26のアプリケーション側端部48とを除く他のコンポーネントを収容するように選択される。同時に、外側管状壁60の最大サイズは、IVC23内の配置と移動のために制限され、制御されなければならない。外側シース24は、IVCフィルタ22のための定置場所への経皮的エントリを介して患者の外側に延びるのに十分な長さを有していてもよい。このような実施形態ではたとえば、外側シース24の制御側部または端部、および/またはそれに取り付けられた操作部は、身体の外側にあり、一方、アプリケーション側部分は、IVCフィルタ22に隣接しており、初期的にIVUSトランスデューサ28の端部の上に延びている。好ましくは、外側シース24は、統合性を維持し、フィルタの負荷を可能にしながら、血管を通って移動できるよう、血管内カテーテルに用いられる材料といった、半可撓性プラスチックまたは他の材料である。
現在利用可能なシースは血管系におけるシースの配置によって当然に示唆されるように、それらの中に収まるように折り畳まれたフィルタを認めながら、直径が小さくなるように寸法決めされる。
【0029】
図6を参照して、IVCフィルタ22は、複数のバイアスばねのワイヤー脚部または複数の短ストラット68と複数の長ストラット69とを含むように構成され配置されているストラット68および69を含む。短ストラット68は、「セカンダリ」と呼ばれる。長ストラット69は、「プライマリ」と呼ばれる。ストラット68および69は、ハブ72の制御側端部70に圧着することによりともに確実に固定される。ハブ72のアプリケーション側端部74は外方に延びる除去フック76を含む。除去フック76は、ハブ72のアプリケーション側端部74を越えてアプリケーション側方向に延びる。除去フック76は、IVCフィルタ22の回収および除去のために、その後の手順で使用されるので、除去フック76が適切に位置決めされ配向されることは、IVCフィルタ22のための位置決めのと配置(すなわち定置)の一部として重要である除去フック76およびストラット68および69とが互いに確実に接続することは、ハブ72にともにに圧着されるか、またはいくつかの他の方法または構造によるかによらず、重要である。IVCフィルタ22の回収および除去の際に、フック76は、回収装置のループによる初期的に係合のために使用されるだろう。フック48を引っ張ることは、除去手順の一部であり、ハブに力を及ぼして、順にストラット38および40に力を及ぼし、このときハブからフックまたはストラットからハブのいずれかで分離しようとする傾向にある。一体に連結し、確実に接合した状態にあることは、回収および除去手順の一部として重要である。
【0030】
図7−10、および図1を引き続き参照すると、これらの図は、IVC23内でのIVCフィルタ22の搬送と、配備と、位置決めと、その最終的な位置決めの超音波画像検証のステップまたは段階に関連する構造的構成を示す。搬送と配備と位置決めとのこれらのフェーズはまとめて「定置」と呼ばれる。搬送方法の開始段階またはステップは図1で表される。この図は、初期的に構成され初期的に患者の体内の位置に移動される搬送装置20を示す。IVC23の壁は、2対の破線で表されている。IVUSトランスデューサ28は、意図された方法で通電されると、撮像面84が生成されるように構成され配置されている。IVCフィルタ22は、撮像面に対する相対的位置に搬送されることが重要である。これは、医師が正確に自分の専門知識ごとにフィルタの搬送場所を制御することを可能とする。IVC内の搬送装置20の初期的な位置決めのために、例示的な実施形態によれば、撮像面は、患者の下腎静脈にあり、図1中の破線84によって表される。図面の描画は概略であり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないと、理解されるであろう。撮像面84は、約5センチメートルの半径を包含する。この半径は、静脈−静脈壁と周囲の組織の良好な被覆を提供する。
【0031】
図7に示すように、搬送方法の他のステップまたは段階は、制御側の方向にわずかに戻って外側シース24を引っ張るステップを含む。外側シース24が引き戻されると、開口90はシース24のアプリケーション側の端部92とIVUSトランスデューサ28との間に生成される。別の動作は、さらに図7を参照すると、IVCフィルタ22の前進させることである。IVCフィルタ22は、フィルタ搬送装置25および制御ワイヤ27を用いて組み合わせて協働して初期的に前進する。いったん初期的に配備されると、IVCフィルタ22の次のステップは、搬送装置外に、つまり外側シース24の外に前進することである。外側シース24が後退されるうちに、ストラット68は拡大され、IVCフィルタ22は、ほぼIVCの中心になる。
【0032】
図7および8に示すように、IVCフィルタ22の配備と位置決めに関連して、それが配備されるときに、IVCフィルタ22のための好ましい配向を有するために、搬送装置20を回転させることが望ましい場合がある。このような任意の所望の回転は、ストラット68が配備される前に発生する必要がある。これらのステップの間に、フィルタ搬送装置25は、装置25の内部の小さいボア断面の中にともに効率的に押し込まれているの4つの(4)長いストラット69を受け、固定する。制御ワイヤは、装置25の制御側端部を押し込み、次いでくさび形のストラット69が装置25によって押し込まれ、それによってIVCフィルタ22の全体が押し込まれる。IVCフィルタ22のアプリケーション側部が前進されながら、それは開口部90へと進む。開口部90へとそして外へと通ってIVCフィルタ22を導くことは、IVCフィルタ22の直接的に当接する任意の可能性を軽減し、曲面を提供する可能性を改善することを目的としてIVUSトランスデューサ28の制御側端部の形成しまたは丸みを帯びさせることによって、大幅に改善することができる。
【0033】
一旦除去フック76が撮像面84におかれると、IVUSトランスデューサ28によって提供されるガイダンスは、IVCフィルタ22の前進を停止するために使用される。以上の説明から理解されるように、外側シース24は移動可能である。
【0034】
外側シース24およびカテーテル29の回転の後、IVCフィルタ22がほぼ中央位置を有しフック76の所望の配向を有するために、次のステップは、制御側方向に、外側シース24を引き戻すことであり、IVCフィルタ22のセカンダリストラット68が拡大することを可能にすることである。セカンダリストラット68がIVC23の内部を横切って完全に配備され(図9参照)た状態で、搬送装置20の残りの部分は引き抜かれ、除去される(図10参照)。引き抜きの初期段階は、制御側方向へのフィルタ搬送装置25の動きを生む。例示的な実施形態では、長ストラット69は、装置25に接続された解放構成を介して配備されている。カテーテルを単独で後退させるのは十分ではなく、装置25は特に不注意な早期の配備を防止するように構成されている。ストラット69は今度は、装置25内のそのくさび形の保持から装置25のより広い開口部へ、最終的には装置25の外に移動する。長ストラット69は、より大きな長さを有し、外側に延びてIVC23の壁に接触する。装置25からストラット69の初期的な解放は、図9に示されている。完全な解放およびストラット68および69の伸張は、図10に示される。
【0035】
本明細書での搬送装置20との関連における「残り」という用語の使用は、IVCフィルタ22が初期的には搬出装置20の一部として含まれているが、IVCフィルタ22が一旦静脈内に配備(すなわち定置)されると、搬送装置20の「残り」はIVCフィルタ22なしであるという事実を指す。IVUSの引き戻しのデータセットは、搬送装置の残りの部分が引き抜かれ、除去されながら記録される。記録されたデータセットは、IVCフィルタ22の正しい配置を確認する医療記録として役立つ。以上の記載から理解されるように、外側シース24とIVCフィルタ22とは、外側シース24の回転がIVCフィルタ22を回転させるように各々協働的に構成され配置される
搬送装置20の一部として含まれてもよい別の機能は、加えシース24の外表面に印刷された定規を追加することである。シース24に印刷された定規を追加することは、IVUSガイド手順の間困難であり得る手順の間に状況認識を向上させる。(定規の可視化を介しての)奥行き情報もまた、配置を計画および確認するために使用することが可能である。
【0036】
搬送装置20の一部として含まれ得るさらに別の機能は、超音波で撮像されたときに、IVCフィルタ22の視認性を向上させるために、エコー源性の機能の追加または包含によって、IVCフィルタ22の構成を変更することである。
【0037】
開示された搬送装置の例示的な実施形態が本明細書に記載されていることを認識するために、以下のことを考慮することは、可能な変形及びオプションの完全な理解に役立つであろう。まず、フィルタフック76が角度的にIVCの中央付近に位置合わせされるように回転するステップを含む搬送手順は任意である。このセンタリングは現在、透視下で行われておらず、IVUSガイダンスの下では、オプションである。ストラット68が拡張されると、フック76は、自然にIVCの中心に向かって押し出される。IVCフィルタ22は、従って、ほとんどの場合自己センタリングである。角度のアライメントステップは、実行される場合、既に小さな可能性である非中心の配備をさらに減らすことが期待される。
【0038】
また、角度のアライメントステップは、必ずしもフックが図7のようにIVUSの撮像面内に前進されることを必要としない。同じ機能は、IVUS画像に対してフィルタの向きを示すためにコンソールを製造および構成する間、IVUSトランスデューサとフィルタとを整合(アライン)することによって達成することができる。この構成は、IVUSトランスデューサ28とフィルタホルダ25とが、それらが独立して動くことができるように構成される必要を除く。
【0039】
さらなる設計バリエーションとして、回転トランスデューサアセンブリを含むことが可能である。このタイプの設計では、トランスデューサは、中空ではないので、ガイドワイヤの管腔は、トランスデューサの中心を通ることができない。従来のトルクケーブルが回転駆動するために使用されている場合は、ガイドワイヤカニューレ26は、トルクケーブルを収容するために使用される。オンサイトのモータが使用される場合、ガイドワイヤカニューレ26が中空である必要はなく、機械的支持のみを提供する。回転トランスデューサを収容するために、代替のガイドワイヤの経路が必要とされる。ガイドワイヤは、拡張器の先端のアプリケーション側の端部から突出する固定長の拡張器管腔44内に恒久的に接着することができる。また、管腔44は拡張器管腔を出ることができ、拡張器36側の制御側部に迅速交換型のワイヤガイドシステムを構成する。
【0040】
搬送装置20にIVUSトランスデューサ28を組み込むことにより、超音波手順の全体は、IVUSトランスデューサ28を取り外すことなく行うことができる。この設計態様は、拡張とシースの配置とフィルタの搬送とIVCフィルタの配置の検証との間に臨床医が超音波イメージングの観点から何が起こっているのか「見る」ことができるので、臨床医は、安全だと感じることができるということを意味する。開示された方法や手順は、潜在的な安全上の問題となる臨床医が「見えない」ことを要とするいずれの手順を有さない。また、患者内にIVUSトランスデューサ28が残るので、カテーテルの交換が必要ではない。これは、手続きを大幅に高速化し、簡素化する。IVCフィルタ22の前に(すなわちアプリケーション側に)IVUSトランスデューサ28を配置することにより、IVCフィルタの配置は、IVCフィルタ22を介してカテーテルを押し込むことなく行うことができる。そうでなければ、カテーテルはIVCフィルタ頂部で捕捉され、誤ってIVCフィルタを移動させ得るため、これは潜在的な安全上のリスクとなる。搬送装置20の開示された実施形態によって、IVCフィルタ22は、超音波ガイド下で迅速かつ簡単に、安全に搬送することが可能である。このアプローチは、本発明によって具現化されるように、透視ガイダンスされた搬送セットを使用する従来技術の手法の改善であると考えられる。搬送装置20は、単一のアクセスサイトを介して導入され、除去されることができる。
【0041】
図11〜13を参照して、搬送装置のアプリケーション側端部のための3つの(3)他の実施形態が示される。最初に図11を参照して、埋め込まれたIVUSトランスデューサ102を含むIVUSフィルタ搬送装置100が開示される。この実施形態は、IVUSトランスデューサ102と「迅速交換」ワイヤガイド104と先端106との設計オプションを提供する。この実施形態は、IVUSトランスデューサ102の特定の構成に依存しない。
【0042】
任意には、IVUSトランスデューサは、中空であってもよいし、中空でなくてもないが、後者がIVUSトランスデューサ102として開示される。このため、利用可能であり、搬送装置100の図示された構造と互換性があるような代替案は、1つの(1)オプションとして、トルクケーブル駆動トランスデューサの使用を含む。その他のオプションは、様々な構成のオンサイトのモータ回転トランスデューサ、アレイトランスデューサ、3Dトランスデューサの使用を含む。
【0043】
搬送装置は、IVUSフィルタ22と機械的支持108とを含み、機械的支持108は、先端106およびトランスデューサ102が配置されるカテーテル110のアプリケーション側または端部と、IVUSフィルタ22およびカテーテル110の本体とが配置される制御側または端部との間の接続を提供する。
【0044】
図11の例示的な実施形態では、機械的支持108は中空であり、ワイヤガイド、トランスデューサケーブル、トルクケーブル、流体管腔、などを受けることができるように構成され、配置されている。代替的に、機械的な支持は、固体部材であってもよい。文字Aで示されるアプリケーション側または端部は、トランスデューサ102の1つの(1)端に隣接する先端106を含む。
【0045】
図11、12および13に示すように、いくつかの設計オプションが、トランスデューサの先端106に利用できる。図11に関連する1つの(1)のオプションは、迅速交換管腔112を用いてトランスデューサの先端部106を構成することである。図12に関連する別のオプションは、ワイヤガイド114の1つの(1)端部がトランスデューサの先端116のアプリケーション側または端部の受開口部118に永久的に埋め込まれるように、ワイヤガイド114とトランスデューサの先端116とを構成することである。図13に関連する別のオプションは、ワイヤガイド(104、114)を除去し、代わりに先端120のアプリケーション側または端部を実質的に半球形状に丸くして形成することである。先端または面におけるこの実質的な半球形状は、対応する搬送装置が所望の位置に移動される際に血管の穿刺または引き裂きのリスクを低減する。
【0046】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に図示および説明してきたが、同じことが例示的であり文字において限定的ではないと考えられるべきであり、好ましい実施形態のみが示され説明され、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神内にあるすべて変更、均等物、および修正が保護されることが望まれると理解される。本明細書で引用したすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照により組み込まれその全体が本明細書に記載されると示されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図2A
図3
図3A
図4
図4A
図5
図5A
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13