(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の例示的実施形態を
図1に示し、
図1は、ジャック34を有する配線盤32と対応するRJ45プラグ36とを含む通信システム30を示している。各ケーブル38はプラグ36で終わり、各ケーブル40はジャック34で終わる。一旦プラグ36がジャック34にはめ合わさると、データが、これらのコネクタの中を通って両方向に流れることができる。通信システム30を
図1に配線盤を有するとして示したが、代替的な実施形態は、他の能動的または受動的な機器を含むことができる。受動的な機器の例は、モジュール式配線盤、パンチダウン配線盤、カプラ配線盤、壁のジャックなどであることができるが、これらに限定されない。能動的な機器の例は、データセンター及び/または通信室で見つけることができる、イーサネット(登録商標)スイッチ、ルータ、サーバ、物理層管理システム、及びパワー・オーバー・イーサネット(登録商標)機器、セキュリティデバイス(カメラ及び他のセンサ、など)及びドアアクセス機器、及びワークステーションエリアで見つけることができる、電話、コンピュータ、ファックス、プリンタ、及び他の周辺機器であることができるが、これらに限定されない。通信システム30は、キャビネットと、ラックと、ケーブル管理及び天井配線システムと、他のそのような機器とをさらに含むことができる。
【0016】
図1のジャックとプラグとの組み合わせは、また、
図2にも示され、
図2は、RJ45プラグ36にはめ合わされたネットワークジャック34を示している。この図では、ネットワークジャック34とRJ45プラグ36との方向を、
図1の方向に比べて、ケーブル40の中心軸の周りで180°回転させていることに留意する。
【0017】
図3は、ネットワークジャック34の分解図を示し、ネットワークジャック34は、前側筐体42と、前側スレッド部分組立品44と、(いくつかの実施形態では、そこにクロストーク補償部品を有し得る)プリント基板(PCB)46と、圧接(IDC)サポート48と、IDC50と、後側筐体52と、ワイヤキャップ54とを含む。現在説明している実施形態では、前側スレッド部分組立品44は、第1のセットのPIC56と第2のセットのPIC60とを含み、前側スレッド58は、プラスチックを含むがこれに限定されない適切な材料から作成することができる。代替的な実施形態では、ジャック34は、金属の薄片などの、性質の異なるクロストーク軽減材料をさらに含むことができる。
【0018】
図4A、
図4B、及び
図4Cは、PIC56とPIC60と前側スレッド58とを有する前側スレッド部分組立品44をより詳細に示している。各PIC56、PIC60に対する下付きの番号は、ANSI/TIA−568−C.2によって定義されるRJ45のピン位置に対応する。
図4Cに示す通り、PIC56は、PIC60の構成とは異なる構成を有する。より具体的には、PIC56を「前回転」と呼ぶことができ、それらのPICが、一般に、対応するプラグにはめ合わされた時、スレッド58の前側領域57の辺りで曲がることを暗示している。
図4Dは、(全てのPIC56の側面の代表である)PIC56のうちの1つの側面を示している。各PIC56は、柔軟ピン74と、下側ビーム部80と、自由端部84と、下側ビーム部80と自由端部84とを接続する湾曲部82とを含む。
【0019】
PIC56の前旋回設計は、自由端部84が、8極のRJ45プラグ接触部との許容可能な垂直抗力も維持しながら、塑性変形の前に、より大きな下向きのたわみに耐えることを可能にすることができる。これらの特性は、PIC56
1とPIC56
8とを残りのPICよりも強い度合いでゆがめる6極プラグにはめ合わせた後に、ジャックがその機能を保持し続けることを可能にすることに役立つことができる。同様に、これらの特性は、また、PIC56
1とPIC56
2とPIC56
7とPIC56
8とを残りのPICよりも強い度合いでゆがめる4極プラグ(たとえば、RJ9)にはめ合わせた後に、ジャックがその機能を保持し続けることを可能にすることに役立つことができる。
【0020】
第2のセットのPIC(PIC60)を「後回転」と呼ぶことができ、それらのPICが、一般に、スレッド58の後部59において曲がることを暗示している。
図4Eは、(全てのPIC60の側面の代表である)PIC60のうちの1つの側面を示している。各PIC60は、柔軟ピン74と、第1の湾曲部86と、第2の湾曲部88と、上側ビーム部90と、上側ビーム部90を脚部94に結合する第1の結合部92と、脚部94を自由端部98に結合する第2の結合部96とを含む。
【0021】
PIC60の設計は、RJ45のペア4:5とペア3:6とが、プラグ36のプラグ接触部からPCB46までのより短い電気路を有することを可能にする。短くなった距離は、4:5ペアと3:6ペアとで生じ得る及び/または発生し得る望ましくないクロストークを減少させるのに役立ち、そうでなければ減少させることを補助することに役立つことができる。
【0022】
図5から
図8は、一実施形態による前側スレッド部分組立品44の組み立てを示している。組み立ての特定の順番を説明するが、組み立て工程のうちの少なくともいくつかのステップの順番を変更することができるということを当業者が認識する、ということに留意する。前側スレッド部分組立品44は、初めに、部分的に形成されたPIC60を前側スレッド58に挿入することによって作られる。
図5に示す通り、PIC60は、前側スレッド58の上部から挿入される。前側スレッドの前側くし部64及び前側スレッドの後側くし部70は、各PICを隣接するPICから離す。スレッド58に挿入されると、PIC60は、後部59によって少なくとも部分的に支えられる。PIC60は、
図6Aに示す通り、後部59において、固定形状部62を介してさらに固定される。いくつかの実施形態では、固定形状部62は杭状であることができる。PIC60の組み立てを終了するために、PIC60の第2の結合部96及び自由端部98が、
図6Bに示す通り、心棒68の周りに巻きつけられ、前側巻き部72を作る。前側巻き部72及び固定形状部62は、PIC60に少なくともいくらかの押さえを提供し、それらを正しい位置に保ち、望まない自由度を減らすまたはなくす。加えて、前側巻き部72は、PIC60がプラグの挿入中に内側に動くことを、PIC60が後方向に移動することを防ぐことによって防ぐ。
【0023】
PIC60を組み立てた後、
図7に示す通り、PIC56を前側スレッド58に接合し、下側ビーム部80が前側スレッド58の下部に沿って伸びるようにする。PIC56を前側スレッド58に完全に接合した時、PIC56は、
図8Aに示す通り、少なくとも1つの固定形状部72によって固定される。その後、
図8Bの方向性矢印によって示す通り、湾曲部82と自由端部84とを前側心棒68の周りに巻きつける。
【0024】
PIC56のセットとPIC60のセットの両方を前側スレッド58に組み立てたら、それらをPCB46に柔軟ピン74を介して取り付ける。その後、前側スレッド部分組立品44とPCB46とを、残りの構成要素と共に、前側筐体42と後側筐体52とに組み立て、ジャック34の組み立てを完了する。
【0025】
本発明の一実施形態による、前側スレッド部分組立品を有するジャックの別の実施形態を
図9に示す。この図は、ネットワークジャック134の分解図を示しており、それは、前側筐体142と、前側スレッド部分組立品144と、(いくつかの実施形態では、そこにクロストーク補償部品を有し得る)PCB146と、IDCサポート148と、IDC150と、後側筐体152と、ワイヤキャップ154とを含む。現在説明している実施形態では、前側スレッド部分組立品144は、第1のセットのPIC156と第2のセットのPIC160と、プラスチックを含むがこれに限定されない適切な材料から作ることができる前側スレッド158とを含む。代替実施形態では、ジャック134は、金属の薄片などの、性質の異なるクロストーク軽減材料をさらに含むことができる。
【0026】
図10及び
図11は、PIC156とPIC160と前側スレッド158とを有する前側スレッド部分組立品144をより詳細に示している。各PIC156、PIC160に対する下付きの番号は、ANSI/TIA−568−C.2によって定義されるRJ45のピン位置に対応する。
【0027】
図11に示す通り、PIC156は、先に説明した実施形態のPIC56と同様の構成を有している。従って、PIC156は、一般に、対応するプラグにはめ合わされた時に、スレッド158の前側領域157の辺りで曲がる前回転PICであり、PIC56と同じ/同様な特徴及び/または利点を示すことができる。
【0028】
図12は、PIC160の側面を示している。PIC160が、PIC160
4とPIC160
6とのためのより長い形状と、PIC160
3とPIC160
5とのためのより短い形状との、2つの別々の形状を備えることに留意する。しかしながら、各PIC160は、柔軟ピン174と、第1の湾曲部186と、第2の湾曲部188と、上側ビーム部190と、上側ビーム部190を脚部194に結合する第1の結合部192と、脚部194を自由端部198に結合する(いくつかの実施形態では、「C字」形カーブとも呼ばれる)第2の結合部196とを含む。
【0029】
PIC160の設計は、RJ45のペア4:5及びペア3:6が、プラグ36のプラグ接触部からPCB146までのより短い電気路を有することを可能にする。短くなった距離は、4:5ペアと3:6ペアとで生じ得る及び/または発生し得る望ましくないクロストークを減少させるのに役立つことができ、そうでなければ減少させることを補助することに役立つことができる。
【0030】
図13Aは、前側スレッド158の正面斜視図を示している。スレッド158の前側領域157は、心棒168と、前側くし部164によって少なくとも部分的に離されている複数の溝169とを含む。前側くし部164は、各PICを隣接するPICから離し、分離するのに役立ち、溝169は、PIC160
3とPIC160
4とPIC160
5とPIC160
6との部分を収納する空洞を提供する。溝169は、床部166と、後壁部167と、(ラッチとも呼ばれ得る)突起形状部165とを含む。各溝は、一対の向かい合うラッチ165
xAとラッチ165
xBとを含み、それらは、PIC160を床部166のごく近くに保つために使用される。ラッチ165
xAは、ラッチ165
xBの手前に置かれ、対応するラッチの各ペアがずれて形成されているようにする。そのような構成は、PICの組み立てに役立つことができ、PIC160の前側スレッド158への挿入中に、PIC160の一時的な、好適には非塑性変形のための余地を提供する。後壁部167は、プラグの挿入中にPIC160が内側に動くことを、PIC160が後方向に移動することを防ぐことによって防ぐ。
図13Bは、PIC156とPIC160とがインストールされた、前側スレッド158を示している。
【0031】
現在説明している実施形態では、ラッチ165は固い突起に成形されている。しかしながら、他の実施形態は、ラッチ165を、PIC160の各溝の中で少なくともいくらかのPIC160の押さえを提供するというタスクを達成する、柔らかく、しなやかな、エラストマーの、及び/または移動可能な形状として実装することができる。さらに、現在説明している実施形態が、2つのラッチ165
xA、165
xBを有する各溝169を示しているが、この構成は単に例示であり、溝169は任意の所望の数のラッチを含むことができる。
【0032】
図12と
図14との側面図で示す通り、PIC160は、PIC160をプラグ36のプラグ接触部によってゆがめた時、ばねとして動作することができる第2の結合部196を有する。第2の結合部196は、十分な垂直抗力と堅固な接触を、PIC160とプラグ36のプラグ接触部との間で、プラグ接触部の位置の全範囲にわたって提供することに役立つことができる。PIC160は、その自由端198において、床部166によって支えられる。PIC160の間でクロストークの容量性カップリングの相対量を減らすために、PIC160の物理的なずれが、第2の結合部196と自由端部198との領域に存在する。現在の実施形態では、交互にずらした構成は、PIC160
3とPIC160
5との第2の結合部196
3、196
5の形状を、PIC160
4とPIC160
6との第2の結合部196
4、196
6の形状と異ならせることによって達成される。交互にずらした構成は、クロストークの原因となっているPIC160間の間隔を広げ、それによって、クロストークのカップリングの量を減少させる。PIC160のずれは、また、
図15に等尺性を保って示されている。
【0033】
図16は、前側スレッド部分組立品144の後面等角図を示している。後側くし部170は、前側スレッド158の特徴であり、スレッドの後部159において各PIC160を隣接するPIC160から離している。PIC156及びPIC160は、スレッド158に固定形状部162によって取り付けられる。いくつかの実施形態では、固定形状部162は杭状であることができる。
図16では、すべての固定形状部162が杭状に示されていることに留意する。しかしながら、固定形状部162
3を除き、他のすべての固定形状部162は、それらの「成形されたままの」状態で示されている。162
3のみが、組み立ての後にそうなるように、杭で支えられて示されている。したがって、固定形状部162が杭状である一実施形態では、すべての固定形状部162は、前側スレッド部分組立品144の最終組み立て状態において、固定形状部162
3のようであることができる。
【0034】
前側スレッド部分組立品144を組み立てるために、PIC156及びPIC160を前側スレッド158に結合する。PIC156は、先に説明した実施形態のPIC56の前側スレッド58への結合と同じ/同様な方法で結合される。PIC160については、それらの第2の結合部196の湾曲を、前側スレッド158とはめ合わさる前に少なくとも部分的に形成して、自由端部198をラッチ165と床部166との間で適切に配置することを確実にしなければならない。第2の結合部196を、自由端部198を適切に配置することができるように形成したら、PIC160を前側スレッド158に結合し、自由端部198が溝169の中に下り、正しい位置にラッチ165を介してはまることを可能にする。PIC160は、固定形状部162によって、前側スレッド158の後部159の近くにさらに固定される。前側スレッド部分組立品144を組み立てた後、今度はそれをPCB146に取り付け、その後、前に説明した通り、ジャック134にインストールすることができる。
【0035】
本発明の一実施形態による、前側スレッド部分組立品を有するジャックのさらに別の実施形態を
図17に示す。この図は、ジャック234の分解図を示し、ジャック234は、前側筐体242と、前側スレッド部分組立品244と、(いくつかの実施形態では、そこにクロストーク補償部品を有し得る)PCB246と、IDCサポート248と、IDC250と、後側筐体252と、ワイヤキャップ254とを含む。性質の異なるクロストーク軽減材料をジャック234の製造で使用することができる。
【0036】
図18Aから
図20は、PIC256と前側スレッド258とを有する前側スレッド部分組立品244をより詳細に示している。各PIC256に対する下付きの数字は、ANSI/TIA−568−C.2によって定義されるRJ45のピン位置に対応する。PIC256は、これらのPICが、一般に、スレッド258の後部259において曲がるため、「後回転」と呼ばれ得る。
【0037】
図19は、前側スレッド部分組立品244の側面図を示し、部分組立品が2つの別々の側面形状を有するPICを含んでいることを示している。PIC256
1は、PIC256
4とPIC256
6とPIC256
8とを代表する側面形状を有し、柔軟ピン274と、湾曲部280と、プラグ接触領域282と、脚部284と、自由端部286とを含む。PIC256
2は、PIC256
3とPIC256
5とPIC256
7とを代表する側面形状を有し、柔軟ピン274と、湾曲部288と、プラグ接触領域282と、脚部284と、自由端部286とを含む。自由端部286は、スレッド258の前側領域に配置された床部290に沿って支えられている。
【0038】
図20は、前側スレッド部分組立品244の平面図を示し、現在説明している実施形態に存在し得る追加的な特徴を示している。特に、スレッド258は、PIC256を正しい位置に維持し、望まない自由度を削減及び/またはなくすための特徴を含む。スレッド258は、前側くし部260を含み、それは、各PIC256を座標凡例262に対してy方向に揃える役割を果たす。(
図21に示す通り、スレッド258の上部294にも存在する)後側くし部264は、PIC256をx方向及び/またはy方向に少なくとも部分的に制約する。PIC256
3及びPIC256
5が、自由度を−x方向でまだ保っているため、これらのPICは、それらの自由端部286に配置された「T字」形状266
3と「T字」形状266
5とをそれぞれ含む。「T字」形状266
3及び「T字」形状266
5は、PIC256
3及びPIC256
5が、−x方向に移動して、くし部260に入ることを少なくとも部分的に防ぐ。「T字」形状266
1及び「T字」形状266
8は、また、PIC256
1とPIC256
8とにおいてもそれぞれ存在して、6極プラグが挿入された時、これらのPICが−x方向に曲がらず、代わりに−z方向に下向きにゆがむことを確実にする助けとなる。同じまたは同様の「T字」形状を、PIC256
2とPIC256
7とにおいても実装して、ジャック234が4極プラグと互換性を有する助けとなることができる。
【0039】
図19に戻って参照すると、PIC256は、それらがRJ45プラグのプラグ接触部にプラグ接触領域282において(または、6極プラグを使用した時のPIC256
1とPIC256
8との場合、プラグの筐体に)接触した時、−z方向にゆがむ。PIC256が、プラグのはめ合わせ中に、−z方向に接触領域282においてゆがむため、PIC256の自由端部286は+x方向に滑る。自由端部286は、床部290と接触するための湾曲接触部292を含むことができる。そのような構成は、ジャック234の物理的性能を、自由端部286がx方向に沿ってより容易に滑ることを可能にすることによって向上させることができる。さらに、床部290による自由端部286の支えは、PIC256とRJ45プラグのプラグ接触部との間の接触面において垂直抗力を増加させることができる。これは、十分な電気接触を確保する上で有益であり得る。
【0040】
図21を参照すると、前側スレッド部分組立品244は、上部294と下部296とを有するツーピースのスレッド258を含む。結合された時、上部294及び下部296は、PIC256をそれぞれの各位置に留める役に立つ。現在説明している実施形態では、上部294及び下部296は、ヒンジ部270を介してお互いにヒンジ連結されて取り付けられており、ラッチ272とラッチくぼみ274とを介して閉じた位置にロックする。しかしながら、代替的な実施形態は、ヒンジ部270を省略し、代わりに、上部294と下部296とを別々の部品として提供することができる。同様に、2つの部分のロックを、ラッチ272とラッチくぼみ274とに頼るかもしれず、頼らないかもしれない他の適切な手段によって達成することができる。さらに別の実施形態では、前側スレッド258を、組み立て時には分断されているブリッジによって上部と下部とが結合される、1つの部品として提供することができる。
【0041】
図22及び
図23は、前側スレッド部分組立品244の組み立てを示している。前側スレッド部分組立品244は、最初に、PIC256をスレッド258の下部296の上に降ろすことによって製造される。すべてのPIC256がそれらの各位置に配置されると、
図23の矢印によって示す通り、スレッド258の上部294を、それが最初の開いた位置から約180°回転し、ラッチ272がラッチくぼみ274に係合するまで、ヒンジ部270を中心にして回転させ、前側スレッド部分組立品244の組み立てを完成させる。ラッチ272とラッチくぼみ274との係合により、上部294と下部296をロックし、PICを動かないようにし、それらの望まない自由度を減らし及び/またはなくす。PICを動かないようにすることは、PIC256を柔軟ピン274の近くの領域に固定し、その領域でのそれらのz方向への移動を制限するブリッジ276(
図18Aと
図18Bも参照)と、スレッド258の前部の近くでPICのz方向への動きを制限する前側ブリッジ298とによって少なくとも部分的に達成される。前側スレッド部分組立品244を組み立てた後、先に説明した通り、次にそれをPCB246に取り付け、その後ジャック234にインストールすることができる。
【0042】
本発明の別の実施形態では(
図24から
図34)、ネットワークジャック334は、前側筐体342と、前側スレッド部分組立品344と、PCB346と、IDCサポート348と、IDC350と、後側筐体352と、ワイヤキャップ354とを含む。前側スレッド部分組立品344は、PIC356と、PIC360と、PIC361と、プラスチック製のスレッド358とを含む。ジャック334及び本明細書で説明する他のジャックは、参照によりあたかも本明細書に完全に明記されるかのように組み込まれる、「Method and system for improving crosstalk attenuation within a plug/jack connection and between nearby plug/jack combinations」という題名のU.S. Patent No.8,362,632(Straka他)において述べた、性質の異なる、クロストークを軽減する金属の薄片をさらに含むことができる。
【0043】
図25は、PIC356とPIC360とPIC361と、スレッド358とを有する前側スレッド部分組立品344を示している。各PIC356、360、361の下付きの番号は、ANSI/TIA−568−C.2によって定義されるRJ45のピン位置を表している。
【0044】
前側スレッド部分組立品344の側面図を
図26に示す。PIC360とPIC361とのずれも、
図27に等尺性を保って示している。PIC361は、PIC361がプラグ36との接触によってゆがんだ時にばねとして動作する前側「C字」形カーブ368を有する。「C字」形カーブ368は、十分な垂直抗力と堅固な接触面を、PIC361とプラグ36の接触部との間で、プラグ接触部の位置の全範囲に渡って提供することに役立つ。PIC361は、それらの自由端部においてプラスチック製のスレッド358の床部によって支えられる。本前側スレッド部分組立品344のこれらのペアの間の容量性クロストークと誘導性クロストークとをさらに減らすために、PIC360は、PIC361がプラグ36との接触によってゆがんだ時に、これもまたばねとして動作する前側「S字」形カーブ369を有するが、「S字」形カーブ369は、クロストークのペアからさらに離れる。ペア3:5とペア4:6との間の補償を増加させるために、PIC360
3は、ペア3:5間の物理的距離を短くする湾曲部371を、RJ45プラグ36のプラグ接触部と、PIC356とPIC360とPIC361との間の電気接触点379の後に含む。この特徴は容量性補償と誘導性補償の両方を改善することができる。PIC361
6は、ペア4:6間の物理的距離を短くする湾曲部373を、電気接触点379の後に含む。この特徴もまた、容量性補償と誘導性補償の両方を改善することができる。PIC361
4は、ペア4:6間の物理的距離を短くする湾曲部375を、電気接触点379の後に含む。この特徴は容量性補償を改善することができる。PIC360
5は、ペア3:5間の物理的距離を短くする湾曲部377を、電気接触点379の後に含む。この特徴は容量性補償を改善することができる。湾曲部375及び湾曲部377は、電気接触点379の前で、PIC361
4とPIC360
5との物理的交差となる。ペアのこの交差により、補償ペア間の距離が短くなる。
【0045】
前側スレッド組立品344は、PIC356とPIC360とPIC361との柔軟ピン372を、
図26に示す3つの異なる平面上に交互に配列する。これは、クロストークペアのさらなる分離を、柔軟ピン372
4と柔軟ピン372
6とを一番上の平面に、柔軟ピン372
3と柔軟ピン372
5とを真ん中の平面に、柔軟ピン372
1と柔軟ピン372
2と柔軟ピン372
7と柔軟ピン372
8とを一番下の平面に配置することによって可能にする。当業者は、PIC360とPIC361との同じ電気的長さを有することが、前側スレッド部分組立品344の電気的バランスを改善するということを理解する。すべてのPICをほぼ同じ電気的長さにするために、湾曲部374がPIC361
4とPIC361
6とに追加されて、柔軟ピン372
3と柔軟ピン372
5とを真ん中の層に落とし、機械的強度を向上させるために必要な追加的な電気的長さを提供する。PIC360及びPIC361は、また、ずれ376において見ることができる、可変の初期プラグ接触部の高さを有する。ずれ376は、電気的接触中のたわみの角度を変化させ、クロストークペア間の間隔を増加させることによってクロストークを最小限に抑える。
【0046】
本発明の前回転PIC356の等角図を
図28で見ることができる。
【0047】
図29は、前側スレッド部分組立品344の正面等角図である。PIC360及びPIC361は、
図29の詳細図に示す通り、前側くし部362の間に配置され、ラッチ364(1つは下付文字「a」によって示され、もう1つのラッチは下付文字「b」によって示されている、各PIC360、361当たり少なくとも1つのラッチ364)によって保たれている。ラッチ364は、PIC360とPIC361とを前側スレッド358の床部367のごく近くに保つために使用され、PIC360が前側くし部362内で保護され、組み立て作業、たとえば、ボウルフィーディング中にダメージを受けないようにする。
【0048】
図30は、前側スレッド部分組立品344の後面等角図である。後側くし部370は、プラスチック製のスレッド358の形状であり、各PIC356、360、361を隣接するPICから離す。PIC360及びPIC361は、プラスチック製のスレッド358に、杭状部378によって固定される。
図30は、また、柔軟ピン372の3つの異なるレベルを示している。
【0049】
図31は、前側スレッド部分組立品344の底面等角図を示している。PIC356は、プラスチック製のスレッド358に杭状部380によって固定されている。
【0050】
図32から
図34は、PCBのためのPCBのレイアウトを示し、ペア3:6とペア4:5とのための補償を示している。さらに、
図32から
図34は、両方がその全体を参照により本明細書に組み込まれる、2012年11月20日に出願された、「Compensation Network Using an Orthogonal Compensation Network」という題名のU.S. Patent Application Publication No.2013/0130560(Bolouri−Saransar他)と、2013年5月30日に出願された、「Communication Connector with Crosstalk Compensation」という題名のU.S. Patent Application Publication No.2014/0011393(Straka他)とにおいて示す方法に類似した技術を用いている。他のペアの組み合わせは、単一段階補償を用いることができ、または補償を必要としないかもしれない。すべての実施形態を、そのような補償方法、及び/または2段階補償などの他の知られている方法を含むように適応させることができる。
【0051】
本発明を数個の実施形態の観点から説明したが、これらの実施形態は、(それらが例示的と示されたか否かに関わらず)非限定的であり、本発明の範囲に含まれる、変更と変形と同等物とがあるということに留意する。加えて、説明した実施形態は、お互いに排他的であると解釈されるべきではなく、代わりに、そのような組み合わせが許される場合、潜在的に組み合わせ可能であるとして理解されるべきである。本発明の方法と装置とを実装する、多くの代替的な方法があるということにも留意すべきである。したがって、後に続き得る特許請求の範囲は、本発明の真の精神と範囲とに含まれる、すべてのそのような変更と変形と同等物とを含むものとして解釈されることが意図される。