(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6524061
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】拡張可能な椎体置換デバイス、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20190527BHJP
【FI】
A61F2/44
【請求項の数】31
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-502569(P2016-502569)
(86)(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公表番号】特表2016-512730(P2016-512730A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014030848
(87)【国際公開番号】WO2014145982
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】61/802,360
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/216,893
(32)【優先日】2014年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/216,513
(32)【優先日】2014年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515259188
【氏名又は名称】スペクトラム スパイン アイピー ホールディングス, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン, ジェームズ シー.
(72)【発明者】
【氏名】ペンデルトン, ジョン イー.
【審査官】
石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0280614(US,A1)
【文献】
特開2003−305068(JP,A)
【文献】
特開2003−325562(JP,A)
【文献】
特表2002−518132(JP,A)
【文献】
特表2011−507612(JP,A)
【文献】
特表2001−518824(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0200244(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0098820(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定し、内部歯状表面を有する第1の筐体と、
外部表面を有し、前記第1の筐体の前記内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる第2の筐体であって、前記第2の筐体は、前記椎体置換デバイスの高さを増加させるように、長手方向に沿って前記第1の筐体に対して移動可能であり、前記第2の筐体の前記外部表面は、前記第1の筐体の前記内部表面と係合可能である、第2の筐体と、
前記第2の筐体の一部と取り外し可能に係合可能な保持部材であって、前記保持部材は、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にしながら、前記椎体置換デバイスの収縮を防止するように構成されており、前記保持部材は、前記第1の筐体の前記内部歯状表面にカム作用されかつ前記内部歯状表面に相補的である少なくとも1つの外側縁部を画定する、保持部材と、
第1の骨接触表面を有する第1の骨接触部材と、
第2の骨接触表面を有する第2の骨接触部材と
を備える、椎体置換デバイス。
【請求項2】
前記第2の筐体および第1の筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定する、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項3】
前記第1の骨接触部材は、前記第1の筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記第1の骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項4】
前記第2の骨接触部材は、前記第2の筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記第2の骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項5】
前記第1の骨接触表面および第2の骨接触表面のうちの少なくとも1つは、隣接骨構造に係合するように構成される複数のスパイクを画定する、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項6】
前記第2の筐体は、前記第1の筐体の前記内部歯状表面に相補的である外部歯状表面を備え、前記2つの歯状表面の係合は、前記椎体置換デバイスの後退を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項7】
前記保持部材は、前記第2の筐体の前記一部の周囲で水平に摺動するようにサイズ決定されたu字形部材である、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項8】
前記保持部材は、少なくとも部分的に、前記第2の筐体の周囲に巻着し、前記第2の筐体の前記外部表面の少なくとも一部に係合するように構成される、cリングを備える、請求項1に記載の椎体置換デバイス。
【請求項9】
椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定し、歯状表面を備える内部表面を有する第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記歯状表面に相補的である外部表面を有する第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの一部と取り外し可能に係合可能な保持部材であって、前記保持部材は、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にしながら、前記椎体置換デバイスの収縮を防止し、前記保持部材は、前記第1のスリーブの前記歯状表面にカム作用されかつ前記歯状表面に相補的である少なくとも1つの外側縁部を画定する、保持部材と
を備え、前記第1のスリーブおよび第2のスリーブは、後退位置から拡張位置まで相互に対して長手方向に移動するように構成される、椎体置換デバイス。
【請求項10】
前記歯状表面は、複数の歯を備え、各歯は、カム表面および平坦表面を備える、請求項9に記載の椎体置換デバイス。
【請求項11】
前記椎体置換デバイスが、前記後退位置から前記拡張位置まで移動されるとき、前記歯のうちの少なくとも1つの前記カム表面は、前記第2のスリーブの前記外部表面の一部のその上に摺動し、前記第1のスリーブが、前記第2のスリーブに対して摺動することを可能にし、前記椎体置換デバイスが、前記拡張位置から前記後退位置まで移動されるとき、前記歯のうちの少なくとも1つの前記平坦表面は、前記第2のスリーブの前記外部表面の一部に係合し、実質的に、そのような移動を防止する、請求項10に記載の椎体置換デバイス。
【請求項12】
前記第2のスリーブの前記外部表面は、相補的に歯状であり、前記歯状表面は、相補的に対向し、拡張する方向では、前記第2のスリーブ上の歯の前記カム表面は、前記第1のスリーブ上の歯の前記カム表面と噛合し、後退する方向では、前記第2のスリーブ上の歯の前記平坦表面は、前記第1のスリーブ上の歯の前記平坦表面に係合することを意味し、前記2つのスリーブが、歯止め様式で前記拡張する方向に移動することを可能にし、前記2つのスリーブが前記後退する方向に移動することを防止する、請求項11に記載の椎体置換デバイス。
【請求項13】
前記第2のスリーブは、1つまたはそれを上回る相補的陥凹を備え、前記陥凹は、前記第1の表面の歯のうちの少なくとも1つの前記平坦表面を補完する、平坦内部縁部を有する、請求項11に記載の椎体置換デバイス。
【請求項14】
前記第2のスリーブの上部に蝶着取着される上側骨接触部材と、前記第1のスリーブの下部に蝶着取着される下側骨接触部材とをさらに備え、隣接椎体を補完するために前記骨接触部材の角形成を可能にする、請求項9に記載の椎体置換デバイス。
【請求項15】
前記第1のスリーブおよび第2のスリーブは、相互に中に入れ子になり、支柱窓を画定し、前記椎体置換デバイスはさらに、前記支柱窓を介して、前記内部空洞の中に留置される、前記内部空洞内に嵌合するように構成される支柱を備え、前記支柱の上部が、角度付けされ、前記上側骨接触部材の一部に係合し、前記支柱の底部が、角度付けされ、前記下側骨接触部材の一部に係合し、前湾のための所望の角度において前記上側骨接触部材および下側骨接触部材を留置する、請求項14に記載の椎体置換デバイス。
【請求項16】
前記支柱は、前記内部空洞のその中に位置付けられるとき、実質的に、前記椎体置換デバイスが前記拡張位置から前記後退位置まで移動することを防止する、請求項15に記載の椎体置換デバイス。
【請求項17】
椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定し、内部歯状表面を有する、外側筐体と、
前記外側筐体の前記内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる内側筐体であって、前記内側筐体は、前記椎体置換デバイスの高さを増加させるように、長手方向に沿って移動可能である、内側筐体と、
前記内側筐体の一部と取り外し可能に係合可能である保持部材であって、前記保持部材は、前記外側筐体の前記内部歯状表面にカム作用されかつ前記内部歯状表面に相補的である少なくとも1つの外側縁部を画定し、前記保持部材は、前記内側筐体と係合して位置付けられるとき、前記椎体置換デバイスの収縮を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、保持部材と、
上側骨接触表面を有する上側骨接触部材と、
下側骨接触表面を有する下側骨接触部材と
を備える、椎体置換デバイス。
【請求項18】
前記内側筐体および外側筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定する、請求項17に記載の椎体置換デバイス。
【請求項19】
前記上側骨接触部材は、前記外側筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記上側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、請求項17に記載の椎体置換デバイス。
【請求項20】
前記下側骨接触部材は、前記内側筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記下側骨接触部材が、前記前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、請求項17に記載の椎体置換デバイス。
【請求項21】
前記上側接触部材および下側骨接触部材のうちの少なくとも1つは、前記それぞれの上側骨接触部材または下側骨接触部材を所望の角度位置に係止するための手段を備える、請求項20に記載の椎体置換デバイス。
【請求項22】
前記それぞれの上側骨接触部材または下側骨接触部材を所望の角度位置に係止するための前記手段は、前記それぞれの骨接触部材と前記それぞれの骨接触部材が接続される前記筐体との間に、取り外し可能に位置付けられるように構成される、楔合部材を備える、請求項21に記載の椎体置換デバイス。
【請求項23】
前記上側接触表面および下側接触表面のうちの少なくとも1つは、隣接骨構造に係合するように構成される、複数の表面突起部を画定する、請求項17に記載の椎体置換デバイス。
【請求項24】
前記複数の表面突起部は、前記スパイクの実質的に全てが前記それぞれの接触表面の下方にある非展開状態から、前記スパイクの少なくとも一部が前記それぞれの接触表面の上方に延在する展開状態に移動することができるスパイクである、請求項23に記載の椎体置換デバイス。
【請求項25】
前記スパイクを展開するための手段をさらに備える、請求項24に記載の椎体置換デバイス。
【請求項26】
椎体を置換するためのシステムであって、前記システムは、
拡張可能な椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定し、内部歯状表面を有する、外側筐体と、
前記外側筐体の前記内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる内側筐体であって、前記内側筐体は、前記拡張可能な椎体置換デバイスの高さを増加させるように、長手方向に沿って移動可能である、内側筐体と、
前記内側筐体の一部と取り外し可能に係合可能である保持部材であって、前記保持部材は、前記外側筐体の前記内部歯状表面にカム作用されかつ前記内部歯状表面に相補的である少なくとも1つの外側縁部を画定し、前記保持部材は、前記内側筐体と係合して位置付けられるとき、前記拡張可能な椎体置換デバイスの収縮を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、保持部材と、
上側骨接触表面を有する上側骨接触部材と、
下側骨接触表面を有する下側骨接触部材と、
を備える、拡張可能な椎体置換デバイスと、
椎体置換拡張ツールと
を備える、システム。
【請求項27】
前記内側筐体および外側筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記上側骨接触部材は、前記外側筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記上側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にし、前記下側骨接触部材は、前記内側筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記下側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記椎体置換拡張ツールは、
第1のハンドルおよび対向する第2のハンドルを有する作動部材であって、前記第1のハンドルおよび第2のハンドルは、蝶着点において蝶着結合され、前記蝶着点は、前記第1のハンドルおよび第2のハンドルのそれぞれの近位端と遠位端との間に位置付けられる、作動部材と、
前記作動部材に結合される平準化部材であって、前記平準化部材は、上側平準化部材および下側平準化部材を有し、前記上側平準化部材および下側平準化部材は、剪刀部材によって分離かつ接続され、前記剪刀部材は、実質的に、それらの中間区分にピン留めされる、第1の剪刀アームおよび第2の剪刀アームを備え、前記第1の剪刀アームの近位端は、前記上側平準化部材の近位端にピン留めされ、前記第1の剪刀アームの遠位端は、摺動関係において、前記下側平準化部材内に画定される伸長スロットに係合するように構成されるピンを備え、前記第2の剪刀アームの近位端は、前記下側平準化部材の近位端にピン留めされ、前記第2の剪刀アームの遠位端は、前記上側平準化部材の近位端が前記下側平準化部材の近位端から分離されるにつれて、前記上側平準化部材の遠位端もまた、前記下側平準化部材の遠位端から高められ、かつ等しく分離されるように、摺動関係において、前記上側平準化部材内に画定される伸長スロットに係合するように構成されるピンを備える、平準化部材と
を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1のハンドルの遠位端は、前記上側平準化部材の近位端に蝶着接続され、前記第2のハンドルの遠位端は、前記下側平準化部材の近位端に蝶着接続されることができる、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記上側平準化部材および下側平準化部材の遠位端は、それぞれ、フォークを備え、前記拡張可能な椎体置換デバイスの部分に係合し、それによって、使用時、第1の分離位置から第2の圧縮位置までの前記作動部材のハンドルの圧縮は、前記平準化部材を相互に実質的に隣接する位置から分離位置まで移動させる、請求項29に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、概して、脊柱外科手術に関し、より具体的には、椎体を除去し、それを拡張可能構造体と置換し、融合目的のために、隣接骨を安定させ、それらの間に通路を提供することに続く、脊椎の安定化のデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
多くの場合、外傷性骨折に起因する、または腫瘍による骨の侵入に起因する、椎骨への損傷は、時として、椎体の除去を必要とする。この手術は、椎体切除術として既知である。椎体切除術に続いて、結果として生じる間隙は、概して、椎体置換(VBR)として既知である耐荷重支持体によって、充填される。これは、隣接骨の間に適切な空間を復元かつ維持することに役立ち、多くの場合、融合が生じることを可能にするために、隣接骨に及ぶ移植片材料を留置するための面積を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
VBRは、間隙に嵌合する、またはある範囲にわたって拡張可能であるようにサイズ決定されてもよい。現在、利用可能である拡張可能なVBRは、有意な制限を有する。これらは、拡張後にそれらの中のチャネル内に移植片材料を適切に詰めることの不能性、隣接骨表面に対するインプラントの上側および底側の満足のいく合致の欠如、複雑である拡張機構を含み、または作動させるために過度の時間がかかる。これらの欠点を克服するであろう、インプラントおよび外科技術の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本明細書に提示されるのは、頸部、胸郭、または腰椎の椎骨椎体切除術に続く、脊柱外科手術の際の使用のための拡張可能VBRデバイスである。このVBRデバイスは、内側筐体および外側筐体を備える。内側筐体および外側筐体は、VBRデバイスの高さを増加または減少させるために、長手方向に相互に対して移動することができる。VBRデバイスは、第1の非拡張位置から第2の完全拡張位置までの範囲、または実質的に、それらの間の任意の位置の範囲内で拡張されることができる。
【0005】
システムがまた、提示され、本システムは、VBRデバイスおよびVBR拡張ツールを備える。一例示的側面では、VBR拡張ツールは、平準化部材に結合される作動部材を備える。使用時、第1の位置から第2の位置までの作動部材のハンドルの圧縮は、相互に実質的に隣接する位置から分離位置まで平準化部材を移動させ、非拡張位置から拡張位置まで拡張可能VBRデバイスを移動させる。
【0006】
拡張可能なVBRを椎体切除術欠陥の中に留置し、VBR拡張ツールを使用して本デバイスの高さを拡張する方法もまた、提示される。本方法は、所望の運動区画にアクセスするステップと、所望の椎体を除去するステップと、除去された椎体の代わりに拡張可能VBRデバイスを位置付けるステップと、拡張可能VBRデバイスを拡張するステップと、拡張可能VBRデバイスを拡張位置に固定するステップとを含む。本方法はまた、上側骨接触部材および/または下側骨接触部材の前湾角度を固定するステップを含むことができる。別の側面では、本方法はまた、移植片空洞を骨成長助長材料で詰めるステップを含む。
【0007】
関連方法もまた、提供される。拡張可能VBRデバイスおよびその使用方法の他の装置、方法、システム、特徴、および利点は、当業者に明白である、または以下の図および発明を実施するための形態の検討に応じて、明白となるであろう。全てのそのような付加的装置、方法、システム、特徴、および利点は、本説明内に含まれ、拡張可能VBRデバイスおよびその使用方法の範囲であって、添付の請求項によって保護されることが意図される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定する第1の筐体と、
前記第1の筐体の内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる第2の筐体であって、長手方向に沿って移動可能であり、前記椎体置換デバイスの高さを増加させる、第2の筐体と、
前記椎体置換デバイスの拡張を可能にしながら、前記椎体置換デバイスの収縮を防止するための手段と、
第1の骨接触表面を有する第1の骨接触部材と、
第2の骨接触表面を有する第2の骨接触部材と、
を備える、椎体置換デバイス。
(項目2)
前記第2の筐体および第1の筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定する、項目1に記載の椎体置換デバイス。
(項目3)
前記第1の骨接触部材は、前記第1の筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記第1の骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、項目1に記載の椎体置換デバイス。
(項目4)
前記第2の骨接触部材は、前記第2の筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記第2の骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、項目1に記載の椎体置換デバイス。
(項目5)
前記第1の骨接触表面および第2の骨接触表面のうちの少なくとも1つは、隣接骨構造に係合するように構成される複数のスパイクを画定する、項目1に記載の椎体置換デバイス。
(項目6)
前記第1の筐体は、歯状内部表面を備え、前記第2の筐体は、前記第1の筐体の歯状内部表面に相補的である歯状外部表面を備え、前記2つの歯状表面の係合は、前記椎体置換デバイスの後退を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、項目1に記載の椎体置換デバイス。
(項目7)
前記第1の筐体の外部表面に係合し、前記第2の筐体に対して前記第1の筐体の移動を制限するように構成される、保持部材をさらに備える、項目1に記載の椎体置換デバイス。
(項目8)
前記保持部材は、少なくとも部分的に、前記第1の筐体の周囲に巻着し、前記第1の筐体の外部表面の少なくとも一部に係合するように構成される、cリングを備える、項目7に記載の椎体置換デバイス。
(項目9)
椎体置換デバイスであって、
歯状表面を備える内部表面を有する第1のスリーブと、
前記歯状表面に相補的である外部表面を有する第2のスリーブと、
を備え、前記第1のスリーブおよび第2のスリーブは、後退位置から拡張位置まで相互に対して長手方向に移動するように構成され、前記第1のスリーブおよび第2のスリーブは、内部空洞を画定する、
椎体置換デバイス。
(項目10)
前記歯状表面は、複数の歯を備え、各歯は、カム表面および平坦表面を備える、項目9に記載の椎体置換デバイス。
(項目11)
前記椎体置換デバイスが、前記後退位置から前記拡張位置まで移動されるとき、前記歯のうちの少なくとも1つのカム表面は、前記第2のスリーブの外部表面の一部のその上に摺動し、前記第1のスリーブが、前記第2のスリーブに対して摺動することを可能にし、前記椎体置換デバイスが、前記拡張位置から前記後退位置まで移動されるとき、前記歯のうちの少なくとも1つの平坦表面は、前記第2のスリーブの外部表面の一部に係合し、実質的に、そのような移動を防止する、項目10に記載の椎体置換デバイス。
(項目12)
前記第2のスリーブの外部表面は、相補的に歯状であり、前記歯状表面は、相補的に対向し、前記拡張方向では、前記第2のスリーブ上の歯のカム表面は、前記第1のスリーブ上の歯のカム表面と噛合し、前記後退方向では、前記第2のスリーブ上の歯の平坦表面は、前記第1のスリーブ上の歯の平坦表面に係合することを意味し、前記2つのスリーブが、歯止め様式で前記拡張方向に移動することを可能にし、前記2つのスリーブが前記後退方向に移動することを防止する、項目11に記載の椎体置換デバイス。
(項目13)
前記第1のスリーブは、歯状内部表面を備え、前記第2のスリーブは、1つまたはそれを上回る相補的陥凹を備え、前記陥凹は、前記第1の表面の歯のうちの少なくとも1つの平坦表面を補完する、平坦内部縁部を有する、項目11に記載の椎体置換デバイス。
(項目14)
前記第2のスリーブの上部に蝶着取着される上側骨接触部材と、前記第1のスリーブの下部に蝶着取着される下側骨接触部材とをさらに備え、前記隣接椎体を補完するために骨接触部材の角形成を可能にする、項目9に記載の椎体置換デバイス。
(項目15)
前記第1のスリーブおよび第2のスリーブは、相互に中に入れ子になり、支柱窓を画定し、前記椎体置換デバイスはさらに、前記支柱窓を介して、前記内部空洞の中に留置される、前記内部空洞内に嵌合するように構成される支柱を備え、前記支柱の上部が、角度付けされ、前記上側骨接触部材の一部に係合し、前記支柱の底部が、角度付けされ、前記下側骨接触部材の一部に係合し、前湾のための所望の角度において前記上側骨接触部材および下側骨接触部材を留置する、項目14に記載の椎体置換デバイス。
(項目16)
前記支柱は、前記内部空洞のその中に位置付けられるとき、実質的に、前記椎体置換デバイスが前記拡張位置から前記後退位置まで移動することを防止する、項目15に記載の椎体置換デバイス。
(項目17)
椎体を置換するための方法であって、
所望の運動区画にアクセスするステップと、
所望の椎体を除去するステップと、
前記除去された椎体の代わりに、拡張可能な椎体置換デバイスを位置付けるステップと、
前記拡張可能な椎体置換デバイスを拡張するステップと、
前記拡張可能な椎体置換デバイスを拡張位置に固定するステップと、
を含み、前記椎体置換デバイスは、
内部空洞を画定する第1の筐体と、
前記第1の筐体の内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる第2の筐体であって、前記第2の筐体は、長手方向に沿って移動可能であり、前記椎体置換デバイスの高さを増加させ、前記第1の筐体は、前記第2の筐体に対して拡張方向に移動することができる、第2の筐体と、
第1の骨接触表面を有する第1の骨接触部材と、
第2の骨接触表面を有する第2の骨接触部材と、
を備える、方法。
(項目18)
前記第2の筐体および第1の筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定し、前記方法はさらに、前記移植片空洞を骨成長助長材料で詰めるステップを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第1の骨接触部材は、前記第1の筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記第1の骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にし、前記第2の骨接触部材は、前記第2の筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記第2の骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、項目17に記載の方法。
(項目20)
椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定し、内部歯状表面を有する、外側筐体と、
前記外側筐体の内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる内側筐体であって、長手方向に沿って移動可能であり、前記椎体置換デバイスの高さを増加させる、内側筐体と、
前記内側筐体の一部と取り外し可能に係合可能である保持部材であって、前記外側筐体の内部歯状表面にカム作用され、かつそれに相補的である、少なくとも1つの外側縁部を画定し、前記内側筐体と係合して位置付けられるとき、前記椎体置換デバイスの収縮を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、保持部材と、
上側骨接触表面を有する上側骨接触部材と、
下側骨接触表面を有する下側骨接触部材と、
を備える、デバイス。
(項目21)
前記内側筐体および外側筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定する、項目20に記載の椎体置換デバイス。
(項目22)
前記上側骨接触部材は、前記外側筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記上側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、項目20に記載の椎体置換デバイス。
(項目23)
前記下側骨接触部材は、前記内側筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記下側骨接触部材が、前記前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、項目20に記載の椎体置換デバイス。
(項目24)
前記上側接触部材および下側骨接触部材のうちの少なくとも1つは、前記それぞれの上側骨接触部材または下側骨接触部材を所望の角度位置に係止するための手段を備える、項目23に記載の椎体置換デバイス。
(項目25)
前記それぞれの上側骨接触部材または下側骨接触部材を所望の角度位置に係止するための前記手段は、前記それぞれの骨接触部材と前記それぞれの骨接触部材が接続される前記筐体との間に、取り外し可能に位置付けられるように構成される、楔合部材を備える、項目24に記載の椎体置換デバイス。
(項目26)
前記上側接触表面および下側接触表面のうちの少なくとも1つは、隣接骨構造に係合するように構成される、複数の表面突起部を画定する、項目20に記載の椎体置換デバイス。
(項目27)
前記複数の表面突起部は、非展開状態から移動することができる、スパイクであり、実質的に、前記スパイクの全ては、展開状態に対して、前記それぞれの接触表面の下方にあり、前記スパイクの少なくとも一部は、前記それぞれの接触表面の上方に延在する、項目26に記載の椎体置換デバイス。
(項目28)
前記スパイクを展開するための手段をさらに備える、項目27に記載の椎体置換デバイス。
(項目29)
椎体を置換するための方法であって、
所望の運動区画にアクセスするステップと、
所望の椎体を除去するステップと、
前記除去された椎体の代わりに、拡張可能な椎体置換デバイスを位置付けるステップと、
前記拡張可能な椎体置換デバイスを拡張するステップと、
前記拡張可能な椎体置換デバイスを前記拡張位置に固定するステップと、
を含み、前記椎体置換デバイスは、
内部空洞を画定し、内部歯状表面を有する、外側筐体と、
前記外側筐体の内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる内側筐体であって、長手方向に沿って移動可能であり、前記椎体置換デバイスの高さを増加させる、内側筐体と、
前記内側筐体の一部と取り外し可能に係合可能である保持部材であり、前記外側筐体の内部歯状表面にカム作用され、かつそれに相補的である、少なくとも1つの外側縁部を画定し、前記内側筐体と係合して位置付けられるとき、前記椎体置換デバイスの収縮を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、保持部材と、
上側骨接触表面を有する上側骨接触部材と、
下側骨接触表面を有する下側骨接触部材と、
を備える、方法。
(項目30)
前記内側筐体および外側筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定し、前記方法はさらに、前記移植片空洞を骨成長助長材料で詰めるステップを含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記上側骨接触部材は、前記外側筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記上側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にし、前記下側骨接触部材は、内側筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記下側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にし、前記方法はさらに、前記上側骨接触部材および下側骨接触部材のうちの少なくとも1つの前湾角度を固定するステップを含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
椎体を置換するためのシステムであって、前記システムは、
拡張可能な椎体置換デバイスであって、
内部空洞を画定し、内部歯状表面を有する、外側筐体と、
前記外側筐体の内部空洞の少なくとも一部の中に入れ子になる内側筐体であって、長手方向に沿って移動可能であり、前記拡張可能な椎体置換デバイスの高さを増加させる、内側筐体と、
前記内側筐体の一部と取り外し可能に係合可能である保持部材であって、前記外側筐体の内部歯状表面にカム作用され、かつそれに相補的である、少なくとも1つの外側縁部を画定し、前記内側筐体と係合して位置付けられるとき、前記拡張可能な椎体置換デバイスの収縮を防止しながら、前記椎体置換デバイスの拡張を可能にする、保持部材と、
上側骨接触表面を有する上側骨接触部材と、
下側骨接触表面を有する下側骨接触部材と、
を備える、拡張可能椎体置換デバイスと、
椎体置換拡張ツールと、
を備える、システム。
(項目33)
前記内側筐体および外側筐体は、骨移植片材料の留置のための移植片空洞を画定する、項目32に記載のシステム。
(項目34)
前記上側骨接触部材は、前記外側筐体の上部の一部に枢動可能に接続され、前記上側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にし、前記下側骨接触部材は、前記内側筐体の下部の一部に枢動可能に接続され、前記下側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成されることを可能にする、項目32に記載のシステム。
(項目35)
前記椎体置換拡張ツールは、
第1のハンドルおよび対向する第2のハンドルを有する作動部材であって、前記第1のハンドルおよび第2のハンドルは、蝶着点において蝶着結合され、前記蝶着点は、前記第1のハンドルおよび第2のハンドルのそれぞれの近位端と遠位端との間に位置付けられる、作動部材と、
前記作動部材に結合される平準化部材であって、上側平準化部材および下側平準化部材を有し、前記上側平準化部材および下側平準化部材は、剪刀部材によって分離かつ接続され、前記剪刀部材は、実質的に、それらの中間区分にピン留めされる、第1の剪刀アームおよび第2の剪刀アームを備え、前記第1の剪刀アームの近位端は、前記上側平準化部材の近位端にピン留めされ、前記第1の剪刀アームの遠位端は、摺動関係において、前記下側平準化部材内に画定される伸長スロットに係合するように構成されるピンを備え、前記第2の剪刀アームの近位端は、前記下側平準化部材の近位端にピン留めされ、前記第2の剪刀アームの遠位端は、前記上側平準化部材の近位端が前記下側平準化部材の近位端から分離されるにつれて、前記上側平準化部材の遠位端もまた、前記下側平準化部材の遠位端から高められ、かつ等しく分離されるように、摺動関係において、前記上側平準化部材内に画定される伸長スロットに係合するように構成されるピンを備える、平準化部材と、
を備える、項目34に記載のシステム。
(項目36)
前記第1のハンドルの遠位端は、前記上側平準化部材の近位端に蝶着接続され、前記第2のハンドルの遠位端は、前記下側平準化部材の近位端に蝶着接続されることができる、項目35に記載のシステム。
(項目37)
前記上側平準化部材および下側平準化部材の遠位端は、それぞれ、フォークを備え、前記拡張可能な椎体置換デバイスの部分に係合し、それによって、使用時、第1の分離位置から第2の圧縮位置までの前記作動部材のハンドルの圧縮は、前記平準化部材を相互に実質的に隣接する位置から分離位置まで移動させる、項目35に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する、添付の図面は、本発明のある側面を図示し、説明とともに、限定ではないが、本発明の原理を説明する役割を果たす。そこで使用される同様の参照文字は、いくつかの図面を通して、同様の部品を示す。
【0009】
【
図1】
図1は、VBRデバイスの一側面の部分的分解正面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のVBRデバイスの部分的分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のVBRデバイスの部分的分解側面図である。
【
図4】
図4は、
図1のVBRデバイスの部分的分解正面図である。
【
図6】
図6は、非拡張位置におけるVBRデバイスの別の側面の正面図である。
【
図7】
図7は、拡張位置における
図6のVBRデバイスの斜視図である。
【
図9】
図9は、VBRが拡張位置から後退位置に移動することを拘止するための歯止め機構を示す、
図6のVBRデバイスの破断正面図である。
【
図10】
図10は、内側スリーブの外壁に画定される陥凹を伴う外側スリーブの内壁上に位置付けられる歯の関係を示す、
図6のVBRデバイスの内側スリーブの内壁の部分斜視図である。
【
図11】
図11は、
図10のVBRデバイスの内側スリーブおよび外側スリーブの係合の破断面図である。
【
図12】
図12は、2つの椎骨の間に位置付けられるVBRデバイスを示す、
図6のVBRデバイスの斜視図である。
【
図13】
図13は、VBR拡張ツールを伴うVBRデバイスを示す、
図6のVBRデバイスの斜視図である。
【
図14】
図14は、内側筐体および外側筐体を示す、VBRデバイスの一側面の正面図である。
【
図16】
図16は、内側筐体の歯状内側表面と係合されるギヤを示す、
図14のVBRデバイスの破断正面図である。
【
図19】
図19は、非拡張位置におけるVBRデバイスの一側面の正面図である。
【
図20】
図20は、骨接触部材を角度付ける楔合部材を例証する、拡張位置における
図19のVBRデバイスの正面図である。
【
図21】
図21は、骨接触部材を平坦位置に保つように位置付けられる楔合部材を例証する、部分的拡張位置における
図19のVBRデバイスの正面図である。
【
図25】
図25は、VBRデバイスの使用のための楔合部材の斜視図である。
【
図26】
図26は、2つの椎骨の間にVBRデバイスを例証する、
図19の非拡張位置におけるVBRデバイスの斜視図である。
【
図27】
図27は、2つの椎骨の間にVBRデバイスを例証する、拡張位置における
図19のVBRデバイスの正面図である。
【
図28】
図28は、2つの椎骨の間にVBRデバイスを例証する、
図19の拡張位置におけるVBRデバイスの斜視図である。
【
図29】
図29は、定位置に保持部材を伴い、2つの椎骨の間にVBRデバイスを例証する、拡張位置における
図19のVBRデバイスの斜視図である。
【
図30】
図30は、拡張ツールによって拡張されるVBRデバイスを示す、
図19のVBRデバイスの斜視図である。
【
図31】
図31は、VBRデバイスのための外側筐体の斜視図である。
【
図32】
図32は、骨接触部材の角度位置に係止するためのブレードおよびスロットを例証する、
図31の外側筐体の正面図である。
【
図35】
図35は、ブレードを位置に係止する止めねじを例証する、
図31の外側筐体の正面図である。
【
図39】
図39は、骨接触部材の角度位置に係止する伸長枢動部材を有する、VBRデバイスのための外側筐体の部分的透明斜視図である。
【
図43】
図43は、角度付けされた位置における上側骨接触部材を例証する、
図39の外側筐体の正面図である。
【
図44】
図44は、枢動部材の受容のための溝部を示す、
図39の外側筐体の部分的透明上面平面図である。
【
図49】
図49は、上側骨接触部材に対応する展開可能スパイクを例証する、VBRデバイスの部分的透明斜視図である。
【
図50】
図50は、展開可能スパイクと関連付けられる傾斜部材を例証する、
図49のVBRデバイスの部分的透明断面斜視図である。
【
図50A】
図50は、
図49のVBRデバイスにおける使用のための傾斜部材および展開可能スパイクの斜視図である。
【
図51】
図51は、後退位置におけるスパイクを例証する、
図49のVBRデバイスの側面図である。
【
図53】
図53は、後退位置におけるスパイクを例証する、
図49のVBRデバイスの背面図である。
【
図55】
図55は、展開位置におけるスパイクを例証する、
図49のVBRデバイスの側面図である。
【
図57】
図57は、展開位置におけるスパイクを例証する、
図49のVBRデバイスの背面図である。
【
図59】
図59は、展開可能可撓性スパイクを例証する、VBRデバイスの部分的透明斜視図である。
【
図60】
図60は、後退位置におけるスパイクを例証する、
図59のVBRデバイスの部分的透明側面図である。
【
図62】
図62は、後退位置におけるスパイクを例証する、
図59のVBRデバイスの背面図である。
【
図64】
図64は、展開位置におけるスパイクを例証する、
図59のVBRデバイスの部分的透明側面図である。
【
図66】
図66は、展開位置におけるスパイクを例証する、
図59のVBRデバイスの背面図である。
【
図68】
図68は、VBRデバイスおよびVBRデバイス拡張ツールの一側面の斜視図である。
【
図69】
図69は、後退位置または非拡張位置におけるVBRデバイスと係合されるVBR拡張ツールを例証する、
図68のVBR拡張ツールの側面図である。
【
図70】
図70は、拡張後に、VBRデバイスと係合されるVBR拡張ツールを例証する、
図68のVBR拡張ツールの側面図である。
【
図71】
図71は、VBR拡張ツールのための剪刀部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の説明)
本発明は、以下の発明を実施するための形態、実施例、および請求項、ならびにその前後の説明を参照することによって、より容易に理解され得る。本システム、デバイス、および/または方法が、開示および説明される前に、本発明は、別様に規定されない限り、開示される具体的システム、デバイス、および/または方法に限定されず、それらは、当然ながら、可変であり得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の側面を説明する目的のためのものであって、限定を意図するものではないことを理解されたい。
【0011】
本発明の以下の説明は、その最良の現在既知の側面における本発明の有効教示として提供される。当業者は、依然として、本発明の有益な結果を得ながら、多くの変更が、説明される側面に行なわれ得ることを認識するであろう。また、本発明の所望の利点のいくつかは、他の特徴を利用せずに、本発明の特徴のいくつかを選択することによって得られ得ることが明白となるであろう。故に、当業者は、本発明に対する多くの修正および適合が、可能性として考えられ、ある状況においては望ましくさえあり得、かつ本発明の一部であることを認識するであろう。したがって、以下の説明は、その限定としてではなく、本発明の原理の例証として提供される。
【0012】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照も含む。したがって、例えば、「プレート」という言及は、文脈によって明確に別様に示されない限り、2つまたはそれを上回るプレートを有する側面を含む。
【0013】
範囲は、本明細書では、「about(約)」ある特定の値から、および/または「about(約)」別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の側面は、ある特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用によって、近似値として表現されるとき、特定の値が別の側面を形成することを理解されるであろう。さらに、範囲のそれぞれの終点は、他の終点に関連して、および他の終点から独立しての両方において重要であることを理解されたい。
【0014】
本明細書で使用されるように、用語「optional(随意の)」または「optionally(随意に)」は、続いて説明される事象または状況が、生じてもよく、またはそうでなくてもよく、その説明が、該事象または状況が生じる事例および生じない事例を含むことを意味する。
【0015】
「exemplary(例示的)」または「exemplified(例示される)」等の本明細書に使用される用語は、選好を示すことを意味しないが、むしろ、その後に議論された側面が、単に提示される側面の一実施例であることを説明することを意味する。
【0016】
加えて、本明細書で使用されるように、「substantially(実質的に)」、「generally(概して)」、「approximately(約)」、および同等物等の関連用語は、任意の定量的比較、値、測定、または他の表現に帰属され得る、不確実性の特有の程度を表すために本明細書で利用される。これらの用語はまた、定量的表現が、争点の主題の基本的な機能の変更をもたらさずに、述べられた参照から変形し得る、程度を表すために本明細書で利用される。
【0017】
一側面では、本明細書に提示されるのは、頸部、胸郭、または腰椎の椎骨椎体切除術に続く、脊柱外科手術の際の使用のための拡張可能なVBRデバイス10である。VBRデバイスは、内側筐体100および外側筐体200を備える。内側筐体100および外側筐体200は、長手方向に相互に対して移動し、VBRデバイス10の高さを増加または減少させることができる。一例示的側面では、外側筐体は、内側筐体が非拡張位置で入れ子になることができる、内部空洞210を画定する。別の側面では、内側筐体100および外側筐体200はともに、限定ではないが、同種移植片、代替骨、または他の生体適合性骨成長助長材料を含む、骨移植片材料の留置のための移植片空洞215を画定する。
【0018】
VBRデバイスは、第1の非拡張位置から第2の完全拡張位置までの範囲、または実質的に、それらの間の任意の位置の範囲内で拡張されることができる。例示的側面では、外側筐体200の内部表面220が、歯状表面225を備える。歯状表面は、突起等の凸型、または陥凹等の凹型であることができる。一側面では、同様に、内側筐体100の外部表面110は、歯状表面125を備える。各歯は、カム表面130およびカム表面230と、平坦表面135および平坦表面235とを備えることができる。一側面では、歯状表面は、相補的に対向し、拡張方向において、外側筐体200上の歯225のカム表面230は、内側筐体100上の歯125のカム表面130と噛合し、後退方向において、外側筐体200上の歯230の平坦表面235は、内側筐体100上の歯125の平坦表面135に係合することを意味する。この関係は、2つの筐体が、歯止め様式で拡張方向に移動することを可能にするが、2つの筐体が後退方向に移動することを防止する。
【0019】
別の例示的側面では、各歯125および225は、平坦表面を伴わずに、2つのカム表面130および230を備えることができる。加えて、VBRデバイスは、内側筐体の歯状表面の少なくとも一部に係合し、内側筐体に対して外側筐体の長手方向の上下移動を防止するように構成された保持部材300を備えることができる。一側面では、保持部材は、内側筐体100の外部表面110の少なくとも一部分の周囲に水平に摺動するようにサイズ決定されるu字形部材であることができる。
【0020】
さらに別の例示的側面では、内側筐体は、歯状縁部165を有する窓160を画定してもよい。この側面では、ギヤ260が、内側筐体100の窓160の歯状縁部165に係合するように構成される外側筐体200上に位置付けられることができる。一側面では、内側筐体の外部表面110は、歯状表面125を備えてもよい。VBRデバイスはまた、内側筐体の外部表面に係合し、外側筐体に対して内側筐体の移動を制限するように構成される、保持部材300を備えることができる。保持部材は、少なくとも部分的に、内側筐体の周囲に巻着し、内側筐体の外部表面上の歯の少なくとも1つに係合するように構成されるcリングであることができる。
【0021】
保持部材300は、例えば、外側筐体200の内部表面220の歯状表面225にカム作用され、かつそれに相補的である、縁部310を有することができる。しかしながら、歯状表面は、概して、傾斜されるため、保持部材の縁部は、角度付けされる、傾斜される、またはカム作用される必要がない。また、保持部材の縁部310は、外側筐体200の内部表面220の歯状表面225の平坦部235を保持するために、実質的に平坦である上面表面315を有することが想定される。さらに別の側面では、保持部材は、内側筐体の一部に取り外し可能に取着されることができる。
図20に例証されるように、内側筐体100の上部140は、トング部145を備えることができ、保持部材300の縁部310は、対応する溝320を備え、保持部材が、内側筐体の上部の位置に摺動することを可能にすることができる。この側面では、保持部材が内側筐体と係合して位置付けられるとき、外側筐体は、依然として、拡張位置に向かって上方向に歯止めで動かすことが可能でありながら、非拡張位置に向かって下方に後退することが防止される。保持部材が、内側筐体との係合から移動されるとき、外側筐体は、したがって、実質的に妨げられない、いずれかの方向に移動することができる。
【0022】
例示的側面では、VBRデバイスは、上側骨接触部材400および下側骨接触部材450を備える。上側骨接触部材400は、第1の椎骨の下部と接触のために構成される上側骨接触表面410を有する。下側骨接触部材450は、第2の椎骨の上部と接触のために構成される下側骨接触表面460を有する。上側骨接触部材および下側骨接触部材の一方または両方は、実質的に平面状であることができる。一側面では、上側骨接触部材は、外側筐体の上部240の一部に枢動可能に接続されることができる。枢動点415は、例えば、実質的に、上側骨接触部材の中心にあり、上側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成することを可能にすることができる。本機能は、VBRデバイスが、患者の解剖学的構造に適応することを可能にする。認識されることができるように、下側骨接触部材450は、内側筐体100の底部150の一部に枢動可能に接続されることができる。枢動点465は、例えば、実質的に、下側骨接触部材450の中心にあり、下側骨接触部材が、前方向または後方向のいずれかに角形成することを可能にすることができる。
【0023】
さらに別の側面では、VBRデバイスは、内側スリーブ500および外側スリーブ550を備え、外側スリーブおよび内側スリーブは、後退位置から拡張位置まで相互に対して長手方向に移動するように構成される。内側スリーブおよび外側スリーブは、内部空洞555を画定する。例示的側面では、外側スリーブ550の内部表面560は、歯状表面565を備える。一側面では、内側スリーブ500の外部表面510は、同様に、歯状表面515を備える。各歯は、カム表面516およびカム表面566と、平坦表面517および平坦表面567とを備えることができる。一側面では、歯状表面は、相補的に対向し、拡張方向において、外側スリーブ上の歯のカム表面は、内側スリーブ上の歯のカム表面と噛合し、後退方向において、外側スリーブ上の歯の平坦表面は、内側スリーブ上の歯の平坦表面に係合することを意味する。この関係は、2つのスリーブが、歯止め様式で拡張方向に移動することを可能にするが、2つのスリーブが後退方向に移動することを防止する。当業者が認識することができるように、相補的歯状表面の代わりに、内側スリーブおよび外側スリーブは、一方の歯状表面を備え、他方の表面上に相補的陥凹520を画定することができ、ここで、陥凹520は、他方の表面の歯の平坦表面567を相補する、平坦な内部縁部522を有する。
【0024】
この側面では、上側骨接触部材は、外側スリーブの上部580に蝶着取着されることができ、下側骨接触部材は、内側スリーブの下部530に蝶着取着されることができる。この構成は、隣接椎体を相補するために骨接触部材の角形成を可能にする。例示的側面では、内側スリーブおよび外側スリーブは、相互に中に入れ子になり、支柱窓570を画定する。この側面では、VBRデバイスは、支柱窓570を介して内部空洞の中に留置される、内部空洞555内に嵌合するように構成される支柱20を備える。例示的側面では、支柱の上部21が、角度付けされ、支柱22の底部もまた、角度付けされる。支柱の上部21は、上側骨接触部材400の一部に係合し、支柱の上部の角度は、前湾のための所望の角度に上側骨接触部材を留置する。同様に、支柱の底部22は、下側骨接触部材450の一部に係合し、支柱の下部の角度は、前湾のための所望の角度に下側骨接触部材を設置する。支柱は、当然ながら、実質的に、VBRデバイスが拡張位置から後退位置まで移動することを防止する。
【0025】
上側骨接触部材400および下側骨接触部材450の一方または両方は、スパイク600または突起部を備え、それぞれの椎骨との係合を促進することができる。スパイクは、それぞれの上側骨接触部材または下側骨接触部材と統合することができるか、またはディスク空間の中に挿入の後に展開されることができる。一例示的側面では、
図42に例証されるように、それぞれの骨接触部材は、スパイク空洞620と連通する少なくとも1つのスパイク開口610を画定することができる。スパイクは、実質的かつ完全に、スパイク空洞620のその中に嵌合するようにサイズ決定されることができる。一側面では、傾斜部材630が、部分的に、スパイク空洞620と同軸であるオリフィス635を画定する骨接触部材内に画定される、チャネル650内に位置付けられることができる。オリフィスおよびスパイクの縁部は、相補的カム640およびフォロア645を備え、傾斜部材630が、第1の方向に移動されるとき、スパイクは、傾斜部材に沿って乗り上げ、それを持ち上げ、スパイクの遠位部を骨接触部材の骨接触表面の上方に延在させるように表面に出る。当然ながら、スパイクは、複数のスパイクを備えることができ、スパイク空洞は、複数のスパイク空洞を備えることができることが想定される。加えて、傾斜部材は、複数の傾斜部材を備えることができる。各傾斜部材は、
図42に例証されるように、それぞれ、スパイクおよびスパイク空洞に対応する、複数のオリフィスを画定してもよい。
【0026】
別の側面では、スパイク600は、ニチノールまたはばね鋼鉄等の可撓性材料を備えることができる。この側面では、スパイクは、それぞれの骨接触表面に実質的に平行である平面内のそれぞれの骨接触部材内のチャネル650内に最初に埋め込まれることができる。スパイク開口610のそれぞれは、可撓性があるスパイクが、スパイク開口に向かって移動されるとき、スパイクが、スパイク開口の上方に、かつそれを通して角度付けするであろうように、骨接触部材の傾斜または角度付けされた部分655と関連付けられることができる。
【0027】
一例示的側面では、骨接触部材の一方または両方は、角度位置に係止され、実質的に、それぞれの骨接触部材が、それぞれの内側筐体または外側筐体に対して枢動することを拘止することができる。一側面では、
図25に示されるように、それぞれの骨接触部材は、骨接触部材400および骨接触部材450の第2の表面420および第2の表面470上に位置付けられるブレード700を備え、これは、骨接触表面に対向し、第2の表面に実質的に垂直であることができる。この側面では、どの骨接触部材が議論されているかに応じて、外側筐体の上側または内側筐体の底側は、ブレード700の受容のために構成されたブレードスロット710を画定することができる。それぞれの筐体はまた、ねじ山付き開口720内に嵌合するように適合される止めねじ730の受容のために構成されたねじ山付き開口720を画定し、ブレード700の一部に係合し、実質的に、それぞれの筐体に対してその位置に固定することができる。図に示されるように、ブレードは、止めねじの端部がそれぞれの骨接触部材を角度位置に保持することを補助するために係合し得る、複数のブレード開口を画定することができる。
【0028】
別の側面では、
図32aに示されるように、それぞれの骨接触部材は、外側筐体の上面表面240(または内側筐体の底側表面)に画定されるそれぞれの溝部810内に嵌合するように構成される、少なくとも1つの伸長枢動部材800を備えることができる。伸長枢動部材800は、実質的に円筒状の形状を備えることができるが、他の形状も想定される。一側面では、少なくとも、伸長枢動部材の遠位端805が、隆起および/または陥凹パターン820を画定することができる。この側面では、溝部810の一部は、相補的にパターン化された隆起および/または陥凹区分825を画定する。一側面では、パターンは、
図32aに示されるように、星形であるが、他の相補的パターンも想定される。この側面では、溝部のパターン化された部分と係合する枢動部材の遠位端を押勢することは、それぞれの筐体に対して骨接触部材の角度を固定する。例えば、止めねじ830が、
図37に示されるように、溝部のパターン化された部分と係合する枢動部材を押勢するために、使用されてもよい。
【0029】
さらに別の側面では、それぞれの骨接触部材は、骨接触部材とそれぞれの筐体との間の空間内において、楔合部材900の挿入によって、角度位置に係止することができる。
図20は、上側骨接触部材と外側筐体との間の楔合部材と、下側骨接触部材と内側筐体との間の別の楔合部材とを示す。楔合部材は、所望の角度を達成するために、種々の方法で構成されることができる。一側面では、楔合部材は、ねじ等の固定デバイスでVBRに固定されることができる。
【0030】
VBRデバイスおよびVBR拡張ツール1000を備える、システムが提示される。一例示的側面では、VBR拡張ツール1000は、平準化部材1200に結合される、作動部材1100を備える。作動部材は、対向する第2のハンドル1120に蝶着に結合される第1のハンドル1110を備える。第1のハンドルは、人の手および遠位端1114によってそれらの間に蝶着点1130を伴って保持されるように構成される近位端1112を備える。第2のハンドル1120もまた、人の手および遠位端1124によってそれらの間に蝶着点1130を伴って保持されるように構成される近位端1122を備える。作動部材は、ハンドルの近位端がそれらの最大分離位置であり、ハンドルの遠位端が実質的にその最近接位置である第1の位置から、ハンドルの近位端が相互に向かって圧縮され、ハンドルの遠位端が分離される第2の位置まで、移動するように構成される。VBR拡張ツールはまた、他のハンドル上に位置付けられるキャッチ機構1145に係合するように構成される第1のハンドルまたは第2のハンドルのうちの1つの近位端に蝶着接続される、圧縮保持部材1140を備えることができる。圧縮保持部材は、キャッチ機構と係合されるとき、実質的に、圧力を第1のハンドルおよび第2のハンドル上に維持する。
【0031】
VBR拡張ツールについて継続し、平準化部材1200は、上側平準化部材1210および下側平準化部材1220を備え、2つの平準化部材は、剪刀部材1250によって分離かつ接続される。剪刀部材は、第1の剪刀アーム1260および第2の剪刀アーム1270を備える。一般的剪刀と同様に、剪刀アーム1260および剪刀アーム1270は、実質的に、それらの中間区分1280にピン留めされる。第1の剪刀アーム1260の近位端1262は、上側平準化部材1210の近位端1212にピン留めされ、第1の剪刀アームの遠位端1264は、摺動関係において、下側平準化部材内に画定される伸長スロット1218に係合するように構成される、第1のピン1266を備える。同様に、第2の剪刀アーム1270の近位端1272は、下側平準化部材1220の近位端1222にピン留めされ、第2の剪刀アームの遠位端1274は、摺動関係において、上側平準化部材内に画定される伸長スロット1216に係合するように構成される、第2のピン1276を備える。この方式では、上側平準化部材の近位端が下側平準化部材の近位端から分離されるにつれて、上側平準化部材の遠位端もまた、下側平準化部材の遠位端から高められ、かつ等しく分離される。認識されることができるように、平準化部材に対するアームの関係は、類似する結果を伴って逆転され得る。
【0032】
図69に例証されるように、第1のハンドル1114の遠位端は、上側平準化部材の近位端1214に蝶着接続されることができ、第2のハンドルの遠位端1124は、下側平準化部材の近位端1222に蝶着接続されることができる。加えて、上側平準化部材および下側平準化部材の遠位端は、フォーク1300を備え、拡張可能なVBRデバイスの部分に係合することができる。使用時、第1の位置から第2の位置までの作動部材のハンドルの圧縮は、相互に実質的に隣接する位置から分離位置まで平準化部材を移動させる。そうすることによって、フォークが内側筐体および外側筐体の部分と係合されるとき、拡張可能VBRデバイスは、非拡張位置から拡張位置まで移動する。
【0033】
拡張可能なVBRを椎体切除術欠陥の中に留置し、VBR拡張ツールを使用して本デバイスの高さを拡張する方法が、提示される。本方法は、所望の運動区画にアクセスするステップと、所望の椎体を除去するステップと、除去された椎体の代わりに拡張可能なVBRデバイスを位置付けるステップと、拡張可能なVBRデバイスを拡張するステップと、拡張可能なVBRデバイスを拡張位置に固定するステップとを備える。本方法はまた、上側骨接触部材および/または下側骨接触部材の前湾角度を固定するステップを備えることができる。別の側面では、本方法はまた、移植片空洞を骨成長助長材料で詰めるステップを含む。
【0034】
本発明のいくつかの側面が、前述の明細書に開示されたが、本発明の多くの修正および他の側面が、前述の説明および関連付けられた図面に提示される教示の利益を有する当業者に想起されるであろうことが、当業者によって理解される。したがって、本発明は、本明細書に前述で開示される具体的側面に限定されず、多くの修正および他の側面が、添付の請求項の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。さらに、具体的用語が、本明細書ならびに以下の請求項で採用されるが、それらは、説明される発明を限定する目的のためではなく、一般的かつ説明的意味でのみ使用される。