特許第6524062号(P6524062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6524062
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】インターフェースモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20190527BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190527BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20190527BHJP
   H01H 36/00 20060101ALN20190527BHJP
【FI】
   H01H9/02 A
   B60R16/02 630L
   G06F3/041 400
   !H01H36/00 G
   !H01H36/00 J
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-504718(P2016-504718)
(86)(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公表番号】特表2016-520953(P2016-520953A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】FR2014000067
(87)【国際公開番号】WO2014154956
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】1300735
(32)【優先日】2013年3月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505140568
【氏名又は名称】ダヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ドゥルマエール
(72)【発明者】
【氏名】エリック、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、リュカオラ
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−515848(JP,A)
【文献】 特開2011−086191(JP,A)
【文献】 特開2013−041326(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/013588(WO,A1)
【文献】 特開2005−288993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00− 9/28
B60R 16/02
G06F 3/041
H01H 36/00−36/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− ユーザによる圧迫を検出することが可能な透明のタッチパッド(3)と、
− 前記タッチパッド(3)の後方に配置され、前記タッチパッド(3)と協同してタッチ画面を形成するディスプレイ画面(5)と、
を備えたインターフェースモジュールであって、
− 当該インターフェースモジュールは、前部囲み(7)をさらに備え、前記前部囲みは、外側周部(7a)と、前記前部囲み(7)の内部空間において前部ハウジング(8a)および後部ハウジング(8b)を区画する内部リム(7b)と、を備えており、
− 前記タッチパッド(3)は、前記前部ハウジング(8a)の内部に配置され、前記ディスプレイ画面(5)は、前記後部ハウジング(8b)の内部に配置され、
当該インターフェースモジュールは、前記後部ハウジング(8b)を閉じ、かつ、前記後部ハウジング(8b)を閉じる筐体背部表面(13b)上に、弾性変形可能な突出部(15)を備える筐体背部(13)をさらに備える、
ことを特徴とするインターフェースモジュール。
【請求項2】
前記タッチパッド(3)と、前記ディスプレイ画面(5)とは、接着手段(9)により前記内部リム(7b)に対して保持されていることを特徴とする請求項1に記載のインターフェースモジュール。
【請求項3】
前記接着手段(9)は、シリコーン(silicone)のビードであることを特徴とする請求項2に記載のインターフェースモジュール。
【請求項4】
前記前部囲み(7)は、マグネシウム製であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインターフェースモジュール。
【請求項5】
前記内部リム(7b)の厚さは、0.35mmから0.5mmにわたる範囲内に含まれる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のインターフェースモジュール。
【請求項6】
前記内部リム(7b)の厚さは、0.4mmであることを特徴とする請求項に記載のインターフェースモジュール。
【請求項7】
前記タッチパッド(3)の外側周部(52)と、前記外側周部(7a)の内面(51)との間に、ギャップ(50)があり、
このギャップ(50)の長さは、0.7mmから0.9mmにわたる範囲内に含まれる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のインターフェースモジュール。
【請求項8】
このギャップ(50)の長さは、0.8mmであることを特徴とする請求項に記載のインターフェースモジュール。
【請求項9】
前記前部囲み(7)は、電気的に接地されていることを特徴とする請求項に記載のインターフェースモジュール。
【請求項10】
前記タッチパッド(3)は、前記インターフェースモジュールの前部表面を形成する偏光フィルム(11)により覆われており、前記偏光フィルム(11)は、前記前部囲み(7)の周部(7a)にさらに接着され、前記前部ハウジング(8a)を閉じる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のインターフェースモジュール。
【請求項11】
前記筐体背部(13)を通過し、かつ、前記前部囲み(7)の周部(7a)と係合して、前記突出部(15)を圧縮し、前記前部囲み(7)を前記筐体背部(13)に固定する固定具(17)を備えることを特徴とする請求項に記載のインターフェースモジュール。
【請求項12】
前記固定具(17)は、前記筐体背部(13)を通過し、かつ、前記前部囲み(7)の周部(7a)と係合するセルフタッピングねじを備える、ことを特徴とする請求項11に記載のインターフェースモジュール。
【請求項13】
前記ディスプレイ画面(5)の後方に配置され、第2の固定具(23)によって前記ディスプレイ画面(5)に固定されているプレート(21)を備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のインターフェースモジュール。
【請求項14】
前記プレート(21)は、前記筐体背部(13)および前記前部囲み(7)のために用いられる固定具(17)と係合することを特徴とする、請求項13に記載のインターフェースモジュール。
【請求項15】
前記後部ハウジング(8b)に配置されたプリント回路(19)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のインターフェースモジュール。
【請求項16】
前記プレート(21)は、前記ディスプレイ画面(5)と、前記プリント回路(19)との間に配置されていることを特徴とする、請求項15と組み合わせて考慮された、請求項13または請求項14に記載のインターフェースモジュール。
【請求項17】
前記プレート(21)は、前記プリント回路(19)用のサポートを形成するプレススタッド(25)を有することを特徴とする、請求項15または請求項16と組み合わせて考慮された、請求項13または請求項14に記載のインターフェースモジュール。
【請求項18】
前記プレート(21)は、プレスされ切断されたアルミ板であることを特徴とする請求項13に記載のインターフェースモジュール。
【請求項19】
前記プレススタッド(25)は、前記筐体背部(13)の突出部(15)に向けて配置されていることを特徴とする、請求項17に記載のインターフェースモジュール。
【請求項20】
前記前部囲み(7)の表面は、暗色ラッカーの薄いコートにより被覆されていることを特徴とする請求項に記載のインターフェースモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車の車内用、かつその機能を制御するための、より具体的にはタッチ画面を有する、インターフェースモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション補助、車内照明、空調またはカーラジオなどの、車両の機能を制御するために、タッチパッドなどの圧力センサを採用したインターフェースモジュールを用いる実施が知られている。
【0003】
前記タッチパッドは、好適には、前記タッチパッドを通して可視であるディスプレイ画面に好適に結合され、タッチ画面として知られるインターフェースモジュールを形成する。
【0004】
前記タッチ画面にて、タッチパッドと、タッチパッドが重ねられるディスプレイ画面との間の間隔は、得られるディスプレイモジュールの品質を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記間隔が大きいほど、斜角から見た際に、画面に表示される選択ゾーンが、タッチパッドへの圧力により操作される実際のゾーンに対応しなくなるリスクも大きくなる。さらに、斜角からの前記目視の間に、ユーザはおそらく、美しくない技術的部品を見ることができるであろう。
【0006】
望まれない画像の不明瞭さの効果も、前記間隔とともに増加する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の欠点を、少なくとも部分的には緩和するために、本発明の主題は、インターフェースモジュールに関し、インターフェースモジュールは、
− ユーザによる圧迫を検出することが可能な透明のタッチパッドと、
− タッチパッドの後方に配置され、前記タッチパッドと協同してタッチ画面を形成するディスプレイ画面と、
− 外側周部と、前部囲みの内部空間において前部ハウジングおよび後部ハウジングを区画する内部リムと、を備える前部囲みと、を備え、
− タッチパッドは、前部ハウジングの内部に配置され、ディスプレイ画面は、後部ハウジングの内部に配置される。
【0008】
このセットアップは、特に、前記タッチパッドと、前記画面との間の空間を制御することを可能にしつつ、タッチ画面を、組み立ての残りにおいて容易に扱うことができる要素に組み込む。
【0009】
本発明に係るインターフェースモジュールは、さらに、単独または組み合わせて考慮される、1つまたは複数の以下の特徴を有してもよい。
【0010】
タッチパッドと、ディスプレイ画面とは、接着により内部リムに対して保持されている。
【0011】
非限定として、この接着の手段は、両面粘着物、紫外線感光性粘着物またはさらにシリコーン系粘着物としてもよい。
【0012】
良好なシールを得るために、接着手段は、好ましくはシリコーンのビードである。
【0013】
前部囲みは、マグネシウム製であってもよい。
【0014】
マグネシウムの使用は、重要な寸法に対する良好な制御を可能にし、これは、良好なレベルの品質を提供するインターフェースを得ることを可能にする。よって、マグネシウムの使用は、非常に小さな厚さの内部リムを得ることを可能にしつつ、良好な全体の機械的結合のための十分な剛性を提供する。内部リムの小さな厚さは、画面とタッチパッドとの間の間隔を最小化できること、およびこのやり方で、タッチパッドおよび画面によって形成される光学系の品質を増加できることを意味する。
【0015】
内部リムの厚さは、0.35mmから0.5mmにわたる範囲内に含まれる。
【0016】
好ましくは、内部リムの厚さは、0.4mmである。
【0017】
タッチパッドの外側周部と、タッチパッドを収容する囲みの外側周部の内面との間に、ギャップがある。
【0018】
マグネシウムの使用は、また、囲みの外側周部とタッチパッドとの間にあるギャップが、可能な限り均一となるようにして、タッチパッドを収容する囲みの外側周部の寸法決めを制御することを可能にする。
【0019】
このギャップの長さは、0.7mmから0.9mmにわたる範囲内に含まれる、
好ましくは、このギャップの長さは、0.8mmである。
【0020】
マグネシウムの使用は、また、ユーザが見ることができる囲みの外側部分の非常に良質の表面仕上げを得ることを可能にする。よって、このゾーンが例えば偏光フィルムで覆われた場合に、囲みとタッチパッドとの間のギャップにおける明らかな不連続は、まったくないか、またはごくわずかである。マグネシウムの使用は、このようにして、”面一”型の制御ファサードを得ることを可能にし、これは、画面のアウトラインを描く明らかな隆起した囲みのない、スムーズなものを指す意味である。
【0021】
前部囲みは、電気的に接地されている。
【0022】
マグネシウム囲みの使用は、また、タッチパッドと、画面と、電子部品とに、静電気放電(ESD)からの良好な保護を与えることを可能にする。このために必要なのは、前部囲みがインターフェースモジュールのグランド電位に接続されることだけであり、これは、囲みがプラスチック製である場合には、考えられない解決策である。
【0023】
寸法決めを制御し、良質の表面仕上げを達成するために、マグネシウム囲みは、好ましくは、射出成形技術を用いて生成される。
【0024】
タッチパッドは、インターフェースモジュールの前部表面を形成する偏光フィルムにより覆われており、前記偏光フィルムは、前部囲みの周部にさらに接着され、前部ハウジングを閉じる。フィルムは、よって、前部ハウジングを閉じ、かつ、画面印刷によりさらに容易に装飾できる前部表面を形成する。
【0025】
インターフェースモジュールは、後部ハウジングを閉じ、かつ、前記後部ハウジングを閉じる背部の筐体背部表面上に、弾性変形可能な突出部を備える筐体背部をさらに備える。
【0026】
インターフェースモジュールは、筐体背部を通過し、かつ、前部囲みの周部と係合して、突出部を圧縮し、前部囲みを筐体背部に固定する固定具を備える。締め付けの効果の下で、突出部はこのように圧縮されて、組み立てクリアランスを吸収し、インターフェースモジュールが振動に晒される際に、ノイズを減少させる。
【0027】
固定具は、例えば、筐体背部を通過し、かつ、前部囲みの周部と係合するセルフタッピングねじを備える。
【0028】
インターフェースモジュールは、さらに、
− 後部ハウジングに配置されたプリント回路と、
− タッチパッドとディスプレイ画面との間に電子インターフェースを形成し、かつ後部ハウジングに配置されたプリント回路と、
− ディスプレイ画面の後方に配置され、第2の固定具によって前記ディスプレイ画面に固定されているプレートと、
を備えてもよく、
− 前記プレートは、ディスプレイ画面と、プリント回路との間に配置されてもよく、
− 前記プレートは、プリント回路用のサポートとして機能する位置決め手段を備える。非限定の例として、これらの位置決め手段は、前記プレートから作られるプレススタッドである。
【0029】
金属プレートは、特に、しっかりしたコンパクトなやり方で、画面をインターフェースモジュールに配置することを可能にする。
【0030】
前記プレートは、筐体背部および前部囲みのために用いられる固定具と係合してもよい。プレートの固定具との係合は、インターフェースモジュールの構造を特に振動に対して強化する。
【0031】
プレートは、プレスされ切断されたアルミ板であってもよい。アルミは、軽量かつ容易に変形可能な金属であり、プレスおよび切断する技術は、迅速であり、良好な形状精度を提供する。
【0032】
プレススタッドは、筐体背部の突出部に向けて配置されてもよい。よって、突出部およびプレススタッドは、プリント回路を変形または破損し得る力を加えることなしに、前記プリント回路を閉じ込める。
【0033】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定の例示として与えられる以下の説明を読むこと、および添付の図面を考察することから、よりはっきりと明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1の実施形態に係るインターフェースモジュールを模式的に示す図。
図2】本発明の第2の実施形態に係るインターフェースモジュールを模式的に示す図。
図3a図3aは、本発明に係るインターフェースモジュール用の筐体背部の一部をより詳細に示す図。
図3b図3bは、本発明に係るインターフェースモジュール用の筐体背部の一部をより詳細に示す図。
図3c図3cは、本発明に係るインターフェースモジュール用の筐体背部の一部をより詳細に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
全ての図面において、同じ参照符号は、同じ要素に関する。
【0036】
図1は、本発明の1つの特定の実施形態に係るインターフェースモジュールを模式的に示している。
【0037】
インターフェースモジュール1は、ここで、ディスプレイ画面5の前方に配置される透明なタッチパッド3を備える。
【0038】
”前方”、”後方”、”前部”、”後部”、等の概念は、ユーザに提示され、ユーザに向いたインターフェースモジュール1の表面に対する垂直線に関して考慮され、前記表面は、最も前側の前部表面である。
【0039】
タッチパッド3は、例えば、空調、カーラジオおよび/またはナビゲーション補助などの車両機能を制御するための、特にディスプレイ画面5に表示されるメニューを通してナビゲートする状況における、ユーザによる圧迫を検出するように構成される。
【0040】
タッチ感応面3およびディスプレイ画面5は、このように協同してタッチ画面を形成する。
【0041】
タッチパッド3に用いられる技術は、例えば、抵抗型または容量型としてもよく、ディスプレイ画面5は、液晶ディスプレイ(LCD)画面またはLED(TFT)ディスプレイ画面の形態で生成してもよい。
【0042】
インターフェースモジュール1は、インターフェースモジュール1の外側囲みを形成する周部7aを備える前部囲み7を備える。
【0043】
前部囲み7の内面は、前部囲み7の内部空間において2つのハウジングを区画する内部リム7bを保持し、2つのハウジングは、それぞれ前部ハウジング8aと後部ハウジング8bとである。
【0044】
タッチパッド3は、前部ハウジング8aに配置され、ディスプレイ画面5は、後部ハウジング8bに配置される。特に、タッチパッド3およびディスプレイ画面5は、例えばシールとしても機能するシリコーン9の薄いビードにより、内部リム7bに接着してもよい。
【0045】
このようにして、タッチパッド3とディスプレイ画面5の間の間隔は、内部リム7bと、シリコーン9の2つのビードとを合わせた厚さまで減少される。シリコーン9のビードの厚さは、組み立ての間に自己調整され、インターフェースモジュール1の構成部品の寸法に関する変化のいくらかを吸収する。
【0046】
用いられるシリコーンは、タッチパッド3の後面と、ディスプレイ画面5の前面との間の空間を、密閉したやり方で閉じることを可能にする点で、この用途に推奨される。これは、前記表面の曇りを防止し、よって、ディスプレイ画面5に表示される情報のぼけを防止する。
【0047】
さらに、シリコーンは、その粘着性、密封性および弾性を失うことなくさらに小さな厚さまで圧縮できるという、特に発泡体よりも大きな利点を提供する。これは、タッチパッド3とその下にあるディスプレイ画面5との間の間隔を、さらに減少させることができることを意味する。
【0048】
前部囲み7に接着されたタッチパッド3およびディスプレイ画面5は、インターフェースモジュール1が組み立てられる間に容易に扱うことができる要素を形成する。
【0049】
前部囲み7は、好適にはマグネシウム製であり、マグネシウムは、非常に薄い、すなわち0.35mmから0.5mmにわたる値の範囲に含まれる、内部リム7bの厚さを得ることを特に可能にする。好ましくは、内部リムの厚さは0.4mmである。この薄い内部リムの厚さは、マグネシウムマシニングまたは射出成形技術の精度により得られる。
【0050】
前部囲み7の表面は、好適には、暗色ラッカーの薄いコートにより被覆され、一方では、前記前部囲み7を腐食から保護し、他方では、ディスプレイ画面5がオフにされた際に、前記前部囲み7を、控え目に、またはさらには目立たなくする。前記ファインコートは、例えば、電気泳動を用いて塗布される。
【0051】
インターフェースモジュール1は、タッチパッド3の上面を覆い、かつ前部囲み7の周部7aの前面に接着されて、タッチパッド3を含む前部ハウジング8aを閉じる偏光フィルム11を備えてもよい。偏光フィルム11は、よって、タッチパッド3を、水分やほこりなどの外部要素から隔離することを可能にし、一方で同時に、より良い可視性を提供する。
【0052】
組み立て時に、内部リム7bとタッチパッド3との間に位置するシリコーン9のビードは、タッチパッドの上部および前部囲み7の周部7aの上部が同一平面に位置するまで圧縮される。
【0053】
タッチパッドおよび周部7aの上部の両方を覆う偏光フィルム11は、次いで平面となり、例えば車内に、容易かつ審美的に組み込むことができる。そうするために、偏光フィルム11は、特に画面印刷により、例えばタッチパッド3とディスプレイ画面5とを重ねることにより得られるタッチ画面を区画する囲みを印刷することにより装飾してもよい。
【0054】
前部囲み7と、偏光フィルム11の画面印刷された囲みとに、オフにされた際のディスプレイ画面5の色に対応する黒色、より一般的には暗色の色を選択することにより、前記前部囲み7と、画面印刷された囲みとは、スイッチオフされた際にディスプレイ画面5から比較的に区別不可能となり、これによりインターフェースモジュール1の、車内への一体化を改善する。
【0055】
インターフェースモジュールは、また、インターフェースモジュール1の後部ファサードを形成し、後部ハウジング8bを閉じる筐体背部13を備える。筐体背部13は、特に、プラスチック、ポリマーまたは複合体、例えばポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(PC/ABS)化合物を成形することにより製造されてもよい。
【0056】
前記筐体背部13は、後部ハウジング8bに面するその背部の表面に、ここでは弾性変形可能なスパイク15の形態の突出部を、特に備える。
【0057】
これらのスパイク15は、組み立て時に、ここではディスプレイ画面5に対して圧縮され、後部ハウジング8bの要素の寸法における変化を少なくとも部分的に補償することを可能にする。
【0058】
圧縮されたスパイク15は、また、インターフェースモジュール1の構成要素が晒され得る振動のいくらかを吸収する。
【0059】
図1の筐体背部13の実施形態は、ここで、筐体背部周部13aと、筐体背部表面13bとを備える。インターフェースモジュール1は、筐体背部周部13a用の固定具17、この例ではネジと、前部囲み7との強制係合と協同する、前記ネジを筐体背部13に通過させるための事前穿孔された孔と、を備える。
【0060】
代替案として、固定具17は、例えば、リベットまたは頭付き棒を備えてもよい。
【0061】
これらの固定具17は、スパイク15を、それらの前方に位置するディスプレイ画面5、この例ではディスプレイ画面5に対して締結することにより圧縮し、後部ハウジング8b内に位置する要素の寸法の変化を、少なくとも部分的には補償することを可能にする。
【0062】
このようにして得られたインターフェースモジュール1は、容易に組み立てられ、堅牢であり、寸法のストリングの変化の少なくともいくらかが補償される。特に、それらの寸法に関するより大きな変化を有し、かつ従って場合によっては製造がより安価である要素を、より大きな遊び量をもたらすことなく用いることができる。
【0063】
さらに、タッチパッド3とディスプレイ画面との間の空間40は小さく、この間隔により生じるぼけの効果を少なくすることを可能にし、そしてタッチ感応入力フィールドと、表示フィールドとの間に形成される最大の視野角αを広げることを可能にする。
【0064】
視野角αは、ここでは、インターフェースモジュール1の前部表面に対する垂直線に関する、観察者の視野の軸として定義される。
【0065】
最終的に、偏光フィルム上の画面印刷された囲みを、適切にサイズ決めすることにより、タッチパッド3と、ディスプレイ画面5との間の空間40の小さな量のために、比較的大きな(30°〜45°)視野角αであっても、ディスプレイ画面5の隠される画素は、もしあるとしても、ほんのわずかであることを保証することが可能である。これは、ディスプレイ画面5のアクティブ面が減少しないことを意味する。
【0066】
図2は、本発明に係るインターフェースモジュール1の第2の実施形態を示している。
【0067】
この実施形態は、そのインターフェースモジュールがプリント回路19を備えることが、図1に示されたものとは異なる。
【0068】
前記プリント回路19は、比較的平坦であり、平坦な樹脂製の本体を特に備えており、この本体に、導電性の金属トラックにより接続された電子要素が配置され、これにより電子回路を形成する。
【0069】
プリント回路19は、不可視に保つために、後部ハウジング8b内のディスプレイ画面5の後方に配置される。
【0070】
このような印刷回路19は、タッチパッド3および画面5の間のインターフェースを形成し、それらを協同させてタッチ画面を形成するために特に用いられる。
【0071】
図2のインターフェースモジュール1は、また、後部ハウジング8bに配置されるサポートとして機能するプレート21を備えることが、図1に示されるものとは異なる。前記プレート21は、好適には金属製であり、特に、プレスされ切断されたアルミ板である。マグネシウムによる電食を防止するために、プレートは、”貴アルミ(noble aluminum)”製である。プレート21は、画面5と筐体背部13との間に配置される。
【0072】
プレート21は、ディスプレイ画面5を金属プレート21に固定する第2の固定具23、この例ではネジを有する。金属プレート21は、後部に向き、プリント回路19に対して押し付けられた、プレススタッド25をさらに備える。
【0073】
特に、プレススタッド25は、好ましくは、スパイク15に向けて配置し、前記スパイク15によりプリント回路19を閉じ込めて、前記プリント回路19をたわませるか、または破損し得る何らかの力を相殺するようにしてもよい。
【0074】
プレート21は、外側囲み7の周部7aと、筐体背部13の筐体背部周部13aとの間に挟まれるようにして、配置およびサイズ決めされる。特に、前部囲み7と筐体背部13とを定位置に保持する固定具17は、これらを圧縮して、前記プレート21を定位置に保持してもよい。
【0075】
前記固定具17が、ネジまたは他の同等の長い要素を備える場合、前記ネジは、好適には、プレート21を通過してもよく、プレート21は、このために事前穿孔された孔を有してもよい。
【0076】
プレート21は、金属製の場合、後部ハウジング8b内の要素により生成される熱を放散させることが可能である。特に、マグネシウム等の金属製である前部囲み7と接していることにより、より大きな表面積にわたって、放射により熱が放散される。
【0077】
図1および図2に見られるように、タッチパッド3は、前部囲み7の外側周部7a内に形成された前部ハウジング8aに配置される。好適には、タッチパッドは、タッチパッドの外側周部52と、ハウジング8aを区画する外側周部7aの内面51との間に、均一なギャップ50が残されるようにして、このハウジング8a内で中央に配置される。偏光フィルム11がこのギャップ50を覆う場合、このギャップは大きすぎてはならない。これは、インターフェースモジュール1の最終セットアップにて、ギャップ50は偏光フィルムにより覆われるからである。このギャップ50が大きすぎる場合、時間の経過に従って、このギャップの領域においてこの偏光フィルムが変形し得るリスクがある。この変形は、例えば、垂れまたはふくれの形態にあり、タッチパッドとマグネシウム囲みとの間に望まれないゴースト囲みを露わにするため、ユーザが美しくないと考える効果を生じさせる。この問題を解決するために、本出願会社は、このギャップ50を、0.7mmと0.9mmの間にわたるバンドに含ませる必要があると決定した。好ましくは、ギャップ50は、0.8mmである。タッチパッドの周部全体にわたって、この小さい大きさに対してこのギャップを完全に保つことを可能にするのは、マグネシウム製の囲みの使用であり、これなしでは、偏光フィルムの変形の問題は、容易には解決できない。
【0078】
図3a、図3bおよび図3cは、本発明に係るインターフェースモジュール1の筐体背部13用のスパイク15のいくつかの特定の実施形態を、より詳細に示している。
【0079】
図3a、図3bおよび図3cは、スパイク15を有する筐体背部表面13bの一部を示している。
【0080】
図3aにて、筐体背部表面13bは、筐体背部表面13bを越えて前方向に突出するピップ27を備える。スパイク15は、よって、例えば熱可塑性エラストマー(TPE)の射出成形によって、ピップ27の上からオーバーモールドされている。ピップ27は、従って、熱可塑性物質と筐体背部表面13bとの間の接触の表面積を増加させる。
【0081】
図3bにおいて、筐体背部表面13bは、リブ29を備え、スパイク15は、再び、オーバーモールドにより、特に熱可塑性エラストマーの射出成形により得られる。リブ29は、よって、熱可塑性物質と筐体背部表面13bとの間の接触の表面積を増加させることを可能にする。
【0082】
図3cは、図3aのそれと類似のスパイクを示している。前記スパイク15は、ここでは、そのベースの周部に、フラップ31を備える。これらのフラップ31は、オーバーモールドにより得られる熱可塑性エラストマーの比較的薄い層である。再び、フラップ31は、熱可塑性物質と筐体背部表面13bとの間の接触の表面積を増加させることを可能にする。
【0083】
さらに、図3a、図3b、図3cにて、スパイク15は、圧縮力をより良く分布させて、特に前記スパイク15の曲げまたはねじれを防ぐために、台形の断面となっている。
【0084】
本発明に係るインターフェースモジュール1の設計は、要素を弾性変形可能なスパイク15に対して圧縮する、特に固定具17を有する、寸法のストリングの変化を補償することを可能にする。
図1
図2
図3a
図3b
図3c