【文献】
          ALTAZIN, et al.,Design of Perovskite/Crystalline-Silicon Tandem Solar Cells,32nd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition,2016年  6月,Page.1276-1279
        
        【文献】
          CHUNG, et al.,Characterization and Redesign of Perovskite/Silicon Tandem Cells,Photovoltaic Specialists Conference (PVSC), 2016 IEEE 43rd,2016年  6月,Page.3625-3628
        
        【文献】
          MAILOA, et al.,A 2-terminal perovskite/silicon multijunction solar cell enabled by a silicon tunnel junction,Applied Physics Letters,2015年,Volume 106, issue 12,Page.121105-1-121105-4
        
      
    (58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記エミッタ層は、前記結晶シリコン基板と異なる導電型を有する不純物ドーピング層であり、前記後面電界層は、前記結晶シリコン基板と同じ導電型を有する不純物ドーピング層である、請求項7に記載のタンデム太陽電池。
  前記複数のタンデム太陽電池の前面と前記前面透明基板の間、又は前記複数のタンデム太陽電池の後面と前記後面透明基板の間に封止材が満たされた、請求項13に記載のタンデム太陽電池モジュール。
  前記複数のタンデム太陽電池の前面と前記前面透明基板の間、又は前記複数のタンデム太陽電池の後面と前記後面透明基板の間にガスが満たされた空気層が存在する、請求項13に記載のタンデム太陽電池モジュール。
【背景技術】
【0002】
  結晶シリコン(crystalline  silicon;c-Si)太陽電池は、代表的な単一接合(single  juction)太陽電池であり、ここ数十年間太陽電池市場を支配してきた。
【0003】
  しかし、結晶シリコンのバンドギャップは、Shockley-Queisser限界を考慮するとき、ほとんど理想的であるにもかかわらず、シリコン基板太陽電池の光電変換効率をAuger再結合により約30%の水準に制限されているのが実情である。
【0004】
  すなわち、従来の結晶シリコン太陽電池の光電効率は、バンドギャップよりもずっと高いエネルギーを有する光子が入射する際に発生する熱化損失(thermalization  loss)と、バンドギャップよりも低いエネルギーを有するフォトンの透過損失により低い限界値を有する。
【0005】
  ここで、熱化損失とは、太陽電池に吸収された光の超過エネルギーが格子振動の量子形態であるフォトンに転換せず、熱エネルギーとして失われることを言い、透過損失とは、バンドギャップよりも低いエネルギーを有する光子が電子を十分に励起できないことによる損失を意味する。
【0006】
  単一接合太陽電池において、熱化損失を減らすためには適切な大きさのバンドギャップが必要であると共に、低いエネルギーのフォトンが寄与できるようにするためにはバンドギャップが低い必要があるため、互いにトレードオフ(trade-off)の関係が成り立つ。
【0007】
  このようなトレードオフの関係は、単一接合太陽電池では解決が困難であるため、最近は、タンデム太陽電池(tandem  solar  cell又はdouble-juction  solar  cell)のように、多様なエネルギーバンドギャップを有する材料を用いることで、広いスペクトル領域の光エネルギーを効果的に利用しようとする試みが行われている。
【0008】
  このような試みの一環として、異なるバンドギャップを有する吸収層を含む単一接合太陽電池を連結して、一つの太陽電池を構成するタンデム太陽電池が提案されたことがある。
【0009】
  一般的に、タンデム太陽電池は、比較的大きいバンドギャップを有する吸収層を含む単一接合太陽電池が先に入射光を受けるように前面に位置し、比較的バンドギャップの小さい吸収層を含む単一接合太陽電池が後面に位置する。  
【0010】
  これにより、タンデム太陽電池は、前面で短波長領域の光を吸収して、後面で長波長領域の光を吸収することで、限界波長(threshold  wavelength)を長波長の方に移動することができ、結果的に全体の吸収波長の領域を広く利用することができるという利点がある。
【0011】
  また、全体の吸収波長の領域を二つの帯域に分けて利用することで、電子-正孔を生成する際に熱損失の減少を期待することができる。
【0012】
  このようなタンデム太陽電池は、単一接合太陽電池の接合形態及び電極の具備される位置によって、大きく2-端子(two-terminal)タンデム太陽電池と4-端子(four-terminal)タンデム太陽電池に分類される。
【0013】
  具体的には、2-端子タンデム太陽電池は、二つのサブ太陽電池がトンネル接合され、タンデム太陽電池の前面及び後面にそれぞれ電極が具備された構造を有し、4-端子タンデム太陽電池は、二つのサブ太陽電池が互いに離隔した状態で存在し、それぞれサブ太陽電池の前面及び後面に電極が具備された構造を有する。
【0014】
  4-端子タンデム太陽電池の場合、各サブ太陽電池が別の基板を必要とし、2-端子タンデム太陽電池に比べて比較的多くの透明導電性接合を必要とするため抵抗が高く、必然的に光学損失が生じるため、2-端子タンデム太陽電池が次世代太陽電池として注目されている。
【0015】
  図1は、一般的な2-端子タンデム太陽電池の断面を概略的に示したものである。
【0016】
  図1を参照すれば、太陽電池は、比較的大きいバンドギャップを有する吸収層を含む単一接合太陽電池と、比較的バンドギャップの小さい吸収層を含む単一接合太陽電池が接合層を介してトンネル接合される。
【0017】
  多様な種類の2-端子タンデム太陽電池のうち、比較的大きいバンドギャップを有する吸収層を含む単一接合太陽電池をペロブスカイト太陽電池として使用して、比較的バンドギャップの小さい吸収層を含む単一接合太陽電池を結晶シリコン太陽電池として使用したペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池が、30%以上の光電効率を達成できる有力な候補として注目されている。
【0018】
  ペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池において、ペロブスカイト太陽電池は、結晶シリコン太陽電池の前面に接合層を形成した後、接合層の前面に蒸着することになる。
【0019】
  このとき、入射光の反射率を下げるために結晶シリコン基板の表面にテクスチャー構造を形成する場合、ペロブスカイト太陽電池(特に、結晶シリコン太陽電池と直接に接触する電子伝達層)が均一に蒸着されない問題がある。
【0020】
  よって、現在、ほとんどのペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池が蒸着される結晶シリコン基板の表面を平坦化した後、ペロブスカイト太陽電池を蒸着した形態を取っている。
【0021】
  この場合、入射光の反射率が増加するだけでなく、後面に配置された結晶シリコンタンデム太陽電池で吸収される長波長光の経路が減少するため、結晶シリコンタンデム太陽電池における光吸収率が低下する問題がある。
【0022】
  また、前面に配置されたペロブスカイト太陽電池で選択的に吸収される短波長入射光が、ペロブスカイト吸収層で十分収集されないまま透過することによる透過損失の問題が生じるおそれがある。
 
【発明を実施するための形態】
【0042】
  以下、本願に添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例によるタンデム太陽電池とこれを製造する方法を詳しく説明する。
 
【0043】
  本発明は、以下に開示される実施例に限ることはなく、異なる多様な形態に具現することができ、但し、本実施例は、本発明の開示を完全なものにして、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
 
【0045】
  以下に説明されるタンデム太陽電池は、通常,太陽光(又は入射光)がタンデム太陽電池の前面のみに受光されるものではなく、タンデム太陽電池の前面及び後面からすべて受光できる両面受光型のタンデム太陽電池であると仮定する。
 
【0047】
  図2は、本発明の第1実施例によるタンデム太陽電池の断面を示したものである。
 
【0048】
  図2を参照すれば、本発明の第1実施例によるタンデム太陽電池は、比較的大きいバンドギャップを有する吸収層を含むペロブスカイト太陽電池130と、比較的バンドギャップの小さい吸収層を含む結晶シリコン太陽電池110が、接合層120を介して直接にトンネル接合された2-端子タンデム太陽電池(以下、「ペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池」という。)の構造を有する。
 
【0049】
  これにより、タンデム太陽電池に入射した光のうち、短波長領域の光は、前面に配置されたペロブスカイト太陽電池130に吸収されて電荷を生成して、ペロブスカイト太陽電池を透過する長波長領域の光は、後面に配置された結晶シリコン太陽電池110に吸収されて電荷を生成する。
 
【0050】
  上述した構造を有するタンデム太陽電池は、前面に配置されたペロブスカイト太陽電池130で短波長領域の光を吸収して発電し、後面に配置された結晶シリコン太陽電池110で長波長領域の光を吸収して発電することで、限界波長(threshold  wavelengh)を長波長の方に移動することができ、結果的に全体太陽電池が吸収する波長帯を広げるという利点がある。
 
【0051】
  但し、2-端子タンデム太陽電池の場合、接合層120を介して結晶シリコン太陽電池110の前面にペロブスカイト太陽電池130が直接にトンネル接合されるため、結晶シリコン太陽電池110の前面の構造によってペロブスカイト太陽電池130の特性が影響を受けることがある。
 
【0052】
  単一接合太陽電池で表面における入射光の反射率を下げて、太陽電池に入射した光の経路を増加するために表面にテクスチャー構造を導入することが一般的である。
 
【0053】
  但し、ペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池の場合、結晶シリコンタンデム太陽電池の前面にテクスチャー構造が導入された場合は、結晶シリコンタンデム太陽電池の前面にペロブスカイト太陽電池を均一に蒸着させにくいという問題がある。これにより、今まで知られたほとんどのペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池は、平らなウエハーの前面に具現するしかないという限界があった。
 
【0054】
  この場合、特にペロブスカイト太陽電池を透過して、結晶シリコン太陽電池に向けて垂直に入射する長波長領域の光が、接合層と結晶シリコン太陽電池の界面において反射する確率が増加するという問題がある。また、反射せずに結晶シリコン太陽電池を透過するとしても、斜めに入射する場合より長波長光の経路が短いため、長波長光の吸収率を向上させにくいという問題がある。
 
【0055】
  上述した従来のペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池の問題を解消するために、本発明の第1実施例によるタンデム太陽電池において、結晶シリコン太陽電池110は、後面にのみ選択的なテクスチャー構造を導入することを特徴とする。
 
【0056】
  第1実施例による結晶シリコン太陽電池110は、ヘテロ接合(heterojuction)結晶シリコン太陽電池に具現されてもよい。
 
【0057】
  具体的には、第1実施例による結晶シリコン太陽電池110は、結晶シリコン基板111、結晶シリコン基板111の前面に位置する前面i型アモルファスシリコン層112、及び前面i型アモルファスシリコン層の前面に位置する第1の導電型アモルファスシリコン層114を含む。結晶シリコン基板111の前面は、ペロブスカイト太陽電池130を透過した長波長領域の光が最初に結晶シリコン太陽電池110に入射する部分である。
 
【0058】
  また、結晶シリコン基板111の後面には、後面i型アモルファスシリコン層113と後面i型アモルファスシリコン層113の後面に位置する第2の導電型アモルファスシリコン層115を含む。
 
【0059】
  ここで、結晶シリコン基板111がn型単結晶シリコン基板である場合は、第1の導電型アモルファスシリコン層114は、p型アモルファスシリコン層であることが望ましい。つまり、長波長領域の光が最初に結晶シリコン太陽電池110へ入射することによって、受光量が比較的高い前面におけるキャリア移動度を向上させるために、n型単結晶シリコン基板の前面にp型アモルファスシリコン層を位置させて逆接合(p-n接合)を構成することが望ましく、これによりキャリアの収集効率を向上させることができる。この場合、第2の導電型アモルファスシリコン層115は、裏面電界効果を得るためn型アモルファスシリコン層を用いる。
 
【0060】
  また、結晶シリコン基板111として、n型単結晶シリコン基板に代えてp型単結晶シリコン基板又は結晶シリコン太陽電池110に通常用いられる他の結晶シリコン基板を用いても構わない。同様に、第1の導電型アモルファスシリコン層114と第2の導電型アモルファスシリコン層115も、結晶シリコン基板111の導電型によって適切な導電型を有するように設計されてもよい。
 
【0061】
  結晶シリコン太陽電池110で生成された電荷は、後面透明電極140で収集されて、後面透明電極140と外部端子の間の連結は、後面金属電極180を介して行われる。
 
【0062】
  後面透明電極140は、多様な透明導電性素材として具現されてもよい。
 
【0063】
  後面透明電極140を具現するための透明導電性素材としては、透明導電性酸化物、炭素質導電性素材、金属性素材及び導電性高分子等がある。
 
【0064】
  透明導電性酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、ICO(Indium Cerium Oxide)、IWO(Indium Tungsten Oxide)、ZITO(Zinc Indium Tin Oxide)、ZIO(Zinc Indium Oxide)、ZTO(Zinc Tin Oxide)、GITO(Gallium Indium Tin Oxide)、GIO(Gallium Indium Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum doped Zinc Oxide)、FTO(Fluorine Tin Oxide)又はZnO等が用いられる。炭素質導電性素材としては、グラフィン又はカーボンナノチューブ等が用いられるし、金属性素材としては、金属(Ag)ナノワイヤ、Au/Ag/Cu/Mg/Mo/Tiのような多層構造の金属薄膜が用いられる。導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルホン酸(PEDOT-PSS)、ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](PTAA)、スピロ-ミオタード(Spiro-MeOTAD)又はポリアニリン-カンファースルホン酸(PANI-CSA)等が用いられる。
 
【0065】
  ここで、後面金属電極180は、
図2に示されたように、後面透明電極140の後面に全面的に具備されることなく、後面透明電極140の後面のうち一部の領域に具備されることで、結晶シリコン太陽電池110の後面から太陽光が入射することができる。
 
【0066】
  このとき、後面金属電極180は、後面透明電極140の後面の全体面積のうち、1%ないし30%を占めるように配置されることが望ましい。後面金属電極180の占有面積が1%未満である場合は、後面金属電極180による結晶シリコン太陽電池110で生成された電荷の収集効果が足りないおそれがある反面、後面金属電極180の占有面積が30%を超える場合は、後面金属電極180による占有面積が広すぎて、結晶シリコン太陽電池110の後面から入射する光の利用率が低下するおそれがある。
 
【0067】
  後面金属電極180は、後面透明電極140の後面のうち、一部の領域と接触して後面に電荷を収集するグリッド電極181を含む。また、追加的にグリッド電極構造と電気的に連結されるパッド電極183が接触するように具備されてもよい。パッド電極182は、モジュールを構成する際に、隣り合うタンデム太陽電池(セル)を電気的に連結するために電極ワイヤ183が具備されて、一つのセルのパッド電極183の後面に連結された電極ワイヤ183は、隣り合うセルのパッド電極172に連結された電極ワイヤ173と一体に具備される。
 
【0068】
  ここで、電極ワイヤ183は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状であることが望ましい。これにより、結晶シリコン太陽電池110の後面から入射する光を斜め方向に反射して入射させることで、光の経路を増加することができるという利点がある。
 
【0069】
  ちなみに、結晶シリコン基板111の後面にテクスチャー構造を導入して、結晶シリコン基板111の後面に順に具備されるシリコン層113、115と後面透明電極140もテクスチャー構造にしたがって形成されるようにすることで、結晶シリコン太陽電池110の後面を通じて、垂直に入射する光の経路を斜め方向に変更することができる。つまり、結晶シリコン太陽電池110の後面に導入したテクスチャー構造による光散乱効果を通じて、結晶シリコン太陽電池110の後面から入射する光の経路を増加させるという利点がある。
 
【0070】
  結晶シリコン基板111の前面は、後面と違って、テクスチャー構造を導入せず平らにすることで、シリコン太陽電池110の前面にペロブスカイト太陽電池130を形成する際に、ペロブスカイト太陽電池130に欠陥が生じることを防ぐことができる。
 
【0071】
  次に、結晶シリコン太陽電池110の第1の導電型アモルファスシリコン層114の前面には、結晶シリコン太陽電池110とペロブスカイト太陽電池130をトンネル接合して電気的に連結するための接合層120が位置する。
 
【0072】
  接合層120は、結晶シリコン太陽電池110とペロブスカイト太陽電池130を電気的に連結すると共に、ペロブスカイト太陽電池130を透過する長波長光を、透過損失なしに後面に配置された結晶シリコン太陽電池110へ入射できるように、後面透明電極140と同様、透明導電性酸化物、炭素質導電性素材、金属性素材又は導電性高分子を用いて具現することができる。また、接合層120にn型又はp型の物質をドーピングして用いることができる。例えば、接合層120として、透明電極に代えてn型又はp型のアモルファスシリコン層を適用することも可能である。
 
【0073】
  また、他の変形例によれば、接合層120は、異なる屈折率を有するシリコン層を複数回交互に積層させた複層構造に具現されてもよい。このとき、複層構造は、低屈折率層と高屈折率層が交互に積層された構造を有することができる。これにより、接合層120を基準として短波長光は、ペロブスカイト太陽電池130側に反射して、長波長光は、結晶シリコン太陽電池110側に透過することができる。これによって、ペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池の選択的な光の収集を可能にすることができる。
 
【0074】
  ここで、低屈折率層と高屈折率層が交互に積層された構造を透明導電性酸化物層又はn+型シリコン層の前面または後面に設けることで、上述した光の選択的な反射及び透過を具現することができる。
 
【0075】
  接合層120の前面にはペロブスカイト太陽電池130が位置する。
 
【0076】
  ペロブスカイト太陽電池130は、接合層120の前面に位置する電子伝達層131、電子伝達層の前面に位置するペロブスカイト吸収層132、及びペロブスカイト吸収層の前面に位置する正孔伝達層133を含む。ここで、電子伝達層131と正孔伝達層133の位置は、必要に応じて入れ替えてもよい。
 
【0077】
  接合層120の前面に位置する電子伝達層131は、金属酸化物を含むことができる。電子伝達層131を構成する金属酸化物の非制限的な例としては、Ti酸化物、Zn酸化物、In酸化物、Sn酸化物、W酸化物、Nb酸化物、Mo酸化物、Mg酸化物、Zr酸化物、Sr酸化物、Yr酸化物、La酸化物、V酸化物、Al酸化物、Y酸化物、Sc酸化物、Sm酸化物、Ga酸化物、In酸化物及びSrTi酸化物等がある。望ましくは、電子伝達層131は、ZnO、TiO
2、SnO
2、WO
3及びTiSrO
3から選択される少なくとも1種の金属酸化物を含むことができる。
 
【0078】
  また、電子伝達層131の前面には電子伝達層131と同一又は異なる金属酸化物を含むメソポーラス層131aがさらに具備されてもよい。
 
【0079】
  ここで、メソポーラス層131aは、ペロブスカイト吸収層132で発生した正孔-電子対が電子又は正孔に分解された後、特に電子が接合層120に容易に伝達されるようにする。また、メソポーラス層131aに形成されたメソポーラス構造は、これを透過する光が散乱されるようにすることで、光の経路を追加的に増加する役割を行うことができる。
 
【0080】
  接合層120の前面に位置するペロブスカイト吸収層132は、ペロブスカイト構造を有する化合物を含む光活性層であって、ペロブスカイト構造は、AMX
3(ここで、Aは1価の有機アンモニウムカチイオン又は金属カチイオン;Mは2価の金属カチイオン;Xはハロゲンアニイオンを意味する)で表示することができる。ペロブスカイト構造を有する化合物の非制限的な例としては、CH
3NH
3PbI
3、CH
3NH
3PbI
xCl
3-x、CH
3NH
3PbI
xBr
3-x、CH
3NH
3PbCl
xBr
3-x、HC(NH
2)
2PbI
3、HC(NH
2)
2PbI
xCl
3-x、HC(NH
2)
2PbI
xBr
3-x、HC(NH
2)
2PbCl
xBr
3-x、(CH
3NH
3)(HC(NH
2)
2)
1-yPbI
3、(CH
3NH
3)(HC(NH
2)
2)
1-yPbI
xCl
3-x、(CH
3NH
3)(HC(NH
2)
2)
1-yPbI
xBr
3-x、又は(CH
3NH
3)(HC(NH
2)
2)
1-yPbCl
xBr
3-x等がある(0≦x、y≦1)。また、AMX
3のAにCsが一部ドーピングされた化学物も用いられる。
 
【0081】
  このとき、ペロブスカイト吸収層132は、電子の伝達効果を向上させるためにメソポーラス層131aのメソポーラスを満たすと共に、メソポーラス層131aの前面に所定の高さだけ積層されることが望ましい。
 
【0082】
  ペロブスカイト吸収層132の前面に位置する正孔伝達層133は、後面透明電極140の素材として言及された導電性高分子に具現されてもよい。正孔伝達層133は、必要に応じてn型又はp型のドポントをさらに含むことができる。
 
【0083】
  上述した構造を有するペロブスカイト太陽電池130で生成された電荷は、前面透明電極150で収集されて、前面透明電極150と外部端子の間の連結は、前面金属電極170を介して行われる。
 
【0084】
  前面透明電極150は、後面透明電極140と同様、多様な透明導電性素材として具現されてもよい。
 
【0085】
  ここで、本発明の実施例によるタンデム太陽電池は、垂直に入射する光の反射率を下げると共に、光の入射方向を斜め方向に変化させて、タンデム太陽電池を通過する光の経路を増加させるために、前面透明電極150の前面にナノサイズにパターン化された透明電極構造体160をさらに含む。このとき、透明電極構造体160は、グリッド又はメッシュパターンのような格子状パターンを有してもよい。
 
【0086】
  すなわち、前面透明電極150の前面にパターン化された透明電極構造体160を配置することで、タンデム太陽電池に向けて垂直に入射する光の入射角を変化させて、入射光の反射率を下げることが可能である。
 
【0087】
  特に、結晶シリコン太陽電池110の前面にテクスチャー構造を導入しなくても、ペロブスカイト太陽電池130を透過する長波長光は、透明電極構造体160により斜め方向に屈折して、結晶シリコン太陽電池110に向けて入射することで、接合層120と結晶シリコン太陽電池110の境界面において反射することを減らすことができる。
 
【0088】
  また、パターン化された透明電極構造体160により、タンデム太陽電池に向けて垂直に入射する光が屈折して、ペロブスカイト太陽電池130及び結晶シリコン太陽電池110に向けて斜め方向に入射することができる。これにより、各太陽電池を通過する入射光の経路が増加することになり、結果的に各太陽電池における光吸収率が向上することができる。
 
【0089】
  このような透明電極構造体160は、前面透明電極150と同様、多様な透明導電性素材として具現することができ、前面透明電極150と別の層として具備されるか前面透明電極150と一体型として具備されてもよい。
 
【0090】
  例えば、
図2を参照すれば、前面透明電極150と透明電極構造体160は、別の層として具備されるものの、透明電極構造体160は、ナノサイズの構造物を有するかグリッド又はメッシュパターンにパターン化されることで、一部の領域で前面透明電極150を露出させる。
 
【0091】
  他の変形例による
図3を参照すれば、前面透明電極150と透明電極構造体160は、別の層として具備されるものの、透明電極構造体160は、凹凸パターンにパターン化されてもよい。
 
【0092】
  他の変形例による
図4を参照すれば、前面透明電極150と透明電極構造体160は一体型として具備することができ、この場合、透明電極を蒸着した後、前面から所定の深さだけパターニングすることで、透明電極構造体160を形成することができる。
 
【0093】
  上述した多様な変形例によって、前面透明電極150及び透明電極構造体160を具備することで、タンデム太陽電池の光の収集効果をさらに向上させることができる。
 
【0094】
  前面金属電極170は、前面透明電極150の前面のうち一部の領域に具備される。前面金属電極170は、前面透明電極150の前面のうち、一部の領域と接触するグリッド電極171を含む。また、追加的に前面透明電極150の前面に電荷を収集するためのグリッド電極構造が形成されて、グリッド電極構造の前面のうち一部の領域、例えば前記グリッド電極と連結されるか交差する方向に形成されたパッド電極172を具備することもできる。パッド電極172は、複数のセルのモジュールを連結する際に、隣り合うタンデム太陽電池(セル)を電気的に連結するために電極ワイヤ173が具備されて、一つのセルのパッド電極の前面に連結された電極ワイヤ173は、隣り合うセルのパッド電極の後面に連結された電極ワイヤ183と一体に具備される。ここで、パッド電極172、182と電極ワイヤ173、183は、導電性ペースト等を利用してソルダー接合されてもよい。
 
【0095】
  ここで、電極ワイヤ173は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状であることが望ましい。これにより、電極ワイヤ173に向けて垂直に入射する光を散乱して、タンデム太陽電池に再び入射する確率を増加させることができる。
 
【0096】
  図5及び
図6は、
図2に示されたタンデム太陽電池内で短波長光を吸収する経路を概略的に示したものであり、
図7及び
図8は、
図2に示されたタンデム太陽電池内で長波長光を吸収する経路を概略的に示したものである。
 
【0097】
  図5ないし
図8を参照すれば、
図2に示されたペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池の後面には封止材又はガス等で満たされたギャップ195を介して透明基板190が具備されて、前面には封止材又はガス等で満たされたギャップ205を介して透明基板200が具備されてもよい。ここで、透明基板190、200としては、ガラス基板又は透明ポリマー基板等が用いられる。
 
【0098】
  図5は、タンデム太陽電池内のペロブスカイト太陽電池130でタンデム太陽電池の前面から入射した短波長光が吸収される多様な経路を示したものである。
 
【0099】
  まず、第1光の経路(1)は、透明電極構造体160により短波長光が屈折して、斜め方向にペロブスカイト吸収層132に入射する光の経路である。つまり、ペロブスカイト太陽電池130の前面にパターン化された透明電極構造体160を導入することで、ペロブスカイト太陽電池130に向けて垂直に入射する光の経路を斜め方向に変更することで反射防止効果を得ると共に、増加した光の経路によりペロブスカイト吸収層132内における短波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0100】
  第2光の経路(2)と第3光の経路(3)は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状の金属ワイヤが連結された前面金属電極170により短波長光が反射する経路を示したものである。
 
【0101】
  ここで、第2光の経路(2)は、前面金属電極170の前面に向けて垂直に入射した光が、電極ワイヤの曲率を持つ面に反射して、透明基板200に向けて斜め方向に入射する光の経路である。透明基板200に向けて斜め方向に入射した光は、再び反射してペロブスカイト太陽電池130に向けて斜め方向に入射することができる。
 
【0102】
  これにより、前面金属電極170に向けて垂直に入射する光を多様な方向に散乱して、ペロブスカイト太陽電池130に再び入射する確率を増加させることができる。
 
【0103】
  第3光の経路(3)は、電極ワイヤの側面に向けて垂直に入射する光が反射して、ペロブスカイト太陽電池130に向けて斜め方向に入射する光の経路である。これによって、反射防止効果を得ると共に、増加した光の経路によりペロブスカイト吸収層132内における短波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0104】
  第4光の経路(4)は、接合層120により反射して、ペロブスカイト吸収層132に再び入射する光の経路である。このために接合層120は、短波長光は、ペロブスカイト吸収層132に反射させるものの、長波長光は、結晶シリコン太陽電池110側に透過できるように、異なる屈折率を有する複層構造を有することが望ましい。
 
【0105】
  図6は、タンデム太陽電池内のペロブスカイト太陽電池130でタンデム太陽電池の後面から入射した短波長光が吸収される多様な経路を示したものである。
 
【0106】
  まず、第1光の経路(1)は、結晶シリコン太陽電池110の後面に導入されたテクスチャー構造により短波長光が屈折されて、斜め方向にペロブスカイト太陽電池130に入射する光の経路である。つまり、結晶シリコン太陽電池110の後面にテクスチャー構造を導入することで、タンデム太陽電池の後面から垂直に入射する短波長光の経路を斜め方向に変更することで反射防止効果を得ると共に、光の経路を増加させてペロブスカイト太陽電池130内で短波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0107】
  第2光の経路(2)と第3光の経路(3)は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状の金属ワイヤに連結される後面金属電極180により短波長光が反射する経路を示したものである。
 
【0108】
  ここで、第2光の経路(2)は、後面金属電極180に向けて垂直に入射した光が、パッド電極181に接合された電極ワイヤの曲率を持つ面に反射して、透明基板190に向けて斜め方向に入射する光の経路である。透明基板190に向けて斜め方向に入射した光は、再び反射してペロブスカイト太陽電池130に向けて斜め方向に入射することができる。
 
【0109】
  これにより、後面金属電極180を向いて垂直に入射する光を多様な方向に散乱して、ペロブスカイト太陽電池130に再び入射する確率を増加させることができる。
 
【0110】
  第3光の経路(3)は、電極ワイヤの側面に向けて垂直に入射する光が反射して、ペロブスカイト太陽電池130に向けて斜め方向に入射する光の経路である。これによって、反射防止効果を得ると共に、増加した光の経路によりペロブスカイト吸収層132内における短波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0111】
  図7は、タンデム太陽電池内の結晶シリコン太陽電池110でタンデム太陽電池の前面から入射した長波長光が吸収される多様な経路を示したものである。
 
【0112】
  まず、第1光の経路(1)は、透明電極構造体160により長波長光が屈折して、斜め方向に結晶シリコン太陽電池110に入射する光の経路である。つまり、ペロブスカイト太陽電池130の前面にパターン化された透明電極構造体160を導入することで、タンデム太陽電池に向けて垂直に入射する長波長光の経路を斜め方向に変更することで反射防止効果を得ると共に、光の経路を増加させて結晶シリコン太陽電池110内で長波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0113】
  第2光の経路(2)と第3光の経路(3)は、テクスチャー構造が導入された後面透明電極140と後面透明電極140の後面に配置された透明基板190により長波長光が反射する経路を示したものである。
 
【0114】
  まず、第2光の経路(2)にしたがい長波長光が後面透明電極140に到逹する場合、一部の光が反射して結晶シリコン太陽電池110に再び入射する。一方、後面透明電極140を透過した光は、透明基板190により再び斜め方向に反射して、結晶シリコン太陽電池110に再び入射し、このような光の経路は第3光の経路(3)に該当する。
 
【0115】
  第3光の経路(3)のように、後面透明電極140を透過する光が後面に放出されるようにするために後面金属電極180は、後面透明電極140の後面のうち一部の領域のみに具備される。これにより、結晶シリコン太陽電池110で吸収されなかった長波長光は、第3光の経路(3)にしたがい後面に放出されることができ、後面に放出された光は、透明基板190により反射して結晶シリコン太陽電池110に再び入射することができるところ、長波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0116】
  第4光の経路(4)は、前面金属電極170の前面に向けて垂直に入射した光が、電極ワイヤの曲率を持つ面に反射して透明基板200に向けて斜め方向に入射する光の経路である。透明基板200に向けて斜め方向に入射した光は、再び反射してタンデム太陽電池に向けて斜め方向に入射することができ、ペロブスカイト太陽電池130を透過して結晶シリコン太陽電池110に到逹することができる。
 
【0117】
  すなわち、第4光の経路(4)によると、電極ワイヤ173に向けて垂直に入射する光を多様な方向で散乱して、結晶シリコン太陽電池110に再び入射する確率を増加させることができる。
 
【0118】
  図8は、タンデム太陽電池内の結晶シリコン太陽電池110で、タンデム太陽電池の後面から入射した長波長光が吸収される多様な経路を示したものである。
 
【0119】
  まず、第1光の経路(1)は、結晶シリコン太陽電池110の後面に導入されたテクスチャー構造により長波長光が屈折して、斜め方向に結晶シリコン太陽電池110に入射する光の経路である。つまり、結晶シリコン太陽電池110の後面にテクスチャー構造を導入することで、タンデム太陽電池の後面から垂直に入射する長波長光の経路を斜め方向に変更することで、反射防止効果を得ると共に光の経路を増加させて、結晶シリコン太陽電池110内で長波長光の利用率を向上させることができる。
 
【0120】
  第2光の経路(2)と第3光の経路(3)は、円筒形または楕円形の断面を有する電極ワイヤが接合した形態の後面金属電極180により長波長光が反射する経路を示したものである。
 
【0121】
  ここで、第2光の経路(2)は、後面金属電極180に向けて垂直に入射した光が電極ワイヤの曲率を持つ面に反射して、透明基板190に向けて斜め方向に入射する光の経路である。透明基板190に向けて斜め方向に入射した光は、再び反射して結晶シリコン太陽電池110に向けて斜め方向に入射することができる。
 
【0122】
  また、第3光の経路(3)は、電極ワイヤの側面に向けて垂直に入射する光が反射して、結晶シリコン太陽電池110に向けて斜め方向に入射する光の経路である。
 
【0124】
  図9は、本発明の第2実施例によるタンデム太陽電池の断面を示したものである。
 
【0125】
  第2実施例による結晶シリコン太陽電池210は、同種接合(homojuction)結晶シリコン太陽電池に具現されてもよい。  
 
【0126】
  具体的には、第2実施例による結晶シリコン太陽電池210は、結晶シリコン基板211、結晶シリコン基板211の前面に位置するエミッタ層212、及び結晶シリコン基板211の後面に位置する後面電界層213を含む。結晶シリコン基板211の前面は、ペロブスカイト太陽電池230を透過した長波長領域の光が最初に結晶シリコン太陽電池210に入射する部分である。
 
【0127】
  ここで、エミッタ層212としては結晶シリコン基板と異なる導電型を有する不純物ドーピング層が用いられ、後面電界層213としては結晶シリコン基板と同じ導電型を有する不純物ドーピング層が用いられることで、同種接合結晶シリコン太陽電池を具現することができる。
 
【0128】
  例えば、結晶シリコン基板211がn型単結晶シリコン基板である場合、エミッタ層212は、p型不純物でドーピングされた半導体層であり、後面電界層213は、n型不純物でドーピングされた半導体層である。このとき、後面電界層213は、結晶シリコン基板211にドーピングされたp型不純物の濃度よりさらに高濃度にドーピングされたp+型半導体層であってもよい。
 
【0129】
  また、結晶シリコン基板211として、n型単結晶シリコン基板に代えてp型単結晶シリコン基板又は結晶シリコン太陽電池210に通常使用される他の結晶シリコン基板を用いても構わない。同様、エミッタ層212と後面電界層213も、結晶シリコン基板211の導電型によって適切な導電型を有する不純物でドーピングされるように設計されてもよい。
 
【0130】
  また、エミッタ層212の前面と後面電界層213の後面にはそれぞれ前面パッシベーション層221と後面パッシベーション層240が配置される。特に、前面パッシベーション層221は、エミッタ層212の前面の欠陥をカバーすると共に、接合層220を介するトンネル接合のための導電性を確保するために配置されてもよい。
 
【0131】
  前面パッシベーション層221及び後面パッシベーション層240は、シリコン酸化物(SiO
x)、シリコン窒化物(Si
xN
y)及びシリコン酸化窒化物(SiO
xN
y)から選択される少なくとも一つの誘電体物質からなってもよい。
 
【0132】
  結晶シリコン太陽電池210で生成された電荷は、後面金属電極280で収集される。このとき、後面金属電極280は、後面パッシベーション層240の後面の一部の領域に位置するものの、後面パッシベーション層240を貫通して後面電界層213の後面に接触する。
 
【0133】
  ここで、後面金属電極280は、
図9に示されたように、後面パッシベーション層240の後面に全面的に具備されることはなく、後面パッシベーション層240の後面のうち一部の領域に具備されることで、結晶シリコン太陽電池210の後面から太陽光が入射することができる。
 
【0134】
  このとき、後面金属電極280は、後面パッシベーション層240の後面の全体面積のうち1%ないし30%を占めるように配置されることが望ましい。後面金属電極280の占有面積が1%未満である場合は、後面金属電極280による結晶シリコン太陽電池210で生成された電荷の収集効果が足りないおそれがある反面、後面金属電極280の占有面積が30%を超える場合は、後面金属電極280による占有面積が広すぎて、結晶シリコン太陽電池210の後面から入射する光の利用率が低下するおそれがある。
 
【0135】
  後面金属電極280は、後面電界層213の後面に電荷を収集するためのグリッド電極281と前記グリッド電極に連結されるパッド電極を含めて形成されて、グリッド電極構造の後面のうち一部の領域にパッド電極282が接触するように具備されてもよい。パッド電極282上には隣り合うタンデム太陽電池(セル)を電気的に連結するために、電極ワイヤ283がソルダリングにより接合されて、一つのセルのパッド電極281の後面に連結された電極ワイヤ283は、隣り合うセルのパッド電極272の前面に連結された電極ワイヤ273と一体に具備される。ここで、電極ワイヤ283は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状であることが望ましい。
 
【0136】
  ちなみに、結晶シリコン基板211の後面にテクスチャー構造を導入して、結晶シリコン基板211の後面に順に具備される後面電界層213と後面パッシベーション層240もテクスチャー構造にしたがって形成させることで、結晶シリコン太陽電池210の後面を通じて垂直に入射する光の経路を斜め方向に変更することができる。つまり、結晶シリコン太陽電池210の後面に導入されたテクスチャー構造による光散乱効果を通じて、結晶シリコン太陽電池210の後面から入射する光の経路を増加させるという利点がある。
 
【0137】
  結晶シリコン基板211の前面は、後面と違って、テクスチャー構造を導入せず平らにすることで、シリコン太陽電池210の前面にペロブスカイト太陽電池230を形成する際に、ペロブスカイト太陽電池230に欠陥が生じることを防ぐことができる。
 
【0138】
  次に、結晶シリコン太陽電池210のエミッタ層212の前面には、結晶シリコン太陽電池210とペロブスカイト太陽電池230をトンネル接合して電気的に連結するための接合層220が位置する。
 
【0139】
  このとき、接合層220は、n+型結晶シリコン層とp+型結晶シリコン層を少なくとも1回交互に積層した複層構造に具現されてもよい。
 
【0140】
  接合層220の前面には、ペロブスカイト太陽電池230が位置する。ペロブスカイト太陽電池230は、接合層220の前面に位置する電子伝達層231、電子伝達層の前面に位置するペロブスカイト吸収層232、及びペロブスカイト吸収層の前面に位置する正孔伝達層233を含む。また、電子伝達層231の前面には電子伝達層231と同一又は異なる金属酸化物を含むメソポーラス層231aがさらに具備されてもよい。
 
【0141】
  上述した構造を有するペロブスカイト太陽電池230で生成された電荷は、前面透明電極250で収集されて、前面透明電極250と外部端子の間の連結は前面金属電極270を介して行われる。前面透明電極250を具現するための透明導電性素材としては透明導電性酸化物、炭素質導電性素材、金属性素材及び導電性高分子等がある
 
【0142】
  ここで、本発明の実施例によるタンデム太陽電池は、垂直に入射する光の反射率を下げると共に、光の入射方向を斜め方向に変化させて、タンデム太陽電池を通過する光の経路を増加させるために、前面透明電極250の前面にナノサイズの構造物を有するか、グリッド又はメッシュパターンのような格子状パターンを有するようにパターン化された透明電極構造体260をさらに含む。
 
【0143】
  すなわち、前面透明電極250の前面にパターン化された透明電極構造体260を配置することで、タンデム太陽電池に向けて垂直に入射する光の入射角を変化させて入射光の反射率を下げることが可能である。
 
【0144】
  このような透明電極構造体260は、
図9及び
図10に示されたように、前面透明電極250と透明電極構造体260は別の層として具備されるものの、透明電極構造体260はグリッド、メッシュ又は凹凸パターンでパターン化されることで、一部の領域で前面透明電極250を露出することができる。また、
図11に示されたように、前面透明電極250と透明電極構造体260は、一体型として具備されてもよいし、この場合、透明電極を蒸着した後、前面から所定の深さだけパターニングすることで、透明電極構造体260を形成することができる。
 
【0145】
  前面金属電極270は、前面透明電極250の前面のうち一部の領域に具備される。前面金属電極270は、前面透明電極250の前面のうち一部の領域と接触するパッド電極272を含む。また、追加的に前面透明電極250の前面に電荷を収集するためのグリッド電極271構造が形成されて、グリッド電極構造の前面のうち一部の領域にパッド電極272が接触するように具備されてもよい。パッド電極272の前面には隣り合うタンデム太陽電池(セル)を電気的に連結するために電極ワイヤ273がソルダリングにより接合されて、一つのセルのパッド電極272の前面に連結された電極ワイヤ273は、隣り合うセルのパッド電極282の後面に連結された電極ワイヤ283と一体に具備される。
 
【0146】
  ここで、電極ワイヤ273は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状であることが望ましい。これにより、電極ワイヤ273に向けて垂直に入射する光を散乱して、タンデム太陽電池に再び入射する確率を増加させることができる。
 
【0148】
  図12は、
図2に示されたタンデム太陽電池の製造手順を示したものであり、
図13は、
図9に示されたタンデム太陽電池の製造手順を示したものである。
 
【0150】
  図12及び
図13の(a)は、結晶シリコン太陽電池を具現するための結晶シリコン基板111、211を準備する段階であり、(b)は、結晶シリコン基板111、211から結晶シリコン太陽電池110、210を完成する段階である。
 
【0151】
  図12の(a)を参照すれば、結晶シリコン基板111の前面及び後面にそれぞれi型アモルファスシリコン層と導電型アモルファスシリコン層を形成する前に、結晶シリコン基板111の前面を化学的に平坦化して、後面にテクスチャー構造を導入する。
 
【0152】
  また、
図13の(a)を参照すれば、結晶シリコン基板211の前面及び後面にそれぞれエミッタ層と後面電界層を形成する前に、結晶シリコン基板211の前面を化学的に平坦化して、後面にテクスチャー構造を導入する。
 
【0153】
  図12の(a)及び
図13の(a)による結晶シリコン基板の平坦化及びテクスチャー構造の導入は、湿式化学エッチング法、乾式化学エッチング法、電気化学エッチング法、機械的エッチング法のうちいずれかの方法であり、必ずしもこれに限られることではない。例えば、結晶シリコン基板の前面及び後面を塩基性水溶液内でエッチングして(湿式化学エッチング法)、両面にテクスチャー構造を導入した後、シリコン基板の前面に対する選択的エッチングを通じて、前面は平坦で、後面にテクスチャー構造の導入されたシリコン基板を得ることができる。シリコン基板の前面に対する選択的エッチングは、後面にパッシベーション層を形成した後にエッチングを行うか、シリコン基板の前面のみにエッチング液を噴射することで行うことができる。
 
【0154】
  結晶シリコン基板111、211の後面にテクスチャー構造を導入することで、結晶シリコン基板111、211の後面から順に形成される各層は、結晶シリコン基板111、211の後面に導入されたテクスチャー構造に対応するテクスチャー構造を有することができる。一方、結晶シリコン基板111、211の前面は平坦化工程を経たため、結晶シリコン基板111、211の前面から順に形成される各層は平らに形成されてもよい。但し、必要な場合は、結晶シリコン基板111、211の前面に形成される複数の層のうち、任意の層をエッチングして凹凸を導入する等のようなパターン化工程をさらに含むことができる。
 
【0155】
  次に、
図12の(b)を参照すれば、結晶シリコン基板111の前面及び後面にそれぞれ前面i型アモルファスシリコン層112と後面i型アモルファスシリコン層113を形成した後、前面i型アモルファスシリコン層112の前面に第1の導電型アモルファスシリコン層114を形成して、後面i型アモルファスシリコン層113の後面に第2の導電型アモルファスシリコン層115を形成する。
 
【0156】
  ここで、i型アモルファスシリコン層、第1の導電型アモルファスシリコン層及び第2の導電型アモルファスシリコン層は、知られた多様な方法で蒸着することができ、代表的な蒸着方法として化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)がある。ここで、化学気相蒸着法としては常圧CVD、減圧CVD、プラズマCVD(PECVD)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマCVD、高温CVD、低温CVD等がある。このとき、i型アモルファスシリコン層は、2〜10nm厚さで蒸着されてもよいし、第1の導電型アモルファスシリコン層及び第2の導電型アモルファスシリコン層は、10〜80nm厚さで蒸着されてもよい。
 
【0157】
  図13の(b)を参照すれば、結晶シリコン基板211の前面及び後面にそれぞれエミッタ層212と後面電界層213を形成する。
 
【0158】
  エミッタ層212と後面電界層213は、インプラント工程を通じて形成することができ、このとき、エミッタ層212は不純物として硼素(boron)を、後面電界層213は不純物として燐(phosphorous)をドーピングする。インプラント工程により、エミッタ層212と後面電界層213を形成する場合は、不純物の活性化のために700〜1、200℃の熱処理を伴うことが望ましい。また、インプラント工程に代えてBBr
3又はPOCl
3等を用いる高温拡散工程を通じてエミッタ層212と後面電界層213を形成することも可能である。
 
【0159】
  図12の(c)を参照すれば、結晶シリコン太陽電池110の後面に後面透明電極140を形成して、前面に接合層120を形成する。
 
【0160】
  接合層120と後面透明電極140は、多様な透明導電性素材で形成されてもよい。接合層120及び後面透明電極140を形成するための透明導電性素材としては透明導電性酸化物、炭素質導電性素材、金属性素材及び導電性高分子等がある。
 
【0161】
  例えば、接合層120及び後面透明電極140を形成するための透明導電性素材としてITO(Indium Tin Oxide)、ICO(Indium Cerium Oxide)又はIWO(Indium Tungsten Oxide)のような透明導電性酸化物を用いる場合は、接合層120と後面透明電極140は、スパッタリングを通じて蒸着されてもよい。また、接合層120として透明導電性酸化物に代えてn型アモルファスシリコン層をPECVDで蒸着して用いることも可能である。
 
【0162】
  図13の(c)を参照すれば、結晶シリコン太陽電池210の後面に後面パッシベーション層240を形成して、前面に接合層220を形成する。
 
【0163】
  このとき、接合層220を形成する前にエミッタ層212の表面欠陥を減らして、トンネル接合のための導電性を確保するためにエミッタ層212の前面に0.5〜10nm厚さのパッシベーション層221を形成した後、接合層220を形成することができる。例えば、パッシベーション層はSiO
xからなり、湿式工程、オゾン処理又はPECVDによって形成されてもよい。次に、パッシベーション層の前面に50〜500nm厚さのp+型結晶シリコン層とn+型結晶シリコン層を順に蒸着して接合層220を形成することができる。後面パッシベーション層240は、シリコン酸化物(SiO
x)、シリコン窒化物(Si
xN
y)又はシリコン酸化窒化物(SiO
xN
y)をPECVDで蒸着して形成することができる。
 
【0164】
  図13の(d)を参照すれば、後面パッシベーション層240を貫通するパッド電極281が形成される。パッド電極281はAg、Al又はAg-Alペーストを、スクリーンプリンティングを通じて後面パッシベーション層240の後面にパターニングした後、乾燥させて熱処理することで形成されてもよい。熱処理を通じてパターニングされたパッド電極281は、後面電界層213とコンタクトを形成することができる。
 
【0165】
  次に、
図12の(d)及び(e)と
図13の(e)を参照すれば、接合層120、220の前面にペロブスカイト太陽電池130、230を形成する。
 
【0166】
  まず、接合層120、220の前面に電子伝達層131、231を形成した後、電子伝達層131、231の前面にメソポーラス層131a、231aを形成する。このとき、電子伝達層131、231とメソポーラス層131a、231aは、同じ金属酸化物で形成されてもよい。
 
【0167】
  例えば、電子伝達層131、231は5〜100nm厚さ、メソポーラス層131a、231aは500nm以下の厚さを有するTiO
2層で形成されてもよい。メソポーラス層131a、231aの前面にはペロブスカイト吸収層132、232が形成されて、ペロブスカイト吸収層132、232は、メソポーラス層131a、231a内のメソポーラスを満たした後、100〜500nm厚さだけ形成されてもよい。ペロブスカイト吸収層132、232の前面には、導電性高分子を用いて正孔伝達層133、233を5〜100nm厚さで形成することができる。
 
【0168】
  ペロブスカイト太陽電池130、230を構成する各層は、例えば物理的蒸着法、化学的蒸着法又は印刷法等を通じて形成することができる。ここで、印刷法はインクジェットプリンティング、グラビアプリンティング、スプレーコーティング、ドクターブレード、バーコーティング、グラビアコーティング、ブラシペインティング、及びスロットダイコーティング等を含む。
 
【0169】
  次に、
図12及び
図13の(f)を参照すれば、接合層120、220を介してトンネル接合された結晶シリコン太陽電池110、210とペロブスカイト太陽電池130、230が準備された後、ペロブスカイト太陽電池130、230の前面に前面透明電極150、250と透明電極構造体160、260が形成される。
 
【0170】
  ここで、前面透明電極150、250と透明電極構造体160、260は、透明電極が適用された他の層と同様、多様な透明導電性素材を用いて形成することができる。また、前面透明電極150、250と透明電極構造体160、260は、互いに同一又は異なる透明導電性素材で形成されてもよい。
 
【0171】
  例えば、前面透明電極150、250を形成するための透明導電性素材として、 ITO(Indium Tin Oxide)のような透明導電性酸化物を用いる場合、前面透明電極150、250は、スパッタリングを通じて蒸着されてもよい。
 
【0172】
  前面透明電極150、250の前面に透明電極構造体160、260をパターン化する方法は、透明電極構造体160、260のパターン形態及び工程数等を考慮して適切に選択することができる。
 
【0173】
  例えば、
図2及び
図9に示された透明電極構造体160、260は、前面透明電極150、250と透明電極構造体160、260をスパッターにより別の層として蒸着した後、一つの層状に蒸着された透明電極構造体160、260にナノサイズの構造物を導入するか、グリッド又はメッシュパターンのような格子状パターンが形成されるようにエッチング(湿式又は乾式)することで形成することができる。このとき、透明電極構造体160、260がエッチングされた領域で前面透明電極150、250が露出するようにできる。他の例によれば、前面透明電極150の前面にナノスフェア溶液を適正量塗布した後、超音波等のようなエネルギーを印加することによる自家組立誘導方式を通じて、グリッド又はメッシュパターンを有するように透明電極構造体160、260を形成することができる。
 
【0174】
  図3及び
図10に示された透明電極構造体160、260は、透明電極構造体160のエッチング度合いを調節することで、凹凸パターンを有するように形成される。
図4及び
図11に示された透明電極構造体160、260は、前面透明電極150、260と一体型に具備される。すなわち、前面透明電極150、250を蒸着した後、所定の深さだけエッチングすることで、前面透明電極150、250の前面にパターン化された透明電極構造体160、260を導入することができる。
 
【0175】
  上記開示された方法は、いずれもシリコン基板の前面を平坦化してペロブスカイト層及び透明電極を形成する場合について記述したが、シリコン基板の前面部の表面を微細にエッチングして、その上にペロブスカイト太陽電池層を形成し、その模様が透明電極にまで転写される方式で製作することも可能である。
 
【0176】
  次に、
図12の(g)を参照すれば、前面透明電極150の前面に前面金属電極170を形成して、後面透明電極140の後面に後面金属電極180を形成する。特に、後面金属電極180は、結晶シリコン太陽電池110で吸収されなかった長波長光が後面に放出されるように、後面透明電極140の後面のうち一部の領域にのみ形成することが望ましい。
 
【0177】
  ここで、前面金属電極170と後面金属電極180は、グリッド電極171、181を含み、パッド電極(未図示)を選択的に含むことができる。グリッド電極171、181とパッド電極(パッド電極)を含む前面金属電極170と後面金属電極180は、それぞれ前面透明電極150と後面透明電極140に接触するようにAg、Al又はAg-Alペーストをスクリーンプリンティング(印刷)した後、100〜150℃で熱処理することで形成されてもよい。
 
【0178】
  図13の(g)を参照すれば、
図12の(g)と同じ方式で前面透明電極250の前面に前面金属電極270を形成する。
 
【0180】
  図14は、本発明によるタンデム太陽電池(セル)が直列に連結された形態を概略的に示したものである。各々の太陽電池セルは、出力を高めると共に太陽電池セルを水分又は外部の衝撃から保護するために複数のセルを電気的に連結して包装するモジュール化段階を経ることになる。
 
【0181】
  これにより、本発明の他の側面によれば、本願に開示されたタンデム太陽電池は、導電体を用いて隣り合う二つのタンデム太陽電池を直列に連結することでモジュール化することができる。
 
【0182】
  図14を参照すれば、隣り合う二つのタンデム太陽電池C1、C2は、電極ワイヤ173、183により互いに連結される。このとき、隣り合う二つのタンデム太陽電池は、マルチワイヤタブ(multi  wire tabbing)方式により互いに連結されてもよい。
 
【0183】
  例えば、電極ワイヤ173、273の一方は、任意のタンデム太陽電池C1の前面に位置するパッド電極172、272にソルダリングされて、電極ワイヤ173、283の他方は、他のタンデム太陽電池C2の後面に位置するパッド電極182、282にソルダリングされる。
 
【0184】
  隣り合う二つのタンデム太陽電池を直列に連結するための導電体として、ソルダー材料(Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnPb、Sn、SnCuAg、SnCu)がコーティングされたCu、Ag、Ni又はAl材質の電極ワイヤが用いられる。電極ワイヤ173、183は、ソルダリング等のような多様な方法を通じてパッド電極172、182上に付着することができる。
 
【0185】
  このとき、電極ワイヤ173、183は、円筒形または楕円形の断面を有するワイヤ状であることが望ましい。これにより、電極ワイヤ173、183に向けて垂直に入射する光を散乱して、タンデム太陽電池に再び入射する確率を増加させて光電変換効率を向上させることができる。
 
【0186】
  ちなみに、
図5に示されたように、複数のセルが電気的に連結されたタンデム太陽電池モジュールの前面及び後面には、それぞれギャップ195、205を有して前面透明基板190及び後面透明基板200が接合されてもよい。このとき、ギャップ195、205は、シーラントのような封止材が満たされた封止層であってもよい。また、他の例によれば、タンデム太陽電池と前面透明基板190及び後面透明基板200の間のギャップ195、205に封止材が満たされず、空気等のようなガスが満たされた空気層の存在するモジュールが提供されてもよい。
 
【0187】
  ここで、前面透明基板190及び後面透明基板200としては、ガラス基板又は透明ポリマー基板等が用いられる。このとき、タンデム太陽電池モジュールの角部分は、封止材と異なるシーリング部材を用いて封止されてもよい。
 
【0188】
  以上のように、本発明について例示した図面を参照して説明したが、本明細書に開示された実施例と図面により本発明が限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者により多様な変形がなされることは自明である。さらに、上記本発明の実施例を説明しながら本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成により予測できる効果も認められるべきである。