(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0013】
==電力系統==
図1に一例として示すように、本実施形態に係る電力系統400は、発電設備410(G)、送配電線430(Z1、Z2)、母線420(n1、n2、n3)、負荷440、及び計測器450を有して構成されている。
【0014】
発電設備410は、電力エネルギーを生成する電力源であり、水力発電設備や原子力発電設備、火力発電設備、太陽光発電設備、風力発電設備などにより構成される。
【0015】
また母線420は、発電所や変電所に設けられる。
【0016】
負荷440は、発電設備410から供給される電力を利用して動作する工場や家庭等における電気機器である。
【0017】
計測器450は、電力系統400に設置され、電力系統400における電力の状態に応じて変動する物理量(周波数や電圧、潮流など)を計測する機器である。本実施形態では、計測器450は所定時間毎(例えば15分毎や1時間毎)に母線(n3)420における周波数(第1物理量)及び電圧(第2物理量)を計測し、後述する制御装置100に送信している。
【0018】
計測器450は、周波数や電圧を計測するものに限らず、負荷440の電力消費量や、送配電線430を流れる電流、力率等、その他様々な物理量を計測するものであってもよい。
【0019】
また
図1には示されていないが、電力系統400は、電力の位相を制御する調相設備や変圧器、開閉器などの様々な設備を有して構成されている。
【0020】
==電力貯蔵装置==
電力貯蔵装置200は、電力系統400と連系し、電力系統400から得た電力エネルギーを蓄積し取り出すことが可能な装置である。電力貯蔵装置200は、例えば蓄電池やフライホイール、キャパシタなど、様々な方式の装置によって構成することができる。電力貯蔵装置200の構成を
図2に示す。
【0021】
電力貯蔵装置200は、双方向コンバータ210及びエネルギー貯蔵部220を有して構成される。
【0022】
エネルギー貯蔵部220は、電力系統400から取得した電気エネルギーを、元の電気エネルギーに復元可能な状態で貯蔵する装置である。エネルギー貯蔵部220は、ナトリウム硫黄電池、鉛電池、レドックスフロー電池などの各種の化学反応を利用した電池により構成することができる。あるいはエネルギー貯蔵部220は電気二重層キャパシタにより構成することができる。またあるいは、エネルギー貯蔵部220は電力エネルギーを回転エネルギーの形で貯蔵可能なフライホイールにより構成することができる。
【0023】
双方向コンバータ210は、電力系統400とエネルギー貯蔵部220との間でエネルギーの変換及び授受を行う。双方向コンバータ210は、後述する制御装置100からの指令(有効電力の指令値、無効電力の指令値)に従って、指定された量の有効電力及び無効電力を出力する。
【0024】
有効電力の指令値及び無効電力の指令値が正の値である場合には、本実施形態に係る双方向コンバータ210は、電力貯蔵装置200から電力系統400に対して有効電力及び無効電力を供給するように動作し、有効電力の指令値及び無効電力の指令値が負の値である場合には、電力系統400から電力貯蔵装置200に有効電力及び無効電力を取り込むように動作する。
【0025】
変圧器300は、母線420(n3)と電力貯蔵装置200との間の電圧を変換する。
【0026】
==制御装置==
本実施形態に係る制御装置100は、電力系統400における電力の状態に応じて変動する第1物理量(例えば周波数)と、第2物理量(例えば電圧)と、をそれぞれ所定の目標値(第1目標値、第2目標値)に制御するべく、電力貯蔵装置200から出力する有効電力及び無効電力を制御する情報処理装置である。
【0027】
本実施形態に係る制御装置100の全体構成を
図3及び
図4に示す。
図3は、制御装置100の機能構成を説明するための図であり、
図4は、制御装置100のハードウェア構成を説明するための図である。
【0028】
<ハードウェア構成>
図4に示すように、本実施形態に係る制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、通信装置130、記憶装置140、入力装置150、出力装置160及び記録媒体読取装置170を有して構成されるコンピュータである。
【0029】
CPU110は制御装置100の全体の制御を司るもので、記憶装置140に記憶される本実施形態に係る各種の動作を行うためのコードから構成される制御プログラム600をメモリ120に読み出して実行することにより、制御装置100としての各種機能を実現する。
【0030】
例えば、詳細は後述するが、CPU110により制御プログラム600が実行され、メモリ120や通信装置130、記憶装置140等のハードウェア機器と協働することにより、
図3に示した計測値取得部101(第1計測値取得部101a、第2計測値取得部101b)、演算部102(有効電力算出部102a、無効電力算出部102b、有効電力補正部102c、無効電力補正部102d、第1指令値算出部102e、第2指令値算出部102f、第1差分算出部107a、第2差分算出部107b)、記憶部103、予測値算出部105(第1予測値算出部105a、第2予測値算出部105b)、指令値出力部106などが実現される。
【0031】
メモリ120は例えば半導体記憶装置により構成することができる。
【0032】
通信装置130は、ネットワークカードなどのネットワークインタフェースである。通信装置130は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して他のコンピュータからデータを受信し、受信したデータを記憶装置140やメモリ120に記憶する。また通信装置130は、記憶装置140やメモリ120に記憶されているデータを、ネットワークを介して他のコンピュータへ送信する。
【0033】
入力装置150は、操作スイッチやキーボード、マウス、マイク等の装置であり、制御装置100の操作者による情報の入力を受け付けるための装置である。出力装置160は、LCD(Liquid Crystal Display)や表示ランプ、各種表示メータ、プリンタ、スピーカ等の装置であり、情報を出力するための装置である。
【0034】
記憶装置140は、例えばハードディスク装置や半導体記憶装置等により構成することができる。記憶装置140は、各種プログラムやデータ、テーブル等を記憶するための記憶領域を提供する装置である。
図5に、記憶装置140に制御プログラム600、伝達関数700〜709、第1目標値710、第2目標値720、系統情報730、伝達関数切り替えテーブル750、751等が記憶されている様子を示す。
【0035】
なお、制御プログラム600や伝達関数700〜709、第1目標値710、第2目標値720、系統情報730、伝達関数切り替えテーブル750、751は、記録媒体読取装置170を用いて、記録媒体(各種の光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリ等)800から記憶装置140に読み出すことで、制御装置100に格納されるようにすることもできるし、入力装置150から、あるいは通信装置130を介して通信可能に接続される他のコンピュータから取得することで、制御装置100に格納されるようにすることもできる。
【0036】
伝達関数700〜709は、制御装置100が電力貯蔵装置200に対して出力する有効電力の指令値及び無効電力の指令値を算出する際に使用する関数である。なお本実施形態に係る伝達関数700〜709は、与えられたデータの値から目的とするデータの値を算出することが可能なデータ変換要素であり、複素数領域で定義される数式に限られず、実時間領域で定義される数式であってもよいし、データテーブルやリストが含まれていても良い。
【0037】
第1目標値710は、電力系統400における周波数(第1物理量)の目標値である。
【0038】
第2目標値720は、電力系統400における電圧(第2物理量)の目標値である。
【0039】
系統情報730は、例えば、電力系統400における送配電線430の長さや線路インピーダンス、負荷440の位置や有効電力及び無効電力、発電設備410の位置や出力電力等を含む、電力系統400に関するデータである。
【0040】
伝達関数切り替えテーブル750、751は、制御装置100が、後述する有効電力の補正値及び無効電力の補正値を算出する際に用いる伝達関数を切り替える際に参照されるテーブルである。
【0041】
伝達関数切り替えテーブル750には、
図9に示すように、時間帯ごとに、制御装置100がその時間帯に使用するべき伝達関数が対応付けて記憶されている。
【0042】
一方、伝達関数切り替えテーブル751には、
図11に示すように、計測器450によって計測された電力の状態を表す計測値の範囲ごとに、制御装置100が使用するべき伝達関数が対応付けて記憶されている。
【0043】
<ブロック線図>
次に
図6を参照しながら、本実施形態に係る制御装置100が、電力貯蔵装置200に対して出力する有効電力の指令値及び無効電力の指令値を求めるために用いるブロック線図について説明する。
【0044】
なお
図6に示すブロック線図は、電力系統400、電力貯蔵装置200及び制御装置100からなる制御モデルを表したものである。そして制御装置100は、記憶装置140に記憶されている伝達関数700〜709や第1目標値710、第2目標値720、系統情報730、伝達関数切り替えテーブル750、751等のデータを用いながら制御プログラム600を実行することによってこの制御モデルに従う各種の演算を行ない、電力貯蔵装置200に対して出力する有効電力の指令値及び無効電力の指令値を算出する。
【0045】
図6において、制御装置100が電力貯蔵装置200に対して出力する有効電力の指令値及び無効電力の指令値は、それぞれPr及びQrで示されている。
【0046】
そしてこれらの有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrに応じて、電力貯蔵装置200は、電力系統400に対してPb及びQbで示される有効電力及び無効電力を出力する。そしてこれによって、電力系統400の周波数(第1物理量)はF’になり、電圧(第2物理量)はV’になる。
【0047】
なお本実施形態に係る電力貯蔵装置200は、有効電力の指令値Prに等しい有効電力Pbを出力し、無効電力の指令値Qrに等しい無効電力Qbを出力するものとしている。
【0048】
電力系統400は、第5伝達関数705(G11)、第6伝達関数706(G12)、第7伝達関数707(G22)、第8伝達関数708(G21)、第1予測値算出部105a、第2予測値算出部105bによって表される。
【0049】
第5伝達関数705(G11)は、電力貯蔵装置200が有効電力の指令値Prに応じた有効電力Pbを出力することにより見込まれる電力系統400の周波数(第1物理量)の計算値を算出可能な関数である。
【0050】
第6伝達関数706(G12)は、電力貯蔵装置200が無効電力の指令値Qrに応じた無効電力Qbを出力することにより生じることが見込まれる電力系統400の周波数(第1物理量)の変動量を算出可能な関数である。
【0051】
第1予測値算出部105aは、上記周波数の計算値を上記周波数の変動量によって補正(本実施形態では加算)して、電力系統400の周波数の予測値F’を算出する。
【0052】
第7伝達関数707(G22)は、電力貯蔵装置200が無効電力の指令値Qrに応じた無効電力Qbを出力することにより見込まれる電力系統400の電圧(第2物理量)の計算値を算出可能な関数である。
【0053】
第8伝達関数708(G21)は、電力貯蔵装置200が有効電力の指令値Prに応じた有効電力Pbを出力することにより生じることが見込まれる電力系統400の電圧(第2物理量)の変動量を算出可能な関数である。
【0054】
第2予測値算出部105bは、上記電圧の計算値を上記電圧の変動量によって補正(本実施形態では加算)して、電力系統400の電圧の予測値V’を算出する。
【0055】
このように、電力系統400は、電力貯蔵装置200から有効電力Pbが出力されると、電力系統400の周波数が変動するのみならず電圧も変動し、電力貯蔵装置200から無効電力Qbが出力されると、電力系統400の電圧が変動するのみならず周波数も変動する。
【0056】
つまり、電力系統400において、周波数を制御しようとして電力貯蔵装置200から出力される有効電力Pbを制御すると電力系統400の電圧も影響を受けて変動し、電圧を制御しようとして電力貯蔵装置200から出力される無効電力Qbを制御すると電力系統400の周波数も影響を受けて変動する。
【0057】
本実施形態に係る制御装置100は、このような干渉を取り去るために、以下に記載する第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)を用いて、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを算出している。これにより、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することが可能になる。
【0058】
具体的に説明すると、まず、制御装置100のブロック線図は、第1差分算出部107a、第2差分算出部107b、第1伝達関数701(K1)、第2伝達関数702(K2)、第3伝達関数703(C1)、第4伝達関数704(C2)、第1指令値算出部102e、第2指令値算出部102fにより表される。
【0059】
第1差分算出部107aは、電力系統400における周波数の計測値Fと、目標周波数(第1目標値)710との差分ΔFを算出する。
【0060】
また第2差分算出部107bは、電力系統400における電圧の計測値Vと、目標電圧(第2目標値)720との差分ΔVを算出する。
【0061】
第1伝達関数701(K1)は、周波数の差分ΔFから、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の目標値である有効電力目標値を算出する関数である。
【0062】
第2伝達関数702(K2)は、電圧の差分ΔVから、電力貯蔵装置200が出力すべき無効電力の目標値である無効電力目標値を算出する関数である。
【0063】
第1伝達関数701(K1)及び第2伝達関数702(K2)は、例えば記憶装置140に記憶されている系統情報730を用いて設計される。
【0064】
第3伝達関数703(C1)は、電力系統400の周波数を有効電力Pbによって制御する場合における無効電力Qbからの干渉を取り除くための関数である。具体的には、第3伝達関数703(C1)は、第2伝達関数702(K2)によって算出された無効電力目標値を用いて、第1伝達関数701(K1)によって算出された有効電力目標値に対する補正量である有効電力補正値を算出する。
【0065】
第4伝達関数704(C2)は、上記電力系統400の電圧を無効電力Qbによって制御する場合における有効電力Pbからの干渉を取り除くための関数である。具体的には、第4伝達関数704(C2)は、第1伝達関数701(K1)によって算出された有効電力目標値を用いて、第2伝達関数702(K2)によって算出された無効電力目標値に対する補正量である無効電力補正値を算出する。
【0066】
第1指令値算出部102eは、有効電力目標値を有効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する有効電力の指令値Prを算出する。
【0067】
第2指令値算出部102fは、無効電力目標値を無効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する無効電力の指令値Qrを算出する。
【0068】
そして制御装置100は、電力貯蔵装置200に対して出力すべき有効電力の指令値Pr及び無効電力Qrの指令値を算出する。
【0069】
このように、本実施形態に係る制御装置100は、第1伝達関数701〜第4伝達関数704を用いて有効電力の指令値Pr及び無効電力Qrの指令値を算出するようにしているため、電直貯蔵装置200や電力系統400の特性が変化した場合であっても、第1伝達関数701〜第4伝達関数704を変更することによって、迅速かつ柔軟に対応することができ、電力系統400の目標周波数や目標電圧を維持するように制御を続けることができる。
【0070】
次に、上記干渉を取り除くための第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)について具体的に説明する。
【0071】
まず、
図3に示すブロック線図から、以下の(式1)〜(式6)が成り立つ。
【0072】
Pr=(K1×ΔF)+(C1×K2×ΔV) …(式1)
Qr=(C2×K1×ΔF)+(K2×ΔV) …(式2)
F’=(G11×Pb)+(G12×Qb) …(式3)
V’=(G21×Pb)+(G22×Qb) …(式4)
Pb=Pr …(式5)
Qb=Qr …(式6)
(式1)〜(式6)からPr、Pb、Qr、Qbを消去すると、(式7)〜(式8)が得られる。
【0073】
F’=(G11+G12×C2)×(K1×ΔF)+(G11×C1+G12)×(K2×ΔV) …(式7)
V’=(G21+G22×C2)×(K1×ΔF)+(G21×C1+G22)×(K2×ΔV) …(式8)
干渉がなくなるためには(式9)〜(式10)が成り立つ必要がある。そして(式9)〜(式10)をC1、C2について解くことにより、C1及びC2を(式11)〜(式12)のように求めることができる。
【0074】
(G11×C1+G12)=0 …(式9)
(G21+G22×C2)=0 …(式10)
C1=-G12/G11 …(式11)
C2=-G21/G22 …(式12)
つまり、第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)は、電力系統400の伝達関数である第5伝達関数705(G11)〜第8伝達関数708(G21)を求めることにより、確定させることができる。
【0075】
なお、第5伝達関数705(G11)〜第8伝達関数708(G21)は、例えば既知のシステム同定技術を用いることによって求めることが可能である。
【0076】
例えば、第5伝達関数705(G11)及び第6伝達関数706(G12)をシステム同定技術を用いて求める場合には、過去の所定期間(例えば1か月間)における電力系統400の周波数の計測値Fと、有効電力の指令値Prと無効電力の指令値Qrとを用いて、これらのデータの間に成り立つ関係式を第5伝達関数705(G11)及び第6伝達関数706(G12)として特定する。
【0077】
つまり、周波数の計測値Fを目的変数とし、有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを説明変数とし、第5伝達関数705(G11)と第6伝達関数706(G12)との和を回帰式とした回帰分析を行うことによって、第5伝達関数705(G11)と第6伝達関数706(G12)の制御パラメータを決定する。
【0078】
同様に、第7伝達関数707(G22)及び第8伝達関数708(G21)をシステム同定技術を用いて求める場合には、電圧の計測値Vを目的変数とし、有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを説明変数とし、第7伝達関数707(G22)と第8伝達関数708(G21)との和を回帰式とした回帰分析を行うことによって、第7伝達関数707(G22)と第8伝達関数708(G21)の制御パラメータを決定する。
【0079】
本実施形態に係る制御装置100は、このようにして定めた第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)を制御モデルに組み込むことによって、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを算出している。このため、電力貯蔵装置200が有効電力Pb及び無効電力Qbを出力する際に電力系統400の周波数や潮流、電圧に生ずる干渉を取り去ることが可能となり、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することを可能にしている。
【0080】
ところで、電力系統400の伝達関数である第5伝達関数705(G11)〜第8伝達関数708(G21)は、電力系統400における電力の状態に応じて変動する。
【0081】
例えば電力系統400における負荷440の電力消費量が
図13に示すように変動する場合、時刻t1とt2とでは、電力系統400の周波数に対する応答特性や潮流に対する応答特性、電圧に対する応答特性はそれぞれ異なるため、時刻t1とt2とのそれぞれにおいて、電力貯蔵装置200から同量の有効電力Pb及び同量の無効電力Qbを出力した場合であっても、電力系統400の周波数や潮流、電圧は異なる値に変動する。
【0082】
また電力系統400の特性は、負荷440の電力消費量の違いだけでなく、電力系統400を構成する制御機器の動作状況の違いや、太陽光発電や風力発電等の発電量の違いなどによっても異なってくる。
【0083】
そこで本実施形態に係る制御装置100は、第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)を、電力系統400における電力の状態に応じて定まる所定のタイミングで切り替えるようにしている。
【0084】
例えば電力系統400の特性が1日の間で第1状態と第2状態とを毎日繰り返すように規則的に変化する場合には、例えば電力系統400が第1状態になる昼間の時間帯(6時から18時まで)と、第2状態になる夜間の時間帯(18時から6時)に区分して、それぞれの時間帯に適した特性をもった伝達関数を用いるようにする。
【0085】
例えば昼間の時間帯における電力系統400の特性が、G11、G12、G21、G22で表され、夜間の時間帯における電力系統400の特性が、G11’、G12’、G21’、G22’で表される場合、昼間の時間帯には、(式11)(式12)で表される第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)を用いて有効電力の補正値及び無効電力の補正値を算出するようにし、夜間の時間帯には、(式13)(式14)で表される第3伝達関数703(C1’)及び第4伝達関数704(C2’)を用いて有効電力の補正値及び無効電力の補正値を算出するようにする。
【0086】
C1'=-G12'/G11' …(式13)
C2'=-G21'/G22' …(式14)
このような態様によって、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することが可能になる。
【0087】
このように、電力系統400の特性が規則的に変化する場合には、この規則性を利用して事前に定めた所定のタイミング(毎日の特定の時刻、あるいは毎月の特定の日、あるいは毎年の特定の月など)で、第3伝達関数703及び第4伝達関数704を切り替えるようにするとよい。
【0088】
なお、制御装置100は、第3伝達関数703及び第4伝達関数704を切り替えるだけでなく、広く、有効電力の補正値及び無効電力の補正値を算出する際に用いる制御データを切り替えるようにできる。このような制御データとしては、例えば上記の(式11)〜(式14)で示されるような第3伝達関数703や第4伝達関数704が含まれるだけでなく、第1目標値710、第2目標値720、系統情報730、各種の係数、制御パラメータ、テーブル、さらにはブロック線図も含まれてよい。
【0089】
ブロック線図を切り替える場合の例としては、例えば、昼間の時間帯には、有効電力の目標値及び無効電力の目標値を、それぞれ第3伝達関数703及び第4伝達関数704により算出された補正値で補正するが、夜間の時間帯には、いずれか一方あるいは両方の補正を行わないように切り替えるような例が挙げられる。
【0090】
このように、本実施形態に係る制御装置100によれば、電力貯蔵装置200の制御を電力系統400の特性の変化に応じて柔軟に行うことが可能となる。そしてこれにより、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することが可能になる。
【0091】
また、有効電力の補正値及び無効電力の補正値を算出する際に用いる制御データを切り替えるタイミングは、電力系統400における電力の状態に応じて定まる所定のタイミングであればよく、上記のように事前に定められた特定の時刻(6時、18時等)である場合に限らず、電力系統400に設置される計測器450によって計測された電力系統400の電力の状態を表す計測値と判定値との比較の結果に応じて、切り替えを行うタイミングを動的に決定するようにしてもよい。
【0092】
動的にタイミングを決定する場合は、例えば、電力系統400の周波数や負荷端電圧の値の組み合わせが異なる複数の制御モデルについて、それぞれ第3伝達関数703及び第4伝達関数704を事前に求めて伝達関数切り替えテーブル451に記憶しておき、計測器450によって随時計測される周波数や負荷端電圧の計測値をそれぞれ判定値と比較することによって、該当する第3伝達関数703及び第4伝達関数704に切り替えるようにする。
【0093】
このような態様によれば、電力貯蔵装置200の制御を電力系統400の特性の変化に応じてより一層柔軟に行うことが可能となる。そしてこれにより、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより一層正確に制御することが可能になる。
【0094】
<電力貯蔵装置の制御機能>
次に、
図3及び
図6〜
図7等を参照しながら、本実施形態に係る制御装置100が有する電力貯蔵装置200の制御機能及び動作について説明する。
【0095】
図3に示すように、制御装置100は、計測値取得部101、演算部102および指令値出力部106を有して構成される。
【0096】
そして演算部102には、第1差分算出部107a、第2差分算出部107b、有効電力算出部102a、無効電力算出部102b、有効電力補正部102c、無効電力補正部102d、第1指令値算出部102e、第2指令値算出部102fが含まれる。
【0097】
なお有効電力算出部102aには、第1伝達関数701(K1)が含まれる。また無効電力算出部102bには第2伝達関数702(K2)が含まれる。有効電力補正部102cには第3伝達関数703(C1)が含まれる。無効電力補正部102dには第4伝達関数704(C2)が含まれる。
【0098】
計測値取得部101は、計測器450によって計測された電力系統400における周波数(第1物理量)の計測値Fと、電圧(第2物理量)の計測値Vを取得する。
【0099】
具体的には、計測値取得部101は、第1計測値取得部101aと第2計測値取得部101bとを有し、第1計測値取得部101aは電力系統400における周波数(第1物理量)の計測値Fを取得し、第2計測値取得部101bは電力系統400における電圧(第2物理量)の計測値Vを取得する。
【0100】
そして第1差分算出部107aは、周波数の計測値Fと、目標周波数(第1目標値)710との差分ΔFを算出する。
【0101】
また第2差分算出部107bは、電圧の計測値Vと、目標電圧(第2目標値)720との差分ΔVを算出する。
【0102】
そして有効電力算出部102aは、第1伝達関数701(K1)を用いて、上記周波数の差分ΔFから、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の目標値である有効電力目標値を算出する。電力貯蔵装置200が有効電力目標値に応じた有効電力を出力することによって、電力系統400の周波数を第1目標値710に近づけることができる。
【0103】
一方、無効電力算出部102bは、第2伝達関数702(K2)を用いて、上記電圧の差分ΔVから、電力貯蔵装置200が出力すべき無効電力の目標値である無効電力目標値を算出する。電力貯蔵装置200が無効電力目標値に応じた有効電力を出力することによって、電力系統400の電圧を第2目標値720に近づけることができる。
【0104】
ただし上述したように、電力系統400の周波数は、電力貯蔵装置200が出力する有効電力によって変動するだけでなく、電力貯蔵装置200が無効電力を出力することによっても影響を受けて変動する。
【0105】
同様に、電力系統400の電圧は、電力貯蔵装置200が出力する無効電力によって変動するだけでなく、電力貯蔵装置200が有効電力を出力することによっても影響を受けて変動する。
【0106】
このため、本実施形態に係る制御装置100は、有効電力算出部102aが算出した有効電力目標値を、別途、有効電力補正部102cによって算出された有効電力補正値によって補正した後に、電力貯蔵装置200に対して有効電力指令値Prとして出力する。
【0107】
同様に、制御装置100は、無効電力算出部102bが算出した無効電力目標値を、別途、無効電力補正部102dによって算出された無効電力補正値によって補正した後に、電力貯蔵装置200に対して、無効電力指令値Qrとして出力する。
【0108】
有効電力補正部102cは、上述したように、有効電力算出部102aが算出した有効電力目標値に対する補正量である有効電力補正値を算出する。具体的には、有効電力補正部102cは、第3伝達関数703を用いて、無効電力算出部102bが算出した無効電力目標値から有効電力補正値を算出する。このようにして、電力貯蔵装置200が無効電力を出力することにより生ずる電力系統400の周波数の変動を相殺することが可能となる。
【0109】
同様に、無効電力補正部102dは、無効電力算出部102bが算出した無効電力目標値に対する補正量である無効電力補正値を算出する。具体的には、無効電力補正部102dは、第4伝達関数704を用いて、有効電力算出部102aが算出した有効電力目標値から無効電力補正値を算出する。このようにして、電力貯蔵装置200が有効電力を出力することにより生ずる電力系統400の電圧の変動を相殺することが可能となる。
【0110】
第1指令値算出部102eは、有効電力目標値を有効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する有効電力の指令値Prを算出する。
【0111】
第2指令値算出部102fは、無効電力目標値を無効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する無効電力の指令値Qrを算出する。
【0112】
そして
図3に示す指令値出力部106は、このようにして算出された有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを、電力貯蔵装置200に出力する。
【0113】
本実施形態に係る制御装置100は、このようにして定めた有効電力補正部102c、無効電力補正部102dを用いて、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを算出している。このため、電力貯蔵装置200が有効電力Pb及び無効電力Qbを出力する際に電力系統400の周波数や潮流、電圧に生ずる干渉を取り去ることが可能となり、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することを可能にしている。
【0114】
なお計測値取得部101は、所定期間毎に(例えば1時間毎に)、周波数の計測値Fと電圧の計測値Vを取得しているが、本実施形態に係る制御装置100は、計測値取得部101がこれらの計測値を取得する毎に、有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを新たに算出して、電力貯蔵装置200に出力している。
【0115】
このような態様によって、電力系統400における電力の最新の状態に応じて、電力貯蔵装置200に対して最適な有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを継続的に出力することが可能になる。
【0116】
なお、もちろん、制御装置100が有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを算出するタイミングは、周波数の計測値Fと電圧の計測値Vを取得するタイミングと同じでなくてもよい。
【0117】
次に本実施形態に係る制御装置100の制御方法について
図7のフローチャート参照しながら説明する。
【0118】
まず、計測値取得部101は、計測器450によって計測された電力系統400における周波数(第1物理量)の計測値Fと、電圧(第2物理量)の計測値Vを取得する(S1000)。
【0119】
そして有効電力算出部102aは、第1伝達関数701(K1)を用いて、周波数の計測値Fと目標周波数(第1目標値)710との差分ΔFから、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の目標値である有効電力目標値を算出する。同様に無効電力算出部102bは、第2伝達関数702(K2)を用いて、電圧の計測値Vと、目標電圧(第2目標値)720との差分ΔVから、電力貯蔵装置200が出力すべき無効電力の目標値である無効電力目標値を算出する(S1010)。
【0120】
そして有効電力補正部102cは、第3伝達関数703を用いて、無効電力算出部102bによって算出された無効電力目標値から有効電力補正値を算出する。同様に、無効電力補正部102dは、第4伝達関数704を用いて、有効電力算出部102aによって算出された有効電力目標値から無効電力補正値を算出する(S1020)。
【0121】
そして第1指令値算出部102eは、有効電力目標値を有効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する有効電力の指令値Prを算出する。同様に、第2指令値算出部102fは、無効電力目標値を無効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する無効電力の指令値Qrを算出する(S1030)。
【0122】
そして指令値出力部106は、有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを、電力貯蔵装置200に出力する(S1040)。
【0123】
このような方法で制御装置100を制御することによって、電力貯蔵装置200が有効電力Pb及び無効電力Qbを出力する際に電力系統400の周波数や潮流、電圧に生ずる干渉を取り去ることが可能となり、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することが可能になる。
【0124】
<伝達関数の切り替え機能>
次に、
図3、
図6、
図8〜
図11等を参照しながら、本実施形態に係る制御装置100が有する伝達関数の切り替え機能及び動作について説明する。
【0125】
まず本実施形態に係る制御装置100が、事前に定められた所定のタイミング(時刻、日にち、月、曜日など)が到来したときに、第3伝達関数703及び第4伝達関数704を切り替える場合について説明する。
【0126】
図8に示すように、有効電力補正部102c及び無効電力補正部102dは、切り替え時刻が到来するのをチェックしている(S2000)。
【0127】
そして切り替え時刻が到来したら、有効電力補正部102c及び無効電力補正部102dは、
図9に示す伝達関数切り替えテーブル750を参照し、該当する時間帯の伝達関数に第3伝達関数703及び第4伝達関数704を切り替える(S2010)。
【0128】
このような態様によれば、電力貯蔵装置200の制御を、電力系統400の特性の変化に応じて柔軟に行うことが可能となる。そしてこれにより、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することが可能になる。
【0129】
次に、本実施形態に係る制御装置100が動的なタイミングで第3伝達関数703及び第4伝達関数704を切り替える場合について説明する。
【0130】
図10に示すように、計測値取得部101は、第3伝達関数703及び第4伝達関数704を切り替えるか否かを判定するために定められた電力系統400における物理量の計測値を取得する(S3000)。このような物理量としては、例えば電力系統400における周波数や負荷端電圧の計測値などを用いることができる。
【0131】
そして有効電力補正部102c及び無効電力補正部102dは、
図11に示す伝達関数切り替えテーブル751を参照し、取得した計測値に該当する第3伝達関数703及び第4伝達関数704に切り替える(S3010)。
【0132】
このような態様により、電力貯蔵装置200の制御を電力系統400の特性の変化に応じてより一層柔軟に行うことが可能となる。そしてこれにより、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより一層正確に制御することが可能になる。
【0133】
==他の実施形態==
制御装置100は、
図12に示すブロック線図によって、電力貯蔵装置200に対して出力する有効電力の指令値及び無効電力の指令値を算出するようにしてもよい。
【0134】
図12に示すブロック線図は、
図6に示したブロック線図に対して、第9伝達関数740(D1)及び第10伝達関数741(D2)が追加されている。
【0135】
第9伝達関数740(D1)は、有効電力に対応した変動対応コントローラとして機能する。また第10伝達関数741(D2)は、無効電力に対応した変動対応コントローラとして機能する。
【0136】
第9伝達関数740(D1)及び第10伝達関数741(D2)は、第1伝達関数701(K1)や第2伝達関数702(K2)と同様に、例えば記憶装置140に記憶されている系統情報730を用いて設計される。
【0137】
そしてこの場合、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の目標値である有効電力目標値は、周波数の差分ΔFを、第1伝達関数701(K1)と第9伝達関数740(D1)で演算することで算出される。また無効電力目標値は、電圧の差分ΔVを、第2伝達関数702(K2)と第10伝達関数741(D2)で演算することで算出される。
【0138】
そして第1指令値算出部102eは、この有効電力目標値を、第3伝達関数703(C1)によって算出された有効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する有効電力の指令値Prを算出する。
【0139】
第2指令値算出部102fは、無効電力目標値を、第4伝達関数704(C2)によって算出された無効電力補正値によって補正(本実施形態では加算)して、電力貯蔵装置200に対する無効電力の指令値Qrを算出する。
【0140】
次に、
図12に示すブロック線図を用いる場合の第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)について具体的に説明する。
【0141】
まず、
図9に示すブロック線図から、以下の(式15)〜(式20)が成り立つ。
【0142】
Pr=(D1×K1×ΔF)+(C1×K2×ΔV) …(式15)
Qr=(C2×K1×ΔF)+(D2×K2×ΔV) …(式16)
F’=(G11×Pb)+(G12×Qb) …(式17)
V’=(G21×Pb)+(G22×Qb) …(式18)
Pb=Pr …(式19)
Qb=Qr …(式20)
(式15)〜(式20)からPr、Pb、Qr、Qbを消去すると、(式21)〜(式22)が得られる。
【0143】
F’=(G11×D1+G12×C2)×(K1×ΔF)+(G11×C1+G12×D2)×(K2×ΔV) …(式21)
V’=(G21×D1+G22×C2)×(K1×ΔF)+(G21×C1+G22×D2)×(K2×ΔV) …(式22)
干渉がなくなるためには(式23)〜(式24)が成り立つ必要がある。そして(式23)〜(式24)をC1、C2について解くことにより、C1及びC2を(式25)〜(式26)のように求めることができる。
【0144】
(G11×C1+G12×D2)=0 …(式23)
(G21×D1+G22×C2)=0 …(式24)
C1=-(G12×D2)/G11 …(式25)
C2=-(G21×D1)/G22 …(式26)
つまり、第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)は、電力系統400の伝達関数である第5伝達関数705(G11)〜第8伝達関数708(G21)、第9伝達関数740(D1)、及び第10伝達関数741(D2)を求めることにより、確定させることができる。
【0145】
本実施形態においても、第5伝達関数705(G11)〜第8伝達関数708(G21)は、上述したように、既知のシステム同定技術を用いることによって求めることが可能である。
【0146】
そのため、本実施形態に係る制御装置100の場合も、このようにして定めた第3伝達関数703(C1)及び第4伝達関数704(C2)を制御モデルに組み込むことによって、電力貯蔵装置200が出力すべき有効電力の指令値Pr及び無効電力の指令値Qrを算出することができる。そして、電力貯蔵装置200が有効電力Pb及び無効電力Qbを出力する際に電力系統400の周波数や潮流、電圧に生ずる干渉を取り去ることが可能となり、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量をより正確に制御することが可能になる。
【0147】
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置100、制御装置100の制御方法及び制御プログラム600によれば、電力系統400の周波数や潮流、電圧等の複数種類の物理量に生ずる干渉を取り除き、電力系統400をより正確に制御することが可能となる。
【0148】
そしてまた、電力系統400における電力の品質維持向上や、そのための労力軽減を図ることが可能となる。
【0149】
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。