特許第6524853号(P6524853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6524853
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】折り畳み型情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20190527BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20190527BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   G06F1/16 312J
   G06F1/16 312L
   H05K5/02 V
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-161000(P2015-161000)
(22)【出願日】2015年8月18日
(65)【公開番号】特開2017-41692(P2017-41692A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100207572
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 雄人
(72)【発明者】
【氏名】大石 進太郎
【審査官】 石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−159566(JP,A)
【文献】 特開2015−049566(JP,A)
【文献】 特開2003−216274(JP,A)
【文献】 特開2008−032077(JP,A)
【文献】 特開2002−344601(JP,A)
【文献】 特開2006−038162(JP,A)
【文献】 特開2010−049570(JP,A)
【文献】 特開2001−331115(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0126134(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02
G06F 1/16
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一筐体と、
前記第一筐体の内部に回転軸があるヒンジにより折り畳み可能に連結される第二筐体と、
前記第二筐体から突出し前記第二筐体の所定の開き角度で前記第一筐体に当たる弾性部材と、
前記第二筐体から前記弾性部材の突出長よりも短い突出長で突出し前記第二筐体が前記所定の開き角度を超えて開くと前記第一筐体に当たる突起と、
を有する折り畳み型情報処理装置。
【請求項2】
前記ヒンジが回転軸方向に間隔をあけて一対設けられ、
前記弾性部材及び前記突起が前記ヒンジのそれぞれに対応して設けられる請求項1に記載の折り畳み型情報処理装置。
【請求項3】
前記弾性部材及び前記突起が前記ヒンジよりも前記回転軸方向の内側に設けられる請求項2に記載の折り畳み型情報処理装置。
【請求項4】
前記弾性部材が前記突起よりも前記回転軸方向の内側に設けられる請求項3に記載に折り畳み型情報処理装置。
【請求項5】
前記第二筐体が、
前記第一筐体と重なった状態で前記第一筐体に近い側に位置するフロントカバーと、
前記第一筐体と重なった状態で前記第一筐体から遠い側に位置するバックカバーと、
を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の折り畳み型情報処理装置。
【請求項6】
前記フロントカバーと前記バックカバーとに設けられ、前記突起が前記第一筐体に接触した状態で前記第二筐体が開方向へ荷重を受けると互いに接触するように対向する対向部材を有する請求項5に記載の折り畳み型情報処理装置。
【請求項7】
前記突起は、前記第二筐体が前記第一筐体に対し閉じた状態で前記第一筐体と非接触である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の折り畳み型情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示する技術は、折り畳み型情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置本体と、一対のヒンジ機構により情報処理装置本体後端に回動可能に取り付けられた表示部と、表示部のヒンジ機構間に設けられた当接部と、を有する情報処理装置がある。この情報処理装置では、表示部を開いたときには、当接部が表示部の開き角度を制限するストッパーとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−216274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つの筐体をヒンジにより折り畳み可能とした構造において、一方の筐体に弾性部材を設け、所定の開き角度になった状態で他方の筐体に弾性部材を当てるようにすれば、筐体の開き角度を制限できると共に、筐体の傷つきも防止できる。
【0005】
しかし、弾性部材が他方の筐体に当たった状態で、さらに他方の筐体に対し開き方向の力が作用いて弾性部材が圧縮されると、筐体どうしが当たることがある。
【0006】
本願の開示する技術は、1つの側面として、2つの筐体をヒンジにより折り畳み可能とした構造において、筐体の開き角度を制限する弾性部材が圧縮された状態でさらに筐体に開き方向の力が作用しても、筐体の損傷を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願の開示する技術の一観点によれば、折り畳み型情報処理装置は、第一筐体と、第一筐体の内部に回転軸があるヒンジにより折り畳み可能に連結される第二筐体と、を有する。そして、第二筐体から突出し第二筐体の所定の開き角度で第一筐体に当たる弾性部材と、第二筐体から弾性部材の突出長よりも短い突出長で突出し第二筐体が前記所定の開き角度を超えて開くと第一筐体に当たる突起と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する技術によれば、2つの筐体をヒンジにより折り畳み可能とした構造において、筐体の開き角度を制限する弾性部材が圧縮された状態でさらに筐体に開き方向の力が作用しても、筐体の損傷を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の閉状態で示す側面図である。
図2図2は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の第一開状態で示す側面図である。
図3図3は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ側筐体を示す正面図である。
図4図4は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の閉状態で示すヒンジ近傍の断面図である。
図5図5は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体を示すヒンジ近傍の正面図である。
図6図6は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体を示すヒンジ近傍の斜視図である。
図7図7は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体を示す図5の7−7線断面図である。
図8図8は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体を示す図5の8−8線断面図である。
図9図9は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の第一開状態で示すヒンジ近傍の断面図である。
図10図10は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の第二開状態で示すヒンジ近傍の断面図である。
図11図11は第一実施形態に係るディスプレイ側筐体のフロントカバーを示す斜視図である。
図12図12は第一実施形態に係るディスプレイ側筐体のフロントカバーを部分的に拡大して示す斜視図である。
図13図13は第一実施形態に係るディスプレイ側筐体のフロントカバーを部分的に拡大して示す斜視図である。
図14図14は第一実施形態に係るディスプレイ側筐体のバックカバーを示す斜視図である。
図15図15は第一実施形態に係るディスプレイ側筐体のバックカバーを部分的に拡大して示す斜視図である。
図16図16は第一実施形態に係るディスプレイ側筐体のバックカバーを部分的に拡大して示す斜視図である。
図17図17は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の第一開状態で示すヒンジ近傍の断面図である。
図18図18は第一実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の第一開状態からさらに開いた状態で示すヒンジ近傍の断面図である。
図19図19は第二実施形態の折り畳み型情報処理装置の一例であるノート型パーソナルコンピュータをディスプレイ側筐体の閉状態で示すヒンジ近傍の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。第一実施形態では、「折り畳み型情報処理装置」として、ノート型パーソナルコンピュータを例示する。
【0011】
図1及び図2に示すように、第一実施形態に係るノート型パーソナルコンピュータ32は、本体装置34と、本体装置34に回動可能(折り畳み可能)に連結されるディスプレイ装置36とを備える。
【0012】
なお、各図の矢印UP、矢印FR、及び、矢印RHは、ノート型パーソナルコンピュータ32の高さ方向の上側、奥行方向の手前側(前側)、及び、横幅方向の右側をそれぞれ示す。
【0013】
本体装置34は、本体側筐体38を有する。本体側筐体38は第一筐体の一例である。本体側筐体38内には、プロセッサ、メモリ、その他の各種電子部品が実装された制御基板が備えられる。制御基板には、外部の記憶装置や、入出力装置等との接続用の接続端子等が設けられる。
【0014】
図3にも示すように、ディスプレイ装置36は、ディスプレイ側筐体42を有する。ディスプレイ側筐体42は、第二筐体の一例である。ディスプレイ側筐体42には液晶ディスプレイなどの表示パネル44が設けられる。
【0015】
本体側筐体38とディスプレイ側筐体42とは、ヒンジ46により回動可能(折り畳み可能)に連結される。本実施形態では、図3に示すように、ノート型パーソナルコンピュータ32の横幅方向の左右にそれぞれ1つずつ、合計で2つのヒンジ46が設けられる。ディスプレイ側筐体42は、図1に示すように、本体側筐体38側に閉じられた状態(以下「閉状態」という)と、図2に示すように、本体側筐体38から開かれた状態(以下「開状態」という)とを取り得る。
【0016】
図1及び図2に示すように、ヒンジ46の回転軸48は、本体側筐体38の内部に位置する。換言すれば、本体側筐体38の天面38A(図2に示す)を上にした状態で回転軸48が下側に位置する(落とし込まれている)ため、ヒンジ46は「落とし込みヒンジ」と称されることがある。
【0017】
図4に示すように、ディスプレイ側筐体42は、フロントカバー50とバックカバー52とを有する。フロントカバー50とバックカバー52とは、周囲で接合されて、全体としてディスプレイ側筐体42の形状を成す。フロントカバー50は、たとえば樹脂製であり、バックカバー52はたとえば金属製である。
【0018】
以下では、回転軸48を中心として本体側筐体38とディスプレイ側筐体42(フロントカバー50)の成す角を開き角度θ1とする。
【0019】
バックカバー52には、フロントカバー50に向けてボス54が形成される。ヒンジ46のブラケット46Bが、ネジ56によってボス54に固定される。これにより、ヒンジ46はバックカバー52に取り付けられる。
【0020】
フロントカバー50は、ディスプレイ側筐体42が閉状態にあるとき、本体側筐体38に近い側に位置する。これに対し、バックカバー52は、ディスプレイ側筐体42が閉状態にあるとき、本体側筐体38から遠い側に位置する。
【0021】
図3図5及び図6に示すように、フロントカバー50の上下2つの長辺51のうち、回転軸48に近い側の長辺51Eには、ゴム部材58が設けられる。ゴム部材58は弾性部材の一例である。
【0022】
本実施形態では、図8に示すように、長辺51Eには、凹部51Fが形成される。凹部51Fにゴム部材58の下部が収容されて固定される。
【0023】
ここで、ゴム部材58及び後述する突起60の突出長を定義する。この突出長は、回転軸48を中心とした周方向で、ディスプレイ側筐体42が開方向へ向かう向き(矢印HDで示す)を正とした長辺51Eの前面51Sからの長さである。
【0024】
ゴム部材58の突出長D1(図8参照)は、図9に示すように、ディスプレイ側筐体42が開方向(矢印HD方向)に回転し、開き角度が所定の第一開き角度θ1に達した状態で、ゴム部材58が本体側筐体38に当たるように決められる。したがって、ディスプレイ側筐体42を、第一開き角度θ1からさらに開方向(矢印H1方向)に回動させようとすると、ゴム部材58が弾性的に圧縮され、開方向への回動に抵抗が生じる。ゴム部材58が本体側筐体38に当たったとき(ただし圧縮されていない)のディスプレイ側筐体42の姿勢を第一開状態H1とする。
【0025】
本実施形態では、図3に示すように、2つのヒンジ46のそれぞれに対応して1つずつ、さらに、横幅方向の中央部で1つ、合計で3つのゴム部材58が設けられる。それぞれのゴム部材58の位置は、回転軸方向(回転軸の延在方向、ノート型パーソナルコンピュータ32の横幅方向と一致)で、ヒンジ46よりも内側である。ただし、2つのヒンジ46のそれぞれに対応して設けられるゴム部材58は、たとえば、回転軸方向でヒンジ46よりも外側であってもよく、要するに、ヒンジ46の周囲に設けられる。
【0026】
図5に示すように、フロントカバー50の長辺51Eには、突起60が設けられる。図7に示すように、突起60の突出長D2は、ゴム部材58の突出長D1よりも短い。したがって、ディスプレイ側筐体42が第一開状態H1からさらに開方向に回動される(ゴム部材58が圧縮される)、所定の開き角度に達すると、突起60が本体側筐体38に当たる。このようの突起60が本体側筐体38に当たったときのディスプレイ側筐体42の姿勢を第二開状態H2とする。
【0027】
本実施形態では、2つのヒンジ46のそれぞれに対応して、突起60が1つずつ、合計で2つ設けられる。それぞれの突起60の位置は、回転軸方向で、ヒンジ46よりも内側で、且つゴム部材58よりも外側(ヒンジ46とゴム部材58の間)である。ただし、上記したように、突起60は、回転軸方向でヒンジ46よりも外側に設けられてもよく、要するに、ヒンジ46の周囲に設けられる。
【0028】
本実施形態では、突起60は、フロントカバー50と一体で形成される。突起60は、ゴム部材58よりも弾性率が低い(弾性変形しづらい)。
【0029】
図4図9図10図11に示すように、フロントカバー50には、突っ張り壁62が形成される。突っ張り壁62は、ディスプレイ側筐体42の内部において、フロントカバー50の内面50Nからバックカバー52に向かって突出される。突っ張り壁62は、突っ張り部の一例である。
【0030】
これに対し、バックカバー52には、突っ張り壁62の先端との間に隙間G1をあけて対向する受け面64が形成される。受け面64は受け部の一例である。
【0031】
受け面64とボス54の間には、受け面64に隣接した位置に、受け壁66が形成される。受け壁66は、ディスプレイ側筐体42の内部において、バックカバー52の内面50Nからフロントカバー50に向かって突出される。受け壁66も受け部の一例である。そして、突っ張り壁62(突っ張り部)と受け面64及び受け壁66(受け部)とは、対向部材の一例である。
【0032】
突っ張り壁62と受け面64及び受け壁66とは、上記のように所定の隙間G1をあけて対向している。そして、通常状態、たとえば、ディスプレイ側筐体42が閉状態にあるときや、第一開状態H1、第二開状態H2にあるときは、突っ張り壁62と受け面64及び受け壁66とは非接触である。しかし、フロントカバー50に対し、第二開状態H2からさらに開方向(矢印HD方向)に回転させる荷重が作用すると、突っ張り壁62が受け面64及び受け壁66に接触する。そして、突っ張り壁62が受け面64及び受け壁66に接触することで、この荷重は、突っ張り壁62の根元部分62Aや、受け壁66の根元部分66A、66Bに分散して作用する。
【0033】
図4図17及び図18に示すように、突っ張り壁62は、フロントカバー50において、突起60が形成された部分を挟んで、突起60の反対側である。したがって、突起60に対し、図18示す矢印F1方向の荷重が作用した場合に、この荷重が直接的に突っ張り壁62に作用しやすい。
【0034】
図4に示すように、ディスプレイ側筐体42が閉状態T1にあるとき、突起60は本体側筐体38とは非接触であり、所定のクリアランスC1をあけて本体側筐体38から離間している。たとえば、この状態で、ディスプレイ側筐体42に対し本体側筐体38へ接近する荷重が突起60部分に作用しても、突起60は本体側筐体38と非接触である状態を維持する。
【0035】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0036】
本実施形態のノート型パーソナルコンピュータ32では、本体側筐体38とディスプレイ側筐体42とは、ヒンジ46により回動可能に連結される。ディスプレイ側筐体42は、たとえば図1に示す閉状態T1と、図2に示す第一開状態H1との間で回転(姿勢変化)する。
【0037】
ディスプレイ側筐体42が第一開状態H1にあるとき、図9に示すように、ゴム部材58が本体側筐体38に当たるので、ディスプレイ側筐体42は第一開状態に維持される。
【0038】
本実施形態では、ディスプレイ側筐体42に、ゴム部材58と突起60とが設けられているが、突起60の突出長D2は、ゴム部材58の突出長D1よりも短い。したがって、ディスプレイ側筐体42が第一開状態H1にあるとき、図9に示すように、突起60は本体側筐体38に接触していない。
【0039】
ここで、ディスプレイ側筐体42(フロントカバー50)に、開方向(矢印HD方向)の力を作用させると、ゴム部材58が弾性的に圧縮され、ディスプレイ側筐体42がさらに開方向へと回転する。しかし、図10に示すように、ディスプレイ側筐体42が第二開状態H2になると、突起60が本体側筐体38に当たり、それ以上開方向に回転することが抑制される。すなわち、ゴム部材58が圧縮されることでディスプレイ側筐体42が第一開状態H1からさらに開方向に回転しても、ディスプレイ側筐体42が本体側筐体38に直接には当たらない。このため、ディスプレイ側筐体42が本体側筐体38に直接当たることに起因するディスプレイ側筐体42及び本体側筐体38の損傷を抑制できる。
【0040】
たとえば、本体側筐体38において、突起60が当たる部分が金属製である場合、バックカバー52も金属製であると、突起60がない構造では、金属どうしが接触する。しかし、本実施形態では、突起60はフロントカバー60と一体的に形成されており。樹脂製である。すなわち、金属どうしが接触しなくなることで、ディスプレイ側筐体42及び本体側筐体38の損傷をより効果的に抑制できると言える。
【0041】
しかも、図7及び図8の比較から分かるように、ゴム部材58の突出長D1は、突起60の突出長D2より長い。ディスプレイ側筐体42が開方向に回転すると、まず、ゴム部材58が本体側筐体38に当たる。そして、さらにディスプレイ側筐体42が開方向に回転すると、ゴム部材58が圧縮され、突起60が本体側筐体38に当たる。このように、ディスプレイ側筐体42が開方向に回転したときは、最初にゴム部材58の弾性的な圧縮により、回転のエネルギーを吸収できる。
【0042】
ここで、ディスプレイ側筐体42が第二開状態H2にあるとき、フロントカバー50に対し、さらに開方向への荷重が作用した場合を想定する。この場合、図17に示すように、突起60が本体側筐体38に当たっているので、ディスプレイ側筐体42の全体は、開方向には回転しない。しかし、図18に示すように、突起60が本体側筐体38と当たっている接触点TPを支点として、ディスプレイ側筐体42が開方向への荷重を受ける。そしてこれにより、ディスプレイ側筐体42において、ヒンジ46を固定している部分、具体的にはボス54(特にボス根元部54R)に、大きな荷重(応力)が作用する。
【0043】
本実施形態では、ディスプレイ側筐体42の内部において、突っ張り部の一例である突っ張り壁62と、受け部の一例である受け面64及び受け壁66が設けられる。上記したように、第二開状態H2にあるディスプレイ側筐体42に開方向の荷重が作用すると、突っ張り壁62と受け面64及び受け壁66とは、クリアランスC1を解消して互いに接触する。これにより、上記の荷重が、ボス54(特にボス根元部54R)に直接は作用せず、突っ張り壁62の根元部分62Aや、受け壁66の根元部分66A、66Bに分散して作用する。したがって、ボス54の耐久性が向上し、フロントカバー50やバックカバー52の耐久性も向上する。
【0044】
しかも、突っ張り部としては突っ張り壁62を、受け部としては受け面64及び受け壁66を有する簡単な構造で、ボス54の耐久性を、上記したように向上させることができる。
【0045】
本実施形態では、ディスプレイ側筐体42が、フロントカバー50とバックカバー52とを有する構造である。このため、たとえば、フロントカバー50とバックカバー52の周囲を接合することで、内部に表示パネル44等を配置可能な構造を容易に実現できる。
【0046】
また、バックカバー52に設けたボス54を用いる簡単な構造で、ヒンジ46をディスプレイ側筐体42に固定することができる。
【0047】
このようにディスプレイ側筐体42が、フロントカバー50とバックカバー52とを有する構造では、フロントカバー50が開方向の荷重を受けた場合に、この荷重が、フロントカバー50とバックカバー52の相対位置をずらすように作用することがある。そして、この荷重が、ボス54にも応力として作用しやすい。本実施形態では、フロントカバー50とバックカバー52とを有する構造であっても、ボス54に作用する応力を少なくして、ボス54の耐久性を向上させることができる。
【0048】
突っ張り壁62は、図4図17及び図18に示すように、フロントカバー50の一部を挟んで、突起60の反対面側に設けられる。したがって、突起60が本体側筐体38に当たって本体側筐体38から受けた荷重を、直接的に突っ張り壁62に作用させることができる。
【0049】
突っ張り壁62は、フロントカバー50と別体であってもよいが、上記のように、突っ張り壁62をフロントカバー50と一体に形成すると、部品点数が増加しない。また、突っ張り壁62の根元部分62Aがフロントカバー50と連続しているので、根元部分62Aに応力を確実に作用させることができる。
【0050】
同様に、受け面64及び受け壁66は、バックカバー52と別体であってもよいが、上記のように、受け面64及び受け壁66をバックカバー52と一体に形成すると、部品点数が増加しない。また、受け面64及び受け壁66の根元部分66Aがバックカバー52と連続しているので、根元部分66Aに応力を確実に作用させることができる。
【0051】
上記した突っ張り壁62、受け面64及び受け壁66は、いずれも対向部材の一例である。そして、突っ張り壁62、受け面64及び受け壁66は相互に対向しているので、これらの関係は相対的であるとも言える。すなわち、フロントカバー50に形成された受け壁66を突っ張り部材とみなし、バックカバー52に形成された突っ張り棒62を受け部とみなすことも可能である。この場合、図17から分かるように、突っ張り棒62の先端面がバックカバー52の一部と対向しており、受け部として作用する。
【0052】
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態において、ノート型パーソナルコンピュータの全体的構造は第一実施形態と同様であるので、図示を省略する。
【0053】
図19には、第二実施形態のノート型パーソナルコンピュータ82が示される。このノート型パーソナルコンピュータ82では、ディスプレイ側筐体92のフロントカバー100に、第一実施形態の突っ張り壁62(図4図17及び図18参照)は設けられていない。また、バックカバー102にも、受け面64及び受け壁66(同じく図4図17及び図18参照)は設けられていない。
【0054】
したがって、第二実施形態のノート型パーソナルコンピュータ82では、ディスプレイ側筐体92の構造を簡素化できる。また、ボス54の強度をあらかじめ高めた構造とすることで、ボス54の耐久性を向上させることが可能である。ボス54の強度と高めるには、たとえば、ボス54の肉厚を厚くしたり、補強用のリブを設けたりすればよい。
【0055】
上記各実施形態において、ヒンジ46は、回転軸48の方向(横幅方向)に間隔をあけて一対設けられる。このため、ヒンジ46が1つのみ設けられる構造と比較して、本体側筐体38に対しディスプレイ側筐体42を安定的に連結し、折り畳み可能にできる。
【0056】
ゴム部材58及び突起60は、ヒンジ46のそれぞれに対応して設けられる。すなわち、ゴム部材58及び突起60は、横幅方向に間隔を空けて一対設けられるので、ゴム部材58及び突起60を1つのみ設ける構造と比較して、ディスプレイ側筐体42を第一開状態H1や第二開状態H2に安定的に維持できる。
【0057】
ゴム部材58及び突起60は、対応するヒンジ46よりも、回転軸48の方向(横幅方向)の外側ではなく、内側に設けられる。換言すれば、ゴム部材58及び突起60は、一対のヒンジ46の間の、横幅方向に十分なスペースがある部位に設けられる。このため、ゴム部材58及び突起60の形状や配置の自由度が大きい。
【0058】
図3に示すように、ヒンジ46と、このヒンジ46に対応するゴム部材58及び突起60の位置関係では、ゴム部材58が、突起60よりも回転軸48の軸方向(横幅方向)で内側、すなわち中央寄りに設けられる。ここで、フロントカバー50は、横幅方向の中央部が両端部よりも本体側筐体38からわずかに離間するように湾曲して形成されることがある。すなわち、フロントカバー50の中央部は両端部よりも、本体側筐体38との間隔が広い。ゴム部材58を突起60よりも横幅方向の中央部に配置すると、横幅方向の端部側に配置した構造と比較して、上記した間隔が広い分、ゴム部材58の突出長D1の設計上の自由度が大きい。
【0059】
突起60は、ディスプレイ側筐体42(フロントカバー50)と別体であってもよいが、上記実施形態のように一体で形成すると、部品点数が増加しない。
【0060】
図4に示すように、ディスプレイ側筐体42が閉状態T1にあるとき、突起60は本体側筐体38とは非接触である。この状態で、ディスプレイ側筐体42に対し本体側筐体38へ接近する荷重が突起60部分に作用しても、突起60は本体側筐体38と非接触であるので、突起60が本体側筐体38に当たることによる本体側筐体38の損傷は生じない。
【0061】
折り畳み型情報処理装置としては、上記したノート型パーソナルコンピュータに限定されない。たとえば、折り畳み型の携帯電話機や、商品管理用端末、電子辞書、映像再生装置等であってもよい。
【0062】
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0063】
本明細書は、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第一筐体と、
前記第一筐体の内部に回転軸があるヒンジにより折り畳み可能に連結される第二筐体と、
前記第二筐体から突出し前記第二筐体の所定の開き角度で前記第一筐体に当たる弾性部材と、
前記第二筐体から前記弾性部材の突出長よりも短い突出長で突出し前記第二筐体が前記所定の開き角度を超えて開くと前記第一筐体に当たる突起と、
を有する折り畳み型情報処理装置。
(付記2)
前記ヒンジが回転軸方向に間隔をあけて一対設けられ、
前記弾性部材及び前記突起が前記ヒンジのそれぞれに対応して設けられる付記1に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記3)
前記弾性部材及び前記突起が前記ヒンジよりも前記回転軸方向の内側に設けられる付記2に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記4)
前記弾性部材が前記突起よりも前記回転軸方向の内側に設けられる付記3に記載に折り畳み型情報処理装置。
(付記5)
前記突起が前記第二筐体と一体で形成される付記1〜付記4のいずれか1つに記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記6)
前記第二筐体が、
前記第一筐体と重なった状態で前記第一筐体に近い側に位置するフロントカバーと、
前記第一筐体と重なった状態で前記第一筐体から遠い側に位置するバックカバーと、
を有する付記1〜付記5のいずれか1つに記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記7)
前記バックカバーに設けられ前記ヒンジが固定されるボスを有する付記6に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記8)
前記フロントカバーと前記バックカバーとに設けられ、前記突起が前記第一筐体に接触した状態で前記第二筐体が開方向へ荷重を受けると互いに接触するように対向する対向部材を有する付記6又は付記7に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記9)
前記対向部材が、
前記フロントカバーから前記バックカバーに向けて突出する突っ張り部と、
前記バックカバーにおいて前記突っ張り片と対向する受け部と、
を有する付記8に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記10)
前記突起が前記フロントカバーに設けられ、
前記突っ張り部が前記フロントカバーにおいて前記突起の裏側に形成される付記9に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記11)
前記突っ張り部が前記フロントカバーと一体に形成され、
前記受け部が前記バックカバーと一体に形成される付記9又は付記10に記載の折り畳み型情報処理装置。
(付記12)
前記突起は、前記第二筐体が前記第一筐体に対し閉じた状態で前記第一筐体と非接触である付記1〜付記11のいずれか1つに記載の折り畳み型情報処理装置。
【符号の説明】
【0064】
32 ノート型パーソナルコンピュータ(折り畳み型情報処理装置の一例)
38 本体側筐体(第一筐体の一例)
42 ディスプレイ側筐体(第二筐体の一例)
46 ヒンジ
48 回転軸
50 フロントカバー
52 バックカバー
54 ボス
54R ボス根元部
58 ゴム部材(弾性部材の一例)
60 突起
62 突っ張り壁(突っ張り部の一例)
64 受け面(受け部の一例)
66 受け壁(受け部の一例)
82 ノート型パーソナルコンピュータ
92 ディスプレイ側筐体(折り畳み型情報処理装置の一例)
100 フロントカバー
102 バックカバー
θ1 開き角度
C1 クリアランス
D1 ゴム部材の突出長
D2 突起の突出長
G1 隙間
T1 閉状態
H1 第一開状態
H2 第二開状態
TP 接触点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19