特許第6524873号(P6524873)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6524873
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】エレベータの操作装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20190527BHJP
   B66B 1/50 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   B66B3/00 K
   B66B1/50 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-184710(P2015-184710)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-57067(P2017-57067A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2017年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】服部 丈仁
(72)【発明者】
【氏名】本田 美和子
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−229755(JP,A)
【文献】 特開2006−111365(JP,A)
【文献】 特開平11−011808(JP,A)
【文献】 国際公開第01/98189(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00−3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかご内に設置され、かご内の乗客がかご呼びを行う際に操作する、各階床に対応した複数の行先階登録用ボタンスイッチを有するエレベータのかご操作盤において、
前記行先階登録用ボタンスイッチは、
かご呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯すると共に、
各階床で発生した乗場呼びの内、前記エレベータのかごの進行方向の階床で発生した乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチのみを点灯し、
前記行先階登録用ボタンスイッチは、
前記進行方向の最も上のかご呼び又は最も下のかご呼びに対応した前記エレベータのかごの進行方向が反転し、
反転走行後最初の乗場呼びに応じた階床に着床し、ドアを開くと同時に着床した階床以外の反転後の進行方向の階床で発生している乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯すること
を特徴とするエレベータの操作装置。
【請求項2】
乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯すると共に、音声又は表示装置の表示により、乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯したことを報知すること
を特徴とする請求項1に記載のエレベータの操作装置。
【請求項3】
前記行先階登録用ボタンスイッチは、
かご呼びにより点灯する場合と乗場呼びより点灯する場合とで、
異なる色で点灯すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータの操作装置。
【請求項4】
前記行先階登録用ボタンスイッチは、
かご呼びに対応して行先階登録用ボタンスイッチが点灯している場合において、
前記かご呼びと同一の階床に乗場呼びが発生した場合、
かご呼びに対応する場合の点灯色から乗場呼びに対応する場合の点灯色へ切り替わること
を特徴とする請求項3に記載のエレベータの操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの呼び登録を行うかご内および乗場に設置される操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータにはエレベータの呼び登録を行う操作装置がかご内および乗場に設置される。
エレベータのかご内には操作装置として、乗客が目的階を入力するためのかご操作盤が設置されている。かご操作盤には各階床に対応したボタンスイッチが複数設置されている。当該ボタンスイッチの操作部表面には前記各階床が表示されている。乗客はかごに乗り込んだ後、自らの目的階に対応したボタンスイッチを押下して、目的階を登録する(以降、かご内で目的階を登録することをかご呼びと称する)。そして、かご呼びされると、当該ボタンスイッチはLED等により点灯し、登録が完了したのを報知するのが一般的である。
【0003】
LED等の点灯は、ボタンスイッチが押下されると、当該ボタンスイッチに対応する階床が行先階として図示しない制御装置に登録され、当該制御装置から押下されたボタンスイッチのLED等を点灯させるように指示されることにより行われる。
【0004】
一方、エレベータの各階床(乗場)には操作装置として、当該階床に上方向行き又は下方向行きのエレベータのかごを呼び寄せるための、乗場操作器具が設置される(以降、乗場でエレベータのかごを呼ぶ登録をすることを乗場呼びと称する)。当該乗場操作器具には、中間階の場合は上方向行きかごを呼ぶボタンスイッチと下方向行きかごを呼ぶボタンスイッチが、最上階又は最下階については、上方向行きかごを呼ぶボタンスイッチ又は下方向行きかごを呼ぶボタンスイッチのいずれかが設置されている(以降、上方向行きかごを呼ぶボタンスイッチと下方向行きかごを呼ぶボタンスイッチを合わせて乗場呼び用のボタンスイッチと称する)。
【0005】
乗場呼び用のボタンスイッチのLED等の点灯は、かご呼び用のボタンスイッチと同様に、ボタンスイッチが押下されると、当該ボタンスイッチに対応する上方向行き又は下方向行きの乗場呼びとして図示しない制御装置に登録され、当該制御装置から押下されたボタンスイッチのLED等を点灯させるように指示されることにより行われる。
【0006】
ところで、通常エレベータのかご操作盤のボタンスイッチはかご呼びが登録された場合に対応するボタンスイッチが点灯し、乗場呼びが登録されても乗場呼びされた階床に対応したかご操作盤のボタンスイッチは点灯しないのが一般的である。
【0007】
このような一般的なエレベータのかご操作盤の場合、乗場呼びを反映してボタンスイッチが点灯しないため、既に乗場呼びにより着床することが決まっている階床への登録を乗客が再度行っている場合があり、乗客に無駄な操作をさせることになっている。また、乗場呼びによって停止する階がかご内では不明なため、乗客が誤って目的階でない階床に降りるおそれもあった。この問題はかご内にあるかご位置表示装置を見ている場合は起こり難いが、乗客が必ずしもかご位置表示装置を見ているとは限らないため、起こり得る問題である。
【0008】
これらの問題点を解決するため、かご操作盤のボタンスイッチのLED等による点灯を細かく制御し、上方向行きの乗場呼びの場合はボタンスイッチの正面視上側の一部を点灯し、下方向行きの乗場呼びの場合はボタンスイッチの正面視下側の一部を点灯して前述の問題を解決する技術が知られている(以降、かごが進む上方向又は下方向を合わせてかご進行方向とする)。
【0009】
一方、エレベータの乗場操作器具のボタンスイッチは乗場呼びが登録された場合に押下した上方向行き又は下方向行きのボタンスイッチが点灯するのみで、かご呼びの登録により当該階床にエレベータのかごが着床する場合であっても、上方向行き又は下方向行きのボタンスイッチは点灯しないのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−105769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の発明に係るエレベータのかご操作盤は、乗場呼びが発生した階床に対応するボタンスイッチの正面視一部しか点灯しないため、当該エレベータを初めて利用する乗客や利用回数の少ない乗客等は一部点灯の意味が分からず、目的階が未登録であると認識し、乗場呼びと重複したボタンスイッチを押下してかご呼びを登録するという乗客に無駄な操作をさせるものとなっている。
【0013】
本発明は、上記した課題に鑑み、上記従来のエレベータの操作装置よりも、利用客および乗客の無駄なボタンスイッチ操作を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るエレベータのかご操作盤は、エレベータのかご内に設置され、かご内の乗客がかご呼びを行う際に操作する、各階床に対応した複数の行先階登録用ボタンスイッチを有するエレベータのかご操作盤において、
前記行先階登録用ボタンスイッチは、
かご呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯すると共に、
各階床で発生した乗場呼びの内、前記エレベータのかごの進行方向の階床で発生した乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチのみを点灯し、
前記行先階登録用ボタンスイッチは、前記進行方向の最も上のかご呼び又は最も下のかご呼びに対応した前記エレベータのかごの進行方向が反転し、反転走行後最初の乗場呼びに応じた階床に着床し、ドアを開くと同時に着床した階床以外の反転後の進行方向の階床で発生している乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯する
【0016】
また、本発明に係るエレベータのかご操作盤は、乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯すると共に、音声又は表示装置の表示により、乗場呼びに対応する前記行先階登録用ボタンスイッチを点灯したことを報知する。
【0017】
また、本発明に係るエレベータのかご操作盤は、前記行先階登録用ボタンスイッチは、かご呼びにより点灯する場合と乗場呼びより点灯する場合とで、異なる色で点灯する。
【0018】
また、本発明に係るエレベータの操作は、前記行先階登録用ボタンスイッチは、かご呼びに対応して行先階登録用ボタンスイッチが点灯している場合において、前記かご呼びと同一の階床に乗場呼びが発生した場合、かご呼びに対応する場合の点灯色から乗場呼びに対応する場合の点灯色へ切り替わる。
【発明の効果】
【0023】
利用客および乗客の無駄なボタンスイッチ操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例1におけるかご操作盤の設置位置の一例を示す図である。
図2】実施例1および実施形態2におけるエレベータの乗場の一例を示す図である。
図3】実施例1におけるフロー図である。
図4】実施例1におけるかご呼び登録時のかご操作盤の一例を示す図である。
図5】実施例1におけるかご呼び登録後に乗場呼びが登録された場合のかご操作盤の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0025】
以下、実施例1に係るかご操作盤5について、図面を参照しながら説明する。かご操作盤には一般用のかご操作盤と身障者用のかご操作盤等があるが、以下一般用のかご操作盤を例にして説明する。
【0026】
図1に示すように、エレベータのかご1は、かご出入口を開閉自在に閉塞するかごドア2、天井6、天井照明7、および袖壁3等により構成される。袖壁3には、かご位置表示装置4およびかご操作盤5等が設置される。
【0027】
図4に示すように、エレベータのかご操作盤5には、かご呼び可能な行先階を表示した複数個の(本例では、8個の)ボタンスイッチからなる行先階登録用ボタンスイッチ8(1階登録用ボタンスイッチ9及び3階登録用ボタンスイッチ10を含む)が設置される。
【0028】
また、図2に示すように、エレベータ乗場(各階床)17には、エレベータの乗場ドア11、乗場ドア敷居12および三方枠13が設置され、乗場呼びを登録する乗場操作器具14が三方枠13又はその近傍に設置される(本例では、三方枠の近傍)。
【0029】
乗場操作器具14には、中間階の場合は上方向行きかごを呼ぶボタンスイッチ15及び下方向行きかごを呼ぶボタンスイッチ16が、最上階又は最下階の場合は、上方向行きかごを呼ぶボタンスイッチ15又は下方向行きかごを呼ぶボタンスイッチ16のいずれかが設置されている(図2は中間階を示す)。
【0030】
次に、図1乃至図5に基づき、本実施例に係るエレベータのかご操作盤5の動作を説明する。図3は実施例におけるフロー図である。図4は実施例におけるかご呼び登録時のかご操作盤5の一例を示す図である。図5は実施例におけるかご呼び登録後に乗場呼びが登録された場合のエレベータのかご操作盤5の一例を示す図である。なお、図4および図5は行先階登録用ボタンスイッチ8以外の部分を省略した図である。
【0031】
例えば、エレベータのかご1の乗客の目的階が1階である場合、かご操作盤5の1階登録用ボタンスイッチ9を押下することにより登録する。その結果、図4のように1階登録用ボタンスイッチ9がLED等により点灯し、乗客に対し登録が完了したことを報知する。(図4及び図5においてハッチングされたボタンスイッチはLED等により点灯した状態を示す。)
【0032】
エレベータのかご1はかごドア2及び乗場ドア11の戸閉が完了した後、かご呼び及び割り当てられた乗場呼びに対応するために図示しない駆動装置によって、上方向又は下方向に昇降する。ここで割り当てとは、図示しない制御装置が、前記エレベータのかご1に対して乗場呼びが発生した階床に着床し、乗客を乗車させるべく当該階床に停止させるように指令することをいうものとする。
【0033】
エレベータのかご1がいずれかの階床に停止中又はエレベータのかご1が上方向又は下方向に昇降中に乗場呼びが発生した場合、所定の条件に該当すれば当該乗場呼びに対応した階床を示すエレベータのかご操作盤5の行先階登録用ボタンスイッチ8が点灯する。
【0034】
図5図4に示す1階登録用ボタンスイッチ9によりかご呼びがされた後、3階において乗場呼びが発生し、エレベータのかご操作盤5の3階登録用ボタンスイッチ10が点灯することにより、3階において乗場呼びが発生したことを乗客に報知した場合のエレベータのかご操作盤5の一例を示す図である
【0035】
図3は乗場呼びが発生した場合にエレベータのかご操作盤5の対象となる行先階登録用ボタンスイッチ8を点灯するか否かを判断するフロー図である。
【0036】
図3において、新たな乗場呼びが発生した場合、STEP1で当該乗場呼びがエレベータのかご1に割り当てられるか否かを判断する。割り当てされなければフローは終了する。
【0037】
一方、割り当てされる場合には、STEP2に進み、当該乗場呼びがエレベータのかご1の進行方向にある階床で発生したか否かを判断する。当該乗場呼びがエレベータのかご1の進行方向にある階床で発生していなければフローは終了する。
【0038】
一方、該乗場呼びがエレベータのかご1の進行方向にある階床で発生している場合は、STEP3に進み、エレベータのかご操作盤5のボタンスイッチ8の該当する階床に対応するボタンスイッチをLED等により点灯する。図5の例では、3階登録用ボタンスイッチ10を点灯させる。
【0039】
ここで、エレベータのかご1は上方向行きのかごであれば最も上のかご呼び又は割り当てられた乗場呼びに対応し、下方向行きのかごであれば最も下のかご呼び又は割り当てられた乗場呼びに対応した後、次の動作を行うことが考えられる。
【0040】
(1)新たな乗場呼びが発生するまで、最後に着床した階床に待機する。(2)あらかじめ設定された基準階に向かって走行する。(3)すでに割り当てられた乗場呼びに対応するため反転し走行する。
【0041】
前述の(3)の場合において、エレベータのかご1が反転走行を開始すると同時に、すでに割り当てがされた乗場呼びに対応した行先階登録用ボタンスイッチ8をLED等により点灯する。
【0042】
この場合、エレベータのかご1が反転走行を開始した時点においては乗客が乗車していないため、反転走行後最初の乗場呼びに応じた階床に着床し、ドアを開く前又はドアを開くと同時に当該階床以外のすでに割り当てがされた乗場呼びに対応した行先階登録用ボタンスイッチ8をLED等により点灯しても良い。
【0043】
以上の実施例1によれば、特許許文献1の発明に係るかご操作盤のように、かごが上方向に走行している場合も、下方向行き乗場呼びが発生すると、該当する階床に対応するボタンスイッチの正面視下側の一部が点灯し、かごが下方向に走行している場合も、上方向行き乗場呼びが発生すると、該当する階床に対応するボタンスイッチの正面視上側の一部が点灯するため、当該エレベータを初めて利用する乗客や利用回数の少ない乗客等は一部点灯の意味が分からず、すでに登録済みと誤認識し(例えば一部点灯をデザインと誤認識し)、行先階を登録しないという不具合を回避するという効果を得ることもできる。
【0044】
以上、本発明に係るエレベータの操作装置を実施例1に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
【0045】
(1)本発明に係るエレベータのかご1に乗車している乗客にとっては、かご内の乗客が行先階登録用ボタンスイッチ8を押下していないにも関わらず、エレベータのかご1の進行方向で乗場呼びが発生し、当該エレベータのかご1が割り当てられると、当該乗場呼びに対応した階床の行先階登録用ボタンスイッチ8が突然LED等により点灯し、不安を感じたり、混乱するおそれがある。そこで乗場呼びに対応した階床の行先階登録用ボタンスイッチ8をLED等により点灯すると同時に、ブザー等による発音、スピーカーによる案内放送又は/及びかご位置表示装置4に乗場呼びが登録されたことを表示するなど、注意を喚起する報知を行っても良い。
【0046】
(2)また、本発明に係るエレベータのかご操作盤5の行先階登録用ボタンスイッチ8のかご呼びに対する点灯と乗場呼びに対する点灯を異なった点灯色としても良い。かご呼びに対する点灯と乗場呼びに対する点灯の点灯色を異ならせることによって、乗場呼びがある階床に着床する場合は乗場から乗客が乗り込んでくることをあらかじめ予想することができ、スペースを空けるなどの準備を行うことができる。なお、この場合、各行先階登録用ボタンスイッチ8は2色のLED等を内蔵したものを用いる。
【0047】
また、すでにかご呼びが登録されている階床で、乗場呼びが発生する場合があるが、この場合、かご呼びに対する点灯色から乗場呼びに対する点灯色に変更させても良い。これにより、すでにかご呼びが登録されている階床で乗場呼びが発生した場合であっても、乗場から乗客が乗り込んでくることをあらかじめ予想することができる。
【実施例2】
【0048】
図2において、エレベータ乗場17に設置されたエレベータの乗場操作器具14の上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16が点灯していない場合において、エレベータ乗場17を目的階とするかご呼びの登録が行われると、図示しない制御装置は乗場操作器具14のかご進行方向に対応した上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16を点灯させる。
【0049】
これにより、エレベータ乗場17におけるエレベータの利用客が希望するかご進行方向に向かうエレベータのかご1が、かご呼びの登録により当該エレベータ乗場17に着床する場合、かご呼びと重複して上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16を押下して乗場呼びするという利用客の無駄な操作を防止することができる。
【0050】
以上、本発明に係るエレベータの操作装置を実施例2に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
【0051】
(1)本発明に係る乗場操作装置14を操作しようといているエレベータ乗場17の利用客にとっては、当該エレベータ乗場17の利用客が上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16を押下していないにも関わらず、上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16が突然LED等により点灯することにより、不安を感じたり、混乱するおそれがある。そこで上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16をLED等により点灯すると同時に、ブザー等による発音、スピーカーによる案内放送又は/及びかご位置表示装置18に乗場呼びが登録されたことを表示するなど、注意を喚起する報知を行っても良い。
【0052】
(2)また、本発明に係る乗場操作装置14の上方向行きボタンスイッチ15又は下方向行きボタンスイッチ16の乗場呼びに対する点灯とかご呼びに対する点灯を異なった点灯色としても良い。乗場呼びに対する点灯とかご呼びに対する点灯の点灯色を異ならせることによって、かご呼びによって着床する場合はかごから乗客が降りてくることをあらかじめ予想することができ、乗場ドア11の前方にスペースを空けるなどの配慮をすることができる。なお、この場合、上方向行きボタンスイッチ15及び下方向行きボタンスイッチ16は2色のLED等を内蔵したものを用いる。
【0053】
また、すでに乗場呼びが登録されているエレベータ乗場17で、かご呼びが発生する場合があるが、この場合、乗場呼びに対する点灯色からかご呼びに対する点灯色に変更させても良い。これにより、すでに乗場呼びが登録されているエレベータ乗場17に対して、かご呼びが発生した場合であってもエレベータのかご1から乗客が降りてくることをあらかじめ予想することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るエレベータの操作装置は、例えば、エレベータのかご内に設置されるかご操作盤又は乗場に設置される乗場操作器具として好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 エレベータのかご
2 かごドア
3 袖壁
4、18 かご位置表示装置
5 かご操作盤
6 天井
7 天井照明
8 行先階登録用ボタンスイッチ
9 1階登録用ボタンスイッチ
10 3階登録用ボタンスイッチ
11 乗場ドア
12 乗場ドア敷居
13 三方枠
14 乗場操作器具
15 上方向行きボタンスイッチ
16 下方向行きボタンスイッチ
17 エレベータ乗場
図1
図2
図3
図4
図5