特許第6525013号(P6525013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6525013
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】コーティング剤水性分散液
(51)【国際特許分類】
   C09D 127/18 20060101AFI20190527BHJP
   C09D 133/00 20060101ALI20190527BHJP
   C09D 131/04 20060101ALI20190527BHJP
   C09D 123/08 20060101ALI20190527BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20190527BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   C09D127/18
   C09D133/00
   C09D131/04
   C09D123/08
   C09D5/02
   C09K3/10 Z
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-552163(P2016-552163)
(86)(22)【出願日】2015年10月1日
(86)【国際出願番号】JP2015077942
(87)【国際公開番号】WO2016052702
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年9月25日
(31)【優先権主張番号】特願2014-203204(P2014-203204)
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】東良 敏弘
【審査官】 佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/050722(WO,A1)
【文献】 特開2010−106222(JP,A)
【文献】 特開2006−117900(JP,A)
【文献】 特開平04−329213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−201/10
C09K 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形分として、PTFE 20〜59.2重量%、アクリル樹脂19.3〜50重量%およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂21.5〜50重量%を含有してなるコーティング剤水性分散液。
【請求項2】
樹脂として、PTFE、アクリル樹脂およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂のみを含有してなる請求項1記載のコーティング剤水性分散液。
【請求項3】
PTFE水性分散液、アクリル樹脂水性分散液およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液の混合物からなる請求項1または2記載のコーティング剤水性分散液。
【請求項4】
平均粒子径200〜500nmのPTFE水性分散液が用いられた請求項3記載のコーティング剤水性分散液。
【請求項5】
ゴム製シール材の表面処理剤として用いられる請求項1または2記載のコーティング剤水性分散液。
【請求項6】
請求項5記載のコーティング剤水性分散液で表面処理されたゴム製シール材。
【請求項7】
NBR製シール材である請求項6記載のゴム製シール材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング剤水性分散液に関する。さらに詳しくは、ゴム製シール材の表面処理剤等として有効に用いられるコーティング剤水性分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製シール材の表面処理剤として用いられるコーティング剤水性分散液としては、種々のものが用いられている。例えば、特許文献1には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)粒子とポリオキシアルキレンアルキルエーテル系化合物とを含み、造膜改良剤としてアクリル樹脂、界面活性剤等を含み得るPTFE水性分散液組成物が記載されている。この組成物は、クラック限界膜厚が極めて大きく、1回の含浸または塗装によっても厚膜化が可能であるとされているが、後記各種試験の内柔軟性評価や接着性評価などは満足させるものの、加湿試験による接着性低下評価を満足させない。
【0003】
特許文献2には、微粒子状パーフルオロカーボン重合体、雲母または金属フレーク、(メタ)アクリル系重合体および液体状担体からなるコーティング組成物が記載されている。これは、主としてPTFE被覆調理器具に用いられており、後記各種試験の内接着性評価は満足させるものの、柔軟性評価や加湿試験による接着性低下評価を満足させない。
【0004】
特許文献3には、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンおよび粒径の異なるPTFEパウダー2種以上からなる水性コーティング剤組成物が記載されている。この組成物は、塗膜密着性、作業性、耐熱性、耐薬品性にすぐれているとされており、後記各種試験の内柔軟性評価、加湿試験による接着性低下評価は満足させるものの、接着性評価を満足させない。
【0005】
特許文献4には、フルオロポリマー、アクリルポリマーおよびポリオールまたはジオールを有する非粘着性コーティングが記載されている。また、特許文献5には、フッ素樹脂粒子ディスパージョンおよび解重合性アクリル樹脂粒子エマルジョンからなるフッ素樹脂コーティング用水性分散組成物が記載されている。
【0006】
しかしながら、これらの組成物は300℃以上で焼成させるため、フッ素ゴムやシリコーンゴムではゴムの劣化がみられ、NBR等の耐熱性の低いゴム材料では著しく劣化し、シール部品に適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−117900号公報
【特許文献2】特開昭48−68559号公報
【特許文献3】特開2010−106222号公報
【特許文献4】特表2006−511674号公報
【特許文献5】特開2007−191709号公報
【特許文献6】特開昭61−171776号公報
【特許文献7】特開平02−138380号公報
【特許文献8】特開昭60−226509号公報
【特許文献9】特開昭61−69880号公報
【0008】
【非特許文献1】J. Applied Polymer Science 第17巻 第3253〜7頁 (1973)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ゴム製シール材等に用いられたとき、それに要求された各種特性を満足させるコーティング剤水性分散液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる本発明の目的は、固形分として、PTFE 20〜59.2重量%、アクリル樹脂19.3〜50重量%およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂21.5〜50重量%を含有してなるコーティング剤水性分散液によって達成される。
【発明の効果】
【0011】
PTFE粒子のバインダーとしてアクリル樹脂およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂の両者を添加することにより、加熱処理によるアクリル樹脂の熱硬化とエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂の溶融によるゴムへの溶着効果とが得られ、また加熱処理は約180℃以下で短時間の処理で行うことができるのでゴムを劣化させない。
【0012】
これら両者を添加することにより、シール相手材への粘着低減、ゴム材表面から出るブルームの抑制がみられ、柔軟性とも相まって、ゴム材とコーティング剤との接着性のバランスにすぐれている。界面活性剤やオイルを添加すれば粘着性を低減できるが、ゴム材との接着性の低下が避けられず、一方本発明にあっては、かかる低分子分を添加しないため、ゴムとの接着性も良好である。
【0013】
本発明のコーティング剤水性分散液は、Oリング、オイルシール、ガスケット、ダイアフラム、バルブ等の各種ゴム製シール材に有効に適用されるが、これら以外にも各種ゴム部品の粘着防止、低摩擦化、摩耗防止などに適用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のコーティング剤水性分散液は、固形分として、PTFE 20〜59.2重量%、好ましくは29〜59.2重量%、アクリル樹脂19.3〜50重量%、好ましくは19.3〜40重量%、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂21.5〜50重量%、好ましくは21.5〜36重量%を含有してなり、その合計量は100重量%である。このコーティング剤水性分散液は、これら3成分を同時に分散させて水性分散液とすることができるが、好ましくはいずれも市販品のPTFE水性分散液、アクリル樹脂水性分散液およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液の混合物として調製される。
【0015】
PTFE水性分散液は、低摩擦化、シール相手材への粘着性低減、柔軟性の低下、ゴム材表面から出るブルームの抑制、コーティング中の接触による粘着のし難さなどの目的で用いられる。これらは、PTFEが微粒子状であり、PTFEの非粘着性、低摩擦特性のために発現する性質であり、またPTFEは分子量が大きく、粒子が小さいため、ゴム材表面からのブルームの遮蔽や遅延化を達成させる。
【0016】
PTFEとしては、テトラフルオロエチレンの単独重合体のみならず、これに少量のパーフルオロビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン、エチレン等を共重合させたものも含まれ、それの数平均分子量Mnが2×104〜1×107であることが好ましく、2×105〜8×106であることが特に好ましい。Mnがこれより小さいとコーティング膜が脆くなる傾向があり、これより大きいと溶融粘度が高すぎて、粒子同士が融着し難くなる傾向がみられる。Mnは、非特許文献1記載の方法により求めることができる。
【0017】
また、PTFE水性分散液の平均粒子径は、約200〜500nmであることが好ましい。特に好ましくは、約200〜400nmであり、約200nmより小さいと粒子同士が凝集し易くなり塗布面にザラツキが生じ、約500nmより大きいと粒子が沈降し易くなり、水性分散液組成物の安定性が低下する。全固形分中のPTFEの割合が約20重量%より少ないと、摩擦係数が高くなり、粘着し易くなる。また、ゴム材表面からのブルームを遮蔽することができなくなる。一方、約80重量%より多いと、ゴムとの接着性や柔軟性が低下するようになる。さらに、コーティング膜表面にPTFE粒子の凝集塊が発生し、表面粗さを大きくし、シール性が悪化するばかりではなく、その凝集塊が脱落し、汚染物となる。
【0018】
アクリル樹脂水性分散液は、低摩擦化、シール相手材への粘着性低減、柔軟性低減、ゴム材表面から出るブルームの抑制などの目的で用いられ、熱で硬化する。
【0019】
アクリル樹脂としては、一般式 CH2=CRCOOR´(R:水素原子またはメチル基、好ましくはメチル基、R´:C1〜C16、好ましくはC2〜C12の直鎖状または分岐状アルキル基)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体または共重合体であって、その単独重合体のガラス転移温度Tgが-20℃以下であるものが用いられる。このTgが低い程粘着性がなくなり、硬くなって、低摩擦となる。逆に、Tgが高いと強度が下がり、粘着があって、摩擦係数が高くなる。
【0020】
前記一般式で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル、好ましくはメタクリル酸アルキルエステルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-オクチル、イソオクチル、2-エチルヘキシル、イソノニル、n-デシル、n-ドデシル等の炭素数1〜16、好ましくは2〜12のアルキル基を有するものが一般に用いられる。
【0021】
アクリル樹脂水性分散液としては、例えば特許文献6〜7に記載される如きものが用いられるが、これらに限定されるものではない。全固形分中のアクリル樹脂の割合が約10重量%より少ないと、摩擦係数が高くなり、また粘着し易くなる。一方、50重量%より多く用いられると、ゴムとの接着性や柔軟性が悪化する。
【0022】
前述の通りPTFEの割合が高いと、コーティング表面にPTFEの凝集塊が発生し、表面粗さが大きくなり、シール性が悪化し、その凝集塊が脱落し、汚染物となり、PTFEを少なくすると非粘着特性、低摩擦特性が損なわれるようになるが、PTFEの一部に代えてアクリル樹脂を配合することにより、このようなPTFEの問題点を克服することができる。
【0023】
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液としては、例えば特許文献8〜9に記載される如きものが用いられるが、これらに限定されるものではない。エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、粘着性があり、柔らかいため、摩擦係数を上昇させ、シール相手材への粘着性を増大させるが、柔軟性を向上させ、ゴムとの接着性を向上させる。
【0024】
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂が全固形分中10重量%より少なく用いられると、柔軟性やゴムとの接着性を低下させる。一方、50重量%より多く用いられると、摩擦係数が高くなり、粘着し易くなるばかりではなく、コーティング時に基材同士が接触した場合にも粘着し易くなる。
【0025】
以上の3種類の水性分散液の混合物を含んでなるコーティング剤のコーティング方法は、特に限定されないが、例えばディッピング法、スプレー法、ロールコート法、ドクターブレード法、フローコート法などによって行われる。コーティング後の乾燥は、室温乃至約100℃で約5〜20分間程度行われ、それの焼成は用いられるゴムの種類に応じて、PTFEの溶融温度よりも低い約120〜230℃、好ましくは約180℃以下で約5〜120分間程度行われ、そこに膜厚約5〜10μmのコーティング被膜を形成させる。
【0026】
シール材を構成するゴムとしては、耐熱性の低いNBRのみならず、水素化NBR、アクリルゴム、フッ素ゴム等が用いられ、本発明のコーティング剤水性分散液は、これらのゴム製シール材に有効に適用される。
【実施例】
【0027】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0028】
実施例1
下記配合のNBR組成物を180℃、6分間のプレス加硫を行い、
NBR(JSR製品JSR N220S) 100重量部
カーボンブラック(新日化カーボン製品HTC#S-S) 40 〃
亜鉛華(正同化学工業製品亜鉛華3号) 5 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂製品) 3 〃
老化防止剤(精工化学製品サンタイトR) 4 〃
老化防止剤(大内新興化学工業製品老防6C) 3 〃
可塑剤(ADEKA製品RS-107) 15 〃
硫黄(細井化学工業製品) 1.2 〃
加硫促進剤(大内新興化学工業製品ノクセラーTT) 2 〃
加硫促進剤(大内新興化学工業製品ノクセラーCZ) 2.5 〃
厚さ2mmのシートまたはOリングを成形した後、メチルエチルケトンをキムワイプに付けて表面をふき取り、そこにコーティング剤をスプレーを用いて5〜10μmの膜厚で塗布し、140℃で30分間加熱処理した。
【0029】
コーティング剤としては、PTFE水性分散液(ダイキン製品ポリフロンディスパージョンD-1E、固形分濃度61重量%、平均粒子径220nm)52重量部(固形分として59.2重量%)、アクリル樹脂水性分散液(日本カーバイド製品ニカゾールFX-329、固形分濃度45重量%)23重量部(固形分として19.3重量%)およびエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液(同社製品ニカゾールRX-66E、固形分濃度46重量%)25重量部(固形分として21.5重量%)の混合物が用いられた。
【0030】
加熱処理シートまたはOリングについて、次の各項目の測定または評価が行われた。
摩擦係数:
ASTM D-1894、JIS K7125、JIS P8147、ISO 8295に準拠して、新東科
学製表面性試験機ヘイドン・トライボギアを用いて、コーティングし
たゴムシート表面の動摩擦係数を測定
(試験条件) 相手材:直径10mmのSUS304鋼球
移動速度:50mm/分
荷重:0.49N
振幅:50mm
屈曲試験によるコーティング剤の柔軟性評価:
コーティングしたゴムシートを直径6mmのマンドレルに屈曲させ、そ
の屈曲部に粘着テープを粘着させ、コーティング剤が剥離するか否か
を評価
(評価) ○:屈曲部のコーティング剤の剥れ、テープへの転写
なし
×:屈曲部のコーティング剤の剥れ、テープへの転写
あり
粘着試験による接着性評価:
コーティングしたゴムシートを直径13mmの円盤状に打ち抜き、
相手材:SUS430
圧縮率:33.3%
で2枚の相手材で挟み、80℃で60分間加熱し、その後室温条件下で
1時間静置した後圧縮型から解放し、コーティング剤のSUS430相手材
への粘着による、コーティング剤の転写状態を評価
(評価) ○:コーティング剤の転写がない
△:コーティング剤の一部が転写
×:離型後コーティング剤が相手材の圧縮面全面に転

加湿試験によるゴムからのブルームによるゴムとの接着性低下評価:
コーティングしたゴムシートについて、50℃、90%RH、15時間の加熱
試験を行い、テープ剥離試験を5回くり返し行い、加湿試験でゴムか
らのブルームにより、コーティング剤の剥れが発生するか否かを評価
(評価) ○:剥れがない
△:テープ剥離試験5回迄に剥離試験ごとに少しずつ
剥れる
×:1回のテープ剥離試験で剥れる
ブリーディング評価:
コーティングしたゴムシートについて、70℃、30日間の加熱試験を行
い、コーティング表面にゴムからのブルーム成分が析出するか否かを
評価
(評価) ○:表面に固形物の析出が目視では判断できない
×:表面に固形物の析出が目視できる
パーツフィーダによるOリングの搬送特性評価:
コーティング処理したOリング(内径7.8mm、太さ1.9mm径、呼び番号
JIS B2401-4種DP8)をパーツフィーダによるOリングの搬送特性評価に
使用した
(評価) ○:コーティング処理をせずに、シリコーンオイルを
塗布したものよりも搬送速度が大きい
×:コーティング処理をせずに、シリコーンオイルを
塗布したものと同等の搬送速度
注)コーティング処理をしないゴムにシリコーンオイルを塗布して搬
送すると、シリコーンオイルのベトツキで搬送が遅くなり、また
ブロッキングしたOリングは、パーツフィーダ上に残る
粘着せず、摩擦係数が低い程搬送速度は大きくなる
Oリングのリーク試験:
コーティングしたOリング(内径119.6mm、太さ7mm径、呼び番号P120)
を5%圧縮し、ヘリウムリークディテクタを用いて、ヘリウムガス投
入3分間後のヘリウム漏れ量を測定
(評価) ○:漏れが少ない
×:漏れが多い
【0031】
実施例2
実施例1において、PTFE水性分散液量が24重量部(固形分として29.7重量%)、アクリル樹脂水性分散液量が38重量部(固形分として34.7重量%)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液量が38重量部(固形分として35.5重量%)にそれぞれ変更された。
【0032】
比較例1
実施例1において、PTFE水性分散液量が38重量部(固形分として45.2重量%)、アクリル樹脂水性分散液量が45重量部(固形分として39.5重量%)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液量が17重量部(固形分として15.3重量%)にそれぞれ変更された。
【0033】
比較例
実施例1において、PTFE水性分散液が用いられず、アクリル樹脂水性分散液量が51重量部(固形分として50.4重量%)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液量が49重量部(固形分として49.5重量%)にそれぞれ変更された。
【0034】
比較例
実施例1において、アクリル樹脂水性分散液が用いられず、PTFE水性分散液量が43重量部(固形分として50重量%)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液量が57重量部(固形分として50重量%)にそれぞれ変更された。
【0035】
比較例
実施例1において、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液が用いられず、PTFE水性分散液量が42重量部(固形分として49.5重量%)、アクリル樹脂水性分散液量が58重量部(固形分として50.5重量%)にそれぞれ変更された。
【0036】
比較例
実施例1において、PTFE水性分散液量が8重量部(固形分として10.4重量%)、アクリル樹脂水性分散液量が41重量部(固形分として39.4重量%)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液量が51重量部(固形分として50.1重量%)にそれぞれ変更された。
【0037】
比較例
実施例1において、PTFE水性分散液量が87重量部(固形分として90.0重量%)、アクリル樹脂水性分散液量が7重量部(固形分として5.3重量%)、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂水性分散液量が6重量部(固形分として4.7重量%)にそれぞれ変更された。
【0038】
以上の各実施例および比較例で得られた測定または評価結果は、次の表に示される。

実施例 比較例
測定・評価項目
摩擦係数 0.5 0.7 0.6 >1.5 1.0 0.6 0.9 0.3
柔軟性評価 ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ×
接着性評価 ○ △ ○ × × × × ○
接着性低下評価 ○ ○ △ ○ ○ × △ ×
ブリーディング評価 ○ ○ ○ × ○ ○ × ○
搬送特性評価 ○ ○ ○ × × ○ × ○
Oリングリーク試験 ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ×