【実施例】
【0164】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ
表す。また、「PGMAc」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
【0165】
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
【0166】
<樹脂の酸価>
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業社製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
【0167】
<樹脂の数平均分子量(Mn)>
本発明の数平均分子量は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を
用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、展開溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)である。
【0168】
<アゾ顔料の同定方法>
本発明のアゾ顔料の同定に際しては、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIII(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致、さらに、パーキン・エルマー社製 2400 CHN Element Analyserを用い、得られる各元素の比率と、理論値との一致をもって同定した。
【0169】
<アゾ顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
【0170】
まず、実施例、製造例及び比較例に用いたアクリル樹脂溶液、樹脂型分散剤溶液、着色剤、着色組成物、及び感光性着色組成物の製造方法について説明する。
【0171】
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
【0172】
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
【0173】
<樹脂型分散剤溶液の製造方法>
(樹脂型分散剤溶液1の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール10部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物20部、メトキシプロピルアセテート200.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価77mgKOH/g、数平均分子量(Mn)8500のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液1を得た。
【0174】
(樹脂型分散剤溶液2の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール10部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。トリメリット酸無水物36部、メトキシプロピルアセテート200.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価109mgKOH/g、数平均分子量(Mn)8500のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液2を得た。
【0175】
(樹脂型分散剤溶液3の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.5部、ピロメリット酸無水物4.0部、ジメチルベンジルア
ミン0.01部、メトキシプロピルアセテート41.8部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート67部、メタクリル酸5.0部、t−ブチルアクリレート16.0部、ヒドロキシメチルメタクリレート10.0部、エチルアクリレート2.0部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部とメトキシプロピルアセテート60.0部を添加して、10時間反応した。固形分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了し酸価43mgKOH/g、数平均分子量(Mn)15000のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液3を得た。
【0176】
(樹脂型分散剤溶液4の調製)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.5部、ピロメリット酸無水物4.0部、ジメチルベンジルアミン0.01部、メトキシプロピルアセテート41.8部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート67部、メタクリル酸5.0部、t−ブチルアクリレート16.0部、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート10.0部、エチルアクリレート2.0部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.10部とメトキシプロピルアセテート60.0部を添加して、10時間反応した。固形分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了し酸価47mgKOH/g、数平均分子量(Mn)15000のポリエステル分散剤を得た。ここに固形分測定で固形分40%となるようメトキシプロピルアセテートを添加して芳香族カルボキシル基を有する樹脂型分散剤溶液4を得た。
【0177】
<色素誘導体の製造方法>
本発明で使用した色素誘導体の製造方法と構造を示す。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0178】
(色素誘導体1の製造)
特許5748665号の合成例3を参考にして、式5で表される色素誘導体1を製造した。
式5
【化128】
【0179】
(色素誘導体2の製造)
特許第4396778号の製造例21を参考にして、式6で表される色素誘導体2を製造した。
式6
【化129】
【0180】
(色素誘導体3の製造)
特許第4983061号の製造例6を参考にして、式7で表される色素誘導体3を製造した。
式7
【化130】
【0181】
(色素誘導体4の製造)
特許第5316690号の実施例1を参考にして、式8で表される色素誘導体4を製造した。
式8
【化131】
【0182】
(色素誘導体5の製造)
5−ニトロイソフタル酸16部およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.0部をトルエン110部に溶解させた。ここに塩化チオニル22.6部を25分かけて滴下し、110℃で1時間還流させ、5−ニトロイソフタル酸ジクロライドを合成した。トルエン90部に4−アミノ−N−(3−(ジエチルアミノ)プロピル)ベンズアミド38.0部を分散させ、これに上記5−ニトロイソフタル酸ジクロライドを室温下1時間かけて滴下した後、4時間還流を行い、反応を完結させた。10%炭酸ナトリウム水溶液で中和しながらトルエンを留去した後、3%NaOH水溶液でリスラリー、ろ過、乾燥を経て下記式9で表わされる化合物28.0部を得た。
式9
【化132】
【0183】
次いで、上記式9で表わされる化合物25.0部を100部のN−メチルピロリドンに溶解させ、これに水硫化ナトリウム水和物(水硫化ナトリウムを65%含有)32部を55部の水に溶かした水溶液を添加した後、6時間還流し、下記式10で表わされるベース化合物20.0部を得た。
式10
【化133】
【0184】
上記式10で表わされるベース化合物20.0部を水200部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液20.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム3.60部を水11.0部に加えて調整した水溶液を添加して2時間攪拌した。続いて
80%酢酸水溶液59.0部、25%水酸化ナトリウム水溶液65.0部、および水64.0部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[2−メトキシ−5−クロロフェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド18.7部、25%水酸化ナトリウム水溶液53.5部をメタノール340部に溶解させ、カップラー溶液とした。
【0185】
このカップラー溶液を上記ジアゾニウム塩水溶液に、5℃にて30分間かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。1時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、90℃で24時間乾燥させ、式11で表される色素誘導体5を35.8部得た。
【0186】
式11
【化134】
【0187】
(色素誘導体6の製造)
特許第1863188号の製造例3を参考にして、式12で表される色素誘導体6を製造した。
式12
【化135】
【0188】
<着色剤の製造方法>
(ベース化合物)
今回使用したベース化合物([B−1]〜[B−18])を、表1に記載した。表中のPhはフェニル基を表す。
【0189】
【表1】
【0190】
(カップラー化合物[C−1]の製造)
【化201】
【0191】
3−ヒドロキシ−2-ナフトエ酸167部、テトラヒドロフラン1500部、N,N−ジ
メチルホルムアミド1部を混合した後、塩化チオニル221部を添加して、1時間、室温撹拌することでカルボン酸クロリド溶液を得た。別途、N−メチルピロリドン1000部
、2,6−ジアミノアントラキノン105部を混合した溶液を調製しておき、この溶液に対して、カルボン酸クロリド溶液を30分間かけて滴下していった。この時、反応溶液の温度を10℃以下に保持しながら、滴下を行った。滴下終了後、2時間、室温撹拌した後、析出した反応物をろ取し、目的物を得た。更に、メタノール1000部で洗浄し、減圧下で乾燥することで、カップラー化合物[C−1]249部(収率97.8%)を得た。
【0192】
(カップラー化合物[C−2]の製造)
カップラー化合物[C−1]の製造で使用した2,6−ジアミノアントラキノン105部の代わりに、1,5−ジアミノアントラキノン105部を変更した以外は、カップラー化合物[C−1]の製造と同様の操作を行い、カップラー化合物[C−2]248部(収率97.5%)を得た。
【0193】
(カップラー化合物[C−3]の製造)
カップラー化合物[C−1]の製造で使用した2,6−ジアミノアントラキノン105部の代わりに、1,4−ジアミノアントラキノン105部を変更した以外は、カップラー化合物[C−1]の製造と同様の操作を行い、カップラー化合物[C−3]245部(収率96.2%)を得た。
【0194】
<アゾ顔料の製造>
[実施例1]
(アゾ顔料1の製造)
【化202】
【0195】
N−メチルピロリドン1500部にベース化合物[B−1]185部を加えた後、35
%塩酸294部を加え、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液208部を加えた後、0〜5℃に保持しながら、30分間攪拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。別途、カップラー化合物[C−1]216部と、25%水酸化ナトリウム溶液316部、メタノール1500部からなるカップラー溶液を調製した。調製したジアゾニウム溶液とカップラー溶液を、同時にpH5.4の酢酸バッファー溶液1000部に10分間で滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した後、さらに、80℃に保持しながら攪拌し、析出した反応物をろ取し、熱湯で洗浄後、乾燥してアゾ顔料1を386部得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料1であることを
同定した。
【0196】
アゾ顔料1
【化7】
【0197】
[実施例2]
(アゾ顔料2の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−2]169部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料2を400部(収率:97.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料2であることを同定した。
【0198】
アゾ顔料2
【化8】
【0199】
[実施例3]
(アゾ顔料3の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−3]210部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料3を420部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料3であることを同定した。
【0200】
アゾ顔料3
【化9】
【0201】
[実施例4]
(アゾ顔料4の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−4]181部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料4を395部(収率:97.1%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料4であることを同定した。
【0202】
アゾ顔料4
【化10】
【0203】
[実施例5]
(アゾ顔料5の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−5]222部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料5を433部(収率:96.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料5であることを同定した。
【0204】
アゾ顔料5
【化11】
【0205】
[実施例6]
(アゾ顔料6の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−6]228部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料6を437部(収率:96.3%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料6であることを同定した。
【0206】
アゾ顔料6
【化12】
【0207】
[実施例7]
(アゾ顔料7の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−7]124部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料7を338部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料7であることを同定した。
【0208】
アゾ顔料7
【化13】
【0209】
[実施例8]
(アゾ顔料8の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−8]128部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料8を373部(収率:97.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料8であることを同定した。
【0210】
アゾ顔料8
【化14】
【0211】
[実施例9]
(アゾ顔料9の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−9]156部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔
料9を403部(収率:97.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料9であることを同定した。
【0212】
アゾ顔料9
【化15】
【0213】
[実施例10]
(アゾ顔料10の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−10]187部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料10を408部(収率:98.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料10であることを同定した。
【0214】
アゾ顔料10
【化16】
【0215】
[実施例11]
(アゾ顔料11の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−11]190部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料11を402部(収率:96.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料11であることを同定した。
【0216】
アゾ顔料11
【化17】
【0217】
[実施例12]
(アゾ顔料12の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−12]240部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料12を449部(収率:96.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料12であることを同定した。
【0218】
アゾ顔料12
【化18】
【0219】
[実施例13]
(アゾ顔料13の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−13]207部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料13を424部(収率:97.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料13であることを同定した。
【0220】
アゾ顔料13
【化19】
【0221】
[実施例14]
(アゾ顔料14の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−14]241部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料14を444部(収率:95.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料14であることを同定した。
【0222】
アゾ顔料14
【化20】
【0223】
[実施例15]
(アゾ顔料15の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−15]215部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料15を422部(収率:95.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料15であることを同定した。
【0224】
アゾ顔料15
【化21】
【0225】
[実施例16]
(アゾ顔料16の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−16]233部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料16を440部(収率:96.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料16であることを同定した。
【0226】
【化22】
【0227】
[実施例17]
(アゾ顔料17の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−17]298部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料17を506部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素
分析の結果、アゾ顔料17であることを同定した。
【0228】
アゾ顔料17
【化23】
【0229】
[実施例18]
(アゾ顔料18の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−18]415部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料18を619部(収率:96.5%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料18であることを同定した。
【0230】
アゾ顔料18
【化24】
【0231】
[実施例19]
(アゾ顔料19の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したカップラー化合物[C−1]216部の代わりに、カップラー化合物[C−2]216部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料19を395部(収率:96.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料19であることを同定した。
【0232】
アゾ顔料19
【化25】
【0233】
[実施例20]
(アゾ顔料20の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−2]169部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料20を390部(収率:98.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料20であることを同定した。
【0234】
アゾ顔料20
【化26】
【0235】
[実施例21]
(アゾ顔料21の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−3]210部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料21を430部(収率:98.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料21であることを同定した。
【0236】
アゾ顔料21
【化27】
【0237】
[実施例22]
(アゾ顔料22の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−4]181部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料22を396部(収率:97.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料22であることを同定した。
【0238】
アゾ顔料22
【化28】
【0239】
[実施例23]
(アゾ顔料23の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−5]222部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料23を433部(収率:96.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料23であることを同定した。
【0240】
アゾ顔料23
【化29】
【0241】
[実施例24]
(アゾ顔料24の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−6]228部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料24を434部(収率:95.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料24であることを同定した。
【0242】
アゾ顔料24
【化30】
【0243】
[実施例25]
(アゾ顔料25の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−7]124部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料25を343部(収率:98.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料25であることを同定した。
【0244】
アゾ顔料25
【化31】
【0245】
[実施例26]
(アゾ顔料26の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−8]128部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料26を336部(収率:95.2%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料26であることを同定した。
【0246】
アゾ顔料26
【化32】
【0247】
[実施例27]
(アゾ顔料27の製造)
アゾ顔料19の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−13]207部を使用した以外は、アゾ顔料19の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料27を423部(収率:97.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料27であることを同定した。
【0248】
アゾ顔料27
【化37】
【0249】
[実施例28]
(アゾ顔料28の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したカップラー化合物[C−1]216部の代わりに、カップラー化合物[C−3]216部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料28を352部(収率:97.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料28であることを同定した。
【0250】
アゾ顔料28
【化43】
【0251】
[実施例29]
(アゾ顔料29の製造)
アゾ顔料28の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−3]210部を使用した以外は、アゾ顔料28の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料29を431部(収率:98.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料29であることを同定した。
【0252】
アゾ顔料29
【化44】
【0253】
[実施例30]
(アゾ顔料30の製造)
アゾ顔料28の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−4]181部を使用した以外は、アゾ顔料28の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料30を393部(収率:96.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料30であることを同定した。
【0254】
アゾ顔料30
【化45】
【0255】
[実施例31]
(アゾ顔料31の製造)
アゾ顔料28の製造で使用したベース化合物[B−1]185部の代わりに、ベース化合物[B−7]124部を使用した以外は、アゾ顔料28の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料31を342部(収率:97.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料31であることを同定した。
【0256】
アゾ顔料31
【化46】
【0257】
[実施例32]
(アゾ顔料32の製造) アゾ顔料4の微細化工程
アゾ顔料4を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部のアゾ顔料32を得た。
【0258】
[実施例33]
(アゾ顔料33の製造) アゾ顔料22の微細化工程
アゾ顔料22を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部のアゾ顔料33を得た。
【0259】
[実施例34〜39]
(アゾ顔料34〜39の製造)
アゾ顔料32の製造において、アゾ顔料4の代わりに、アゾ顔料4と色素誘導体を表4−2に示す種類と比率に変更した以外はアゾ顔料32と同様にして、アゾ顔料34〜39を得た。
【0260】
[実施例40〜41]
(アゾ顔料40〜41の製造)
アゾ顔料33の製造において、アゾ顔料22の代わりに、アゾ顔料22と色素誘導体を表4−2に示す種類と比率に変更した以外はアゾ顔料33と同様にして、アゾ顔料40〜41を得た。
【0261】
[製造例1]
(アゾ顔料101の製造)
特開2014−160160号公報を参考にして下記のアゾ顔料101を合成した。
【0262】
アゾ顔料101
【化123】
[製造例2〜13]
<その他の顔料の製造>
(赤色着色剤1(RCP−1)の製造: PR254)
市販のC.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤1(RCP−1)を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
【0263】
(赤色着色剤2(RCP−2)の製造: PR177)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(シニック社製「シニレックスレッド SR3C」)に変更した以外は、赤色着色剤1の製造と同様に行い、97部の赤色着色剤2(RCP−2)を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
【0264】
(赤色着色剤3(RCP−3)の製造: PR242)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)を、C.I.ピグメントレッド242(PR242)(クラリアント社製「Sandorin Scarlet 4RF」)に変更した以外は、赤色着色剤1の製造と同様に行い、98部の赤色着色剤3(RCP−3)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0265】
(赤色着色剤4(RCP−4)の製造: PR269)
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製「イルガジンレッド D3656 HD」)を、C.I.ピグメントレッド269(PR269)(山陽色素株式会社製「PermanentCarmine 3810」)に変更した以外は、赤色着色剤1の製造
と同様に行い、98部の赤色着色剤4(RCP−4)を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
【0266】
(赤色着色剤5(RCP−5)の製造: 臭素化ジケトピロロピロール顔料 式(4))
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、及びナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製
した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、及び水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩の添加する速度を調整しながら、およそ120分間にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒及び洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより式(4)で表わされる臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
【0267】
上記で得られた式(4)で表わされる臭素化ジケトピロロピロール顔料100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色着色剤5(RCP−5)を得た。平均一次粒子径は45nmであった。
式(4)
【化124】
【0268】
(黄色着色剤1(YCP−1)の製造: PY138)
キノフタロン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー138(BASF社製「パリオトールイエロー L0962−HD」)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、90部の黄色着色剤1(YCP−1)を得た。平均一次粒子径は63nmであった。
【0269】
(黄色着色剤2(YCP−2)の製造: PY139)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(BASF社製「パリオ
トールイエロー L1820」)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤2(YCP−2)を得た。平均一次粒子径は68nmであった。
【0270】
(黄色着色剤3(YCP−3)の製造: PY150)
アゾ系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー150(クラリアント社製「ホスタパームイエロー HN4G」)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、90部の黄色着色剤3(YCP−3)を得た。平均一次粒子径は60nmであった。
【0271】
(黄色着色剤4(YCP−4)の製造: PY185)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー185(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコ
ール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、90部の黄色着色剤5(YCP−4)を得た。平均一次粒子径は66nmであった。
【0272】
(黄色着色剤5(YCP−5)の製造: キノフタロン化合物(b))
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、116部のキノフタロン化合物(c)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(c)であることを同定した。
【0273】
キノフタロン化合物(c)
【化125】
【0274】
さらに、キノフタロン化合物(c)を原料として、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(c−2)を得た。
【0275】
化合物(c−2)
【化126】
【0276】
安息香酸メチル300部に、化合物(c−2)100部、テトラクロロ無水フタル酸1
08部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン化合物(b)の生成、及び原料の化合物(c−2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(b)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(b)であることを同定した。
キノフタロン化合物(b)
【化127】
【0277】
上記で得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤5(YCP−5)を得た。平均一次粒子径は62nmであった。
【0278】
(黄色着色剤6(YCP−6)の製造: キノフタロン化合物(t))
98%硫酸1200部に、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部およびトリクロロイソシアヌル酸230部を加え、80℃4時間反応させた。反応液を撹拌した氷水9000部中に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、中間体(a−1)を220部得た。安息香酸メチル500部に、前記化合物(c−2)105部、中間体(a−1)150部、安息香酸100部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5000部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、183部のキノフタロン化合物(t)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(t)であることを同定した。
キノフタロン化合物(t)
【化39】
【0279】
上記で得られたキノフタロン化合物(t)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤6(YCP−6)を得た。平均一次粒子径は60nmであった。
【0280】
(黄色着色剤7(YCP−7)の製造: キノフタロン化合物(aa))
前記中間体(a−1)の合成において、トリクロロイソシアヌル酸230部をN−ブロモスクシンイミド244部に変えた以外は同様な方法で合成し、中間体(a−2)を得た。
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン50部、前記中間体(a−1)115部、安息香酸140部を加え、120℃4時間攪拌した。次いで、反応混合物にさらに中間体(a−2)143部を加え、180℃に加熱し、水を留去しながら4時間撹拌を行った。室温まで冷却後、反応混合物をアセトン2000部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールにて洗浄、乾燥を行い、167部のキノフタロン化合物(aa)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン化合物(aa)であることを同定した。
キノフタロン化合物(aa)
【化40】
【0281】
上記で得られたキノフタロン化合物(aa)100部、塩化ナトリウム500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部の黄色着色剤7(YCP−7)を得た。平均一次粒子径は61nmであった。
【0282】
(緑色着色剤1の製造: PG58)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色着色剤1を得た。平均一次粒子径は69nmであった。
【0283】
(青色着色剤1の作製: PB15:6)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び
ジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色着色剤1を得た。平均一次粒子径は74nmであった。
【0284】
(紫色着色剤1の作製: PV23)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色着色剤1を得た。平均一次粒子径は69nmであった。
【0285】
以上、実施例1〜31で製造したアゾ顔料において、質量分析、元素分析の結果を表3、表4に示す。また、製造した顔料の平均一次粒子径の評価結果を表4に示す。
【0286】
【表3】
【0287】
【表4】
【0288】
【表4-2】
【0289】
<着色組成物の製造方法>
[実施例101]
(着色組成物(RM−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−1)を作製した。
赤色着色剤(RP−1) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.8部
酸性樹脂型分散剤溶液(ビックケミー社製
「Disperbyk−110」(固形分52%)) : 8.0部
【0290】
[実施例102〜141、比較例1]
(着色組成物(RM−2〜41、101)
以下、表5と表5−2に示す組成に変更した以外は着色組成物(RM−1)と同様にして、着色組成物(RM−2〜41、101)を調製した。
【0291】
[実施例142]
(着色組成物(RM−42)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−42)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.5部
酸性樹脂型分散剤溶液(ルーブリゾール社製
「SOLSPERSE−55000」(固形分50%)) : 8.3部
【0292】
[実施例143]
(着色組成物(RM−43)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−43)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :58.4部
塩基性樹脂型分散剤溶液(ビックケミー社製
「Disperbyk−2000」(固形分40%)) :10.4部
【0293】
[実施例144]
(着色組成物(RM−44)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−44)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :48.0部
【0294】
[実施例145]
(着色組成物(RM−45)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−45)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :58.4部
酸性樹脂型分散剤溶液(樹脂型分散剤溶液1) :10.4部
【0295】
[実施例146〜150]
(着色組成物(RM−46〜50)
以下、表5−3に示す組成に変更した以外は着色組成物(RM−45)と同様にして、着色組成物(RM−46〜50)を調製した。
【0296】
[実施例151]
(着色組成物(RM−51)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−51)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :10.8部
色素誘導体2 : 1.2部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.8部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 8.0部
【0297】
[実施例152〜154]
(着色組成物(RM−52〜54)
以下、表5−3に示す組成に変更した以外は着色組成物(RM−51)と同様にして、着色組成物(RM−52〜54)を調製した。
【0298】
[実施例155]
(着色組成物(RM−55)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−55)を作製した。
赤色着色剤(RP−4) :10.8部
色素誘導体5 : 1.2部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :58.4部
酸性樹脂型分散剤溶液(樹脂型分散剤溶液1) :10.4部
【0299】
[実施例156]
(着色組成物(RM−56)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RM−56)を作製した。
赤色着色剤(RP−22) :10.8部
色素誘導体5 : 1.2部
アクリル樹脂溶液1 :19.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :60.8部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 8.0部
【0300】
[比較例2]
(着色組成物(RCM−2): PR177)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−2)を作製した。
赤色着色剤2(RCP−2)(PR177) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0301】
[比較例3]
(着色組成物(RCM−4): PR269)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−4)を作製した。
赤色着色剤4(RCP−4)(PR269) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0302】
(着色組成物(RCM−1): PR254)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−1)を作製した。
赤色着色剤1(RCP−1)(PR254) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0303】
(着色組成物(RCM−3): PR242)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−3)を作製した。
赤色着色剤3(RCP−3)(PR242) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0304】
(着色組成物(RCM−5): 式(4))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(RCM−5)を作製した。
赤色着色剤5(RCP−5)(式(4)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0305】
(着色組成物(YCM−1): PY138)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−1)を作製した。
黄色着色剤1(YCP−1)(PY138) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
【0306】
(着色組成物(YCM−2): PY139)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着
色組成物(YCM−2)を作製した。
黄色着色剤2(YCP−2)(PY139) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0307】
(着色組成物(YCM−3): PY150)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−3)を作製した。
黄色着色剤3(YCP−3)(PY150) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
【0308】
(着色組成物(YCM−4): PY185)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−4)を作製した。
黄色着色剤4(YCP−4)(PY185) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0309】
(着色組成物(YCM−5): キノフタロン化合物(b))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−5)を作製した。
黄色着色剤5(YCP−5)キノフタロン化合物(b)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
【0310】
(着色組成物(YCM−6): キノフタロン化合物(t))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−6)を作製した。
黄色着色剤6(YCP−6)キノフタロン化合物(t)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
【0311】
(着色組成物(YCM−7): キノフタロン化合物(aa))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(YCM−7)を作製した。
黄色着色剤7(YCP−7)キノフタロン化合物(aa)) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
【0312】
(着色組成物の評価)
得られた着色組成物およびそれを用いて作製した塗膜の耐熱性、耐光性、異物評価および保存安定性を下記方法で行った。評価結果を表5に示す。
【0313】
(耐熱性評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分間乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板(カラーフィルタの一態様)を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L
*(1)、a
*(1)、b
*(1)])を顕微分光光
度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、
耐熱性試験として250℃で1時間加熱し、C光源での色度([L
*(2)、a
*(2)、b
*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab
*を求め、下記の4段階で評価した。
ΔEab
* = √((L
*(2)- L
*(1))
2+ (a
*(2)-a
*(1))
2+( b
*(2)- b
*(1))
2)
◎:ΔEab
*が1.0未満(極めて良好)
○:ΔEab
*が1.0以上、2.5未満(良好)
△:ΔEab
*が2.5以上、5.0未満(不良)
×:ΔEab
*が5.0以上(極めて不良)
【0314】
(耐光性評価)
耐熱性評価のときと同様の方法で塗膜基板を作製し、C光源での色度([L
*(1)、a
*(1)、b
*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を
用いて測定した。続いて、その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL GLASS L38」)を貼り、470W/m
2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後、C光源での色度([L
*(2)、a
*(2)、b
*(2)])を測定し、上記計算式により、色差ΔEab
*を求め、耐熱性と同じ基準で評価した。
【0315】
(塗膜異物評価)
着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分間乾燥し、次いで、230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。さらにその後、250℃で1時間加熱した基板の表面観察を行った。評価にはオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」を用いた。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントした。下記の4段階で評価した。
◎:異物の数が5個未満(極めて良好)
○:異物の数が5個以上、10個未満(良好)
△:異物の数が10個以上、60個未満(不良)
×:異物の数が60個以上(極めて不良)
【0316】
(保存安定性試験方法)
着色組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。着色組成物の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後に測定した粘度から、粘度変化率(%)(=(40℃7日間保存後の粘度−初期粘度)/初期粘度×100)を算出し、保存安定性を下記の基準にて評価した。
◎:粘度変化率が10%未満(極めて良好)
○:粘度変化率が10%以上、20%未満 (良好)
△:粘度変化率が20%以上、50%未満(不良)
×:粘度変化率が50%以上(極めて不良)
【0317】
【表5】
【0318】
【表5-2】
【0319】
【表5-3】
【0320】
表5に示すように、本発明の着色剤を使用した着色組成物は、塗膜の耐熱性、耐光性、塗膜異物、および保存安定性において良好な結果であった。特に、アゾ顔料101を使用した着色組成物(比較例1)と比較した場合、顔料の高次的な立体障害によって分散がより安定するため、品質の向上が見られた。また、芳香族カルボン酸を有する樹脂型分散剤や色素誘導体を併用することによって、耐熱性や耐光性に優れ、塗膜異物および保存安定性が良好な結果が得られた。
【0321】
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法>
[実施例301]
(感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(RR−1)を得た。
着色組成物(RM−1) :23.0部
着色組成物(YCM−2) :27.0部
アクリル樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
【0322】
[実施例302〜365、比較例4〜13]
(感光性着色組成物(RR−2〜75))
表6に示すように、着色組成物の種類と比率を調整した以外は感光性着色組成物(RR−1)と同様にして感光性着色組成物(RR−2〜75)を得た。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物の輝度、コントラスト比、膜厚を下記方法で行った。表6に評価結果を示す。また、移染性の評価を表7に示す。
【0323】
(輝度の評価)
ガラス基板上に、得られた感光性着色組成物を塗布し、70℃で20分間乾燥後、さらに230℃で60分間加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.683、y=0.313になるような塗布基板を得た。得られた基板の輝度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
◎:13.5以上(非常に良好)
○:13.0以上、13.5未満(良好)
△:12.5以上、13.0未満(実施可能)
×:12.5未満 (不良)
【0324】
(コントラスト比評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が平行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直交のときの輝度)
従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
【0325】
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。輝度評価をしたものと同じ塗膜を用いた。
◎:8000以上(非常に良好)
○:7000以上〜8000未満(良好)
△:6000以上〜7000未満(実施可能)
×:6000未満(不良)
【0326】
(膜厚の評価)
輝度を測定した基板を用いて膜厚を測定した。膜厚の測定には表面形状測定器DEKTAK150(アルバックイーエス社製)を用いた。
◎:膜厚2.0μm未満
○:膜厚2.0μm以上、2.5μm未満
△:膜厚2.5μm以上、3.0μm未満
×:膜厚3.0μm以上
【0327】
(移染性の評価)
カラーフィルタ用感光性着色組成物を、ガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.4μmの塗膜を形成した。次いで、塗膜が形成された基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、ストライプ状フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m
2の露光量で露光した。アルカリ現像を行
った後、超純水で洗浄し、更に230℃で20分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色のストライプ状画素を形成した。続いて赤色のストライプ状画素から8μmだけ離れたガラス基板上の520nmの透過率を測定した(T1)。さらにアクリル樹脂溶液2を、この基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレ
ートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。更に230℃で20分間ポストベークを行った。続いて赤色のストライプ状画素から8μmだけ離れたガラス基板上の520nmの透過率を測定した(T2)。T1とT2の差分をΔT(%)として下記の4段階で評価した。ΔT値が小さい程、隣接した他色フィルタセグメントへの色移りによる輝度の低下が少なく、移染性が抑制されていると言える。
◎:ΔTが0.5%未満(極めて良好)
○:ΔTが0.5%以上、1.0%未満 (良好)
△:ΔTが1.0%以上、3.0%未満(不良)
×:ΔTが3.0%以上(極めて不良)
【0328】
【表6】
【0329】
【表6】
【0330】
【表7】
【0331】
表6の結果より、本発明の着色剤を使用した実施例は、輝度が優れており、薄膜になることが明らとなった。特に青味の顔料として従来使用されているC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド269またはアゾ顔料101の代わりに使用することで、顕著な効果が確認された。
【0332】
さらに、表7に示すように、本発明の着色剤を使用した着色組成物は移染性が良好であることが確認できた。
【0333】
<カラーフィルタ用緑色および青色感光性着色組成物の製造方法>
(緑色感光性着色組成物1: PG58/PY138)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発分が20質量%の緑色顔料分散体を作製した。
緑色着色剤1(C.I.ピグメントグリーン58) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」) : 1.4部
【0334】
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発分が20質量%の黄色顔料分散体を作製した。
黄色着色剤1(C.I.ピグメントイエロー138) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :36.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc) :50.2部
酸性樹脂型分散剤溶液
(ビックケミー社製「Disperbyk−110」 : 1.4部
【0335】
続いて、下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、孔径1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物1を作製した。
緑色顔料分散体 :32.0部
黄色顔料分散体 :18.0部
アクリル樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
【0336】
(青色感光性着色組成物1: PB15:6/PV23)
緑色着色剤1(C.I.ピグメントグリーン58)を青色着色剤1(C.I.ピグメントブルー15:6)に変えた以外は、緑色顔料分散体と同様にして、不揮発分が20質量%の青色顔料分散体を得た。
【0337】
緑色着色剤1(C.I.ピグメントグリーン58)を紫色着色剤1(C.I.ピグメントバイオレット23)に変えた以外は、緑色顔料分散体と同様にして、不揮発分が20質量%の紫色顔料分散体を得た。
【0338】
続いて、緑色顔料分散体32.0部、黄色顔料分散体18.0部の合計50.0部を青色分散体46.0部、紫色分散体4.0部の合計50.0部に置き換えた以外は緑色感光性着色組成物1と同様にして青色感光性着色組成物1を得た。
【0339】
<カラーフィルタの作製及び評価>
赤色感光性着色組成物(RR−4)を、ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、スリットダイコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、塗膜を形成した。次いで、塗膜が形成された基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、ストライプ状フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000J/m
2の露光量で露光した。
アルカリ現像を行った後、超純水で洗浄し、更に230℃で20分間ポストベークを行うことにより、基板上に赤色のストライプ状画素を形成した。
次いで、同様の方法により、緑色感光性着色組成物1を用いて、赤色のストライプ状画素の隣に緑色のストライプ状画素を形成した。更に、青色感光性着色組成物1を用いて同様に、赤色、緑色画素と隣接した青色のストライプ状画素を形成した。
次いで、赤色、緑色、青色の3色からなる画素上に、光硬化性樹脂組成物を用いて保護膜を形成した。このようにして、輝度が高く、諸耐性に優れた、RGB3色カラーフィルタを作成することができた。