特許第6525170号(P6525170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6525170
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】判定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20190527BHJP
【FI】
   A61B5/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-181173(P2017-181173)
(22)【出願日】2017年9月21日
(65)【公開番号】特開2019-55022(P2019-55022A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】399031827
【氏名又は名称】エイディシーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】表側 八朗
【審査官】 高松 大
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−501793(JP,A)
【文献】 特開2008−256973(JP,A)
【文献】 特開2015−208513(JP,A)
【文献】 特開2017−051350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
死亡している又は死亡間近であると思われる判定対象者の呼吸を測定する第1の測定部と、
前記判定対象者の脈拍を測定する第2の測定部と、
前記判定対象者の瞳の対光反射を測定する第3の測定部と、
前記第1の測定部、前記第2の測定部及び前記第3の測定部の測定結果の全てがそれぞれの所定の死亡推定条件を満たす場合、前記判定対象者が死亡していると判定する判定部と、
前記測定結果及び判定結果のうち少なくとも一方、及び、前記判定対象者が死亡していると判定された判定時刻を特定の送信先に送信する送信部と、
を備える、判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の判定装置であって、
前記判定対象者が装着可能なフレームを更に備え、
前記第1の測定部と、前記第2の測定部と、前記第3の測定部と、は前記フレームに設けられる、判定装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の判定装置であって、
前記測定結果及び前記判定結果のうち少なくとも一方、及び、前記判定時刻を表示するユーザインタフェース部を更に備える、判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報を測定する機能を有したウェアラブルの測定機器が広く利用されている。このようなウェアラブルの測定機器を使用すれば、自宅にいながら生体情報を患者自身が容易に測定することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、超音波を用いて血管径を測定する、手首に装着可能なウェアラブルの測定機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−017721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在、患者が死亡した場合、医師による対面診察が行われ、死亡診断書が交付される。しかし、高齢化に伴い、患者は在宅療養を迫られる場合があり、自宅で死を迎えるケースが近い将来増えて行くことが予想される。このような場合にも、医師による対面診察が必要となる。しかしながら、例えば、医師が不足している離島などにおいては、医師による対面診察が困難な場合がある。そのため、近年では、医師の対面診察無しで、死亡診断書の交付を可能にしようとする動きがある。ただし、医師の対面診察無しに死亡診断書の交付がされることから、死亡しているか否かの判定を医師が行う場合と同様に行うことが必要となる。
【0006】
本開示の一局面は、患者が死亡しているか否かを医師による対面診察と同様に判定することのできる判定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、判定装置であって、第1の測定部と、第2の測定部と、第3の測定部と、判定部と、を備える。第1の測定部は、判定対象者の呼吸を測定する。第2の測定部は、判定対象者の脈拍を測定する。第3の測定部は、判定対象者の瞳の対光反射を測定する。判定部は、第1の測定部、第2の測定部及び第3の測定部の測定結果の全てがそれぞれの所定の死亡推定条件を満たす場合、判定対象者が死亡していると判定する。
【0008】
このような構成によれば、呼吸と、脈拍と、瞳の対光反射と、を測定し、全ての測定結果が死亡推定条件を満たす場合、判定対象者が死亡していると判定される。したがって、患者が死亡しているか否かを医師による対面診察と同様に判定することができる。
【0009】
本開示の一態様では、判定部は、判定結果を特定の送信先に送信する送信部を更に備えてもよい。このような構成によれば、例えば、遠方の医師にも判定結果を直ちに送信することができる。
【0010】
本開示の一態様は、判定対象者が装着可能なフレームを更に備え、第1の測定部と、第2の測定部と、第3の測定部と、はフレームに設けられてもよい。このような構成によれば、判定対象者にフレームを装着することで簡便に測定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の判定装置の外観図である。
図2】第1実施形態の測定機器の側面視の外観図である。
図3】第1実施形態の判定装置の構成を示すブロック図である。
図4】死亡判定処理のフローチャートである。
図5】第1実施形態の判定装置の第3の測定部の使用方法を示す図である。
図6】第2実施形態の判定装置の構成を示すブロック図である。
図7】第2実施形態の第1の測定部の使用方法を示す図である。
図8】第2実施形態の第2の測定部の使用方法を示す図である。
図9】第2実施形態の第3の測定部の使用方法を示す図である。
図10】他の実施形態の測定機器の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1から図3に示す第1実施形態の判定装置100は、測定機器1及び装置本体2を備える。測定機器1及び装置本体2は、有線で電気的に接続されている。
【0013】
測定機器1は、フレーム10、第1の接続部11、第1の測定部12、第2の接続部13、第2の測定部14及び第3の測定部15を備える。
本実施形態では、フレーム10は、判定対象者にメガネを掛けるように装着が可能なメガネ型であって、フロント部101及び2つのテンプル部102を有する。フロント部101は、フレーム10を装着した状態で判定対象者の瞳と対向する部分であり、判定対象者の顔に対して横方向に長い帯状である。2つのテンプル部102は、フレーム10を装着した状態で判定対象者の側頭部と対向する部分であり、判定対象者の頭部に対して前後方向に長い棒状である。各テンプル部102の第1の端部は、フロント部101の左右端部に固定される。各テンプル部102は、その固定部からそれぞれ判定対象者の耳に向かって延び、第1の端部とは反対側の第2の端部が、判定対象者の耳の上側から後ろ側に掛けて引っ掛かるように湾曲している。これにより、フレーム10が判定対象者の顔に装着される。
【0014】
第1の接続部11は、湾曲した棒状の部品である。第1の接続部11の第1の端部は、判定対象者から見てフロント部101の左端部に固定され、判定対象者の口及び鼻の周辺に第1の端部とは反対側の第2の端部が位置する。
【0015】
第1の測定部12は、判定対象者の口及び鼻で呼吸を測定するためのセンサである。本実施形態では、流量センサが用いられる。第1の測定部12は、判定対象者の口と対向するとともに鼻の下方に位置するように第1の接続部11の第2の端部に設けられる。第1の測定部12は、測定結果を装置本体2に出力する。
【0016】
第2の接続部13は、判定対象者の左耳の後ろから首にかけて上下方向に延びる棒状の部品である。第2の接続部13の第1の端部は、判定対象者から見て左側のテンプル部102の第2の端部に固定され、判定対象者の頸動脈上に第1の端部とは反対側の第2の端部が位置する。
【0017】
第2の測定部14は、判定対象者の頸動脈で脈拍を測定するためのセンサである。本実施形態では、光学式の脈拍センサが用いられる。第2の測定部14は、判定対象者の首の左側の頸動脈上に位置するように第2の接続部13の第2の端部に設けられる。第2の測定部14は、測定結果を装置本体2に出力する。
【0018】
第3の測定部15は、判定対象者の瞳の対光反射を測定するためのセンサである。本実施形態では、第3の測定部15は、判定対象者の顔の正面から左右の瞳をそれぞれ撮像可能にフロント部101に設けられた2つのカメラを備える。また、第3の測定部15は、2つのカメラの近傍に判定対象者の瞳を照らす2つのライトを更に備える。第3の測定部15は、測定結果を装置本体2に出力する。
【0019】
装置本体2は、電圧制御部21、ユーザインタフェース部22、判定部23、記憶部24及び送信部25を備える。
電圧制御部21は、図示しない外部電源から入力した電圧を所定の電圧に変換する電圧制御回路であり、所定の電圧を判定部23へ印加する。
【0020】
ユーザインタフェース部22は、判定対象者のために判定装置100を使用する使用者からの指示等の入力及び判定対象者の測定結果等の出力を行う部分である。本実施形態では、マイク、スピーカ及びタッチパネル式ディスプレイ等が入出力に用いられる。ユーザインタフェース部22は、使用者によりマイクから入力される音声情報又はタッチパネル式ディスプレイに入力される情報を判定部23へ出力し、判定部23から出力される測定結果等をスピーカからの音又は液晶ディスプレイの画像として出力する。
【0021】
判定部23は、図示しないCPU、ROM、RAMなどを有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。CPUは、非遷移的実体的記録媒体であるROMに格納されたプログラムを実行する。当該プログラムが実行されることで、当該プログラムに対応する方法が実行される。具体的には、判定部23は当該プログラムに従い、後述する図4に示す死亡判定処理を実行する。判定部23には、第1の測定部12、第2の測定部14及び第3の測定部15により測定された測定結果が入力される。判定部23は、第1の測定部12、第2の測定部14及び第3の測定部15の測定結果の全てがそれぞれの所定の死亡推定条件を満たす場合、判定対象者が死亡していると判定する。判定部23は、測定結果、測定結果に基づく判定結果及び判定対象者が死亡していると判定された判定時刻を送信部に出力する。
【0022】
記憶部24は、各種情報を記憶するための記憶装置である。記憶部24は、測定結果、判定結果及び判定時刻等を記憶する。
送信部25は、近距離無線通信により携帯端末装置3と通信可能な状態となる。送信部25は、判定部23から入力された測定結果、判定結果及び判定時刻を使用者が使用する汎用の通信端末である携帯端末装置3に出力する。
【0023】
[1−2.処理]
次に、判定部23が実行する死亡判定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0024】
死亡判定処理は、使用者が液晶ディスプレイの画面上に表示される測定開始ボタンを押すことにより実行される。なお、死亡判定処理は、死亡している又は死亡間近であると思われる判定対象者に測定機器1が装着された状態において実行されることが想定される。
【0025】
S11では、判定部23は、第1の測定部12による判定対象者の口及び鼻の呼吸の測定結果を取得する。本実施形態では、流量センサによる呼気及び吸気の流量が測定結果として取得される。
【0026】
S12では、判定部23は、第1の測定部12から取得した測定結果に基づき、判定対象者の呼吸が停止しているか否かを判定する。具体的には、流量センサにより測定される所定期間内の呼気及び吸気の流量が所定値以下である場合、つまり、第1の測定部12の測定結果が所定の死亡推定条件を満たす場合、判定対象者の呼吸が停止していると判定する。本実施形態では、所定値はゼロに近い値である。判定部23は、S12で判定対象者の呼吸が停止していないと判定した場合には、処理をS11に戻す。
【0027】
一方、判定部23は、S12で判定対象者の呼吸が停止していると判定した場合には、処理をS17へ移行する。
S13では、判定部23は、第2の測定部14による判定対象者の頸動脈の脈拍の測定結果を取得する。本実施形態では、光学式の脈拍センサによる脈拍数が測定結果として取得される。脈拍数は、血管の容積変化に伴う光の吸収量の変化に基づき測定される。
【0028】
S14では、判定部23は、第2の測定部14から取得した測定結果に基づき、判定対象者の脈拍が停止しているか否かを判定する。具体的には、脈拍センサにより測定される所定期間内の脈拍数がゼロである場合、つまり、第2の測定部14の測定結果が所定の死亡推定条件を満たす場合、判定対象者の脈拍が停止していると判定する。判定部23は、S14で判定対象者の脈拍が停止していないと判定した場合には、処理をS13に戻す。
【0029】
一方、判定部23は、S14で判定対象者の脈拍が停止していると判定した場合には、処理をS17へ移行する。
S15では、判定部23は、第3の測定部15による判定対象者の瞳の対光反射の測定結果を取得する。本実施形態では、カメラを用いて撮像された判定対象者のライトの光に対する瞳孔の変化が測定結果として取得される。
【0030】
具体的には、使用者からの指示、例えば液晶ディスプレイに表示される撮像開始のボタンが押されることにより、判定対象者の瞳の撮像が開始される。瞳の撮像は、図5に示すように、使用者が判定対象者の目を開いた状態においてその目と対向するカメラにより行われる。まず、ライトの光がない状態で瞳が撮像される。次に、ライトの光がある状態の瞳が撮像される。次に、ライトの光がない状態の瞳が再度撮像される。このように撮像された瞳の撮像画像からライトの光に対する瞳孔の変化が測定結果として取得される。
【0031】
S16では、判定部23は、第3の測定部15から取得された測定結果に基づき判定対象者の瞳の対光反射があるか否かを判定する。具体的には、撮像画像において瞳孔散大とされる瞳孔の直径が所定値以上である場合、かつ、ライトの光に対する瞳孔の変化量が所定値以下である場合、つまり、第3の測定部15の測定結果が所定の死亡推定条件を満たす場合、判定対象者の瞳の対光反射がないと判定する。判定部23は、S16で判定対象者の瞳の対光反射があると判定した場合には、処理をS15に戻す。
【0032】
一方、判定部23は、S16で判定対象者の瞳の対光反射がないと判定した場合には、処理をS17へ移行する。
S17では、判定部23は、第1の測定部12、第2の測定部14及び第3の測定部15の測定結果の全てがそれぞれの所定の死亡推定条件を満たした場合、判定対象者が死亡していると判定する。なお、判定対象者が死亡していると判定した時刻を判定時刻とする。
【0033】
S18では、判定部23は、S17で判定対象者が死亡していると判定した場合、第1の測定部12、第2の測定部14及び第3の測定部15の測定結果、判定結果及び判定時刻を判定対象者の死亡情報として記憶部24に記憶する。
【0034】
S19では、判定部23は、S18で記憶した判定対象者が死亡していることをスピーカからアラームで報知するとともに液晶ディスプレイに死亡情報を示す画像を表示する。
S20では、判定部23は、判定対象者の死亡情報を携帯端末装置3を介して特定の送信先である遠方の医師が確認可能な通信端末に送信し、死亡判定処理を終了する。なお、通信端末は、携帯端末装置3と遠距離無線通信が可能である。
【0035】
その後、通信端末により受信された判定対象者の死亡情報が医師により所定時間確認されない場合、通信端末から携帯端末装置3に不在連絡が通知される。一方、死亡情報が医師により確認され、死亡判定が受理された場合、通信端末から携帯端末装置3に死亡診断書の交付連絡が通知される。
【0036】
[1−3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)本実施形態では、判定装置100は、呼吸と、脈拍と、瞳の対光反射と、を測定し、全ての測定結果が死亡推定条件を満たす場合、判定対象者が死亡していると判定する。したがって、判定対象者が死亡しているか否かを医師による対面診察と同様に判定することができる。
【0037】
(1b)本実施形態では、判定装置100は、判定結果を医師が確認可能な通信端末に送信する。これにより、判定結果を通信端末に送信しない構成と比較して、判定結果を通信端末に正確に早く送信することができる。したがって、正確な判定結果に基づき速やかに死亡診断書を交付してもらうことができる。
【0038】
(1c)本実施形態では、第1の測定部12と、第2の測定部14と、第3の測定部15と、はメガネ型のフレーム10に設けられる。これにより、判定対象者にメガネを掛けるようにフレーム10を装着することで簡便に測定をすることができる。
【0039】
[2.第2実施形態]
[2−1.構成]
図6に示す第2実施形態の判定装置500は、例えば携帯電話装置などの汎用携帯端末である。判定装置500は、第1の測定部51、第2の測定部52、第3の測定部53、電圧制御部54、ユーザインタフェース部55、判定部56、記憶部57及び送信部58を備える。これらは、第1実施形態の第1の測定部12、第2の測定部14、第3の測定部15、電圧制御部21、ユーザインタフェース部22、判定部23、記憶部24及び送信部25と同様の機能を有する。
【0040】
第1の測定部51は、図7に示すように、汎用携帯端末の上面に設けられる。使用者が、第1の測定部51を判定対象者の口及び鼻に近づけることで、口及び鼻からの呼吸が測定される。
【0041】
第2の測定部52は、図8(A)に示すように、汎用携帯端末の上面における第1の測定部51の近傍に設けられる。使用者が、第2の測定部52を判定対象者の首に近づけることで、首の頸動脈の脈拍が測定される。なお、図8(B)に示すように、第2の測定部52は、使用者が、第2の測定部52を判定対象者の心臓の位置に当てることで、心音を測定するように構成されていてもよい。
【0042】
第3の測定部53は、図9に示すように、汎用携帯端末の液晶ディスプレイとは反対側の面に設けられる。本実施形態では、汎用携帯端末に内蔵されるカメラ及びライトが用いられる。第3の測定部53を使用者が判定対象者の目に近づけることで光に対する瞳孔の変化が測定される。
【0043】
送信部58は、遠距離無線通信により遠方の医師が確認可能な通信端末と通信可能な状態となる。送信部58は、判定部56から入力された第1の測定部51、第2の測定部52及び第3の測定部53の測定結果、判定結果及び判定時刻を通信端末に出力する。
【0044】
[2−2.効果]
(2a)第2実施形態の判定装置500は、汎用携帯端末であり、専用の装置と比較して、常に携帯して所持していることが多い。したがって、急に測定が必要となる事態が生じた場合にも対応することができる。
【0045】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0046】
(3a)第1の接続部11の第1の端部が固定される場所はフロント部101の左端部に限定されるものではなく、例えば、フロント部101の右端部に固定されてもよい。
(3b)第2の測定部14が設けられる場所は左側のテンプル部102の第2の端部に限定されるものではなく、例えば、右側のテンプル部102の第2の端部に設けられてもよい。
【0047】
(3c)上記第1実施形態では、判定対象者が装着可能なフレームとしてメガネ型の構成を例示したが、フレームの構成はこれに限定されるものではなく、例えば、判定対象者の頭部に装着するメガネ型以外の構成、又は判定対象者の頭部以外に装着する構成であってもよい。
【0048】
例えば、図10に示す測定機器6は、判定対象者の首に装着する装着部61、判定対象者の瞳と対向する対向部62、及び装着部61と対向部62とを連結する連結部63を備える。装着部61は、判定対象者の頸動脈の脈拍を測定する。対向部62は、判定対象者の瞳の対光反射を測定する。連結部63は、判定対象者の口及び鼻の呼吸を測定する。
【0049】
(3d)判定装置100における測定機器1及び装置本体2の接続方法は有線に限定されるものではなく、無線接続であってもよい。
(3e)上記実施形態では、送信部25,58から測定結果及び判定結果が送信される構成を例示したが、送信される情報はこれに限定されるものではなく、例えば、測定結果又は判定結果のいずれか一方が送信される構成であってもよい。
【0050】
(3f)上記実施形態では、判定装置100を構成する測定機器1及び装置本体2が別体である構成を例示したが、判定装置100の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、測定機器1が装置本体2の機能を備える一体の構成であってもよい。
【0051】
(3g)上記実施形態では、判定対象者の呼吸、脈拍及び瞳の対光反射を測定するセンサとして、流量センサ、光学式の脈拍センサ及びカメラを例示したが、これらのセンサ以外のセンサであってもよい。また、センサは接触型及び非接触型のいずれであってもよい。
【0052】
(3h)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0053】
(3i)本開示は、前述した判定装置の他、当該判定装置が備える判定部、当該判定部としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、当該判定装置の使用方法など、種々の形態で実現することができる。
【0054】
[4.実施形態から把握される技術思想]
以上詳述した種々の実施形態から、少なくとも以下の技術思想が把握される。
[4A]判定対象者の呼吸を測定する第1の測定部と、
前記判定対象者の脈拍を測定する第2の測定部と、
前記判定対象者の瞳の対光反射を測定する第3の測定部と、
前記第1の測定部、前記第2の測定部及び前記第3の測定部の測定結果の全てがそれぞれの所定の死亡推定条件を満たす場合、前記判定対象者が死亡していると判定する判定部と、
を備える、判定装置。
【0055】
[4B]前記[4A]に記載の判定装置であって、
前記判定対象者が死亡していると判定された判定時刻を記憶する記憶部を更に備える、判定装置。
【0056】
[4C]前記[4A]又は前記[4B]に記載の判定装置であって、
前記測定結果及び判定結果のうち少なくとも一方を特定の送信先に送信する送信部を更に備える、判定装置。
【0057】
[4D]前記[4C]に記載の判定装置であって、
前記送信部は、前記判定対象者が死亡していると判定された判定時刻を前記特定の送信先に送信する、判定装置。
【0058】
[4E]前記[4A]から前記[4D]までのいずれか1つに記載の判定装置であって、
前記判定対象者が装着可能なフレームを更に備え、
前記第1の測定部と、前記第2の測定部と、前記第3の測定部と、は前記フレームに設けられる、判定装置。
【0059】
[4F]前記[4E]に記載の判定装置であって、
前記第1の測定部は、前記判定対象者の口及び鼻の少なくとも一方で呼吸を測定する、判定装置。
【0060】
[4G]前記[4E]又は前記[4F]に記載の判定装置であって、
前記第2の測定部は、前記判定対象者の頸動脈で脈拍を測定する、判定装置。
[4H]使用者が所望のアプリケーションソフトウェアを外部のサーバからダウンロードすることで機器のカスタマイズが可能な汎用携帯端末であって、
判定対象者の呼吸を測定する第1の測定部と、
前記判定対象者の脈拍を測定する第2の測定部と、
前記判定対象者の瞳の対光反射を測定する第3の測定部と、
を備える、汎用携帯端末。
【符号の説明】
【0061】
1,6…測定機器、2…装置本体、3…携帯端末装置、10…フレーム、11…第1の接続部、12,51…第1の測定部、13…第2の接続部、14,52…第2の測定部、15,53…第3の測定部、21,54…電圧制御部、22,55…ユーザインタフェース部、23,56…判定部、24,57…記憶部、25,58…送信部、61…装着部、62…対向部、63…連結部、100,500…判定装置、101…フロント部、102…テンプル部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10