(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
LEDパッケージ領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面を有する個々のLEDパッケージであって、
夫々連結部を備える所定形状に対をなして形成された、LED素子が搭載されるパッド部及びボンディングワイヤが接続されるリード部と、
前記連結部を覆い、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を囲むリフレクタ樹脂部を有し、
前記連結部が、前記リフレクタ樹脂部とともに、前記多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面の一部として露出し、さらに、
金属板の少なくとも上面における、前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さの段差部が形成されるとともに、
前記金属板の前記段差部が形成されている面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続する、めっき層が形成され、且つ、
前記パッド部及び前記リード部の夫々における前記段差部以外の側面と、前記連結部の側面に、前記金属板の材料が露出していることを特徴とするLEDパッケージ。
前記パッド部と前記リード部との間、及び、少なくとも側面に前記めっき層が形成されている前記段差部には、前記連結部を覆い、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部が形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の多列型LED用リードフレーム。
LED用リードフレーム領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームであって、個々のLED用リードフレーム領域は、金属板の少なくとも上面における、対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及びボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さでのハーフエッチングによる段差部が形成され、前記金属板の上面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに反射用めっき層が連続して形成され、前記金属板の下面における少なくとも前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層が形成され、前記金属板の両面側からの貫通エッチングにより前記パッド部と前記リード部が前記連結部を備えて形成され、且つ、前記パッド部及び前記リード部の夫々における前記段差部以外の側面と、前記連結部の側面に、前記金属板の材料が露出した多列型LED用リードフレームを準備する工程と、
前記貫通エッチングにより前記連結部を備えて形成された前記パッド部と前記リード部との間及び前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部にリフレクタ樹脂を充填し、前記連結部を覆い、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、
前記金属板の上面側において前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、該金属板の上面側において前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、
前記金属板の上面側において前記パッド部及びリード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、
前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を前記連結部とともに切断する工程と、
を有することを特徴とするLEDパッケージの製造方法。
準備する多列型LED用リードフレームの前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部の深さが、10μm〜25μmであることを特徴とする請求項8に記載のLEDパッケージの製造方法。
準備する多列型LED用リードフレームの前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部の面、前記貫通エッチングにより形成された前記パッド部及びリード部の側面の少なくともいずれかが粗化処理されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のLEDパッケージの製造方法。
前記金属板の少なくとも上面側からの前記ハーフエッチングにより形成される前記段差部の面、該金属板の両面側からの前記貫通エッチングにより形成される前記パッド部及び前記リード部の側面の少なくともいずれかを粗化処理することを特徴とする請求項11又は12に記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
さらに、前記貫通エッチングにより前記連結部を備えて形成された前記パッド部と前記リード部との間、及び、前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部にリフレクタ樹脂を充填し、前記連結部を覆い、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、LEDパッケージの製造においては、一度に多数のLEDパッケージを得るために、
図8(b)に示したような、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12を、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18と連結させるための連結部17を介して繋げた多列型リードフレームが用いられる。
【0009】
ところで、特許文献1、2に記載のLEDパッケージの製造に用いられる多列型リードフレームは、夫々のリードフレーム領域(パッド部、リード部)及び連結部が、リードフレーム基材をなす金属板からプレス加工やエッチング加工によって、所定の形状に加工され、その後にLED素子が搭載される上面側に反射用めっき層が形成され、下面側に外部接続用めっき層が形成される。しかるに、金属板を所定形状に形成後に、めっき層を形成すると、所定形状に形成された金属板の上面、側面、下面の全面にめっき層が形成されることになり、必要でない領域にめっき層を形成する貴金属が使用されてコスト高となり易い。
【0010】
コスト抑制のためには、先に金属板の上面及び下面の必要な領域にめっき層を形成し、次に、エッチングを介してリードフレームの形状を形成する工程順で製造される多列型リードフレームを用いることが望まれる。
しかるに、このめっき層を形成した後に、リードフレームの形状を形成する場合、形成しためっき層の上面のみにエッチングマスクを設けてエッチングを行うと、めっき層直下の金属が溶解除去されて、金属が溶解除去された部位のめっき層が露出し、露出した部分がめっきバリとなって割れや欠けを生じ易い。特に、反射用めっき層に形成されためっきバリが割れると、めっきバリ近傍の反射用めっき層も一緒に剥がれて、反射率を低下させる等の製品の品質劣化を招く虞がある。このため、反射用めっきエリアに対するエッチングマスクは、反射用めっき層直下の金属が溶解除去されない程度、反射用めっき層を覆うように形成する必要がある。
【0011】
しかし、反射用めっき層直下の金属が溶解除去されない程度、反射用めっき層を覆うように、レジストマスクを形成すると、エッチングを行ってリードフレーム形状を形成後、レジストマスクを除去したときに、反射用めっき層の周囲に金属板の上面が残存する。残存する金属板の上面は、反射用めっき層やリフレクタ樹脂部に比べて反射率が低い。このため、エッチングにより形成されたパッド部とリード部との間にリフレクタ樹脂部を形成しても、LED素子を搭載する側のパッド部及びリード部の周囲に残存する金属板の上面によって、LED素子を搭載する領域全体の反射率が低下する。
また、エッチングにより形成されたパッド部とリード部との間にリフレクタ樹脂部を形成する際に、LED素子を搭載する側のリフレクタ樹脂部の面が反射用めっき層の面と面一となるように、残存する金属板の上面をリフレクタ樹脂で覆っても、反射用めっき層の厚さが非常に薄いため、反射用めっき層の周囲に残存する金属板の上面を覆って形成されるリフレクタ樹脂部の厚さも非常に薄くなり、その部位でのリフレクタとしての十分な反射効果が得られない。
しかも、反射用めっき層の周囲に残存する金属板の上面を覆って形成されるリフレクタ樹脂部の厚さも非常に薄いと、割れや欠けを生じ易い。そして、反射用めっき層の周囲のリフレクタ樹脂部に割れや欠けを生じると、金属板の上面が露出して、LED素子を搭載する領域全体の反射率が低下する。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、
不必要な領域へのめっき層の形成する貴金属の使用をなくしてコストを抑制し、製品化された個々のLEDパッケージのリフレクタ樹脂部の割れや欠けがなく、LED素子を搭載する側の反射率の低下を防止可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明によるLEDパッケージは、LEDパッケージ領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面を有する個々のLEDパッケージであって、夫々連結部を備える所定形状に対をなして形成された、LED素子が搭載されるパッド部及びボンディングワイヤが接続されるリード部と、前記連結部を覆い、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を囲むリフレクタ樹脂部を有し、前記連結部が、前記リフレクタ樹脂部とともに、前記多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面の一部として露出し、さらに
、金属板の少なくとも上面における、前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さの段差部が形成されるとともに、前記金属板の前記段差部が形成されている面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続する、めっき層が形成され、且つ、前記パッド部及び前記リード部の夫々における前記段差部以外の側面と、前記連結部の側面に、前記金属板の材料が露出していることを特徴としている。
【0014】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記段差部の深さが10μm〜25μmであるのが好ましい。
【0015】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記段差部の面
、貫通エッチングにより形成された前記パッド部及び前記リード部の側面の少なくともいずれかは、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0016】
また、本発明による多列型LED用リードフレームは、LED用リードフレーム領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームであって、個々の
LED用リードフレーム領域は、金属板の少なくとも上面における
、対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さで形成された段差部と、前記金属板の前記段差部が形成されている面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続して形成されためっき層と、
夫々前記連結部を備える所定形状に形成された前記パッド部及び前記リード部と、を有し
、且つ、前記パッド部及び前記リード部の夫々における前記段差部以外の側面と、前記連結部の側面に、前記金属板の材料が露出していることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記段差部の深さが10μm〜25μmであるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記段差部の面
、貫通エッチングにより形成された前記パッド部及び前記リード部の側面の少なくともいずれかは、粗化処理が施されているのが好ましい。
【0019】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記パッド部と前記リード部との間、及び、少なくとも側面に前記めっき層が形成されている前記段差部には、前記連結部を覆い
、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部が形成されているのが好ましい。
【0020】
また、本発明によるLEDパッケージの製造方法は、
LED用リードフレーム領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームであって、個々のLED用リードフレーム領域は、金属板の少なくとも上面における
、対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さでのハーフエッチングによる段差部が形成され、前記金属板の上面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに反射用めっき層が連続して形成され、前記金属板の下面における少なくとも前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層が形成され、前記金属板の両面側からの貫通エッチングにより前記パッド部と前記リード部が
前記連結部を備えて
形成され
、且つ、前記パッド部及び前記リード部の夫々における前記段差部以外の側面と、前記連結部の側面に、前記金属板の材料が露出した多列型LED用リードフレームを準備する工程と、前記貫通エッチングにより前記連結部を備えて
形成された前記パッド部と前記リード部との間及び前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部にリフレクタ樹脂を充填し、前記連結部を覆い
、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、前記金属板の上面側におい
て前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、該金属板の上面側におい
て前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、前記金属板の上面側におい
て前記パッド部及びリード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を前記連結部とともに切断する工程と、を有することを特徴としている。
【0021】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、準備する多列型LED用リードフレームの前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部の深さが、10μm〜25μmであるのが好ましい。
【0022】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、準備する多列型LED用リードフレームの前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部の面、前記貫通エッチングにより形成された前記パッド部及びリード部の側面の少なくともいずれかが粗化処理されているのが好ましい。
【0023】
また、本発明による多列型LED用リードフレームの製造方法は、LED用リードフレーム領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームの製造方法であって、金属板の上面に、
対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
前記金属板の上面に形成された前記第1のエッチング用のレジストマスク及び前記金属板の下面に形成された前記第1のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、前記金属板の上面側から所定の深さでハーフエッチングを施し、該金属板における前記ハーフエッチングを施した深さにおいて、該金属板の上面における該パッド部及び該リード部に対応する所定位置の周囲に、段差部を形成する工程と、前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、前記金属板の上面側に形成された夫々の前記段差部の底面上に、めっき用のレジストマスクを、該段差部の側面との間に一定の隙間ができるように形成するとともに、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の周囲に、めっき用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の上面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続する、反射用めっき層を形成し、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層を形成する工程と、前記めっき用のレジストマスクを除去する工程と、前記金属板の上面側に、少なくとも前記反射用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、形成した前記外部接続用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
前記金属板の上面側に形成された前記第2のエッチング用のレジストマスク及び前記金属板の下面側に形成された前記第2のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、前記金属板の両面側から貫通エッチングを施し、前記連結部を備えた、前記パッド部と前記リード部とに
形成する工程と、前記第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
【0024】
また、本発明による多列型LED用リードフレームの製造方法は、LED用リードフレーム領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームの製造方法であって、金属板の両面に、
対をなし、上面にLED素子が搭載されるパッド部及び
上面にボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
前記金属板の両面に形成された前記第1のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、前記金属板の両面側から所定の深さでハーフエッチングを施し、該金属板における前記ハーフエッチングを施した深さにおいて、該金属板の両面における該パッド部及び該リード部に対応する所定位置の周囲に、段差部を形成する工程と、前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、前記金属板の両面側に形成された夫々の前記段差部の底面上に、めっき用のレジストマスクを、該段差部の側面との間に一定の隙間ができるように形成する工程と、前記金属板の上面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続する、反射用めっき層を形成し、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続する、外部接続用めっき層を形成する工程と、前記めっき用のレジストマスクを除去する工程と、前記金属板の上面側に、少なくとも前記反射用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、形成した前記外部接続用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
前記金属板の上面側に形成された前記第2のエッチング用のレジストマスク及び前記金属板の下面側に形成された前記第2のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、前記金属板の両面側から貫通エッチングを施し、前記連結部を備えた、前記パッド部と前記リード部とに
形成する工程と、前記第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
【0025】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記ハーフエッチングを施す深さが、10μm〜25μmであるのが好ましい。
【0026】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記金属板の少なくとも上面側からの前記ハーフエッチングにより形成される前記段差部の面、該金属板の両面側からの前記貫通エッチングにより形成される前記パッド部及び前記リード部の側面の少なくともいずれかを粗化処理するのが好ましい。
【0027】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、さらに、前記貫通エッチングにより前記連結部を備えて
形成された前記パッド部と前記リード部との間、及び、前記ハーフエッチングにより形成された前記段差部にリフレクタ樹脂を充填し、前記連結部を覆い
、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、
不必要な領域へのめっき層の形成する貴金属の使用をなくしてコストを抑制し、製品化された個々のLEDパッケージのリフレクタ樹脂部の割れや欠けがなく、LED素子を搭載する側の反射率の低下を防止可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明のLEDパッケージは、LEDパッケージ領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LEDパッケージを切断することによって形成された
切断面を有する個々のLEDパッケージであって、
夫々連結部を備える所定形状に
対をなして形成された
、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部と、連結部を覆い、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲むリフレクタ樹脂部を有し、連結部が、リフレクタ樹脂部とともに、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面の一部として露出し、さらに、金属板の少なくとも上面における、パッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さの段差部が形成されるとともに、金属板の段差部が形成されている面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに連続する、めっき層が形成され
、且つ、パッド部及びリード部の夫々における段差部以外の側面と、連結部の側面に、金属板の材料が露出している。
【0031】
本発明のLEDパッケージのように、金属板の少なくとも上面における、パッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さの段差部が形成されるとともに、金属板の段差部が形成されている面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに連続する、めっき層が形成されている構成にすれば、金属板における反射用めっき層の周囲の面や、段差部の底面に形成される反射用めっき層の面が、反射用めっき層の上面からある程度の深さを有するようになる。このため、LED素子を搭載する側において反射用めっき層の上面と面一となるように形成される、段差部におけるリフレクタ樹脂部がリフレクタとして十分な反射効果が得られる程度の厚さを有するようになる。また、段差部に形成されるリフレクタ樹脂部の厚さが、反射用めっき層の厚さに比べて格段に厚くなるため、割れや欠けを生じ難くなる。そして、反射用めっき層の周囲のリフレクタ樹脂部に割れや欠け
が生じ難くなれば、反射用めっき層の周囲近傍の金属板の段差部が露出し難くなり、LED素子を搭載する領域全体の反射率の低下を防止できるようになる。
また、本発明のLEDパッケージのように、パッド部及びリード部の夫々における段差部以外の側面と、連結部の側面に、金属板の材料が露出した構成にすれば、金属板の上面及び下面の必要な領域以外の、必要でない領域にめっき層を形成する貴金属が使用されずに済み、コストを抑制することができる。
【0032】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、段差部の深さが10μm〜25μmであるのが好ましい。
このようにすれば、段差部に形成されるリフレクタ樹脂部の厚さを、リフレクタとして十分な反射効果が得られ、割れや欠けの生じ難い厚さにすることができる。
【0033】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、段差部の面、貫通エッチングにより形成されたパッド部及びリード部の側面の少なくともいずれかは、粗化処理が施されているのが好ましい。
このようにすれば、パッド部とリード部との間、及び、少なくとも側面にめっき層が形成されている段差部にリフレクタ樹脂部を形成したときの、リフレクタ樹脂部の密着性が向上する。
【0034】
そして、本発明の多列型LED用リードフレームは、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームであって、個々の
LED用リードフレーム領域は、金属板の少なくとも上面における
、対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さで形成された段差部と、前記金属板の前記段差部が形成されている面における前記パッド部及び前記リード部に対応する所定位置の面と、夫々の該所定位置の面の周囲に形成されている前記段差部の少なくとも側面とに連続して形成されためっき層と、
夫々前記連結部を備える所定形状に形成された前記パッド部及び前記リード部と、を有し
、且つ、パッド部及び前記リード部の夫々における前記段差部以外の側面と、前記連結部の側面に、前記金属板の材料が露出している。
【0035】
本発明の多列型LED用リードフレームのように、金属板の少なくとも上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さで形成された段差部を有し、反射用めっき層が、金属板の段差部が形成されている面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに連続して形成された構成にすれば、金属板における、反射用めっき層の周囲の面や、段差部の底面に形成される反射用めっき層の面が、反射用めっき層の上面からある程度の深さを有するようになる。このため、パッド部とリード部との間、及び、少なくとも側面に反射用めっき層が形成されている段差部に、リフレクタ樹脂を充填し、連結部を覆い
、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成したときに、LED素子を搭載する側において反射用めっき層の上面と面一となるように形成される、段差部におけるリフレクタ樹脂部がリフレクタとして十分な反射効果が得られる程度の厚さを有するようになる。また、段差部に形成されるリフレクタ樹脂部の厚さが、反射用めっき層の厚さに比べて格段に厚くなるため、割れや欠けを生じ難くなる。そして、反射用めっき層の周囲のリフレクタ樹脂部に割れや欠け
が生じ難くなれば、反射用めっき層の周囲近傍の金属板の段差部が露出し難くなり、LED素子を搭載する領域全体の反射率の低下を防止できるようになる。
また、本発明の多列型LED用リードフレームのように、パッド部及びリード部の夫々における段差部以外の側面と、連結部の側面に、金属板の材料が露出した構成にすれば、金属板の上面及び下面の必要な領域以外の、必要でない領域にめっき層を形成する貴金属が使用されずに済み、コストを抑制することができる。
【0036】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、段差部の深さが10μm〜25μmであるのが好ましい。
このようにすれば、リードフレームにリフレクタ樹脂部を形成した場合に、段差部に形成されるリフレクタ樹脂部の厚さを、リフレクタとして十分な反射効果が得られ、割れや欠けの生じ難い厚さにすることができる。
【0037】
なお、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、段差部の面、貫通エッチングにより形成されたパッド部及びリード部の側面の少なくともいずれかは、粗化処理が施されているのが好ましい。
このようにすれば、パッド部とリード部との間、及び、少なくとも側面にめっき層が形成されている段差部にリフレクタ樹脂部を形成したときの、リフレクタ樹脂部の密着性が向上する。
【0038】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、パッド部とリード部との間、及び、少なくとも側面に反射用めっき層が形成されている段差部には、連結部を覆い
、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部が形成されているのが好ましい。
このようにすれば、リフレクタ樹脂部がパッド部及びリード部を固定するため、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程に用いたときの、個々のリードフレーム領域の変形が生じ難くなり、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じ難く、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれ易くなる。
【0039】
なお、上述した本発明のLEDパッケージは、
LED用リードフレーム領域が複数配列され、夫々連結部を介して繋げられた多列型LED用リードフレームであって、個々のLED用リードフレーム領域が、金属板の少なくとも上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、所定の深さでのハーフエッチングによる段差部が形成され、金属板の上面における
、対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに反射用めっき層が連続して形成され、金属板の下面における少なくともパッド部及びリード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層が形成され、金属板の両面側からの貫通エッチングによりパッド部とリード部が連結部を備えて
形成され
、且つ、パッド部及びリード部の夫々における段差部以外の側面と、連結部の側面に、金属板の材料が露出した多列型LED用リードフレームを準備する工程と、貫通エッチングにより連結部を備えて
形成されたパッド部とリード部との間及びハーフエッチングにより形成された段差部にリフレクタ樹脂を充填し、連結部を覆い
、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、金属板の上面側におい
てパッド部の面にLED素子を搭載するとともに、金属板の上面側におい
てリード部とLED素子とをワイヤボンディングする工程と、金属板の上面側におい
てパッド部及びリード部におけるリフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、リフレクタ樹脂部における、パッド部及びリード部の外周を囲む部位を連結部とともに切断する工程と、を有することによって製造できる。
【0040】
また、上述した本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板の上面に、
対をなす、LED素子が搭載されるパッド部及び
ボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、
金属板の上面に形成された第1のエッチング用のレジストマスク及び金属板の下面に形成された第1のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、金属板の下面に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の上面側から所定の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、段差部を形成する工程と、第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、金属板の上面側に形成された夫々の段差部の底面上に、めっき用のレジストマスクを、段差部の側面との間に一定の隙間ができるように形成するとともに、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、めっき用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに連続する、反射用めっき層を形成し、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置に外部接続用めっき層を形成する工程と、めっき用のレジストマスクを除去する工程と、金属板の上面側に、少なくとも反射用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、形成した外部接続用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
金属板の上面側に形成された第2のエッチング用のレジストマスク及び金属板の下面側に形成された第2のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、金属板の両面側から貫通エッチングを施し、連結部を備えた、パッド部とリード部とに
形成する工程と、第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することによって製造できる。
【0041】
あるいは、上述した本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板の両面に、
対をなし、上面にLED素子が搭載されるパッド部及び
上面にボンディングワイヤが接続されるリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
金属板の両面に形成された第1のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、金属板の両面側から所定の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、金属板の両面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に、段差部を形成する工程と、第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、金属板の両面側に形成された夫々の段差部の底面上に、めっき用のレジストマスクを、段差部の側面との間に一定の隙間ができるように形成する工程と、金属板の上面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに連続する、反射用めっき層を形成し、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部の少なくとも側面とに連続する、外部接続用めっき層を形成する工程と、めっき用のレジストマスクを除去する工程と、金属板の上面側に、少なくとも反射用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、形成した外部接続用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
金属板の上面側に形成された第2のエッチング用のレジストマスク及び金属板の下面側に形成された第2のエッチング用のレジストマスクをエッチングマスクとして、金属板の両面側から貫通エッチングを施し、連結部を備えた、パッド部とリード部とに
形成する工程と、第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することによって製造できる。
【0042】
従って、本発明によれば、
不必要な領域へのめっき層の形成する貴金属の使用をなくしてコストを抑制し、製品化された個々のLEDパッケージのリフレクタ樹脂部の割れや欠けがなく、LED素子を搭載する側の反射率の低下を防止可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法が得られる。
【0043】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるLEDパッケージの概略構成を示す図で、(a)は切断されて一個の製品となった状態のLEDパッケージの断面図、(b)は(a)における要部の形状を示す部分拡大図、(c)は切断される前の一括製造された多列型LEDパッケージにおける切断部を示す部分断面図である。
図2は
図1に示すLEDパッケージの製造に用いる多列型LED用リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は個々のリードフレーム領域におけるパッド部とリード部の配置を上面側からみた部分平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(b)の要部の形状を示す部分拡大図である。
図3は
図1及び
図2に示すLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレームの製造工程の一例を示す説明図である。
【0044】
本実施形態のLEDパッケージは、
図1(a)に示すように、パッド部11と、リード部12と、反射用めっき層13aと、外部接続用めっき層13bと、連結部17と、LED素子20と、ボンディングワイヤ14と、リフレクタ樹脂部15と、透明樹脂部16を有して構成されている。
パッド部11及びリード部12は、貫通エッチングにより、リードフレームの基材をなす金属板から、夫々連結部17を備える所定形状に形成されている。
金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲には、
図1(b)に示すように、所定の深さ(例えば、10μm〜25μm)の段差部26a,26bが形成されている。
反射用めっき層13aは、パッド部11及びリード部12の上面側に、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続して形成されている。
外部接続用めっき層13bは、パッド部11及びリード部12の下面側に形成されている。
連結部17は、
図2(a)において左下がりの斜線のハッチングをつけて示したように、リードフレームの基材をなす金属板から形成され、その一端が当該リードフレーム領域におけるパッド部11及びリード部12と接続し、他端が他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の上記金属板における外枠部18と接続している。
また、パッド部11及びリード部12の夫々における段差部以外の側面と、連結部17の側面は、金属板の材料が露出している。
リフレクタ樹脂部15は、
図2(a)において右下がりのハッチングで示した領域に形成された後、パッケージの外形ラインが残るように切断されている。また、リフレクタ樹脂部15は、
図1(a)に示すように、少なくとも側面に反射用めっき層13aが形成されている段差部26a,26bと、貫通エッチングにより形成されたパッド部11及びリード部12の側面並びに連結部17の表面とに密着している。そして、リフレクタ樹脂部15は、連結部17を覆い、パッド部11とリード部12との間を、面一となるように介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲んでいる。
LED素子20は、反射用めっき層13aが形成されたパッド部11の面に搭載されている。
ボンディングワイヤ14は、LED素子20と反射用めっき層13aが形成されたリード部12の面とを接合している。
透明樹脂部16は、金属板の上面側におい
てパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を封止している。
また、本実施形態のLEDパッケージでは、連結部17が、リフレクタ樹脂部15とともに、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面の一部として露出している。
【0045】
また、本実施形態のLEDパッケージの製造に使用されるリードフレームは、
図2(a)、
図2(b)に示すように、多数のLEDパッケージを一度に得るために、パッド部11とリード部12の組合せからなる個々のリードフレーム領域(
図2においては夫々一点鎖線の矩形で示すパッケージ外形ラインが相当する。)がマトリックス状に配列され、夫々連結部17を介して繋げられた多列型リードフレームとして形成されている。
個々のリードフレーム領域は、
図2(c)に示すように、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、所定の深さ(例えば、10μm〜25μm)で形成された段差部26a,26bと、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続して形成された反射用めっき層13aと、金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に形成された外部接続用めっき層13bを有している。
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームは、貫通エッチングにより、金属板から、夫々連結部17を備える所定形状に形成されたパッド部11とリード部12とに
形成されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに
形成されている。なお、
図2(a)中、18は多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部である。
また、パッド部11及びリード部12の夫々における段差部以外の側面と、連結部17の側面は、金属板の材料が露出している。
また、段差部26a,26bの面、貫通エッチングにより形成されたパッド部11及びリード部12の側面の少なくともいずれかには、粗化処理が施されている。さらには、好ましくは、連結部17の側面及び底面にも粗化処理が施されている。
【0046】
このように構成される本実施形態のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームは、例えば、次のようにして製造する。なお、製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗浄等を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
【0047】
まず、基材となる金属板(例えば、Cu材)の上面に、パッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスク31−1を形成するとともに、金属板の下面に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスク31−1を形成する(
図3(a)参照)。
なお、本実施形態及び後述の実施例のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームの製造工程において用いるレジストマスクの形成は、金属板の両面に例えばドライフィルムレジストをラミネートし、両面のドライフィルムレジストに対し、所定位置に、パッド部及びリード部の基部を形成するパターンが形成されたガラスマスクを用いて、両面を露光・現像することによって行う。なお、露光・現像は従来公知の方法により行う。例えば、ガラスマスクで覆った状態で紫外線を照射し、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたドライフィルムレジストの部位の現像液に対する溶解性を低下させて、それ以外の部分を除去することで、レジストマスクを形成する。なお、ここでは、レジストとしてネガ型のドライフィルムレジストを用いたが、レジストマスクの形成には、ネガ型の液状レジストを用いてもよい。さらには、ポジ型のドライフィルムレジスト又は液状レジストを用いて、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたレジストの部分の現像液に対する溶解性を増大させて、その部分を除去することでレジストマスクを形成するようにしてもよい。
【0048】
次に、金属板の上面側から所定の深さ(例えば、10μm〜25μm)でハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、段差部26a,26bを形成する(
図3(b)参照)。
次に、第1のエッチング用のレジストマスク31−1を除去する(
図3(c)参照)。
次に、金属板の上面側に形成された夫々の段差部26a,26bの底面上に、めっき用のレジストマスク30を、段差部26a,26bの側面との間に一定の隙間ができるように形成するとともに、金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、めっき用のレジストマスク30を形成する(
図3(d)参照)。
【0049】
次に、露出している金属板の面に必要なめっき層(上側の面には反射用めっき層13a、下側の面には外部接続用めっき層13b)を形成する(
図3(e)参照)。これにより、反射用めっき層13aは、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続した形状に形成される。なお、
図3の例では、反射用めっき層13aは、パッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、段差部26a,26bの側面と段差部26a,26bの底面の一部とに連続した形状に形成されている。
【0050】
露出している金属板の上側及び下側の面に夫々必要なめっき層(反射用めっき層13a、外部接続用めっき層13b)を形成後、めっき用のレジストマスク30を剥離し(
図3(f)参照)、上面側には形成した反射用めっき層13aと段差部26a,26bにおける連結部17に対応する所定位置の面を覆い、連結部17を備えるパッド部11とリード部12とに
形成しうる、所定のパターン形状の第2のエッチング用のレジストマスク31−2を形成するとともに、下面側には外部接続用めっき層13bを覆う第2のエッチング用のレジストマスク31−2を形成する(
図3(g)参照)。なお、上面側の第2のエッチング用のレジストマスク31−2は、後述する工程において、露出した金属板を貫通エッチングしたときに、段差部26a,26bの底面の一部に形成されている反射用めっき層13a直下の金属が溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆うように形成する。
露出した金属板を貫通エッチングしたときに、段差部26a,26bの底面の一部に形成されている反射用めっき層13a直下の金属が溶解除去されて、金属が溶解除去された部位の反射用めっき層13aが露出すると、反射用めっき層13aは薄いため
、露出した部分がめっきバリとなって割れや欠けを生じ易くなる。そして、めっきバリが割れると、めっきバリ近傍の反射用めっき層13aも一緒に剥がれて、反射率を低下させる等の製品の品質劣化を招く虞がある。
そこで、段差部26a,26bの底面の一部に形成されている反射用めっき層13a直下の金属が溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆うように上面側の第2のエッチング用のレジストマスク31−2を形成することによって、貫通エッチングしたときの、めっきバリの発生を防止する。
【0051】
次に、金属板の両面側から貫通エッチングを施し、連結部17を備えたパッド部11とリード部12と
を形成する(
図3(h)参照)。このとき、
図3(i)に示すように、上面側の第2のエッチング用のレジストマスク31−2が、段差部26a,26bの底面の一部に形成されている反射用めっき層13a直下の金属(ここでは、Cu)が溶解除去されない程度、反射用めっき層13aを覆っているため、段差部26a,26bの底面の一部に形成されている反射用めっき層13a直下の金属は、貫通エッチングによって溶解除去されることなく残存する。
なお、金属板の両面側からの貫通エッチングは、好ましくは、形成されるパッド部11及びリード部12の側面並びに連結部17の表面を粗化処理するように行う。
【0052】
次に、第2のエッチング用のレジストマスク31−2を除去する(
図3(j)参照)。これにより、本実施形態の多列型LED用リードフレームが完成する。
【0053】
次に、貫通エッチングにより連結部17を備えて
形成されたパッド部11とリード部12との間及びハーフエッチングにより形成された段差部26a,26bにリフレクタ樹脂を充填し、連結部17を覆い
、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15を、モールド金型を用いて形成する(
図3(k)参照)。これにより、本実施形態のリフレクタ樹脂部を備えた多列型LED用リードフレームとなる。
【0054】
次に、金属板の上面側におい
てパッド部11の面にLED素子20を搭載するとともに、金属板の上面側におい
てリード部11とLED素子20とをボンディングワイヤ14を介して接続する。さらに、金属板の上面側におい
てパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間に透明樹脂を充填し、透明樹脂部16を形成して、このリフレクタ樹脂部15で囲まれた内部空間を封止する(
図3(l)参照)。
【0055】
次に、リフレクタ樹脂部15における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を連結部17とともに切断する(
図3(m)参照)。これにより、本実施形態のLEDパッケージが完成する。
【0056】
本実施形態のLEDパッケージによれば、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、所定の深さ(10μm〜25μm)の段差部26a,26bが形成されるとともに、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続する、反射用めっき層13aが形成された構成にしたので、金属板における、反射用めっき層13aの周囲の面や、段差部26a,26bの底面に形成される反射用めっき層13aの面が、反射用めっき層13aの上面からある程度の深さを有するようになる。このため、LED素子20を搭載する側において反射用めっき層13aの上面と面一となるように形成される、段差部26a,26bにおけるリフレクタ樹脂部15がリフレクタとして十分な反射効果が得られる程度の厚さを有するようになる。また、段差部26a,26bに形成されるリフレクタ樹脂部15の厚さが、反射用めっき層13aの厚さに比べて格段に厚くなるため、割れや欠けを生じ難くなる。そして、反射用めっき層13aの周囲のリフレクタ樹脂部15に割れや欠け
が生じ難くなる結果、反射用めっき層13aの周囲近傍の金属板の段差部26a,26bが露出し難くなり、LED素子20を搭載する領域全体の反射率の低下を防止できるようになる。
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、パッド部11及びリード部12の夫々における段差部26a,26b以外の側面と、連結部17の側面に、金属板の材料が露出した構成にしたので、金属板の上面及び下面の必要な領域以外の、必要でない領域にめっき層を形成する貴金属が使用されずに済み、コストを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態のLEDパッケージにおいて、段差部26a,26bの面、貫通エッチングにより形成されたパッド部11及びリード部12の側面の少なくともいずれかに、粗化処理が施されている構成にすれば、パッド部11とリード部12との間、及び、少なくとも側面に反射用めっき層13aが形成されている段差部26a,26bにリフレクタ樹脂部15を形成したときの、リフレクタ樹脂部15の密着性が向上する。なお、連結部17の側面及び底面にも粗化処理が施されている構成にすれば、リフレクタ樹脂部15の密着性がより向上する。
【0058】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、所定の深さ(10μm〜25μm)で形成された段差部26a,26bを有し、反射用めっき層26a,26bが、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続して形成された構成にしたので、金属板における、反射用めっき層13aの周囲の面や、段差部26a,26bの底面に形成される反射用めっき層13aの面が、反射用めっき層13aの上面からある程度の深さを有するようになる。このため、パッド部11とリード部12との間、及び、少なくとも側面に反射用めっき層13aが形成されている段差部26a,26bに、リフレクタ樹脂を充填し、連結部17を覆い
、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15を形成したときに、LED素子を搭載する側において反射用めっき層13aの上面と面一となるように形成される、段差部26a,26bにおけるリフレクタ樹脂部15がリフレクタとして十分な反射効果が得られる程度の厚さを有するようになる。また、段差部26a,26bに形成されるリフレクタ樹脂部15の厚さが、反射用めっき層13aの厚さに比べて格段に厚くなるため、割れや欠けを生じ難くなる。そして、反射用めっき層13aの周囲のリフレクタ樹脂部15に割れや欠けを生じ難くなる結果、反射用めっき層13aの周囲近傍の金属板の段差部26a,26bが露出し難くなり、LED素子20を搭載する領域全体の反射率の低下を防止できるようになる。
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、パッド部11及びリード部12の夫々における段差部26a,26b以外の側面と、連結部17の側面に、金属板の材料が露出した構成にすれば、金属板の上面及び下面の必要な領域以外の、必要でない領域にめっき層を形成する貴金属が使用されずに済み、コストを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームにおいて、段差部26a,26bの面、貫通エッチングにより形成されたパッド部11及びリード部12の側面の少なくともいずれかに、粗化処理が施された構成にすれば、パッド部11とリード部12との間、及び、少なくとも側面に反射用めっき層13aが形成されている段差部26a,26bにリフレクタ樹脂部15を形成したときの、リフレクタ樹脂部15の密着性が向上する。なお、連結部17の側面及び底面にも粗化処理が施されている構成にすれば、リフレクタ樹脂部15の密着性がより向上する。
【0060】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームにおいて、パッド部11とリード部12との間、及び、少なくとも側面に反射用めっき層13aが形成されている段差部26a,26bには、連結部17を覆い
、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15が形成されている構成にすれば、リフレクタ樹脂部15がパッド部11及びリード部12を固定するため、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程に用いたときの、個々のリードフレーム領域の変形が生じ難くなり、パッド部11やリード部12の段差、変形、反り等が生じ難く、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれ易くなる。
【0061】
従って、本実施形態によれば、
不必要な領域へのめっき層の形成する貴金属の使用をなくしてコストを抑制し、製品化された個々のLEDパッケージのリフレクタ樹脂部の割れや欠けがなく、LED素子を搭載する側の反射率の低下を防止可能なLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム及びそれらの製造方法が得られる。
【0062】
変形例
図4は
図1の実施形態の変形例にかかるLEDパッケージの概略構成を示す図で、(a)は切断されて一個の製品となった状態のLEDパッケージの断面図、(b)は(a)における要部の形状を示す部分拡大図、(c)は切断される前の一括製造された多列型LEDパッケージにおける切断部を示す部分断面図である。
図5は
図4に示すLEDパッケージの製造に用いる多列型LED用リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は部分断面図、(b)は(a)の要部の形状を示す部分拡大図である。
図6は
図4及び
図5に示すLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレームの製造工程の一例を示す説明図である。なお、
図1〜
図3の例のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームと同様の構成部分については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0063】
本変形例のLEDパッケージでは、
図4(b)に示すように、金属板の両面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、所定の深さ(例えば、10μm〜25μm)の段差部26a,26bが形成されている。
外部接続用めっき層13bは、パッド部11及びリード部12の下面側に、金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続して形成されている。
リフレクタ樹脂部15は、金属板の上面側において少なくとも側面に反射用めっき層13aが形成されている段差部26a,26b、金属板の下面側において、少なくとも側面に外部接続用めっき層13bが形成されている段差部26a,26bと、貫通エッチングにより形成されたパッド部11及びリード部12の側面並びに連結部17の表面とに密着している。
また、本変形例のLEDパッケージの製造に使用される多列型リードフレームにおける個々のリードフレーム領域は、
図5(b)に示すように、金属板の両面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、所定の深さ(例えば、10μm〜25μm)で形成された段差部26a,26bと、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続して形成された反射用めっき層13aと、金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続して形成された外部接続用めっき層13bを有している。
その他の構成は、
図1及び
図2に示したLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレームと略同じである。
【0064】
このように構成される本変形例のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームは、例えば、次のようにして製造する。なお、
図3に示す製造工程と同様の工程については、詳細な説明を省略する。
【0065】
まず、基材となる金属板(例えば、Cu材)の両面に、パッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に段差部26a,26bを形成するための第1のエッチング用のレジストマスク31−1を形成する(
図6(a)参照)。
次に、金属板の両面側から所定の深さ(例えば、10μm〜25μm)でハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の周囲に、段差部26a,26bを形成する(
図6(b)参照)。
次に、第1のエッチング用のレジストマスク31−1を除去する(
図6(c)参照)。
次に、金属板の両面に形成された夫々の段差部26a,26bの底面上に、めっき用のレジストマスク30を、段差部26a,26bの側面との間に一定の隙間ができるように形成する(
図6(d)参照)。
次に、露出している金属板の面に必要なめっき層(上側の面には反射用めっき層13a、下側の面には外部接続用めっき層13b)を形成する(
図6(e)参照)。これにより、反射用めっき層13aは、金属板の両面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置の面と、夫々の所定位置の面の周囲に形成されている段差部26a,26bの少なくとも側面とに連続した形状に形成される。
【0066】
以後の本変形例の多列型LED用リードフレームの製造工程(
図6(f)〜
図6(j)参照)、本変形例のリフレクタ樹脂部を備えた多列型LED用リードフレームの製造工程(
図6(k))及び本変形例のLED用パッケージの製造工程(
図6(l)、
図6(m)参照)は、
図3の例におけるものと略同じである。
【0067】
本変形例のLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレームによれば、段差部26a,26bを金属板の下側面にも設けたので、金属板における、外部接続用めっき層13bの周囲の面や、段差部26a,26bの底面に形成される外部接続用めっき層の面も、外部接続用めっき層13bの上面(
図4の向きにおいては、外部接続用めっき層13bの最も下側の面)からある程度の深さを有するようになる。このため、外部接続用めっき層13bの周囲の段差部26a,26bに形成されるリフレクタ樹脂部15の厚さが、外部接続用めっき層13bの厚さに比べて格段に厚くなり、割れや欠けを生じ難くなり、製品としての品質がより向上する。
その他の作用効果は、
図1〜
図3に示した本実施形態のLEDパッケージ及び多列型LED用リードフレームと略同じである。
【0068】
実施例
次に、本発明の実施例について、説明する。
本実施例では、洗浄処理や乾燥処理など各工程の前処理、後処理は、一般的な処理であることから記載を省略する。
【0069】
実施例1
最初に、帯状で厚さ0.15mmのCu材をリードフレームの基材として準備し、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、両面にレジスト層を形成した。
次に、リードフレームの基材の上面側には、パッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、下面側には、全面露光により全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材両面に第1のエッチング用のレジストマスクを形成した(
図3(a)参照)。
次に、エッチング処理を行って、約0.01mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い、両面の第1のエッチング用レジストマスクを剥離することで、パッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に段差部が形成されたリードフレーム基材を得た(
図3(b)、
図3(c)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側には、反射用めっき層を形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、下面側には、外部接続用めっき層を形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材の両面にめっき用のレジストマスクを形成した(
図3(d)参照)。
次に、Cuが露出しているリードフレームの基材の上側の面に反射用めっき層を形成するとともに、下側の面に外部接続用めっき層を形成し(
図3(e)参照)、めっき層を形成後、両面に形成されためっき用のレジストマスクを剥離した(
図3(f)参照)。
なお、反射用のめっき層は、まず設定厚さ3μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、次に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成、最後に設定厚さ3μmのAgめっきを形成することによって得た。
また、外部接続用めっき層は、まず設定厚さ3μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、最後に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成することによって得た。
【0070】
次に、再び両面にレジスト層を形成し、露光・現像を行って、上面側には形成した反射用めっき層直下のCuが溶解除去されない程度、反射用めっき層と段差部における連結部に対応する所定位置の面を覆うことで、連結部を備えた、パッド部とリード部とその他必要な形状を得るための第2のエッチング用のレジストマスクを形成し、下面側には外部接続用めっき層を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成した(
図3(g)参照)。
【0071】
次に、エッチング処理を行って貫通エッチング加工を行い(
図3(h)参照)、両面の第2のエッチング用のレジストマスクを剥離することで、両面に夫々必要なめっき層(反射用めっき層、外部接続用めっき層)が形成されるとともに、連結部を備えたパッド部とリード部とが
形成された多列型LED用リードフレームを得た(
図3(i)参照)。この多列型LED用リードフレームは、貫通エッチング処理後のパッド部とリード部は、反射用めっき皮膜の周辺が段差を有し、パッド部とリード部における反射用めっき層の最上面は、めっき皮膜のみが露出し、Cu材が露出した部位は存在しない。
一方、パッド部及びリード部の夫々における段差部以外の側面と、連結部の側面には、Cu材が露出する。
【0072】
次に、モールド金型を用いてLED用リードフレームにリフレクタ樹脂部を形成した(
図3(k)参照)。リフレクタ樹脂は貫通エッチング加工部分(連結部を備えて
形成されたパッド部とリード部との間)及び少なくとも側面に反射用めっき層が形成されている段差部に充填され
、パッド部とリード部との間を、面一となるように介在する所定の形状に形成される。また、リフレクタ樹脂部はパッド部とリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出して囲むように形成される。なお、リフレクタ樹脂部に囲まれる、パッド部のLED素子が搭載
・固定される部分とリード部のボンディング部分は、先に形成しためっき層が露出した状態となっている。
次に、リフレクタ樹脂部が形成されたLED用リードフレームのパッド部にLED素子を搭載・固定するとともに、LED素子とリード部とをワイヤボンディングし、さらに、リフレクタ樹脂部に囲まれるLED素子が搭載された内部空間に透明樹脂を充填し、LED素子とボンディングワイヤを封止する透明樹脂部を形成した(
図3(l)参照)。
【0073】
次に、複数のLEDパッケージ領域が連結部によって繋がり、リフレクタ樹脂部によって固定された状態で形成された多列型LEDパッケージから個々のLEDパッケージを得るために、リフレクタ樹脂部における、パッド部及びリード部の外周を囲む部位を連結部とともに切断加工した(
図3(n)参照)。これにより、パッド部とリード部とが独立してリフレクタ樹脂部によって固定され、連結部が、リフレクタ樹脂部とともに、多列型LEDパッケージを切断することによって形成された切断面の一部として露出しているLEDパッケージが得られた。
【0074】
実施例2
実施例1と同様のリードフレームの基材を準備し、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、両面にレジスト層を形成した。
次に、リードフレームの基材の両面側の夫々に、パッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に段差部を形成するための第1のエッチング用のレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材両面に第1のエッチング用のレジストマスクを形成した(
図6(a)参照)。
次に、エッチング処理を行って、約0.01mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い、両面の第1のエッチング用レジストマスクを剥離することで、リードフレームの基材の両面におけるパッド部及びリード部に対応する所定位置の周囲に段差部が形成されたリードフレーム基材を得た(
図6(b)、
図6(c)参照)。
次に、実施例1と略同様に、リードフレームの基材の両面にめっき用のレジストマスクを形成し(
図6(d)参照)、リードフレームの基材の上側の面に反射用めっき層を形成するとともに、下側の面に外部接続用めっき層を形成し(
図6(e)参照)、めっき層を形成後、両面に形成されためっき用のレジストマスクを剥離した(
図6(f)参照)。
【0075】
以後、実施例1と略同様の製造工程(
図6(g)〜
図6(m))参照)を経て、多列型LED用リードフレーム(
図6(j)参照)、リフレクタ樹脂部を備えた多列型LED用リードフレーム(
図6(k)参照)、さらにはLED用パッケージ(
図6(m)参照)を得た。