(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者が携帯する発信器が送信した無線信号を通信端末が受信した際の前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を、無線情報として前記通信端末から受信する第1のインタフェースと、
前記識別情報と前記利用者の電話番号との対応を示す利用者情報を保持し、前記利用者情報、前記受信強度の情報及び前記識別情報に基づいて前記通信端末で使用する電話番号を決定し、決定された前記電話番号を持つ端末として前記通信端末を制御する第1の制御部と、
を備える呼制御装置。
利用者が携帯する発信器から無線信号を受信し、受信した前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を取得する無線インタフェースと、
前記受信強度の情報及び前記識別情報を無線情報として呼制御装置に送信する第2のインタフェースと、
前記無線情報に基づいて前記呼制御装置が生成した制御信号に基づいて自端末を制御する第2の制御部と、
を備える通信端末。
前記第2の制御部は、前記無線インタフェースから取得した前記無線信号の受信強度の情報が属する段階を判定し、前記無線信号の受信強度の情報が属する前記段階を前記無線情報に含まれる前記受信強度として前記第2のインタフェースに送信させる、
請求項6に記載された通信端末。
利用者が携帯する発信器が送信した無線信号を通信端末が受信した際の前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を、無線情報として前記通信端末から受信し、
前記識別情報と前記利用者の電話番号との対応を示す利用者情報を保持し、前記利用者情報、前記受信強度の情報及び前記識別情報に基づいて前記通信端末で使用する電話番号を決定し、決定された前記電話番号を持つ端末として前記通信端末を制御する、
呼制御装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の電話システム1の構成例を示す図である。電話システム1は、呼制御サーバ101、IP電話機201及び202、IP網301を備える。呼制御サーバ101、IP電話機201及び202は、例えばSIP(Session Initiation Protocol)に準拠したIP電話システムで用いられる機器である。呼制御サーバ101、IP電話機201及び202は、IP網301の通信プロトコルであるIP(Internet Protocol)によって互いに接続される。利用者は、BLE発信器801〜803を携帯する。BLE発信器801〜803については後述する。
【0016】
図2は、呼制御サーバ101の構成例を示すブロック図である。呼制御サーバ101は、IP電話機201及び202を含む電話システム1を制御する機能を備えるコンピュータである。呼制御サーバ101は、IPインタフェース111及び制御部112を備える。IPインタフェース111は、IP網301と接続されるインタフェース回路である。制御部112は、IP電話機201及び202に対する制御を含む電話システム1内のSIPプロトコルの制御、IP電話機201及び202で用いられる電話番号の登録、呼制御サーバ101自身の制御を行う制御回路である。IP網301は、さらに、ゲートウエイ等を経由して、IP電話機201及び202が通話可能な電話機を含む他のネットワークに接続されてもよい。SIPプロトコルを用いた電話システムの基本的な動作及び構成はよく知られているため、詳細な説明は省略する。
【0017】
IP電話機201及び202は、呼制御サーバ101の配下にある、SIPプロトコルに準拠した固定電話機である。電話システム1が備えるIP電話機の数は2個に限定されず、1個あるいは3個以上でもよい。
【0018】
図3は、IP電話機201の構成例を示すブロック図である。電話システム1で用いられるIP電話機201及び202の機能は共通である。従って、以下ではIP電話機201を例に説明する。IP電話機201は、IPインタフェース211、制御部212、BLEインタフェース213を備える。IPインタフェース211はIP網301と接続される、呼制御サーバ101と通信可能なインタフェース回路である。制御部212は、IP電話機201全体を制御する、制御回路である。制御部212は、呼制御サーバ101からの指示に基づいて、発信、着信、発信者電話番号表示、通話、といった、一般的な固定電話機の機能を利用者に提供する。制御部212は、表示器、送受話器や操作ボタンなどの、利用者とのインタフェース機器を含む。
【0019】
BLEインタフェース213は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)プロトコルに準拠した無線インタフェース回路である。BLEは、低速なデータを低消費電力で送信可能なプロトコルである。BLEでは、用途に応じて何種類かのデバイスが規定されている。例えば、データの送信機能を持つデバイスとして「ブロードキャスター」、データの受信機能を持つデバイスとして「オブザーバ」が規定されている。BLEインタフェース213は、オブザーバの機能を備える。利用者Aは、BLE発信器801を携帯する。BLE発信器801は、「ブロードキャスター」の機能を備える。BLEインタフェース213は、BLE発信器801が無線で発信する信号(以下、「BLE信号」という。)を受信してその強度を測定し、受信強度の情報を生成するとともに、受信したBLE信号から識別情報を抽出する。識別情報は、BLE発信器801毎に一意に定まる情報であり、BLE発信器801は、識別情報を含むBLE信号を発信する。BLE信号から識別情報を抽出することで、BLE発信器801を携帯する利用者Aを特定することができる。
【0020】
BLEインタフェース213は、BLE信号の受信強度の情報を生成するとともにBLE信号から識別情報を抽出し、これらの情報を制御部212に通知する。本実施形態では受信強度の情報としてBLE信号の電界強度を用いる。しかし、BLEインタフェース213は、他の指標に基づいて受信強度の情報を生成してもよい。
【0021】
制御部212は、BLEインタフェース213から通知されたBLE信号の受信強度の情報(すなわち電界強度)を、「強」、「中」、「弱」の3段階で判定する。「強」は電界強度の測定値が最も強い範囲内にあることを表し、「弱」は電界強度の測定値が最も弱い範囲内にあることを表す。「中」は電界強度の測定値が「強」と「弱」との間にあることを表す。BLEインタフェース213で測定される電解強度は、「強」、「中」、「弱」のいずれかの段階に属するものとする。以下では、電界強度を「強」、「中」、「弱」の3段階で判定した結果を示す情報と識別情報とを含む情報を「BLE情報」と記載する。また、電界強度を3段階で判定した結果を単に「電界強度」と記載することがある。なお、上述した制御部212における電界強度の判定は、BLEインタフェース213で行われてもよい。
【0022】
利用者Aは、BLE発信器801を携帯する。BLE発信器801は、利用者Aの識別情報を含む電波をBLE信号として周囲に低電力で放射する。ここで、それぞれのBLE発信器801が保持する識別情報によって、利用者が一意に識別される。識別情報として、利用者と一意に対応する文字列が用いられてもよい。電話システム1では、利用者Aが自身の識別情報を保持するBLE発信器801を携帯することで、呼制御サーバ101は、各IP電話機から通知された識別情報及びBLE信号の電界強度に基づいて各IP電話機の近傍にいる利用者Aを特定することができる。
【0023】
呼制御サーバ101は、識別情報、利用者及び利用者の電話番号の対応を示すテーブルを保持している。呼制御サーバ101は、IP電話機201及び202から通知された識別情報をキーとして当該テーブルから利用者とその電話番号とを検索する。呼制御サーバ101は、それにより、例えば、IP電話機201に接近した利用者A及び利用者AがIP電話機201を使用するための電話番号を知ることができる。
【0024】
呼制御サーバ101は、IP電話機201及び202のそれぞれに対して複数の電話番号を登録できる。それらのうち、1つの電話番号はメイン電話番号として登録される。その他の電話番号はサブ電話番号として登録される。IP電話機201及び202のそれぞれの機能の設定は、メイン電話番号に紐づいて設定されてもよい。
【0025】
ここで、メイン電話番号とは、IP電話機201及び202からの発信時に、通話先に発信者電話番号として通知される番号である。また、他の電話機は、メイン電話番号をダイヤルすることでメイン電話番号を持つ電話機に発信できる。一方、サブ電話番号とは、発信時には相手には通知されないが、他の電話機からのダイヤルによって当該電話機へ着信できる電話番号である。すなわち、呼制御サーバ101は、IP電話機201及び202のメイン電話番号宛及びサブ電話番号宛のいずれの着信についても、それぞれのIP電話機に着信を通知する。
【0026】
図4は、呼制御サーバ101が保持する、初期番号登録情報の例である。IP電話機201及び202には、呼制御サーバ101によって、それぞれに固有の電話番号が初期番号として登録される。この電話番号を固有電話番号と呼ぶ。固有電話番号は、例えば、IP電話機201及び202の設置場所に敷設された有線回線に紐づけられた電話番号であり、特定の利用者には対応しない電話番号である。IP電話機201及び202は、利用者の電話番号がメイン電話番号として登録されていない場合には、メイン電話番号がそれぞれの固有電話番号である電話機として動作する。
【0027】
IP電話機201及び202の固有電話番号をそれぞれ「固有電話番号1」及び「固有電話番号2」とすると、呼制御サーバ101の起動時に、IP電話機201及び202に初期値として登録される電話番号登録情報は
図4のようになる。呼制御サーバ101は、
図4の情報を保持する。固有電話番号1及び2は、実際は、例えば「1001」又は「2001」といった、IP電話機201及び202のいずれかを呼び出すための電話番号である。
【0028】
IP電話機201がBLE信号を受信した場合、そのBLE信号に含まれる識別情報に対応する利用者の電話番号が、呼制御サーバ101によって登録される手順を説明する。さらに、IP電話機201が複数のBLE信号を受信した場合、受信したBLE信号のそれぞれの電界強度と予め設定された優先度とに基づいて、IP電話機201の電話番号が登録される手順についても説明する。
【0029】
図5は、IP電話機201に利用者Aが接近した場合を説明する図である。IP電話機201にBLE発信器801を持つ利用者Aが接近すると、IP電話機201は利用者AのBLE信号を受信する。IP電話機201のBLEインタフェース213は、BLE発信器801からの電波(BLE信号)を受信すると、その電界強度を測定し、BLE信号から識別情報を抽出する。BLEインタフェース213は、測定された電界強度と抽出された識別情報とを制御部212に通知する。ここで、制御部212は、測定された電界強度を「強」、「中」、「弱」の3段階のいずれに属するかを判定し、その判定結果と識別情報とを含むBLE情報を、IPインタフェース211を介して呼制御サーバ101に通知する。なお、
図5においては、IP電話機201が利用者Aから受信したBLE信号の電界強度は「強」であったとする。
【0030】
図6は、IP電話機201及び202から通知されたBLE情報に基づいて呼制御サーバ101が得る情報の例である。呼制御サーバ101は、識別情報と利用者及びその電話番号との対応を示すテーブルを保持している。呼制御サーバ101は、識別情報をキーとして当該テーブルから利用者とその電話番号とを検索することで、
図6に示す情報を得る。
図6は、利用者AがIP電話機201の近傍に所在し、IP電話機201に登録される利用者Aの電話番号は「電話番号a」であり、IP電話機201における利用者AのBLE信号の電界強度は「強」であることを示す。
【0031】
図5の場合には、IP電話機201に関してのみ、利用者情報及びBLE信号の電界強度が
図6に示すように記録される。利用者AとIP電話機202との距離が大きいため、IP電話機202は利用者AのBLE信号を検出できず、IP電話機202は呼制御サーバにBLE情報を通知しない。その結果、IP電話機202に関しては利用者情報及び電界強度は
図6には記載されない。
【0032】
図7は、IP電話機に電話番号が登録される様子の例を示す図である。
図7の上の表は、
図4で説明した初期番号登録状況を示す。受信されたBLE信号が1個のみの場合(例えば、IP電話機201の近傍に利用者Aしかいない場合)には、当該BLE信号に対応する利用者Aの電話番号aがIP電話機201のメイン電話番号に登録される。この処理において、メイン電話番号とサブ電話番号は例えば
図7の下の表のように登録内容が変化する。電話番号の登録後、呼制御サーバ101はIP電話機201に制御信号を送信し、IP電話機201を配下の固定電話機として登録する。IP電話機201は、呼制御サーバ101から受信した制御信号に基づいて制御される。例えば、呼制御サーバ101は、制御信号により、メイン電話番号である電話番号aをIP電話機201に表示させることができる。
【0033】
このように、利用者AのBLE情報がIP電話機201から呼制御サーバ101に通知される結果、IP電話機201のメイン電話番号として利用者Aの電話番号aが登録され、IP電話機201はあたかも利用者Aの電話機であるように利用できるようになる。また、IP電話機201の固有電話番号1はサブ電話番号として登録される。このため、IP電話機201に対しては、電話番号a又は固有電話番号1のいずれをダイヤルしても電話をかけることができる。この手順は、後に説明する
図12のフローチャートのステップS04において、BLE信号が1個のみの場合(ステップS04:No)に対応する。
【0034】
複数のBLE信号がIP電話機201において受信される場合について説明する。
図8は、IP電話機201に利用者A〜Cが接近した場合を説明する図である。
図9は、
図8の場合においてIP電話機201及び202で受信されるBLE信号から得られる情報の例を示す図である。
【0035】
IP電話機201は、利用者A〜Cがそれぞれ携帯するBLE発信器801〜803からBLE信号を受信する。なお、IP電話機202はBLE発信器801〜803から離れているためBLE信号を受信できないものとする。この場合、利用者A及びBから受信したBLE信号の電界強度が「強」であり、利用者Cから受信したBLE信号の電界強度が「弱」であったとすると、BLE情報に基づいて呼制御サーバ101において保持される情報は
図9のようになる。
【0036】
電界強度が最も強い段階(
図9では「強」)にあるBLE信号が複数の利用者(利用者A及びB)から受信されている場合には、呼制御サーバ101は、それらの中から優先度が最も高い1名の利用者の電話番号をIP電話機201のメイン電話番号として登録する。優先度に基づく電話番号の登録について以下に説明する。
【0037】
図10は、IP電話機毎の優先度の設定例を示す図である。利用者A、B、Cの優先度がそれぞれ「中」、「高」、「低」と設定されている。優先度は、IP電話機201に登録されるメイン電話番号を1個のみとするために用いられる。利用者毎に全て異なる優先度が設定されることで、最も優先度が高い利用者を1名のみ特定できる。利用者毎の優先度の情報を含む
図10の表は、呼制御サーバ101によって保持される。優先度は、呼制御サーバ101に予め設定されていてもよいし、BLE発信器801〜803が送信するBLE信号に利用者の優先度の情報が含まれていてもよい。この場合、優先度の情報はIP電話機201を経由して呼制御サーバ101に通知される。
【0038】
図11は、
図9及び
図10で説明した場合における、呼制御サーバ101に登録される電話番号の例を示す図である。
図9において、利用者Aと利用者BとはいずれもBLE信号の電界強度が「強」であることが示された。そして、
図10では、利用者Bの優先度が利用者Aよりも高いことが示された。その結果、
図11に示されるように、IP電話機201のメイン電話番号には優先度がより高い利用者Bの電話番号である電話番号bが登録される。さらに、サブ電話番号にはIP電話機201の固有電話番号である固有電話番号1、利用者A及び利用者Cの電話番号である電話番号a及び電話番号cが登録される。すなわち、
図9のIP電話機201の項目に含まれる利用者の電話番号のうち、メイン電話番号以外の電話番号が、サブ電話番号として登録される。
【0039】
図11に示される電話番号の登録により、IP電話機201は、発信時には電話番号bを相手先に通知する。また、他の電話機は、電話番号a、b、c及び固有電話番号1のいずれをダイヤルしてもIP電話機201に対して発信できる。
【0040】
図12は、以上で説明した電話システム1における電話番号の登録手順の第1の例を示すフローチャートである。
図5〜
図11で説明した、呼制御サーバ101がIP電話機201に電話番号を登録する手順について
図12を用いて説明する。なお、呼制御サーバ101によるIP電話機201の電話番号の登録は、呼制御サーバ101からIP電話機201へ登録内容を送信することなく行われてもよい。すなわち、電話番号の登録は、呼制御サーバ101内部の設定のみによって行われてもよい。IP電話機202への電話番号の登録に関しても同様である。
【0041】
IP電話機201から呼制御サーバ101にBLE情報が通知されていない場合には(
図12のステップS01:No)、呼制御サーバ101は、IP電話機201の固有電話番号1をメイン電話番号として登録する(ステップS02)。固有電話番号1は、IP電話機201が持つ固有の電話番号である。そして、呼制御サーバ101は、IP電話機201にサブ電話番号が登録されている場合には、そのサブ電話番号を消去する(ステップS03)。
【0042】
IP電話機201が一定期間BLE信号を受信しなくなった場合には、それまでの利用者が離席した可能性が高い。このような場合に、呼制御サーバ101は、ステップS02及びステップS03の処理によって、固有電話番号1をメイン電話番号として再登録し、IP電話機201が以前に受信したBLE信号に基づいて登録された電話番号を削除することができる。
【0043】
呼制御サーバ101にBLE情報が通知された場合(ステップS01:Yes)には、呼制御サーバ101は、電界強度が最も強い段階にあるBLE信号が複数受信されているかどうかを判断する(ステップS04)。「電界強度が最も強い段階」とは、受信されたBLE信号の電界強度のうち最も電界強度が強いBLE信号が属する段階(例えば「強」)である。電界強度が「強」であるBLE信号が受信されていない場合には、電界強度が「中」であるBLE信号が複数受信されているかどうかが判断される。電界強度が「弱」であるBLE信号のみが受信されている場合には、電界強度が「弱」であるBLE信号が複数受信されているかどうかが判断される。
【0044】
電界強度が最も強い段階にあるBLE信号が1個のみ受信されている場合には(ステップS04:No)、呼制御サーバ101は、その段階の電界強度のBLE信号に対応する利用者の電話番号をメイン電話番号として登録する(ステップS05)。また、
図5及び
図6で説明したように、利用者AのみがIP電話機201に接近した場合も、ステップS01〜ステップS04〜ステップS05の手順によってIP電話機201の電話番号が登録される。
【0045】
一方、例えば
図9に示した場合では、「最も電界強度が強いBLE信号が属する段階」は「強」であり、その段階では複数のBLE信号が受信されていると判断される。この場合(ステップS04:Yes)、当該複数のBLE信号に対応する利用者A及びBのうち、最も優先度が高い利用者の電話番号が、IP電話機201のメイン電話番号として登録される(ステップS06)。利用者の優先度は、例えば
図10に示した設定を用いることができる。
【0046】
ステップS05又はS06の後、識別情報が呼制御サーバ101に通知されたが電話番号がメイン電話番号に登録されなかった利用者の電話番号、及びIP電話機201の固有電話番号は、サブ電話番号として登録される(ステップS07)。これは、
図11に示した表において、電話番号a、電話番号c及び固有電話番号1がIP電話機201のサブ電話番号として登録される手順に対応する。
【0047】
ステップS03又はステップS07において、IP電話機201の電話番号の登録手順は終了する。以上のステップS01〜S07の手順により、IP電話機201が複数の利用者からBLE信号を受信した場合でも、呼制御サーバ101は、IP電話機201の電話番号として1個のメイン電話番号を登録し、残余の電話番号をサブ電話番号として登録できる。
【0048】
利用者の移動、増加、減少により各IP電話機において受信されるBLE信号の状態は変化する。従って、IP電話機201及び202は、BLE信号を常時あるいは定期的に受信して、BLE情報を定期的に呼制御サーバ101へ通知してもよい。すなわち、呼制御サーバ101は、ステップS03又はステップS07の手順の終了後、ステップS01以降の手順を繰り返し実行してもよい。
図12の手順を所定の頻度で繰り返し実行することで、近隣の利用者の状況の変化に応じてIP電話機201及び202の電話番号を再登録することができる。
【0049】
図13は、電話システム1における電話番号の登録手順の第2の例を示すフローチャートである。
図13では、電話システム1が複数のIP電話機を備える場合に、あるIP電話機から通知されたBLE情報に対応する利用者が、既に他のIP電話機の電話番号の登録に使われている場合の、電話番号の登録手順が示される。以下では、IP電話機201で電話番号が登録されている利用者Aの識別信号を含むBLE信号がIP電話機202で受信された場合について説明する。
【0050】
IP電話機202のBLEインタフェース213において新たなBLE信号が受信されると、当該BLE信号から生成された新たなBLE情報が、IP電話機202から呼制御サーバ101に通知される。呼制御サーバ101は、通知された新たなBLE情報に対応する電話番号が他のIP電話機(すなわちIP電話機201)の電話番号として登録されているかどうかを判断する(
図13のステップS11)。新たなBLE情報に対応する電話番号がIP電話機201の電話番号として登録されていない場合(ステップS11:No)には、呼制御サーバ101は、新たなBLE情報に基づいてIP電話機202に電話番号を登録する(ステップS12)。この登録の手順には、
図12で説明した手順を用いることができる。
【0051】
新たなBLE情報に対応する電話番号が既にIP電話機201に登録されている場合(ステップS11:Yes)には、以下の手順に進む。すなわち、呼制御サーバ101は、新たなBLE情報に含まれる新たなBLE信号の電界強度が、IP電話機201における重複する利用者のBLE信号の電界強度と同じであるかどうかを判断する(ステップS13)。ここで、電界強度の比較は、既に説明した手順である、「強」、「中」、「弱」の3段階によって行われる。
【0052】
新たなBLE信号の電界強度の段階がIP電話機201において重複する利用者の電界強度の段階と同一である場合は(ステップS13:Yes)、IP電話機201及び202に設定された優先度の設定に従い、電話番号が登録される(ステップS14)。例えば、優先度のより高いIP電話機がIP電話機202である場合には、新たなBLE情報に基づいてIP電話機202に電話番号が登録され、優先度のより低いIP電話機201に当該利用者の電話番号が登録されている場合には、その電話番号は削除される。ステップS14においても、新たなBLE情報に基づくIP電話機202への電話番号の登録手順には、
図12の手順を用いることができる。優先度のより高いIP電話機がIP電話機201である場合には、IP電話機202で生成された新たなBLE情報は破棄され、IP電話機201及び202の電話番号の登録は変更されない。
【0053】
電界強度がIP電話機201の利用者の電界強度の段階と異なる場合には(ステップS13:No)、新たなBLE信号の電界強度が、IP電話機201における重複する利用者のBLE信号の電界強度よりも強いかどうかが判断される(ステップS15)。新たなBLE信号の電界強度がより強い場合には(ステップS15:Yes)、IP電話機201から当該利用者の既登録の電話番号は削除され、新たなBLE信号に基づいてIP電話機202に電話番号が登録される(ステップS16)。新たなBLE信号の電界強度がより弱い場合には(ステップS15:No)、新たなBLE信号に基づく新たなBLE情報は破棄され、IP電話機201及び202の電話番号の登録状態は変更されない。
【0054】
図13の手順を用いることで、呼制御サーバ101は、既に電話番号が登録された利用者に対応するBLE信号が他のIP電話機で受信された場合には、一方のIP電話機のみを選択して、当該利用者の電話番号を登録する。この場合、受信したBLE信号の電界強度がより強いIP電話機に電話番号が登録され、あるいは、より優先度が高いIP電話機に電話番号が登録される。電話番号の登録対象として選択されなかったIP電話機からは、当該BLE信号に対応する利用者の電話番号の登録は削除される。なお、既登録の電話番号の有無はメイン電話番号及びサブ電話番号の両方について確認される。また、既登録の電話番号が削除される場合は、メイン電話番号及びサブ電話番号の両方が削除される。その結果、ある利用者について、電話番号が登録されているIP電話機は必ず1台となる。
【0055】
(効果の説明)
以上説明したように、第1の実施形態の電話システム1は、IP電話機が受信したBLE情報に基づいて、呼制御サーバが当該IP電話機の電話番号を自律的に登録する。その結果、利用者は、オフィスなどのさまざまな場所に設置されているIP電話機を、あたかも自分自身の電話機として、自身の電話番号を発信及び着信に使用することができる。すなわち、電話システム1は、利用者が、近傍にある通信端末を自身の専用の端末として容易に利用することを可能とする。また、利用者は、IP電話機に接近するだけで利用者の電話番号をIP電話機に登録できる。このように、電話システム1は、利用者に高い利便性を提供する。
【0056】
また、利用者はIP電話機を自身の電話機として利用できるとともに、着信に際してはサブ電話番号として登録された他の利用者と当該IP電話機を共用できる。例えば、他の利用者Dの電話番号がサブ電話番号として登録されていれば、利用者Dが自席にいなくても、利用者Dに対して発信すれば利用者Dの近くに存在するIP電話機に着信する。このため、利用者Dの電話番号がメイン電話番号として登録されていない場合でも、利用者Dの電話番号に発信することで、利用者Dと通話できる確率が高まる。
【0057】
また、呼制御サーバには各利用者のBLE情報が集まるため、ある利用者がどのIP電話機の近くにいるかが把握できる。すなわち、呼制御サーバが持つ情報に基づいて利用者の所在をトレースすることも可能である。
【0058】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の構成の変形例について説明する。以下の変形例は実施形態を限定するものではない。
【0059】
(1)利用者が携帯する発信器で用いられる無線通信規格はBLEに限られない。無線LANやJigbeeといった他の無線規格を用いることもできる。
【0060】
(2)電話システム1のプロトコルは、SIPではなくH.323などの他のVoIP(Voice Over IP)プロトコルでもよく、PSTN(Public Switched Telephone Network)に接続された交換機及びアナログ電話を備えるアナログ電話システムでもよい。また、IP電話機に代えて、ISDN(Integrated Services Digital Network)端末などの通信端末が用いられてもよい。この場合、呼制御サーバに代えて、ISDN交換機が用いられてもよい。また、サブ電話番号に対応する利用者名を表示したり、着信音を利用者に固有に設定されたものを用いたりすることで、共用しているどの利用者への着信かを容易に特定可能な機能が提供されてもよい。
【0061】
(3)個人を特定する手順は、BLE発信器以外の手順で実現されてもよい。例えば、固定電話機の周辺に設置されたカメラによる顔検出データと、カメラによって測定された距離の情報とが呼制御サーバに転送される。そして、呼制御サーバは、顔認証手順を行うことで利用者を特定するとともに固定電話機と利用者との接近の程度を検出できる。この場合、固定電話機との距離が近い利用者ほど、
図10で説明した優先度を高くしてもよい。
【0062】
(4)さらに、通話を保留中にした状態で利用者が他の固定電話機が設置された場所に移動した場合、例えば
図13のステップS16の手順により、移動後の利用者から新たなBLE情報を受信した当該他の固定電話機で通話を再開させてもよい。
【0063】
(第2の実施形態)
第1の実施形態で説明した呼制御サーバ101は、以下の構成を備える呼制御装置として記載することもできる。第1の実施形態の対応する構成要素の例を括弧内に示すと、第2の実施形態の呼制御装置は、第1のインタフェース(IPインタフェース111)と、第1の制御部(制御部112)と、を備える。
【0064】
第1のインタフェースは、利用者が携帯する発信器(BLE発信器801)が送信した無線信号を通信端末(IP電話機201)が受信した際の無線信号の受信強度の情報及び識別情報を無線情報(BLE情報)として通信端末から受信する。識別情報は、無線信号に含まれる発信器毎に一意に定まる情報である。
【0065】
第1の制御部は、識別情報と利用者の電話番号との対応を示す利用者情報(
図6)を保持し、利用者情報、受信強度の情報及び識別情報に基づいて通信端末で使用する電話番号を決定し、決定された電話番号を持つ端末として通信端末を制御する。
【0066】
このような構成を備える第2の実施形態の呼制御装置は、通信端末が発信器から受信した無線信号の受信強度の情報及び識別情報に基づいて通信端末を制御するため、利用者は、近傍にある通信端末を自身の専用の通信端末として容易に利用できる。
【0067】
(第3の実施形態)
第1の実施形態で説明したIP電話機201及び202は、以下の構成を備える通信端末として記載することもできる。第1の実施形態の対応する構成要素を括弧内に示すと、第3の実施形態の通信端末は、無線インタフェース(BLEインタフェース213)と、第2のインタフェース(IPインタフェース211)と、第2の制御部(制御部212)と、を備える。
【0068】
無線インタフェースは、利用者が携帯する発信器(例えばBLE発信器801)から無線信号(BLE信号)を受信し、受信した無線信号の受信強度の情報及び無線信号に含まれる発信器毎に一意に定まる識別情報を取得する。第2のインタフェースは、受信強度の情報及び識別情報を無線情報(BLE情報)として呼制御装置(呼制御サーバ101)に送信する。
【0069】
第2の制御部は、無線情報に基づいて呼制御装置が生成した制御指示に基づいて通信端末を制御する。
【0070】
このような構成を備える第3の実施形態の通信端末は、通信端末が発信器から受信した無線信号の受信強度の情報及び識別情報を呼制御装置に送信し、これらに基づいて生成された制御指示によって制御される。その結果、利用者は、近傍にある通信端末を自身の専用の通信端末として容易に利用できる。
【0071】
各実施形態で説明した呼制御サーバ、呼制御装置、IP電話機及び通信端末の機能は、プログラムをコンピュータが実行することによって実現されてもよい。コンピュータとして、信号処理装置、中央処理装置、マイクロプロセッサを用いることができる。例えば、呼制御サーバ101の制御部112及びIP電話機201の制御部212は、プログラムを記憶する記憶装置とコンピュータとを備えてもよい。プログラムは、フレキシブルディスクや光ディスクなどのコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体に格納して配布されてもよく、IP網301を介して配信されてもよい。コンピュータは、記憶装置からプログラムを読み込んで実行する。
【0072】
また、本発明の実施形態は以下の付記のようにも記載されうるが、これらには限定されない。
【0073】
(付記1)
利用者が携帯する発信器が送信した無線信号を通信端末が受信した際の前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を、無線情報として前記通信端末から受信する第1のインタフェースと、
前記識別情報と前記利用者の電話番号との対応を示す利用者情報を保持し、前記利用者情報、前記受信強度の情報及び前記識別情報に基づいて前記通信端末で使用する電話番号を決定し、決定された前記電話番号を持つ端末として前記通信端末を制御する第1の制御部と、
を備える呼制御装置。
【0074】
(付記2)
前記第1の制御部は、
前記受信強度が所定の閾値以上である前記無線情報に含まれる前記識別情報に対応する前記利用者の電話番号を前記利用者情報から選択し、
選択された前記利用者の電話番号を、前記通信端末の発信者情報として用いられるメイン電話番号として登録し、
前記利用者情報に含まれる前記利用者の電話番号のうち、前記メイン電話番号以外の電話番号を、他の通信端末から前記通信端末への発信に用いられるサブ電話番号として登録する、
付記1に記載された呼制御装置。
【0075】
(付記3)
前記第1の制御部は、
前記識別情報毎に優先度が設定された第1の優先度情報を保持し、
前記受信強度が前記閾値以上である前記無線情報が複数ある場合には、前記第1の優先度情報に基づいて選択された一の前記利用者の電話番号を前記メイン電話番号として登録する、
付記2に記載された呼制御装置。
【0076】
(付記4)
前記第1の制御部は、
前記識別情報に対応する電話番号が他の通信端末の電話番号として使用されている場合には、前記通信端末及び前記他の通信端末から通知されたそれぞれの前記受信強度に基づいて、前記通信端末及び前記他の通信端末のいずれか一方に電話番号を登録する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載された呼制御装置。
【0077】
(付記5)
前記第1の制御部は、
前記通信端末及び前記他の通信端末にそれぞれ優先度が設定された第2の優先度情報を保持し、
前記通信端末及び前記他の通信端末から通知されたそれぞれの前記受信強度がいずれも所定の範囲内にある場合には、前記第2の優先度情報に基づいて選択された一の通信端末にのみ電話番号を登録する、
付記4に記載された呼制御装置。
【0078】
(付記6)
利用者が携帯する発信器から無線信号を受信し、受信した前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を取得する無線インタフェースと、
前記受信強度の情報及び前記識別情報を無線情報として呼制御装置に送信する第2のインタフェースと、
前記無線情報に基づいて前記呼制御装置が生成した制御信号に基づいて自端末を制御する第2の制御部と、
を備える通信端末。
【0079】
(付記7)
前記第2の制御部は、前記無線インタフェースから取得した前記無線信号の受信強度の情報が属する段階を判定し、前記無線信号の受信強度の情報が属する前記段階を前記無線情報に含まれる前記受信強度として前記第2のインタフェースに送信させる、
付記6に記載された通信端末。
【0080】
(付記8)
前記段階は、「強」、「中」、「弱」の3段階である、付記7に記載された通信端末。
【0081】
(付記9)
利用者が携帯する発信器が送信した無線信号を通信端末が受信した際の前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を、無線情報として前記通信端末から受信し、
前記識別情報と前記利用者の電話番号との対応を示す利用者情報を保持し、前記利用者情報、前記受信強度の情報及び前記識別情報に基づいて前記通信端末で使用する電話番号を決定し、決定された前記電話番号を持つ端末として前記通信端末を制御する、
呼制御装置の制御方法。
【0082】
(付記10)
さらに、
前記受信強度が所定の閾値以上である前記無線情報に含まれる前記識別情報に対応する前記利用者の電話番号を前記利用者情報から選択し、
選択された前記利用者の電話番号を、前記通信端末の発信者情報として用いられるメイン電話番号として登録し、
前記利用者情報に含まれる前記利用者の電話番号のうち、前記メイン電話番号以外の電話番号を、他の通信端末から前記通信端末への発信に用いられるサブ電話番号として登録する、
付記9に記載された呼制御装置の制御方法。
【0083】
(付記11)
さらに、
前記識別情報毎に優先度が設定された第1の優先度情報を保持し、
前記受信強度が前記閾値以上である前記無線情報が複数ある場合には、前記第1の優先度情報に基づいて選択された一の前記利用者の電話番号を前記メイン電話番号として登録する、
付記10に記載された呼制御装置の制御方法。
【0084】
(付記12)
さらに、
前記識別情報に対応する電話番号が他の通信端末の電話番号として使用されている場合には、前記通信端末及び前記他の通信端末から通知されたそれぞれの前記受信強度に基づいて、前記通信端末及び前記他の通信端末のいずれか一方に電話番号を登録する、
付記9乃至11のいずれか1項に記載された呼制御装置の制御方法。
【0085】
(付記13)
さらに、
前記通信端末及び前記他の通信端末にそれぞれ優先度が設定された第2の優先度情報を保持し、
前記通信端末及び前記他の通信端末から通知されたそれぞれの前記受信強度がいずれも所定の範囲内にある場合には、前記第2の優先度情報に基づいて選択された一の通信端末にのみ電話番号を登録する、
付記12に記載された呼制御装置の制御方法。
【0086】
(付記14)
利用者が携帯する発信器から無線信号を受信し、受信した前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を取得し、
前記受信強度の情報及び前記識別情報を無線情報として呼制御装置に送信し、
前記無線情報に基づいて前記呼制御装置が生成した制御信号に基づいて自端末を制御する、
通信端末の制御方法。
【0087】
(付記15)
さらに、
取得した前記無線信号の受信強度の情報が属する段階を判定し、前記無線信号の受信強度の情報が属する前記段階を前記無線情報に含まれる前記受信強度として前記呼制御装置に送信する、
付記14に記載された通信端末の制御方法。
【0088】
(付記16)
前記段階は、「強」、「中」、「弱」の3段階である、付記15に記載された通信端末の制御方法。
【0089】
(付記17)
呼制御装置のコンピュータに、
利用者が携帯する発信器が送信した無線信号を通信端末が受信した際の前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を、無線情報として前記通信端末から受信する手順、
前記識別情報と前記利用者の電話番号との対応を示す利用者情報を保持し、前記利用者情報、前記受信強度の情報及び前記識別情報に基づいて前記通信端末で使用する電話番号を決定し、決定された前記電話番号を持つ端末として前記通信端末を制御する手順、
を実行させるための呼制御装置の制御プログラム。
【0090】
(付記18)
通信端末のコンピュータに、
利用者が携帯する発信器から無線信号を受信し、受信した前記無線信号の受信強度の情報及び前記無線信号に含まれる前記発信器毎に一意に定まる識別情報を取得する手順、
前記受信強度の情報及び前記識別情報を無線情報として呼制御装置に送信する手順、
前記無線情報に基づいて前記呼制御装置が生成した制御信号に基づいて自端末を制御する手順、
を実行させるための通信端末の制御プログラム。
【0091】
(付記19)
付記1乃至5のいずれか1項に記載された呼制御装置と、付記6乃至8のいずれか1項に記載された通信端末とが通信可能なように接続された、電話システム。
【0092】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る、さらにさまざまな変更をすることができる。また、図面に付された信号の向きを示す矢印は例であり、信号の種類や向きを限定しない。