特許第6525315号(P6525315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6525315
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】軌陸車の搬送用台車
(51)【国際特許分類】
   B61D 3/18 20060101AFI20190527BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   B61D3/18 A
   B61D15/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-130689(P2015-130689)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-13587(P2017-13587A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001890
【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】高木 真理
(72)【発明者】
【氏名】田代 貞明
(72)【発明者】
【氏名】富川 優司
(72)【発明者】
【氏名】大竹 由行
(72)【発明者】
【氏名】金谷 雄大
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−306794(JP,A)
【文献】 特開2001−10317(JP,A)
【文献】 米国特許第5620192(US,A)
【文献】 実開昭52−52213(JP,U)
【文献】 特開2006−137229(JP,A)
【文献】 特開2002−67937(JP,A)
【文献】 特開2000−85573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61C 1/00−17/12
B60D 1/00−15/12
B60G 1/00−11/18
B60J 1/00−99/00
B60K 1/00−13/04
B62B 1/00−5/08
B60P 3/00−9/00
B60F 1/00−5/02
B60S 3/00−13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な一対の軌道上を走行する軌陸車の鉄輪を載せて軌陸車を支持し、軌道上を走行可能な台車であって、
軌道上を転動可能な前後一対の車輪を備えた左右一対の台車本体と、左右一対の台車本体を分離可能に連結する前後一対の連結部材とを具備し、
前記台車本体は、架台と、この架台上に左右方向に水平に固定された前後一対の支持管と、これらの支持管にそれぞれ支持され前記鉄輪を前後位置で支持する一対の載せ受け部材とを具備し、
前記載せ受け部材は、前記支持管上に移動自在に配置され上面に鉄輪を載せ受ける支持ブロックと、中間部が前記支持管の周りに巻き付けられ両端が前記支持ブロックに係止されることによって支持ブロックを鉄輪の形状に応じて支持管上で位置変更可能に保持する弾性取付部材とを具備することを特徴とする軌陸車の搬送用台車。
【請求項2】
前記連結部材は、管状体で構成され、両端部において前記左右一対の台車本体上の前記支持管に抜き差し可能に挿通され、前記支持管の内側端に当接するフランジ部と、支持管の外側において直交方向に貫通し支持管を抜け止めする抜け止めピンとを具備することを特徴とする請求項1に記載の軌陸車の搬送用台車。
【請求項3】
前記架台は、両者間に前記車輪を軸支する左右平行一対の側板を具備し、
前記支持管は、前記一対の側板の上部に固着され、
前記支持ブロックは、前記一対の側板より上方において前記支持管上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の軌陸車の搬送用台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道線路の軌道上を走行する軌陸車が軌道上で脱線などにより走行不能に陥ったとき、この軌陸車を最寄りの退避場所まで非常搬送する際に、軌陸車の軌道走行車輪(以下「鉄輪」という。)を載せ受けて軌道上を走行する台車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般道路はタイヤ車輪で走行し、軌道上は鉄輪により走行することができる鉄道線路の保守用の軌陸車が、脱線等により、鉄輪での走行が不能となった場合には、これを他の車両の運行の支障にならない退避位置まで軌道上を移動させて速やかに撤去する必要がある。従来、前後いずれか一対の鉄輪のみが故障している軌陸車を移動させる際には、故障した鉄輪を専用の台車に載せ受け、この台車により、自力又は牽引等の方法で、最寄りの退避場所まで移動させている。台車は組み立て式で、常時は分解して軌陸車に搭載されている。特許文献1に記載の台車は、軌道上を走行する車輪付きの一対の本体と、これらの本体間を連結する連結部とを備えており、一対の本体上に軌陸車の左右の鉄輪をそれぞれ載せ受ける。この台車は、本体と連結部とに分解された状態で、軌陸車に常時格納可能とされる。本体の左右の側壁を連結するように、前後一対のブロックが設けられる。このブロック上に軌陸車の鉄輪を載せ受ける。前後一対のブロックは、両者間に鉄輪の円弧状の下部を安定して受け入れるように、その中間部に向かって互いに下方に傾斜した状態で側壁に固着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−306794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の軌陸車の搬送用台車においては、故障した鉄輪を載せ受ける前後一対のブロックが左右の側壁の間に固定されているため、脱線等の事故により鉄輪が変形していると、鉄輪を側壁間に収容不能になることがあり、また鉄輪とブロックの接触が不安定となり、移送中に鉄輪が台車から脱落する原因になるおそれがある。
そこで本発明は、軌陸車の故障した鉄輪に変形が生じていても、これに柔軟に対応して鉄輪を安定的に載せ受けて、安全に軌陸車を搬送することができる台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の軌陸車の搬送用台車1は、軌道R,R上を鉄輪Wにより走行する軌陸車の当該鉄輪Wを載せて軌陸車を支持し、軌道R上を移動可能に構成される。この台車1は、軌道R上を転動可能な前後一対の車輪5,5をそれぞれ備えた左右一対の台車本体2と、左右一対の台車本体2を分離可能に連結する連結部材3とを具備する。台車本体2は、架台4と、この架台4上に左右方向に水平に固定された前後一対の支持管8と、これらの支持管8にそれぞれ支持され鉄輪Wを前後位置で支持する一対の載せ受け部材6とを具備する。載せ受け部材6は、支持ブロック6aと、弾性取付部材6bとを具備する。支持ブロック6aは、支持管8上に移動自在に配置され、上面に鉄輪Wを載せ受ける。弾性取付部材6bは、中間部が支持管8の周りに巻き付けられ、両端が支持ブロック6aに係止される。これによって、支持ブロック6aは鉄輪Wの変形に応じて、支持管8上で位置変更可能に保持される。
連結部材3は、両端部において左右一対の台車本体2上の支持管8に抜き差し可能に挿通される管状体で構成し、両端部において支持管8の内側端に当接するフランジ部3aと、支持管8の外側において直交方向に貫通し支持管8を抜け止めする抜け止めピン10とを具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の搬送台車1によれば、軌陸車の鉄輪Wを支持する前後一対の載せ受け部材6の位置及び姿勢を変更できるので、脱線等により鉄輪Wが変形していても、鉄輪Wに対する支持ブロック6aの安定した接触状態を維持し、軌陸車を安全に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る軌陸車の搬送用台車の正面図である。
図2図1の軌陸車の搬送用台車の平面図である。
図3図1の軌陸車の搬送用台車の側面図である。
図4】架台の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1から図3において、台車1は、平行する一対の軌道R,R上にそれぞれ載置される左右一対の本体2,2と、これら本体2,2の前後部をそれぞれ連結する前後一対の連結部材である連結管3とを具備する。
【0009】
本体2は、架台4と、架台4に軸支される前後一対の車輪5と、架台4に取り付けられる載せ受け部材6とを備える。架台4は、左右一対の側板7,7と、これらの間を結合する前後一対の支持パイプ8と、支持パイプ8及び側板7に固着される腹板9とを具備する。支持パイプ8は、上部が側板7の上縁より上位に配置されるように、両側板7の上部間にこれと直交方向に水平に溶着される。腹板9は、側板7,7間の間隔を保持するように補強するもので、上開放の縦断面略コ字状で、横板部9aと、縦板部9bとを具備する。横板部9aの側縁は側板7の内側下縁に沿い、縦板部9bの側縁は側板7の内側を上方に垂直に上がって、それぞれ側板7に溶着される。縦板部9bの上縁部には支持パイプ8が溶着される。図4に示すように、縦板部9bの上縁部には支持パイプ8の下部との間に開口9cを形成する切欠部が設けられる。車輪5は、側板7の前後両端部間に支持された車軸5aに回転自在に支持され、軌道R上を転動可能である。車輪3には、鋼製外殻部の内側に絶縁性充実部を介して軸受けが設けられており、台車1がレールRと電気的に絶縁される。載せ受け部材6は、支持ブロック6aとコイルばね6bとを具備する。支持ブロック6aは、概略直方体形状で、支持パイプ8上の側板7の上縁より上位にあって、鉄輪Wの踏面W1を載せ受ける。弾性取付部材であるコイルばね6bは、開口9cを通して支持パイプ8に巻かれ両端部を支持ブロック6aの前後対向面にボルト,ナット6cで係止される。コイルばね6bは、ゴム弾性体に置換可能である。支持ブロック6aは、鉄輪Wの下部前後の外周に沿うように、傾斜状態で相対向して配置される。コイルばね6bの弾性により支持ブロック6aの配置は自由に調整できる。したがって、鉄輪Wが変形していても、支持ブロック6aを鉄輪Wの踏面W1に確実に当接させることができる。鉄輪Wは、側板7より上方に支持されるから、鉄輪が変形していても側板7と干渉することがない。
【0010】
連結管3は、鋼管材で形成され、両端部が、本体2の支持パイプ8をそれぞれ貫通し、抜け止めピン10で抜け止めされる。ピン10には、係止紐10aで先端のかしめピンがつながれている。連結管3は、支持パイプ8の内側端に当接するフランジ3aを両端部に備える。
【0011】
この実施形態に係る台車1は、一対の本体2,2と、一対の連結杆3,3とからなる4つの部品に分解された状態で、軌陸車にコンパクトに格納装備できる。軌陸車が、脱線事故等により、鉄輪により走行が不能になった場合、台車1を降ろして組み立て、軌陸車の下の軌道R上に配置する。
【0012】
次いで、軌陸車をジャッキ等により持ち上げ、台車1を軌陸車の下方の対応位置に配置する。支持ブロック6aの位置を調整しながら、軌陸車を降ろし、故障した鉄輪Wの踏面W1を支持ブロック6a上に載置する。支持ブロック6aの位置は、鉄輪Wの形状に合わせて自動調整される。台車1に故障した鉄輪Wを載置したら、軌陸車を台車1に支持させて、最寄りの退避場所まで移動させる。
【符号の説明】
【0013】
1 台車
2 台車本体
3 連結部材
3a フランジ
4 架台
5 車輪
6 載せ受け部材
6a 支持ブロック
6b コイルばね
7 側板
8 支持パイプ
9 腹板
9c 開口
10 抜け止めピン
R レール
W 鉄輪
W1 踏面
図1
図2
図3
図4