(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記スライド式接続を可能とするための、前記気管内チューブの前記カメラルーメン及び前記壁面のうちの何れか一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
さらに、前記通路内に据え置かれ前記通路の一端から伸びる伝達ルーメンを含み、前記伝達ルーメンは、患者の呼吸音及び心拍音を医療従事者に伝達するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本文書に提示する医療機器は、従来のラリンジアルマスクに改善をもたらすものであり、先行技術が示す上述の不利益を克服するものである。その他の特徴及び利点は、添付の明細書の記載を読み、図面を検討することをもって、明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の体腔に挿入するための医療機器は、
近位端及び遠位端を有する壁面、並びに前記近位端及び遠位端の間に延伸された通路から構成される、患者に挿管する際に使用するための気管内チューブと、前記気管内チューブを人工呼吸器に接続するための、前記壁面の近位端に設けられたコネクタと、前記壁面の遠位端に近接して取り付けられている膨張式カフ、及び前記壁面上で前記カフの近位側に施されたマークと、一端に密閉された窓を備え、前記壁面に取り付けられており、前記密閉窓は前記壁面の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0008】
一実施形態によれば、 前記マークは、前記膨張式カフよりも1インチだけ近位した位置に施される。
一実施形態によれば、 前記カメラルーメンはスライド可能な形で前記気管内チューブに結合される。
一実施形態によれば、 さらに、前記壁面上の、前記膨張式カフと前記壁面の間に設けられた小型の円筒チューブを含み、前記小型円筒チューブは通路が貫通しており、前記カメラルーメンを前記小型円筒チューブに前記通路を通じてスライド式に出し入れすることが可能である。
一実施形態によれば、 さらに、前記スライド式接続を可能とするための、前記気管内チューブの前記カメラルーメン及び前記壁面のうちの何れか一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部を含む。
一実施形態によれば、 前記気管内チューブは、二股の気管内チューブである。
一実施形態によれば、 さらに、前記通路内に据え置かれ前記通路の一端から伸びる伝達ルーメンを含み、前記伝達ルーメンは、患者の呼吸音及び心拍音を医療従事者に伝達するために使用される。
【0009】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の体腔に挿入する医療機器は、
近位端及び遠位端を備えた壁面、並びに前記近位端及び遠位端の間に延伸された通路から構成され、前記壁面の前記遠位端には、前記遠位端を貫通する一連の穿孔が設けられている、患者の体腔からの吸引に使用される吸引チューブと、一端に密閉された窓を備え、前記壁面に取り付けられており、前記密閉窓は前記壁面の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0010】
一実施形態によれば、 前記吸引チューブはそれ自体の全長にわたってカーブ状である。
一実施形態によれば、 さらに、前記吸引チューブの近位端に設けられたコネクタを含み、前記コネクタは2つのポートを備えている。
【0011】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の体腔に挿入する医療機器は、
近位端及び遠位端を備えた壁面、並びに前記近位端及び遠位端の間に延伸された通路から構成される、患者への挿管に使用される気管支鏡と、一端に密閉された窓を備え、前記壁面に取り付けられており、前記密閉窓は前記壁面の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0012】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の体腔に挿入する医療機器は、
近位端及び遠位端を備えた壁面、並びに前記近位端及び遠位端の間に延伸された通路から構成され、前記壁面には目盛りが施されている、或る気管内チューブから別の気管内チューブへと切り替えるために使用されるチューブチェンジャーと、一端に密閉された窓を備え、前記壁面に取り付けられており、前記密閉窓は前記壁面の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0013】
一実施形態によれば、 さらに、前記壁面の近位端に取り付けられたコネクタを含み、前記コネクタは人工呼吸器に接続可能である。
一実施形態によれば、 前記カメラルーメンはスライド可能な形で前記チューブチェンジャーに結合される。
【0014】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の体腔に挿入する医療機器は、
近位端及び遠位端を備えた壁面と、前記近位端及び遠位端の間に延伸された通路から構成される、患者の膣に挿入可能なチューブと、一端に密閉された窓を備え、前記壁面に取り付けられており、前記密閉窓は前記壁面の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0015】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の内膜の状態を確認する用途で患者の体腔に挿入する医療機器は、
気管内チューブを使用して患者に挿管するために使用される挿管チューブと、ここで、前記挿管チューブは、近位端及び遠位端を備えた本体、並びに前記本体に形成されており、近位端、遠位端、及び長さを有する、細長い形状の凹部から形成され、前記凹部は、全体的には前記本体の近位端から前記本体の遠位端まで延伸されており、前記挿管チューブに接続された、短手方向の断面が「C」型の形状をしており、細長いスロットを有するスリーブと、ここで、前記スリーブは、前記挿管チューブに対して回転可能であり、且つ、前記凹部の全長よりも短い全長を有し、一端に密閉された窓を備え、前記挿管チューブに取り付けられており、前記密閉窓は前記凹部の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0016】
一実施形態によれば、 さらに、前記凹部内に挿入される気管内チューブを含む。
一実施形態によれば、 前記本体は全体的には円錐状の先端を前記遠位端に備えており、前記先端は内部に重りを含んでいる。
一実施形態によれば、 前記凹部はそれ自体の全長にわたってカーブ状であるので、長手方向の断面で見ると前記凹部は全体的には弓状をしており、近位側にカーブ状の斜面を形成している。
【0017】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る挿管のために患者の喉頭蓋の位置を操作する目的で患者の口腔に挿入する医療機器は、
近位端及び遠位端を備えたハンドルと、前記ハンドルの一端から伸びるカーブ状の本体と、前記本体の近位端において、前記ハンドルから、一定の角度で伸びるフィンガーグリップハンドルと、ここで、前記フィンガーグリップは前記ハンドルに対して屈曲可能であり、前記本体の遠位端に設けられた、前記本体に対して屈曲可能である先端と、一端に密閉された窓を備え、前記本体に取り付けられており、前記密閉窓は前記本体に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0018】
一実施形態によれば、 さらに、前記先端と前記本体に適合する使い捨て式のスリーブを含み、前記スリーブは薄いプラスチック材料で作られていると共に、開口部で貫通されている。
【0019】
前記解決しようとする課題を解決するための本発明に係る患者の体腔に挿入する医療機器は、
近位端及び遠位端を備えた探針と、一端に密閉された窓を備え、前記探針に取り付けられており、前記密閉窓は前記探針の遠位端に近接している、カメラルーメンと、前記カメラルーメンに挿入可能且つ前記カメラルーメンから取り外し可能な、独立したカメラと、を含む。
【0020】
一実施形態によれば、請求項1、請求項8、請求項11、請求項12、請求項15、請求項16、請求項20、又は請求項22に記載の医療機器であって、前記医療機器はさらに伝送ルーメンを含み、カメラからの映像情報及び伝送ルーメンからの情報は、マイクロプロセッサに送信可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、患者の内膜を可視化しながら患者の体腔に挿入するための医療機器が提供される。当該医療機器は、気管内チューブ、吸引チューブ、気管支鏡、チューブチェンジャー、食道チューブ、挿管チューブ、他の挿管チューブと併用される食道チューブ、患者の喉頭蓋の位置を操作する機器、探針、又は患者の膣に挿入可能なチューブ、等の何れかである。当該医療機器は、一端に密閉された窓を備えたカメラルーメンと、カメラルーメンに挿入/取り出し可能な独立したカメラを備えている。当該カメラは、医療処置中に患者の内膜をモニターするために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施態様には様々な様式が存在し得るが、本開示があくまで本発明の原理の例証として見做されるべきものであり、本文書において説明・記述される内容に本発明を限定することを意図したものではないという理解を前提として、特定の実施態様を添付の図面において示し、本文書において詳述する。それ故、別段の記載がない限り、本文書に開示される特徴を組み合わせることで、本文書を簡潔にする目的から本文書において呈示しなかった、追加的な組み合わせを構成できよう。
【0025】
図1〜
図5Eは、患者22の内膜の状態を確認するために、及び、患者22に気管内チューブ24を挿管する手段を提供するために、患者22の咽喉に挿入されている医療機器220を示している。医療機器220は、相互に接続されている食道チューブ226と挿管チューブ228を含んでいる。本文書に記載の通り、食道チューブ226は患者22の呼吸音をモニターするために使用され、挿管チューブ228は気管内チューブ24を患者22に挿管するために使用される。
【0026】
食道チューブ226は、
図3に示されるように、カーブ状の端部234と端部236とを介して相互に接続された弓状の第1部230及び第2部232を備える、細長い管壁で形成されている。第1部230及び第2部232は、ミリメートル単位の距離で相互に離隔していることが望ましく、端部234及び端部236は、5mmの距離で相互に離隔していることが望ましい。ただし、食道チューブ226のサイズはこれより大きくても小さくてもよい。食道チューブ226の近位端は開口しており、近位端入口開口部238を備えている。
図4に示される通り、一般的には円錐状である端部240が管壁の遠位端に設けられており、遠位端部240は開口部242を備えている。中央通路244は、管壁及び円錐状の端部240の内壁に囲まれて全体を貫通している。開口部242は、中央通路244と連通している。食道チューブ226は、全長にわたってカーブ状である。食道チューブ226は、比較的硬質ではあるが柔軟なプラスチック材料で作られており、望ましくは押し出し成型により製造されている。
【0027】
患者22から医療従事者へ呼吸音及び心拍音を伝達するための伝達ルーメン(内腔管)68が提供される。伝達ルーメン68は、中央通路を備え、遠位端に複数の穿孔が開いた、小口径の柔軟なプラスチック管で形成されている。これらの穿孔は、薄ゲージのプラスチックキャップで覆われている。伝達ルーメン68は、食道チューブ226の中央通路244内に設置されており、開口部242から外部に延伸されている。伝達ルーメン68は、食道チューブ226内の任意の位置に設置されるか、摩擦嵌合により開口部242の位置で食道チューブ226に固着されるか、又はその他の方法で食道チューブ226に固着される。
【0028】
挿管チューブ228は、近位端入口開口部(医療従事者に最も近い端部)、遠位端出口開口部(医療機器220の使用中に医療従事者から最も遠い端部)、当該チューブ全体を貫通する中央通路248、及びスロット250[中央通路248と流体連通しており、挿管チューブ228の近位端(入口開口部)から遠位端(出口開口部)までにわたる]を備えた、小口径の円筒壁246で形成されている。挿管チューブ228は、全長にわたってカーブ状である。挿管チューブ228の直径は望ましくは4mmであるが、サイズは大きくても小さくてもよい。挿管チューブ228は、比較的硬質ではあるが柔軟なプラスチック材料で作られており、望ましくは押し出し成型により製造されている。
【0029】
小口径の柔軟なプラスチック管で形成されているカメラルーメン58が提供される。カメラルーメン58は、近位端と遠位端、及び当該ルーメンを貫通する中央通路を備えている。カメラルーメン58の遠位端は、中央通路の端部を閉鎖するようにカメラルーメン58に封着された透明な窓60を備えている。結果として、カメラルーメン58/窓60は気体/流体に対して不浸透性を有しており、液体などの物体のカメラルーメン58への浸入を防止する。カメラルーメン58の遠位端の管壁断面内において、窓60の対抗する両側に1対のLEDライトを設置してもよい。カメラルーメン内にLEDライトを設置する場合の配線は、カメラルーメン58に成形され、適切な電源との接続のために当該ルーメンの近位端から伸びる。非使い捨て式のカメラ66を、密閉されたカメラルーメン58/窓60の組み合わせの中に挿入し、そこから取り出すことは容易である。カメラルーメン58の中に互いに独立したLEDライトを設置する代わりに、カメラルーメン58への着脱(挿入と取り出し)が可能な単一の非使い捨て式の機器に、カメラ66及びLEDライト(又は、ライト内蔵式カメラなどのその他の光源)を組み込むことができる。
【0030】
挿管チューブ228は、超音波溶接などにより、食道チューブ226に第2壁部232に沿って固着されている。カメラルーメン58も、超音波溶接などにより、食道チューブ226に第2壁部232に沿って固着されており、挿管チューブ228に近接している。カメラルーメン58への着脱(挿入と取り出し)が可能な単一の機器として、カメラ66及びLEDライト(又は、ライト内蔵式カメラなどのその他の光源)を統合できる。カメラ66は、医療機器220が患者22の咽喉に挿入される際の患者22の組織を目視するうえで最良の角度を提供できるよう配置されている。結果として、挿管チューブ228及びカメラルーメン58は、隣り合わせに配置される。食道チューブ226の入口開口部、挿管チューブ228、及びカメラルーメン58は、一般的には互いに整列している。出口開口部は互いに整列していないが、その代わりに、挿管チューブ228の出口開口部及びカメラルーメン58は、食道チューブ226の出口開口部から近位方向に所定の距離だけ離隔して位置している。挿管チューブ228に設けられたスロット250は、挿管チューブ228と食道チューブ226との溶接点の反対の位置にあり、その結果として、以下に記載の通り患者22に気管内チューブ24を挿入する手段を提供する。
【0031】
使用にあたって、医療従事者は医療機器220を患者22の咽喉内に口腔を通して挿入する。食道チューブ226を、患者22の硬口蓋、そして軟口蓋に沿ってスライドし、咽頭内に挿入する。医療機器220は、患者22の咽喉に適合するようカーブ形状となる柔軟性を有している。医療機器220は、患者22の気道を閉塞しないので、患者22は自力呼吸が可能である。食道チューブ226の一般的には円錐状である端部240は、食道80の上端から進入するので、伝達ルーメン68は、食道80内において患者22の肺に最も近い場所に位置する。挿管チューブ228の遠位端出口開口部は、患者22の声門に対して開口している。この挿入手技の全体において、カメラ66は医療機器220が患者22に挿入される間の組織(tissues)を常に可視化する。カメラ66が患者への医療機器220の挿入中の組織を常に可視化することにより、医療従事者は医療機器220が患者22の咽喉内に適切に挿入及び配置されており患者22の外傷が抑制されると確信できる。カメラルーメン58は、食道チューブ226よりも近位側で終点となり、食道80には進入しないので、医療従事者はカメラ66を介して声帯82を視認できる。カメラ66は挿入手技中及び当該医療処置の全体にわたって常に作動しているので、医療従事者は患者22が呼吸していることを、声帯82が律動的に開閉していることにより常に視覚的に確認できる。患者22の喉頭口及び声帯82が常に視覚化されていることは、一例をあげれば、分泌物、腫瘍、声帯麻痺、無呼吸、出血、解剖学的異常や、患者22に対して有害であるその他の影響等の問題の早期診断を可能にする。
【0032】
医療機器220は、気管内チューブ24の挿入のために使用される。まず、当技術分野で周知であるところの探針252が挿管チューブ228に挿入され、当該探針の遠位端が望ましくは当該挿管チューブの遠位端を超えて伸びる。探針252は、食道チューブ226への溶接点に近接している、挿管チューブ228の壁面246の部分に沿って走っているので、スロット250を通じて落下する可能性は低い。その後、気管内チューブ24の遠位端に探針252の近位端を通す(挿管チューブ228の近位端から外部に延びる探針252の部分)。気管内チューブ24を探針252に沿って推し進めると、スロット250を通して探針252が動くことにより、挿管チューブ228から探針252が上方向に抜き出される。結果として、気管内チューブ24は、探針252及び挿管チューブ228により、適切な経路で導かれる。探針252の挿管チューブ228からの抜き取りが完了次第、カメラ66が提供する可視化映像の下で、気管内チューブ24を患者22の声帯82を通してさらに挿入することができる。医療従事者はそれ故、カメラ66が常に提供する可視化映像の下で、声帯82を通して気管内チューブ24を気管内へと導入し、気管内チューブ24のカフを膨張させることができる。声帯82を通じた気管内チューブ24の適切な軌道を維持するために、時には、医療機器220を前進、後退、又は左右に回転させてもよい。これは、カメラ66により組織が常に可視化されているからこそ、容易に実行可能である。
【0033】
医療機器220が患者22の咽喉内に据え置かれている間、伝達ルーメン68の遠位端は食道80内に位置しているので、本文書に記載の通り、患者22をモニターしている医療従事者に対して呼吸音と心拍音が伝達ルーメン68を介して容易に伝達されることが可能となる。
【0034】
医療機器220の構造上、医療機器220が患者22の体内にある際に、挿管チューブ228は患者22の喉頭蓋74から離隔して位置する。このことにより、喉頭蓋74が気管内チューブ24の挿入を阻害する可能性が最小化される。
【0035】
医療機器220の構造上、患者22は挿管を可能とするために仰向けに寝る必要はない。患者22は、椅子に座る又はうつ伏せに寝ることが可能である。
【0036】
カメラ66からの映像情報及び伝達ルーメン68からの情報は、マイクロプロセッサ182に有線、無線、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))などの適切な手段で伝達され、当該プロセッサはその後当該情報を、有線、無線、ブルートゥース(登録商標)などの適切な手段で別のコンピュータ、モバイル機器、モバイルステーションなどに送信できるので、結果としてその後、適切な職員が当該情報にアクセス可能となる。マイクロプロセッサ182は、当該手技の実施中、当該施設内に設置することもできるし、当該施設外に設置することもできる。例えば、当該情報はナースステーションに供給でき、勤務中の看護師は患者22が呼吸しているかどうかを、声帯の開閉を視覚的に確認すること、及び呼吸音と心拍音を聴くことにより、瞬時に知ることができるようになる。医療従事者は、声帯の律動的運動を視認することで麻酔深度を把握する他にも、その他の先述の診断を下すことができるようになる。その他の医療スタッフは、例え何百マイルも離れており患者22の近くに物理的にいなかったとしても、モニター、助言、確認、診断が可能である。カメラ66は常に作動しているので、医療スタッフは患者22が適切に換気/挿管され呼吸しているか否かをいつでも確認できる。
【0037】
図6〜
図11Bは、患者22の内膜の状態を確認するために、及び、患者22に気管内チューブ24を挿管する手段を提供するために、患者22の咽喉に挿入されている別の医療機器である医療機器320を示している。医療機器320は、相互に接続されている挿管チューブ326とスリーブ328を含んでいる。スリーブ328は、挿管チューブ326に対して回転可能である。
【0038】
挿管チューブ328は、遠位端に一般的には円錐状の先端332を備えた細長い円筒状の本体330で形成されている。挿管チューブ228は、柔軟なプラスチック材料から作られている。本体330は、細長い凹部334を含んでおり、一般的には当該凹部は本体330の近位端から本体330の遠位端までにわたる。凹部334は、その全長にわたってカーブ状であるので、
図8に示す通り断面で見ると一般的には弓状である。結果として、近位側のカーブ形状の斜面336は、凹部334により形成されると共に、遠位側に近接している本体330外面から、遠位方向に凹部334の頂点338までにわたることとなり、その一方で、遠位側のカーブ形状の斜面340は、凹部334により形成されると共に、遠位側に近接している本体330外面から近位方向に凹部334の頂点338までにわたることとなる。本体330の遠位端に直径の大きい円筒状の柄342が設けられている。先端332を医療機器320のその他の部分よりも重くするため、先端332の内部には重りが設けられている。先述の実施態様である医療機器220の場合と同様に、カメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。カメラルーメン58は望ましくは凹部334の近傍に位置し、カメラルーメン58の遠位端は凹部334の遠位端に近接している。カメラルーメン58は、超音波溶接等の適切な手段により、挿管チューブ326に適切に取り付けられている。別の方法として、カメラルーメン58は、挿管チューブ326に一体化できる。
【0039】
スリーブ328は、その断面が全体としてアルファベットのCの形をした壁344で形成されており、当該スリーブにより、C型の壁344の両端の間のギャップとしてスロット346が決定される。スリーブ328は、柔軟なプラスチック材料から作られている。スリーブ328は、全長が凹部334の全長よりも短く、本体330の一部分を包囲すると共に、本体330に対して回転可能であるので凹部334の大半を覆うか、又は、露出できる。
【0040】
使用にあたって、スリーブ328は、凹部334を部分的に塞ぐよう本体330に対して回転される。凹部334の近位端と遠位端は、スリーブ328により塞がれないので、近位端開口部348及び遠位端開口部350が
図6の通り形成される。その後、患者22が医療機器320を飲み込むか、医療従事者が医療機器320を患者22の口腔を通して咽喉内に挿入する。この挿入手技中、凹部334は患者22の舌76に近接している。挿管チューブ326を、患者22の硬口蓋、そして軟口蓋に沿ってスライドし、咽頭内に挿入する。医療機器320は、患者22の咽喉に適合するようカーブ形状となる柔軟性を有している。医療機器320は、患者22の気道を閉塞しないので、患者22は自力呼吸が可能である。挿管チューブの一般的には円錐状の先端332は、食道80の上端に進入する。近位端開口部348は、患者22の口腔外に位置する。遠位端開口部350は、患者22の声門に対して開口している。この挿入手技の全体において、カメラ66は患者22の組織を常に可視化する。カメラ66による可視化が常に得られているので、医療従事者は医療機器320が患者22の咽喉内に適切に挿入及び配置されており患者22の外傷が抑制されると確信できる。カメラルーメン58は、挿管チューブ326よりも近位側で終点となり、食道80には進入しないので、医療従事者はカメラ66を介して声帯82を視認できる。カメラ66は挿入手技中及び当該医療処置の全体にわたって常に作動しているので、医療従事者は患者22が呼吸していることを、常に視覚的に確認できる。患者22の喉頭口及び声帯82が常に視覚化されていることは、一例をあげれば、分泌物、腫瘍、声帯麻痺、無呼吸、出血、解剖学的異常や、患者22に対して有害であるその他の影響等の問題の早期診断を可能にする。
【0041】
医療機器320はその後、気管内チューブ24の挿入のために使用される。気管内チューブ24の遠位端は、近位端開口部348に挿入され、凹部334の全長に沿って、気管内チューブ24の遠位端及びカフが遠位端開口部350から出て患者22の声帯を通り過ぎるまで、押し込まれる。凹部334の遠位端の斜面340は、患者22の声門に対して気管内チューブ24を適切に配置するために役立つ。カメラ66は、気管内チューブ24の位置を確認するために使用され、医療従事者は、声帯82を通じた患者22の気管への気管内チューブ24の適切な進入を確保するために、カメラ66により常に得られている可視化を活用し、医療機器320の位置を調整できる。声帯82を通じた気管内チューブ24の適切な軌道を維持するために、時には、医療機器320を前進、後退、又は左右に回転させてもよい。これは、カメラ66により組織が常に可視化されているからこそ、容易に実行可能である。気管内チューブ24が適切に配置され次第、スリーブ328は挿管チューブ326に対して回転させられ、気管内チューブ24は挿管チューブ326から解放される。その後、望ましい場合には医療機器320は患者22から除去できる。
【0042】
先述の医療機器220の伝達ルーメンのような伝達ルーメン(図示していない)を提供し、挿管チューブ326に取り付けてもよい。もし伝達ルーメンを使用する場合、医療機器320が患者22の咽喉内に据え置かれている間、伝達ルーメンの遠位端は食道80内に位置しているので、本文書に記載の通り、患者22をモニターしている医療従事者に対して呼吸音と心拍音が伝達ルーメンの全長に沿って容易に伝達されることが可能となる。
【0043】
医療機器320の構造上、医療機器320が患者22の体内にある際に、挿管チューブ326は患者22の喉頭蓋74から離れて位置する。このことにより、喉頭蓋74が気管内チューブ24の挿入を阻害する可能性が最小化される。
【0044】
医療機器320の構造上、患者22は挿管を可能とするために仰向けに寝る必要はない。患者22は、椅子に座る又はうつ伏せに寝ることが可能である。医療機器220及び医療機器320は、患者22の食道80内へと医療機器220及び医療機器320を設置し気管に沿って上方向に作動させるという、患者22に対する新規の挿管手法を提供するものである。
【0045】
上述の医療機器220の場合と同様に、カメラ66からの映像情報及び伝達ルーメンからの情報は、マイクロプロセッサ182に有線、無線、ブルートゥース(登録商標)などの適切な手段で伝達され、当該プロセッサはその後当該情報を、有線、無線、ブルートゥース(登録商標)などの適切な手段で別のコンピュータ、モバイル機器、モバイルステーションなどに送信できるので、結果としてその後、適切な職員が当該情報にアクセス可能となる。マイクロプロセッサ182は、当該手技の実施中、当該施設内に設置することもできるし、当該施設外に設置することもできる。例えば、当該情報はナースステーションに供給することができ、勤務中の看護師は患者22が呼吸しているかどうかを、声帯の開閉を視覚的に確認すること、及び呼吸音と心拍音を聴くことにより、瞬時に知ることができるようになる。医療従事者は、声帯82の律動的運動を視認することで麻酔深度を把握する他に、その他の上述の診断を下すことができるようになる。その他の医療スタッフは、例え何百マイルも離れており患者22の近くに物理的にいなかったとしても、モニター、助言、確認、診断が可能である。カメラ66は常に作動しているので、医療スタッフは患者22が適切に換気/挿管され呼吸しているか否かを何時でも確認できる。
【0046】
別の方法として、気管内チューブ24は患者22への医療機器320の挿入前に凹部334の内部に据え置くこともできる。気管内チューブ24の遠位部分は、望ましくは、気管内チューブ24のカフの損傷を防止するために、医療機器320が最初に挿入される際にスリーブ328と本体330の間に捕捉される。
【0047】
図12は、カメラルーメン58/窓60が取り付けられた気管内チューブ24を含む医療機器420を示している。先述の実施態様である医療機器220及び医療機器320の場合と同様に、カメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。
【0048】
当技術分野で周知のように、気管内チューブ24は、比較的硬質ではあるが柔軟なプラスチック材料で作られている上、望ましくは押し出し成型により製造されており、且つ中央通路(図示せず)が貫通している円筒状の壁面24aを含んでいると共に、小径の柔軟なプラスチックチューブで形成されている膨張ライン44を介して膨張可能なカフ24bが、壁面24aの遠位端に近接して取り付けられている。気管内チューブの円筒状の壁面24aの近位端には、気管内チューブ24を周知の方法で人工呼吸器に接続するためのコネクタ24cが備わっている。先行技術である気管内チューブ24は、本実施例では、望ましくはカフ24b方向に1インチ近接した位置にマーク426が施されているという点で変更されている。
【0049】
カメラルーメン58は、壁面24aの全長に沿って伸びており、カメラルーメン58の遠位端はマーク426に近接している。カメラルーメン58は、超音波溶接のような適切な手段により、壁面24aに適切に取り付けられている。別の方法として、カメラルーメン58は、壁面24aに一体化される。
【0050】
使用にあたって、医療従事者は口腔を通じて医療機器420を患者22の咽頭に挿入する。その後、気管内チューブ24は声帯を通過し患者22の気管に進入する。医療機器420は、患者22の咽喉に適合するようカーブ形状となる柔軟性を有している。この挿入手技の全体において、カメラ66は医療機器420が患者22に挿入される間の組織を常に可視化する。カメラ66が患者への医療機器420の挿入中の組織を常に可視化することにより、医療従事者は医療機器420が患者22の咽喉内に適切に挿入及び配置されており患者22の外傷が抑制されると確信できる。医療従事者は、声帯を通じた患者22の気管への気管内チューブ24の適切な進入を確保するために、カメラ66により常に得られている可視化を活用し、医療機器420の位置を調整できる。声帯を通じた気管内チューブ24の適切な軌道を維持するために、時には、医療機器420を前進、後退、又は左右に回転させてもよい。これは、カメラ66により組織が常に可視化されているからこそ、容易に実行可能である。
【0051】
マーク426の遠位側にある気管内チューブ24の部分は声帯を通過するが、カメラルーメン58は声帯を通過しない。それ故、気管内チューブ24が適切に配置されたかを確認することを目的として、カメラ66は、声帯を常に可視化するため、そして声帯の遠位側にある気管内チューブ24の部分を視認するため(声帯開放時)に、使用される。カメラルーメン58が声帯を通過しないので、声帯を通過する物体の寸法が小さくて済むこととなる。カメラ66は挿入手技中及び当該医療処置の全体にわたって常に作動しているので、医療従事者は患者22が呼吸していることを、常に視覚的に確認できる。患者22の喉頭口及び声帯が常に視覚化されていることは、一例をあげれば、分泌物、腫瘍、声帯麻痺、無呼吸、出血、解剖学的異常や、患者22に対して有害であるその他の影響等の問題の早期診断を可能にする。
【0052】
先述の医療機器220及び医療機器320の伝達ルーメンと同様の伝達ルーメン(図示せず)を提供し、気管内チューブ24に取り付けてもよい。もし伝達ルーメンを使用する場合、医療機器420が患者22の咽喉内に据え置かれている間、伝達ルーメンの遠位端は食道に近接しているため、患者22をモニターしている医療従事者に対して呼吸音と心拍音が伝達ルーメンを通じて容易に伝達されることが可能となる。
【0053】
図13〜15は、
図12に示されている医療機器の変更版である医療機器420’を示しており、当該医療機器は、変更版の気管内チューブ24’及び変更版のカメラルーメン58’を含んでいる。カメラルーメン58’は、壁面24aに対してカメラルーメン58’をスライド可能とする手段により、壁面24aに取り付けられている。図示されているとおり、ダブテール継手428は、カメラルーメン58及び壁面24aの中の一方に設けられた凸部‘舌’とその中の他方に設けられた凹部‘溝’からなり、カメラルーメン58を壁面24aに組み付けている。小型円筒チューブ430は、超音波溶接のような適切な手段で壁面24aに取り付けられており、カフ24bと壁面24aとの間に設けられている。通路432は、小型円筒チューブ430により与えられる。小型円筒チューブ430の遠位端は、窓で密閉されている。小型円筒チューブ430は、壁面24b上のダブテール継手428の部分を形成している構造の端部に位置している。カメラルーメン58’の近位端には、柄434が取り付けられており、以下に記載の通りカメラルーメン58’の遠位端の位置を操作するために医療従事者がカメラルーメン58’を把握することを可能としている。
【0054】
使用にあたって、カメラ66が内側に備え付けられているカメラルーメン58をダブテール継手428の相互係合を介して壁面24aに沿ってスライドさせるため、そしてカメラルーメン58/カメラ66の遠位端を小型円筒チューブ430を通じてスライドさせるため、医療従事者は柄434を握ることができる。こうすることにより、医療従事者は、患者22の声帯の何れの側であっても患者の組織を常に視認することができる。
【0055】
伝達ルーメン68は、気管内チューブ24’の、望ましくはカメラルーメン58’が位置している側と反対の壁面24aに取り付けられている。医療機器420が患者22の咽喉内に据え置かれている間、伝達ルーメン68の遠位端は食道に近接しているため、患者22をモニターしている医療従事者に対して呼吸音と心拍音が伝達ルーメン68を通じて容易に伝達されることが可能となる。
【0056】
医療機器420及び医療機器420’の実施態様では、カメラルーメン58、及びカメラルーメン58’/窓60は、別の方法として、気管内チューブ24、24’の内部の、気管内チューブ24、24’の内部表面上に施されたマーク426の位置に備え付けられることができる。
【0057】
図16〜
図17Bは、以下に記載の通り、密閉されたカメラルーメン58/窓60及び当該ルーメンに挿入/取り出し可能な独立したカメラ66が組み込まれた、二股の気管内チューブ524を含む医療機器520を示している。先述の実施態様である医療機器220、医療機器320、医療機器420、及び医療機器420’の場合と同様に、カメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。二股の気管内チューブ524は、外科的な目的で左気管支526と右気管支528を互いから分離するために使用される他、患者22の気管内に通常の方法で据え置かれる通常の気管内チューブとしても使用できる。先行技術では、左気管支526と右気管支528の相互の分離は、通常は2本のルーメンを用いて実現されていたので、扱いが煩雑となる傾向があった。
【0058】
気管内チューブ524を形成している主円筒壁530は、近位端(使用中に医療従事者に最も近い端部)、遠位端(使用中に医療従事者から最も遠い端部)、主壁530の遠位端から延びる第1分岐円筒壁532、及び主壁530の遠位端から延びる第2分岐円筒壁534を備えている。第1分岐壁532及び第2分岐壁534は、寸法的に主壁530よりも小さいが、第1分岐壁532と第2分岐壁534を組み合わせた場合の寸法は、主壁530の寸法とほぼ等しくなる。結果として、気管内チューブ524は、近位端に1つの入口ポートと、遠位端に第1出口ポートと第2出口ポートを備えている。中央通路は、主要壁530を通じて延びており、分岐通路は第1分岐壁532及び第2分岐壁534を通じて延びているが、これらの通路は何れも、主壁530内を通じて中央通路と連通している。第2分岐壁534の遠位端は、第1ポート536を形成している第1分岐壁532の、遠位端の近位側で終点となる第2ポート538を備えている。第2ポート538は、第1ポート536に対して角度が付けられている。
【0059】
気管内チューブ524の近位端は、キャップ538で閉塞されている。キャップ538は、周知の方法にてプラグ542による閉塞が可能な第1開口部540と、主壁530の中心線に対して直角に伸びる延長部544を通じて設けられた第2開口部542を備えている。医療機器520に陽圧を供給するため、周知の方法にて延長部544に人工呼吸器が取り付けられる。
【0060】
第1膨張式カフ548は、分岐壁532及び分岐壁534から離隔した位置で、主要壁530を包囲している。第1膨張ライン550と当該ラインに対応した第1パイロット552が、膨張式カフ548に取り付けられている。第2膨張式カフ554は、遠位端ポート536から離れた位置で、第1分岐壁530を包囲している。第2膨張ライン554と当該ラインに対応した第2パイロット556が、第2膨張式カフ554に取り付けられている。第3膨張式カフ558(理解を容易にするため、図中では実線で示してある)は、第1分岐壁532の内部の、遠位端ポート536から離隔した場所に位置している。第3膨張ライン560及びそれに対応する第3パイロット562は、第3膨張式カフ558に取り付けられている。カメラルーメン58/窓60は、開口部540のキャップ538を通じ、さらに主壁530の中央通路を通じた後で、第2分岐壁534を通じて第2分岐通路に通じるが、望ましくは、第2ポート538で又は当該ポートに近接した位置で終点となる。キャップ538及びルーメン58は、カメラルーメン58がキャップ538から離脱することを防止するために、摩擦嵌合を形成する。カメラ66はその後、カメラルーメン58に挿入される。
【0061】
医療従事者は、医療機器520と、非膨張状態の第1カフ548、第2カフ554、及び第3カフ558の全てを、口腔を通じて患者22の咽喉内に挿入する。医療機器520の内部に備え付けられたカメラ66は、この挿入手技中の患者22の組織を常に可視化する。
【0062】
医療機器520は、以下の3つのうち何れかの位置にて患者22の体内に留め置くことができる。第一の位置では、
図17Aに示す通り、医療機器520は、主要壁530と第2分岐壁534が患者22の気管内の声帯82の先に位置し、第1分岐壁532が患者22の左主気管支526内に位置するよう、留め置く。第二の位置では、医療機器520は、主要壁530と第2分岐壁534が患者22の気管内の声帯82の先に位置し、第1分岐壁532が患者22の右主気管支内に位置するよう、留め置く(図示していない)。第三の位置では、
図17Bに示す通り、医療機器520は、主要壁530及び第1分岐壁532と第2分岐壁534の双方が、患者22の気管内の声帯82の先、ただし竜骨84よりも前に位置するよう、留め置く。
【0063】
使用にあたって、医療従事者は、医療機器520を患者22に挿入する。カメラ66は、この挿入手技中、医療機器520の位置を常に可視化するために使用される。手術目的では、医療機器520は、主要壁530及び第2分岐壁534が患者22の気管内に据え置かれ、第1分岐壁532が患者22の気管支の何れか一方に据え置かれるよう、配置される(該当する図の左側に示す)。カメラ66が患者22の気管内に位置しているので、患者22の竜骨84は常に視認範囲内にあり、医療従事者は、第1分岐壁532が患者22の気管内に位置していることを知ることができるようになる。適切に配置され次第、第1(外部)カフ548及び第2(外部)カフ554は、医療機器520を留め置くために膨張させられる。第1カフ548は、患者22の気管に取り付き、第2カフ554は患者22の気管支に取り付く。カメラ66は、第2カフ554が気管支内で膨張したことを視覚的に確認可能とする。外科医が肺の手術を行おうとする場合、医療従事者は両側の肺を収縮させるために延長部544に設けた第2開口部542から人工呼吸器を取り外す。その後、第3(内部)カフ558を膨張させることで、第1分岐壁532が据え置かれている気管支に対する、第1分岐壁532を通じた通気を遮断する。その後、手術対象とならない方の肺が機能するよう、換気を再開する。医療処置が完了次第、第1カフ548、第2カフ554、第3カフ558の全てを収縮させ、気管から第1分岐壁532を取り除くために医療機器520を近位方向に引く。結果として、主壁530及び第1分岐壁532と第2分岐壁534の双方は、気管内に据え置かれる。繰り返しになるが、竜骨84が視認可能であるので、気管内の医療機器520の位置はカメラ66により視覚的に確認可能である。
【0064】
医療機器520が気管内に完全に配置され次第、遠位側に位置する第1カフ554及び遠位側に位置する第2カフ558への第2膨張ライン554及び第3膨張ライン560に対応する第2パイロット556及び第3パイロット560が、当該カフの膨張を防止するため、
図17Bに示す通り切断される。その後、第1カフ548が再膨張させられ、医療機器520は通常の気管内チューブとして機能する。医療機器520は、医療従事者が声帯82の上下の組織を視認できるようにするため、
図12〜15に示す通り、カメラルーメンを含むよう変更することもできる。
【0065】
本構造は、先行技術であるルーメンを2つ備えた気管内チューブに対して、明確な利点を提示している。先行技術である2ルーメン式気管内チューブは、本発明の医療機器520よりも幅がかなり大きいため、患者に過度の危害を加える可能性がある。
【0066】
図18〜
図19Cは、カメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66を備えた、変更を加えられた気管支鏡である医療機器620を示している。先述の実施態様である医療機器220及び医療機器320のように、カメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。
【0067】
先行技術では、気管支鏡には光ファイバー線が使用され、当該ファイバー線の近位端に設けられた機構で位置調整が可能である。当技術分野で周知のとおり、当該機構のハンドルは、光ファイバー線を左右にカーブさせるために切り替え可能式になっている。先行技術の気管支鏡は、光ファイバー線を内蔵するため高額であり、もしも当該ファイバー線が損傷した場合、気管支鏡全体を交換しなくてはならない。
【0068】
医療機器620は、先行技術の光ファイバー線を、柔軟であるが硬質性を維持している、細長いプラスチック線626で置き換える。プラスチック線626の位置は、先行技術の気管支鏡で周知であるものと同様の機構628により、ハンドル630を切り替えることで、左右に(
図19B及び
図19Cに示す)カーブするよう操作できる。
【0069】
医療機器620は、カメラルーメン58/窓60を備えており、プラスチック線626とカメラルーメン58が、互いに隣り合わせになるように超音波溶接等の適切な手段で細長いプラスチック線626に固着されている。プラスチック線626の遠位端とカメラルーメン58は、望ましくは同じ位置で終点となる。その他の実施態様に関して本文書に記載の通り、カメラ66は、望ましくは密閉されたカメラルーメン58の内部に取り外し可能な形で留め置かれている。
【0070】
使用にあたって、医療従事者はプラスチック線626/カメラルーメン58を、当該ルーメン内部に備え付けられたカメラ66と共に、患者22の体内に挿入し、当該カメラを先行技術の気管支鏡のように使用する。カメラ66は、患者22の組織を常に可視化する。
【0071】
医療機器620は、本文書で開示されている通り、医療機器420、医療機器420’、及び医療機器520の内部のカメラルーメン58の代用として、使用できる。医療機器620は、医療機器420、医療機器420’、及び医療機器520を患者22の体内に留め置くために使用できる。
【0072】
図20は、肺や胸腔などの患者22の体腔から液体/空気を排出する吸引手段を提供するための医療機器720を示している。医療機器720は、当技術分野で周知である円筒状の吸引チューブ726を含んでおり、当該チューブはカメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66に取り付けられている。先述の実施態様である医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、及び医療機器620のように、カメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。
【0073】
吸引チューブ726は、近位端入口開口部(医療従事者に最も近い端部)、遠位端出口開口部(使用中に医療従事者から最も遠い端部)、及び当該チューブを貫通する中央通路を備えている。吸引チューブ726は、全長にわたってカーブ状である。吸引チューブ726の遠位端には、一連の穿孔728が開いている。吸引チューブ726は、比較的硬質ではあるが柔軟なプラスチック材料で作られており、望ましくは押し出し成型により製造されている。吸引チューブ726の近位端には、当技術分野で周知のように、コネクタ730が取り付けられている。コネクタ730は、互いに垂直であるポート732とポート734を備えている。当技術分野で周知のように、ポート732は吸引機器(図示していない)に取り付けられており、ポート732のリブ736が、吸引機器を取り付けた位置に保持することに寄与している。吸引機器を起動させると、空気が開放状態のポート734から取り込まれる。医療従事者は、親指その他によりポート734を閉塞することで、吸引チューブ726に穿孔728を通じて遠位端から液体を吸引させる。
【0074】
カメラルーメン58は、吸引チューブ726とカメラルーメン58が隣り合わせになるように、超音波溶接などで吸引チューブ726に固着されている。吸引チューブ726の遠位端とカメラルーメン58は、望ましくは同じ位置で終点となる。その他の実施態様に関して本文書に記載の通り、カメラ66は、望ましくは密閉されたカメラルーメン58の内部に取り外し可能な形で留め置かれている。
【0075】
使用にあたって、医療従事者は、気管内チューブ24か排出ライン(図示していない)を通じて、又は患者の体腔に直接的に、医療機器720を挿入する。カメラ66が患者22への医療機器720の挿入及び使用中の組織を常に可視化することにより、医療従事者は、医療機器720が患者22の咽喉内に適切に配置されており、患者22の外傷が抑制されると確信できる。患者22の組織が常に視覚化されていることは、一例をあげれば、分泌物、腫瘍、声帯麻痺、無呼吸、出血、解剖学的異常や、患者22に対して有害であるその他の影響等の問題の早期診断を可能にする。
【0076】
医療機器720は、本文書で開示されているその他の医療機器のうちの多くと併用できる。
【0077】
図21は、当技術分野で周知であるところの探針826を備えた医療機器820を示しており、当該探針はカメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66に取り付けられている。先述の実施態様である医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、及び医療機器720のように、カメラルーメン58/窓60、及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。
【0078】
カメラルーメン58には、探針826とカメラルーメン58が隣り合わせになるよう、超音波溶接又はカメラルーメン58と探針826の間のダブテール継手のような適切な手段で、探針826が取り付けられている。探針826の遠位端とカメラルーメン58は、望ましくは同じ位置で終点となる。その他の実施態様に関して本文書に記載の通り、患者22への挿入手技中の探針826の経路を常に視覚化するため、カメラ66は、望ましくは密閉されたカメラルーメン58の内部に取り外し可能な形で留め置かれている。
【0079】
図22は、当技術分野で周知であるところのチューブチェンジャー926を備えた医療機器920を示しており、当該チェンジャーはカメラルーメン58/窓60及び独立したカメラ66に取り付けられている。先述の実施態様である医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、及び医療機器820のように、カメラルーメン58/窓60、及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。
【0080】
当技術分野で周知のように、チューブチェンジャーは、ある気管内チューブから別の気管内チューブへと切り替えるために使用される。チューブチェンジャー926は、細長く、比較的硬質ではあるが柔軟なプラスチック材料で作られており、望ましくは押し出し成型により製造されている。チューブチェンジャー926は、近位端、遠位端、及び当該チェンジャーを貫通する中央通路を備えている。チューブチェンジャー926の近位端は、人工呼吸器に接続可能なコネクタ930により蓋がされている。
【0081】
カメラルーメン58は、チューブチェンジャー926とカメラルーメン58が隣り合わせになるよう、超音波溶接又はカメラルーメン58とチューブチェンジャー926の間のダブテール継手のような適切な手段で、チューブチェンジャー926に取り付けられている。チューブチェンジャー926の遠位端とカメラルーメン58は、望ましくは同じ位置で終点となる。その他の実施態様に関して本文書に記載の通り、患者22への挿入手技中のチューブチェンジャー926の経路を常に視覚化するために、カメラ66は、望ましくは密閉されたカメラルーメン58の内部に取り外し可能な形で留め置かれている。
【0082】
使用にあたって、医療従事者は、取り除くべき気管内チューブを通じて医療機器920を供給し、医療機器920は、医療機器920の遠位端が患者22の竜骨84に近接するまで供給される。医療従事者は、カメラ66が気管内チューブの傍を通過するので、気管内チューブの遠位端を視認できる。医療従事者は、医療機器920の遠位端が竜骨84に近接するタイミングを確認するために、カメラ66を使用して常に組織を可視化する。コネクタ930が医療機器920から取り除かれた後、気管内チューブは患者22から取り除かれる。必要であれば、コネクタ930をチューブチェンジャー926に取り付け、人工呼吸器をコネクタ930に取り付けることにより、医療機器920を介して患者22に換気を施すことができる。新規の気管内チューブを挿入するために、コネクタ930はチューブチェンジャー926から取り除かれる。新規の気管内チューブ(
図13〜
図17Eに示されている気管内チューブの何れでもよい)は、医療機器920上を走って患者22の気管内へと供給される。医療機器920はその後、近位方向に引かれる。新規の気管内チューブの遠位端がカメラ66を使用して視認され次第、医療従事者は、当該チューブが気管内で声門から遠すぎる位置まで挿入されていないことを確認するために、竜骨84も視認可能でなくてはならない(気管内チューブが深すぎる位置にある場合には、当該チューブは竜骨84に隣接しているか、患者22のどちらかの気管支の内部に配置されている)。必要であればこの時点で、適切な配置のためにカメラ66を使用して、新規の気管内チューブの位置を再調整することができる。新規の気管内チューブが適切に配置され次第、医療機器920は当該チューブから取り除かれる。カメラ66は、上記で説明した通り、カメラルーメン58から取り外し、新規の気管内チューブの内部に取り付けることができる。
【0083】
チューブチェンジャー926には、当該チェンジャー上の両端の間に目盛り線が施されていてもよく、当該目盛り線は、周知のセルジンガー法に従い新規の気管内チューブの位置を二重確認するために使用できる。カメラ66が気管内チューブの正確な配置の視覚的な確認を可能とするので、目盛り線932は必須ではない。
【0084】
図23及び
図24は、挿管目的で患者22の喉頭蓋74の位置を操作するために使用される医療機器1020を示しており、当該機器は、Verathon Medical (Canada) ULC社が所有しているGLIDESCOPE(登録商標)という商標で広く販売されている医療機器に類似している。医療機器1020は、ハンドル1026、及びハンドル1026の一端から伸びるカーブ状の本体1028を備えている。ハンドル1026は、当該ハンドルから45度の角度で伸びるフィンガーグリップハンドル1030を備えている。フィンガーグリップハンドル1030は、ハンドル1026に対して屈曲させることができる。先端1032は、本体1028の反対側の端部に設けられており、本体1028に対して屈曲させることができる。当技術分野で周知であるところの機構(図示していない)が、医療機器1020に埋め込まれており、フィンガーグリップ1030を先端1032に接続している。医療機器1020を医療従事者が保持している間、ハンドル1026は医療従事者の掌に据え置かれ、医療従事者の指がフィンガーグリップハンドル1030を包み込むこととなる。医療従事者が指に握力を込めると、フィンガーグリップハンドル1030がハンドル1026に向かって動くことにより、内部の機構が先端1032をハンドル1026に向かって動かす。これは、先行技術において周知である。
【0085】
先行技術である医療機器1020は、本発明では2つの点で変更されている。第一に、一体型カメラルーメン58/窓60及びLEDライト62が設けられている。一体型カメラルーメン58は、本体1028の一部に沿って伸びている。窓60は、カメラルーメン58への液体などの物体の浸入を防止するために、カメラルーメン58に密着されている。カメラルーメン58は、本体1028の中央付近で終点となる。第二に、先端1032及び本体1028の形状に適合する使い捨てスリーブ1034が設けられている。スリーブ1034は、薄いプラスチック材料で作られている。スリーブ1034は、カメラ66の視界の遮蔽物を除去するための、そしてライト62が遮蔽されることなく当該スリーブを通して対象を照らせるようにするための、当該スリーブを貫通する開口部1036及び開口部1038を備えている。ライト62は、本体1028ではなくスリーブ1034に組み込むことができる。
【0086】
使用にあたって、カメラ66はカメラルーメン58に挿入され、スリーブ1034は先端1032及び本体1028を覆う。スリーブ1034内の開口部1036及び開口部1038は、窓60及びライト62に整合している。使用にあたって、医療従事者は医療機器1020を患者22の口腔に挿入し、先端1032が蓋谷(vallecula)110に進入する。本体1028は、一般的には患者の舌76の形状に酷似している。スリーブ1034は、患者の組織及び分泌物が医療機器1020の他の部分に接触することを防止する。ハンドル1026は医療従事者の掌に据え置かれ、医療従事者の指がフィンガーグリップハンドル1030を包み込むこととなる。患者22の口腔内への先端1032の進入は、据え置かれているカメラルーメン58内のカメラ66により常に可視化される。先端1032が蓋谷110の内部に適切に配置され次第、医療従事者の指に握力が込められ、フィンガーグリップハンドル1030がハンドル1026に向かって動く。これにより、本体1028の内部機構が、先端1032をハンドル1026に向かって動かす。先端1032は、患者の舌76に取り付き、舌76を患者22の口腔外に向かって近位方向に引く。結果として、喉頭蓋74も近位方向に引かれ、患者22の気道をさらに開放することとなる。
【0087】
本文書に記載の通り、喉頭蓋74が近位方向に引かれている状態で、医療従事者は医療機器420、医療機器420’、及び医療機器520を患者の咽喉内に挿入する。カメラ66は、医療機器1020から取り外されて、医療機器420、医療機器420’、及び医療機器520の内部に挿入できる。
【0088】
本文書に記載されている医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、及び医療機器1020の何れにおいても、同一のカメラ66が、全ての密閉されたカメラルーメン58に挿入/取り外し可能である。結果として、高額な部品であるカメラ66は、ある機器で使用後に別の機器に挿入することによって、図示した複数の異なる機器(又は同様の密閉されたカメラルーメンを備えたその他の機器)で使用できる。カメラルーメン58は密閉されているので、そしてカメラ66は患者22の組織及び/又は分泌物と接触しないので、カメラ66を使用前後に滅菌する必要はない。
【0089】
各実施態様に関して特定のルーメン(カメラルーメン及び伝送ルーメン)が図示及び記述されているが、その他のルーメンを各実施態様において設けることも可能であることが理解されたい。そのようなその他のルーメンを設けると、例えば、患者22へのその他の器具の挿入のために、患者22への酸素の供給のために、又は患者22からの液体の吸引のために使用できる。
【0090】
伝送ルーメン68は、医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、及び医療機器1020の何れにおいても、使用できる。伝送ルーメン68が使用される場合、伝達ルーメン68から伝達される患者22の呼吸音及び心拍音を聴覚で確認するために、スピーカー(図示していない)を含めることができる。伝送ルーメン68からの音は、上記の機器から外部へと拡大し出力できる。スピーカー出力は、電子的に情報拡散できる。スピーカーは、何れかのルーメン又はチューブの中に設けるか、ルーメン又はチューブに適切に接続できる。
【0091】
図25及び
図26は、産科医/婦人科医(OB/GYN)などの医療従事者が、子宮頸部(cervix)の拡張度を確認するために患者の頸部を視認することを可能にする、医療機器1120を示している。医療機器1120は、円筒状のチューブ1126を含んでおり、チューブ1126にはカメラルーメン58/窓60が取り付けられている。独立したカメラ66は、カメラルーメン58に挿入/取り外し可能である。先述の医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、及び医療機器820のように、カメラルーメン58/窓60、及び独立したカメラ66が設けられており、その詳細をここで繰り返すことは控える。
【0092】
チューブ1126は、近位端入口開口部1128(医療従事者に最も近い端部)、遠位端出口開口部1130(使用中に医療従事者から最も遠い端部)、及び当該チューブを貫通する中央通路1132を備えている。チューブ1126は、当該チューブの全長にわたってカーブ状であっても、直線状であってもよい。チューブ1126は、比較的硬質ではあるが柔軟なプラスチック材料で作られており、望ましくは押し出し成型により製造されている。
【0093】
カメラルーメン58は、チューブ1126とカメラルーメン58が隣り合わせになるように、超音波溶接などでチューブ1126に固着されている。カメラルーメン58は、チューブ1126の内部表面又は外部表面上に固着できる。チューブ1126の近位端と遠位端及びカメラルーメン58は、望ましくは同じ位置で終点となる。その他の実施態様に関して本文書に記載の通り、カメラ66は、望ましくは密閉されたカメラルーメン58の内部に取り外し可能な形で留め置かれている。先述の機器のように、組織を照らすためのLEDライト62はチューブ1132の遠位端1130もしくはカメラルーメン58に、又はカメラ66自体に設けることができる。
【0094】
使用にあっては、頸部が視認できるよう、医療従事者は医療機器1120を患者の膣に挿入する。カメラ66は、患者への医療機器1120の挿入手技及び使用中の頸部及び組織を常に可視化するので、医療従事者は、医療機器1120が患者の体内に適切に配置されており患者の外傷が抑制されると確信できる。患者の組織が常に視覚化されていることは、一例をあげれば、分泌物、腫瘍、出血、解剖学的異常や、患者に対して有害であるその他の影響等の問題の早期診断を可能にする。
【0095】
医療機器1120が配置された後、医療従事者は、頸部の拡張度を計測するに、
図26の器具1134のような器具を使用できる。この作業中、医療機器1120は有効な状態のままである。カメラ66は、患者の拡張度についての情報を常に医療従事者に送り続ける。
【0096】
医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、医療機器1020、及び医療機器1120の何れにおいても、カメラ66からの映像情報及び/又は伝達ルーメン68からの情報は、マイクロプロセッサ182(
図27)に有線、無線、Bluetooth(登録商標)などの適切な手段で伝達され、当該プロセッサはその後当該情報を、有線、無線、Bluetooth(登録商標)などの適切な手段で別のコンピュータ、モバイル機器、モバイルステーションなどに送信できるので、結果としてその後、適切な職員が当該情報にアクセス可能となる。マイクロプロセッサ182は、当該手技の実施中、当該施設内、又は当該施設外に設置できる。例えば、当該情報はナースステーションに供給でき、勤務中の看護師は患者22が呼吸しているか否かを、声帯の開閉を視覚的に確認すること、及び呼吸音と心拍音を聴くことにより、瞬時に知ることができる。医療従事者は、声帯の律動的運動を視認することで麻酔深度を把握する他にも、その他の先述の診断ができる。その他の医療スタッフは、例え何百マイルも離れており患者22の近くに物理的にいなかったとしても、モニター、助言、確認、診断が可能である。カメラ66は常に作動しているので、医療スタッフは患者22が適切に換気/挿管され呼吸しているか否かを何時でも確認できる。
【0097】
医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、医療機器1020、及び医療機器1120の何れにおいても、組織を照らすためのLEDライトを、医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、医療機器1020、及び医療機器1120の遠位端、カメラルーメン58の内部、又はカメラ66自体の内部に、設けることができる。加えて、医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、医療機器1020、及び医療機器1120の何れにおいても、複数のLEDライトを設けることができ、この場合、医療機器220、医療機器320、医療機器420、医療機器420’、医療機器520、医療機器620、医療機器720、医療機器820、医療機器920、医療機器1020、及び医療機器1120のどの部分にも取り付け可能である。
【0098】
本発明の望ましい実施態様を呈示及び記述したが、当業者であれば、添付の特許請求の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当発明の様々な変更例を考案できるであろうことが想定される。