(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ツールが、1つの端部で前記ツール回転可能なギアに接続された回転可能なシャフトと、反対側の端部におけるアクチュエータとをさらに含み、前記ツール回転可能なギアが前記インプラント回転可能なギアと係合され、前記インプラントが前記関節の骨の間に配置されるとき、前記アクチュエータが、患者の体外で回転可能に構成された、請求項7に記載のシステム。
前記第1のリフトランプが前記第1の拡張ランプと係合するよう構成された第1の上面を有し、前記第2のリフトランプが前記第2の拡張ランプと係合するよう構成された第2の上面を有する、請求項1に記載のインプラント。
前記第2の端部プレートが、第3の拡張ランプと第4の拡張ランプとを備え、前記第1のリフトランプが前記第3の拡張ランプと係合するよう構成された第1の下面を有し、前記第2のリフトランプが前記第4の拡張ランプと係合するよう構成された第2の下面を有する、請求項11に記載のインプラント。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の生理学的加齢、機械的損傷/外傷、及び/または疾患などの多くの因子が、椎間板の組成及び構造を不適切に変化させて、椎間板機能の障害または損失をもたらす。例えば、髄核内のプロテオグリカンの含有量が加齢と共に減少し、髄核の水を吸収する能力が同時に減少することになる。したがって、通常の加齢において、椎間板は徐々に脱水し、椎間板の高さにおける減少及び環状線維の考えられる剥離をもたらす。機械的な損傷は、環状線維を引き裂き、髄核のゲル状物質を脊柱管に押し出させ、神経要素を圧迫させる可能性がある。脊髄腫瘍の増殖は、潜在的に神経を圧迫している脊椎及び/または椎間板に影響を与え得る。
【0005】
脊椎の骨、及び骨構造は、一般的に、支持体及び構造を提供するためのそれらの能力に影響を及ぼし得る脆弱性に感受性を持つ。骨構造における脆弱性は、変性疾患、腫瘍、骨折、及び脱臼を含む多くの潜在的原因を有する。先端的な医療及び工業技術は、これらの脆弱性を緩和しまたは治癒するための多数の装置及び技術を医師に提供している。
【0006】
場合によっては、特に脊柱は、こうした脆弱性に対処するために、追加の支持体を必要とする。支持体を提供するための1つの技法は、隣接する脊椎間にスペーサーを挿入することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある実施形態によると、関節の骨を分離するためのインプラントは、少なくとも2つの端部プレート(少なくとも2つの端部プレートのうちの2つは、それぞれ、関節の別個の関節形成骨に係合するよう構成されている)と、少なくとも1つのねじ切り部材(少なくとも1つのねじ切り部材が回転するとき、2つの端部プレートの間の空間を増大させるよう構成されている)と、インプラント設置ツールが係合孔に接続されるとき、インプラント設置ツールの回転ギアと係合可能な回転可能なギア(回転可能なギアは、少なくとも1つのねじ切り部材を回転するよう構成されている)と、インプラント設置ツールの回転コネクタ部分に着脱可能かつ確実に接続可能であるよう構成された係合孔と、を備える。
【0008】
これらの様々な実施形態では、ねじ切り部材は、ねじ切りシャフトの形態を有し、ねじ切り部材は、ねじ切り円錐体の形態を有し、このねじ切り円錐体は、ギア付き面を有し、このインプラントは、2つの端部プレートのうちの少なくとも1つの上に形成された少なくとも1つの傾斜表面をさらに含み、少なくとも1つの傾斜表面は、円錐体が少なくとも1つの傾斜表面に対して移動されるとき、円錐体と嵌合可能であり、インプラントの高さ寸法を変更するよう弾性的に変位される。
【0009】
これらの他の実施形態では、インプラントは、ねじ切り部材が回転されると、直線的に移動するように、ねじ切り部材に接続された少なくとも1つのリフトランプと、2つの端部プレートのうちの少なくとも1つの上に位置する少なくとも1つの拡張ランプであって、少なくとも1つの拡張ランプの移動を引き起こすように少なくとも1つのリフトランプと嵌合可能であり、その上に、リフトランプが移動されると、少なくとも1つの拡張ランプが位置する、拡張ランプと、をさらに含む。
【0010】
これらの他の実施形態では、インプラント設置ツールがインプラントに接続されるとき、係合孔が、インプラントの最大長手方向軸と接続されたインプラント設置ツールの最大長手方向軸との間に角度を形成するよう構成されていて、少なくとも1つのねじ切り部材と少なくとも1つの回転可能なギアは、共通の軸を中心として回転し、少なくとも1つのねじ切り部材と少なくとも1つの回転可能なギアは、別個の軸を中心として回転する。
【0011】
これらのさらに他の実施形態では、インプラントは、2つの端部プレートのうちの第1の端部プレートから延在するギアラックと、このラックと噛合する、2つの端部プレートのうちの第2の端部プレートに回転可能に接続したピニオン(このピニオンは、第1及び第2の端部プレートが比較的離れて移動されるとき、これによって回転される)と、第1の端部でピニオンに枢動可能にかつ偏心的に接続し、かつ第2の反対側の端部で可動台部に接続した支柱(この支柱は、ピニオンが回転されると、可動台部を実質的に直線的に移動させるよう構成されている)と、可動台部から延在する少なくとも1つのリフトランプと、少なくとも2つの端部プレートのうちの少なくとも1つから延在する少なくとも1つの拡張ランプ(この少なくとも1つの拡張ランプは、少なくとも1つのリフトランプと嵌合可能となっており、これによって、可動台部が直線的に移動されるとき、少なくとも1つのリフトランプが少なくとも1つの拡張ランプに対して移動され、少なくとも1つの拡張ランプがそこから延びている少なくとも1つの端部プレートの移動を引き起こし、インプラントの寸法高さを変更する)とを更に含む。ある実施形態では、ねじ切り部材は、ねじ切り円錐体の形態であり、インプラントは、少なくとも2つの端部プレートのうちの少なくとも1つの上に形成された少なくとも1つの傾斜表面を含み、この少なくとも1つの傾斜表面は、円錐体が少なくとも1つの傾斜表面に対して移動されるとき、円錐体と嵌合可能であり、弾性的に変位されて、インプラントの高さ寸法を変更し、少なくとも1つの端部プレートの変位はラックを移動させるよう動作可能である。
【0012】
これらのさらなる実施形態では、少なくとも2つのねじ切り部材のうちの2つは、内側に設けられているねじ山と、外側ギア面とを有するねじ切りカラーであり、両ねじ切り部材の外部ギア面は噛合され、これによって、1つのねじ切り部材の回転が、他のねじ切り部材の回転を引き起こし、またインプラントは、少なくとも2つの端部プレートのうちの少なくとも1つに接続した2つの拡張シャフトをさらに含み、2つの拡張シャフトのそれぞれは、2つのねじ切りカラーのうちの1つの内側に設けられたねじ山と嵌合する外側に設けられたねじ山を有し、これによって、2つのねじ切りカラーのうちの1つの回転が、2つの拡張シャフトの両方の運動を引き起こす。
【0013】
本開示の別の実施形態では、関節の骨を分離させるためのインプラントは、関節の第1の関節形成骨に係合するよう構成された第1の端部プレートと、第1の端部プレートと比べて関節の第2の異なる関節形成骨と係合するよう構成された第2の端部プレートと、第1の端部プレートを支持する基部と、第1及び第2のシャフト端部を有するねじ切りシャフト(このねじ切りシャフトは、第1のシャフト端部において第2の端部プレートに接続している)と、基部に回転可能に接続し、かつ第2のシャフト端部に接続する回転可能なギア(この回転可能なギアは、回転可能なギアが回転されるとき、ねじ切りシャフトを移動させるよう構成されていて、これによって、第1の端部プレートと第2の端部プレートとの間の距離を増大させる)と、インプラント設置ツールの回転コネクタ部分に着脱可能かつ確実に接続可能であるよう構成された係孔とを備える。
【0014】
これらの様々な実施形態では、インプラントは、第2のシャフト端部から延在するリフトランプ、及び第2の端部プレートから延在する拡張ランプと、インプラント設置ツールがインプラントに接続されるとき、インプラントの最大長手方向軸と接続されたインプラント設置ツールの最大長手方向軸との間に角度を形成するよう構成された係孔と、インプラントの端部において位置する回転可能なギア(この回転可能なギアは、インプラントが関節の骨の間に埋め込まれると、回転可能であるよう構成される)と、少なくとも1つのねじ切り部材及び共通の軸を中心として回転する少なくとも1つの回転可能なギアと、をさらに含む。
【0015】
本開示のさらに他の実施形態では、関節の骨を分離するためのシステムは、ツール回転可能なギアと、ツール回転可能なギアとは区別される回転可能なツールコネクタ部材とを有するコネクタ端部を含むインプラント設置ツールと、少なくとも2つの端部プレート(この少なくとも2つの端部プレートのうちの2つは関節の別個の関節形成骨に係合するよう構成されている)と、少なくとも1つのねじ切り部材(この少なくとも1つのねじ切り部材が回転されるとき、2つの端部プレート間の空間を増大させるよう構成されている)と、ツールコネクタ部材が回転されるとき、インプラントをツールに確実かつ着脱可能に接続するための、ツールコネクタ部材と嵌合可能なインプラントコネクタ部材と、少なくとも1つのねじ切り部材のうちの少なくとも1つを回転させるよう構成されたインプラント回転可能なギア(このインプラント回転可能なギアは、インプラントコネクタとツールコネクタを用いてインプラントがツールに接続されるとき、ツール回転可能なギアと係合可能であり、これによって、ツール回転可能なギアは、インプラント回転可能なギアを回転させて、少なくとも1つのねじ切り部材のうちの少なくとも1つを回転させるよう構成される)と、を含むインプラントと、を備える。
【0016】
これらのある実施形態では、ツールが、1つの端部でツール回転可能なギアに接続した回転可能なシャフトと、反対側の端部にあるアクチュエータとをさらに含み、このアクチュエータは、ツール回転可能なギアがインプラント回転可能なギアと係合し、インプラントが関節の骨の間に配置されるとき、身体の外側で回転可能となっている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
必要に応じて、詳細な実施形態が本明細書で開示されるが、開示された実施形態が、単なる例示であること、及び以下に記載されるシステム及び方法が、様々な形態で具体化され得ることを理解するべきである。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲のための根拠として、並びに当業者が本発明の主題を適切に詳説された構造及び機能において様々に使用することを当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される用語及びフレーズは、限定的であることを意図するものではなく、むしろ概念の理解可能な説明を提供するものである。
【0019】
本明細書で使用される「a」または「an」という用語は、1つまたは2つ以上と定義される。本明細書で使用される複数という用語は、2つまたは3つ以上と定義される。本明細書で使用される別のという用語は、少なくとも第2番目のまたはそれ以上と定義される。本明細書で使用される「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、含む(comprising)、として定義される(すなわち、オープンランゲージ)。
【0020】
図1〜3を参照すると、本開示は、調節可能な高さを有する拡張可能なインプラント100を提供する。このインプラントは、骨の分離を促進するために2つの隣接する骨表面の間に挿入され、所望される場合、骨表面の融合を促進することができる。融合が望ましい任意の隣接する骨表面で有用であるよう意図されるが、このインプラントは、頚部、胸部、腰部、及び仙骨脊椎骨部分を含める脊椎の任意の部分における2つの隣接する椎体の間の挿入にも好都合に適用される。2つ以上のインプラント100が、体内に、例えば連続するまたは分離する脊椎骨に埋め込まれてもよい。複数のインプラントの使用は、背部痛が局所に限定されない患者に、または局所損傷が脊椎の他の区域に進行した患者に特に有利である。
【0021】
インプラント及びその挿入のための方法は、疾患または損傷した骨構造を伴う患者における広範囲な病態のいずれかのための治療プロトコルにおいて使用することができる。この患者は、ヒトであり得る。さらに、このインプラントは、融合される隣接する骨構造を有する任意の動物のための獣医学において有用であり得ることが企図される。このインプラントは、例えば拡張されたサイズの約半分まで潰れることができる。インプラントは、この潰れた構成にあるとき、適切な最小侵襲的技法を用いて、小切開及び狭い経路を通して空間に挿されることが可能であり、隣接する骨の間の空間内に配置され、ここで所望の治療的高さまで拡張され得る。この切開は、例えば、長さが約1インチの小さい切開であり、これは拡張された構成におけるインプラントよりも小さい。望ましい位置及び/または拡張が達成されない場合、インプラントは、その場で潰され、再配置され、再拡張され得る。
【0022】
このインプラントは、本明細書で脊椎中の使用に例示されているが、このインプラントは任意の骨構造の融合のために企図される。このインプラントは、いくつかの異なる実施形態を用いて本明細書に記載されているが、インプラントはこれらの実施形態に限定されるものではない。1つの実施形態のある要素は、別の実施形態で使用されてもよく、またはある実施形態は、記載されたすべての要素を含まずともよい。
【0023】
インプラント100の動作が以下に非常に詳細に説明される。1つ以上のねじ切りシャフト102が端部プレート104を支持し、ねじ切りシャフトは、患者の骨に係合する歯または他の突起部108を備えることができる。ねじ切りカラー120は、フランジ付き係合部122(
図3)を介して、基部140に回転可能に固定され、これがカラー120の基部140上の軸方向の整列を維持している。反対側の端部プレート106は、基部140に固定されている。カラー120の内部孔124は、シャフト102のねじ山116と嵌合するねじ山126を有する。カラー120が回転されると、ねじ山126と116の係合が、シャフト102をカラー120のカラーボア124内で上昇または下降させる。
【0024】
本明細書に例示された実施形態は、一体的なまたは一体構造の端部プレートを示しているが、患者に対する治療的利点のために、インプラントの圧縮されたまたは非拡張のプロファイルを減少させるために、関節の骨の表面へより良く適合するために、及び/または端部プレートの異なる部分の様々な拡張を可能にするために、本開示の端部プレートは、それぞれ、複数の部分から形成されてもよいことを理解するべきである。例えば、
図1の点線「A」は、端部プレート104を2つの部分に分離するための1つの可能な位置を示している。それぞれの生じた部分の可変拡張は、例えば、ねじ切りシャフト102のそれぞれに対して異なるピッチを形成することによって、互いに対して別々に拡張され得る。
【0025】
シャフト102を径方向ではなく軸方向に移動させるために、シャフト102の基部140に対する回転が防止される。示した例では、シャフト102は、端部プレート104に係合し、これは、端部プレート104及び隣接するシャフト102との係合のために回転することができない。しかしながら、単一のシャフト102を有する構成においては、シャフト102と基部140の間に延在する嵌合する軸方向スプライン、またはシャフト102と基部140との間の他の移動可能な接続部を用いて、回転が防止され得る。
【0026】
図1〜3の実施形態では、カラー120及び120Aは、カラー120、120Aの外部上に形成されたギア歯128によって相互に係合されている。このギア係合のために、カラー120Aはカラー120に対して反対方向で回転する。カラー120、120Aの回転の際に、シャフト102及び102Aを同一の方向で軸方向に移動させるために、シャフト102Aは、シャフト102に対して逆方向のねじ山を有する。代替実施形態では、従動輪(図示せず)がギア係合部128の間に設けられ、カラー120、120A、及びシャフト102、102Aの同様な回転方向を生成する。シャフト102は、骨融合を促進するために、インプラント100を通しての骨または他の組織の成長を許容するように、カラー孔124と協働する孔114を備えることができる。
【0027】
図1及び3は、拡張状態にあるインプラント100を図示し、
図2は、潰れた状態にある(この状態では、インプラント100は、体内に好都合に挿入されている)インプラント100を図示している。カラー120、120Aが相互係合されると、両方のカラーを体内で回転させるために、カラーのうちの1つにアクセスし回転させるだけでよい。これは、インプラント100が脊椎骨間に挿入されるときに有利であり、なぜなら、1つだけのカラーが体環内に形成された開口部を通してアクセス可能であり、他のカラーは、典型的には残りの組織によって包囲されているためである。いくつかの例では、露出したカラー120を指で、またはドリフトによって回転させることが可能である場合があるが、空間の制限及び患者の安全性のために、特に露出したカラーに隣接する繊細な構造を回避する必要がある場合に、いずれも理想的な方法ではない。インプラント100は、最小の高さ、潰れた高さ、及び最大の完全に拡張した高さの間の任意の望ましい高さにスペーサーの高さを調節するための能力を提供する。
【0028】
したがって、
図4〜6を参照すると、挿入及び展開ツール200は、インプラント100を挿入し、及び/またはカラー120を回転させて、インプラント100を拡張させるために使用され得る。ツール200は、作動コネクタ240と、延長シャフト202と、アクチュエータ204、206、及び208と、ハンドル210とを含む。使用において、医療従事者はハンドル、及び/または延長シャフト202を把持し、以下にさらに記載されるように、インプラント100を接続し、延長シャフト202をインプラント100と共に、患者の体内の展開位置に挿入する。アクチュエータ204、206、及び208は、回転可能なリングまたは回転可能なハンドルとして図示されているが、トリガ様式のアクチュエータ、または外部動力源(例えば、電気または加圧流体など)によって駆動されるアクチュエータを含む他のアクチュエータの様式が、本開示に従って提供され得ることを理解するべきである。
【0029】
コネクタ240は、係合延長部244と協働して、インプラント100をツール200に確実かつ着脱可能に接続するインプラント連結ねじ242を含む。インプラント100は、連結ねじ242と嵌合可能なねじ切りコネクタねじ孔144のうちの1つ以上を含む。
図6を参照すると、これは、コネクタ240の部分の簡略図であり、一実施形態において、連結ねじ242は、中空支持シャフト250上で回転するアイドルギア248に噛合されたコネクタギア246によって回転されることにより、回転してコネクタ孔144と係合し、これが拡張駆動ギア252に噛合され、ハンドル210の近くで終結する延長シャフト202を通してまたはこれに沿って延在する中空シャフト254に接続され、ならびにアクチュエータ206に接続される。
【0030】
より具体的には、アクチュエータ206が回転されると、ハンドル210内のギアの配列または図示されていないが、当該技術分野において理解されるような他の連動機構が、シャフト254の回転を引き起こす。駆動ギア252は、中間アイドルギア248と係合している入力シャフト254によって回転され、両方のギアは、例えば、ベベルギアである。アイドルギア248は、今度は、コネクタギア246を駆動し、連結ねじ242をコネクタねじ孔144内で回転させる。このようにして、コネクタ240は、体外または体内のいずれかでインプラント100に接続され得る。
【0031】
コネクタ240は、体内または体外で、インプラント100の高さの拡張または減少を引き起こすために、カラー120または120Aのギア128と噛合するよう構成された拡張ギア260をさらに含む。一実施形態では、連結ねじ242をコネクタねじ孔144に固定することが、拡張ギア260及びカラーギア128を嵌合係合の状態にもっていき、係合延長部244と共に、回転中にギアが変位力を受けながら、ギア260及び128の適切な整列を促進かつ維持する。
【0032】
拡張ギア260は、トランスファギア266と関連付けられるシャフト264によって支持される出力ギア262と噛合し、トランスファギア266は、中空シャフト254内で回転可能な入力シャフト270に接続した連結駆動ギア268と噛合している。使用の際に、ギア260は、ハンドル210内のギアまたは他の手段(図示せず)によってシャフト270に接続した第1の回転アクチュエータ208によって回転される。シャフト270が駆動ギア268を回転させ、これがトランスファギア266を回転させ、これがシャフト264を回転させ、これが出力ギア262を回転させ、これが拡張ギア260を回転させる。本明細書で
図1〜3に関して説明したように、拡張ギア260が回転されると、インプラント100は、高さを増加または減少させる。
【0033】
図7〜9を参照すると、コネクタ240は、延長シャフト202については関節接合式であってもよい。この方法で、ツール200は、例えば、一実施形態では約5cm未満の短縮された切開を通して、別の実施形態では約3cmの短縮された切開を通しての最小侵襲的アプローチを通して体内への挿入を容易にするために、最小の幅を有する細長いプロファイルを形成してもよく、もしくはツールはカニューレを通して挿入されてもよい。一旦体内に入ると、コネクタ240は、取り付けられたインプラント100を安全かつ有効な挿入角度で最終インプラント設置部位、例えば、除去された椎間板環状体を過ぎて脊椎骨の間に位置合わせするように体内で傾斜されるか屈曲されてもよい。このようにして、ツール200及びインプラント100の組立体が狭い挿入プロファイルを有し得るのみならず、インプラント100が体組織を通過してインプラント設置位置に入ると、所望の位置への挿入のために位置合わせするために、ならびに、繊細な組織、例えば神経または血管を避けるために、コネクタ240及びインプラント100の配向が、体内に渡された後に変更され得る。
【0034】
コネクタ240の関節接合は、一実施形態では、コネクタ240を、コネクタ枢軸272を中心として枢動させることによって行われてもよい。
図8〜9に概略的に示すように、駆動ギア252、中間ギア248、及びコネクタギア246の適切な整列を維持するために、コネクタ240が枢動されると、枢軸272は、シャフト264と同軸方向に整列され、これが延長され、枢動ピンを形成することができる。一実施形態では、関節接合レバー274がコネクタ240から延在し、枢軸272を中心として枢動する。リンクアーム276は、一方の端部でレバー274に枢動的に接続され、反対側の端部で関節性都合延長部278に接続される。関節接合延長部278は、アーム、シャフト、または延長シャフト202内に設けられた接続管280に接続されている。管280は、ねじ込み式ないしは別の方法でアクチュエータ204に接続されることで、アクチュエータ204の回転が、拡張シャフト202によって画定される長手方向軸に沿って近位方向にまたは遠位方向のいずれかで、管280、及びリンクアーム276の運動を引き起こす。
【0035】
図7〜9に示す連動及び旋回角度形状は、例示的なものであり、アクチュエータ204によって起動されるとき、コネクタ240が移動される所望の経路を形成するよう構成されてもよいことを理解するべきである。本開示の別の実施形態によると、関節接合レバー274、リンクアーム276、関節接合延長部278、及び管280のいずれかが省略されることができ、したがって、コネクタ240は、自由に、または能動的に枢動することができる。これによって、インプラント100は、体組織をガイドとして用いて、例えば環状体前部を用いて、所定の位置に誘導され得る。抵抗をさらに低減させて、コネクタ240の配向をツール200に対して変更させるために、ギア252、268は、例えば、クラッチ、スプライン軸、または他の伝達機能(図示せず)を用いて、コネクタ240の残部から切り離されてもよい。
【0036】
さらなる実施形態では、コネクタ240を特定の配向に偏倚させるために、レバー274、リンクアーム276、及び/または関節接合延長部278は、付勢部材(図示せず)、例えば、ばねで置き換えられてもよく、特定の配向は、付勢部材に対抗する力を加えることによって変更され得る。さらに他の実施形態では、要素274、276、278、及び280が省略され、コネクタ240は、拡張シャフト202に枢動不能に固定されている。
【0037】
どのギアコネクタ204、206、及び208が、コネクタ240内のどのギアを起動させるよう構成されるかの選択は、加えられるトルクの量を含む種々の因子によって決定され得る。
【0038】
ここで
図10を参照すると、代替インプラント400が示され、ここでは、端部プレート404、406は、移動可能なリフトランプ452と嵌合する拡張ランプ450を含む。インプラント400は、まず初めに体内に挿入される遠位端454、及びこれにツール200が接続され得る近位端456を形成し、これらの間に長手方向軸458が画定される。インプラント400を拡張させるために、リフトランプ452が、端部プレート404、406に対して配置され、拡張ランプ450をリフトランプ452に沿って摺動させ、これによって、端部プレート404、406を比較的離れて移動させて、これによって、インプラント400の高さを増加させる。
【0039】
リフトランプ452は、係合フランジ462によって、ねじ切りシャフト460に長手方向軸に沿って一定に整列させて移動可能に接続されている。シャフト460の回転が、リフトランプ452を、拡張ランプ450に対して長手方向軸458に沿って近位方向に移動させ、この移動がフレーム止め484によって長手方向軸458に沿って移動することを防止され、これによって、長手方向軸458を横切るインプラント400の高さにおける増加または減少を引き起こす。
【0040】
図10を参照すると、インプラント400は2等分された断面で示され、ここでは塗り潰しで示されたフレーム400が、近位フレーム端472から遠位フレーム端474まで延在している。連結ねじ242は、フレームカプラ476に接続し、今度はこれがインプラント400のフレーム端472、474に接続される。カプラ476、及びフレーム端472、474を接続させる特定の方式及び構成は、示したものと異なってもよいが、本開示によると、シャフト460が、内側にねじ山を切ってあるギア連結スリーブ478とのねじによる係合によって、フレーム480に対して長手方向軸458に沿って前後に移動され、これが、長手方向軸458に沿って固定された整列で回転する。
【0041】
ギア連結スリーブ478は、近位端の周囲の近くに設けられたギア歯482を含み、ギア歯は、連結ねじ242がフレームカプラ476と連結するとき、拡張ギア260と係合可能である。連結ねじ242とフレームカプラ476との間の接続は、ねじ接続として例示されているが、迅速接続型着脱可能な接続を含む他の接続法も可能である。ギア連結スリーブ478と係合されるとき、拡張ギア260は、
図1〜3の実施形態に関して記載されたように回転し、ギア連結スリーブ478を回転させ、シャフト460を前進させ、端部プレート404、406の拡張を引き起こし得る。
【0042】
本開示のインプラントの実施形態で使用可能な、代替のツール200のツール端部分288が、
図11〜12に概略的に図示されている。この実施形態では、トランスファギア266とアイドルギア248が存在しない。拡張駆動ギア252は、出力ギア262を直接駆動し、連結駆動ギア268は、コネクタギア246を直接駆動する。この例では、ツール端部フレーム290は、ギア252及び268を、ギア262及び246に対して約90度で支持する。この方法では、フレーム290から延在するツールは、挿入されるとき、実施者によって本開示のインプラントの配向に対してある角度で保持される。ギア上に形成されるベベルの角度を変更することによって、フレーム290は、必要に応じて異なる角度「B」、例えば、90度よりも実質的に大きいまたは90度未満を形成することができ、これが、特定のアプローチ、例えば、前方、側方、後方、または中間方向のアプローチに沿ってのインプラントの挿入を容易にすることができる。
【0043】
図11〜12は、例えば単一のシャフトが使用され得るように、またはギアの偶発的運動を回避するために、1つ以上のギアを切り離すことを更に図示している。矢印「A」は、連結駆動ギア268を引き抜き、コネクタギア246と係合させるまたは切り離すシャフト270の運動の方向を示す。ギア252は、代替的にまたは追加的に、この方式で構成されてもよい。この例ではシャフト270と関連付けられる係合スプライン(図示せず)またはクラッチ292は、方向「A」に沿うシャフト270の配向に応じて、単一のシャフトが1つ、2つ、またはそれ以上のギアの組み合わせ、例えばギア252または268を作動させることを可能にするために使用され得る。
図13は、ツール端部分288に接続されたインプラント400を示している。示した実施形態では、ギア268は、ギア246から切り離され、端部プレート404、406は少なくとも部分的に拡張されている。
【0044】
ここで
図14〜15を参照すると、本開示の代替実施形態は、そこから端部プレート504、506が伸びる基部508を形成する本体502を有するインプラント500を含み、この端部プレートは基部で接続され、少なくとも基部508の近くで、一実施形態では、端部プレート504、506のうちの少なくとも1つの長さの少なくとも一部に沿って屈曲可能である。端部プレート504、506のうちの少なくとも1つの内部プロファイルは、傾斜表面510を含む。円錐体512が、一方または両方の傾斜表面510と係合するよう駆動可能であり、これによって、端部プレート504、506を屈曲させ、これによってインプラント500の高さを増加させる。この実施形態は、広範囲の角度にわたる能動的関節接合、例えば少なくとも約90度の関節接合を可能にするが、実質的により大きい範囲のまたはより小さい範囲の角度が達成可能である。さらに、円錐体512が傾斜表面510と十分に係合するよう駆動されると、円錐体512と表面510との間の摩擦のために、関節接合の角度は固定されることが可能であり、これがインプラント設置を促進する。傾斜表面510から切り離される円錐体512の逆転は、自由な受動的な関節接合を回復することができる。
【0045】
一実施形態では、ツール200は、インプラント100及び400に関して本明細書に記載されたように、インプラント500と共に使用され得る。より具体的には、連結ねじがねじ切りコネクタねじ孔544と係合され、ツール200をインプラント500に着脱可能に固定する。次いで、拡張ギア528が出力ギア260と連結し、これが円錐体512を回転させることができる。一実施形態では、円錐体512は、端部プレート504、506に固定されたピン532に接続されている円錐体支持ロッド530とねじにより係合される。円錐体512が、出力ギア260による回転を通してロッド530に対してさらにねじ込まれると、円錐体512がランプ510に沿って前進され、端部プレート504、506を離れさせ、これがインプラント500を拡張させる。別の実施形態では、ロッド530がピン532にねじ込まれ、円錐体512がロッドに固定される。したがって、円錐体512の回転が、ロッド530をピン532内にさらに進めさせ、ランプ510に沿って円錐体512を引き込み、インプラント500を拡張させる。ピン532は、端部プレート504が拡張時に移動するにつれて、端部ドプレート504、506内のねじ孔534の内部で摺動することができる。
【0046】
端部プレート504、506及び/または基部508が弾性である場合、これらは、円錐体512が後退されるときに折れ曲がり、インプラント500を、例えば取り外しまたは再配置のために以前の減少した高さのプロファイルに戻す。したがって、端部プレート504、506及び/または基部508は、ポリマー材料、天然の弾性材料、または弾性金属、例えば形状記憶合金、もしくは体内で骨を分離させるために十分な強度及び耐久性がある任意の他の弾性生体適合性材料から製作され得る。
【0047】
端部プレート504、506が、インプラント500の一方の側で他方の側よりも大きく拡張する場合、脊椎前弯の矯正及び椎間板の高さの修復が、インプラント500の単一の拡張において一緒に達成され得る。しかしながら、いくつかの状況では、
図14〜15で記載されるインプラントにとって、直線寸法に沿ってほぼ等しく拡張するか、または両端で所定の範囲で拡張することが治療上有利であり得る。
【0048】
したがって、
図16〜18を参照すると、インプラント500Aは、以下の特徴を有する、インプラント500と同様なインプラントである。端部プレート504、506が、ランプ510に沿っての円錐体512の運動によって分離されると、端部プレート504、506に固定されたギアラック510が、インプラント500の長手方向軸558を横切る軸に沿って移動される。ギアラック560は、ギアラック560が固定されている端部プレート504、506の他方に回転可能に接続されたピニオン562に噛合する。このように、端部プレート504、506が、それらの一方の端部で互いに分離すると、ピニオン562は、ラック560によって回転される。支柱554は、近位端556でピニオン562に偏心的に枢動可能に取り付けられ、かつ遠位端558でランプ可動台部570に枢動可能に取り付けられている。ピニオン562が回転すると、支柱の遠位端558が、長手方向軸558に沿って前方または後方に移動され、ランプ可動台部570を長手方向軸558に沿って前方または後方に引っ張る。端部プレート504、506が互いに対して移動すると、ピニオン562との正確な噛合整列を維持するために、ギアラック560は、端部プレート504への枢軸取付け部566を有し、反対側の端部プレート506内にガイド568によって支持され得る。
【0049】
ランプ可動台部570からその長手方向軸558に沿って延在しているのが、1つ以上のリフトランプ552であり、これは、
図10のインプラント400に関して記載されたもののように実質的に機能する。より具体的には、リフトランプ552は、端部プレート504、506の拡張ランプ550に係合することで、ランプ可動台部570が、円錐体512に向かって近位方向に長手方向軸558に沿って引っ張られると、拡張ランプ550がリフトランプ552に沿って摺動し、端部プレート504、506が互いに対して分離し、長手方向軸558を横切る方向でインプラント500の高さを増加させる。ラック560及びピニオン562のギア機構、ならびに円錐体512及びランプ表面510の角度は、インプラント500の遠位端の拡張を、傾斜表面510に沿う円錐体512の運動に起因する、インプラント500の近位端の拡張と同じ拡張率で、または異なる拡張率で引き起こすように選択される。
【0050】
本開示によると、後方アプローチからの椎間空間のインプラント設置中には、神経根を損傷することを回避する必要がある。骨を分離するよう形作られた従来技術のスペーサーは、それが挿入されると神経根の視界を妨げ、その大きな寸法のために、体内への挿入中に、神経根と接触する大きな危険を有する。その結果、医療担当者は、頻繁に神経根を後退させねばならず、これは組織損傷の付随する危険性を伴う。本開示のインプラント100、400、500は、インプラント設置中に、間隔を置いて骨を配置するための最終寸法と比べてより小さい寸法を形成する。したがって、挿入中に神経根は可視化されかつ妨げられず、神経根の処置は、回避されるかまたは最小限に抑えられ得る。さらに、ツール200との協働において、本開示のインプラントは、インプラント設置中に、挿入ツールに対して関節接合され得ることで、例外的な前方配置を衝撃なしに可能にし、ならびに他のアプローチからのインプラント設置を容易にする。さらに、本開示のインプラントは、最終寸法が、各端部において調整可能であるために、インプラントの従来技術のインプラントと比べて、優れた脊椎前弯矯正を提供する。本開示のインプラントは、挿入中にインプラントの全体の寸法が減少されることに起因して、より大きなフットプリントを具備するインプラントが、減少したサイズの切開を通して挿入され得るために、良好な骨接触領域を展開する。
【0051】
本開示は、拡張可能なインプラント100、400、500を、任意の所望の角度で駆動力を提供し得る関節接合挿入器具200に連結させることが可能である。
【0052】
本開示のインプラント100、400、500は、特定のスペーサー設計の所定の寸法に従って、変位の範囲にわたって連続的な拡張及び収縮を可能にする。このことが、椎体または他の骨を所望の高さまたは分離に向ける能力をもたらす。インプラント100、400、500はまた、患者にとって治療に有効である場合、再配置または取り外しのために減少した高さまで潰れた状態になり得る。
【0053】
端部プレート104、106、404、406、504、506は、適切な脊椎前弯をもたらすために、互いに収束する平面または表面を形成するよう形作られてもよく、それを通して骨が成長することができ、その中に骨グラフト材料が配置され得る開口部が提供され得る。本開示のインプラントスペーサー100、400、500は、関節の骨が離れるように仕向ける、または強要するために使用されてもよく、他の手段、例えば、レトラクタによって作成された骨の分離を維持するために使用されてもよい。端部プレートは、改善された固定及び荷重支持のために、体組織の表面、例えば接触される脊椎の皮質骨の表面に一致するようさらに曲げられてもよい。
【0054】
本開示のインプラントは、患者に対して、ならびに装置が埋め込まれることになる期間に対して、十分な強度、可撓性、弾性、及び耐久性を有する、当業者に既知の任意の生体適合性材料を用いて製作され得る。例としては、限定されるものではないが、例えばチタン及びクロム合金などの金属、例えば、PEEKまたは高分子量ポリエチレン(HMWPE)を含むポリマー、ならびにセラミックが含まれる。他のプラスチック及び金属、ならびに自家移植片、異系移植片、及び異種移植片材料を含む、生組織または保存組織を用いる組立品を含む、使用され得る多くの他の生体適合性材料がある。
【0055】
インプラントの一部またはすべては、放射線不透過性または放射線透過性であってもよく、インプラント配置中及び配置後に、装置の結像を改善するために、こうした特性を有する材料が、インプラントに添加されるかまたは組み込まれてもよい。
【0056】
インプラント100、400、500は、チタン、またはコバルト−モリブデン合金、Co−Cr−Mo、例えば、ASTM F1537(及びISO 5832−12)において特定されるものを使用して形成されてもよい。滑らかな表面は、ASTM F1580、F1978、F1147及びC−633(ならびにISO 5832−2)において特定される純粋なチタンでプラズマ溶射され得る。あるいは、インプラント100、400、500は、ポリマー、例えば、超高分子量ポリエチレン、UHMWPE(例えば、ASTM F648(及びISO 5834−2)で特定されるもの)で形成されてもよい。一実施形態では、PEEK−OPTIMA(Invibio Ltd Corp,United Kingdomの商標)が、本開示のインプラントの1つ以上の成分に使用されてもよい。ポリマー部分は、放射線透過性であるPEEK−OPTIMAで形成され得ることで、内植骨が観察され得る。好適な可撓性、耐久性、及び生体適合性を備える他のポリマー材料も使用されてもよい。
【0057】
本発明によると、種々のサイズのインプラントが、患者の解剖学的構造に最適適合するよう提供され得る。マッチングするまたは多様なサイズの構成部品が、患者の治療上の必要に最も合うものとして、医療実施者によってインプラント設置処置中に組み立てられ、組立体は、挿入ツールを用いて体内に挿入され得る。本発明のインプラントはまた、自然の脊椎前弯、または正確な脊椎前弯、例えば頚椎の適用では0°〜6°を提供するために、全体的角度形状、例えば、端部プレートの角度嵌合配置で提供され得るが、他の関節については非常に異なる値が有利な場合がある。前弯角度はまた、1つまたは両方の端部プレートを相対的に非同一平面の表面を有するように形作ることによって、形成されてもよい。
【0058】
例えば、頚椎における使用のための拡張されたインプラント高さは、典型的には7mm〜12mmの範囲であってよいが、これよりも大きくても小さくてもよく(例えば、5mmほど小さい、及び16mmほど大きい)、しかしながら、サイズは、患者、及び本発明のインプラントが埋め込まれる関節に依存する。インプラント100、400、500は、いかなる高さの脊柱内に埋め込まれてもよく、また手、手首、肘、肩、臀部、膝、足首、または足を含む、体内の他の関節に埋め込まれてもよい。
【0059】
本発明によると、単一のインプラント100、400、500は、脆弱化した関節またが、関節部分に対して安定性をもたらすために、使用されてもよい。あるいは、インプラント100、400、500のいずれかの2つ、3つ、またはそれ以上の組み合わせが、単一の関節レベルで、または複数の関節において使用されてもよい。さらには、本開示のインプラントは、他の安定化手段と組み合されてもよい。
【0060】
加えて、本開示のインプラントは、治療に有効な時間間隔中に、例えば、十分な骨の内殖が起こった後に、体内で生物分解する材料を使用して製作され得る。さらに、本開示のインプラントは、隣接する組織に及ぼす有害な機械的影響を低減する、滑らかでかつ丸みを付けられた外部表面を有利に伴う。
【0061】
本開示のインプラントの任意の表面または構成部品は、骨成長物質、治癒物質、抗生物質、または製剤物質を含む治療薬でコーティングされまたは含浸されてもよく、これらの治療薬は、当業者に既知の方法を用いて、治療的速度で放出され得る。
【0062】
本開示の装置は、隣接する脊椎が、屈曲/伸長、横曲げ、及び軸回転中に支持されることを提供する。一実施形態では、インプラント100、400、または500は、椎間板変形疾患、一次または再発性椎間板ヘルニア、脊椎狭窄症、または腰仙椎における脊椎症(LI−SI)を有する、骨格が成熟した患者の治療における脊椎関節形成術に必要を示す。椎間板変性疾患は、脚部分(神経根)の痛みの有無にかかわらず、患者の病歴及びX線撮影検査によって確認される椎間板の退化を伴う椎間板起因の背痛として有利に定義される。レベル1を伴う最大グレード1までの脊椎すべり症を有し得る患者が、有利に処置される。手術部位のスペーサー100の挿入は、前方、前側方、後側方、及び/または側方アプローチを通して行われ得る。
【0063】
典型的な実施形態では、本開示のインプラントは、12〜18mmの挿入前の非圧縮高さを有し、4、8、12、または16度の前弯角度を伴い、23×32mm、26×38mm、及び26×42mmの断面で好都合に提供され得るが、これらは代表的なサイズにすぎず、実質的により小さいまたはより大きなサイズが治療に有利な場合もある。一実施形態では、本開示によるインプラントは、MISアプローチ(体組織を通るより少なくより短い切断で、例えば、約5cm未満の、好都合には約2.5cm未満の低減された切開サイズ)を用いて挿入されるようサイズ設定される。インプラント100、400、500は、例えば、ロッド及びプレートを含む、他の既知のもしくは今後開発される安定化または固定化の形態と組み合わせて有利に使用され得る。
【0064】
本明細書に引用された全ての参考文献は、それらの全体が、参照により本明細書に明らかに組み込まれる。本発明には多くの異なる特徴部が存在し、これらの特徴部は一緒にまたは別個に使用され得ることが企図される。上記で別の記述がない限り、添付の図面の全ては、スケール通りに描かれていないことに留意するべきである。したがって、本発明は、特徴部の任意の特定の組み合わせに限定されるべきではない。さらに、本発明の精神及び範囲内のバリエーションや変更が、本発明が関連する技術分野の当業者に生じ得ることを理解するべきである。したがって、本発明の範囲及び精神の範囲内にある、本明細書に記載される本開示から当業者によって容易に達成可能である全ての好都合な変更は、本発明のさらなる実施形態として本発明に含まれることになる。