特許第6525908号(P6525908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6525908
(24)【登録日】2019年5月17日
(45)【発行日】2019年6月5日
(54)【発明の名称】ラジアントチューブバーナー設備
(51)【国際特許分類】
   F23C 3/00 20060101AFI20190527BHJP
   F23D 14/12 20060101ALI20190527BHJP
   F23C 99/00 20060101ALI20190527BHJP
   F23J 15/00 20060101ALI20190527BHJP
   F23L 15/00 20060101ALI20190527BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20190527BHJP
   B01D 53/90 20060101ALI20190527BHJP
【FI】
   F23C3/00 301
   F23D14/12 AZAB
   F23C99/00 322
   F23C99/00 325
   F23J15/00 A
   F23L15/00 A
   B01D53/86 222
   B01D53/86 245
   B01D53/86 280
   B01D53/90
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-51223(P2016-51223)
(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-166731(P2017-166731A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2018年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】川端 健介
(72)【発明者】
【氏名】惠上 寿雄
(72)【発明者】
【氏名】有松 毅
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−241619(JP,A)
【文献】 特開2014−31923(JP,A)
【文献】 特開平9−196326(JP,A)
【文献】 米国特許第5500194(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 3/00
B01D 53/86
B01D 53/90
F23C 99/00
F23D 14/12
F23J 15/00
F23L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジアントチューブの一端部における燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナー部において燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から排出させるラジアントチューブバーナーを備えたラジアントチューブバーナー設備において、前記のラジアントチューブにおける燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、三元触媒を収容させた排ガス処理部を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から排出される燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けたことを特徴とするラジアントチューブバーナー設備。
【請求項2】
請求項1に記載のラジアントチューブバーナー設備において、前記の排ガス処理部に収容させた三元触媒により、燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物を燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスによって還元させることを特徴とするラジアントチューブバーナー設備。
【請求項3】
請求項1に記載のラジアントチューブバーナー設備において、前記の燃焼バーナー部に供給する燃料ガスの一部を前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするラジアントチューブバーナー設備。
【請求項4】
請求項3に記載のラジアントチューブバーナー設備において、前記の燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物の量に対応させて、前記の制御手段により燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御することを特徴とするラジアントチューブバーナー設備。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のラジアントチューブバーナー設備において、前記の燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる熱交換手段を設け、この熱交換手段によって加熱された燃焼用空気を前記の燃焼バーナー部に供給させることを特徴とするラジアントチューブバーナー設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアントチューブの一端部における燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナー部において燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から排出させるラジアントチューブバーナーを備えたラジアントチューブバーナー設備に関するものである。特に、前記のようなラジアントチューブバーナー設備において、燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給して、燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から外部に排出させるにあたり、燃焼排ガス中に有害な窒素酸化物(以下、NOxという。)や、またCOガスや炭化水素ガス(HC)等の未燃成分ガスが含まれた状態で、燃焼排ガスが外部に排出されるのを防止するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業用加熱炉や熱処理炉等においては、被加熱物を加熱させるにあたり、火炎が被加熱物に接触して、被加熱物が酸化されたりするのを防止するため、ラジアントチューブバーナーを備えたラジアントチューブバーナー設備が利用されている。
【0003】
そして、このようなラジアントチューブバーナー設備においては、一般に、ラジアントチューブの一端部における燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナー部において燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて、燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から排出させるようになっている。
【0004】
ここで、前記のラジアントチューブバーナーにおいて、前記のように燃焼バーナー部において燃料ガスを燃焼用空気と混合させて、燃料ガスをラジアントチューブ内において燃焼させるにあたり、燃焼排ガスに含まれるNOxを減量化するために、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくし、空気比μ(実際の空気量/理論空気量)を1.0以下にして燃焼を行うと、燃焼排ガス中にCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが多く残り、この未燃成分ガスがラジアントチューブの他端部から外部に排出されてしまい、安全性や環境の点において問題があった。
【0005】
一方、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を多くし、空気比μが1.0を超えるようにして燃焼を行うと、燃焼排ガス中に未燃成分ガスが残るのが抑制されるが、燃焼時にNOxが多く発生し、NOxを多く含む燃焼排ガスがラジアントチューブの他端部から外部に排出されて、環境を大きく害するという問題があった。特に、近年においては、燃焼排ガス中におけるNOxを大幅に低減させることが要望されている。
【0006】
そして、近年においては、特許文献1に示されるように、ラジアントチューブバーナーからの燃焼排ガスを、窒素酸化物還元触媒を用いて浄化し、得られたNOx浄化ガスに空気比が1.0以上となるように燃焼用空気を添加した後、更に酸化触媒を用いて未燃成分を酸化除去させるようにしたものが提案されている。
【0007】
ここで、特許文献1に示されるものにおいては、窒素酸化物還元触媒を収容させた第1の排ガス処理部と、酸化触媒を収容させた第2の排ガス処理部とを設けると共に、この第1の排ガス処理部と第2の排ガス処理部との間に空気を供給させることが必要になり、装置が複雑になって大型化する等の問題があった。
【0008】
また、排ガス処理の一つとしては、三元触媒によって、安全、環境、人体などに悪影響なCO、HC、NOxを酸化、還元し、HO、CO、Nに変化させて浄化するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−241619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ラジアントチューブの一端部における燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナー部において燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から排出させるラジアントチューブバーナーを備えたラジアントチューブバーナー設備における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明におけるラジアントチューブバーナー設備においては、燃料ガスを燃焼バーナー部において燃焼用空気と混合させて、ラジアントチューブ内において燃焼させた後、燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から外部に排出させるにあたり、燃焼排ガス中に有害なNOxや、またCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが含まれた状態で、燃焼排ガスが外部に排出されるのを適切に防止することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るラジアントチューブバーナー設備においては、前記のような課題を解決するため、ラジアントチューブの一端部における燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、前記の燃焼バーナー部において燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から排出させるラジアントチューブバーナーを備えたラジアントチューブバーナー設備において、前記のラジアントチューブにおける燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、三元触媒を収容させた排ガス処理部を設けると共に、前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から排出される燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けるようにした。
【0013】
そして、前記のラジアントチューブバーナー設備においては、前記の排ガス処理部に収容させた三元触媒により、燃焼排ガスに含まれるNOxを燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスによって還元させるようにする。この場合、燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくして空気比μを1.0以下にすると、燃焼時に発生するNOxの量が少なくなって燃焼排ガスに含まれるNOxが減少し、更に燃焼排ガスに含まれるNOxが前記の三元触媒により燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスによって十分に還元されるようになる。
【0014】
また、本発明に係るラジアントチューブバーナー設備においては、前記の燃焼バーナー部に供給する燃料ガスの一部を前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に導く燃料ガス案内路と、この燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御する制御手段とを設けることが好ましい。
【0015】
ここで、前記の制御手段においては、前記の燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物の量に対応させて、燃料ガス案内路を通して案内する燃料ガスの量を制御させるようにする。
【0016】
そして、前記のように燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃料ガスに対する燃焼用空気の量が多くなった状態で、燃料ガスを前記の燃焼バーナー部において燃焼させた結果、燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになった場合には、前記の制御手段により燃料ガス案内路を通して前記の三元触媒を収容させた排ガス処理部に導かれる前に適当量の燃料ガスを供給させるようにすることができる。このようにすると、NOxが多く含まれる燃焼排ガスと適当量の燃料ガスとが一緒になって排ガス処理部に導かれ、前記の三元触媒の作用によって、燃焼排ガス中におけるNOxが十分に還元されて排出されるようになる。
【0017】
また、本発明に係る前記のラジアントチューブバーナー設備においては、前記のように前記の排ガス処理部よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に、排ガス処理部から排出される燃焼排ガスに含まれる未燃成分ガスを燃焼させる後燃焼装置を設けるようにした。このようにすると、排ガス処理部において処理された燃焼排ガス中に未燃成分ガスが残っていても、この未燃成分ガスが前記の後燃焼装置により燃焼されてCO2やH2Oに酸化され、未燃成分ガスが排出されるのが防止されるようになる。
【0018】
また、本発明に係るラジアントチューブバーナー設備においては、前記の燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる熱交換手段を設け、この熱交換手段によって加熱された燃焼用空気を前記の燃焼バーナー部に供給させるようにすることが好ましい。このようにすると、燃焼排ガスの熱を有効に利用して、効率のよい燃焼を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明におけるラジアントチューブバーナー設備においては、燃焼バーナー部に燃料ガスと燃焼用空気とを供給し、燃料ガスをラジアントチューブ内で燃焼させて、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブの他端部から排出させるにあたり、前記のように燃焼排ガスを三元触媒が収容された排ガス処理部に導いて、燃焼排ガス中における有害なNOxや、またCOガスや炭化水素(HC)ガスからなる未燃成分ガスを適切に処理するようにした。
【0020】
この結果、本発明におけるラジアントチューブバーナー設備においては、燃料ガスを燃焼用空気と混合させて、ラジアントチューブ内において燃焼させた場合に、燃焼排ガス中におけるNOxや未燃成分ガスが排ガス処理部において適切に処理され、燃焼排ガス中にNOxや未燃成分ガスが含まれない安全な状態で、燃焼排ガスを外部に適切に排出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備を使用する状態を示した概略説明図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備を使用する状態を示した概略説明図である。
図3】本発明の第3の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備を使用する状態を示した概略説明図である。
図4】本発明の第4の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備を使用する状態を示した概略説明図である。
図5】本発明の第5の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備を使用する状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るラジアントチューブバーナー設備は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0023】
ここで、第1の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、図1に示すように、ラジアントチューブバーナー10におけるラジアントチューブ11としてU字型に形成されたものを用い、このU字型になったラジアントチューブ11を炉1の内部に配置させる一方、このラジアントチューブ11の両端部を、炉壁1aを通して炉1の外部に延出させるようにしている。なお、ラジアントチューブ11の形状はU字型に限られず、W字型やI字型等の公知のどのような形状のものであってもよい。
【0024】
そして、この実施(参考)形態においては、ラジアントチューブ11の一端側における燃焼バーナー部12に、燃料ガス供給管21を通して炭化水素(HC)ガス等の燃料ガスを供給すると共に、燃焼用空気供給管22を通して燃焼用空気を供給し、この燃焼バーナー部12において燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて、この燃焼バーナー部12において燃料ガスをラジアントチューブ11内で燃焼させ、燃焼後の燃焼排ガスをラジアントチューブ11の他端部から排出させるようにしている。
【0025】
また、この実施(参考)形態においては、前記の燃焼排ガスを排出させるラジアントチューブ11の他端部に、三元触媒を収容させた排ガス処理部23を設け、ラジアントチューブ11内で燃焼させた後の燃焼排ガスをこの排ガス処理部23に導いて処理するようにしている。
【0026】
ここで、このラジアントチューブバーナー設備において、前記の燃料ガス供給管21と燃焼用空気供給管22とを通して燃焼バーナー部12に燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃焼時に発生するNOxの量を少なくするため、燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくし、例えば、空気比μを1.0以下して、前記の燃焼バーナー部12において燃料ガスを燃焼させるようにする。
【0027】
このように燃料ガスに対する燃焼用空気の量を少なくして燃焼させると、燃焼排ガスに含まれるNOxが減少すると共に、この燃焼排ガス中にCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが残るようになる。
【0028】
そして、このようにNOxと未燃成分ガスとが残った燃焼排ガスを、ラジアントチューブ11における燃焼排ガスの排出方向下流側に設けられた前記の排ガス処理部23に導くと、この排ガス処理部23に収容された三元触媒により、燃焼排ガスに残ったNOxと未燃成分ガスとが反応して、NOxがNに還元されると共に、未燃成分ガスがCOやHOに酸化された状態で排出されるようになる。
【0029】
ここで、このようにNOxと未燃成分ガスとが残った燃焼排ガスを排ガス処理部23に収容された三元触媒によって処理するようにした場合において、燃料ガスに対する燃焼用空気の量が少なくなって、燃焼排ガス中における未燃成分ガスが多くなって、排ガス処理部23に収容された三元触媒によって十分に処理されず、排ガス処理部23から未燃成分ガスが残った燃焼排ガスが排出されるおそれがある。
【0030】
このため、第2の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、図2に示すように、前記の第1の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備において、前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に後燃焼装置24を設け、この後燃焼装置24に対して、必要に応じて、後燃焼用燃料ガス供給管24aから後燃焼用燃料ガスと、後燃焼用空気供給管24bから後燃焼用空気とを供給するようにしている。
【0031】
そして、この第2の実施形態におけるラジアントチューブバーナー設備においては、排ガス処理部23から排出された燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを前記の後燃焼装置24において燃焼させ、未燃成分ガスをCOやHOに酸化させて排出させるようにしている。
【0032】
このため、前記の排ガス処理部23において未燃成分ガスが十分に処理されずに、未燃成分ガスが残った燃焼排ガスが排ガス処理部23から排出されたとしても、この未燃成分ガスが後燃焼装置24において燃焼されて処理されるようになり、未燃成分ガスが排出されるのを確実に防止できるようになる。なお、この実施形態においては、燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを火炎によって燃焼させる後燃焼装置24を用いるようにしたが、後燃焼装置24はこのようなものに限定されず、電気加熱等によって燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを燃焼させることもできる。
【0033】
次に、第3の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、図3に示すように、前記の第1の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備において、燃焼バーナー部12に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管22に代えて、燃焼排ガスを前記の排ガス処理部23に導くラジアントチューブ11の燃焼排ガスの排出側におけるラジアントチューブ11内に、燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる熱交換部(熱交換手段)25aを設け、この熱交換部25aに燃焼用空気を案内する燃焼用空気案内管25bを設けると共に、前記の熱交換部25aにおいて加熱された燃焼用空気を燃焼バーナー部12に供給する加熱燃焼用空気供給管25cを設けている。
【0034】
そして、この第3の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、前記のように燃焼用空気案内管25bを通して燃焼用空気を熱交換部25aに導き、この熱交換部25aにおいて燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させ、このように加熱された燃焼用空気を、前記の加熱燃焼用空気供給管25cを通して燃焼バーナー部12に供給し、このように加熱された燃焼用空気と燃料ガスとを燃焼バーナー部12において混合させて、燃料ガスをラジアントチューブ11内で燃焼させるようにする。
【0035】
このようにすると、燃料ガスを燃焼用空気と混合させて燃焼させる際に、燃焼排ガスの熱を有効に利用することができるようになる。また、このように熱交換部25aにおいて燃焼排ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行うことにより、ラジアントチューブ11から前記の排ガス処理部23に導かれる燃焼排ガスの温度が低下し、燃焼排ガスの温度が、排ガス処理部23に収容させた三元触媒を使用する温度領域を超えた温度になるのが防止され、三元触媒によって燃焼排ガスを適切に処理できるようになる。なお、この実施形態においては、熱交換部25aをラジアントチューブ11内に設けるようにしたが、熱交換部25aをラジアントチューブ11の外部に設けるようにすることも可能である。
【0036】
次に、第4の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、図4に示すように、前記の第1の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備において、燃料ガス供給管21を通して燃焼バーナー部12に供給する燃料ガスの一部を、前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に導く燃料ガス案内路26と、この燃料ガス案内路26を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に案内する燃料ガスの量を制御する制御弁(制御手段)26aとを設けている。
【0037】
そして、この第4の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、前記の燃焼バーナー部12において燃焼された後の燃焼排ガスに含まれるNOxの量に対応させて、前記の制御弁26aにより、燃料ガス案内路26を通して案内する燃料ガスの量を制御するようにしている。
【0038】
ここで、前記の燃料ガス供給管21と燃焼用空気供給管22とを通して燃焼バーナー部12に供給する燃料ガスと燃焼用空気とを供給するにあたり、燃焼用空気の量を多くし、例えば、空気比μが1.0を超えるようにして、燃料ガスを前記の燃焼バーナー部12において燃焼させた場合、十分な量の燃焼用空気によって燃料ガスが燃焼され、燃焼排ガス中におけるCOガスや炭化水素(HC)ガス等の未燃成分ガスが減少する一方、燃焼時にNOxが多く発生して、燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになる。
【0039】
そして、このように燃焼排ガス中にNOxが多く含まれるようになった場合には、前記の制御弁26aにより、前記の燃料ガス案内路26を通して排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に案内する燃料ガスの量を制御して、適当量の燃料ガスを排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向上流側の位置に供給し、前記のNOxが多く含まれる燃焼排ガスと一緒にして、三元触媒を収容させた排ガス処理部23に導くようにする。このようにすると、排ガス処理部23に収容された三元触媒の作用によって、燃焼排ガス中におけるNOxが燃料ガスと反応して、NOxがNに還元されると共に、燃料ガスがCOやHOに酸化された状態で排出されるようになる。
【0040】
次に、第5の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、図5に示すように、前記の第4の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備において、前記の第2の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備に示すように、前記の排ガス処理部23よりも燃焼排ガスの排出方向下流側の位置に後燃焼装置24を設けると共に、前記の第3の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備に示すように、燃焼排ガスを排ガス処理部23に導くラジアントチューブ11の燃焼排ガスの排出側の部分に、燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させる熱交換部25aを設け、この熱交換部25aに加熱させる燃焼用空気を案内する燃焼用空気案内管25bを設けると共に、前記の熱交換部25aにおいて加熱された燃焼用空気を燃焼バーナー部12に供給する加熱燃焼用空気供給管25cを設けている。
【0041】
そして、この第5の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備においては、前記の第3の実施(参考)形態に係るラジアントチューブバーナー設備と同様に、燃焼用空気案内管25bを通して燃焼用空気を熱交換部25aに導き、この熱交換部25aにおいて燃焼排ガスの熱によって燃焼用空気を加熱させ、このように加熱された燃焼用空気を、前記の加熱燃焼用空気供給管25cを通して燃焼バーナー部12に供給し、加熱された燃焼用空気と燃料ガスとを燃焼バーナー部12において混合させて、燃料ガスをラジアントチューブ11内で燃焼させるようにする。
【0042】
このようにすると、前記のように燃料ガスを燃焼用空気と燃料ガスとを混合させて燃焼させる際に、燃焼排ガスの熱を有効に利用することができるようになると共に、ラジアントチューブ11から排ガス処理部23に導かれる燃焼排ガスの温度が低下し、燃焼排ガスの温度が、排ガス処理部23に収容させた三元触媒を使用する温度領域を超えた温度になるのが防止され、三元触媒によって燃焼排ガスを適切に処理できるようになる。
【0043】
また、この第5の実施形態に係るラジアントチューブバーナー設備において、前記の燃料ガス案内路26を通して案内される燃料ガスの量が多くなって、燃焼排ガス中におけるNOxをNに還元させるのに必要とされる量よりも多くの燃料ガスが排ガス処理部23に導かれるようになると、排ガス処理部23から未燃成分ガスが残った燃焼排ガスが排出されるようになる。このような場合には、前記の第2の実施形態におけるラジアントチューブバーナー設備と同様に、排ガス処理部23から排出された燃焼排ガスに残った未燃成分ガスを後燃焼装置24において燃焼させ、未燃成分ガスをCOやHOに酸化させて排出させるようにすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 :炉
1a :炉壁
10 :ラジアントチューブバーナー
11 :ラジアントチューブ
12 :燃焼バーナー部
21 :燃料ガス供給管
22 :燃焼用空気供給管
23 :排ガス処理部
24 :後燃焼装置
24a :後燃焼用燃料ガス供給管
24b :後燃焼用空気供給管
25a :熱交換部(熱交換手段)
25b :燃焼用空気案内管
25c :加熱燃焼用空気供給管
26 :燃料ガス案内路
26a :制御弁(制御手段)
図1
図2
図3
図4
図5