(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信システムの入力において受信した入力信号を、前記第1経路に沿って伝播する第1周波数帯域の第1信号と、前記第2経路に沿って伝播する第2周波数帯域の第2信号とに分割するべく構成されるマルチプレクサをさらに含む請求項1の受信システム。
前記第1インピーダンス整合部品は、前記第1周波数帯域に対する前記第1経路の雑音指数の少なくとも一つを低減し、又は前記第1周波数帯域に対する前記第1経路の利得を増加させるべく、前記第1周波数帯域に基づいて選択されるインピーダンスを有する請求項6の受信システム。
前記第1インピーダンス整合部品は、前記第2周波数帯域に対する前記第1経路の雑音指数の少なくとも一つを低減するべく、又は前記第2周波数帯域に対する前記第1経路の利得を増加させるべく、前記第2周波数帯域に基づいて選択されるインピーダンスを有する請求項7の受信システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここに与えられる見出しは、たとえあったとしても、便宜のみのためであって、必ずしも請求項に係る発明の範囲又は意味に影響するわけではない。
【0024】
図1は、一次アンテナ130及びダイバーシティアンテナ140に結合された通信モジュール110を有する無線デバイス100を示す。通信モジュール110(及びその構成部品)は、制御器120により制御することができる。通信モジュール110は、アナログ無線周波数(RF)信号及びデジタルデータ信号間の変換をするべく構成される送受信器112を含む。それを目的として、送受信器112は、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器、ベース帯域アナログ信号を搬送周波数に変調若しくは搬送周波数から復調する局所発振器、デジタルサンプル及びデータビット(例えば音声又は他のタイプのデータ)間の変換をするベース帯域プロセッサ、又は他の部品を含み得る。
【0025】
通信モジュール110はさらに、一次アンテナ130及び送受信器112間に結合されたRFモジュール114を含む。RFモジュール114は、ケーブル損失に起因する減衰を低減するべく一次アンテナ130に物理的に近いので、RFモジュール114は、フロントエンドモジュール(FEM)と称することができる。RFモジュール114は、送受信器112の一次アンテナ130から受信したアナログ信号、又は送受信器112から受信して一次アンテナ130を介して送信するアナログ信号に処理を行うことができる。それを目的として、RFモジュール114は、フィルタ、電力増幅器、帯域選択スイッチ、整合回路及び他の部品を含み得る。同様に、通信モジュール110は、同様の処理を行う送受信器112とダイバーシティアンテナ140との間に結合されたダイバーシティRFモジュール116を含む。
【0026】
信号が無線デバイスに送信されると当該信号は、一次アンテナ130及びダイバーシティアンテナ140の双方において受信され得る。一次アンテナ130及びダイバーシティアンテナ140は物理的に離間しているので、一次アンテナ130及びダイバーシティアンテナ140において受信される信号は異なる特性を備える。例えば、一実施形態において、一次アンテナ130及びダイバーシティアンテナ140は、異なる減衰、雑音、周波数応答又は位相シフトを備えた信号を受信し得る。送受信器112は、異なる特性を備えた双方の信号を使用して、当該信号に対応するデータビットを決定することができる。いくつかの実装において、送受信器112は、当該特性に基づき一次アンテナ130及びダイバーシティアンテナ140間から、信号対雑音比が最高のアンテナを選択するというように、選択される。いくつかの実装において、送受信器112は、一次アンテナ130からの信号とダイバーシティアンテナ140からの信号とを結合して当該結合信号の信号対雑音比を増加させる。いくつかの実装において、送受信器112は、多重入力/多重出力(MIMO)通信を行うべく信号を処理する。
【0027】
ダイバーシティアンテナ140は一次アンテナ130から物理的に離間しているので、ダイバーシティアンテナ140は、ケーブル又はプリント回路基板(PCB)トレースのような送信線135を介して通信モジュール110に結合される。いくつかの実装において、送信線135は損失性であり、ダイバーシティアンテナ140において受信された信号を減衰させ、その後、当該信号は通信モジュール110に到達する。すなわち、いくつかの実装において、以下に記載するように、ダイバーシティアンテナ140において受信された信号に利得が適用される。利得(又は他の、フィルタリングのようなアナログ処理)は、ダイバーシティ受信器モジュールによって適用することができる。かかるダイバーシティ受信器モジュールは、ダイバーシティアンテナ140の物理的近くに配置されるので、ダイバーシティ受信器フロントエンドモジュールと称することができる。
【0028】
図2は、DRxフロントエンドモジュール(FEM)210を含むダイバーシティ受信器(DRx)構成200を示す。DRx構成200は、ダイバーシティ信号を受信して当該ダイバーシティ信号をDRxFEM210に与えるべく構成されたダイバーシティアンテナ140を含む。DRxFEM210は、ダイバーシティアンテナ140から受信したダイバーシティ信号の処理を行うべく構成される。例えば、DRxFEM210は、ダイバーシティ信号を、例えば制御器120によって指示されるような一以上のアクティブ周波数帯域へとフィルタリングするべく構成することができる。他例では、DRxFEM210は、ダイバーシティ信号を増幅するべく構成することができる。それを目的として、DRxFEM210は、フィルタ、低雑音増幅器、帯域選択スイッチ、整合回路及び他の部品を含み得る。
【0029】
DRxFEM210は、処理されたダイバーシティ信号を、送信線135を介して、ダイバーシティRF(D−RF)モジュール116のような下流側モジュールへと送信する。下流側モジュールは、さらに処理されたダイバーシティ信号を送受信器112に供給する。ダイバーシティRFモジュール116(及び、いくつかの実装においては送受信器)は、制御器120によって制御される。いくつかの実装において、制御器120は、送受信器112内に実装される。
【0030】
図3は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器(DRx)構成300が、多重周波数帯域に対応する多重経路を備えたDRxモジュール310を含み得ることを示す。DRx構成300は、ダイバーシティ信号を受信するべく構成されたダイバーシティアンテナ140を含む。いくつかの実装において、ダイバーシティ信号は、単一周波数帯域に変調されたデータを含む単一帯域信号とすることができる。いくつかの実装において、ダイバーシティ信号は、多重周波数帯域に変調されたデータを含む多重帯域信号(帯域間キャリアアグリゲーション信号とも称する)とすることができる。
【0031】
DRxモジュール310は、ダイバーシティアンテナ140からのダイバーシティ信号を受信する入力と、処理されたダイバーシティ信号を送受信器330に(送信線135及びダイバーシティRFモジュール320を介して)与える出力とを有する。DRxモジュール310の入力は、第1マルチプレクサ(MUX)311の入力に供給される。第1マルチプレクサ311は複数のマルチプレクサ出力を含む。各マルチプレクサ出力は、DRxモジュール310の入力及び出力間の経路に対応する。各経路は、各周波数帯域に対応し得る。DRxモジュール310の出力は、第2マルチプレクサ312の出力によって与えられる。第2マルチプレクサ312は複数のマルチプレクサ入力を含む。各マルチプレクサ入力は、DRxモジュール310の入力及び出力間の経路の一つに対応する。
【0032】
周波数帯域は、UMTS(ユニバーサル移動体通信システム)周波数帯域のようなセルラー周波数帯域とすることができる。例えば、第1周波数帯域を1930メガヘルツ(MHZ)及び1990MHz間のUMTSダウンリンク又は「Rx」帯域2とし、かつ、第2周波数帯域を869MHz及び894MHz間のUMTSダウンリンク又は「Rx」帯域5とすることができる。表1において以下に記載のもの又は他の非UMTS周波数帯域のような、他のダウンリンク周波数帯域も使用され得る。
【0033】
いくつかの実装において、DRxモジュール310はDRx制御器302を含む。DRx制御器302は、制御器120(通信制御器とも称する)から信号を受信し、当該受信信号に基づいて入力及び出力間の複数の経路の一以上を選択的にアクティブにする。いくつかの実装において、DRxモジュール310は、DRx制御器302を含まずに制御器120が、複数の経路の一以上を直接、選択的にアクティブにする。
【0034】
上述のように、いくつかの実装において、ダイバーシティ信号は単一帯域信号である。すなわち、いくつかの実装において、第1マルチプレクサ311は、単一帯域信号の周波数帯域に対応する複数の経路の一つへと、DRx制御器302から受信した信号に基づきダイバーシティ信号を引き回す単極/多投(SPMT)スイッチである。DRx制御器302は、DRx制御器302が通信制御器120から受信した帯域選択信号に基づいて信号を発生させることができる。同様に、いくつかの実装において、第2マルチプレクサ312は、DRx制御器302から受信した信号に基づき、単一帯域信号の周波数帯域に対応する複数の経路の一つからの信号を引き回すSPMTスイッチである。
【0035】
上述のように、いくつかの実装において、ダイバーシティ信号は多重帯域信号である。すなわち、いくつかの実装において、第1マルチプレクサ311は、DRx制御器302.から受信した分割器制御信号に基づいて、多重帯域信号の2以上周波数帯域に対応する複数の経路の2以上にダイバーシティ信号を引き回す信号分割器である。信号分割器の機能は、SPMTスイッチ、ダイプレクサフィルタ、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装することができる。同様に、いくつかの実装において、第2マルチプレクサ312は、多重帯域信号の2以上の周波数帯域に対応する複数の経路の2以上からの信号を、DRx制御器302から受信した結合器制御信号に基づいて結合する信号結合器である。信号結合器の機能は、SPMTスイッチ、ダイプレクサフィルタ、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装することができる。DRx制御器302は、DRx制御器302が通信制御器120から受信した帯域選択信号に基づいて分割器制御信号及び結合器制御信号を発生させることができる。
【0036】
すなわち、いくつかの実装において、DRx制御器302は、DRx制御器302が(例えば通信制御器120から)受信した帯域選択信号に基づいて、複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器302は、信号分割器に分割器制御信号を送信しかつ信号結合器に結合器制御信号を送信することによって複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。
【0037】
DRxモジュール310は複数の帯域通過フィルタ313a〜313dを含む。帯域通過フィルタ313a〜313dの各一つは、複数の経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、帯域通過フィルタにおいて受信された信号を、当該複数の経路の当該一つの対応周波数帯域へとフィルタリングするべく構成される。いくつかの実装において、帯域通過フィルタ313a〜313dはさらに、帯域通過フィルタにおいて受信した信号を、当該複数の経路の当該一つの対応周波数帯域のダウンリンク周波数サブ帯域へとフィルタリングするべく構成される。DRxモジュール310は複数の増幅器314a〜314dを含む。増幅器314a〜314dの各一つは、複数の経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、当該増幅器において受信した信号を増幅するべく構成される。
【0038】
いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは、当該増幅器が設けられた経路の対応周波数帯域内の信号を増幅するべく構成された狭帯域増幅器である。いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは、DRx制御器302によって制御可能である。例えば、いくつかの実装において、増幅器314a〜314dはそれぞれ、イネーブル/ディセーブル入力を含み、当該イネーブル/ディセーブル入力において受信した増幅器イネーブル信号に基づいてイネーブル(又はディセーブル)にされる。増幅器イネーブル信号は、DRx制御器302によって送信することができる。すなわち、いくつかの実装において、DRx制御器302は、複数の経路の一以上に沿ってそれぞれが設けられた増幅器314a〜314dの一以上に増幅器イネーブル信号を送信することにより、当該複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。かかる実装においては、DRx制御器302による制御というよりもむしろ、第1マルチプレクサ311を、ダイバーシティ信号を複数の経路のそれぞれに引き回す信号分割器とし、第2マルチプレクサ312を、当該複数の経路のそれぞれからの信号を結合する信号結合器とすることができる。しかしながら、DRx制御器302が第1マルチプレクサ311及び第2マルチプレクサ312を制御する実装において、DRX制御器302はまた、例えば電池を節約するべく特定の増幅器314a〜314dをイネーブル(又はディセーブル)にすることもできる。
【0039】
いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは可変利得増幅器(VGA)である。すなわち、いくつかの実装において、DRxモジュール310は複数の可変利得増幅器(VGA)を含み、VGAの各一つは、複数の経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、当該VGAにおいて受信した信号を、DRx制御器302から受信した増幅器制御信号によって制御される利得によって増幅するべく構成される。
【0040】
VGAの利得は、バイパス可能、ステップ可変、連続可変とすることができる。いくつかの実装において、VGAの少なくとも一つは、固定利得増幅器と、増幅器制御信号によって制御可能なバイパススイッチとを含む。バイパススイッチは(第1位置において)、固定利得増幅器の入力と当該固定利得増幅器の出力との間の線を閉とすることにより、信号が当該固定利得増幅器をバイパスするのを許容することができる。バイパススイッチは(第2位置において)入力及び出力間の線を開とすることにより、信号が固定利得増幅器を通過するようにできる。いくつかの実装において、バイパススイッチが第1位置にあると、固定利得増幅器はディセーブルにされ、又はバイパスモードに適合するべく再構成される。
【0041】
いくつかの実装において、VGAの少なくとも一つは、当該VGAにおいて受信した信号を、増幅器制御信号によって指示された複数の構成量の一つの利得によって増幅するべく構成されたステップ可変利得増幅器を含む。いくつかの実装において、VGAの少なくとも一つは、当該VGAにおいて受信した信号を増幅器制御信号に比例する利得によって増幅するべく構成された連続可変利得増幅器を含む。
【0042】
いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは可変電流増幅器(VCA)である。VCAにより引き出される電流は、バイパス可能、ステップ可変、連続可変とすることができる。いくつかの実装において、VCAの少なくとも一つは、固定電流増幅器と、増幅器制御信号によって制御可能なバイパススイッチとを含む。バイパススイッチは(第1位置において)、固定電流増幅器の入力と当該固定電流増幅器の出力との間の線を閉とすることにより、信号が当該固定電流増幅器をバイパスするのを許容することができる。バイパススイッチは(第2位置において)入力及び出力間の線を開とすることにより、信号が固定電流増幅器を通過するようにできる。いくつかの実装において、バイパススイッチが第1位置にあると、固定電流増幅器はディセーブルにされ、又はバイパスモードに適合するべく再構成される。
【0043】
いくつかの実装において、VCAの少なくとも一つは、当該VCAにおいて受信した信号を、増幅器制御信号によって指示された複数の構成量の一つの電流を引き出すことによって増幅するべく構成されたステップ可変電流増幅器を含む。いくつかの実装において、VCAの少なくとも一つは、当該VCAにおいて受信した信号を、増幅器制御信号に比例する電流を引き出すことによって増幅するべく構成された連続可変電流増幅器を含む。
【0044】
いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは、固定利得、固定電流増幅器である。いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは、固定利得、可変電流増幅器である。いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは、可変利得、固定電流増幅器である。いくつかの実装において、増幅器314a〜314dは、可変利得、可変電流増幅器である。
【0045】
いくつかの実装において、DRx制御器302は、入力において受信した入力信号の、サービス品質メトリックに基づいて増幅器制御信号(複数可)を発生させる。いくつかの実装において、DRx制御器302は、通信制御器120から受信した信号に基づいて増幅器制御信号(複数可)を発生させる。増幅器制御信号はさらに、受信信号のサービス品質(QoS)メトリックに基づき得る。受信信号のQoSメトリックは、少なくとも部分的には、ダイバーシティアンテナ140において受信したダイバーシティ信号(例えば入力において受信した入力信号)に基づき得る。受信信号のQoSメトリックはさらに、一次アンテナにおいて受信した信号に基づき得る。いくつかの実装において、DRx制御器302は、通信制御器120から信号を受信することなく、ダイバーシティ信号のQoSメトリックに基づいて増幅器制御信号(複数可)を発生させる。
【0046】
いくつかの実装において、QoSメトリックは信号強度を含む。他例では、QoSメトリックは、ビット誤り率、データスループット、送信遅延、又は任意の他のQoSメトリックを含み得る。
【0047】
上述のように、DRxモジュール310は、ダイバーシティアンテナ140からのダイバーシティ信号を受信する入力と、処理されたダイバーシティ信号を送受信器330に(送信線135及びダイバーシティRFモジュール320を介して)与える出力とを有する。ダイバーシティRFモジュール320は、処理されたダイバーシティ信号を、送信線135を介して受信してさらなる処理を行う。特に、処理されたダイバーシティ信号は、ダイバーシティRFマルチプレクサ321によって一以上の経路へと分割され又は引き回される。当該経路において、分割され又は引き回された信号は、対応する帯域通過フィルタ323a〜323dによるフィルタリングを受け、対応する増幅器324a〜324dによって増幅される。増幅器324a〜324dそれぞれの出力は、送受信器330に与えられる。
【0048】
ダイバーシティRFマルチプレクサ321は、経路の一以上を選択的にアクティブにするべく制御器120によって(直接的に又はオンチップダイバーシティRF制御器を介してのいずれかにより)制御することができる。同様に、増幅器324a〜324dも制御器120によって制御され得る。例えば、いくつかの実装において、増幅器324a〜324dのそれぞれは、イネーブル/ディセーブル入力を含み、増幅器イネーブル信号に基づきイネーブル(又はディセーブル)にされる。いくつかの実装において、増幅器324a〜324dは、制御器120(又は制御器120が制御するオンチップダイバーシティRF制御器)から受信した増幅器制御信号が制御する利得により、VGAにおいて受信した信号を増幅する可変利得増幅器(VGA)である。いくつかの実装において、増幅器324a〜324dは可変電流増幅器(VCA)である。
【0049】
すでにダイバーシティRFモジュール320を含んだ受信器チェーンにDRxモジュール310を追加することにより、DRx構成300における帯域通過フィルタの数は2倍となる。すなわち、いくつかの実装において、帯域通過フィルタ323a〜323dは、ダイバーシティRFモジュール320には含まれない。むしろ、DRxモジュール310の帯域通過フィルタ313a〜313dが、帯域外ブロッカーの強度を低減するべく使用される。さらに、ダイバーシティRFモジュール320の自動利得制御(AGC)テーブルをシフトして、ダイバーシティRFモジュール320の増幅器324a〜324dが与える利得量を、DRxモジュール310の増幅器314a〜314dが与える利得量だけ低減することができる。
【0050】
例えば、DRxモジュール利得が15dBでありかつ受信器感度が−100dBmの場合、ダイバーシティRFモジュール320は−85dBmの感度となる。ダイバーシティRFモジュール320の閉ループAGCがアクティブになると、その利得は自動的に15dBだけ降下する。しかしながら、信号部品及び帯域外ブロッカーの双方が受信されて15dBだけ増幅される。すなわち、ダイバーシティRFモジュール320の15dB利得降下には、その線形性の15dB上昇も付随し得る。特に、ダイバーシティRFモジュール320の増幅器324a〜324dは、当該増幅器の線形性が、利得低減(又は電流増加)に伴い増加するように設計され得る。
【0051】
いくつかの実装において、制御器120は、DRxモジュール310の増幅器314a〜314dとダイバーシティRFモジュール320の増幅器324a〜324dとの利得(及び/又は電流)を制御する。上記例においてのように、制御器120は、DRxモジュール310の増幅器314a〜314dが与える一定量の利得が増加することに応答して、ダイバーシティRFモジュール320の増幅器324a〜324dが与える一定量の利得を低減することができる。すなわち、いくつかの実装において、制御器120は、(ダイバーシティRFモジュール320の増幅器324a〜324dのための)下流側増幅器制御信号を(DRxモジュール310の増幅器314a〜314dのための)増幅器制御信号に基づいて発生させ、かつ、送信線135を介して(DRxモジュール310の)出力に結合された一以上の下流側増幅器324a〜324dの利得を制御するべく構成される。いくつかの実装において、制御器120はまた、無線デバイスの、フロントエンドモジュール(FEM)における増幅器のような他の部品の利得も増幅器制御信号に基づいて制御する。
【0052】
上述のように、いくつかの実装において、帯域通過フィルタ323a〜323dは含まれない。すなわち、いくつかの実装において、下流側増幅器324a〜324dの少なくとも一つは、下流側帯域通過フィルタを通過することなく、送信線135を介して(DRxモジュール310の)出力に結合される。
【0053】
図4は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成400が、ダイバーシティ受信器(DRx)モジュール310よりも少ない増幅器を備えたダイバーシティRFモジュール420を含み得ることを示す。ダイバーシティ受信器構成400は、
図3を参照して上述されたダイバーシティアンテナ140及びDRxモジュール310を含む。DRxモジュール310の出力が、送信線135を介してダイバーシティRFモジュール420へと通過する。ダイバーシティRFモジュール420は、
図4のダイバーシティRFモジュール420がDRxモジュール310よりも少ない増幅器を含む点で
図3のダイバーシティRFモジュール320とは異なる。
【0054】
上述のように、いくつかの実装において、ダイバーシティRFモジュール420は帯域通過フィルタを含まない。すなわち、いくつかの実装において、ダイバーシティRFモジュール420の一以上の増幅器424は帯域固有とする必要がない。特に、ダイバーシティRFモジュール420は一以上の経路を含み得る。各経路は、DRxモジュール310の経路に一対一でマッピングされない増幅器424を含む。かかる経路(又は対応する増幅器)のマッピングは、制御器120に記憶することができる。
【0055】
したがって、DRxモジュール310が、それぞれが一周波数帯域に対応する一定数の経路を含む一方、ダイバーシティRFモジュール420は、単一周波数帯域に対応しない一以上の経路を含み得る。
【0056】
(
図4に示される)いくつかの実装において、ダイバーシティRFモジュール420は、送信線135から受信した信号を増幅して増幅済み信号をマルチプレクサ421に出力する単一広帯域又はチューニング可能増幅器424を含む。マルチプレクサ421は、それぞれが各周波数帯域に対応する複数のマルチプレクサ出力を含む。いくつかの実装において、ダイバーシティRFモジュール420はいずれの増幅器も含まない。
【0057】
上述のように、いくつかの実装において、ダイバーシティ信号は単一帯域信号である。すなわち、いくつかの実装において、マルチプレクサ421は、制御器120から受信した信号に基づきダイバーシティ信号を、複数の出力の、単一帯域信号の周波数帯域に対応する一つへと引き回すSPMTスイッチである。いくつかの実装において、ダイバーシティ信号は多重帯域信号である。すなわち、いくつかの実装において、マルチプレクサ421は、制御器120から受信した分割器制御信号に基づきダイバーシティ信号を、複数の出力の、多重帯域信号の2以上の周波数帯域に対応する2以上へと引き回す信号分割器である。いくつかの実装において、ダイバーシティRFモジュール420は、単一モジュールとして送受信器330と組み合わせることができる。
【0058】
いくつかの実装において、ダイバーシティRFモジュール420は、それぞれが一組の周波数帯域に対応する多重増幅器を含む。送信線135からの信号は、第1経路に沿って高周波増幅器に高周波を出力しかつ第2経路に沿って低周波増幅器に低周波を出力する帯域分割器へと供給することができる。各増幅器の出力は、当該信号を送受信器330の対応入力へと引き回すべく構成されたマルチプレクサ421へと与えることができる。
【0059】
図5は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成500が、オフモジュールフィルタ513に結合されたDRxモジュール510を含み得ることを示す。DRxモジュール510は、複数の部品を受容するべく構成されたパッケージング基板501と、パッケージング基板501に実装された受信システムとを含み得る。DRxモジュール510は、DRxモジュール510から出るように引き回されて任意の所望帯域のためのフィルタをサポートするシステムインテグレータ、設計者又は製造者にとって利用可能とされた一以上の信号経路を含み得る。
【0060】
DRxモジュール510は、DRxモジュール510の入力及び出力間に一定数の経路を含む。DRxモジュール510は、DRx制御器502が制御するバイパススイッチ519によってアクティブにされる入力及び出力間のバイパス経路を含む。
図5が単一のバイパススイッチ519を例示するにもかかわらず、いくつかの実装において、バイパススイッチ519は、多重スイッチ(例えば、入力の物理的近くに設けられた第1スイッチ、及び出力の物理的近くに設けられた第2スイッチ)を含み得る。
図5に示されるように、バイパス経路は、フィルタ又は増幅器を含まない。
【0061】
DRxモジュール510は、第1マルチプレクサ511及び第2マルチプレクサ512を含む一定数のマルチプレクサ経路を含む。マルチプレクサ経路は一定数のオンモジュール経路を含む。これは、第1マルチプレクサ511、パッケージング基板501に実装された帯域通過フィルタ313a〜313d、パッケージング基板501に実装された増幅器314a〜314d、及び第2マルチプレクサ512を含む。マルチプレクサ経路は一以上のオフモジュール経路を含む。これは、第1マルチプレクサ511、パッケージング基板501の外に実装された帯域通過フィルタ513、増幅器514、及び第2マルチプレクサ512を含む。増幅器514は、パッケージング基板501に実装された広帯域増幅器とすることができ、又はパッケージング基板501の外に実装することもできる。上述のように、増幅器314a〜314d、514は、可変利得増幅器及び/又は可変電流増幅器とすることができる。
【0062】
DRx制御器502は、入力及び出力間の複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器502は、DRx制御器502が(例えば通信制御器から)受信した帯域選択信号に基づき複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。DRx制御器502は、例えば、バイパススイッチ519の開閉により、増幅器314a〜314d、514のイネーブル又はディセーブルにより、マルチプレクサ511、512の制御により、又は他のメカニズムを介して当該経路を選択的にアクティブにすることができる。例えば、DRx制御器502は、(例えば、フィルタ313a〜313d、513と増幅器314a〜314d、514との間の)経路沿いのスイッチを開閉すること、又は増幅器314a〜314d、514の利得を実質的にゼロに設定することができる。
【0063】
図6Aは、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成600が、一以上の位相整合部品624a〜624bを備えたDRxモジュール610を含み得ることを示す。DRxモジュール610は、アンテナ140に結合されたDRxモジュール610の入力から、送信線135に結合されたDRxモジュール610の出力への2つの経路を含む。
【0064】
図6AのDRxモジュール610において、信号分割器及び帯域通過フィルタはダイプレクサ611として実装される。ダイプレクサ611は、アンテナ140に結合された入力と、第1増幅器314aに結合された第1出力と、第2増幅器314bに結合された第2出力とを含む。第1出力において、ダイプレクサ611は、入力において(例えばアンテナ140から)受信し、第1周波数帯域へのフィルタリングを受けた信号を出力する。第2出力において、ダイプレクサ611は、入力において受信されて第2周波数帯域へのフィルタリングを受けた信号を出力する。いくつかの実装において、ダイプレクサ611は、DRxモジュール610の入力において受信した入力信号を、複数の経路に沿って伝播する複数の周波数帯域それぞれの複数の信号へと分割するべく構成されたトライプレクサ、クアッドプレクサ、又は任意の他のマルチプレクサに置換することができる。
【0065】
上述のように、増幅器314a〜314bの各一つは、当該経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、受信した信号を当該増幅器において増幅するべく構成される。増幅器314a〜314bの出力は、対応する位相シフト部品624a〜624bを通るように供給された後、信号結合器612によって結合される。
【0066】
信号結合器612は、第1位相シフト部品624aに結合された第1入力と、第2位相シフト部品624bに結合された第2入力と、DRxモジュール610の出力に結合された出力とを含む。信号結合器の出力における信号は、第1入力及び第2入力における信号の合計である。すなわち、信号結合器は、複数の経路に沿って伝播する信号を結合するべく構成される。
【0067】
信号がアンテナ140によって受信されると、当該信号は、ダイプレクサ611によって第1周波数帯域へのフィルタリングを受け、第1増幅器314aを通る第1経路に沿って伝播する。フィルタリングを受けた増幅信号は、第1位相シフト部品624aによって位相シフトされて信号結合器612の第1入力に供給される。いくつかの実装において、信号結合器612又は第2増幅器314bは、信号が引き続き逆方向へと、第2経路に沿って信号結合器612を通ることを妨げない。すなわち、信号は、第2位相シフト部品624bを通りかつ第2増幅器314bを通って伝播し、ここでダイプレクサ611から反射される。反射信号は、第2増幅器314b及び第2位相シフト部品624bを通って伝播し、信号結合器612の第2入力に到達する。
【0068】
(信号結合器612の第1入力における)初期信号と(信号結合器612の第2入力における)反射信号とが異相の場合、信号結合器612が行う加算により、信号結合器612の出力において信号が弱められる。同様に、初期信号と反射信号とが同相の場合、信号結合器612が行う加算により、信号結合器612の出力において信号が強められる。すなわち、いくつかの実装において、第2位相シフト部品624bは、(少なくとも第1周波数帯域にある)信号を位相シフトして、初期信号と反射信号とを少なくと部分的に同相にするべく構成される。特に、第2位相シフト部品624bは、(少なくとも第1周波数帯域にある)信号を位相シフトして、初期信号と反射信号との合計の振幅を当該初期信号の振幅よりも大きくするべく構成される。
【0069】
例えば、第2位相シフト部品624bは、第2位相シフト部品624bを通過する信号を、第2増幅器314bを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第2増幅器314bを通る順方向伝播により導入される位相シフトの−1/2倍だけ位相シフトするべく構成することができる。他例では、第2位相シフト部品624bは、第2位相シフト部品624bを通過する信号を、360度と、第2増幅器314bを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第2増幅器314bを通る順方向伝播により導入される位相シフトとの差の半分だけ位相シフトするべく構成することができる。一般に、第2位相シフト部品624bは、第2位相シフト部品624bを通過する信号を、初期信号と反射信号とが360度の(ゼロを含む)整数倍の位相差を有するように位相シフトするべく構成することができる。
【0070】
一例では、初期信号が0度(又は任意の他の基準位相)にあって、第2増幅器314bを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第2増幅器314bを通る順方向伝播は、140度の位相シフトを導入し得る。すなわち、いくつかの実装において、第2位相シフト部品624bは、第2位相シフト部品624bを通過する信号を−70度だけ位相シフトするべく構成される。すなわち、初期信号は、第2位相シフト部品624bによって−70度へと、第2増幅器314bを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第2増幅器314bを通る順方向伝播によって70度へと、並びに第2位相シフト部品624bによって0度へと戻るように位相シフトされる。
【0071】
いくつかの実装において、第2位相シフト部品624bは、第2位相シフト部品624bを通過する信号を110度だけ位相シフトするべく構成される。すなわち、初期信号は、第2位相シフト部品624bによって110度へと、第2増幅器314bを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第2増幅器314bを通る順方向伝播によって250度へと、並びに第2位相シフト部品624bによって360度へと位相シフトされる。
【0072】
同時に、アンテナ140が受信した信号は、ダイプレクサ611による第2周波数帯域へのフィルタリングを受け、第2増幅器314bを通る第2経路に沿って伝播する。フィルタリングを受けた増幅信号は、第2位相シフト部品624bによって位相シフトされて信号結合器612の第2入力に供給される。いくつかの実装において、信号結合器612又は第1増幅器314aは、信号が引き続き逆方向へと、第1経路に沿って信号結合器612を通ることを妨げない。すなわち、信号は、第1位相シフト部品624aを通りかつ第2増幅器314aを通って伝播し、ここでダイプレクサ611から反射される。反射信号は、第1増幅器314a及び第1位相シフト部品624aを通って伝播し、信号結合器612の第1入力に到達する。
【0073】
(信号結合器612の第2入力における)初期信号と(信号結合器612の第1入力における)反射信号とが異相の場合、信号結合器612が行う加算により信号結合器612の出力において信号が弱められ、当該初期信号と当該反射信号とが同相の場合、信号結合器612が行う加算により信号結合器612の出力において信号が強められる。すなわち、いくつかの実装において、第1位相シフト部品624aは、(少なくとも第2周波数帯域にある)信号を位相シフトして、初期信号と反射信号とを少なくとも部分的に同相にするべく構成される。
【0074】
例えば、第1位相シフト部品624aは、第1位相シフト部品624aを通過する信号を、第1増幅器314aを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第1増幅器314aを通る順方向伝播により導入される位相シフトの−1/2倍だけ位相シフトするべく構成することができる。他例では、第1位相シフト部品624aは、第1位相シフト部品624aを通過する信号を、360度と、第1増幅器314aを通る逆方向伝播、ダイプレクサ611からの反射、及び第1増幅器314aを通る順方向伝播により導入される位相シフトとの差の半分だけ位相シフトするべく構成することができる。一般に、第1位相シフト部品624aは、第1位相シフト部品624aを通過する信号を、初期信号と反射信号とが360度の(ゼロを含む)整数倍の位相差を有するように位相シフトするべく構成することができる。
【0075】
位相シフト部品624a〜624bは、受動回路として実装することができる。特に、位相シフト部品624a〜624bはLC回路として実装され、インダクタ及び/又はキャパシタのような一以上の受動部品を含み得る。これらの受動部品は、並列及び/又は直列に接続して増幅器314a〜314bの出力と信号結合器612の入力との間に接続し又は増幅器314a〜314bの出力と接地電圧との間に接続することができる。いくつかの実装において、位相シフト部品624a〜624bは、増幅器314a〜314bと同じダイに又は同じパッケージに集積される。
【0076】
いくつかの実装において(例えば
図6Aに示されるように)、位相シフト部品624a〜624bは、増幅器314a〜314bの後の経路に沿って設けられる。すなわち、位相シフト部品624a〜624bによって引き起こされるいずれの信号減衰も、モジュール610の性能、例えば出力信号の信号対雑音比に影響を与えない。しかしながら、いくつかの実装において、位相シフト部品624a〜624bは、増幅器314a〜314bの前の経路に沿って設けられる。例えば、位相シフト部品624a〜624bは、ダイプレクサ611及び増幅器314a〜314b間に設けられたインピーダンス整合部品に統合することができる。
【0077】
図6Bは、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成640が、一以上の位相整合部品624a〜624b及び二段増幅器614a〜614bを備えたDRxモジュール641を含み得ることを示す。
図6BのDRxモジュール641は、
図6AのDRxモジュール610と実質的に同様である。ただし、
図6AのDRxモジュール610の増幅器314a〜314bが、
図6BのDRxモジュール641における二段増幅器614a〜614bに置換される。
【0078】
図6Cは、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成680が、一以上の位相整合部品624a〜624b及び結合器後段増幅器615を備えたDRxモジュール681を含み得ることを示す。
図6CのDRxモジュール681は、
図6AのDRxモジュール610と実質的に同様である。ただし、
図6CのDRxモジュール681は、信号結合器612の出力とDRxモジュール681の出力との間に設けられた結合器後段増幅器615を含む。増幅器314a〜314bと同様に、結合器後段増幅器615は、DRx制御器(図示せず)が制御する可変利得増幅器(VGA)及び/又は可変電流増幅器とすることができる。
【0079】
図7は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成700が、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dを備えたDRxモジュール710を含み得ることを示す。チューニング可能位相シフト部品724a〜724dはそれぞれ、チューニング可能位相シフト部品を通過する信号を、DRx制御器702から受信した位相シフトチューニング信号によって制御される量だけ位相シフトするべく構成することができる。
【0080】
ダイバーシティ受信器構成700は、アンテナ140に結合された入力と、送信線135に結合された出力とを有するDRxモジュール710を含む。DRxモジュール710は、DRxモジュール710の入力及び出力間に一定数の経路を含む。いくつかの実装において、DRxモジュール710は、DRx制御器702が制御する一以上のバイパススイッチによってアクティブにされる入力及び出力間の一以上のバイパス経路(図示せず)を含む。
【0081】
DRxモジュール710は、入力マルチプレクサ311及び出力マルチプレクサ312を含む一定数のマルチプレクサ経路を含む。マルチプレクサ経路は、入力マルチプレクサ311、帯域通過フィルタ313a〜313d、増幅器314a〜314d、チューニング可能位相シフト部品724a〜724d、出力マルチプレクサ312及び結合器後段増幅器615を含む一定数のオンモジュール経路(図示)を含む。マルチプレクサ経路は、上述のような一以上のオフモジュール経路(図示せず)を含み得る。またも上述のように、増幅器314a〜314d(利得後段増幅器615)は、可変利得増幅器及び/又は可変電流増幅器とすることができる。
【0082】
チューニング可能位相シフト部品724a〜724dは、インダクタ及びキャパシタのような一以上の可変部品を含み得る。これらの可変部品は、並列及び/又は直列に接続して増幅器314a〜314dの出力と出力マルチプレクサ312の入力との間に接続し又は増幅器314a〜314dの出力と接地電圧との間に接続することができる。
【0083】
DRx制御器702は、入力及び出力間の複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器702は、DRx制御器702が(例えば通信制御器から)受信した帯域選択信号に基づき複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。DRx制御器702は、例えば、上述のような増幅器314a〜314dのイネーブル又はディセーブルにより、マルチプレクサ311、312の制御により、又は他のメカニズムを介して当該経路を選択的にアクティブにすることができる。
【0084】
いくつかの実装において、DRx制御器702は、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dをチューニングするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器702は、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dを、帯域選択信号に基づいてチューニングする。例えば、DRx制御器702は、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dを、チューニングパラメータを備えた帯域選択信号によって指示される複数の周波数帯域(又は複数組の周波数帯域)を関連付けるルックアップテーブルに基づいてチューニングすることができる。したがって、DRx制御器702は帯域選択信号に応答して位相シフトチューニング信号を各アクティブ経路のチューニング可能位相シフト部品724a〜724dへと送信し、チューニングパラメータに従って当該チューニング可能位相シフト部品(又はその可変部品)をチューニングすることができる。
【0085】
DRx制御器702は、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dを、帯域外反射信号が出力マルチプレクサ312において帯域外初期信号と同相となるようにチューニングするべく構成することができる。例えば、帯域選択信号が、第1周波数帯域に対応する(第1増幅器314aを通る)第1経路と、第2周波数帯域に対応する(第2増幅器314bを通る)第2経路と、(第3増幅器314cを通る)第3経路とがアクティブにされるべきとの指示をする場合、DRx制御器702は、(1)(第2周波数帯域において)第2経路に沿って伝播する信号に対しては、初期信号が、第1経路に沿って逆方向に伝播し、帯域通過フィルタ313aから反射され、及び第1経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相となるように、並びに(2)(第3周波数帯域において)第3経路に沿って伝播する信号に対しては、初期信号が、第1経路に沿って逆方向に伝播し、帯域通過フィルタ313aから反射され、及び第1経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相となるように、第1チューニング可能位相シフト部品724aをチューニングすることができる。
【0086】
DRx制御器702は、第1チューニング可能位相シフト部品724aを、第2周波数帯域が第3周波数帯域とは異なる量だけ位相シフトされるようにチューニングすることができる。例えば、第2周波数帯域にある信号が140度だけ位相シフトされかつ第3周波数帯域が、第1増幅器314aを通る逆方向伝播、帯域通過フィルタ313aからの反射、及び第1増幅器314bを通る順方向伝播により130度だけ位相シフトされる場合、DRx制御器702は、第2周波数帯域を−70度(又は110度)だけ位相シフトしかつ第3周波数帯域を−65度(又は115度)だけ位相シフトするように第1チューニング可能位相シフト部品724aをチューニングすることができる。
【0087】
DRx制御器702は同様に、第2位相シフト部品724b及び第3位相シフト部品724cもチューニングすることができる。
【0088】
他例では、帯域選択信号が、第1経路、第2経路、及び(第4増幅器314dを通る)第4経路がアクティブにされるべきとの指示をする場合、DRx制御器702は、(1)(第2周波数帯域において)第2経路に沿って伝播する信号に対しては、初期信号が、第1経路に沿って逆方向に伝播し、帯域通過フィルタ313aから反射され、及び第1経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相になるように、並びに(2)(第4周波数帯域において)第4経路に沿って伝播する信号に対しては、初期信号が、第1経路に沿って逆方向に伝播し、帯域通過フィルタ313aから反射され、及び第1経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相となるように、第1チューニング可能位相シフト部品724aをチューニングすることができる。
【0089】
DRx制御器702は、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dの可変部品を、異なる組の周波数帯域に対する異なる値を有するようにチューニングすることができる。
【0090】
いくつかの実装において、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dは、DRx制御器702によりチューニング可能又は制御されることのない固定位相シフト部品に置換される。複数の経路の、一つの周波数帯域に対応する経路の一つの対応経路に沿って設けられた位相シフト部品の各一つは、他の周波数帯域のそれぞれを、対応する他の経路沿いの初期信号が、当該一つの経路に沿って逆方向に伝播し、対応帯域通過フィルタから反射され、及び当該一つの経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相となるように位相シフトするべく構成することができる。
【0091】
例えば、第3位相シフト部品724cは固定され、かつ、(1)(第1経路に沿って伝播する)第1周波数にある初期信号が、第3経路に沿って逆方向に伝播し、第3帯域通過フィルタ313cから反射され、及び第3経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相となるように第1周波数帯域を位相シフトし、(2)(第2経路に沿って伝播する)第2周波数にある初期信号が、第3経路に沿って逆方向に伝播し、第3帯域通過フィルタ313cから反射され、及び第3経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相となるように第2周波数帯域を位相シフトし、並びに(3)(第4経路に沿って伝播する)第4周波数にある初期信号が、第3経路に沿って逆方向に伝播し、第3帯域通過フィルタ313cから反射され、及び第3経路を通って順方向に伝播する反射信号と同相になるように第4周波数帯域を位相シフトするべく構成される。他の位相シフト部品も同様に固定かつ構成することができる。
【0092】
すなわち、DRxモジュール710は、DRxモジュール710の入力とDRxモジュール710の出力との間にある複数の経路の一以上を選択するべく構成されたDRx制御器702を含む。DRxモジュール710はさらに、複数の増幅器314a〜314dを含む。複数の増幅器314a〜314dの各一つは、複数の経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、当該増幅器において受信した信号を増幅するべく構成される。DRxモジュールはさらに、複数の位相シフト部品724a〜724dを含む。複数の位相シフト部品724a〜724dの各一つは、複数の経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、当該位相シフト部品を通過する信号を位相シフトするべく構成される。
【0093】
いくつかの実装において、第1位相シフト部品724aは、第1周波数帯域(例えば第1帯域通過フィルタ313aの周波数帯域)に対応する第1経路に沿って設けられ、かつ、第1位相シフト部品724aを通過する信号の第2周波数帯域(例えば第2帯域通過フィルタ313bの周波数帯域)を位相シフトして、当該第2周波数帯域に対応する第2経路に沿って伝播される初期信号と、当該第1経路に沿って伝播する反射信号とを少なくとも部分的に同相にするべく構成される。
【0094】
いくつかの実装において、第1位相シフト部品724aはさらに、第1位相シフト部品724aを通過する信号の第3周波数帯域(例えば第3帯域通過フィルタ313cの周波数帯域)を位相シフトして、当該第3周波数帯域に対応する第3経路に沿って伝播する初期信号と、当該第1経路に沿って伝播する反射信号とを少なくとも部分的に同相にするべく構成される。
【0095】
同様に、いくつかの実装において、第2経路に沿って設けられた第2位相シフト部品724bは、第2位相シフト部品724bを通過する信号の第1周波数帯域を位相シフトして、第1経路に沿って伝播する初期信号と、当該第2経路に沿って伝播する反射信号とを少なくとも同相にするべく構成される。
【0096】
図8は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成800が、一以上のインピーダンス整合部品834a〜834bを備えたDRxモジュール810を含み得ることを示す。DRxモジュール810は、アンテナ140に結合されたDRxモジュール810の入力から、送信線135に結合されたDRxモジュール810の出力への2つの経路を含む。
【0097】
図8のDRxモジュール810において(
図6AのDRxモジュール610においてのように)、信号分割器及び帯域通過フィルタはダイプレクサ611として実装される。ダイプレクサ611は、アンテナに結合された入力と、第1インピーダンス整合部品834aに結合された第1出力と、第2インピーダンス整合部品834bに結合された第2出力とを含む。第1出力において、ダイプレクサ611は、入力において(例えばアンテナ140から)受信し、第1周波数帯域へのフィルタリングを受けた信号を出力する。第2出力において、ダイプレクサ611は、入力において受信されて第2周波数帯域へのフィルタリングを受けた信号を出力する。
【0098】
インピーダンス整合部品834a〜634dはそれぞれが、ダイプレクサ611及び増幅器314a〜314b間に設けられる。上述のように、増幅器314a〜314bの各一つは、当該経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、受信した信号を当該増幅器において増幅するべく構成される。増幅器314a〜314bの出力は信号結合器612に供給される。
【0099】
信号結合器612は、第1増幅器314aに結合された第1入力と、第2増幅器314bに結合された第2入力と、DRxモジュール610の出力に結合された出力とを含む。信号結合器の出力における信号は、第1入力及び第2入力における信号の合計である。
【0100】
信号がアンテナ140によって受信されると、当該信号は、ダイプレクサ611によって第1周波数帯域へのフィルタリングを受け、第1増幅器314aを通る第1経路に沿って伝播する。同様に、当該信号は、ダイプレクサ611によって第2周波数帯域へのフィルタリングを受け、第2増幅器314bを通る第2経路に沿って伝播する。
【0101】
各経路は、雑音指数及び利得によって特徴付けることができる。各経路の雑音指数は、当該経路に沿って設けられた増幅器及びインピーダンス整合部品によって引き起こされる信号対雑音比(SNR)の劣化表現である。特に、各経路の雑音指数は、インピーダンス整合部品834a〜834bの入力におけるSNRと、増幅器314a〜314bの出力におけるSNRとのデシベル(dB)差である。すなわち、雑音指数は、増幅器の雑音出力と、同じ利得の(雑音を生じない)「理想」増幅器の雑音出力との差の尺度である。同様に、各経路に対する利得は、当該経路に沿って設けられた増幅器及びインピーダンス整合部品によって引き起こされる利得の表現である。
【0102】
各経路の雑音指数及び利得は、異なる周波数帯域に対して異なり得る。例えば、第1経路は、第1周波数帯域のための帯域内雑音指数及び帯域内利得と、第2周波数帯域のための帯域外雑音指数及び帯域外利得とを有し得る。同様に、第2経路は、第2周波数帯域のための帯域内雑音指数及び帯域内利得と、第1周波数帯域のための帯域外雑音指数及び帯域外利得とを有し得る。
【0103】
DRxモジュール810はまた、異なる周波数帯域に対して異なり得る雑音指数及び利得によって特徴付けられる。特に、DRxモジュール810の雑音指数は、DRxモジュール810の入力におけるSNRと、DRxモジュール810の出力におけるSNRとのdB差である。
【0104】
(各周波数帯域における)各経路の雑音指数及び利得は、少なくとも部分的には、インピーダンス整合部品834a〜834bの(各周波数帯域における)インピーダンスに依存する。したがって、有利となり得るのは、インピーダンス整合部品834a〜834bのインピーダンスが、各経路の帯域内雑音指数を最小化し、及び/又は各経路の帯域内利得を最大化することである。すなわち、いくつかの実装において、インピーダンス整合部品834a〜834bはそれぞれが、(かかるインピーダンス整合部品834a〜834bを欠いたDRxモジュールとの比較上)その各経路の帯域内雑音指数を低下させ、及び/又はその各経路の帯域内利得を増加させるべく構成される。
【0105】
2つの経路に沿って伝播する信号は信号結合器612によって結合されるので、増幅器が生成又は増幅する帯域外雑音は、結合された信号に負の影響を与え得る。例えば、第1増幅器314aが生成又は増幅する帯域外雑音は、第2周波数におけるDRxモジュール810の雑音指数を増加させ得る。したがって、有利となり得るのは、インピーダンス整合部品834a〜834bのインピーダンスが、各経路の帯域外雑音指数を最小化し、及び/又は各経路の帯域外利得を最小化することである。すなわち、いくつかの実装において、インピーダンス整合部品834a〜834bはそれぞれが、(かかるインピーダンス整合部品834a〜834bを欠いたDRxモジュールとの比較上)その各経路の帯域外雑音指数を低下させ、及び/又はその各経路の帯域外利得を低下させるべく構成される。
【0106】
インピーダンス整合部品834a〜834bは、受動回路として実装することができる。特に、インピーダンス整合部品834a〜834bはRLC回路として実装され、抵抗器、インダクタ及び/又はキャパシタのような一以上の受動部品を含み得る。これらの受動部品は、並列及び/又は直列に接続してダイプレクサ611の出力と増幅器314a〜314bの入力との間に接続し又はダイプレクサ611の出力と接地電圧との間に接続することができる。いくつかの実装において、インピーダンス整合部品834a〜834bは、増幅器314a〜314bと同じダイに又は同じパッケージに集積される。
【0107】
上述のように、特定の経路に対し有利となり得るのは、インピーダンス整合部品834a〜834bのインピーダンスを、帯域内雑音指数が最小化され、帯域内利得が最大化され、帯域外雑音指数が最小化され、及び帯域外利得が最小化されるようにすることである。インピーダンス整合部品834a〜834bを設計することは、これらの4つすべての目標を、2のみの自由度(例えば、第1周波数帯域におけるインピーダンス、及び第2周波数帯域におけるインピーダンス)で、又は他の様々な制約(例えば、部品数、コスト、ダイ空間)で達成することは困難となり得る。したがって、いくつかの実装において、帯域内雑音指数から帯域内利得をマイナスした帯域内メトリックを最小化し、かつ、帯域外雑音指数から帯域外利得をプラスした帯域外メトリックを最小化する。これらの目標の双方を様々な制約とともに達成するべくインピーダンス整合部品834a〜834bを設計することも依然として困難となり得る。すなわち、いくつかの実装において、帯域内メトリックは一組の制約を受けて最小化され、及び、帯域外メトリックは、当該一組の制約と、当該帯域内メトリックは、しきい量(例えば0.1dB、0.2dB、0.5dB又は任意の他の値)を超えるだけ増加させないという付加的制約とに応じて最小化される。したがって、インピーダンス整合部品は、帯域内雑音指数から帯域内利得をマイナスした帯域内メトリックを、例えば任意の制約を受けて可能な帯域内メトリック最小値のような帯域内メトリック最小値のしきい量内にまで低減するべく構成される。インピーダンス整合部品はさらに、帯域外雑音指数に帯域外利得をプラスした帯域外メトリックを、例えば、帯域内メトリックは、しきい量を超えるだけ増加させないという付加的制約を受けて可能な、帯域外メトリック最小値のような帯域内制約帯域外最小値にまで低減するべく構成される。いくつかの実装において、(帯域内因子により重み付けされた)帯域内メトリックに(帯域外因子により重み付けされた)帯域外メトリックをプラスした複合メトリックは、任意の制約を受けて最小化される。
【0108】
すなわち、いくつかの実装において、インピーダンス整合部品834a〜834bはそれぞれが、その各経路の帯域内メトリック(帯域内雑音指数マイナス帯域内利得)を、(例えば帯域内雑音指数を低下させ、帯域内利得を増加させ、又はその双方により)低下させるべく構成される。いくつかの実装において、インピーダンス整合部品834a〜834bのそれぞれはさらに、その各経路の帯域外メトリック(帯域外雑音指数プラス帯域外利得)を、(例えば帯域外雑音指数を低下させ、帯域外利得を低下させ、又はその双方により)低下させるべく構成される。
【0109】
いくつかの実装において、帯域外メトリックを低下させることにより、インピーダンス整合部品834a〜834bは、他の周波数帯域において雑音指数を実質的に増加させることなく、当該周波数帯域の一以上においてDRxモジュール810の雑音指数を低下させる。
【0110】
図9は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成900が、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを備えたDRxモジュール910を含み得ることを示す。チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dのそれぞれは、DRx制御器902から受信したインピーダンスチューニング信号によって制御されるインピーダンスを表すべく構成することができる。
【0111】
ダイバーシティ受信器構成900は、アンテナ140に結合された入力と送信線135に結合された出力とを有するDRxモジュール910を含む。DRxモジュール910は、DRxモジュール910の入力及び出力間に一定数の経路を含む。いくつかの実装において、DRxモジュール910は、DRx制御器902が制御する一以上のバイパススイッチによってアクティブにされる入力及び出力間の一以上のバイパス経路(図示せず)を含む。
【0112】
DRxモジュール910は、入力マルチプレクサ311及び出力マルチプレクサ312を含む一定数のマルチプレクサ経路を含む。マルチプレクサ経路は、入力マルチプレクサ311を含む一定数のオンモジュール経路(図示)と、帯域通過フィルタ313a〜313dと、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dと、増幅器314a〜314dと、出力マルチプレクサ312とを含む。マルチプレクサ経路は、上述のような一以上のオフモジュール経路(図示せず)を含み得る。またも上述のように、増幅器314a〜314dは、可変利得増幅器及び/又は可変電流増幅器とすることができる。
【0113】
チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934bは、チューニング可能T型回路、チューニング可能π型回路又は任意の他のチューニング可能整合回路とすることができる。チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dは、抵抗器、インダクタ及びキャパシタのような一以上の可変部品を含み得る。これらの可変部品は、並列及び/又は直列に接続して入力マルチプレクサ311の出力と増幅器314a〜314dの入力との間に接続し又は入力マルチプレクサ311の出力と接地電圧との間に接続することができる。
【0114】
DRx制御器902は、入力及び出力間の複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器902は、DRx制御器902が(例えば通信制御器から)受信した帯域選択信号に基づき複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。DRx制御器902は、例えば、上述のような増幅器314a〜314dのイネーブル又はディセーブルにより、マルチプレクサ311、312の制御により、又は他のメカニズムを介して当該経路を選択的にアクティブにすることができる。
【0115】
いくつかの実装において、DRx制御器902は、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dをチューニングするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器702は、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、帯域選択信号に基づいてチューニングする。例えば、DRx制御器902は、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、チューニングパラメータを備えた帯域選択信号によって指示される複数の周波数帯域(又は複数組の周波数帯域)を関連付けるルックアップテーブルに基づいてチューニングすることができる。したがって、DRx制御器902は帯域選択信号に応答してインピーダンスチューニング信号を各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dへと送信し、チューニングパラメータに従って当該チューニング可能インピーダンス整合部品(又はその可変部品)をチューニングすることができる。
【0116】
いくつかの実装において、DRx制御器902は、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、少なくとも部分的には、増幅器314a〜314dの利得及び/又は電流を制御するべく送信された増幅器制御信号に基づいてチューニングする。
【0117】
いくつかの実装において、DRx制御器902は、各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、帯域内雑音指数が最小化(又は低減)され、帯域内利得が最大化(又は増加)され、他の各アクティブ経路に対する帯域外雑音指数が最小化(又は低減)され、及び/又は他の各アクティブ経路に対する帯域外利得が最小化(又は低減)されるようにチューニングするべく構成される。
【0118】
いくつかの実装において、DRx制御器902は、各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、帯域内メトリック(帯域内雑音指数マイナス帯域内利得)が最小化(又は低減)され、及び他の各アクティブ経路に対する帯域外メトリック(帯域外雑音指数プラス帯域外利得)が最小化(又は低減)されるようにチューニングするべく構成される。
【0119】
いくつかの実装において、DRx制御器902は、各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、帯域内メトリックが一組の制約を受けて最小化(又は低減)され、及び、当該一組の制約と、当該帯域内メトリックは、しきい量(例えば0.1dB、0.2dB、0.5dB又は任意の他の値)を超えるだけ増加させないという付加的制約とを受けて他のアクティブ経路に対する帯域外メトリックが最小化(又は低減)されるようにチューニングするべく構成される。
【0120】
すなわち、いくつかの実装において、DRx制御器902は、各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、チューニング可能インピーダンス整合部品が、帯域内雑音指数から帯域内利得をマイナスした帯域内メトリックを、例えば任意の制約を受けて可能な帯域内メトリック最小値のような帯域内メトリック最小値のしきい量内にまで低減するべく構成される。DRx制御器902はさらに、各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、チューニング可能インピーダンス整合部品が、帯域外雑音指数に帯域外利得をプラスした帯域外メトリックを、例えば帯域内メトリックがしきい量を超えるだけ増加させないという付加的制約を受けて可能な帯域外メトリック最小値のような帯域内制約帯域外最小値にまで低減するようにチューニングするべく構成される。
【0121】
いくつかの実装において、DRx制御器902は、各アクティブ経路のチューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dを、(帯域内因子により重み付けされた)帯域内メトリックに(他の各アクティブ経路に対する帯域外因子により重み付けされた)他の各アクティブ経路に対する帯域外メトリックをプラスした複合メトリックが任意の制約を受けて最小化(又は低減)されるようにチューニングするべく構成される。
【0122】
DRx制御器902は、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dの可変部品を、異なる組の周波数帯域に対する異なる値を有するようにチューニングすることができる。
【0123】
いくつかの実装において、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dは、DRx制御器902によりチューニング可能又は制御されることのない固定インピーダンス整合部品に置換される。複数の経路の、一つの周波数帯域に対応する経路の一つの対応経路に沿って設けられたインピーダンス整合部品の各一つは、当該一つの周波数帯域に対する帯域内メトリックを低減(又は最小化)し、かつ、他の周波数帯域の一以上(例えば他の各周波数帯域)に対する帯域外メトリックを低減(又は最小化)するべく構成することができる。
【0124】
例えば、第3インピーダンス整合部品934cは固定され、かつ、(1)第3周波数帯域のための帯域内メトリックを低減し、(2)第1周波数帯域のための帯域外メトリックを低減し、(3)第2周波数帯域のための帯域外メトリックを低減し、及び/又は(4)第4周波数帯域の帯域外メトリックを低減するべく構成される。他のインピーダンス整合部品も同様に固定かつ構成することができる。
【0125】
すなわち、DRxモジュール910は、DRxモジュール910の入力とDRxモジュール910の出力との間にある複数の経路の一以上を選択するべく構成されたDRx制御器902を含む。DRxモジュール910はさらに、複数の増幅器314a〜314dを含む。複数の増幅器314a〜314dの各一つは、複数の経路の一つの対応経路に沿って設けられ、かつ、当該増幅器において受信した信号を増幅するべく構成される。DRxモジュールはさらに、複数のインピーダンス整合部品934a〜934dを含む。複数の位相シフト部品934a〜934dの各一つは、複数の経路の対応する一つの経路に沿って設けられ、かつ、当該複数の経路の一つの対応経路の帯域外雑音指数又は帯域外利得の少なくとも一つを低減するべく構成される。
【0126】
いくつかの実装において、第1インピーダンス整合部品934aは、第1周波数帯域(例えば第1帯域通過フィルタ313aの周波数帯域)に対応する第1経路に沿って設けられ、かつ、第2経路に対応する第2周波数帯域(例えば第2帯域通過フィルタ313bの周波数帯域)のための帯域外雑音指数又は帯域外利得の少なくとも一つを低減するべく構成される。
【0127】
いくつかの実装において、第1インピーダンス整合部品934aはさらに、第3経路に対応する第3周波数帯域(例えば第3帯域通過フィルタ313cの周波数帯域)のための帯域外雑音指数又は帯域外利得の少なくとも一つを低減するべく構成される。
【0128】
同様に、いくつかの実装において、第2経路に沿って設けられた第2インピーダンス整合部品934bは、第1周波数帯域のための帯域外雑音指数又は帯域外利得の少なくとも一つを低減するべく構成される。
【0129】
図10は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成1000が、入力及び出力に設けられたチューニング可能インピーダンス整合部品を備えたDRxモジュール1010を含み得ることを示す。DRxモジュール1010は、DRxモジュール1010の入力及び出力の一以上に設けられた一以上のチューニング可能インピーダンス整合部品を含み得る。特に、DRxモジュール1010は、DRxモジュール1010の入力に設けられた入力チューニング可能インピーダンス整合部品1016、DRxモジュール1010の出力に設けられた出力チューニング可能インピーダンス整合部品1017、又はその双方を含み得る。
【0130】
同じダイバーシティアンテナ140において受信した多重周波数帯域のすべてが、理想的なインピーダンス整合である可能性は低い。コンパクト整合回路を使用して各周波数帯域を整合させるべく、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016をDRxモジュール1010の入力に実装して(例えば通信制御器からの帯域選択信号に基づき)DRx制御器1002によって制御することができる。例えば、DRx制御器1002は、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016を、チューニングパラメータを備えた帯域選択信号によって指示される複数の周波数帯域(又は複数組の周波数帯域)を関連付けるルックアップテーブルに基づいてチューニングすることができる。したがって、DRx制御器1002は帯域選択信号に応答して入力インピーダンスチューニング信号を、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016へと送信し、チューニングパラメータに従って当該チューニング可能入力インピーダンス整合部品(又はその可変部品)をチューニングすることができる。
【0131】
チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016は、チューニング可能T型回路、チューニング可能π型回路又は任意の他のチューニング可能整合回路とすることができる。特に、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016は、抵抗器、インダクタ及びキャパシタのような一以上の可変部品を含み得る。これらの可変部品は、並列及び/又は直列に接続してDRxモジュール1010の入力と第1マルチプレクサ311の入力との間に接続し又はDRxモジュール1010の入力と接地電圧との間に接続することができる。
【0132】
同様に、多くの周波数帯域の信号を搬送する一つのみの送信線135(又は少なくともいくつかの送信線)によっては、多重周波数帯域すべてが、理想的なインピーダンス整合となる可能性は低い。コンパクト整合回路を使用して各周波数帯域を整合させるべく、チューニング可能出力インピーダンス整合部品1017をDRxモジュール1010の出力に実装して(例えば通信制御器からの帯域選択信号に基づき)DRx制御器1002によって制御することができる。例えば、DRx制御器1002は、チューニング可能出力インピーダンス整合部品1017を、チューニングパラメータを備えた帯域選択信号によって指示された複数の周波数帯域(又は複数組の周波数帯域)を関連付けるルックアップテーブルに基づいてチューニングすることができる。したがって、DRx制御器1002は帯域選択信号に応答して出力インピーダンスチューニング信号を、チューニング可能出力インピーダンス整合部品1017へと送信し、チューニングパラメータに従って当該チューニング可能出力インピーダンス整合部品(又はその可変部品)をチューニングすることができる。
【0133】
チューニング可能出力インピーダンス整合部品1017は、チューニング可能T型回路、チューニング可能π型回路、又は任意の他のチューニング可能整合回路とすることができる。特に、チューニング可能出力インピーダンス整合部品1017は、抵抗器、インダクタ及びキャパシタのような一以上の可変部品を含み得る。これらの可変部品は、並列及び/又は直列に接続して第2マルチプレクサ312の出力とDRxモジュール1010の出力との間に接続し又は第2マルチプレクサ312の出力と接地電圧との間に接続することができる。
【0134】
図11は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成1100が、多重チューニング可能部品を備えたDRxモジュール1110を含み得ることを示す。ダイバーシティ受信器構成1100は、アンテナ140に結合された入力と送信線135に結合された出力とを有するDRxモジュール1110を含む。DRxモジュール1110は、DRxモジュール1110の入力及び出力間に一定数の経路を含む。いくつかの実装において、DRxモジュール1110は、DRx制御器1102が制御する一以上のバイパススイッチによってアクティブにされた入力及び出力間において一以上のバイパス経路(図示せず)を含む。
【0135】
DRxモジュール1110は、入力マルチプレクサ311及び出力マルチプレクサ312を含む一定数のマルチプレクサ経路を含む。マルチプレクサ経路は、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016、入力マルチプレクサ311、帯域通過フィルタ313a〜313d、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934d、増幅器314a〜314d、チューニング可能位相シフト部品724a〜724d、出力マルチプレクサ312及びチューニング可能出力インピーダンス整合部品1017を含む一定数のオンモジュール経路(図示)を含む。マルチプレクサ経路は、上述のような一以上のオフモジュール経路(図示せず)を含み得る。またも上述のように、増幅器314a〜314dは、可変利得増幅器及び/又は可変電流増幅器とすることができる。
【0136】
DRx制御器1102は、入力及び出力間の複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。いくつかの実装において、DRx制御器1102は、DRx制御器1102が(例えば通信制御器から)受信した帯域選択信号に基づき複数の経路の一以上を選択的にアクティブにするべく構成される。DRx制御器902は、例えば、上述のような増幅器314a〜314dのイネーブル又はディセーブルにより、マルチプレクサ311、312の制御により、又は他のメカニズムを介して当該経路を選択的にアクティブにすることができる。いくつかの実装において、DRx制御器1102は、増幅器制御信号を、当該一以上のアクティブにされた経路に沿って設けられた一以上の増幅器314a〜314dそれぞれに送信するべく構成される。増幅器制御信号は、送信先の増幅器の利得(又は電流)を制御する。
【0137】
DRx制御器1102は、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934d、チューニング可能位相シフト部品724a〜724d及びチューニング可能出力インピーダンス整合部品1017の一以上をチューニングするべく構成される。例えば、DRx制御器1102は、チューニング可能部品を、チューニングパラメータを備えた帯域選択信号によって指示された複数の周波数帯域(又は複数組の周波数帯域)を関連付けるルックアップテーブルに基づいてチューニングすることができる。したがって、DRx制御器1101は帯域選択信号に応答してチューニング信号を(アクティブ経路の)チューニング可能部品へと送信し、チューニングパラメータに従ってチューニング可能部品(又はその可変部品)をチューニングすることができる。いくつかの実装において、DRx制御器1102は、チューニング可能部品を、少なくとも部分的には、増幅器314a〜314dの利得及び/又は電流を制御するべく送信された増幅器制御信号に基づいてチューニングする。様々な実装において、チューニング可能部品の一以上は、DRx制御器1102によって制御されることのない固定部品に置換することができる。
【0138】
わかることだが、チューニング可能部品の一つのチューニングは、他のチューニング可能部品のチューニングに影響を与え得る。すなわち、第1チューニング可能部品のためのルックアップテーブルにおけるチューニングパラメータは、第2チューニング可能部品のためのチューニングパラメータに基づき得る。例えば、チューニング可能位相シフト部品724a〜724dのためのチューニングパラメータが、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dのためのチューニングパラメータに基づき得る。他例では、チューニング可能インピーダンス整合部品934a〜934dのためのチューニングパラメータが、チューニング可能入力インピーダンス整合部品1016のためのチューニングパラメータに基づき得る。
【0139】
図12は、RF信号を処理する方法のフローチャート表現の一実施形態を示す。いくつかの実装において(及び例えば以下に詳述されるように)、方法1200は、
図11のDRx制御器1102のような制御器によって行われる。いくつかの実装において、方法1200は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせを含む処理ロジックによって行うことができる。いくつかの実装において、方法1200は、非一時的コンピュータ可読媒体(例えばメモリ)に記憶されたコードを実行するプロセッサによって行われる。簡潔には、方法1200は、帯域選択信号を受信することと、受信RF信号を一以上のチューニングされた経路へと引き回して当該受信RF信号を処理することとを含む。
【0140】
方法1200は、ブロック1210において、制御器が帯域選択信号を受信することから始まる。制御器は、他の制御器から帯域選択信号を受信し、又はセルラー基地局若しくは他の外部ソースから帯域選択信号を受信することができる。帯域選択信号は、無線デバイスがRF信号を送受信する一以上の周波数帯域を指示することができる。いくつかの実装において、帯域選択信号は、キャリアアグリゲーション通信のための一組の周波数帯域を指示する。
【0141】
ブロック1220において、制御器は、ダイバーシティ受信器(DRx)モジュールの一以上の経路を、帯域選択信号に基づき選択的にアクティブにする。上述のように、DRxモジュールは、当該DRxモジュールの(一以上のアンテナに結合された)一以上の入力と(一以上の送信線に結合された)一以上の出力との間にある一定数の経路を含み得る。経路は、バイパス経路及びマルチプレクサ経路を含み得る。マルチプレクサ経路は、オンモジュール経路及びオフモジュール経路を含み得る。
【0142】
制御器は、例えば、一以上のバイパススイッチの開閉により、当該経路に沿って設けられた増幅器の、増幅器イネーブル信号を介したイネーブル若しくはディセーブルにより、一以上のマルチプレクサの、分割器制御信号及び/若しくは結合器制御信号を介した制御により、又は他のメカニズムを介して複数の経路の一以上を選択的にアクティブにすることができる。例えば、制御器は、当該経路に沿って設けられたスイッチを開閉すること、又は当該経路に沿って設けられた増幅器の利得を実質的にゼロに設定することができる。
【0143】
ブロック1230において、制御器はチューニング信号を、一以上のアクティブにされた経路に沿って設けられた一以上のチューニング可能部品へと送信する。チューニング可能部品は、DRxモジュールの入力に設けられたチューニング可能インピーダンス整合部品、それぞれが複数の経路に沿って設けられた複数のチューニング可能インピーダンス整合部品、それぞれが複数の経路に沿って設けられた複数のチューニング可能位相シフト部品、又はDRxモジュールの出力に設けられたチューニング可能出力インピーダンス整合部品の一以上を含み得る。
【0144】
制御器は、チューニング可能部品を、チューニングパラメータを備えた帯域選択信号によって指示された複数の周波数帯域(又は複数組の周波数帯域)を関連付けるルックアップテーブルに基づいてチューニングすることができる。したがって、DRx制御器は帯域選択信号に応答してチューニング信号を(アクティブ経路の)チューニング可能部品へと送信し、チューニングパラメータに従ってチューニング可能部品(又はその可変部品)をチューニングすることができる。いくつかの実装において、制御器は、チューニング可能部品を、少なくとも部分的には、それぞれが一以上のアクティブにされた経路に沿って設けられた一以上の増幅器の利得及び/又は電流を制御するべく送信された増幅器制御信号に基づいてチューニングする。
【0145】
図13は、いくつかの実施形態において、ダイバーシティ受信器構成(例えば
図3〜11に示される構成)のいくつか又はすべてが、一モジュールに全体的に又は部分的に実装可能であることを示す。かかるモジュールは、例えばフロントエンドモジュール(FEM)とすることができる。かかるモジュールは、例えばダイバーシティ受信器(DRx)FEMとすることができる。
図13の例において、モジュール1300はパッケージング基板1302を含み得る。かかるパッケージング基板1302には一定数の部品が搭載され得る。例えば、(フロントエンド電力管理集積回路[FE−PIMC]を含み得る)制御器1304、(一以上の可変利得増幅器を含み得る)低雑音増幅器アセンブリ1306、(一以上の固定又はチューニング可能位相シフト部品1331と一以上の固定又はチューニング可能インピーダンス整合部品1332とを含み得る)整合部品1308、マルチプレクサアセンブリ1310、及び(一以上の帯域通過フィルタを含み得る)フィルタバンク1312を、パッケージング基板1302上に及び/又はパッケージング基板1302内に搭載及び/又は実装可能である。一定数のSMTデバイス1314のような他の部品もまた、パッケージング基板1302に搭載することができる。様々な部品のすべてがパッケージング基板1302上にレイアウトされるように描かれるにもかかわらず、何らかの部品(複数可)が、他の部品(複数可)の上に実装できることが理解される。
【0146】
いくつかの実装において、ここに記載される一以上の特徴を有するデバイス及び/又は回路は、無線デバイスのようなRF電子デバイスに含まれ得る。かかるデバイス及び/又は回路は、無線デバイスに直接、ここに記載されるモジュラー形態で、又はこれらの何らかの組み合わせで実装可能である。いくつかの実施形態において、かかる無線デバイスは、例えば、セルラー電話、スマートフォン、電話機能あり又はなしのハンドヘルド無線デバイス、無線タブレット等を含み得る。
【0147】
図14は、ここに記載される一以上の有利な特徴を有する代表的な無線デバイス1400を描く。ここに記載される一以上の特徴を有する一以上のモジュールの文脈において、かかるモジュールは一般に、破線枠1401(例えばフロントエンドモジュールとして実装可能)、ダイバーシティRFモジュール1411(例えば下流側モジュールとして実装可能)、及びダイバーシティ受信器(DRx)モジュール1300(例えばフロントエンドモジュールとして実装可能)によって描くことができる。
【0148】
図14を参照すると、電力増幅器(PA)1420は、その各RF信号を、増幅及び送信対象のRF信号を周知の態様で発生させるべく構成かつ動作可能な送受信器1410から受信し、受信信号を処理することができる。送受信器1410は、ユーザに適したデータ及び/又は音声信号と送受信器1410に適したRF信号との間の変換を与えるべく構成されたベース帯域サブシステム1408と相互作用をするように示される。送受信器1410はまた、無線デバイス1400の動作のために電力を管理するべく構成された電力管理部品1406と通信することもできる。かかる電力管理はまた、ベース帯域サブシステム1408並びにモジュール1401、1411及び1300の動作を制御することもできる。
【0149】
ベース帯域サブシステム1408は、ユーザに与えられ及びユーザから受けた音声及び/又はデータの様々な入出力を容易にするべく、ユーザインタフェイス1402に接続されるように示される。ベース帯域サブシステム1408はまた、無線デバイスの動作を容易にし及び/又はユーザのための情報記憶を与えるデータ及び/又は命令を記憶するべく構成されたメモリ1404に接続することもできる。
【0150】
代表的な無線デバイス1400において、PA1420の出力は、(対応整合回路1422を介して)対応デュプレクサ1424に整合され及び引き回されるように示される。かかる増幅されかつフィルタリングを受けた信号は、送信を目的としてアンテナスイッチ1414を介して一次アンテナ1416へと引き回すことができる。いくつかの実施形態において、デュプレクサ1424により、共通アンテナ(例えば一次アンテナ1416)を使用して送受信動作を同時に行うことができる。
図14において、受信された信号は、例えば低雑音増幅器(LNA)を含み得る「Rx」経路へと引き回されるように示される。
【0151】
無線デバイスはまた、ダイバーシティアンテナ1426と、ダイバーシティアンテナ1426から信号を受信するダイバーシティ受信器モジュール1300とを含む。ダイバーシティ受信器モジュール1300は、受信信号を処理し、処理された信号を、送信線1435を介してダイバーシティRFモジュール1411へと送信する。ダイバーシティRFモジュール1411は、当該信号をさらに処理した後に送受信器1410に供給する。
【0152】
本開示の一以上の特徴には、ここに記載される様々なセルラー周波数帯域を実装することができる。かかる帯域の例が表1に列挙される。理解されることだが、帯域の少なくともいくつかは、サブ帯域に分割することができる。またも理解されることだが、本開示の一以上の特徴は、表1の例のような指示を有しない周波数範囲も実装することができる。
【表1】
【0153】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0154】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0155】
ここに与えられた本発明の教示は、必ずしも上述のシステムに限られることがなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際、ここに記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。